古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

カテゴリ: 本の紹介

 古村治彦です。

 月刊誌『ザ・フナイ』誌2026年10月号から「オピニオン」欄に10回の予定で文章を連載いたします。アメリカ政治と国際政治について掲載します。今月は「分断」をキーワードに文章を書きました。師である副島隆彦先生が長く連載を持っておられ、毎月文章を掲載しています。私の文章だけでは当然高く感じてしまうと思いますが、先生の記事も合わせてということで、是非手に取ってお読みください。

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ザ・フナイ vol.228(2026年10月号)
※『ザ・フナイ』2026年10月号に掲載された新刊の宣伝を掲載します↓
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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

 『ザ・フナイ』2026年7月号はアメリカ建国250周年記念ということで、私の文章を掲載していただきました。イラン戦争開戦に関する文章を書きました。まだ販売中ですので、是非お読みいただければ幸いです。

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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 よろしくお願い申し上げます。

(終わり)

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 佐藤優・古村治彦著『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』(ビジネス社)が発売になります。発売日は2026年9月1日です。

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』←クリックするとアマゾンのページに移動します

 『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』は佐藤先生との2冊目の対談だ。今回の対談はイラン戦争開戦後に行われ、イラン戦争、米中首脳会談、高市早苗政権について分析を行った。その中で、私たちは「宗教」や「使命感」といったアプローチの重要性について話した。今回の対談は非常に内容の濃い内容となっている。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき   佐藤優(さとうまさる)

 ロシア・ウクライナ戦争と米イラン戦争によって、世界は新しい時代に入った。1991年12月のソ連崩壊後、アメリカを中心とする民主主義、人権、市場経済などの価値観を基準とする外交は過去の時代のものとなった。これに代わって、力の均衡を原理とするリアリズム(現実主義)外交が主流を占めるようになった。

 実は、この変化に日本外交は、西側諸国の中では適切に対応している。ロシア・ウクライナ戦争に関し、日本は政治的にウクライナを支持しているが、ロシアからLNG(液化天然ガス)を輸入し続けている。ウクライナに殺傷能力を持つ装備品を供与していないG7(日米英仏独伊加)中唯一の国だ。米イラン戦争に関し、日本はアメリカを支持しているが、イランとも比較的良好な関係を維持し、日本のタンカーがホルムズ海峡を通過することを革命防衛隊が認めている。

 このような外交を展開できているのは、日本のインテリジェンス能力が高いからだ。具体的には、国家情報局(2026年7月31日、内閣情報調査室を改組・格上げ)の情報収集と分析の能力が高いからだ。インテリジェンスの要は近未来情勢分析にある。政策とインテリジェンスは分離されている。同時に、国家情報局が首相に示した近未来情勢分析の枠組みから外れる政策を採用しても、それが成果を出す可能性は低い。外交には立場がある。日本の場合、日米同盟は、いわば数学でいう公理系を形成しており、その前提を崩すような政策を日本が取ることはできない。この制約条件を無視した外交は、評論家や学者が行う頭の体操ならばともかく、政治家や職業外交官としては無責任だ。アメリカの基本的立場と国際政治のリアリズムの間で均衡点を見いだすのが、国家を担う政治指導者の責任なのである。

 日本のインテリジェンスが比較的成果を出しているのには、私が見るところ、二つの要因がある。第一は、価値観ではなく、現実の力関係に基づいて情勢を分析するリアリズムだ。第二は、各国の指導者が持つ内在的論理を尊重することだ。国家指導者には、さまざまな性格の人がいる。合理性を重視する人もいれば、感情的な人もいる。さらに、それぞれの国家を成り立たせている基本原理がある。

 現在、国際政治の主要なプレイヤーになっているのは、トランプ米大統領、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、ネタニヤフ・イスラエル首相、モジタバ・ハメネイ・イラン最高指導者、金正恩・朝鮮労働党総書記らだが、本書ではこのうち一神教文明(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)に属するトランプ、プーチン、ネタニヤフ、モジタバを扱った。程度の差はあれ、ヨーロッパ、北アメリカ、日本では、宗教が人間の行動規範ではなくなる世俗化が進んでいる。しかし、ストレートに信仰と政治を一体化させているモジタバだけでなく、一見すると世俗化されたように見えるが、その背後で宗教的な超越性が強く表れているトランプ、ネタニヤフ、プーチンの内在的論理を解明することに本書では力を入れた。

本対談に丁寧にお付き合いいただいた古村治彦氏に深甚なる謝意を表します。また、本書の刊行にあたっては、ビジネス社の小笠原豊樹氏、フリーランスの編集者兼ライターの水波康氏に多大なお力添えをいただきました。心より御礼申し上げます。

2026年7月31日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、

佐藤優(さとうまさる)

=====

世界は「宗教戦争」に突入した「神に選ばれた」支配者の使命と論理目 次

まえがき(佐藤 優) 2

第1章 世界は「宗教戦争」に突入した──イラン戦争の〝合理〟を超える〝使命〟 11

■トランプはなぜイラン攻撃を決断したのか 12

ホルムズ海峡封鎖で世界は一変した 12

ネタニヤフのプレゼンテーション 18

「対ナチス戦」に転換したトランプ 23

崩壊した「軍事大国イラン」という神話 27

イランが狙うパキスタンの核 32

■神に選ばれた確信と使命 38

死者との連帯を強調したモジタバ・ハメネイ 38

トランプ版聖書が意味するもの 45

ネタニヤフが担う「ユダヤ民族存続」の使命 51 対立する「神に選ばれた確信」 58

■始まった21世紀の宗教戦争 63

トッドの「宗教ゼロ」は当てはまらない 63

目に見えない価値観の闘いがイラン戦争の本質 67

第2章 トランプは変節していない──宗教で読み解く「支配者の論理」 71

■トランプはなぜ止められないのか 72

トランプの政権基盤は揺らいでいない 72

第3次世界大戦を阻止したトランプ 84

トランプの「ダークトライアド」と「理性の狡知」 89

トランプは神の召命に逆らえない 94

■メディアが報じないイランの脅威 98

イランは特殊なイデオロギーの国 98

47年間続くアメリカとの戦争 103

モジタバ・ハメネイの危険な意思決定 110

トランプが放棄したオバマの核合意 114

■クリスチャン・シオニズムの謎を解く 118

『エクソダス』が変えたアメリカ人のユダヤ観 118

終末論が生んだ親イスラエル思想 123

イスラエルはなぜ戦い続けるのか 127

第3章 世界は敗北していない──「西洋の敗北」から米中ロ3極体制へ 131

■台湾カードを握る中国 132

米中首脳会談の基本は協商関係 132

米中は対等な関係となった 138

台湾カードを握る中国 145

■アメリカはなぜ敗北し続けるのか 149

見えてきたアメリカの限界 149

アメリカの国力が落ちている理由 156

イラン戦争はアメリカにとっての世界最終戦になるはずだった 163

■米中ロ世界3極体制の出現 168

ウクライナ戦争が独ロ戦になる怖さ 168

アメリカを側面から支援したロシア 172

世界は米中ロの3極体制となる 179

第4章 大変革する世界、日本の選択──高市戦略は国益にかなうか 185

■高市政権と孤立する日本の危機 186 高市政権が持つ「偽物の強さ」 186

協商は同盟を壊す ── 日本だけが気づかない米中協商 192

日本が行う「周回遅れの喧嘩外交」 195

日本外交は無能ではない 200

ホルムズ危機が直撃する日本 205

日本が米中共通の敵とされる危険性 209

■世界と日本は連動している 216

明の成立と南北朝の動乱 216

トルデシリャス条約と「徳川の平和」 221

アヘン戦争と天皇親政 226

■世界の大変革に日本はどう立ち向かうか 230

メディアや国民は日本の危機を理解できていない 230

「本を読まない人」にお金が集まる時代 235

反・新自由主義が日本の生き残り策 240

あとがき(古村治彦) 245

=====

あとがき                 古村治彦(ふるむらはるひこ)

 本書は、佐藤優先生との2冊目の対談本である。現代の日本を代表する知識人である佐藤先生との対談の機会をいただけることは私にとって光栄なことだ。また、絶好の挑戦の機会ともなる。そして、自分自身の力不足を痛感し、改めて精進を誓う。佐藤先生に深く感謝申し上げます。

 今回の対談は、アメリカとイスラエルによるイランへの大規模攻撃が実施され、その後、60日間の停戦の覚書MOUが締結された後に行われた。アメリカとイランは停戦に合意したが、その後もアメリカ軍とイラン革命防衛隊の双方による攻撃は続き、ホルムズ海峡の状況も先行き不透明ということになっている。ホルムズ海峡の迂回ルートとなっている紅海 Red Seaのバブ・エル・マンデブ海峡 Bab al-Mandab Straitでは、イエメンの新イラン組織フーシ派がサウジアラビアのタンカーに攻撃を実施した(2026年7月23日)。紅海の状況も不安定になると、世界経済への悪影響は増大する。覚書締結で楽観ムードが流れたが、イラン戦争は収束していない。アメリカはウクライナ戦争に加え、イラン戦争でも出口を見いだせない状態になっている。

 トランプ政権の2期目は「アイソレイショニズムIsolationism」「アメリカ・ファースト」という、トランプ政権の基礎となる考え方である「アメリカ国内問題の解決を優先し、海外では戦争を起こさない」から外れ、ヴェネズエラへの奇襲攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束とイスラエルと共同でイランへの大規模攻撃を実施した。その他にもカナダやグリーンランドの併合に言及したり、キューバに対して厳しい経済制裁を科したりしている。「海外には関わらないと言っていたのに」とトランプを支持したアメリカ国民ですら不可解に感じている。

 トランプ政権のこうした一連の行動について様々な分析や評論がなされている。今回の対談を通じて、私たちは、「宗教」や「信念」、「使命感」というアプローチから、イラン戦争に関わる重要人物であるドナルド・トランプ大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、モジタバ・ハメネイ師の行動について分析した。「経済合理性」や「利益」を前提にしてばかりでは理解が上辺(うわべ)だけになってしまう。その基底(きてい)にある宗教や文化について私たちは知識を持ち、社会を見る目を養うようにするべきだ。そうすることで、本質を明確に捉えることができ、将来を見通すことができる。

 アメリカ帝国が衰退し、中国が台頭し、米中G2体制が構築されつつある中で、西洋近代600年の培った価値観やシステムが揺らいでいる。アメリカ国内でも自由、平等、人権、法の支配 rule of law(ルール・オブ・ラー)、民主政治体制 democracy(デモクラシー)、資本主義 Capitalism(キャピタリズム)に対する疑念が生まれている。暗黒啓蒙Dark Enlightenment(ダーク・エンライトンメント)やポストリベラリズム Postliberalismと呼ばれる「反動的な reactionary(リアクショナリー)」思想潮流が生まれている。また、左派では民主社会主義 Democratic Socialism(デモクラティック・ソーシャリズム)が勢いを増している。これからは私たちがこれまで培ってきた常識 common sense(コモン・センス)が通用しなくなってくる。佐藤先生が指摘しておられるように、日本は「本を読まない人にお金が集まる」社会になってしまっているが、複雑化する社会をより深く理解するためには、やはり本、できれば古典を読み、基礎教養を学ぶことが必要となる。本書がその手助けとなれば望外の喜びだ。

 ビジネス社の小笠原豊樹氏と水波ブックス代表の水波康氏には対談の調整とまとめをしていただいた。記して感謝申し上げます。

2026年7月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)



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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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 古村治彦です。

 月刊誌『ザ・フナイ』誌2026年10月号から「オピニオン」欄に10回の予定で文章を連載いたします。アメリカ政治と国際政治について掲載します。今月は「分断」をキーワードに文章を書きました。師である副島隆彦先生が長く連載を持っておられ、毎月文章を掲載しています。私の文章だけでは当然高く感じてしまうと思いますが、先生の記事も合わせてということで、是非手に取ってお読みください。

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ザ・フナイ vol.228(2026年10月号)
※『ザ・フナイ』2026年10月号に掲載された新刊の宣伝を掲載します↓
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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

 『ザ・フナイ』2026年7月号はアメリカ建国250周年記念ということで、私の文章を掲載していただきました。イラン戦争開戦に関する文章を書きました。まだ販売中ですので、是非お読みいただければ幸いです。

 thefunal202607cover001

ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 よろしくお願い申し上げます。

(終わり)

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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 古村治彦です。

 佐藤優・古村治彦著『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』(ビジネス社)が発売になります。発売日は2026年9月1日です。

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』←クリックするとアマゾンのページに移動します

 『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』は佐藤先生との2冊目の対談だ。今回の対談はイラン戦争開戦後に行われ、イラン戦争、米中首脳会談、高市早苗政権について分析を行った。その中で、私たちは「宗教」や「使命感」といったアプローチの重要性について話した。今回の対談は非常に内容の濃い内容となっている。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき   佐藤優(さとうまさる)

 ロシア・ウクライナ戦争と米イラン戦争によって、世界は新しい時代に入った。1991年12月のソ連崩壊後、アメリカを中心とする民主主義、人権、市場経済などの価値観を基準とする外交は過去の時代のものとなった。これに代わって、力の均衡を原理とするリアリズム(現実主義)外交が主流を占めるようになった。

 実は、この変化に日本外交は、西側諸国の中では適切に対応している。ロシア・ウクライナ戦争に関し、日本は政治的にウクライナを支持しているが、ロシアからLNG(液化天然ガス)を輸入し続けている。ウクライナに殺傷能力を持つ装備品を供与していないG7(日米英仏独伊加)中唯一の国だ。米イラン戦争に関し、日本はアメリカを支持しているが、イランとも比較的良好な関係を維持し、日本のタンカーがホルムズ海峡を通過することを革命防衛隊が認めている。

 このような外交を展開できているのは、日本のインテリジェンス能力が高いからだ。具体的には、国家情報局(2026年7月31日、内閣情報調査室を改組・格上げ)の情報収集と分析の能力が高いからだ。インテリジェンスの要は近未来情勢分析にある。政策とインテリジェンスは分離されている。同時に、国家情報局が首相に示した近未来情勢分析の枠組みから外れる政策を採用しても、それが成果を出す可能性は低い。外交には立場がある。日本の場合、日米同盟は、いわば数学でいう公理系を形成しており、その前提を崩すような政策を日本が取ることはできない。この制約条件を無視した外交は、評論家や学者が行う頭の体操ならばともかく、政治家や職業外交官としては無責任だ。アメリカの基本的立場と国際政治のリアリズムの間で均衡点を見いだすのが、国家を担う政治指導者の責任なのである。

 日本のインテリジェンスが比較的成果を出しているのには、私が見るところ、二つの要因がある。第一は、価値観ではなく、現実の力関係に基づいて情勢を分析するリアリズムだ。第二は、各国の指導者が持つ内在的論理を尊重することだ。国家指導者には、さまざまな性格の人がいる。合理性を重視する人もいれば、感情的な人もいる。さらに、それぞれの国家を成り立たせている基本原理がある。

 現在、国際政治の主要なプレイヤーになっているのは、トランプ米大統領、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、ネタニヤフ・イスラエル首相、モジタバ・ハメネイ・イラン最高指導者、金正恩・朝鮮労働党総書記らだが、本書ではこのうち一神教文明(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)に属するトランプ、プーチン、ネタニヤフ、モジタバを扱った。程度の差はあれ、ヨーロッパ、北アメリカ、日本では、宗教が人間の行動規範ではなくなる世俗化が進んでいる。しかし、ストレートに信仰と政治を一体化させているモジタバだけでなく、一見すると世俗化されたように見えるが、その背後で宗教的な超越性が強く表れているトランプ、ネタニヤフ、プーチンの内在的論理を解明することに本書では力を入れた。

本対談に丁寧にお付き合いいただいた古村治彦氏に深甚なる謝意を表します。また、本書の刊行にあたっては、ビジネス社の小笠原豊樹氏、フリーランスの編集者兼ライターの水波康氏に多大なお力添えをいただきました。心より御礼申し上げます。

2026年7月31日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、

佐藤優(さとうまさる)

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世界は「宗教戦争」に突入した「神に選ばれた」支配者の使命と論理目 次

まえがき(佐藤 優) 2

第1章 世界は「宗教戦争」に突入した──イラン戦争の〝合理〟を超える〝使命〟 11

■トランプはなぜイラン攻撃を決断したのか 12

ホルムズ海峡封鎖で世界は一変した 12

ネタニヤフのプレゼンテーション 18

「対ナチス戦」に転換したトランプ 23

崩壊した「軍事大国イラン」という神話 27

イランが狙うパキスタンの核 32

■神に選ばれた確信と使命 38

死者との連帯を強調したモジタバ・ハメネイ 38

トランプ版聖書が意味するもの 45

ネタニヤフが担う「ユダヤ民族存続」の使命 51 対立する「神に選ばれた確信」 58

■始まった21世紀の宗教戦争 63

トッドの「宗教ゼロ」は当てはまらない 63

目に見えない価値観の闘いがイラン戦争の本質 67

第2章 トランプは変節していない──宗教で読み解く「支配者の論理」 71

■トランプはなぜ止められないのか 72

トランプの政権基盤は揺らいでいない 72

第3次世界大戦を阻止したトランプ 84

トランプの「ダークトライアド」と「理性の狡知」 89

トランプは神の召命に逆らえない 94

■メディアが報じないイランの脅威 98

イランは特殊なイデオロギーの国 98

47年間続くアメリカとの戦争 103

モジタバ・ハメネイの危険な意思決定 110

トランプが放棄したオバマの核合意 114

■クリスチャン・シオニズムの謎を解く 118

『エクソダス』が変えたアメリカ人のユダヤ観 118

終末論が生んだ親イスラエル思想 123

イスラエルはなぜ戦い続けるのか 127

第3章 世界は敗北していない──「西洋の敗北」から米中ロ3極体制へ 131

■台湾カードを握る中国 132

米中首脳会談の基本は協商関係 132

米中は対等な関係となった 138

台湾カードを握る中国 145

■アメリカはなぜ敗北し続けるのか 149

見えてきたアメリカの限界 149

アメリカの国力が落ちている理由 156

イラン戦争はアメリカにとっての世界最終戦になるはずだった 163

■米中ロ世界3極体制の出現 168

ウクライナ戦争が独ロ戦になる怖さ 168

アメリカを側面から支援したロシア 172

世界は米中ロの3極体制となる 179

第4章 大変革する世界、日本の選択──高市戦略は国益にかなうか 185

■高市政権と孤立する日本の危機 186 高市政権が持つ「偽物の強さ」 186

協商は同盟を壊す ── 日本だけが気づかない米中協商 192

日本が行う「周回遅れの喧嘩外交」 195

日本外交は無能ではない 200

ホルムズ危機が直撃する日本 205

日本が米中共通の敵とされる危険性 209

■世界と日本は連動している 216

明の成立と南北朝の動乱 216

トルデシリャス条約と「徳川の平和」 221

アヘン戦争と天皇親政 226

■世界の大変革に日本はどう立ち向かうか 230

メディアや国民は日本の危機を理解できていない 230

「本を読まない人」にお金が集まる時代 235

反・新自由主義が日本の生き残り策 240

あとがき(古村治彦) 245

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あとがき                 古村治彦(ふるむらはるひこ)

 本書は、佐藤優先生との2冊目の対談本である。現代の日本を代表する知識人である佐藤先生との対談の機会をいただけることは私にとって光栄なことだ。また、絶好の挑戦の機会ともなる。そして、自分自身の力不足を痛感し、改めて精進を誓う。佐藤先生に深く感謝申し上げます。

 今回の対談は、アメリカとイスラエルによるイランへの大規模攻撃が実施され、その後、60日間の停戦の覚書MOUが締結された後に行われた。アメリカとイランは停戦に合意したが、その後もアメリカ軍とイラン革命防衛隊の双方による攻撃は続き、ホルムズ海峡の状況も先行き不透明ということになっている。ホルムズ海峡の迂回ルートとなっている紅海 Red Seaのバブ・エル・マンデブ海峡 Bab al-Mandab Straitでは、イエメンの新イラン組織フーシ派がサウジアラビアのタンカーに攻撃を実施した(2026年7月23日)。紅海の状況も不安定になると、世界経済への悪影響は増大する。覚書締結で楽観ムードが流れたが、イラン戦争は収束していない。アメリカはウクライナ戦争に加え、イラン戦争でも出口を見いだせない状態になっている。

 トランプ政権の2期目は「アイソレイショニズムIsolationism」「アメリカ・ファースト」という、トランプ政権の基礎となる考え方である「アメリカ国内問題の解決を優先し、海外では戦争を起こさない」から外れ、ヴェネズエラへの奇襲攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束とイスラエルと共同でイランへの大規模攻撃を実施した。その他にもカナダやグリーンランドの併合に言及したり、キューバに対して厳しい経済制裁を科したりしている。「海外には関わらないと言っていたのに」とトランプを支持したアメリカ国民ですら不可解に感じている。

 トランプ政権のこうした一連の行動について様々な分析や評論がなされている。今回の対談を通じて、私たちは、「宗教」や「信念」、「使命感」というアプローチから、イラン戦争に関わる重要人物であるドナルド・トランプ大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、モジタバ・ハメネイ師の行動について分析した。「経済合理性」や「利益」を前提にしてばかりでは理解が上辺(うわべ)だけになってしまう。その基底(きてい)にある宗教や文化について私たちは知識を持ち、社会を見る目を養うようにするべきだ。そうすることで、本質を明確に捉えることができ、将来を見通すことができる。

 アメリカ帝国が衰退し、中国が台頭し、米中G2体制が構築されつつある中で、西洋近代600年の培った価値観やシステムが揺らいでいる。アメリカ国内でも自由、平等、人権、法の支配 rule of law(ルール・オブ・ラー)、民主政治体制 democracy(デモクラシー)、資本主義 Capitalism(キャピタリズム)に対する疑念が生まれている。暗黒啓蒙Dark Enlightenment(ダーク・エンライトンメント)やポストリベラリズム Postliberalismと呼ばれる「反動的な reactionary(リアクショナリー)」思想潮流が生まれている。また、左派では民主社会主義 Democratic Socialism(デモクラティック・ソーシャリズム)が勢いを増している。これからは私たちがこれまで培ってきた常識 common sense(コモン・センス)が通用しなくなってくる。佐藤先生が指摘しておられるように、日本は「本を読まない人にお金が集まる」社会になってしまっているが、複雑化する社会をより深く理解するためには、やはり本、できれば古典を読み、基礎教養を学ぶことが必要となる。本書がその手助けとなれば望外の喜びだ。

 ビジネス社の小笠原豊樹氏と水波ブックス代表の水波康氏には対談の調整とまとめをしていただいた。記して感謝申し上げます。

2026年7月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)



sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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古村治彦です。

 副島隆彦先生と中国専門家の泰斗である近藤大介氏の初めての対談本『アメリカの衰退で世界覇権を狙う中国の実力 G2の狭間で探る日本の針路』(ビジネス社)が2026年8月3日に発売になります。
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アメリカの衰退で世界覇権を狙う中国の実力

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

この本『アメリカの衰退で世界覇権を狙う中国の実力』は近藤大介氏と私のはじめての対談本である。

私は、近藤氏と話していて、彼が今の日本で中国研究、チャイナ・ウォッチャーの第一人者(だいいちにんしゃ)であることが分かった。5月14、15日に北京であった習近平とトランプの米中首脳会談の後、世界はどうなるかを2人で論じた。手前味噌ながら、この本一冊をきちんと読み通せるほどの読書人なら、目下、現下の中国問題、日中問題のすべてをその最先端で理解できるだろう。

私からの質問への近藤氏の答えはまさしく立て板に水で、中国に関わるすべての問題に澱(よど)みなくスラスラと、何事であっても明確に話した。生来の極めて優れた頭脳である。これだけのことを詳しく細かく精緻に語れる者は、日本にはあまりいない。

事実、本書の中にも有るが、近藤氏は中国人から「電子レンジのような脳をしている」と言われたそうである。近藤氏は今も精力的に毎日のように YouTube の「近藤大介チャンネ

ル」他で発信している。中国のことなら、あらゆる領域のどんな些細なことでも即答できる頭能を近藤大介氏は持っている。

前書きでこんなことを私がバラしていいか分からないのだが、今の近藤氏には隠れた役目がある。それは日本政府に、アメリカから強い圧力がかかったり、政治的な緊張が起きた時に、それでも日本政府は国家意思として、首相親書(しんしょ) Premier’sletter プレミアーズ・レター を中国側の副首相に届ける、その係をする任務である。

近藤氏は「そんなことはありません。私は民間企業の社員ですから」と、一言のもとに否定するだろう。だが私の眼力でそうなる。近藤大介は日中関係での中国側の一番上の高官たちと長年交際があって、深い信頼関係を築いている。この首相親書を秘密に届ける役割というのは、日本とロシアの関係においては、鈴木宗男氏と佐藤優氏が担(にな)っている。日本国の意思として「ロシア及び中国とも日本は仲良くします」という意思表示を伝える人材がどうしても必要なのである。

私は中国問題の専門家ではないし中国語もできないが、2007年から激しく思い立って毎年一冊、自分の中国研究本をずっと書いてきた。この20年間で24冊出してきた。だからそれなりにたくさんの中国知識がある。毎年中国へ調査旅行も行った。私が初めて書いた中国本は『中国  赤い資本主義は 平和な帝国をめざす』(ビジネス社刊)である。私がこの本を書いた20年前から、すでに中国が巨大な成長を続けて、アメリカ帝国の世界覇権に取って代わることを私は確信していた。

この本がこんなにも良くまとまって出来上がる上で、担当編集者の小笠原豊樹氏が多大の尽力をした。対談者2人を代表して感謝します。

2026年7月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

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アメリカの衰退で世界覇権を狙う中国の実力 G2の狭間で探る日本の針路 ◆ 目 次

まえがき(副島隆彦) 2

第1章 中国が圧勝した米中首脳会談 11

習近平が横綱相撲で圧勝した米中首脳会談 12

戦後世界の決着を着けるという中国の意思 22

帝国―属国理論で世界を見る 28

直後の中露首脳会談でプーチンは何を話したか 35

媚中と言って非難してくる奴らを撃滅する 40

アメリカ―イラン停戦交渉を仲介したのは中国 49

帰りの飛行機でトランプは高市に釘を刺した 57

イラン戦争はトランプの負け 65

C―130輸送機による米兵救出作戦はカムフラージュ 75

第2章 4期目に臨む習近平 79

中国は今、すべてが習近平の4期目のために回っている 80

習近平を抜擢したのは誰か 89

共青団系が中国民主党を作る? 106

中国はAIで世界覇権を制し、AIで滅ぶ? 116

帝国と文明はどちらが先か 122

第3章 日本は中国の属国なのか 127

日本が中国に服属していなかったことがあるのか 128

空海の謎 133

空海は国家情報部員? 145

天安門事件の真実 153

第4章 中国外交、恐るべし 161

日本を代表する5人のチャイナ・ウォッチャー 162

中国外交部の権力争い 168

ウイグル問題とワンチャイルドポリシー 179

1971年のキッシンジャーの電撃訪中秘話 183

日中友好の士も拘束される今の中国 194

第5章 台湾有事は起きません 199

高市政権の対中姿勢 200

「日本=イスラエル」論 205

鄭麗文の訪中 211

世界の火薬庫は中東と極東しかない 218

薄熙来事件の真相 225

張又侠と劉振立 235

第6章 世界覇権は中国に移るのか 239

中国にはびっくりするほど頭のいい人が多い 240

世界の工場・中国 243

アメリカは第2列島線まで退く 250

リバタリアンとポピュリスト 260

衰退するアメリカ 265

中国漁船衝突事件 280

叩き上げの習近平はエリートが嫌い 284

中国の巨大な繁栄は日本人学者が作った 289

あとがき(近藤大介) 300

* 本書は2026年4月21日と5月22日に、それぞれ静岡県熱海市と東京都文京区において行った対談を編集し、加筆・修正したものです。

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あとがき 近藤大介(こんどうだいすけ)

東京から新幹線「こだま号」で熱海まで行き、駅前のタクシーに「あの高台の上まで行ってほしい」と告げたら、「副島隆彦先生の別荘ですね」と返された。「熱海の名士」なのだ。

小山の上に聳える瀟洒(しょうしゃ)な邸宅に着くと、庭に置かれた大理石のギリシャ彫像の石像群に圧倒された。50体以上がおもむろに、初夏の陽光に照らされている。奥には雄大な相模湾と青空が広がっていた。

「やあ、いらっしゃい」

矍鑠(かくしゃく)とした副島さんが迎えてくれる。

「天国みたいな別荘ですね」

「そうだよ、ここで思索すると、世界中が透けて見通せるんだ。東京では無理だよ」

早くもジャブを打たれ、そこから長い長い対談が始まった。実際には、ほとんど副島さんが「放談」をかましていたのだが。

副島さんは、独立不羈(ふき)の思想家である(陰謀論者と呼ぶと叱られる)。呵々大笑(かかたいしょう)したエピソードがあった。

「ある時、大新聞社の幹部に呼ばれたので出向いたら、『お前にも何か書かせてやるか』みたいな高飛車な態度だった。それで私はもらったばかりの名刺を出して、肩書きの部分を赤ペンで消してから言ってやった。『アンタから肩書きを取ったら、一体何が残るんだい?』」こんな百戦錬磨の知の巨人を相手に対談本を完成できたのは、主に二つの理由による。第一にテーマが中国問題だったこと。場所はアウエーでも、テーマは私のホームグラウンドだ。

もう一つは、担当編集者が私にとっての「井戸を掘った人」(挖井人(ワージンレン))だったことだ。まえがきでも紹介された小笠原豊樹氏である。もう30年近く前、私の文章に目を留め、月刊誌に原稿依頼をくれた最初の外部の編集者だ。爾来(じらい)、『中国人の常識は世界の非常識』(ベスト新書、2014年)、『AIIB不参加の代償』(同、2015年)、『中国人は日本の何に魅かれているのか』(秀和システム、2020年)の3冊でお世話になり、今回が4冊目だ。それよりも、副島さんが長年最も信頼を寄せている担当編集者として知られる。

7時間もぶっ通しで談論風発した後、副島さんが「今日はこの辺(あたり)で」と言って、缶ビールを出してくれた。微風漂う窓外では、白亜のギリシャ彫像たちが茜(あかね)色の陽を浴びている。

「あれね、実は全部ニセモノ。1980年代に、中国の彫師たちが地元で創ったものを、巡り巡って買い取ったの。でも豪華な大理石は本物だし、素晴らしい出来だ」

 副島さんが、茶目っ気のある表情でつぶやいた。

近藤大介(こんどうだいすけ)
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(貼り付け終わり)
(終わり)



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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 副島隆彦(そえじまたかひこ)先生の最新刊最新刊『米ドル札の消滅 それでも金の上昇は続く』(徳間書店)が、2026年6月26日に発売です。アマゾンで予約を受け付け中です。
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『米ドル札の消滅 それでも金の上昇は続く』

 以下に、まえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にして、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

 

●やがてドル札も1万円札も消滅する

 

 この本は、これからの金と銀の動きを追いかけて分析する。金と銀は、これからも、まだまだ上がる。この説明を、ずっとやってゆく。

 

 そしてこの本のもう一つの大きな柱は、もうあと数年で、アメリカのドルのお札(紙幣)が、どんどん無くなっていくことを書く。それに連れて日本の1万円札も消滅に向かう。このドル札の消滅 US Dollar is vanishing(ヴァニシング) は、普通の人にはとても信じられないことだ。だが、現在、急速にアメリカ政府(トランプ政権)は、ドル紙幣を実際に世の中で使われなくする動きに向かっている。それは暗号資産(あんごうしさん)なるものによって、ドル紙幣にとって代わらせようとしている動きである。だから本書の書名は『米ドル札の消滅 それでも金の上昇は続く』 Dollar Di-minishing, Gold Gaining なのだ。

 

私は、このドル札の消滅のことを前の本からも書き始めている。いよいよ、これが加速している。今では、もう×仮想通貨というコトバは使わない。暗号資産という。これを英語でcrypto assetクリプト・アセット という。そして、このクリプト・アセットがやがてお金(かね)になると、クリプト・カレンシー、暗号通貨(つうか)になる。暗号資産が強制通用力(つうようりょく)を持つ法定通貨(ほうていつうか)legal[リーガル] tender[テンダー])になることで一国で通用するお金になる。どんどん、そのようになりつつある。初めは、ただ単に送金や代金の決済(けっさい)手段として使われるように見せる。だが、やがて、この暗号通貨が、現在の米ドルの100ドル札にとって代わろうとしている。ここで大事なことは、この暗号通貨は中央銀行や政府が発行するのではなく、あくまで民間企業が発行体(たい)となって発行するものだ。それを法律が通貨(つうか)(お金[かね])として保障する。

 

この動きに日本も引きずられている。日本でも、やがて1万円札が使われなくなる。日本人は、1万円札が大好きである。私たちは自分の国のお札に大変な信用を置いている。ところがアメリカでは、100ドル札(1万6000円に相当)などのお札(さつ)が嫌われている。アメリカでは、庶民層も含めて、「現金(キャッシュ)は、持っているだけで損だ。インフレで政府が現金の価値をどんどん無くさせて、奪い取っているのだ」と考えている。だから、アメリカ国民はあまり銀行預金をしない。その代わりに、クレジットカードなどのデジタル通貨(マネー)を使っている。これに金利が5%ぐらい付いても平気でカード決済をする。日本人は少しでも金利が付くのが嫌いだ。だから1万円札の現金を何よりも大切にしている。

 

ところが、それでもやがてアメリカでも日本でもヨーロッパでも、現金のお札が消滅させられようとしている。アメリカでは、暗号資産(×仮想通貨)の王様であるビットコインではなくてどうやらイーサリアム、そしてテザーと呼ばれる暗号資産を「ステイブル・コイン」(安定した安全なお金)として、急激に通用させようとしている。

 100ドル札や1万円札が、もうすぐ無くなる、などは、とても信じられないという人が大半だろう。だが、この事態が急激に進行しているのである。例えば、中国では、もう人民元(じんみんげん)のお札(その代表が100人民元札[さつ]=人民幣[レンミンビ])が7年前から、ほとんど使われなくなっている。中国全土で、お札(さつ)が消えた。中国国民は、朝から晩まで、ほとんどスマホ決済のようなデジタル・マネーで生きている。私は7年前(2019年)に中国に行ってこの現実を知って驚いた。だから世界がこの動きになってゆく、と私が書くのだから、素直に信じなさい。

 

ここには、確かに大きな悪だくみが存在する。アメリカ政府は、自分がこれまでに抱え込んでいる巨額の財政赤字と対(たい)(がい)借金を暗号資産に取り換えることによって、大きくごまかして借金の重たい負担から、逃げようとしている。例えば、中国や日本がアメリカに対して米国債の形で持っている巨額の対(たい)(べい)債権を、「実質的にチャラにする」という恐るべき、手段に出ようとしている。このことを本書の第2章以下で、詳しく説明する。

 

アメリカは生き延びるために、半導体(セミコンダクター)企業とA(エイ)(アイ)技術の進歩でドカーンと資金を集める。ニューヨークの金融市場を潤(うるお)わせることで、お金(かね)はいくらでも有()る、という幻想を振りまく。その代表例が6月12日に新規にNASDAQ(ナスダック)に上場(リスト)する宇宙企業のSpace(スペイス) X(エックス)(イーロン・マスクがオウナー)である。I(アイ)(ピー)(オウ)(公開時価格)を1・75兆ドル(280兆円)とした。この他にOpen(オープン) AI(エイアイ)(サム・アルトマン会長)とAnthropic(アンソロピック)(ダリオ・アモデイCEO)の上場も予定される。どちらも1兆ドルは行くだろう。バブルとしか言いようがない異常な事態だ。これらの超(ちょう)巨額の資金が、どこかから降って湧いたようにするために、トランプ政権はドル札(さつ)(通貨発行量)と米国債を手()(じな)で大増刷して市場に蒔()く。これ以外に手はない。こうやってアメリカ金融資本主義は、まだまだ繁栄を続ける、という大きなインチキで生き長らえるつもりである。

 

●イラン戦争はもう停戦した

 

 今年の2月28日から始まったイランに対するアメリカからの軍事攻撃で、ずっと今の世界は動いている。6月になってもまだズルズルと戦争は続いている。この戦争はイラン戦争 Iran War と呼ばれるようになった。両国の合意で停戦(ていせん)cease[シース] fire[ファイア])したのだが、アメリカのトランプ政権の頑迷な態度で、戦争の終結への和平(わへい)交渉(ピース・トークス peace talks)がなかなかはかどらない。ホルムズ海峡を、原油や天然ガスの輸送タンカーが通りにくくなったままで、世界経済に影響が出たままである。

 

しかし停戦(ていせん)は大きくは成立している。4月7日から双方の合意で停戦している。ところが、まだ、軍事的な緊張関係が断続的に続いている。第4章でイラン戦争について詳しく論じた。私たち日本人は、停戦と和平交渉の区別がつかない。P159に国際紛争の6つの段階の図式を載せた

 

●金と銀は再び上昇を始める

 

 今年の1月29日に、金(ゴールド)と銀(シルバー)の価格が史上最高値をつけた。前の方にドル建て(世界金[きん])と日本国内(1グラム当たり)の2つのグラフを載せた。

 金は、何と国際価格(NYの先物[さきもの]市場で決める)で1オンス=5626ドルをつけた。日本国内の値段では、1グラム=3万248円(小売り)である。最高値の5600ドルと3万円という数字をまず、覚えなさい。このあと金は、少し下落して、1オンス=4500ドル、国内では、1グラム=2万5000円まで落ちた。最高値から4か月経った5月中頃から、金と銀は再び、少しずつ上昇を始めている。このあと第1章で詳しく説明する。

 

それに対して銀[ぎん](シルバー)は、世界値段で最高値で、1オンス(31・1グラム)=120ドルまで行った。国内値段(小売り)で1グラム=640円の最高値をつけた(1月29日)。このあと金の値下がりに連れて、銀も下落した。そして5月になって、ようやく回復の動きを見せている。金は再び5000ドル、銀は100ドル超えを目指して動いている。

 

金の値動きについては、過去6年間で見ると13ページに載せたグラフの通りである

 

私は自分の前著『金を握りしめたものが勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社刊)を今年の2月に出版した。その本には間に合わなくて、その前の1月末の最高値(ピーク、頂点)の2万6000円台をつけた古い数字しか載せていない。だからこの本で、金の値段が、その後、どのようになったかをはっきりと説明してゆく。この半年間で辿(たど)った金と銀の値段の動きを、この本で詳しく見ていく。今は、本書の各所に載せた金と銀の値動きのグラフをちらりと見るだけにしておいてください。

 

●日本では金価格の動きを説明する者がいない

 

日本では、この半年間の金(きん)の価格の激しい動きを体系立てて説明する者が誰もいない。本当にいない。だから私がやるしかない。金の値動きについて、全体の流れを説明する人がいないなどということがあるのかと、疑問に思うだろう。ところが本当にいないのだ。専門家が誰もやらない。不思議な話である。人間というのは、目先のことばかり追いかけて、自分の資金が増えることばかり考えている。だからわずか半年前の値動きについてしっかりと見直すことをしない。

 いわゆる「チャート分析(英語ではテクニカル・アナリシスと言う)」の大家たちがいて、過去の株価や金融指標の値動きをずっと分析しているように思われている。だが、この投資のプロウproたちであっても、大きな流れとしての、金(きん)の動きを知らない。彼らのほとんどは、これまで株式の動きばっかりを追いかけてきた人々である。金のことはあまり知らない。それが急に金(きん)の世界に入ってきて、まるで長年の専門家のような顔をしている。

 

私、副島隆彦が、日本では金に関する評論家として第一人者である。このことは業界でも認められているはずである。それは私がこれまでの30年間に書いてきた金融本、約100冊の本で、この事実が証明されている。私がこれまでに〝金買(きんか)え評論家〟と呼ばれて、勝ち取ってきた大きな信用と信頼をバカにする者はいないだろう。

 

私のこれまでの「金を買いなさい。早めに買っておきなさい」という強い勧めに従って、金を1グラム=4000円とか8000円で10年前や5年前に買った人たちが、大きな含み利益を上げて喜んでいる。なぜなら金1グラムが3万円を超えて(1月29日)、買った時の価格から5倍、10倍の大きな値上がりをみせたからである。金を1キロの板(いた)(バー)で1枚持っていただけで、それが3000万円になったのである。小さな家や鉄筋アパートの一室を買える値段だ。日本全国に、私がこれまでに書いた本の影響で金(きん)を買って儲かった人たちが最低でも10万人、大きく言えば100万人ぐらいいるようである。彼らからの感謝の連絡が私に届いていることから、このことが分かる。

 

金が3万円(小売り)を超してその後、2万5000円にまで下落し、その後3月24日の最安値2万4777円を経て、今再び3万円に戻ろうとしている。銀も同じように1グラム=640円の最高値をつけた後、480円ぐらいでズルズルと値動きした。その後、再び500円台を回復して再上昇を始めている。

 

この半年間に一体、何が起きていたかを第1章で詳しく説明する。私はさっき「実に不思議な話だが、金(きん)の値動きについて、この半年間の値動きを説明する者がいない」と書いたが、なぜそうなるのか。それは人間は、その時その時の数字だけしか追いかけない生物だからだ。過去のことはすぐに忘れる。ちょっと目先(めさき)の、次の値動きのことで、そわそわドキドキするだけで、それ以上のことをしない生き物だ。これは、生来の博奕(ばくち)打ちの能力に恵まれている、金融投資で自分の財産を作ってきたようなプロウの投資家たちであっても同じである。

 

プロウの投資家たちはチャート(罫線[けいせん])分析で、その先の値動きを予測して自分の投資の決断を冷酷に行う。このチャート分析を毎日毎日やり続けている人は金融グラフを見慣れているから、75日移動平均線とか、ボリンジャー・バンド(帯)とか酒田(さかた)五法とか、一目均衡表(いちもくきんこうひょう)やエリオット波動で、ごく近い将来の投資予測をやっている。

 

だが私、副島隆彦は、彼ら株式や債券や為替のチャート分析を毎日やっている投資家たちを、自分の客(本の読者)にして来なかった。私は、「金や銀の値動きについて一喜一憂することなく、ゆったりと1か月に1度ぐらい値動きを見る程度でいなさい」と勧めてきた。だから私は博奕打ち(ギャンブラー)が嫌いなのだ。投資家というコトバさえ嫌いだ。投資と博奕の才能に生来(せいらい)恵まれた人たちは自分のそれを大事にしなさい。それは、その人が持って生まれた才能(タレント)であり、人生の糧(かて)になるものだ。他の多くの人々には無いものだ。だから、この天性の才能についてこれ以上あれこれ言うことはしない。

 

私、副島隆彦は、「金と銀を買いなさい」と一貫して、30年間、唱導してきた。だが、このことで「投資」というコトバを使ったことはない。私が「早いうちに金を買いなさい」と強く勧めてきたのは、投資(インヴェストメント)のためではない。普通の人々のためである。かつ、私の本を書店で見つけて、5年前、10年前、20年前から買って読んで来た、生来(せいらい)賢い知恵のある人々向けであった。あくまで自分の老後の生活の資金と、家族の経済的な余裕になるものとして「金を買っておきなさい。必ず大きく上がりますから」と書いたのである。このことを勘違いしないでもらいたい。

 

私がこれまでに書いてきた、「金は1オンス=5000ドルの倍の1万ドルになる」の通りだ。だから、このあと金は2倍になる。そのように改めて予測、予言をしておく。だから日本国内値段では1グラム=3万円を超えてさらに少しずつ上がり続け、倍の6万円にまで上がっていく。それまでに、あと2年ぐらいかかるだろう。ということは金価格は、去年の1年間と今年1月に起きた世界中を驚かせた急激な、激しい上昇は起きない。このことを分かってほしい。このあとは少し時間がかかる。2023年8月に金の小売1グラム=1万円を突破してからの2年半で、3倍の3万円になった。真に驚嘆すべきことだった。

 

ただし銀についての、今の値段である1グラム=500円(1オンス=80ドル台)というのは、依然として安すぎる。だから今の10倍の1グラム=5000円、即ち1オンス800ドルになるだろう。金貨(ゴールド・コイン)と銀貨(シルバー・コイン)に、このことを置き換えると、金は1オンス(31・1グラム)が、現在の金価格である90万円が、倍の180万円ぐらいにはなる。そのとき銀貨は、現在の1枚1万6000円が、10倍の16万円になるということだ。ただしそれにも、この後、数年かかる。このように改めてはっきりと予言しておきます。

 

この後の章で、私は金と銀の値動きをさらに詳しく説明していくが、私は、ただ単に「金融予言が当たるから、副島隆彦の言うことを信じる」という人を好まない。金価格が1月29日に暴騰してつけた最高値までの動きと、その後の半年間の下落と停滞(ていたい)によって、大きく山の形が崩れた。第1章のP33のグラフのとおりである。北アルプスの剣岳(つるぎだけ)や剣(けん)が峰(みね)のような尖(とが)った山頂が現れ、そして崩れていった過程が別のP39のグラフからも、はっきりとみてとれる。人間というのは、自分が大きな出来事、激動のさなか(最中[さいちゅう])にあって、激しい雨嵐の中にいる時には「何が何だか分からない」ものだ。愚かなまでに周囲に付和雷同して、次々に話題を変えていく。

 少し後になって嵐が過()ぎてようやくそれらを振り返り、「いったいあの激動のさなかに何が起きていて、それがどのようになり、そしてさらにどのように次の動きへと繋がっているのか」と振り返るべきなのである。少し時間が経って、過去を振り返るという余裕が生まれた時にはじめて、人間は物事(ものごと)の一連の流れ、即ち全体像を理解できる。だから私が前著の『金を握りしめたものが勝つ』(祥伝社、2026年2月)や、その前の『金融恐慌が始まるので 金は3倍になる』(祥伝社、2023年12月)で予言を的中(てきちゅう)させたように、大きな流れで物事を見ることの重要性を、この本の読者にも分かってもらいたい。

 

ズルズルと混乱が続いている(ように見せている)今のイラン戦争も、やがてみんなに飽きられる。人々の関心は、いつの間にか全く別の次の世界事件へと移っていく。あのコロナウイルス、ワクチン騒ぎの4年間(2020年1月から2023年)でも、15年前の2011年の「3・11」の大震災と原発事故でも、その時は大騒ぎしたが、やっぱり次々と過ぎ去っていった。だからこれからもこうして、人類(人間)は大騒ぎの大事件を次々に起こしながら生き延びてゆく。あるいはそのように仕組まれて動かされてゆく。この人間の所業(しょぎょう)を冷酷に見つめることで、私は金融の予測もする。100年単位で人類史(世界史)を見定(みさだ)めてその流れの一部として、すべてを概観(アウトルック)している。

 

こうやって、この本でも金と銀のこれからの動きを中心に書いていくのだが、それはお客(読者)の要望に応える必要からだ。このことは、私に与えられた責務(せきむ)として、自分が背負った運命だと分かっている。私はもっと大きく人間(人類)というものを捉(とら)えることを思考(思想)の柱としてきた。お祭りごとの大騒ぎや、政治や経済の大事件、政治を作る国家や大きな宗教勢力、戦争の恐怖、そして政治をつくる国家そのものでさえ、すべて人間という愚かな生き物が自分たちの脳(のう)(頭、思考、知能[ちのう])の中で作り上げる「共同の幻想」マス・イルージョン mass illusion の産物なのだ。人間は、この大きな共同幻想に捉(とら)われて生きていく変な生物だ。そのように私、副島隆彦は諦観(ていかん)していて、この新(しん)共同幻想論も私は現在、書き進めている。それでは第1章に向かいます。

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まえがき

やがてドル札も1万円札も消滅する─2

イラン戦争はもう停戦した─9

金と銀は再び上昇を始める─10

日本では金価格の動きを説明する者がいない─12

 

第1章 金と銀の激しい値動きはなぜ起きたか

イラン戦争で金価格が大きく動いた─32

アラブ各国が金を大量に売った─42

銀の値動きについて─46

銀は歴史的に金の15分の1と決まっている─49

これからも銀を買いなさい─52

銀の供給不足が露呈したら銀価格は急騰する─59

アメリカは泥沼状態に陥った─62

 

第2章 アメリカはドル紙幣を暗号資産に変えて消滅させる

金貨・銀貨は農民でもつくれるというバイメタリストの思想が大事─65

ポイントで現金が消滅させられる─73

イーサリアムとテザーという暗号資産をステイブル・コインにしてドルと交換できるトークンにする─76

ビットコインは下落するから買うな─88

ドルをデジタル通貨にすることでアメリカは巨額の負債を帳消しにする─94

100ドル札は消滅して、日本の1万円札も無くなる─98

ゆうちょ銀行も貯金をデジタル通貨にする─100

ピーター・ティールが日本に来た理由─102

NY発の金融恐慌で商品先物のCOMEXとCMEは潰れるだろう─104

ビットコインではなく、テザーやイーサリアムが暗号資産の中心になる─112

 

第3章 もうすぐドル覇権の崩壊が始まる

債券自警団(ボンド・ヴィジランテ)が、日本に上陸した─120

ベッセント財務長官は日本の長期金利上昇が米国債を直撃することが死ぬほど怖い─125

米長期金利の上昇に震えあがるトランプ─128

高市売国奴政権が日本の富をアメリカに差し出す─135

ワルの国防次官エルブリッジ・コルビーが不正選挙を仕掛けた─140

米中首脳会談で本当は何を話したのか─146

政治と経済は互いに貸借を取り合ってバランスする理論─150

1兆ドルに迫りつつあるアメリカの国債利払い費─152

新NISAの日本の資金がアメリカに流れている─155

 

第4章 トランプはなぜイラン戦争を始めたか

トランプは狂ったように世界の実物資産獲得に動いている─158

1月のベネズエラ攻撃で石油を確保─164

イランのハメネイ爆殺からシナリオが狂った─165

エプスタイン問題から目をそらす目的も─166

トランプは認知症 dementia である167

トランプに替わって副大統領のヴァンスが大統領になる─171

イラン戦争はトランプの負け。イランの勝ちである─178

イランは誇り高いペルシア帝国に戻る─183

副大統領ヴァンスの冷静な対応─188

これから10年以内にイランとイスラエルが核戦争をするだろう198

資本主義は繁栄と戦争の循環理論でできている─201

 

第5章 銀は10倍どころか20倍になる 急いで銀貨を買いなさい

なぜ金(きん)と銀(ぎん)が、これほどに高騰したのか206

(きん)と銀(ぎん)の今後の動きはどうなる?216

急いで銀貨(シルバー・コイン)を買いなさい─217

一旦下げた金(きん)と銀(ぎん)が、再び高騰していく226

米金融機関大手が銀の先物取引で大損害を出した─233

ニューヨークにもう重要鉱物の価格決定力はない─239

NY発の金融恐慌で商品先物市場=取引所のCOMEXとCMEは潰れるだろう─242

金、銀、プラチナなど重要鉱物が戦略物資に格上げされた─245

 

あとがき

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あとがき(そえじまたかひこ)

 

 私はこの本で、この半年間(2026年1月から)の金(きん)と銀(ぎん)の動きを徹底的に追いかけた。金と銀に一体何が起きていたのかを詳しく説明した。

 

 それと併行して、目下(もっか)起きている暗号資産(クリプト・アセット)(旧仮想通貨)を急いで新しいお金(マネー)(強制通用する通貨[カレンシー])にして、弱体化する今のドルに取って代えようとするアメリカ政府(トランプ政権)の動きを追いかけた。日本政府もこれに突き動かされている。即ち、今のドル紙幣(ビル)と日本の1万円札もやがて消滅(ヴァニッシュ)させられる。このことを冷酷な近(きん)未来予測として書いた。

AIバブルははじける

この半年間、世の中でAI(エイアイ)(人工知能)の急速な進歩のことが騒がれている。巨大(ビッグ)テック企業である〝マグニフィセント7(セブン)〟(アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル=アルファベット、メタ、テスラ、そしてエヌビディア)が、絶頂のAIバブル(好景気)を作り出していると大騒ぎだ。株価がいずれも高騰している。特にNVIDIA(エヌビディア)という新興の最先端のAI(エイアイ)チップ(GPU[ジーピーユー]という)を製造する企業が、時価総額で世界最大企業(5・2兆ドル、800兆円)になってしまった。大変な金額だ。日本の頂点であるトヨタはようやくたったの4000億ドル(60兆円)である。14分の1だ。たった1社で5・2兆ドルという巨額の、これだけのアブク銭(ぜに)が一体、NY(ニューヨーク)の金融市場にどこから湧()いて溢(あふ)れ出て来るのか。

 お金(通貨量)はやろうと思えば、政府がいくらでも底なし沼で作って放出できるものである。このことはアメリカ理論経済学の最後の破(やぶ)れ目()であり、絶対口(くち)にしてはいけない禁忌(タブー)である。この悪魔の真実がここで顔を出す。だから必ずいつか天罰が落ちる。今のAI(エイアイ)バブルは遠からずはじけて(bubble[バブル] burst[バースト]と言う)崩れ落ちる。人間の知能(インテレクト)(思考力)に追いついて人間を凌駕(りょうが)する人工知能など作られることはない。今あるAI(エイアイ)というのは、大容量の情報を貯めたデータベース(database)の別名に過ぎない。AIとは「データベースの逆方向への動き」のことだ。

 前述の米の巨大テック企業たちは、今、巨大データセンター作りに血道をあげている。年間利益の5倍ぐらいの費用をかけてデータセンターを全米各地に作っている。そこで使われるGPUを、だからNVIDIAが大量に作って販売している。ところが、これらのデータセンター作りは、世界中で頓挫(とんざ)して半分以上の、工事が止まっている。それらを動かす電力の供給が滞(とどこお)っているからと言われる。

 すでにNVIDIAからのAIチップ(GPU)の供給は、過剰になっていて過剰設備、過剰生産の問題が起きている。株主たちは怒って「これ以上データセンターなんか作るな。どうせ余って破棄することになる」として、アマゾンの株価が大きく下落したりした。

 だから今のAIバブルの大騒ぎはやがて収束する。AIバブルは近いうちにはじける(バースト)。人間の知能を超える何かが生まれて、やがて人間(人類)を支配するようになる、などはまさしくSF(サイエンス・フィクション)である。毎日、チャットGPT(オープンAI社製)と話して癒(いや)されていると吹聴する人間たち、というのは一過性の熱病だ。だからAI(エイアイ)でたかが電気通信屋の巨大企業たちがボロ儲けをする時代もやがて過ぎ去る。

 マイケル・バーリ Michael Burryという、サブプライム・ローン崩れ(2007年)を予言して、逆張(ぎゃくば)りで当てた天才投資家がいる。4月10日に、「私はNVIDIA(エヌビディア)のプット・オプション(先物[さきもの]の空[から]売りショートの一種)を買った」と発表した。バーリは、「巨大テック企業たちは、すでに半導体の過剰供給、過剰設備を粉飾(ふんしょく)決算している。真実の利益はそんなに出ていない」と鋭く分析した。マイケル・バーリは映画〝Big[ビッグ] short[ショート]〟(2015年)『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のモデルになった人物だ。この「世紀の空(から)売り ビッグショート」があった。翌年の2008年がリーマン・ショックである。あれから18年が経()つ。

 

あとがきでこんなことまで書く必要はなかったのだが、私は自分が今の時代に乗り遅れる訳(わけ)には行かないので、常に日本の言論で最先頭を走りたいから、こうしてAIのことも書いた。

 本書を書くに当たっていつもの通り徳間書店学芸編集部の力石幸一氏の伴走を得た。記して感謝します。

 

2026年6月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 日本の経営コンサルタントの草分けである故船井幸雄先生が創設された船井本社が発行する月刊誌『ザ・フナイ』(出版はビジネス社)に論考を掲載していただきました。

今回の『ザ・フナイ』2026年7月号(2026年6月1日発売予定)は、アメリカ建国250周年(7月4日が建国記念日)にちなみ、「建国250周年の黙示録 アメリカ帝国の崩壊とトランプの蹉跌(さてつ)」をテーマにするということで、論稿の寄稿をご依頼いただいた。師である副島隆彦先生が毎月『ザ・フナイ』に論考を掲載しており、今回、お口添えをいただいた。副島先生と『ザ・フナイ』編集部に厚く御礼を申し上げます。

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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 私は、「トランプとネタニヤフが始めたイラン戦争の後始末 JD・ヴァンス副大統領が『アメリカ・ファースト』の灯を灯す」という題で論稿を寄稿し、掲載していただきました。

 私の論考の内容は、アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が主導し、2026年2月28日に開始されたイラン戦争(現在は一時停戦中だがホルムズ海峡は封鎖中)について、攻撃決定までの内幕、JD・ヴァンス副大統領が主導している和平交渉までを、資料にもどいて描き出した。そして、トランプの後継者はヴァンスであり、ヴァンスこそがアメリカ・ファースト(America First、アメリカ国内問題解決優先主義)を引き継ぐことも合わせて書いている。
 ヴァンスを拙著『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体』(ビジネス社)で取り上げたピーター・ティールがしっかりと支えており、2028年の大統領選挙に向けて動いていることはこのブログでもすでにご紹介している。ブログと合わせてお読みいただければ、皆さまにアメリカ政治の理解を深めていただけるものと著者として確信を持っている。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
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今回の『ザ・フナイ』2026年7月号(2026年6月1日発売予定)は、アメリカ建国250周年(7月4日が建国記念日)にちなみ、「建国250周年の黙示録 アメリカ帝国の崩壊とトランプの蹉跌(さてつ)」をテーマにするということで、論稿の寄稿をご依頼いただいた。師である副島隆彦先生が毎月『ザ・フナイ』に論考を掲載しており、今回、お口添えをいただいた。副島先生と『ザ・フナイ』編集部に厚く御礼を申し上げます。

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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 私は、「トランプとネタニヤフが始めたイラン戦争の後始末 JD・ヴァンス副大統領が『アメリカ・ファースト』の灯を灯す」という題で論稿を寄稿し、掲載していただきました。

 私の論考の内容は、アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が主導し、2026年2月28日に開始されたイラン戦争(現在は一時停戦中だがホルムズ海峡は封鎖中)について、攻撃決定までの内幕、JD・ヴァンス副大統領が主導している和平交渉までを、資料にもどいて描き出した。そして、トランプの後継者はヴァンスであり、ヴァンスこそがアメリカ・ファースト(America First、アメリカ国内問題解決優先主義)を引き継ぐことも合わせて書いている。
 ヴァンスを拙著『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体』(ビジネス社)で取り上げたピーター・ティールがしっかりと支えており、2028年の大統領選挙に向けて動いていることはこのブログでもすでにご紹介している。ブログと合わせてお読みいただければ、皆さまにアメリカ政治の理解を深めていただけるものと著者として確信を持っている。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦最新刊『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社)をご紹介する。発売日は2026年2月4日だ。
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『金を握りしめた者が勝つ』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに移動します

 このブログでも何度かご紹介しているように、昨年から金をはじめとする実物資産の価格が上昇している。アメリカと日本とイスラエルの「悪の枢軸」「地政学リスクトリオ」の「活発な動き」のために、ドル離れと実物資産の需要の増加が見られる。ドナルド・トランプ、高市早苗、ベンヤミン・ネタニヤフがやりたいことをやり続けることで、実物資産の価格上昇が続くことが予想される。

 こうした状況下で、『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』の刊行は時宜を得たものとなる。

以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載する。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 まえがき 副島隆彦(そえじまたかひこ)

「金(きん)とドルの戦い」において、金が勝利した。

金の値段が、日本だけでなく世界中で暴騰(ぼうとう)した。世界中の人々が金を買うために金ショップに殺到している。この動きは今も続いている。中国、ロシアだけでなく、インドでも、南米のブラジルでも、アラブ中東世界でも、資金のある人は金を買うことに熱中している。欧米白人の資産家たちも同様である。これまでに金(きん)を買っていた人々の勝利である。

金1グラムの最高値段は、2025年(去年)10月21日の史上最高値(さいたかね)で2万3370円(国内の小売[こうり]の値段)まで行った。1グラム=2万円を大きく超えた。この事態に多くの人が驚いた。

 金1キログラムの延()べ板(いた) bar [バー])ならば2000万円もする。小さな家1戸()や鉄筋アパート1室が買える値段である。とんでもないことが起きてしまった。

私、副島隆彦は、ずっと金の価格の上昇を予言して、自分の本に書き続けた。この20年間の自分の金融予言が当たって、私の信用はさらに高まった。この事実を私の本の読者とともに私は喜ぶ。

私が「金とドルの戦い」という考えを思いついて書き始めたのは、2003年である。その証拠は、自分の過去の本にさかのぼって、この本に載()せる。そのころ金は1グラム=1200円ぐらいだった。だから、そのときと比べて実に、金は20倍の値上がりをした。

私はそのころ「金(きん)をどれだけ買ったらいいですか」の質問に対して「皆さんの奥さんの体重と同じだけ金を買いなさい」と講演会で話して回っていた。女性の体重は、だいたい50キロ前後である。男である私が成人女性の体重は50キロ前後なのだ、と実感で知るようになったのは最近のことである。男はだいたい70キロから80キロである。ということは、その体重分の金の値段は、当時6000万円であった(1200円×50キロ)。それが今現在、いくらになったと思いますか。

(きん)1グラム=2万2000円として50キログラムの金は12億円である。驚くべき金額である。あのころ私が講演していた聴衆の企業経営者や資産家たちにとって、6000万円というお金は本当に、たいしたことはなかった。それが今、12億円にもなってしまった。そして今度は金(きん)の、売却時(譲渡益課税)と相続のときの税金の払いのことで、これまた、たいへんなことになっている。新たに大きな問題が出現したのだ。 

私は、3年前に『金融恐慌が始まるので 金(きん)は3倍になる』(2023年12月、祥伝社刊)を書いた。この本で「金は3倍になる」と私がはっきりと予言した。ところが、誰も本気にしてくれなかった。私のすぐ周(まわ)りにいる人たちも理解しなかった。皆、ぼーっとしていた。私が何を言っているのか、誰も分からなかった。ところが現実にまさにまさしく「金は3倍に」なりつつある。あのとき、2023年8月28日に金1グラムが1万円を突破したあとだった。まさしくあの本を書いたとき、 金1グラムは1万円を突破した。あのときから「3年で3倍になる」が、私たちの目の前で実現しようとしている。

このあと金1グラムが快進撃を続け、2万円を突破した(2025年9月29日)。1万円が2万円になるのに2年と1カ月かかっている。このとき、私の書いたことが当たり始めた。私の予言は真実味を帯()びた。私の書くことを信じて、この20年間の間に金(きん)を要所、要所で買い続けた人々の大勝利である。買わなかった人たちは……

去年2025年中に2万3000円台まで行った1グラムの金が、残りの5000円上昇を達成して私の予言の金1グラム3万円を超えれば、私が3年前に予言したとおり、まさしく「3年で3倍になる」という予言は的中である。あと1年で3万円を突破すれば、私が3年前に予言したとおり、「3年で3倍になる」という予言を的中させたことになる。

このようにして、私はすでに金融の予言書として信頼されている。私の書いたことは日本国民から評価されている。

これからの金(きん)の値上がり(あるいは、一時の逆流)予測に関して、この本で細かく書いていく。ジム・リカーズ James Rickards(75歳)というアメリカ人の金融評論家(リスク・アナリスト)が「1オンス=1万ドルになる」と言った。彼の2016年刊(10年前)の本である。ということは、金1グラムは、今の為替(かわせ)1ドル=150円で計算すると、日本円で4万8000円になる。とんでもない金額である。だが私は、ジム・リカーズの、この金1オンス=1万ドルは実現すると思う。なぜならば、人類の歴史は、今や金本位制(きんほんいせい)(ゴールド・スタンダード)の復活に向かって着々と進んでいるからである。

米ドルはもはや金(きん)との戦いにおいて敗れ去った。ドル体制が崩壊して数年後にできる新しい世界通貨体制が始まる。それを支(ささ)えるだけの金が、現在のドルでの全通貨量(金額評価する)の20%はなければいけない。

(きん)は国際値段(NY(ニユーヨーク)の先物(さきもの)市場)で、1トロイオンス(31・1グラム)=4000ドルを突破した。2025年10月7日から8日にかけてである。そして10月20日の終値(おわりね)で4359ドルの史上最高値をつけた(P7のグラフ)。世界中の金融投資に関わっている人々は、驚き呆(あき)れて言葉を失った。

そしてこの翌日から下落した。1021日には1オンス=3880ドルまで下落した。その数日後には、ふたたび4000ドルを回復した。直(ちよつ)(きん)の値段は1オンス=4638ドルである(1月14日)。

年末の金の下落で、金価格のグラフに1回〝踊り場〟ができた。この金のいったんの下落はなぜ起きたか。それはNYのガラの悪いヘッジファンドたち(恐ろしい博奕[ばくち]打ちの金融ユダヤ人たちである)が急遽(きゅうきょ)(初めて、と言ってよい)、金市場に参入して、1オンス=4000ドルの声を聞いて驚いて、「オレたちも乗り遅れるな」(FOMO[フォウモウ] Fear[フィア] of[オブ] Missing[ミツシング] Out[アウト] )で、金(きん)ETF(イーティーエフ)(ペイパー・ゴールド)市場で大量の買いを入れたからだ。おそらく1兆ドル(150兆円)ぐらいの買いである。

しかし、彼らは、どんなものでも短期売買しかしない。だから10日後に4000ドルから300ドル値上がりしたところで一斉(いつせい)に売り払った。これを利益(りえき)確定(かくてい)(利確[りかく])と言う。こういう荒っぽいことをするのがヘッジファンドたちである。だから、世界の金価格に踊り場が生まれた。この動きは今後も続くだろう。金(きん)は、このあとは急には上がらないで、着々と少しずつ上がってゆくと私は予測している。

このNYのガラの悪い投機家たちの他に、世界中で金の4000ドル超え高騰が起きたあとに、「やっぱり今からでも金を買おう」と思って、自分のポートフォリオ(自己資産の割り当て表)で、金(きん)を15%にまで上げた人たちがいる。彼ら個人投資家たち堅実であり着実だ。彼らは新規の金(きん)市場への参入者である。彼らはこのあと金をずっと長く保有(ロングホールド)するつもりである。このように世界中で個人の金買いが続いてゆく。私は、この個人たちが正しい投資行動をとっていると判定する。

だから、このあと、長期での金の上昇がふたたび始まる。目先の目標値は1オンス=5000ドルである。そして1万ドルである。

私が「金を買いなさい」と言って本に書き始めて23年が経()った(2003年から)。これまでに私が書いた本を熱心に読んで、内容を信用して、金を買って持ち続けた人々に大きなご褒美(ほうび)が与えられた。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

=====

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 【目次】

まえがき

第1章 世界は金本位制の復活へ向かう

●金1グラムは10万円になる、と私、副島隆彦は予言する

●アメリカ中心の時代が終わり、世界は新しい秩序に移行する

●なぜ金本位制に戻ってゆくのか

●日本円は米ドルの動きと反対方向に切り上げられ、やがて電子マネーになる

●金価格は、わずか2年で2倍になった

●〝砂金(さきん)採()り体験〟が人気に

●私は23年前から「金を買いなさい」と書いてきた

●「金を握りしめる」のは世界的な動きである

第2章 もうすぐ金1グラムは3万円になる

●リーマン・ショックのとき、アメリカは「やってはならないこと」をやった

●米ドルの価値の毀損(きそん)が起きている

●貧困国・アメリカの現実

●私の助言で金を買った人々からの大きな反響

●「写真相場」とは何か

●ゴールドマン・サックスより先に私が「1オンス5000ドル」を予言した

●先物の「裸の空売り」で巨額の損失

第3章 これからは金貨(ゴールド・コイン)を買いなさい

●NY先物市場での金(きん)の動きの全体像

●紙キレの金を売り買いして失敗した

●ペイパー・ゴールドに手を出すな

●イギリス、スイス、ヴァチカンから金地金がアメリカに運び込まれた

●〝天皇家の金〟を持ち出そうとした2人の日本人

●「13兆円の米国債」の正体

●中国とロシア、そして新興大国が金を買う

●「税務署が怖い」と言う人たちへ

●1キロや2キロの金で税金に悩む必要はない

●なぜ私は金貨(ゴールド・コイン)を薦(すす)めるのか

●業者が買い取った金はどこへ行くのか

●年間110万円までなら贈与税はかからない

●金で儲かったなら、そのお金で周りの人を助けなさい

第4章 銀(シルバー)とプラチナも上がってゆく

●相続税とタンス預金をどうするか

●金は現物(げんぶつ)を自分で守るべきだ

●女性銀行員が貸金庫の金(きん)と現金を盗んだ

●急騰の裏側で何が起きているのか

●銀1キロが300万円になる日が来る

●先端企業が「いくらでもいいから買え」と指示

●イーロン・マスクが銀鉱山の株を大量に買った

●46年前の〝シルバー・ショック〟

●インドの中央銀行が銀を融資の担保に認めた

●なぜ幕末の日本から金(小判)が流出したのか

●かつてプラチナは金より高かった

●人造ダイアの量産でダイアモンドの資産価値は失われた

第5章 金に敗れたドル覇権は崩壊する

●もうすぐ超円高=ドル暴落が起きる

●トランプのドル切り下げで1ドル=15円になる

●NYの株とともに日本株も暴落する

●日銀の利上げをアメリカは認めなかった

●日本はインフレではない。デフレだ

●トランプが各国への相互関税をやめた理由

●なぜ国(くに)は国民から消費税を取りたいのか

●国家の借金は毎年毎年、積み上がる

●15京円の借金大国・アメリカの真実

●日本は「対米投資」で80兆円をふんだくられた

●日本人は歯を食いしばって頑張り続ける

●2026年末、アメリカは世界覇権国の地位からすべり落ちる

第6章 日本と米中、世界はこうなる

●軍事政権の特殊な人間、イーロン・マスク

●トランプは軍人たちに支えられている

●黒塗りされたエプスタイン・ファイル

●なぜ江戸幕府はキリシタンを弾圧したのか

●クリントン夫妻も悪魔の儀式に参加した

●〝次の大統領〟J.D.ヴァンスの人物像

●自民党員の中に統一教会員が集団加入

●世界と歴史を大きく見るために

●日本の政治指導者は靖国参拝をしてはならない

●米中は「台湾をどうするか」で話し合っている

●台湾は平和的に中国に統一される

●誰が日本の核保有を許さないのか

●だから安倍晋三は〝処分〟された

あとがき

=====

『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』 あとがき

 この本の書き上げの昨年末(12月おわり)に、NYの銀(ぎん)の先物(フューチャー)市場 COMEX(コメックス) で大変動があった。銀価格は、下落した(1オンス=72ドル。銀貨1枚で1万5000円)どころか、200ドルに向かっている。米と英が支配する先物市場とETF(イーティーエフ)(ペイパー・シルバー、紙キレの銀)が壊れつつある。現物(げんぶつ)(実物)の銀の7割を握っている中国の勝ちだ。第4章で前述した。世界は金(きん)だけでなく、銀(シルバー)も加えた金銀本位制(バイメタリズム bimetallism )に向かっている。

 1月3日に、アメリカ(トランプ政権)による南米ベネズエラ国のマドゥロ大統領の拘束(キャプチュア)、連行が起きた。アメリカは、直接ベネズエラ国にある大量の石油と天然ガスを自分のものにする戦略に出た。鉱物資源(ミネラルズ)も直接、支配する。トランプはもうNY(ニユーヨーク)の金融(紙キレ)経済を信用していない。実物を握るしかない、と。世界は一気に実物(じつぶつ)経済( tangible[タンンジブル] economy(エコノミー) )が中心になった。これは『「実物経済」の復活』(2003年3月、光文社)を出版して日本では私が初めて言い始め(唱導[しょうどう])した理論だ。

 私は昨年10月中(ちゅう)の金の高騰(こうとう)の凄(すご)さを横目で見ながら、ずっと不愉快だった。もう本を書く気力を失った。「俺(おれ)がずっと20年間、書いて(主張し、予言して)きたとおりじゃないか」とブツクサ言いながら、うつ症(しょう)のまま過ごした。12月になって、ようやく「それでも、やっぱり書くか。全国に私の読者が待っている」と元気(げんき)(気の元)を取り戻した。

 本当にもうすぐ世界体制が変わる。この本に、書くべきことはすべて書いた。しっかりと読んでもらえれば分かる。

 この本も長年(25年間も)私につき合ってくれている編集者の岡部康彦氏が苦労して編集してくれた。記して感謝します。

2026年1月

副島隆彦(そえじまたかひこ)

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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 昨年は金、銀、プラチナという実物資産の価格が上昇した。年初にこの動きは収まるかと思われていたが、ドナルド・トランプ大統領によるウクライナ攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束連行によって、「地政学リスク(geopolitical risks)」が高まったことで、実物資産への投資が続くことになり、価格が上昇している。田中貴金属のウェブサイトには毎日の値動きが表示され、グラフもある。これを見れば、地政学リスクの動きに連動していることが分かる。
goldprices2025120120260119graph001
2025年12月1日から2026年1月19日までの金価格の推移
silverprices2025120120260119graph001
2025年12月1日から2026年1月19日までの銀価格の推移
platinumprices2025120120260119graph001
2025年12月1日から2026年1月19日までのプラチナ価格の推移

地政学リスクとは、「ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、その特定地域の経済、もしくは世界経済全体の先行きを不透明にするリスク」と定義されている。ドナルド・トランプ大統領の動きはまさに地政学リスクそのものとなっている。また、日本の高市早苗首相のこれまでの動きも地政学リスクとなっている。私は、トランプと高市の日米両国の首脳を「地政学リスクのTTコンビ」と呼んでいる。日米で地政学リスクを上昇させているのだから、実物資産の価格が上昇する。そして、通貨であるドルや円の価値が毀損される。こうした動きがしばらく続くだろう。

 私の師である副島隆彦先生が2月4日に『金を握りしめた者が勝つ 銀は10倍になる』(祥伝社)を発刊する。まさに時宜を得た、出版となっている。是非、お読みいただき、資産防衛にお役立ていただきたい。
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『金を握りしめた者が勝つ』

(貼り付けはじめ)

国内金価格、初の26000円台に上昇 FRBへの政治圧力を警戒

グローバルマーケット 日本経済新聞

2026114 9:57

(2026114 11:36更新)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB140UW0U6A110C2000000/

金(ゴールド)価格の国内指標となる地金商最大手の田中貴金属工業が14日午前に公表した小売価格が、初めて1グラム26000円を超えた。前日比258円(1%)高い26051円を付け、2日連続で最高値を更新した。米インフレの鈍化を示す経済指標の発表を受けて米利下げ継続への観測が強まった。トランプ米政権による米連邦準備理事会(FRB)への政治圧力の激化への警戒と共振し、金を求める動きが広がった。

米労働省が13日に公表した202512月の米消費者物価指数(CPI)はエネルギーと食品を除くコア指数が市場予想を下回り、物価上昇の落ち着きを示唆する内容と受け止められた。FRBが利下げを継続するとの見方が金相場を支えた。利下げは金利の付かない金の相対的な投資妙味を高めることにつながる。

国際価格の指標となるロンドン現物価格は13日の取引で前日比40.84ドル(0.9%)高い1トロイオンス4634.33ドルを付け、最高値を更新した。

米政権によるFRBへの政治圧力の強まりも金需要を強めている。トランプ米大統領は市場予想を下回ったCPIの発表後、SNSへの投稿で再び大幅な利下げを要求した。FRBについては本部ビルの改修工事を巡ってパウエル議長が刑事捜査の対象となっているが、トランプ氏は改めてパウエル氏を「無能か不正のどちらかだ」と批判した。

中央銀行の独立性が損なわれて金融市場が混乱することへの懸念が広がるなか、コモディティーなどの取引仲介を担う米StoneXのローナ・オーコネル市場調査責任者は「相場は既に高値圏にあるものの、重要な金への追い風となる」と指摘する。

外国為替市場で進む円安が円建ての金価格を押し上げている面も大きい。国内では高市早苗首相が早期に衆院を解散するとの観測が広がった。財政出動による財政悪化への懸念から対ドルの円相場は1ドル=159円台と1年半ぶりの円安・ドル高水準に下落。円の価値が下がれば、円でみた金の価値は相対的に上昇する。

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