古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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カテゴリ: 日米関係

 古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。

 ドナルド・トランプ大統領が2025年4月に打ち出した高関税政策は世界に衝撃を与えた。世界各国が対応に追われた。日本も例外ではなかった。石破茂前政権では経済再生担当大臣の赤澤亮正が毎週のようにワシントンDCを訪問し、最終的には15%の追加関税で収めることができた。日本からは5500億ドル(約80兆円)の投資をアメリカに行うということも決まった。その後、多くの国々がアメリカに一定の譲歩をする形で、関税を引き下げるという取引を行った。

 日本はアメリカの属国である。日本については投資という形での貢ぎ金が必要となる。アメリカと戦争をしないこと、世界各国を敵に回さないことこそが日本の基本的な原理である。「お金で済むことならば」という態度で戦後80年を過ごしてきた。これに対して不満を持つ人もいるだろうが、戦争をしないこと、外国にまで出張っていってその国の人を殺すようなことをしないで済むことが一番大事である。

 ただ、金を貢ぐにしても「貢ぎ方」や「品格」がある。何でもかんでもアメリカ側の言いなりで、へいへい、ご無理ごもっともでは舐められるだけだ。石破前政権では、トランプ政権のエルブリッジ・コルビー国防次官からの「防衛予算の対GDP比3.5%への引き上げ」要求を蹴り、日米の外務・防衛担当大臣・長官の会談「2プラス2」を実施しなかった。これがトランプとアメリカ側の逆鱗に触れたということは考えられる。そして、そのような「謀反気」を一切持たない、芯からの属国根性の持ち主である高市早苗が首相に「据えられた」ということになる。高市早苗は骨の髄までの対米隷属志向であるのに、反米的な遊就館史観を持つ靖国神社には参拝するという矛盾する行動を取るのが不思議である。

 ドナルド・トランプは高市早苗就任直後に訪日し、高市首相はかいがいしくアテンドして回った。その姿は痛々しいほどだった。時期を前倒しで、防衛予算の対FDP比3%を達成すると決め、日本国民には「愛国増税」がのしかかる。高市首相の「失言」によって、日中関係は悪化し、日本経済にも影響が出ている。この状態が続くならば、厳しい年末年始から年度末ということになりそうだ。私の見立てでは、中国の習近平国家主席は、日本をいじめることが理由で、現在の状況を作り出してはいない。習近平は、トランプとアメリカに「踏み絵」を踏ませているのだ。「日本の高市を支持するということは、一つの中国政策から後退するということだな」と。トランプにとって台湾はもう中国のものだし、中国が好きにすればいいということになっているだろう。「アメリカ・ファースト」である。「アメリカは邪魔しない」ということをより明確にするために、高市失言を利用した。更に、アメリカの同盟諸国に「いざとなったらアメリカは同盟諸国を捨てますよ」ということをアピールすることにもなっている。

 日本はアメリカに無条件で貢ぎまくって、その代償が現状である、他国はもっとうまく、慎重に立ち回っている。日本の高市早苗政権の馬鹿さ加減が現状を生み出している。そして、この状況を生む出した根本原因は日本国民であり、日本国民の馬鹿さ加減である。

(貼り付けはじめ)

高市首相、トランプ氏に防衛費増を伝達 80兆円投資「着実に履行」

外交・安全保障

日本経済新聞 20251028 19:52(20251029 2:00更新)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23BCK0T21C25A0000000/

高市早苗首相は28日、東京・元赤坂の迎賓館でトランプ米大統領と会談した。両首脳は日米関税合意を「着実に履行する」と確認し、「日米同盟の新たな黄金時代」をめざすとの文書に署名した。首相は防衛力強化の方針を伝え、トランプ氏は日米関係が「今まで以上に強力になる」と述べた。

レアアース(希土類)など重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化に協力する覚書も交わした。

首相とトランプ氏の会談は初めて。会談とその後のワーキングランチの合計は90分ほどだった。首相は日本が主体的に防衛力強化と防衛費増額に取り組む決意を伝えた。「日本も世界の平和と繁栄に貢献していく」と強調した。

トランプ氏が同盟国に安全保障面での負担増を求めていることを踏まえ、自前の抑止力強化を進める姿勢を示した。

首相は24日の所信表明演説で、防衛関連費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%へ引き上げる目標を25年度中に前倒しすると打ち出した。国家安全保障戦略など安保関連3文書も前倒しで改定する予定だ。

トランプ氏は日本の防衛力強化の方針について「承知している」と述べた。米国の防衛装備品を調達していることに「感謝を申し上げる」とも語った。米国が高性能の戦闘機やミサイルを有すると主張し、購入拡大への期待を示した。

首相は会談後、記者団に「(米側から)防衛費の規模感についての話はなかった。数字を念頭にしたやりとりはなかった」と説明した。

会談では国際情勢も話し合った。中国に関する諸課題について意見交換し「力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対する」と合意した。台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認した。中国、北朝鮮、ロシアの軍事連携も取り上げた。

北朝鮮に関し「完全な非核化に向けた確固たるコミットメント」を確かめた。首相から日本人拉致被害者問題の解決への協力を求め、トランプ氏は「全面的な支持」を表明した。同氏は会談後、被害者家族らと面会した。

首相は会談後、米軍横須賀基地(神奈川県)でトランプ氏と一緒に米海軍の空母に乗艦した。米軍兵士の前で「世界で最も偉大な同盟になった日米同盟を更なる高みに引き上げていく」と訴えた。トランプ氏は日米同盟が「太平洋における平和と安全の礎だ」と強調した。

関税合意を巡っては日本から米国への5500億ドル(84兆円)の投資が含まれており、首脳会談で実行を約束した。首相はワーキングランチで日本による対米投資の実績を地図を使って説明し、米経済への貢献を訴えた。

両首脳は重要鉱物のサプライチェーン強化への協力文書にも署名した。幅広い産業に不可欠なレアアースの調達を中国に依存する現状の改善をめざす。

人工知能(AI)や次世代通信をはじめとした重要技術、造船など経済安全保障にかかわる日米協力の強化を進めるとも確認した。担当閣僚間で複数の覚書を交わした。

首相はレアアース調達の協力について、自身の強い希望だったと会談後に記者団へ明らかにした。南鳥島周辺の海底に眠るレアアースやハワイ沖での開発案件に触れて「日米共同で開発していく協力関係が確認できた」と強調した。

会談では医薬品の原料も議題にしたと言及した。その上で、中国を念頭に「日米ともにあまりにも特定国に依存し過ぎている」と調達先を多様化する必要性を指摘した。

安全保障分野ではトランプ氏が同盟国の負担増を求めていることを踏まえ、日本の防衛力強化に向けた取り組みを説明した。内向き志向を強める米国が引き続きアジアの安保に関与するように、日本が自前の防衛力強化を進めると強調した。

首相は会談後、他の民主主義国との協力を深める方針でも一致したと説明した。「日米韓、日米フィリピン、日米豪印といった同志国連携を一層推進していくと確認した」と語った。

安倍晋三元首相が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」の実現を日米でめざす。

首相はトランプ氏との信頼関係の構築に向け、タイとカンボジアの紛争終結や中東での停戦合意への米国の貢献を「短期間に世界はより平和になった」とたたえた。米高官によると、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦する考えも伝えた。

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なぜアジア諸国は貿易に関してトランプ大統領にこれほど多くの譲歩をしたのか?(Why Did Asian Countries Give Trump So Much on Trade?

-新たな協定には、アジアにおける物品の流れを変える可能性のある異例の譲歩が含まれている。

アガーテ・デマライス筆

2025年11月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/11/12/trump-trade-tariff-agreement-deal-asia-japan-south-korea-asean/

ドナルド・トランプ政権の交渉担当者たちは、このところ絶好調だ。わずか数週間のうちに、アメリカは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟4カ国(カンボジア、マレーシア、タイ、ヴェトナム)と貿易協定を締結し、7月に日本がホワイトハウスに提出した投資誓約の詳細を巧みに調整した。これらの協定の精神はシンプルだ。ドナルド・トランプ米大統領が課した、あるいは脅した関税よりも低い関税と引き換えに、これらの国々はワシントンの要求を驚くほど多く、広範囲に受け入れていた。

貿易協定は通常、不眠症の優れた特効薬(a great antidote to insomnia)となる。しかし、ワシントンとアジア諸国の間で最近締結された協定は異なる。協定の細則を見れば、これらの国々が協定締結のために異例の譲歩をしたことが分かる。これらの協定は、トランプ大統領が関税の脅威を巧みに利用し、パートナー諸国にアメリカへの投資を迫り、アメリカ政府が国内問題への発言権を与え、中国との分断を図ってきたことの手掛かりとなる。

トランプ大統領は、そのビジネス感覚に忠実に従い、アメリカの交渉担当者たちが世界中で締結を目指している貿易協定において、外国からの投資の約束を優先事項としてきた。日米協定はその好例だ。この協定の目玉は、2029年1月のトランプ大統領の任期満了までに、日本政府がアメリカに5500億ドル(約85兆2500億円)を投資するという約束である。これは日本のGDPの約15%に相当する額であり、おそらく偶然ではないだろうが、日本からアメリカへの輸出の4年間分(あるいは大統領の任期1期分)に相当する。

この協定の解釈は、太平洋の両側で大きく異なっている。ホワイトハウスによると、「日本政府はアメリカに5500億ドルを投資することに同意した」となっている。トランプ大統領は、「5500億ドルを得ることになる。これは野球選手の契約ボーナスのようなものだ」と見ている。私がアメリカ政府当局者と話し合ったところによると、この協定の解釈によれば、アメリカ企業による100億ドルの投資プロジェクトが民間資金で40億ドルしか調達できない場合、不足分の60億ドルを日本の納税者の資金で補填することが可能となる。

日本政府はこの見解に強く反対している。ブルームバーグによると、7月に日本の首席交渉官は地元メディアに対し、「5500億ドルの投資枠組みは、日本政府が支援する金融機関による投資、融資、そして融資保証を組み合わせたものだ」と述べた。各投資の利益の90%はアメリカに渡る。その後、日本が初期投資を回収するまでは50対50のより均衡した配分となり、その後は90対10でアメリカに有利になる可能性が浮上している。

これらの議論はさておき、日本の投資公約について3つのことが明らかになっている。第1に、この合意は、日本が公的資金をアメリカにおける民間投資に充当することを約束している。第2に、アメリカは最終的にその見返りの90%を得る。第3に、日本が約束を履行しない場合(アメリカ側の解釈がどうであれ)、ホワイトハウスは日本製品の輸出関税を再び課すことができる。ホワイトハウス当局者たちは「私たちは貿易相手国に約束を守るよう求めており、もしいずれかの国が約束を破った場合、大統領は関税率を調整する権利を留保する」と述べた。

日本がなぜこのような協定に署名するのか、理解に苦しむ。第一の問題は、日本が資金提供を必要とするプロジェクトについて最終勧告を行う投資委員会にアメリカ人のみが参加し、最終決定権はトランプ大統領のみに握られるという点だ。日本にとっての潜在的な問題はこれだけではない。公的資金提供は、民間投資家がそもそもこれらのプロジェクトに興味を持っていなかったことを示唆しており、利益が出ない可能性もある。専門家はまた、アメリカ政府が、ワシントンが管理する投資ビークルを通じて外国資金を誘導する権限を持っているかどうかについても疑問を呈している。将来の政権や連邦議会がこの計画を違法と判断した場合、日本は投資を失う可能性がある。

韓国の李在明大統領は、現在ワシントンと交渉中の貿易協定で同様の条件に同意した場合、「弾劾されるだろう」と考えている。しかし、ホワイトハウスが韓国に対し3500億ドルの投資パッケージへの同意を迫っていることから、李大統領は間もなく日本と同じ轍を踏むことになるかもしれない。ハワード・ラトニック米商務長官は、「韓国は合意を受け入れるか、関税を支払うかのどちらかだ」と述べた。もちろん、ラトニック長官の見解は間違っている。アメリカの関税を支払うのは輸出国ではなく、アメリカ企業と消費者だ。

日本が投資誓約を確定し、韓国もそれに迫ったことで、ワシントンは第2の優先事項、すなわちASEAN諸国にアメリカ規制の適用を強制することに集中する余裕が生まれた。アメリカとマレーシアの合意は、まさにその好例だ。この合意には、ワシントンが要請すればマレーシアが「アメリカの一方的な輸出規制」に全て従うことが盛り込まれている。クアラルンプールがこのような条項を受け入れたことは奇妙だ。マレーシアの島嶼国ペナンは長年、中立的な(つまりアメリカと中国双方にサービスを提供する)半導体製造拠点としての地位を確立することで繁栄してきた。トランプ大統領が米国の対中輸出規制を維持し、マレーシアがそれを模倣するなら、ペナンの半導体企業がどのようにして中国で事業を継続できるのかは不透明だ。

ワシントンがパートナー諸国にアメリカの規制への準拠を求める動きは、これで終わる訳ではない。マレーシアはまた、アメリカの制裁対象、あるいは米産業安全保障局(BIS)のエンティティリストに掲載されている個人や企業との取引を制限することにも同意した。アメリカの制裁が世界的に影響を及ぼしていることは目新しいことではなく、この合意がなかったとしても、多くのマレーシアの銀行がアメリカのブラックリストに掲載されている個人や企業との取引を処理するとは考えにくい。新しいのは、アメリカが諸外国に対し、アメリカの主要な制裁措置に倣うよう公然と要求していることである。

デジタル分野は、アメリカの規制介入の最後の領域となっている。マレーシアは協定において、デジタルサーヴィスに課税しないこと、そして他国とデジタル協定を締結する前にアメリカと協議することを約束した。こうしたアメリカの要求は意外ではない。トランプ大統領は長年、アメリカのデジタルプラットフォームに対する不公平な課税に執着してきた。しかし、マレーシアがこの条項をどのように実施するかは興味深い。マレーシアはASEAN主導のデジタル経済枠組み協定というデジタル協定に署名したばかりだ。

アメリカとカンボジアの貿易協定は、アジアにおけるアメリカの第3の優先事項——同盟国に中国との経済的分離を迫ること——を如実に示している。まず、プノンペンはあらゆる国(つまり中国)に対し、アメリカの関税・割当を模倣することを約束する。さもなければ、カンボジアの対米輸出に対し、世界最高水準の49%という禁止的な関税が再課される。カンボジアがアメリカの敵対国(これも中国を指す)と経済協定を結んだ場合も同様の制裁が適用される。さらにカンボジアは、外国投資家に関する情報をアメリカに提供することに同意した。中国の名は明記されていないが、この条項が北京を念頭に置いていることは明らかだ。中国企業はカンボジア最大の投資主体であり、昨年の対外直接投資総額の約半分を占めている。

アメリカの圧力はいずれ脱却の面で強まる可能性があり、その最優先課題が中継貿易となる。平たく言えば、これは中国からのアメリカ向け輸出をヴェトナムやメキシコなどの第三国経由で迂回させ、アメリカの対中関税を回避しようとする動きを指す。ASEAN各国政府は、アメリカが間もなくこの慣行への対応を要請すると考える根拠がある。マレーシアとの協定では、この問題に関する条項を空白のままにしており、アメリカは中継された中国製品を低関税対象から外す文言を柔軟に策定できる余地を残している。そうなれば、中国とアメリカの間の貿易ハブとして位置づけてきた多くのASEAN経済圏のビジネスモデルは崩壊する可能性がある。

ヨーロッパ連合の官僚たちは、これらの最近の協定を精査する中で、いくらか慰めを見いだすかもしれない。ヨーロッパ連合はアメリカとの協定において、日本、カンボジア、マレーシアなどがアメリカに与えた額のほんの一部しか譲歩していない。これは、なぜアジア諸国政府がこれほど制限的な協定に署名したのかという疑問を提起する。確かに、アメリカは東アジアおよび東南アジア諸国にとって巨大な貿易相手国であり、アメリカによる安全保障の保証は日本と韓国にとって重要である。アジア諸国の政策立案者たちは、トランプ大統領が自らの約束の履行状況をチェックしないことを期待しているのかもしれない。この点については、トランプ大統領の最初の任期中にアメリカが貿易協定の監視と履行を怠った事例が示唆しているかもしれない。これらの説明はどれも完全に説得力がある訳ではない。その間、ヨーロッパ連合の政策立案者たちは、アメリカがアジアへの要求をヨーロッパ連合との次回交渉にそのまま持ち込み始めた場合、どのように対応するか熟考するのが賢明だろう。

※アガーテ・デマライス:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ヨーロッパ外交評議会地経学上級政策研究員。著書に『逆噴射:アメリカの利益に反する制裁はいかにして世界を再構築するか(Backfire: How Sanctions Reshape the World Against U.S. Interests)』がある。Blueskyアカウント:@agathedemarais.bsky.socialXアカウント:@AgatheDemarais

(貼り付け終わり)

(終わり)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 

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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

2025年11月21日に『<a  href="https://amzn.to/49jHIUC ">シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体</a>』(ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

 ドナルド・トランプ大統領によるアジア歴訪が始まった。日本では、高市早苗首相と日米首脳会談を行った。特別な懸案事項もなく、簡単に言えば、「属国である日本がアメリカにお金を支払うことの約束と約束の履行の確認」以外に、アメリカ側に話すことはない。日本側は最大限のおもてなしをするが、そんなことはどうでもよい。「お前らはいくら払うんだ」ということでしかない。アメリカは中国と直接対峙する力を持っていない。日本に対して、中国の脅威を煽り立て、けしかける。アメリカ製の兵器をたくさん買わせる。敵愾心を燃え上がらせて、突発的な小規模衝突でも起きればよいと考えている。成り行きによっては、中国と一緒になって、「日本が先に仕掛けた」「日本の新政権はアブないと分かっていた」と、日本を「共通の敵」にしてしまうだろう。一番損をするのは日本ということになる。
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 日本は防衛予算の対GDP比の引き上げをアメリカに約束した。2027年度予算までの達成としていたが、「戦争屋」高市早苗首相は前倒しして2025年度中の実現を表明した。日本の防衛予算の対GDP比は1.3%程度であったが、引き上げの基調が始まってどんどんと伸びている。問題は、「2%」では終わらないということだ。これから、3%、3.5%、5%となっていく。そのことは新刊でも説明した。社会保障予算や教育予算がしゃんしゃんとお手盛りで2倍、3倍になっていくということはない。しかし、アメリカ肝いりの防衛予算ならば、赤字国債を発行してでも引き上げるということになる。

 「中国の軍事増強が著しい」「中国の軍事大国化は危険極まりない」という論調が盛んだ。対GDP比で見れば、中国は日本と変わらないが、これから日本は際限なく増加していく。日本の方が対GDP比の数字が高くなったら、私たちは「日本の軍事増強が著しい」「日本の軍事大国化は危険極まりない」と批判しなけれればならないし、他国からは軍事増強に疑いと批判の目を向けられつつ、「日本は哀れだな、アメリカの言いなりで国民の生活よりもアメリカの武器を買わされるのを優先させられて」という憐みの目で見られることになる。

 日本の池田勇人首相がヨーロッパ諸国を訪問した際に、「トランジスタのセールスマン」と揶揄された。トランプは「武器商人(arms dealer)」であり、高市は「戦争屋(warmonger)」と揶揄されるべきだ。両者の奇妙なランデヴー(rendez-vous)は日本国民と世界を不幸をもたらす。
(貼り付けはじめ)

●「日米首脳、同盟深化を確認 対面で初会談 高市首相「黄金時代つくりたい」」

時事通信 10/28() 10:08配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/7d533a863d085666571467fdc5455c25fceeb82f

 高市早苗首相と来日中のトランプ米大統領は28日午前、対面での初会談を東京・元赤坂の迎賓館で行った。

 東アジアの安全保障環境悪化を踏まえ、日米同盟を引き続き深化させる方針で一致。首相は「同盟の新たな黄金時代を共につくり上げたい」と提起し、トランプ氏は「日本は最も重要な同盟国だ」と応じた。経済分野の連携も確認した。

 会談後、両首脳は(1)レアアース(希土類)を含む重要鉱物の供給網確保での連携(2)日米関税交渉合意の着実な履行の二つの合意文書に署名した。

 就任から1週間の首相は、トランプ氏との間で個人的な信頼関係の構築を図った。中国、ロシア、北朝鮮の連携も念頭に、強固な同盟関係を内外にアピールした。

 冒頭、首相は「日米は世界で最も偉大な同盟だ。日本も米国と共に世界の平和と繁栄に貢献する」と強調。「自由で開かれたインド太平洋の進展に向け、さらに協力を進めたい」と呼び掛けた。

 これに対し、トランプ氏は日本政府による防衛費の増額や米国製装備品の購入に謝意を伝えた。日米関税合意については「非常に公平な協定になった」と評価。日米間の貿易が今後拡大するとの認識を示した。

 会談で首相は、防衛費を国内総生産(GDP)比2%へ積み増す目標を2年早め、今年度中に達成する意向を伝達。「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定を前倒しする考えも説明したもようだ。 

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●「防衛財源「できることは何でも」 赤字国債、否定せず―片山財務相」

時事通信経済部 202510261501分配信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025102600243&g=pol#goog_rewarded

 片山さつき財務相は26日のNHK番組で、防衛費を対GDP(国内総生産)比で2%に引き上げる目標を今年度に達成するための財源確保について「できることは何でもやる」と表明した。片山氏は「日本は世界でみても一番厳しい安全保障環境に置かれている。必要と思えるものを前倒ししなければならない」と強調した。

 高市早苗首相は24日の所信表明演説で、2027年度とした防衛費の対GDP比2%の達成時期を「補正予算と合わせて今年度中に前倒し」すると表明した。政府は27年度までの5年間で防衛費43兆円を確保し、財源は法人、所得、たばこ各税の増税や決算剰余金、歳出改革などで充当する計画だった。片山氏は赤字国債発行の可能性について「国家の存立が懸かっているので、財源は『これでいけない』『これでなければ』ということはない」と明確に否定しなかった。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

2025年10月21日に臨時国会が召集されて、首班指名選挙が実施される。現在のところ、自民党の高市早苗総裁と国民民主党の玉木雄一郎代表の名前が報道で取り沙汰されているが、自民党と日本維新の会、国民民主党での協議が続いている。高市早苗首相誕生の可能性が高いと見られている。自民党はNHK党や参政党も取り込む動きを見せている。このような重要な政権に関する動きを誰が指揮し、誰がパイプ役、調整役を務めているのか、全く見えてこない。麻生太郎副総裁なのか、義弟の鈴木俊一幹事長なのか、全く分からない。自民党の新執行部は脳内お花畑の素人集団であり、先行きは極めて不安である。
 以下に、高市早苗総裁選出の前後に出た、海外での紹介記事を紹介する。「ガラスの崖(glass cliff)」「サッチャー・ルール(Thatcher rule)」という概念が紹介されており興味深い。ガラスの崖は、危機的状況において、目くらまし的に女性をリーダーに据え、危機を回避出来たら御の字、失敗したら「だからやっぱり女性は駄目だ」と男性が留飲を下げるということであり、サッチャー・ルールは、保守勢力の中核的な保守的価値観を強固に守る女性の方が出世しやすいということである。高市総裁は、ジェンダー平等や保守的な価値観の改革ではなく、保守的でかつ好戦的な態度を見せることで、「男社会」を勝ち抜いた女性ということになる。女性初の自民党総裁であるが、本質的に女性が直面している不平等とは戦わない。なぜなら、男性中心、男性優位の極右的な価値観を最優先するからだ。

 麻生太郎元首相の傀儡であり、旧安倍派復権政権となる高市政権は、アメリカの国益に資するための対米隷属内閣となる。具体的には、日本の防衛予算の対GDP比を既に決定している2%から3.5%に引き上げることが至上命題となる。石破茂政権ではエルブリッジ・コルビー国防次官からの要求を蹴ったことが報じられている(時事通信2025年6月21日付記事「米、日本に防衛費3.5%要求 反発で2プラス2見送りか―英紙報道」)。防衛予算は現在のところ、対GDP比1.3%程度であるが、これが約2.5倍になると、予算の他の科目、例えば、社会保障や教育を削る、もしくは大増税を行う必要が出てくる。高市政権は対外的な脅威を過剰に演出し、「愛国増税」のようなことを仕掛けてくるだろう。国民生活は破壊される。

 日本の先行きは不安が大きい。高市政権がもたらす厄災が可能な限り小さくなることを願うしかない。
(貼り付けはじめ)
日本初の女性首相は強硬派でなければならない(Japan’s First Female Prime Minister Has to Be a Hard-Liner

-もし彼女が今週の総裁選で勝利すれば、高市早苗の超国家主義的な政策(ultranationalist agenda)は地域を揺るがすことになるだろう。

ミン・ガオ筆

2025年10月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/10/02/sanae-takaichi-japan-first-female-prime-minister/

土曜日に行われる自民党総裁選挙では、高市早苗が日本初の女性首相となる可能性が高まっている。高市は、国際舞台における進歩とジェンダーの可視化(progress and gender visibility)を力強く示したと言えるだろう。しかし、彼女の政治の本質、師である安倍晋三元首相によって形作られた、極めて硬直した超保守主義的なイデオロギー(a rigidly ultraconservative ideology)は、与党自民党の根深い保守的かつ家父長的な構造を解体するどころか、むしろ強化する方向に作用している。このように、高市の首相就任は、進歩的な飛躍というよりも、女性が日本で真の権力を獲得するには、自民党の最も深く、最も伝統的な理念への「過剰な忠誠心」(an “over-loyalty” to the LDP’s deepest, most traditional impulses)を示すしかないのかどうかという、重大な試金石となるだろう。

世界的に見ると、日本は依然としてジェンダー平等において外側に置かれている立場(outlier)にある。2025年の世界ジェンダーギャップ指数では、日本は148カ国中118位と、G7諸国の中では最下位に位置しており、懸念されている。この格差は、主に女性の政治参加が著しく不足していることに起因している。石破茂内閣がそれを如実に物語っている。2024年10月、新政権はわずか2人の女性閣僚を任命しただけだった。これは、前政権の5人から大幅に減少したことになる。高市個人の成功は稀有かつ華々しい例外であり、彼女の個人的な成功が真に実質的なジェンダー改革につながるのか、それとも表面的な進歩の象徴に過ぎないのかという疑問を提起する。

この動きは「ガラスの崖(glass cliff)」という概念と密接に符合しているようだ。これは組織の危機や衰退期に、女性(およびその他の周縁化された集団)がハイリスクで不安定な指導的立場に昇格させられる現象を指し、彼女たちを目立つ存在としながらも、避けられない失敗に対して脆弱な立場に置く。例えばオーストラリアでは、2025年5月、保守政党である自由党が史上最低の支持率を記録した時期にスーザン・レイが党首に任命された。この人事は政治評論家たちから「ガラスの崖」シナリオと見なされた。彼女は選挙展望が著しく低下した崩壊状態の党を引き継ぎ、失敗するか、単に将来の男性後継者のために党を安定させる役割を課されたのである。

同様に、高市の台頭は自民党が長期にわたる国民の不信感に直面した直後に起こった。二度の選挙敗北により、自民党は国会での多数派を失ったまま政権維持に苦戦しており、次期党首は分裂した国会を引き継ぐだけでなく、国家予算や経済対策を含む重要法案を可決するため野党との交渉という重大な課題も背負うことになる。強硬派の女性(a hard-line woman)という「非典型的な」候補を推すことは、変化とイデオロギー的揺るぎなさを同時にアピールするという自民党の差し迫った必要性に合致する。もし高市が最終的に党や経済の安定化に失敗した場合、現在の少数与党体制と受け継いだ経済的逆風を考慮すればその可能性は高いが、自民党の保守的で男性中心の既得権層は、彼女の失脚を利用して「女性はトップリーダーシップに適さない」という既存の固定観念を強化し、根強い男性優位の階層構造を集団的非難から効果的に守ることになりかねない。

韓国初の女性大統領となった朴槿恵の歴史的前例は説得力に富む。朴元大統領の保守的で世襲的なリーダーシップは、進歩的な政策の推進や、韓国におけるジェンダーギャップの解消に向けた持続的な取り組みに繋がることはほとんどなかった。実際、朴元大統領の波乱に満ちた任期は政治スキャンダルに彩られ、最終的には家父長制が色濃く残る政治体制における女性リーダーシップの脆弱性を改めて浮き彫りにした。高市にとって、自民党の歴史修正主義と伝統主義への揺るぎないイデオロギー的関与(a nearly non-negotiable ideological commitment to the LDP’s historical revisionism and traditionalism)は成功の不可欠な前提条件(prerequisites)であり、彼女のジェンダー・アイデンティティは改革の使命というよりも、むしろ戦略的な資産となった。高市の成功は、ジェンダー平等の躍進ではなく、ましてやフェミニズムの躍進ではなく、保守的な同化の勝利として解釈されるべきである。実際、彼女は保守的な支持と政策方針ゆえに、反フェミニスト的な政治家と見なされてきた。

高市パラドックスの核心は、女性としての政治的優位性(political ascendancy as a woman)と、日本における女性の平等と自立に具体的に役立つ法改正への強硬な反対(fierce opposition to legal changes that would tangibly benefit women’s equality and autonomy in Japan)という、根本的な矛盾にある。高市は、男系男子による皇位継承法制度(the male-only royal succession law)の断固たる擁護者であり、夫婦が選択的に選択できる法改正(legal changes to allow married couples the option to retain separate surnames)に強く反対している。

高市が選択的夫婦別姓制度に反対する根拠は、こうした改革が伝統的な家族の価値観を修復不可能なほど損なうという信念にある。彼女は長年、家族の結束を維持し、将来の子孫の混乱を防ぐために、現行の姓制度を維持すべきだと主張してきた。1980年代以降、民法改正を求める夫婦別姓運動は国民の間で支持を強めてきた。しかし、こうした勢いにもかかわらず、現行制度は依然として既婚女性の95%以上が結婚時に職業的および私的なアイデンティティを放棄することを強いている。したがって、高市氏の立場は単なる個人的な信念を反映しているのではなく、権力を求める女性はまさに女性の平等を最も制約する構造を守らなければならないという自民党の期待を体現している。

高市氏の立場に内在する皮肉は明白である。彼女自身、公職において旧姓を使用するという職業上の自律性を享受しているのである。彼女は、選択的二重姓法(optional dual-surname law)は戸籍制度(family registry system)と国家(国民)統合(national unity)への直接的な脅威であり、個人の自由や男女平等よりも制度的・人口統計的硬直性を優先する保守派の考えであると主張している。

このイデオロギーへの固執は、日本と高市政権を国際的な人権についての関与と直接かつ即時的に衝突させる。国連のジェンダー問題に関する最高機関である女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination Against WomenCEDAW)は、日本の男女別姓強制法と男子のみを定めた皇室典範(the male-only Imperial House Law)を差別的であると繰り返し明確に非難し、日本政府に対し国際的なジェンダー規範に沿うよう改正するよう求めてきた。CEDAWの総括所見は、これらの法律が制度的なジェンダー不平等を永続させていると繰り返し強調している。高市の政治綱領は、事実上、CEDAWとの継続的な緊張を確実なものにしており、彼女の政権の家族とジェンダーに関する政策は今後も厳しい国際的監視に直面し、CEDAWのジェンダー平等の精神に反することを保証している。

高市が伝統的かつ保守的な価値観に固執していることは、単なる好みではなく、自民党内での彼女の政治的信用と権力の揺るぎない基盤となっていると言えるだろう。彼女の権力基盤は、主に彼女のキャリアを支えた安倍首相の後援とイデオロギー的遺産、そして自民党の超保守派中核の政治的動員によって形成されている。この中核は、強力な超国家主義圧力団体である日本会議(the powerful ultranationalist pressure group Nippon KaigiJapan Conference)の影響を強く受けている。日本会議は、2010年代半ばに監視が強化されるまで、主流メディアからほとんど注目されていなかった。

日本会議は、伝統的な家族価値観の回復、歴史修正主義の正常化(日本の戦時下の東アジア「解放[liberation]」を称賛し、戦前のように天皇を崇拝すること)、そして軍隊再建のための憲法第9条改正を含む包括的な修正主義的アジェンダを積極的に提唱している。高市早苗の過去および現在の政策姿勢、例えば「慰安婦(comfort women)」や戦時中の強制労働に関する外国の主張に対抗するため「歴史外交(history diplomacy)」の戦略的強化を提唱したこと、夫婦別姓制度への反対、靖国神社への定期的な参拝などは、この組織の影響圏内における忠誠心のリトマス試験紙になっている。

彼女の強硬なイデオロギー的姿勢は、日本の安全保障姿勢に決定的に及ぶ可能性がある。前回、2021年の総裁選挙挑戦時には、軍事費の大幅増額を主導的に提唱した。今回は国防強化と憲法改正による自衛隊の完全な合法化を主張している。これらの立場は「安倍ドクトリン(Abe Doctrine)」と密接に合致し、国家の主張と防衛拡大に焦点を当てた、強硬で断固とした男性的な日本国家像(masculine image of the Japanese state)を必然的に世界に投影するものである。

超国家主義を助長したとして国際社会の厳しい監視を受けていた安倍首相が、「ウィメン・シャイン」構想を(Women Shine initiative)通じて「ジェンダー重視の外交(pro-gender diplomacy)」を唱えたのと同様に、高市も同様にジェンダー・エンパワーメントの言説を、特に総裁選において採用してきた。これには、現金給付を伴う減税といった現実的な提案や、閣僚人事における「北欧的」な男女比(a “Nordic” gender balance)で国民を「サプライズ(オドロイテ)(surprise)」という注目すべき公約が含まれる。重要なのは、現代の「北欧基準」である閣僚人事(the modern “Nordic standard” for cabinet balance)でさえ、スウェーデンのような国に代表されるものであり、現在のクリステルソン内閣は当初、総勢24名のうち11名を女性閣僚に任命した(女性閣僚比率は約45.8%で、ほぼ男女比が同数である)。しかし、この計算された政策転換は、強硬な政策内容を隠蔽するためのソフトパワー・レトリックの戦略的な展開(a strategic deployment of soft-power rhetoric)である可能性が高い。

高市のナショナリズムの中核を成す憲法改正(constitutional revision)、明白な防衛計画、そして歴史修正主義(historical revisionism)は、即座に外交摩擦(diplomatic friction)を引き起こす可能性が高い。高市はここ数日、日本は「重要な隣国(important neighbor)」である中国と良好な関係を維持すべきとの見解など、物議を醸すいくつかの話題について発言を和らげる兆候を見せているが、中国と韓国の両国では既に超国家主義者、あるいは「安倍首相の女性版(the female Abe)」と広く見られている。

議論の対象となっている靖国神社への彼女の定期的な参拝は、特に扇動的である。靖国神社は、第二次世界大戦でA級戦犯として起訴された人々を含む、240万人以上の日本の戦没者を祀っている。北京とソウルは、こうした行動を日本の歴史修正主義の公式な承認と解釈し、戦後処理(postwar settlements)を揺るがすものと見ている。最近、フジテレビで首相として参拝するかどうかを問われた高市は、明確な表明を避け、「戦犯の刑は執行された(carried out)」ため「もはや犯罪者ではない(no longer criminals)」と述べ、「どこにいても手を合わせたい(still want[s] to put my hands together in prayer … from wherever I am)」と続けた。彼女の発言は、外交上の発火点(a diplomatic flash point)を戦略的に回避しながらも、戦没者への敬意を払い続けるという彼女の強い意志を強調したものと広く見なされている。したがって、高市政権は、地域和解(regional reconciliation)よりも国家主義的な記憶を優先する人物によって日本が率いられているというシグナルを送ることになるだろう。

さらに、高市は、領有権を公に主張したり、物議を醸したりしている「竹島の日」行事への閣僚出席を主張するなど、紛争の的となっている独島・竹島に関する最近の発言で韓国の感情を刺激しており、当選後にこれらの発言を実行に移せば、韓国との即時、厳しい外交的対立を招くことになるだろう。

この特定の島嶼紛争にとどまらず、高市の「台湾有事は日本にとっての有事である(a Taiwan contingency is a contingency for Japan)」という安倍首相の宣言に同調する高市の強硬な外交姿勢は、既に北京から意図的な挑発行為であり、安定への直接的な脅威(deliberately provocative and a direct threat to stability)とみなされている。中国はこの姿勢を、領土保全(territorial integrity)という中核的利益を直接侵害するものであり、日本が戦後の平和主義(postwar pacifism)を放棄し、地域の紛争において積極的な自己主張を展開する政治的シグナルであると捉えている。しかしながら、高市の外交政策と安全保障政策は、現在の自民党少数与党政権と「平和主義」を掲げる公明党との連立政権によって制約を受ける可能性が高い(However, Takaichi’s foreign-policy and security agendas are likely to be constrained by the current minority government of the LDP and its coalition with the “pacifist” Komeito party)。

これらの理由から、高市が首相に就任する可能性は、日本における実質的な男女平等の実現に向けた画期的な勝利(a landmark victory for substantive gender equality in Japan)というよりも、むしろ自民党の政治的な回復力と保守的な中核の強さ(the LDP’s political resilience and its conservative core)を示すものであると言える。高市の台頭は、自民党の硬直した組織体制の中で女性が権力を握る最も現実的な道は、党綱領の最も家父長的かつ国家主義的な要素(the most patriarchal and nationalist elements of the party’s platform)を揺るぎなく、完全に受け入れることであることを、おそらく最も如実に示している。もしそれが成功すれば、高市のリーダーシップは、ジェンダーに基づく改革よりもイデオロギーの同化が勝利したことを示すものとなるだろう。

※ミン・ガオ:ルンド大学(スウェーデン)歴史学部東アジア研究者。日本、韓国、中国に関する現代および歴史的な問題についての幅広い著作を持つ。

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新たな総裁選挙が迫る中、日本の真のボスたちは現状を見つめ直す(As Another Leadership Election Looms, Japan’s Real Bosses Take Stock

-名目上の指導者たちは党の権力構造において二次的な存在だがそのシステムは揺らぎを見せ始めている。

ウィリアム・スポサト筆
2025年9月30日
『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/09/30/japan-ishiba-prime-minister-elections/

今月、石破茂首相が辞任したことで、政府は新たな混乱に陥った。混沌とした世界秩序に対し、日本政府は安定した対応を求められているまさにその時期に混乱が起きた。

石破は、7月の参議院選挙における与党・自民党の惨憺たる結果の責任を取るため、辞任すると述べた。これは、2009年の衆議院選挙で敗北し辞任した麻生太郎元首相や、同様に惨憺たる選挙結果を受けて最初の任期を終えて辞任した安倍晋三元首相など、多くの歴代首相の足跡を辿るものだ。日本の政治において、このような後退は永続的なものではない。安倍首相は2012年に首相に返り咲き、約8年間の在任期間を経て、日本史上最長の首相在任期間を記録した。

日本の指導者たちはまるで回転ドアのように交代を繰り返しているように見える。ほとんどの首相は、他の世界の指導者たちが誰と対峙しているのかさえ分からないうちに退任してしまうからだ。しかし、これは日本にとって新しい現象ではなく、時に有益な場合もある。

例えば、自民党は1955年の結党以来、過去70年間のうち約64年間、いわゆる「合意に基づく一党支配(consensual one-party rule)」の下で政権の座を維持してきた。自民党のやり方は、世論調査で支持率が急落した党首を容赦なく追放することだ。支持率の基準値は定められていないものの、30%を下回ると危険水域(a danger zone)とみなされる。石破の最新の支持率は、7月の選挙後、21%から30%の間で推移している。

この決定は、戦後日本の政治を支配してきた自民党にとって、依然として混乱を招いている。党は10月3日と4日に党員投票を実施し、自民党議員に加え、各地方の党員代表も参加する。有力候補は、いずれも2024年の総裁選で総裁選に敗れた常連の顔ぶれだ。

高市早苗前経済安全保障担当大臣がトップに立っているが、強い国家主義的見解を持つ彼女は、最も物議を醸す選択肢となるだろう。彼女は麻生太郎をはじめとする党右派の有力者たちから支持されており、安倍首相の側近でもあった。こうした支持を受け、昨年9月の自民党総裁選では石破に僅差で次点となった。

一方、高市は、第二次世界大戦の責任を日本に押し付けるべきかどうかという歴史修正主義的な立場や、過去の日本の公式謝罪に対する批判などから、党内穏健派(the more moderate parts of the party)からも強い嫌悪感を持たれている。彼女が首相に選出されれば、日本初の女性首相となり、「サッチャー・ルール(the “Thatcher rule”)」、つまり女性は左派よりも右派からトップに上り詰める傾向があるという考え方を体現することになる。

もう一人の有力候補は、自民党議員の「新世代(new generation)」を代表する小泉進次郎農相だ。しかし、彼は少なくとも一つの伝統的な要素、すなわち政治王朝(political dynasties)を継承している。44歳の小泉はテレビ映りが良く、非常に人気のある父である小泉純一郎元首相の恩恵を受けている。小泉元首相は、安倍首相と並んで、平均2年の任期を超えて首相を務めた数少ない日本の元首相の一人だ。

小泉進次郎は、5月に突然の米不足に見舞われた直後に農水大臣に就任し、高い注目を集めた。米価高騰は、既にくすぶっていたインフレに拍車をかけ、米が文化において神聖な役割を担う日本にとって、感情的なレヴェルで大きな衝撃となった。

有力候補として、内閣官房長官の林芳正と、与党のヴェテランである茂木敏充が挙げられる。穏やかで温厚な林は、元外務大臣で、英語も堪能(日本のエリート層では珍しい)であり、カントリークラブで活躍する頼れる人物として、穏健派の代表格となるだろう。同じく元外務大臣の茂木は、より闘争心が強く、ドナルド・トランプ米大統領とその側近たちと渡り合うには最適な人物と目されている。

しかし、日本では集団指導体制(a system of collective leadership)において、首相自身はそれほど重要ではないという見方もある。集団指導体制では、主に党内の派閥(factions within the party)を率いて権力を握る、舞台裏にいる実力者たち(figures behind the scenes)が、領袖に忠実な議員たちで構成される派閥を率いていた。森喜朗元首相と麻生元首相は、支持率の急落を受けてわずか1年で辞任したが、不名誉な辞任にもかかわらず、辞任後も相当の権力を握っていた。

さらに、政治権力の変動が激しい中で、日本の高級官僚たちは、いわゆるアメリカの「ディープステート」(U.S. “deep state”)も羨むほどの権力を握ってきた。第二次世界大戦後、日本を経済大国(an economic powerhouse)へと変貌させた功績は、第一線で政策を立案したティームにある。

しかし、自民党は現在、この戦後モデルが危機に瀕している兆候に直面している。有権者たちが上からのリーダーシップを受け入れる意欲が低下している。これは、日本の国会である参議院の議席の半分を争った7月の選挙で顕著に表れた。参議院は衆議院に比べて力を持っていないが、世論の指標と捉えられることが多い。

この低迷により、宗教色の強い連立政権を組む公明党の支持を得ても、自民党は両院で過半数を獲得できない状態となった。与党は現在、参議院248議席中121議席、衆議院465議席中わずか220議席しか保有しておらず、政権維持は困難を極めている。他党との何らかの協力関係の構築が不可欠となっている。

同時に、自称「日本ファースト(Japan first)」を掲げる参政党の台頭により、ポピュリズムの台頭も見られるようになった。参政党は参議院で議席を2議席から15議席に増やし、今回の選挙での比例代表候補の得票率も12.6%と好調だった。

自民党の内紛はこれまで、同性婚や平和主義の立場を撤廃あるいは弱体化させるべきかどうかといった社会・政治問題に大きく焦点が当てられてきたが、今回の選挙戦の焦点は明らかに経済だ。ジョー・バイデン前米大統領が指摘したように、物価上昇率が賃金上昇率を上回っていると考える国民は、怒りの有権者となる可能性が高いだろう。

日本の小売物価上昇率は2.5~3.5%程度だが、凶作と政府の過剰生産抑制策により米価がほぼ倍増したため、7月の食料品インフレ率は7.6%に達し、日々の家計に非常に大きな影響を与えている。日本では食品の60%が海外から輸入されており、急激な円安(外国人観光客にとっては恩恵)が大きな原因となっている。

提案されている解決策は、根本的な問題に取り組むのではなく、政府が負担すべきでない資金をばら撒いて打撃を和らげるというものだ。

物価上昇による痛みを和らげるために、所得税の減税、10%の消費税の一部軽減、あるいはその他の補助金を講じるという考えは、7月の選挙で主要政党の主要政策課題となった。日本の巨額の政府債務問題に目を向けていた石破茂率いる自民党は、この分野での大胆な公約を最も躊躇し、一時的な現金給付を限定的にしか提供しなかった。これが党の低迷の主な原因と見られていた。

これに対し、今回の自民党総裁選挙の候補者全員が何らかの対策を公約しており、財政ハト派(a fiscal dove)の高市は最も野心的な提案をしている。彼女は出馬表明の際に、所得税控除と現金給付を組み合わせた対策を講じ、所得基準を引き上げると述べた。

彼女はこうした対策の財源について具体的な説明を避けたが、これは既に先進国の中で最大規模となっている日本の政府債務水準に更なる負担をかけることになるだろう。国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は、日本の総債務残高をGDP比236.7%と推定しているが、これは2020年のピーク時の約260%からは減少している。財政余地を見出した政治家たちは、長期的な影響を顧みず、これまで通り、その余地を埋めようとするだろう。

ドイツ銀行東京支店チーフエコノミストの小山健太郎は「補助金の増額は財政拡大につながり、インフレ率を上昇させる可能性がある。家計の購買力は一時的に改善するかもしれないが、高インフレが定着しているため、この効果は長くは続かないだろう」と述べた。

これは、日本銀行が2024年3月以降に「ゼロ金利」政策(“zero interest rate” policy)から段階的に金利を引き上げる計画にも影響を与える可能性が高い。この政策は、数十年にわたるデフレ圧力から経済を脱却させるために策定されたものである。為替レートは厳密には日銀の管轄外であるが、金利上昇に伴う円高は、輸入コストの低下を通じてインフレ圧力をいくらか緩和するのに役立つだろう。

戦略や防衛問題はあまり目立たないが、日本は決して手をこまねいているわけではない。安倍首相の約9年間の任期が2020年に終了して以来、3人の短期政権を経験したが、日本は「志を同じくする」国々(“like-minded” countries)との関係構築に熱心に取り組んできた。これは使い古された表現であるが、世界中のアメリカの同盟諸国がワシントンからの混乱に直面し、独自のネットワーク構築に奔走していることを示している。

最近の例としては、イギリス海軍の空母プリンス・オブ・ウェールズを筆頭とする機動部隊が、日本を含むアジア地域に8カ月間展開したことが挙げられる。イギリスとイタリアは、日本国旗を掲げるだけでなく、アメリカの軍装備品への依存からの脱却を図るため、イタリアと戦闘機プログラムで提携しています。

近年、このような協定が相次いで締結されています。日本は、オーストラリア、イギリス、アメリカを連携させるAUKUS(オーカス)プロジェクトの非公式パートナーだ。また、アメリカ、オーストラリア、インドを連携させる四カ国安全保障対話(the Quadrilateral Security Dialogue)にも参加している。この3カ国は、それぞれ独自の緊張関係を抱えている。

日本は、この地域の他の国々、特に中国との対立を抱えるフィリピンを支援している。これには、1980年代から1990年代にかけて海上自衛隊が使用した中古フリゲート艦の移転も含まれると見込まれている。また、オーストラリアが次世代フリゲート艦の建造を巡る入札で、日本は意外な落札者となったが、契約交渉はまだ続いている。

日本では、政権が交代しても、このような戦略的取り組みの方向性が変わることはほぼない。国内の政治的混乱にもかかわらず、日本は依然としてアジアおよび世界においてある種の安全な避難場所を提供している。前例と安定を重んじる国が、突然トランプのような方向転換(a Trumpian detour)をするリスクは低いように思われる。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリスト。2015年から『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。ロイター通信と『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で勤務し、20年以上にわたり日本の政治と経済を取材してきた。彼はまた、カルロス・ゴーン事件とその日本への影響に関する2021年の本の共著者でもある。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 米穀の小売価格が4000円台となっている現在、国民の不満は高まっている。そうした中で、江藤拓前農水相(2025年5月21日に辞任)が「米を買ったことがない、売るほどある」などと発言したことで、顰蹙を買い、その後の釈明もとんちんかんな状態が続いたことで、石破茂首相は更迭を決断し、小泉進次郎議員を後任の農水相に抜擢した。
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 江藤前農水相の失言については当初、与野党は批判をしながらも、辞任までは必要ない、現状の米の価格の引き下げに尽力せよという考えが大勢を占めていた。それが変わったのが昨日になってからのようだ。以下に下に貼った記事から引用する。

(引用はじめ)

「実は当初、国民民主党の玉木代表は『不適切な発言』としながらも『辞める必要はないと思う』と話していたんです。それだけに、野党第1党の立憲民主党としても国民民主や維新が賛成しなければ、不信任案を出しても否決されるだけ、と様子見だったんですが、国民民主の他の幹部が、『不信任案を出しましょう』と持ちかけたことで、一気に話が進みました」

「ある立憲の幹部は『国民民主がこういう対応をすることはあまりなかった』と話しています。実際、予算や選択的夫婦別姓など、大きな課題で、これまで野党は一致しませんでした。野党が一枚岩になって対応したのは、今の国会では初めてのことです。『野党がまとまれば、大きな力になることが証明できた』と、ある立憲幹部は手応えを感じていました」

(引用終わり)

 今回の江藤前農水相更迭の流れを作ったのは国民民主党であったようだ。これまで愛並みを揃えることができなかった野党は一致結束すれば数では少数与党を上回ることができることをここで示した。他にもっと重要な場面で示すことができたのではないかと批判したくなるが、これが参院選までの政局において重要な要素ということになりそうだ。しかし、国民の批判は大きかったが、江藤前農水相の失言はそこまでのことだったのか、そして、国民民主党はどうして急に「やる気」になったのかということも疑問は残る。そして、今回の極めて政治的な動きは小泉進次郎議員を担ぎ出すための動きではなかったかという考えも出てくる。

小泉進次郎議員の「改革」路線は、国民民主党とは親和性が高い。小泉進次郎議員は昨年の自民党総裁選挙で、大きく支持を落として敗退し、その後、自民党の選挙対策本部長に起用され、衆院選挙に臨み、自公の過半数割れという結果で辞任した経緯がある。小泉進次郎議員が首相になるという話はだいぶ遠のいたが、それでもまだ「将来の総理総裁候補」ではある。ここで米の価格を下げることに成功すれば一気に劣勢を挽回できる。そもそも小泉議員が農水相に就任したくらいで米の価格が下がるなどは考えにくい。政府による施策が効果が出る頃に交代で、成果が出る時の大臣が小泉進次郎であれば、その「手柄」は小泉大臣のものとなる。

 米の価格は急上昇を続けている。その原因は「よく分からない」ということだが、需要に比べて供給が少ないために価格が上がっていると考えるのが自然だ。それでは米は不作かと言えば、ここ数年は「豊作」とは言えないまでも、1993年時のような不作ではなかった。米の流通は複雑だとも言われるが、米を精米して袋詰めして、市場に出すまでには様々な作業が必要であり、現在のコスト高では米の価格が上昇するのは仕方がない面はある。しかし、5キロで3000円台前半が適正という意見もある。
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 小泉進次郎議員を農水相に起用するにあたり、菅義偉元首相の後押しがあったという報道も出ている。神奈川売国連合が動いている。小泉議員を総理総裁候補に復活させることで利益を得るのはアメリカである。小泉議員は「米担当大臣のつもりで」で発言しているが、彼が担当しているのは「米穀」ではなく「米国」である。農林中金100兆円(運用額50兆円・外債運用20兆円)をアメリカに差し出すための「改革」を行う。そのためには、「小泉大臣のおかげで米の値段が下がった」という成功物語が必要となり、そして、これに続くのは「米の値段を吊り上げた戦犯は農協とそれにくっつく農林族議員だ」というプロパガンダだ。私たちはこのことによくよく注意しておかねばならない。

(貼り付けはじめ)

●「続投から一転…江藤氏の“更迭”なぜ? 小泉新農水相でコメ価格「3000円台」は」

5/22() 6:11配信 日テレNEWS NNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e592a8a8367fdac48b0ff0005b55d16628b82f1

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e592a8a8367fdac48b0ff0005b55d16628b82f1?page=2

「コメは買ったことがない」などと失言した江藤農水大臣が事実上、更迭され、後任として小泉進次郎氏が就任しました。なぜ、江藤農水大臣が事実上の更迭となったのか、コメ価格は下がるのか、などについて解説します。

■野党が一枚岩に 今国会で初

藤井貴彦キャスター

「当初、石破総理は続投させる考えでしたが、なぜ一転して事実上の更迭ということに変わったのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長

「ある野党のベテラン議員は、江藤大臣に対する不信任決議案の提出に向けて、『野党がまとまった後、自民党が慌てだした』と話しています」

「実は当初、国民民主党の玉木代表は『不適切な発言』としながらも『辞める必要はないと思う』と話していたんです。それだけに、野党第1党の立憲民主党としても国民民主や維新が賛成しなければ、不信任案を出しても否決されるだけ、と様子見だったんですが、国民民主の他の幹部が、『不信任案を出しましょう』と持ちかけたことで、一気に話が進みました」

「ある立憲の幹部は『国民民主がこういう対応をすることはあまりなかった』と話しています。実際、予算や選択的夫婦別姓など、大きな課題で、これまで野党は一致しませんでした。野党が一枚岩になって対応したのは、今の国会では初めてのことです。『野党がまとまれば、大きな力になることが証明できた』と、ある立憲幹部は手応えを感じていました」

■石破内閣への不信任決議案は

藤井キャスター

「そうなると、夏には参院選もありますし、この先の野党の戦略にも今回の動きは影響しそうですね」

小栗委員長

「まさにその通りで、今後、最大の焦点は、石破内閣への不信任決議案を野党が出すのかどうかです。石破総理はこれまで周辺に、内閣不信任案が出された時点で、つまり国会での採決を待たずに衆議院を解散する意向を示していて、ある自民党幹部は『不信任案が出されたら衆参ダブル選挙になるだろう』と話しています」

「こういうことになると、選挙の準備は整っているのか、勝てる見込みはあるのか、など野党各党の思惑にもズレが出てきます。ただ、今回、野党が足並みをそろえて江藤農水大臣を辞任に追い込んだ実績は重く、立憲のある幹部は『野党のほうが数が多いという事実をもう一度、しっかり活用していかないといけない』と、国民民主のある幹部は『内閣不信任案、出すしかないだろう』と話していました」

「最終的にどうするかは、まだまだ不透明ですが、野党の結束が一歩前進するきっかけにはなったと言えそうです」

藤井キャスター

「『コメは買ったことがない』という一言から政界の大きな動きになってきましたね、李光人さん」

板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)

「コメの値段が少しずつ上がり始めた時には、ここまで政治が動くことになるとは思っていなかったので、率直に驚きがあります。ただ、自分もごはんは食べますし、皆も毎日食べるよねっていうところが、皆の怒りにつながって、野党が初めてまとまって政治を動かすことになると、食の問題はすごく重大なものだなと思いました」
■「随意契約」で価格下がる? 公平性の問題も

藤井キャスター

「そして、21日に農水大臣に就任した小泉進次郎さんですが、その初日に、総理からコメ5キロの価格を3000円台にというハードルを突きつけられたわけですが、実際にコメの価格は下がるんでしょうか」

小栗委員長

「複数の政府関係者からは『トップがかわって(価格が)下がるならとっくに下がっている』と悲観的な見方も出ています。ただ、石破総理は備蓄米が市場に出回ってないことについて、21日に早速、『随意契約を活用した備蓄米の売り渡しを検討するように』と新たな指示を自ら出しました」

「これまでは競争入札でしたので、どうしても価格が上がりがちでした。これを『随意契約』にするとどうなるのか、コメの流通に詳しい宇都宮大学の松平尚也助教によると、『予定価格を決めて国が事業者と契約を行うので、この価格以下で値段を設定される。そのため、安い価格帯の備蓄米の流通が増えることになる』ということです」

「ただ、『契約する事業者をどう選定するのかという公平性の問題は予想される』と指摘していました」

■小泉氏の「改革に向けた情熱」 “変なことさせない”すでにけん制の声も

藤井キャスター

「その難しい一手を任せる重要なポジションに石破総理が、小泉さんを起用したということになるわけですね」

小栗委員長

「石破総理は、小泉さんの『改革に向けた情熱』を理由の1つにあげています。これまでの農水省の一連の対応に石破総理は『消費者ではなく農家に向きすぎている』と不満を漏らしていて、農政を改革するという点で小泉さんに期待している面もあるようです」

「ただ、小泉さんの過去の農協改革については、自民党内には『結局、改革は進まなかった』という批判的な見方もあります。実際、農水大臣の経験もある自民党のベテラン議員からは『小泉さんには変なことはさせません』と小泉さんの動きをけん制するような声もすでに上がっていて、短期間で結果を出せるのか、小泉さんにとっても石破総理にとっても正念場となりそうです」

藤井キャスター

「コメの価格は、毎週月曜日に発表されます。新大臣の手腕による効果なのか、備蓄米が行き渡り始めた効果なのか、も含めて価格動向に注目したいです」

521日『news zero』より)
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●「コメ価格の下落、備蓄米出回る4月以降か…大手スーパー担当者「大幅な値下がりはないだろう」」

2025/03/15 09:20 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250315-OYT1T50014/

 政府がコメ価格安定を狙い初めて実施した備蓄米の入札は、9割以上が落札され、ひとまず順調な滑り出しとなった。今月下旬にもスーパーなどの店頭に並び、4月以降、販売価格も下がり始めるとみられる。昨夏の「令和の米騒動」以来続いてきたコメ価格の高騰に歯止めがかかるのかが注目される。(経済部 佐藤寛之)

■タイムラグ

 江藤農相は14日夕に開いた臨時記者会見で「胃が痛い思いをしていたが、ほっとした」と述べ、流通の停滞解消に期待感を示した。備蓄されている場所に偏りがあることを踏まえ、全国に均等に流通するよう、集荷業者や卸売業者、小売業者に通達した。

 総務省の小売物価統計調査では、東京都区部のコシヒカリ(5キロ・グラム)の価格は昨年5月から10か月連続で上昇し、今年2月には4363円で過去最高値を更新した。今後の価格について、日本国際学園大学の荒幡克己教授は「小売りや外食は既に高い価格で仕入れており、今回の放出で安い米を仕入れたとしてもタイムラグがある。4月半ばから5月の連休明けに価格は下がるのではないか」と指摘する。

 一方、入札に参加した集荷業者は「競争入札なので、安い金額では応札できなかった」と明かした。大手スーパーの担当者も「大幅に価格が下がることはないだろう」と冷ややかだ。

■不足

 これまで高騰が続いた理由は、市場に出回るコメが不足したことだ。農林水産省によると、2024年産米の生産量は前年より18万トン多い679万トン。一方で、大手集荷業者が生産者から買い集めた量(集荷量)は24年12月末時点で前年より21万トン少なく、今年1月末時点では23万トン減と減少幅が拡大した。生産量が伸びたにもかかわらず、集荷量は減ってしまっている。

 その原因の一つに、高値での売却を当て込み、一部の卸売業者や農家らがコメを抱え込んでいる実態もある。江藤氏は13日の参院農林水産委員会で「正直なところ、新しいプレーヤーが入りすぎて(流通状況が)わからない」とこぼした。

 備蓄米の放出により、流通市場でのコメ不足は和らぐとみられる。転売目当てでコメを押さえていた一部業者らも、価格が低下する前に手放さざるを得なくなりそうだ。

 ただ、農水省が計画通り21万トンの備蓄米を放出しても、コメ価格が大幅に下がるほどの影響があるかどうかは見通しにくい。24年産米は「猛暑の影響から中身がスカスカで、精米した後の量が例年より減っている」(荒幡氏)との指摘もある。
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●「菅元首相「小泉さんにぴったり」 農相就任の決断を後押しか」

5/21() 17:00配信 カナロコ by 神奈川新聞

 小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)が21日、石破茂内閣の農相に就任した。コメ価格高騰を巡る失言で前任の江藤拓氏が更迭され、米国との関税協議など難問も山積。野党時代の初当選以来、苦難を共にしてきた菅義偉元首相(同2区)が苦渋の決断を後押しした。自民党内には「総裁選への出馬を阻むための入閣要請か」との臆測も飛び交うが、小泉氏本人は「総裁選は二の次、三の次の話。コメの高騰など目の前の生活の危機を突破しないといけない」とくみする気配は皆無だ。

 「誰もが敬遠する時期で、誰もが敬遠する仕事。党の政治改革事務局長など厳しいことを選んでやってきた小泉さんにぴったりだ」。就任打診を報告した小泉氏を菅氏は励ました。自民幹部は「石破総理は断られないように外堀を埋めていた」と推測する。菅氏は神奈川新聞社の取材で「小泉氏への打診前に官邸などから相談があったのでは」と問われ、「任命権者は総理」とけむに巻いた。一方で「(打診は)テレビとかに出る前には知っていたかな」と自らの関わりに含みを持たせ、党内の「石破降ろし」の動きをけん制した。
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●「首相、コメ価格「5キロ3000円台でなければならない」国民民主・玉木氏に 党首討論」

5/22() 7:00配信 産経新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/4d5daeae8b7e711b575271d852edd8370397c0c4

石破茂首相は21日の党首討論で、スーパーなどで販売されているコメ5キロ当たりの価格について、「3000円台でなければならない」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表に答えた。

玉木氏は「コメの値段は必ず下げるのか。どのようにいつまでに5キロいくらまで下げるか」と具体的に質問した。

首相は「どこに、なぜ、どれだけのものが滞留しているのか把握しないと、おまじないを言っても仕方がない。気合で下がるわけでもないので、下げる方針が分からない」と述べた。さらに「コメの供給が安定的になされれば、こんなに価格が上下するはずがない。安定的なコメの供給を必ず実現する」とした上で、「3000円台でなければならないと思っている。4000円台などということはあってはならない」と強調した。時期については「一日も早く実現する」と述べた。

さらに首相は、実現できなかった場合に「責任を取らなければならない」と述べた。「仮に下がらないとするならば、なぜ下がらないかということをきちんと説明するのは政府の責任だ」とも語った。玉木氏は「コメの高騰が続いて1年ぐらいになるが、いまだにその分析か」と批判した。

玉木氏はコメの増産に向けて政策変更をするよう求め、首相は「増産の方向に舵を切れという主張は同意する」と明言した。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。

 今年2024年は世界各国で国政レヴェルの大きな選挙が実施された。ブラジル、インド、インドネシアなどで選挙が実施された。日本では9月の自民党総裁選挙で石破茂が総裁に選出され、首相となったが、10月初旬に衆議院を解散し総選挙が実施され、自公は過半数を割り込んだが、政権維持ができそうな公算が高まっている。アメリカでは大統領選挙と連邦上下両院の選挙が実施され、共和党のドナルド・トランプが大統領に返り咲き、連邦上下両院で共和党が過半数を獲得する勢いとなっている。

 石破首相は総総選挙で自民党の議席を減らしたが、特に安倍派清和会系の議員たちの数を減らしたことで、党内の掌握ができたと考えられる。反石破派は党内野党的な立場となるが、造反することはできない。党を割って新党ということもできない。高市早苗議員たちが党を割って新党という与太話が出ていたが、現在はしぼんでいる。こうした議員たちは自民党にいてこそなんぼであり、自民党から離れたら何の力もない。サラリーマン世界で管理職だ、役員だと威張ってみても、定年退職したらただの高齢者というのと変わらない。政敵を無力化する、排除するというのは世の常だ。安倍派清和会支配の間は故安倍晋三元首相と追随者たちがこの世の春とばかりにやりたい放題であった。そのために自民党が緩み切って弛緩した。今回の総選挙での惨敗はまさに「因果は巡る糸車」ということになる。

 今回の自民党総裁選挙と総選挙は自民党保守本流(突き詰めれば国民の生活が第一)と自民党保守傍流(突き詰めれば国民は国家の駒に過ぎない)の戦いで、保守本流が勝ったと言うことになる。2012年からの我慢に我慢の保守本流側が勝利をしたということになる。岸田前首相からの路線をこれからも堅持していくことになる。田中角栄と大平正芳が冥界で喜んでいるだろう。

 国内政治はこれまでのように、増上慢に、傲慢になった安倍派清和会支配の自民党がやりたい放題であった時代から変わった。何事も交渉して、譲るところは譲ると言うことがなされることになった。自民党議員たちはこれまでのようにふんぞり返り、暴言を吐いて、国会運営も思い通りと言うことはできなくなった。一から頭の下げ方、野党との交渉の仕方を勉強することになるだろう。中途半端に当選回数を重ねてきた安倍チルドレンたちは鍛え直されるくらいでちょうど良い。

 国内政治で忙しくなると、国際政治、外交が疎かになるという心配がある。これは逆手に取れば、「アメリカからの無理な注文に応じられない理由にできる」ということでもある。石破首相が国内政治対応が忙しくて、トランプ前大統領との関係構築が後手に回るという心配(批判)がなされているが、一目散にトランプタワーに行ってトランプに会うことに何の意味があるのか。歯の浮くようなお世辞とゴルフ場での媚びた態度でトランプの起源を取ることが外交と考えているならばそれは間違いだ。石破首相もどこまでできるは分からないが、対米隷属状態の改善と言うことに動くだろう。トランプは交渉の人だ。そして、石破首相がプロテスタントであることは交渉に貢献することになるだろう。詳しくは『世界覇権国交代劇の真相』の佐藤優先生によるまえがきと第一章を読んでいただきたい。

 アメリカが衰退し、トランプはそのための墓堀人ということになる。石破首相は現状についてよく理解している。より現実的な動きを大きくはすることになるだろう。石破首相は国内政治と国際政治においてこれまでの安部派清和会支配時代の澱みを掃除しようとしているのであり、心ある国民は石破首相を応援するべきである。

(貼り付けはじめ)

日本の混迷政治が東アジアの安定を揺るがす(Japan’s Chaotic Politics May Shake East Asia’s Stability

-長らく支配してきた自民党の大敗が東京の計画を不透明なものにしている。

ウィリアム・スポサト筆

2024年10月30日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/10/30/japan-election-surprise-liberal-democratic-party-ishiba-komeito-uncertainty/

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総選挙の翌日に石破茂首相を映し出す大型テレビ画面の下を歩く人々(10月28日、東京)

日本で長期にわたり政権を維持してきた自由民主党の選挙での驚くべき敗北は、まさに世界がそれを最も必要としていなかったときに、新たな不安定時代(new era of instability)の到来をもたらした。

石破茂新首相が仕掛けた10月27日の解散総選挙では、自由民主党と、宗教組織の支援を受けた連立政党である公明党が大敗し、衆議院で過半数の議席を確保できなかった。それまで絶対安定多数を享受してきたがそれが崩壊した。自民党は前議会比23%減の191議席を確保した。仏教団体の創価学会が支援する公明党も同様に悲惨な結果となり、25%減のわずか24議席となった。更に追い打ちをかけるように、公明党の党首は自らの議席を獲得できなかった。

過去20年間、農水相や防衛相など影響力のあるポストを歴任し、政治家としてよく知られた石破にとって、今回の結果は特に厳しいものとなった。彼は9月末、この16年の間で、5度目の挑戦にして、ようやく自民党の総裁に選出された。

前任の岸田文雄前首相が、自民党議員たちの不適切な資金集めに絡む政治スキャンダルで責任を取って辞任した後、石破氏が党員投票で総裁に選ばれた。

このスキャンダルは典型的なほどに日本的なもので、他の多くの国、特にアメリカでは通常業務となるような、疑わしい慣行と比較的少額の資金が絡んでいた。この事件では、自民党の調査によって、85人の議員が4年間に5億8000万円(約380万ドル)の資金調達を報告していなかったことが判明した。

このようなスキャンダルは、複雑な規制によってほとんどの人が何かしらの罪を犯している日本では、ほとんど目新しいものではない。安倍晋三首相は在任中、同様のスキャンダルを何度も乗り越え、日本で最も長く首相を務めた。

首相退任後の2022年、安倍元首相は自民党と統一教会(Unification Church)との長年にわたる関係に腹を立てた一匹狼的な犯罪者に殺害されるという悲劇に見舞われた。この殺害事件に対する怒りが広まる一方で、世論は犯人の訴えを支持するようになり、自民党は再調査を開始し、統一教会との関係を放棄せざるを得なくなった。

長い間待ったのではあるが、石破首相の在任期間は長くは存在しないかもしれない。衆議院が新首相を選出しなければならないまでの30日以内に、石破から相殺を交代させるのは物理的、手続き的に困難だが、惨めな成績を受けて、石破が辞任することが予想される。一方、自民党と最大野党の立憲民主党(Constitutional Democratic PartyCDP)の勢力均衡のカギを握る中小政党との密室交渉(backroom negotiations)が始まった。

自民党は11月11日に国会を開き、そこで新首相を選出することを提案している。過半数を獲得する者がいなければ、第2回投票での最大得票者に首相の座が与えられ、弱体化した少数政権(weakened minority government)が誕生することになる。このような政権の安定性を維持するのは難しいだろう。

日本の政治では通常そのようになるのであるが、自民党と立憲民主党の間にイデオロギー的な違いはほとんどない。立憲民主党は、女性が結婚後も自分の姓を保持できるようにすること(自民党には明確な政策がない問題)に賛成し、日本の巨額の政府債務を抑制しようとしながら貧富の格差を縮小するのに役立つ措置を提案している。日本の政府債務は年間 GDPの260%に相当し、世界の主要経済国の中で最高水準となっている。

立憲民主党は議席数を51%伸ばし、148議席に達した。これは215議席の自民党・公明党連立政権にはまだ遠く及ばないが、過半数までは射程圏(striking distance)内だ。立憲民主党は、自民党以外の政党の政治家で現在も政界で活躍している数少ないリーダーの1人である、野田佳彦元首相が率いる政党だ。財務大臣、そして総理大臣として安定した手腕を発揮した野田代表は、特に外交の分野では自民党と同じ政策の多くを追求することが予想される。

しかし、この全ての中でより大きな懸念は、権力争い(jockeying for power)、連立提携の試み(attempted coalition tie-ups)、個人的な対立(personal rivalries)により、日本の存在が大いに役立つはずのときに、世界の舞台から日本がほぼいなくなることだ。

第二次世界大戦後の平和主義(pacifism)と、事実上あらゆる国際問題についての和解と交渉(reconciliation and negotiation)を助言する一般的な外交政策への重点から離れ、日本は今日、増大する近隣諸国(中国、ロシア、北朝鮮)の連合に対抗する最前線国家(front-line state)となっている。

正式な陸海空軍がないにもかかわらず、東京の防衛力増強は、1950年に「警察予備隊(National Police Reserve)」という無難な名称で最初の部隊が創設されて以来、静かに行われてきた。そのペースは2012年から2020年までの安倍政権時代に加速し、最近更迭された岸田首相によって更に加速した。岸田首相は、防衛費を10年間でNATO加盟国の基準であるGDPの2%にまで倍増させると宣言したが、その財源は明らかではない。日本の軍事力は世界で最も有能なものの1つと考えられており、通常トップ10に入る。

日本はまた、アメリカとの戦略的同盟(strategic alliance)を超えて、幅広い国々と防衛関係を形成する連合構築国(coalition builder)となっている。日本人は、日米防衛協力が世界でも最も広範なものの1つであるとよく強調していることに注目したい。

今日、日本は多くの国々と防衛関係を築いている。その中には、南シナ海の支配に向け着実に歩みを進める中国を警戒する東南アジア諸国だけでなく、イギリス、フランス、イタリアといった遠く離れた同盟諸国も含まれている。日本は、東京にNATOの事務所を置くというアイデアさえ推進しようとしたが、消極的なフランスに却下された。

日本もまた、外交政策の発表においてより強い姿勢を示しており、これまでの歴史的寡黙さ(historical reticence)の多くから脱却している。岸田はロシアのウクライナ侵略を即座に非難し、すぐに制裁を発動した。岸田は「これは明らかな国際法違反であり、ウクライナの主権と領土保全を侵害するものである。国際秩序の根幹を揺るがす行​​為として全く容認できない」と述べた。

岸田は後に、日本が懸念する理由を明らかにし、2023年にワシントンを訪問した際に記者団に対し、「ウクライナは明日の東アジアの姿になるかもしれない(Ukraine may be the East Asia of tomorrow)」と語った。これは、中国がモスクワからヒントを得て、そのような中国と台湾の再統一(reunification of China and Taiwan)と呼ばれる計画を進めるのではないかという懸念に明確に言及したものだ。

このウクライナへの支持、そしてアジアにおける同様の侵略に対する懸念の高まりは、誰が政権を獲得しようとも変わる可能性は低い。横浜にある神奈川大学の日本外交政策専門家コーリー・ウォレスは、連立政権の首相には焦点を当てるべき国内問題が山ほどあるというリスクがあると語る。

ウォレスは「日本の石破首相は、国内問題で忙殺されることになり、国際問題でリーダーシップを発揮する余裕がなくなるかもしれない」と述べている。

日本にとっての懸念の1つは、ドナルド・トランプがアメリカ大統領に返り咲く可能性にどう対処するかだろう。日本は、トランプ大統領の最初の任期中、トランプ大統領との衝突を回避できた数少ない同盟国の1つであり、安倍首相が「トランプのささやき屋(Trump whisperer)」になったことが大きく評価されている。お世辞とゴルフ(flattery and golf)を組み合わせることで、安倍首相は気まぐれなトランプ大統領と良い関係を保つことができた。

ウォレスは「石破にはトランプ大統領の懐に飛び込むスキルも関心もないと思う」と語った。

この新米の指導者は、日本の外交・防衛政策について、すでにいくつかの厳しい発言で驚かせている。石破は自民党総裁選に向けた準備期間中に、岸田と安倍が強化に努めてきた日米安全保障関係を再構築したいと述べ、本質的にはより平等である必要があることを示唆した。石破はまた、中国に対抗するためのアジア版NATOの創設も提案した。これがどうやってうまくいくのかという疑問に直面した石破は、後にこれらは長期的なアイデアだと言って撤回した。

元外交官の沼田貞昭は「石破氏はかなり世間知らず(naive)のようだ。彼は防衛専門家と言われているので、問題について知っているに違いない」と述べ、この考えは日本にとって、特に核兵器の分野で多くの問題を抱えていると付け加えた。沼田は「安倍と石破が核共有(nuclear sharing)などの概念について話すとき、彼らは核兵器の使用に関して何を決断する準備ができている必要があるのか​​について本当に明確な考えを持っていたのだろうか? 日本の指導者、政策立案者、国民は核IQを高める必要がある」と述べている。

政治的な駆け引きが進行する中、このような議論は将来に先送りされる可能性が高い。しかし、どの程度先の未来になるかは、ロシア、北朝鮮、中国がそれぞれの同盟関係をどこまで発展させるかによって大きく左右されるだろう。北朝鮮軍のロシアへの派遣は、また新たな緊張の高まりを意味する。日本の首相が誰であれ、早急に準備を整える必要があるだろう。

※ウィリアム・スポサト:東京を拠点とするジャーナリストで2015年以来『フォーリン・ポリシー』誌に寄稿している。ロイター通信とウォールストリート・ジャーナル紙に勤務し、20年以上にわたり日本の政治と経済を取材してきた。2021年にはカルロス・ゴーン事件とそれが日本に与えた衝撃に関する著作で執筆者の1人となった。

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日本の新首相は政治的断層の上に座っている(Japan’s New Prime Minister Is Sitting on a Political Fault Line

-与党である自民党は国力の追求をめぐって揺れ動いている。

トバイアス・ハリス筆

2024年10月9日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/10/09/ishiba-japan-ldp-shinzo-abe-militarization/

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東京にある衆議院で本会議に臨む石破茂新首相(10月9日)

石破茂新首相が2018年の自民党(Liberal Democratic PartyLDP)総裁選で当時の安倍晋三首相に挑戦することを決めた瞬間ほど、石破茂新首相の人柄が表れた瞬間はないと言えるだろう。

2018年、安倍首相は2度目に首相に就任してから6年を迎え、支持率に影響を及ぼしたいくつかのスキャンダルにもかかわらず、国内では完全に支配的であり、海外ではますます有名な政治家となっていた。自民党は規則を変更し、安倍首相が3期目(任期は3年間)の総裁選に立候補することを可能にした。これにより、安倍首相は日本で最長の首相職に就くのに十分な期間首相の座に留まることが可能となった。自民党が安倍の再任を拒否するとは考えられなかった。

それでも石破は総裁選への立候補と安倍への挑戦を決意した。石破は2012年9月の自民党総裁選で安倍に逆転で敗北したにも関わらず、かつては安倍に忠実に仕えていたが、安倍首相に対する幻滅はますます高まっていた。石破は、首相の経済計画であるアベノミクス(Abenomics)は主に大企業と大都市に利益をもたらし不平等を増大させる一方で、安倍首相の国家安全保障改革は日本をどのように守るべきかというより本質的な議論を回避していると考えていた。

より根本的な点としては、石破はまた、特に影響力の個人的な使用や権力の濫用に関する確かな非難に直面して、安倍首相の強権的なリーダーシップのスタイルにもがっかりした。石破は安倍首相にこれらの懸念に答えてもらいたいと考え、2018年の選挙戦では「正直と正義(honesty and justice)」をスローガンに掲げて選挙活動を行ったが、安倍首相の同盟者たちはこのスローガンを首相と彼のスキャンダルに対する陰険な攻撃だと認識していた。

石破は予想以上に健闘したが、安倍は予想通り快勝した。

石破は、安倍首相に敵対したために大きな代償を払った。今月首相に就任するまでの8年間、石破氏は閣僚や自民党幹部のポストに就いていなかった。石破は安倍首相の最も熱心な支持者たちから恨み(enmity)を買っており、彼らは石破が安倍首相を裏切っていると非難していた。このことが、2020年の安倍首相辞任後の党首選で石破が3位に甘んじた原因の1つであることは間違いない。

彼は自分の党と歩調を合わせていない人物だったが、それでも安倍首相の重大な誤りであると信じていることに関して自分の見解を曲げることを望まなかった。

それゆえ、石破が党内では友人を持たず、依然として権力を持つ右派に嫌われているという評判にもかかわらず、9月27日にわずか15票差で、安倍首相の最も忠実な側近である高市早苗氏を破り、自民党の総裁に、そして日本の次期首相になったことは驚きだった。

石破と安倍やその追随者たちとの違いは、単なる政策の問題ではない。むしろ、それらは自民党内のより根本的な哲学的分裂(more fundamental philosophical divide)を反映している。

安倍首相は文字通り、たとえ日本国民がそのグループの目標を共有しなかったり、その手法を承認しなかったりしたとしても、日本軍に対する戦後の制約を取り除き、日本を本格的な大国にしようとする党の伝統の継承者だった。冷戦終結後の安倍たちの努力のおかげで、この伝統が党内を支配するようになり、自民党内の他の思想派を脇に追いやったり、包摂したりした。

石破は、そうした対立する系統の1つに属する。彼は1980年代、自民党の悪名高き「影の将軍(shadow shogun)」田中角栄の勧めで政界入りした。田中角栄は、いわゆるロッキード事件に端を発する贈収賄容疑で法的手続きに巻き込まれながらも、圧倒的な政治機構を築き上げた人物である。田中角栄は腐敗した政治機構を築いたことで最もよく知られているが、彼の政治には接待以上のものがあった。

日本の辺境の「雪国(snow country)」の一部である日本海に面した新潟県出身の田中角栄は、この国のどの地域も戦後の経済奇跡から取り残されないようにするという決意を持っていた。田中は、自民党がその権力を使って高速道路、橋、高速鉄道を建設し、故郷のような田舎の僻地で雇用を創出し開発を促進し、列島をつなぎ合わせることを望んでいた。彼は徹底した民主政体信奉者であり、彼のニックネームのもう1つは「庶民の首相(the commoners’ prime minister)」であったが、石破や他の若手政治家たちに対し、有権者の意見や懸念に耳を傾け、彼らの生活をより良くするために国家権力を活用することを優先しなければならないと強調した。

田中派は1970年代から1980年代にかけて自民党を支配したが、田中が法廷闘争に明け暮れ、ますます健康を害していくにつれて分裂し、ついには汚職スキャンダルによって田中の信奉者たち(石破もその1人)が政治改革を求めて自民党を離党し、1993年に自民党を初めて野党に転落させた。

結局、石破は1997年に自民党に戻ったが、その時点で自民党は別の政党になっており、安倍支配をもたらした右傾化(the move to the right)が既に始まっていた。

しかし、自民党が変わっても、石破は田中から学んだ教訓に固執した。党は有権者の声に耳を傾けなければならなかった。日本の最も恵まれない人々や地域の生活をより良いものにしなければならなかった。そして、自民党が大きな変化、例えば日本国憲法の変更や国防費の増額を望むのであれば、有権者がこれらの目標を支持するよう説得するために、懸命に働き、正直に話さなければならなかった。

石破が一貫して自民党で最も人気のある政治家の1人であるのは偶然ではない。

石破が現代の自民党で異彩を放っているのは、田中への愛着だけではない。彼はまた、世界の中で日本が果たすべき役割についても独自な見解を持っている。戦時中、満州での従軍経験から再軍備に深く懐疑的で、冷戦時代にはアメリカからの日本の独立を主張することに熱心だった田中とは異なり、石破は平和主義者(pacifist)ではない。実際、石破は自分のことを「軍事オタク(military otaku)」と呼んでいる。日本の議員としては異例なほど軍事問題に熱心であることを、狂信的なオタク(fanatical nerd)を意味する日本語を使って表現している。

しかし、安倍首相とその支持者たちが国家的大国のプロジェクトの一環として日本の軍備を強化しようとしたのに対し、石破は自国と国民を守ることに関心がある。日本は軍事的脅威から自国を守るだけの能力を持つべきであり、無謀や無策(ecklessness or fecklessness)によって東京を危険に晒す可能性のあるアメリカへの依存を減らすべきである。確かに、石破は日本がアメリカと同盟を結ぶことに反対していないが、核抑止力(nuclear deterrent)の管理も含め、日本が一人前の独立したパートナーになることを望んでいる。

石破が望んでいないのは、日本が自国のために力を競い合ったり、東アジアの軍事バランスだけに集中したりすることだ。そして、軍事力の追求と並行して、中国や韓国、その他の地域大国との関係における外交や通商の重要性を強調し、戦時中の過去について日本がもっと謙虚になることを求めてさえいる。

この哲学的な隔たりは、9月の自民党総裁選挙で明らかになった。石破は日本国民の安全と安心を強調して立候補した。高市のスローガンは「総合的な国力の強化(strengthening comprehensive national power)」だった。これら2つの綱領の間には、戦後の日本の政治において最も永続的な断層(the most enduring fault lines)のいくつかがあり、21世紀においては、相対的な衰退を容認し対応する日本政府と、それを逆転させるために並外れた措置とリスクを講じる日本政府の違いを意味する可能性がある。

石破の今後について楽観視できないのはこのためだ。安倍首相は去ったかもしれないが、安倍派自体が一部の議員の政治資金の移転を隠蔽した資金計画による裏金(slush fund scheme)への参加によって崩壊したとしても、2012年から2022年に亡くなるまで安倍首相が支配していた党内で、安倍の思想とその知的な後継者たちは引き続き大きな役割を果たし続けている。

石破の勝利が彼らの最後の敗北を意味しない。高市は既に次の党首選の準備をしているかもしれない。しかし、石破の反安倍ヴィジョンの高市の親安倍ヴィジョンに対する勝利というよりは、石破の有権者からの根強い人気が議席を守るかもしれないと考えた自民党の弱小議員たちによる日和見的な賭け(opportunistic bet)であり、石破の前任者である岸田文雄による、高市よりも石破の方が自分の遺産を守れるという賭けだったのかもしれない。

従って、石破は勝利したが、依然として党内で孤立している。自民党総裁としての最初の1週間を彼は、アベノミクスへの反対を撤回し、とりわけ岸田前首相が安倍元首相の経済政策を推進したことを理由に、安倍自身の派閥を中心とした選挙資金スキャンダルに関与した自民党議員に対して寛容の姿勢を表明した。石破氏が2018年に声高に拒否した、何が何でも権力を行使するスタイルの政治だ。

これらの妥協(compromises)は避けられなかったのかもしれない。高市とその支持者たちは現在、自民党内で野党を構成しており、石破が安倍路線から大きく逸脱した場合、反乱の有力な火種となる可能性がある。しかし、これらの措置はまた、より民主的な政治を築こうと決意した理想主義的な真実の語り手としての彼の評判を損なう可能性があり、まさにそれが彼が政治に固執し続ける理由であるが、それは首相の職を開始直後に弱体化させるだけでなく、首相の地位を危険にさらす可能性もある。石破が10月27日の解散総選挙で政府の過半数を獲得することを準備している。どの政治家にとっても、特に石破の歴史を持つ政治家にとって、党内で過半数の支持者がいる状況でポスト安倍自民党を新たに構築するのは荷が重すぎるかもしれない。安倍首相の政治的ヴィジョンに引き続き関与している。

しかしながら、石破自身が新しい自民党の追求に失敗したとしても、彼の勝利は日本の与党の中心にある対立を露わにした。安倍首相が国内外で執拗に権力を追い求めた代償に対する自民党の清算は、今後何年にもわたって日本の政治を形作っていくだろう。

※トバイアス・ハリス:アメリカ進歩センター(Center for American Progress)上級研究員。著者に『因習打破主義者:安倍晋三と新しい日本(The Iconoclast: Shinzo Abe and the New Japan)』がある。ツイッターアカウント:@observingjapan

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