古村治彦です。
2026年2月28日、イスラエルとアメリカはイラン空爆を実施した。イラン南部では小学校が攻撃を受け、多くの小学生が犠牲になった。また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が攻撃を受け死亡した。イラン政府やイラン軍の高官の死亡者も出ているという情報がある。アメリカ軍は今回の作戦を「壮大な怒り作戦(Operation Epic Fury)」と命名した。ドナルド・トランプ大統領は声明の中で、イランが核兵器開発を放棄せず、イランの核兵器がアメリカにとっての「差し迫った脅威」になっていると述べ、攻撃を正当化した。イランは、イスラエルと湾岸諸国に存在するアメリカ軍基地に報復攻撃を実施した。
イスラエルは情報機関であるモサドがイラン政府の中枢にスパイネットワークを形成し、正確な情報を把握している。ハメネイ師をはじめとする最高幹部たちの行動や位置に関する情報も正確につかんでいる。今回の攻撃はその情報を基にして、ピンポイントでの攻撃が可能となったと考えられる。また、衛星情報、ビッグデータ分析やドローン技術などは、拙著『』で取り上げた、イーロン・マスクが率いるスペースX社、ピーター・ティールが率いるパランティア社、パルマー・ラッキーが率いるアンドゥリル社の技術が活用されたことも考えられる。
ドナルド・トランプ大統領は変容した。第一次政権と第二次政権では全く異なる。トランプのスローガンは「アメリカ・ファースト(America First)」だ。これは、「アメリカ国内の諸問題を解決すること、アメリカ国内を最優先すること」の意味だ。外国の諸問題については、介入しないという姿勢でもある。これは「アイソレイショニズム(Isolationism)」とも呼ばれる、アメリカの伝統的な外交に関する基本姿勢である。しかし、第二次政権発足後の2025年から、トランプ大統領は外国に積極的に介入する姿勢を示してきた。そして、2026年1月には、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束し、そして、2月末にイラン攻撃を実施した。ネオコン派が牛耳ったジョージ・W・ブッシュ政権と同様のことを行っている。これは、トランプを支持した有権者に対する裏切りである。

そもそもが、昨年(2025年)にアメリカはイランの核開発関連施設に攻撃を実施しており、それ以来、イランは核開発が進んでおらず、核兵器も所有しておらず、アメリカにとっての「差し迫った脅威」となっていない。イランが核兵器を所有して、アメリカを攻撃するというのは虚構である。今回の攻撃はイスラエルが、イランの弱体化と中東情勢の不安定化を狙って、トランプ大統領と側近たちを教唆して実施したものと私は考えている。
イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡封鎖を通告している。日本、インド、中国と言った国々は、イランをはじめとする中東の石油に依存している。今回の攻撃で原油価格の高騰は避けられない。石油が届かない、他の産油国からの調達をするということになれば、日本国内の物価上昇やエネルギー不足が発生することは容易に予想される。また、世界経済全体にも大きな影響が出る。
トランプ大統領は、イランの体制転換を口にしたが、それは空爆だけでは実現不可能だ。イスラエルもアメリカも現在のところ、地上軍の派遣を表明していない。それであるならば、アメリカとイスラエルのイランの体制転換への本気度は高くないという判断ができる。緊張が高まったままのこの状態が長期化すれば、世界全体に悪影響をもたらすことになる。
ドナルド・トランプ大統領はアメリカの有権者を裏切り、世界を不安定化させた。トランプ革命は裏切られたと結論づけるしかない。
(貼り付けはじめ)
トランプはイランとの戦争によって支持基盤を裏切っている(Trump Is
Betraying His Base By Waging War on Iran)
-有権者たちはブッシュ政権時代の介入(Bush-era interventions.)ではなく、アメリカ・ファースト(America First)を約束されていた。
エンマ・アシュフォード筆
2026年2月28日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/02/28/trump-is-betraying-his-base-by-waging-war-on-iran/
土曜日、平和評議会(Board of Peace)議長、FIFA平和賞受賞者、そしてアメリカの中東における無意味な戦争の熱烈な反対者であるドナルド・トランプ米大統領は、イランにおける体制転換(regime change)のための大規模な軍事作戦を開始した。結局のところ、彼は共和党内のイラン強硬派(Iran hawks)の優位性を打ち破ることができず、さらに重要なことに、不明確な目的のために軍事力を行使するという誘惑に抵抗できなかった。
トランプのこれまで見せてきた衝動制御の弱さ(poor impulse control)を考えれば、これは驚くべきことではないかもしれない。しかし、自ら選んだ新たな戦争を開始するという決断は、大統領支持基盤だけでなく、より広範なアメリカ国民への裏切り(a betrayal not just of the president’s base, but also of the
American people more broadly)でもある。トランプ自身の上級顧問たちは、大統領選挙の選挙運動中、彼を平和派候補(the peace candidate)として描写していた。スティーヴン・ミラーはかつて、カマラ・ハリス陣営を「子供たちを自分たちが決して戦わない戦争に送り込むのが好きな好戦的なネオコン(warmongering neocons [who] love sending your kids to die for wars
they would never fight themselves)」と評した。
トランプはかつて非難していた通りの行動に出てしまった。長年の支持者であるタッカー・カールソンは、今回の攻撃を「極めておぞましく、邪悪(absolutely disgusting and evil)」と描写した。トランプは短期的で成功する戦争(a short, successful war)を求めて賭けに出たが、今度は、避けると約束したまさにその事態、すなわち中東地域における新たな悲惨な泥沼(disastrous Middle East quagmire)にアメリカを陥れてしまうのかどうか、見守るしかない。イランで何が起こるかを断言するのは時期尚早だ。しかし、今回の攻撃は、彼の支持基盤やアメリカ国民が望んでいたことではないことは明らかだ。
なぜこのような事態に至ったのか? トランプの外交政策は、実は2024年大統領選における彼の政策の中でも比較的良好な争点の1つだった。ウクライナからガザ、中国に至るまで、ほぼ全ての主要な外交政策において、トランプはハリスに対し、一貫して僅差ながらも大きなリードを保っていた。実際、外交政策関係者の多くが懐疑的だったにもかかわらず、トランプの「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンは有権者の共感を呼んだように見える。ウクライナ問題、移民問題、そして世界のあらゆる問題の解決にアメリカが責任を持つべきかどうかといったメッセージは、共和党支持者だけでなく無党派層にも支持された。
しかし、「アメリカ・ファースト」が世界との関わりにおけるアメリカの利益の再主張というより、大統領の気まぐれ(the president’s whims)、威圧的な言動(penchant for
bullying)、そして軍事冒険主義への傾倒(taste for military adventurism)といった側面が強調されるようになり、トランプの外交政策に対する支持率はここ数ヶ月で41%から37%へと低下した。彼の外交政策は共和党支持者の間で依然として人気が高いものの、支持者の間でも特定の問題に対する不支持は大きい。共和党支持者の約70%がグリーンランドの占領に反対し、イランの政権交代を支持すると答えたのはわずか17%だった。
トランプ政権の外交政策は、有権者がアメリカ・ファーストに真に求めているものではないと結論づけざるを得ない。
「アメリカ・ファースト」という言葉自体が、常に多少の問題を抱えてきた。トランプが最初の選挙運動でこの言葉を使ったことは、1930年代の第二次世界大戦へのアメリカの介入(intervention)をめぐる議論との関連性を指摘し、世論を刺激した。しかし、この言葉が有権者に訴えかけたのも全く同じ理由からだった。それは、アメリカの利益とニーズを他国のそれよりも二の次にする、冷戦後の過度に単純化されたリベラルなコンセンサスへの拒絶を象徴しているように見えたのだ。
有権者たちがアメリカの世界への関与をどう見ているかに関する長期世論調査は、このことを裏付けている。最近のAP通信とNORCによる世論調査では、世界の問題解決においてアメリカがより積極的な役割を果たすことを望むアメリカ人はわずか17%で、45%がアメリカの積極的関与の縮小を望んでいることが明らかになった。また、50年以上にわたり外交政策に関するアメリカ人の世論調査を行っているシカゴ国際問題評議会によると、世界におけるアメリカの積極的な役割に対する支持は、過去5年間で10ポイント近く低下している。
実のところ、ほとんどのアメリカ人は日常的に外交政策についてあまり心配しておらず、最優先事項として挙げられることも稀だ。しかし、こうした力学が顕著に表れた大統領は、トランプが初めてではない。ジョー・バイデン前大統領が初期の外交政策のスローガンの1つとして掲げた「中流階級のための外交政策(a foreign policy for the middle class)」は、外交と国内政治を結び付け、外交政策をより目に見える形で、アメリカ国民のニーズにより応えるものにすることを目指していたことを思い出す価値がある。
しかし、バイデン政権と同様、トランプ政権下での政策は、有権者に人気があると思われる、より穏健なアメリカ外交政策からますます遠ざかっている。当初は順調に進んでいた。トランプはガザ地区での停戦合意を交渉し、ウクライナ情勢に関する協議を開始し、ラテンアメリカ諸国に移民収容者の航空機受け入れを促し、NATO加盟諸国による自国の防衛費増額に欧州各国首脳の同意を得ることさえできた。
しかしながら、2025年半ばになると、事態は悪化し始めた。トランプはイランの核開発計画に対するイスラエルの空爆に協力し、ウラン備蓄を地下に埋設することに決定させたが、核拡散問題に対する長期的な解決策は提示しなかった。貿易と関税に関する彼の威嚇的な政策は、同盟国と敵対国双方との緊張を生み出し、ほとんど良い結果をもたらさなかった。トランプ政権発足以来、2000億ドルを超える関税コストの96%をアメリカの消費者と輸入業者が負担してきた。
そして、彼の西半球政策(Western Hemisphere policy)がある。これは当初、国境警備、移民、麻薬問題といった国内問題に重点を置いていたが、これらは依然として有権者の間で広く支持されている。しかし、この政策はマルコ・ルビオ国務長官をはじめとするタカ派の大統領の側近たちの影響を受けて、ヴェネズエラへの介入やキューバの政権交代に関する軽率な発言へと変貌を遂げた。
また、トランプの政策は、ノーベル賞委員会が彼に栄誉を与えなかったことに対する彼の度重なる激しい非難のように、政策的根拠と同じくらい個人的な憤り(personal resentment)によって動かされているように思われる場合が多い。トランプの外交政策の良い点は依然として健在ですが(例えば、ウクライナ問題における和平交渉の継続)、それらはますます、大多数のアメリカ人の生活や暮らしとはほとんど関係のない、しばしば的外れな政策によって覆い隠されつつある。
実際のところ、アメリカ・ファーストの根本的な問題は、それが明確な定義を持たなかったことだ。アメリカの利益とは何か? 誰が決めるのだろうか?
トランプは、伝統的なアメリカ外交政策を破壊しつくす力を持つため、ここ数十年にわたり否定されてきた聖域(the sacred
cows)の多くを、アメリカ国民の利益となる形で乗り越えてきた。しかし、まさにこの大いなる予測不可能性(unpredictability)、周囲の人々を威圧し見下す傾向(the inclination to bully and belittle those around him)、そして自らの利益とエゴをアメリカ国民の利益よりも優先させる傾向(to put his own interests and ego above those of the American people)こそが、長期的に見てより持続可能な外交政策の構築を主導する人物としては、彼を不適格な人物にしている。
今日実施されたイランへの攻撃は、この問題を象徴している。先週の世論調査では、イランに対する軍事行動を支持すると答えた米国民はわずか4分の1に過ぎなかった。しかし、トランプ大統領は国民に対し、この戦争の必要性を訴える時間さえ持たなかった。彼を縛っているのは、「彼自身の道徳(own morality)」だけだ。
しかしながら、歴史が示すように、この戦争はアメリカの海外軍事介入に対する国民の嫌悪感を強める(to strengthen popular distaste for American military engagement
overseas)だけだろう。アメリカ国民は有能な同盟国、安全で豊かな生活、そして世界においてより控えめな役割を担いながらも、他国と生産的なパートナーとして関わり合うことを望んでいる。彼らは中東における終わりのない戦争や、ジョージ・W・ブッシュ政権の政策がゾンビのように蘇ることを望んでいない。地球上の他の全ての国を疎外する「いじめっ子」アメリカ(America the Bully)になることも望んでいない。
アメリカ国民が必要としているのは、アメリカ国民を第一に考える外交政策だ。現トランプ政権からはそれが得られていない。
※エンマ・アシュフォード:『フォーリン・ポリシー』コラムニスト。スティムソン・センターアメリカ大戦略再構想プログラム上級研究員、ジョージタウン大学講師。著書に『石油、国家、そして戦争(Oil, the State, and War)』がある。Xアカウント:@EmmaMAshford
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ドナルド・トランプ大統領がイランに戦争を仕掛けている中で注目すべき5つのポイント(Five
takeaways as Trump wages war on Iran)
コリン・メイン、フィリップ・ティモティジャ筆
2026年2月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/policy/defense/5760747-trump-iran-regime-change/
ワシントンとテヘランの間の数週間にわたる緊張の後、アメリカとイスラエルは土曜日の朝、イランに対する一連の攻撃を開始した。
イランは速やかに報復し、イスラエルに向けて無人機と弾道ミサイルを発射したほか、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーンを含む湾岸諸国の標的を攻撃した。
「壮大な怒り(エピック・フューリー)作戦(Operation Epic Fury)」と名付けられたこの共同作戦は、土曜日の深夜過ぎに開始され、イランの政権の治安機関を破壊し、「差し迫った脅威(imminent threat)」をもたらす地域を重点的に攻撃することを目的としたとアメリカ中央軍(the U.S. Central Command、Centcom)は発表した。
トランプ大統領は数週間にわたり、イランへの攻撃の承認を検討しており、金曜日にはイラン当局との核協議の展開に不満を表明した。
イラン外相は土曜朝、イランの政権は「二人の司令官のうち一人を失った可能性がある」と述べたものの、最高指導者アリ・ハメネイ師を含む他の高官は「私の知る限り(as far as I know)」生き残ったと述べた。しかし、複数の報道機関が報じたところによると、アメリカとイスラエルの当局者たちはその後、ハメネイ師はイスラエルの攻撃で殺害されたと考えていると述べた。
(1)アメリカとイスラエルは主要政府施設と軍事資産を標的にする(US, Israel
target key government buildings and military assets)
アメリカとイスラエルはアメリカ東部時間午前1時15分、イスラム革命防衛隊(the
Islamic Revolutionary Guard Corps、IRGC)の指揮統制施設、弾道ミサイルおよびドローン発射場、軍用飛行場、イランの防空システムを標的とした大規模作戦を開始した。
イスラエル空軍は土曜日、イスラエル国防軍(Israeli Defense Forces、IDF)史上最大規模の軍事作戦を実施し、200機以上の戦闘機がイラン西部および中部のミサイル基地とイラン革命防衛隊の防空システムを攻撃したと発表した。
イラン赤新月社がイラン国営テレビに対し、この共同作戦でイラン国内で200人以上が死亡、約750人が負傷したと伝えた。また、攻撃は31州のうち24州を攻撃したと付け加えた。
イスラエル空軍が標的とした施設の1つは、タブリーズの地対地ミサイル発射場だった。イスラエル国防軍は、イランのミサイル発射装置や防空システムを含む500以上の標的を攻撃したと発表した。
ヴァンターが提供した衛星画像によると、イランのカナラク海軍基地で炎上する艦船から濃い黒煙が上がっているのが確認できた。ドローンは散開され、コナラクのドローン滑走路は封鎖された。
アメリカ軍は、この地域において空、陸、海の軍事資産から弾薬を発射したとアメリカ中央軍は発表した。また、タスクフォース「スコーピオン・ストライク」(Task Force Scorpion Strike)が低コストの片方向攻撃ドローンを初めて実戦で使用したことも付け加えた。
アメリカ中央軍は、イラン南部の女子校への攻撃に関する報告を調査中であると述べた。イラン政府当局によると、この攻撃で80人以上の生徒が死亡したということだ。
アメリカ中央軍報道官のティム・ホーキンス大尉は声明で、「民間人の保護は最優先事項であり、意図しない被害のリスクを最小限に抑えるために、引き続きあらゆる予防措置を講じていく」と述べた。
アメリカ中央軍によると、アメリカ軍は数百件に及ぶイランのドローン攻撃とミサイル攻撃を無事に防御し、アメリカ兵の死傷者や関連する負傷の報告はない。
アメリカ中央軍は、アメリカ軍施設への被害は「最小限であり、作戦に影響は出ていない」と付け加えた。
「壮大な怒り作戦は、この世代で最大規模のアメリカ軍の火力の地域的集中を伴う」とアメリカ中央軍は声明で述べた。
(2)イランが中東各地のアメリカ軍基地に反撃し報復の脅威を煽る(Iran
strikes back at US bases across Middle East, spurring threats of retaliation)
イランは土曜日、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートのアメリカ軍基地への無人機とミサイルによる攻撃に加え、イスラエルへの集中攻撃を実施し、湾岸諸国を即座に傍観者の立場から引き離した。
サウジアラビアは、イランによる攻撃を撃退する各国を支援すると発表した。
「サウジアラビア外務省は、関係各国との完全な連帯と確固たる支持を表明し、彼らが行うあらゆる措置を支援するためにあらゆる能力を動員すると述べた」とサウジアラビア外務省は声明の中で述べた。
アラブ首長国連邦(UAE)は声明で、自国の安全保障は湾岸諸国と「不可分(indivisible)」であり、「いかなる国家の主権侵害も、地域全体の安全保障と安定に対する直接的な脅威となる」と強調した。
バーレーンとカタールも報復する権利を留保した。カタールはまた、「地域の安全保障を維持し、国民の利益を守り、より広範な対立への転落を防ぐ方法で危機を封じ込める努力」を求めた。
イラン外務省は、イスラム諸国と非同盟諸国(Muslim and non-aligned
states)に対し、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要求するよう呼びかけた。
Xへの投稿で、イラン外務省は「この地域における敵対勢力の全ての基地、施設、資産は正当な軍事目標とみなされる。イランは、侵略が完全にかつ明確に停止されるまで、この固有の権利を断固として行使する」と述べた。
(3)トランプ大統領は政権交代を視野に入れている;パーレヴィは「最終行動」を予告する(Trump
eyes regime change; Pahlavi previews ‘final action’)
トランプ大統領は、土曜日夜に公開した動画で、イラン軍に対し武器を放棄するよう促し、1979年のイスラム革命以来、国家を支配してきた強硬政権を打倒するようイラン国民に呼びかけた。
「あらゆる場所に爆弾が落とされるだろう。私たちが全てを終わらせたら、あなたたちの政府を掌握して欲しい。それはあなたたちの手に渡る。おそらく、これは数世代にわたってあなたたちにとって唯一のチャンスとなるだろう。長年、あなたたちはアメリカの支援を求めてきたが、一度も得られなかった」とトランプ大統領は述べた。
トランプは続けて次のように述べた。「今、あなたたちに望むものを与えてくれる大統領が存在する。あなたたちがどう反応するか見てみたい。アメリカは圧倒的な力と圧倒的な力であなたたちを支援している。今こそ行動を起こす時だ。この機会を逃してはならない」。
イラン最後の国王の息子で、亡命中のレザー・パーレヴィは、先月イラン国内で行われた大規模抗議行動の主導した人物だが、イラン国民に対し、今は静かに過ごし、オンラインやラジオで自身のメッセージに従うよう呼びかけた。
「警戒を怠らず、準備を整えておいてほしい。そうすれば、私が皆さんに正確に告知する適切な時期に、最後の行動のために街頭に復帰できる」とパーレヴィはXへの投稿で述べた。
パーレヴィは、「私たちは最終的な勝利に非常に近づいている。イランを奪還し、再建するために、できるだけ早く皆さんのそばにいられるようにしたい」と付け加えた。
ホワイトハウス報道官カロリーヌ・リーヴィットは、トランプ大統領がマール・ア・ラーゴで国家安全保障ティームと共に状況を監視し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談したと述べた。事情に詳しい関係者が本誌に語ったところによると、大統領の隣には統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍も同席していたということだ。
リーヴィット報道官によると、攻撃が行われる前に、マルコ・ルビオ国務長官はいわゆる「ギャング・オブ・エイト(Gang of Eight)」の8人全員に電話をかけ、作戦について通知したということだ。
攻撃に先立ち、ルビオ国務長官は「ギャング・オブ・エイト(the Gang of Eight)」の8人全員に電話をかけ、連邦議会への通知を行った。そして、8人のうち7人に連絡を取り、状況を説明することができた。
(4)連邦議会で戦争権限をめぐる議論が白熱(War powers debate
heats up in Congress)
イランで最初の爆撃が行われてから数時間後、トランプ大統領の戦争権限(Trump’s
war powers)を検証しようとする連邦議員たちは、イランでの作戦をできるだけ早く終結させるための採決を求めていた。
ロウ・カンナ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は「ドナルド・トランプ大統領はイランとの戦争を開始した。連邦議会は月曜日に招集され、トーマス・マシー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)と私が提出した、この戦争を阻止するための戦争権限決議案に投票しなければならない」とXに投稿した動画で述べ、アメリカ国民は海外の紛争に巻き込まれることを望んでいないと主張した。
先週、ウォーレン・デイヴィッドソン連邦下院議員(オハイオ州選出、共和党)は、トランプ大統領のイランに対する軍事行動能力を制限することを目的としたカンナ下院議員提出の決議案を支持した2人目の共和党議員となった。
デイヴィッドソン議員は土曜日に、「憲法の範囲内に収まるほど小さな政府が必要だ」と土曜日にXに投稿した。デイヴィッドソン議員は「問題を解決し、国民に奉仕できるほど効果的な政府が必要だ。そうでなければ、新しい憲法が必要だ」と述べた。
アンディ・キム連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)の戦争権限決議案への投票を連邦上院議員たちに呼びかけた。「トランプ大統領は再び暴力の連鎖を引き起こし、それはすでにエスカレートし、制御不能に陥る恐れがある。これは容認できない」とキム議員はXへの投稿で述べた。
しかしながら、共和党議員の大半は、長年のアメリカの敵対国に対するトランプ大統領の全面攻撃をすぐに支持したため、戦争権限決議案の採決は困難なものとなった。特に連邦下院民主党議員の一部が法案に反対していることを考えるとなおさらだ。
対イランの強硬タカ派であるリンジー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は「私はこの作戦が成功し、長年苦しんでいるイランの人々の解放は目前だと確信している」とXに投稿した。
(5)ホルムズ海峡の船舶航行が停止。原油価格は変動の恐れ(Shipping halts
through Strait of Hormuz; oil prices set for swings)
イランは世界のエネルギー供給にとって重要な航路であるホルムズ海峡を閉鎖する措置を取っていないものの、大手海運会社はホルムズ海峡海域を避けていると報じられている。
ロイター通信は、複数のタンカー船主、石油メジャー、商社がホルムズ海峡を通る原油、燃料、液化天然ガス(LNG)の輸送を停止したと報じた。
ある企業の幹部は「当社の船舶は数日間、この海域にとどまる予定だ」とメディアに語った。
『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、シェルがチャーターした超大型タンカーが、アラビア湾を通過できず、現在ペルシャ湾で停泊していると報じた。ウォールストリート・ジャーナル紙によると、数十隻のタンカーが現在のところ、ペルシャ湾を避けて航行しているということだ。
これらの混乱が、月曜日まで休場となっている世界の石油市場にどのような影響を与えるかはまだ分からない。
AP通信は、トレーダーたちが中東における戦争の長期化と拡大のリスクを見極める中、週初めに価格が変動すると予測した。
イランは1日あたり約160万バレルの原油を輸出しており、その大部分は中国向けである。もしこの供給が途絶えれば、中国国内の顧客は世界市場で原油の調達先を探すことになり、価格が上昇する可能性がある。
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アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃でハメネイ師が死亡:知っておくべき5つのこと(US-Israeli strikes on Iran result in Khamenei’s death: Five things
to know)
ライアン・マンシーニ筆
2026年2月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/policy/international/5760920-trump-iran-regime-change/
イランは、36年間最高指導者(supreme leader )を務めたアリ・ハメネイ師を失った。土曜日にアメリカとイスラエルが共同で攻撃し、ハメネイ師が殺害された。また、イラン全土の軍事司令部やミサイル基地も攻撃された。
トランプ大統領は、アメリカ東部標準時午前2時30分にトゥルー・ソーシャルに投稿した動画で、この攻撃を発表した。イラン赤新月社が国営メディアに伝えたところによると、「壮大な怒り作戦」と名付けられたこの作戦により、少なくとも200人のイラン人が死亡し、約750人が負傷したということだ。
ハメネイ師の死去は、当初イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が報じた。ネタニヤフ首相は、イスラエルの攻撃により最高指導者がテヘランの自宅敷地内で死亡したと主張した。その後、トランプ大統領はトゥルー・ソーシャルへの投稿でハメネイ師の死を認めた。
これからハメネイ師の死去を受けて知っておくべき5つのことを挙げる。
(1)トランプ大統領がイラン国民に体制転換を訴える(Trump pushes
Iranians to embrace regime change)
トランプ大統領は、アメリカによるイラン攻撃の発表の中で、イラン国民に対し、政府は「あなたたちに委ねられる(will be yours to take.)」と述べた。さらに、「今後何世代にもわたって、あなたたちの唯一のチャンスになるかもしれない」と付け加えた。ハメネイ師が継承した政権は、イラン革命後の1979年以来、権力の座にあった。
トランプ大統領は、先月イランが反政府デモを弾圧した際にも、体制転換を訴えていた。『ポリティコ』誌とのインタヴューで、トランプはハメネイ師を「病人(sick man)」と呼んだ。
土曜日の攻撃の前後に声を上げた批評家たちは、「体制転換(regime change)」という概念を激しく非難し、2000年代初頭のアフガニスタン戦争とイラク戦争で使用された用語と比較した。アメリカが支援する新たな政府は権力の空白を埋めることができず、過激派グループが政権を掌握し、これらの国々やその他の国々の国民にとってより厳しい状況を作り出す余地を残している。
(2)ハメネイ師の死後、イランの将来をめぐる疑問は残る(Questions
linger about Iran’s future after Khamenei’s death)
ハメネイ師の死去が確認されてから数時間経った現在も、後継候補者は名乗りを上げておらず、イランの第三の最高指導者が誰になるのかは依然として不透明だ。ハメネイ師はイランの二代目の最高指導者であり、1989年に死去したルーホッラー・ホメイニ師の後を継いだ。ホメイニ師はその10年前、イラン・イスラム共和国が政権を握った際に権力を握った。
ハメネイ師の死去前には後継者は決まっていなかったが、ロイター通信は2015年に後継者が選ばれたものの、氏名は非公開と報じている。
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は土曜日の攻撃を生き延びたと報じられている。イスラエルは、イスラエルによる攻撃でイランの国防関係の政府高官7人が死亡したと報告している。
(3)アメリカが弱体化したイランを攻撃した(US hit a weakened
Iran)
アメリカは昨年6月、イスラエルとの共同作戦でイランの核施設3カ所を攻撃し、イランを弱体化させた。トランプ大統領は、これらの施設は「壊滅した(obliterated)」と主張し、情報機関による評価で1カ所はほぼ破壊されたが、他の2カ所は未だ破壊されていないと報告されたことを受けて自己弁明した。
土曜日の攻撃に先立ち、イラン軍とその代理ネットワークへの壊滅的な攻撃が行われていた。トランプ大統領は最初の任期中の2020年、イランの著名なカセム・ソレイマニ将軍を殺害した無人機攻撃の功績を主張した。
中東におけるイランの代理勢力は、様々な壊滅的な打撃に直面している。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララは、2024年9月にイスラエルの空爆によりベイルートで殺害された。イスラエルは2024年10月にハマスの兄弟であり指導者でもあるヤヒヤ・シンワルを、2025年5月にはモハメド・シンワルを殺害した。数カ月後には、フーシ派主導の政権を率いていたイエメンのアハメド・アル・ラハウィ首相もイスラエルの空爆で殺害された。
(4)トランプ大統領が軍事攻撃は継続すると表明している(Trump says
military strikes will continue)
トランプ大統領はハメネイ師の死亡を発表し、アメリカのイラン攻撃が継続することを示唆したが、攻撃の期間については明確な方針を示した。
トランプは「しかしながら、重度でかつ集中的な爆撃は、今週中、あるいは中東全域、ひいては世界全体の平和という我々の目標を達成するために必要な限り、中断することなく継続される!」と書いている。
大統領の発言は、1月のヴェネズエラへのアメリカ軍攻撃の結果とは異なる。アメリカ軍がニコラス・マドゥロ大統領を拘束した後、両国がヴェネズエラの石油生産と両国間の新たな関係構築の可能性について協議を開始したため、アメリカ軍の攻撃は停止された。
(5)民主党はこれに反発し、戦争権限に関する採決を求めている。(Democrats
are pushing back, demanding vote on war powers)
民主党は、イランへの攻撃を実行したトランプ政権を広く非難しており、連邦議会の承認なしに行われ、憲法に違反していると主張する議員も多く存在する。
トーマス・マシー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)とロウ・カンナ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、連邦議会の承認なしにイランに対する軍事力を禁じる決議案を連邦下院で採決させると述べた。民主党議員の大半と、共和党のウォーレン・デイヴィッドソン連邦下院議員(オハイオ州選出)は、この決議案を支持する意向を示している。
一方、マイク・ローラー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)とジョシュ・ゴットハイマー連邦下院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、戦争権限決議案には賛成しないと述べた。両議員は先週、この決議案は「現実の、そして進化する脅威に対応するために必要な柔軟性を制限し、危険な局面で弱さを示唆する恐れがある」と述べた。
ローラー連邦下院議員は土曜日、この決議案の成立を強く非難し、民主党は戦争権限法(War
Powers Act、WPA)を理解していないと非難した。また、バラク・オバマ元大統領とジョー・バイデン前大統領が連邦議会の承認なしに各国への攻撃を行ったことを例に挙げ、戦争開始を連邦議会が承認したのは1941年の第二次世界大戦の時が最後だと述べた。
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



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