古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 本の紹介


 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦最新刊『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社)をご紹介する。発売日は2026年2月4日だ。
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『金を握りしめた者が勝つ』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに移動します

 このブログでも何度かご紹介しているように、昨年から金をはじめとする実物資産の価格が上昇している。アメリカと日本とイスラエルの「悪の枢軸」「地政学リスクトリオ」の「活発な動き」のために、ドル離れと実物資産の需要の増加が見られる。ドナルド・トランプ、高市早苗、ベンヤミン・ネタニヤフがやりたいことをやり続けることで、実物資産の価格上昇が続くことが予想される。

 こうした状況下で、『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』の刊行は時宜を得たものとなる。

以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載する。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 まえがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

「金(きん)とドルの戦い」において、金が勝利した。

金の値段が、日本だけでなく世界中で暴騰(ぼうとう)した。世界中の人々が金を買うために金ショップに殺到している。この動きは今も続いている。中国、ロシアだけでなく、インドでも、南米のブラジルでも、アラブ中東世界でも、資金のある人は金を買うことに熱中している。欧米白人の資産家たちも同様である。これまでに金(きん)を買っていた人々の勝利である。

金1グラムの最高値段は、2025年(去年)10月21日の史上最高値(さいたかね)で2万3370円(国内の小売[こうり]の値段)まで行った。1グラム=2万円を大きく超えた。この事態に多くの人が驚いた。

 金1キログラムの延()べ板(いた) bar [バー])ならば2000万円もする。小さな家1戸()や鉄筋アパート1室が買える値段である。とんでもないことが起きてしまった。

私、副島隆彦は、ずっと金の価格の上昇を予言して、自分の本に書き続けた。この20年間の自分の金融予言が当たって、私の信用はさらに高まった。この事実を私の本の読者とともに私は喜ぶ。

私が「金とドルの戦い」という考えを思いついて書き始めたのは、2003年である。その証拠は、自分の過去の本にさかのぼって、この本に載()せる。そのころ金は1グラム=1200円ぐらいだった。だから、そのときと比べて実に、金は20倍の値上がりをした。

私はそのころ「金(きん)をどれだけ買ったらいいですか」の質問に対して「皆さんの奥さんの体重と同じだけ金を買いなさい」と講演会で話して回っていた。女性の体重は、だいたい50キロ前後である。男である私が成人女性の体重は50キロ前後なのだ、と実感で知るようになったのは最近のことである。男はだいたい70キロから80キロである。ということは、その体重分の金の値段は、当時6000万円であった(1200円×50キロ)。それが今現在、いくらになったと思いますか。

(きん)1グラム=2万2000円として50キログラムの金は12億円である。驚くべき金額である。あのころ私が講演していた聴衆の企業経営者や資産家たちにとって、6000万円というお金は本当に、たいしたことはなかった。それが今、12億円にもなってしまった。そして今度は金(きん)の、売却時(譲渡益課税)と相続のときの税金の払いのことで、これまた、たいへんなことになっている。新たに大きな問題が出現したのだ。 

私は、3年前に『金融恐慌が始まるので 金(きん)は3倍になる』(2023年12月、祥伝社刊)を書いた。この本で「金は3倍になる」と私がはっきりと予言した。ところが、誰も本気にしてくれなかった。私のすぐ周(まわ)りにいる人たちも理解しなかった。皆、ぼーっとしていた。私が何を言っているのか、誰も分からなかった。ところが現実にまさにまさしく「金は3倍に」なりつつある。あのとき、2023年8月28日に金1グラムが1万円を突破したあとだった。まさしくあの本を書いたとき、 金1グラムは1万円を突破した。あのときから「3年で3倍になる」が、私たちの目の前で実現しようとしている。

このあと金1グラムが快進撃を続け、2万円を突破した(2025年9月29日)。1万円が2万円になるのに2年と1カ月かかっている。このとき、私の書いたことが当たり始めた。私の予言は真実味を帯()びた。私の書くことを信じて、この20年間の間に金(きん)を要所、要所で買い続けた人々の大勝利である。買わなかった人たちは……

去年2025年中に2万3000円台まで行った1グラムの金が、残りの5000円上昇を達成して私の予言の金1グラム3万円を超えれば、私が3年前に予言したとおり、まさしく「3年で3倍になる」という予言は的中である。あと1年で3万円を突破すれば、私が3年前に予言したとおり、「3年で3倍になる」という予言を的中させたことになる。

このようにして、私はすでに金融の予言書として信頼されている。私の書いたことは日本国民から評価されている。

これからの金(きん)の値上がり(あるいは、一時の逆流)予測に関して、この本で細かく書いていく。ジム・リカーズ James Rickards(75歳)というアメリカ人の金融評論家(リスク・アナリスト)が「1オンス=1万ドルになる」と言った。彼の2016年刊(10年前)の本である。ということは、金1グラムは、今の為替(かわせ)1ドル=150円で計算すると、日本円で4万8000円になる。とんでもない金額である。だが私は、ジム・リカーズの、この金1オンス=1万ドルは実現すると思う。なぜならば、人類の歴史は、今や金本位制(きんほんいせい)(ゴールド・スタンダード)の復活に向かって着々と進んでいるからである。

米ドルはもはや金(きん)との戦いにおいて敗れ去った。ドル体制が崩壊して数年後にできる新しい世界通貨体制が始まる。それを支(ささ)えるだけの金が、現在のドルでの全通貨量(金額評価する)の20%はなければいけない。

(きん)は国際値段(NY(ニユーヨーク)の先物(さきもの)市場)で、1トロイオンス(31・1グラム)=4000ドルを突破した。2025年10月7日から8日にかけてである。そして10月20日の終値(おわりね)で4359ドルの史上最高値をつけた(P7のグラフ)。世界中の金融投資に関わっている人々は、驚き呆(あき)れて言葉を失った。

そしてこの翌日から下落した。1021日には1オンス=3880ドルまで下落した。その数日後には、ふたたび4000ドルを回復した。直(ちよつ)(きん)の値段は1オンス=4638ドルである(1月14日)。

年末の金の下落で、金価格のグラフに1回〝踊り場〟ができた。この金のいったんの下落はなぜ起きたか。それはNYのガラの悪いヘッジファンドたち(恐ろしい博奕[ばくち]打ちの金融ユダヤ人たちである)が急遽(きゅうきょ)(初めて、と言ってよい)、金市場に参入して、1オンス=4000ドルの声を聞いて驚いて、「オレたちも乗り遅れるな」(FOMO[フォウモウ] Fear[フィア] of[オブ] Missing[ミツシング] Out[アウト] )で、金(きん)ETF(イーティーエフ)(ペイパー・ゴールド)市場で大量の買いを入れたからだ。おそらく1兆ドル(150兆円)ぐらいの買いである。

しかし、彼らは、どんなものでも短期売買しかしない。だから10日後に4000ドルから300ドル値上がりしたところで一斉(いつせい)に売り払った。これを利益(りえき)確定(かくてい)(利確[りかく])と言う。こういう荒っぽいことをするのがヘッジファンドたちである。だから、世界の金価格に踊り場が生まれた。この動きは今後も続くだろう。金(きん)は、このあとは急には上がらないで、着々と少しずつ上がってゆくと私は予測している。

このNYのガラの悪い投機家たちの他に、世界中で金の4000ドル超え高騰が起きたあとに、「やっぱり今からでも金を買おう」と思って、自分のポートフォリオ(自己資産の割り当て表)で、金(きん)を15%にまで上げた人たちがいる。彼ら個人投資家たち堅実であり着実だ。彼らは新規の金(きん)市場への参入者である。彼らはこのあと金をずっと長く保有(ロングホールド)するつもりである。このように世界中で個人の金買いが続いてゆく。私は、この個人たちが正しい投資行動をとっていると判定する。

だから、このあと、長期での金の上昇がふたたび始まる。目先の目標値は1オンス=5000ドルである。そして1万ドルである。

私が「金を買いなさい」と言って本に書き始めて23年が経()った(2003年から)。これまでに私が書いた本を熱心に読んで、内容を信用して、金を買って持ち続けた人々に大きなご褒美(ほうび)が与えられた。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

=====

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 【目次】

まえがき

第1章 世界は金本位制の復活へ向かう

●金1グラムは10万円になる、と私、副島隆彦は予言する

●アメリカ中心の時代が終わり、世界は新しい秩序に移行する

●なぜ金本位制に戻ってゆくのか

●日本円は米ドルの動きと反対方向に切り上げられ、やがて電子マネーになる

●金価格は、わずか2年で2倍になった

●〝砂金(さきん)採()り体験〟が人気に

●私は23年前から「金を買いなさい」と書いてきた

●「金を握りしめる」のは世界的な動きである

第2章 もうすぐ金1グラムは3万円になる

●リーマン・ショックのとき、アメリカは「やってはならないこと」をやった

●米ドルの価値の毀損(きそん)が起きている

●貧困国・アメリカの現実

●私の助言で金を買った人々からの大きな反響

●「写真相場」とは何か

●ゴールドマン・サックスより先に私が「1オンス5000ドル」を予言した

●先物の「裸の空売り」で巨額の損失

第3章 これからは金貨(ゴールド・コイン)を買いなさい

●NY先物市場での金(きん)の動きの全体像

●紙キレの金を売り買いして失敗した

●ペイパー・ゴールドに手を出すな

●イギリス、スイス、ヴァチカンから金地金がアメリカに運び込まれた

●〝天皇家の金〟を持ち出そうとした2人の日本人

●「13兆円の米国債」の正体

●中国とロシア、そして新興大国が金を買う

●「税務署が怖い」と言う人たちへ

●1キロや2キロの金で税金に悩む必要はない

●なぜ私は金貨(ゴールド・コイン)を薦(すす)めるのか

●業者が買い取った金はどこへ行くのか

●年間110万円までなら贈与税はかからない

●金で儲かったなら、そのお金で周りの人を助けなさい

第4章 銀(シルバー)とプラチナも上がってゆく

●相続税とタンス預金をどうするか

●金は現物(げんぶつ)を自分で守るべきだ

●女性銀行員が貸金庫の金(きん)と現金を盗んだ

●急騰の裏側で何が起きているのか

●銀1キロが300万円になる日が来る

●先端企業が「いくらでもいいから買え」と指示

●イーロン・マスクが銀鉱山の株を大量に買った

●46年前の〝シルバー・ショック〟

●インドの中央銀行が銀を融資の担保に認めた

●なぜ幕末の日本から金(小判)が流出したのか

●かつてプラチナは金より高かった

●人造ダイアの量産でダイアモンドの資産価値は失われた

第5章 金に敗れたドル覇権は崩壊する

●もうすぐ超円高=ドル暴落が起きる

●トランプのドル切り下げで1ドル=15円になる

●NYの株とともに日本株も暴落する

●日銀の利上げをアメリカは認めなかった

●日本はインフレではない。デフレだ

●トランプが各国への相互関税をやめた理由

●なぜ国(くに)は国民から消費税を取りたいのか

●国家の借金は毎年毎年、積み上がる

●15京円の借金大国・アメリカの真実

●日本は「対米投資」で80兆円をふんだくられた

●日本人は歯を食いしばって頑張り続ける

●2026年末、アメリカは世界覇権国の地位からすべり落ちる

第6章 日本と米中、世界はこうなる

●軍事政権の特殊な人間、イーロン・マスク

●トランプは軍人たちに支えられている

●黒塗りされたエプスタイン・ファイル

●なぜ江戸幕府はキリシタンを弾圧したのか

●クリントン夫妻も悪魔の儀式に参加した

●〝次の大統領〟J.D.ヴァンスの人物像

●自民党員の中に統一教会員が集団加入

●世界と歴史を大きく見るために

●日本の政治指導者は靖国参拝をしてはならない

●米中は「台湾をどうするか」で話し合っている

●台湾は平和的に中国に統一される

●誰が日本の核保有を許さないのか

●だから安倍晋三は〝処分〟された

あとがき

=====

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 あとがき

 この本の書き上げの昨年末(12月おわり)に、NYの銀(ぎん)の先物(フューチャー)市場 COMEX(コメックス) で大変動があった。銀価格は、下落した(1オンス=72ドル。銀貨1枚で1万5000円)どころか、200ドルに向かっている。米と英が支配する先物市場とETF(イーティーエフ)(ペイパー・シルバー、紙キレの銀)が壊れつつある。現物(げんぶつ)(実物)の銀の7割を握っている中国の勝ちだ。第4章で前述した。世界は金(きん)だけでなく、銀(シルバー)も加えた金銀本位制(バイメタリズム bimetallism )に向かっている。

 1月3日に、アメリカ(トランプ政権)による南米ベネズエラ国のマドゥロ大統領の拘束(キャプチュア)、連行が起きた。アメリカは、直接ベネズエラ国にある大量の石油と天然ガスを自分のものにする戦略に出た。鉱物資源(ミネラルズ)も直接、支配する。トランプはもうNY(ニユーヨーク)の金融(紙キレ)経済を信用していない。実物を握るしかない、と。世界は一気に実物(じつぶつ)経済( tangible[タンンジブル] economy(エコノミー) )が中心になった。これは『「実物経済」の復活』(2003年3月、光文社)を出版して日本では私が初めて言い始め(唱導[しょうどう])した理論だ。

 私は昨年10月中(ちゅう)の金の高騰(こうとう)の凄(すご)さを横目で見ながら、ずっと不愉快だった。もう本を書く気力を失った。「俺(おれ)がずっと20年間、書いて(主張し、予言して)きたとおりじゃないか」とブツクサ言いながら、うつ症(しょう)のまま過ごした。12月になって、ようやく「それでも、やっぱり書くか。全国に私の読者が待っている」と元気(げんき)(気の元)を取り戻した。

 本当にもうすぐ世界体制が変わる。この本に、書くべきことはすべて書いた。しっかりと読んでもらえれば分かる。

 この本も長年(25年間も)私につき合ってくれている編集者の岡部康彦氏が苦労して編集してくれた。記して感謝します。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

(貼り付け終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 昨年は金、銀、プラチナという実物資産の価格が上昇した。年初にこの動きは収まるかと思われていたが、ドナルド・トランプ大統領によるウクライナ攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束連行によって、「地政学リスク(geopolitical risks)」が高まったことで、実物資産への投資が続くことになり、価格が上昇している。田中貴金属のウェブサイトには毎日の値動きが表示され、グラフもある。これを見れば、地政学リスクの動きに連動していることが分かる。
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2025年12月1日から2026年1月19日までの金価格の推移
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2025年12月1日から2026年1月19日までの銀価格の推移
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2025年12月1日から2026年1月19日までのプラチナ価格の推移

地政学リスクとは、「ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、その特定地域の経済、もしくは世界経済全体の先行きを不透明にするリスク」と定義されている。ドナルド・トランプ大統領の動きはまさに地政学リスクそのものとなっている。また、日本の高市早苗首相のこれまでの動きも地政学リスクとなっている。私は、トランプと高市の日米両国の首脳を「地政学リスクのTTコンビ」と呼んでいる。日米で地政学リスクを上昇させているのだから、実物資産の価格が上昇する。そして、通貨であるドルや円の価値が毀損される。こうした動きがしばらく続くだろう。

 私の師である副島隆彦先生が2月4日に『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社)を発刊する。まさに時宜を得た、出版となっている。是非、お読みいただき、資産防衛にお役立ていただきたい。
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『金を握りしめた者が勝つ』

(貼り付けはじめ)

国内金価格、初の26000円台に上昇 FRBへの政治圧力を警戒

グローバルマーケット 日本経済新聞

2026114 9:57

(2026114 11:36更新)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB140UW0U6A110C2000000/

金(ゴールド)価格の国内指標となる地金商最大手の田中貴金属工業が14日午前に公表した小売価格が、初めて1グラム26000円を超えた。前日比258円(1%)高い26051円を付け、2日連続で最高値を更新した。米インフレの鈍化を示す経済指標の発表を受けて米利下げ継続への観測が強まった。トランプ米政権による米連邦準備理事会(FRB)への政治圧力の激化への警戒と共振し、金を求める動きが広がった。

米労働省が13日に公表した202512月の米消費者物価指数(CPI)はエネルギーと食品を除くコア指数が市場予想を下回り、物価上昇の落ち着きを示唆する内容と受け止められた。FRBが利下げを継続するとの見方が金相場を支えた。利下げは金利の付かない金の相対的な投資妙味を高めることにつながる。

国際価格の指標となるロンドン現物価格は13日の取引で前日比40.84ドル(0.9%)高い1トロイオンス4634.33ドルを付け、最高値を更新した。

米政権によるFRBへの政治圧力の強まりも金需要を強めている。トランプ米大統領は市場予想を下回ったCPIの発表後、SNSへの投稿で再び大幅な利下げを要求した。FRBについては本部ビルの改修工事を巡ってパウエル議長が刑事捜査の対象となっているが、トランプ氏は改めてパウエル氏を「無能か不正のどちらかだ」と批判した。

中央銀行の独立性が損なわれて金融市場が混乱することへの懸念が広がるなか、コモディティーなどの取引仲介を担う米StoneXのローナ・オーコネル市場調査責任者は「相場は既に高値圏にあるものの、重要な金への追い風となる」と指摘する。

外国為替市場で進む円安が円建ての金価格を押し上げている面も大きい。国内では高市早苗首相が早期に衆院を解散するとの観測が広がった。財政出動による財政悪化への懸念から対ドルの円相場は1ドル=159円台と1年半ぶりの円安・ドル高水準に下落。円の価値が下がれば、円でみた金の価値は相対的に上昇する。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしています。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されています。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いです。

『新・軍産複合体』20251128産経新聞広告001
 2025年11月28日付産経新聞朝刊三面に新刊の広告宣伝を掲載していただきました。また、版元のビジネス社のnoteに、新刊についてご紹介いただきました。是非、お読みください。また、情報共有・拡散のご協力、よろしくお願いいたします。

https://note.com/businesssha/n/n560c1760e235

 アマゾンのページで、読者の方にレヴューを掲載していただきました。高い評価をいただき、かつ、内容を的確かつ簡潔にまとめた内容になっております。是非参考にして、新刊『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』をお読みください。よろしくお願いいたします。

(終わり)
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古村治彦です。

 今回は、副島隆彦・佐藤優著『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』(ビジネス社)をご紹介します。発売日は2025年11月21日です。

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『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』

 副島先生と佐藤先生の対談は9冊目で、10年以上にわたって続いている。今回の肝となる部分は、宗教のところで、2人が切り結ぶところだ。宗教全体を否定する副島先生と、キリスト教者である佐藤先生がどのような結論を導くか、読んでのお楽しみだ。個人的には、私の提唱している「新・軍産複合体」についても言及していただいており、ありがたい限りだ。

以下に、佐藤先生によるまえがき、目次、副島先生によるあとがきを掲載します。参考にして、是非手に取ってお読みください。

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対談の様子

(貼り付けはじめ)

まえがき 佐藤 優(さとうまさる)

副島隆彦氏との対談は、いつも知的刺激に富んでいる。

私の場合、もともと小心なのに加えて、外務省の小役人だった過去もあるので、どうしても思考のスケールに限界がある。歴史に関しても、高校の教科書に書かれている通説から極端に乖離(かいり)することができない。この点、副島氏は自由だ。自らの認識(それには副島氏なりの根拠がある)に基づいて、大胆に語る。その語りに私は「ハッ」とさせられて、事柄の本質に気づくのだ。読者も、副島氏の言説に触れて、今までに見えなかったことが見えるようになったと感じたことが必ずあるはずだ。

 私は、今回、副島氏と話していて、この人は19世紀ドイツの哲学者フリードリヒ・シェリング(Friedrich Wilhelm Joseph von Schelling、1775年1月27日1854年8月20日)に似ていると思った。一昔前の哲学史の教科書を開くと、ドイツ観念論の系譜として、カント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルという順番で記述されていた。そして、ドイツ観念論を集大成した大哲学者としてヘーゲルが位置付けられていた。しかし、最近の哲学史の教科書だと、少し記述に変更が加えられている。まず、カントがドイツ観念論の枠組みから外れている教科書がでてきた(含めているものもある)。その後、フィヒテ、前期シェリング、ヘーゲル、後期シェリングという流れで、記述されている哲学史教科書が増えてきた。

後期シェリングは、カント、フィヒテ、ヘーゲルらの言説をわかる事柄だけを選んで説明している消極哲学であると批判した。そして、自らが展開するのは、わからない部分にまで踏み込んだ積極哲学であると主張した。人間の心の中にある暗黒、光と闇が別れる前に存在した世界、神が生まれる前に存在した善と悪が渾然(こんぜん)一体としていた状態にまで、踏み込んで理解しようとした。日本語に訳されているものでは、西谷啓治訳の『人間的自由の本質』(岩波文庫、1951年)を読むと、後期シェリングの考えがわかる。

 ロシア・ウクライナ戦争で、西側連合がロシアに対して敗北しつつあるという現実、イスラエルが民間人の犠牲者が何万人出ようとも、国際的孤立を恐れずにハマスの掃討作戦を継続している現実、今年(2025年)1月に再びアメリカ合衆国大統領の座についたドナルド・トランプ氏がグローバリゼーションに歯止めを掛けて、アメリカ国内優先主義をとっている現実は、従来の常識にとらわれている消極哲学で読み解くことはできないのである。

 いまこそ私たちは、「副島積極哲学」を真剣に学ぶべきと考えている。

ちなみに、以前の副島氏は、宗教や神学について、詳しい知識を持っているが、超越的な信仰については、距離を置いていた。今回の対談で、この姿勢が変化したように私には思える。そのきっかけとなったのが、本書の末尾で言及されている副島氏と女神たちの出会いだ。この出来事がとても重要だ。

(引用はじめ)

副島 私は去年と今年で熱海の仕事場と近くの土地に「ギリシア彫刻の美術庭園」を作りました。今、200体ぐらいの純白の大理石の女神像をズラリと並べています。このギリシア彫刻の女神像は、丸源ビルで有名なバブル不動産王のひとりの川本源司郎(げんしろう)氏(19322024)が所有していたものです。私は、生前の川本源四郎氏から熱海の亡霊洋館にあった最初の3体を買いました。それから銀座の丸源ビルにひっそりと安置されていた大量の女神像を譲り受けました。

佐藤 女神様を助け出したのですね。

副島 そうです。助け出しました。私は女神様たちの霊魂(れいこん)に導かれました。確かに、女神たちが、「私をここから救(たす)け出しなさい」と言うお告げを聞きました。「その代わり、お前に、大きな幸運を与える」と言われました。私は、ですから死ぬまで大運(たいうん)が続くそうです。熱海に廃墟になっているお城のような豪邸があります。私は、その亡霊洋館で、狼藉者によって首を落とされ、無残な姿になっている数百体の女神像と出会いました。「助け出しなさい、私たちを」という命令が私に下りて来た。2年かかりました。ようやく必死で美術庭園に移しました。海を崖下(がいか)に臨む高台の地です。いろいろと不思議なことが起きました。金(きん)の値段が上がり続けたのも女神さまの計(はか)らいです。金(きん)を売って費用に充(あ)てました。今の私はギリシア彫刻の女神さまに導かれて生きています。(本書264-265頁)

(引用終わり)

 現代神学の父と呼ばれるスイスのプロテスタント神学者カール・バルト( Karl Barth 、1886年5月10日1968年12月10日)は、神は「死んだ犬」(ヘーゲルのこと)を通しても、ロシアの共産主義を通しても自らを啓示することができると強調した。私が信じるキリスト教の神が、女神像を通じて、副島氏に啓示を与えたのだと思う。

現代の危機から抜け出すために、読者が本書を最大限に活用していただけると私としては嬉しい。

本書を上梓するにあたっては、ビジネス社の小笠原豊樹氏、フリーランスの編集者水波康氏にたいへんにお世話になりました。どうもありがとうございます。

2025年10月15日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、

佐藤 優(さとうまさる)

=====

『人類を不幸にした 諸悪の根源 ──ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』目次

まえがき(佐藤 優) 2

第1章 世界覇権国アメリカの〝暴走〟―― トランプとイーロン・マスクの正体 13

■世界を変容させたトランプ 14

トランプは貧乏白人のために戦っている 14

トランプの思想はカルヴァン派そのもの 19

過渡期のエリートとしての役割 25

ヨーロッパ近代思想からの解放 28

■イーロン・マスクの正体 35

イーロン・マスクは国家偵察局の長官 35

叩き落とされたフチーノタワー 44

政府効率化省はディープステイトへの突撃隊 48

イーロン・マスクが狙った金融支配 54

■トランプ関税とドル覇権の崩壊 62

トランプ関税の読み解き方 62 アメリカはすでに国家破産している 68

迫りくるドル覇権の崩壊 73

第2章 人類を不幸にした諸悪の根源―― ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス 79

■ローマ・カトリックの大罪 80

人類にとっての諸悪の根源問題 80

新教皇レオ14世はなぜ選出されたのか 84

宗教改革の本質は「金儲けと女と寝ること」 90

ローマ教会と戦ったニーチェ 99

プロテスタントとカトリックは殺し合い 105

■日本を操った悪の帝国イギリス 111

大英帝国は裏切りを許さない 111

太平洋戦争もイギリスの策謀 117

イギリスが日本の天皇制を作った 124

一番のワルはオールコックだった 128

第3章  救済は本当にあるのか ―― 宗教と思想で語る善と悪 137

■救済はなかった ── 宗教改革と鎌倉仏教 138

善は民衆を救済しようとする意志 138

日蓮の「立正安国論」とカルヴァンの『キリスト教綱要』 143

カルヴァン派から外れていった会衆派がユニテリアンになった 149

人間に自由意志はあるのか 156

■戦後左翼と思想転向の善悪 163

思考の転向で噓はつくな 163

講座派と労農派の資本主義論争 165

世界保守に転じた川端康成 170

最大のスパイだった野坂参三 183

副島隆彦の新左翼内ゲバ抗争論 191

原水爆禁止運動の欺瞞 201

第4章  世界秩序の行方を読み解く ―― 新(しん)帝国主義の時代 209

■ヨーロッパの敗北と新世界秩序 210

世界はトランプの頭の中でできている 210

ヨーロッパの敗北 ── ロシア・ウクライナ戦争とイギリス 218

自力経済で潤うロシアの底力 224

価値観戦争が世界を破滅させる 229

キレイごとを言わない反リベラルの世界的潮流 236

■日本は新時代を生き延びる 244

日本のインテリジェンス能力は高い 244

日本外交の基本はアメリカと戦争しないこと 249

日本メディアが担う欧米のプロパガンダ 254

天才を生む日本という国 260

あとがき(副島隆彦) 268

=====

あとがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

この本は佐藤優氏と私の9冊目の対談本である。

前の本は、ウクライナ戦争が始まって、欧米の策(さく)にまんまと嵌(は)められて悶(もだ)え苦しんでいたロシアを冷静に見つめながら2人で議論した『欧米の謀略を打ち破り よみがえるロシア帝国』(ビジネス社、2022年10月刊)であった。あれからまた3年が経(た)った。

今回は、私は息せき切って、佐藤氏に自分の思いの丈(たけ)(考え詰めていたこと)を無遠慮にぶちまけるように話した。おそらく対談時間の8割ぐらいを私が延々(えんえん)とひとり占めして話した。佐藤氏は聞く一方(いっぽう)に徹して我慢強く私の話につき合ってくれました。それで出来上がったのがこの本だ。

私は「佐藤さん以外には、私の言うことをそのまま理解してくれる人はいない。だから話

します。これが私の人生の結論です。72年生きて来て、自分で到達した結論です。この考えを私はもう死ぬまで変えません」と話し始めた。

私がいつも言って(書いて)いることの繰り返し(重複[ちょうふく])も入っている。しかしおそらく、対談でなければ咄嗟(とっさ)の吐露(とろ)である新たな思考は出て来ない。私は佐藤優氏と話すことで自分が大きく前進できた、と感じた。この本の中には、自分で言うのも何だが、大量の新発見が書かれている。

たった一冊の本にこれほどの量の新(しん)知識と新(しん)情報を載せていいのか、と私が心配になる。読者諸氏が消化不良を起こさないことを祈ります。

この本を編(あ)むために、水波ブックスの水波康氏と、担当編集者の小笠原豊樹氏に懇切丁寧な下拵(したごしら)えをしてもらった。記して感謝します。

2025年10月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体


jinruiwofukounishitashoakunokongen001
『人類を不幸にした諸悪の根源 ローマ・カトリックと悪の帝国イギリス』
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 今回は、最新刊『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』(ビジネス社)をご紹介します。発売日は2025年11月21日です。今回のテーマは「新・軍産複合体」です。これまでの著作で取り上げてきた「新・軍産複合体」に絞っての単著となります。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしています。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されています。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てきます。活用いただければ幸いです。

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

(貼り付けはじめ)

まえがき 古村治彦

■トランプ大統領に振り回される世界

ドナルド・トランプ Donald Trump(一九四六年生まれ、七九歳)は、二〇二四年のアメリカ大統領選挙で勝利し、二〇二五年一月二〇日に政権に返り咲いた。現職大統領が選挙で敗北し、その後、再び当選して大統領に復帰したというのは、アメリカ史上、一三二年ぶりの重大な出来事となった。

 第二次政権発足後のトランプは、就任初日から次々と大統領令を発し、不法移民の摘発の厳格化や行政機関の削減、更には高関税政策を次々と実行に移した。大統領選挙でトランプ陣営に多額の寄付を行い、側近となったイーロン・マスク率いる政府効率化省Department of Government Efficiency(デパートメント・オブ・ガヴァメント・エフィシエンシィ)、DOGE(ドージ)が各政府機関に乗り込んで、調査を行い、数千人の政府職員を解雇した。このことは日本でも詳しく報道された。

 トランプの電光石火(でんこうせっか)の動きに、アメリカ国内、そして世界が振り回されることになった。トランプ大統領と良好な関係にあったイーロン・マスクは二〇二五年五月に政府効率化省から離れ、更には、予算案をめぐり、トランプと対立するようになった。マスクは更に、新しい政党「アメリカ党 American Party(アメリカン・パーティー)」の立ち上げを画策している。

日本関連で言えば、二〇二五年四月のトランプ関税 Trump Tariff(タリフ)のショックがあったが、日本政府の粘り腰の交渉で、関税を引き下げることに成功した。

■「エプスタイン問題」が今後のトランプのアキレス腱となる

 二〇二五年七月に入ってから、トランプ政権にとってアキレス腱となり得る事案が話題

を集めている。

 それは、ジェフリー・エプスタイン Jeffrey Epstein(一九五三〜二〇一九年、六六歳で没)の起こした児童買春事件に関するファイルを公開するかどうかの問題だった。トランプが二〇二四年の大統領選挙で公開を約束した、エプスタイン事件ファイル、特に「顧客リスト」の機密解除の後の公開が焦点となった。二〇二五年七月六日に、司法省は、ファイルは存在せず、エプスタインは自殺だったと発表した。

 これに対して、トランプを支持した勢力、MAGA[マガ]Make America Great Again[メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン])派と呼ばれる人々から激しい批判の声が上がっている。(註1)トランプの名前が顧客リストに掲載されていたために、ファイルの公開が見送られたと誰もが考えた。

トランプは批判を強めるMAGA派の人々に対して、「弱虫 weaklings(ウィークリングス)」「お前たちの支持はいらない」と激しく非難した。MAGA派からすれば、顧客リストの公開なしはトランプの卑劣な「裏切り betrayal(ベトレイヤル)」にほかならない。二〇二五年二月に、パム・ボンディPam Bondi(一九六五年生まれ、五九歳)司法長官 Attorney General(アトーネイ・ジェネラル)が、エプスタインのファイルにトランプの名前が出てくることを報告しており、そのために公開しないという決定がなされたとされており、対応をめぐって共和党内部にも分裂が起きている。

 エプスタイン事件への対応が取り沙汰されるようになって、トランプの動きがおかしくなった、そして、イーロン・マスクとの関係悪化につながったと私は判断している。トランプとイーロン・マスクの仲違いが表面化した際に、マスクはXへの投稿で、「ドナルド・トランプは、エプスタイン・ファイルに載っている。これこそが書類が公開されない真の理由だ(Donald Trump is in the Epstein files. That is the real reason they have not been

made public.)」と書いている(後に謝罪した)。

 政府効率化省を率いて、連邦政府各機関の調査を行ったイーロン・マスクは自身が抱える天才ハッカー集団を総動員して、各機関のコンピュータを調査し、様々な情報を入手したであろうことは間違いないので、マスクのXへの投稿には信憑性が高いと私は考えている。

 そうなると、トランプは自分の支持者たちを裏切ったということになる。そして、トランプは既存勢力、MAGA派が敵視するディープステイト側に寝返ったということになる。

■アメリカをこれまで動かしてきた軍産複合体

 本書は、現下のトランプ政権をめぐる激しい動きではなく、その下にある、より大きな動きについて見ていく。そのためのキーワードとなるのが「軍産複合体(ぐんさんふくごうたい)Military-Industrial Complex(ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)、MIC(エムアイシー)」という言葉だ。

 この「軍産複合体」という言葉について簡単に説明すると、軍需産業 defense industry(ディフェンス・インダストリー)と軍隊・政府機関が密接に結びつく、互恵(ごけい)的な reciprocal(レシプロカル)連合体ということになる。

 民間企業である軍需産業が、政府の一部門で多くの予算と多数の人員を抱える軍隊と結びついて、お互いの利益となる、予算獲得や予算そのものの拡大のために、協力して影響力を行使するということになる。

 アメリカで見てみると、軍産複合体には、民間の軍需産業や軍隊だけではなく、米連邦議会 Congress(コングレス)や学術界などの社会各層も入っているとも解釈されている。広範囲にわたる連合体ということになる。

 アメリカの巨大軍需産業の代表的な企業としては、①ロッキード・マーティン社Lockheed Martinボーイング社 BoeingRTXコーポレーション社 RTX Corporationノースロップ・グラマン社 Northrop Grummanゼネラル・ダイナミクス社 General Dynamicsなどの名前が挙げられる。

 RTX社は旧名がレイセオン・テクノロジーズ社であり、レイセオン・テクノロジーズ社は元々レイセオンとユナイテッド・テクノロジーズ社が合併した巨大企業で、レイセオンという名前の方が良く知られている。

 この五大巨大軍需産業は、国防総省(註2)やアメリカ軍の主要な契約(請負)企業contractors(コントラクターズ)であり、「プライム primes」と呼ばれ、優遇されてきた。

 ロッキード・マーティン社は、戦闘機、ミサイル、艦船、人工衛星などを製造し、二〇二四年の売上は約七一〇億ドル(約一〇兆五〇〇億円)、二〇二五年八月の時価総額は約一〇四五億ドル(約一五兆二〇〇〇億円)だ。

 ボーイング社は民間航空機製造でも知られているが、爆撃機やミサイル、宇宙開発の分野にも進出しており、二〇二四年の売上は、約六六五億ドル(約九兆八〇〇〇億円)、二〇二五年八月の時価総額は約一七一六億ドル(約二四兆九〇〇〇億円)だ。

 RTXコーポレーション社は、航空エンジン、機体、ミサイル、防空システムなどのメーカーで、二〇二四年の売上は、約八〇七億ドル(約一一兆七〇〇〇億円)、二〇二五年八月の時価総額は約二〇九二億ドル(約三〇兆三〇〇〇億円)だ。

 ノースロップ・グラマン社は、戦闘機、人工衛星、ミサイルなどを製造し、二〇二四年の売上は約四一〇億ドル(約六兆円)、二〇二五年八月の時価総額は約八四〇億ドル(約一二兆二〇〇〇億円)だ。

 ゼネラル・ダイナミクス社は、造船や宇宙開発、情報機器に強いメーカーで、二〇二四

年の売上は約四八〇億ドル(約七兆円)、二〇二五年八月の時価総額は約八六〇億ドル(約一二兆五〇〇〇億円)だ。

 他にも軍需産業には多くの企業があるが、これらの巨大軍需企業は、アメリカ国防総省

Department of Defense(デパートメント・オブ・ディフェンス)の元請(もとうけ)契約業者 prime contractors(プライム・コントラクターズ)として優遇され、国防予算から巨額の利益を上げてきた。

 日本経済新聞二〇二四年八月二日付記事「米欧防衛8社、紛争特需で増産投資 時価総額五年で倍増」では、「ロシアのウクライナ侵略や中東情勢の緊迫で、弾薬やミサイルを増産している。好業績を受け、これまで防衛銘柄を敬遠していた投資マネーも流入している」と書かれている。ウクライナ戦争や中東での紛争で、巨大軍事産業は莫大な利益を上げ、それは今も続いているということだ。戦争は彼らにとっての「飯(めし)のタネ」ということになる。

■軍産複合体には都合が悪い「アメリカ・ファースト」

ドナルド・トランプ大統領は、こうした軍需産業に対して、大統領選挙を通じて拒否反応を示していた。

 トランプは昨年(二〇二四年)の大統領選挙の運動期間中、九月のウィスコンシン州での選挙集会で本書のテーマの核心となることについて発言した。『フォーブス』誌二〇二四年九月一三日付記事「ドナルド・トランプは軍産複合体を抑制できるか?(Will Donald Trump Tame the Military-Industrial Complex?)」で、トランプの重要な発言が紹介されて

いる。以下に引用する。

(引用はじめ)

私は好戦主義者たち warmongers(ウォーモンガーズ)を追放するだろう。常に戦争をしたがっている連中がいる。それはなぜか? ミサイルは一発で二〇〇万ドルもする。これが答えだ。彼らは世界中の至る所にミサイルを落とすのが大好きだ。私の(前の)政権の時には戦争などなかった。……私は好戦主義者たちを国家安全保障分野から追放し、必要とされてきた軍産複合体の一掃を実行する。戦争を利用しての利益追求を止め、常にアメリカ・ファースト America first を推進するためだ。私たちはアメリカ国内問題解決を第一に考える。私たちは終わりのない戦争に終止符を打つ。軍産複合体の人々は、終わりのない戦争を決して終わらせることはない。(翻訳は引用者)

(引用終わり)

 この記事で私は「好戦主義者」と翻訳したが、これは「戦争屋(せんそうや)」と言い換えても良いだろう。

 トランプは、巨大軍事産業が金儲けのために、戦争を引き起こしている、戦争の元凶(げんきょう)だと喝破[かっぱ](堂々と論じて人々が隠したがる真理を明らかにすること)している。ウクライナ戦争の即時停戦とウクライナへの支援の停止も同時に訴えていた。トランプは、好戦主義者・戦争屋たちを排除して、アメリカが戦争に巻き込まれないようにすると訴えた。そして、大統領に返り咲いた。

 ドナルド・トランプはこれまで一貫して、「アメリカ・ファースト America First」を訴えてきた。

「アメリカ・ファースト」は、「アメリカが何でも一番だぞ」という単純な、子供じみた優越感を示した言葉ではない。その真意を含んで正確に日本語に訳すと、「アメリカ国内問題解決優先主義」ということになる。アメリカ国内では、経済格差の拡大やインフラの老朽化といった問題が深刻化している。そういった問題の解決を優先しようという考え方

である。

 国内重視姿勢であり、海外の問題をアメリカが出しゃばって解決しようとするのは止めよう(ほとんどの場合、アメリカは失敗してきた)、外国の問題解決は外国がすればよいという考えだ。このような考え方を「アイソレイショニズム Isolationism」という。アメリカ外交にとって、建国以来の重要な伝統だ。アイソレイショニズムを「孤立(こりつ)主義」と訳すのは間違いだ。世界の大国であるアメリカが、世界から孤立すること自体があり得ないことだ。このように訳すと、実態を見誤ってしまう。

 トランプはこの伝統に回帰することを訴えた。そして、多くのアメリカ国民がそれを支持した。しかし現状は、ウクライナへの支援は継続し、トランプが進めた「大きく美しい一つの法案」(One Big Beautiful Bill Act(ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル・アクト) of 2025OBBBA 2025)では、防衛予算は前年比で増額となった。

■新たな軍産複合体がすでに形成されつつある

 私は、前作『トランプの電撃作戦』(秀和システム、二〇二五年)において、「ペイパル・マフィア Paypal Mafia」の総帥(そうすい)にして、シリコンヴァレーの新興テック産業の多くの操業に関わってきたピーター・ティール Peter Thiel(一九六七年生まれ、五八歳)が、トランプ政権の樹立に大きく貢献したことを明らかにした。そして、ティールと、イーロン・マスク Elon Musk(一九七一年生まれ、五四歳)が新・軍産複合体 Neo Military Industrial Complex(ネオ・ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)づくりを行っていると分析した。

 現在のアメリカ経済において、シリコンヴァレー発のテック産業が大きな存在となっている。その代表が、GAFA(ガーファ)と呼ばれる巨大テック企業である。グーグル社 Google、アップル社 AppleFacebook(現在はメタ社 Meta)、アマゾン社 Amazonは売上、時価総額ともに世界トップ一〇を占めている。これら以外にもテック産業は成長を続けて、アメリカの経済や社会において存在感を増している。

 二〇二五年一月一五日、ジョー・バイデン Joe Biden(一九四二年生まれ、八二歳)前大統領は、退任演説 Farewell Address(フェラウェル・アドレス)において、軍産複合体に言及した。以下の該当部分を引用する。

(引用はじめ)

ご存知のように、アイゼンハワー大統領は退任演説で軍産複合体(ぐんさんふくごうたい)military-industrial complexの危険性について言及した。演説から引用すると、彼は当時、私たちに「誤った権力の破滅的な台頭の可能性(the potential for the disastrous rise of misplaced power)」について警告した。

 六日後(言い間違い)、いや六〇年後、私はアイゼンハワー大統領と同様に、我が国に真の危険をもたらす可能性のあるテック産業複合体 tech-industrial complex(テック・インダストリアル・コンプレックス)の台頭を懸念している。

 アメリカ国民は、権力の濫用を助長する偽情報 misinformation(ミスインフォメーション)と虚偽 disinformation(ディスインフォメーション)の雪崩(なだれ)に埋もれつつある。報道の自由 free press(フリー・プレス)は崩壊しつつある。編集者は姿を消しつつある。ソーシャルメディアはファクトチェックを放棄している。真実は、権力と利益のために語られる噓によって覆い隠されている。

 私たちは、子供たち、家族、そして民主政治体制 democracy(デモクラシー)そのものを権力の濫用から守るために、ソーシャルプラットフォームに責任を負わせなければならない。(翻訳は引用者)

(引用終わり)

 バイデン前大統領は、ドワイト・アイゼンハワー Dwight D. Eisenhower(一八九〇〜一九六九年、七八歳で没 在任:一九五三│一九六一年)元大統領の退任演説(本書第二章で詳しく見る)を意識して、アイゼンハワーが使ったことで注目されるようになった軍産複合体を意識して、「テック産業複合体」という言葉を使い、その存在に警告を発している。

 巨大テック産業が政治や社会、人々の日常生活に過度な影響力を持つことを懸念し、警鐘を鳴らしている。

 シリコンヴァレー発の巨大テック産業の重要人物たちのほとんどは、民主党支持で、二〇二〇年の大統領選挙ではジョー・バイデン(大統領在任:二〇二一│二〇二五年)を、二〇二四年ではカマラ・ハリス Kamala Harris(一九六四年生まれ、六〇歳)を支援した。バイデンは、独占禁止法を盾にして巨大テック産業の影響力の削減を行おうとしたが、中途

半端に終わった。

 二〇二四年の大統領選挙後、シリコンヴァレーの巨大テック産業は軒並み、トランプ支持を表明し、二〇二五年一月の大統領就任式に多額の献金を行い、CEOたちがばつが悪そうな顔をして就任式に出席した。バイデンとしては、テック産業の手のひら返しを許せないということもあって、恨み節として「テック産業複合体」という言葉が出てきたのだろう。しかし、バイデンが指摘するように、テック産業は様々な場面で、影響力を増しているのも事実だ。

■「米中戦争」の主役は双方の新・軍産複合体が担う

私はトランプが批判した軍産複合体と、バイデンが批判したテック産業が交わる領域についてこれから書いていく。

より具体的には、これまでの著作でも触れてきたが、「新・軍産複合体」づくりだ。

 より具体的には、シリコンヴァレーで、第一次トランプ政権誕生に大きく貢献したピーター・ティール、第二次トランプ政権誕生に貢献したイーロン・マスク、ティールが引き立てたシリコンヴァレーの天才児パルマー・ラッキー Palmer Luckey(一九九二年生まれ、三三歳)が軍産複合体に食い込もうとしていることを詳述していく。

更に、これまでの軍産複合体について、新旧の軍産複合体の違い、ティールたちに影響を与えている思想の新潮流、中国の軍産複合体、軍産複合体の変化を前提にした米中関係の予測について見ていく。

本書の構成を簡単に紹介する。

 第一章では、シリコンヴァレーのテック産業が、新しい軍産複合体づくりを行っている様子を人物と人脈を手掛かりにして見ていく。具体的には、ドナルド・トランプの政権獲得に貢献し、大きな影響力を持つ、ピーター・ティール、イーロン・マスク、そして、ティールの庇護の下で成功を収めたパルマー・ラッキーといった、シリコンヴァレー発のテック産業の大立者(おおだてもの)たちが、自分たちの所有するパランティア・テクノロジーズ社 Palantir Technologies、スペースX社 Space X、アンドゥリル・インダストリーズ社 Anduril

Industriesが国防総省とアメリカ軍との大規模な契約を結ぶことを目指している。第二次トランプ政権の軍事関係の人事についても見ていく。

 第二章では、戦後アメリカの軍産複合体の歴史を概観している。主に、第二次世界大戦後の冷戦がスタートした時期から軍産複合体は大きな影響力を行使してきた。第二次世界大戦後もアメリカは多くの戦争を戦ってきた。アメリカの戦争において重要な役割を果たしてきた軍産複合体の成り立ちや役割について、ニューヨーク財界人が作った「現在の危機委員会」や、アメリカの介入主義の思想潮流であるネオコン派の人物たちの名前を挙げて詳述する。

 第三章では、古くからの軍産複合体と新・軍産複合体の違いについて見ていく。二つの間にある大きな違いは、ビジネスモデルの違いと、底流にある思想の違いである。ビジネスモデルの違いで大きいのは、私たちにとってもなじみ深い言葉「サブスク」である。底流にある思想に関しては、古くからの軍産複合体の基底にあるのは介入主義(かいにゅうしゅぎ)であり、新・軍産複合体の場合は暗黒啓蒙(あんこくけいもう)である。これらを詳述し、二つの間の違いを明確化する。

第四章では、アメリカの新しい軍産複合体づくりが国際関係に与える影響について考える。現在、国際関係における最重要のファクターは、米中関係 US -China relations(ユーエス・チャイナ・リレイションズ)である。より具体的に言えば、「米中戦争は起きるのか」ということが重要なテーマになる。

 まず、中国における軍産複合体の形成について見ていく。習近平政権下、中国は軍の近代化を進めており、そのための中心戦略が「軍民融合(ぐんみんゆうごう)」であり、習近平は二〇二三年からの国家主席三期目の中国共産党指導部人事で「軍工航天系(ぐんこうこうてんけい)」のテクノクラートたちを登用していることを紹介する。

 続けて、ピーター・ティール、イーロン・マスク、パルマー・ラッキーの対中観について、そして、暗黒啓蒙の中にある「中華未来主義(ちゅうかみらいしゅぎ)」について見ていく。そして、アメリカの軍産複合体の「変容 transformation(トランスフォーメイション)」によって、米中関係も変化していくだろうということを結論づける。

 本書を通じて、アメリカ政治の表面に出てこないが、確かなそして大きな動きについて、読者の皆さんに理解を深めていただけることを願っている。

二〇二五年九月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

【註】

註1 『ロイター通信』二〇二五年七月三〇日付記事「情報BOX:「エプスタイン問題」とは何か、未公開文書巡りトランプ氏と支持層に亀裂も」

註2 二〇二五年九月に戦争省 United States Department of Warに改名

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『シリコンヴァレーから世界支配を狙う 新・軍産複合体の正体』 目次

まえがき

トランプ大統領に振り回される世界 3

「エプスタイン問題」が今後のトランプのアキレス腱となる 4

アメリカをこれまで動かしてきた軍産複合体 6

軍産複合体には都合が悪い「アメリカ・ファースト」 9

新たな軍産複合体がすでに形成されつつある 11

「米中戦争」の主役は双方の新・軍産複合体が担う 14

新旧・軍産複合体の人脈関連図と関係企業

新・軍産複合体の人脈図(1):トランプ政権 26

新・軍産複合体の人脈図(2):ウエストエグゼク社 28

これまでの軍産複合体の人脈の歴史(1):第一次「現在の危機委員会」まで 30

これまでの軍産複合体の人脈の歴史(2):第二次「現在の危機委員会」まで 32

これまでの軍産複合体の人脈の歴史(3):ジョージ・W・ブッシュ政権とネオコン 34

新旧軍産複合体企業 36

第1章 アメリカで新しい軍産複合体が出現しつつある

ミッシェル・フロノイというキーパーソンの浮上 40

バイデン政権と濃密につながるウエストエグゼク社 41新・軍産複合体づくりの動きが見えてきた 44

新・軍産複合体の中心人物ピーター・ティール 46

反福祉、反税金、反中央政府の自由至上主義者(リバータリアン)ンたち 51

政界ネットワークを着々と拡大するティール 53

ビン・ラディンの発見と殺害で政府機関の信用を得る 55

第二次トランプ政権の「台風の目」となっていたイーロン・マスク 57

アメリカにとって不可欠の存在にわずか二〇年で成長したスペースX社 61

ティールに育てられた「シリコンヴァレーの異端児」パルマー・ラッキー 63

アンドゥリル社は新時代の軍需企業として台頭 67

ピーター・ティールが見出して、育てたJ・D・ヴァンス 70

防衛関係のスタートアップに投資するスティーヴン・フェインバーグ 75

「アジア・ファースト」軍事戦略を目論むエルブリッジ・コルビー 80

陸軍の文民トップには新・軍産複合体寄りの二人が就任した 84

トロイ・メインク空軍長官はイーロン・マスクと昵懇の中 90

第二次トランプ政権は新・軍産複合体づくりを支援する 92

第2章 二〇世紀は軍産複合体の世紀だった

「アメリカの世紀」は戦争によって築かれた 96

世界最強の軍隊を支える軍産複合体 98

軍産複合体の脅威を警告したドワイト・アイゼンハワー大統領 101

「現在の危機委員会」は米国民が軍拡を受け入れるように仕向けた 106

軍産複合体の生みの親であるバーナード・バルーク 112

財界人にとって安全な投資先となった軍需産業 114

第二次「現在の危機委員会」の創設がレーガン政権につながった 118

ネオコンや人道的介入主義派の源流となったヘンリー・ジャクソン 123

ジョージ・W・ブッシュ政権を牛耳ったネオコンは軍産複合体そのものだった 126

二一世紀になっても米国民を煽っている「現在の危機委員会」 132

二〇世紀で作り上げられた軍産複合体は二一世紀で変容する 137

第3章 新・軍産複合体は旧来と何が違うか

防衛システムのサブスクリプション契約を目論む 142

基盤となる思想も新旧大いに異なる 145

古くからの軍産複合体のビジネスモデルは「お手盛り」でコスト軽視 146

一致団結して国防予算削減を妨げる者たち 149

イーロン・マスクが政府効率化省を率いた理由 151

新たなミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」導入が大きなチャンス 154

時代遅れの巨大軍需産業に取って代わるシリコンヴァレーのテック産業 157

「サブスク」でアメリカ軍をコントロールする新・軍産複合体 162

ウクライナ戦争で核戦争の危機を回避したイーロン・マスク 165

トランプは旧・軍産複合体にも利益を与える方向に転換した 169

トランプとマスクとの仲違いが新・軍産複合体づくりに影響 172

古くからの軍産複合体の思想の基盤は介入主義だ 176

ピーター・ティールが影響を受ける新しい思想潮流「暗黒啓蒙」 178

暗黒啓蒙の思想家カーティス・ヤーヴィン 181

ディープステイトと非ディープステイトの対立構図が浮かび上がる 186

第4章 新しい軍産複合体の台頭で米中関係はこうなる

アメリカが煽り立てる中国脅威論のおかしさ 192

「アメリカ以後の世界」へと歴史は流れている 196

戦争を必要としない新・軍産複合体と米中関係 198

中国の軍民融合はアメリカの軍産複合体と同様の機能を持つ 202

習近平体制三期目のキーワードは「軍工航天系」で、軍民融合を進める 206

中国の軍産複合体幹部が異例の昇進 212

最先端技術の軍への応用を可能にする人事 215

ピーター・ティールは中国に対して批判的だが理想は中国の体制のはずだ 219

中国に恩義があるイーロン・マスクが中国を敵視する理由がない 224

アメリカは世界の警察官をやめるべきと主張するパルマー・ラッキー 226

ニック・ランドが生み出した中華未来主義が重要だ 228

新・軍産複合体が米中衝突を望むことはない 233

新・軍産複合体の後ろ盾があるJ・D・ヴァンス副大統領がトランプの後継者 238

あとがき 243

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あとがき 古村治彦

「西洋 the Westの衰退と非西洋 the Rest の再興」は私の大きなテーマである。フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、「西洋の敗北 the Defeat of the West(ザ・デヒィート・オブ・ザ・ウエスト)、La défaite de l’Occident(ラ・ディフェツ・ドゥ・ロクスィダン)」という言葉を使っている。

 世界は今、大きな構造変化の時期を迎えている。西洋近代支配五〇〇年が終わり、非西洋諸国がBRICSを中心にして勃興(再興)しようとしている。

世界覇権は中国に移る。現在の日本の衰退は、世界規模で位置づければ、西洋の衰退という大きな流れの中で起きている現象ということになる。私たちはこのことをまずしっかりと認識しなければならない。

 アメリカ国内に目を向けると、アメリカの国力の減退はもう覆(おお)い隠(かく)せない状況になっている。アメリカは世界覇権国として、第二次世界大戦後の世界を支配してきたが、その世界支配を続けられなくなっている。その象徴がドナルド・トランプ大統領の誕生だ。

 トランプは、戦後のアメリカ支配体制を終わらせるために、時代の要請によって生み出された。世界帝国アメリカの墓堀り人 gravedigger(グレイヴディガー)である。私はそのように判断している。

 トランプ大統領誕生には、本書の主人公であるピーター・ティールとイーロン・マスクが大きく貢献した。彼らが目指しているのが、「新・軍産複合体」である。

 私は、本書を通じて、アメリカ政治の大きな流れである「新・軍産複合体」づくりについて詳述した。ティールやマスク、そして、パルマー・ラッキーは、これからのアメリカ政治において、「影の大統領」とも言うべき、政商 influence peddlers(インフルエンス・ペドラーズ)となるだろう。アメリカ史に引き付けて言えば、二一世紀の「泥棒男爵 robber barons(ロバー・バロンズ)」ということになる。

「新・軍産複合体は中国を敵視しない、戦争を必要としない軍産複合体となる」という私の主張は、突飛に聞こえるかもしれない。私の主張に説得力があるかどうかは、読者の皆様の評価を俟(ま)ちたい。

ドナルド・トランプ大統領は、第二次政権が始まった当初、様々な政策を行い、期待通りの動きを見せた。しかし、その後は、既存の勢力、ディープステイト側に妥協しているように見える。エプスタイン問題でも、ウクライナ停戦でも、昨年の選挙期間に行った自身の主張から大きく後退している。既存勢力に媚びを売り、何とか四年間の任期を無事に終えようという意図が透(す)けて見える。しかし、アメリカの衰退、アメリカ国内の分裂 division(ディヴィジョン)を止めることは不可能だ。大きな流れは誰にも止められない。

 本書の執筆中、日本では、石破茂総理大臣の退陣表明があった(二〇二五年九月七日)。そして、一〇月四日に自民党総裁選挙の投開票が行われ、最終的に高市早苗が新総裁に選ばれた。公明党の連立与党離脱で日本政界に激震が走った。これから連立与党の枠組みの変更と総理指名に向けて、協議が行われることになる。

 石破首相はアメリカに隷属的に盲従することなく、是々非々(ぜぜひひ)で事態に対応した。国防予算の対GDP比三・五%引き上げ要求を拒絶し、日米の外相と国務長官、防衛相と国防長官が会合を行う「2+2」の開催を見送ったことは本文の中で紹介した。

 石破政権は在任期間こそ短かったが、石破政権の業績を後世の歴史家が高く評価するだろう。世界の大きな構造転換に直面する日本で、石破茂というリーダーが誕生したことは倖(ぎょうこう)だった。対米隷属(れいぞく)路線からの小さな軌道修し正(きどうしゅうせい)が将来に大きな違いを生み出すと私は確信している。

 最後に、師である副島隆彦(そえじまたかひこ)先生には推薦の言葉をいただきました。ありがとうございます。本書の執筆にあたり、フリーの編集者の大久保龍也氏、ビジネス社の中澤直樹氏には企画の段階から大変お世話になりました。特に大久保氏には、私のデビュー作、二作目を担当していただいて以来、久しぶりにタッグを組むことができたことは、私にとって光栄なことでした。記して感謝します。

二〇二五年一〇月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体


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