古村治彦です。
今年5月に開催された米中首脳会談は抑制されたものだった。北京を訪問したドナルド・トランプは中南海や天壇公園で非常におとなしかった。いつもの軽口を叩くこともなく、相手を馬鹿にして自分を大きく見せようということもなかった。習近平国家主席はいつものように何かを気取られることがないように慎重に行動し発言していた。耳目を引く大きな成果というものなかったが、両大国の関係が安定的で、建設的、競争はあるが、衝突はないということを演出できたことは大きかった。関税戦争を仕掛けたアメリカ、トランプを中国が大きな態度で歓迎したということになった。
アメリカ国内には対中強硬派が存在する。しかし、そんな人たちでも中国と戦争をするということは口が裂けても言わない、言えない。それは、アメリカが中国と正面から全面戦争になったらアメリカ経済が崩壊し、アメリカは終わってしまうということが分かっているからだ。アメリカは中国と断絶することはできない。中国がさらにアメリカ国債を売り払うということが起きれば、アメリカ経済は破綻する。アメリカ国民の生活も破綻する。トランプ大統領は中国に対しては融和的な姿勢を取っている。これをリアリズム系の人たちは評価している。アメリカの国力の衰退は明らかであり、そうした中で、アメリカが世界を一極支配できる時代は過ぎ去りつつある。これからは米中G2世界管理時代に入る。
それでもあくまで中国が気に入らないアメリカ国内の対中強硬派は日本を利用することになる。日本を利用して中国に嫌がらせをする、日本を中国にぶつけるということを画策している。中国もそのことが分かっている。現在の麻生太郎傀儡高市早苗政権がまさにそのような役割を果たすための政権であることを分かっている。それで、経済的に締上げながら、国際社会で日本の新軍国主義を批判する動きを見せ、同調する国々を募っている。日本人は、「中国なんかより日本の方がずっと信頼がありそのような動きは無駄だ」と思っているだろうが、それは現在の世界を見ていない人たちのお花畑の産物だ。日本の動きは世界的には軍国主義の復活を目指す極右派の蠢動ということであり、皇室典範変更の動きもそれに連動していると見られている(女性差別の法律化は戦前の価値観の復活)。日本が追い詰められないうちに、麻生太郎元首相と高市早苗首相を退陣させることが何よりも肝要だ。そうしなければ、日本がいつの間にかはしごを外されて、「米中両国共通の敵」ということにされることもある。
従って、日本は表立って敵意を特定の外国に向けるようなことはせず、低姿勢で国際協調に徹するということが何よりも重要だ。戦後徹底してきたこの姿勢が揺らいでいるのは日本国内が貧しく、不満を外に向けるという状況に陥ってしまっているからだ。不平不満をぶつける先は日本の21世紀をここまで酷い状況にした自民党、公明党、日本維新の会に対してだ。いい加減にごまかされて操られて、外国に対して敵愾心を燃やすということをさせられてしまうのは国民が愚かであり、馬鹿である証拠だ。
(貼り付けはじめ)
ドナルド・トランプの実用的な対中姿勢は歓迎すべきだ(Trump’s China
Pragmatism Is Welcome)
-北京とのライヴァル関係は避けられないが、経済的な断絶(economic
rupture)は破滅的な結果を生む。
ファリード・ザカリア筆
2026年5月18日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/05/18/trump-xi-meeting-china-united-states-economics-trade-great-power-competition/
このコラムを定期的に読んでいる方々ならご存知の通り、私はドナルド・トランプ大統領の2期目における外交政策を支持してきたことはない。グリーンランドの買収やカナダの併合をほのめかしたり、一方的に関税を極端に引き上げたり、さらにはイランとの戦争をめぐる失態に至るまで、トランプの行動は無謀かつ無秩序で、事態を著しく不安定にするものだった。しかし、ある極めて重要な分野、すなわち米中関係においては、彼の直感、そしておそらくは政策そのものが、正しいものだったと判明するかもしれない。
トランプ大統領と中国の習近平国家主席との最近のやり取りにおいて、私たちは彼がめったに見せない一面を目の当たりにした。彼は敬意を払い、時にへりくだるような態度さえ見せ、2人の個人的な信頼関係を強調しようと努めていた。対照的に、習近平は終始公式かつ抑制された態度を崩さず、決して親密な様子は見せなかった。この態度の対比は、多くのことを物語っていた。
トランプは権力に執着を持っている。イデオロギーや価値観よりも、彼は「影響力(leverage、レヴァレッジ)」や「支配力(dominance、ドミナンス)」の観点から物事を考える。彼がヨーロッパの同盟諸国を侮辱するのは、彼らが依然としてアメリカの軍事的保護やアメリカ市場へのアクセスに依存していることを理解しているからだ。トランプは相手の弱さを見抜き、それを突く。
しかし中国に対しては、ワシントンの多くの人々が感情的に受け入れられずにいる事実を、彼は理解するようになった。それは、中国が経済、技術、産業、軍事の各面で強大な力を持ち、それを効果的に行使できるという現実だ。そのため、トランプの態度は単なる好戦的なものから、競争と協調が入り混じったより複雑なものへと変化した。それこそが、この米中関係に求められているものなのかもしれない。
トランプ大統領の訪問の様子を、2021年にアンカレッジで行われたジョー・バイデン政権高官と中国側代表団との初の会談と比較してみよう。あの時、アメリカ側はテレビ中継される公の場で、人権問題やサイバー攻撃、国際秩序をめぐり中国を激しく非難した。中国の外交官たちも同様に怒りを露わにして応酬した。それは真剣な外交的対話というよりは、ケーブルニュー図番組での怒鳴り合いのような光景であった。
中道派の民主党員の多くは、「中国に対して甘い(soft on China)」と見なされることを恐れている。そのため、彼らはしばしば言葉の上で過剰な反応を示し、強硬な表現を用いたり、象徴的な対立を激化させたりしがちである。バイデン大統領は、トランプ政権による対中関税に懐疑的な姿勢を示し、撤廃を公約していたにもかかわらず、実際にはそのほとんどを維持した。また、大統領在任中に中国を訪問することも、習近平をワシントンに招待することもしなかった。
バイデン政権はまた、中国による新疆ウイグル自治区での行動を「ジェノサイド(genocide)」と認定したトランプ前政権の主張を支持した。ジェノサイドという言葉は、ホロコースト(Holocaust)や1994年のルワンダでの大虐殺(butchery)といった、組織的かつ大規模な抹殺作戦を想起させるものだ。新疆における中国の刑務所や再教育施設は残虐かつ恐ろしいものであり、多くの学者がウイグル族に対する中国の行動をジェノサイドと呼んでいる。しかし、『エコノミスト』誌が指摘したように、この言葉から一般の人々が抱くイメージとは必ずしも一致しない側面もある。
トランプの最大の強みは、右派から攻撃されることがない点にある。彼は2016年の選挙戦で、製造業の雇用の喪失、貿易不均衡、アメリカの産業衰退の責任は中国にあると激しく非難し、権力の座に就いた。ある意味で、この状況を例えるなら「ニクソン訪中(Nixon going to China)」ではなく、ニクソン大統領よりもさらに右派の強硬派(タカ派)であったロナルド・レーガン大統領がソ連を訪問したケースに近いと言えるだろう。トランプなら同様の政策転換が可能かもしれない。なぜなら、彼の支持基盤は彼が導く方向にならどこへでもついていくからだ。トランプが軍事行動への支持を示唆した途端、多くの「MAGA(Make America Great Again)」支持者たちがイランへの介入に対する態度を即座に翻したことを見れば、それは明らかである。
なぜ中国に対してより協調的なアプローチをとることが理にかなっているのか? それは、中国がソ連とは異なる存在だからだ。ある指標によれば、冷戦末期のソ連経済はイタリアよりも小規模だった。対照的に中国は世界第2位の経済大国であり、120カ国以上にとって最大の貿易相手国となっている。また、電気自動車(EV)やバッテリーから、ドローン、先端製造業、人工知能(AI)に至るまで、幅広い分野で技術大国としての地位を築いている。その製造業の生産高は、アメリカ、日本、ドイツを合わせたものをも上回る。
そのような国に対して全面的な冷戦(a full-scale cold war)を仕掛けようとすれば、世界がすでに分断されていた時代に行われた対ソ連の闘争とは全く異なる事態となるだろう。それは世界経済そのものを引き裂くことを意味する。アメリカの消費者たちは物価上昇や供給ショックに直面し、アメリカ企業は世界最大級の市場へのアクセスを失うことになる。大学は多くの優秀な学生を失うだろう。危険なのは単なる経済的苦痛だけではない。対立を深めながら制御不能な悪循環に陥る、敵対的な2つの技術・地政学的ブロックが形成される恐れがある。
当然のことながら、アメリカと中国はライヴァルだ。二極化世界(a bipolar
world)において、それは避けられないことだ。米中両国は今後数十年にわたり、経済、軍事、戦略の各面で競い合うことになるだろう。しかし、ライヴァル関係にあるからといって、必ずしも完全な断絶(total rupture)が必要ではない。ヘンリー・キッシンジャーは亡くなる数週間前、私に対して次のように語っていた。「米中両国の指導者は、1914年に結果を顧みず追求された国家主義的な競争(nationalist competition)が、世界秩序を根底から覆す世界大戦へとつながった歴史を銘記すべきである」。
AI、サイバー戦、核兵器が存在する現代において、協力のチャンネルを維持することはかつてないほど重要だ。米中両国は激しく競争しつつも、可能な限り貿易や対話、協力を続けるべきだ。具体的には、核の安定性(nuclear stability)、AIの安全性(Ai safety)、パンデミック(pandemics)、金融危機(financial crises)といった分野での協力が挙げられる。冷戦時代、ワシントンとモスクワは極めて敵対的な状況下でも軍備管理交渉(arms-control talks)を維持した。制御されないライヴァル関係(unmanaged
rivalry)が破局を招きかねないことを、双方が理解していたからだ。
その事実は今日でも変わらない。もしトランプが―哲学(philosophy)というよりは本能(instinct)に根ざした理由からではあれ―この基本的な現実を認識するに至ったのであれば、少なくともこの問題に関しては、彼の実用主義(pragmatism、プラグマティズム)は理にかなっていると言える。
※ファリード・ザカリア:CNNの番組「ファリード・ザカリアGPS」の司会者であり、近著に『革命の時代(Age of Revolutions)』がある。彼は『ワシントン・ポスト』紙に週刊コラムを執筆しており、そのコラムは『フォーリン・ポリシー』誌にも配信されている。Xアカウント:@FareedZakaria
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』



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