古村治彦です。

 「有事の金」、「有事の円」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。戦争や大災害が起きた際に、金や円を買う動きが起きる、それは金や円が安全な資産だからだという説明がされる。正確にはされてきた。しかし、どうもそのようなことが起きないようになっている。具体的には、イラン戦争という中東地域、そして世界に大規模な影響を与える戦争が起きて、金や円の価格や価値が上昇するかと思っていたが、そうではなかった。
goldprices2025051420260429graph001
金価格の推移
jpyexchangerateusdollar20162026graph001
円とドルの為替の推移

 円の価値は下落している。これは最近に始まったことではない。実質実効為替レートのグラフを見れば明らかであるが、第二次安倍晋三政権が始まった2010年代に円の価値は下落している(円安になっている)。これは現在も続いている。そして、1960年代の水準にまで下がっている。1960年代からは日本は経済成長を続け、円の価値は大きく上昇したが、現在の円の価値は日本の衰退を示す象徴となっている。海外旅行もなかなか行きにくい時代になっているし、以前のような大名旅行のようなことはできなくなっている(富裕層は別だがこれまでの日本は中流層でそれができていた)。
realeffectiveexchangeratejpy19682026graph001

 金価格についてであるが、2026年1月に急上昇し、その後、低下しているが、それでも、2025年末に比べて高値が続いている。イラン戦争後に金価格が上昇するという予想もあったが、金価格は上昇しなかった。「有事の金」で、大きな事件が起きたら金の価格が上がるのに、と落胆した人たちも多いだろう。金の価格は他の物品と同じく、売り買いのバランスで決まる。売る人が買う人よりも多ければ安くなるし、その逆となれば高くなる。

ここで重要なのは、「有事の金」にはもう一つの側面、「どうしても現金が必要になった時には売られる」ということを認識することだ。今回のイラン戦争とその後の不安定な状況で、世界各国は現金(ドル)を確保するために、保有する資産の中でも流動性が高い(売り買いがしやすい)金を売った。そのために金の価格が安くなった。昨年までに金を貯めこんでいた各国政府が金を売っても、買った値段よりも高く売ることができただろう。そのようにして、現金を確保したということになる。

 これは私たち個人にも言えることだ。人生において重大な、重要な出来事がどうしても起きる。家を建てる、もしくは購入する、大きな病気が見つかったが治療法が保険適用ではなくて高額になる、脱サラをして一念発起で新規事業を立ち上げる、などの重大な出来事、これらも個人レヴェルでは「有事」だ。こういう時のために金を保有しておくということが重要だ。円の実力が弱まっている中で、金を保有しておくこともリスクヘッジになると考えられる。

(貼り付けはじめ)

中東情勢の混乱で「安全資産」とされる金価格が下落しているのはなぜか

Forbes JAPAN 5/7() 11:00配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/37cbf23fa8190b5c4cee31d4a8093d3fef551b47?source=rss

中東情勢が悪化して以降、金(ゴールド)価格は11%下落している。金は通常、危機時に投資家が殺到する資産とされるため、これは異例の動きだ。だが、米証券会社の最新の報告書によると、この売り圧力は金への信頼の低下というより、むしろ現金を必要としている金の大口保有者の存在を示しているという──

中東情勢が混乱すれば、金は投資家にとっての避難先となるはずだった。ところが、228日に米国がイランへの攻撃を開始して以降、金価格は11%下落しており、「安全資産」としての評価に疑問が投げかけられている。

この結果は逆説的に思える。世界情勢が不安定になると、安全資産の価格は上昇するのが通例だ。しかし、顧客資産23000億ドル(約359兆円)を擁する米国最大級の独立系証券会社LPLフィナンシャルが公表した最新の報告書によると、今回の売り圧力は失敗の兆候ではないという。

LPLでマクロ戦略を統括するクリスチャン・カーは、金は単に避難先として機能しているのではなく、現在は別の役割を果たしていると説明している。金は商品、準備資産、そしてストレスがかかる時期にはドルの代替資産として機能しているのだ。

アラブ首長国連邦(UAE)をはじめとするペルシャ湾岸諸国は、ホルムズ海峡の封鎖により石油輸出が制限されたことで、ドル資金の調達に支障を来している。石油輸出はドルを生み出す。輸出量が減れば、ドルの流入も減る。支払期日が到来すれば、各国政府は価値の保存手段より流動性を必要とする。

トルコは、その現実を示す好例と言えるだろう。エネルギー危機を受けて通貨リラへの圧力が高まる中、同国の中央銀行は3月、市場の安定化を図るため、わずか1週間で30億ドル(約4700億円)相当の金準備を売却した。

これが、金価格の異例の下落を説明する1つの要因となっている。通常、地政学的な不安が高まると、投資家は金に殺到する。だが、政府や中央銀行が現金を必要とする場合、金は資金調達源になるのだ。

カーは、金の売り圧力はまだ終わっていない可能性があると警告している。大規模なエネルギー供給の混乱に見舞われた政府は通常、まず燃料供給の回復、財政の安定化、外貨準備の補充に注力するが、これにはすべてドルが必要となる。

最近の金価格の下落は、投資家が金への信頼を失ったことを意味するのではなく、世界最大級の金保有者の一部が、資産保全より現金を必要としていることを示している。そして、危機の際に財務上の柔軟性を提供する資産として期待されている金が、いわば本来の役割を果たしていることを意味する。

Brandon Kochkodin

=====

金と銀が1カ月ぶりの安値、イラン攻撃でも「安全資産」が上がらない理由

Conor Murray | Forbes Staff
Forbes JAPAN

2026年3月19日

https://forbesjapan.com/articles/detail/94073

米国時間318日に揃って値を下げた金と銀の価格は、約1カ月ぶりの安値水準にある。世界的な紛争時には貴金属価格が急騰するという従来の常識に反し、イラン攻撃が原油価格と米ドルの価格を押し上げたことで、貴金属には下落圧力がかかっている。

18日午後1230分時点の金価格は約2.5%安の1オンスあたり約4886.70ドルをつけた。銀も同時点で約3%下落し、約77.40ドルとなっている。

金と銀はともに1カ月ぶりの安値を記録した。金が4900ドル、銀が76ドルを下回ったのは、218日が最後だった。

貴金属価格は2月下旬に始まったイラン攻撃以来、一貫して下落している。米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始する前日の227日には、金は5400ドル、銀は93ドルを突破していた。

金は6営業日連続で続落した。ブルームバーグの報道によれば、これは2024年以来で最長の続落記録だ。金は、記録的な価格上昇を経て1月には過去最高値を更新していた。

■なぜ、イラン攻撃では貴金属価格が上昇しないのか

通常、金と銀の価格は国際的な紛争下では上昇するとされるが、3週間にわたるイラン攻撃の間、いずれの金属も上昇していない。サクデン・フィナンシャルのアナリストは18日、原油やエネルギー価格が急騰する中で、貴金属は「原油と負の相関関係」にあると指摘した。同社のアナリストらは、貴金属価格は「不安定な推移が続く」可能性が高いとした上で、「地政学的な不透明感から地金がいくらかの下支えを得る可能性はあるが、原油が主要な安全資産としての買いを吸収し続ける限り、その上昇は限定的だろう」と付け加えた。

■利下げ期待の後退が貴金属価格を抑え込んでいる

原油価格はここ数週間で急騰しており、国際原油指標の北海ブレント先物は18日に5%急騰して109ドルを突破した。イラン攻撃の開始以来、40%以上の値上がりを記録している。ハイ・リッジ・フューチャーズの貴金属取引ディレクターを務めるデビッド・メガーが18日にロイターに語ったところによると、エネルギー価格の上昇はインフレ懸念を煽り、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待を後退させている。通常、利下げは金や銀の上昇要因であり、その期待の後退が貴金属価格を抑え込んでいるという。メガーは、金と銀には依然として安全資産としての需要があるものの、それを上回る他の下落圧力が価格の上昇を阻んでいると分析した。また、米ドルも強含んでおり、これも通常は貴金属に下落圧力をかける要因となる。

■地政学的緊張と安全資産

過去には、戦争や国際的緊張によって金や銀が急騰した事例がある。2022年にロシアがウクライナに侵攻した後、金の価格は1年ぶりの高値まで跳ね上がった。今年初め、アナリストらは貴金属の歴史的な急騰の背景として、さまざまな世界的緊張を挙げた。1月に発生したベネズエラのニコラス・マドゥロ拘束、ドナルド・トランプ大統領による関税の導入、さらにトランプがグリーンランド併合への意欲を表明したことによる欧州と米国との摩擦などがその例だ。

金と銀の価格は、数カ月にわたる上昇を経て1月に過去最高値を記録した。そのピーク時には金は5600ドル、銀は120ドルを突破している。しかし、トランプが利下げに消極的と見なされるケビン・ウォーシュを次期FRB議長に指名すると発表した後、1月下旬に貴金属価格は暴落した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める