古村治彦です。

 2026年2月25日、ドナルド・トランプ大統領は連邦議場で一般教書演説を行った。1時間48分に及ぶ演説は、史上最長記録となった。もっとも一般教書演説が連邦議事堂で実施されるようになったのは20世紀になってからで、歴史としてはそこまで古くはない。事前の予想通りに、分断を印象付ける一般教書演説となった。連邦議場内の分断は、アメリカ国内の分断を象徴するものとなった。民主、共和両党の議員たちがあれほど刺々しい態度を取ったのはこれまでに例がなかったのではないかと思う。

 現在、トランプ大統領の支持率は芳しくない。それでも40%以上はある。トランプ支持の基盤は強固であることも事実だ。今年11月の中間選挙(mid-term elections)は、文字通り、第二次ドナルド・トランプ政権の中間テスト(mid-term examinations)になる。現在は連邦上下両院で共和党が過半数を握っているが、現状では民主党が下院で過半数を奪還するのではないかという見通しになっている。そうなればトランプ政権にとっては痛手となる。トランプ政権としては経済で成果を上げたいところだが、厳しい。目玉政策の高関税政策は連邦最高裁に差し止められ、先行きは不透明だ。ドル安も進行している。インフレ率は落ち着いているが、アメリカ国民の中で不満を抱えている人たちが多くいる。

 外交政策は、西半球に焦点を当てたドンロー政策を採用しているが、アメリカの国益に適っているとは言い難い。何よりも、他国からの信頼が大きく揺らいでいる。第二次トランプ政権の外交政策は第一次政権時と異なり、ネオコン的な介入主義的となっている。中国とは融和を行うような姿勢を取りつつも、対決姿勢も取っている。こちらも先行きが不透明だ。アメリカ帝国の衰退だけが印象付けられている。

 一般教書演説は、英語では「State of the Union Address」と言う。直訳すれば、「統一されたアメリカ国家(the Union)の現状に関する演説」となる。今回の演説が示したのは「分断された国家(division)の姿」である。「分断されたアメリカ国家の現状任官する演説( State of the Division Address)」と言うべきものだった。アメリカはこうして、帝国であることを止め、国内の不安定さを増して、衰退していく。このブログでも何度も書いたが、私は、トランプ大統領はアメリカ帝国の墓堀人の役割を果たすと考えている。今回の一般教書演説はそれにふさわしいものとなった。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプ大統領の一般教書演説から得られる5つのポイント(Five takeaways from President Trump’s State of the Union address

ナイオール・スタンジ筆

2026年2月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5754101-trump-state-union-address-takeaways/

ドナルド・トランプ大統領は火曜日、2期目初の公式の一般教書演説(the first official State of the Union address of his second term)を行った。

大統領は、特に経済政策に関する支持率の低迷に悩まされながらも、11月の中間選挙を前に党の結束を強めようと努める形で演説は行われた。

トランプ大統領は、イランとの緊張が高まる中で、1時間50分弱に及ぶ演説を行った。大統領は、この地域に2つの空母群を派遣した。

演説の主要なポイントは以下の通りだ。

(1)イランに関する様々な計画は不透明な状態のままを維持している(Iran plans remain murky

今回の演説に関して、最も重大な政策課題は、トランプ大統領が対イラン計画をより明確にするか否かという点にあった。しかし、トランプ大統領は計画について明確にしなかった。少なくとも、それほど明確にはしなかった。

トランプ大統領は次のように述べた。「私たちは彼らと交渉中だ。彼らは合意を望んでいるが、『私たちは決して核兵器を持たない』という秘密の言葉をまだ聞いていない。私は外交を通じてこの問題を解決することを望んでいる。しかし、一つ確かなことは、世界最大のテロ支援国である彼ら(イラン)に核兵器を持たせることなど決して許さないということだ。絶対に許すことはできない」。

木曜日にジュネーブで予定されているイランとアメリカとの協議を前に、この問題には多くの複雑な要素が絡んでいる。

第一に、イランのマソウド・ペゼシュキアン大統領は昨年9月、国連総会で次のように述べた。「イランは核爆弾の製造を試みたことはなく、今後も決して試みることはないだろう」。

第二に、トランプ大統領は演説の他の部分で、これまで同様、イランの長距離兵器能力(核兵器か非核兵器かを問わず)がそれ自体の障害であると示唆した。また、イラン政府が年末に起きた抗議デモの複数の参加者を殺害したことを非難した。

まとめると、トランプ大統領が曖昧に定義された問題に対する解決策として具体的に何を提案しているのか、あるいはテヘラン政権の存続を想定しているのかどうかは依然として不明確である。

(2)中間選挙へのメッセージを追求(Seeking a midterms message

演説の序盤、つまりテレビ視聴者の視聴率が例年最高値に達する時間帯は、主に経済に焦点を当てていた。

トランプの主張の中には、株価が過去最高値、あるいはそれに近い水準にあるなど、妥当なものもあれば、そうでないものもあった。トランプが主張するように、いかなる基準で見ても「記録的なインフレ率(inflation at record levels)」にある国を引き継いだ訳ではない。2期目が始まった2025年1月の年率インフレ率は3.0%だった。最新の今年1月の数値では2.4%となっている。

トランプの支持率は、物価上昇に対する国民の認識に関しても、特に不安定な状況にある。

『ワシントン・ポスト』紙、ABCニューズ、イプソス社が最近実施した世論調査では、成人の65%がトランプのインフレ対応に不満を示し、支持したのはわずか32%だった。

火曜日の夜、トランプは以前から繰り返してきた攻撃を再び展開し、民主党は「突然『手頃な価格(affordability)』という言葉を使った。誰かが与えてくれた言葉だ」と主張した。そして、物価高騰の責任は実際には民主党にあると主張した。

また、昨年の減税・歳出法案に反対票を投じた野党を激しく非難し、「彼らは大規模な増税で国民を苦しめようとした(they wanted large scale tax increases to hurt the people instead)」と述べた。

(3)移民をめぐる対立(A confrontation on immigration

演説で最も劇的な場面は、おそらく予想通り、移民に関する部分で訪れた。

ある場面でトランプは、「アメリカ政府の第一の義務はアメリカ国民を守ることであり、不法移民を守ることではない」という発言に賛同する聴衆は「立ち上がって支持を表明する」べきだと述べた。

民主党所属の連邦議員たちは圧倒的多数が着席したままだった。これは、移民関税執行局(ICE)や国土安全保障省(DHS)傘下の他の機関による強硬な執行措置に彼らが強く反対していることを考えると、驚くべきことではない。

これらの措置は、1月にミネソタ州でレニー・グッドとアレックス・プレッティという2人のアメリカ国民が射殺される事件につながった。

その間、トランプは民主党議員たちを睨みつけ、「立ち上がらないのは恥ずべきことだ」と述べた。

イルハン・オマル連邦下院議員(ミネソタ州選出、民主党)をめぐっては、「トランプがアメリカ人を殺した」と叫ぶなど、激しい口論も繰り広げられた。

トランプが、オマルも属する「ソマリア人コミュニティ」が数十億ドルもの税金を「略奪した」と非難すると、オマルは「彼は嘘つきだ」と叫んだ。

オマルが「彼は嘘つきだ」と叫んだのも聞こえた。

(4)最高裁への怒りは小さいものとなった(Supreme Court draws only a bit of ire

トランプ大統領は、先週、判事が自身の主要関税措置の多くを無効にした直後から、既に最高裁を批判していた。

大統領は特に、自身の意に反する判決を下した保守派判事3人に憤慨していた。この中には、自身が最初の任期中に任命したニール・ゴーサッチ判事とエイミー・コニー・バレット判事も含まれている。先週、トランプ大統領はこの判決は「彼らの家族にとって恥ずべきものだ」と述べた。

この発言は、ジョン・ロバーツ判事、エレナ・ケーガン判事、ブレット・カヴァノー判事、バレット判事の4名が出席した火曜日の夜、激しい対決の緊張を高めたように思われた。

トランプ大統領はこの判決を「残念」で「失望した」と述べたが、最高裁を完全に非難することはなかった。

(5)政治的には両党とも望むものを得た(Politically, both parties got what they wanted

現代において、一般教書演説はかつてほど重要ではなくなった。
つい最近まで、この年次演説はアメリカ大統領が国民に率直に語りかける稀有な機会と見られていた。しかし最近では、トランプ大統領はソーシャルメディアで一日に何度も国民に語りかけている。

それでも、この演説はテレビで多くの視聴者を獲得している。

共和党は、移民やトランスジェンダーの権利といった重要な問題でトランプ大統領が対比を描いたこと、そして他の全てをかき消してしまうような大規模な論争を巻き起こさなかったことに概ね満足していると思われる。

民主党は、少なくとも11月には連邦下院の過半数を奪取できると期待している政治情勢において、トランプ大統領が何ら変化をもたらしたとは考えていない。

ヴァージニア州知事アビゲイル・スパンバーガー(民主党)は、党の立場から反論し、3つの質問を中心に論点を整理した。

「大統領はあなたとあなたの家族の生活費を安くするために尽力しているか? 大統領は国内外でアメリカ国民の安全を守るために尽力しているか? 大統領はあなたのために働いているか?」と彼女は修辞的に質問した。

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トランプ大統領の一般教書演説の注目すべき5つの瞬間(5 stand-out moments from Trump’s State of the Union address

ジュリア・ミュラー、サラ・デイヴィス筆

2026年2月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5754028-trump-state-of-the-union-memorable-moments/

ドナルド・トランプ大統領は火曜日、連邦議会で記録的な長さの演説を行い、「アメリカの黄金時代(golden age of America)」というヴィジョンを掲げ、政権の成果を誇示するとともに、支持率の低迷と経済への不満を抱えながらも、ライヴァルである民主党を攻撃した。

大統領は、共和党所属の連邦議員たちからのスタンディングオベーションや民主党所属の議員たちへの非難を含む、多岐にわたる演説の中で、この国は「かつてないほど大きく、より良く、より豊かに、より強くなった(bigger, better, richer and stronger than ever before)」と宣言した。

多くの民主党議員が演説をボイコットし、トランプ大統領への抗議として反対集会に参加した一方で、多くの党員は大統領の演説中、終始沈黙を貫いた。テキサス州選出の民主党議員1人が議場から退場させられ、共和党議員のスタンディングオベーションを理由に大統領に野次を飛ばした議員もいた。

1時間48分のプログラムは、トランプ大統領が昨年、連邦上下両院合同会議で行った100分間の演説(厳密には一般教書演説ではない)よりも長く、クリントン元大統領が保持していた一般教書演説(SOTU)の記録を破った。

(1)物議を醸す中でトランプ大統領は男子アイスホッケー米代表ティームを歓迎(Trump welcomes U.S. men’s hockey team amid controversy

演説開始直後、トランプ大統領は、オリンピックで金メダルを獲得したアメリカ男子アイスホッケーティームを議場に迎えた。選手と大統領の電話通話を捉えた動画が拡散し、物議を醸している中、彼らの発言は大きな話題となった。

「今夜、ここにいるのは、アメリカ全土を誇らしくさせた勝者たち、オリンピックで金メダルを獲得した男子アイスホッケーティームだ」とトランプ大統領は述べ、ティームを連邦議場上部の記者席に案内すると、拍手と「USA」コールが沸き起こった。

トランプ大統領とアイスホッケー選手たちは、ロッカールームでの電話の映像で批判を浴びた。その映像では、大統領が男子アイスホッケーティームに対し、女子アイスホッケーティームをホワイトハウスに「招待しなければならない」、さもなければ「おそらく弾劾されるだろう」と告げていた。

トランプ大統領は演説の中で、日曜日の金メダル決定戦における男子アイスホッケーティームの勝利を称賛したが、その後、議会演説への出席を辞退した女子アイスホッケーティームをあえて批判した。

「彼女たちは、誰もが見ていたように、延長戦で素晴らしいカナダチームを破った。間もなくホワイトハウスにやってくるアメリカの女子アイスホッケーティームも同様だ」とトランプ大統領は述べた。

トランプ大統領はまた、2028年にロサンゼルスで開催される「夏季」アイスホッケーにも言及し、同市での移民取り締まり強化に言及し、「安全な大会になるだろう」と述べた。大統領は長らくカリフォルニア州を批判し、移民法執行やその他の取り組みをめぐって同州民主党指導部と対立してきたが、オリンピックはアメリカ本土で開催されると繰り返し主張してきた。

(2)トランプ大統領は複数の勲章を授与(Trump hands out several medals

トランプ大統領は演説中に招待客に複数の勲章を授与し、自身も名誉勲章を受章することに引き続き意欲を示していると述べた。

トランプ大統領は、アメリカ男子アイスホッケーのゴールキーパー、コナー・ヘレビュックに「我が国における最高の民間人栄誉」である大統領自由勲章を近日中に授与する計画を発表した。ケイティ・レデッキーやマイケル・ジョーダンなど、他のオリンピック選手もこの勲章を受章している。

今秋、ホワイトハウスから数ブロック離れた場所で銃撃を受けた州兵2名に、戦闘で負傷または死亡した軍人に与えられる名誉ある軍の勲章パープルハート勲章が授与された。

アンドリュー・ウルフ二等軍曹はトランプ大統領の演説中に勲章を授与され、事件後に銃撃で死亡した州兵サラ・ベックストロムさんの両親も娘に代わって勲章を受け取った。

また、トランプ大統領は軍の最高勲章である名誉勲章を授与した。

メラニア夫人は、トランプ大統領が「生ける伝説(living legend)」と呼んだ100歳の元海軍戦闘機パイロットのロイス・ウィリアムズ大尉に名誉勲章を授与した。また、軍当局者は、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領逮捕に向けた1月の軍事作戦を指揮したエリック・スロバー准尉に名誉勲章を授与した。

昨年、テキサス州で発生した壊滅的な洪水の際にキャンプ・ミスティックで164人の少女を救助した沿岸警備隊の水泳選手スコット・ラスカンには、レジオンド・オブ・メリット勲章が授与された。

(3)トランプ大統領、最高裁の関税判決を「残念」と批判(Trump pans ‘unfortunate’ Supreme Court tariffs ruling

最高裁判所判事たちが傍聴席にいたトランプ大統領は、先週、自身が課した広範な関税措置の大部分を無効とする最高裁の「残念な」決定を嘆いた。

「わずか4日前、連邦最高裁判所から残念な判決が下された」とトランプは述べた。判事たちは両手を膝に当てまっすぐ前を見つめていた。

最高裁は先週、6対3の票決で、政権が第二期の目玉として掲げてきた国際経済戦略を無効にする判決を下した。トランプは国際緊急経済権限法(IEPA)を発動して関税を課そうとした初の大統領だが、判事たちは、国際緊急経済権限法はトランプにその権限を与えていないと判断した。

最高裁のジョン・ロバーツ長官に加え、エレナ・ケーガン判事、ブレット・カヴァノー判事、エイミー・コニー・バレット判事も同席した。カヴァノー判事は、関税問題に関する最高裁の反対意見に賛同した唯一の判事だった。

政権は現在、その看板となる経済政策を継続するため、他の代替的な権限に目を向けている。先週金曜日、トランプは別の緊急条項である1974年通商法に基づき、新たに10%の世界的な関税を課すと発表した。彼は後に、計画されていた輸入税を15%に引き上げた。

「少し複雑ではあるが、実際にはおそらくより優れたものであり、これまでよりもさらに強力な解決策につながるだろう」とトランプ大統領は火曜日、これらの代替権限について述べた。

「連邦議会の措置は必要ないだろう」とトランプ大統領は続けた。「すでに議論の的となっているが、時が経てば、外国が負担する関税が、過去と同様に、現代の所得税制度に実質的に取って代わり、私の愛する人々から大きな経済的負担が軽減されるだろうと信じている」。

(4)民主党議員たちがトランプ大統領に野次を飛ばし、グリーン議員は2年連続で議場から退場させられた(Democrats heckle Trump; Green escorted out for second year

演説中、数名の民主党議員が大統領に野次を飛ばしたが、過去の激しい対立―バイデン前大統領が前回の一般教書演説で当時のマージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)と対立した時のような―、に比べると、やり取りは比較的穏やかだった。

トランプ大統領が不法移民と国境問題について話している間、ラシダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)はトランプ大統領に向かって「あなたたちはアメリカ人を殺している」と怒鳴りつけた。イルハン・オマル連邦下院議員(ミネソタ州選出、民主党)は「あなたたちはアメリカ人を殺した」と叫んだ。

他の民主党議員もトランプ大統領を野次った。ノーマ・トレス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、今冬ミネソタ州で入国管理官に殺害された2人のアメリカ人アレックス・プレッティとレニー・グッドの写真が印刷された両面プラカードを掲げた。

大統領の演説冒頭、アル・グリーン連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は2年連続で連邦下院議場から退場させられた。

グリーン議員は「黒人は類人猿じゃない!(BLACK PEOPLE AREN’T APES!)」と書かれたプラカードを掲げた後、退場させられた。大統領が共有した、AIで加工された、現在は削除された動画への言及として、黒のマーカーで殴り書きされた。その動画には、オバマ前大統領とミシェル前大統領夫人の顔が猿の体に映し出されていた。

グリーン議員は連邦下院議場を去る際にザ・ヒル誌に、「これは大統領と大統領夫人だけでなく、黒人である私への侮辱だ。・・・私は彼に、誰かが彼に面と向かってそう言う勇気を持っていることを知って欲しかった。そして、私はそうした」と語った。彼は、自身の解任は「驚きではない」と述べた。

昨年、テキサス州選出のグリーン下院議員は、大統領の演説中に野次を飛ばした後、議場から強制的に退場させられた。その後、連邦下院の採決で「適切な行動規範違反(breach in proper conduct)」として非難された。

大統領に野次を飛ばしたり、あからさまに抗議したりしなかった民主党議員でさえ、共和党議員が何度か立ち上がって大統領に拍手喝采する中、着席したまま異議を唱えた。

「立ち上がらないなんて、恥じるべきだ。自分たちを恥じるべきだ」と、トランプは国土安全保障省の一部閉鎖を受けて、予算措置を求めた際に、着席したままの民主党議員たちに語りかけた。

「見て見ろ、誰も立ち上がらない。この連中は狂っている。本当にそうだと言いたい」とトランプは別の場面で述べた。

しかしながら、トランプ大統領が国民に「いかなる種類の政治的暴力も完全に拒否する」よう呼びかけた時や、ハマスに拘束されていた最後の人質の帰還における政権の成功などを誇示した時には、民主党議員たちは立ち上がって拍手を送った。

(5)議員の株式取引禁止を求める声が上がる状況でトランプ大統領はペロシ元連邦下院議長を批判(Trump jabs at Pelosi amid push to ban lawmaker stock trades

トランプ大統領は、議員の株式取引禁止を支持したナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)を批判した。

「株価上昇の恩恵を全てのアメリカ国民が享受できるようにすると同時に、連邦議員がインサイダー情報を利用して不正な利益を得ることができないようにしなければならない」とトランプ大統領は述べた。

民主、共和両党の議員が拍手し、トランプ大統領は一部の民主党議員が立ち上がったことに驚きを隠せない様子で述べた。

「信じられないことだ。ナンシー・ペロシ議員がここにいて、立ち上がった?」とトランプ大統領は質問した。

20期連続で連邦下院議員を務めているペロシは、夫の株式取引の成功をめぐって批判に晒されて、かつては株式取引禁止を支持しなかったことで批判を浴びたが、後に方針を転換した。カリフォルニア州選出の民主党所属の連邦下院議員である彼女は、自身は株式を保有していないことを強調し、昨年は議員とその配偶者に対する別途の株式取引禁止法案を支持した。

連邦議会は長年、議員による株式取引の禁止を目指してきたが、提案はなかなか実現しなかった。トランプ大統領は、共和党主導の「インサイダー取引禁止法案(Stop Insider Trading Act)」を「遅滞なく(without delay)」可決するよう議員たちに求めた。

ペロシ議員とトランプ大統領は、トランプ大統領の最初の任期以来、特に連邦議会での演説の際に確執を続けてきた。

当時下院議長だったペロシ議長は、2020年の一般教書演説の最後に、トランプ大統領が用意した演説原稿を破り捨てた。彼女は、火曜日のトランプ大統領の演説に先立ち、別の原稿を破り捨てている画像をソーシャルメディアに投稿した。

当時連邦下院議長だったペロシは、2020年の一般教書演説の最後に、トランプ大統領が用意した演説原稿を破り捨てた。彼女は、火曜日のトランプ大統領の演説に先立ち、今回の演説の原稿を破り捨てている画像をソーシャルメディアに投稿した。

ペロシ元議長は11月、トランプ大統領を「地球上で最悪の存在(the worst thing on the face of the earth)」と呼び、現連邦下院議長マイク・ジョンソン(ルイジアナ州選出、共和党)への影響力によって事実上「連邦下院を廃止した(abolished the House of Representatives)」と非難した。

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ドナルド・トランプ大統領の一般教書演説は民主党との衝突が支配した(Clashes with Democrats dominate Trump’s State of the Union

マイク・リリス筆

2026年2月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/5754005-trump-state-of-the-union-democrats-clashes/

ドナルド・トランプ大統領は火曜日の夜、連邦議事堂に突入し、政権復帰1年目の成果を称賛し、民主党を無能なライヴァルと痛烈に批判し、11月の中間選挙では共和党が連邦議会の支配権を維持するべきだと主張した。

この長時間にわたる一般教書演説は、約1年前に同じ議場で行った演説に見られた特徴的な闘争心に満ちていた。そして、長年トランプをアメリカの民主政治体制の実験に対する脅威とみなしてきた民主党議員たちからの同様の露骨な抗議を引き起こした。

黒人議員連盟の重鎮であるアル・グリーン連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は、今回も群衆から際立った存在だった。昨年3月、グリーン議員は議場から立ち上がり、杖を演壇に突きつけながら大統領に野次を飛ばしたため、議場から退場させられ、最終的には譴責処分を受けた。

今年のグリーン議員は、以前より物静かだったものの、以前ほど遠慮はなくなった。トランプを人種差別主義者だと非難する手書きのプラカードを掲げていた。「黒人は類人猿じゃない」と書かれていた。これは、トランプが最近ソーシャルメディアで、バラク・オバマ前大統領とミシェル夫人を猿に見立てた加工動画を宣伝したこと(現在は削除されている)への言及だった。この動画は両党の議員たちから反発を招いた。

グリーン議員の沈黙のデモは、おそらく、連邦下院少数党(民主党)院内総務のハキーム・ジェフリーズ連邦議員(ニューヨーク州選出、民主党)が、議場内では静かに抗議するよう民主党議員に要請したことへの敬意を表したものだったのだろうが、座席を確保することはできなかった。演説開始からわずか数分後、議場警備隊員がグリーン議員を議場から連れ出した。これは年に一度の恒例の行進となった。

通路を歩いていて退場する途中、保守的なトランプの熱烈な支持者であるトロイ・ネルズ連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)がプラカードを奪おうとした。

その後、グリーン議員は堆積させられる覚悟はしていたが、演説を見るよりもメッセージを伝えることの方が重要だと主張した。

グリーン議員は次のように述べた。「トランプ大統領は黒人、それも二人の著名な黒人、(元)大統領とファーストレディを類人猿のように描写してきた。これを見過ごすことはできない。あまりにも長い間、私たちは彼の卑劣な行為を許してきた。なぜなら、彼はまた別の卑劣な行為に手を染めるからだ。私はこれを見逃すことはできない」。

この出来事はあっという間に終わったが、その後の長時間にわたる一般教書演説の基調を決定づけることになった。演説では、トランプ大統領が民主党を攻撃し、民主党もそれに応じ、連邦議会とアメリカ国家を分断する党派間の分極化(the partisan polarization that divides Congress and the country)、特にトランプ政権下で顕著な分極化を鏡のように映し出していた。

人種、犯罪、移民がしばしば論争の的となった。

トランプ大統領の演説は、国土安全保障省(DHS)の歳出をめぐる行き詰まりの最中に行われた。ミネアポリスで連邦移民局職員による銃撃で2人のアメリカ市民が死亡した事件をきっかけに、国土安全保障省は部分的な閉鎖に追い込まれた。そして、これらの悲劇は、火曜日の夜に起きた数々の記憶に残る衝突の背景となった。

ある場面でトランプ大統領は議場においてこう問いかけた。「この発言に賛同される方は、立ち上がって支持を表明して欲しい。アメリカ政府の第一の義務は不法移民ではなく、アメリカ市民を守ることだ(If you agree with this statement, stand up and show your support — the first duty of the American government is to protect American citizens, not illegal aliens)」。

共和党議員は長い拍手で立ち上がったが、民主党議員はほぼ全員が冷静に座ったままだった。トランプ大統領はこの違いに気づいた。

「立ち上がらないことを恥じるべきだ」と民主党議員に語りかけた。

「あなた方はアメリカ国民を殺した」とミネアポリス選出のイルハン・オマル連邦下院議員(ミネソタ州選出、民主党)は叫び声を上げた。「恥じるべきだ」と叫んだ。

ノーマ・トレス下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)も殺人事件を取り上げ、被害者のレニー・グッドとアレクサンダー・プレッティの顔を反対側に描いたプラカードを掲げた。

民主、共和両党は選挙のセキュリティと、より厳格な投票法の妥当性についても対立した。この問題は、トランプ大統領が、民主党がバイデン前大統領の勝利を確実にするために投票を「不正操作(rigging)」したと虚偽の非難をした2020年の選挙以降、特に顕著になっている。実際には、重大な不正投票の証拠はなかったが、それでもトランプは古い主張を増幅させ、11月の中間選挙は腐敗に汚染されるだろうと新たな警告を発し続けている。

トランプは「なぜ有権者IDを欲しがらない人がいるのか? 一つには、不正をしたいからだ」と問いかけた。

この非難は、ラシダ・トライブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)にとってあまりにも受け入れがたいものだった。彼女は、トランプがきっと自分のことを言っているに違いないと叫んだ。

その後、オマル、トライブ、トレス各議員は抗議のため全員退席した。

また、稀にだが超党派の合意が見られる場面もあった。演説開始からわずか数分後、トランプ大統領は、日曜日にイタリアで金メダルを獲得した米男子オリンピックホッケーティームのメンバー数名を二階にある記者席に招待し、ゴールキーパーのコナー・ヘレビュックに大統領自由勲章を授与すると発表した。

両党の議員たちは、長い間立ち上がって拍手を送った。

トランプ大統領が、軍たちの並外れた勇敢な行動に対し、様々な栄誉勲章を授与すると発表した時も、同様の結束の姿勢が見られた。

しかし、この演説は概ね、両党と国全体との間の激しい分裂(stark divisions)を浮き彫りにする結果となった。多くの民主党議員は異例なことだが演説を全面的にボイコットした。その中には、連邦下院少数党(民主党)院内幹事のキャサリン・クラーク連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)をはじめとする有力議員も含まれていた。ボイコットした議員の中には、トランプ大統領に聴衆を割きたくないと不満を抱くリベラル派が、対抗メッセージを発信する場として企画された、議場外で行われたライヴァルイヴェントに参加した人たちもいた。

もしトランプ大統領が空席に少しでも不快感を覚えていたとしても、彼はそれを表に出さなかった。むしろ、彼は民主党が、犯罪率の高さ、国境開放、そして猛烈なインフレという状態の国を作ったと激しく非難した。彼はこれらの問題術得てを、この1年で解決したと主張していた。

「民主党は我が国を破壊しようとしているが、間一髪でそれを阻止した」とトランプ大統領は述べた。

しかしながら、トランプの激しい口調は昨年の演説と同じだったとしても、政治の雰囲気は大きく異なり、大統領と共和党にとってはるかに有害なものだった。

当時、トランプ大統領はワシントンでの統一政府の公約と、わずか数カ月前の圧倒的な選挙勝利に支えられ、絶好調だった。この選挙は、アメリカ史上最も異例の政治的復活の一つとなった。

しかし、その後、政治の風向きは変わり、国内外でより困難な問題に直面している。不安定な経済(a volatile economy)、ウクライナとガザでの血なまぐさい紛争(bloody conflicts in Ukraine and Gaza)、最高裁による世界的な関税の否決()the recent defeat of his global tariffs at the hands of the Supreme Court、そしてミネアポリスでの銃撃事件を受けてあらゆる層の有権者から支持を失った移民政策(an immigration agenda that’s lost favor from voters of all stripes following the deadly shootings in Minneapolis)などだ。

民主党はこうした問題を使い、11月の投票で有権者が大統領とその与党に罰を与え、2027年には連邦下院の支配権を民主党に返すだろうと予測している。

ジェフリーズ氏は演説の直前に次のように述べた。「ドナルド・トランプ大統領の下での私たちの国歌の状態は完全なる惨事だ。そしてアメリカ国民はそれを知っている」。

(貼り付け終わり)
(終わり)



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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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