古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。

 

 最新刊『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』のテーマである「新・軍産複合体」について、「単なる思いつき、妄想だろう」という言葉をかけられた。しかし、それは違う。「単なる思いつき、妄想」ではない。『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』(秀和システム、2021年)から、新・軍産複合体について調査・分析を始めた。新聞や雑誌の記事を中心にした一次資料を渉猟し、「何が起きているのか」「どうしてそのようなことが起きているのか」ということを念頭に調べ上げた結果である。今回ご紹介する記事のタイトルには「新しい軍産複合体(the New Military-Industrial Complex)」という言葉が使われている。この記事は2024年の記事であり、私がこの記事の真似っこをしたということは言えない。「思いつき、妄想」だと思われる方には、是非これまでの本と一緒に、最新刊も読んでもらいたい。

 下記論稿では、私のこれまでの主張が裏付けられる内容が描かれている。アメリカ軍がシリコンヴァレーのテック産業のパランティア・テクノロジーズ社(ピーター・ティール)やアンドゥリル・テクノロジーズ社(パルマー・ラッキー)との関係を深めているということが強調されている。「米国防総省は、各種の無人システムに数十億ドルを費やす構えであり、その過程でハイテク・スタートアップ企業が新たな富を得ることが期待されていることから、シリコンヴァレーを中心とした新たな軍産複合体の出現を見ることができる。当然ながら、退役軍人が有利な職を求めてシリコンヴァレーに集まり、プライベート・エクイティ企業が新たな興味関心に資金を注いでいる」と書かれている。

 結論部は私と意見が異なるが、このように、新・軍産複合体出現は既に重要な事象となっている。最新刊で私は様々な角度から分析をし、このことを日本に伝える努力を行った。是非お読みいただきたい。

(貼り付けはじめ)

新しい軍産複合体に遭遇する(Meet the New Military-Industrial Complex

-米国防総省とシリコンヴァレーの同盟が、第三次世界大戦で中国を打ち破るためにAIをどのように活用しているか。

マイケル・T・クラレ筆

2024年4月22日

『ザ・ネイション』誌

https://www.thenation.com/article/world/ai-military-power-war-china-taiwan-silicon-valley/

2024年3月5日、カリフォルニア州キャンプ・ペンドルトン海兵隊基地のブリーフィング用テントの中を覗き込むと、巨大なフロアスクリーンに、西太平洋を舞台にした「赤」(侵略側)と「青」(防衛側)の部隊の一進一退の攻防が映し出されていた。アメリカの「同等の能力を持つ敵対国(near-peer adversary)」(中国を意味する一般的な代名詞)とされる赤軍の空・海兵隊は、ワシントンの同盟諸国が占領する「青」の領土の奥深くまで侵入したが、青軍の戦闘部隊によって撃退または破壊された。太平洋における第二次世界大戦の現代化版としか言いようのないシナリオでは、青の軍隊は空と海からの攻撃を水陸両用攻撃で補強し、演習開始時に占領した島々から赤軍の侵略者を追い払った。

私がコンピュータの生成したこれらの交戦を見ている間、実際のアメリカ軍と同盟諸国の軍部隊は、赤軍と青軍の両方の役割を演じ、ハワイからテキサスまでの地域で空、海、地上の作戦行動を行った。これらの模擬戦闘は、艦船、飛行機、戦車が互いにロケット弾やミサイルを撃ち合うという、大国間の重要な戦闘で予想されるようなものだった。しかし、この演習は、プロジェクト・コンヴァージェンス・キャプストーン4(Project Convergence Capstone 4PCC4)として知られるこの演習の主な目的は、従来の火力ではなく、むしろ人工知能(AI)、自動データ配信、その他の先端技術を駆使して、アメリカ軍であれ同盟軍であれ、バラバラの戦闘ユニットをまとめ、戦闘での成功を確実にすることである、という点で、ほとんどのアメリカの訓練作戦とは一線を画していることを私は知った。アメリカ陸軍はPCC4について発表した際に次のように述べた。「将来の統合(すなわち多軍種)および多国籍軍の戦闘員は、将来のハイパーアクティブな戦場で勝利するために、機械速度で運用される統合能力を必要とする。キャップストーン4は、こうした必須能力を開発するための学習キャンペーンにおける継続的な実験の最高峰となる」。

アメリカ陸軍はPCC4を発表する際に次のように発表した。「将来の統合軍(すなわち、多軍種)および多国籍軍の戦闘員は、将来の超活発な戦場で勝利するために、機械スピードで動作する統合能力を必要とする。キャップストーン4は、そのような必要不可欠な能力を開発するための学習キャンペーンにおける永続的な実験の頂点となる機会となる」。

プロジェクト・コンヴァージェンスは、次世代部隊の兵器と戦術を設計するために、2018年に設立された陸軍フューチャーズ・コマンド(司令部)によって、ほぼ毎年実施されている。最初のイヴェントであるプロジェクト・コンヴァージェンス2020(Project Convergence 2020PC20)は、アリゾナ州ユマ試験場で開催され、500名の陸軍隊員が参加した。その後の反復ごとに複雑さが増し、2021年には統合軍種(プロジェクト・コンヴァージェンス2021、Project Convergence 2021PC21)、2022年には多国籍イヴェント(PC22)となった。(2023年には演習は実施されなかった。)

今年は、アメリカ軍5軍(陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍)のほか、オーストラリア、カナダ、フランス、日本、ニュージーランド、イギリスの軍から4000名が参加し、これまでで最も手の込んだ複雑なものとなった。PCC4は、4週間にわたる2つのフェーズで行われた。キャンプ・ペンドルトンを中心に、2月23日から3月3日まで行われたフェーズ1では、「インド太平洋における海上シナリオ(maritime scenario in the Indo-Pacific)」に焦点が当てられ、主に航空戦と海上戦が行われた。カリフォルニア州フォート・アーウィンにある陸軍のナショナル・トレーニング・センターで実施されたフェーズ2は、3月11日から20日まで行われ、無人兵器システムの広範囲な使用を含む陸上戦闘演習に重点が置かれた。その多くは一般公開されなかったが、私は3月5日にキャンプ・ペンドルトンに招待された約20人の報道陣の1人として、一連のブリーフィングと武器のデモンストレーションを受けた。

陸軍フューチャーズ・コマンド副司令官のロス・コフマン中将は、フェーズ1終了後の35日、「今年、私たちは脅威の範囲を(PC22の)10倍に拡大した」と報道陣に語った。通信とデータ共有を支援するために2つのマルチドメイン任務部隊が投入されたことを指摘し、「インド太平洋シナリオにおいて、かつてない規模で初めて効果的にデータを移動できるようになった」と主張した。

キャンプ・ペンドルトンのパシフィック・ビューズ・イヴェントセンターで講演したコフマン中将は、PCC4によって構築されたデータ共有ネットワークが電子的な「橋渡し」として機能し、統合部隊のあらゆる部隊間で戦闘情報を瞬時に共有できるようになったと説明した。コフマン中将は「この橋渡しによって、複数のセンサーから複数の射撃装置に情報を渡すことが可能になった。陸軍のセンサーが各軍種の射撃装置にデータを渡し、各軍種のセンサーが他の全ての軍種に同じデータを渡すことが可能になった」と述べた。

広大な太平洋に散在する異なる戦闘部隊間で迅速に情報を共有できることは、将来中国(あるいは当時の言葉で言えば「同等の能力を持つ敵対国」)との紛争において、アメリカまたはその同盟諸国が勝利を確実なものにするために不可欠だと言われていた。想定される敵国は膨大な数の艦船、航空機、ミサイルを保有しているため、アメリカ主導の連合軍は、これらの部隊を迅速に特定し、深刻な被害を与える前に、最適な位置にいる「シューター(shooters)」を用いて無力化する必要があると説明された。迅速な行動を取らなければ、アメリカ、またはその同盟国に多大な損失をもたらし、勝敗の定まらない長期の消耗戦に陥る可能性があると主張されていた。

CJADC2と「レプリケーター」(CJADC2 and “Replicator”

PCC4ネットワークは、プロジェクト・コンヴァージェンスの第1フェーズにおいて、標的データや攻撃命令の伝送に使用されただけでなく、米国防総省の統合全領域指揮統制システム(the Pentagon’s Combined Joint All-Domain Command and ControlCJADC2)のモデルとしても活用された。CJADC2は、センサー、データリンク、自動戦闘管理システムを駆使し、アメリカ軍の全部隊を連携させる精巧なネットワークだ。米国防総省のエリック・パホン報道官は35日に次のように説明した。「CJADC2は、現代戦におけるデータの量と複雑さに対応し、敵を決定的に打ち負かすために不可欠な戦闘システムだ。CJADC2により、統合部隊は自動化、人工知能、予測分析、機械学習を用いて、戦場全体の情報を迅速に『感知(sense)』し、『理解(make sense)』し、『行動(act)』し、回復力と堅牢性を備えたネットワーク環境を通じて、情報に基づいたソリューションを提供できるようになる」。

現在までのところ、CJADC2のコスト、構成部品、請負業者など、詳細な情報はほぼ公開されていない。キャスリーン・ヒックス国防副長官は昨年(2023年)8月、このプロジェクトに関する異例の公開討論で、アメリカの防衛関連請負業者の代表者たちに対し、「これは、アメリカの中核的な戦闘機能である指揮統制を進化させる、概念、技術、政策、そして人材の集合体だ」と述べた。ヒックス国防副長官はさらに、「CJADC2では、あらゆる領域にわたってセンサーを統合し、データを融合するとともに、最先端の意思決定支援ツールを活用して、ハイテンポな作戦を可能にする」と続けた。

米国防総省高官たちがCJADC2をいかに重視しているかは、ヒック国防副長官が3月4日にキャンプ・ペンドルトンを訪問し、プロジェクト・コンヴァージェンスとCJADC2技術の試験を視察したことからも明らかになった。米国防総省が発表した報告書によると、ヒック国防副長官は各軍の歴史的に互換性がなかった通信ネットワークを、複数の軍種が共有するネットワークに統合する取り組みの進捗状況について、上級将校たちと協議した。これは膨大な作業であり、多くの「難題(challenges)」を突きつけていると言われている。

キャンプ・ペンドルトン滞在中、ヒック国防副長官は軍が自律型兵器システム[autonomous weapons systems](人間の操縦者ではなく、主にAIによって操作される戦闘装置)を戦闘体制に統合する取り組みの進捗状況についても、より深く理解しようと努めた。2023年8月に国防産業協会(the National Defense Industrial AssociationNDIA)の会員に向けた演説で、ヒック国防副長官は、将来、中国人民解放軍(PLA)との紛争において、アメリカ軍が勝利するためには、こうしたシステムの開発と配備が不可欠であると明言した。人民解放軍が従来の戦闘力尺度[conventional measures of power](彼女の言葉を借りれば、「より多くの艦船、より多くのミサイル、より多くの人員」)において優位に立っていることを考えると、アメリカ軍は将来の戦場に多数の「全領域消耗型・自律型」兵器(“all-domain attritable autonomous” weapons)、つまりあらゆる種類の、低コストで使い捨て可能な自動操縦ドローンを投入する必要がある。ヒックス国防副長官は、「人民解放軍の圧倒的な戦力には、私たち自身の圧倒的な戦力で対抗するが、私たちの戦力は計画を立てることも、攻撃することも、相手を打ち負かすことも、より困難になるだろう」と断言した。

しかし、ヒックス国防副長官も認めているように、米国防総省の既存の調達システムは、長年、大手兵器メーカーから艦船、航空機、戦車といった「高額」品(“big-ticket” items)を購入することに重点を置いてきたため、この種の多くのハイテク機器の取得に対応できる体制が整っていない。ヒックス国防副長官は、既存の軍産複合体の主な柱であるこれらの大企業は、それぞれの仕事は得意だが、AI主導の「消耗型・自律型」兵器(“attritable autonomous” weapons)を迅速に大量に生産するための技術的および起業家的なスキルを持ち合わせていないと指摘した。むしろ、米国防総省は、必要な機能を提供できるようにするために、多くがシリコンヴァレーにルーツを持つスタートアップ企業に、より依存する必要があるだろう。ヒックス国防副長官は、そうした機能へのアクセスを獲得することが「レプリケーター(Replicator)」の主目的であると断言した。ヒックス国防副長官は昨年(2023年)8月に次のように明確に述べた。「アメリカは依然として、大規模で精巧で、高価で、数が少ないプラットフォームから利益を得ている。しかし、レプリケーターは、小型でスマート、安価で多数のプラットフォームを活用することによって、あまりにも遅いアメリカ軍の技術革新の移行を活性化させるだろう。」

レプリケーターは新しい取り組みではあるものの、連邦議会から強力な支持を得ており、2024年度国防予算案では最終盤で、2億ドルが計上され、2025年度予算ではさらに5億ドルの予算が約束されている。しかし、レプリケーター・プログラムが本格化するにつれて、今後さらに数百万ドル、最終的には数十億ドル規模の資金が投入される可能性が高いため、アンドゥリル社(Anduril)、パランティア社(Palantir)、シールドAI社(ShieldAI)といった防衛関連のハイテク・スタートアップ企業の多くが、プロジェクト・コンヴァージェンスなどの軍事演習に自社製品を貸し出し始めており、これが長期的な調達契約につながることを期待している。

例えば、PCC4のフェーズ2では、青軍の歩兵部隊が複数のアンドゥリル・ゴーストXAnduril Ghost-X)監視ドローンを使用し、赤軍の要塞を偵察し、その後の地上攻撃に備えて位置をマークした。約90cmのローターを備えた、昆虫のような洗練されたデザインのゴーストは、25キロの航続距離を持ち、様々なセンサーシステムを搭載できる。 PCC4では、ハイヴ(Hive)無人航空システム(unmanned aerial systemUAS)も展示されていた。これは、自律的に群れをなして飛行するように特別に設計されたドローンで、ドローン群は互いに連携して動き、様々な弾薬で敵の防衛網を圧倒することができる。フォート・アーウィンで試験されたハイヴ・ドローンは、運用を監督する陸軍関係者から聞いたところ、「人間の操縦者から非常に限定的な制御を受けた後、3機以上のUASプラットフォームが群れをなして任務を遂行する、攻撃用の小型無人航空機システムのプロトタイプ」ということだ。

コフマン中将によれば、今年のプロジェクト・コンヴァージェンスでは、無人兵器システムの使用が前回の10倍に増加したということだ。しかし、ヒックス国防副長官と同様に、コフマン中将やPCC4の他の幹部たちも、必要な技術は国防総省の軍需研究所やボーイングやロッキード・マーチンといった伝統的な防衛請負業者から得られるものではなく、必要な専門知識を持つアンドゥリルやパランティアのようなスタートアップ企業から得なければならないと指摘した。ランディ・A・ジョージ陸軍参謀総長は、35日にキャンプ・ペンドルトンで行われたブリーフィングで、「産業界、特にデータネットワークや無人システムにおいては、多くの点で商業技術がリードしている」と述べた。

米国防総省は、各種の無人システムに数十億ドルを費やす構えであり、その過程でハイテク・スタートアップ企業が新たな富を得ることが期待されていることから、シリコンヴァレーを中心とした新たな軍産複合体の出現を見ることができる。当然ながら、退役軍人が有利な職を求めてシリコンヴァレーに集まり、プライベート・エクイティ企業が新たな興味関心に資金を注いでいる。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の最近の調査によると、少なくとも50名の元米国防総省および国家安全保障担当の政府高官たち(そのほとんどが過去5年以内に退官)が現在、防衛関連のヴェンチャー・キャピタルやプライベート・エクイティ企業で働いている。その中には、トランプ政権下で国防長官を務め、現在はヴェンチャー・キャピタル企業レッドセル社(Red Cell)の代表を務めるマーク・T・エスパーもいる。エスパーは対ドローン技術メーカーのエピラス社(Epirus)など、軍事関連のスタートアップ企業に投資している。また、元陸軍長官ライアン・マッカーシーは、在任中にフューチャーズ・コマンドの設立に尽力し、現在は防衛関連投資を行うヴェンチャー・キャピタル企業の代表を務めている。

●私たちはどこへ向かうのか?(Where Are We Headed?

プロジェクト・コンヴァージェンス・キャップストーン4は、アメリカの現在の政治・軍事・技術体制とその進化の様相を完璧に縮図したものと言えるだろう。3週間にわたるこの演習から多くの知見を得たが、特に際立った点が3つある。

第一に、アメリカ軍は中国との戦争への備えに完全に固執している。これは、米国防総省の正式なドクトリンにも、軍高官たちの言動にも明らかだ。例えば、PCC4のシナリオは、中国が西太平洋にある友好的な島嶼国(台湾? フィリピン?)を攻撃し、その後、アメリカだけでなくオーストラリア、日本、ニュージーランド、イギリスを巻き込んだ地域規模の紛争が発生するという仮想的なものだった。この点を念頭に、この演習の主目的は、これらの部隊間の通信と戦闘行動の連携をテストすることだった。「世界のどこで戦おうとも、私たちは共同パートナーと戦うことになると承知している」とジョージ陸軍参謀総長は、3月5日のブリーフィングで、「あらゆるセンサー、あらゆる射撃装置に頼り、それらを連携させる必要がある」と述べた。

キャンプ・ペンドルトンで私が話し相手になった人々は、制服を着た軍人であろうと民間請負業者の代表であろうと、中国との戦争に備えることばかりに注力することの起こりうる結果について、ほとんど懸念を抱いていないようだった。陸軍フューチャーズ・コマンド副司令官のコフマン中将は、「私たちは戦争を回避することを望んでいる。しかし、もし要請があれば、我が国の男女は同盟諸国やパートナーと共に戦うだろう」と断言した。この一文、オーストラリア、ニュージーランド、そしてPCC4に代表される他の国々が、将来中国と戦争する場合には参加することを前提としている、と、PCC4での(模擬)作戦の地域規模を合わせると、近代兵器を用いた第二次世界大戦のようなシナリオを目の当たりにしているという結論に至るのも無理はない。これがあらゆる陣営にもたらす甚大な破壊を考えると、両交戦国が敗北を回避するために核兵器の使用を放棄するという保証はどこにあるのだろうか? プロジェクト・コンヴァージェンスでは、そのような保証は全く与えられなかった。

第二に、第一の点に密接に関連することだが、アメリカ政府関係者たちは、将来のいかなる紛争においても、中国を打ち負かすためにAIやその他の先端技術を利用することに絶対の決意を抱いているという観察である。これはレプリカント・イニシアティブの最大の目的であり、PCC4の戦闘シナリオの基本的な組織原理でもある。私は何度も何度も、アメリカ軍は将来の米中戦争で「情報支配(information dominance)」を達成するために先端技術を採用しなければならず、それによってアメリカ軍と同盟軍は、中国の脅威が連合軍の資産に大きな損害を与える前に察知し、攻撃できるようにならなければならないと聞かされた。

しかし、ここでもまた、人工知能や関連技術に過度に依存することの危険性についてはほとんど耳にしなかった。ChatGPTや他の「生成AIgenerative AI)」プログラムの作成に使われる高度なアルゴリズム(the sophisticated algorithms)は、驚くべき結果を達成することができる一方で、業界関係者に「幻覚(hallucinations)」と呼ばれるような、誤った、誤解を招く結果を生み出すことでも知られている。軍事システム、特に戦闘部隊の指揮統制に関わるシステムを制御するために、これらやその他の高度なAIプログラムに頼ることは、システム不全の重大なリスクをもたらし、兵士の命を危険に晒したり、意図しないエスカレート事件を引き起こしたりする可能性がある。ヒックス国防副長官をはじめとする政府高官たちは、この問題について懐疑的な人々を安心させようと、重要な戦闘に関する決定に関しては、人間は常に「ループの中にいる(in the loop)」と主張している。しかし、私がペンドルトンで経験したのは、AIと自律性の軍事利用を何としてでも加速させようとする動きであり、そのようなシステムに対する人間の支配力が急速に低下していることを示唆していた。

最後に、先に示唆したように、米国防総省とシリコンヴァレーの同盟に基づく新たな軍産複合体の出現を目の当たりにしている。この変化がアメリカの国内政策と外交政策にどのような影響を及ぼすかはまだ分からないが、少なくとも、議会に対する軍事費引き上げの圧力が強まり、中国との戦争への備えが一層重視されることになるだろう。伝統的な兵器メーカーと同様、新たなハイテク企業家たちも、議会で自分たちの大義を押し通すために多くのロビイストを雇い、その一方で多くの人々が北京に対抗する必要性を公に語っている。

私の見解の一部は、米メディアにも掲載されているが、3つ全てがこのように関連づけられている訳ではなく、また、それらがもたらす危険性についても十分な評価がなされている訳ではない。しかし、明らかなように、これらの動向はアメリカおよび国際社会の安定にとって重大なリスクを伴うため、私たちは細心の注意を払い、場合によっては重大な規制措置を求める必要がある。特に、AIと自律技術の戦争への拙速な適用については、より一層の懸念を表明し、いかなる状況下においても人間があらゆる戦争遂行システムを完全に制御し続けるべきであると主張しなければならない。オーストリア、フランス、ドイツ、そして他の多くの国々が主張するように、そのような制御が保証できない自律型兵器は全面的に禁止されるべきだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 


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