古村治彦です。

 2026年1月は、第二次ドナルド・トランプ政権の外交・軍事面の「暴れっぷり」が際立つ時期となっている。ヴェネズエラへの攻撃の状況が落ち着いている中で、グリーンランド領有に向けて、デンマークをはじめとするヨーロッパ諸国に圧力をかけている。また、イランでの反政府デモをきっかけとして、イラン政府に対しても圧力をかける姿勢を見せている。外交で大きな成果を上げて、政権発足一周年を祝い、2月24日に連邦議会で実施予定の一般教書演説(the State of the Union Address)で国内外にアピールをしたいというところだろう。そこまでに、ロシア・ウクライナ戦争の停戦ができれば、大金星ということになるが、それは難しいだろう。

 ヴェネズエラ攻撃に目を奪われてしまうが、第二次ドナルド・トランプ政権の外交に注力する動きは昨年からのことであった。そして、これは、国内状況が好転しないことから、国民の目を逸らさせるということも大きな原因であろう。国内のインフレ状況が収まらず、住宅費(家賃)をはじめとする生活費の高騰が続き、一般国民には苦しい状態が続いている。移民・関税執行局(ICE)による不法移民捜査に対する反感がトランプ政権、連邦政府に対する反感へと進み、武力衝突・内戦状態になる可能性がある。トランプ外交に関しては、アメリカ国民からの支持を得ていない。不支持率が上昇している。
donaldtrumppresidentjobapprovalratings202526001
政権発足以来のトランプ政権の支持率の推移(赤線が不支持率)

 ヴェネズエラやグリーンランドをコントロール下に置くことで、トランプ政権としては、金銭的な利益を得ようという目論見もある。ヴェネズエラの石油の売却利益、グリーンランドのレアアース開発と北極海航路に対する通行税の性格を持つ通行料を入手し、それらをアメリカ国民に「分配」することで、国民の不満を和らげたいところだ。アメリカの影響圏(sphere of influence)である西半球(Western Hemisphere)をアメリカとアメリカ国民の利益のために使い尽くす、再植民地化(recolonialization)することが、「アメリカ・ファースト」外交の真骨頂ということになる。短期的にはそれが利益となるだろうが、長期的に見れば、それはアメリカにとっては世界での立場を失うということになり、損失ということになる。衰退して世界から退場するならば、静かに退場して欲しいところだ。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプ大統領が2025年末を外交政策で埋める(Trump fills end of 2025 with foreign policy

ブレット・サミュエルズ筆

2025年12月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5665946-trump-foreign-policy-focus/

ドナルド・トランプ大統領は、2期目の1年目が終わりに近づく中、外交政策に没頭している。2026年にはアメリカ経済への懸念が共和党を席巻すると見込まれているにもかかわらず、外交政策に注力している。

トランプ大統領は年末をフロリダ州の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で過ごし、ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を招待した。トランプ大統領はクリスマスの日にナイジェリアにおけるイスラム国への軍事攻撃を発表し、南アメリカのヴェネズエラとの緊張が高まる中、12月26日にはヴェネズエラの施設を攻撃したことを明らかにした。

こうした一連の出来事は、トランプ大統領が2期目において外交政策に注力し、国外での実績を確固たるものにしようとしていることを如実に示している。しかし、こうした注目は、国内における最大の課題の1つを犠牲にすることになるかもしれない。

匿名を条件に率直に語った共和党系のストラティジストの1人は、トランプ大統領とホワイトハウスは就任以来、財政見通しの改善にどのような対策を講じてきたかを有権者に直接訴える必要があると語った。

このストラィテジストは、「トランプは外交問題に注力している。彼のエネルギーはどこへ行ってしまったのか? 有権者にとってはちょっと変な時期だ。議論をしようとしている人がいない」と語った。

トランプの国際的な関心については、月曜日に大統領がベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した際に完全に明らかになった。

イスラエル首相ネタニヤフが到着すると、トランプは数分間質問に答えたが、そのほとんどが世界的な紛争に関するものだった。

トランプ大統領は、麻薬密輸船を標的としたヴェネズエラの「実施区域(implementation area)」への最近のアメリカ軍による攻撃について言及した。また、イスラエルとハマス間の停戦維持に向けた継続的な取り組みについても議論した。ロシアのウラジーミル・プーティン大統領との「生産的な(productive)」電話会談についても言及し、イスラエルによるイランへの攻撃の可能性についても質問を受けた。

トランプ大統領とネタニヤフ首相の昼食会に記者団が部屋に入ってくると、トランプ大統領が首相に対し、二国間の紛争を終わらせるためにいかにして貿易を利用したかを説明する声が聞こえた。

トランプ大統領は「私がそのことで功績を認められたか? いいや、そんなことはなかった。私は停戦を8つもやった。インドとパキスタンはどうか? つまり、私は8つやった。そして、残りのことは何も教えてくれないんだ」と述べた。

トランプ大統領が月曜日にネタニヤフ首相と会談した翌日、トランプ大統領はゼレンスキー大統領をマール・ア・ラーゴに招き、ウクライナ紛争終結に向けた和平案について重要な協議を行った。トランプ大統領は今月初め、エジプト大統領が新年を迎える前にフロリダにある自身の邸宅を訪問する可能性を示唆していた。

トランプ大統領の年末の会談は、2期目の1年目を象徴するものだ。この1年間、トランプ大統領はイタリア、ヴァティカン、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、イギリス、イスラエル、日本、カナダ、韓国、マレーシアを訪問し、和平協定や貿易協定の締結に尽力した。

トランプ大統領は、イスラエルとハマス間の戦闘終結のため、中東における停戦合意の仲介に数ヶ月間にわたって努力した。ウクライナ紛争の終結を目指し、ゼレンスキー大統領やプーティン大統領とは今年を通して複数回電話会談を行い、アラスカではプーティン大統領と直接首脳会談も行った。

トランプ大統領の側近たちは、ノーベル平和賞の受賞を公然と訴えた。一方、ネタニヤフ首相やFIFA会長を含む他の人々は、トランプ大統領の国際的な貢献を称える賞を授与することで、トランプ大統領の支持を得ようとしてきた。

数カ月にわたりトランプ大統領の外交重視を批判し、関係を断ったことで、来週には連邦議員辞職を予定しているジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(共和党)は、トランプ大統領の過ごし方に注目している。

「今日はゼレンスキー。明日はネタニヤフ。アメリカらしくやっていけるだろうか?」とグリーン議員は日曜日、ソーシャルプラットフォーム「X」に投稿した。

ホワイトハウス高官たちは、トランプ大統領が外交政策に偏りすぎているという批判に反論している。彼らは、移民取り締まりを強化する大統領令の発令、夏の間に成立した巨額の増税・歳出法案、そして製薬会社との「最恵国待遇(most favored nation)」協定による処方薬価格引き下げの取り組みがあったことを指摘している。

トランプ大統領の支持者たちはまた、大統領の海外での行動がアメリカ国内に利益をもたらしていると主張している。彼らは、トランプ大統領がEU、日本、イギリスなどと締結した貿易協定に加え、ヴェネズエラとの対峙が麻薬や不法移民の脅威からアメリカを守ることになるという考えも主張している。

しかし、世論調査では、有権者たちが必ずしもトランプ大統領の外交政策への注力について支持していないことが明らかになっている。

今月初めに発表されたキュニピアック大学の世論調査によると、トランプ大統領に対する有権者の全体的な支持率は低迷しており、回答者のわずか40%が彼のパフォーマンスを支持していると回答した。世論調査によると、トランプ大統領の外交政策の対応を支持する人は41%、不支持は54%だった。

しかし、ストラティジストたちは、11月の中間選挙の結果は、有権者がトランプ大統領の外交政策の成果についてどう感じているかよりも、経済についてどう感じているかによって左右される可能性が高いと概ね同意している。

ホワイトハウスは、インフレの鈍化と堅調な国内総生産(GDP)をトランプ大統領の経済政策が成功している証拠として挙げているが、世論調査では、有権者の大半がそう感じていないことが示された。

キュニピアック大学の世論調査によると、回答者の40%がトランプ大統領の経済政策を支持し、57%が不支持と回答した。この結果は、同様に有権者がトランプ大統領の経済政策に失望していることを示す他の世論調査結果と一致している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める