古村治彦です。
日中関係は高市早苗首相就任、高市首相の台湾有事に際しての自衛隊の出動発言以来、悪化し、改善の兆候を見せていない。中国側は日本側の軍国主義復活や憲法の条文変更に対して、神経を尖らせている。日本国内に住む日本人としてはピンと来ないところもあるだろうが、80数年経っても、日本軍による侵攻、占領、反人道的な行為のイメージは消えていない。「日本人は戦争を望んでいない」と私たちは思っているし、そのように発言するが、外形的にみて、憲法の条文変更や極右的な動きがあるとなれば、「そんな言葉は信用できない」と言われてしまうのは自然であると言わざるを得ない。
中国側は日本側が挑発的な行為を行っていることを問題視している。2026年4月17日に日本の自衛隊の艦船が台湾海峡を通過した。これに対して、中国政府や中国人民解放軍が厳しい反応を示している。この4月17日という日は、私たち日本人にとっては何の変哲もない日付であるが、中国にとっては、1895年4月17日に日本と当時の清国との間で下関条約(the Treaty of Shimonoseki)が締結された日である。1894年の日清戦争では、日本が朝鮮半島と黄海において勝利を収めた。翌年の1895年に日本側全権として伊藤博文首相、陸奥宗光外相、清国側全権として李
経方直隷総督兼北洋通商大臣、李経方清国駐日大使(李経方の甥)が交渉に当たった。
交渉の会場となった料亭の春帆楼からは海が一望できるのだが、日本側は軍艦を航行させて、清国側に圧力をかけるということも行った。下関条約の合意内容は「(1)朝鮮の独立:・朝貢関係を廃止、(2)遼東半島、台湾、澎湖諸島の永久割譲、(3)清国は日本に軍費賠償金として2億両(約3億1000万円)の支払い、(4)沙市・重慶・蘇州・杭州の4港を開港し、日本に最恵国待遇を認める」であった。清国からすれば屈辱的な内容であった。中国にとっては1840年のアヘン戦争から続く、西洋列強による侵略、植民地化の流れの一つの国辱的な事件として捉えられている。4月17日は中国にとって重要な日付である。
このような日に日本の領海ではなく、緊張状態の中にある台湾海峡を自衛隊の艦船が航行することは「挑発的な」行為であり、危険な行為である、中国側が落ち着いて対応して事なきを得たが、中国側に激昂する者がいて、自衛隊艦船に攻撃を加えたら、深刻な事態を引き起こす。イラン戦争の情勢も不透明な中で、日本と中国にとって何の利益にもならない、無意味な衝突が起きてしまう。
日本の高市早苗政権は無能である。この無能さを全員で見えないようにして、カヴァーして、ほっかむりをして、「何も大変なことは起きていませんよ」と言い合って、現実から目を背けているのが今の日本だ。そして、日本はどんどんと衰退し、危険な動きだけはどんどんと活発化している。「日中間で武力衝突や戦争が起きるなんてとても考えられない」と私たちは考える。しかし、現実は非常に危険な綱渡りの中で進んでいることw理解すべきである。
(貼り付けはじめ)
日本と中国は危険なほど衝突寸前の状態に近づいている(Japan and China
Are Edging Dangerously Close to Conflict)
―東京が台湾を支持する中、北京はリスクを冒す覚悟を決めている。
デン・ユウェン筆
2026年4月28日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/04/28/japan-china-taiwan-okinawa-history/?tpcc=recirc_latest062921
4月17日、海上自衛隊の護衛艦「いかづち」が台湾海峡を通過した(transited)。これは10カ月間で2度目の日本の軍艦による台湾海峡通過だったが、北京の反応は今回、前回よりもはるかに厳しいものとなった。2025年11月、高市早苗首相が中国による攻撃があれば日本は台湾防衛に出動すると発言して以来、北京と東京の関係は急激に悪化している。
中国外務省、中国国防部、中国人民解放軍東部戦区は、4月の台湾海峡通過後、いずれも日本を非難する声明を発表し、「瀬戸際から引き返す(step back from the brink)」「誤った道から戻る(return
from the wrong path)」よう警告した。また、人民解放軍と関係のあるソーシャルメディアアカウント「釣正平(Jun Zhengping)」は、日本が火遊びをしている(playing with
fire)と警告した。同時に、東部戦区は東シナ海で戦闘準備哨戒を開始し、沖縄近海に軍艦を派遣した。
北京は日本を甘く見るつもりはない(Beijing does not intend to
let Japan off lightly)。今回の事件を、危機をさらに一歩進めるための材料として利用しようとしている。この状況が続けば、今後1~2年以内に限定的な空軍または海軍の衝突、あるいは小規模な銃撃戦が発生する可能性も、単なる過剰な懸念として片付けることはできないだろう。
なぜ北京は雷事件にこれほど強く反応したのか? 一つの理由は、そのタイミングにある。4月17日は、日清戦争における日本の勝利後に締結された下関条約の記念日であり、中国はこの日を国家的屈辱の象徴(a symbol of national humiliation)とみなしている。東京は日付の持つ象徴的な意味を認識していなかったかもしれないが、北京はそれを信じないだろう。
しかし、それだけでは中国の反応を説明するには不十分だ。より直接的な背景には、3月に陸上自衛隊の下級尉官が東京の中国大使館に侵入し、一時はナイフを所持していたとされる事件に対する、いまだ解決されていない怒りがある。北京は、この事件に対する日本の対応に依然として深く不満を抱いており、日本は中国の怒りと懸念に十分に対応せず、謝罪もしていないと考えている。こうした感情がまだ生々しい中、日本は台湾海峡に軍艦を派遣した。北京の目には、これは単なる一過性の行為ではなく、中国の安全保障上の懸念と外交上の尊厳に対する直接的な挑発行為(a direct provocation)と映った。
しかし、より深いレヴェルで北京を真に警戒させているのは、台湾に対する日本の姿勢の変化である。尖閣諸島(中国名は釣魚島)の領有権問題から靖国神社と博物館(遊就館)をめぐる論争、そして日本と台湾の緊密な関係に至るまで、日中両国間には長年にわたる多くの紛争が存在する。高市首相は、台湾侵攻を日本にとって潜在的に重大な事態であり、憲法上、軍事行動を正当化する可能性があると述べることで、この問題を日中関係の最重要課題として浮上させた。
中国が高市首相を繰り返し批判しているのは、日本が対中政策の限界を押し広げようとしているからではない。高市首相の発言は孤立した出来事ではない。彼女が首相に就任して以来、日本の外交表現、政治的立場、そして、軍事展開は全て同じ方向へと進んでいる。新たな外交青書は中国の地位を低下させ、日中関係の政治的な冷え込みを示唆している。日本は中国に到達可能な長距離攻撃能力(long-range strike capabilities on its own territory that could reach
China)を自国領土内に配備する動きを加速させている。
日本はまた、フィリピンへの安全保障支援を強化し、アメリカ、フィリピンとの合同演習に参加するなど、中国を抑止すること(constraining China)を目的とした地域枠組みへの関与を深めている。これらの措置はいずれも防衛的なものと見なすことができる。しかし、これらを総合すると、明確な戦略的意図が浮かび上がってくる。すなわち、アメリカ主導のインド太平洋構想の枠組みの中で、日本は中国に対抗するより積極的な役割を果たす準備をしているということだ。
米中対立が北京にとって依然として最重要課題であることは疑いの余地がない。しかし、差し迫った安全保障という観点から見ると、日本の方がより大きなリスクとなり得る。米中対立の規模が非常に大きいからこそ、双方とも事態の収拾がつかなくなることの代償が甚大であることを認識しており、より慎重な姿勢をとっている。中国と日本は状況が異なる。地理的にずっと近く、歴史的記憶の重みもはるかに大きい。尖閣諸島、台湾海峡、沖縄、そして日本の南西諸島間の航路は、いずれも高リスク地域である。
中国と日本の間の敵意は、中国とアメリカの間の敵意よりも、歴史的背景やナショナリズム感情によって増幅されやすい。こうした状況下で緊張緩和(de-escalating)を図ることはますます困難になっている。摩擦を伴う協力関係という古いモデル(the old model of cooperation mixed with friction)に戻ることは難しいだろう。
中国がアメリカと日本に対して自制できる限界も同じではないだろう。アメリカとの関係において、中国はグローバル金融(global finance)、テクノロジー(technology)、サプライチェイン(supply chains)、核抑止力(nuclear deterrence)、そして同盟関係の力学(alliance dynamics)を慎重に考慮しなければならない。日本との関係においても、中国は直ちに戦争を起こすつもりはないが、紛争への敷居は低いかもしれない。中国は、経済的にも軍事的にも、特に東シナ海、近隣海域、そしてグレーゾーンにおける競争において、アメリカよりも日本に対して、より大きく、より身近で、より有効な優位性を持っていると考えている。そのため、中国は日本との関係において、ワシントンとの危機管理で通常求めるような広い余地を残すよりも、より強硬な手段で限界を試す傾向が強まる可能性がある。
そして、そこにこそ危険が潜んでいる。どちらの側も戦争を望んでいないが、日中両国とも紛争へと近づいている。日本は抑止力を強化していると考えているが、中国は日本が台湾への介入を準備していると見ている(Japan believes it is strengthening deterrence; China believes Japan
is preparing to intervene in Taiwan)。中国は警告と対抗措置を行っていると考えているが、日本は軍事的圧力を感じ取っている(China believes it is warning and countering; Japan sees military
pressure)。日中両国は自らの行動を防衛的だと主張しながら、相手の行動を攻撃的だと見なしている(Both
call their own actions defensive yet view the other’s as offensive)。
不確実性の増大(a growing number of uncertainties)は、危機を制御不能に陥れる可能性がある。危険な接近遭遇(a dangerous close encounter)、誤算(a
miscalculation)、射撃管制レーダーのロックオン(a fire-control radar
lock)、あるいは下級指揮官の過剰反応(an overreaction by a lower-level
commander)など、いずれも日中両国が避けたい紛争の瀬戸際(the threshold of a
conflict)を越えさせる可能性がある。
短期的には、日中両国は依然として戦争を回避しようとするだろう。しかし、だからといって戦争のリスクが低下している訳ではない。むしろ、高市首相が今後も政権を維持し、国家主義的で中国に公然と敵対的な路線を続けるならば、日中間の戦略的対立は深まるばかりだ。この軌道が続けば、東シナ海、尖閣諸島、あるいは沖縄周辺など、いずれの地域においても深刻な衝突は、ますます排除することが困難なものとなるだろう。
※デン・ユウェン:中国人の作家・学者。
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』








