古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:インフラ整備

 古村治彦です。

 2021年5月29日に発売された『』は全国の大型書店にてお求めていただけます。アマゾンでも販売中です。電子書籍版も出足好調という報告をいただきました。是非手に取ってお読みください。

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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める


 以下の記事は、アメリカの超大富豪たちが税金をほとんど納めていないということを紹介している。税控除制度を利用して税率を低くしたり、税金を全く納めていなかったりということが明らかにされた。その内容は以下の通りだ。

(貼り付けはじめ)

「富豪らは富を築いたり相続したりし、それを担保に借金をする。富の増加分は現金化せず、所有する株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じないという。

「そして銀行から比較的低率で借り入れをし、それで暮らす。借金の利子は所得の控除に使える」と同記者は話した。

プロパブリカは、米誌フォーブスのデータを基に、アメリカで最も所得の多い25人の富の合計が20142018年に4010億ドル増えたと推計。しかし、支払われた所得税は計136億ドルだったとした。」

会社勤めのサラリーマンの給料は全て(もしくはほとんど)補足され、税金と社会保障関係で5割近く持っていかれるというのが日本の現状だ。アメリカでもそれは変わらないだろう。それに対して、超大富豪たちは「借金」をして、その借金のお蔭で税金を免れている。普通のサラリーマンが銀行に行って同じようなことをしようにも、そもそも「富」がないのでできない。「何を言っているんですか」と嘲笑されて、追い返されるだけだ。

民主党のバイデン政権は、大規模なインフラ整備のため、600兆円規模の国家予算を提案した。その財源として法人税の増税と富裕層への増税を主張している。しかし、ここで言う富裕層とは「サラリーマンの高額所得者」で、年収が数千万円以上あるが、それを補足しやすく、税金と社会保障の網をかけやすい人たちということになり、超大富豪は関係ないということになる。

バイデン政権は今回の調査報道について違法だと反発している。それは当たり前のことで、こうした超大富豪たちは民主党の大金主である。スポンサー、パトロン、旦那、と言い換えることができる。この人たちが困るようなことを下僕である民主党政権が許容することはない。バイデン政権の本音は「余計なことをしやがって。超大富豪への課税をしなくちゃいけなくなるだろうが。あの方たちを困らせるようなことはできないのに。党内のうるせー進歩主義派が騒ぐのも嫌なんだよ。せっかくリベラルな政策をやって黙らして、財源はあいつらが言っている通りに国債で賄おうと思っているんだから」ということになる。

アメリカのマイナーなウェブメディアの報道をBBCが取り上げ、日本語にして報道しているという点も注目だ。アメリカのポチであるのはイギリスも変わらないのだが、これは精一杯の反撃ということになる。「法人税の最低税率を先進諸国間で同じにしようなんて国家主権の侵害行為をアメリカは平然と主張しているが、まずは自分たちの国内を何とかしろよ」ということになる。そして、民主党は貧乏人の味方だ、という古い考えを揺り動かして壊そうということもあるだろう。アメリカの実態を知らせるということは非常に重要なことで、日本のメディアにはそれができないというのは残念なことだ。

(貼り付けはじめ)

●「米大富豪「ほとんど納税せず」=米ウェブメディア」

2021610

BBC

https://www.bbc.com/japanese/57422967

プロパブリカは富豪のジェフ・ベゾス、ウォーレン・バフェット、イーロン・マスクの各氏(左から)の納税記録を確認したとしている

米ニュースサイトのプロパブリカは、アメリカの富豪らが所得税をほとんど支払っていないことを示す詳細な資料を入手したとし、関連記事を掲載した。

プロパブリカは、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、電気自動車のテスラを創業したイーロン・マスク氏、著名投資家ウォーレン・バフェットなどの納税記録を確認したとしている。

8日付の記事によると、ベゾス氏は2017年と2011年に税金をまったく納めなかった。マスク氏は2018年の納税額がゼロだった。

ホワイトハウス報道官は資料流出を「違法」だとした。連邦捜査局(FBI)と税務当局は調査を進めている。

プロパブリカは現在、富豪らの納税に関する「米内国歳入庁(IRS)のデータの宝庫」を分析している最中で、数週間内にさらに詳細を伝えるとした。

●「制度の穴を利用」

プロパブリカによると、アメリカで最も多くの富をもつ25人が、調整後総所得について支払った税金の平均税率が15.8%だった。これは、平均的な労働者の支払い税率より低いという。

プロパブリカのジェシ・アイジンガー記者は米メディアに、「億万長者が(納税を)ゼロにできることに驚いた。税金をまったく支払っていないことに、私たちは仰天した。超富裕層は完全に合法的に税制度を回避できるのだ」と述べた。

「そうした人たちは、税控除の方法を見つけ、制度の穴を利用する、ものすごい能力をもっている」

●借金で税控除

同記者によると、富豪らは所有企業の株価上昇によって富が増大しているが、増加分は所得として扱われていない。また、「暮らしを充実させるために借り入れをすることなどで、積極的に税控除の適用を受けている」という。

富豪らは富を築いたり相続したりし、それを担保に借金をする。富の増加分は現金化せず、所有する株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じないという。

「そして銀行から比較的低率で借り入れをし、それで暮らす。借金の利子は所得の控除に使える」と同記者は話した。

プロパブリカは、米誌フォーブスのデータを基に、アメリカで最も所得の多い25人の富の合計が20142018年に4010億ドル増えたと推計。しかし、支払われた所得税は計136億ドルだったとした。

●バイデン政権の反応

ジョー・バイデン大統領は、富裕層の所得税率を引き上げ、貧富の差を改善すると表明している。

しかしプロパブリカは、「バイデン政権が提案している税制では、ヘッジファンドのマネージャーのような一部の富裕層が支払う税金は増えるだろうが、トップ25人の大多数はほとんど何も変わらない」と分析している。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、「政府の機密情報を許可なく提供」するのは違法行為だと述べた。

財務省のリリー・アダムス報道官は、今回の報道についてFBIや省内の監督機関に報告したと、ロイター通信に明らかにした。IRSのチャールズ・レティグ長官は、IRSから資料が流出した疑いについて調査していると述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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 古村治彦です。

 ジョー・バイデンはインフラ整備関連法案成立のために動いている。そのために、バイデンの増税に対して支持していないジョー・マンチン連邦上院議員と一対一で会談を持つということになった。また、シェリー・ムーア・キャプト連邦上院議員やその共和党の議員たちとも会談を持つということも発表された。
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ジョー・マンチンとジョー・バイデン
 ジョー・マンチン(Joe Manchin、1947年-、73歳)とシェリー・ムーア・キャピトは共にウエストヴァージニア州選出の連邦上院議員だ。マンチンは2010年から、キャピトは2015年から議員を務めている。マンチンは上院ではエネルギー委員会に属している。ウエストヴァージニア州は石炭産業が盛んであり、炭鉱夫たちの労働組合が民主党の支持基盤となっている。ウエストヴァージニア州は民主党の地盤であるが、決してリベラル色が強くはない。きちんと働いてきちんと報酬を得るという価値観を大事にしており、保守的な色合いが強い。マンチンはウエストヴァージニア州議会から政治的キャリアを始めた、叩き上げの政治家だ。州下院、州上院、州務長官、州知事とキャリアを重ねて国政に出てきた。マンチンは民主党の政策に反対し、時には共和党の政策に賛成票を投じるということもある。全米ライフル協会の会員でもある。
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ドナルド・トランプとジョー・マンチン
 シェリー・ムーア・キャピト(1953年-、67歳)はジェイ・ロックフェラーの後任として議員に当選した。ロックフェラーは民主党所属だが、キャピトは共和党所属で、共和党が議席を奪った形になっている。父親は1969年から1977年、1985年から1989年まで合計3期12年にわたりウエストヴァージニア州知事を務めたアーチ・ムーアだ。1977年から1985年までの2期8年知事を務めたのがジェイ・ロックフェラーだ。こうして見ると、ムーアは親子でロックフェラーと政敵として縁がある。シェリーはウエストヴァージニア州下院議員、ウエストヴァージニア州選出連邦下院議員を務め、連邦上院議員に当選した。シェリー・ムーアは中道・穏健派の議員である。
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シェリー・ムーア・キャピト
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会談を持つバイデンとキャピト
 現在、連邦上院は民主、共和両党が50名ずつで拮抗しており、議長役である副大統領のカマラ・ハリスの投票によって民主党が自分たちの法案を可決できるという状態になっている。日本の政党と違い、アメリカには党議拘束という制度はなく、議員たちはたとえ自党が推進する政策であっても反対をすることがある。また、逆のケースもある。現在、民主党がかろうじて過半数を握っている状態では、民主党内から反対が出ることは民主党、バイデン政権にとっては避けたい状況である。従って、ジョー・マンチンの存在感が増す結果となっている。また、シェリー・ムーア・キャピトは民主党側の主張にも理解を示す共和党議員であり、説得や話し合いをしようとしている。

 インフラ整備にために増税も赤字国債発行も厭わないとバイデンは主張しているが、それがそのまま通るというものではなく、ここから妥協が図られる。
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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

(貼り付けはじめ)

バイデンがマンチンとの一対一の会談を持つ(Biden to go one-on-one with Manchin

モーガン・チャルファント筆

2021年5月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/552632-biden-to-go-one-on-one-with-manchin

バイデン大統領は月曜日、ジョン・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)と一対一で会談を持ち、インフラ整備関連法案について議論する予定だとホワイトハウスが発表した。議論の中では企業税の税率についての意見の相違についても取り上げられるだろうとも発表された。

バイデンは企業税を21%から28%に引き上げ、それを原資とする2兆3000億ドル(約250兆円)規模のインフラ整備案を提案した。マンチン議員はこの税率引き上げ幅は大き過ぎると述べた。マンチンは企業税の引き上げについて25%までは支持するだろうと述べた。

マンチンはバイデンの政策にかかる予算について懸念を表明している。その中には1兆8000億ドル(約200兆円)の幼児教育と短期大学の拡大や低所得、中間所得の世帯の減税政策も含まれている。

マンチンから支持を得ることは民主党にとって極めて重要だ。民主党が予算に関する交渉プロセスを使いながら法案を可決させるためにはマンチンの支持が必要だ。法案を可決させるためには民主党に所属する議員全員の賛成が必要であるからだ。

先週、バイデンは企業税の引き上げ計画については妥協する余地はあるが、赤字についての懸念のためにインフラ整備の予算を削るという法案は支持しないと述べた。

バイデンは水曜日、記者団に次のように述べた。「私は妥協することについてはやぶさかではない。しかし、私たちが主張していることについて予算をつけないということについては譲歩をしないつもりだ。赤字国債発行で予算をつけるということはしたくない。赤字国債額は全体で既に2兆ドルに達しているのだ」。

バイデンはまた共和党側とも交渉を行い、インフラ整備に関して妥協を引き出そうとしている。こうした努力は今週、重要な局面を迎えている。

ホワイトハウスは、月曜日にバイデンがトム・カーパー連邦上院議員(デラウェア州選出、民主党)と一対一の会談を持つと発表した。カーパー議員は連邦上院環境・公共事業委員会の委員長を務めている。カーパー議員はインフラ整備法案を進めようとしている。

カーパー議員は以前にもデラウェア州選出の連邦上院議員の同僚であるクリス・クーンズ議員(民主党)と一緒にホワイトハウスを訪問し、バイデンと会談を持った。しかし、月曜日のホワイトハウス訪問はマンチンのバイデンが大統領になって初めての会談ということになる。

バイデンは今週から自身のインフラ整備提案について、連邦議員たちとの会談をスタートさせる。バイデンのインフラ整備法案は何らかの形で進めるためには時間の制限に直面している。ホワイトハウスは、バイデン大統領はメモリアルデー(5月31日)までに何らかの「進展」があり、夏までに法案が可決することを望んでいると発表した。これが意味するところは、これからの数週間が法案可決のための道筋を見つける重要な機関となるということだ。

バイデンは水曜日に民主、共和両党の連邦下院、連邦上院の指導部と会談を持つ。シェリー・ムーア・キャピト連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、共和党)やその他の共和党の議員たちとは木曜日に会談を持つ。そこでの議題は共和党側が議会に提出している、バイデンの提案した案よりも予算規模が小さい5680億ドルのインフラ整備法案である。この法案は、道路や橋といった伝統的な物理的インフラのみを対象にしている。

(貼り付け終わり)
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(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 アメリカではドナルド・トランプ大統領がインフラ整備計画を発表し、インフラ需要が見込まれています。道路、橋、トンネル、鉄道といった社会の「血管」とも言うべき施設に関して、アメリカは老朽化が進む一方で、補修がままならず、故障が起きるようになっています。戦後アメリカでは高速道路網が整備され、航空機時代を迎えて空港も整備されました。一方で、鉄道は見捨てられたようになり、整備が進みませんでした。しかし、全体的に老朽化が進んでいます

 

 アメリカに旅行に行かれたり、滞在されたりした方は経験があると思いますが、アメリカの道路は、一般道路は凸凹して歩きにくいし、自動車でも酔ってしまうし、高速道路も無料なのはいいけど、やはり凸凹しています。また鉄道で移動すると、発車時刻や到着時刻が予定通りではない、客車が古いといったこともあります。

 

 インフラ整備に日本企業のチャンスがあると下の記事は伝えています。高速道路の整備には、民営化された高速道路会社(旧日本道路公団)NEXCO西日本がビジネスを拡大している、というものです。最初は無償で仕事を受け、実績を積み、技術力の高さをアピールして、受注契約を勝ち取るという努力が実を結んだということです。トランプ大統領が発表したインフラ整備計画が追い風になるでしょう。もちろん、地元のアメリカ人を多く雇用すること、もしくは地元の企業を使うことが条件となるでしょう。

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 私は昨年、テキサスの高速鉄道の記事を『ザ・フナイ』という雑誌に書きました。新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

(貼り付け終わり)

 

「別紙」の中で、重要な文がありました。それらは以下の通りです。それは、「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」と「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」というところです。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。また、テキサス新幹線に関しては、資金は日本の国際協力銀行(JBIC)が投資するということにもなっています。これは、リチャード・ローレスというアメリカ側の窓口の人物がテキサス州の地元の新聞からの取材で、「資金は日本のJBICから来るから大丈夫」と答え、それが記事になっています(『ダラス・モーニング・スター』紙2014年4月5日付)。

※記事のアドレスは以下の通りです↓
https://www.dallasnews.com/business/business/2014/04/05/for-high-speed-rail-s-future-in-texas-the-private-sector-dares-to-go-where-government-won-t

 

 トランプ大統領は、インフラ整備計画と共に、減税も実現させました。政府に入ってくるお金が減るのに、インフラで投資(支出)を増やすとなると、どうしても足りないお金が出てきます。それ埋めるのがアメリカ国債です。アメリカ国債を誰が買うのでしょうか?中国は少しずつですが、ドル建ての資産の割合を減らし、金(きん)に移行しているようです。そうなると、唯々諾々とアメリカ国債を買うのは、日本ということになります。日本が勝ったアメリカ国債で、アメリカはインフラ整備を行う、という形になります。アメリカ国債は持っているのは資産になりますが、実際に現金化して、日本の財政赤字を埋めたり、予算に充てたりできない、使えない資産です。

 

 ここ最近、トランプ大統領が「安全保障には同盟関係はあっても、貿易にはない」「日中韓は殺人を犯して、そのまま逃げ回っているようなものだ」という激しい言葉遣いで、日中間の対米貿易黒字を非難しましたが、「お前ら、儲けた分はアメリカ国債を買うなりしろ」ということを言っている訳です。しかし、中国はアメリカに従属している訳ではないので、言うことを聞きません。そうなればターゲットは日本ということになります。そして、日本は減退している状況の中、アメリカにますます貢がされるということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<ネクスコ西日本>米国で商機 道路点検の受注続々と」

 

2/12() 19:11配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00000064-mai-bus_all

 

 【ワシントン清水憲司】旧日本道路公団の西日本高速道路(NEXCO<ネクスコ>西日本)が、米国で道路の点検業務を続々と受注している。優れた技術を持つが米国進出時は全く無名の存在。公共事業特有の「実績主義」にも苦労したが、米国法人の地道な営業や独自の工夫で食い込んだ。トランプ政権のインフラ投資拡大でさらなる商機を見込む。

 

 米国に狙いを定めたのは2005年の分割民営化の直後。道路延長が世界一で老朽化が進み、「点検ビジネスにチャンスあり」とみたためだ。米国では道路上で鎖を引いて歩き異常音がしないか聞いたり、ひび割れの大きさを一つ一つ手で測ったりする点検が一般的。作業中は道路を封鎖する必要があった。これに対し、NEXCO西日本は赤外線や高解像度画像を使って分析する手法で、カメラを積んだ車を走らせながらでも点検できる。

 

 11年に首都ワシントン近郊に事務所を開設し、現在社長を務める松本正人さん(45)らは技術の売り込みに各地の自治体を回った。関心は示されるが「国内実績ゼロ」の企業への発注には二の足を踏むばかり。「このままではゼロを1にするのは不可能」と悩んだ末、考えついたのはまずは無償で点検を引き受け、実績と知名度を積み上げることだった。

 

 それが奏功し、今では10州からの受注実績を誇る。技術が認められたことで、地下鉄橋や建物の検査依頼も舞い込むようになった。ブラジルではダムの検査用に機器と解析ソフトを納入した。

 

 日米両政府は昨年10月、インフラ整備やメンテナンス、高速道路分野で協力する覚書に調印。トランプ政権のインフラ投資拡大は、日本企業にも商機となり得る。ただ、米企業もチャンスを狙っており、「実績」の壁もある。松本さんは「一般的な『技術力の高さ』ではなく、どう役立つかを具体的に示さないと振り向いてもらえない。実績を積むにはどんなことにでも挑戦する人材も必要だ」と指摘する。

 

 ◇高速道路会社

 

 かつて国内の高速道路や有料道路は「日本道路公団」など政府全額出資の特殊法人が建設・管理していたが、借金膨張や談合疑惑などを背景に小泉政権時代の2005年10月に分割民営化。高速道路を保有し建設債務を返済する独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」と、高速道路を運営・管理する「東日本高速道路」「中日本高速道路」「西日本高速道路」などの六つの株式会社が発足した。高速道路会社は料金収入の一部を賃貸料として機構に支払っている。主力の高速道路事業は鉄道や航空との競争激化で、高速各社は収益改善のためサービスエリア運営や道路管理技術の海外展開など関連事業での収入拡大に注力している。【中井正裕】

 

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●「トランプ大統領 高速鉄道建設に意欲…日本勢受注に追い風」

 

毎日新聞2017210 1055(最終更新 210 1136)

http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00e/030/197000c?inb=ys

 

 【ワシントン清水憲司】トランプ米大統領は9日、米航空大手の経営トップとの会合で「昨日ある人が言っていたが、中国や日本に行くと高速鉄道がある。みなさんのビジネスと競争させたいわけではないが、米国にはひとつもない」と述べ、建設に意欲を示した。日本勢は米国内で複数の高速鉄道計画を進めており、トランプ政権下で追い風が吹く可能性が出てきた。

 

 南部テキサス州でJR東海が技術支援する民間主導の新幹線計画があるほか、西部カリフォルニア州でもJR東日本が受注を目指している。このほか、JR東海は日本政府の後押しを受け、東部ワシントン-ニューヨーク-ボストン間の超電導リニア新幹線構想も温めている。

 

 インフラ投資拡大を公約に掲げたトランプ氏だが、具体的なプロジェクトは州政府などと検討している段階。米メディアによると、トランプ氏当選後、政権移行チームや全米知事協会が作成したとされる「優先50リスト」にテキサス州の計画が盛り込まれた。

 

 テキサス州ダラス-ヒューストン間(約400キロ)を約1時間半で結ぶ計画で、総工費は120億ドル(約1.3兆円)。4万人の雇用創出が見込まれる。開発会社「テキサス・セントラル・パートナーズ」は7日、用地の3割を確保したと発表するなど事業の進展をアピールしている。10日の日米首脳会談では、日本企業の米国での投資や雇用が議題になる見通しで、高速鉄道計画が取り上げられる可能性もありそうだ。

 

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●「鉄道輸出 巨額事業費 新幹線、リニアを世界に売り込め」

 

毎日新聞201612 0930(最終更新 12 0930)

https://mainichi.jp/articles/20151229/k00/00m/020/097000c?inb=ys

 

 日本政府は成長戦略の一環として「インフラ輸出」を掲げている。有力な輸出ツールの一つとしているのが鉄道システムで、国土交通省やJR各社などが、各国への売り込みを図っている。

 

 米国のワシントンボルティモア間の約70キロに、JR東海が開発したリニアモーターカーを導入する計画がある。連邦政府から地元メリーランド州へ調査に対する補助金交付が決まっており、JR東海はルート選定などを始める方針だ。

 

 南部テキサス州では、現地の民間企業「テキサス・セントラル・パートナーズ(TCP)」がJR東海の新幹線システムの採用を前提に、ダラスヒューストン間約390キロで高速鉄道を走らせる計画を進めている。2年ほどかけて路線などの詳細設計を行い、2022年の開業を見込む。1兆8000億円にも及ぶとみられる資金調達が課題だが、日本政府やJR東海などインフラ企業の業界団体が出資する「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」が15年11月、TCPに4000万ドル(約48億円)を出資することを決め、計画を後押ししている。

 

 日本の鉄道システムが輸出された代表例は「台湾高速鉄道」だ。新幹線「のぞみ700系」をベースにした車両で台北高雄間(345キロ)を結び、07年から運行している。JR東海とJR西日本が技術支援し、川崎重工業や日立製作所などが車両を納入した。

 

 インドでは昨年12月、西部ムンバイアーメダバード間505キロで日本の新幹線方式採用が決まった。17年着工、23年開業の計画だ。総事業費は9800億ルビー(約1兆8000億円)で、日本政府が約8割の円借款を供与する。インドでは他にも6路線で高速鉄道計画があり、日本は参画を目指す。

 

 ただ、成功ばかりではない。インドネシアの高速鉄道計画では、日本の国土交通省などが首都ジャカルタバンドン間の約140キロで、新幹線方式の高速鉄道を走らせる計画を掲げた。受注は有力とみられていたが、インドネシアは、15年に高速鉄道計画を初めて提示した中国案を採用。日本勢は苦汁をなめた。日本の新幹線は安全面などで高い評価を得ているものの、中国はインドネシア側の財政負担をなくすという破格の条件を提示した。性能よりも条件面が優先された形となった。

 

 新興国では鉄道インフラの建設が相次ぐ。タイでは新幹線導入を前提とした調査が始まっているほか、マレーシアシンガポール間の高速鉄道計画では、日本を含む各国による国際入札になる可能性が高い。【山口知】

 

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(仮)福澤諭吉はフリーメイソンだった [ 石井利明 ]

価格:1,728円
(2018/3/8 09:29時点)
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 古村治彦です。  

 2017年2月11日、日米首脳会談がワシントンDCのホワイトハウスで行われました。その後、フロリダ州の高級リゾート(トランプ所有)で夕食会が行われ、その翌日にはゴルフを行うということです。  トランプや日本政府のツイッターやフェイスブック上では、安倍晋三首相と仲良さげに写っている写真が掲載されています。トランプが10数秒間安倍首相と握手をしている様子もテレビで流されました。  

 アメリカの雇用を生み出すために、「日米成長雇用プログラム」で、日本の年金を差し出すことは安倍首相の訪米前には既に決定していますが、資金の行先はどうも、アメリカ国内の高速鉄道(新幹線)の建設になりそうです。トランプ大統領は、中国や日本の高速鉄道に言及し、アメリカでも建設を進めたいと発言しました。日本の投資で新幹線を建設することは、どれほど買い叩かれるかは分かりません。  

 以下にご紹介する論文は、保守系のシンクタンクの研究員が書いたものです。内容は、簡単に言うと、「日本は、トランプ政権にとって役立つことを証明しなければならない」「アメリカの国益にかなう存在にならねばならない」というものです。  お金の面でも、そして、外交・軍事の面でも「最前線」に立つ国家となることが、日本にとっての賢い選択だということですが、日本の国益については全くと言ってよいほど、考慮されていません。この点はアメリカ人の研究者が考えることではなく、日本の政治家が考え、行動すべきですが、安倍首相のこびへつらった、浮ついたニヤケ顔の写真を見ていると、そんなことを求めるのは不可能なのだという気持ちにさせられます。

(貼りつけはじめ)

日本はいかにしてトランプと「一緒に」勝利できるか(How Japan Can ‘Win’ With Trump)

ダニエル・トゥワイニング筆
2017年2月2日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2017/02/02/how-japan-can-win-with-trump/

日本の安倍晋三首相は、11月に諸外国の首脳の中で最も早くトランプと会談を行った。2月3日、ジェイムズ・マティス国防長官は新国防長官初めての外国訪問として、日本を訪問する。こうした一連の動きは、日本政府がトランプ政権の外交・安全保障政策において重要な役割を果たすことになると示唆している。しかし、日本政府の高官たちは、トランプの興味をそそるために、日米同盟関係の協力について明確にするために賢くならねばならない。日本はこれができる稀有な立場にある。日本は、アメリカ国内、海外における日米共通のゴールをトランプが達成できるように貢献ができる方法は数多くある。

第一に、トランプ大統領は、日米同盟の価値に懐疑的になっているが、日本は、アメリカにタダ乗りしているのではなく、同盟国のお手本として、太平洋の平和を維持するために負担を分担していることを示さねばならない。日本は、沖縄に駐留している米軍に対する予算的な援助を行っている。その結果、米軍はカリフォルニア州に駐屯するよりも安い経費で沖縄に駐留できている。日本は現在まで国防予算を増加させ続けており、自国の防衛のためだけではなく、アメリカの防衛のために、洗練された軍事能力を持った部隊を展開させている。その一例として、北朝鮮のミサイルに対する防衛における協力が挙げられる。日本は、アメリカの同盟諸国、インドや東南アジア諸国、NATOとの軍事的な協力関係を拡大し続けている。これらの同盟諸国はアメリカ軍との協力を行えるように軍事能力を強化している。日本はアメリカ軍の地球規模での展開を支援している。それには中東やアフガニスタンにおける展開も含まれている。

第二に、より強力な同盟国としての日本は、トランプの最終的な目標である、アメリカを「再び偉大にする」ことに貢献できる。トランプは、力を増大させつつある新興大国からの挑戦を受けつつある中で、アメリカの力と影響力を増大させたいとしている。中国とロシアは同盟国をほとんど持っていないし、その力は限定的だ。そして、アメリカと、アメリカと競争している国々との間の違いは、アメリカは地球を覆う同盟諸国のネットワークを持っている点だ。ある国が偉大な力を持つということは、その国従う国にとっては重要であり、日本をはじめとする多くの国々は、アメリカとパートナーになりたいと望んでいる。アメリカとの同盟に対する日本の継続的な支援は、アジアにおけるトランプの目標達成をより容易にすることだろう。トランプのアジアにおける目標は、中国のアジア地域の支配を阻止することである。日本が同盟関係に貢献することで、アメリカは有利な立場に立ち、ライヴァル諸国に対して比較優位の立場に立てるのだ。

 第三に、日本の指導者たちは、新たにワシントンにやって来た支配者たちに対して、「日本は貿易における脅威などではなく、根本的に経済協力者である」ということを理解できるように手助けをしなければならない。日本はアメリカに対する投資を行う外国としてはトップグループに入っている。アメリカ国内で年間販売される日本車約400万台のうちの約75%は北米で生産されている。日本の自動車メーカーは、トランプが守ろうとしている給料の高い製造業の仕事に数多くのアメリカ人を雇用している。 現在の日本は1980年代の「日昇る」日々の時のような、アメリカにとっての輸出に関して脅威ではなくなっている。日本ではなく、中国によるアメリカ企業の買収はアメリカの国家安全保障にとってリスクとなる。日本企業と日本の資本は、トランプがアメリカの有権者に約束した、アメリカの復活にとって重要な存在となる。それは、アメリカと日本の経済活動はその大部分は、伝統的な貿易の流れよりも、国内における生産と投資から生まれているものであるからだ。

4番目に、トランプがアメリカの経済成長のために始めようとしている米国内のエネルギー革命を日本は支援できる。日本はエネルギーに関してほぼ輸入に依存している。今年の1月初旬に、アメリカから初めて輸出された液体化された天然ガスを積んだ船が日本に到着した。伝統的な石油と天然ガスの生産、更には新技術の利用によるシェール・ガスや「タイト」オイルの生産が進むことによって、北米におけるエネルギー生産能力は、アメリカ市場の吸収力を超えるものだ。国内のエネルギー生産を促進するためには、海外市場への輸出が重要となる。現在のところ、日本は中東のリスクを抱える原産国からのエネルギー供給に依存している。そのような日本にとって、アメリカからのエネルギー輸出は、安定供給と政治的なリスクがないという利点がある。

エネルギーにおける日米協力によって、日米の経済と安全保障を確実にするためにウィン・ウィン関係を構築することができる。 トランプはTPPからの離脱を表明した。これはアメリカにとって不幸なことであった。こうした中で、アメリカのアジアの経済に対する関与において、日本は重要な存在となる。これが第五の点である。TPPは、日米間の貿易・投資の自由化がその中核にあった。その中にはアメリカが得意とするサーヴィス、農業、ディジタルといった分野が含まれている。 トランプはアメリカの重工業製品の輸出を即することに注力している。実際、アメリカの経済の生産高の80%以上がサーヴィス産業と「ソフトウェア」が生み出したもので、中国やそのほかの発展途上国がより低いコストで生産している「ハードウェア」産業が占める割合は20%以下なのだ。アメリカはサーヴィス部門では年間4000億ドルの貿易黒字を計上している。トランプ政権は、TPPの中のアメリカの経済競争力を支援する部分を抜き出し、TPPによっても残されていた相違点を解消するために、日本と二国間交渉を行うだろう。

第六の点として、トランプ政権下で新たな状況を迎える米ロ関係において、日本は要素の一部となるだろう。安倍首相はロシアのウラジミール・プーティン大統領との間で、日露関係をリセットしようとしている。これによって、第二次世界大戦以来の北方領土をめぐる争いに決着をつけたいとしている。アメリカと同様、日本にとっては、ユーラシアを支配し、ユーラシア大陸の沿岸部に存在する自由主義諸国に脅威することになる中露同盟の形成を阻止することが重要な国益となる。トランプが純粋に、アジアにおける中国の台頭をけん制するための関係を築くためにロシアとの関係を改善したいと望むならば、日本はこの試みのための、重要なパートナーとなるだろう。

第七の点として、トランプは明らかに中国との間の競争的な関係に直面している。この状況下で、活性化された日米同盟は、アメリカに有利な立場をもたらす。そして、中国にとってはアメリカと直接対峙するにあたって、日本も考慮に入れねばならず、状況が複雑化する。安倍首相率いる日本は、アジアにおける覇権を主張する中国の野心に対峙している。この点で、日本は、アメリカと同じ目標を持つ、最前線に立つ国家ということになる。アメリカは、中国が影響圏を拡大することで、経済成長著しいアジア地域における経済と軍事的なアクセスを制限されてしまい、利益を失ってしまうことになる。 日本政府の高官たちは、トランプが日本に何の相談もなく中国と交渉をして、日本の国益を損なう合意をするのではないかという不安を感じている。その中には台湾の安全保障問題も含まれる。トランプ政権は、現在のアジアの海洋秩序を維持する、南シナ海の公海における支配権を求める中国の野心をけん制し、民主諸国家と中国に懸念を持つヴェトナムのような国々のためにアジア地域の軍事バランスを強化するといった目的のために、日本とより緊密に協力するという賢い選択をすることになるだろう。

古くからのアメリカの同盟諸国の多くは、自分たちに価値を置かない、大事にしてくれないと感じているアメリカの政権との交渉の先行きに絶望している。日本のような重要な同盟国にとっての賢い行動とは、トランプ政権の外交政策と経済政策における優先事項の解決にとって重要な存在となることだ。そのためにアメリカとの間の緊密な関係を維持し、アメリカにとっての価値を増やすことができるということを示すべきだ。

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