古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:イラン

 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ大統領は第二次政権を発足させて以降、ヴェネズエラ攻撃、グリーンランド領有への野心表明、更にはイラン攻撃と、対外的に積極的・攻撃的な動きを見せている。第一次政権時とは全く異なった動きであり、有権者がトランプに期待した、アイソレイショニズムとアメリカ・ファーストを裏切る動きである。イラン攻撃に関しては、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に乗せられてのことである。

グリーンランドに関しては、トランプの大学時代(ペンシルヴァニア大学ウォートン経営学部)からの友人で、世界的なコスメブランドであるエスティローダーの総帥ロナルド・ローダーの影響と働きかけがあったことが明らかになっている。ローダーは、グリーンランド内でのレアアース利権を持っており、その開発で巨額の利益を得るために、アメリカによるグリーンランドの領有をトランプに進言しているということだ。ローダーはトランプ大統領に多額の献金を行っている。

 ローダーは世界ユダヤ人会議(World Jewish CongressWJC)の議長を務めている。世界ユダヤ人会議はイスラエルを支援しているが、極右的ではなく、穏健な姿勢を取ることで知られている。アメリカのイスラエル・ロビー諸団体のような、極右的な姿勢ではない。しかし、戦前からの組織であり、その議長というのは大きな権威を持つ。ローダーの義理の息子(娘婿)は、トランプ大統領が連邦準備制度理事会議長に指名したケヴィン・ウォーシュである。ローダーはトランプ人脈の中に入っている。
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 ローダーは影響力と人脈を使い、トランプの政策を「買おう」としているのである。個人の利益のために大統領との人脈や影響力を利用して、政策に関与する。トランプを支持したのは、失業した白人労働者たちだ。彼らは自分たちの願いをトランプに託した。それは、アメリカの上流階級や政界の汚れを一掃することだ。一般国民の既存政治への異議申し立てがポピュリズムである。トランプ大統領の誕生はポピュリズム革命であった。しかし、実際にはこのポピュリズム革命は裏切られつつある。悲しいことだが、ポピュリズムは常に敗北の運命を背負っていると言うべきなのかもしれない。

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●「情報BOX:次期FRB議長指名のウォーシュ氏、その横顔」

ロイター通信 2026131日午前 7:35 GMT+92026131日更新

https://jp.reuters.com/markets/japan/HFATL7XEKNNPLLC5X7R2ILAJOU-2026-01-30/

[ワシントン 30日 ロイター] - トランプ米大統領は30日、次期連邦準備理事会(FRB)議長にケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名すると発表した。ウォーシュ氏とはどのような人物なのか。

<史上最年少のFRB理事、金融危機に対応>

ウォーシュ氏(55)は、米スタンフォード大学とハーバード法科大学院卒。米金融大手モルガン・スタンレーに勤務した後、ブッシュ(子)前大統領の国家経済会議(NEC)での経験を経て、2006年に史上最年少となる35歳でFRB理事に就任した。08─09年の世界金融危機では、ウォール街の人脈を生かし、当時のバーナンキFRB議長を支え、破綻した金融機関の救済などで重要な役割を果たした。11年まで理事を務めた後、スタンフォード大学フーバー研究所の特別客員フェローを務めたほか、同大学のビジネススクールで講師を務めた。

<タカ派かハト派か?答えは両方か>

ウォーシュ氏は、FRBは金利を大幅に引き下げるべきと主張する。特に人工知能(AI)による生産性向上が物価抑制の一助となるため、FRBはインフレ抑制に向け雇用市場を犠牲にする「選択」をする必要はないとし、トランプ氏と一致している。

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しかし、FRB理事を務めていた5年間にはインフレ「タカ派」として知られた。また、住宅ローンやその他の長期金利引き下げに向け、FRBの大規模な債券保有を恒久的な金融政策手段として利用することに批判的な見方を示していた。

<FRBの独立維持望む、改革は必要>

ウォーシュ氏は長らく、FRBが物価安定と最大雇用という二大責務から外れ、独立性を危うくしていると批判してきた。昨年4月には、政策決定の指針を修正の可能性がある「陳腐な」政府データに頼るのをやめるべきだとしたほか、政策当局者の経済予測や金利の方向性を国民に知らせる「フォワードガイダンス」を批判した。また5月には、バランスシートを拡大しないようにすれば、政策金利を引き下げることができるという認識を示した。

<妻は富豪の娘>

ウォーシュ氏の妻は、米化粧品大手エスティローダーの創業家一族で富豪のロン・ローダー氏の娘ジェーン・ローダー氏。米誌フォーブスによると、ジェーン氏の純資産は27億ドルと推定されている。

<知り合いに多くの富豪>

ウォーシュ氏は、著名投資家スタンリー・ドラッケンミラーの資産を管理するオフィスのパートナーを務めた経歴がある。

また、義父であるロン・ローダー氏はトランプ大統領の元同級生かつ有力な支持者とされる。ウクライナのリチウム鉱床開発権を獲得した投資家グループの一員と伝えられているほか、デンマーク自治領グリーンランドにも権益を持っているという。
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グリーンランド取得、トランプ氏を本気にさせた6人衆 富豪や反中派

ワシントン支局長 河浪武史

日本経済新聞 202619 5:00

[会員限定記事]

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07CMP0X00C26A1000000/

トランプ米大統領のグリーンランド(デンマーク自治領)取得構想は、今に始まった話ではない。発端は第1次政権時の2018年。当初は「最優先事項ではない」(トランプ氏)はずだったが、対中強硬派が構想を膨らませて「絶対に必要」な重要戦略となった。

●「ルイジアナ、アラスカに並ぶ偉業に」

18年に取得案を最初に振り付けたのは、米化粧品大手エスティローダー創業家のロナルド・ローダー氏とされる。同氏は学生時代からの友人で、有力な資金支援者でもあった。同社はニューヨーク創業で、トランプ氏が生まれ育った地でもある。

グリーンランド買収は19世紀のルイジアナ、アラスカ取得に並ぶ大偉業になる――。狙いは領土拡張をトランプ氏のレガシー(遺産)にすることだった。周辺は「不動産の知識を持つ大統領らが言っているだけ」と受け流したが、対中強硬派が野心的な重要戦略へと引き上げた。

「中国が狙っている。その前に米国がグリーンランドを買うべきだ」。トランプ氏にそう迫ったのは対中強硬派の代表格であるトム・コットン上院議員(共和)だった。

北極海と北大西洋の間にあるグリーンランドは中国とロシアの地政学的な要衝。北極海周辺を往来する船舶数は10年間で4割も増えた。グリーンランドは世界8位のレアアース(希土類)埋蔵量があり、中国の市場独占に切り込む力を持つ。

コットン氏は「グリーンランドを取得すれば地理的利益と経済的利益の両方が得られる」と説いた。その気になったトランプ氏は198月に買収計画を明らかにした。
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●まずレアアース鉱床に資金供給

コットン氏は自らデンマーク政府に領地売買を打診。トランプ氏もグリーンランドに金色のトランプタワーが建つ合成画像をSNSに投稿して挑発した。デンマークが売却を拒絶するとトランプ氏は国賓訪問を突如中止。両国の分断は深まった。

「国家安全保障のためにグリーンランドの所有権が絶対に必要だ」。24年末、トランプ氏は政権発足前に再表明した。第2次政権が発足すると領土拡張を目指すチームにバンス副大統領とルビオ国務長官が加わり「デンマークの頭越しにグリーンランド内で切り崩し工作を始めた」(議会外交筋)。

目をつけたのはグリーンランド最大規模の「タンブリーズ鉱床」。米国輸出入銀行は256月、レアアース開発へ12千万ドル(約190億円)の巨額資金供給を決定した。米国がグリーンランドに資金を直接入れる住民懐柔策の始まりだった。

8月になると、同鉱床からルイジアナ州にレアアースを供給する長期事業計画も決定した。立役者である同州知事のジェフ・ランドリー氏は、トランプ氏からグリーンランド担当特使に任命され、資源開発で得た利益を現地住民に分配する経済協力案を提唱する。

●ブレーキ役欠く危うい大国

ルビオ氏やランドリー氏が目指すのは、住民投票でのグリーンランドの独立や米国資金による領地買収とされる。そこに軍事介入も辞さない強硬論を持ち込んだのが、トランプ氏のスピーチライターを長く務めたスティーブン・ミラー大統領次席補佐官だった。

「北大西洋条約機構(NATO)の利益を守るために、グリーンランドは米国の一部であるべきだ」。ミラー氏は6日、米CNNにそう答えた。呼応するようにレビット大統領報道官も日本経済新聞の取材に「米軍活用は選択肢の一つ」と回答した。

ルビオ氏は7日、デンマーク政府高官と「来週会う予定だ」と表明した。デンマークや欧州各国は米国のグリーンランド取得構想に激しく反発しており、現時点で受け入れる機運はない。19世紀のアラスカ、ルイジアナの買収も、そもそもロシアとフランスが財政難で領地を手放したことが発端だ。

2次トランプ政権は、大統領の功名心をあおる火付け役ばかりが並ぶ。ブレーキ役を欠く大国は一段と危うさを増す。
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グリーンランドに権益を持つ億万長者はいかにしてドナルド・トランプ大統領にグリーンランド獲得を促したのか(How a billionaire with interests in Greenland encouraged Trump to acquire the territory

-北極圏拡大を最初に提案した米大統領の友人であるロナルド・ローダーが現在、グリーンランドで取引を行っている

トム・バージス筆

2026年1月15日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/us-news/2026/jan/15/ronald-lauder-billionaire-donor-donald-trump-ukraine-greenland

一期目の任期中のある日、ドナルド・トランプは新たなアイデアについて話し合うため、側近を招集した。「トランプが私を大統領執務室に呼び出した」と、2018年に国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトンはガーディアン紙に語った。ボルトンは、「ある著名な実業家がアメリカにグリーンランド買収を提案したと言われた」と述べた。

それは異例の提案だった。しかも、その提案は大統領の長年の友人から持ちかけられたもので、後にデンマーク領グリーンランドで事業権益を取得することになる人物だった。

ボルトンが知ったのは、その実業家とはロナルド・ローダーだった。世界的な化粧品ブランドであるエスティローダーの財閥を継いだ彼は、同じく裕福なニューヨーク出身のトランプとは60年以上の付き合いである。

ボルトンによると、彼とローダーはグリーンランド買収案について話し合ったという。この大富豪の介入後、ホワイトハウスのティームは、デンマークが実効支配する広大な北極圏におけるアメリカの影響力拡大策を模索し始めた。

ボルトンは、トランプ大統領が第二期目にローダーの構想を再び追求するのは、大統領の典型的なやり方だと指摘した。ボルトンは「友人から聞いた断片的な情報を真実として受け止め、その意見を覆すことはできない」と述べた。

この提案はトランプ大統領の帝国主義的野心(imperialist ambitions)を掻き立てたようだ。8年が経った今、トランプはグリーンランドを買収するだけでなく、武力行使で奪取することさえ検討している。

トランプ大統領の周囲の多くの人々と同様、ローダーの政策提言は彼のビジネス上の利益と重なっているようだ。トランプがグリーンランド奪取の脅しを強める中、ローダーはグリーンランドで商業資産を取得してきた。また、ローダーはウクライナの鉱物資源へのアクセスを希望するコンソーシアムの一員でもあり、このコンソーシアムがトランプに戦争で荒廃したウクライナの資源の分配を要求するきっかけとなったようだ。

ローダーは、1960年代に同じ名門ビジネススクール(ペンシルヴァニア大学経営大学院[ウォートン・スクール])に通っていた時にトランプと出会ったと述べている。家業の化粧品会社で働いた後、ローダーはロナルド・レーガン政権下で国防総省に勤務し、その後オーストリア大使を務め、1989年にはニューヨーク市長選に立候補したが落選した。

トランプ大統領が2016年に大統領選に勝利した際、ローダーはトランプ勝利募金委員会に10万ドルを寄付した。2018年にトランプの正気が疑われた際、ローダーはトランプを「驚くべき洞察力と知性を備えた男性(a man of incredible insight and intelligence)」と評した。

2018年、ローダーはトランプを「想像し得る限り最も複雑な外交課題のいくつか()some of the most complex diplomatic challenges imaginable」で支援していると述べた。これには北極圏拡大構想(the idea of Arctic expansion)の具体化も含まれていたようだ。2019年、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙がトランプのグリーンランドへの関心を報じた。デンマークの首脳陣は憤慨した。トランプはこれに対し、村の上にそびえ立つ金色のトランプタワーの画像をツイートし、「グリーンランドにはこんなことはしないと約束する!」とキャプションを添えた。

トランプ大統領のグリーンランドへの執着は、ローダーと同様に、長引いた。2025年2月、トランプ大統領がホワイトハウスに復帰した直後、世界最大の島であるグリーンランドの軍事占領を大統領が公に検討した際、ローダーは大統領を擁護した。

「トランプ大統領のグリーンランド構想は決して突飛なものではなく、戦略的なものだった」とローダーは『ニューヨーク・ポスト』紙での記事の中で書いている。さらに、「グリーンランドの氷と岩の下には、AI、先進兵器、そして現代技術に不可欠な希土類元素の宝庫(a treasure trove of rare-earth elements)が眠っている。氷が減少するにつれて、新たな海路が出現し、世界の貿易と安全保障のあり方を変革している」と続けて書いている。

ローダー氏は、グリーンランドが「大国間の競争の震源地(the epicentre of great-power competition)」となっていることから、アメリカは「戦略的パートナーシップ(strategic partnership)」を模索すべきだと主張した。さらに、「私は長年にわたり、グリーンランドのビジネス界や政府指導者と緊密に協力し、グリーンランドへの戦略的投資を推進してきた」と付け加えた。

2018年にローダーがトランプ大統領の関心をグリーンランドに向けさせたことは、米国人ジャーナリストのピーター・ベイカーとスーザン・グラッサーが共著『ザ・ディヴァイダー』で初めて報じている。化粧品業界の億万長者であるローダーは、北極圏の領土に多額の私財を投じてきたようだ。

デンマークの企業記録によると、ニューヨークに拠点を置き、所有者が匿名の企業がここ数カ月でグリーンランドへの投資を行っている。

この企業の事業の一つは、バッフィン湾の島から「高級な」湧き水を輸出することだ。12月にデンマークの新聞が、ローダーが投資家の一人であると報じた際、この事業に関与するグリーンランドの実業家の言葉を引用した。「ローダーと彼の投資家グループの同僚たちは、高級品市場を非常によく理解し、市場へのアクセスも有している」と彼は述べた。

この投資家グループはまた、グリーンランド最大の湖でアルミニウム製錬所を建設するための水力発電も検討していると報じられている。

アメリカが侵略、買収、あるいは説得によってグリーンランドを掌握した場合、ローダー社のグリーンランドにおける商業的利益にどのような影響が及ぶかは不明だ。

ヴェネズエラ大統領を捕らえるためにアメリカ軍を派遣した後、トランプ大統領が「アメリカはグリーンランドを非常に必要としている」と発言したことを受け、デンマーク首相はNATO加盟国による他国への軍事行動は同盟関係を崩壊させると警告した。

トランプ大統領は動じていないようだ。「グリーンランドに関しては、何らかの対応をするつもりだ、穏便な方法か、より困難な方法かは別として」と大統領は先週述べた。水曜日のホワイトハウスでの会合後、デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相は、「アメリカの立場を変えることはできなかった。大統領がグリーンランドを征服したいという願望を持っているのは明らかだ」と述べた。

ローダーがアメリカの政策形成に関与しているように見えることは、トランプ大統領の第2期における利益相反(conflicts of interest)、そして大統領側近による私腹を肥やす行為をめぐる疑惑をさらに深めるものとなっている。トランプ大統領の2人の息子、ドン・ジュニアとエリックは、ヴェトナムからジブラルタルに至るまで、世界的な金儲け活動を展開してきた。

彼らは、自分たちの事業活動と、現存する最強の権力者である父親の地位との間には「巨大な壁(huge wall)」があると主張している。トランプ大統領の報道官は、「大統領もその家族も、利益相反に関与したことはなく、今後も関与するつもりはない」と述べている。しかし、外国の支配者たちはファーストファミリーの富の増大を助長し、時には大統領の支持を得ているように見せかけてきた。

しかし、ローダーはかつて旧友と決別したように見えた。

2022年、大統領職を離れている間、トランプ大統領は自身のマール・ア・ラーゴ・クラブに極右扇動者のニック・フェンテスを接待した。世界ユダヤ人会議の議長を務めるローダーも非難に加わった。「ニック・フェンテスは、端的に言って、強烈な反ユダヤ主義者であり、ホロコースト否定論者だ」と彼は述べた。ローダーは「彼と付き合うことなど考えられない」と批判した。

しかし、トランプがホワイトハウスに復帰すると、ローダー氏は資金援助を再開した。2025年3月には、トランプの運動のための資金調達団体であるマガ・インク(Maga Inc.)に500万ドルを寄付した。4月には、ローダーは大統領との特別なキャンドルライト・ディナーに出席したと報じられている。チケットは1枚100万ドルで、マガ・インクに支払われた。

その時までに、ローダーの事業利益は再びトランプ政権の政策と重なり合っているように見えた。

2023年11月に鉱業会社テックメットの社長がウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領に送った書簡が流出し、ローダーが戦争で荒廃したウクライナのリチウム鉱床の開発を目指すコンソーシアムの一員であると記されていた。

ローダーは当時、ウクライナの鉱物資源についてトランプ大統領自身と話し合ったことはないが、「長年にわたり、アメリカとウクライナの利害関係者にこの問題を提起してきた」と述べている。共和党の有力者たちは、アメリカがウクライナの膨大な資源を掌握するためのキャンペーンに加わり、トランプ大統領はそれを最も強く支持するようになった。

ローダーがマガ・インクに寄付を行ってから数週間後、アメリカとウクライナは、ウクライナの鉱物資源を共同で開発する協定に署名した。これは、トランプ大統領が大統領執務室でゼレンスキー大統領をアメリカの支援に対する感謝が不十分だと非難し、テレビで激しい非難を浴びせた後、ウクライナへの支持をある程度維持するのに役立った。

リチウム鉱床は、この鉱物資源取引における最初の入札だった。今月、ローダー・コンソーシアムが落札したと報じられている。コンソーシアムを率いるテックメット社は、ローダーと同様にコメントを控えた。グリーンランドのビジネスパートナーとホワイトハウスにも、ガーディアン紙の取材に対し回答はなかった。
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報告:世界ユダヤ人会議(WJC)のロナルド・ローダー会長がドナルド・トランプ大統領のグリーンランド進出に関与している(World Jewish Congress President Ronald Lauder involved in Trump’s push for Greenland – report

-『ザ・ガーディアン』紙によると、ローダー会長はトランプ大統領の任期1期目以降、グリーンランドの商業用不動産を複数取得してきた。アナリストの中には、ローダー会長がトランプ大統領にこの提案をしたのは、個人的な利益を得るためだと見ている人たちがいる。

レオ・フィアバーグ・ベター筆

2026年1月20日

『イェルサレム・ポスト』紙

https://www.jpost.com/international/article-883900
木曜日のガーディアン紙の報道によると、世界ユダヤ人会議(WJC)会長でドナルド・トランプ米大統領の長年の友人であるロナルド・ローダーが、トランプのグリーンランド買収への関心を掻き立てた可能性があるということだ。

2019年にトランプ政権を去ったジョン・ボルトン前国家安全保障問題担当大統領補佐官は、ガーディアン紙に対し、トランプ大統領から大統領執務室に呼び出され、後にローダーと特定された大富豪がアメリカによるグリーンランド買収を提案したと告げられたと語った。

ボルトンによると、トランプ大統領の行動は親しい友人によって左右されているという。「友人から聞いた断片的な情報を彼は真実として受け止め、彼の意見を揺るがすことはできない」とボルトンはガーディアン紙に語った。

ローダーとトランプ大統領の関係は1960年代にまで遡ることができる。ローダーは保守派の政治キャンペーンに多額の寄付を行っており、その中にはトランプ支持のスーパーPACへの500万ドルの寄付も含まれている。

ガーディアン紙によると、トランプ政権の最初の任期中にこのアイデアを提唱して以来、ローダーはグリーンランドの商業資産を取得しており、アナリストの一部はトランプへの提案は個人的に利益を得るための手段だと見ている。

ローダーは『ニューヨーク・ポスト』紙に寄稿し、デンマーク領(グリーンランド)がアメリカの支援を得て「経済と防衛を確保(secur[ing] its economy and defenses)」することで「独立の夢を実現する(achieve its dream of independence)」よう訴えた。記事の中でローダーはグリーンランドを「アメリカの次のフロンティア(America’s next frontier)」と呼び、トランプ大統領の支援によって北極圏の潜在能力を最大限に発揮すべきだと主張した。

●ローダーがアメリカの外交政策と重なる事業に関与か(Lauder linked to ventures overlapping with US foreign policy

ローダーは以前、アメリカの外交政策と重なる事業に関与しているとの報道があった。今月初め、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ウクライナがローダーを含むコンソーシアムに、少なくとも数億ドル相当の大規模リチウム鉱床の採掘契約を発注したと報じた。

ローダーは著名なユダヤ人指導者であり、長年にわたりイスラエルの擁護者でもある。2007年から世界ユダヤ人会議の会長を務め、世界中のユダヤ人コミュニティの支援に深く関わっている。

ローダーは数多くの親イスラエルの取り組みや文化プログラムに資金を提供し、外交や慈善活動での活動により世界のユダヤ人問題における重要人物となっている。

(貼り付け終わり)
(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2026年2月28日にアメリカとイスラエルによるイラン攻撃とイランからイスラエルと湾岸諸国にあるアメリカ軍基地に対する報復攻撃によって戦争状態が発生した。正式な宣戦布告は出されていないが、もう戦争状態と言っていいだろう。アメリカとイスラエルはイラク国内のクルド人勢力に武器を供与し、イラン国内に侵攻させようとしている報道もある。事態は深刻度を増している。
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 イラン革命防衛隊はホルムズ海峡の船舶航行を差し止める通達を出し、既に数隻の船舶が攻撃を受けている。これによって世界の石油と天然ガスの20%が通過するホルムズ海峡を船舶が航行できなくなった。しかし、既に船舶の積み荷に保険をかけている保険会社がホルムズ海峡を航行しないように差し止めをしているということだ。トランプ大統領は、アメリカがタンカーの護衛や格安に保険を提供すると述べているが、どこまで効果を発揮するかは不透明だ。

船舶が航行できなければ、ペルシア湾岸諸国は石油を輸出できないだけではなく、日用品、食糧の輸入もままならなくなるということになる。大富豪たちが集まる煌びやかな都市ドバイであっても、食料がなければ人々は生活ができない。また、石油が輸出できなければ、富裕な暮らしもできなくなる。パイプラインもあるようだが、船舶で輸送できない分を贈れるほどの余力はないようだ。イランも石油が輸出できなければ外貨獲得ができずに追い込まれてしまうだろうが、国民がアメリカとイスラエルに対する敵愾心を持つことで、しばらくは耐乏生活ができるということになるだろう。
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 イスラエルはともかく、アメリカはアメリカが正義の鉄槌を振り下ろせば、イラン国民も蜂起して、イラン政府を転覆させると考えていた節がある。しかし、その目論見は外れてしまったようだ。そのように簡単にはいかない。イランはヴェネズエラとは違い(ヴェネズエラには大変失礼な物言いになるが)、軍事力や経済力は大きく、そう簡単に崩れるものではない。戦争状態が数週間続くことで、原油価格は上昇する。先週は60ドル台だった価格が既に76ドルを超えた。日本では円安も進んでおり、エネルギー調達コストは上がっていく。これからしばらくは厳しい状態が続く。年内は影響が続くと見ておくのが妥当であろう。
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COMEXの原油価格の推移(1カ月)

(貼り付けはじめ)

〇「トランプ氏、ペルシャ湾航行する船舶に保険を提供 必要なら護衛も」

CNN日本語版 2026.03.04 Wed posted at 16:44 JST

https://www.cnn.co.jp/usa/35244566.html

CNN) トランプ米大統領は3日、ペルシャ湾を航行する船舶に対して「保険と保証」を提供するよう米国際開発金融公社(DFC)に指示したと明らかにした。また、必要であれば米海軍がホルムズ海峡でタンカーの護衛に当たる考えも示した。

トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、DFCに対し、ペルシャ湾を航行するエネルギー輸送などの海上貿易の財務的安全性を確保するため、「非常に妥当な価格」で保険と保証を提供するよう命じたと明らかにした。全ての船会社が利用できるとしている。

トランプ氏はさらに、必要であれば、米海軍は可能な限り速やかにホルムズ海峡でタンカーの護衛を開始すると明らかにした。

イランは今週に入り、ホルムズ海峡を航行する船舶への攻撃を示唆しており、すでに一部のタンカーが攻撃を受けている。複数の海上保険会社は、周辺海域での戦争関連の損害について補償を打ち切ったと顧客に通知した。

独立系石油アナリストのトム・クローザ氏はCNNの取材に対し「イランがホルムズ海峡を封鎖することはできないと思うが、保険会社や船舶運航会社なら封鎖できる」と語っていた。

トランプ氏のプログラムは、保険を失った船舶を補償することを目的としている。保険がなければ、攻撃で原油を失った場合の費用を負担することになるからだ。

その結果、海峡は事実上封鎖状態となっている。S&Pグローバルのコモディティーズ・アット・シーのデータによると、2日に同海峡を通過した石油・化学タンカーは2隻にとどまった。通常は1日あたり約60隻が通航し、世界の原油輸送量の約20%を担っている。

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保険会社は船舶のホルムズ海峡航行を制限している(Insurers Are Keeping Ships Away From the Strait of Hormuz

-イランからの混乱が広がる中で世界の海運業界は圧力に晒されて苦境に立っている。

エリザベス・ブラウ筆

2026年3月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

ホルムズ海峡のすぐ南では、海図を見ると交通渋滞の様相を呈しており、数十隻の船舶が密集している。海峡の向こう、ペルシア湾でも、海上交通の混乱が見られる。世界の石油と天然ガスの20%が通過するホルムズ海峡が、この数十年の中でより危険な状況に陥っているからだ。これは既に原油価格と世界の海運に影響を与えている。たとえ紛争が明日終結したとしても、その波及効果は何年も続くだろう。

世界の海運にとって、ペルシア湾から抜け出す唯一の航路であるホルムズ海峡は、スエズ運河と同じくらい重要であり、スエズ運河を巡る最近の問題は、今後の状況を予感させるものだ。2023年11月、フーシ派の反政府勢力は紅海を航行していたギャラクシー・リーダー号を攻撃し、これをきっかけに一連の攻撃が開始された。2024年2月までに、スエズ運河のコンテナ取扱量は82%も減少しました。スエズ運河は回復を始めたが、イラン戦争による混乱に見舞われた。そして今、同様の運命がイランのすぐそばにあるホルムズ海峡を襲っている。

中東地域で緊張が高まるたびに、海峡の一方にオマーン、もう一方にイランが位置するホルムズ海峡を事実上封鎖するのではないかという懸念が高まる。イランは、自国の石油貿易も船舶の海運に依存しているため、実際に封鎖を試みることはない。しかし、2月28日にアメリカとイスラエルが攻撃を行ってから数時間後、テヘランは船舶に対し、ホルムズ海峡(正確にはイラン側海域)を航行しないよう警告し、航行を試みる船舶を攻撃すると表明した。現在、ホルムズ海峡海域の交通は事実上麻痺状態にあり、少なくとも3隻の船舶がミサイル攻撃を受けた。

しかし実際には、保険業界が声を上げているため、テヘランの行動によって海峡での交通渋滞が引き起こされたという訳ではない。船舶は、特に危険な海域に入るには、保険引受人(underwriters)からの特別な許可が必要となる。武力紛争が勃発するか、勃発する恐れがある場合、保険会社は、たとえ経験豊富な戦争リスク保険会社(war-risk insurers)であっても、危険な海域への進入について、より高額で困難にする特別な条件を課すことになる。

まさにこれがホルムズ海峡の両側で起こっている。3月2日の午前遅く、デンマークの海事専門家ラース・イェンセンはリンクトインに次のように投稿した。「現在、ペルシア湾には4000TEUを超えるコンテナ船が17隻存在し、総積載量は15万6000TEUに上る。さらに、4000TEU未満のコンテナ船が約50隻存在する。つまり、約20万TEUのコンテナ船がペルシア湾内に閉じ込められていることになる」。イェンセンはさらに、ホルムズ海峡周辺に閉じ込められた船舶は「世界第13位の船舶輸送能力に相当し、世界のコンテナ積載能力の約0.6%が利用できない状態にある」と付け加えた。(TEUは通常サイズのコンテナ1個に相当する単位だ。)

ホルムズ海峡の反対側では、同様に多数のタンカーが保険会社の進入許可、あるいは待機継続命令、あるいは他の場所への航行命令を待っている。しかし、待機も賢明な選択肢ではない。コーマック・マクギャリーは次のように述べている。「船舶の戦争リスク保険は、たとえ高額であっても、通常は船舶の航行コストのごく一部に過ぎない。はるかに大きな影響は、船舶が航行を停止した場合だ。ほとんどの船舶とまではいかなくても、多くの船舶が事実上、今後数日間の状況を見守るために停泊している」。

ペルシア湾岸地域に閉じ込められた船舶は、もちろん、数日どころか、紛争終結まで、閉じ込められる可能性が高い。ドナルド・トランプ米大統領は紛争終結まで「4週間から5週間」と述べており、ピート・ヘグゼス国防長官は3月2日に2週間、4週間、あるいは6週間継続する可能性を示唆した。つまり、船員たちは2週間、4週間、5週間、6週間、あるいはそれ以上もの間、ペルシア湾岸で何もせずに(食料があることを祈るしかない)、他の多くの船舶もホルムズ海峡の反対側で、おそらくそれ以上も、何日も、あるいはそれ以上も、何もせずに停泊することになる。

紅海やスエズ運河からは船舶の航路を変更できるが、ホルムズ海峡からは変更できない。それは、石油とガスの産出地であるペルシア湾には、他に出口がないからだ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦は、イランと同様にそれぞれ1本の陸上パイプラインを保有しているが、陸上ルートで輸送できるのは海峡輸送量のごく一部に過ぎず、海上輸送から陸上輸送への移行には複雑な物流が伴う。石油とガスの価格が既に大幅に上昇しているのも当然のことだ。(70億バレル以上の原油が陸上および浮体式船舶に貯蔵されているが、ほとんどの国や企業はアクセスで着ない状況だ。)

これらの船舶が停泊している間、航海を完了することも、次の航海を引き受けることもできない。システムへの負担は、特に他の遅延が重なるにつれて、時間とともに蓄積されていく。石油輸送が最も大きな打撃を受けるだろうが、閉じ込められた船舶は、より広範な世界の貨物輸送にとって不可欠な存在だ。

ペルシア湾岸諸国にとって、このほぼ完全な停滞は必需品の到着も困難にすることを意味する。「海峡が数週間にわたってほぼ閉鎖されてしまえば、いずれ食料が不足することになる。砂漠の国々に鉄道や飛行機で運ばれていない物資、つまり、基本的に、あらゆる物資が不足することになる」とマクギャリーは指摘している。確かに物資は空輸できるが、量は限られており、この地域での飛行機輸送は現在明らかに安全ではない。これは、非常に高い生活水準を誇りながらも、生活のほぼ全てを輸入に依存している裕福なペルシア湾岸諸国にとって恐ろしい事態である。

湾岸諸国の生活水準が急落すれば、不満を抱く国民は声を上げ、支配者たちはワシントンにその点を訴えるだろう。しかし、戦争の悪夢を再び箱の中にしまうのは容易なことではない。特に、国家指導者のほとんどが殺害された後はなおさらだ。ホルムズ海峡の安定は、最終的にはイランの何らかの安定にかかっているが、それは非常に遠い先の話になりそうだ。

※エリザベス・ブロウ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。大西洋評議会(Atlantic Council)上級研究員。著書に『さよならグローバライゼーション(Goodbye Globalization)』がある。Blueskyアカウント:@elisabethbraw.bsky.social

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2026年2月28日に開始されたアメリカとイスラエルによるイランに対する空爆とミサイル攻撃は収束を見せていない。イラン側からはイスラエルや湾岸諸国にあるアメリカ軍基地や関連施設に対する報復攻撃やホルムズ海峡封鎖通告もあり、世界経済への悪影響が懸念される。何よりもイラン国内では民間人の使者が出ており、アメリカ軍にも死者が出ている。湾岸諸国は厳しい状態になっている。

 イランの核開発に関しては、バラク・オバマ政権時代に、アメリカとイランの間で核兵器開発は行わないという合意に達していた。しかし、その後、第一次ドナルド・トランプ政権時代にこの合意はアメリカ側によって一方的に破棄された。続くジョー・バイデン政権では、核開発に関する合意に向けた動きもあったが合意には至らなかった。第二次トランプ政権下では交渉が行われていた。そうした中で、トランプ大統領は、そして、トランプ政権はどうしてイランへの大規模攻撃を決断したのか。

 端的にまとめれば、今回のイラン攻撃の基にある論理構成は、「イスラエルはイランのミサイル開発や核開発を存亡にかかわる脅威と捉え、イランの最高指導部を弱体化し、イラン政府の転覆を図るために攻撃を決意した。その決意を覆すことは難しい。イスラエルがイラン攻撃を実行すれば、中東地域にあるアメリカ軍基地も攻撃を受けて大きな被害が出る。その被害を避けるために、イスラエルと一緒になって攻撃をイランへの攻撃を行う」というものだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がドナルド・トランプ大統領に積極的な働きかけを行い(一種の暗示をかけて[洗脳をして])、アメリカ軍によるイランへの大規模攻撃が決定された。アメリカ軍制服組トップの統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は、リスクが高いという進言を行い、間接的に反対を表明した。また、JD・ヴァンス副大統領(高校卒業後に海兵隊に入隊しイラクへの派遣経験あり)は作戦を行うならば「大規模にかつ迅速に(go big and go fast)」行うようにと述べたとされている。これは作戦が長引くことを避けるために(泥沼[quagmire]にはまるを避けるために)、このように述べたようだ。

 イランはアメリカにとって存亡にかかわる差し迫った脅威(existential threat)ではない。従って、大規模攻撃を行って、イランの政府転覆から体制転換を行う必要は、少なくとも緊急的にはなかった。結局、イスラエルに乗せられて戦争を始めてしまったということになる。ネタニヤフ首相は汚職の疑惑に直面し、首相の座を降りれば、家族も一緒に訴追されるという危険な状態にある。ネタニヤフ首相が個人的な利益のためにこのような戦争を始めたとするならば(その可能性が高い)、これは人類に対する大いなる犯罪行為ということになる。そして、トランプ大統領は、有権者の期待(アイソレイショニズムとアメリカ・ファースト)を裏切ってこのような校に加担した共犯者ということになる。彼らの罪は「万死に値する」ものである。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプ大統領はどのようにして開戦を決意したか(How Trump Decided to Go to War

-トランプ大統領がイランへの軍事行動を支持したのは、外交交渉の終結を決意したイスラエルのある指導者の行動がきっかけだった。大統領の補佐官のなかでこれにきちんと反対したのはほぼいなかった。

マーク・マゼッティ、ジュリアン・E・バーンズ、タイラー・ペイジャー、エドワード・ウォン、エリック・シュミット、ローネン・バーグマン筆(記者たちは数十年にわたりワシントンと海外でアメリカのこれまでの戦争を協力して取材してきた)
2026年3月2日

『ニューヨーク・タイムズ』紙

https://www.nytimes.com/2026/03/02/us/politics/trump-war-iran-israel.html

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2026年2月11日の朝、米大統領執務室に入り、アメリカ大統領を戦争への道へと進ませる決意を固めていた。

数週間にわたり、アメリカとイスラエルはイランに対する軍事攻撃について秘密裏に協議を続けてきた。しかし、トランプ政権当局者たちは最近、イランの核開発計画の将来について交渉を開始しており、イスラエルのネタニヤフ首相は、新たな外交努力が計画に支障をきたさないよう万全を期したいと考えていた。

約3時間にわたり、両首脳は戦争の可能性、さらには攻撃の可能性のある日時、そしてトランプ大統領がイランと合意に至る可能性(可能性は低いものの)について協議した。

数日後、トランプ大統領は外交ルートに懐疑的な姿勢を公に表明し、イランとの交渉の歴史は長年にわたる「話し合い、話し合い、そして話し合い(talking and talking and talking)」に過ぎないと一蹴した。

トランプは、イランの体制転換(regime change)を望むかとの記者団の質問に対し、「それが起こり得る最良のことのように思える(“seems like that would be the best thing that could happen)」と答えた。

2週間後、大統領はアメリカを戦争へと導いた。イスラエルと連携した大規模な軍事爆撃を承認した。この爆撃により、イランの最高指導者は瞬く間に殺害され、イランの民間施設や軍事核施設が壊滅的な被害を受けた。イランは混乱に陥り、中東地域全体で暴力が発生し、これまでにアメリカ兵6人とイラン民間人数十名が死亡した。トランプは、数週間に及ぶ可能性のある攻撃に備え、アメリカ軍の犠牲者が増える可能性が高いと述べている。

公の場では、トランプは軍事行動への道筋を迂回しているように見え、イラン政府との合意を望むと言いながら、同時にイラン政府を打倒したいと言い続けた。アメリカ国民に今こそ戦争が必要だと納得させようとはほとんど努力しなかった。トランプと側近たちが主張した根拠は限定的で、イランがアメリカにもたらす脅威の緊迫さの度合いに関する虚偽の主張も含まれていた。

しかし、水面下では、トランプ大統領の戦争への動きは容赦なく強まっていた。その原動力となったのは、ネタニヤフ首相をはじめとする同盟者たちであり、彼らは大統領にイランの神権政治体制(Iran’s theocratic government;)に対する決定的な打撃を与えるよう圧力をかけていた。また、1月にヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を打倒したアメリカによる作戦成功を受け、トランプ大統領自身も自信を深めていた。

トランプ大統領がイランへの持続的な攻撃を開始する決断を下した経緯を再現する本稿は、協議内容を直接知る関係者たちに加え、地域の外交官、イスラエルとアメリカの政権関係者、大統領のアドヴァイザーたち、連邦議会の議員たち、国防・情報当局者など、あらゆる立場の関係者の証言に基づいている。ほぼ全員が匿名を条件に、デリケートな議論や作戦の詳細について語ってくれた。

アメリカがイランを攻撃する決定を下したことは、弱体化した体制を攻撃すべきだと主張し、数カ月間トランプ氏に働きかけてきたネタニヤフにとっての勝利であった。昨年12月にトランプの別荘マール・ア・ラーゴで行われた会談で、ネタニヤフは今後数カ月以内にイスラエルがイランのミサイル基地を攻撃することについて大統領の承認を求めていた。

2カ月後、彼はさらに素晴らしいものを手に入れた。イラン指導部を打倒するための戦争における完全なパートナーを得た。

ホワイトハウスのキャロライン・リーヴィット報道官は月曜日の声明で、トランプ大統領は歴代大統領が立ち向かおうとしなかった脅威に立ち向かうという「勇気ある決断(courageous decision)」をしたと述べた。

大統領の側近の中で軍事行動に反対する者はほぼいなかった。中東地域におけるアメリカの軍事介入(military interventions)に長年懐疑的だったJD・ヴァンス副大統領でさえ、ホワイトハウスのシチュエーションルームでの会合で、もしアメリカがイランを攻撃するのであれば「大規模かつ迅速に行うべきだ(go big and go fast)」と主張したとヴァンスの発言を知る関係者は語っている。

同じ会合で、トランプの首席軍事補佐官である統合参謀本部議長ダン・ケイン将軍は、戦争はアメリカ軍に多大な犠牲をもたらす可能性があると大統領に伝えた。数日後、トランプは国民に対し、軍事補佐官がはるかに安心感を与えてくれたと語った。彼はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、ケイン将軍がイランに対するいかなる軍事行動も「容易に勝利できる(something easily won)」だと述べたと述べている。

他の政権当局者も、連邦議員との非公開会合で同様に誤解を招く発言をした。2月24日に行われたいわゆる「ギャング・オブ・エイト(Gang of Eight)」(連邦上下両院の民主共和両党指導部と連邦上下両院情報諜報委員会の指導部)との会合で、マルコ・ルビオ国務長官は、トランプ政権が体制転換を検討していることに一切言及しなかったと発言に詳しい関係者は述べている。

3日後、トランプ大統領は、テキサス州コーパスクリスティでのイヴェントに出席するため大統領専用機エアフォースワンに搭乗中、イランの最高指導者の殺害をはじめとして、継続的な攻撃を命じた。

「“壮大な怒り作戦(Operation Epic Fury)“を承認する」とトランプ大統領は述べた。「中止は認めない。幸運を祈る」。

ホワイトハウスは、イランとの外交交渉は単なる芝居ではないと主張していた。しかし、この1カ月で、トランプ大統領、ネタニヤフ首相、そしてイランの指導者たちを一度に満足させるような合意、あるいは戦争を数カ月以上先送りできるような合意など、到底あり得ないことが明らかになった。

交渉は何も成果をもたらさなかったが、トランプ大統領にとっては別の目的があった。それは、中東地域におけるこの世代で最大規模のアメリカ軍増強を完了させ、トランプ大統領の言葉を借りれば「圧倒的な力と破壊力(overwhelming strength and devastating force)」による戦争を遂行するための時間を確保することだった。

日曜日のニューヨーク・タイムズ紙のインタヴューで、トランプ大統領は、イランが自分の望むものを決して与えないと確信したと述べた。

「交渉の終盤で、私は彼らがそこにたどり着くことはないと悟った」とトランプは語った。 「『とにかくやってみよう』と私は述べた」。

●急速な戦力増強(A Rapid Buildup

2026年1月中旬、トランプ大統領がイランを揺るがす反政府デモへの支援としてイランへの攻撃を初めて警告した当時、国防総省は中東地域で長期戦を遂行できる状況になかった。

当時、中東地域に米空母は存在せず、戦闘機部隊はヨーロッパとアメリカに駐留していた。また、中東各地に点在する約4万人のアメリカ軍部隊が駐留する基地は、予想されるイランの報復から身を守るための防空システムが不足していた。

イスラエルもまた、2025年12月のマール・ア・ラーゴでの会談でネタニヤフ首相がトランプ大統領と協議した軍事作戦の準備が整っていなかった。ミサイル迎撃ミサイルの供給を強化し、イスラエル全土に防空高射砲台を配備するには、より多くの時間が必要だった。

2026年1月14日、ネタニヤフ首相はトランプ大統領に電話をかけ、イスラエルの防衛準備が完了する月末まで軍事攻撃を延期するよう要請した。トランプは待つことに同意した。

両首脳はその後数週間にわたり数回会談した。ネタニヤフ首相はヴァンス副大統領、ルビオ国務長官、そしてホワイトハウスの対イラン交渉担当責任者であるスティーヴ・ウィトコフ特使とも協議した。イスラエルの軍と情報諜報機関の高官たちはワシントンに飛び、イスラエル国防軍参謀総長のエヤル・ザミール中将はアメリカ中央軍のブラッド・クーパー大将と定期的に連絡を取った。

2026年1月下旬までに、イランの抗議活動は容赦なく鎮圧されたが、戦争計画は順調に進んでいた。アメリカ軍はトランプ大統領に対し、イラン国内の施設への空襲実施のためにアメリカ軍を派遣するなど、幅広い選択肢を提示した。

2隻の空母と12隻の支援艦艇が中東地域に向けて出航し、国防総省は戦闘機、爆撃機、空中給油機、防空砲台を派遣した。

2月中旬までに、国防総省は数週間にわたる軍事作戦を遂行できる戦力を配置した。

その頃、ウィトコフと大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナーは、トランプ大統領の指示に従い、イランと間接的な核協議を行っていた。

しかし、トランプ政権が警戒している兆候もあった。

ルビオ国務長官は2月16日、ブダペスト訪問中に記者団に対し、次のように述べた。「イランは最終的にはシーア派聖職者、それも過激なシーア派聖職者によって統治され、その決定はシーア派聖職者によって行われていることを理解する必要がある。彼らは純粋な神学(theology)に基づいて政策決定を下す。そういうやり方で意思決定をする。だから、イランと合意するのは難しい」。

メッセージは明白だった。協議はイランの核開発計画の解体に関するものだったが、その目的はイランの指導層の排除にある可能性があった。

ウィトコフが2月21日、フォックスニューズのインタヴューで、トランプがイランが「ゼロ濃縮(zero enrichment)」、つまり核燃料生産能力の解体に難色を示していることに触れた時、その意味が明らかになった。

「トランプは、なぜイランが降伏しないのか、つまり『降伏した(capitulated)』という言葉は使いたくないが、なぜ降伏しないのかを知りたいようだ」とウィトコフ氏は述べた。

さらに、「なぜ、これほどの圧力を受け、我々があちらで保有する海軍力の規模を考えれば、彼らは私たちに『私たちは、核兵器は欲しくないと主張する。だから、我々が用意しているのはこれだ』と言ってくれないのか?」と付け加えた。

「しかし、彼らをその立場に追い込むのは容易ではない」とウィトコフは述べた。

大統領の補佐官たちにとって、大統領が何らかの軍事攻勢を強く検討していることは明らかだった。問題は、その軍事作戦の規模と、それが具体的に何を達成しようとしているのかということだった。

●複数の選択肢の評価(Assessing the Options

2026年2月18日、季節外れの暖かさが続くワシントンで、ヴァンス、ルビオ、ジョン・ラトクリフCIA長官、そしてホワイトハウス大統領首席補佐官スージー・ワイルズは、トランプ大統領と共にシチュエーションルームに集まり、軍事計画について協議した。

会議中、ケイン大将は様々な選択肢について議論した。その中には、アメリカ軍がイランを交渉に押し込むための限定的な攻撃を行うか、あるいはイラン政府転覆を目的としたより大規模な作戦を行うかが含まれていた。特に後者の選択肢は、アメリカ軍の死傷リスクが高く、中東地域の安定を揺るがし、アメリカ軍の兵器備蓄を大幅に枯渇させる可能性があるとケイン将軍は述べた。

ケイン大将は、検討中の選択肢はどれも、ヴェネズエラのマドゥロ大統領の拘束に成功するよりもはるかに困難であると強調した。大統領は、この作戦について、イランにおけるアメリカの成功の兆しと見ていた。

ケイン将軍の報道官ジョー・ホルステッドは、大統領と国防長官に提示された「選択肢と検討事項(options and considerations)」は機密事項であるとしてコメントを控えた。

一方、個人的には軍事攻撃に反対の姿勢を示しているとみられるヴァンス副大統領は、限定的な攻撃は誤りだったと主張した。アメリカがイランを攻撃するのであれば、「大規模かつ迅速に(go big and go fast)」行うべきだとヴァンスは出席者たちに語った。

ヴァンス副大統領の報道官はコメントを拒絶した。

会議の前、トランプはまず小規模な攻撃を行い、イランが核濃縮を放棄しない場合は大規模な攻撃を行うという戦略に傾倒していたように見えた。しかし、ヴァンス副大統領の主張は反響を呼んだようだ。そしてその後数日間で、アメリカとイスラエルはイランのミサイル・核開発計画だけでなく、指導部自体も一緒に攻撃すべきだという考えに傾く当局者が増えていった。

CIAは、イランの最高指導者(supreme leader)であるアリ・ハメネイ師が攻撃で殺害された場合に起こり得るシナリオをいくつか作成した。多くの変数(variables)があるため、CIAが確信を持って何が起こるかを判断するのは困難だったため、複数のシナリオを提示した。

1つのシナリオは、ハメネイ師に代わる強硬派の聖職者、ひょっとすると核兵器取得にさらに傾倒する指導者が登場するというものだ。別のシナリオは、政府に対する反乱を予測するものだったが、イランの反体制派の弱体化を考えると、情報当局者の多くは反乱の可能性は低いと考えていた。

複数のトランプ政権の高官は、第三のシナリオを予測した。それは、強硬派聖職者よりも現実的なイスラム革命防衛隊(the Islamic Revolutionary Guard CorpsIRG)の1つの派閥が権力を握るというものだ。名目上は聖職者が引き続き権力を握る可能性が高いものの、実際にはイスラム革命防衛隊の指導者たちが国を率いることになるというものだ。

このような動きは、40年にわたり強硬な反米姿勢を貫き、イランの聖職者指導部と深く結びついてきた将校団(an officer corps)にとって、劇的な転換となるだろう。

しかし、CIAの分析によると、アメリカがこの派閥の経済活動、例えば石油産業への影響力に干渉しない限り、一部の将校はアメリカに対して融和的な姿勢を示す可能性がある。彼らはイランの核開発計画を放棄したり、イランの代理勢力によるアメリカへの攻撃を阻止したりするかもしれない。

CIAはコメントを拒絶した。

軍事行動に反対するロビー活動はほとんどなかった。唯一の例外は、右派のポッドキャスターであり、大統領に近い同盟者でもあるタッカー・カールソンだ。彼は過去1カ月間に3回、大統領執務室で大統領と面会し、攻撃に反対する主張を展開した。

カールソンは、アメリカがイランと戦争に突入した場合、アメリカの軍人、エネルギー価格、そして地域におけるアラブ諸国へのリスクを説明した。カールソンは大統領に対し、イスラエルによってアメリカが窮地に陥るべきではないと述べ、アメリカが攻撃を検討しているのはイスラエルがイランを攻撃したいという願望があるからに他ならないと主張した。また、トランプ大統領に対しネタニヤフ首相を牽制するよう促した。

トランプ大統領は攻撃のリスクを理解していると述べたものの、カールソンにはイスラエルが始める攻撃に参加する以外に選択肢はないと伝えた。

カールソンは2月23日正午、ホワイトハウスを去った後、トランプは軍事行動に傾いていると考えていると関係者たちに語った。

●外交の最終段階(One Last Round of Diplomacy

ホワイトハウスは、トランプ大統領に対し対イラン作戦開始にあたり連邦議会の同意を得るよう求める一部議員の要請を無視し、連邦議会で戦争の必要性を訴える努力もほとんどしなかった。

しかし2月24日、トランプ大統領の一般教書演説の数時間前、いわゆる「ギャング・オブ・エイト(Gang of Eight)」と呼ばれる議員たちが議事堂内の厳重な会議室に集まり、ルビオ国務長官とラトクリフとヴィデオ会議で協議した。両者はペンシルヴァニア通りを少し下ったホワイトハウスにいたが、大統領演説の警備体制の都合上、2マイル(約3.2キロメートル)の移動は困難を極めた。

ルビオとラトクリフは、今回の攻撃の背景にある情報、攻撃のタイミング、そしてイランが今後の協議で核濃縮を放棄した場合の「出口(offramp)」の可能性について話し合った。

しかし、ルビオは政権が政権転覆作戦を検討していることには一切言及しなかった。

ルビオ国務長官はブリーフィングで、イスラエルとアメリカのどちらが先に攻撃したとしても、イランはアメリカ軍基地や大使館に対し強力な武器の集中攻撃で反撃すると主張した。いずれにせよアメリカは巻き込まれることになるため、アメリカがイスラエルと協力して行動するのは理にかなっているとルビオは述べた。そしてイスラエルは行動する決意をしているとルビオは述べた。

この論理は民主党員の一部の耳には心地よくなかった。彼らは、トランプ政権がネタニヤフ首相にアメリカの政策を左右させ、アメリカの軍備増強がイランの攻撃を誘発する可能性があるため、アメリカは攻撃せざるを得ないという循環論法(a circular argument)を展開していると考えていたのだ。

一般教書演説の2日後の木曜日、ウィトコフとクシュナーはジュネーブを訪れ、英語を話し、アメリカについて詳しいイランのアッバス・アラグチ外相と再び交渉を行った。

イラン側はアメリカに対し、将来の核濃縮レヴェルを示唆する7ページにわたる計画を提示したが、その数値がウィトコフとクシュナーを警戒させた。

アメリカ側は依然としてイランに対し濃縮ゼロを約束するよう求め、民生用核開発計画のための核燃料の無償提供を提案したが、イラン側は拒否したと、あるアメリカ政府当局者は述べた。協議終了後、ウィトコフとクシュナーはトランプに対し、合意に至る可能性は低いと伝えた。

その日、トランプは大統領執務室に共和党所属の連邦上院議員4名を招き、自身の立法議題について協議した。会話は最終的にイラン問題へと移った。

サウスカロライナ州選出の共和党議員で、イラン攻撃を声高に支持するリンジー・グラム連邦上院議員は、大統領は苛立ち、イラン側が合意に関心を示していないと考えていると述べた。

グラム議員はインタヴューで、「トランプ大統領は外交を追求する必要があると強く感じていたと思う。外交を追求することを望んでおり、軍事的選択肢は最後の手段だと思っていた」と述べた。グラム議員はトランプ大統領に対し、イラン側が交渉を長引かせるだろうが、そうさせるべきではないと伝えたということだ。

「彼(トランプ)は自分が試みたことに非常に満足していた」とグラム議員は述べた。

一方で、外交は単なるパントマイムであり、必ず失敗する運命にあると考える者もいる。

ジョー・バイデン政権で国務次官補として中東政策を担当した元外交官のバーバラ・リーフは、トランプが軍事行動へと向かうことは避けられないことは明らかだと述べ、協議の最中に2つ目の空母打撃群をこの地域に派遣したことを指摘した。

リーフは次のように述べた。「あれは戦争計画(war planning)の証拠だった。外交でより有利になるために、そんなものは必要ない。彼が軍事攻撃に出るだろうということを、私は全く疑っていなかった」。

●情報諜報機関によるクーデター(An Intelligence Coup

実際、アメリカとイスラエルは、ジュネーブでの会談前日の水曜日に既に攻撃の可能性について協議していた。ホワイトハウスは、イランに核濃縮への野望を諦めさせる最後のチャンスを与えるため、攻撃時期を木曜日の夜に延期した。その後、夜間に紛れてテヘランを攻撃するという案で、攻撃時期は金曜日まで延期されました。

この時期は、最終的に驚くべき諜報活動によって決定された。

ハメネイ師の動向を綿密に追跡していたCIAは、最高指導者が土曜日の朝、テヘラン中心部の自宅敷地内に滞在する予定であることを掴んだ。イランの文民および軍の高官たちも、同じ場所で同時刻に会合を開く予定だった。

CIAはこの情報をイスラエルの情報諜報機関に渡し、両国の指導者は、日中に大胆な「斬首(decapitation)」攻撃で戦争を開始することを決定した。

トランプは金曜午後、エネルギーに関する演説を行うためにテキサス州のコーパスクリスティに飛び立つ際、正式なゴーサインを出した。

地上に降り立った大統領は、外交の行き詰まりを示唆し、記者団に対し「交渉に満足していない」と述べた。イランは何十年もの間、「我が国の国民の足、顔、腕を吹き飛ばしてきた。彼らは我が国の船舶を次々と攻撃し、毎月何かを起越している」と述べた。

イラン当局者4名によると、アメリカが攻撃を準備しているという兆候は十分にあったものの、イラン側は日中に攻撃が行われる可能性は低いと考えていたという。

それはイランの週明けの土曜日の朝で、子供たちは学校へ、大人たちは仕事へ向かっていた。

最高国家安全保障会議(the Supreme National Security Council)の会合に出席した人々は、アメリカやイスラエルのスパイに知られていない可能性のある地下バンカーやその他の秘密の場所で会合を開く必要性を感じていなかった。

複数の当局者によると、ハメネイ師は側近に対し、戦争が勃発した場合、身を潜めた指導者として歴史に裁かれるよりも、その場に留まり殉教者(a martyr)となることを望むと語ったという。

高官たちが会議のために集まっている間、彼は敷地内の別の場所にある執務室にいた。会議終了後、説明を求めていた。

ミサイルは会議開始直後に着弾した。

※ヘレーネ・クーパー、ファーナズ・ファシヒ、ゾルラン・カンノ=ヤングス、デイヴィッド・E・サンガー、マイケル・クロウリーが本稿の作成に貢献した。

※マーク・マゼッティ:ワシントンDCを拠点とする、国家安全保障、情報諜報、外交問題を専門とする調査報道記者。CIAに関する著作がある。

※ジュリアン・E・バーンズ:『ニューヨーク・タイムズ』紙アメリカの情報諜報機関と国際安全保障問題担当記者。20年以上にわたり安全保障問題について書いてきた。

※テイラー・ペイジャー:『ニューヨーク・タイムズ』紙ホワイトハウス担当記者。トランプ大統領とトランプ政権を担当している。

※エドワード・ウォン:『ニューヨーク・タイムズ』紙記者。国際問題、アメリカ外交政策、国務省を担当。

※エリック・シュミット:『ニューヨーク・タイムズ』紙国家安全保障担当記者。30年以上にわたりアメリカの軍事問題とテロ対策を取材。

※ローネン・バーグマン:テルアヴィヴを拠点とする『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌スタッフライター。
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連邦議員たち:イスラエルのイラン攻撃計画がトランプ大統領の攻撃決定を決定づけた

アレクサンダー・ボルトン筆

2026年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5764030-trump-administration-iran-strikes-israel/

民主、共和両党の有力議員たちは月曜日、トランプ政権が今週末、イラン全土への爆撃とミサイル攻撃を開始する決定を行ったが、この決定は、アメリカの支援の有無にかかわらず、イスラエルがイランを攻撃する計画に大きく左右されたと述べた。

複数のトランプ政権高官は、議会で行われた機密ブリーフィングで、民主、共和両党の議員たちに対し、イスラエルのイラン攻撃計画は、アメリカが中東各地の基地に駐留するアメリカ軍兵士を守るため、先制行動(preemptive action)を取らざるを得ない状況に追い込んだと述べた。国防総省は、これらの兵士たちが報復攻撃(retaliatory strikes)の標的になると考えていた。

連邦上院情報諜報委員会の副委員長を務めるマーク・ワーナー連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)は、ブリーフィングに出席し、同盟国(イスラエル)からの圧力を受けて他国(イラン)への大規模軍事攻撃を開始する決定は、アメリカを「未知の領域(“uncharted” territory)」に陥れたと述べた。

ワーナー議員は、「これは依然として選択的な戦争であり、他国からも認められているように、イスラエルの目標とタイムラインによって決定づけられたものだ」とブリーフィングで記者団に語った。

マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグゼス国防長官、ジョン・ラトクリフCIA長官、ダン・ケイン統合参謀本部議長は月曜日の午後、連邦議員たちにブリーフィングを行った。

ワーナー議員はイスラエルを支持すると述べたものの、差し迫った脅威(an imminent threat)がアメリカ自身ではなく同盟国に向けられている可能性があるにもかかわらず、アメリカ人の命を危険に晒すという決定には疑問を呈した。

ワーナー議員は「イスラエルはアメリカの偉大な同盟国だ。私はイスラエルを断固として支持する。しかし、結局のところ、アメリカ兵を危険に晒すこと、そしてアメリカ人の犠牲者やさらなる犠牲者が出ると予想される状況においては、アメリカの利益に対する差し迫った脅威の証拠が必要だと考えている。私は依然としてその基準を満たしていないと考えている」と述べた。

ワーナー議員は、もしイランに対する軍事作戦が「アメリカに対するイランからの差し迫った安全保障上の脅威によって推進されていたのであれば、私たちはより適切な計画を立てていたはずだ」と主張した。

マイク・ジョンソン連邦下院議長(ルイジアナ州選出、共和党)はブリーフィング後に記者団に対し、イスラエルがアメリカの支援なしでも軍事作戦を開始し、中東地域に駐留するアメリカ軍が危険に晒されることが明らかになったため、トランプ大統領はイランへの攻撃を命じるという、難しい決断に直面したと述べた。

ジョンソン議長は、「イスラエルは、アメリカの支援の有無にかかわらず、自国の防衛のために行動する決意を固めていた。それは何故か? それは、イスラエルが存亡にかかわる脅威(an existential threat)と見なす脅威に直面していたからだ。イランは急速にミサイルを製造しており、中東地域の同盟諸国はそれに対応できないほどになっていた」と述べた。

ジョンソン議長はさらに、「イスラエルがアメリカの支援の有無にかかわらず行動する決意を固めていたので、私たちの最高司令官、政権、そして閣僚は非常に難しい決断を迫られた。彼らは、アメリカ、私たちの軍隊、私たちの施設、そしてこの地域とそれ以外の地域にある私たちの資産に対する脅威を評価する必要があった」と語った。

ジョンソン議長は、トランプ政権の高官たちは「もしイスラエルがイランの兵器庫を破壊するために攻撃すれば」、イランは「即座にアメリカ軍の人員と資産に対して報復するだろう」と判断していたと述べた。

「もし私たちがそうした事態が起こるまで待っていたら、私たちの不作為(inactions)の結果は壊滅的なものになっていただろう」とジョンソン議長は主張した。

「もしイランが短距離・中距離ミサイルを含む全てのミサイル兵器を我が国の人員、資産、施設に向けて発射し始めていたならば、私たちは甚大な損失を被っていただろう」とジョンソン議長は語った。

「もし私たちが先に行動を起こす前に対応を待っていたら、私たちが行ったような行動をとった場合よりもはるかに大きな損失になっていただろう」とジョンソン議長は付け加えて述べた。

ルビオ国務長官はブリーフィング前に記者団に対し、イスラエルの攻撃に対するイランによるアメリカ軍への報復の脅威が、イラン全土へのアメリカ軍による攻撃開始の決定の原動力となったと述べた。

「私が受けた2つ目の質問は、『なぜ今なのか?』だ。攻撃開始が今である理由は2つある。1つ目は、イランがアメリカであれイスラエルであれ、あるいは誰であれ攻撃を受けた場合、イランはアメリカに対して報復措置を取ることは明白だった」とルビオ国務長官は述べた。

ルビオ長官は、イランによるアメリカ軍とアメリカ軍施設への報復命令は、イスラエルとアメリカが週末の攻撃を開始するずっと前に、現場の指揮官に任されていたと述べた。

ルビオ長官は「もし私たち(アメリカ)が攻撃を仕掛ける前に、彼ら(イスラエル)の攻撃をただじっと待っていたら、はるかに大きな犠牲を生み出していたことだろう」と述べた。

ルビオは次のように主張した。「大統領は非常に賢明な決断を下した。イスラエルの行動は必ず起こると分かっていたし、それがアメリカ軍への攻撃を誘発することも分かっていた。そして、イスラエルが攻撃を開始する前に先制攻撃をしなければ、より多くの犠牲者が出ることも分かっていた」。

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〇「米国のイラン攻撃、イスラエルの策略か? トランプ派内で対立激しく」

日本経済新聞 202634 5:51

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0401G0U6A300C2000000/

【ワシントン=飛田臨太郎】トランプ米政権のイラン攻撃を巡り、イスラエルに迫られて決断したか否かを巡り政権支持層内で論争が始まり、対立が鮮明になってきた。ルビオ国務長官がイスラエルの軍事計画が攻撃の引き金となったと説明して波紋を呼ぶ。トランプ米大統領は3日、火消しに追われた。

ルビオ氏は2日、記者団に米国が攻撃を決断した背景には、イスラエルがイランに対して米国への報復につながる軍事行動を計画していたためだと説明した。

「明らかに我々はイスラエルの意図を把握しており、それが我々にとって何を意味するかを理解していた。その結果として行動する準備が必要だった」と触れた。

発言後、「MAGA」と呼ばれるトランプ氏を支持する層からは軍事作戦そのものの正当性を疑うような声が噴出した。

MAGAはもともと戦争を嫌い、近年の中東への軍事関与は米国の国益のためではなく、イスラエルが政策決定に影で影響を与えてきたためだと考える人がいる。

MAGA系の著名インフルエンサーのマイク・サーノビッチ氏は「ルビオ氏の発言はレコードの針が飛んだ瞬間だ。多くの人が推測していた事実を口にした」と説き、軍事作戦のとりやめを求める声が増えるだろうと強調した。

トランプ氏は3日、支持層の反発を踏まえて、あくまで自身の判断だと強調した。イスラエルが米国を戦争に巻き込んだのかと問われ「むしろ、私がイスラエルに決断を迫ったと言えるかもしれない」と語った。

トランプ支持層の中でも、イスラエルとの関係を重視する人々はルビオ氏の発言が曲解されていると主張する。極右運動家のローラ・ルーマー氏は「『イスラエルに操られている』との虚偽の物語が流布している」と反論した。

米紙ニューヨーク・タイムズによるとイスラエルのネタニヤフ首相は、数カ月間にわたりトランプ氏にイラン攻撃を働きかけてきた。202512月に米国で会談した際には、トランプ氏に数カ月以内にイスラエルがイランのミサイル基地に攻撃するのを承認するよう求めた。

米国とイスラエルは歴史的に強い協力関係を築いてきた。一方、近年になってから親イスラエルの国民感情は揺らぎつつある。

米ピュー・リサーチ・センターが202510月に発表した世論調査によると、イスラエル政府に否定的な意見を持っている米国人は59%24年調査と比べて8ポイント増加した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2026年2月28日、イスラエルとアメリカはイラン空爆を実施した。イラン南部では小学校が攻撃を受け、多くの小学生が犠牲になった。また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が攻撃を受け死亡した。イラン政府やイラン軍の高官の死亡者も出ているという情報がある。アメリカ軍は今回の作戦を「壮大な怒り作戦(Operation Epic Fury)」と命名した。ドナルド・トランプ大統領は声明の中で、イランが核兵器開発を放棄せず、イランの核兵器がアメリカにとっての「差し迫った脅威」になっていると述べ、攻撃を正当化した。イランは、イスラエルと湾岸諸国に存在するアメリカ軍基地に報復攻撃を実施した。

 イスラエルは情報機関であるモサドがイラン政府の中枢にスパイネットワークを形成し、正確な情報を把握している。ハメネイ師をはじめとする最高幹部たちの行動や位置に関する情報も正確につかんでいる。今回の攻撃はその情報を基にして、ピンポイントでの攻撃が可能となったと考えられる。また、衛星情報、ビッグデータ分析やドローン技術などは、拙著『』で取り上げた、イーロン・マスクが率いるスペースX社、ピーター・ティールが率いるパランティア社、パルマー・ラッキーが率いるアンドゥリル社の技術が活用されたことも考えられる。

 ドナルド・トランプ大統領は変容した。第一次政権と第二次政権では全く異なる。トランプのスローガンは「アメリカ・ファースト(America First)」だ。これは、「アメリカ国内の諸問題を解決すること、アメリカ国内を最優先すること」の意味だ。外国の諸問題については、介入しないという姿勢でもある。これは「アイソレイショニズム(Isolationism)」とも呼ばれる、アメリカの伝統的な外交に関する基本姿勢である。しかし、第二次政権発足後の2025年から、トランプ大統領は外国に積極的に介入する姿勢を示してきた。そして、2026年1月には、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束し、そして、2月末にイラン攻撃を実施した。ネオコン派が牛耳ったジョージ・W・ブッシュ政権と同様のことを行っている。これは、トランプを支持した有権者に対する裏切りである。

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そもそもが、昨年(2025年)にアメリカはイランの核開発関連施設に攻撃を実施しており、それ以来、イランは核開発が進んでおらず、核兵器も所有しておらず、アメリカにとっての「差し迫った脅威」となっていない。イランが核兵器を所有して、アメリカを攻撃するというのは虚構である。今回の攻撃はイスラエルが、イランの弱体化と中東情勢の不安定化を狙って、トランプ大統領と側近たちを教唆して実施したものと私は考えている。

 イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡封鎖を通告している。日本、インド、中国と言った国々は、イランをはじめとする中東の石油に依存している。今回の攻撃で原油価格の高騰は避けられない。石油が届かない、他の産油国からの調達をするということになれば、日本国内の物価上昇やエネルギー不足が発生することは容易に予想される。また、世界経済全体にも大きな影響が出る。

 トランプ大統領は、イランの体制転換を口にしたが、それは空爆だけでは実現不可能だ。イスラエルもアメリカも現在のところ、地上軍の派遣を表明していない。それであるならば、アメリカとイスラエルのイランの体制転換への本気度は高くないという判断ができる。緊張が高まったままのこの状態が長期化すれば、世界全体に悪影響をもたらすことになる。

 ドナルド・トランプ大統領はアメリカの有権者を裏切り、世界を不安定化させた。トランプ革命は裏切られたと結論づけるしかない。

(貼り付けはじめ)

トランプはイランとの戦争によって支持基盤を裏切っている(Trump Is Betraying His Base By Waging War on Iran
-有権者たちはブッシュ政権時代の介入(Bush-era interventions.)ではなく、アメリカ・ファースト(America First)を約束されていた。

エンマ・アシュフォード筆

2026年2月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/02/28/trump-is-betraying-his-base-by-waging-war-on-iran/

土曜日、平和評議会(Board of Peace)議長、FIFA平和賞受賞者、そしてアメリカの中東における無意味な戦争の熱烈な反対者であるドナルド・トランプ米大統領は、イランにおける体制転換(regime change)のための大規模な軍事作戦を開始した。結局のところ、彼は共和党内のイラン強硬派(Iran hawks)の優位性を打ち破ることができず、さらに重要なことに、不明確な目的のために軍事力を行使するという誘惑に抵抗できなかった。

トランプのこれまで見せてきた衝動制御の弱さ(poor impulse control)を考えれば、これは驚くべきことではないかもしれない。しかし、自ら選んだ新たな戦争を開始するという決断は、大統領支持基盤だけでなく、より広範なアメリカ国民への裏切り(a betrayal not just of the president’s base, but also of the American people more broadly)でもある。トランプ自身の上級顧問たちは、大統領選挙の選挙運動中、彼を平和派候補(the peace candidate)として描写していた。スティーヴン・ミラーはかつて、カマラ・ハリス陣営を「子供たちを自分たちが決して戦わない戦争に送り込むのが好きな好戦的なネオコン(warmongering neocons [who] love sending your kids to die for wars they would never fight themselves)」と評した。

トランプはかつて非難していた通りの行動に出てしまった。長年の支持者であるタッカー・カールソンは、今回の攻撃を「極めておぞましく、邪悪(absolutely disgusting and evil)」と描写した。トランプは短期的で成功する戦争(a short, successful war)を求めて賭けに出たが、今度は、避けると約束したまさにその事態、すなわち中東地域における新たな悲惨な泥沼(disastrous Middle East quagmire)にアメリカを陥れてしまうのかどうか、見守るしかない。イランで何が起こるかを断言するのは時期尚早だ。しかし、今回の攻撃は、彼の支持基盤やアメリカ国民が望んでいたことではないことは明らかだ。

なぜこのような事態に至ったのか? トランプの外交政策は、実は2024年大統領選における彼の政策の中でも比較的良好な争点の1つだった。ウクライナからガザ、中国に至るまで、ほぼ全ての主要な外交政策において、トランプはハリスに対し、一貫して僅差ながらも大きなリードを保っていた。実際、外交政策関係者の多くが懐疑的だったにもかかわらず、トランプの「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンは有権者の共感を呼んだように見える。ウクライナ問題、移民問題、そして世界のあらゆる問題の解決にアメリカが責任を持つべきかどうかといったメッセージは、共和党支持者だけでなく無党派層にも支持された。

しかし、「アメリカ・ファースト」が世界との関わりにおけるアメリカの利益の再主張というより、大統領の気まぐれ(the president’s whims)、威圧的な言動(penchant for bullying)、そして軍事冒険主義への傾倒(taste for military adventurism)といった側面が強調されるようになり、トランプの外交政策に対する支持率はここ数ヶ月で41%から37%へと低下した。彼の外交政策は共和党支持者の間で依然として人気が高いものの、支持者の間でも特定の問題に対する不支持は大きい。共和党支持者の約70%がグリーンランドの占領に反対し、イランの政権交代を支持すると答えたのはわずか17%だった。

トランプ政権の外交政策は、有権者がアメリカ・ファーストに真に求めているものではないと結論づけざるを得ない。

「アメリカ・ファースト」という言葉自体が、常に多少の問題を抱えてきた。トランプが最初の選挙運動でこの言葉を使ったことは、1930年代の第二次世界大戦へのアメリカの介入(intervention)をめぐる議論との関連性を指摘し、世論を刺激した。しかし、この言葉が有権者に訴えかけたのも全く同じ理由からだった。それは、アメリカの利益とニーズを他国のそれよりも二の次にする、冷戦後の過度に単純化されたリベラルなコンセンサスへの拒絶を象徴しているように見えたのだ。

有権者たちがアメリカの世界への関与をどう見ているかに関する長期世論調査は、このことを裏付けている。最近のAP通信とNORCによる世論調査では、世界の問題解決においてアメリカがより積極的な役割を果たすことを望むアメリカ人はわずか17%で、45%がアメリカの積極的関与の縮小を望んでいることが明らかになった。また、50年以上にわたり外交政策に関するアメリカ人の世論調査を行っているシカゴ国際問題評議会によると、世界におけるアメリカの積極的な役割に対する支持は、過去5年間で10ポイント近く低下している。

実のところ、ほとんどのアメリカ人は日常的に外交政策についてあまり心配しておらず、最優先事項として挙げられることも稀だ。しかし、こうした力学が顕著に表れた大統領は、トランプが初めてではない。ジョー・バイデン前大統領が初期の外交政策のスローガンの1つとして掲げた「中流階級のための外交政策(a foreign policy for the middle class)」は、外交と国内政治を結び付け、外交政策をより目に見える形で、アメリカ国民のニーズにより応えるものにすることを目指していたことを思い出す価値がある。

しかし、バイデン政権と同様、トランプ政権下での政策は、有権者に人気があると思われる、より穏健なアメリカ外交政策からますます遠ざかっている。当初は順調に進んでいた。トランプはガザ地区での停戦合意を交渉し、ウクライナ情勢に関する協議を開始し、ラテンアメリカ諸国に移民収容者の航空機受け入れを促し、NATO加盟諸国による自国の防衛費増額に欧州各国首脳の同意を得ることさえできた。

しかしながら、2025年半ばになると、事態は悪化し始めた。トランプはイランの核開発計画に対するイスラエルの空爆に協力し、ウラン備蓄を地下に埋設することに決定させたが、核拡散問題に対する長期的な解決策は提示しなかった。貿易と関税に関する彼の威嚇的な政策は、同盟国と敵対国双方との緊張を生み出し、ほとんど良い結果をもたらさなかった。トランプ政権発足以来、2000億ドルを超える関税コストの96%をアメリカの消費者と輸入業者が負担してきた。

そして、彼の西半球政策(Western Hemisphere policy)がある。これは当初、国境警備、移民、麻薬問題といった国内問題に重点を置いていたが、これらは依然として有権者の間で広く支持されている。しかし、この政策はマルコ・ルビオ国務長官をはじめとするタカ派の大統領の側近たちの影響を受けて、ヴェネズエラへの介入やキューバの政権交代に関する軽率な発言へと変貌を遂げた。

また、トランプの政策は、ノーベル賞委員会が彼に栄誉を与えなかったことに対する彼の度重なる激しい非難のように、政策的根拠と同じくらい個人的な憤り(personal resentment)によって動かされているように思われる場合が多い。トランプの外交政策の良い点は依然として健在ですが(例えば、ウクライナ問題における和平交渉の継続)、それらはますます、大多数のアメリカ人の生活や暮らしとはほとんど関係のない、しばしば的外れな政策によって覆い隠されつつある。

実際のところ、アメリカ・ファーストの根本的な問題は、それが明確な定義を持たなかったことだ。アメリカの利益とは何か? 誰が決めるのだろうか? トランプは、伝統的なアメリカ外交政策を破壊しつくす力を持つため、ここ数十年にわたり否定されてきた聖域(the sacred cows)の多くを、アメリカ国民の利益となる形で乗り越えてきた。しかし、まさにこの大いなる予測不可能性(unpredictability)、周囲の人々を威圧し見下す傾向(the inclination to bully and belittle those around him)、そして自らの利益とエゴをアメリカ国民の利益よりも優先させる傾向(to put his own interests and ego above those of the American people)こそが、長期的に見てより持続可能な外交政策の構築を主導する人物としては、彼を不適格な人物にしている。

今日実施されたイランへの攻撃は、この問題を象徴している。先週の世論調査では、イランに対する軍事行動を支持すると答えた米国民はわずか4分の1に過ぎなかった。しかし、トランプ大統領は国民に対し、この戦争の必要性を訴える時間さえ持たなかった。彼を縛っているのは、「彼自身の道徳(own morality)」だけだ。

しかしながら、歴史が示すように、この戦争はアメリカの海外軍事介入に対する国民の嫌悪感を強める(to strengthen popular distaste for American military engagement overseas)だけだろう。アメリカ国民は有能な同盟国、安全で豊かな生活、そして世界においてより控えめな役割を担いながらも、他国と生産的なパートナーとして関わり合うことを望んでいる。彼らは中東における終わりのない戦争や、ジョージ・W・ブッシュ政権の政策がゾンビのように蘇ることを望んでいない。地球上の他の全ての国を疎外する「いじめっ子」アメリカ(America the Bully)になることも望んでいない。

アメリカ国民が必要としているのは、アメリカ国民を第一に考える外交政策だ。現トランプ政権からはそれが得られていない。

※エンマ・アシュフォード:『フォーリン・ポリシー』コラムニスト。スティムソン・センターアメリカ大戦略再構想プログラム上級研究員、ジョージタウン大学講師。著書に『石油、国家、そして戦争(Oil, the State, and War)』がある。Xアカウント:@EmmaMAshford

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ドナルド・トランプ大統領がイランに戦争を仕掛けている中で注目すべき5つのポイント(Five takeaways as Trump wages war on Iran

コリン・メイン、フィリップ・ティモティジャ筆

2026年2月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/5760747-trump-iran-regime-change/

ワシントンとテヘランの間の数週間にわたる緊張の後、アメリカとイスラエルは土曜日の朝、イランに対する一連の攻撃を開始した。

イランは速やかに報復し、イスラエルに向けて無人機と弾道ミサイルを発射したほか、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーンを含む湾岸諸国の標的を攻撃した。

「壮大な怒り(エピック・フューリー)作戦(Operation Epic Fury)」と名付けられたこの共同作戦は、土曜日の深夜過ぎに開始され、イランの政権の治安機関を破壊し、「差し迫った脅威(imminent threat)」をもたらす地域を重点的に攻撃することを目的としたとアメリカ中央軍(the U.S. Central CommandCentcom)は発表した。

トランプ大統領は数週間にわたり、イランへの攻撃の承認を検討しており、金曜日にはイラン当局との核協議の展開に不満を表明した。

イラン外相は土曜朝、イランの政権は「二人の司令官のうち一人を失った可能性がある」と述べたものの、最高指導者アリ・ハメネイ師を含む他の高官は「私の知る限り(as far as I know)」生き残ったと述べた。しかし、複数の報道機関が報じたところによると、アメリカとイスラエルの当局者たちはその後、ハメネイ師はイスラエルの攻撃で殺害されたと考えていると述べた。

(1)アメリカとイスラエルは主要政府施設と軍事資産を標的にする(US, Israel target key government buildings and military assets

アメリカとイスラエルはアメリカ東部時間午前1時15分、イスラム革命防衛隊(the Islamic Revolutionary Guard CorpsIRGC)の指揮統制施設、弾道ミサイルおよびドローン発射場、軍用飛行場、イランの防空システムを標的とした大規模作戦を開始した。

イスラエル空軍は土曜日、イスラエル国防軍(Israeli Defense ForcesIDF)史上最大規模の軍事作戦を実施し、200機以上の戦闘機がイラン西部および中部のミサイル基地とイラン革命防衛隊の防空システムを攻撃したと発表した。

イラン赤新月社がイラン国営テレビに対し、この共同作戦でイラン国内で200人以上が死亡、約750人が負傷したと伝えた。また、攻撃は31州のうち24州を攻撃したと付け加えた。

イスラエル空軍が標的とした施設の1つは、タブリーズの地対地ミサイル発射場だった。イスラエル国防軍は、イランのミサイル発射装置や防空システムを含む500以上の標的を攻撃したと発表した。

ヴァンターが提供した衛星画像によると、イランのカナラク海軍基地で炎上する艦船から濃い黒煙が上がっているのが確認できた。ドローンは散開され、コナラクのドローン滑走路は封鎖された。

アメリカ軍は、この地域において空、陸、海の軍事資産から弾薬を発射したとアメリカ中央軍は発表した。また、タスクフォース「スコーピオン・ストライク」(Task Force Scorpion Strike)が低コストの片方向攻撃ドローンを初めて実戦で使用したことも付け加えた。

アメリカ中央軍は、イラン南部の女子校への攻撃に関する報告を調査中であると述べた。イラン政府当局によると、この攻撃で80人以上の生徒が死亡したということだ。

アメリカ中央軍報道官のティム・ホーキンス大尉は声明で、「民間人の保護は最優先事項であり、意図しない被害のリスクを最小限に抑えるために、引き続きあらゆる予防措置を講じていく」と述べた。

アメリカ中央軍によると、アメリカ軍は数百件に及ぶイランのドローン攻撃とミサイル攻撃を無事に防御し、アメリカ兵の死傷者や関連する負傷の報告はない。

アメリカ中央軍は、アメリカ軍施設への被害は「最小限であり、作戦に影響は出ていない」と付け加えた。

「壮大な怒り作戦は、この世代で最大規模のアメリカ軍の火力の地域的集中を伴う」とアメリカ中央軍は声明で述べた。

(2)イランが中東各地のアメリカ軍基地に反撃し報復の脅威を煽る(Iran strikes back at US bases across Middle East, spurring threats of retaliation

イランは土曜日、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートのアメリカ軍基地への無人機とミサイルによる攻撃に加え、イスラエルへの集中攻撃を実施し、湾岸諸国を即座に傍観者の立場から引き離した。

サウジアラビアは、イランによる攻撃を撃退する各国を支援すると発表した。

「サウジアラビア外務省は、関係各国との完全な連帯と確固たる支持を表明し、彼らが行うあらゆる措置を支援するためにあらゆる能力を動員すると述べた」とサウジアラビア外務省は声明の中で述べた。

アラブ首長国連邦(UAE)は声明で、自国の安全保障は湾岸諸国と「不可分(indivisible)」であり、「いかなる国家の主権侵害も、地域全体の安全保障と安定に対する直接的な脅威となる」と強調した。

バーレーンとカタールも報復する権利を留保した。カタールはまた、「地域の安全保障を維持し、国民の利益を守り、より広範な対立への転落を防ぐ方法で危機を封じ込める努力」を求めた。

イラン外務省は、イスラム諸国と非同盟諸国(Muslim and non-aligned states)に対し、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要求するよう呼びかけた。

Xへの投稿で、イラン外務省は「この地域における敵対勢力の全ての基地、施設、資産は正当な軍事目標とみなされる。イランは、侵略が完全にかつ明確に停止されるまで、この固有の権利を断固として行使する」と述べた。

(3)トランプ大統領は政権交代を視野に入れている;パーレヴィは「最終行動」を予告する(Trump eyes regime change; Pahlavi previews ‘final action’

トランプ大統領は、土曜日夜に公開した動画で、イラン軍に対し武器を放棄するよう促し、1979年のイスラム革命以来、国家を支配してきた強硬政権を打倒するようイラン国民に呼びかけた。

「あらゆる場所に爆弾が落とされるだろう。私たちが全てを終わらせたら、あなたたちの政府を掌握して欲しい。それはあなたたちの手に渡る。おそらく、これは数世代にわたってあなたたちにとって唯一のチャンスとなるだろう。長年、あなたたちはアメリカの支援を求めてきたが、一度も得られなかった」とトランプ大統領は述べた。

トランプは続けて次のように述べた。「今、あなたたちに望むものを与えてくれる大統領が存在する。あなたたちがどう反応するか見てみたい。アメリカは圧倒的な力と圧倒的な力であなたたちを支援している。今こそ行動を起こす時だ。この機会を逃してはならない」。

イラン最後の国王の息子で、亡命中のレザー・パーレヴィは、先月イラン国内で行われた大規模抗議行動の主導した人物だが、イラン国民に対し、今は静かに過ごし、オンラインやラジオで自身のメッセージに従うよう呼びかけた。

「警戒を怠らず、準備を整えておいてほしい。そうすれば、私が皆さんに正確に告知する適切な時期に、最後の行動のために街頭に復帰できる」とパーレヴィはXへの投稿で述べた。

パーレヴィは、「私たちは最終的な勝利に非常に近づいている。イランを奪還し、再建するために、できるだけ早く皆さんのそばにいられるようにしたい」と付け加えた。

ホワイトハウス報道官カロリーヌ・リーヴィットは、トランプ大統領がマール・ア・ラーゴで国家安全保障ティームと共に状況を監視し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談したと述べた。事情に詳しい関係者が本誌に語ったところによると、大統領の隣には統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍も同席していたということだ。

リーヴィット報道官によると、攻撃が行われる前に、マルコ・ルビオ国務長官はいわゆる「ギャング・オブ・エイト(Gang of Eight)」の8人全員に電話をかけ、作戦について通知したということだ。

攻撃に先立ち、ルビオ国務長官は「ギャング・オブ・エイト(the Gang of Eight)」の8人全員に電話をかけ、連邦議会への通知を行った。そして、8人のうち7人に連絡を取り、状況を説明することができた。

(4)連邦議会で戦争権限をめぐる議論が白熱(War powers debate heats up in Congress

イランで最初の爆撃が行われてから数時間後、トランプ大統領の戦争権限(Trump’s war powers)を検証しようとする連邦議員たちは、イランでの作戦をできるだけ早く終結させるための採決を求めていた。

ロウ・カンナ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は「ドナルド・トランプ大統領はイランとの戦争を開始した。連邦議会は月曜日に招集され、トーマス・マシー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)と私が提出した、この戦争を阻止するための戦争権限決議案に投票しなければならない」とXに投稿した動画で述べ、アメリカ国民は海外の紛争に巻き込まれることを望んでいないと主張した。

先週、ウォーレン・デイヴィッドソン連邦下院議員(オハイオ州選出、共和党)は、トランプ大統領のイランに対する軍事行動能力を制限することを目的としたカンナ下院議員提出の決議案を支持した2人目の共和党議員となった。

デイヴィッドソン議員は土曜日に、「憲法の範囲内に収まるほど小さな政府が必要だ」と土曜日にXに投稿した。デイヴィッドソン議員は「問題を解決し、国民に奉仕できるほど効果的な政府が必要だ。そうでなければ、新しい憲法が必要だ」と述べた。

アンディ・キム連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)の戦争権限決議案への投票を連邦上院議員たちに呼びかけた。「トランプ大統領は再び暴力の連鎖を引き起こし、それはすでにエスカレートし、制御不能に陥る恐れがある。これは容認できない」とキム議員はXへの投稿で述べた。

しかしながら、共和党議員の大半は、長年のアメリカの敵対国に対するトランプ大統領の全面攻撃をすぐに支持したため、戦争権限決議案の採決は困難なものとなった。特に連邦下院民主党議員の一部が法案に反対していることを考えるとなおさらだ。

対イランの強硬タカ派であるリンジー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は「私はこの作戦が成功し、長年苦しんでいるイランの人々の解放は目前だと確信している」とXに投稿した。

(5)ホルムズ海峡の船舶航行が停止。原油価格は変動の恐れ(Shipping halts through Strait of Hormuz; oil prices set for swings

イランは世界のエネルギー供給にとって重要な航路であるホルムズ海峡を閉鎖する措置を取っていないものの、大手海運会社はホルムズ海峡海域を避けていると報じられている。

ロイター通信は、複数のタンカー船主、石油メジャー、商社がホルムズ海峡を通る原油、燃料、液化天然ガス(LNG)の輸送を停止したと報じた。

ある企業の幹部は「当社の船舶は数日間、この海域にとどまる予定だ」とメディアに語った。

『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、シェルがチャーターした超大型タンカーが、アラビア湾を通過できず、現在ペルシャ湾で停泊していると報じた。ウォールストリート・ジャーナル紙によると、数十隻のタンカーが現在のところ、ペルシャ湾を避けて航行しているということだ。

これらの混乱が、月曜日まで休場となっている世界の石油市場にどのような影響を与えるかはまだ分からない。

AP通信は、トレーダーたちが中東における戦争の長期化と拡大のリスクを見極める中、週初めに価格が変動すると予測した。

イランは1日あたり約160万バレルの原油を輸出しており、その大部分は中国向けである。もしこの供給が途絶えれば、中国国内の顧客は世界市場で原油の調達先を探すことになり、価格が上昇する可能性がある。

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アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃でハメネイ師が死亡:知っておくべき5つのこと(US-Israeli strikes on Iran result in Khamenei’s death: Five things to know

ライアン・マンシーニ筆

2026年2月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/5760920-trump-iran-regime-change/

イランは、36年間最高指導者(supreme leader )を務めたアリ・ハメネイ師を失った。土曜日にアメリカとイスラエルが共同で攻撃し、ハメネイ師が殺害された。また、イラン全土の軍事司令部やミサイル基地も攻撃された。

トランプ大統領は、アメリカ東部標準時午前2時30分にトゥルー・ソーシャルに投稿した動画で、この攻撃を発表した。イラン赤新月社が国営メディアに伝えたところによると、「壮大な怒り作戦」と名付けられたこの作戦により、少なくとも200人のイラン人が死亡し、約750人が負傷したということだ。

ハメネイ師の死去は、当初イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が報じた。ネタニヤフ首相は、イスラエルの攻撃により最高指導者がテヘランの自宅敷地内で死亡したと主張した。その後、トランプ大統領はトゥルー・ソーシャルへの投稿でハメネイ師の死を認めた。

これからハメネイ師の死去を受けて知っておくべき5つのことを挙げる。

(1)トランプ大統領がイラン国民に体制転換を訴える(Trump pushes Iranians to embrace regime change

トランプ大統領は、アメリカによるイラン攻撃の発表の中で、イラン国民に対し、政府は「あなたたちに委ねられる(will be yours to take.)」と述べた。さらに、「今後何世代にもわたって、あなたたちの唯一のチャンスになるかもしれない」と付け加えた。ハメネイ師が継承した政権は、イラン革命後の1979年以来、権力の座にあった。

トランプ大統領は、先月イランが反政府デモを弾圧した際にも、体制転換を訴えていた。『ポリティコ』誌とのインタヴューで、トランプはハメネイ師を「病人(sick man)」と呼んだ。

土曜日の攻撃の前後に声を上げた批評家たちは、「体制転換(regime change)」という概念を激しく非難し、2000年代初頭のアフガニスタン戦争とイラク戦争で使用された用語と比較した。アメリカが支援する新たな政府は権力の空白を埋めることができず、過激派グループが政権を掌握し、これらの国々やその他の国々の国民にとってより厳しい状況を作り出す余地を残している。

(2)ハメネイ師の死後、イランの将来をめぐる疑問は残る(Questions linger about Iran’s future after Khamenei’s death

ハメネイ師の死去が確認されてから数時間経った現在も、後継候補者は名乗りを上げておらず、イランの第三の最高指導者が誰になるのかは依然として不透明だ。ハメネイ師はイランの二代目の最高指導者であり、1989年に死去したルーホッラー・ホメイニ師の後を継いだ。ホメイニ師はその10年前、イラン・イスラム共和国が政権を握った際に権力を握った。

ハメネイ師の死去前には後継者は決まっていなかったが、ロイター通信は2015年に後継者が選ばれたものの、氏名は非公開と報じている。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は土曜日の攻撃を生き延びたと報じられている。イスラエルは、イスラエルによる攻撃でイランの国防関係の政府高官7人が死亡したと報告している。

(3)アメリカが弱体化したイランを攻撃した(US hit a weakened Iran

アメリカは昨年6月、イスラエルとの共同作戦でイランの核施設3カ所を攻撃し、イランを弱体化させた。トランプ大統領は、これらの施設は「壊滅した(obliterated)」と主張し、情報機関による評価で1カ所はほぼ破壊されたが、他の2カ所は未だ破壊されていないと報告されたことを受けて自己弁明した。

土曜日の攻撃に先立ち、イラン軍とその代理ネットワークへの壊滅的な攻撃が行われていた。トランプ大統領は最初の任期中の2020年、イランの著名なカセム・ソレイマニ将軍を殺害した無人機攻撃の功績を主張した。

中東におけるイランの代理勢力は、様々な壊滅的な打撃に直面している。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララは、2024年9月にイスラエルの空爆によりベイルートで殺害された。イスラエルは2024年10月にハマスの兄弟であり指導者でもあるヤヒヤ・シンワルを、2025年5月にはモハメド・シンワルを殺害した。数カ月後には、フーシ派主導の政権を率いていたイエメンのアハメド・アル・ラハウィ首相もイスラエルの空爆で殺害された。

(4)トランプ大統領が軍事攻撃は継続すると表明している(Trump says military strikes will continue

トランプ大統領はハメネイ師の死亡を発表し、アメリカのイラン攻撃が継続することを示唆したが、攻撃の期間については明確な方針を示した。

トランプは「しかしながら、重度でかつ集中的な爆撃は、今週中、あるいは中東全域、ひいては世界全体の平和という我々の目標を達成するために必要な限り、中断することなく継続される!」と書いている。

大統領の発言は、1月のヴェネズエラへのアメリカ軍攻撃の結果とは異なる。アメリカ軍がニコラス・マドゥロ大統領を拘束した後、両国がヴェネズエラの石油生産と両国間の新たな関係構築の可能性について協議を開始したため、アメリカ軍の攻撃は停止された。

(5)民主党はこれに反発し、戦争権限に関する採決を求めている。(Democrats are pushing back, demanding vote on war powers

民主党は、イランへの攻撃を実行したトランプ政権を広く非難しており、連邦議会の承認なしに行われ、憲法に違反していると主張する議員も多く存在する。

トーマス・マシー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)とロウ・カンナ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、連邦議会の承認なしにイランに対する軍事力を禁じる決議案を連邦下院で採決させると述べた。民主党議員の大半と、共和党のウォーレン・デイヴィッドソン連邦下院議員(オハイオ州選出)は、この決議案を支持する意向を示している。

一方、マイク・ローラー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)とジョシュ・ゴットハイマー連邦下院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、戦争権限決議案には賛成しないと述べた。両議員は先週、この決議案は「現実の、そして進化する脅威に対応するために必要な柔軟性を制限し、危険な局面で弱さを示唆する恐れがある」と述べた。

ローラー連邦下院議員は土曜日、この決議案の成立を強く非難し、民主党は戦争権限法(War Powers ActWPA)を理解していないと非難した。また、バラク・オバマ元大統領とジョー・バイデン前大統領が連邦議会の承認なしに各国への攻撃を行ったことを例に挙げ、戦争開始を連邦議会が承認したのは1941年の第二次世界大戦の時が最後だと述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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『トランプの電撃作戦』
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 イスラエルはハマスからの奇襲攻撃を受け、人質を取られたことで、それを奇貨として大規模な反撃を行い、ガザ地区での大規模な破壊を行った。多くの民間人が犠牲となった。アメリカの仲介による停戦は実行されたが、現在も状況は改善していない。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、自身のスキャンダル隠しと訴追逃れのために、戦争状態を継続している。アメリカのドナルド・トランプ大統領のエプスタイン文書隠し、日本の高市早苗首相の自民党と統一教会の爛れた関係隠しと同様であるが、日本の場合は人間が殺されないだけまだましと言えるだろう。

 話は逸れたが、イスラエルは中東地域において地域覇権ではなく、生存を最優先にしてきた。そのために戦いながら、同時に交渉を行い、スパイ活動を行いながら情報戦を行いながら、近隣諸国と裏舞台では協力関係を保ってきた。中東諸国もイスラエルを公式には認めないスタンスであったが、裏では取引ができるようにしていた。

 ネタニヤフ首相の武力偏重のスタンスで、ガザ地区への大規模な攻撃は、せっかく進められていたサウジアラビアとの国交樹立交渉にも影響を与えた。サウジアラビアとしても、アラブの盟主として、イスラエルを公式に認めることができない状態になってしまった。中東地域の安定という地域共通の利益をイスラエルが破壊していることが根本の問題である。

 イスラエルのガザ地区とイランへの攻撃は短期的には一定の成果を上げるだろうが、中長期的に見て、それがイスラエルの利益になるとは考えられない。イスラエルが中東地域を支配することはあり得ない。武力で中東地域を従わせることはできないし、そもそもがそのような制度設計になっていない。結局のところ、ネタニヤフ首相の私戦を戦っているに過ぎない。これは、イスラエルにとっては一時的な逸脱という見方もできる。

(貼り付けはじめ)

イスラエルは(地域)覇権国にはなれない(Israel Can’t Be a Hegemon

-イスラエル政府は成功する可能性の低い地域支配を狙っている。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2025年6月16日

https://foreignpolicy.com/2025/06/16/israel-iran-war-middle-east-hegemon/

benjaminhetahyahu2024001

イェルサレムの政府報道室(Government Press OfficeGPO)での記者会見で、中東の地図の前で演説するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(2024年9月4日)

イスラエルによるイランへの広範囲にわたる攻撃は、地域のあらゆる敵対勢力を排除または弱体化させるためのキャンペーンの最新のラウンドである。2023年10月のハマス攻撃を受けて、イスラエルはパレスティナ人を意味のある政治勢力として破壊するための残忍なキャンペーンを遂行しており、主要な人権団体や多くの学術専門家たちはこれをジェノサイド(genocide)と呼んでいる。レバノンでは空爆(airstrikes)、爆弾を仕掛けた携帯電話(booby-trapped cellphones)、その他の手段でヒズボラの指導部を壊滅させた。イエメンではフーシ派を攻撃し、アサド政権崩壊後のシリアを爆撃して武器貯蔵庫を破壊し、危険と見なす勢力が政治的影響力を行使するのを阻止した。そして、イランに対する最新の攻撃は、イランの核インフラに損害を与えたり破壊したりする以上のことを目的としている。イスラエルは少なくとも、イランの核計画をめぐる交渉を終わらせたいと考えている。イランの最高指導者、軍関係者、外交官、科学者を殺害することでイランの反撃能力を弱体化させ、可能であればアメリカを戦争にさらに深く引きずり込む。最大限には、イランの体制を崩壊させるまで弱体化させることを望んでいる。

これらの行動はいずれも、少なくとも短期的には、また部分的には成功している。では、今やイスラエルを地域覇権国(a regional hegemon)とみなすべきだろうか? もしそのような国家が「特定の地域における唯一の大国(the sole great power within a particular region)」であり、「全面的な軍事力の試練において、他のいかなる国家(あるいは国家連合)も本格的な防衛力を発揮できない(no other states (or combination of states) could mount a serious defense in an all-out test of military strength)」と定義されるならば、イスラエルは今やその資格を満たしていると言えるだろうか? もしそうであれば、近隣諸国も覇権国に直面した際に他の国々がしてきたように行動することを期待すべきだろうか? つまり、「その優位性を認め、覇権国にとって極めて重要な問題においては従う(recognize its superior power and defer to it on matters of vital interest to the hegemon)」ということだろうか?

一見すると、この可能性は非現実的に思える。人口1000万人にも満たない国(そのうちユダヤ人は約75%に過ぎない)が、数億人(主にイスラム教徒のアラブ人)と9000万人以上のペルシャ人を抱える広大な地域を、どのようにして支配できるのだろうか?

しかしながら、イスラエルが近隣諸国に対して多くの優位性を持っていることを考えると、この考えはより説得力を持つように思える。イスラエル国民はアラブ諸国の国民よりも教育水準が高く、愛国心が強く、より有能な指導者に導かれてきた。イスラエルは裕福で政治的に影響力のあるディアスポラ(diaspora、離散民)から惜しみなく揺るぎない支援を受けており、過去にはイギリスやフランスといった大国からも多大な支援を受けてきた。アラブ諸国のライヴァル諸国の多くは、様々な内部分裂(internal schisms)、動乱(upheavals)、クーデター(coups)に直面し、アラブ諸国間の対立(divided by inter-Arab rivalries)によって分断されてきた。

さらに言えば、現代の軍事力は単なる兵力よりも、技術力、訓練、そして能力の高い指揮統制に大きく依存しているため、イスラエル国防軍(Israel Defense ForcesIDF)は常に、敵対する軍よりもはるかに優れた能力を誇ってきた。この優位性は、戦争が高価で高度な兵器にますます依存するようになるにつれて、さらに高まっている。ヒズボラとハマスは共に時とともに能力を高めていったものの、どちらもイスラエルの存在を脅かしたり、イスラエルがヒズボラとハマスに与えることのできる損害に匹敵したりすることはできなかった。イスラエルの膨大な核兵器と評価の高い情報能力はその立場をさらに強化した。

何よりも重要なのは、イスラエルがアメリカから広範かつほぼ無条件の支援を受けていることだ。アメリカ政府はイスラエルの行動の如何に関わらずイスラエルを支持し、イスラエルの「質的軍事優位性(qualitative military edge)」を維持することを正式に約束している。この支援がなければ、約1000万人のイスラエル人は自国の領土を守ることはできるが(核兵器を保有していることを忘れてはならない)、周辺地域を支配する可能性はほとんどない。

以上の点を考慮すると、イスラエルがより広い中東知己を支配するという考えはそれほど突飛なものではない。しかし、イスラエルを真の地域覇権国と見なすのは誤りだろう。

第一に、地域覇権国は近隣諸国に比べて非常に強力であるため、近隣諸国から重大な安全保障上の脅威を受けることはなく、真のライヴァルがすぐに出現することを心配する必要もない。これは、20世紀初頭までにアメリカが達成した立場だ。他の大国は西半球(the Western Hemisphere)から撤退し、この地域のどの国や組み合わせも、アメリカの経済力と軍事力の組み合わせに近づくことはできなかった。キューバ危機(外部の大国(ソ連)が核兵器搭載ミサイルを西半球に送り込んだ)という短い例外を除けば、アメリカは19世紀後半以降、西半球地域からの重大な軍事的脅威に直面していない。この特権的な立場により、ワシントンは外交・防衛政策をユーラシアに集中させ、戦略的に重要な地域で他の大国が同様の地位を獲得するのを阻止することができた。

今日のイスラエルは、その基準を満たしていない。例えば、フーシ派は依然として反抗的な姿勢を崩しておらず、イスラエル国防軍はガザ地区の住民に甚大な被害を与えたにもかかわらず、依然として泥沼に足を取られている状況だ。イスラエルはヒズボラとハマスを著しく弱体化させたが、これらは非国家アクターであり、イスラエルの存在に実存的な脅威を与えたことはこれまで一度もない。今日、アラブ諸国や連合軍でイスラエルに匹敵するものは存在しない。しかし、トルコとイランはどちらも強力な軍事力とはるかに大きな人口を有しており、総力戦(all-out war)が発生した場合、たとえ最終的に敗北するにしても、それぞれ信頼性の高い防衛体制を構築することができる。つまり、イスラエルはこれらの国々を計算から除外したり、これらの国々が従うと想定したりすることはできない。イランの継続的な抵抗がそれを如実に示している。最近の攻撃に対するイランの報復は、被った被害に比べれば少ないものの、決して軽微なものではなく、紛争はまだ終わっていない。たとえ今回の戦闘で敗北することになったとしても、テヘランが自国の利益をイスラエルに進んで従属させる兆候は見られない。その理由だけでも、イスラエルは地域の覇権国とは言えない。

さらに言えば、これらの最新の攻撃の正当化の根拠は全て、イランがいつの日か核兵器を入手するかもしれないという懸念にあった。リスクは、イランが自殺行為となる核兵器でイスラエルを攻撃することではなく、むしろイランの核兵器が、イスラエルがこの地域で無制限に武力を行使する能力を制限する可能性にあった。イスラエルの指導者たちが、より大きな抑制をもって行動せざるを得なくなる可能性を危険と見なしたことは、彼らが世界唯一の真の地域覇権国であるアメリカが長年享受してきたような「無料の安全保障(free security)」を享受していないことを示している。

イスラエルの最近の戦場での成功も、イスラエルが支配する地域の人口の約半分を占めるパレスティナ人というより根本的な問題を解決してはいない。イスラエルの優れた軍事力と情報能力は、2023年10月にハマスが数百人のイスラエル人を殺害するのを防げなかった。また、それに対する報復としてイスラエルが5万5千人以上のパレスティナ人を殺害したことで、この紛争の政治的解決に近づいた訳でもない。むしろ、イスラエルの世界的なイメージは著しく傷つき、長年の同盟諸国でさえ支援を弱めている。

最も重要なのは、イスラエルが依然としてアメリカ国内の後援者に決定的に依存している点だ。アメリカは、隣国を攻撃するために必要な航空機、爆弾、ミサイルの大半を供給し、絶え間ない外交的保護を提供している。真の地域覇権国は近隣地域を支配するために他国に依存する必要はないが、イスラエルは依存せざるを得ない。強力な国内利益団体の影響力により、アメリカの支援は何十年にもわたって揺るぎないものだったが、近年、この関係には緊張の兆しが見られ、アメリカの力そのものの衰退に伴い、この関係を維持することはさらに困難になるだろう。そして、今回の戦闘が最終的に米国を巻き込むことになれば、ドナルド・トランプ米大統領がアメリカの平和を維持すると信じていた MAGA の支持者たちを含め、より多くのアメリカ国民が、「特別な関係(special relationship)」のためにアメリカが支払っている多大な代償を認識することになるだろう。

最後に、永続的な地域覇権は、近隣諸国が覇権国の優位な地位を受け入れる(場合によっては歓迎する)ことを必要とする。そうでなければ、覇権国は常に新たな反対勢力の出現を懸念し、反対勢力の出現を阻止するために繰り返し行動を取らざるを得なくなる。自らの特権的な地位(privileged position)を他国に受け入れてもらうためには、永続的な覇権国はある程度の寛容さ(forbearance)をもって行動しなければならない。これは、フランクリン・D・ルーズヴェルト元米大統領がラテンアメリカに対して「善隣(Good Neighbor)」政策を採用した際に示したものである。ナポレオン時代のフランス、ナチス・ドイツ、大日本帝国といった地域覇権国を志向した国々が一時的に優位な地位を獲得したものの、当初の成果を固めることができず、最終的にはより強力な反対勢力の連合に屈服したことを想起することに価値がある。

しかし、隣国への寛容を持っての処遇はイスラエルの得意分野ではなく、イスラエルの右翼勢力や宗教過激派の影響力拡大によって、その可能性はさらに低くなっている。これらを総合すると、イスラエルが地域の覇権国となるには程遠い。指導者たちがその地位を望んでいることは疑いない—当然だろう—。しかしそれは永遠に手の届かないものとなる。つまりイスラエル国家の長期的な安全保障は、結局のところパレスティナを含む近隣諸国との永続的な政治的解決の達成にかかっている。これは、永続的な安全保障が最終的に依存するのは力だけではなく政治であるという、また1つの教訓なのである。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。Blueskyアカウント:@stephenwalt.bsky.socialX:アカウント@stephenwalt

(貼り付け終わり)

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