古村治彦です。
石油以外の資源を豊富に持つ国々の存在感と重要性が増している。鉱物資源、特にレアアースは獲得競争状態になっている中で、先進諸国は資源確保に向けて、資源を多く持つ国々に働きかけを行っている。中国は東南アジア、南米、アフリカにいち早く進出し、資源のサプライチェインを構築し、主導権を握っている。欧米の先進諸国は「旧宗主国」という意識がどうしてもぬぐえず、これらの国々から警戒されてしまっている。それは、大航海時代から植民地として過酷な搾取をされてきた歴史があるからだ。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は資源確保に躍起になっている。ヴェネズエラ攻撃もそしてイラン攻撃も石油資源確保がその理由にあるという分析もある。ドンロー主義による、西半球(Western Hemisphere)の支配、南北アメリカ大陸の支配には、資源確保と資源の支配を目論んでいる。ブラジルは南米の地域大国であり、同時に鉄鉱石などの資源を持つ資源大国である。アメリカはブラジルとの関係を強化しようとしているが、うまくいっていない。ブラジルはBRICSの一角であり、アメリカの支配に唯々諾々と従うことはない。
このブログで以前にインドネシアについてご紹介したが、インドネシアは資源大国である。ニッケルや天然ガスを多く産出している。インドネシアはただそれらの天然資源を採掘し、輸出するということではなく、それらの加工、精錬を自国で行うというモデルを構築した。これが他の資源諸国を刺激している。他の国々も自国での加工を行おうという動きに出ている。しかし、それには資金や技術、そして安定した政府やインフラが必要となる。インドネシアのように進めるのは難しい。こうした動きをサポートしているのは中国だ。
欧米の先進諸国は天然資源のサプライチェインを中国が握っていることに危機感を持っている。それは自分たちが「支配」し「搾取」できないということが明らかになっているからだ。適当に援助と結びつけて、安い金で買い叩けばよいということが通じなくなっている。これまで数百年、西洋の先進諸国はそれ以外の地域の国々を搾取し、大きな利益を上げてきた。しかし、BRICSという枠組みが西洋諸国への対抗軸として出現し、中国が主導して、サプライチェインを構築した。先進諸国は「正当な」対価を支払うことを求められるようになったことを「中国が支配する不安」と言い換えている。自分たちが搾取できないことを「不満」に思っている。しかし、世界は変わりつつある。資源大国は協力し合いながら、自分たちの正当な利益を確保する。その流れは止められない。
(貼り付けはじめ)
世界の鉱物資源大国が好機を掴む(The World’s Mineral Powers
Seize Their Moment)
-資源国はこれまで必ずしも資源採掘の恩恵を享受できてこなかった。今回は状況が違うのだろうか?
クリスティーナ・ルー筆
2026年6月2日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/06/02/critical-mineral-trade-trump-china-supply-chain-africa-latin-america/
インドネシア南東スラウェシ州ノース・コナウェの鉱山でニッケル鉱石を積んだダンプカーを捉えた航空写真(2023年8月3日)
重要鉱物をめぐる世界的なブームに巨額の資金が投じられている。これらの資源が「貿易兵器(trade
weapons)」として利用される場面が増え、各国がサプライチェイン(供給網)の脆弱性を解消しようと躍起になっていることがその理由として挙げられる。
そして、資源所有諸国もまた、この好機を最大限に活かそうと熱心に活動している。
ジョー・バイデン政権でエネルギー資源担当の国務次官補を務めたジェフリー・パイアットは、資源産出国は「この瞬間を最大限に利用したい(to take maximum advantage of this moment)」と考えていると指摘している。
コンゴ民主共和国、ボリヴィア、南アフリカといった世界の主要な資源諸国にとって、これはあまりにも馴染み深い展開だ。これらの国々は過去にも資源開発への関心が集中した経験があり、資源採掘や搾取(extraction and exploitation)にまつわる複雑で困難な歴史を経験してきた。
バラク・オバマ政権下で米国務省初のチーフ・エコノミストを務め、現在は外交問題評議会(CFR)に所属するハイディ・クレボ=レディカーは、「資源国はこれまで、資源を吸い上げられるだけの存在として利用されてきた」と述べている。クレボ=レディカーによれば、多くの国が「何十年にもわたる資源採掘の恩恵を享受できていない(have not seen the benefits of the extraction of many resources over
many decades)」のが現状だ。
資源諸国は、今回こそは、その利益を自らのものにしたいと考えている。
ベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)のカタンガ地方にある鉱山の写真(1960年)
重要鉱物はかつて外交政策の分野で片隅に追いやられていたが、今や貿易戦争(trade
wars)や、トランプ政権の露骨な取引重視の外交姿勢を追い風にして脚光を浴びている。
ドナルド・トランプ米大統領は、ウクライナから日本に至るまで新たな取引を求めて世界を奔走する中で、鉱物資源確保への野心を隠そうとはしていない。アメリカの優先事項を明確に示す動きとして、今年初め、マルコ・ルビオ米国務長官は史上初となる重要鉱物に関する閣僚級会合を招集した。この会合でアメリカ政府高官たちは、50カ国以上の代表者に対し、世界規模の鉱物貿易圏(a global minerals trading bloc)の構築を働きかけた。
これらの資源が世界的に極めて重要な安全保障上の課題とみなされるようになるにつれ、鉱物資源確保に総力を挙げているのはアメリカだけではなくなっている。こうした関心の高まりは、鉱物資源に恵まれた国々から歓迎されている。彼らは「資源ナショナリズム(resource nationalism)」の波に乗じ、高まる地政学的影響力を利用して、自国の戦略的産業に対する支配力を強めようと躍起になっているからだ。
『チャイナ・グローバル・サウス・プロジェクト(China-Global South
Project)』編集長エリック・オランダーは次のように語っている。「発展途上国は、こうした様々な大国と関わりを持とうと躍起になっている。重要な問いは、『実際に物事を成し遂げるのは誰か?』ということだ」。
その問いに対する答えは長らく中国であった。中国はこの分野に数十年にわたり資源と投資を注ぎ込み、今や世界の鉱物サプライチェインを強力に支配する地位を確立しているからだ。ウィリアム・アンド・メアリー大学の調査機関「エイドデータ(AidData)」によれば、中国は20年以上にわたり47カ国での採掘・加工事業に約980億ドルを投じており、世界の重要鉱物プロジェクトにおける最大の資金提供者となっている。
「中国は、金融、政府系保険、そして実際に事業を遂行できる政府系鉱業会社からなるエコシステム(経済圏)を構築していることを証明してきた」とオランダーは指摘している。
しかし現在、提示される案件は増える一方であり、単一の取引相手に縛られたいと考える者は誰もいない。
特にトランプとの交渉において、各国政府は、自国の豊富な鉱物資源を「切り札」にすることで、トランプの歓心を買ったり、投資を引き出したりできることを学んだ。さらに選挙という要素も加わり、各国政府は、資源の富や外国からの関心を活用して、国内での政治的成果につなげることへの関心を一層強めている。
こうした背景のもと、トランプ政権はコンゴ民主共和国を含む世界各地で取引を模索してきた。アメリカはコンゴ民主共和国との和平合意の仲介役を務め、その合意によってアメリカ企業は鉱物資源へのアクセスを得ることになった。(一方、ワシントンは、コンゴのフェリックス・チセケディ大統領が任期制限である2期を越えて、3期目を目指す動きを見せているにもかかわらず、沈黙を守っている。批判派はこれを露骨な権力掌握だと非難している。)
「アメリカが重要な鉱物資源へのアクセスを確保できる限り、トランプ政権にとって他のことは何も重要ではない」と『チャイナ・グローバル・サウス・プロジェクト』のアフリカ担当編集者クリスチャン=ジェロー・ニーマは述べている。
しかし、トランプの取引的なアプローチは必ずしも支持を得てきてはいない。最も激しい対立を生んだ事例の1つとして、先月、アメリカとザンビア間の協議が決裂した。ザンビア側は、トランプ政権が保健援助の条件として鉱物資源へのアクセスを求めていると非難した。
ザンビアは銅の主要産地であり、ワシントンが中国の「一帯一路」構想(China’s
Belt and Road Initiative)への対抗策として長年推進してきた広大な鉄道プロジェクトである「ロビト回廊(the Lobito Corridor)」の一部となっている。8月に選挙を控える中、ザンビア政府は2031年までに銅生産量を大幅に増加させるべく、海外からの投資を積極的に誘致していた。
しかし、当時のザンビア外相ムランボ・ハイムベは、6ページにわたる厳しい内容の声明の中で、ワシントンが鉱物資源への優遇アクセスを要求し、鉱物資源取引を約20億ドルの保健援助と結びつけていると非難した。
「ザンビア政府は第一に、ザンビア国民が自国の重要な鉱物資源の利用方法について発言権を持つべきであり、第二に、いかなる戦略的パートナーも他国より優遇されるべきではないという正当な見解を持っている」とハイムベ外相は述べた。
これに対し、アメリカ政府当局者は反論している。米国務省の報道官は『フォーリン・ポリシー』誌への電子メールを通じての回答で、「ザンビアに提案したものを含め、『アメリカ・ファースト・グローバル・ヘルス(America First Global Health)』に基づくどの覚書(MOU)にも重要鉱物に関する条項は含まれていない」と述べた。
この報道官はさらに、「ザンビアに提示された覚書案は、純粋にデータに基づく影響評価と説明責任の指標を基盤としており、ザンビアが外部からの保健医療支援への依存を減らせるよう、持続可能な医療インフラを構築することを目的としている」と付け加えた。「国務省は現在もザンビア政府当局と保健医療に関する覚書について協議を続けており、前向きな結果が得られると楽観視している」。
大西洋の反対側でも、アメリカはブラジルに対し重要鉱物協定の締結を働きかけてきたが、成果は上がっていない。南米に位置するブラジルは金採掘の長い歴史を持ち、世界第2位の埋蔵量を誇るレアアース(希土類)資源を擁しているが、ブラジル政府はこれまでその開発・活用を試みてきたものの、その多くは失敗に終わっている。
アメリカとブラジルは長年にわたり重要鉱物分野での協力について検討してきたが、トランプ政権はここ数カ月、協定締結に向けた圧力を強めていると報じられている。
しかし、『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、ブラジル政府当局は、中国よりも優先的に鉱物へのアクセス権をアメリカに与えることや、何らかの排他的な協定に署名することに対して、これまでのところ難色を示しているという。また、ブラジルはインド、韓国、日本、そしてヨーロッパ諸国とも鉱物分野での協力を模索しており、世界的な連携を拡大しようとする姿勢を明確にしている。
それでも、アメリカ企業は大きな進出を果たしている。USAレアアース社は最近、ブラジルの企業セラ・ヴェルデ(Serra Verde)を買収する28億ドル規模の契約を発表した。セラ・ヴェルデはレアアース鉱山と処理施設を所有している。この鉱山は、特に「重希土類(heavy rare earth)」が豊富であることで知られている。重希土類は、中国がアメリカとの最近の貿易摩擦において、その処理工程を支配していることを武器化して利用したまさにその資源だ。
USAレアアース社のバーバラ・ハンプトンCEOは4月、外交専門誌『フォーリン・ポリシー』に対し、「ブラジルは、世界経済を動かすために中国以外から調達する必要がある重要物資の供給において、まさに要(かなめ)となる位置にある」と述べた。
今後、いくつかの障害が待ち受けている可能性もある。特に、ブラジルでは今年後半に選挙を控えているためだ。ブラジルの政治家たちは国家安全保障上の懸念を理由にこの取引に強く反対しており、ブラジルの独占禁止法担当当局も先月、この買収計画について調査を開始すると発表した。この調査には、アメリカ企業との15年間にわたるオフテイク契約(生産物全量引き取り契約)の条件に関する精査も含まれる。
USAレアアース社はコメントを拒んだ。
ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領の発言を見る限り、ブラジルは慎重な姿勢で進めているようだ。ルーラ大統領は3月、具体的な相手の名は挙げずに「彼ら」と呼び、次のように語った。「彼らは私たちのあらゆるものを奪った挙句、今度は私たちが持つ重要鉱物やレアアースまで所有しようとしている。彼らは私たちを再び植民地化しようとしている」。
ワシントンのアメリカ平和研究所にて、ルワンダのポール・カガメ大統領(左)とコンゴのフェリックス・チセケディ大統領との和平合意調印式を主催し身振り手振りを交えて話すドナルド・トランプ米大統領(2025年12月4日)
地下に豊富な資源が眠っていることだけが経済の全てではない。ブラジル、ザンビア、コンゴのように鉱物資源に恵まれた国であっても、常に大きな課題となってきたのは、採掘された原鉱石を、世界中で需要の高い、より付加価値の高い加工素材へと転換することだ。そこで登場するのが中国だ。中国は、重要な鉱物資源のサプライチェインにおける加工工程(processing)を圧倒的に支配している。
しかし今や、資源豊富な国々は、単に原材料を輸出するだけでは満足していない。自国で加工も行いたいと考えている。しかしながら、その道のりは容易ではない。
外交問題評議会(CFR)の専門家であるクレボ=レディカーは次のように指摘している。「大きな課題の1つは、採掘事業を、その国自身により大きな利益をもたらすような形で構築できるかどうかという点だ。そして、さらに大きな問いは、それらの国々がヴァリューチェイン(価値連鎖)の上流へと段階的に移行できるか?、ということだ」。
インドネシアは数年前、加工・製造能力の構築と投資誘致の一環として、ニッケル原鉱の輸出禁止やその他の商品輸出規制を導入し、その「成功の作戦書(playbook)」を確立した。インドネシア政府は現在、さらに一歩踏み込んだ動きを見せており、商品輸出を一元管理し、戦略的分野への統制を強化する国営機関を設立する新たな計画を進めている。
他国もこの動きを注視している。コロンビア大学グローバル・エネルギー政策センター上級研究員ザイナブ・ウスマンによると、インドネシアの措置はアフリカ諸国政府の同様の動きを促すきっかけとなった。アフリカ諸国は現在、探査・採掘・鉱山開発といった段階にとどまらず、加工・精錬・製造といったヴァリューチェインの下流工程への投資を積極的に求めている。
ジンバブエは、未加工の鉱物およびリチウム精鉱の輸出を全面的に停止した。ガーナは2030年までに未加工の鉱石の輸出を停止する計画を立てている。モザンビークも、マリやブルキナファソと同様の措置として、鉱山プロジェクトへの国家の権益確保や鉱物輸出の制限を盛り込んだ法改正を検討している。
ウスマンは次のように述べている。「こうしたアフリカ諸国は今、これまでとは異なるやり方を採用することを決断している。彼らは、未加工の鉱石ではなく、加工・精錬された鉱物を輸出できるかどうかを模索している」。
しかし、大きな課題が立ちはだかっている。新たなサプライチェインを構築するには専門知識、技術、時間、そして継続的な資本が必要となる。コモディティ価格の激しい変動(これは周知の事実だ)や、適切なガヴァナンスおよび政治的安定性への懸念がある中で、長期的な投資を呼び込んだり、強靭なサプライチェインを構築したりすることは容易ではない。
過去の事例を見れば、鉱物資源による富を十分に活用することがいかに困難であるかが理解できる。ヴェネズエラから太平洋の島国ナウルに至るまで、多くの国が資源による富を経済成長の原動力に変えようと試みては失敗してきた。価格の乱高下、ずさんな管理、そして汚職によって、その産業が崩壊してしまったからだ。
この分野で機運が高まっているとはいえ、加工分野における中国の圧倒的な力に対抗するための即効性のある解決策は存在しない。また、アメリカやその他の国々が公約を最後まで実行に移すかどうかも不透明だ。
オランダーは次のように指摘する。「アメリカやヨーロッパは、ほぼ全ての取引において、採掘という側面にばかり目を向けている。精錬や加工といった側面についてはほとんど議論されていないが、そこは依然として、重要鉱物のサプライチェインの大部分を中国が強力に支配している領域である」。
さらに、地域社会が負担する代償という問題もある。鉱業は世界的に見ても極めて環境負荷の高い産業として知られており、汚染、環境破壊、安全上のリスク、そして死傷事故といった問題を長年にわたり引き起こし、世界各地で地域住民からの反発を招いてきた。
こうした反発によって、一部のプロジェクトが頓挫する事態も生じている。昨年、エクアドルでは数万人が街頭でデモを行い、あるカナダ企業による金採掘プロジェクトに抗議した。住民たちは、このプロジェクトが重要な水源に悪影響を及ぼすと主張した。こうした世論の圧力に押され、エクアドル政府は最終的に、その企業に対する環境認可を取り消す決定を下した。
『採掘:グリーン資本主義の最前線(Extraction: The Frontiers
of Green Capitalism)』の著者で、プロヴィデンス・カレッジの政治学者であるテア・リオフランコスは、鉱業やそれに続く開発事業には「極めて甚大な環境的・社会的コスト(really intense environmental and social cost)」が伴うと指摘している。
しかし、世界的な資源獲得競争が加速する中、これらの国々の指導者たちは事業拡大に全力を注いでいるようだ。
戦略国際問題研究所(CSIS)で「重要鉱物安全保障プロジェクト(the Critical Minerals Security project)」ディレクターを務めるグレースリン・バスカランは次のように述べる。「アフリカやラテンアメリカの多くの国々にとって、雇用、インフラ投資、そして経済成長は不可欠なものであり、鉱物資源はその実現に向けた最良の手段となる」。
※クリスティーナ・ルー:『フォーリン・ポリシー』誌スタッフライター。Blueskyアカウント:@christinalu.bsky.social、 Xアカウント:@christinafei
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アメリカの戦時資金準備完了(America’s War Chest in
Waiting)
-ワシントンが新たに手にした外交手段は2000億ドルの小切手だ。
クリス・ヒューズ筆
2026年1月12日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/01/12/united-states-war-venezuela-military-development-finance-corporation/
外国元首の拉致は戦争行為とみなされる可能性がある。ワシントンでは、これは交渉の口火を切るための布石となった。ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の劇的な拉致事件後、ドナルド・トランプ米大統領とその政権は、アメリカのエネルギー企業がヴェネズエラに再進出し、石油採掘を行い、企業の利益とヴェネズエラ政府の歳入を支えることを明確にした。石油・ガス業界の幹部たちは大規模投資に慎重な姿勢を示しているが、アメリカ政府は合意形成を促進する新たな手段を入手した。
先月、連邦議会は大規模な外国投資銀行設立に向けた準備を進めたが、この動きはほとんど報道されなかった。2025年12月に可決された2026年度国防権限法は、あまり知られていない開発金融公社(Development Finance Corporation、DFC)に対し、アメリカの外交政策および国家安全保障上の利益に合致するプロジェクトを支援するため、最大2050億ドルの公的資金を投資する権限を与えた。対照的に、トランプ政権による予算削減以前の米国際開発庁(the U.S. Agency for International Development、USAID)の予算は約350億ドルだった。
開発金融公社(DFC)は、トランプ政権初期に超党派の支持を得て設立され、新興国経済の発展を公的資金で加速させるという限定的な使命を担っていた。12月の再承認により、その任務は劇的に拡大され、開発金融はアメリカの外交政策を推進し、より広範な国家安全保障を強化するための、柔軟な国家戦略の手段へと変貌した。
この拡大は、まさに危機的な状況下で行われた。第二次ドナルド・トランプ政権は、公的権力を私的な影響力として扱うという、異例の姿勢を示しており、これは「取引による統治(rule by deal)」と呼べる統治方法である。サプライチェインを強化したり、同盟諸国による重要鉱物・エネルギー資源の生産を支援したりできる国家資本(state capital)は、現政権によって武器化される可能性もある。新たに拡大された開発金融公社は、外国の指導者たちを転覆させたり、従属政権(client regimes)に報いたり、法ではなく支配によって定義される国際秩序を構築したりするなど、強制力を行使する手段となり得る。
ヴェネズエラでは、開発金融公社は理論上、民間企業が自己資金では敬遠しがちなプロジェクト、例えばパイプラインの修繕、貯蔵施設の改修、油田サーヴィスなどへの投資を保証できる可能性がある。これは政権の外交政策目標の達成に貢献するかもしれないが、同時に政治的な恩恵供与の始まり(openings for political patronage)となることも明白だ。危険なのは公共投資(public investment)そのものではなく、誰がそれを管理し、どのような目的で使用するかという点である。
公共機関が市場の誘導に役立つと考える私たちにとって、これらの機関を廃止したり弱体化させたりすることが解決策ではない。異なるリーダーシップの下であれば、同じ能力でクリーンエネルギーなどの将来有望な産業への投資や、重要な鉱物資源のサプライチェインが権威主義的な競争相手によって独占されないようにすることで、同盟諸国の経済を強化できるはずだ。
むしろ、開発金融公社の拡大と同時に、現在そして将来にわたってその悪用を防ぐために、民主的な説明責任(democratic accountability)を強化しなければならない。政治的リスクだけを理由に公共投資を放棄すべきではない。効果的な説明責任の仕組みを求めるべき理由なのだ。
濫用の可能性はあるものの、適切な説明責任メカニズムが導入されれば、開発金融公社の権限と規模の拡大はアメリカの外交政策を強化する可能性を秘めている。アメリカ企業によるフロンティア市場への投資を促進するために設立されたこの機関は、世界中の戦略産業を牽引する存在となる可能性を秘めている。開発金融公社が投入する公的資金は、強靭なサプライチェインの構築、同盟諸国の製造能力の支援、そして重要産業における中国の支配の阻止に活用されるだろう。これらは全て、民主党と共和党の双方から支持されている目標である。
この法律が制定される以前は、開発金融公社(DFC)はアルゼンチンのリチウム加工施設への融資は可能だったが、世界有数のリチウム埋蔵量を誇り、アメリカと情報共有を行う緊密な同盟国であるオーストラリアへの融資はできなかった。ヴェトナムの半導体パッケージング事業への支援は可能だったが、日本や韓国への同様の投資は不可能だった。こうした地理的な制約により、アメリカの開発金融は、戦略的な機会が限られている開発途上諸国では自由に活動できる一方で、投資によって最大の利益が見込める同盟諸国では活動が制限されるという、いささか不利な立場に置かれていた。
この新法により、情報共有協定を結んでいるファイヴ・アイズ諸国(オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス)への投資はほぼ無制限に可能となり、その他の富裕国への投資は、エネルギー、重要鉱物、レアアース、海底ケーブルを含む情報通信技術関連のプロジェクトに限られるようになった。富裕国への投資額は、開発金融公社の負債総額の10%、すなわち約200億ドルを超えてはならないとされている。
新設された開発金融公社は規模も権限も拡大したものの、依然として大きな制約に直面している。新法は、開発金融公社がリスクを取り、融資では不可能な形で成果を左右できる株式投資能力に関する課題に十分に対処できていない。株式投資は、開発金融公社に企業統治への影響力、情報へのアクセス、そして事業の長期的な発展を方向付ける能力をもたらす。
新法は、2018年の認可で定められた株式投資総額の上限35%を維持しているが、既存の政府会計基準では依然として融資に比べて株式投資が不利に評価されている。この問題を緩和するため、新法は50億ドルの株式回転資金を創設し、開発金融公社が実現利益を連邦議会の予算承認を経ずに将来の投資に再投資できるようにした。しかし、この50億ドルという新たな資金は、現状では空っぽだ。真の課題は、連邦議会がこの資金を拠出するかどうか、そして拠出がいつになるかである。
他国の成功事例から、外国投資銀行が国家の外交政策遂行能力を著しく強化できることは明らかだ。公的資本の戦略的活用における最も明確な前例は中国だ。中国開発銀行と中国輸出入銀行は合わせて2兆ドルを超える資産を保有し、「一帯一路」構想(the Belt and Road Initiative)の金融基盤を担っている。両行は株式投資を行い、複雑な取引を構築し、中国の戦略的利益を促進する長期的な関係を築いている。
このモデルを実証したのは中国だけではない。ドイツのKfWは、戦後復興のための信用機関として設立されたが、世界最大級の国立投資銀行へと発展し、その資本をクリーンエネルギーへの移行や戦略的な産業投資に活用している。欧州投資銀行(European Investment Bank、EIB)やシンガポールのテマセクも同様に、ヨーロッパ連合(EU)全体で同様の役割を果たしている。
長年にわたり、アメリカの政策立案者たちは、アメリカの投資力不足を嘆いてきた。中国は長期的な資本投資を国家戦略の手段として活用した一方、アメリカは援助プログラム、技術支援、そして「ルールに基づく秩序(rule-based order)」への建前上の関与に頼ってきた。2023年、当時連邦上院議員だったマルコ・ルビオは、左派経済学者ラリー・サマーズが提唱した言葉を引用し、アメリカの援助を受ける多くの国が「中国と協力すれば空港が手に入るが、アメリカと協力すれば説教されるだけだ」と不満を漏らしていると述べた。権限を強化された国際金融公社(DFC)はこうした状況を変える可能性があるが、同時にワシントンは国際金融公社がトランプ政権の私的資金源とならないよう対策を講じる必要もある。
連邦議会は開発金融公社がその使命を果たすために、引き続き予算を計上する必要がある。次回予算を計上する際には、より明確な条件を付すべきである。
第一に、連邦議会は、大統領、副大統領、閣僚、およびその近親者、ビジネスパートナー、支配下にある企業に直接的かつ重大な利益をもたらすプロジェクトへの開発金融公社の融資を禁止すべきだ。もはやホワイトハウスの住人の誠実さに頼って公正な取引を保証することはできない。したがって、法律は、政権関係者の個人的利益に大きく寄与する可能性のある投資を開発金融公社が追求することを明確に禁止しなければならない。
連邦議会は開発金融公社の監督体制を強化すべきだ。既存の開発金融公社監察官には適切な予算が与えられ、大統領の干渉から保護されるべきだ。アメリカ政府会計検査院(Government Accountability Office、GAO)は、開発金融公社の大規模取引について定期的な監査を実施することが義務付けられ、アメリカ政府会計検査院の最高経営責任者は説明責任を確保するために定期的に連邦議会で証言すべきだ。内部告発者も明確に保護されるべきだ。最高裁判所がハンフリー対アメリカ訴訟の判決を覆さず、告発理由保護の継続を認めるならば、連邦議会は連邦準備制度理事会(FRB)と同様の保護された理事会を設置することも検討すべきだ。
こうした変化があったとしても、開発金融公社は、その基盤となる民主政治体制的エコシステムの機能に依存している。連邦議会による継続的な監視、独立した裁判所、積極的な調査報道、そして競争的な選挙は、公的資金を個人的または政治的な利益のために流用しようとする行政機関に対する、強固な抑止力となるべきである。
腐敗を抑制するための適切な措置が講じられれば、近年超党派で支持されている、国家運営の手段としての公的投資(public investment)は、国境を越えて拡大されるべきである。
オーストラリアの重要鉱物プロジェクトにおいて株式投資権限が妥当であるならば、アリゾナ州の同様のプロジェクトにおいても同様に妥当である。開発金融公社(DFC)の投資権限を3倍に拡大し、その地理的範囲を富裕な同盟諸国にまで広げる意思のある政権と連邦議会は、国内展開を承認することで、この事業を完遂する意思を持つべきだ。ただし、その際、当初からより強固なセーフガードを構築する必要がある。
アメリカには、このようなアメリカ中心の機関の先例がある。1932年に設立され、フランクリン・ルーズヴェルト大統領の下で大幅に拡大された復興金融公社(Reconstruction Finance Corporation、RFC)は、20年間にわたりアメリカの国立投資銀行として機能した。復興金融公社(RFC)は世界恐慌時に破綻寸前の銀行を救済し、産業・住宅投資の活性化を促進し、アメリカが第二次世界大戦に勝利するための産業動員(the industrial mobilization)に資金を提供した。復興金融公社とその関連機関は、日本が天然資源へのアクセスを断った際に合成ゴム工場を建設し、航空機生産の需要が高まった際にアルミニウム精錬所を建設し、自動車メーカーが年間数万機の航空機を生産できるよう支援した。
復興金融公社は1950年代初頭に解散した。これは、戦後の自信過剰によって、もはや強靭な国内経済の構築に公的投資資本は必要ないという認識が広まった結果である。この誤った認識は、危機が次々と発生し、海外の国家支援を受けた競合企業が、公的資本がいかに強力な市場形成力を持つかを証明した後も、数十年にわたって根強く残った。
拡大された開発金融公社(DFC)は、左右両派における政治経済学への転換の一環であり、アメリカの政治目標は市場形成を伴う公的投資を通じてしばしば達成できるという認識に基づいている。今問われているのは、連邦議会がこの権限を、長期的に強靭かつ正当なものとするための民主的な制約と結びつけることができるかどうかである。
※クリス・ヒューズ:『マーケットクラフターズ:アメリカ経済を形作るための100年の苦闘(Marketcrafters: The 100-Year Struggle to Shape the American Economy)』著者。経済安全保障プロジェクト(Economic Security Project)議長。
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ドナルド・トランプの国家資本主義を数字で見てみる数字で見る(Trump’s State
Capitalism, by the Numbers)
-ドナルド・トランプ米大統領が政府出資を行った企業とセクター。
『フォーリン・ポリシー』誌スタッフ
2026年1月14日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/01/14/trump-state-capitalism-equity-stakes-list-companies/
ドナルド・トランプ米大統領は、2期目の最初の1年間、前例のない形で政府と企業の境界線を曖昧にしてきた。その範囲は、ソヴリン・ウェルス・ファンドの設立の試みから、ヴェネズエラ大統領の軍事拘束まで多岐にわたる。この拘束作戦は、少なくとも部分的には、ヴェネズエラの膨大な石油資源をアメリカ企業に開放することを目的としていた。トランプ大統領は、これらの企業を株主や取締役の意向ではなく、自身の意向に従わせるために補助金を与える可能性を示唆した。
トランプ大統領はまた、関税[tariffs](そして優遇企業への特例措置[preferential exemptions for favored firms])、輸出税(export taxes)、規制による威圧(regulatory bullying)など、経済への国家介入(state intervention)を前例のないレヴェルにまで拡大させた。
しかし、トランプ政権の国家資本主義(state capitalism)への転換を最も明確に示したのは、10社以上の企業に直接出資したり、利益分配の交渉を行ったりしたことである。トランプ大統領は、歴代大統領のほとんどが行わなかった形で国家資本主義を受け入れたが、これは中国やロシアといった国々における国家介入の典型的な例である。この傾向は2026年にはさらに加速する見込みだ。
トランプ政権が数十億ドルもの税金を投入している企業の一覧は以下の通り掲載する。
(1)アトランティック・アルミナ(Atlantic Alumina Co.)
このリストに最近加わった企業として、トランプ政権は1月に、ルイジアナ州に拠点を置くガリウム企業アトランティック・アルミナ(ATALCO)に1億5000万ドルの株式投資を行うと発表した。
半導体製造に不可欠な原料でありながら、あまり知られていないガリウム(Gallium)は、数年前に中国が輸出規制を課して以来、ワシントンにとって最大の懸念事項となっている。アメリカは現在、アルミナ製造の副産物であるガリウムを生産しておらず、ATALCO社は将来的にはアメリカのガリウム需要を全て満たす見込みだと述べている。(クリスティーナ・ルー筆)
(2)インテル(Intel)
おそらくこの種の取引の中で最も注目を集めたものと言えるのが、トランプ大統領が8月に発表した、かつては名門だったものの現在は経営難に陥っている半導体製造会社インテルの株式約10%(約110億ドル相当)を取得するという取引だ。これにより、アメリカ政府はインテルの筆頭株主となる。
トランプは政府がこれらの株式に「何も支払っていない」と豪語したが、インテルは実際には、バイデン政権のCHIPS・科学法に基づき承認された助成金という形で、政府の参入を認める見返りに納税者の資金を受け取っていた。(リシ・イエンガー)
(3)コリア・ジンク(Korea Zinc)
2025年12月、トランプ政権は、韓国のコリア・ジンクがテネシー州に建設する精錬所の株式40%を取得する契約を締結した。この契約の一環として、アメリカ政府と匿名の米投資家たちもコリア・ジンクの株式10%を保有することになる。
トランプ政権は、コリア・ジンクとの提携によるメリットを歓迎している。複数のアメリカ政府当局者によると、この製錬所は2029年の操業開始時には年間54万トンの重要鉱物を生産できる可能性がある。また、ハワード・ラトニック米商務長官によると、2026年からはワシントンはコリア・ジンクの世界生産量への優先的なアクセス権を得ることになる。(クリスティーナ・ルー)
(4)リチウム・アメリカズ(Lithium Americas)
アメリカ政府は現在、アメリカ最大級のリチウム鉱床を開発するリチウム・アメリカズ社の株式を保有している。ホワイトハウスは、「サッカー・パス(Thacker Pass)」と呼ばれるこのプロジェクト(2028年操業開始予定)を、世界最大のリチウム加工国であり、世界第3位の生産国である中国をはじめとする他国へのアメリカのリチウム依存度を大幅に削減するための重要な一歩と位置付けている。
サッカー・パス・プロジェクトは長年にわたり超党派の支持を得ており、ジョー・バイデン政権はサッカー・パス・プロジェクトに対し23億ドルを超える連邦融資を承認している。しかし、トランプ政権は、以前の承認にもかかわらず、融資を再評価すると表明し、最終的に、アメリカ政府が同社およびプロジェクトの株式を取得する代わりに、トランプ政権が融資の一部を放出するという合意に達したと発表した。その他にもいくつかの条件が盛り込まれている。(クリスティーナ・ルー)
(5)MPマテリアルズ(MP
Materials)
トランプ政権は昨年(2025年)、アメリカのレアアース産業の活性化に向けた最も注目すべき動きの一つとして、数十億ドル規模の取引を発表した。この取引により、米国防総省は、現在アメリカで最大かつ唯一の稼働中のレアアース鉱山を運営するMPマテリアルズの筆頭株主となる。
レアアースは、アメリカと中国の貿易戦争における最大の弱点の一つとして浮上しており、ホワイトハウスは過去1年間、アメリカの鉱物サプライチェインの安全保障強化に向けた取り組みを強化してきた。
この合意に基づき、国防総省はMPマテリアルズの株式15%を取得し、MPマテリアルズはレアアース磁石の新工場を建設する。米国防総省は、その工場の生産物を買い取り、最低価格を設定することを約束している。(クリスティーナ・ルー)
(6)エヌヴィディア(Nvidia)
シリコンヴァレーの巨大企業NVIDIAは、世界的な人工知能ブームを支える半導体チップへの天文学的な需要によって、世界で最も価値の高い企業へと成長した。そしてトランプ大統領は、この急成長を、かなり型破りな方法で利用しようとしてきた。
2025年12月、トランプ大統領はNVIDIAに対し、中国への先端チップ販売を許可した。これは、バイデン政権が導入した輸出規制の一部を撤廃するものであり、その見返りとして、販売額の25%をNVIDIAに支払うという条件だった。これは、トランプ大統領が8月にNVIDIAとその最大のライバルであるAMDと合意した、中国向け販売額の15%を受け取るという当初の条件よりも大幅な改善である。(リシ・イエンガー)
(7)トリロジー・メタルズ(Trilogy Metals)
国内鉱業の拡大に意欲的なトランプ政権は、アラスカで物議を醸している銅・亜鉛採掘プロジェクトを進めるカナダ企業トリロジー・メタルズに出資した。ジョー・バイデン政権は、アラスカの原生自然を横断する大規模な道路建設に反対し、環境保護運動を巻き起こしていた。しかしトランプ政権は、このプロジェクトを支援し、同社に数千万ドルを投資することで、正反対の方向へと突き進んでいるようだ。(クリスティーナ・ルー)
(8)USスティール(U.S.
Steel)
トランプ政権による国家資本主義への最初の大きな介入は、日本の日本製鉄とUSスティールの買収合戦への直接介入だった。この買収合戦は、通常ヨーロッパでしか見られない妥協案で決着した。それは、トランプ自身が米大統領として、新会社の投資と生産に関する決定に拒否権を持つ黄金株(golden share)を発行するというものだ。この黄金株は次期米大統領に引き継がれる。
2025年11月下旬、トランプ大統領は商務省の職員2名を、自身とアメリカ政府を代表して、新たに合併した会社の取締役に任命した。世界中の他の鉄鋼会社が過剰生産能力と「グリーン・スティール(green steel)」(炭素排出量の少ない鉄鋼)への移行に苦慮する中、日本鉄鋼傘下の新会社USスティールは、全く異なる一連の指示に直面することになるだろう。(キース・ジョンソン)
(9)ヴァルカン・エレメンツとリエレメント・テクノロジーズ(Vulcan
Elements/ReElement Technologies)
トランプ政権はレアアース推進の一環として、レアアース関連の新興企業2社ヴァルカン・エレメンツとリエレメント・テクノロジーズに出資した。ホワイトハウスの合意には、米国防総省からの融資2件(ヴァルカン社に6200億ドル、リエレメント社に8000万ドル)に加え、商務省からの5000万ドルの連邦補助金、さらに数億ドル規模の民間資金が含まれている。
両社は、この資金によって今後数年間で磁石の生産量を年間1万トンまで拡大できるとしている。その見返りとして、米国防総省は両社のワラントを取得し、商務省はヴァルカン・エレメンツの株式5000万ドルを取得する。(クリスティーナ・ルー)
(10)ウェスティングハウス(Westinghouse)
トランプ政権は、民生用原子力発電(civilian nuclear power
generation)の復興を重点課題としており、規制審査の迅速化と新規原子炉建設の促進を目的とした一連の大統領令や法改正を実施してきた。
2025年10月、アメリカ政府は、アメリカ最大の原子炉メーカーであるウェスティングハウス・エレクトリック(AP1000は現代原子力発電所のゴールドスタンダード)の株式8%を取得するオプション権を獲得した。ウェスティングハウス・エレクトリックが再び株式公開すれば、さらに大きな株式を取得するオプションも含まれている。現在、ウェスティングハウス・エレクトリックは、ウラン燃料供給会社とクリーンエネルギー投資会社という2つのカナダ企業によって共同所有されている。一方、アメリカ政府との「戦略的パートナーシップ(strategic partnership)」は、少なくとも800億ドルの原子力発電投資を促進することを目的としている。(キース・ジョンソン)
(11)xライト(xLight)
トランプ政権は、シリコンヴァレーを拠点とするリソグラフィーのスタートアップ企業で、より高度な半導体製造プロセスの開発に注力するxライトへの出資に合意した。政府の出資額はまだ明らかにされていないが、商務省は同社に最大1億5000万ドルを投資すると表明している。(クリスティーナ・ルー)
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』












































