古村治彦です。
エプスタイン・ファイルをめぐる連邦議会での激しいやり取りについては、このブログでもご紹介した。エプスタイン・ファイルは既に、アメリカ政治において熱を帯びた戦いの最前線になっている。司法省は未編集の資料を保有しており、連邦議会は被害者の名前などの編集を認めながら公開を求めてきた。そして、今年に入って約350万ページにも及ぶ資料が公開された。それらは編集されたもので、どうしても「加害者の名前が編集されているのではないか」という疑いが付きまとう。
司法省は、連邦議会の議員たちに司法省の事務所内での未編集の資料の閲覧を認めている。議員たちは全てを見ることが出来る。もちろん、約350万ページの資料を見ることなど不可能だ。それでも民主党側の議員たちの中から、加害の証拠があり、有罪の可能性があるという人物たちの名前が発表されている。これからも、編集された部分から、重大な加害に関与した可能性がある人物たちの名前が出てくるだろう。「○○の名前があった」「■■に加害の可能性がある」ということが取り沙汰されている様子は、戦後アメリカに吹き荒れた、マッカーシズム(McCarthyism)、赤狩り(Red Scare、Red Purge)を思い起こさせる。
司法省がどの議員がどのような検索や調査を行ったかについて記録を取っていることが問題視されている。司法省は、被害者の名前が漏洩しないように、もしもの場合の責任の所在を明らかにするために記録を取っているとしている。一方で、民主党所属の議員たちからは、これは行政権による司法権に対する侵害であるとして批判を強めている。司法省が、議員たちがどのような調査をしたかの記録を取って、それをマスコミにリークなどすれば、議員たちに批判が集まるという危険性もある。
司法省の主張にも、連邦議会民主党側の主張にも説得力があるが、日ごろは問題視されないことが、粒立てて問題視されるということはそれだけの緊張感があるということだ。民主、共和両党は、中間選挙に向けて、お互いを攻撃しようとし、エプスタイン・ファイルはその攻撃材料となっている。これからファイルの調査が進むことで、展開は大きく変わっていくことも予想される。
(貼り付けはじめ)
民主党が司法省による連邦議員のエプスタイン文書検索追跡を調査開始(Democrats
launch investigation into DOJ tracking of lawmakers’ Epstein files searches)
レベッカ・ベイッチ筆
2026年2月13日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/house/5738162-epstein-files-doj-bondi-house-democrats/
連邦下院司法委員会と監視委員会の民主党所属の連邦議員は、パム・ボンディ司法長官が、ある議員によるジェフリー・エプスタイン事件の未編集ファイルに関する調査の概要を閲覧しているのが目撃されたことを受け、金曜日に司法省に対する合同調査を開始した。
この書簡は、司法省に対し「連邦議員によるエプスタイン・ファイル閲覧の追跡を直ちに中止する」よう求め、連邦議員が閲覧した未編集ファイルを追跡する意図を問う内容だ。
連邦下院司法委員会と監視・政府改革委員会の民主党側トップであるジェイミー・ラスキン連邦下院議員(メリーランド州選出)とロバート・ガルシア連邦下院議員(カリフォルニア州選出)は、プラミラ・ジャヤパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)と共に、「水曜日、連邦下院司法委員会の公聴会に持参された『バーン・ブック』バインダーのページの写真は、司法省が、多少編集が緩められたエプスタイン・ファイルを閲覧する議員たちを秘密裏に追跡していたことを連邦議会と世界に明らかにした」と書簡に記した。
議員たちは、「私たちが憲法上の監視義務を遂行する中で、連邦議員たちがあずかり知らないうちに、あるいは同意なく行われるこうした監視は、三権分立(separation of powers)の明白な侵害であり、司法省がジェフリー・エプスタインとギレーヌ・マクスウェルの共謀者、共犯者、そして幇助者を守るために手段を選ばず、被害者とアメリカ国民に正義を否定する姿勢をさらに強めていることの証拠である」と書いている。
司法省立法局(Office of Legislative Affairs、OLA)は「秘密裏に連邦議会を監視する活動を行うべきではない」と議員たちは主張した。
写真には、ボンディ氏が「ジャヤパル・プラミラ捜査履歴」と題された文書を確認している様子が捉えられている。これは、司法長官と口論になったワシントン州選出の民主党議員の行動を確認しているように見える。
この写真は、議会で異例の超党派の合意を招き、両党の議員が自らの行動を追跡されることに憤慨した。
このような動きはマイク・ジョンソン連邦下院議長(ルイジアナ州選出、共和党)から異例の叱責を受けた。
ジョンソン議長は、「連邦議員には当然、それぞれのペースと裁量でそれらの資料を閲覧する権利があるべきであり、誰かがそれを追跡するのは適切ではないと考える。司法省関係者全員に同じ意見を述べたい」と述べ、これが「見落としや漏れ(oversight)」であることを願うと付け加えた。
ボンディ司法長官は水曜日、民主党所属の連邦議員たちに反論するために頻繁にバインダーを取り出し、各議員の選挙区で犯された具体的な犯罪の概要を手元に用意していた一方で、大統領と株式市場のパフォーマンスについては称賛していた。
「ジャヤパル議員は火曜日の朝、この公聴会開始の約23時間前にエプスタイン・ファイルを閲覧していた。その23時間の間に、司法省は彼女の検索履歴を取得し、それを利用して、監督に関する重大な疑問をかわすための党派的な攻撃を準備したようだ。ジャヤパル議員は検索履歴文書の正確性を確認した」と議員たちは書簡に記している。
司法省は金曜日、新たな調査について言及しなかったが、以前の発言については指摘した。
司法省の広報官は木曜日に「司法省は連邦議会に対し、エプスタイン・ファイルの非編集文書を閲覧する機会を与えた。この閲覧の一環として、司法省は被害者情報の漏洩を防ぐためであり、民主党は、検索の監視が司法省に彼らの潜在的な捜査計画に関する洞察を誤って与えている」と主張している。
連邦議員たちは、エプスタイン・ファイルの未編集版を閲覧するよう招請され、月曜日から司法省内の事務所に出向き始めている。
連邦議員たちが出した書簡には、少なくとも12名の民主党所属の連邦議員がエプスタイン・ファイルを閲覧したと記されており、ファイル公開を求める法案の共同提案者である共和党のトーマス・マシー下院議員(ケンタッキー州選出)とナンシー・メイス下院議員(サウスカロライナ州選出)も閲覧した。
エプスタイン・ファイルの閲覧要請書には、司法省が「全議員の閲覧日時」を記録すると記載されていたものの、連邦議員たちの書簡では、連邦議員たちは検索履歴が集計されることを知らされていなかったと書かれている。書簡ではまた、検索履歴の閲覧に何人の司法省職員が関与したのか、そしてボンディ長官が水曜日に連邦下院司法委員会に出席した際、「その準備と出席中に、情報はどのように使用されたのか」についても質問している。
連邦議員たちは、「検索に加えて、連邦議員に関するどのような情報を収集しているのか?」と質問した。
(貼り付け終わり)
(終わり)
赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD (1)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



コメント