古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:アメリカ大統領選挙

 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 このブログでは、アメリカでアレックス・ガーランド監督の映画「シヴィル・ウォー(Civil War)」が公開初週で興行成績1位を記録する大ヒットとなっていることを紹介した。アメリカ内戦(第二次南北戦争)について、アメリカ国民は、その可能性を肌で感じている。「そんな馬鹿なことがある訳がない」と考えるのも理解できるが、アメリカではそれだけ、人々の不満が溜まっており、社会の分断が進んでいる。

 アメリカの民間人が銃を保持できることは日本でも知られており(アメリカが州国憲法で保障されている)、そのために銃による犯罪が多く、犠牲者も多く出ているのだという主張につながる。また、政府に対する抵抗の権利も認められている。イギリス軍と戦って独立を勝ち取ったのは、ミニットマン(minutemen)自分たちで武装した民兵たち(militia)の活躍があったからだということもあり、民兵組織も認められている。武器や軍事訓練は、日本に住む私たちが想像するよりも身近にある。また、アメリカ軍の退役軍人たちも身近な存在だ。

こうして見ると、今回の大統領選挙で、ジョー・バイデン、ドナルド・トランプ、どちらが勝利を得ても、「不正選挙だ(選挙を盗まれた)」という不満が爆発すれば、武装勢力による反乱が起きる可能性は無視できない。彼らは警察力も凌駕する力を持つだろう。しかし、アメリカ軍が出動すれば、鎮圧されるだろう。問題は、アメリカ軍内に、どれほどの不満が溜まっていて、選挙結果によって、動くかどうかということだ。日本で言えば、226事件(1936年)のようなことが起き、最悪の場合には、アメリカ軍同士相撃つ(226事件の時は、皇軍相撃つという言葉が使われた)という最悪の状況になるかどうかだ。こうなれば、立派な内戦状態である。

 アメリカ内戦の可能性、分裂の可能性については、2019年に副島隆彦が著書『国家分裂するアメリカ政治 七顛八倒』(秀和システム)の中で指摘している。そんな馬鹿なということが一般的な受け止めであったが、5年経って、2024年大統領選挙が近づくにつれて、そうした危険性が肌で感じられるようになっている。
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国家分裂するアメリカ政治 七顛八倒

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 あらゆる可能性を排除せず、起きるものと考えて、私たちは最悪の事態に備えることだ。アメリカ国内情勢が不安定になれば、アメリカの景気は崩れる、そして、アメリカ国債とドルへの信頼は大きく低下する。その時にこそ、「有事の金」ということになるだろう。「有事の金」として有事の際に使うためには、「平時の金」から備えておかねばならない。

(貼り付けはじめ)

●「米国は新たな内戦の瀬戸際にあるのか」

CNN 2024.03.25 Mon posted at 18:37 JST

https://www.cnn.co.jp/usa/35216868.html

(CNN) 2024年に入ってから3カ月、どうやら政治の暴力にまつわる悲惨な予言は、今や我が国の主流派と同様に過激な非主流派からも共通して発せられるようだ。トランプ前大統領は、恐らくこれまでで最も声高に叫ぶ予言者だろう。もし自分に対する刑事告訴が24年大統領選の敗北につながることがあれば、「国に混乱が起きる」と警告している。最近では、見たところありふれた政治上の手続きでさえも、結果として暴力の兆しになることがある。米連邦最高裁が1月にバイデン政権の側に立ち、連邦政府の国境監視員に対してテキサス州が設置した蛇腹形鉄条網の撤去を認めた時には、選挙で選ばれた公職者の一部から内戦の前触れだと指摘する声が上がった。24年に向けた脅威に関する声明の中で、国土安全保障省は他の脅威と共に、同年の選挙が「潜在的暴力の重要事象」になると予想している。

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ブルース・ホフマン

22年の著書「アメリカは内戦に向かうのか」の中で、名高い政治学者のバーバラ・F・ウォルター氏は米国の状況について、誰が想定するよりも内戦に近づいていると主張する。原因は政治的過激主義と分極化、社会的及び文化的部族主義、大衆による陰謀論の受容、銃器並びに重武装した民兵組織の拡散、政府とリベラル志向の西側民主国家に対する信頼の衰えといった事象の有害な混在だ。重要な要因の中で、ウォルター氏は加速主義に言及。それは「現代社会はもはや救いようがなく、終焉(しゅうえん)を早めなければならないという終末論的な信念、あるいは新秩序を実現するためにこそ終焉を前倒しすべきとする考えを意味する」。

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ジェーコブ・ウェア

加速主義は白人至上主義者、白人ナショナリスト、人種差別主義者、反ユダヤ主義者、外国人嫌い、反政府の民兵といった層に支持され、革命を高らかに呼び掛ける思想と捉えられている。彼らが熱烈に信じているのは、現代の西側リベラル国家が大変に堕落した無能な存在であり、取り返しのつかない状態だという言説だ。それを破壊し、新たな社会と統治様式を作り上げなくてはならないと彼らは考える。

西側が崩壊の崖っぷちにいるとされる中、加速主義の支持者らは、民主主義を追い詰めて忘却の淵に落とし込むには暴力的な反乱が必要だと主張する。破壊を前倒しすることによってのみ、白人の支配する社会と新秩序の出現が可能になる。それが彼らの思考だ。対立と分極化を扇動するため、暴力的な攻撃を人種的少数派、ユダヤ人、リベラル派、外国人の侵入者、権力エリートに仕掛ける。そして既存の秩序に地殻変動的な崩壊を引き起こし、2度目の内戦を誘発するのが加速主義の常套(じょうとう)手段に他ならない。

しかしこのテロリスト戦略は、実際のところ長い伝統の一部となっている。過激で事態を不安定化させる極右の暴力が、そうした伝統を作り上げてきた。その理由を理解し、それらの事象をより広範な文脈で捉えるには、21年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件をある軌跡におけるもう一つの節目と見なす必要がある。その軌跡は1970年代後半に端を発し、80年代を通じて勢いを増した。95年のオクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件の後、法執行機関による全国的な取り締まりに続いて進化は失速したが、バラク・オバマ氏が2008年に大統領に選出され、同年の金融不況が米国に衝撃を与えると、新たな目標が注入された。さらにその後、10年代に入るとそれはソーシャルメディアにより武器化された。熱狂的な言説と政治の分極化も追い風になり、米国を分断し続けた。

国家安全保障会議(NSC)の元メンバー、スティーブン・サイモン氏とジョナサン・スティーブンソン氏は、北アイルランドと中東における宗派間の争いについて深い知識を有する。彼らも同様に、米国が簡単に内戦に突入する恐れのある状況を説明している。彼らは執筆した記事の中で次のように書いた。米国は「今や『不安定均衡』の状態にあるようだ。これは本来物理学の用語で、わずかに移動した物体が別の力を引き起こし、元の位置から一段と遠ざかる現象を意味する」。この状態は、暴力行為が米国を混沌(こんとん)と無秩序に追いやるリスクを高める。加速主義者らが望んで止まない事態だ。

最も陰鬱(いんうつ)な評価はしかし、カナダ人ジャーナリストのスティーブン・マーシュ氏が22年の著書「The Next Civil War:The Dispatches from the American Future」の中で行ったものだろう。同氏は新たな米国の内戦は避けられないと主張している。「米国は終わりつつある。問題はどのようにして終わるかだ」(マーシュ氏)。同氏の見解では、「米国は宗派対立のようなものに陥っていく。そうした状況が見られるのは通常、暴力の歴史を抱える貧困国であって、世界で最も長続きする民主主義と世界一の経済力を誇る国ではない」。

過熱気味の人騒がせな主張かもしれないが、これらの不安の背後には一抹の真実以上のものが存在する。米メリーランド大学の民主主義・市民関与センターと米紙ワシントン・ポストが21年に調査したところ、民主党支持者のほぼ4分の1、共和党支持者の4割は政府に対する暴力の行使が「多少なりとも正当化できる」と考えていることが分かった。

この質問に対する回答の割合としては、過去20年以上で最も高い水準となった。これらの懸念がほとんど軽減されていないのは、最近ポスト紙とメリーランド大学の同センターが24年に入ってから行った新たな調査で分かる。「共和党支持者は21年の時点と比べ、議事堂に突入した人々により同情的で、トランプ氏に襲撃の責任はないと考える傾向も高まっている」と、ポスト紙は報じた。

しかし世論調査にしろ予測にしろ、実際に起きることを予言するわけではない。我々は内戦の可能性が比較的低いと考えているが、その理由の大部分は米国の政治的分断がもはや北部対南部のような明確な地理的分類に落とし込めない点にある。また分断は、奴隷制のような単一の争点を中心に繰り広げられているわけでもない。それでも米国は目下、別の種類の脅威に直面している。単純な赤い州(レッドステート:共和党の強い州)と青い州(ブルーステート:民主党の強い州)の違いや都市対地方の構図に従うことなく、異なる暴力の形態が、組織化された分離主義というよりも持続的な全国規模のテロ行為として顕在化する公算が一段と大きい。

忘れてはならないのは、民間の手にある銃器の数で、米国は世界のトップに立っているということだ。しかも他国を大きく引き離して。米国は世界人口の4%しか占めていないが、スイスを拠点とする独立系の調査プロジェクト、スモール・アームズ・サーベイによると、世界中の銃器のざっと4割がそこに集中している。米国で民間人が所持する銃器の数は推計3億9300万丁。国民1人当たり1丁以上所持している計算だ。実際のところ、米国における民間所有の銃器の数は、他の上位25カ国を合わせた数を上回る。20年に米国で購入された銃器の数は2300万丁近くと、記録が残るどの年よりも多かった。サイモン氏とスティーブンソン氏は、こうした米国における民間所持の武器の拡散が「リーダーのいない抵抗を一層実行可能なものにしている」と分析する。その抵抗は20世紀後半に民兵の理論家が支持。現在は極右や反権威主義的なブーガルー運動(アロハシャツを着た彼ら)が掲げるのが典型となっている。

事実、個人の銃所持の権利を認めた合衆国憲法修正第2条を最も熱烈に擁護する人々の一部は、新たな内戦に向けた自分たちの願望を表明している。銃の権利は1990年代初めの民兵運動を刺激し、ティモシー・マクベイが95年のオクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件を起こすのを思い立つ上で重要な役割を果たした。この事件は2001年の米同時多発テロ発生まで、米国内で最も多数の死者を出したテロ攻撃だった。

仮に米国が実際の内戦を回避するとしても、様々な暗いシナリオを想像するのは難しいことではなく、広範にわたって一連の政治的暴力が起きる恐れがある。そうなれば国の安定は失われ、既存の分断は一段と固定化。政府が市民を守る能力にも深刻な問題が生じるだろう。米国における民主主義的規範の崩壊を扱った23年の著書の中で、当時外交問題評議会(CFR)の会長だったリチャード・ハース氏が提起した可能性は、米国が北アイルランドで長年続いた流血の宗派紛争「トラブルズ」のパターンに直面するというものだ。

ハース氏は次のように警告する。「仮に我々が恐れるべきモデルが存在するとすれば、それは北アイルランドとトラブルズに由来する。1960年代後半に始まった30年に及ぶ争いには、数多くの準軍事組織、警察、兵士が関与し、結果的に約3600人が死亡。地元の経済生産は激減した」。米国の主導的な白人至上主義者らは、内戦と暴動を誰よりも擁護する部類の人々だが、彼らは北アイルランドを手本として引き合いに出してきた。そして現地の有力なテロ組織、アイルランド共和軍(IRA)を、模倣する価値ありと見なしている。「すぐに我々自身にとっての『トラブルズ』が広がっていくだろう」。米国の極右暴力地下組織を率いた初期のリーダーの一人、ロバート・マイルズ氏は、古代スカンジナビア語の暗号名「Fafnir」を名乗り、80年代のオンラインフォーラムでそう書いている。「IRAの活動パターンはこの国の各地で見られるようになるだろう。(中略)すぐに米国はアイルランドの再現となる」(マイルズ氏)

最終的に2020年大統領選の結果を承認することには成功し、翌年1月6日に連邦議会議事堂への突入に加わった暴徒は1000人以上が逮捕された。これらの少なくとも半数は裁判で有罪を認める、もしくは有罪判決を受けている。また22年中間選挙の周辺の出来事は、大半が平和的なものだった。にもかかわらず、米国における極右テロの脅威は続いている。

長きにわたる歴史的な軌跡が議事堂襲撃事件で頂点に達し、陰謀論の拡散と横行は継続。人種差別主義、反ユダヤ主義、外国人嫌いも高まりを見せ、既に米国内の政治的、社会的言説に入り込んでしまった。容易に銃器が手に入る環境も相まって、銃乱射や重要インフラへの攻撃、爆破などといった政治的動機に基づく国内での暴力が新たに行使される可能性は、退けることも無視することもできないのが実情となっている。

ブルース・ホフマン氏は外交問題評議会(CFR)の対テロ及び国土安全保障担当シニアフェローで、ジョージタウン大教授。ジェーコブ・ウェア氏はCFRのリサーチフェローで、ジョージタウン大学とデセールス大学の非常勤教授を務める。本稿は一部、両氏の近著「God,Guns, and Sedition: Far-Right Terrorism in America」を出典とする。記事の内容は両氏個人の見解です。

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●「「5年以内に内戦の可能性」 米有権者4割が回答 保守系調査会社」

毎日新聞 2024/5/11 10:49(最終更新 5/11 20:07

https://mainichi.jp/articles/20240511/k00/00m/030/038000c

 米国が5年以内に内戦に陥る可能性があると答えた有権者は41――。こんな刺激的な調査結果が保守系の米世論調査機関「ラスムセン社」から発表された。米国では政治や社会の分断が先鋭化し、両極化した人々がお互いを非難し合っている。半年後に控える11月の大統領選を受けて、互いへの不満が爆発するのではないかとの懸念が結果に反映された。

 調査は421日から23日にかけて有権者1105人を対象に行われた。52日に公表された調査結果によると、今後5年以内に米国が内戦に見舞われる可能性を尋ねた質問に対し、「非常に起こりそうだ」「いくぶん起こりそうだ」と回答した人は合わせて41%だった。一方、「あまり起こりそうにない」と「全く起こりそうにない」は計49%。「分からない」は10%だった。

 党派別でみると、「起こりそうだ」と答えた人の割合は、共和党支持層の54%、民主党支持層の35%、無党派層の32%だった。

 大統領選は、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領を軸に展開している。どちらが勝った場合により内戦になりやすいかという質問では、「バイデン氏が勝った場合」が37%で最も高く、「トランプ氏が勝った場合」が25%。「どちらが勝っても変わらない」が30%だった。

 2020年の前回大統領選もバイデン氏とトランプ氏の対決だった。バイデン氏の勝利に終わったが、敗北を認めないトランプ氏の支持者らが2116日に連邦議会議事堂を襲撃して占拠し、警察官や暴徒の計5人が死亡する事件が起きている。【ワシントン西田進一郎】

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 昨年10月に始まった、パレスティナ紛争、イスラエルによるパレスティナ側への報復攻撃は半年を超えて継続している。その間にパレスティナ側の民間人の死傷者が増加し、その様子が連日世界中で報道される中で、イスラエルによる過剰な報復、この機会を使用して、二国共存による解決(two-state solution)を無効化しようとする動きに対して、批判が高まっている。これまで、イスラエルを無前提、無条件で支援してきたアメリカでも、国内世論はイスラエルに批判的になっていることはこのブログでも既に紹介した。アメリカ全土の大学での抗議活動で逮捕者が出ていることは日本でも報道されている。

 アメリカのジョー・バイデン政権は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権に対して、自制を求めているが、イスラエル側は、アメリカが支援を止めることはないし、アメリカ国内にイスラエル・ロビーと呼ばれる、親イスラエルの強力な組織が複数あるといいうことから、バイデン政権の要請を無視してきた。バイデン大統領はネタニヤフ首相の姿勢に不満を表明してきた。そして、以下のような状況になっている。アメリカはイスラエルへの弾薬の輸送を停止した。そして、ハマスが戦闘停止の提案に賛意を示し、イスラエル側は提案内容に不満を示しながらも、交渉の継続を発表した。

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米、イスラエルへの弾薬輸送停止 ハマスとの戦闘開始後初と報道

5/6() 0:33配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/d63cc6d470f4bd6fb499b4dc7b6ed03d097ba3cf

 【ワシントン共同】米ニュースサイト、アクシオスは5日、米国がイスラエルへの弾薬輸送を先週停止したと報じた。複数のイスラエル当局者が明らかにした。昨年107日にパレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以降、兵器の輸送を停止したのは初めて。

 イスラエル政府は輸送停止に懸念を強めているという。全米の大学ではイスラエルの自衛権を支援するバイデン政権の対応に抗議するデモが続いている。

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●「ハマス、ガザ停戦案の受け入れ表明 イスラエルは「要求からかけ離れた内容」」

BBC JAPAN  2024年5月7日

https://www.bbc.com/japanese/articles/c1rv23v8j13o

パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の一時停止とイスラエル人人質の解放にむけた交渉で、イスラム組織ハマスは6日、カタールとエジプトの仲介役に対し停戦案を受け入れると伝えたことを明らかにした。

ハマス関係者は「(交渉の)ボールは今、イスラエル側のコートにある」と述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスの提案は「イスラエルの基本的な要求からかけ離れたもの」だとしつつ、交渉担当者による話し合いは継続されると述べた。

イスラエル国防軍(IDF)がガザ地区南部ラファの東側から避難するよう現地のパレスチナ人に指示をした数時間後に、ハマスは停戦案を受け入れると発表した。

ラファでの作戦では、数万人のガザ市民が影響を受けると考えられている。6日には多くの人がぎゅうぎゅう詰めの車やロバが引く荷車で移動した。

IDFは避難命令を出した後に空爆を実施した。ハマス関係者は「危険なエスカレーション」だとしている。

■停戦案を「承認する」と

ハマスは6日夜に声明を出し、同組織の政治指導者イスマイル・ハニヤ氏がカタールの首相とエジプト情報局の長官に「停戦合意に関する提案を承認する」と伝えたことを明らかにした。

この提案に詳しいパレスチナ側の高官は、条件が満たされれば「敵対的な活動を永久に」終わらせることにハマスが同意したと、BBCに語った。

これは、ハマスが武装闘争の終結を熟考している可能性をうかがわせるものだが、それ以上の詳細は明らかにされなかった。

提案では、停戦は段階的に行われる。第1段階では、イスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人囚人50人(終身刑の囚人数人が含まれる)の釈放と引き換えに、ハマスの人質となっているイスラエル人女性兵士らを解放することが含まれる。

1段階は42日間かけて実施される。この期間中、IDFはガザ内にとどまる。しかし、戦闘の一時停止が始まってから11日以内に、ガザ中部にあるIDF施設の解体を開始し、ガザを南北に走る主要ルート、サラ・アル・ディン通りや、海岸沿いの道路からIDFは撤退する。

停戦開始から11日後には、家を追われたパレスチナ人のガザ北部への帰還が認められる。

2段階も42日間で、前出のパレスチナ側の高官は、「持続可能な長期的な平穏」とガザ封鎖の完全解除で締めくくられるとしている。

「イスラエルが停戦合意に応じるのか、それともそれを妨害するのか。ボールは今、(イスラエル側の)コートにある」とハマス高官はAFP通信に語った。

■イスラエルの反応

ハマスの声明を受け、ガザではお祝いムードが広がった。

しかし、イスラエル政府関係者の1人はロイター通信に対し、ハマスが受け入れるとした提案は、エジプトが提案した内容が「弱められた」もので、イスラエルが受け入れることのできない「広範囲におよぶ」決定が含まれていると述べた。

そして、「イスラエルが合意を拒否する側であるように見せかけるための策略のようだ」と指摘した。

イスラエルの首相官邸はその後、「ハマスの提案がイスラエル側の基本的な要求からかけ離れていても、イスラエルは交渉の代表団を派遣し、イスラエルが受け入れられる条件のもとで合意に達する可能性を追及する」と声明で述べた。

イスラエルの戦時内閣は同じころ、ラファでの作戦継続を決定した。「人質の解放、ハマスの軍事・統治能力の破壊、そしてガザが将来、イスラエルにとって脅威とならないようにするという、我々の戦争目標を達成するため、ハマスに軍事的圧力をかけるため」だとしている。

■アメリカ、合意実現への努力継続と

米国務省のマシュー・ミラー報道官は、アメリカはハマスの反応を検討し、「我々のパートナー国と話し合っている」と記者団に述べた。アメリカはカタールやエジプトとともに、停戦交渉の仲介を試みている。

「我々は人質解放の合意がイスラエル国民の最善の利益になると信じ続けている」

「(人質解放は)即時停戦をもたらすだろう。人道的支援の動きも拡大できるようになるだろう。だからこそ、我々は合意に到達するための努力を続けていく」

昨年107日のハマスによるイスラエル奇襲では、イスラエル側で約1200人が殺害され、250人以上が人質となった。イスラエルは直後に報復攻撃を開始した。

ハマス運営のガザ保健省は、ガザでのイスラエルの軍事作戦でこれまでに34700人以上が殺されたとしている。

11月には、1週間の停戦が実現し、この間にイスラエルの刑務所にいたパレスチナ人囚人約240人と引き換えにハマスの人質105人が解放された。

イスラエルによると、ガザでは依然、128人の人質の行方がわかっていない。

そのうち少なくとも34人は死亡したと推定されている。

(貼り付け終わり)

 アメリカのジョー・バイデン政権としては、ウクライナ問題よりも、パレスティナ問題について優先的に目途をつけたいと考えている。今年11月の大統領選挙を控え、各種世論調査で共和党のドナルド・トランプ前大統領に負けているジョー・バイデンは、まずは民主党支持者を固めたい。民主党支持者はイスラエルへの支援に反対が多い。民主党支持者を固めるには、パレスティナ問題が優先課題だ。また、全米各地の大学での学生たちによる抗議運動もバイデンにとっては脅威だ。彼らが今年夏の民主党大会において、激しい抗議活動を行えば、バイデン陣営と民主党にとっては大きな痛手だ。1968年の民主党大会の例を引くまでもなく、2016年の民主党大会で、ヒラリー・クリントンに反対する若者たちの抗議活動の激しさは記憶に新しい。バイデンとしては党大会までに、パレスティナ問題を何とかしたいところだ。そのために、イスラエル・ロビーの圧力を避けながら、イスラエルに対して、停戦に向けて圧力をかけるだろうと私は書いたが、そのような動きになっている。

 更に言えば、そもそも論として、イスラエルをここまで傲慢にし、増長させて、結果として中東の不安定化を進めたのはアメリカである。アメリカが無条件にイスラエルを支援し続けたことが、イスラエルの傲岸不遜、選民思想丸出しの戦争国家にしてしまった。また、イスラエルの極右派は、アメリカが主導した二国間共存解決を反故にしようとしている。アメリカの面子など、イスラエルは全く気にしない。アメリカはイスラエルに利用され、虚仮にされてきた。

 アメリカの世論も大きく変わろうとしている。無条件のイスラエル支援に対しては疑問の声、反対の声が大きくなっている。そうした声はこれまで「反ユダヤ主義的」として封じ込められてきたが、そのようなレイべリング(ラベリング、labeling)の有効性が小さくなっている。それほどにイスラエルの行動は酷いもので、国際的な孤立を招いている。そして、アメリカに対する反感も募っている。アメリカの対イスラエル政策を見直す時期が来ていると言ってよいだろう。

(貼り付けはじめ)

アメリカが中東の燃え盛る炎に油を注いだ(America Fueled the Fire in the Middle East

-イスラエルは、ますます大きくなる危険の中にあるが、その責任はテヘランよりもワシントンにある。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2024年4月15日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/04/15/middle-east-war-crisis-biden-america-iran-israel/

 

2024年4月1日、テヘランにて、イスラエルによるシリアのイラン領事館への空爆を非難する抗議デモで、アメリカ国旗を燃やすイランの抗議者たち

シリアのダマスカスにあるイランの領事館に対するイスラエルの攻撃に対し、イランが無人機とミサイル攻撃で報復するという決定を下したことは、バイデン政権が中東をいかにひどく誤って扱ってきたかを明らかにしている。ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃する前夜に、この地域は「ここ数十年来で最も静か(quieter than it has been for decades)」だと自らを納得させてきた、アメリカ政府高官たちは、それ以来、悪い状況を、更に悪化させるような対応をしてきた。ドナルド・トランプ、バラク・オバマ、ジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンの各政権も多くの場合失敗している。

2023年10月7日のハマスの残忍な攻撃に対するジョー・バイデン政権の対応には、3つの主な目的があった。第一に、イスラエルへの揺るぎない支持を伝えようとした。レトリック的に支持し、イスラエル政府高官たちと定期的に協議し、ジェノサイドの非難からイスラエルを擁護し、国連安全保障理事会での停戦決議に対して拒否権を行使し、イスラエルに殺傷能力の高い兵器を安定的に供給した。第二に、ワシントンはガザ紛争がエスカレートするのを防ごうとしてきた。最後に、パレスティナの市民への被害を抑え、アメリカのイメージと評判へのダメージを最小限に抑えるため、イスラエルに自制的な行動をとるよう説得してきた。

この政策は、その目的が本質的に矛盾していたために失敗した。イスラエルに無条件の支援を与えることは、イスラエルの指導者たちへのアメリカからの自制の呼びかけに耳を傾ける動機をほとんど与えなかったため、彼らがそれらを無視したのは驚くべきことではない。ガザは破壊され、少なくとも3万3000人のパレスティナ人(1万2000人以上の子供を含む)が死亡し、アメリカ政府当局者たちは、ガザの民間人が飢餓状態に直面していることを認めている。イエメンのフーシ派民兵組織は停戦を要求していると主張し、紅海の船舶を標的にし続けている。イスラエルとヒズボラの間の低レヴェルの紛争は依然としてくすぶっている。そして占領下のヨルダン川西岸では暴力が急増した。そして今、イランは4月1日の総領事館爆破に対して報復としてイスラエルに無人機とミサイル攻撃を開始しており、更に広範な戦争の可能性が高まっている。

アメリカ人はイランが悪の体現者であるということを聞き慣れているため、読者の中には、この問題全てをテヘランのせいにしたくなる人もいるかもしれない。たとえば先週、『ニューヨーク・タイムズ』紙のトップ記事は、イランがヨルダン川西岸地区の不安をあおるために武器を「洪水のように大量に(flooding)」持ち込んでいると報じた。

この見方では、イランは既に炎上している地域にガソリンを注いでいることになる。しかし、この話にはさらに多くの要素があり、そのほとんどはアメリカの実情をあまり良く反映していない。

はっきりさせておきたい。イランは残忍な神権的政権(brutal theocratic regime)によって統治されており、私は同情することはない。しかし、その支配下で暮らし、アメリカの制裁による懲罰に耐えなければならない何百万人ものイラン人には同情する。イランの政権の行動の中には、例えばロシアのウクライナ侵略への支持など、非常に不快なものもある。しかし、ヨルダン川西岸(あるいはガザ地区)に小火器やその他の武器を密輸しようとするその努力は、特に凶悪なことだろうか? また、最近イスラエルが領事館を攻撃し、その過程で2人のイラン人将軍を殺害したことに対して、報復の決定は驚くようなものだろうか?

ジュネーブ条約によれば、「交戦的占領(belligerent occupation)」下にある住民には占領軍に抵抗する権利がある。イスラエルが1967年以降、ヨルダン川西岸と東エルサレムを支配し、70万人以上の不法入植者によってこれらの土地を植民地化し、その過程で何千人ものパレスティナ人を殺害してきたことを考えれば、これが「交戦的占領」であることに疑いようがない。もちろん、抵抗行為には戦争法が適用される。ハマスや他のパレスティナ人グループは、イスラエルの民間人を攻撃する際に戦争法に違反している。しかし、占領に抵抗することは正当であり、苦境にある住民を助けることは必ずしも間違っている訳ではない。たとえイランがパレスティナの大義に対する深い関与からではなく、独自の理由から支援を行ったとしても、それは間違っていない。

同様に、イスラエルが自国の領事館を爆撃し、イランの将軍2人を殺害した後に報復するというイランの決定も、特にイランが戦争を拡大する意図がないと繰り返し表明していることを考えると、生来の攻撃性(innate aggressiveness)の証拠とは言えない。実際、その報復はイスラエルにかなりの警告を与える方法で行われ、イラン政府がこれ以上エスカレーションするつもりはないことを示すように設計されていたようだ。アメリカとイスラエルの政府当局者たちが武力行使の際によく言うように、イランは単に「抑止力を回復(restore deterrence)」しようとしているだけだ。

忘れてはならないのは、アメリカは何十年もの間、中東に兵器を「氾濫(flooding)」させてきたということだ。イスラエルには毎年何十億ドルもの高度な軍備を提供し、アメリカの支援は無条件であると繰り返し保証している。

イスラエルがガザ地区の民間人を爆撃し飢餓に陥れても、アメリカからの支持は揺らいでいない。イスラエルが最近、アントニー・ブリンケン米国務長官の訪問を歓迎し、ヨルダン川西岸地区における、1993年以来最大規模のパレスティナ人所有の土地の没収を発表したときも、その支持は揺るがなかった。エクアドルが最近キトのメキシコ大使館を襲撃したことを非難しているときでさえ、イスラエルがイランの領事館を爆撃したとき、ワシントンは何の動きも起こさなかった。それどころか、国防総省の高官たちは支持を示すためにエルサレムに向かい、ジョー・バイデン大統領はイスラエルへの関与が「鉄壁(ironclad)」であることを強調した。イスラエルの高官たちが、アメリカからの忠告を無視できると考えるのは不思議だろうか?

権力が抑制されていない国家はそれを濫用する傾向があり、イスラエルも例外ではない。イスラエルはパレスティナ人よりもはるかに強力であり、更に言えばイランよりも有能であるため、パレスティナに対して罰を受けずに行動することができ、実際にそうしている。数十年にわたるアメリカの寛大かつ無条件の支援により、イスラエルはやりたいことを何でもできるようになり、それがイスラエルの政治とパレスティナ人に対する行動が時間の経過とともにますます過激になる1つの要因となった。

第一次インティファーダ[First Intifada](1987-1993年)のように、パレスティナ人が効果的な抵抗を動員できるようになったのは珍しい機会であった。イツハク・ラビン元首相のようなイスラエルの指導者たちは、妥協の必要性を認め、和平を試みることを余儀なくされた。残念ながら、イスラエルは非常に強く、パレスティナ人は非常に弱く、アメリカの調停者はイスラエルに一方的に有利だったため、ラビンの後継者は誰もパレスティナ人が受け入れられるような取引を提示しようとしなかった。

イランがヨルダン川西岸地区に武器を密輸していることにまだ憤慨しているのなら、もし状況が逆だったらどう思うかを自問してほしい。エジプト、ヨルダン、シリアが1967年の第三次中東戦争に勝利し、何百万人ものイスラエル人を脱出させたとしよう。勝利したアラブ諸国がその後、パレスティナ人が「帰還権(right of return)」を行使し、イスラエル・パレスチナの一部または全部に独自の国家を樹立することを許可することを決定したとする。加えて、100万人ほどのイスラエル系ユダヤ人が、ガザ地区のような狭い飛び地に閉じこもる無国籍難民(stateless refugees)になってしまったとする。そして、元イルグン(Irgun)の戦士や他のユダヤ人強硬派が抵抗運動を組織し、その飛び地を支配下に置き、新しいパレスティナ国家の承認を拒否したとする。更に、彼らは世界中の同調支持者から支援を得て、飛び地への武器の密輸を開始し、その武器を使って近隣の入植地や最近建国されたパレスティナ国家の町を攻撃した。そして、そのパレスティナ国家が、飛び地を封鎖し爆撃することで応戦し、何千人もの民間人の死者を出したとする。

こうした状況を踏まえると、アメリカ政府はどちらの側を支持すると考えるか? 実際、アメリカはこのような状況の出現を許すだろうか? 答えは明白であり、アメリカがこの紛争に一方的に取り組んでいることを雄弁に物語っている。

このような悲劇的な皮肉は、イスラエルを批判から守り、次から次へとアメリカの歴代政権に、たとえ何をするとしてもイスラエルを支持するよう圧力をかけることに最も熱心だったアメリカ国内の個人や組織が、せっかく熱心に支援しても、実際にはイスラエルに多大な損害を与えてきた。

過去50年間、「特別な関係(special relationship)」がどこにつながってきたかを考えてみよう。二国家間解決(two-state solution)は失敗し、パレスティナ人の抱える問題は将来も未解決のままである。その理由の大部分は、ロビー活動によって、歴代の米大統領がイスラエルに意味のある圧力をかけることができなくなったからである。1982年にイスラエルが行った無策のままのレバノン侵攻(ヨルダン川西岸地区をイスラエルの支配下に置くという愚かな計画の一環)は、ヒズボラの出現につながり、ヒズボラは現在イスラエルを北から脅かしている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相をはじめとするイスラエル政府高官たちは、パレスティナ自治政府を弱体化させ、ハマスへの密かな支援によって二国家解決への進展を阻止しようとし、2023年10月7日の悲劇を招いた。イスラエルの国内政治はアメリカ以上に偏向しており(これはある意味当然だが)、ロビーの大半のグループがことあるごとに擁護しているガザでの行動は、イスラエルの孤立国家(pariah state)への道を助長している。多くのユダヤ人を含む若いアメリカ人のイスラエルへの支持率は低下している。

この不幸な状況のおかげで、イランはパレスティナの大義を擁護し、核兵器保有に近づき、イランを孤立させようとするアメリカの努力を妨害することができた。もしアメリカ・イスラエル公共問題委員会(American Israel Public Affairs CommitteeAIPAC)とその盟友たちが自らを省みることができるのなら、自分たちがイスラエルに支援してきたことに愕然とするだろう。

対照的に、イスラエルの行動の一部を批判してきた私たち(反ユダヤ主義者、ユダヤ人嫌い、あるいはそれ以上の汚名を着せられるだけだった)は、実際には、アメリカにとってもイスラエルにとっても同様に良かったであろう政策を推奨してきた。私たちの助言に従っていれば、イスラエルは今日より安全になり、何万人ものパレスティナ人がまだ生きていて、イランは核開発から遠ざかり、中東はほぼ確実にもっと平穏になり、アメリカの人権と規則に基づく秩序の擁護者(principled defender of human rights and a rules-based order)としての評判も回復しただろう。最後に、もしこれらの土地が実行可能なパレスティナ国家の一部であれば、イランがヨルダン川西岸地区に武器を密輸する理由はほとんどないだろうし、イランの指導者たちが独自の核抑止力を持っていればより安全になるのではないかと熟考する理由も少なくなるだろう。

しかし、中東に対するアメリカの政策にもっと根本的な変化が起こらない限り、こうした希望に満ちた可能性は依然として手の届かないものであり、私たちをここに導いた過ちは繰り返される可能性が高い。

スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。ツイッターアカウント:@stephenwalt

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。アメリカ政治、アメリカ大統領選挙について詳しく分析しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2024年アメリカ大統領選挙がスタートした。前半は、民主、共和両党の大統領選挙候補者を決める予備選挙(primary)が始まった。アイオワ州での党員集会(caucus)が実施された。気温がマイナス20度(摂氏)まで下がる厳しい天候の中で、10万人以上が参加し、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝した。2位にフロリダ州知事ロン・デサンティスが2位、3位に元サウスカロライナ州知事・米国連大使ニッキー・ヘイリーとなった。デサンティスとヘイリーは僅差の結果となった。以下のとおりである。
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 事前の各種世論調査で、トランプが大量リードしていたため、今回の結果に驚きはない。予備選挙においての当面の話題は、ロン・デサンティスとニッキー・ヘイリーのどちらが生き残るかということだ。デサンティスは各種世論調査においてトランプに次いで2位となっていたが、今回のアイオワ州の結果をどう見るべきなのかは難しい。2位に入ったのは大きいが、3位のヘイリーとの差が小さかったことが問題だ。ヘイリーはこれから実施されるサウスカロライナ州知事を務めていたこともあり、サウスカロライナ州では、トランプに2位となると予想されている。また、次週実施されるニューハンプシャー州予備選挙でもヘイリーが2位に入るという予想もされており、デサンティスには厳しい状況が続く。

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 私は、共和党予備選挙は、ニッキー・ヘイリーが生き残る可能性が高いと見ている。ヘイリーが勢いをつけていくだろうと考えている。しかし、トランプ優位は動かないだろう。トランプとしてはどれだけの差をつけて勝利できるかということがこれからのテーマということになるだろう。
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(貼り付けはじめ)

アイオワ州での大統領選挙共和党予備選挙に関する5つのポイント(5 takeaways from the Iowa GOP caucuses

キャロライン・ヴァキール筆

2024年1月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4410502-iowa-gop-caucuses-donald-trump-vivek-ramaswamy-ron-desantis-nikki-haley-takeaways/

月曜日のアイオワ州共和党党員集会でドナルド・トランプ前大統領が圧勝し、共和党有権者に対する前大統領の優位性を示す最初の大きなテストとなった。

現在、すべての注目は早くもニューハンプシャー州に集まっており、ニューハンプシャー州ではトランプ前大統領がフロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)や元国連大使ニッキー・ヘイリーをリードしており、両候補ともにニューハンプシャー州でトランプに大差をつけられている。

各種世論調査によると、ヘイリーはニューハンプシャー州ではアイオワ州よりも良い結果を得ており、ニューハンプシャー州での争いを維持できる可能性があるが、サウスカロライナ州とネバダ州など他の序盤戦については、その実力が疑問視されている。

一方、デサンティスは、多くの資金を投入したアイオワ州で2位に甘んじることになり、厳しい問いに直面している。

トランプの期待が高まる中で、月曜日の夜、ヴィヴェク・ラマスワミは選挙活動を中止し、トランプを支持すると発表した。これによってトランプ前大統領はヴィヴェク・ラマスワミ氏から後押しを受けることになった。

極寒のアイオワ州で行われた共和党党員集会の5つのポイントをこれからご紹介する

(1)予想通りのトランプの圧勝(Trump dominates, as expected

東部標準時午後8時に投票が開始してから1時間も経過しないうちにトランプはアイオワ州党員集会で簡単に大勝した。

ディシジョンデスクHQは、午後8時46分にトランプをアイオワ州の勝者と予想し、その後、デサンティスが大差をつけられての2位と予想すると発表した。

アイオワ州は大統領候補指名争いが行われる最初の州に過ぎないが、トランプの勝利は予想されていたとはいえ、彼が共和党を掌握していることを浮き彫りにした。また、これから予備選挙が実施される数州でのヘイリーとデサンティスの苦戦の可能性を高めることとなった。

トランプの大勝利は、アイオワ州の極寒の気温が投票数にどのような影響を与えるかという疑問の中でもたらされた。アメリカ国立気象局デモイン支局は、かつてツイッターとして知られていたウェブサイト「X」に、月曜日は「1972年までさかのぼると、アイオワ州の投票日としては史上最も寒い日になりそうだ」と投稿した。

しかし、厳しい天候でさえトランプ支持者を集会から遠ざけることはできなかった。火曜日早朝時点のディシジョンデスクHQの開票速報では、トランプは50%をはるかに超える票を獲得していた。

(2)アイオワ州でヘイリーは彼女が必要としているものを獲得した(Haley gets what she needs in Iowa

ヘイリーはアイオワ州で3位となった。最近の世論調査では2位とされていたものの、その予想がだいたい当たる結果となった。

しかし、メディア各社がデサンティスが2位になると予想した後でも、ヘイリーは支持者たちに3位という結果を誇らしげに報告した。

ヘイリーは「この選挙戦では、一時、私を含めて14人が立候補しているという状況になった。世論調査で私の支持率が2%ということもあった。しかし今夜、アイオワはアイオワがいつもやっていることをやってくれた」と述べた。

「有識者たちはあらゆる角度から結果を分析するだろう。それは理解できる。しかし、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、そしてそれ以降の状況を見ると、今夜、アイオワ州は共和党予備選を2人の対決の構図にしてくれたと断言できる!」と彼女は付け加えた。

このコメントは、ヘイリーが既にデサンティスよりもはるかに強力な候補と見られているニューハンプシャー州に軸足を移していることを示している。ニューハンプシャー州での世論調査では、ヘイリー候補はトランプ前大統領に次ぐ2位につけている。

ディシジョンデスクHQと『ザ・ヒル』誌がまとめたニューハンプシャー州の調査の平均では、トランプが42%、ヘイリーが31%、デサンティス氏が7%となった。しかし、初期の州世論調査と全国世論調査の両方で元大統領が依然としてライヴァルをリードしていることを考えると、ヘイリーがトランプに対抗するにはまだ長い道のりに直面している。

(3)デサンティスは選挙戦に留まるかについての厳しい決断に直面(DeSantis faces tough decision on staying in race

デサンティスが選挙戦から離脱する気配はない。日曜日、CNNの取材に対し、デサンティスは、選挙戦がこれから長期戦になるだろうと語った。

デサンティスは月曜日の夜に開票速報視聴パーティーにおいて、支持者たちに対して次のように語った。「彼らは、私たちがここアイオワで敗北し選挙に留まることはできないだろうと予測していたという事実にとても興奮していた。しかし、私が言えるのは、彼らが私たちに投げかけた全てにもかかわらず、皆さんの支持のおかげで、私たちは選挙に留まることができた。みんなが私たちを攻撃していたが、それを振り払うことができた」。

それでも、この先の地図は、アイオワ州に多くのエネルギーを注いできた知事にとって難しいものとなる。ザ・ヒルとディシジョンデスクHQが出した、各種世論調査の数字の平均によると、デサンティスは、ニューハンプシャー州において6.6%で3位に甘んじている。また、サウスカロライナ州でも、デサンティスは9.4%で、大差をつけられての3位となっている。

ヘイリー陣営はニューハンプシャー州とサウスカロライナ州に重点を置いており、デサンティスは、更に不利な立場に置かれている。デサンティスは、主にトランプ支持層と同じ保守層にアピールしようとしていることを考えると、現実的にどうすれば指名を獲得できるのかという厳しい問題に直面している。

(4)早い段階での結果発表は反発を招いた(Early race calls draw backlash

トランプがアイオワ州共和党党員集会の勝者であると夜の早い段階から発表されたが、この事実はデサンティスの支持者たちの怒りを招き、一部のメディア関係者からの批判を招いた。

AP通信は午後8時31分(東部標準時)、NBCニューズは午後8時33分(東部標準時)頃、ザ・ヒルが提携しているディシジョンデスクHQは午後8時46分(東部標準時)にトランプ勝利を報じた。

デサンティス選対広報部長のアンドリュー・ロメオは、メディアの勝利者確定報道に対する声明の中で、「何万人ものアイオワ州人が投票する前に、メディアが選挙戦を召集して選挙妨害に加担するというのは、まったくもって言語道断である。メディアはトランプの味方であり、これはこれまでで最もひどい例だ」と述べた。

デサンティス陣営のジェイムズ・ウスマイヤー選対本部長も、NBCニューズとのインタヴューにおいて、早期の勝利者報道を「ぞっとする」と非難した。

一方、デサンティスを支援するスーパーPACは、CNNAP通信、ABCニューズ、NBCニューズの早い段階でのトランプ勝利確定報道を批判し、勝者確定に関するそれぞれの方針の誤りを指摘するメールを送った。

しかし、早期にトランプの勝利者報道をしたことについても、一部のジャーナリストから疑問の声が上がっている。

セマフォーのデイブ・ワイゲル記者はXに「非常に非常に初期の段階でトランプが大勝しているが、初期のネットワーク各局の勝利者確定は少し疑わしい。人々はまだ党員集会会場にいて、電話を持っている。どれだけの数の人が確定報道を見て、考えを買えただろうか?」と投稿している。

『ナショナル・ジャーナル』誌のカーク・バド記者「AP通信は、どのようにして早い段階で党員集会でのトランプの勝利について短い説明をしているが、有権者がまだ多くの選挙区で投票している最中に確定報道をしたことについての論争には触れていない」とはXに投稿した。

早い段階での選挙戦の勝者確定報道が選挙戦の行方を大きく左右した可能性は低いが、メディアが報じているように既に選挙結果を疑う傾向にある一部の国民の間で懐疑的な見方を引き起こす可能性がある。

(5)極寒の中、投票率に打撃を受けた(Turnout takes a hit amid frigid conditions

アイオワ州が極寒状況に見舞われたため、投票率は予想を下回ると予測された。

ディシジョンデスクHQは、月曜日の夜に投票率の予想を下げたと発表し、「投票が完了したと報告している郡の投票数は、投票開始時の予想を一貫して下回っている」と指摘した。

ディシジョンデスクHQは、午後10時(米国東部時間)以降、約11万人の有権者が集会に参加したと推定しているが、「IA GOPからのデータがかなり変動しているため、変更される可能性がある」と注意を発している。

2016年の選挙では18万人以上が投票した。

投票率は、アイオワ州の凍てつくような気温に影響された可能性が高く、天候が候補者にどのような影響を与えるかについて、各候補者に疑問が投げかけられていた。

ジュリア・マンチェスターがアイオワ州からこの論稿の作成に貢献した。
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アイオワ共和党党員集会の結果を説明する5つの数字(Five numbers that explain the Iowa caucus results

ジュリア・ムラー、ジャレッド・ガンズ筆

2024年1月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4410536-five-numbers-that-explain-the-iowa-caucus-results/

ドナルド・トランプ前大統領は月曜日のアイオワ州共和党党員集会で容易に勝利し、来週のニューハンプシャー州予備選挙に向けて、選挙戦が加速するための最初の州で、共和党のライヴァルであるニッキー・ヘイリーやフロリダ州知事ロン・デサンティスを破った。

アイオワ州で共和党党員集会の投票が始まってから1時間も経たないうちに、マスコミ各社はトランプ勝利を報道した。票の集計はまだ続いているが、最新の集計の時点で、トランプが30ポイントの差で勝利する準備ができているようだ。

しかし、トランプの勝利のために他の候補者たちにつけた差は、2024年の選挙の最初の投票で得られた注目すべき数字の1つにすぎない。

アイオワ州共和党党員集会に関する数字で見ると次のようになる。

(1)トランプの得票率:51%(Trump’s percentage: 51 percent

東部標準時午前12時25分現在、ディシジョンデスクHQの集計によるt約10万9000票が投票され、トランプは51%の得票率を誇っている。

ディシジョンデスクHQによると、トランプ前大統領は2位の候補に30ポイント近くリードしている。デサンティスが2位、ヘイリーが3位と予測されている。

トランプは、各種世論調査でライヴァルに二桁の差をつけてアイオワ州党員集会に臨み、アイオワ州での勝利で、来週ニューハンプシャー州で行われる全米初の共和党予備選を前に勢いを増している。

トランプのリードを削ごうと数カ月間努力してきたトランプ以外の候補者たちにとっては、良い兆候ではない。

トランプは2016年、2020年にアイオワ州の共和党予備選挙で勝利したが、2016年のアイオワ州党員集会ではテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)に敗れ、その後ニューハンプシャー州で勝利し、大統領選挙候補者指名を受けた。 

トランプ前大統領は月曜日、アイオワでの選挙戦は「とてつもない夜」になるだろうと予想していた。

(2)勝利者確定報道時間:30分(Time the race was called: 30 minutes

アイオワ州での投票開始からわずか30分後、各メディアからトランプの勝利を宣言する最初の報道があった。AP通信が午後8時31分にトランプを勝者と予想し、他のメディアもすぐにこれに続いた。

本誌のパートナーであるディシジョンデスクHQは、約15分後の午後8時46分に勝利者確定報道を行った。

投票開始後、まだ投票をしていない人もいる中で、極めて早く勝利者予測・確定報道が出た。CNNのキャスターであるジェイク・タッパーは、CNNの予測を発表した後、「このような早期の確定報道をしたのは記憶にないほど早い」と、報道の早さを指摘した。

党員集会に至るまでの世論調査や出口調査ではトランプが大幅にリードしており、選挙戦が召集される前の初期の結果はトランプ氏が容易に勝利することを示しているように見えた。タッパーは、CNNは投票前調査と初回投票におけるトランプの「圧倒的な」リードに基づいて予測を立てる可能性があると述べた。

しかし、早期の勝利者確定報道では、多くの投票がまだ行われていない中で予測を行ったことに対して批判が生じた。党員集会にかかる時間はさまざまで、30分で結果が出るものもあれば、数時間かかるものもある。

デサンティス選対の反応は特に激しく、選対広報担当のアンドリュー・ロメオは「選挙妨害(election interference)」だと主張した。

ロメオは「何万人ものアイオワ人が投票する前に、メディアが選挙戦を召集して選挙妨害に加担するというのはまったく言語道断の好意である。メディアはトランプ前大統領の味方であり、これはこれまでで最もひどい例だ」と語った。

親デサンティスのスーパーPAC「ネヴァー・バック・ダウン」の戦略コミュニケーション・ディレクターを務めるマット・ウォーキングは、投票が終わる前に確定報道に対する複数の報道機関の方針をツイートした。

(3)2位と3位の差:2ポイント(Margin between second and third place: 2 points

月曜日の夜の党員集会に先立ち、専門家たちは選挙サイクルがスタートする中、候補者の強さを示すシグナルとしてアイオワ州の1位、2位、3位の間の差に注目していると述べた。

発表時点では、デサンティスがアイオワ州で2位を確保し、ヘイリーが3位と予想されている。

発表時点のディシジョンデスクHQによると、デサンティスとヘイリーの差はわずか2.1ポイントで、得票率はそれぞれ21.2%対19.1%だった。

この接戦は、アイオワ州党員集会の8日後に投票が行われるニューハンプシャー州予備選挙において、事前の各種世論丁でデサンティスを大きく引き離しているヘイリーにとっては良い兆候と言えるだろう。

また、フロリダ州知事デサンティスはアイオワ州を選挙戦の最重要課題としていたため、デサンティスの勢いを削ぐハードルとなるだろう。デサンティスは、アイオワ州の全99郡を訪問するという目標を達成し、アイオワ州では他のどの早期投票州よりもはるかに強力な世論調査の結果を得ていた。

アイオワで多くの時間を費やしたデサンティスは、今後の各州で本気で戦えるよう、選挙運動のインフラを構築する作業が待っている。

起業家のヴィヴェク・ラマスワミとアーカンソー州知事アサ・ハッチンソンは上位3位に入れず、これが選挙運動の終了をもたらす可能性があると専門家たちは長年指摘してきた。ラマスワミは月曜日の夜の記者会見で選挙戦から撤退し、トランプ氏を支持すると表明した。

(4)投票数:11万(Turnout: 110,000

アイオワ州民は4年に1度の党員集会に熱心なことで知られ、全国で最初の投票に参加するために定期的に多くの人々が集まる。しかし、1月の寒さに慣れた有権者にとっても、歴史的に悪天候が障壁となった。

アイオワ州共和党のジェフ・カウフマン委員長は、本誌の取材に対し、道路の除雪が進み、雪も止んだことから、投票率については楽観的な見方を示し、参加者数については「いい感じ」だと語った。カウフマン委員長は、18万7000人という記録的な数字に達するとは予想していなかったが、早朝時点では「いい感じ」だったと語った。

ディシジョンデスクHQは、約11万人の有権者が投票に参加したと予測した。この数字は、記録を打ち立てた2016年の党員集会からは大きな減少となったが、2012年と2008年にそれぞれ投票した約12万人からはわずかな減少にとどまった。

月曜日の夜の党員集会終了に関する声明の中で、カウフマンは「アイオワの人々は、数日前に吹雪に見舞われた後、記録的な低温に耐えながら、自分たちのコミュニティーのメンバーと国の将来について話し合い、真の草の根民主政治体制(grassroots democracy)に参加した」とカウフマンは夜の終わりに向けて声明で述べた。

(5)風冷指数:50度(Wind chill: 50 degrees

月曜日、アイオワ州民は凍えるような寒さと厳しい冬の天候に直面した。国立気象台は、デモインの風冷指数をマイナス30度と発表した。

選挙戦までの数日間、一部の選挙計画が複雑な状況となったことを受け、候補者らは支持者らに雪の中でも勇敢に党員集会に行くよう呼び掛けた。党員集会に先立って複数の対面イヴェントを中止し、代わりにヴァーチャルで開催することを余儀なくされた。

デサンティスは党員集会開始前、支持者たちに「寒さに負けずアイオワ州共和党党員集会に参加して、私を応援して欲しい。あなたの一票が、今夜ほど大きな影響を与える機会はない!」と述べた。

ラマスワミは、アイオワ州の支持者たちに「私たちの国を救うために、寒さに耐えていただきたい」と呼びかけた。

アイオワ州共和党党員集会が州内の各選挙区で始まった、デモインの午後8時の気温はマイナス20度(摂氏)にまで下がった。

ウエザー・チャンネルとアキュウエザーによると、月曜日の日中の最高気温はマイナス17度(摂氏)だった。
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アイオワ州共和党党員集会の勝者と敗者(Winners and losers of the Iowa caucuses

ナイオール・スタンジ筆

2024年1月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4410571-winners-and-losers-of-the-iowa-caucuses/

アイオワ州デモイン発。有権者は月曜日、2024年の大統領選挙期間で初めて意思表示をする機会を持ち、その結果、アイオワ州共和党党員集会でドナルド・トランプ前大統領が圧倒的な勝利を収めた。

トランプは2位に約30ポイントを付けて圧勝した。

党員集会に向けて大きな注目は、2位争いを中心に展開していた。フロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)が元国連大使ニッキー・ヘイリーを抑えて残念賞(consolation prize)を受賞した。

党員集会では、実業家のヴィヴェック・ラマスワミが4位という最低の成績で選挙戦を中止するなど、これまでと同じく候補者たちが絞られた。ラマスワミは予想通りトランプを支持した。

極循環によってアイオワ州の気温が氷点下にまで下ったため、天候が今年の選挙戦の大きな要因となった。月曜日はこれまでで最も寒い投票日となった。

約11万2000人のアイオワ州民が投票を行ったが、2016年に記録された約18万6000人には遠く及ばなかった。

以下に、月曜日の夜の勝者と敗者について見ていく。

●勝者たち

・ドナルド・トランプ前大統領(Former President Trump

トランプにとって、これ以上ない夜となった。

トランプは世論調査が予想していた通りの大差で勝利したが、支持者の間に態度が弱くなったり、満足したりする兆しは見られなかった。

トランプの得票率は50%の大台をクリアしたと見られる。これにより党員集会参加者の大多数がトランプに反対しているという、ライヴァルたちの主張の正当性がなくなる。

同じく重要なことは、デサンティスとヘイリーの僅差の結果により、今後しばらくは両者が選挙戦に残る可能性が高く、非トランプ票が確実に二分される状態が続くことになる。

トランプは、支持者を前に行った約20分間の勝利演説では、彼の基準からすると珍しく穏やかだった。ライヴァルたちに対しては、「みんな一緒に楽しい時間を過ごしてきた。ヘイリーとデサンティスはふたりともよくやった」とささやかではあるが賛辞を贈った。

トランプはまた、「今こそ全員が団結する時だ」と主張したが、この発言は現代で最も二極化を進めた、とトランプ前大統領を批判する人たちには違和感があるだろう。

しかし、この穏やかな口調は、ライヴァルたちを退かせようとするトランプ・チームの全般的な働きかけの一部だった。

2022年のアリゾナ州知事選に敗れ、現在は同州の上院議員候補であるトランプの忠実な支持者であるカリ・レイクは本誌の取材に対し、他の候補者の立候補はもはや「虚栄のプロジェクト(vanity projects)」に過ぎないと語った。

レイクは次のように語っている。「彼らに勝ち目はない。アイオワ州とニューハンプシャー州に何億ドルもつぎ込んで、強敵の候補者トランプを追い落とそうとしているのは残念なことだ。彼らが少し立ち止まって、考え直し、トランプ大統領がアメリカを救う手助けをする人物であることを認識することを願っている」。

・世論調査会社や組織・団体(Pollsters

世論調査会社は物事を誤ると大きな非難を浴びるが、アイオワ州では堅実な結果を残した。

本質的に世論調査と予想が難しい党員集会ではこれは並大抵のことではなく、今回の場合は荒天が新たな不確実要素となった。

トランプが30ポイントを付けてリードしていることは、開票率98%で、ほとんどの世論調査会社の予測の範囲内だった。

専門家たちたちは、党員集会前の最終世論調査のいくつかで、ヘイリーがデサンティスを抜いて2位になっていたことに注目するだろう。

しかし、公平を期すために、優秀な世論調査会社のいくつかは、ヘイリー支持者の一部から明らかに情熱が感じられないという理由で、これらの結果に注意書きを入れていた。

高く評価されているデモイン・レジスター世論調査の中心人物であるJ.アン・セルザーは、党員集会の2日前に、ヘイリー支持のレヴェルには「根底にある弱さ(underlying weakness)」があり、「ヘイリーの支持者の大きな割合が、集会に参加せずに家にとどまるかもしれない」と述べた。

まさにその通りになったようだ。

・アイオワ州共和党党員集会(The Iowa caucuses

アイオワ州共和党は、困難な状況にもかかわらず党員集会自体がスムーズに行われたことで、安堵のため息をつくことができている。

投票率がかなり低かったこと認めざるを得ないが、それでも天候を考えれば十分評価できるレヴェルだった。

重大な不正の報告もなく、結果に疑問を呈する候補者もいなかった。

これは、4年前の民主党アイオワ州党員集会の大失敗を考えれば、より重要なことだった。

あの時は、結果を報告するシステムが故障した。結局、民主党全国委員会はアイオワ州から予備選における全米最初の地位を剥奪したのである。

●勝敗つかず

・ロン・デサンティス(Ron DeSantis

結論を述べるならば、デサンティスは生き残った。

もし3位に転落していたら、フロリダ州知事デサンティスは選挙戦から退くべきだという声が大合唱になっていただろう。それは、世論調査で3位につけているニューハンプシャー州や、ヘイリーの地元サウスカロライナ州という、あまり歓迎されない地域に向かうからだ。

2位になったことで、デサンティスは期待以上の結果を残したと主張できる。デサンティス候補は、投票日の夜に支持者を前に行った演説で、「私たちに投げつけられた全てのもの、私たちに反対するすべての人たちの存在にもかかわらず、私たちはアイオワ州で認められた」と語った。

とはいえ、一時はアイオワ州がトランプ氏を逆転する理想的な地形だと考えていた候補者にとって、アイオワ州でのダントツの2位は自慢できるものではない。

デサンティス陣営はまた、メディア各社による早期の勝利者確定報道に激怒した。フロリダ州知事デサンティスの支持者たち、これが彼の票を押し下げた可能性があるという正当な主張をしている。

とは言え、一時はアイオワ州がトランプを逆転する理想的な地形だと考えていたデサンティスにとって、アイオワ州での大きく引き離されての2位は自慢できるものではない。

前途は極めて険しいが、デサンティスはまた新たな一日を戦うために生きている。

●敗者たち(Losers

・ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley

ヘイリー選対は、アイオワ州の結果は彼女の道徳的勝利であると熱心に主張している。

それは本当のことではない。

ヘイリー自身も党員集会後の演説で、「今夜、アイオワ州はこの​​共和党予備選を2人の選挙戦にしてくれた」と主張した。

これは良い表現だ。しかし、これを述べた候補者ヘイリーが3位に沈み、勝者から32ポイントの差をつけられており、説得力を持つ表現とはなっていない。

結果をより深く分析すると、根強い問題も示されているように考えられる。ヘイリーの支持者の圧倒的多数は大学教育を受けた有権者であり、党内ではそうした人々の数は大学の学位を持たない有権者よりも少ない。

とにかくヘイリーは選挙戦から撤退しなかった。

ヘイリーはニューハンプシャー州で力強く復活することだろう。デサンティスよりも、ヘイリーの方が共闘大統領候補者指名獲得への道筋を想定しやすい。

しかし、ヘイリーは単純にアイオワでは敗者となった。それは、彼女がどうしても2位になることを望んだのだが、それを成し遂げることができなかったからだ。

・マスコミの予測(Media projections

共和党党員集会が始まってから30分後にトランプ氏を勝者と予想したことを受けて、メディア各社はまたしても独自の騒ぎに陥っている。

勝利者確定報道は多くのアイオワ州住民が投票を行う前になされた。

AP通信と複数の全国ネットワークを持つテレビ局は、それまでに行った有権者調査と最初期の開票状況を合わせて勝利者確定報道を行った。

しかし、それまでは、投票がまだ実施されている間は、結果の予測は行わないというガイドラインが一般的に受け入れられていた。その経験則(rule of thumb)が月曜日に破られた。

デサンティスを支援する主要なスーパーPACの創設者であるケン・カチネリは、本誌の取材に対してテキスト・メッセージで、早期の確定報道は「非常に言語道断な行為だ」と語った。

カチネリは「ネットワークテレビは投票が始まった途端に勝利者確定報道を行った」と抗議の意を表した。

もちろん、デサンティス陣営は、デサンティスの得票率はもっと高かったはずだと主張する権利を持っている。

しかし、合理的な基準からすれば、極めて早期の勝利者確定報道は、またしてもメディアにとって疑わしい瞬間となってしまった。

・ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy

彼は選挙戦から撤退した。

党員集会で約8%の投票率で4位につけた後、ラマスワミの前途は存在しなかった。

この結果は、世論調査が以前から示していた通りのものだった。インターネット上の熱狂的なファン層がいたとしても、ラマスワミの魅力は極めて限定的なものだった。実際、彼に好感を持たない有権者の割合は、選挙期間中に上昇した。

ラマスワミは選挙戦からの撤退を発表したが、同時にトランプに「完全な支持」を表明した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を発刊しました。アメリカ政治に関しては第2章で書いています。2024年は大統領選挙も行われる、アメリカ政治にとっては重要な年です。是非手に取ってお読みください。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2024年11月5日にアメリカ大統領選挙の投開票が実施される。民主党からは現職のジョー・バイデン大統領が候補者となることが確実となっている。一方、共和党では、ドナルド・トランプ前大統領が他の候補者に対して圧倒的なリードを保っており、共和党の候補者になることが確実視されている。2024年の大統領選挙はバイデンとトランプの戦いとなり、2020年の時と同じとなる。そこに新たな要因として加わるのは、ロバート・F・ケネディ・ジュニアが第三党の候補者として出馬することだ。ケネディ・ジュニアの出馬が選挙戦にどのような影響を与えるか、トランプとバイデン、どちらに向かうはずの投票を削ることになるか、ということであるが、あまり大きな影響は見られない。

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 全体としてみると、トランプ有利な展開となっている。バイデンは不人気となっている。下の記事にあるように、前回、バイデンの大統領選挙当選に貢献した、ヒスパニック系、アフリカ系アメリカ人有権者、若年層で、バイデンは支持率の数字を落としている。バイデンとしてはなんとしても人気回復をしたいところであるが、現状はなかなか厳しい。大統領としての支持率も低迷している。何か大きな事件や出来ことが起きてくれないと(起こさないと)、厳しい状況だ。バイデンはなんとしても二期目の当選を果たさねばならない。そのことを私は最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』で詳しく書いた。是非お読みいただきたい。

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 このような状況であるが、私はバイデンが再選されると見ている。不人気な現職大統領であるバイデンが再選されるということは、合法・非合法あらゆる手段が使われるということだ。そうなれば、アメリカ民主政治体制(デモクラシー)の正当性は大きく毀損する。結果として、アメリカの衰退・アメリカの解体につながる。今回の大統領選挙はそういった意味で大変重要である。

(貼り付けはじめ)

ヒスパニック、若年層有権者の間でトランプがバイデンをリード(Trump leads Biden among Hispanic, young voters: poll

ローレン・アーウィン筆

2024年1月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4383903-trump-leads-biden-among-hispanic-young-voters-poll-2024-election/

最新の世論調査の結果によると、ヒスパニック系と若年層有権者の間で、ドナルド・トランプ前大統領が現職のジョー・バイデン大統領をリードしていることが分かった。

USAトゥデイ』紙とサフォーク大学が実施した世論調査によると、重要な選挙が行われる年に向かうにあたり、バイデンは2020年の大統領選挙勝利に貢献した、いくつかの重要な人口別グループ(several of the key demographics)で後れを取っている。

調査対象となったヒスパニック系有権者の間では、バイデンは34%の支持を得たのに対し、トランプは39%であった。これは、バイデンがこの層から65%の支持を得ていた2020年から、大きく後退したことを意味する。

バイデン大統領は黒人有権者からの支持も失っている状況だ。2020年には87%の支持を得ていたが、現在では63%にとどまっている。

若年層のバイデン支持も落ちてきている。2020年、バイデンはこの層でトランプを24ポイントも引き離していた。しかし、今回の調査では、35歳以下の有権者の支持率はバイデンの33%に対し、トランプが37%となり、トランプが4ポイントリードしている。

若年層内の進歩主義派は、バイデンが気候変動や投票権などの優先事項について、期待以下の行動しか取らなかったことに失望している。多額の借金を免除しようとするバイデンの努力が最高裁判所によって阻止された後、学生ローンの返済が再開された。バイデンがハマスとの戦争でイスラエルを支持していることは、紛争で被害を受けたパレスチナ人に同情的なのが一般的である多くの若いアメリカ人からも嫌われていると本誌は以前報じた。

USAトゥデイは、バイデンにとって朗報となりそうなことを1つ挙げている。バイデンがこれまで挙げた有権者グループの支持を失っている一方で、彼らはトランプではなく第3党候補に流れる傾向があることだ。

調査対象となったヒスパニック系と黒人有権者の20%、若年層の21%が、トランプやバイデン以外の候補者を支持すると答えている。

今回の世論調査は2023年12月26日から29日にかけて、1000名を対象に実施された。誤差は3.1ポイントである。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙共和党予備選挙では、支持率でドナルド・トランプ前大統領が圧倒的にリードしている。エスタブリッシュメント派が推している、フロリダ州知事ロン・デサンティスやニッキー・ヘイリーも米国連大使は知名度の割に苦戦している。そうした中で、ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)という聞きなれない名前の、ずぶの素人、無名の新人がここ最近支持率を挙げている。
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ヴィヴェック・ラマスワミ
 ラマスワミはトランプ前大統領を支持している。2020年の大統領選挙ではトランプ前大統領に投票している。討論会の席上で「トランプ前大統領は21世紀において最高の大統領だ」と発言し、トランプ前大統領から「ありがとう、ヴィヴェック!」という言葉をもらっている。討論会では、マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事といった知名度の高い、ヴェテラン政治家たちを向こうに回して、人々の関心を集めることに成功したようだ。

 ヴィヴェは1985年生まれの39歳。両親はインド系の移民であるが、父親はGE(ゼネラル・エレクトリック)のエンジニア、母親は心理学者という裕福な家庭で育った。ハーヴァード大学では生物学を専攻し、イェール大学法科大学院に進学した。大学院在学中に既にヘッジファンドを設立し、100億円以上の利益を上げていたということだ。その後も実業界で成功を収めた、立志伝中の人物ということになる。
2024uspresidentialelectionrepublicancanidatespolls2023graph001

 ラマスワミは世論調査での支持率の数字を上昇させている。ドナルド・トランプ前大統領には大きく及ばないものの、共和党のヴェテラン政治家たちを追い抜いている。トランプとラマスワミの数字を合わせて考えると、他の有力政治家たちが「希望にあふれている(hopeful)」という状態ではなく、「希望が小さくなっている(long-shot)」という状態になっていることが分かる。ちなみにlong-shotとは、弓矢で長い距離から的を狙うということで、距離が長ければ長いほど的に当たりにくい、希望が少ないという意味になる。トランプ前大統領の人気の高さとラマスワミの台頭によって、共和党エスタブリッシュメントに魂を売ったヴェテラン政治家たちは、どんどん的が遠くなっているという現状である。

 民主党側ではジョー・バイデンが現職大統領として高齢を押して出てくるが、体調や能力を不安視されている。それでも何が何でもバイデンを当選させたい勢力が民主党内だけではなく、共和党内部にもいる。そこの分裂線がウクライナ戦争に対する支援に関する考え方である。ラマスワミはウクライナ支援に反対を唱えている。それだけで共和党予備選挙では大きな台風の目ということになるだろう。私たちも注目していかねばならない。

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トランプの後継者は俺だ、インド系大富豪候補者の支持率が急上昇

8/26() 11:02配信

高濱 賛

JBpress

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6?page=2

■ デサンティスに肉薄、支持率10%に

 米共和党が823日に行った初の大統領候補者テレビ討論会の視聴者は5000万人、同時刻にSNSXで流れたドナルド・トランプ前大統領の単独インタヴューはアクセス数が7300万から7400万だった。 (Trump's debate counter-programming draws millions of views on X)(Fox News is the debate’s biggest loser

 8人の候補者の顔見世も「象(トランプ氏)の出ないショー」ではトランプ氏に勝てなかった。 とにかく共和党支持者にとっては、トランプ氏抜きの大統領選は考えられないことを改めて示した。 共和党の選挙戦略専門家のアレックス・コナント氏によれば、共和党支持者の4分の1はトランプ氏に何があっても投票、4分の1はトランプ氏には投票しない、残りの半分は投票態度を決めかねているという。 (Los Angeles Times

 一方、トランプ氏抜きの今回の討論会で「誰が勝者か」を一般有権者に尋ねたワシントン・ポストの世論調査では以下のような結果が出た。

 (1)ロン・デサンティス・フロリダ州知事:29

 (2)ヴィヴェック・ラマスワミ氏:26

 (3)ニッキー・ヘイリー元国連大使:15

 (4)マイク・ペンス前副大統領:7

 (5)クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事:4

 (6)ティム・スコット上院議員:4

 (Our Republican debate poll finds Ron DeSantis and Vivek Ramaswamy won

 注目すべきは、政治経験ゼロのラマスワミ氏が副大統領や上院議員、知事現職・経験者を差し置いて、デサンティス氏に肉薄していることだ。 直近の世論調査でも、断トツのトランプ氏(55.4%)を追うデサンティス氏(14.3%)に次いで7.20%で3位につけている。世論調査によっては10%の支持率を得ている。 (2024 Democratic Presidential Nomination

■ 「痩せぎすで変な名前の男」と自己紹介

 討論会参加者の並び順は支持率で決まる。中央にはデサンティス氏、その向かって右側に痩せた浅黒い色の男が陣取った。 モデレーターから指されると開口一番、こう述べた。

「皆さん、痩せぎすの、しかも名前も聞きなれない男は、いったい何者でしょう?」 (Who the heck is this skinny gay with a funny last name? )

「一つ言えることは、私は誰からもカネをもらったり(企業団体の)世話にもなっていない唯一の候補者です。これだけは声を大にして申し上げておきます。気候変動は作り話です」 (I’m the only person on the stage who is not bought and paid for, so I can say this. Climate change agenda is a hoax.

 ラマスワミ氏は、討論会を通じて一番喋りまくった。

 気象変動、ウクライナへの軍事支援、中国の脅威、メキシコとの国境問題とテーマごとに他の候補者と一対一で渡り合った。 終始一貫しているのはトランプ氏の4年間の内政外交すべてを支持する姿勢だった。 反トランプのジャーナリスト、チャーリー・スカイズ氏はこう描写した。

「ラマスワミ氏は、持前の弁舌でトランプ氏よりも巧みにトランピズムを展開した。熱狂的なトランプ支持者が聞きたかった歌を奏でた」「それはトランプ氏を支持している他の候補者が真似できないようなパフォーマンスだった」 (The Vivek and Nikki Show

■ 高学歴・裕福・・・インド移民の典型

 同氏はオハイオ州・シンシナティ生まれ。

 両親はインド、ケララ州出身のヒンズー教教徒で、父はカルカッタ国立工科大学を卒業後、米国に移住、ゼネラル・エレクトリック(GE)のエンジニアとして働いてきた。 母は高齢者専門の心理学者だった。高学歴で裕福なインド移民の典型だった。

 ラマスワミ氏は、カトリック系の高校を出た後、ハーバード大学に進学、生物学を専攻し、卒業論文ではキメラ動物創造に関する倫理上の諸問題を取り上げ、最優秀賞を受賞している。 また、在学中にゴールドマンサックスでインターンとしての勤務経験がある。 在学中は「ハーバード・ポリティカル・ユニオン」(HPU=米大学最古の弁論部)やユダヤ系学生団体「シャブタイ」にも参加、米国社会のエリート育成機関に積極的に参加した。 その後、イェール法科大学院に進み、大学院生当時、金融、薬品、バイオテク分野関連のヘッジ・ファンドを知人と設立し、法務博士号取得前に15000万ドルの純益を上げていた。 その後、そのヘッジ・ファンドを「ロイバント・サイエンス」と改称、次々と製薬会社を買収、売却、合併した。 2020年には環境保護、社会・企業のガバナンスのための基金を設立、これが政界進出へのスタート台になっている。 トランプ氏とは、2022年、ニュージャージー州のトランプ氏の別邸で夕食を共にしたのが出会いだった。 億万長者のラマスワミ氏が、トランプ氏の支持層を取り込む国盗り物語は注目に値する。

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共和党の米大統領選挙候補ヴィヴェック・ラマスワミとはどんな人物か?(Who is Vivek Ramaswamy, Republican presidential candidate?

ティム・リード筆

2023年8月24日

『ロイター通信』

https://www.reuters.com/world/us/who-is-vivek-ramaswamy-republican-presidential-hopeful-2023-08-23/

ロイター発(8月23日付)。バイオテック企業の元重役で大富豪のヴィヴェック・ラマスワミが水曜日夜の討論会において2024年米大統領選挙共和党候補者指名レースの注目候補者となる機会を得ている。

ラマスワミの人生とキャリアについてのいくつの事実についてこれから取り上げていく。

●アメリカ中西部で育ったヒンドゥー系(A HINDU RAISED IN THE AMERICAN MIDWEST

38歳になるラマスワミは、オハイオ州においてインド南部からの移民である両親の間に誕生した。彼は両親のヒンドゥー教の信仰の中で育ったが、カトリック系の高校に進学した。ハーヴァード大学で生物学を専攻し学士号を取得し、その後はイェール大学法科大学院に進んだ。

ラマスワミはヘッジファンドの投資部門で働き、イェール大学法科大学院を修了する前には既に数百万ドルを稼ぎ出していたと述べている。2014年、彼は自身でバイオテック企業ロイヴァント・サイエンシズ(Roivant SciencesROIV.O)を創設した。この企業は製薬分野の大企業が完全に開発できなかった、もしくは市場化できなかった特許を買い取っていた。2021年、ラマスワミは最高経営責任者(CEO)を辞任した。2023年、ビジネス誌『フォーブス』はラマスワミの資産を6億3000万ドル(約914億円)と推計した。

●元リバータリアンのラッパーで一貫性のない投票行動の記録(A FORMER LIBERTARIAN RAPPER WITH A PATCHY VOTING RECORD

ラマスワミは、大学時代、リバータリアンだったと語っている。ハーヴァード大学在学中、「ダ・ヴァック(Da Vek)」というアーティスト名でリバータリアンをテーマにしたラップを披露していた。彼は今年、選挙運動でラップのスキルを披露した。今月のアイオワ・ステート・フェアで彼が披露したエミネムの「Lose Yourself」はソーシャルメディアで拡散された。

ラマスワミは、2004年の米大統領選挙ではリバータリアン党に投票したが、2008年、2012年、2016年は投票しなかったと述べた。彼はこれまで共和党と民主党の候補者の両方に献金している。2020年の米大統領選挙では共和党のドナルド・トランプ前大統領に投票したということだ。

●「反極左リベラル目覚め主義派」の闘士(AN "ANTI-WOKE" CRUSADER

ここ数年、ラマスワミは堅固な保守派として活動している。2021年にベストセラーになった著書『目覚め主義株式会社(Woke, Inc.)』の中で、社会正義や気候変動への懸念をビジネス戦略の前提にしようする一部の大企業の決断を批判し、勤勉さ(hard work)、資本主義(capitalism)、信仰心(religious faith)、愛国心(patriotism)に悪影響を及ぼす「ウォーキズム(目覚め主義、wokeism)」を非難している。この本によって、ラマスワミは保守派の間で知名度を上げ、右派のスターとして急速に頭角を現し始めた。

●共和党の米大統領選挙運動(REPUBLICAN PRESIDENTIAL CAMPAIGN

ラマスワミは今年2月に大統領選挙への出馬を表明したが、その時点では泡沫候補の扱いをされていた。ラマスワミは、ほとんどの世論調査でいまだに一桁台の指示率に低迷しているが、多くのライヴァルを引き離しており、なかでもフロリダ州のロン・デサンティス知事は、現在2位の座を維持するために戦っている。

ラマスワミはトランプを擁護する一方で、共和党予備選挙で重要な位置を占めるキリスト教福音派(Christian evangelicals)へのアピールを狙っている。ヒンドゥー系でありながら、ラマスワミは有権者たちに対し、アメリカは「キリスト教的価値観(Christian values)」や「ユダヤ・キリスト教的価値観(Judeo-Christian values)」に基づいていると語り、自分のことをアメリカ・ナショナリストと表現している。

ラマスワミの政策的立場は、ほとんどが明確に保守的である。アファーマティブ・アクション(affirmative action)に反対し、レイプや近親相姦、母体の生命が危険な場合は例外として、6週間以降の中絶を州レヴェルで禁止することを支持している。大統領職の権限を大幅に拡大し、FBI、教育省、徴税機関である内国歳入庁(Internal Revenue ServiceIRS)など連邦政府の多くを解体したいと訴えている。

ラマスワミは、ウクライナのNATO加盟に反対し、キエフは戦争を終結させるためにロシアに譲歩すべきであり、ロシアが既に占領しているウクライナの一部を、ロシアが保持することを認めるべきだと述べている。

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第1回の共和党の討論会における勝者と敗者(Winners and losers of the first GOP debate

ナイオール・スタンジ筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168420-winners-and-losers-of-the-first-gop-debate/

ミルウォーキー発。2024年米大統領選挙における討論会シーズンの幕開けとなった水曜日の夜、共和党候補者たちは激突した。

ドナルド・トランプ前大統領がフィサーブ・フォーラムで開催されたフォックス・ニューズ主催の討論会に参加しないことを決めたため、このイヴェントへの関心が下がり、視聴率も低下したようだ。

しかし、トランプはスポットライトを完全に譲った訳ではない。タッカー・カールソンとの会話は、討論会が始まる5分前に、かつてツイッターとして知られていたプラットフォーム「X」で生中継された。

トランプ氏は木曜、ジョージア州当局に出頭し、4度目の刑事起訴に直面し表舞台に戻ることになる。

ミルウォーキーでの討論会は、トランプ前大統領が直接介入したり邪魔したりすることなく、ライヴァルたちが多くの聴衆に接触する貴重な機会となった。

これから、重要な夜となった討論会における勝者と敗者について述べていく。

■勝者たち

●マイク・ペンス元副大統領(Former Vice President Pence

ペンスは討論会の参加資格を得るのに苦労した。必要な寄付者数などの基準を超えるのに他の候補者たちよりも長い時間が必要となった。

しかし、水曜日の夜、彼は多くの力強い割り込みや介入を行い、予想外の勝者となった。2021年1月6日の行動についての全候補者への質問が出されたが、これがペンスには予想外の追い風となった。

何人かのライヴァルたちは、程度の差はあったが、2020年の大統領選挙結果を証明し、それを覆そうとするトランプの圧力に耐えたペンスの行動に賛辞を送った。

他の場面では、ペンスの激しさ(特にヴィヴェック・ラマスワミに向けられたとき)が、この夜最も驚かされた要素だった。

討論会の序盤、ペンスは38歳のラマスワミに対して「今はオンザジョブトレーニング(on-the-job training OJT)をしている暇などない。ずぶの新人を入れる必要はない」と述べた。

ペンスはまた、中絶反対派の有権者に対して、聖書の語句を引用しながら、自身の中絶に関する長年の記録を思い出させる場面もあった

ペンスは予備選で大きな難題に直面しており、とりわけ共和党有権者からの不支持率は他のどの候補者よりも高い。

しかし水曜日は、これまでの選挙戦で最高の夜となった。

●クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事(Former New Jersey Gov. Chris Christie

クリスティは、ラマスワミがステージ上で「お金で買われていないそして支払われていない(not bought and paid for)」唯一の候補者であると豪語した直後、水曜日の夜で最もクリーンなショットを決めた。

憤慨したクリスティは、「今夜はもう、ChatGPTみたいな奴にはうんざりなんだ」と言い返した。

このセリフでクリスティは、約8年前に同様の討論会でフロリダ州選出のマルコ・ルビオ連邦上院議員を攻撃した時と同じように、ラマスワミの弱点を見つけたのかもしれない。

クリスティは当然のことながら、トランプとの違いも強調した。

彼は今回の選挙で最も反トランプ姿勢を明確に示している候補者であり、この事実自体が、彼の敗北をほぼ確実なものにしている。

トランプの複数の起訴について、クリスティは、人々がトランプ前大統領の行為を犯罪だと信じるかどうかにかかわらず、「誰かがこの行為を常態化させるのを止めなければならない、分かるか?」と述べた。

共和党支持層の大部分はクリスティの発言を嫌うだろう。しかし、ディベートの技術という点では、今回のステージで最も印象的なパフォーマンスだっただろう。

●フォックス・ニューズの司会者たち(Fox News’s moderators

フォックス・ニューズは様々なプレッシャーを受けながら討論会を行った。

4月にドミニオン・ヴォーティング・システムズと名誉棄損に関して、7億8700万ドルで和解したのは記憶に新しい。タッカー・カールソンの降板は、多くの視聴者を落胆させた。ドナルド・トランプは、フォックス・ニューズに対しても断続的に砲火を浴びせ続けている。

しかしフォックスは、討論会の共同司会者ブレット・ベイヤーとマーサ・マッカラムの働きによって、水曜日は良い夜を過ごすことができた。

ベイヤーとマッカラムのコンビは適当だと判断される場合には、候補者たちの衝突を許容しながら、討論会の進行全体をコントロールし続けた。ある場面では、ベイヤーは過剰な反応をする聴衆たちの方を振り向いて、そうした行動を諫めることもあった。

更に重要なことは、ペンス元副大統領と1月6日の連邦議事堂進入事件との関係、ウクライナ問題、妊娠中絶問題に関して、2人の巧妙な質問によって、明確な答えが導き出されたことだ。

●ニッキー・ヘイリー元米国連大使(Former United Nations Ambassador Nikki Haley

討論会の印象は、人々の記憶に残る瞬間によって決まることが多い。

この基準に当てはめると、ヘイリーは討論会の夜を素晴らしく過ごしたことになる。

彼女は中絶(abortion)に関してライヴァルたちとは異なる立場を主張し、連邦政府による妊娠初期での中絶禁止や「これほど個人的なこと」の決定における最高裁判所判事の役割について懐疑的な姿勢を表明した。

ヘイリーはトランプを「アメリカで最も嫌われている政治家(the most disliked politician in America)」と明確に指摘し、彼を先頭にしては共和党の勝利など望めないと主張した。

しかし、彼女にとっての唯一にして最大の瞬間は、ウクライナへの資金提供に対する起業家ラマスワミの深い懐疑に対して激怒した瞬間であった。

彼女はロシアのウラジーミル・プーティン大統領に言及しながら、「この男は殺人者であり、あなたは親米国であるウクライナよりも殺人者を選んでいるのだ」とラマスワミに言い放った。

ラマスワミが弁明しようとすると、ヘイリーは更に圧力をかけた。「あなたには外交政策の経験がない。それが良く出ている」とヘイリーはラマスワミに述べた。

■勝ち負けがはっきりしない(Mixed

●ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy

ラマスワミが、最も意見が分かれるであろう候補者であることは、ほぼ間違いないところだ。

ラマスワミの支持者たちが、彼が輝いていたと主張する理由は簡単だ。彼は明らかに異質であり、激しい言葉の暴力に耐え、新しい若い世代の感性にユニークにマッチした候補者である。

ラマスワミが他の候補者たちに狙われた度合いも、彼が与える脅威の大きさに比例したものである。

しかし、特にウクライナ問題や、大統領に選出されたらトランプの前科をすべて赦免するという馬鹿げた約束など、浅はかさも感じられた。

彼の全体的な態度にも疑問符がつく。彼のファンが自信と明晰さとみなす特徴は、自己満足と口先だけのように感じられる。

ラマスワミは、このような大勢の聴衆の前で自分を知らしめることができたという一点で、世論調査の数字が上昇することにつながるかもしれない。

しかし、彼の弱点もまた大きく暴露されることになった。

■敗者たち

●フロリダ州知事ロン・デサンティス(Florida Gov. Ron DeSantis

デサンティスはミルウォーキーで大きな一夜を過ごす必要があった。しかし、それは叶わなかった。

フロリダ州知事デサンティスは明らかな失言をした訳ではなかった。しかし、素晴らしい瞬間があった訳でもなく、更に重要なのは、どの場面でも討論会で自分を押し出すことができなかったことだ。

長い時間、デサンティスは討論会の背景の中に溶け込んでしまっていた。

これは非常に大きな問題だ。何故なら、デサンティスの選挙キャンペーンは、「自分がトランプに代わる唯一の候補者であること」を前提にしているからだ。

デサンティス候補の選挙戦はスタート時点から下降線をたどっており、水曜夜のリハーサルを重ねすぎたように見えたパフォーマンスによって、その流れが変えられるなどとは考えられない。

●ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)(Sen. Tim Scott (S.C.)

共和党予備選挙候補者の中には、トランプ、デサンティス、そして台頭著しいラマスワミに次ぐ、明確な第2集団がすでに存在する。そこにはペンス、ヘイリー、スコットが含まれている。

スコットは、この3人の中で最も印象を残せない夜を過ごした。サウスカロライナ州選出の連邦上院議員は多くの共和党員や支持者に好かれているが、彼の控えめな愛想の良さは論争の多い討論会には不向きだ。

スコットは、クリスティとラマスワミの口論に割って入り、次のように主張した。「子供じみたやりとりで行ったり来たりするのは、アメリカ国民のためにはならない」。

しかし、討論会のほとんどの時間で、スコットはインパクトに欠けていた。

また、ヘイリーの存在はスコットにとって危険だ。選挙戦を進めるにあたって、非常に重要な地元州をヘイリーとスコットが共有するなど、2人の共通点を考えれば、両候補が長期的に見て成功する余地はないということになるだろう。

●ノースダコタ州知事ダグ・バーガムとアサ・ハッチンソン元アーカンソー州知事(North Dakota Gov. Doug Burgum and former Arkansas Gov. Asa Hutchinson

世論調査で下位に沈んだ2人の候補者にとっては、ステージの端っこで立ち往生する厳しい夜になることはあらかじめ目に見えていた。

両者共にブレイクする瞬間はなかった。

バーガムに関する最大の注目は、討論会当日にバスケットボールをしてケガをしてしまい、病院に運ばれた彼がステージに立てるかどうかということだった。

ハッチンソンはいつものようにトランプ批判を展開し、憲法修正第14条が「反乱や反乱を起こした者が大統領になることを禁じている」ことから、この条文は、ドナルド前大統領の再出馬を禁じている可能性があるとまで発言した。

この発言に対して聴衆からのブーイングを受けた。

それでも、バーガムとハッチンソンが直面している最大の疑問は、いかにして自分たちの存在をアピールするかということだ。

両者共に、水曜日の討論会ではこの疑問に対する回答を見えることができなかった。

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第1回の共和党討論会の後、トランプはラマスワミを称賛(Trump praises Ramaswamy after first GOP debate

キャロライン・ヴァキール筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168687-trump-praises-ramaswamy-after-first-gop-debate/

ドナルド・トランプ前大統領は、バイオテクノロジー起業家ヴィヴェック・ラマスワミを賞賛した。共和党のミレニアル世代であるラマスワミは、第1回の米大統領選挙共和党予備選挙の候補者討論会でトランプを擁護した。

「この回答は、ヴィヴェック・ラマスワミに大勝利をもたらした。それは、TRUTH(真実)と呼ばれるものであったからだ。ありがとう、ヴィヴェック!」。トランプは木曜日の早朝、自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

トランプは、38歳の共和党候補ラマスワミが第1回討論会で、「トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと思う」と発言したラマスワミの発言のクリップを掲載した。

マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事などの候補者たちが共和党の新進気鋭の候補者であるラマスワミにジャブを浴びせたが、ラマスワミは水曜夜の討論会で注目の的となった。

クリスティは討論会において、トランプを追及した。トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)が開催した討論会には出席せず、代わりに元フォックス・ニューズの司会者タッカー・カールソンとの録画済みインタヴューを公開した。結果として、トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)を冷たくあしらうことになった。そうしたトランプ元大統領を討論会で擁護した唯一の候補者は、ラマスワミだった。

「重要な結論はこうだ。誰かがこのような行為が常態化するのを止めなければならない。理解できるだろうか? さて、刑事告発が正しい、もしくは間違っている、どちらを信じるにしても、この行為はアメリカ大統領にふさわしくない」。クリスティは討論会で、司会者たちから、法的な問題があるにせよ、トランプを党の大統領選挙候補者として支持するかどうかいついて発言を躊躇する理由を問われて、このように答えた。

ラマスワミは「私もこの議題について入って、質問に答えたい。本当のことを言いますよ?トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと確信します」と述べた。

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ウクライナをめぐる共和党の論争が舞台へ(The GOP’s Debate on Ukraine Takes Center Stage

-トランプ大統領がいない状況ではあるが、共和党の外交政策における最大の争点はウクライナである。

ジャック・ディッチ筆

2023年8月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

By Jack Detsch

https://foreignpolicy.com/2023/08/24/republicans-united-states-gop-debate-foreign-policy-ukraine/?tpcc=recirc_latest062921

ドナルド・トランプ前米大統領は、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党の2024年米大統領予備選の第1回討論会に出席しなかった。しかし、トランプが初めて大統領選に出馬した時と同じように、水曜日の夜、ステージに上がった候補者たちの中で、外交政策のサンドバッグ(punching bag)となったのは造反候補者だった。

フォックス・ニューズの司会者たちは、トランプが直面している数ある法的問題のどれかで有罪判決を受けた場合、前大統領を共和党候補として支持するかどうか候補者たちに質問し、トランプの不在が中心的な話題となったが、水曜日の夜の基調は外交政策の違いによって決められた。対ロシア戦争におけるウクライナへのアメリカの支援をめぐる争いは、特に激しいものだった。

企業家のヴィヴェック・ラマスワミは、政治家としては新人だが、世論調査では下位集団から一貫して上昇し続けてきて3位まで上げてきた。この夜の討論会では、アメリカはウクライナに対する支援を止めるように訴えて、最初に大きな拍手を受けた。

ラマスワミは「私たちはロシアを更に中国の手の中に追いやることになる」と発言した。討論会に先立ち、ラマスワミは、モスクワが中国との関係を断つ代わりに、ロシアが軍事的に占領しているウクライナの一部地域の支配権を保持することをアメリカが許可するように求めていた。

ウクライナの反攻(counteroffensive)が停滞している状況で、キエフへの支持は共和党内の主要な争点となっている。先週、影響力のある保守系シンクタンクであるヘリテージ財団(Heritage Foundation)のトップの国防専門家が、ヘリテージ財団のケヴィン・ロバーツ会長が書いた論説に失望し幻滅したとして、財団を去った。論説の中でロバーツは、ハリケーン被害救済よりもウクライナ支援を優先する議員を非難した(この記事は、かつてツイッターとして知られていたソーシャルメディア「X」の公開ファクトチェックで人々からの憤慨を集めた)。

しかし、より主流の保守派の人々は、ラマスワミやロバーツらの主張は完全に間違っていると考えている。「ファウンデーション・フォ・ディフェンス・フォ・デモクラシーズ()」の上級研究員であるマーク・モンゴメリーは次のように述べている。「私の考えでは、ウクライナへの援助を贈り物や慈善事業のように扱うことはできない。これはアメリカの国益に関わることだ。苦境に立たされた民主政体国家に対する、攻撃的な権威主義的行動には、摩擦(衝突)が起きている時点で立ち向かわなければならず、一歩下がって、次のラインで何かをするということはあり得ない」。

ラマスワミの立場は、水曜日のステージで共和党の他の候補者たちとも対立することになった。候補者たちのほとんどは、ウクライナ人にアメリカの銃を提供することで、アメリカは利益を得ており、それによってロシア軍を弱体化させることができると考えている。

「次はわれわれの番だ」とクリス・クリスティ前ニュージャージー州知事は「次は私たちの番だ」語った。マイク・ペンス前副大統領は、ラマスワミへの攻撃が続く中、ロナルド・レーガンの「強さによる平和(peace through strength)」という言葉に注意を向けさせようとし、ラマスワミが「地球上で最も偉大な国家をかなり小さく見ている(pretty small view of the greatest nation on earth)」と罵った。

ニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事から、政治的新人ラマスワミはプーティンという人殺しの味方をしようとしていると非難された。ラマスワミは、ステージの他の人々を、防衛産業に従順なジョージ・W・ブッシュ時代のネオコンたち(George W. Bush-era neoconservatives beholden to the defense industry)だと決めつけた。「ロッキード社かレイセオン社の役員になれるよう、幸運を祈ります」とヘイリーに向かって言った。

しかし、トランプ政権下で国連大使を務めたヘイリーはすぐに反撃した。ヘイリーは「あなたには外交政策の経験がなく、それが表れている」と発言し、この夜最大の拍手を受けた。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は、自らを対中強硬派(China Hawk)に見せようと努力したが、一方でウクライナに関するやりとりの間はほぼ沈黙を守っていた。それでもデサンティスは、アメリカがウクライナを支援するためには、ヨーロッパ諸国の更なる支援を条件とすべきだと述べた。デサンティスは以前、ロシアによるウクライナへの全面侵攻(full-scale invasion)を「領土問題(territorial dispute)」と呼んだ。

ティム・スコットが麻薬フェンタニルの致命的な拡散を嘆いた後、デサンティスはメキシコの麻薬カルテルを外国のテロ組織として指定することを強く主張した。テロ組織指定によってアメリカは経済制裁を科すことが可能となる。でサンティスは更に、国境を越えてアメリカに麻薬を流す密売人たちを「冷たい死体(stone cold dead)」とすることを約束した。ペンスは、国防総省がメキシコ軍と提携してカルテルを討伐することを主張した。

国境問題や中国問題で、候補者たちの間での意見の一致が見られた。しかし、このような一地点はあったが、ウクライナについては大きな対立を隠れている。ペンスや他の共和党エスタブリッシュメント派が問題視していたのは、ウクライナへの軍事援助が約500億ドルにまで達しているが、この金額は多すぎるのではなく、小さすぎるということだった。

モンゴメリーは、「この問題に関して議論をしなければならないことは明らかだ。しかし、私が言いたいことは、ウクライナ支援に関する議論については、ウクライナへの支援継続を信じる人々が勝利すべきだということだ」と述べた。

※ジャック・ディッチ:『フォーリン・ポリシー』誌国防総省・国家安全保障担当記者。ツイッターアカウント:@JackDetsch

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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