古村治彦です。
アメリカ国内の分断は深刻さを増している。第二次ドナルド・トランプ政権の大統領次席補佐官スティーヴン・ミラーが主導する、移民・関税執行局(ICE)の捜査員たちによる不法移民摘発で死者が出る事態となり、いくつかの地元の市や州が反発を強めている。既にご紹介したように、ミネソタ州ではティム・ウォルツ知事が州兵への出動準備のための「警告命令」を発令した。
アメリカ国内は物価高(インフレ)による生活苦もあり、不満が溜まっている。その不満が外国や外国人(有色人種)に向かっている。アメリカ国内の分断は進み、アメリカは暴力が蔓延し、内戦状態になる可能性がある。
2028年には大統領選挙が実施される。2027年には大統領選挙の選挙戦がスタートする。まずは民主、共和両党の大統領選挙候補者として指名を受けるための戦いが始まる。民主党では既に数名の政治家、主に各州の知事たちの名前が挙がっている。
共和党側では、J・D・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官の名前が挙がっているが、トランプ大統領の三選を求める声が上がっている。アメリカ合衆国憲法では、同じ人物は大統領を2期8年までしか務められない。フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領は三選、更には四選を果たしたが、世界恐慌や第二次世界大戦という特殊な事情があり、当時は憲法に明文化されておらず(初代ジョージ・ワシントンが三選を拒否したことで慣習とされていた)、戦後になって憲法修正第22条に明記されることになった。現在では三選は違憲ということになる。それでもトランプは時に、三選を目指すような発言をしている。また、2028年に、共和党の大統領候補の副大統領候補となり、実質的に院政を行う(ジョージ・W・ブッシュ[バカ息子]大統領時代のディック・チェイニーのように)ということも取り沙汰されている。
トランプはその時には80歳を超えて、アメリカ男性の平均寿命73歳を大きく超えることになる。また、最近になって衰えを見せる場面もあり、三選を目指すということはないと私は予想している。また、健保違反の三選を目指すということになれば、アメリカはこれまで以上に不安定な状況に追い込まれる。それよりは、自分の息のかかった人物を大統領候補にする方がより良い選択ということになる。しかし、トランプは融通無碍である。何をしてくるか分からない。そのように思わせることで、敵対勢力を翻弄するということもできる。今年の中間選挙の結果と合わせて注目していきたい。
(貼り付けはじめ)
「トランプ2028」は冗談ではない(‘Trump 2028’ Is No Joke)
-ドナルド・トランプ米大統領は中国の独裁政権の戦略をより深く参考にしている。
ハワード・フレンチ筆
2025年10月8日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2025/10/08/trump-2028-china-xi-jinping-military/

ミネアポリスのミネソタ大学で開催された「アメリカン・カムバック・ツアー」の会場で、列に並ぶ、「トランプ2028」のキャップをかぶった男性(2025年9月22日)
習近平国家主席は、統治開始当初から、軍幹部の粛清を常態化させてきた。不透明な法的手続きで汚職を理由にして、彼らの公然たる失脚、中国共産党からの追放、投獄を主導してきた。ほぼ全ての事例において、習近平と彼に忠実なプロパガンダ機関は、中国軍に対する政治的統制の強化に奔走してきた。
現代の中国研究者たちにとって最も重要な課題の1つは、なぜ習近平がこれほどまでに権力を掌握し、特に軍の服従(obeisance from the military)を確保することに固執するのかを見極めることである。その動機として最もよく挙げられるのは、習近平自身が常々主張している点、すなわち台湾の将来をめぐるいかなる戦いにも備え、最終的に勝利を収める必要があるという点である。
しかしながら、これが習近平の揺るぎない目的意識の全てを説明できるとは考えにくい。私には、習近平の動機は、少なくとも同程度には、自身の支配を永続させたいという願望によって支えられているように思える。それは、自身の権威に対するいかなる疑問も徹底的に排除することにかかっている。習近平の考えでは、毛沢東の言葉を借りれば、銃の絶対的な支配権を維持すること(maintaining absolute control of the gun)が、このための最低限の前提条件のようだ。中国の指導者は既に、中国の政治的継承を5年任期2期で規定していたルールブックを破棄し、2028年に党指導部による「再選(reelection)」という形式的な手続きを経れば、事実上、4期目の任期に突入する勢いだ。
過去のコラムで、ドナルド・トランプ米大統領の2期目の任期が、強圧的な権威主義と高度に個人化された統治(musclebound authoritarianism and highly personalized rule)を特徴とする中国のエリート政治の手法を借用しているように見える点について書いてきた。その最も明確な兆候の1つは、文化大革命の毛沢東のように、指導者に忠実な政治屋(political hacks)による行政を優先し、政府機関が空洞化していることである。
しかし、ここ数日、トランプ大統領が中国からさらに悲惨な教訓を引き出していることが明らかになっている。それは、国家安全保障機構に対して、そして国家安全保障機構を通して政治権力を行使することに執着する習近平国家主席の姿勢を如実に反映していると言えるだろう。これは、先週クアンティコで行われた、トランプ大統領とピート・ヘグゼス国防長官による、アメリカ軍最高幹部を集めた異例の大規模会合での演説、そして複数のアメリカ国内の都市に州兵、アメリカ移民関税執行局(U.S. Immigration and Customs Enforcement、ICE)などの連邦機関の職員を派遣したことからも明らかだ。
今日、アメリカ国民、そして世界は、トランプ大統領が中国の指導者と同様に権力の座を永続させるという目標を共有するという事態に備えなければならない。トランプ大統領は最近、民主党のチャック・シューマー連邦上院議員やハキーム・ジェフリーズ連邦下院議員を含む連邦議会指導者たちと会談した際、「トランプ2028」というスローガンが書かれた帽子を目立つように並べたテーブルに出席した。
トランプの公の場での発言や、最も熱烈な支持者たちの言辞に繰り返し登場するトランプの3期目就任に関する発言は、しばらくの間、広く冗談として片付けられていた。しかし、もし傍観者がかつてそのような話をこのように片付けることができたとしたら、それはもう過去の話だ。
クワンティコで行われたトランプとヘグセスの会合に関する多くの論評は、国防長官が兵士の体力強化を過度に重視していること、そしてジェンダーや多様性の問題よりも政治的正しさを重視する右翼的なアジェンダに重点を置いていることに集中している。一部の保守系メディアでさえ、ヘグセスの舞台上での威圧的なパフォーマンスを恥ずべきものと評した。しかし、この日最も重大な瞬間だったのは、トランプが「内部からの敵(enemy from within)」と呼ぶ敵と戦うためにアメリカ軍が果たすべき役割があると主張したことだ。
1878年のポッセ・コミタトゥス法(国内法執行におけるアメリカ軍の利用を禁じる)といった長年の伝統や法律を無視し、トランプ大統領は、軍に対し、国内の都市を軍事作戦のための訓練場として利用するよう求めた。
しかし、これは訓練というよりも、習近平国家主席流の、自身の政治的アジェンダの実現と忠誠心確保のための軍の再編に執着するトランプ大統領の姿勢と関係があるようだ。トランプ政権下でのアメリカの権威主義化への兆候は今に始まったことではないが、トランプ大統領の危険な発言と国内秩序の軍事化を指示する最近の行動は、ここ数世代におけるアメリカの民主政治体制に対する最も重大な挑戦の1つである。
今週のテレビインタヴューで、イリノイ州のJ・B・プリツカー知事は、アメリカの都市における軍人の継続的な展開は、国内秩序における軍の活用を常態化すること(to normalize)を目的としていると警告した。「来年、彼らは最終的にこれらの人々を投票所に派遣し、投票を守っていると主張するのではないかと懸念している」と彼は述べた。さらに、共和党が2026年の中間選挙で連邦議会の支配権(過半数)を失った場合、トランプは「2020年に行う可能性があると発言したこと、つまり軍隊を使って投票箱を押収し、不正があったと主張して票を集計することを実行するかもしれない」と付け加えた。
ここ数週間、トランプ大統領は数々の行動を次々と起こしており、権力への渇望(thirst
for power)、牽制と均衡への焦燥(impatience with checks and
balances)、そして真実軽視に対する懸念(disregard for the truth)が高まっている。
連邦裁判所の差し止め命令にもかかわらず、都市中心部の軍事統制を主張する最近の試みを推し進めるだけでなく、トランプ大統領と支持者たちは、緩やかに組織化され、一見すると一時的な反ファシスト・アナーキストの運動であるアンティファの亡霊を盾に、彼の政策に抗議する人々に対する暴力的な戦術の使用を正当化している。
法執行機関の連邦化は、不法移民の疑いのある人々や、適正手続きと人道的待遇を受ける権利を主張するあらゆる人々をも標的にしている。こうした戦術は最近、シカゴで極限まで押し進められ、貧困地域の人々がアパートから追い出されたり、路上で一斉検挙されたりしている。不法入国の疑いで、多くの場合、肌の色、言語、収入水準だけが理由となっているようだ。
一方、トランプ大統領は、反対派への憎悪を公然と表明する一方で、連邦予算を武器として利用し、伝統的に民主党を支持してきた州を罰し、大切なインフラ工事やその他のプロジェクトを凍結または中止している。
これほど多くの警告サインが点滅しているにもかかわらず、トランプ政権が、本来、そして伝統的に政治的に中立な立場にあるアメリカ軍を自らの目的のために利用しようとする最近の動きは、依然として最も危険なプロジェクトである。
習近平主席は、人民解放軍高官の度重なる粛清において、汚職を利用して排除したい人物を排除し、自身に個人的な恩義のある将軍たちのために道を作ってきた。これまでのところ、トランプは中国の習近平主席よりも曖昧で慎重な姿勢をとっており、最近排除された軍将官たちの失態とされる詳細についてはほとんど明らかにしていない。習近平の場合、軍高官の粛清のほぼ全てにおいて、その内容がいかに不透明で形式的なものであろうと、裁判が行われている。
国防長官としてヘグゼスは、元統合参謀本部議長のチャールズ・ブラウン・ジュニア将軍の場合は黒人であるという理由で、沿岸警備隊司令官のリンダ・フェイガン大将の場合は女性であるという理由以外に、明白な理由もなく、経験豊富で勲章を授与された将官を解任してきた。
軍の高官グループに対しては、昇進や職の安定をめぐる明白なイデオロギー審査はまだ行われていないが、指揮系統への服従だけでなく、トランプの政治方針への暗黙の同調が期待されているようだ。習近平主席による汚職疑惑の発言と同様に、政権が軍における民族的・性別的多様性を頻繁に軽視していることは、より広範で党派的な政策とトランプによる軍への個人的支配を隠蔽するために利用されているのではないかと警戒すべき理由が存在する。
「さらなる指導部交代が行われるだろう。それは私たちが望んでいるからではなく、しなければならないからだ」とヘグゼスはクアンティコに集まったアメリカ軍の最高幹部たちに語った。「もう一度言うが、これは生死に関わる問題だ。適切な人材を早く確保すれば、適切な政策を早く推進できる」。少し間を置いて、彼は付け加えた。「もし私が今日話している言葉に心が沈んでしまうようならば、名誉ある行動を取り、辞任すべきだ」。
※ハワード・W・フレンチ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授。長年にわたり特派員を務めた。最新作に『第二の解放:高潮期のンクルマ、汎アフリカ主義、そしてグローバル・ブラックネス(The Second Emancipation: Nkrumah, Pan-Africanism, and Global
Blackness at High Tide)』がある。ブルースカイ・アカウント:
@hofrenchbluesky.social、 Xアカウント:@hofrench
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トランプ大統領とヘグセス国防長官が異例の政治的に緊張感漂う再興会議でアメリカ軍指導者たちに講義(Trump, Hegseth lecture military leaders in rare, politically charged
summit)
-この異例で、直前になって企画された会議は、大統領と国防長官が党派的な政策を喧伝する場となった。
ナタリー・アリソン、マイケル・バーンバウム、エミリー・デイヴィス、パトリック・スヴィテック、エイミー・B・ワン筆
2025年9月30日
『ワシントン・ポスト』紙
https://www.washingtonpost.com/national-security/2025/09/30/hegseth-military-meeting-trump-generals/
火曜日、数百人のアメリカ軍最高幹部が、ドナルド・トランプ大統領とピート・ヘグゼス国防長官による極めて党派的な演説に沈黙して耳を傾けた。トランプとヘグセスは前任者たちを痛烈に批判し、自らの政治的目的を誇張するなど、両者の不満が露呈する異例の事態となった。
国防総省のヘグゼス長官ティームが主催したこのイヴェントは、世界各地の司令部から将軍や提督をワシントンから南に30マイル(約48キロ)ほど離れたヴァージニア州のクアンティコ海兵隊基地に招集した。トランプ大統領が直々に任命した統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍は冒頭の発言で、このイヴェントは集まった最高幹部の将官と彼らの上級顧問たちにとって、軍の文民指導部から直接話を聞く「前例のない機会であり、光栄なこと(unprecedented opportunity and honor)」であると述べた。
トランプ大統領は、熱心な高官を国防総省の責任者に据え、アメリカ軍を党派政治の支配から守るために定められた長年の規範を、繰り返し、そして容赦なく踏みにじってきた。しかし、火曜日の演説は、現政権がこうした原則を全面的に無視していることをこれまでで最も露骨に示したと言えるだろう。
トランプ氏は約70分に及ぶ支離滅裂な発言の中で、もし出席者が自分の発言に納得できないなら部屋から出て行ってもいいと冗談を飛ばしつつ、「階級が下がれば将来も下がる」と付け加え、一部の人から不快な笑いを誘った。トランプが政権に復帰して以来、彼とヘグセスは多くの将軍や提督を、多くの場合、理由もなく解任してきた。一方で、女性やその他の要人に対する不均衡な解雇に焦点を当ててきた。大統領と国防長官は、軍の多様性と包括性の向上を柱とする有害な「目覚めた(woke)」イデオロギーを唱えていると広く非難している。
トランプ大統領は、アメリカの都市を警備するために軍隊を投入した自身の行動を擁護し、「内部からの敵(the enemy within)」と自ら呼ぶものを非難する一方で、国内での軍事力行使を認められるべきだと主張した。国防総省はこれらの都市を「訓練場(training grounds)」として使用できるべきだと大統領は述べた。既に訴訟を招いている展開を命じる中で、この考えは州や地方当局から確実に警戒感を抱かせるだろう。
トランプ大統領はまた、国防総省を戦争省に改称した決定を称賛し、ウクライナ紛争を終結させられなかったことを嘆き、ロシア沖におけるアメリカ潜水艦の極めて機密性の高い動きを暗黙のうちに認めた。
「私はそれを『Nワード』と呼んでいる」と大統領は潜水艦について述べ、原子力搭載を暗に示唆した。「Nワードは2つあり、どちらも使うことはできない」と語った。
集まったアメリカ軍最高幹部たちは、軍の超党派の伝統に従い、全ての時間を沈黙して演説を聴いていた。デューク大学の政治学者ピーター・フィーヴァーは、彼らが両者の演説に敬意を払いながらも反応しなかったことで、「非常に困難な綱渡りをうまくこなした(managed well a very difficult walk along a high wire)」と述べた。さらに、アメリカ軍最高幹部たちが沈黙を守っている理由を理解しているように見えた、トランプ大統領とヘグゼス国防長官も称賛に値すると付け加えた。
「演説は、アメリカ軍が今後数ヶ月間、対処しなければならない多くの問題を提起した」とフィーバーは述べた。そして、「しかし、テレビの生放送でそうする必要はない。そのため、アメリカの政軍関係(American civil-military relations)における非常に微妙な局面は、一部が懸念していたような惨事にはつながらなかった」と語った。
元国防総省高官で政軍問題の専門家であるコリ・シェイクはより悲観的な見方を示した。
アメリカン・エンタープライズ研究所の上級研究員であるシェイクは、「軍の指導者たちを、あからさまに党派的な政治劇に巻き込むことは恥ずべき行為であり、最高司令官が彼らに同胞アメリカ国民への暴力を奨励することは危険だ」と、述べた。
トランプ大統領はヘグゼスによって紹介された。ヘグゼスは、大統領就任前の激しい前座として、時折、罵詈雑言や下品で扇動的な言葉を使った。「我々の敵へ。FAFOだ」と彼は言った。これは「くそくらえ、気付け(f--- around, find
out)」という意味の略語だった。
国防長官は大統領の参加を想定せずにこの行事を計画し、先週、全ての上級軍司令官とその下士官補佐官をヴァージニア州に召集するという不可解な命令を出したが、旅程については一切情報を提供しなかった。『ワシントン・ポスト』紙が木曜日に初めて報じたこの命令は、今年多くの将軍や提督が解任されたことを受けて、一部の人々を不安にさせた。
元フォックス・ニューズの司会者で、州兵として陸軍士官を務めたヘグゼス長官は、火曜日の演説で、目の前に座る男女(それぞれ数十年以上の軍歴を持つ)に説教した。ヘグセスは、軍隊を「かつてないほど強く、タフで、速く、獰猛で、力強い」ものにすると誓い、国防長官就任から繰り返してきた数々の論点を繰り返した。その中には、軍幹部は体力、身だしなみ、規律(physical fitness, grooming and discipline)といった基準を厳格に取り組む必要があるという主張も含まれていた。
ヘグセス国防長官は、軍が本来の使命である「戦争を戦い勝利すること(to fight
and win wars)」から逸脱させた「愚かで無謀な政治家たち(foolish and reckless
politicians)」を非難し、軍隊における「数十年にわたる衰退」(decades of decay”
in the force)を是正すると誓った。また、戦闘におけるアメリカ軍の致死力行使を規定する「政治的に正しい過剰な交戦規則(politically correct and overbearing rules of engagement)」は廃止されたと宣言した。
さらに、「さらなる指導部の交代が行われることは間違いない」と述べ、追加の解任も予告した。ヘグセスは、ピーター・キアレッリ将軍、ケネス・「フランク」・マッケンジー将軍、マーク・A・ミリー将軍の3名の退役将校を、自分が「排除」したい将校の例として名指しした。
この将官3名を名指しした決定は、個人的な感情によるものと思われる。2012年に陸軍の序列第2位の将官として退役したキアレッリは、イラク駐留中のヘグセスの所属した旅団の元旅団長マイケル・スティール大佐を、同部隊の兵士たちを精査した戦争犯罪調査結果を受けて叱責した。マッケンジーとミリーは、2021年のアフガニスタンからの混乱したアメリカ軍撤退の際に指導的役割を果たし、トランプ政権の政治的標的となっている。
ミリーはコメントを拒否し、マッケンジーには連絡が取れなかった。キアレッリは電子メールで、ミリーとマッケンジーと「同じ文に名を連ねることができて光栄だ」と述べ、彼らを「私がこれまで共に仕えた中で最も優れた指導者たち」と呼んだ。
ヘグゼス長官は、1990年から1991年にかけて数カ月の間、イラクの侵攻と隣国クウェートの併合を撃退した湾岸戦争を、アメリカにとって模範となる紛争の例として挙げた。彼は湾岸戦争を「圧倒的な戦力と明確な終結目標を伴う限定的な任務(limited mission with overwhelming force and a clear end state)」と表現した。
また、1980年代にロナルド・レーガン大統領がアメリカ軍の増強を進めたことが重要な役割を果たしたと指摘し、当時の多くの軍指導者がヴェトナム戦争での戦闘経験を活用したことを指摘した。
ヘグセスは次のように語っている。「これは今日でも同じことが言える。我が国の文民・軍の指導部には、イラク戦争とアフガニスタン戦争を経験した軍人が多数おり、国家建設や漠然とした終末論に対して『二度と繰り返してはならない』と訴えている。ホワイトハウスにおいて、こうした明確な見解が示され、トランプ大統領の軍備増強と相まって、私たちは将来の勝利に向けて準備を整えている」。
ヘグゼスは、兵士と民間人職員が匿名で内部告発をしたり、有害な指導者を報告したり、人種、性別、性的指向、宗教に基づく不平等な扱いを指摘したりできる手段を徹底的に見直すと述べた。
ヘグゼスは次のように明言した。「軽率な苦情はもう終わりだ。匿名での苦情も、何度も苦情を言うことも、評判を落とすことも、果てしない待機時間も、法的に宙ぶらりんになることも、キャリアを台無しにすることも、気を遣って行動することももうない。もちろん、人種差別は1948年以来、私たちの部隊では違法となっている。セクハラも同様だ。どちらも間違っており違法だ」。
ヘグゼスは、高い基準を維持することは「有害ではない」と断言し、「有害な指導者」といった表現の「歪曲」だと非難した。ヘグセスは、国防総省はそのような文言の見直しを行い、軍当局者に対して「報復や疑問視されることを恐れずに基準を施行する」権限を与えると述べた。
ヘグゼスはまた、女性に配慮するために基準がどのように変更されたかについても疑問を呈し、特に戦闘専門職に関連する基準は高い水準を維持しなければならないと述べた。「女性が成功できれば素晴らしい。そうでなければ、仕方がない」と彼は語った。
ヘグゼスは、「ペンタゴンの廊下にいる太った将軍や提督を含む、太った兵士」を非難し、「見栄えが悪い(bad look)」と述べた。ヘグセスは全員が年2回、体力テストに合格し、身長と体重の基準を満たすことが義務付けられるという。彼は、自身の「厳しい」フィットネス・ルーティン(his own “hard” fitness routine)を模範とすべきものとして挙げた。
ヘグゼスは、自身のヴィジョンに沿って11の新たな指令を配布していると述べた。これらの指令は後に国防当局者たちがオンラインで公開した。指令には、いじめの定義の見直し、パープルハート勲章受章者への授与義務、そして優秀な文民職員の残留を促す一方で「業績不振」の職員には退職を促す新たな方法を国防省が模索することなどが含まれている。
ヘグゼスはまた、2024年に出版予定の著書『戦士たちへの戦争』の宣伝も行った。この本は、「目覚めた」文化がいかに軍を弱体化させてきたかを検証している。クワンティコに到着すると、彼はソーシャルメディアにこのフレーズを投稿し、演説中にも再び言及した。
ヘグセスは、「戦士たちへの戦争を終わらせていると言えるだろう」と語り、効果を狙って少し間を置いてから、「誰かがそれについて本を書いたと聞いた」と付け加えた。
この土壇場での会合は、批判的な人々の間で、その費用について疑問を投げかけている。特に、安全なヴィデオ会議機器を使って行うことができたはずの演説であったにもかかわらず、費用がかさんでいるという批判が起きている。日本、中東、ヨーロッパといった遠方から軍幹部を招聘するには、航空費、宿泊費、移動費など数百万ドルに上る可能性があると、元政府高官2人が匿名を条件に語った。彼らは、この問題の機密性から、過去の政府関係者の出張経験に基づいて推定した。
また、この会合は、火曜日が会計年度末であり、政府閉鎖が迫っていることを踏まえると、全ての最高指導者が一堂に集まることへの安全上の懸念も引き起こした。国防総省が発表したガイダンスでは、閉鎖が発生した場合、全ての出張を「中止」すべきだが、上級指導者は例外を認める場合に限られるとされている。
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



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