古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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カテゴリ: アメリカ経済

 古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。

 ドナルド・トランプ大統領が2期目の政権をスタートさせて、もうすぐ1年になる。2026年はアメリカ建国250周年という節目の年であるが、アメリカが良い状況になる見通しは立っていない(日本はもっと厳しい)。アメリカでは経済成長率よりも高いインフレ率で、生活費が上昇し、厳しい生活を強いられることにより、不満が溜まっている。手頃さ(affordability)という言葉がキーワードになっている。
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アメリカのインフレ率の推移
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アメリカのインフレ率の推移
 アメリカの大都市(ニューヨークやロサンゼルス)では家賃相場が高騰し、家族で暮らすために日本で言えば2DKくらいの間取りで、月額100万円近くの家賃になっている(ピンキリではあるが)。アメリカ中西部や南部はそこまで高騰していないが、それでも数十万円ということになる。外食代も高いことは、アメリカ旅行をした人たちの体験談がインターネット上で読めるので参考にしてもらいたい。アメリカのインフレ率は2025年9月で3%なので、この数字だけ見れば高くはないが、2022年、2023年の高いインフレ率から継続していると考えると、コロナの感染拡大とウクライナ戦争やガザ地区をめぐる紛争といった事態を受けての、国際的な物価上昇といった出来事が起きる前からすれば相当厳しい状況になっている。
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日米の経済成長率の推移

 ジェフリー・エプスタイン事件に関する文書公開もまたアメリカ政治に重大な影響を与えるだろう。民主、共和両党のエスタブリッシュメント、大物政治家たちにダメージを与えるだろう。エプスタインの犯罪行為に関わっていなくても、顧客になっていなくても、彼との関係があったということで、有権者から厳しい審判を受ける政治家たちが出てくるだろう。そして、エプスタインの顧客リストにトランプ大統領の名前があったら、2026年の中間選挙での共和党の結果は厳しいものとなり、連邦議会上下両院での過半数を失うことになる。そうなれば、「トランプ大統領の支持を得れば選挙に勝てる」ということはなくなり、共和党の政治家に対する抑えも利かなくなり、トランプ政権のレームダック化が起きるだろう。国内基盤の弱体化は、国際的な舞台でのトランプの影響力を弱める結果になり、ロシアや中国との関係も変化していくことになる。先行き不透明であるが、アメリカにとって良いことが起きる見通しが立たないままで2025年が終わり、2026年を迎えることになる。

(貼り付けはじめ)

経済への懸念がありドナルド・トランプの支持率は低下(Trump’s poll numbers slip amid concerns over economy

キャロライン・ヴァキル筆

2025年11月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/5624360-trump-approval-ratings-fall/

ドナルド・トランプ大統領の支持率は2期目の1年目が終わりに近づくにつれ、ここ数週間で低下している。

「ディシジョン・デスク・HQDDHQ)」が行ったトランプ大統領の支持率に関する世論調査の平均によると、支持率は42%、不支持率は55%となっている。これは、約1カ月前の支持率平均が46%近く、不支持率が51%前後だったのと比べて低い。
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トランプ大統領の支持率の推移(水色:支持率、オレンジ色:不支持率)

トランプ大統領は先週末、トゥルース・ソーシャルへの投稿で「私の『政治キャリア』で最高の世論調査結果」を得たと述べたが、専門家たちは異なる見解を示し、支持率低下の原因は、生活費の高さに対する不満と、政権が実施した米移民関税執行局(the U.S. Immigration and Customs EnforcementICE)による捜査への対応の遅れにあるとしている。

DDHQのデータサイエンス担当ディレクターであるスコット・トランターは、9、10カ月前、有権者たちは「共和党とトランプ大統領の方が経済と移民問題への対応に優れていると考えていた」と述べた。

トランターは続けて「現在、有権者は大統領と共和党のこの2つの主要課題への対応について、せいぜい賛否両論、あるいは否定的とさえ言えるだろう」と述べた。

もちろん、支持率は回復する可能性がある。最近、州兵2人が射殺された事件で、当局は容疑者がバイデン政権の再定住プログラムでアメリカに入国したアフガニスタン国籍であると発表したため、アメリカの移民政策は改めて厳しく精査されている。

それでも、最近の世論調査はトランプにとって憂慮すべき状況を示している。先週発表されたフォックス・ニューズの世論調査では、回答者の38%がトランプの経済政策を支持し、無党派層の間ではわずか4分の1にとどまっている。世論調査では、回答者の35%が関税問題への対応を支持し、34%が医療保険制度への対応を支持していることもわかった。

この世論調査では、国境警備に関しては支持率が53%と過半数を少し超えた程度を記録した。しかし、世論調査全体では支持率は41%だった。

ロイター・イプソスが今月発表した世論調査では、トランプ大統領の支持率は38%で、ロイター通信によると、これは2期目の大統領就任以来最低の数字だった。

マーケット大学法科大学院が今月発表した世論調査では、トランプ大統領の支持率は43%で、9月に実施した同様の世論調査と変わらず、無党派層では若干の支持率低下が見られた。

マーケット大学法科大学院の世論調査では、イスラエルとハマスの停戦(67%)と国境警備(54%)に関する支持率は高かったものの、政府閉鎖(25%)、性犯罪者ジェフリー・エプスタイン有罪判決に関する情報提供(26%)、経済(36%)、関税(37%)、移民問題(45%)への対応については低い評価となった。

ジョージ・ワシントン大学政治経営大学院の政治経営プログラムディレクターであるトッド・ベルトは「経済、特にインフレだ」と述べた。

ベルトは「人々はバイデン政権下で問題となっていたこの問題を解決するためにトランプを選んだが、彼はそれを実現せず、人々の忍耐は尽きつつあると思う」と述べた。

専門家たちは、トランプの経済とインフレに関する指標が下方修正された理由はいくつかあると考えている。その一部は、トランプが各国に課した関税によるもので、企業や消費者に影響を与えていると専門家たちは指摘する。トランプは牛肉、コーヒー、バナナなど特定の品目に対する関税を撤回した。

しかしながら、スコット・ベセント財務長官は先週、インフレ上昇の原因は関税にあるという見方に異議を唱え、「サーヴィス経済とサーヴィス」が原因だと指摘した。

ベセント長官はNBCニューズのクリステン・ウェルカー記者の番組「ミート・ザ・プレス」に出演し、「インフレが抑制されている多くの食品については、USTR(米国通商代表部)が貿易協定の締結に懸命に取り組んでいる。そして、6から8カ月前から準備が進められている貿易協定は、今、あなたが述べた食品の産地であるラテンアメリカ、中米の多くの国々と重なっている」と語った。

専門家たちはまた、トランプ政権が経済の進展を訴えようと努力しているにもかかわらず、消費者は生活費が高すぎると感じていると指摘している。これは、バイデン前大統領と彼の「バイデノミクス(Bidenomics)」をも悩ませた問題でもある。

マーケット大学ロースクール世論調査の責任者であるチャールズ・フランクリンは「こうした経済への懸念は、バイデン前大統領の政策がこれらの最も重要な問題の解決に役立っていないという認識に大きく起因していると思う」と述べた。

マリスト大学世論研究所所長のリー・ミリンゴフは、トランプ大統領がイスラエル・ガザ紛争、ロシアのウクライナ侵攻、ヴェネズエラ周辺での軍事プレゼンスの拡大といった国際問題に重点を置いていると指摘した。

専門家たちは、経済環境は少なくともある程度はトランプ大統領のコントロール外にあると認めている。

ベルトは次のように語った。「大統領のデスクの上には経済をコントロールするレヴァーは実際には存在しない。ドナルド・トランプは、経済刺激策として期待されるほど金利を引き下げていない連邦準備制度理事会(FRB)に不満を抱いているのは確かだ。しかし、無視できないのは関税だ」。

しかしながら、トランプ大統領は自身の世論調査の支持率は好調だと主張し、関税による政府への財源流入を誇示している。

トランプは土曜日のトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「私の経済政策における素晴らしい仕事はまだ十分に評価されていないが、いずれ評価されるだろう!状況は本当に好調だ」と述べた。

別のトゥルース・ソーシャルへの投稿では、トランプ大統領は「関税によってもたらされた数兆ドルの関税と、外国からの投資資金」を称賛した。また、「インフレはほとんど起こっていない」と示唆した。

ホワイトハウス報道官のアビゲイル・ジャクソンは『ザ・ヒル』誌への声明で、「世論調査は、大多数のアメリカ国民が大統領の常識的なアメリカ・ファースト政策のほぼ全てを支持していることを示している」と、述べ、トランプ大統領は「今世紀、2期目のこの時点で、同じ政党に所属するどの大統領よりも高い支持率を誇っている」ことを示唆した。

ジャクソンは続けて次のように述べた。「トランプ大統領は国境警備を行い、バイデンのインフレ危機に対処し、薬価を引き下げ、チップ、残業代、社会保障への課税を廃止し、インフレを抑制し、不法移民の犯罪者を国外追放し、アメリカの労働者を第一に考える重要な改革を実施した。トランプ大統領は日々、多くの公約を果たすために懸命に取り組んでおり、今後もそれを実現し続けるだろう」。

アメリカ労働統計局の消費者物価指数は、インフレ率が着実に上昇傾向にあることを示し、9月以降は3%で推移している。

専門家たちが大統領の支持を損なっていると考えているもう一つの問題は、政権の移民政策、特に米移民税関捜査局(ICE)の捜査である。ICEの捜査は、当局がヒスパニック系およびラテン系の人々に対して人種プロファイリングを行い、過度に強引な手段で拘留しているという懸念を引き起こしている。ICEの広報担当者は『ワシントン・ポスト』紙に対し、「ICEは肌の色、人種、民族性に基づいてではなく、アメリカに不法滞在している個人を対象とする取り締まりを行っている」と述べた。

いくつかの世論調査では、無党派層やラテン系といった主要な投票層がトランプ大統領の移民政策に反対していることが示唆されている。カリフォルニア大学バークレー校が10月にカリフォルニア州の有権者を対象に実施した調査では、無党派層の45%が、アメリカに不法入国する移民の数を減らすための現在の連邦法執行措置に反対し、57%がアメリカに不法滞在する全ての移民を強制送還するという連邦法執行の取り組みに反対している。

ピュー・リサーチ・センターが今週初めに発表したデータによると、ラテン系の65%が政権の移民政策に不満を持っていることが明らかになった。また、回答者の71%が、トランプ政権は合法的な滞在資格のない移民の強制送還に関してやり過ぎだと感じていることも分かった。

共和党のコア有権者はICEの捜査を好意的に受け止めているものの、「無党派層、特にかなりの数の有権者は、特にフォーカスグループでは、当初は『暴力犯罪者を追及すると思っていたのに、明らかにそれ以上のものだ』と言うだろう」と、DDHQデータサイエンスディレクターのトランターは述べた。

大統領が就任後に支持率の低下に苦しむのは珍しいことではない。専門家たちは、トランプの支持率の推移は、インフレへの不満から支持率が急落したバイデンのそれと似ていると指摘している。

トランプの支持率は、就任1年目のこの時点よりも高くなっている。ギャラップの世論調査によると、10月の支持率は41%だった。ちなみに、就任1年目の同時期の支持率は35から38%だった。

ベルトは、「ドナルド・トランプの支持率に関しては、天井は低く底は高い(a low ceiling and a high floor)とよく言われる。どんなことがあっても彼と決別しようとしない人たちもいる」と述べた。

それでも専門家たちは、トランプが支持率の下降傾向を反転させるためにできることがあると見ている。関税政策の方針転換を継続し、メッセージングを見直すことなどだ。

「トランプは経済と住宅価格の高騰に再び焦点を当てる必要がある」とマリスト大学のミリンゴフは述べた。

ミリンゴフは続けて、「より多くの支持を獲得するためには、国民が投票した政策を反映するものでなければならない」と述べた。

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トランプにとって最大の課題はエプスタインではなくインフレだ(Inflation, not Epstein, is Trump’s biggest challenge

キース・ノートン筆

2025年11月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/5613180-inflation-voters-trump-epstein/

ジェフリー・エプスタインと、最近暴露されたドナルド・トランプに関するメールは、当然ながらニューズの話題を独占している。この事件はメディアにとって格好のネタだ。わいせつで恥ずべき内容に加え、政治的な二転三転というひねりが加えられている。トランプが標的となったことで、2016年の大統領選勝利以来、彼を嫌悪してきた層にとって、さらに格好のネタとなっている。

しかし、アメリカの有権者はこれらのメールを気にしているのだろうか? 言い換えれば、公共料金の高騰、食料品価格の高騰、健康保険料の高騰に直面している人たちが、この問題に執着する時間や関心を持っているだろうか?

確かに、この問題に関するトランプの支持率は低いかもしれないが、ケーブルテレビやポッドキャスト界のゴシップ好きを除いて、本当に重要なのだろうか?

答えは明白で、ノーだ。

インフレは国民にとって最大の懸念事項であり、しかも他のどの問題よりも大きな差をつけている。ハーヴァード大学・ハリスの最新の世論調査(トランプに概ね好意的)では、インフレを最も重要な問題として挙げる有権者は48%に上り、他のどの問題よりも圧倒的に上回っている。無党派層では51%がインフレを挙げている。

回答者全体の中で、移民問題はわずか10%、犯罪は8%、気候変動は全く関心がなく6%にとどまっている。

トランプの政策がインフレにプラスかマイナスかという質問に対し、無党派層の56%が状況を悪化させていると回答した。共和党員でさえ30%が、トランプの政策がインフレを悪化させていると考えている。これは、党派間の分断を考えると非常に大きな数字だ。

ユーガヴによる最近の世論調査では、トランプにとって概ね不利な結果が出ているが、過去3年間と同様に、インフレが最大の争点となっている。全回答者の27%がインフレを懸念しており、「雇用と経済」を12ポイントも上回っている。3位は医療で11%だった。医療保険料の上昇を考えると、これは少なくとも部分的にはインフレの代替指標と言えるだろう。さらに、回答者の40%が経済状況を「悪い」と回答しており、これには無党派層では47%が含まれている。一方、経済状況を「良い」または「非常に良い」と回答したのはわずか25%で、無党派層では22%だった。

有権者たちはインフレに対する怒りを声高に表明しており、長年にわたりそう訴えてきた。ユーガヴの週間ベンチマークを遡ると、インフレは2023年まで一貫して最大の争点であり、一貫して上昇している。2023年3月時点では17%だったこの割合は、2024年初頭には20%に上昇し、カマラ・ハリス氏の指名前夜には24%に達した。これは、2番目に重要な課題の2倍以上となっている。

2024年8月に行われた同じ世論調査では、なんと96%の有権者がインフレを「非常に」または「ある程度」重要だと回答し、77%が「非常に重要」と回答しました。これらの数字は、他のどの課題よりも高いものだった。

最近の選挙は明らかにインフレに左右された。ヴァージニア州とニュージャージー州の知事選では、電気料金の値上げが最優先事項となった。ニューヨーク市民は社会主義に投票したというより、家賃高騰に反対票を投じたようなものだ。

有権者たちの声ははっきりと聞こえるが、あまりにも多くの政治家や現実離れしたメディアの煽動家たちは耳を傾けていない。

ジョー・バイデンの再選に向けた討論会での大失敗以前から、インフレがバイデンの努力を台無しにしていたことは疑いようがない。彼は2023年秋まで、全国的にはトランプにわずかに遅れをとり、重要な激戦州では互角の展開を見せていた。バイデンの選挙戦略を台無しにしたと思われる2つの出来事が起きた。1つ目は10月のハマスによる攻撃だ。そして11月、人々は2024年の医療保険料の請求書を受け取り始め、その値上がりを目の当たりにした。

バイデン陣営とそのメディア仲間たちは、インフレが問題であることを否定するなど、猛烈な反撃に出た。問題が悪化するにつれ、彼らには解決策が見つからなかった。ハリスも同様で、マイナスになるバイデンから距離を置くことを恐れ、問題を回避しようと躍起になっていた。有権者たちは、臆病で無責任な民主党の行動を当然のこととして罰した。

しばらくの間、トランプも同じ道を辿っているように見えた。しかし、彼についてどう評価するかはさておき、彼は世論を敏感に察知する能力を持っている。その結果、当初の否定や本能的な防御姿勢にもかかわらず、トランプは世論に敏感になった。彼は現金還付を約束し、一部食料品への関税撤廃を約束した。特定の医薬品の価格についても合意を迫っている。

より広範で体系的なアプローチが必要な状況において、これはやや継ぎはぎ的な対応と言えるだろう。しかし、少なくともトランプは、眠っているようなバイデンとは違い、問題を認識している。トランプはもっと大胆な行動を取るべきだ。国家レヴェルの「手頃さタスクフォース(affordability task force)」を創設し、関税政策をより的を絞ったものにすべきだ。アメリカに必要なのは、安定したサプライチェーンとより強力なテクノロジー製造業セクターだ。使い捨てペンを再び偉大なものにしたり、ハロウィーンの衣装生産を国内に取り戻したりする必要はない。

トランプがしてならないのは、エプスタイン事件といういかがわしい袋小路に陥ることだ。真の経済問題を無視し、政治的な奇行に走るメディアと政界の既成勢力ほど、国民をうんざりさせるものはない。トランプは腰を据えて結果を出すべきである。そうすれば、勝利は必然的についてくる。

※キース・ノートン:長年共和党の政治コンサルタントを務め、公共問題・規制問題コンサルティング会社サイレント・マジョリティ・ストラテジーズの共同創業者。ペンシルヴァニア州の元共和党選挙キャンペーンコンサルタントも務める。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 

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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 連休前半、ファースト・リパブリック・バンクの経営破綻のニューズと共に流れたのが、米国債務上限問題のニューズだった。ジャネット・イエレン財務長官が債務上限を引き上げて借り入れを行わないと、連邦政府の資金が61日までに枯渇してしまい、最悪の場合には債務不履行(デフォルト)に陥ると発表した。デフォルトになれば、アメリカ国債の償還や利払いができなくなることで、そうなればアメリカ国債の信用、アメリカ・ドルの信用が傷つき、世界経済が大きく動揺するということになる。そのような事態(国際決済通貨としてのドルの信用急落)に備えて、新興諸国(西洋以外の国々[the Rest])の中央銀行は金(きん)を備蓄している。

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 アメリカ政府は所得税の税収が予想よりも低かったために、やりくりをしながらも、予想よりも早く、資金が枯渇し、新たに米国債を発行しなければ、資金が手に入らないために、予算執行や国債の償還や利払いができない状態になるということだ。アメリカ政府の債務上限引き上げ問題は日本でもここ数年で数回報道されてきたので、お馴染みの言葉になっている。

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アメリカ国債の総計

 財政支出が削減され、国家財政のために増税がなされるということが起きると、景気が悪くなることが懸念される。バラク・オバマ政権時代にこのような事態が予想され、それが「財政の崖(fiscal cliff)」と呼ばれた。「崖から真っ逆さまに落ちる」ということからこう呼ばれた。連邦準備制度理事会(FRB)により政策金利引き上げもあり、現状が続けば、アメリカの景気後退が起きるという懸念が出ている。
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 アメリカ連邦議会では、何の条件も付けないで債務上限引き上げを行いたい民主党(ホワイトハウスを含む)と、歳出削減を上限に債務上限引き上げを認めるとする共和党が対立している。共和党が過半数を握る連邦下院では「クリーン」債務上限引き上げ法案が可決され、連邦上院に送られている。この法案は、連邦政府の歳出削減をすることを条件にしての債務上限引き上げを認める法案だ。民主党が過半数を握る連邦上院ではこの法案に反対も多い。 

来年には大統領選挙と連邦上院(約3分の1)、連邦下院(全議席)、各州知事などの選挙が全国レヴェルで実施される。歳出削減を行えば、民主党が行いたい政策の予算執行ができなくなる、そうなれば選挙も厳しくなるので、民主党側は必死だ。共和党としては、無責任な民主党というイメージを植え付けたいということもあるし、民主党の支持を切り崩したいということもある。

 しかし、どちらにしても債務不履行などと言うことは民主、共和両党どちらも避けたいので、チキンゲームの様相となり、結局、債務上限引き上げは認められる。条件闘争でどちらがどれだけの痛みを引き受けるか、痛み分けで済ませるかということになる。ケヴィン・マッカーシー連邦下院議長(カリフォルニア州選出、共和党)はドナルド・トランプ前大統領との関係も悪くないが、エスタブリッシュメント派とも話ができる。マッカーシー議長がどのように差配をして、連邦上院で否決されるであろうクリーン債務上限引き上げ法案を修正可決するかが注目される。共和党所属の強行派の連邦下院議員たちの反対があるので、民主党所属の一部議員たちと妥協をするということになるだろうが、そうなれば、共和党内部からの突き上げもあり、マッカーシー議長の立場も厳しくなる。

 バイデン大統領はこれから連邦議会側と話し合いや説得をしなければならない。そうなれば、のんきにG7会合のために日本に来るのも大変だ。G7各国の首脳たち(日本を除く)も、「アメリカ国債がデフォルトになると大変だし、その問題をやっておいてくれよ(まぁデフォルトにはならないだろうけど)」という心境だろう。バイデン大統領とアメリカ政府としては、広島に行くとなればどうしても原爆投下について何か触れねばならない(謝罪などはとんでもないが)。債務上限引き上げ問題があるということになれば、広島に行かずに済むかもしれないということであれば、これを利用しようと考えるかもしれない。

 債務上限引き上げ問題は茶番であるがそれを利用するということはいろいろとあるだろう。

(貼り付けはじめ)

●「イエレン米財務長官「6月1日にも資金枯渇」と議会に警告、デフォルトの恐れも」

2023/05/02 10:03 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230502-OYT1T50083/

 【ワシントン=田中宏幸】米国のイエレン財務長官は1日、米連邦政府の借入金の限度を定めた「債務上限」について、米議会指導部に書簡を送った。上限の引き上げを行わなければ6月1日にも財政資金が枯渇すると警告し、議会に対応を急ぐよう求めた。

 政府債務は今年1月、上限の約31兆4000億ドル(約4300兆円)に到達し、米財務省が6月初旬までの特別措置で資金繰り策を実施している。新たな借り入れができなくなれば、債務不履行(デフォルト)に陥る恐れがある。

 イエレン氏は書簡で「議会が債務上限を引き上げたり、(上限の)適用を停止したりしなければ、早ければ6月1日にも措置が行き詰まる可能性がある」とし、「米国の家庭に深刻な苦難をもたらし、世界的なリーダーシップを失う」とクギを刺した。

 債務上限を巡っては、無条件の引き上げを求めるバイデン米政権に対し、共和党は歳出削減を求めて下院で独自法案を可決しており、与野党の対立は長期化の様相を呈している。

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イエレンは債務上限の最終締め切り日は6月1日と発言(Yellen says drop-dead date for debt ceiling is June 1

スティーヴン・ニューカム、アリス・フォーリー、アル・ウィーヴァー筆

2023年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/3982225-yellen-says-drop-dead-date-for-debt-ceiling-is-june-1/

ジャネット・イエレン財務長官は月曜日、連邦議会民主・共和両党指導者たちに宛てた書簡の中で、連邦議員たちは6月1日までにアメリカの債務上限(debt ceiling)を引き上げなければならないと述べた。

イエレン財務長官は、61日までにアメリカが全ての債務を支払えなくなるとの見通しを示し、連邦議会とホワイトハウスが合意に達するよう圧力を強めた。

イエレン長官は当初、連邦政府が6月上旬までに支払いを継続するためのいわゆる臨時措置を使い果たす可能性は低いと連邦議員たちに語っていた。しかし現在、最近の税収を基にして、期限が予想より早く来る見込みであると述べた。

連邦議会の超党派の予算管理責任者である議会予算局(Congressional Budget OfficeCBO)も月曜日、4月の税収が予想を下回ったことを理由に、「6月上旬に財務省が資金不足に陥るリスクが著しく高まっている」と警告を発した。

CBOのフィリップ・スウェーゲル局長は月曜日、「4月に処理された所得税の受取額が、最新の基本予算予測で予想したよりも少なかったことが分かった。更に、内国歳入庁(Internal Revenue ServiceIRS)は、コロナウイルスの感染拡大による数年間の混乱を経て、昨年よりも迅速に納税の処理を終えると予想している」と述べた。

スウェーゲル局長は続けて次のように述べた。「その結果、IRS新型コロナウイルス感染拡大前の年のように、5月の追加支払いを比較的少なく処理すると予想している。このことは、4月までの受取額が予想を下回ることと相まって、財務省の特別措置が以前の予測よりも早く枯渇することを意味する」。

この予定表は、連邦議員たちが取引の仕組みを理解するための貴重な時間を与え、議員たちは時間を無駄にすることなく、相手側を非難することになった。

「時間の無駄だ。このことを理解しよう」。ジョン・テスター連邦上院議員(モンタナ州選出、民主党)は、このニュースが流れた直後の月曜日、記者団にこう語った。

ジョー・バイデン大統領と民主党は、連邦下院共和党が「クリーン」な法案の一部として債務上限を引き上げることを要求している。一方、共和党は債務限度額の引き上げを支出削減と結びつけて行うことを望んでいる。

連邦下院予算委員会の民主党側のトップであるブレンダン・ボイル議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)は月曜日に発表した声明の中で、この展開について「ケヴィン・マッカーシー連邦下院議長に対する警鐘とならねばならない」と述べ、共和党が先週可決した債務上限引き上げの党派案を標的にしていると述べた。

一方、共和党はその責任をバイデンに押し付けた。

ジョン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は次のように述べている。「私たちはそれが来ることは分かっていた。ただ、それがいつなのか、正確には分からなかった。これはバイデン大統領がソファから降りてマッカーシー議長と話し、何かを解決するための情報をもう少し提供するものだ」。

シェリー・ムーア・キャピト連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、共和党)は、この予定表に驚きを隠せなかった。しかし、この進展は、マッカーシーと交渉のテーブルに着くようホワイトハウスに圧力をかけるものだと述べた。

キャピト議員は「大統領は我が国の指導者だ。彼は事態にきちんと関与する必要がある。私はイエレンが大統領の意向に対して忠実に働いている(carrying his water)と考えている」と述べている。

連邦下院共和党の法案は、1.5兆ドルの債務上限を引き上げるか、来年3月末までのどちらか早い方と引き換えに、民主党が断固として反対している政府支出の削減に関する共和党の幅広い提案と引き換えにするものだ。

その中には、年次歳出プロセスの一環として、連邦議員らによって捻出された政府資金を2022会計年度の水準に制限する一方、今後10年間の歳出の伸びを毎年1%に制限するという提案も含まれている。

法案に盛り込まれた他の提案は、メディケイドや補足栄養支援プログラム(SNAP)などのプログラムに対してより厳しい労働条件を課し、バイデン政権下で実施された人気の学生ローン政策に終止符を打つ内容となっている。

共和党はまた、両党が後追いで行った、連邦上院を含む連邦議会で審議中の「クリーンな」債務上限措置が実施される可能性に疑問を投げかけた。

コーニン議員は「連邦下院も通過しないし、連邦上院も通過しないだろう」と述べた。

ブライアン・シャッツ連邦上院議員(ハワイ州選出、民主党)は、民主党側に対し、共和党が提案するクリーンな債務上限引き上げに反対する姿勢を貫くよう呼びかけ、「ここで合意すべき取引ではない」と述べた。

シャッツ議員は「ここでの前提は、デフォルトを防ぐ代わりに政策面で譲歩することであってはならない。どの政党も自分たちの政策を実現するためにアメリカ経済を崩壊させると脅すことは決してあってはならないということだ」と彼は言った。

「これは異常であるばかりでなく、無謀でもある。アメリカ経済を人質に取ることは許されない。歳出削減の代わりに債務上限を引き上げることを交渉しないことより怖いのは、これを主張する人々と交渉することだ。その理由は、彼らはアメリカ人とアメリカ経済を人質に取ることを決して止めないだろう、ということだ」と付け加えて述べた。

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●「イエレン氏、債務上限で議会に行動要求-修正条項発動は危機招く」

Christopher Condon

202358 1:43 JST 更新日時 202358 7:20 JST ブルームバーグ通信

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-07/RUAJO9DWX2PS01

・議会が上限を引き上げる以外に「良い選択肢はない」

・米憲法修正第14条発動なら憲法上の危機-ABCの番組で発言

イエレン米財務長官は膠着(こうちゃく)状態に陥っている債務上限問題を解決する上では、議会が上限を引き上げる以外に「良い選択肢はない」と述べた。また、この件で米憲法修正第14条を発動すれば憲法上の危機を招くと警告した。

 イエレン長官は米ABCの番組で7日、議会が債務上限を引き上げることなく「大統領が債券を発行し続けることが可能かどうかを、われわれが検討する必要が生じる段階に進むべきではない」と発言。「こうしたことは憲法上の危機を招くだろう」と語った。

 修正第14条には公的債務の有効性は「問われてはならない」との記述があり、政権が債券発行を継続できるかを巡って憲法学者やエコノミストの間で解釈が分かれている。

 イエレン氏は同番組内で、バイデン大統領がこの選択肢を使う可能性を何度か問われたが、議会が上限を引き上げるべきだと繰り返し主張するにとどまり「私が言いたいのはそれは議会の仕事だということだけだ」と述べ、直接の返答は避けた。

 下院金融委員会のマクヘンリー委員長(共和)は、短期の債務上限引き上げに向けた取引は一つの選択肢だと示唆した。これはヤング行政管理予算局(OMB)局長の4日の発言と同様の内容だ。

 マクヘンリー氏は7日、CBSの番組「フェース・ザ・ネーション」で、「現時点では全てがテーブルの上にある」とした上で「この難題で考慮が必要な重要なことは、短期および長期で財政に対処することだ」と発言。「財政に対処しなければならないという事実以外にレッドラインはない」と語った。

 バイデン氏は5日、MSNBCとのインタビューで修正第14条を発動する用意があるかと質問された際、「まだそこに至っていない」と述べ、発動の可能性を完全には排除しなかった。 

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●「米債務上限引き上げ間に合わなければ大統領は決断迫られる-財務長官」

Viktoria DendrinouChristopher Condon

202359 8:52 JST ブルームバーグ通信

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-08/RUCYLBDWRGG001

・債務上限という「銃」を突き付けられた状態では交渉に応じず-長官

・議会が債務上限で行動しなければ、世界のドルの利用に「悪影響」

イエレン米財務長官は8日、議会が連邦債務上限の引き上げに間に合わない場合、バイデン政権は今後の対応について「決断」を迫られることになると述べた。

 イエレン長官はCNBCとのインタビューで、唯一の「良い」選択肢は議会による上限引き上げだとの主張を繰り返した上で、それが実現しない場合、政府は「今ある資源で何をするか」を考える必要があると述べた。

 さらに、財務省が早ければ6月1日に債務上限未満に抑える余地がなくなる危険性があるとの警告を繰り返した。

 共和党議員などは、財務省が債券の支払いを続けながら他の支出を遅らせる優先順位付けの案を持ち出しているが、イエレン長官や前任者らは同省の制度はそうした態勢が整っていないと述べている。また、米国債の信頼性に関する憲法修正第14条の条項を発動し、単に借り入れを続けるという極端な選択肢も打ち出されている。

 イエレン長官は「さまざまな異なる選択肢があるが、良い選択肢はなく、どの選択肢も悪い選択肢だ。私はそれらの議論やランク付けはしたくない」と語った。

 その上で、共和党が債務上限引き上げの条件として歳出削減を提案していることを批判し、バイデン政権が既に「財政的に責任ある提案」を示していると指摘。共和党が打ち出した「極めて厳しい」歳出削減案はバイデン大統領の提案とは明らかに大きな隔たりがあるとも述べ、政権は協議にオープンな姿勢だが、債務上限という「銃」を頭に突き付けられた状態では交渉に応じないと語った。

 さらに、議会が債務上限を引き上げられなかった場合、世界中のドルの利用に「悪影響」を及ぼすとし、経済的に大打撃を与え国家にとって「大惨事」となると警告した。

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米政府 債務上限問題 バイデン氏と議会指導部が協議 平行線に終わる

5/10() 7:57配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4c8dd555036052065710d8119f2aaf627f979e0

アメリカのバイデン大統領は、連邦政府が借入できる債務残高の上限引き上げを巡り、議会指導部と協議しましたが、進展はありませんでした。

 アメリカでは連邦政府が借り入れできる債務残高がすでに上限に達していて、早ければ61日にも資金繰りが行き詰り、債務不履行に陥る可能性が指摘されています。

 最悪の事態を回避するためバイデン大統領は9日、野党共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導部との協議に臨みましたが平行線をたどりました。

 共和党・マッカーシー下院議長:「今回の協議では、誰もが自分の置かれている立場を繰り返しただけで新たな動きは見られなかった」

 共和党は債務上限を引き上げる代わりに社会保障費などの削減を条件とする案を改めて提示しましたが、無条件の引き上げを求めるバイデン大統領との隔たりは埋まらず、12日に改めて協議の場が設けられる見通しです。

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●「バイデン米大統領、G7欠席も 債務上限問題「進展なし」」

5/10() 8:14配信 時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/c814a5b0c73254ae8ce2ba6922708449059f38d7

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は9日、ホワイトハウスで上下両院の与野党幹部と会い、連邦政府の借入限度額である「債務上限」の引き上げを巡り協議した。

 バイデン氏はこの後、記者団に「(債務上限問題が)解決するまでここにとどまる」と述べ、1921日に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)を欠席する可能性を示唆した。

 マッカーシー下院議長(野党共和党)は会談後、記者団に「進展はなかった」と述べ、債務不履行(デフォルト)回避に向けた前進に至らなかったことを明らかにした。バイデン氏と議会幹部の協議は2月以来。今月12日に再度会談する。 

(貼り付け終わり)

(終わり)

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20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 日本の大型連休前半の5月1日の月曜日、アメリカのカリフォルニア州を基盤としていたファースト・リパブリック・バンク(FRB)が経営破綻し、JPモルガン・チェースが預金や資産を買い取ると発表された。アメリカの地方銀行破綻は連続しており、「次はどこか?」という不安が出ている。預金減少率というデータもある訳で、このデータに出てくる銀行に関して厳しい見方が出ているだろう。

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ファースト・リパブリック・バンクは今年3月からのアメリカの地方銀行連続破綻の影響をもろに受けて、預金が10兆円程度急激に減少し、それが破綻につながった。預金減少に軌を一にして、株価も急落した。2023年3月中旬までは120ドル台をキープしていたのに、それから真っ逆さまに急落し、最後は3ドル台になっている。
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 ファースト・リパブリック・バンクの資産や預金がJPモルガン・チェースに買収されたことで、一応の安心は得た。しかし、これからも連鎖的に銀行破綻が続くのではないかという不安を拭い去ることはできない。預金者としては「安心安全な銀行に預金を移す」という行動を取ることになり、大手銀行に預金が集中するということになるだろう。そうなれば、中小の銀行はさらに厳しくなる。
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 アメリカの中央銀行である連準備制度(Federal Reserve System)理事会(Federal Reserve BoardFRB)は政策金利(FFレート)を引き上げ、5%に達すると見られている。アメリカ国内の物価高、インフレに対処するための利上げであるが、銀行にとっては厳しい環境になる。新規融資は減少する、住宅ローンの返済が厳しい借り手が増えてくる、預金者は増えていくが利子をつけなければならない、こうした状況で、銀行の経営は厳しくなる。銀行が保有する米国債にしても、金利が上昇すれば価格(資産価値)が下がる。日本のように、預金者(資金の貸し手)に利子をつけないということはアメリカではできない状況になっている。

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 アメリカは利上げもあって、不況に突入していく。そうなればさらに銀行が破綻することになる。しかし、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会は5%までは金利を上げて、物価を下げることを優先しようとしている。2023年は厳しい状況が続くことになる。現在の物価高は、エネルギー価格や食料価格の上昇が原因であり、その根本原因はウクライナ戦争である。ウクライナ戦争が終わらねば、物価高の状況は終わらない。しかし、戦争は終わりそうにない。終わらせないという勢力がいる。世界中の人々の苦しみは続く。

(貼り付けはじめ)

ファースト・リパブリック・バンク破綻は銀行システムとより広範な経済についての恐怖感を醸成している(First Republic Bank collapse spurs fears for banking system, broader economy

カール・エヴァース・ヒルストロム筆
2023年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/business/banking-financial-institutions/3982011-first-republic-bank-collapse-spurs-fears-for-banking-system-broader-economy/

ファースト・リパブリック・バンク(FRB)の破綻は、アメリカの銀行システムとそれに依存する広範な経済の強さについて疑問を投げかけるものだ。

ファースト・リパブリック・バンクの資産規模は先月2300億ドル近くに達しており、月曜日に発表されたファースト・リパブリック・バンクの経営破綻は、シリコンヴァレー銀行(SVB)の破綻を上回る、アメリカで2番目に大きな銀行破綻となった。アメリカ史上最大の銀行破綻4件のうち3件が、この2ヶ月の間に起きている。

連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance CorporationFDIC)は月曜日、サンフランシスコに拠点を置く地方銀行ファースト・リパブリック・バンクの経営権を取得し、JPモルガン・チェースへの売却を仲介した。この取引により、預金者たちの預金は保護され、株主は一掃され、アメリカ最大の銀行であるJPモルガン・チェースが更に大きくなる可能性が高い。

ファースト・リパブリック・バンクの運命は、SVBの破綻によって富裕層の顧客がパニックに陥った後、同銀行が1千億ドルの預金を失ったことを明らかにした時に決まった。ファースト・リパブリック・バンクの株価は先週、75%急落した。

ファースト・リパブリック・バンクが最近の銀行危機の最後のドミノになるかは不明だ。それは、預金者が他の金融機関から資金を引き揚げるかどうかにかかっているからだ。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは月曜日、「危機のこの部分は終わった」と述べ、金融システムは強固だと信じているが、より小さな銀行が破綻する可能性はあると続けて述べた。

●より多くの銀行が破綻するのか?(Will more banks go under?

ファースト・リパブリック・バンクは、富裕層の顧客への依存度が高く、預金の3分の2以上がFDICの保険上限額である25万ドルを超えている。この比率はシリコンヴァレーバンクよりは低いものの、他の地方銀行よりは高く、預金者は損失を恐れて資金を引き揚げることになった。

また、米連邦準備制度(Federal Reserve)の利上げで価値が急落した長期国債の含み損が大きく、預金流出をカヴァーするための資金調達に支障をきたしていたことも、シリコンヴァレーバンクが抱えていた大きな問題だった。

他の銀行にはそれほど多くの無保険預金はなく、規制当局が全ての無保険預金者を保護するための措置をとった後に流出が鈍化したが、銀行部門は投資に関する同じ種類の含み損で溢れている。

FDICによると、アメリカの銀行は2022年末時点で6200億ドルの有価証券の含み損を抱えている。ニューヨーク大学とペンシルヴァニア大学ウォートン経営大学院の教授たちによる3月の研究では、全ての貸付金と証券を考慮すると、その含み損は1兆7000億ドルに近いと推定されている。

ゴールドマン・サックスのアナリストによると、この部門は約3兆1000億ドルの商業用住宅ローンを保有しており、中小銀行や地方銀行がその80%を占めているという。リモートワークの普及に伴い、オフィスビルの価値が下がり、債務不履行の可能性が高まっている。 

銀行は通常、銀行の経営破綻や市場の暴落に直面することがない限り、こうした損失を食い止めることができる。

ファースト・リパブリック・バンクのような地方銀行の上場投資信託は、月曜日に2.4%下落した。このファンドは3月上旬以来、約30%下落している。JPモルガンの株価は月曜日に2.3%上昇した。

アメリカ銀行協会のロブ・ニコルズCEOは、月曜日のファースト・リパブリック・バンクの資産売却は「国の銀行システムに対する信頼を強化する」と述べた。

アメリカ独立コミュニティバンク経営者協会のCEOであるレベッカ・ロメロ・レイニーは月曜日、政策立案者たちに対して、地域銀行と保険外預金に依存しない小規模なコミュニティバンクを区別するよう促した。

●減速する経済に対するもう1つの脅威(Another threat to a slowing economy

各金融機関のチーフエコノミストの多くは、今年いくつかの大手銀行が破綻する前に、アメリカが2023年に不況に陥ると見ていた。何年にもわたる高インフレと、商品やサーヴィスに対する需要を鈍らせることを目的とした利上げの結果、個人消費は落ち込んでいる。

大手銀行がバランスシートのリスクを減らすために融資を控えている今、予測はさらに暗くなっている。信用へのアクセスが減少すると、新規事業の成長が鈍化し、雇用主が自社に投資して労働者を増やす能力が損なわれると、専門家たちは述べている。

eToroの投資アナリストを務めるカリー・コックスは、電子メールの中で「銀行システムは、私たち自身のお金から、私たちを雇用する企業のお金、そしてそれらの企業の経済的安定性まで、私たちの生活の多くの領域に関連している」と述べている。

コックスは更に「小さな問題が、あっという間に大きな問題になることがある。これが中央集権的な金融システムの弊害だ」と述べている。

●バイデンは銀行に対して自信を示す(Biden expresses confidence in banks

ジョー・バイデン大統領は月曜日、連邦規制当局の行動により、アメリカの金融システムは「安全かつ健全(safe and sound)」であると述べた。また、連邦議会に対し、銀行経営者たちの責任を追及するよう求め、規制当局には大手銀行に対する規制を強化するよう促した。

「皆さん、私たちは再びこのような状況に陥らないようにしなければならない。私たちはその保証をするための道を順調に進んでいると考えている」とバイデンは述べた。

3月の銀行破綻の原因を検証する金曜日の報告書で、連邦準備制度(FR)当局者たちは、資産1000億ドル以上2500億ドル未満の銀行に対する資本要件とストレステストを緩めた2018年の法律の存在を指摘した。連邦準備制度は、法律に基づく権限の一環として、より厳しいルールを検討している。

金融委員会の共和党幹部は月曜日、アメリカの銀行システムは強固な足場を築いていると主張し、FDICがファースト・リパブリック・バンクの民間での買い手を見つけたことを称賛した。シリコンヴァレーバンクの破綻の際には見つけることができなかった。

連邦下院金融サーヴィス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長(ノースカロライナ州選出、共和党)は声明の中で、「アメリカ人は、アメリカの銀行に預けている預金の安全性に自信を持ち続けるべきだ」と述べた。

FDIC決議が反発を招く(FDIC resolution sparks backlash

FDICが月曜日、JPモルガン・チェースが大手銀行の資産を政府補助の割引価格で購入することを事実上許可した。そのことで反発に晒された。

批判者たちは、規制当局は銀行の破綻を解決するための効果的で公正なガイドラインを策定する必要があるとし、FDICはファースト・リパブリック・バンクの破綻に十分な備えをしていなかったと主張した。

FDICの共和党側理事であるジョナサン・マクカーナンは、月曜日の生命の中で、「私たちは、利益を私物化し、損失を社会化する我が国の救済文化を最終的に終わらせる最善の策として、強力な資本要件と有効な解決枠組みに焦点を当てて、銀行破綻に対処する計画を立てるべきだ」と述べている。

政策研究会社フェデラル・フィナンシャル・アナリティックスのマネージング・パートナーであるカレン・ペトロウは、FDICが「利己的な経営、手のかからない取締役会、不十分な監督、システム上のリスクを可能にするモラルハザード」を助長しているとメモを発表した。

ファースト・リパブリック・バンクの預金者たちを保護するため、FDICは銀行への手数料で賄われている預金保険基金から推定130億ドルを使用している。

他の専門家たちは、この合意によって、「大きすぎて潰せない(too big to fail)」銀行だけが安全だという考えが定着し、小規模な金融機関の預金が脅かされる可能性があると主張している。

コーネル大学法科大学院のロバート・ホケット教授(法律・金融)は電子メールの中で、連邦議会はFDIC保険の上限を撤廃するか、「金融化したウォール街の銀行が全てを手に入れる」ことを許す(allowing “financialized Wall Street banks to take all”)リスクを冒すべきだと述べた。

(貼り付け終わり)
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20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 アメリカ国内のインフレーションの進行が深刻ということはこれまで何度もご紹介した。「耳にたこができる」くらいに聞いたよ、と言われる方もいるだろう。ブログの場合は私の肉声ではなく、読んでいただくものであるので、その表現が正しいと言いにくいのであるが、それだけ繰り返しご紹介してきた。アメリカの中央銀行である連邦準備制度(Federal Reserve System)は2022年3月に利上げを行うことを決定しているということだ。

 利上げを行うことで、現在市場に出回っている貨幣を回収することになる。簡単に言えば、預貯金の金利が高くなって人々が預貯金にお金を回すということになる。しかし、インフレーション退治のため利上げが貧しい人々や労働者階級を苦しめることになるというのが下に紹介する論稿の内容だ。

 賃金の上昇率が物価の上昇率を上回れば、人々の生活は楽になる(もしくは楽に感じられる)。しかし、下の記事にあるように、イギリスのイングランド銀行総裁は、現在アメリカほどではないが高いインフレーション状態になっているイギリスの労働者たちに対して、「賃上げを要求しないように」と発言した。論稿の著者ダウニーは「労働者に賃上げを要求しないようにと求めるのは当然のこととして受け取られているのに、企業に製品の価格を上げないように求めるのはおかしいと受け取られていることは不自然だ、ディレンマがある」と主張している。そして、インフレーション退治のための利上げは人々の生活を苦しめることにもなる。一方で金融資産を多く持つ富裕層は利上げによって、利息収入が増える。結局のところ、中央銀行がやろうとしていることは金持ちを助け、貧乏人を苦しめることで、「階級間戦争」「階級間闘争」の状態になると結論付けている。この論稿の著者ダウニーは金融政策だけでは駄目だ、という点で、論稿に書いていないが、財政政策も合わせて実行すべきという考えであろうことは推測できる。その点ではMMTに近い考えを持っているかもしれない。

 物価を下げる、安定させることは人々の生活を安定させることであり、行き過ぎたインフレーション退治を行うことは全ての人々のためになる。それは労働者の為でもあり、インフレーション退治が階級間闘争を引き起こすということではない。しかし、問題はやり方であって、利上げだけではローンを抱える人々の負担が大きくなるだけのことだ。重要なのは賃上げも並行して行うことで、そのために各企業には利益の一部を犠牲にしてもらうべきだという考えが出てくる。

しかし、現在の資本主義体制では、各企業の利益は株主のために出されるものであり、株主の利益最大化こそが究極の目的である。そのためにプロの経営者が雇われている。利益の最大化のためには最大の固定費である人件費の削減が簡単でかつ効果的な方法である。日本でも行われているように、正社員を減らし、雇用する人数を減らす。これが手っ取り早い方法だ。現在必要だと思われる方法、賃上げを行うことは難しい。日本でもあれだけの権勢を誇った安倍晋三前首相がいくら頼んでも、経済界の反応は鈍かった。過去最高の内部留保がありながら、賃上げにつながらず、働く人々は給料が上がらない中、企業の内部留保をため込むだけのために、過労死寸前になって働く状況が続いてきた。

 今回の論稿の主張を政治の面から考えると、アメリカのバイデン政権と民主党にとっては、利上げは痛しかゆしというところだ。物価を下げたい、安定させたい、そのためには利上げだということはその通りだが、そのために自分たちの支持基盤である労働者、貧困層の生活が苦しくなっては元も子もない。何といっても今年の秋には中間選挙がある。少なくとも今年前半までには現状を何とかしたいところだ。利上げの効果が出ることを神に祈るしかない。

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インフレーションに対する戦いは階級間戦争になりつつある(The Fight Against Inflation Is Becoming a Class War

-各国の中央銀行は、コイン投げゲームの表は金持ちが勝ち、裏は貧乏人が負けとなるように決めている

リー・ダウニー筆

2022年2月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/02/16/the-fight-against-inflation-is-becoming-a-class-war/?tpcc=recirc_latest062921

各国の中央銀行がインフレーションに反応し始めた。2022年2月にイングランド銀行は2ヶ月ぶりに基準金利を引き上げ、アメリカ連邦準備制度理事会も2022年3月の会合で同じことをすると予想されている。(興味深いことにロシア銀行も同様である。戦争の脅威でさえ、現代の中央銀行の支配的なコンセンサスを破ることはできない)。このような金融政策の変化と並行して、イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、ベイリー自身が大変高額な年俸をもらっているにもかかわらず、賃上げを求めないよう労働者に求めている。

ベイリー自身の年収と彼の労働者たちへの要求との差は、階級間闘争(class conflict)の匂いもあって、多くの人が強調してきた不協和音(dissonance)でもある。労働者を苦しめながら、自分自身は金塊でいっぱいの城に座っている。このような階級間闘争の特殊な場での問題は、労働者階級が勝つ方法が存在しないことだ。つまり、資産を持っている人々が勝ち、労働者階級が負けるのだ。

この場合のコイン投げの表は、中央銀行が金利を引き上げてインフレーションを抑制し、低く安定した物価を実現することだ。この政策は、強力な民間金融セクターを支援するためのもので、多くの人が、2008年のような金融崩壊を誰も望んでいないため、誰にとっても良いことだと信じている。しかし、金利の上昇は、労働者階級が住宅ローンやその他のローンを組むことを困難にし、最も重要なことは、金利の上昇は民間投資と雇用の減少を招き、失業率を増加させることだ。一般に、金利の引き上げは生活環境を悪化させる可能性が高い。

コイン投げの裏となるのは、中央銀行が金利を上げない場合、インフレーションが続くということだ。これは、食料、エネルギー、住宅の価格上昇を意味し、生活水準の危機を招き、最も貧しい人々が打撃を受けることになる。しかし、物価が上昇しても生活水準を維持するのは、それに見合った賃金の上昇を確保できない場合にのみ、深刻な苦痛となることを忘れてはならない。

このことは、私たちにディレンマを残してしまう。仮に、労働者階級にとってベストなことは何でもしたいということに全員が同意したとしても、どのような行動方針を支持すべきなのだろうか。インフレーションを放置しておくわけにはいかないが、「インフレーションを何とかする」ということは、金利を上げることと同義であり、それは我々の中で最も貧しい人々に害を与えることになる。

それでは、中央銀行はどうすればいいのだろうか。従来の金利メカニズムを捨て、物価統制を導入することを提案する人もいる。これは、経済学界で攻撃的で卑屈な議論を引き起こした。しかし、なぜだろう?ベイリーが労働者に賃上げを要求しないよう求めることができるのなら、政府が企業に値上げを要求しないよう求めるのは、どうしてそんなにおかしなことなのだろうか。特に、最近の記録的な利益を考慮すると、そうなるのは当然だろう。経済学者のドミニク・ロイスダーが言うように、「価格統制は良いが、それは労働者のためになる時だけだ」というメッセージは明らかである。

現在、中央銀行の最大の関心事は、賃金価格スパイラルを回避することである。この考えは、労働者が十分な力を持っていると仮定すると、物価上昇に直面したとき、彼らは生活水準を維持するために賃金の上昇を求めるだろう、というものだ。賃金が上がれば、また物価が上がり、さらに賃金が上がるというスパイラルである。つまり、危険なインフレーションの暴走は、賃上げを要求する労働者の責任なのだ。それゆえ、ベイリーのコメントは受け入れられることになるのだ。

しかし、基本に立ち返れば、これがいかに奇妙な話であるかはすぐに理解できる。インフレーションとは一般的に物価が上昇することだと理解されている。これはただ偶然に起きるのではない。物価が上がるのは、企業が物価を上げようと決めた時である。つまり、インフレーションと企業の意思決定との関係は、インフレーションと労働者が生活費の上昇に見合う賃上げを求めることとの関係より、はるかに明確で緊密なものだ。それでは、繰り返しになるが、なぜインフレーションに対する既定の反応は、企業に記録的な利益の一部を犠牲にするよう求めるのではなく、賃金より速く上昇する物価の痛みを労働者に求めるのだろうか?

賃金価格スパイラルの強さと、価格統制の提案に対する激しい拒絶反応から分かることは、極めて簡潔なものだ。現在の限定的な金融政策の枠組みは、社会の中のあるグループ、つまり、民間の金融業界に利益をもたらしている。

現代の金融政策の主流は、安定した物価(2%のインフレーション率)を確保し、2008年以降は金融規制を通じて、民間金融システムの安定を維持することとなっている。歴史的に見れば、これは当然のことだ。それはそのように設計されているからだ。アメリカでは、1907年の金融恐慌の後、民間銀行システムの安定と成功を確保するためにFRBが設立された。イギリスでは、イングランド銀行はその歴史のほとんどを通じて、民間銀行業と戦争資金調達のために作られた、利益を追求する民間機関であった。

今日、FRBとイングランド銀行はそれぞれの国の金融政策当局であり、マネーサプライを管理するための公共政策を立案し、実施している。民主政治の尖兵として、公共政策は人民による、人民のための、人民のものであるべきだ。しかし、FRB とイングランド銀行は、公共政策の権限を得るに当たって、民間金融システムとの基盤的なつながりや、民間金融システムに奉仕するという基本的な目的を捨て去ることはなかった。

これが、現在の厄介な事態を招いている。公共政策の巨大な力を使って設計された独立した中央銀行が社会の一部門である民間金融の利益のために機能している。だからベイリーは労働者に賃上げを要求するように求めているのではなく、企業に値上げを要求しないよう求めているのだ。それはまた、現代の金融政策システムに関して言えば、「頭でっかちの金持ちが勝ち、尻尾で貧乏人が負ける」状況である理由でもある。

もし、金融政策が社会の全ての部分に等しく奉仕するとしたら、どのような政策になるのだろうか。簡単に言えば、そのような金融政策は、他の種類の公共政策と同じように、より政治的なものになるだろう。このような金融政策を実施することは、現在の高いインフレーションか高金利かという二者択一の政策から、資産保有者の利益を優先させないような政策を取り入れることができるようになることを意味する。

従来の短期金利調整以外の政策オプションがあることを想像するのは難しいという人もいる。このこと自体、金融政策の枠組みが支配的であることの証拠となる。しかし、もちろん代替案は存在する。例えば、物価統制(price controls)、信用誘導(credit guidance)、信用供与(credit provision)、様々な種類の公庫(public banking)などが挙げられる。

金融政策をより民主的に決定するためには、必ずしもこれらの具体的な政策案のいずれかを採用する必要はない。しかし、政策決定への民主的なアプローチは、結果がどうであれ、結果として生じる政策が社会のある(少数)グループの利益に資するような不正なプロセスでないことを要求するものだ。公正なコイン投げ(表:私の勝ち、裏:あなたの勝ち)が、私たち双方に自分の利益を促進する機会を与えるように、金融政策を実施するための公正で民主的 なアプローチを確立するには、現代の表:金持ちの勝ち(高い金利)、裏:貧しい者の負け (高いインフレーション)を超える選択肢を検討する必要がある。

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 古村治彦です。

 アメリカ国内のインフレーションは深刻で、年率7.5%の上昇を記録した。1982年以来の急速なインフレーションとなっている。物価上昇は国民生活全体に影響を与えるが、低所得者層にとっては死活問題になる。食料、エネルギー、住宅(家賃)の価格高騰がインフレーションの原因となっている。これらは人々の生活にダイレクトに関わっている。家がなくなればホームレスになるしかないし、電気料金やガソリン価格が上がれば、生活の質は低下するし、寒冷地であれば生死にかかわる。食料品に関しては入手できなければ命を保つことができない。

 アメリカ国内のインフレーション退治、物価の安定はアメリカの中央銀行である連邦準備制度の使命である。連邦準備制度理事会(FRB)が設定している物価上昇率は2%であるが、現在はそれを大きく上回っている。これを何とかしなければならない。政権が民主党だろうが、共和党であろうがそんなことは関係ない。連邦準備制度の設置法の目的にそう書いてあるのだ。そのために、連邦準備制度は2022年3月に利上げを行うことをほぼ正式に決定した。ゼロ金利から脱却して、市場に出回っているお金を回収するということになる。

 しかし、基準金利が上がるということは、これからお金を借りる人には負担増ということになるし、現在変動金利で住宅ローンを借りている人たちにとってもまた負担増ということになる。この負担増にどれだけの人たちが耐えられるか、雇用をどれだけ増やして、人々を職場に復帰させ、住宅ローンを払えるようにするか、ということがジョー・バイデン政権にとっての課題ということになる。単純に言えば、給料の伸びが物価の上昇よりも大きければ、人々の生活は楽になる。この単純なことを実行することはとても難しい。

 現在のインフレーションの原因はコストプッシュということになる。輸入品の価格が高騰していることと、一度錆びついたサプライチェインや物流の再開のためのコストがのしかかっているということになる。輸入品の価格を下げるためには、ドル高傾向にしなければならない。そうなると日本にとっては「強いドル、弱い円」、円安傾向となる。そうなると、日本にとっての輸入品価格が上昇することになる。現在の日本は輸入大国であり、実際に様々なものの価格が上昇している。これは多くの人々が実感していることだ。「アメリカがくしゃみをすると、日本が風邪をひく」という言葉があったが、今の状況はこの言葉のようになっている。

 アメリカの利上げでインフレーションがどれだけ収束するか、これから注目される。その効果が薄いとなれば、増税ということも考えられるが、選挙前に増税を打ち出すということは、バイデン政権、民主党にとって厳しいだろう。バイデン政権、民主党にとっては今年前半が正念場となる。

(貼り付けはじめ)

FRB幹部たちは1月の会合でより急速な利上げを検討した(Fed officials floated faster rate hikes in January meeting

シルヴァン・レイン筆

2022年2月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/594576-fed-officials-floated-faster-rate-hikes-in-january-meeting

今週水曜日に発表された議事録によると、米連邦準備制度理事会(FRB)の理事たちは先月、インフレーション率が設定した目標を超えて上昇し続ける場合、現在の予想よりも早く利上げと保有債券の削減が必要になるだろうと述べた、ということだ。

2022年1月25日から26日に開催されたFOMCの議事録によると、FRBの金融政策を決定する連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee FOMC)の委員たちは、アメリカ経済の強さが量的緩和縮小のプロセスを加速させる可能性があるかどうかについて議論した。

米連邦準部制度理事会関係者たちは、オミクロン変種によるア感染拡大が収まり、サプライチェインへの圧力が緩和され、新型コロナウイルス感染拡大中に実施された財政刺激策が経済的に行き渡った後、年内(2022年)にインフレーションが緩和すると概ね予想していた。

それでも、FOMCメンバーの中には、企業が供給不足と労働力不足に苦しみ続けているため、インフレーション率が予想を上回って上昇し続ける可能性を示唆した。

議事録には、「ほとんどの参加者は、インフレーションが予想通り下がらなければ、委員会(FOMC)が現在予想しているよりも速いペースで政策緩和を解除することが適切であると指摘した」と書かれている。

FOMCは1月の会合後、基準金利の幅を0~0.25%に据え置いたが、大きな経済ショックがない限り3月の会合で利上げを行うと明言した。FRBはまた、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた経済を支援するために始まった、毎月の国債と住宅ローンの購入プログラムを2年後の来月(2022年3月)に終了する予定であり、これらの債券の一部がすぐに借り換えされることなく満期になる可能性がある。

FRBは通常0.25ポイント刻みで利上げを行うが、労働省が消費者物価を前月比0.6%上昇したと発表したことを受けて、投資家の多くは3月に0.5ポイントの利上げを実施すると予想している。

消費者物価指数で測定した1月の年間インフレ率は7.5%に達し1982年2月以来の高い上昇率となった。FRBの望ましいインフレ指標である個人消費支出(personal consumption expenditures PCE)価格指数は2021年に5.8%上昇し、FRBの平均年間目標である2%の2倍以上となった。

FRB幹部たちは、インフレーション率が2021年中に上昇し続ける中、利上げと債券購入の終了を見送り、景気回復への支援を後退させるには時期尚早であると主張した。失業率は現在4%、賃金は急上昇し、雇用主は数百万の求人を埋めるのに苦労しており、ほとんどのFOMCメンバーは、経済は最大限の新型コロナウイルス感染拡大後のポテンシャルに近いと見ている。

「参加者は、労働市場が新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気後退から回復する上で著しい進歩を遂げ、ほとんどの指標において、現在非常に堅調であることに留意した」と議事録に記されている。

議事録には、「労働市場が全般的に好調で改善していることを背景に、多くの参加者はオミクロン変種の影響は労働市場の上昇率を一時的に抑制するだけだろうとの見方を示した」と書かれている。

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年間インフレーション率が7.5%に達し、1982年2月以来の高水準に達する(Annual inflation reaches 7.5 percent, highest rate since February 1982

シルヴァン・レイン筆

2022年2月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/593652-annual-inflation-reaches-75-percent-highest-rate-since-february-1982

米国労働省が木曜日に発表した最新データによると、2022年1月末までにアメリカ国内の消費者物価は年間7.5%上昇し、1982年2月以来最も速い上昇率となった。

インフレーション率を示す労働省が発表する消費者物価指数(consumer price indexCPI)は6ヵ月連続で上昇し、経済学者やエコノミストたちのコンセンサスが予測した7.2%の上昇を上回った。

消費者物価も3ヵ月連続の下落から、1月は2021年1月と同じ0.6%の上昇となった。

食品とエネルギー価格を除いた場合、消費者物価指数は年間6%上昇し、1982年8月以来最も速いペースで上昇した。

アメリカは2021年半ばから高いインフレーション率に直面し、新型コロナウイルス感染拡大不況からの強力な経済回復も物価上昇を生み出した。アメリカ経済は昨年600万人以上の雇用を増やし、5.7%の成長を遂げ、個人消費は新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻ったが、駆け込み需要は深刻な供給不足と人手不足、輸送のボトルネック、その他の新型コロナウイルス感染拡大関連の制約とぶつかることになった。

労働統計局は木曜日、2022年1月のインフレーション率上昇をもたらしたのは、食料、電気、住居の値上げが理由だと発表した。食品価格は0.9%上昇し、12月の0.5%上昇のほぼ2倍になった。エネルギー価格も、電気料金の上昇がガソリンと天然ガス価格の下落を相殺し、0.9%の上昇となった。

ホワイトハウスや連邦準備制度理事会の幹部たちを含む多くの経済学者たちは、新型コロナウイルス感染拡大が収束し、多くのアメリカ人が仕事に復帰するにつれて、インフレーションは今年夏には低下するだろうと予想していた。しかし、高いインフレーションの持続は、バイデン政権と中央銀行の双方に大きな政治的・政策的課題を突きつけている。

最近の各種世論調査の結果は示しているのは、バイデン大統領と民主党所属の連邦議員たちが、経済への対応に不満を募らせている有権者たちに景気回復の力強さを売り込むのに苦労しているということだ。食料品、燃料、その他の消費財の価格上昇は、多くの労働者の急速な賃金上昇を、政治的利益とともに帳消しにしている。

労働省によると、2021年1月と比較して、食料価格は7%、ガソリン価格は40%、エネルギー価格全般は27%上昇している。

2021年のインフレーションは主に商品、特にサプライチェインの問題に悩まされた商品に限られていたが、2022年1月の報告書では、サーヴィス価格も上昇し続けており、多くの経済学者たちにとって憂慮すべき兆候となっている。

2022年1月の非エネルギー関連サーヴィスの価格は年率4.1%上昇し、住居の家賃は4.4%、医療価格は2.7%、輸送サーヴィスは5.6%、娯楽サーヴィスは5%上昇した。

会計事務所グラントソントンのチーフエコノミストであるダイアン・スウォンクは、インフレーション率の急上昇は「広範囲に及び、サーヴィス部門に定着する兆しを見せている」と述べた。彼女は、FRBは 「かなり遅れていて、今、沸騰した鍋に氷を入れるニーズに対応できていない」と警告を発した。

FRBは2022年1月に、インフレーション率が年平均目標である2%を大幅に上回る中、今年中に数回の利上げを行うための土台ができているとしている。2020年に世界経済を襲った新型コロナウイルス感染拡大の影響でゼロに近い水準に設定されていた金利を2022年3月に引き上げることをほぼ正式に決定した。

FRBは通常、一度に0.25%ポイント刻みの利上げ・利下げを行うが、一部のエコノミストは、来月はより急な0.5%ポイントの利上げを検討するだろうと予想している。

FRBはインフレーションを抑制することを最優先課題としている。経済分析のオックスフォード・エコノミクス社のアメリカ金融担当チーフエコノミストであるキャシー・ボスティャンシックは木曜日に発表した分析において、「こうした上昇し続ける物価データは、3月の政策会議で50ベーシスポイントの利上げを行い、引き締めサイクルを開始し、その後の会議で連続して利上げを行う可能性を高める」と書いている。

1ベーシスポイントは1%ポイントの100分の1ポイントである。

キャシー・ボスティャンシックは続けて、「FRBが引き締めサイクルのキックオフに50ベーシスポイントは強すぎると判断した場合、次の会合で50が視野に入る可能性がある」と述べた。

共和党所属の連邦議員とエコノミストの多くは昨年(2021年)、FRBに利上げを開始するよう求めていたが、FRBの幹部たちは労働力の復帰を制限するとの懸念から抵抗していた。しかしFRBは、インフレーションが引き続き急騰し、将来の雇用増を脅かす可能性があるとして、2021年12月に方針を急転回させた。

2022年1月のインフレーション率によってFRBの利上げ路線は堅持されることになるだろう。借入コストの上昇は、輸送のボトルネック、他国での新型コロナウイルス封じ込め策、労働力不足による物価上昇にはほとんど影響を与えないかもしれない。

バイデン大統領もインフレーション抑制のプレッシャーに直面することは間違いないが、バイデンは、根強い新型コロナウイルス感染拡大と不均等な景気回復が物価上昇を助長させていることをコントロールすることにも限界がある。

バラク・オバマ前大統領の下でホワイトハウス経済諮問委員会委員長(the chairman of the White House Council of Economic Advisers)を務めたジェイソン・ファーマンは次のようにツィートした。「バイデン大統領はインフレーションを下げるためにほとんど何もできないのが実情だ。大統領は供給に関してできることは何でもできるし、そうすべきだ(そして既にそのほとんどを行っている)が、大したことはできないだろう」。

ファーマンは続けて、「アメリカ連邦議会は収縮財政政策でインフレーションを下げることは可能だが、私はFRBに任せる」と述べた。バイデンが提案した1兆9000億ドルの社会福祉・気候法案、通称「ビルドバックベター法」は物価上昇を冷ますのに役立つと付け加えた。

バイデン大統領、民主党所属の連邦議員、左派の経済学者たちは、ビルドバックベター法は長期的に医療、処方薬、育児の価格を下げると主張している。法案の支持者たちは、その費用をまかなうための増税のおかげで、更なるインフレーションを引き起こすことなく、この法案を実現できると述べている。

しかし、この主張はジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)には通じず、マンチン議員は2021年12月にビルドバックベター計画への反対を表明し、木曜日に追加支出に対して警告を発した。

マンチンは木曜日に発表した声明の中で、「連邦準備制度がこの問題に正面から取り組むべき時を超えている。連邦議会とバイデン政権は、既に火だるまになっている経済に更に燃料を投入する前に、慎重に行動しなければならない」と述べた。
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イギリスのインフレーション率がほぼ30年ぶりの高水準に急上昇(Inflation in UK surges to fastest rate in almost 30 years

マイケル・シュネル筆

2022年2月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/594556-inflation-in-uk-surges-to-fastest-rate-in-nearly-30-years

イギリスのインフレーション率は先月(2022年1月)までの1年間で5.5%上昇し、過去約30年間で最も速い上昇率を記録した。

イギリス国家統計局が水曜日に最新のデータによると、インフレーション率を示す消費者物価指数(consumer price indexCPI)の上昇は、1992年3月以来最速の記録であったということだ。イギリスのインフレーション率は2022年1月に年率7.1%上昇した。

年間消費者物価指数は2021年12月から今年(2022年)1月にかけて0.1%上昇し、5.4%から5.5%になった。

イギリスの電気製造料金は先月までの1年間で28.3%上昇した。各社の電気料金は19.2%上昇した。国家統計局は、この値上げについて、「北アイルランドのエネルギー価格が変化したため」と発表している。

更に言えば、先月までの1年間で、持ち家の住宅コストは2.4%増加し、賃貸料は2.3%上昇した。

アメリカでは現在、更に高いレヴェルでのインフレーションが進行しており、2022年11月の中間選挙を控えた民主党は継続的な危機的状況に直面している。先月(2022年1月)までの1年間で、米国の消費者物価は年率7.5%上昇し、1982年以来最も速いペースで上昇している。食品、電気、住居(家賃)の価格上昇がインフレーションの最大の原動力となった。

アメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大からの回復を図る過程で、昨年(2021年)半ばからインフレーション率が上昇し続けている。しかし、高いレヴェルの需要と低い供給力、労働力不足、輸送のボトルネックなどの新型コロナウイルス感染拡大関連の問題がぶつかり、全米レヴェルで値上げが行われた。

近い将来におけるイギリスにとっての環境はより悪くなるだろう。AP通信によると、イギリスのエネルギー規制当局が、2022年4月にガスと電気の料金が54%上昇すると発表したので、1500万世帯に影響が及ぶとみられる。AP通信によると、この値上げは、所得税が1.5%増加する予定の同じ月(2022年4月)に実施される。
(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ国民の半数が国内経済の先行きを不安視しているという世論調査の結果が出た。『ウォールストリート・ジャーナル』紙の世論調査の結果では、約半数が来年の国内経済はより悪くなるだろうと答えたということだ。その最大の原因は、インフレの亢進、つまり物価が急激に上がっていることである。以下にアメリカのインフレ率のグラフを2つ掲載する。2016年12月から現在までの5年間のグラフと2020年12月から現在までの1年間のグラフだ。

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アメリカのインフレ率5年間のグラフ

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アメリカのインフレ率1年間のグラフ

 2016年から新型コロナウイルス感染拡大が始まる2020年初めまでは、インフレ率は2%を少し超える程度だった。その後、インフレ率は下降したが、2021年3月頃から急激に上昇している。新型コロナウイルス感染拡大対策としてのワクチン接種や経済活動の再開によって、アメリカ経済が活発に動き出した。しかし、急激なインフレ率の上昇に賃金上昇は追いついていない。そのために、人々は経済の先行きに不安を持っている。

 アメリカ人にとって特に重要なのはガソリン価格だ。アメリカは車社会であり、ガソリン価格の変動には特にナーバスになる。ガソリン価格が上昇するということは、飛行機など他の移動手段の価格の上昇や、暖房用の灯油などの価格の上昇も反映しているので、この点でもガソリン価格の上昇は生活を圧迫する要因が増えるということで、非常に嫌う。

特に、11月末の感謝祭から12月末のクリスマスまでは、「ホリデーシーズン」と呼ばれる。この期間は移動やプレゼント交換、豪華な食事などで支出が増えるので、この時期にガソリン価格が上がることをアメリカ国民は嫌う。そして、その怨嗟の声は政権に向かう。バイデン政権の支持率が低いことは既にお知らせしているが、これが大きな原因である。以下にアメリカのガソリン価格の変動のグラフを掲載する。

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アメリカのガソリン価格5年間のグラフ

usgasprice2021501 

アメリカのガソリン価格1年間のグラフ

ここ5年では3ドルを上回ることはなかった。新型コロナウイルス感染拡大で経済活動が停滞したために、ガソリン価格は一気に下落したが、今年の3月頃から上昇を続け、新型コロナウイルス感染拡大以前よりも高くなっている。経済活動が再開してまだ間もなく、賃金上昇が追いつかない中で、この負担増は庶民を直撃する。

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円ドル5年間のグラフ

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円ドル1年間のグラフ

 一方、日本について簡単に見ていきたい。現在、日本は円安傾向に入り、輸入品の価格が上昇することによる、製品の値上げのニュースが続いている。

japaninflationrates2017to2021501 

日本のインフレ率5年間のグラフ

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日本のインフレ率1年間のグラフ

日本のインフレ率はもともと低い水準で推移していたものが、新型コロナウイルス感染拡大でマイナスにまで落ち込んだ。現在でも1%台にも届かない水準であるが、円安による「コストプッシュ」型のインフレで物価上昇ということはあるだろうが、それでも日銀が定めた2%には遠く及ばないものとなるだろう。

 日本のデフレ傾向からの脱却は来年も厳しいだろう。問題は、給料が上がらない中で、デフレならばまだ何とかなるが(それも大きな問題だが)、給料が上がらない中で、物価だけは上がっていく、スタグフレーションになることだ。先進諸国はどこもこの点を懸念していると思う。政府がいくらお金を流しても、それが人々に行き渡らねばそのような状態になる。従って、今は配分と再配分を重視する政策を行う必要がある。特に日本では、新型コロナウイルス感染拡大を抑え込みつつあるので、経済回復、特にデフレ脱却をこの機会を捉えて行う(「禍を転じて福と為す」)ということを行うべきだ。

(貼り付けはじめ)

国民のほぼ半分がよく年アメリカ経済がより悪くなるだろうと考えている(Almost half in new poll expect economy to get worse in next year

レクシ・ロナス筆

2021年12月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/584781-almost-half-in-new-poll-expect-economy-to-get-worse-in-next-year

『ウォールストリート・ジャーナル』紙の最新世論調査の結果によると、有権者の46%が来年のアメリカ経済はより悪くなるだろうと答えた。より良くなると答えたのは30%にとどまった。

世論調査に答えた有権者たちが最大の経済問題だと考えているのはインフレーションだ。29ポイントの差をつけてインフレが悪化するという答えの方が多かった、61%が経済は悪い方向に向かって進んでいると考えていると答えた。

民主党は、新型コロナウイルス感染拡大から経済の回復を売り込もうとしている中、インフレーションにまず対処することに苦闘している。

クリス・ブストス連邦下院議員(イリノイ州選出)は本誌の取材に対して、「多くの経済指標を見れば、良い状態になっていることを示しています」と述べた。

彼女は続けて次のように述べた。「しかし、実際の生活レヴェルのお金問題について話しますとね、違ってきます。車のガソリンを満タンにする時、ガソリン価格が上がっていて、支払いが大きくなっています。食料品店に行ってベーコンを1パウンド買う時、値段が上がっています。人々はこのような価格上昇の現状に気付いています」。

バイデン大統領は、インフレーションや世界規模の供給チェインの問題に悩まされている。結果として、世論調査における支持率の数字を下げている。

今回の世論調査では、57%がバイデンの大統領としての仕事ぶりを評価しないと答え、41%が評価すると答えた。

経済に関する不安感が高まる中、2022年の中間選挙で民主党よりも共和党を支持すると答えた有権者の数の方が多かった。

世論調査に答えた有権者のうち、今日選挙が実施されると仮定しての質問に対して、44%が共和党に投票すると答え、一方、民主党に投票すると答えたのは41%だった。

今回の世論調査は2021年11月16日から22日にかけて、1500名の成人を対象に実施された。誤差は2.5ポイントだ。

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インフレーションが進む中でも10月の収入と消費者支出が上昇(Incomes, consumer spending rose in October even as inflation spiked

シルヴァン・レイン筆

2021年11月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/583021-incomes-consumer-spending-rose-in-october-even-as-inflation-spiked

アメリカ合衆国商務省が水曜日に発表したデータによると、インフレの急進があったにもかかわらず、個人所得の増加が物価上昇を抑制することができたために、2021年10月の消費者支出は増加した。

個人消費支出は先月1.3%増加した。財に対する支出の1%増、サーヴィスに対する支出の0.7%増が寄与した。サプライチェインの混乱、新型コロナウイルス感染拡大に関連する規制、新型コロナウイルス感染拡大による消費習慣の変化などにより、消費者の財に対する支出がサーヴィスに対する支出を大きく上回った。

米連邦準備制度(Federal Reserve)が推奨するインフレ率の指標である個人消費支出(personal consumption expendituresPCE)価格指数(price index)は2021年10月に著しく上昇した。それにもかかわらず、全米での買い物ブームは継続した。

水曜日に発表された分析の中で、オックスフォード大学のグレゴリー・ダコは次のように書いている。「2021年10月の消費者支出は、ウイルス懸念の軽減や温暖化、自動車のサプライチェインの制約緩和、ホリデーシーズンの早期開始などの要因により、増加した」。

ダコは続けて次のように書いている。「しかし、米国の家計にとっては、インフレ率の上昇、製品の入手可能性の現象、財政支援の減少など、全てがバラ色という訳ではない」。

個人消費支出(PCE)は、消費者物価が3ヶ月連続で0.4%上昇した後、10月に0.6%上昇した。また、10月までの1年間で5%上昇しました。年間のインフレ率は9月から0.6ポイント上昇している。

賃金の上昇と雇用の増加が個人消費を押し上げ、先月の個人所得は0.5%増加した。しかし、インフレ調整後の可処分所得は0.3%減少しました。

会計事務所RSMのアメリカ人エコノミストのトゥアン・グエンは次のように書いている。「強力な支出は今年の最後の2カ月でも価格に対して圧力をかけ続けることになるだろう。しかし、最近のデータでは、そのような圧力を和らげる役割を果たすサプライチェインのねじれが改善されてきている」。

グエンは続けて次のように書いている。「概して言うと、水曜日に発表されたデータは、今年の第四四半期の成長につながる、予想を上回るホリデーシーズンの見通しを再確認するものだ」。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 

 今年の秋にはアメリカで中間選挙が行われます。連邦下院の全議席、連邦上院の一部議席、そして複数の州の州知事選挙が行われます。

 

 拙訳『コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)でも取り上げられていましたが、コーク兄弟から政治資金を受け、保守的な政策を進めている現職のウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーが苦戦をしている、という世論調査の結果が出ています。

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 ウォーカーは、ティーパーティー運動(コーク兄弟が資金源)で頭角を現し、その後、ウィスコンシン州知事に当選。2016年の米大統領選挙で共和党の予備選挙に出馬を表明し、一時は有力候補と見られるまでになりましたが、その後失速し、出馬をすることはありませんでした。それでもスコット・ウォーカーは共和党の若手有力株として注目されています。このウォーカーが苦戦しているというのはアメリカの政治ニュースとなっています。

 

 ウォーカーの苦戦の原因が小政党リバータリアン党の候補者が数パーセントの支持を得ているために、接戦となったら、共和党からリバータリアン党に流れる票数が死命を決するということになると予想されています。1991年の米大統領選挙で民主党のビル・クリントンが勝利をした際に、第三党のロス・ペローが善戦したために、共和党のジョージ・HW・ブッシュが敗れたという事例に似た構図となっています。

 

 ティーパーティー運動で台頭し、コーク兄弟から政治資金を受けているマイク・ポンぺオ国務長官、テッド・クルーズ連邦上院議員、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事がそれぞれ苦戦をしているのは興味深いところです。彼らはコーク兄弟が見い出して援助を与え、中央政界に進出し、または名前を売った人物たちです。


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 コーク兄弟の信奉するリバータリアニズムは、何事も市場の機能に任せれば、最も合理的に最適の結果が無駄なく得られるという市場至上主義です。アメリカ国民の中には、市場至上主義疲れが起きていると考えられます。トランプ大統領への支持が低下しないのは、彼が株高を演出し、再分配を志向する政策を実行しているからです。この点で、共和党の体制派、更にはリバータリアニズムを信奉する勢力とは対立します。

 

 スコット・ウォーカーが大苦戦しているというのは、今回の中間選挙で民主党が盛り返していること、そして、トランプ政権とは異なる姿勢を持つ共和党の体制派とリバータリアン達には逆風となっていることを示しています。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:スコット・ウォーカーはウィスコンシン州知事選挙で大接戦(Poll shows Scott Walker in dead heat in Wisconsin reelection race

 

タル・アクセルロッド筆

2018年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/403084-poll-gov-walker-in-dead-heat-for-reelection-in-wisconsin

 

マーケット大学法科大学院が実施した、ウィスコンシン州知事選挙に関する世論調査の結果が水曜日に発表された。現職のスコット・ウォーカー知事(共和党)が州立学校監督官トニー・エヴァース(民主党)と大接戦を演じているという結果が出た。

 

投票に必ず行くと答えた有権者のうち、46%がウォーカーを支持し、46%がエヴァースを支持すると答えた。2%がどちらも支持しない、分からないと答えた。誤差は4.5%であった。

 

有権者登録をしている有権者の中でも、ウォーカーは大接戦を演じている。ウォーカー46%、エヴァース44%という結果が出ている。誤差は4%であった。

 

マーケット大学の調査では、ウォーカーの支持率は3月以降、40%台後半で安定している。一方、不支持率は40%台中盤で安定している。

 

エヴァースは8月に実施された民主党の州知事選挙予備選挙で勝利を収めた。この時期、ウィスコンシン州民主党は、州議会議員選挙の複数の補選と州最高裁判所の判事の選挙で勝利を収め、上昇気流にあった。

 

ウィスコンシン州知事選挙で台風の目になりそうなのが、リバータリアン党のフィル・アンダーソンである。アンダーソンは、選挙に行くと答えた有権者の中では6%、有権者登録をしている有権者の中では7%の支持を得ている。これらの数字はエヴァースとウォーカーとの差よりも大きい数字である。

 

リアル・クリア・ポリティックスによる各種世論調査の集計によると、エヴァースとウォーカーとの一騎打ちでは、エヴァースが6.3%のリードをしている。しかし、クック・ポリティカル・レポートはウィスコンシン州知事選挙について「共和党先行」としている。

 

今回の世論調査は815日から19日にかけて、800名のウィスコンシン州民に対して電話でのインタヴューでデータを集められた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 本日はアメリカのマスコミで働く人の数が減少しているとする記事をご紹介いたします。アメリカのマスコミで働く人の数は全体で10万人を割り込んでいるということがまず紹介されています。もっと多いものかと思っていましたが、私の考えに反して少ないものでした。その中でも新聞は半分近くの3万9000人を占めている訳ですが、減少の速度は激しく、ここ10年で45%も減少しているということです。

 

日本はどうかといいますと、日本新聞協会のウェブサイトで調べてみると、2017年段階では約4万2000人で、2007年では約4万8000人ですから減少率はアメリカに比べて大きくありません。

 

※日本新聞協会のウェブサイトは以下の通りです。

https://www.pressnet.or.jp/data/employment/employment03.php

 

 アメリカのマスコミで雇用数を伸ばしているのはネットのニュースサイトですが、絶対数が少なく、紙の新聞社で減った分を全て吸収できないのは明らかです。ということは、新聞社を解雇された人たちは別の職種に行くしかないということになります。

 

 日本でも紙の新聞の発行部数が減少していると言われています。ニュースはインターネットで知るからいいということが原因のようです。地方紙は人口減少ということもあるでしょう。そうなると、どうしても売り上げが落ちてしまうと人件費が大きな負担ということになってしまい、給料を減らすか、雇用を減らすかということを迫られていくことになるでしょう。

 

新聞記者と言えば、社会の木鐸であり、高給ということもあって学生のあこがれの職業という時代もありました。アメリカでは既に新聞記者は斜陽の仕事ということになっているようです。日本でもそうなりつつあるのではないかと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

分析記事:メディアで働く人の数がこの10年で23%減少(Analysis: Media workforce down 23 percent in last decade

 

ジョー・コンシャ筆

2018年7月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/media/399641-analysis-media-workforce-down-23-percent-in-last-decade

 

メディアで働く人の数がここ10年で23%減少していることが新たに発表された分析で明らかにされた。

 

月曜日に発表されたピュー・リサーチ・センターによる分析によると、2017年の新聞、ラジオ、ケーブルテレビ、報道で働く人の数が8万8000人ということであった。2008年の数は11万4000人であったが、減少している。

 

新聞で働く人の数の減少はより激しいものとなっている。

 

分析によると、アメリカ全土の新聞で働く人の数はここ10年で45%も減少しているということだ。

 

ピュー・リサーチ・センターの報告書は、労働統計を引用しながら、2008年の段階でアメリカの新聞社で原拓人の数は7万1000人だったものが、2017年には3万9000人にまで減少していると書いている。

 

ワシントンDCにある中立の分析機関ピュー・リサーチ・センターの報告書には、「5つの分野の中でディジタルニュースだけで大きな雇用の増加が見られる」と書かれている。

 

報告書は続けて次のように述べている。「2008年以来、ディジタルニュースでは荒く人の数は79%も増加しており、その数は7400から1万3000まで増えている。増加数は約6000である。しかし、同時期に新聞社で失われた32000を相殺するには至らない」。

 

今回の報告書が出る1週間前、ピュー・リサーチ・センターが出した別の報告書では、2017年1月以来、アメリカの各大新聞社は半数以上の職員を解雇しているということであった。

 

今年4月末までの16カ月で、25万分以上の発行部数を誇る16社のうち、9社(56%)で職員の解雇が行われているということだ。

 

創立以来99年の歴史を持つタブロイド紙『ニューヨーク・デイリー・ニュース』紙は今月、編集部の4分の1を解雇し、現在40名の職員だけで発行を続けている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アラン・グリーンスパンはFRB議長として、アメリカ経済のかじ取りをした「マエストロ」と呼ばれた人物です。現在は91歳だそうで、映像で見る限り、相応に年齢を重ねていますが、まだ元気なようです。グリーンスパンは1996年に「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」という言葉を使って、インターネットバブルを表現した人です。

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 日本語では「根拠なき」となっていますが、irrationalという言葉は、「合理的ではない」ということになります。「合理」とは、自分の利益を最短距離で最大化するための考え、ということになります。1990年代のインターネットバブルをグリーンスパンは、「人間が合理的な生き物であるとするならば、あり得ない動きをしていることで起きている経済の熱狂」と表現しました。経済においても人間は「合理的に」動くものではなく、それが熱狂、バブルを生み出してはじけてしまう、ということです。バブル発生と崩壊は人間らしい行為ということになるでしょう。崩壊が予測できればいいのでしょうが、個人として予測はできても、崩壊を防ぐまでのことはできません。

 

 グリーンスパンがブルームバーグのテレビ番組に出演し、現在、株式市場と債券市場がバブル状態にあると発言しました。株式市場は2万6000ドル台を記録し、アメリカ国債の金利は最低の水準を記録しています。日本も同じです。


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 アメリカではトランプ大統領の減税政策が実施に移されることになり、また、インフラ整備計画も発表になりました。連邦議会がどのように対応するか分かりませんが、こうしたトランプ大統領の政策が現在の株式市場の活況、資金流入、国債の利率の低水準を導いています。

 

 その代償として、トランプ大統領の計画を実行すれば、政府の財政赤字が膨らんでいくということが起きます。減税で税収が減り、インフラ整備でお金がかかるということになれば、国債を買ってもらって(=政府が借金をして)賄うということになります。ですから、トランプ政権としては、お金の使い道を変えていくしかありませんが、どの国でも固定的に出てしまう、社会保険(医療費や年金のお金)は削れませんし、削れる部分はかなり限られてしまいます。

 

 グリーンスパンは「財政赤字が増大することで、債券市場のバブルが起きているのだが、そのことに人々は十分な注意を向けていない」と述べています。これは、「トランプが行っている政策の良い面ばかりを見て、悪い面を見ていないので、バブルが起きている」ということになります。しかし、現在の状況は、既に経済学の理論や経済学の知識では予測をしにくい、最先端の状況になっています。トランプ大統領が本能的に行っている言動で起きているのが現在の状況で、これは後々経済学者たちが研究して新たな知識や理論を生み出すことになると思います。

 

 3月に利上げがあれば、現在のグリーンスパンが「バブル」と呼んでいる状況が変化することは容易に考えられます。そこから、崩壊に向かうのかどうかということになりますが、財政赤字をどこまで許容できるのか、ということになりますが、株高は一休止、もしくは株式の下落になると思います。また、国債の金利上昇で国債の価値が下がる(だれも買いたがらなくなる)とアメリカの信用不安、ドルに対する不安ということになって、ドルの価値が下がることも懸念されます。そうなると、現在日本でも同じ状況になっていますが、株高が終わり、円高が進むのではないかと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

アラン・グリーンスパン元連邦準備制度理事会議長が株式市場と債券市場がバブルだと見ている(Former Fed Chair Alan Greenspan Sees Bubbles in Stocks and Bonds

 

ジェンナ・スミアレク筆

2018年2月1日

『ブルームバーグ』

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-31/former-fed-chair-alan-greenspan-sees-bubbles-in-stocks-and-bonds

 

「根拠なき熱狂(irrational exuberance)」という言葉を有名にした人物が、投資家たちは再びその中にいると言っている。

 

91歳になるアラン・グリーンスパンは水曜日、トム・キーンとスカーレット・フーが司会を務めるブルームバーグ・テレヴィジョンの番組に出演し、「2つのバブルが存在する。株式市場のバブル、債券市場のバブルだ」と述べた。グリーンスパンは1987年から2006年まで米連邦準備制度を率いた人物だ。また、1990年代のドットコム・バブルの間に、「根拠なき熱狂」という言葉を使って財産価値の過剰な増大を描写したことでも知られる。

 

株式市場の諸指標は、ここ数日売りが優勢であるのに、記録的に高い値を付けており、政府の債権や国債の利率は歴史的な低い数値を記録している。こうした状況の中、グリーンスパンはコメントを行った。連邦準備制度が徐々に金融政策を引き締めようとしている中で、利率はこれから数年で情報していくと予測されている。

 

グリーンスパンは次のように述べている。「いろいろと考えてみると、債券市場のバブルは徐々に重大な問題になっていくだろう。しかし、短期で見ればそんなに悪いことではない。明白なことは、長期金利が大きく上がる方向に進んでいる。これは経済の構造全体に対して重要なインパクトを持つ」。

 

水曜日、連邦準備制度理事会は利率を変更しないという選択を行った。そして、市場は、連邦準備制度理事会が3月の会合で利率を引き上げることを織り込んでいる。

 

グリーンスパンは、アメリカ政府の抱える負債が国内総生産に占める割合が増加し続けるだろうという警告を発した。グリーンスパンは、火曜日の一般教書演説の中でドナルド・トランプ大統領が新たな政府の計画の資金を特定しなかったことに「驚いた」と述べた。トランプ大統領は先月、1兆5000億ドルの減税法案に署名した。批判者たちはこの減税によって政府の借金は増大がするだろうと主張している。

 

アメリカ政府の長期債券の販売は伸びているが、財政赤字は悪化している。

 

グリーンスパンは、債券の販売の原因を財政赤字の増大だとした。

 

「バブルが起きているのはどうしてか?そうだね、実際のところ、これまでになく政府の借金が増え始めている」とグリーンスパンは述べた。更に、対GDP比で見ても、「借金は大変な勢いで増加している。しかし、私たちはそれに十分な注意を払っていない」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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