古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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カテゴリ: スポーツ

 古村治彦です。

 サッカーワールドカップは佳境に入ってきた。決勝トーナメントを勝ち上がるティームはどこも実力者揃いでどこが優勝してもおかしくないという状態で、サッカーファンの人たちは毎日楽しんでいると思う。ほとんど興味がない私でもダイジェストや結果を見て、驚いたり、「勝つだけのことはあるな」と納得したりという毎日である。近々、書籍を発刊する予定で、その加筆修正も行っているが。

 北中米大会ということで、開催国はカナダ、アメリカ、メキシコであったが、これらの国々の代表ティームは残念ながらすでに敗退している。アメリカはベスト8進出をかけて、ベルギーと対戦したが、その際に、前の試合でレッドカードを出されて退場処分となった選手の処遇で大きな批判を浴びることになった。この選手はベルギー戦には出場できないはずであったが、ドナルド・トランプ大統領がFIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長(トランプとは旧知の仲)に電話をかけ、処分について再考を求めた。当該選手は処分が保留となり、ベルギー戦も出場可能となり、先発出場した。これが政治介入や恣意的な処分変更ということで、多くの批判を浴びた。開催国の政治指導者が自国のティームに有利になるように働きかけた(少なくとも外形的には)ということになる。ほかの国の政治家はこのようなことをしないだろうが(独裁者などは別にして)、相手はトランプ大統領である。これくらいのことはするだろう。

 スポーツは政治の道具として使われてきた。古くは古代ローマ時代の剣闘士は庶民の不満を発散させるための格好の見世物であっただろうし、中世の騎士たちの槍試合もそのようなものだっただろう。近代ではオリンピックが始まり、スポーツのグローバル化、商業化が進み、金銭も絡むが、同時に、「国威発揚」「国同士の対決」ということに利用されてきた。冷戦下では共産主義ブロックは体制とイデオロギーの優位性をアピールするためにスポーツを利用した。アスリートたちにはドーピングまで施され、国際大会での優秀な成績獲得が求められた。

 スポーツが政治とビジネスの道具として使われるというのは避けられないことだ。私たちはそれを消費して楽しんでいる。スポーツで国際親善ができるのかと言われると、人類はそれが可能なほどに成熟しているだろうかと疑いたくなる。それでもない、スポーツ好きとしてはスポーツの可能性を信じてみたいという気もする。
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スポーツからみる東アジア史: 分断と連帯の二〇世紀
(貼り付けはじめ)

スポーツ外交は今なお可能なのか?(Is Sports Diplomacy Still Possible?)

-今年のワールドカップにはハード・パワーの影響が大いに及んでいる。

J・アレックス・ターキニオ筆

2026年7月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/07/02/sports-diplomacy-politics-world-cup-sportswashing-immigration-war/

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シアトルのシアトル・スタジアムで行われた年FIFAワールドカップ2026のグループGの試合(エジプト対イラン戦)で「戦争、政治、サッカー」と書かれたTシャツを着たファン(6月26日)

今年ののどかな春の一日、国連の庭園に外交官たちが集まり、サッカーボールを蹴り合った。FIFA男子ワールドカップの開催を控え、また「国連世界サッカーデー」を記念して、彼らは非公式のサッカー大会を企画し、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカを代表するティームが対戦した。

スーツとネクタイを脱ぎ、ショートパンツとユニフォーム姿になった多くの外交官が、協力関係を促進するスポーツの可能性を称賛した。「スポーツで紛争や戦争が解決する訳ではないが、スポーツ外交は非常に重要だ」と、国連でのこの大会に合わせてビールとブラートヴルスト(ソーセージ)のパーティーを主催したドイツの国連大使リクレフ・ボイティンは語った。「スポーツは人々の心を開き、人々を団結させる」。

6月には、国連がビジネスリーダーや学者を招き、スポーツ外交に関する本格的な会議を開催した。そして今、ワールドカップが盛り上がりを見せる中、外交官たちは国連本部の代表者用ラウンジに集まり、アメリカ代表部が提供したスクリーンで試合を観戦している。

スポーツ外交(sports diplomacy)は今、大きな注目を集めている。現代の文脈では、1970年代の米中関係の緊張緩和のきっかけとなった「ピンポン外交(ping-pong diplomacy)」の後継的な動きと見なされることもあるが、その概念自体は古代オリンピックの時代にまで遡るほど古いものだ。スポーツ外交は通常、「ソフト・パワー(soft power)」の一形態と見なされている。この用語は、ジョセフ・S・ナイ・ジュニアが外交専門誌『フォーリン・ポリシー』誌で提唱したもので、説得を通じて他者に影響を与える能力を指す。

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愛知県の愛知県体育館で開催された第31回世界卓球選手権の期間中に中国選手団のバスから降りたアメリカ代表のグレン・コーワン(右)が中国の荘則棟と握手を交わした(1971年4月4日)

現代のスポーツ外交は、国連の庭園で行われる個人的な外交から、試合の合間に行われる非公開の首脳会談に至るまで多岐にわたる。その一例として、6月13日にロサンゼルスで行われたアメリカ対パラグアイのワールドカップの試合の際、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官とパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領が会談したことが挙げられる。

しかしながら、そうした注目の的となる一方で、カナダ、メキシコ、アメリカが共同開催するこの夏のワールドカップは、「ソフト・パワー」の限界を露呈させた。依然として「ハード・パワー(hard power)」が現場の状況に影響を与えている。ドナルド・トランプ政権による選手、関係者、ファンへの入国ヴィザ発給の厳格な制限であれ、あるいはサッカーの国際統括団体であるFIFA(国際サッカー連盟)による直接的なパブリック・ディプロマシー(対外広報外交、public diplomacy)の試みであれ、その構図は変わらない。

国際スポーツ界における「中立(neutrality)」という建前は、以前から崩れつつある。第二次世界大戦後最多となる武力紛争の激化を受け、表現の自由への制限、ボイコット、出場禁止措置などが場当たり的に行われるようになったためだ。軍事力や権威主義といったハード・パワーが台頭する中、スポーツ外交は行き詰まりに直面しているのではないかと問うのはもっともなことだ。

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ニューヨークの国連本部で行われた「世界サッカーデー」の記念イヴェントの一環としてミニサッカーのトーナメントに参加する国連常駐代表たち(5月19日)

各国は、ワールドカップやオリンピック、あるいは毎年恒例のユーロヴィジョン・ソング・コンテストといったイヴェントの開催に時間と資源を投じる。それは、そうしたイヴェントが自国の評価を高めると信じているからだ。それだけに、ワールドカップに対するドナルド・トランプ米大統領の、一見すると矛盾したような態度は理解しがたいものがある。トランプ大統領は7月19日にニュージャージーで行われる決勝戦でトロフィーを授与する予定だと報じられているが、これまでのところ、アメリカ代表ティームの試合には一度も姿を見せていない。

その一方で、アメリカ対パラグアイの初戦は、アメリカで放送されたサッカーの試合として史上最多の視聴者数を記録し、平均2750万人が視聴した。かつてNFLのクォーターバックであり、後に連邦下院議員も務めたジャック・ケンプは、「アメリカンフットボールは民主的資本主義だが、サッカーはヨーロッパの社会主義的なスポーツだ(football is democratic capitalism, whereas soccer is a European socialist sport)」という名言(あるいは冗談)を1980年代に残した。しかし、今日の多くのアメリカ人は、この見解には同意しないかもしれない。

一方で、2026年ワールドカップは史上最も国際色豊かな大会となる。出場国数は32から48へと拡大し、多くのティームがディアスポラの選手で構成されている。その一方で、移民に対する反発の高まり―特にアメリカにおいて顕著だが、アメリカに限ったことではない―により、今大会は最も排他的な大会の1つともなっている。

皮肉なことに、1930年代の全体主義体制の方がこうした点では寛容だった。「スポーツウォッシング(sportswashing)」という言葉が生まれる何十年も前、ファシスト政権下のイタリアが1934年のワールドカップを主催した際、ベニート・ムッソリーニは手厚い歓迎の姿勢を示した。ナチス・ドイツもまた、高まりつつあったボイコット運動を回避する狙いもあって、1936年のベルリン五輪では黒人やユダヤ人の外国人選手の出場を容認し、アメリカの短距離走選手ジェシー・オーウェンスの歴史的快挙への道を開いた。

それから1世紀近くが経った今、ワールドカップのために渡航する多くの人々が、空港での執拗な尋問を受けたり、アメリカへの入国を拒否されたりしている。ソマリア人として初めてワールドカップの審判を務めるはずだったオマール・アルタンは、マイアミの空港で入国を拒否され、引き返すことになった。イラク代表ティームのカメラマンであるタラル・サラーはシカゴで入国を拒否され、ストライカーのアイメン・フセインも7時間近くにわたって尋問のために拘束されたと報じられている。

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ソマリアのモガディシュにて。アメリカから帰国した国際審判員オマール・アブドゥルカディル・アルタンを連帯サッカーの試合を前に旗や横断幕を掲げて出迎える支持者たち(6月10日)

アメリカ独立250周年の祝賀期間中にワールドカップを開催することは、国家の姿を世界にアピールする絶好の機会となり得る。しかし一部のファンにとって、この大会の記憶として強く残るのは、アメリカの「ハード・パワー」、すなわち厳格な入国管理体制の行使という側面だろう。

その一方で、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、前回の男子ワールドカップで掲げられた「サッカーは世界を一つにする(Football Unites the World)」というスローガンを頻繁に唱えている。インファンティーノ会長は、トランプ大統領への「FIFA平和賞」初授与が多くの嘲笑を招いたことを承知の上で、アメリカに入国制限の緩和を促すための必要なジェスチャーだと考えていたのかもしれない。もしそれが狙いだったとすれば、結果はまちまちだったと言える。アメリカは、特定の国からの渡航者に対し課していた1万5000ドルの保証金について、ティーム関係者や親しい関係者、特定のチケット保有者に対しては免除措置をとった。しかし、それでもなお多くのファンが入国を拒否された。

インファンティーノ会長は、自らを一種の政治家のような存在として演出することにも努めてきた。4月にカナダのヴァンクーバーで開かれたFIFAの年次総会では、イスラエルとパレスティナのサッカー関係者の和解を演出しようと試みた。彼は写真撮影の好機を狙っていたのかもしれないし、実際、この場を利用して再選を目指す意向を表明してもいる。しかし、パレスティナ側のサッカー協会トップがイスラエル・サッカー協会副会長との握手を拒否したことで、気まずいやり取りが生じる結果となった。その光景は、この対立がいかに根深く、解決が困難なものであるかを浮き彫りにするだけだった。

同様の例として、2018年の平昌冬季五輪の直前、南北朝鮮の当局者たちが非武装地帯(demilitarized zone、DMZ)で会合を開き、南北合同ティームの結成計画を策定したことが挙げられる。その結果、韓国の女子アイスホッケー代表ティームは23名の選手からなる代表ティームに北朝鮮の選手12名を直前で加えるということが決定された。合同ティームは全5試合に敗れ、韓国の若者たちは、これを政治的なパフォーマンスだと感じ、裏切られたような思いを抱いた。

こうした出来事は、現代世界におけるスポーツ外交、ひいては「ソフト・パワー」そのものの無力さを示唆しているように思える。とは言いながら、伝統的な外交であっても、こうした世代を超えて続く対立を解決できてはいないのだ。

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韓国・江陵市のクァンドン・ホッケー・センターで行われた平昌2018冬季オリンピックのアイスホッケー女子予選で統一コリア代表のイ・ジンユ選手が日本に敗れた後、悔しさを露わにしている(2018年2月14日)

国家機関もスポーツリーグも、スポーツは非政治的であるべきだという陳腐な主張を繰り返す。しかし、国際大会はその性質上、極めて政治的な舞台だ。ロシアは特に、ウクライナとの戦争に起因する競技制限に関して、この主張を繰り返し唱えている。そして、ある程度は、その制限を緩和することに成功している。

オリンピックとテニスのグランドスラム大会では、ロシア人選手は依然として中立旗の下で出場することが認められている。国際チェス連盟は、2022年のチェス・オリンピアードからロシアとベラルーシの代表ティームを除外した。両国の選手は今もチェス連盟の旗の下で個人戦に出場している。ロシアはユーロヴィジョン・ソング・コンテストへの出場も禁止されている。(そのため、今年は複数の国がイスラエルの出場禁止を求め、ボイコットにつながったため、主催者は窮地に立たされた。)

ロシアは4年前のウクライナ侵攻後、ワールドカップへの出場を完全に禁止されたが、これは複数のヨーロッパ諸国が、ロシアの出場を認めれば2022年のカタール大会をボイコットするという脅しに似た要求をした後のことだった。

モスクワがスポーツは非政治的であるべきだと主張すると、批判者たちはロシアのウラジーミル・プーティン大統領が古代オリンピックに由来するオリンピック休戦協定を破り、2014年のソチ冬季オリンピックに向けた軍事力増強を利用してクリミアを併合したことを指摘する。同様に、ロシアは2008年の北京夏季オリンピック開会式中にグルジアに侵攻し、同じく北京で開催された2022年冬季オリンピック後にはウクライナへの本格的な侵攻を開始した。

スポーツ団体もまた、一貫して自らを「スポーツの中立性」の守護者と位置づけている。統括団体は、大会開催の有利な条件やスポンサー契約を確保し、より幅広い層のファンを獲得するためには、政治的とみなされる言動を制限することが必要だと考えているのかもしれない。しかし、「何が政治的なシンボルにあたるか」を定義すること自体が、すでに政治的な行為だ。

ウクライナのスケルトン選手ウラディスラフ・ヘラスケビッチは、ロシアによるウクライナ侵攻で命を落としたウクライナの選手やコーチの画像が描かれたヘルメットの着用を拒否されたため、今年の冬季オリンピックで失格処分となった。また、2022年のFIFAワールドカップでは、欧州の7ティームのキャプテンがLGBTQコミュニティへの支持を示す「One Love(ワン・ラブ)」の腕章を着用する計画を立てていた。これに対しFIFAは、その腕章を着用した選手には即座にイエローカードを提示すると通告した。

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イタリアのヴェネト州にあるコルティーナ・スライディング・センターにて、2026年冬季五輪の男子スケルトン練習に臨むウクライナのウラディスラフ・ヘラスケビッチ選手(2026年2月9日)

アメリカがワールドカップ開催の数カ月前にイランに対して攻撃を行ったことは、1930年の第1回大会以来、前例のない出来事となった。開催国が予選を通過した国を承認しないという事例は、過去にも稀にあった。例えば、冷戦時代に最も政治的緊張が高まった事例の1つとして、西ドイツで開催されたグループステージの試合で、東ドイツが西ドイツを破ったことが挙げられます(なお、西ドイツはその後、優勝を果たした)。

しかし、この夏にアメリカでイランが競技を行うことによる外交上の複雑さは、それらとは次元の異なるものだった。政治的象徴をめぐる議論は、アメリカで行われたイランの試合の期間中に明確に表れた。FIFAは、国外在住のイラン人の間でイスラム共和国体制への抵抗の象徴となっている「革命前の国旗」を観客が掲げることを禁止すると発表したが、この禁止令の運用は緩やかだったようだ。

一方で、イラン代表ティームがメキシコのティフアナに到着した際、選手たちが「168」という数字の入ったバッジを胸につけていたことについて、FIFAはこれを政治的な意思表示とは見なさなかった。この「168」という数字は、2月28日にアメリカの攻撃によってイランの女子小学校で犠牲となった奨学生と教師の数を指すものだった。スタジアムから遠く離れた場所での出来事ではあったが、この一件は、「政治色を排除した国際スポーツイヴェント」とは何なのか、そもそもそのようなものが可能なのか、という問いを投げかけることになった。

この夏、ワールドカップにおけるイラン代表ティームの短くも奇妙な旅路は、世界の人々に強い印象を残した。グループステージで敗退する前、イラン代表はアメリカ当局から試合前後の滞在時間を制限され、一部のスタッフへの入国ヴィザ発給も拒否されたため、拠点をメキシコへ移さざるを得なくなった。これは、スポーツ外交という「ソフト・パワー」が、軍事攻撃やヴィザ発給拒否といった「ハード・パワー」と衝突した一例と言える。

しかし、トランプ政権のこうした対応は、ある意味で「ブーメラン効果(boomerang effect)」をもたらした。イラン代表はメキシコで英雄のような歓迎を受けたほか、試合ごとに十分な休息をとれずに移動しなければならないという競技上の不利な状況を強調することで同情を集め、結果としてイラン政権への批判をかわすことにもつながった。

当然ことだが、アスリートは本来、政治家ではない。スポーツ外交が予測不可能であり、時に見る者を熱狂させるのは、それが容易に筋書き通りにはいかないからだ。実際、1936年のベルリン・オリンピックにおける決定的な瞬間は、ジェシー・オーウェンスが4つ目の金メダルを受け取るために表彰台に立った時だった。彼は一言も発することなく、ナチス党の世界観に異議を唱えた。

悪意ある主体に悪用されれば、スポーツ外交は拙劣なもの、あるいはそれ以上に有害なものになりかねない。しかし一方で、異文化間の理解や称賛を生み出す力も秘めている。コンゴ民主共和国の代表ティームが到着時に着用していた大胆なヒョウ柄の特注スーツに向けられた熱狂や、ノルウェーのファンによる「ヴァイキング・ロウ(Viking Row)」のパフォーマンスが北アメリカの街頭にまで広がった様子を見ればそれは明らかだろう。

従って、ソフト・パワーがハード・パワーによる強圧的な力に対して最近大きな突破口を開けていないからといって、スポーツ外交を「別のリーグ(二の次)」に追いやるべき時ではないと言えるかもしれない。

※J・アレックス・ターキニオ:ニューヨークの国連を拠点とする特派員、ポッドキャスト「ザ・デレゲイツ・ラウンジ(The Delegates Lounge)」ホスト。ジャーマン・マーシャル・ファンドのジャーナリズム・フェロー、プロ・ジャーナリスト協会(SPJ)の全米会長を務めた。Xアカウント:@alextarquinio

(貼り付け終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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 古村治彦です。

 サッカーのワールドカップ北中米大会(カナダ、アメリカ。メキシコでの開催)が佳境に入っている。日本代表は予選リーグを突破し、決勝トーナメント1回戦で強豪ブラジルと対戦し、1対2で敗れた。そのブラジルはノルウェーに1対2で敗北を喫した。日本は1998年のフランス大会で初出場して以来、8大会連続で出場し、アジアの強豪となった。私が子供の頃、1980年代は、アニメ『キャプテン翼』の影響でサッカー人気は高まっていたが、韓国や中東の国々に歯が立たなかった。それを思えば日本のサッカーは急成長だと考えられるが、専門家や目の肥えたファンの人たちからすれば不満が残る結果だったかもしれない。
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サッカーと地政学 -ゴールの先に世界が見える -

 今大会は、アメリカによる、選手やファンに対する不公平な取り扱い、ドナルド・トランプ大統領が介入したのではと取り沙汰されたアメリカ代表選手の退場処分保留などの、政治と絡んだニューズが多く出ている。しかし、参加数が48になったことで、参加枠が拡大したことで、あまり有名ではない小国も参加し、どんな国なのかと興味を持って調べるという楽しみもある。キュラソーやカーボベルデなど申し訳ないが、全く知らなかった。

 今大会の参加ティームの多くは国外生まれの選手たちが多くを占めるようになっているそうだ。1930年の第1回大会の時はその割合が約5%だったが、今大会は約25%になっている。私はラグビーが好きでよく見ているが、ラグビーの場合には代表ティームのメンバーになるには条件が異なり、多くの外国出身選手が日本代表としてプレーしているが、サッカーはもっと条件が厳しいのかと思っていたが、少し緩くなっているようだ。

また、ヨーロッパの有名プロティームの育成組織、アカデミー出身者が様々な国の代表に入っているということだ。有名なティームは途上国などの身体能力に優れた子供たちを青田買いして、育成組織に入れるということは昔から行われ、そこからスーパースターが生まれているが、同時に、途中で怪我をしたり、技術が伸びなかったりした場合には放り出されて、行き場もなく、教育も受けていないために仕事にもありつけずに犯罪に走るという若者たちがいるということもある。

 日本代表にも帰化選手や外国にルーツを持つ選手が昔からいたし、これからもどんどん増えていくだろう。それはグローバリズムの結果だ。同時に、移民、外国から来た(自発的、非自発的は問わず)が作った国であるアメリカで、これだけグローバル化したサッカーの世界大会ワールドカップが開催されているのに、出入国で不公平な取り扱いがあったことはグローバル化の副作用と言うべきであろう。別の副作用はトランプ大統領の出現であるが。

 以下の記事を読みながら、サッカーは世界の歴史や大きな流れを映す鏡だということを改めて認識した。

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ワールドカップの新たな地理学(The New Geography of the World Cup)

-移民、植民地時代の歴史、そしてエリート・アカデミーが、現代の代表ティームのあり方を再定義した。

ジル・ゲラ、ダイアン・ロイ筆

2026年6月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/06/24/world-cup-soccer-football-immigration-nationality-haiti/

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男子サッカーハイチ代表ティームが初めてFIFAワールドカップに出場した1974年当時、ティームは完全に国内育ちの選手で構成されていた。登録メンバー22名全員がハイチ生まれであり、1名を除いて全員が国内クラブに所属していた。

それから50年以上が経過した今日、6月13日に行われたスコットランドとの初戦に出場した26名の選手のうち16名はハイチ以外の生まれであり、その大半は北アメリカやヨーロッパのクラブでプレーしている。これらの選手の多くは、ハイチにルーツを持つことで代表資格を得ている。国内を拠点とする選手は、ウデンスキー・ピエールただ1人だ。代表ティームを率いるフランス人のセバスチャン・ミニェ監督は、代表ティームにとって史上2度目となるワールドカップ出場を果たし、ティームを指揮しているが、これまでハイチの地を踏んだことはない。

ハイチ代表が国外生まれの選手に依存している背景には、経済の不安定さ、政情不安、そして蔓延する治安の悪化といった、多くの人々を国外流出へと追いやってきた状況がある。2021年のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件以降、ギャングによる暴力が横行し、代表ティームが国内で試合を行うことは事実上不可能となった。そのため、ハイチ代表はワールドカップ予選のホームゲームをキュラソーで開催し、フロリダやニュージャージーでトレーニングを行ってきた。

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しかし、ハイチ代表の選手構成は決して例外的なものではない。アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国が共同開催する今年のワールドカップでは、多くのティームが、自国以外の国で生まれた選手を所属させている。こうした傾向は1980年代以降加速しており、ワールドカップ出場ティームの構成に対する移民の影響力の増大や、サッカーというスポーツがますます国境を越えた広がりを見せている現状を反映している。

2004年、カタール・サッカー協会がカタールと縁もゆかりもない選手に金銭的報酬を提示して帰化させたことを受け、FIFA(国際サッカー連盟)は代表資格に関する規定を厳格化し、選手が代表する国との間に「明確なつながり(clear connection)」を持つことを義務付けた。現在では、出生であれ帰化であれ、その国の国籍を保有していれば代表ティームでプレーすることが可能だ。ただし帰化の場合、FIFAは、本人、親、祖父母の出生地や血縁関係による直接的なつながり、あるいは少なくとも5年間の継続的な居住実績といった条件を求めている。こうした変更は、便宜的な帰化を制限しつつ、血縁やルーツに基づく代表入りを正当なルートとして明文化したことで、今年の大会に見られるような、ディアスポラ(he diaspora、国外在住者やその子孫)を多く含むティーム構成を形作る一因となった。

ワールドカップの代表ティームには以前から外国生まれの選手が含まれてきたが、その割合は時代によって変動しており、これは移民の動向やプロサッカーのグローバル化を反映していると考えられる。2022年に『ヴォックス』誌が発表した分析によれば、1930年の第1回大会では参加ティームはわずか13で、全選手のうち出生国以外の国を代表していた選手の割合は5%強だった。一方、32ティームが参加した2022年のカタール大会では、その数字は16.5%に上昇した。

2022年大会ではモロッコがその傾向を牽引し、代表選手の約54%が国外生まれだった。チュニジアやセネガルも、主にフランス生まれの選手を多数起用していた。

今年のワールドカップでは、国外生まれの選手の割合が23.2%へと著しく上昇した。この増加の主な要因の1つは、今大会の出場ティーム数が過去最多の48に拡大されたことだ。この拡大により、国境を越えて選手を招集できる(ディアスポラなどの)選手層を持つ国々が、より多く本大会への出場権を獲得できるようになった。

同時に、各国のサッカー連盟は最強のティームを編成するために、積極的に国外へと目を向けるようになっている。人口の少ない国にとっては、国外在住のディアスポラのネットワークを活用することが不可欠だ。その最も顕著な例と言えるのがキュラソーだ。人口約15万6000人のキュラソーは、ワールドカップ出場権を獲得した史上最小の国だ。26名の代表メンバーは、そのほぼ全員が国外生まれの選手で構成されている。1人を除く全員がオランダ生まれであり、これは約400年に及ぶオランダによる植民地支配の名残と言える。

他にも、コンゴ民主共和国(76.9%)、モロッコ(73.1%)、アルジェリア(61.5%)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(57.7%)、チュニジア(57.7%)など、国外生まれの選手に大きく依存している出場国がいくつかある。その一方で、オーストリア、ブラジル、コロンビア、南アフリカのように、国外生まれの選手が誰もいないティームもある。
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2026年ワールドカップに出場する国外生まれの選手の多くに共通する出身国がある。それはフランスだ。全48ティームの中で、フランス生まれの選手は99人に上り、そのうち54人はパリ都市圏(Greater Paris)の出身だ。この事実は、サッカーの才能を輩出する地域として世界で最も多くの人材を送り出しているという、フランスの首都が長年築いてきた評価を改めて裏付けるものとなっている。比較として挙げると、ロンドン都市圏から今大会に送り出された選手は14人だった。

世界最高峰のサッカーを支えるインフラのような役割をごく一部のクラブが事実上担うようになっている。ヨーロッパのいくつかのクラブのアカデミーが多国籍なルーツを持つ選手をワールドカップに送り出している。

マンチェスター・シティのユース組織で育った選手は10の異なる代表ティームでプレーしており、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルのアカデミー出身者はそれぞれ8ティーム、パリ・サンジェルマンは7ティーム、バイエルン・ミュンヘンは5ティームの代表選手を輩出している。エリート選手の育成で名高いアムステルダムのクラブであるアヤックスは、今大会において他のどのアカデミーよりも多くの出身選手を送り出しており、その数は5つの代表ティームにまたがる計17名になる。
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今年のワールドカップは史上最も真にグローバルな大会である一方、国境を越えた人の移動に対する障壁も高まっている。大会全試合の4分の3にあたる78試合を開催するアメリカは、ドナルド・トランプ大統領の下で入国管理や渡航に関する政策を厳格化した。

一部の国については、サポーターがアメリカへ渡航することが事実上不可能になっている。ハイチとイランはアメリカの全面的な渡航禁止措置の対象となっており、両国の国民は移民ヴィザ・非移民ヴィザを問わず、その取得がほぼ全面的に認められていない。ただし、選手や必要不可欠なスタッフについては例外が設けられている。さらに、本大会出場国であるセネガルとコートジボワールも12月に一部渡航禁止リストに追加され、新規の観光ヴィザ発給が停止された。そのため、1月1日時点でアメリカのヴィザを保有していなかったファンは現在ヴィザを取得することができない。

こうした規制は広範囲にわたる影響を及ぼしている。少なくとも15名のイラン関係者がアメリカのヴィザの発給を拒否されたほか、イラン・サッカー連盟は、出場全連盟に認められているはずの「自国ファン向けのアメリカ開催試合のチケット割り当て権限」をFIFAに取り消されたと発表した。また、ワールドカップで主審を務める初のソマリア人審判となる予定だったオマール・アルタンは、「テロ組織の容疑者との関わり(association with suspected members of terror organizations)」が疑われたとしてマイアミの空港で拘束された後、アメリカへの入国を拒否された。イラク代表のストライカーであるアイメン・フセイン選手も、シカゴ到着時に7時間近くにわたって拘束され、尋問を受けた。

アメリカによる最も厳しい入国制限は、主に国外出身の才能ある選手でティームを構成している国々に向けられる傾向がある。この両者の重なりは偶然ではない。自国のサッカーの才能を国外へ流出させる原因となる不安定な情勢や機会の欠如は、同時に、その国のファンを入国させることへの「リスク(risk)」を高いとみなさせる要因にもなっている。特例措置が設けられたとしても、その適用範囲は意図的に限定されている。それらは旅行者個人ではなくワールドカップの観戦チケットに紐づけられており、大会終了とともに効力を失うからだ。
アルジェリア、カーボベルデ、チュニジア、セネガル、コートジボワールの5カ国は、アメリカの「ヴィザ保証金(ボンド)」制度の対象国となっている。この制度により、選手を除くこれらの国の国民は、観光ヴィザを取得する際に5000ドルから1万5000ドルの保証金(返金可能)を預け入れることが義務付けられている。トランプ政権は先月、4月中旬の時点でアメリカ開催試合のチケットを購入し、かつ「FIFAパス」に登録しているファンに対しては、この保証金要件を免除すると発表した。しかし、この免除措置が恩恵をもたらすのは、アルジェリア、カーボベルデ、チュニジアのサポーターに限られる。セネガルとコートジボワールのファンにとっては救済策にならない。両国に対しては部分的な渡航制限が課されており、保証金の対象となるはずの観光ヴィザの発給自体がすでに停止されているからだ。

他の開催国による救済策も限定的だ。カナダは、これらアフリカや中東地域の国々(およびその他の対象国)のファンに対し、訪問者ヴィザの取得を義務付けているが、その取得はアメリカのヴィザと同様に困難だ。メキシコは、有効なアメリカのヴィザ(あるいはカナダ、イギリス、日本、またはシェンゲン協定加盟国のヴィザ)をすでに所持している旅行者にはヴィザを免除している。しかし、ハイチやイランの国民のようにアメリカへの入国を拒否されているファンは、メキシコのヴィザを直接申請せざるを得ないだろう。

チュニジアはグループステージの3試合のうち2試合をメキシコで行い、セネガルとコートジボワールはそれぞれ1試合をカナダで行う予定だが、どの国へ入るにもヴィザという壁が立ちはだかっている。これは、開催国がファンの入国障壁を緩和していた過去の大会とは異なる状況だ。2018年のロシア大会では、政府発行の「ファンID」を取得した全てのチケット保有者に対し、ヴィザなしでの入国が認められた。2022年のカタール大会でも同様の措置がとられ、ファンは通常のヴィザなしで大会期間中の入国が可能だった。
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その結果、出場ティームの国際色はかつてないほど豊かであるにもかかわらず、スタジアムの観客席の構成は以前とほとんど変わらないという大会になるだろう。出場ティーム数が48に拡大されたことで、ディアスポラを中心に構成された代表ティームを擁する国々がいくつか加わった。ヴィザ取得のハードルが最も高い国々を応援することになるファンの多くもまた、そうしたディアスポラ・コミュニティの出身者となるだろう。

こうした傾向は、6月16日にニュージャージーで行われたフランス対セネガル戦で如実に表れた。両ティームは、同じ現象の異なる側面を映し出している。フランス代表のメンバーの多くは、フランス生まれの移民の子供たちである一方、セネガル代表の国外生まれの選手たちは、フランスのクラブでキャリアを築いたアフリカ系ディアスポラの人々だ。

フランス代表の26名のうち、国外生まれはわずか3名で、ティームの88.5%がプロキャリアの大半をフランス国内で過ごしている。対照的に、セネガル代表のメンバーは半数近くが国外生まれであり、そのうち10人がフランスで生まれている。また、セネガル代表選手の4分の3近くが、フランスでプロとしてのプレー経験を持っている。

代表ティームは時に、その国が抱く理想的な自己像の反映と見なされることがある。しかし、2026年ワールドカップの代表メンバー構成は、あるがままの国家の姿を映し出しているようだ。そこには、その国にとどまった人々、国を離れた人々、そしてその双方の子供たちが含まれており、彼らがひと夏の間、サッカー界最大の舞台に集結している。

—インフォグラフィック制作:ロリ・ケリー(エグゼクティヴ・クリエイティヴ・ディレクター)

訂正(2026年6月24日):本記事の以前の版に掲載された図において、ボスニア・ヘルツェゴビナおよびヨルダンの代表選手に関する色分けに誤りがあった。現在は修正済みだ。

訂正(2026年6月25日):ボスニア・ヘルツェゴビナ代表メンバーの直前の変更を反映し、同国の国外生まれ選手数にヨヴォ・ルキッチを追加する形で図を更新した。

更新(2026年6月29日):エボラ出血熱に関連する渡航制限についての情報を追加し、本記事のインフォグラフィックを更新した。

※ジル・ゲラ:ニカネン・センター移民・安全保障政策担当上級アナリスト。Xアカウント:@gildeguerra

※ダイアナ・ロイ:米外交評議会ラテンアメリカ・移民担当上級ライター兼編集者。Xアカウント:@Diana_royy

(貼り付け終わり)

(終わり)



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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 

 先日、全国高等学校野球選手権大会が閉幕しました。決勝では大阪桐蔭高校野球部が13対2で秋田県立金足農業高校野球部を下し、同校2度目の春夏連覇を達成しました。同一校が春夏連覇を達成したのは初めてのことです。

 

 金足農業は県立高校で全国から優秀な選手を集める制度もなく、選手たちは地元の中学校を卒業し、高校で初めて硬式ボールを使ってプレーする人が多く、また、3年生だけで決勝まで勝ち上がってきたティームでした。一方の大阪桐蔭は全国から腕に覚えのある優秀な選手たちが多数集まり、スターティングラインナップ9名がそのまま高校日本代表になってもおかしくないし、ベンチ入りした選手であれば、少なくとも東京六大学野球リーグ、東都大学野球リーグ1部でもそのまま通用するでしょう。

 

 金足農業が劇的な勝利を重ね、全国的に有名な、これまでに全国制覇を達成した経験を持つ横浜高校や日大三高を破ったことで、人気に火が付きました。吉田投手のハンサムさもそれに拍車をかけたことは間違いありません。

 

 私は小さい頃から運動は苦手でしたが、スポーツを見るのは好きという人間で、高校野球も人並み以上に見てきたつもりです。地元鹿児島のティームを応援してしまうのはまさに習い性となるというところでしょうか。鹿児島では昔から鹿児島市内の三校、鹿児島商業、鹿児島実業、樟南(鹿児島商工)が甲子園に行くもの、たまに、鹿児島市立鹿児島玉龍か、くらいでした。鹿児島市以外の学校では、出水商業、れいめい(川内実業)が出たことがあるくらいでした。

 

 それが北薩の串木野にある神村学園が強化され(もともと看護系で有名な女子高でしたからびっくりしました)、大隅半島からも甲子園出場、更に21世紀枠でしたが、奄美大島の大島高校(奄美群島、離島における中心的進学校)も出場を果たしました。

 

 今年の選手権(夏の甲子園大会)は100回目の大会でした。夏の甲子園は日本の夏の一大イヴェントとなっています。2週間にわたりNHKのテレビとラジオ、民放が完全に中継します。高い視聴率を誇るイヴェントです。甲子園は春の選抜大会、プロ野球阪神タイガースの試合、夏の選手権大会、冬の甲子園ボウル(アメリカンフットボールの大学日本一を決める東西代表による試合)と一年中忙しい球場です。それでも「甲子園」と言えば、高校野球の代名詞となっています。

 

 今回、私は高校野球の様々な問題点を指摘する著作『甲子園という病』を皆様にご紹介します。著者の氏原氏は長年にわたり高校野球を取材してきた経験を基にして、現在の高校野球の問題と改善の糸口を提案しています。

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甲子園という病 (新潮新書)

 

 今回の選手権でもそうでしたが、まず投手の登板過多による怪我、その怪我が深刻なために野球生命を潰してしまうという問題が提起されています。これまでにも高校での登板過多のために野球生命を終わらせてしまった名投手は数多くいました。高野連や現場では複数投手育成を頑張っていますが、部員が少ないティームなどでは同じレヴェルの投手を育成するだけでも大変ですし、ついつい絶対的なエースに頼ってしまうということが起きてしまいます。

 

 アメリカなどで日本の高校野球が報じられる場合には、投手の投球数がクローズアップされ、虐待だ、クレイジーだ、という論調になります。甲子園に出てくる投手の場合、その多くが子供の頃から優秀な投手として、小学校や中学校、リトルリーグ、シニアリーグで多くの試合を投げて来ています。ですから高校の短期間での投げ過ぎという問題に加えて、それまでの積み重ねられてきた投げ過ぎによる疲労や弊害ということもかんがえていかなければなりません。

 

 複数投手制度はどうしても必要です。そのために、野手をやっている選手で投手もできる選手がいないかどうかということを指導者はチェックしてみるというのは面白いことになるかもしれません。短いイニングならストレードで抑えられる、変わった変化球で一回りは抑えられるということであれば、継投で試合を作ることが出来るでしょう。

 

 氏原氏は著書の中で、投手に対して、指導者が「どうだ、痛いか」と「どうだ、いけるか」と質問する場合が多いと指摘しています。私は、これは日本的な責任回避の方法だ、高校野球の現場でもあるのかと改めて驚きました。「いけるか」と質問されて、未成年の生徒たちは未熟な自己判断で「いけます」と答えるしかありません。それで怪我をしても、指導者は「彼が自分で大丈夫と判断したから」と逃げることが出来ます。これは、旧日本軍にあった、上官が曖昧な命令を出し、その後、「自分はそんなことを言っていない」と否定するという構図と一緒です。

 

 また、著書の中では、一年生でマスコミの脚光を浴びてしまったが故に、その後の高校野球人生を狂わせてしまった選手のことが取り上げられています。たかが部活動、それなのに野球部に集まる注目は大変なものです。私の行っていた高校も野球部があり、旧制中学時代に鹿児島から初めて選抜大会に出場したことがありました。その後は甲子園には縁がありませんでしたが、県予選でベスト8、ベスト4にたびたび進出することがありました。NHKのローカルニュースで、注目の学校などと言われて取材され、放映されていました。私の所属したボート部も明治以来の伝統を誇りましたが、マスコミに取材されたことなどありませんでした。地元紙のスポーツ欄に試合結果が掲載される、それだけでしたが、これが当たり前です。

 

 春の選抜は毎日新聞と毎日放送、夏の選手権は朝日新聞と朝日放送、そしてNHKの大きな利権となっています。また、高校野球だけにお金が集まり、高等学校野球連盟、いわゆる高野連だけが肥え太るという状況が起きるのは好ましいことではありません。また、私立高校が受験生獲得、宣伝のために野球部に有力選手を集めて、勉強そっちのけで昼から深夜まで練習をさせて、甲子園に行くことで宣伝活動にするということも好ましいことではありません。しかし、マスコミからの注目度が高い以上はそのような宣伝活動を行う学校も出てくるでしょう。高校野球を大人たちが食い物にして、高校生たちの汗と努力をお金に換える、それを高校生たちに還元しないということでは、これは本当の虐待ということになります。

 

 春と夏の甲子園に対して、私は批判的ですが、それでもやっぱり試合を見てしまいますし、良い選手やプレーを見るのを楽しみにしてしまいます。私は「甲子園という病」に部外者、観客という一番無責任な立場で罹患してしまっているのかもしれません。まず、甲子園という病、洗脳されていることを自覚する、そこから始めねばならないでしょう。脱魔術化、と言った方が良いかもしれません。

 

 高校野球が少年野球からつながり、大学野球、社会人野球、そしてプロ野球ともつながっており、既存の大きなシステムとなっている現状を変革することは難しいでしょう。ですから、批判的な目を持って、おかしいところ、早急に何とかしなければならない点を指摘しつつ、高校野球を応援するということになるのだろうと思います。

 

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 アメリカの野球殿堂はニューヨーク州のクーパーズタウンにあります。日本の野球殿堂は東京ドームの中にありますが、野球の歴史の厚みと歴史を大切にするという点では、残念ながら日本はアメリカの足元にも及びません。私も死ぬまでに一度で良いから、クーパーズタウンの野球殿堂を訪問してみたいと思っています。

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アメリカ野球殿堂 

 

 この野球殿堂入りするためには、アメリカで野球の報道に関わる記者協会に所属する記者たちの投票で75%以上の票を獲得することが条件となります。殿堂入りするにはメジャーリーグで10年以上プレーすることが条件され、選考委員会が候補者を選定します。1回の投票で得票率5%を切るとその人物は候補者リストから外されます。名選手、有名選手でも落選することがあります。日本人では、1994年にロサンゼルス・ドジャースでデビューし、13勝を挙げ、新人王になり、2度のノーヒットノーランを達成した野茂英雄(日米通算201勝)や毎年200本安打を続け、メジャーリーグのシーズン最多安打記録を持つイチローが殿堂入りするのではないかと言われています。

 

 今回は、野球殿堂の投票を巡っての記事をご紹介したいと思います。ボストン・レッドソックス(松坂大輔と岡島秀樹とはチームメイト)やアリゾナ・ダイヤモンドバックスで活躍し、ワールドシリーズ制覇を成し遂げた、カート・シリング(通算216勝、最多勝2回)という名投手がいます。シリングも殿堂入りの有力候補なのですが、なかなか票が伸びず、今年も殿堂入りに落選してしまいました。


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カート・シリング

 落選について、シリングは自分が共和党員であるからだということを話しています。政治と野球はあまり関係がないようですが、微妙なところで影響を与え合っているようです。そういうところも含めて野球の魅力と言うことができると思います。

 

==========

 

カート・シリングが共和党員であることが理由で殿堂入りを逃したと語る(Curt Schilling says being a Republican cost him Hall of Fame votes)

 

シンディ・ボーレン筆

ワシントン・ポスト紙

2015年1月8日

http://www.washingtonpost.com/blogs/early-lead/wp/2015/01/07/curt-schilling-says-being-a-republican-cost-him-hall-of-fame-votes/?tid=sm_fb

 

今週の火曜日に今年の野球殿堂入りの投票結果が発表された。カート・シリングは殿堂入りに選ばれなかった。ボストン・レッドソックスで活躍した偉大な元投手は、自分が殿堂入りに必要な票数を獲得できなかった理由の一つに彼の政治姿勢があると確信している。

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2015年に殿堂入りした選手たち(左から:ペドロ・マルチネス;ランディ・ジョンソン;ジョン・スモルツ;クレイグ・ビジオ)

 

シリングとボストン・レッドソックスでチームメイトだったペドロ・マルチネスは今回殿堂入りした。その他にランディー・ジョンソン、ジョン・スモルツ、クレイグ・ビジオが殿堂入りを果たした。シリングとスモルツの生涯成績は同じような数字であったが、シリングは240票も足りずに落選した。


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2007年のレッドソックス優勝時にホワイトハウスを訪問したカート・シリング(ブッシュ大統領の後ろ)

シリングは、水曜日にスポーツ番組「デニス・アンド・キャラハン・ショー」に出演し、スモルツについて次のように語った。「私は、(グレッグ・」マダックスと(トム・)グラヴィンのお蔭で票を集めたと思うね。彼らはアトランタ・ブレーブス時代に14シーズンも連続で地区優勝をしたんだ。スモルツはスイス軍のナイフのような鋭いピッチングをしたし、その結果として多くの賞賛を得た。私は彼が殿堂入りにふさわしいと思っているんだ。それから、私が思うに、彼が殿堂入りできた大きな理由に彼が民主党員だということがあると思うよ。殿堂入りを選ぶ投票をする人々の中には共和党員が大嫌いな人たちがいるということを私は理解しているよ」

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1990年代のアトランタ・ブレーブスのローテーション (左からグレッグ・マダックス;トム・グラヴィン;ジョン・スモルツ→全員が殿堂入り)

 
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ブッシュ大統領を応援するシリング
 

シリングはジョージ・W・ブッシュ前大統領の熱心な支持者であった。そして、彼のこうした政治姿勢のために伝統入りのための投票で100票は損をしていると確信している。野球殿堂に入るためには、アメリカ野球記者協会所属の記者たちの75%の投票が必要だ。今回の投票でシリングは39.2%の投票を得た。昨年よりも10%も投票を増やした。

 

シリングは次のよう言語っている。「人間が何かをする際に、必ずバイアスと先入観が絡んでくる。9%の記者がペドロに投票しなかった。投票の課程にいくつか問題があるし、こんなことが起きるなんて、投票に参加している人たちに何か問題があると思うんだ。だからと言ってそのせいで私が殿堂に入れてもらえないとは思ってはいないよ。ただ、記者たちの中には、私の過去の言動のせいで、絶対に私に投票してくれない人たちがいることは分かっている。それはそれで仕方がないことさ」

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 昨年は初のリーグ優勝、そして日本一となった東北楽天ゴールデンイーグルスですが、今シーズンは9月18日現在で58勝71敗の勝率4割五分で、リーグ4位と低迷しています。やはり鬼神の働きを見せた田中将大投手がメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍したことが大きかったようです。2年目の則本昂大投手がシーズン7完封と気を吐きましたが、やはり戦力ダウンは埋めようがないほどに大きかったようです。

 

 昨年の日本一監督、星野仙一氏も今年は病気で戦列を離れ(その間は二軍監督の大久保博元氏が指揮を執りました)、その後復帰しましたが、チームの状況は好転せず、今シーズン限りでの退任を発表しました。

 

 

 そこで、注目されるのは後任監督です。今のところ、大久保博元氏の名前が有力候補として挙がっていますが、その対抗馬として浮上してきているのが、元東京ヤクルトスワローズの選手と兼任監督を務めた、古田敦也氏の名前です。古田氏と言えば、楽天でも監督を務めた野村克也氏の薫陶を受け、理論派として知られ、選手としてはキャッチャーという守備面での負担が大きいポジションながら、首位打者を獲得し、2000本安打を達成しています。

 

 

 下の新聞記事では、古田氏が楽天の次期監督の有力候補である理由を書いてありますが、これは私が本年1月に上梓した、『ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側』(PHP研究所)の第一章「ハーヴァード大学出身者の日本における人脈・最新版―「クリムゾン・クラブ(Crimson Club)」が動かす現在の日本」の内容に沿ったものです。

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 この章で私は、三木谷浩史楽天会長兼社長、平田竹男早稲田大学大学院教授、鈴木寛前参議院議員・元文部科学副大臣の関係とスポーツ界、特に桑田真澄元読売巨人軍投手と古田敦也氏との関係を克明に描き出しました。

 


 竹中平蔵、新浪剛史、三木谷浩史といったハーヴァード退学に在籍した経験を持つ人々が日本を動かしており、その人脈を「クリムゾン・クラブ」と名付けました。クリムゾンというのは色の名前で、その色は三木谷氏が所有している、楽天、東北楽天ゴールデンイーグルス、サッカー
Jリーグのヴィッセル神戸の色、あのワインレッドのような色なのですが、ハーヴァード大学のスクールカラーなのです。

 古田敦也氏も桑田真澄氏もこの人脈に連なる人々であり、新しい楽天イーグルスの首脳陣に名前を連ねる可能性は大いにあります。 

 

 詳しくは是非本を読んでいただきたいのですが、皆さまの知的好奇心と知識欲を満足させるお得な一冊です。ぜひよろしくお願い申し上げます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

楽天後任監督候補に古田敦也氏 三木谷オーナーと太いパイプ

 

日刊ゲンダイ 9月19日(金)13時51分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-00000018-nkgendai-base

 

 すでにデーブこと大久保博元二軍監督(47)が有力といわれている、楽天・星野監督の後任候補。

 

 デーブが経営する野球塾に三木谷浩史オーナー(49)の長男が通っていたことで、2人には強いつながりができたのは有名な話。星野監督が休養した際、デーブが「監督代行の代行」になったのも、三木谷オーナー主導の人事といわれた。毀誉褒貶相半ばするイメージの強いデーブだが、球界ではその野球理論と指導手腕を高く評価する声が多く、代行の代行としても8勝9敗と5割近い成績を残した。

 

 ところが、「そうスンナリは決まらないと思う」と、チーム関係者がこう続ける。

 

「菊池雄星に対する暴力行為騒動で西武を解任されたデーブを拾ったのが星野監督。デーブは感謝してもし切れない恩を感じています。星野監督を『オヤジ』と呼んでいる気持ちに偽りはなく、事実上の解任という側面のある今回の退団騒動で、その後釜に座れば、大恩ある星野監督を追い落としたというイメージがつきまとう。デーブはそれをよしとしないでしょう。最終的には三木谷オーナーの鶴の一声で決まるとはいっても、球団内には“デーブ監督絶対阻止”という一派もいます。特にデーブと某フロント幹部との犬猿の仲は有名ですからね」

 

■古田氏のブレーンには元楽天執行役員が

 

 そこで浮上するのが、古田敦也元ヤクルト監督(49)である。古田氏と三木谷オーナーの関係は、実はデーブ以上に強固。04年の楽天の球界参入はそもそも、当時の古田選手会長が決行したストライキが道を開いたもので、それ以前から面識のあった2人はこれを境に一気に結びつきを強めた。

 

「ヤクルト時代からの古田のブレーンに、元民主党の鈴木寛前参議院議員がいます。三木谷オーナーはこの鈴木前議員の最大の支援者で、『すずきかんを応援する会発起人代表』を務め、古田もそのメンバーに名を連ねています。楽天と古田氏の関係でいえば、球界参入時に三木谷オーナーの右腕として球団立ち上げグループをまとめた元楽天執行役員も古田氏のブレーンのひとり。2人はトライアスロン仲間でもある。今年7月、04年のストライキから丸10年の節目を迎えたということで、当時の関係者が『同窓会』と称して都内で開いた集まりには鈴木前議員、古田氏、その執行役員も出席していました」(球界事情通)

 

 この日、楽天の立花球団社長は星野監督の後任について、「白紙としか言えない。勝たせることができる人が一番。しっかり議論していきたい」と話したが、ポスト星野は三木谷オーナーの腹ひとつである。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23




 古村治彦です。

 

 FRBのイエレン議長が、大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアムで開催されたニューヨーク大学の卒業式で祝辞を述べた際に、ベーブ・ルースに言及したことについてなかなかしゃれた記事がウォールストリート・ジャーナル紙に掲載されていたのでご紹介します。野球好きには楽しい記事です。
 

 

==========

 

ベーブから連邦準備制度理事会議長への書簡(A Letter to the Fed Chief From the Babe)

 

ジャネット・イエレンがベーブ・ルースの打席での成功について語ったことについて、伝説のヤンキーが返事を出した

 

http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303749904579576343585522458?mg=reno64-wsj&mod=e2tw

 

2014年5月21日

ウォールストリート・ジャーナル紙

 

 

親愛なるジャネット・イエレン

 

 水曜日の朝にヤンキースタジアムで開催されたニューヨーク大学の卒業式で述べた祝辞の中で私に言及してくださったそうで、どうもありがとう。率直に言って、私は貴方の祝辞の半分も聞いていなかった。卒業式が始まった時、私はモニュメント・パークにいてうつらうつらしていた。半裸の女の子たちに囲まれながら素っ裸で意識が朦朧とした中で、オールドクロウのビンを抱えていた。そうしている時に、貴方が私の名前を出したのを聞いたのだ。

 

 貴方は卒業生たちに向かって、「ヤンキースタジアムは私たちに別のことを教えてくれます。それは常に成功ばかりではないということです。ベーブ・ルース、ルー・ゲーリック、ジョー・ディマジオといった大選手たちでも打席に立った時、ほとんどの場合、失敗しているのですから」

 

 私は他の選手たちのことは知らないし、1920年代、30年代、40年代のことは曖昧な記憶しかないが、貴方には次のように申し上げたい。貴方は数字を扱う仕事をしているようだが、私の数字については何も知らないことが分かった。

 

 1920年から1926年にかけて、私の出塁率(on-base percentage)は5割であった。つまり、私の最盛期(投手を止めてイニングの合間にホットドッグを食べるようになる前)、私は打席に立って半分は成功したということになる。私の通算の出塁率は、4割7分4厘であった。「ルースはほとんどの場合失敗した」と言われるのは不快である。

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 もちろん、私は貴方が混乱したということも分かる。私は現役時代、出塁率を重視しなかった。大リーグが出塁率を公式にデータとして導入したのは1984年のことだった。私が幽霊になって36年後のことだった。私は現役時代に2062個の四球を選んだが、四球を選んだことで私が楽しかったのは、走らなくてよかったことだけだ。

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 しかし、貴方は連邦準備制度理事会議長である。二日酔いに苦しんでいる幽霊ではない。次の機会に私の名前を喩えに使う時には、正しく使っていただきたい。「ベーブ・ルースは半分よりほんの少し多く失敗した」と。

 

敬具

 

ベーブ・ルースの幽霊

 

ブライアン・コスタ(Brian Costa)筆

 

(終わり)




 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 

 古村治彦です。

 

 
 今回は、プロ野球を取り上げたいと思います。

 

 安倍政権が進める「アベノミクス」の成長戦略作りの中で、プロ野球も俎上にあがり、16球団に拡大するという話が出てきました。私は16球団に増加させることには懐疑的な立場です。それは、これから人口が低下していく日本で、しかも自治体が消滅していくという予想までなされている中で、球団を増加させ、地方に置くということが可能なのかどうか疑問に思っています。

 

 自民党の部会でこの構想について話したスポーツライターの二宮清純氏は、Jリーグ百年構想の立ち上げにも関わったと自負し、この構想についてかなりの自信を持っているようですが、その見通しに根拠があるのかどうかどうもよく分かりません。安倍政権の幇間、太鼓持ちにならなければよいと思いますが・・・。

 二宮氏はプロ球団を沖縄に置き、「日米の懸け橋に」などと述べています。何故沖縄に米軍がいるのかについての考慮が全くない浅薄な、安倍氏に対してお追従を述べているようにしか感じません。 

 

 私はサッカーについては詳しくないので何とも言えないのですが、Jリーグは盛んになっているし、全国各地でサッカーチームがJリーグ入りを目指して頑張っている(私の故郷である鹿児島も頑張っています)のは知っているのですが、Jリーグは「成功」しているのかどうか、百年構想というのはどういうもので、どうなっているのか分からないので、詳しい方にぜひ教えていただきたいと思っています。

 

 今回のことも含めて、プロ野球の球団運営などについては以前から関心がありましたが、改めて調べて、考えてみました。

 

 プロ野球球団の財政については、「色々と大変なんだろう」という認識しか持ち合わせていませんでした。1988年に南海と阪急がそれぞれダイエーとオリエントリース(現・オリックス)に球団を譲渡した時、私は中学生でしたが、南海はともかく阪急はチームとしては強いのに、どうして譲渡されるのかと思いました。「強くてもお客さんが入らないと儲からないからダメなんだ」と大人に教えてもらって、阪神ファンであった私は「じゃあ、阪神は弱くてもお客さんがたくさん入っているから譲渡にならないんだな」と思ったことを思い出します。

 

その後、2004年に大阪近鉄がオリックスと合併し、同時に楽天が専大を本拠地とする東北楽天ゴールデンイーグルス(新規球団)を創設しました。2005年にはダイエーがホークスをソフトバンクに譲渡しました。セリーグでは2002年にマルハがTBSに球団を売却し、2011年にはTBSがDeNAに売却しました。

 

近鉄、マルハ、TBSといった会社は一般的な知名度が高く、多くの方々が大企業であると認識していると思います。そんな大企業でもプロ野球球団を持つことは大変なのだ、そして日本の不況は深刻なのだということが改めて浮き彫りになりました。

 

また、プロとは違いますが、学卒者の受け皿になっていた社会人野球のチームの数も最盛期に比べて3分の1ほどにまで減少していると言われています。社会人野球こそは日本を代表する大企業がこぞってチームを持ち、一時期はプロ野球よりも待遇が良かったし、その後の身分や収入の安定を考えてプロ拒否の名選手たちも結構いました。しかし、長引く不況もあり、野球選手を取り巻く環境は厳しさを増しています。

 

 それでは、現在プロ野球球団を保有している会社にはメリットがないかというとそういうことでもないようです。全くメリットがなければ球団を持つことは馬鹿らしいことですから。会社名を世間に知らせる、マスコミでスポーツニュースの際に会社名を連呼してもらえる、といったメリットがあることは誰でも想像ができます。また、メリットの一つとして、「税制優遇」があるという指摘を以下のブログでされています。そのブログは、『ブログ「税理士もりりのひとりごと」』(http://moriri12345.blog13.fc2.com/blog-entry-668.html)と言います。そして、このブログの2010年10月28日付記事「プロ野球親会社には信じられない税務上の特例が!」に、プロ野球親会社の税制優遇について書かれています。

 

 このブログの記事によると、「『職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取り扱いについて』と題された昭和29年8月10日付 直法1-147という個別通達」というものがあるそうです。その内容は、「1.親会社が球団に対して支出した金銭のうち広告宣伝費と認められるものは損金算入を認める。2.球団の欠損金を補填するために親会社が支出した金銭は広告宣伝費とする。3.親会社が球団に貸付金と処理をしていても2.に該当するものは損金算入できる。(4.は省略)」というものだそうです。

 

 この通達について、ブログ「税理士もりりのひとりごと」の著者は次のように書いています。以下に引用します

 

(引用はじめ)

 

「一般の親子会社間であれば、子会社がよほど危機的な状況に陥らない限り通常は寄附金扱いになるはずです。寄附金になれば損金にほとんど算入されませんよね。

 

 今回の横浜にしたって毎年20億円くらいの損失が生じているそうです。それを埋めるためにTBSは資金を補填し、それを税務上は広告宣伝費として処理できるわけですね。寄附金にしちゃえばほとんど損金算入できないわけですから、この個別通達の存在と税負担軽減効果は絶大ですよ。

 

 なんで別会社として存在しているプロ野球球団会社に対して損失補填をした場合だけが広告宣伝費なのでしょうか?そもそも広告宣伝費、というか球団にかかった経費を全部損金にしたいのであれば球団を親会社に吸収合併させればよいだけの話ではないでしょうか?別会社であるなら他社が渋々従っているように、税法に則って寄附金でいいんじゃないでしょうか?」

 

(引用終わり)

 

 プロ野球球団を持っている会社には税制の優遇措置があるということは事実としてあるようです。今の状況で16球団に増加ということになると、この税制優遇は継続ということになると思います。新球団設立にはコストがかかりますし、市民球団的なものを理想として掲げても実際には企業が親会社となって設立ということになるでしょうから、この優遇策は仕方がないと思いますが、国民が増税を耐えているのなら、こうした優遇税制はおかしいのではないかという話にもなります。

 

 もし、プロ野球球団が16に増加するということになると、どのような企業が親会社となるでしょうか。誰でも知っている大企業が親会社になるでしょうか。それは考えづらいです。なぜなら、そのような大企業は多額の損失を補てんして自分たちの存在をアピールしなくても既に誰でも知っている会社になっているからです。

 

 ということになると、TBSが横浜ベイスターズを譲渡する時に名前が挙がった、住生活グループ(リクシル)のような合併で名前が変わった大企業や、DeNAのような、一般に名前を浸透させたい新興企業ということになります。2004年の球界再編の時も、楽天とライブドアが名乗りを挙げました。楽天が新球団を創設したのですが、その後、楽天の知名度は大きく上がりました。

 

 私は、安倍晋三首相が肝いりでやっている産業競争力会議のメンバーや彼らに近い企業人たちが持っている企業が親会社となるのだろうと思います。彼らからすれば、企業の知名度を上げて、優遇税制の恩恵を受けることができる球団経営にメリットを感じることができると思います。

 

 私が今年(2014年)1月に出しました、『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所)では、三木谷浩史・楽天会長兼社長を巡る人脈(「クリムゾン・クラブ」と私は名づけました)についての分析を行いました。その中で、スポーツを巡る人脈分析を行いました。そうした人脈がプロ野球界の更なる再編にも関わってくると思います。三木谷浩史楽天会長兼社長、平田竹男早稲田大学教授、元プロ野球のスター選手であった桑田真澄(元読売ジャイアンツ、大リーグ・ピッツバーク・パイレーツ投手)や古田敦也(元東京ヤクルトスワローズ捕手、兼任監督、名球会会員)の人脈はこれから重要になっていくでしょう。

 

 私は、現在の12球団を維持できるのかどうか不安に思っています。人口減少に加えて、プロ野球(主には読売ジャイアンツ)の人気低下という問題もあります。16球団になれば野球ファンとしては嬉しいことですが、選手の質の低下やプレーの質の低下という心配もあります。また、各地方にプロ野球を支えるだけの経済力があるのかどうかという懸念もあります。現在のプロ野球球団の分布を見てみると、東京には読売ジャイアンツと東京ヤクルトスワローズ、埼玉には埼玉西武ライオンズ、千葉には千葉ロッテマリーンズ、神奈川には横浜DeNAベイスターズと関東地方に偏っているように思われます。この偏りの解消、移転を行うということも選択肢とあるのではないかと思います。

 

 アベノミクスの成長戦略にプロ野球を組み込むという今回の話はどうも、嫌な感じがして仕方がありません。プロ野球を政治に巻き込んでほしくないなぁというのがファンとして私が持つ思いです。

 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「アベノミクスにプロ野球16球団構想」

 

日刊スポーツ電子版 2014年5月22日

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20140522-1304845.html

 

 アベノミクスの成長戦略に、プロ野球16球団構想も加わりそうだ。政府が6月中にまとめる成長戦略に、プロ野球の球団数を現在の12から16に増やすことが盛り込まれる見込みとなった。自民党の日本経済再生本部(高市早苗本部長)がまとめた成長戦略の第2次提言案で、新たに4球団を増やすことを検討していることが21日までに分かった。近く、政府に提言が伝達される。

 

 提言案では本拠地候補として、北信越、静岡、四国、沖縄を挙げている。消費税増税で落ち込むとみられる景気の回復策としても期待されている。

 

 同本部では4月18日、スポーツジャーナリストの二宮清純氏を講師に招き、球団数の拡大による経済効果について学んだ。二宮氏は北信越、静岡、四国、南九州に球団を設ける構想を披露。「沖縄で日米の心のキャッチボールを」と沖縄も候補に挙げていた。セ・パ両リーグを各8球団とし、東西に地区を分け、計4グループの1位がプレーオフで日本一を争うという私案を説明した。

 

 同本部がこの地域活性化対策などを提言にまとめ、6月中に発表される成長戦略に反映させる。球団増の実現を日本野球機構などに働きかけるため、有志の国会議員による議員連盟の立ち上げも検討するという。

 

 ▼プロ野球改編の動き 現行の2リーグ12球団になったのは1958年(昭33)。その後73年と2004年にリーグ改編騒動が起こった。73年は人気低迷のパ・リーグで、日拓がロッテに合併を打診、南海と近鉄(いずれも当時)との合併も取り沙汰され、1リーグ10球団への動きがあった。結局、日拓が日本ハムに身売りして騒動が収束した。04年には、事業拡大に失敗した近鉄がオリックスとの合併を発表。再び1リーグ制の動きも出たが、選手会がストを決行するなど反発。新球団として楽天の参入が決まり、12球団に戻った。

 

 ◆日本経済再生本部 安倍晋三氏が2012年9月に自民党総裁に選ばれた後、同10月に自民党内に設置。同12月の首相就任後は、内閣にも同本部を設置した。自民党の同本部では、内閣の同本部で検討すべき論点を取り上げ、安倍内閣の経済再生策を補強する。

 

 [2014年5月22日9時17分 紙面から]

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)







 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 古村治彦です。

 

 昨日、2014年5月3日、東京六大学野球2014年春季リーグ戦の早稲田大学対東京大学第1回戦を観戦してきました。東大は2010年秋に早稲田大学戦に勝って以来、2つの引き分けを含み、70連敗を記録しています。5月3日の試合に負けると、新記録の71連敗となります。

 

東京六大学野球リーグの記録によると、1925年秋季から2013年秋季までの東京大学の勝敗記録は、244勝1540敗55引き分けの勝率1割3分2厘です。10試合やって1試合は勝てるという程度です。対早稲田大学の記録は34勝316敗17引き分けの勝率1割3分9厘です。私は大学入学直後の1994年春のシーズンで早稲田が0対1で、2010年秋に2対4で東大に負けた試合を観戦しておりまして、89年の歴史の中で34回しか起きなった早稲田の対東大戦の敗北を2回撃する僥倖(?)に恵まれました。2010年秋の敗戦で、早稲田は慶應との優勝決定戦までもつれ込んだのですが、東大に負けるということは東京六大学野球リーグにおいては重要な意味を持つこともあります。

DSC01130

 

 本日の試合は早稲田大学が11対0で東京大学を破りました。東大は71連敗(2引き分けを含む)という連敗記録を更新することになってしまいました。早稲田大学はエースで、この秋のプロ野球のドラフトでもドラフト1位で競合指名が有力視されている、有原航平投手(広陵高校)が先発しました。150キロを超える速球が自慢の好投手です。有原投手は6回まで投げ、3安打されましたが7奪三振、その後、吉野和也投手(日本文理高校)が2回を無安打1奪三振2四死球、9回を黄本創星投手(木更津総合高校)が無安打2奪三振2四死球で完封しました。東大は3安打に4四死球と塁に走者を出したのですが、残塁6で得点に結びつけることができませんでした。初回、2回の攻撃で共に2アウトランナー3塁まで進んだのですが、得点できませんでした。東大の3安打のうち、2安打は初馬眞人選手(桐朋高校)が放ちました。初馬投手は高校時代にチームを西東京地区(日大三高や早稲田実業が所属)でベスト16に導いた会ワン投手として注目されましたが、今は外野手登録です。野球センスの良さを東大では一番に感じる選手です。打撃に関しては通算43打数12安打打率2割7分9厘と他大学でもベンチ入りできるくらいの力を持っています。

 

 一方、早稲田の攻撃陣は本塁打2本、三塁打2本、二塁打4本、単打6本、四死球5、相手のエラー3、相手のバッテリーエラー2で11得点を挙げました。東大の登板した投手は辰亥正嗣(高松)、毛利拓樹(横浜翠嵐)、関正嗣(半田高校)でしたが、どの投手もスピードが遅く、打ちごろのストレート、そしてストレートと緩急の差がつかない変化球を投げていました。たまにコーナーに決まると早稲田の打線も打てないのですが、それが長く続かないためにつるべ打ちにあってしまうということになってしまいました。

 

 現在、東大は71連敗です。先のことは誰にも分かりませんが、私が観戦した限り、この春のシーズンで残り試合において急に力を伸ばして、勝利を収めることは考えにくいです。このままでいくと100連敗ということもあり得ます。そうなると、東京六大学野球リーグに東大が加盟している意味ということも問題になってくると思います。

 

 東大の選手たちで甲子園大会に出場した選手というのはいません。過去には何人かいました。一方、他の5大学はドラフト会議前に候補として名前が挙がったような選手たちを推薦入試で入学させています。これでは最初から勝負になりません。以前は勝負になっていたと思いますが、現在のように他の5大学がプロも注目するような才能あふれる選手たちを入学させている状況では、いくら努力しても厳しい状況にあります。東大の選手たちは、本当はしなくても良い苦労をしているのかもしれません。しかし、東京六大学という一つのステータスを守るために、野球の技量ではなく、偏差値のために東京六大学野球に存在していると言って良いと思います。

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 このまま連敗が続けば100という数字になることは十分にあり得ます。そうなったときにこの90年近い歴史を誇る東京六大学野球リーグがどのような議論を行うのか、注目したいと思います。しかし、それまでに東京大学野球部が1勝を挙げることを、それも早稲田大学野球部以外の相手から挙げることを祈りたいと思います。

 

(終わり)





 

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