古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。

 

 第二次ドナルド・トランプ政権が始まって、アメリカはどうなっているだろうか。インフレ状態が続き、人々の生活を圧迫している。トランプ政権下の各種選挙では共和党は苦戦している。フロリダ州マイアミ市の市長選挙で30年ぶりに民主党所属の候補者が当選した。フロリダ州マイアミ市は第二次トランプ政権のマルコ・ルビオ国務長官(前連邦上院議員)のお膝元であり、共和党支持が多いキューバ系の有権者が多い。しかし、それでも共和党が破れたというのは今後への影響が大きい。来年は中間選挙が実施される。現状では民主党の支持率が上回っており、連邦下院においては共和党が過半数を失う可能性があるという状況になっている。そうなれば、トランプ大統領の影響力も低下する。

 トランプが標榜した政策、「製造業の国家の再建」はその実現までに時間がかかる。工場を誘致し、人々の雇用を軌道に乗せるには数年規模の計画が必要だ。そのための投資も必要であるが、大企業は経済法則に従い、人件費が安く、労働力としての質の高い外国での生産を選ぶことになる。高関税の保護主義政策も一定の成果を上げたようであるが、肝心の中国との関係では、アメリカは大きく妥協することになった。アメリカが貿易赤字を削減するためには中国からの輸入を減らし、国内での生産を高めねばならないが、この道筋は非常に厳しい。アメリカの輸出を促進するためには、ドル安(ドルの価値が低いこと)が望ましいが、現状はドル高が続いている。相対的に円安になっている。

 下記論稿にあるように、アメリカの現状をどう見るか、どう分析するかであるが、ある観点から見れば「最良」、別の観点から見れば「最悪」ということになる。どう見るかはそれぞれの個人の判断に任されるが、現状では「悪い」と見る人が多くいるということになると思う。アメリカ国内の分断状況も改善される兆しはなく、来年の中間選挙の前後に、何か大きな暴力が絡む事態が勃発しなければ良いけれど、その懸念が大きいと思わされる状態である。なかなか厳しい状況で2025年を終えていくということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

最良の時代と最悪の時代、そしてアメリカの政治的分断(The best and worst of times and America’s political divide

ハーラン・ウルマン筆

2025年11月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/5619440-best-worst-times-america/

一つの思考実験(a thought experiment)をしてみよう。アメリカにとって、今は最良の時代だろうか、それとも最悪の時代だろうか?

MAGAMake America Great Again、アメリカを再び偉大に)の熱心な支持者を架空の人物を想定してみよう。MAGAの支持者と、MAGAが最良の時代だと主張する人物を想定してみよう。そして、MAGAに強く反対し、今は最悪の時代だと熱烈に信じている人物を架空の人物として想定してみよう。

この対比は、今日のアメリカ政治の何が間違っているかを示す。半分の真実と歪曲が、現実を装っている。

この架空の、そして欠陥のある議論は、今がアメリカにとって「黄金時代(golden era)」であるという主張から始まる。国境は閉鎖され、トランプは法と秩序をもたらしている。そして、アメリカ・ファースト政策は、国外においてアメリカをより安全で安心なものにしている。

トランプの経済計画の主要政策は関税、彼のお気に入りの言葉、である。関税は国家債務を解消し、数兆ドル規模の収入をもたらすと主張されている。関税によってアメリカのパートナーはアメリカへの直接投資を余儀なくされ、少なくとも20兆ドル、あるいはそれ以上の収入が見込まれる。

失業率はほぼゼロにまで低下し、インフレは過去のものとなるだろう。全てが順調に進めば、トランプが約束したアメリカ国民全員への2000ドルの給付金は間もなく支払われるだろう。
国際情勢はかつてないほど明るい。トランプは数え切れないほど多くの戦争を終結させてきた。ガザ地区では平和が訪れている。ウクライナ戦争終結に向けたトランプの戦略は、彼の卓越した交渉力に基づいている。

提案されている和平文書の正式な条件はまだ公表されていないが、その原則と基盤は極めて明確だ。トランプは既に戦争資金をヨーロッパに移管している。そして、平和はアメリカというよりもヨーロッパの責任となるだろう。

ウクライナは、本来ロシア領とすべき領土のロシアへの返還やウクライナ軍規模の縮小といった譲歩を迫られるだろう。NATO加盟の可能性も放棄せざるを得ないだろう。しかし、その安全保障は米露両国の投資の組み合わせによって保証される。

ロシアはもはや領土拡大の野心を抱いていない。なぜなら、野心を持ち続ければ、自国の投資が危険に晒されるからだ。ウクライナへの攻撃がアメリカの反撃を誘発するという、国連安全保障理事会第5条のような保証は不要だ。

同様に、中国とは強固な経済関係を確固たるものにする合意について交渉がなされ、米中両国関係は友好的な基盤へと回復するだろう。カリブ海諸国では、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が辞任するか、アメリカとの妥協点を見出すか、どちらかになるだろう。これもまた勝利と言えるだろう。

これらの観点からすれば、今こそまさに最良の時と言えるだろう。敵対的な見方をする人は、これまで述べてきたような見方をする人物が一体どこの惑星に住んでいるのかと疑問に思うだろう。

関税は税金と同じだ。適切に使えば効果を発揮するが、無秩序に適用されれば悲惨な結果を招く。インフレと失業は急上昇するだろう。そして、数兆ドル規模の支援約束は、まさに空論に過ぎない。債務はバクテリアのように増殖し、2026年夏半ばまでに40兆ドルに達するだろう。

全米各地に州兵を駐留させることは違法であり、何の成果ももたらしていない。ジョー・バイデン政権発足以降、暴力犯罪は減少傾向にある。

アメリカ軍に、積荷の正体不明の非武装小型船舶への攻撃を命じることは、戦争権限法および軍の法執行機関としての使用を禁じるポッセ・コミタトゥス法に反する。

ガザ停戦はイスラエルによって一貫して無視されており、イスラエルは依然としてガザ地区とシリアを攻撃し続けている。ウクライナとの合意案は、キエフを実質的に降伏に追い込むことになり、1938年のヒトラーとのミュンヘン協定を素晴らしいものと見せかけることになる。そして中国との関係は解決には程遠い。

2025年11月の各地での選挙で共和党が惨敗したことで、トランプは著しく弱体化している。裁判所は彼に不利な判決を下している。エプスタイン関連の文書公開をめぐるトランプの度重なる拒否と撤回は、彼の判断力に疑問を投げかけ、何が公開されるのかという疑問を投げかけている。

共和党はトランプがこの件を巧みに処理したと主張している。ハハッ!

多くの善良な人々(主に民主党員)が不必要に暴露され傷つけられるだろうという同情に基づいて、文書公開を拒否したというのは、全くのナンセンスだ。少なくとも、エプスタイン文書はトランプがエプスタインが未成年女性と何をしていたかを知っていながら沈黙を守っていたことを証明することになるだろう。

このやり取りが示すように、特に深刻な状況にある分野がある。それは、民主、共和両党が常識的な統治について合意できない政治環境だ。

さらに重要な点として、トランプは8人の連邦議員を扇動罪で告発した。扇動(sedition)とは、政府を転覆させるために武力を用いることだとトランプは理解しているはずだ。

トランプが主張する容疑は、軍隊は違法な命令に従わないように法律で義務付けられていると主張したことだ。アメリカ国民がこの法律を改めて認識しなければならないという事実は、政治情勢が最悪の状況にあることの究極の兆候である。

※ハーラン・ウルマン博士:UPI通信のアルノー・ドゥ・ボルクグレーヴ特別コラムニスト、アトランティック・カウンシル上級アドヴァイザー、2つの民間企業の会長、「ショックと畏怖の教義」主著者。ウルマンと元英国国防長官デイヴィッド・リチャーズは、戦略的大惨事の防止に関する著書を近々出版する予定となっている。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 

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