古村治彦です。
なんだか盛り上がらないままで、ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席との米中首脳会談は終了した。何も大きな発表はなく、イラン戦争もウクライナ戦争もそのままということで、石油価格が短期的に下落することはないだろう。一方、中国側にとって十だったのは、台湾問題である。台湾問題で、アメリカ側から何らかの譲歩を引き出すことであった。台湾有事でアメリカ軍が支援することはしないとか、独立宣言を認めないといったことを公文書で記録しておくことを中国側は求めていただろうが、これはアメリカ政界内の親台湾派が許さないということもあって、厳しかっただろう。台湾問題については、トランプ大統領は中国訪問中には何も発言しなかった。しかし、アメリカに帰国後に、フォックスニューズでのインタヴューで、台湾独立に明確に反対する姿勢を示した。
トランプ大統領はインタヴューの中で次のように述べている。
「何より、私たちは9500マイル(15289キロ)も離れた場所まで行って戦争をしなければならないということになる。私はそんなことを望んでいない。彼らには冷静になって欲しい。中国にも冷静になって欲しい(You know, we're supposed to travel 9,500 miles (15,289km) to fight a
war. I'm not looking for that. I want them to cool down. I want China to cool
down)」「私たちは戦争を望んでいない。現状維持であれば、中国もそれで構わないと思う。しかし、『アメリカが私たちを支持しているから独立しよう』と言うような事態は望んでいない(We're not looking to have wars, and if you kept it the way it is, I
think China's going to be OK with that. But we're not looking to have somebody
say, 'Let's go independent because the United States is backing us)」
アメリカは中国と直接戦争することができない。万が一、中国が台湾に対して武力を行使することになってもアメリカ軍は出動することはないだろう。中国は現状維持で、少しずつ経済的な統合から始めて、時間をかけながら台湾を取り込んでいくことになるだろう。ここで邪魔になるのは、反中国で凝り固まって、何が何でも中国と戦いたいとする勢力である。これは、台湾にも、日本にも、アメリカにもいる。彼らが不測の武力衝突を行わせようとしてくるのは何とも怖いことだ。日中戦争も、第一次世界大戦も一発の銃声から始まったことを考えると、このような危険な勢力の蠢動こそが世界平和にとっての害悪である。
日本の高市早苗首相の台湾有事に関する発言はトランプ大統領の今回の発言とは全く異なる内容だ。勇ましい内容ではあったが、これによって日中関係は冷え込み、イラン戦争が起きている現状で、この冷え込みの悪影響が少しずつ出てきている。トランプ大統領は放言も多いが決して馬鹿ではない。この点が高市早苗首相との最大の相違点ということになる。そして、今回のトランプ大統領の発言からは、米中首脳会談で、米中間で台湾に関して何らかの合意なり、取り決めがあったということが推測される。勇ましいだけで、梯子を外された高市早苗首相が何とも滑稽でもある。
(貼り付けはじめ)
トランプ大統領は中国の習国家主席との首脳会談から数時間後、台湾に対し独立宣言をしないよう警告した(Trump
warns Taiwan against declaring independence, hours after summit with China's Xi)
イアン・アキマン筆
BBC
2026年5月16日
https://www.bbc.com/news/articles/ce8p61v7l68o
ドナルド・トランプ米大統領は、台湾が中国からの正式な独立を宣言しないように警告を発した。
トランプ大統領は、北京で行われた習近平国家主席との2日間の首脳会談を終えた金曜日、フォックスニューズに対し、「私は誰かが独立することを望んでいる訳ではない(I'm not looking to have somebody go independent)」と述べた。
頼清徳台湾総統は以前、台湾は既に主権国家(a sovereign nation)であると認識しているため、正式な独立を宣言する必要はないと述べている。
アメリカは長年にわたり台湾を支援しており、法的義務として台湾に自衛手段を提供する義務を負っているが、この同盟関係と中国との外交関係の維持との間でしばしば折り合いをつけざるを得ない状況にある。
トランプ大統領は以前、自治権を持つ台湾について「どちらの立場にも確約はしていない(made
no commitment either way)」と述べていた。中国は台湾を自国領土の一部と主張し、武力による併合も排除していない。
ワシントンの確立された立場は、台湾の独立を支持しないというものであり、北京との関係維持は、中国政府は一つであるという認識をアメリカが受け入れることを条件としている。
北京は台湾総統への嫌悪感を公然と表明しており、以前にも彼を「トラブルメーカー(troublemaker)」「両岸平和の破壊者(destroyer of cross-strait peace)」と表現したことがある。
台湾人の多くは自らを独立した国家の一部だと考えているが、大半は台湾が中国から独立も統一もせず、現状維持(the status quo)を望んでいる。
トランプ大統領はフォックスニューズのインタヴューで、この問題に関するアメリカの政策は変わっていないと改めて述べた。
「何より、私たちは9500マイル(15289キロ)も離れた場所まで行って戦争をしなければならないということになる。私はそんなことを望んでいない。彼らには冷静になって欲しい。中国にも冷静になって欲しい(You know, we're supposed to travel 9,500 miles (15,289km) to fight a
war. I'm not looking for that. I want them to cool down. I want China to cool
down)」。
ワシントンへの帰路、トランプ大統領は記者団に対し、習近平国家主席と台湾について「たくさん(a lot)」話し合ったと述べたが、アメリカが台湾を防衛するかどうかについては議論を避けたと語った。
トランプ大統領は、習主席は台湾に対して「非常に強い思い入れ(feels very
strongly)」を持っており、「独立運動を望んでいない(doesn't want to see a
movement for independence)」と述べた。
中国国営メディアによると、習国家主席は会談で「台湾問題は米中関係において最も重要な問題だ」と警告し、「対応を誤れば、米中両国は衝突、あるいは紛争に発展する可能性もある」と付け加えた。
トランプ大統領は、台湾を巡る中国との紛争を予見しているかと問われ、「いや、そうは思わない。大丈夫だろう。習主席は戦争を望んでいない("No, I don't think so. I think we'll be fine. [Xi] doesn't want
to see a war)」と答えた。
中国は近年、台湾周辺で軍事演習を強化しており、地域の緊張を高め、ワシントンが築いてきたバランスを試している。
昨年後半、トランプ政権は台湾への110億ドル相当の武器売却を発表した。これには最新鋭のロケットランチャーや各種ミサイルが含まれており、北京はこれを非難した。
トランプ大統領は、この売却を進めるかどうか近いうちに決定すると述べ、習近平国家主席と「非常に詳細に(in great detail)」協議したと付け加えた。
さらに、「今、台湾を統治している人物、つまり誰のことかは皆さんも知っているだろうが、その人と話をする必要がある」と述べた。
アメリカは台湾と正式な外交関係はないものの、非公式ながら相当な関係を維持している。米大統領は伝統的に台湾の指導者と直接対話することはなく、もしそうすれば、台湾の頼清徳総統を分離主義者(a separatist)とみなす北京との間で大きな緊張が生じる可能性が高い。
台湾外交部政務次長の陳明祺は土曜日、台湾はトランプ大統領の発言の正確な意味を明確にする必要があると述べた。
陳次長はまた、アメリカによる台湾への武器売却はアメリカ国内法で認められていると述べた。
「台湾とアメリカの武器売買は、常に地域の平和と安定の礎となってきた」と付け加えた。
ロイター通信が引用した頼総統の報道官の発言によると、アメリカによる武器売却は、「アメリカによる台湾の安全保障への関与(US security commitment" to Taiwan)」の一部であり、「地域的な脅威に対する共通の抑止力として機能する(serve as a shared deterrent against regional threats)」とのことだ。
アメリカは以前、独立問題に関して姿勢を軟化させたとして中国の反発を招いたことがある。
米国務省はウェブサイトから、2025年2月の台湾独立に反対するワシントンの立場を改めて表明する声明を削除した。北京はこれに対し、「分離主義勢力に誤ったシグナルを送るものだ」と批判した。
当時、台湾駐在の米当局者は「私たちは、いずれの側による一方的な現状変更にも反対すると長年表明してきた」と述べた。
台湾外交部長の林佳龍は、米中首脳会談を注視しており、「台湾とアメリカの関係の安定的な深化と台湾の利益の保護を確保するため」、アメリカをはじめとする各国と良好な意思疎通を維持していると述べた。
林部長は、台湾は常にこの地域の「平和と安定の守護者(guardian of peace
and stability)」であったと述べ、中国が「攻撃的な軍事行動と権威主義的な抑圧(military
actions and authoritarian oppression)」によってリスクを高めていると非難した。
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トランプ氏、台湾に独立宣言しないよう警告
AFP=時事 5/16(土) 7:52配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6dfa0610fbe746f1253b50ac4af692da2567550
【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は15日、中国訪問で習近平国家主席に台湾を支持しないよう圧力をかけられた後、台湾に対し正式な独立宣言をしないよう警告した。
習氏にとって重要な問題である台湾の独立宣言について、トランプ氏は反対する姿勢を明確にし、台湾が軍事攻撃を受けた場合に米国が台湾を防衛しなければならない理由を疑問視した。
トランプ氏は米FOXニュースの番組「スペシャル・レポート・ウィズ・ブレット・ベイヤー」で、「私は誰かが独立することを望んでいない。それに、戦争をするために9500マイル(約1万5300キロ)も移動しなければならなくなることも望んでいない」と主張。
「彼ら(台湾)には冷静になってほしい。中国にも冷静になってほしい」「われわれは戦争を望んでいない。現状維持であれば、中国もそれで構わないと思う」と付け加えた。
米国は中華人民共和国が中国の唯一の合法政府であると承認しており、台湾の正式な独立を支持していないが、歴史的に台湾の独立に反対すると明言することは避けてきた。
米国は台湾関係法に基づき、台湾防衛のために武器を提供する義務を負っているが、米軍が台湾を支援するかどうかについては戦略的曖昧さを維持してきた。
習氏は米中首脳会談で、台湾問題で米側が対応を誤れば、「両国は衝突、さらには対立し、中米関係全体を極めて危険な状況へと押しやる可能性がある」と警告した。
台湾の頼清徳総統は、台湾は既に独立国であり、独立宣言は不要だという立場を取っている。【翻訳編集】 AFPBB News
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(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



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