古村治彦です。

 ウクライナ戦争は2022年2月24日の開戦から丸4年が過ぎようとしている。停戦の兆しは見えていない。戦線は膠着し、打開策は今のところない。アメリカのドナルド・トランプ大統領は自身が二期目の大統領になれば24時間以内に停戦させると豪語したが、1年が経過しても戦争は終わっていない。アメリカとヨーロッパ諸国、日本などの西側諸国はロシアに対して制裁を加え、ウクライナに支援を行っているが、屁のツッパリにもなっていない。ウクライナが本気で停戦に臨まない程度に助けながら、戦争を続けさせている。なんと残酷なことだろう。トランプ大統領はアメリカのウクライナ支援に批判的であったが、政権発足後は支援を続けている。

 こうした中で、ヨーロッパ諸国の中で、アメリカに交渉の仲介を任せていても埒が明かないので、直接自分たちでプーティン大統領と交渉しようという動きが出ている。アメリカは頼りにならないということだ。アメリカに任せていては自分たちもいつまでもお金を出し続けねばならない。それは馬鹿げたことである。

更に言えば、ヨーロッパ諸国はロシアと完全に切れている訳ではないということを以下の論稿で知り、呆れるばかりだ。ヨーロッパの多くの企業はロシアでビジネスを続けており、ロシアからの資源も買っているということだ。それでいて、表ではロシアを非難し、ウクライナを助けるとしているが、決して軍隊を送ったり、強力な武器を送ったりはしていない。表向きの言葉だけは立派で勇ましいが、ヨーロッパ諸国はロシアと完全に切れてしまえば、自分たちの経済にも影響が出ると懸念して、自分たちで抜け穴を作り、ロシアとの関係を継続している。日本企業に対してロシアでのビジネスを行うなという圧力をかけてきて、自分たちはビジネスを続けている。ヨーロッパ諸国の見かけだけは立派だが実際の汚さには呆れ果てるしかない。口だけ勇ましいだけの役立たずである。

 それでも、アメリカ型よりならないと気づくだけでもまだましである。日本はアメリカに従属し尽くしてそのようなことを考えつくことすらできない。そして、アメリカの奴隷を続けて、悦に入って喜んでいる。ヨーロッパはその点では日本よりは優れている。比べる基準が低すぎるのでk褒められてもうれしくないだろうが。

 戦争をここまで長引かせたことを反省し、一日でも早く平和と安定が戻すことはヨーロッパ諸国に課せられた義務であり、世界に対する責務である。アメリカが全く頼りにならない今、ヨーロッパが動くのは当然のことだ。

(貼り付けはじめ)

ヨーロッパはウラジーミル・プーティン大統領への依存の準備を進めつつある(Europe Is Getting Ready to Pivot to Putin

-ヨーロッパの指導者たちはアメリカの圧力に直面しロシア大統領への働きかけを検討している。

アンシャル・ヴォ―ラ筆Anchal Vohra

2026年2月6日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/02/06/europe-russia-putin-trump-pivot-detente/

ヨーロッパの高官たちは『フォーリン・ポリシー』誌に対し、1月にスイスのダヴォスで開催された世界経済フォーラムに出席した際、アメリカ側とウクライナ和平交渉の現状について協議する時間があると考えていたと語った。しかし、実際には、グリーンランドをめぐるNATO加盟国との軍事衝突を回避することに集中せざるを得なかった。

その後、ヨーロッパではプランBの必要性が議論されている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領とイタリアのジョルジア・メローニ首相は共に、ヨーロッパが特に安全保障上不可欠な事項において、アメリカへの依存をゆっくりと、しかし確実に減らそうとする中で、ロシアとの直接交渉を追求している。

エマニュエル・マクロン大統領は2025年12月下旬、ヨーロッパはロシアと「適切に協議するための適切な枠組みを見つける(find the right framework to talk properly)」必要があると述べ、アメリカがロシアとウクライナの和平交渉を主導する中で欧州が後部座席に座っている現状は「理想的ではない(not ideal)」と述べた。

「ウラジーミル・プーティン大統領と話すことはまた有益になるだろう」とマクロンは付け加えた。メローニは、ロシア大統領と話す「時が来た(the time has come)」と考えていると述べた。メローニは、「ヨーロッパが現場の二者のうち一方とだけ話せば、貢献できる範囲が限られてしまうのではないかと懸念している」とも述べた。

主要問題に関するEU加盟27カ国の合意形成を担う欧州理事会のアントニオ・コスタ議長は、1月27日、フォーリン・ポリシー誌を含む少数の記者団に対し、アメリカ主導の協議を阻害する可能性のある並行プロセスは支持しないものの、ヨーロッパは必要であればロシアと交渉する用意ができていなければならないと述べた。

ヨーロッパの戦略転換は、ドナルド・トランプ米大統領自身によって引き起こされた。トランプ大統領は、ヨーロッパの安全保障に直接関わる和平案を策定する中で、ヨーロッパを交渉の場から排除しただけではない。ロシア・ウクライナ戦争に関するトランプ大統領の28項目の和平提案は、ロシアを世界経済に再統合することを提案し、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によると、西ヨーロッパへのロシアのエネルギー供給の流れを回復することを約束した。

専門家たちはフォーリン・ポリシー誌に対し、トランプ政権の最初の計画は、パリ、ブリュッセル、ベルリンとの事前協議なしに、ロシアがヨーロッパに保有する凍結資産をアメリカとロシアの企業に利益をもたらすプロジェクトに活用することをモスクワに約束していたようだと語った。

ヨーロッパは岐路に立たされている(at a crossroads)。ロシアとの取引をトランプに委ね、結果に確信を持てないままにするか、それとも現実的なアプローチを取り、関係がかつてないほど悪化しているに中ではあるが、プーティン大統領に直接働きかけるかだ。

ウクライナ侵攻とNATO領土への脅威となるドローンの継続的な使用の後、ロシアとの関係回復というアイデアをヨーロッパは快く思わないかもしれないが、いかなる取引においてもこれが避けられない結果となる可能性があることを認識している。そして、彼らは既にその可能性を示唆している。トランプ政権の28項目の計画に対する最初の反応として、ヨーロッパ諸国が支持する提案は、経済関係に関する条項を書き換え、ロシアは「徐々に(progressively)」世界経済に再統合されると述べている。

EUによる制裁で起きる経済的締め付けと、管轄権下にある数十億ドル規模のロシアの凍結資産は、ヨーロッパ諸国にとって重要な交渉材料となる。つまり、EUは独自の合意を締結できる。しかし、ヨーロッパ諸国は、段階的かつ限定的な救済措置、つまりロシアの行動改善に対する段階的な報酬を望んでいる。プーティン大統領との交渉でトランプ大統領が譲歩するような形での譲歩ではない。

貿易専門家たちは、EUが潜在的な合意において有利な条件を模索する一方で、多くのヨーロッパ諸国はロシアとの貿易関係を完全に断絶しておらず、公式発表と実際の経済政策の間に深刻な乖離が生じていると指摘している。

制裁を含む国際貿易法の遵守について企業や個人に助言を行うダルシャク・S・ドラキアは、フォーリン・ポリシー誌に対し、EUのこれまでの戦略は「離脱(exit)」というよりは「ロシアとのビジネス関係の一時停止(“more of a pause” in business relations with Russia)」を反映したものだと述べている。ドラキアは、交渉が加速するにつれ、「アメリカとヨーロッパのビジネス界は、貿易関係の再開に大きな期待を抱いている(there is a lot of hope in the business community in the U.S. and in Europe that trade ties can be resumed)」と付け加えた。

ロシアによるウクライナ侵攻にもかかわらず、数千ものヨーロッパ企業がロシアから撤退しなかった。その理由として、法的障壁、現地での雇用義務、そして利益率を挙げた。ロシアにおける外国企業を追跡するプロジェクト「リーヴ・ロシア(Leave Russia)」によると、2300社以上の外国企業が何らかの形でロシアに残ることを決定した一方、完全に撤退したのはわずか547社だった。EU加盟国の中では、ロシアに残ることを選択した企業、あるいはまだ完全に撤退していない企業の中で、ドイツ企業が最も多く、377社だった。一方、撤退したのはわずか83社だった。フランスはドイツに次いで、完全に撤退した企業はわずか39社だった。一方、147社は何らかの形で事業を継続している。イタリア企業は140社以上が現在もロシア国内で事業を継続しているが、完全に撤退したのはわずか8社だった。

キエフ経済大学の開発副部長であり、「リーヴ・ロシア」プロジェクトの責任者でもあるアンドリー・オノプリエンコは、フォーリン・ポリシー誌に対し、ロシアで依然として事業を展開している多くの企業は「評判や倫理上の懸念よりも経済の継続性を優先し、EUの制裁目標への政治的整合性よりも、契約、株主の利益、法的複雑さといった観点​​から意思決定を行っている」と述べた。

オノプリエンコは続けて、「この傾向は、商業的インセンティヴが、完全な撤退を求める政治的要請を上回り続けていることを示唆している」と述べた。

EUの限界は長らく露呈しており、既存の制裁措置に様々な例外を認め、ロシア企業への対応は遅々として進んでいない。本格的な戦争勃発以降、EUは19の制裁措置を打ち出してきたが、そのたびに対象国を増やし、圧力を強めてきたものの、完全には行き届いていない。

ドラキアは次のように述べた「ヨーロッパはロシアの銀行への制裁から始め、その後、エネルギー輸入への制裁を徐々に強化してきた。これは主に、全てを尽くすこと、そしてロシアをイランや北朝鮮のような完全な禁輸国にしないことが目的だった。政治的には見苦しいが、ロシアを孤立させてのけ者(a pariah state)にするのではなく、何らかの圧力をかけ続けられるよう、統合を維持することが狙いだった」。

しかし、EUが課した財政的圧力は抑止力としては不十分だった。おそらく、ヨーロッパがロシア経済に数十億ドルもの資金を注ぎ込み続けたためだろう。スウェーデンのマリア・マルマー・ステネルガルド外相によると、EUは2022年以降、ロシアに輸入代金として3110億ユーロ(3667億ドル)を支払い、同期間にウクライナに1870億ユーロ(2205億ドル)の援助を行っている。

EUはパイプラインによるガス輸入を大幅に削減したが、液化天然ガス(LNG)輸入は2021年の20%から翌年には15%に減少したものの、2024年には戦前の水準まで回復した。2025年には、EUは依然としてLNG総輸入量の13%をロシアから輸入していた。

EUは依然としてロシアからの肥料輸入に依存している。EU全体の肥料輸入量に占めるロシアの割合は2025年第3四半期に13%に低下したが、ロシアは依然としてEU第2位の供給国だ。また、ロシア製の鋼板は依然として現地子会社を通じてEU内で販売されている。

ウクラインスカ・プラウダ紙の調査によると、ロシアのオリガルヒであるウラジミール・リシンが主権を握るノボリペツク・スティール(NLMKは、複数のヨーロッパ諸国に鋼板を輸出し続けている。ウクラインスカ・プラウダ紙は、ノボリペツク・スティール(NLMK)はロシアの防衛サプライチェインに深く関わっており、ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルの製造会社を含むロシアの防衛部門の少なくとも22の施設に供給していると報じた。ノボリペツク・スチールとリシンはいずれもEUから制裁を受けていない。

ロシア・リーヴキャンペーンのオノプリエンコは次のように述べた。「ノボリペツク・スティール(NLMK)はEU理事会の制裁基準を満たしていないと判断された可能性がある。大手鉄鋼メーカーはEU諸国に経済的な足跡を残しており、雇用やヨーロッパのサプライチェインへの相互影響なしに単純な制裁を課すことは困難だ」。

ノボリペツク・スティール(NLMK)の関係者は匿名を条件にフォーリン・ポリシー誌の取材に応じ、EUは子会社が操業するベルギーなどの国々で雇用喪失の可能性に対する圧力に晒されていると語った。

さらに、ロシアのエネルギー大手ルクオイルは、これまでのところEUによる全面的な禁輸措置や資産凍結を免れている。前述のドラキアは次のように述べた「アメリカはルクオイルに全面的な制裁を課しているが、EUはルクオイルの子会社1社のみに制裁を課しており、ルクオイル自身には制裁を課していない。多くのヨーロッパ諸国がエネルギー需要をルクオイルに依存しており、EUは構成国や加盟国に過度の圧力をかけたくないのかもしれない」。

ルクオイルとノボリペツク・スティール(NLMK)に関する質問に対し、EU報道官は制裁に関する協議は機密扱いであり、加盟国の裁量に委ねられていると述べた。「制裁は加盟27カ国が全会一致で採択したものであり、EUは公にコメントすることはできない」。

フランスはイギリスと共にいわゆる有志連合(a so-called coalition of the willing)を率いており、将来の和平を監視するためにウクライナに部隊を派遣する意向表明に署名した。しかし一方では、フランスのエネルギー企業EDFの子会社であるフラマトムは、ロシアの国営原子力企業ロスアトム傘下のTVELとの合弁事業を推進し、ドイツで核燃料棒を製造しようとしている。

EU報道官は、「現在、ロスアトムは制裁対象リストに含まれていない」と付け加えたが、EUはロスアトムを含むロシアの原子力関連製品・技術へのアクセスを制限している。EUのカヤ・カラス外相は2025年8月、ヨーロッパ委員会を代表して、ヨーロッパ議会において、「ヨーロッパ委員会は、ロシアからの原子力輸入を段階的に、秩序正しく、かつ安全な方法で廃止することに尽力している」と述べた。

要するに、ヨーロッパ諸国はロシアからの輸入を遮断しようと試みたものの、依然として依存状態が続いている。制裁措置を講じる際には意見が分かれ、代わりに地域経済を優先する特例措置を設けている。多くのヨーロッパ企業はモスクワとのつながりを維持し、関係を再開することを望んでいる。EUとロシアの関係は、ロシアがウクライナに侵攻する前の、より希望に満ちた時代、つまり貿易によってプーティン大統領の強権的な傾向を抑制できるとヨーロッパが信じていた時代に戻ることはないだろう。しかし現状では、ヨーロッパは既に地域の強権国家と繋がりを持っており、経済的な譲歩は近いうちに避けられないものとなるかもしれない。

アンシャル・ヴォーラ:ブリュッセルを拠点とするフォーリン・ポリシー誌コラムニスト。ヨーロッパ、中東、南アジアについて執筆している。『タイムズ・オブ・ロンドン』紙で中東を担当し、アルジャジーラ・イングリッシュとドイチェ・ヴェレのテレビ特派員も務めた。以前はベイルートとデリーを拠点に、20カ国以上の紛争や政治を報道してきた。Xアカウント:@anchalvohra

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(終わり)

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