古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:イーロン・マスク

 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 電気自動車分野の動きに関して、ここ数回、このブログでもご紹介している。アメリカは中国製の電気自動車に対して、関税100%を課す決定を下した。この措置は、アメリカの国内市場で、中国製の電気自動車がシェアを広げており、アメリカ政府としては、経済問題と安全保障上の問題として、懸念を持っていることを示している。世界最大の電気自動車メーカーであるテスラにしてれば、ありがた迷惑な措置であることは前回の記事で書いた。

 アメリカは、電気自動車に必要不可欠なバッテリー分野で重要な存在となっているインドネシアとの間での自由貿易協定を結ぶことを躊躇している。インドネシア政府が、精錬されていないニッケル(バッテリーにとって必要な鉱物資源)の輸出を禁止したことで、インドネシアにニッケル精錬工場や、バッテリー製造工場を建設するために、各国が投資を行っているが、その中心は中国である。中国が関連しているニッケル精錬工場からのニッケルや、バッテリー製造工場からのバッテリーを、アメリカ国内に入れることに、バイデン政権は躊躇しているようだ。「インドネシアはいつまでもはアメリカを待っていられないよ」とルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋・投資調整担当大臣名で『フォーリン・ポリシー』誌に掲載した論稿についてもこのブログで既にご紹介している。

そうした中で、イーロン・マスクがインドネシアを訪問し、ジョコ大統領とルフット大臣と会談を持ったということ、インドネシア国内にバッテリー製造工場を作ると発言したことは重要だ。イーロン・マスクはアメリカ政府の意向に反するような動きをしているが、これはマスクからすれば当然の動きだ。テスラは、中国市場が最大の得意先であり、中国の上海で製造している。中国が既に進出しているインドネシアに進出して、バッテリー工場を作るというのは、これもまた当然のことだ(中国資本の精錬工場からのニッケルを使うだろう)。アメリカが中国とインドネシアを排除している中で、テスラが入って、電気自動車分野に関して、三角形を形成している。そこにアメリカが入れないというのは、アメリカにとって大きな痛手である。

 インドネシア政府の海洋・投資調整府(Coordinating Ministry for Maritime and Investment Affairs)が、インドネシアにおける電気自動車関連、最終的な電気自動車の生産と輸出を担当している重要な部署となっている。ジョコ・ウィドド大統領就任直後の2014年10月27日に設置された(ジョコ大統領就任は10月20日)。ジョコ政権下、海洋・投資調整大臣はルフット・ビンサル・パンジャイタンが一貫して務めてきた。大統領交代のため、ルフット大臣が退任し、エリック・トヒル国有企業大臣が後任大臣に就任するという予測が出ている。大きな政策変更はないということのようだ。以下に紹介している論稿では、東南アジア地域では、タイが最大の電気自動車市場になっており、輸出量も地域で最大になっているということだ。これは世界の巨大自動車メーカーがタイに進出しているということもあるだろうが、インドネシアにとっては手強い競争相手になる。また、ヴェトナムもヴィンファスト社という会社があって、既に電気自動車を輸出しているとのことだ。これは、おそらく、中国からの支援や協力があってのことだろう。こうやって、アメリカの影響力を削いでいる。

 電気自動車分野は、国際政治の最前線ということになる。ここでも、米中対立が起きているが、アメリカは中国に対して、既に劣勢に立っている。最先端分野でのアメリカの衰退は、アメリカの世界帝国としての終わりを告げている。

(貼り付けはじめ)

マスク氏、インドネシア大統領と会談 EV電池工場の建設検討へ

By Stefanno Sulaiman

ロイター通信 2024520日午後 3:04 GMT+92時間前更新

インドネシアのルフット海洋・投資担当調整大臣は20日、ジョコ大統領とこの日面会した米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同国にEV電池工場を建設する案を検討すると明らかにした。

[デンパサール(インドネシア 20日 ロイター] - インドネシアのルフット海洋・投資担当調整大臣は20日、ジョコ大統領とこの日面会した米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同国にEV電池工場を建設する案を検討すると明らかにした。

マスク氏からコメントは得られていない。

同氏とジョコ大統領は20日にインドネシアのバリ島で開催された世界水フォーラムに出席後、会談を開いた。

また、ジョコ大統領はマスク氏にインドネシアの人工知能(AI)センターへの投資を検討するよう求めたほか、マスク氏の宇宙開発企業スペースXがパプア州ビアク島にロケット発射場を建設することを改めて提案した。

インドネシア政府は同国の豊富なニッケル資源を活用してEV産業を振興しようとしており、何年もテスラの工場誘致に力を入れてきた。

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インドネシアは電気自動車に大きく賭けている(Indonesia Bets Big on Electric Vehicles

-ジャカルタの最新の開発ギャンブルはグリーン転換にかかっている。

ジョセフ・ラックマン筆

2024年5月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/05/08/indonesia-electric-vehicle-green-transition-china-tariffs/

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ジャカルタで開催されたインドネシア国際モーターショーで、ヴェトナムの電気自動車ブランド「ヴィンファスト(VinFast)」が電気自動車VF7を展示(2024年2月24日)。

インドネシアの投資・海事担当調整担当(coordinating minister for investment and maritime affairs)副大臣ラフマト・カイムディンは、「中国は工業化するには40年から50年かかった。私たちはもっと速くする必要があるかもしれない」と述べた。インドネシア政府は、2045年までに先進国になるという野心的な目標を設定している。その一環として、電気自動車生産の世界的なハブ(global hub)となるという大きな賭けが行われている。

ジャカルタは、世界的なグリーン転換の中で、国内に埋蔵している莫大なニッケルとコバルトを成長の原動力にするチャンスに目をつけた。これらの鉱物はバッテリー生産に不可欠であり、鉱山から自動車ユーザーまでの国内サプライチェーン構築の基盤として利用できる。

今のところ、この賭けはうまくいっているようだ。インドネシアは現在、世界のニッケル生産の51%を占めており、コスト競争を圧倒し、コンゴ民主共和国に次ぐ世界第2位のコバルト生産国となっている。韓国のヒュンダイ、日本の三菱自動車、中国の五菱、奇瑞、DFSKの5社がインドネシア国内で既に、少数ではあるが、電気自動車を生産しており、今後更に多くの電気自動車が生産することが期待されている。大手電池メーカーや電池材料メーカーもこれらの企業と一緒にインドネシアに進出している。

この電気自動車という新興産業分野は、国内問題、地政学的保護主義、環境問題、技術革新など、無数の仕掛け線(tripwire)に直面しているが、楽観できる理由もある。ビジネス情報会社「ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス」のバッテリー・電気自動車担当主任アナリストのルーク・ギアは、「控えめに見積もっても、インドネシアは2030年までに年間50万台の電気自動車を生産できるようになるだろう」と述べている。

インドネシアの開発アジェンダ全体が電気自動車に懸かっており、その前途は険しいからだ。2045年までに政府の開発目標を達成するためには、インドネシアの成長率を平均5%前後から6~7%に引き上げる必要がある。最も基本的なレヴェルでは、インドネシアが望ましい商品を生産し、労働者が生産性の高い仕事に従事できるような産業からこれらの商品が生まれるようにし、これらの産業を構築するために必要な大規模な海外直接投資(foreign direct investmentFDI)を誘致できるようにする必要がある。もしそれができなければ、若い労働者と消費者からなるインドネシアの現在の人口ボーナスは、足かせに変わるだろう。希望は、今垣間見えるチャンスの窓がいつ閉じるのかという静かな不安と混ざり合っている。

電気自動車産業は、これらの条件を全て満たしているように見える。電気自動車市場は今後、猛烈な勢いで拡大すると予想されている。国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)は、2035年までに販売される全ての自動車が電気自動車になると予測している。生産の大幅な増加によって生み出される雇用の多くは工場での仕事であり、工業化は労働者を農業や小規模サーヴィスなどの生産性の低い部門から生産性の高い部門に移動させる典型的な方法となる。これがインドネシアで起きることになる。

インドネシアは、莫大な重要鉱物資源を活用することで、海外企業にインドネシアへの投資を促し、鉱業に必要な直接投資を確保することを惜しまない。ニッケル鉱石の輸出禁止により、多くの中国企業がインドネシアでの精錬を開始した。2023年、中国企業はインドネシアの金属・鉱業プロジェクトに42億ドルを投じた。

現在、焦点はバッテリーと電気自動車生産の詳細を構築することに移っている。ここでインドネシア政府はムチよりもアメを投入している。補助金の対象となるには、インドネシアで製造された電気自動車が一定レヴェルの現地コンテンツ要件を満たす必要があり、この要件は時間の経過とともに増加している。しかし、その代わりに、これらの 電気自動車に対する付加価値税はわずか1% だ。この分野の主要投資家たちも10年間の納税猶予を受けている。インドネシアで生産を展開する際に、出荷する電気自動車には輸入税や奢侈税が課されない。

アメリカやヨーロッパの大手メーカーの多くはまだ参入を表明していないが、これは必ずしも問題になる訳ではない。その多くは世界的な電気自動車移行を呆然と見つめるだけで(caught flat-footed)、中国や新たな生産拠点の新興企業がチャンスを得ている。

しかし、この移行の裏返しとして、象徴的(totemic)な国家産業を保護したいという願望が、インドネシアの輸出への期待を台無しにする可能性のある先進国の保護主義を生み出しているということだ。ジョー・バイデン政権の電気自動車補助金には多くの条件が付けられており、インドネシアで組み立てられた電気自動車は排除されている。ヨーロッパ連合もまた、安価な中国製電気自動車が市場に流入することにパニックを起こし、ますます保護主義的な方向に進んでいる。インドネシアでは大量の石炭が燃焼されているため、同国の電気自動車は比較的炭素集約的である。

問題の1つは、グリーン・サプライチェーンにおける中国の支配に対する恐れである。しかし、これはほとんどの西側諸国の自動車メーカーが技術シフトについていけなかったことと表裏一体の関係にある。ステランティスはそれなりの業績を上げている。しかし、GM、フォード、フォルクスワーゲンは後塵を拝している。

競争力はないが政治的に重要な産業に対する保護主義について、長年にわたり発展途上国に説教してきた、西側諸国は、逆の立場になるとその姿勢を変えようとしている。保護主義や西側メーカーが採算の取れない電気自動車の撤退を遅らせていること、加えて、世界経済が不安定であることが、電気自動車の販売台数は伸び続けているものの、その伸び率は鈍化しており、下方修正されているとUBSの電気自動車バッテリー調査担当エグゼクティブ・ディレクターのティモシー・ブッシュは指摘する。

インドネシアの計画に対するもう一つの脅威は、更なる技術革新である。インドネシアの魅力の多くは、NCM電池に必要なニッケルとコバルトの豊富さにかかっている。しかし、過去5年間で、ニッケルもコバルトも使用しないLFP電池は、ニッチな製品から、電気自動車電池市場の40%以上を供給するまでになった。皮肉なことに、高価だが航続距離が長いNCM電池は、消費者が豊かで、世界的に見ても大変長距離を走る米国市場に最適かもしれない。しかし、インドネシアはその市場から締め出されている。

インドネシアはまた、電気自動車製造ブームに乗ろうとする他の国々との厳しい競争にも直面する可能性がある。ブルームバーグNEFのアナリスト、コマル・カレールは、「電気自動車に対する強い国内需要の欠如は、より多くの現地生産を誘致するためのハードルとなり得る。通常、バッテリーメーカーや自動車メーカーは、エンドユーザー層が厚い市場を好むものだ」と言う。実際、インドネシアは既にタイとの競争に直面している。タイは東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の自動車輸出国であり、この地域最大の電気自動車市場を持っている。

この文脈では、インドネシアが長い間苦労してきた電気自動車分野に特化しない問題が特に重要になる。最近の改革は、外国人投資家の生活をより容易にしようとしている。しかし、非関税障壁は依然として大きな問題である。また、多くの企業にとって、この国の不透明な規制をナビゲートするための権力ブローカーとの関係が必要なのは、まさに生活の現実である。ニッケル部門における中国の主要投資は、海事・投資担当調整大臣であるルフート・ビンサール・パンジャイタン(インドネシアの便利屋[Mr. Fix It.])が指導している。

また、インドネシアの教育制度にはまだ多くの課題が残っており、競争相手の国々と比較しても一貫して悪い成績が続いている。電気自動車企業にとって、有能な労働者を見つけることは難題かもしれない。この問題をより深刻にしているのは、技術開発によって製造業の技能や資本集約度が高まり、労働吸収力が低下するという明らかな傾向である。電気自動車製造が熟練度の低い労働者の雇用を生み出す代わりに、インドネシアは少数の専門職のために適切な訓練を受けた労働力を提供するのに苦労することになるかもしれない。

それでも、こうした潜在的な問題が死刑宣告となる必然性はない。電気自動車の販売台数の伸び率が鈍化しているにもかかわらず、アナリストの多くは依然として強気で、世界市場は依然として力強く拡大していると指摘している。前述のベンチマーク社のギアは、インドネシアが魅力的なのは、その鉱物資源だけでなく、ASEAN最大の巨大な国内自動車市場があるからだ、と述べている。現在、国内の電気自動車普及率は低いが、需要は急速に伸びると予想される。強力な国内市場は、輸出に移行する企業をサポートするのに役立つだろう。

自動車メーカーが代替拠点としてインドネシアに目を向ければ、反中の保護主義がインドネシアに有利に働く可能性さえある。メイバンク・インベストメント・バンキング・グループの持続可能性調査責任者であるジガー・シャーは、「このような状況では、中国の自動車メーカーが採用する可能性のある最善の政策は、多くの拠点で現地に根ざした事業を立ち上げることだ」と語る。

有力な有力者たちとの関係が必要なため、物事が厄介になることもあるが、適切なコネクションを築いた企業にはレッドカーペットが敷かれる可能性がある。電気自動車メーカーに対する様々な優遇措置は、メーカーとの協議の上で決定されたものであり、投資を行う企業は、インドネシア政府が直面する問題を解決しようとしていることを期待できるだろう。また、プラヴウォ新大統領が誕生する一方で、ジョコ・ウィドド政権の主要人物が新政権で活躍することが期待されている。その中には、ルフット海洋・投資調整相の後任として一部で期待されている、大富豪のエリック・トヒル国有企業相も含まれている。

技術面では、LFPバッテリーの台頭が問題となる可能性があるが、対処可能な問題である。BMIの自動車アナリスト、コケッツォ・ツォアイは「LFPバッテリーはかなり大きなリスクだ」と述べている。しかし、ニッケルリッチ電池の市場シェアは、一時的な縮小の後、2026年に向けて回復すると予想している。エネルギー密度に関して、ニッケル電池の優位性は、様々な用途でニッケル電池が存在し続けることを保証するはずだ。また、先駆的なLFPブレード・バッテリーをほぼ独占的に使用するBYDによるインドネシアへの大規模な投資計画も、インドネシアがニッケル資源だけではない魅力を持っていることを示唆している。

また、製造における技術的な方向性も明確に定められたものではない。最近の研究では、電気自動車の労働集約性が低いかどうかが再評価され、ほぼ同じであるか、実際にはより多くの労働者が必要である可能性が示唆されている。特に市場シェアを拡大させている、BYDは労働集約的な生産モデルを開発しており、創業者は実際に自動車の製造には特に複雑な技術の習得が必要であることをきっぱりと否定している。

技術、市場、地政学がますます急速に変化する中、インドネシアが行う政策的な賭けは確実なものではない。ラフマット副調整相は次のように述べている。「私たちは成功するだろうか? その答えは時間が出してくれるだろう。私たちが知っているのは、立ち止まってはいられないということだ」。

※ジョセフ・ラックマン:インドネシアと東南アジアをカヴァーするフリーランス・ジャーナリスト。ツイッターアカウント:@rachman_joseph

(貼り付け終わり)

(終わり)
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。『週刊現代』2024年4月20日号「名著、再び」(佐藤優先生書評コーナー)に拙著が紹介されました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカのジョー・バイデン大統領は、中国からアメリカに輸出される電気自動車の関税を100%に引き上げると発表した。電気自動車をめぐり、米中の間は争いになっている。

バイデン大統領が強いドル政策を維持していれば、自然とアメリカからの輸出は高くなり、中国からの輸入は安くなる。関税を引き上げて、国内メーカーを保護するにしても、アメリカ最大の電気自動車メーカーであるテスラは中国との関係は悪くないし、既に進出して一定のシェアを保っている。

アメリカのテスラ(Tesla Motors)のイーロン・マスクは、中国との関係が悪くないどころか、良好である。上海にテスラの工場があり、テスラにとっての最大の市場は中国市場である。テスラのイーロン・マスクにしてみれば、バイデン政権の輸入電気自動車の関税引き上げは、中国からの報復を引き起こす可能性があり、迷惑なことだろう。テスラは電池だけの電気自動車に特化しており、バッテリー関連で制裁されると、テスラにとっては大きな痛手となる。イーロン・マスクがバイデンを支持していないこと、アメリカの三大メーカーが電気自動車で後塵を拝していることから、関税引き上げがやりやすかったということが考えられる。

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 バイデンの関税引き上げは、国家安全保障上の懸念から実施された面がある。アメリカ国内で中国メーカーの電気自動車が「コネクテッド・ヴィークル(connected vehicles)」であり、個人情報の流出やハッキングを警戒している。コネクテッド・ヴィークル「インターネットを介し、さまざまな情報を送受信できる次世代の自動車」のことであり、ジーナ・ライモンド米商務長官は中国製の電気自動車を「車輪のついたスマートフォン」と呼んでいる。個人情報が外国(中国)に流れることを懸念している。また、ハッキングされたり、遠隔操作をされたりして、運転できない状態にされることや、この電気自動車を通じて、政府機関のコンピュータへの侵入されてしまうことを懸念している。アメリカ国内市場で、安価な中国製の電気自動車がシェアを伸ばすことは、こうした懸念を増大させることになる。しかし、他国からすれば、アメリカ製の電気自動車に対して、同様の懸念がある。
 今回のバイデン大統領の措置は経済的な懸念というよりは、安全保障上の懸念の側面が強いということになる。また、政治的に見て、自分の再選に大きな影響がないと判断したものでもあるだろう。

(貼り付けはじめ)

●「バイデン氏、中国製品国家経済会議分への関税引き上げ 電気自動車は100%に」

2024.05.14 Tue posted at 20:30 JST CNN

https://www.cnn.co.jp/usa/35218904.html

ワシントン(CNN) バイデン米大統領は14日までに、中国からの輸入品のうち、国家安全保障に戦略的な重要性を持つ180億ドル(約2兆8000億円)相当の製品に対する関税を引き上げる方針を明らかにした。

鉄鋼やアルミニウム、汎用(はんよう)(レガシー)半導体、電気自動車、バッテリー部品、重要鉱物、太陽電池、クレーン、医療用品などに適用される。

電気自動車の関税を現行の27.5%から100%と約4倍に引き上げるほか、太陽光パネル関連は50%、他分野の製品は25%とする。

米国家経済会議(NEC)のブレイナード議長は、中国が自国の成長のために他国を犠牲にする戦略を続けていると批判した。

トランプ前大統領は在任中、中国から輸入される3000億ドル相当の製品に追加関税を課した。この措置は4年に1度、効果を検証することが法律で義務付けられている。バイデン政権の新たな関税は、この検証結果に基づいているという。

ホワイトハウス当局者らによると、バイデン政権は政策の優先順位に沿って算定法の見直しも図り、クリーンエネルギー技術に重点を置いた。

中国はこれまでの関税に、高い報復関税で対抗してきた。ホワイトハウスは、中国が今回どのような対抗措置を取るかについての言及を避けた。

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バイデン氏、中国の電気自動車を取り締まる(Biden Cracks Down on Chinese Electric Vehicles

-外国の「コネクテッド・ヴィークル(connected vehicles)」に関する新たな調査は、将来的に北京のハイテク部門に対する措置を可能にする可能性がある。

A new investigation into foreign “connected vehicles” could enable future action against Beijing’s tech sector.

クリスティーナ・リュー、リシ・イエンガー筆

2024年3月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/03/01/biden-china-electric-vehicles-tech-security-investigation-commerce/

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中国東部の江蘇省にある蘇州港にある国際コンテナターミナルで船への積み込みを待つBYD製の電気自動車(2023年9月11日)

バイデン政権は木曜日、米商務省に対し、中国製の「コネクテッド・ヴィークル(connected vehicles)」がもたらす潜在的な国家安全保障上の脅威を調査するよう命令した。これは、中国との関係のリスクを軽減し、中国のハイテク産業に対して、圧力をかけようとするアメリカの最近の取り組みを示すものである。

ジョー・バイデン米大統領は声明の中で次のように警告している。「これらの電機自動車は、私たちの電話やナビゲーションシステム、重要なインフラ、そしてそれらを製造した企業に接続されている」と述べた。このような自動車は、わが国の市民やインフラに関する機密データを収集し、そのデータを中華人民共和国に送り返す可能性がある」。これらの電気自動車事態は「遠隔操作でアクセスされたり、機能停止させられたりする」とバイデンは述べている。

中国は電気自動車(electric vehicleEV)生産大国に成長し、アメリカとヨーロッパの同盟諸国を動揺させてきた世界の産業内で支配的な地位を築いている。バイデン政権が発表した調査は、テクノロジーへの懸念が米中関係を支配するようになった最新の例であり、車両を対象とした将来のアメリカの措置の基礎を築く可能性がある。

バイデンは続けて次のように述べている。「中国は、不公正な慣行を用いるなどして、将来の自動車市場を支配しようとしている。中国の政策は、私たちの市場に中国製の電機自動車を氾濫させ、私たちの国家安全保障にリスクをもたらす可能性がある。私の目の前でそのようなことが起こるのを許すつもりはない」。

バイデン政権の最新の攻撃は、テクノロジーの未来と未来のテクノロジーの両方をめぐる米中競争の、より広範なエスカレートに当てはまる。半導体チップ(semiconductor chips)、人工知能(artificial intelligence)、対外技術投資(outbound tech investment)に対する行動が最も注目されているが、ワシントンは更に多くの蛇口を閉めようとしているようだ。

コロラド鉱山大学ペイン研究所のモーガン・所長は、本誌に宛てた電子メールの中で、バイデン政権が発表の中で国家安全保障上の必要性を強調したことに触れながら、「これは米中間の現在進行中の貿易戦争の一環のように考えられる」と書いている。

バジリアンは、「確かに、サイバーとデータの面で実際のセキュリティ上の脅威は存在するが、私にとって主な推進力は経済的な闘争のように見える」と付け加えた。

こうした経済的懸念は、アメリカに限ったものではない。ここ数カ月間、安価な中国製電気自動車の流入に対する懸念は、中国政府の主要電気自動車市場の1つであるヨーロッパでも動揺しており、ヨーロッパ議会議員らは、中国政府が国内の電池式電気自動車メーカーに与えた補助金疑惑について調査を開始するまでに至っている。中国政府は、中国の電気自動車に補助金を与えることで、EUの電気自動車メーカーを圧倒しているという疑いだ。中国の電気自動車輸出は過去3年間で851%と爆発的に増加し、中国製のほとんど電気自動車がヨーロッパ市場に上陸した。

アメリカにおける中国製電気自動車の販売は依然として比較的小規模だが、特にバイデン大統領と共和党の対抗馬となる可能性が高いドナルド・トランプ前大統領が、11月の大統領選挙に向けて準備を進める中、アメリカの政治論争でも、ヨーロッパにおけるのと同様の懸念が浮上している。バイデンは先月、全米自動車労働組合がバイデン大統領の再選を正式に支持し、政治的に大きな勝利を確実にした一方、トランプ前大統領は自動車労働者の支持を集めるために選挙期間中、バイデンの電気自動車政策を激しく非難してきた。

そして実際、バイデンは木曜日の声明で、自身の政治的動機を隠そうとはしなかった。バイデンは次のように述べた。「大統領として、私は自動車労働者と、自動車産業に雇用を依存する中流家庭に対して正しいことをすると誓った。今回の措置やその他の措置によって、私たちは、自動車産業の未来がここアメリカでアメリカ人労働者によって作られることを確実にするつもりだ」。

戦略国際​​問題研究所の中国ビジネス専門家イラリア・マッツォッコは、「自動車産業をめぐる政治経済は非常に強力かつ重要だ。中国の電気自動車が先進諸国の主要産業を、非常に破壊的な形で脅かす可能性があるという深刻な懸念があると考えている」と述べている。

複数の米政府高官は、今回の調査は、データをめぐる国家安全保障上の懸念に根ざしていると強調する。ジーナ・ライモンド米商務長官は、「コネクテッド・ヴィークルにアクセスできる外国政府が、国家安全保障とアメリカ国民の個人的プライバシーの双方に深刻なリスクをもたらす可能性があると考えるのは、ほぼ想像力を必要としないものだ」と述べ、電気自動車を「車輪のついたスマートフォン(smart phones on wheels)」と例えた。

ライモンド長官は、「これらの自動車に搭載され、広範囲のデータを取得したり、コネクテッド・ヴィークルを遠隔操作で無効化したり、操作したりできる技術の範囲を理解する必要がある」と続けて述べた。

バイデン政権の今回の発表は、中国やロシアを含む6つの「懸念国(countries of concern)」に対する、アメリカ人の個人データの売却を制限することに焦点を当てた大統領令を発表した翌日に行われた。この大統領令では、ゲノムデータ(genomic data)、バイオメトリックデータ(biometric data)、金融データ(financial data)、個人健康データ(personal health data)、地理位置情報(geolocation data,)、そして個人を特定できる特定のカテゴリーという6つの機密情報のカテゴリーについて概説している。

しかし、データの流れを監督し取り締まることはより難しくなる可能性があり、バイデン政権による最新の規制は、アメリカ市民にとって意図しない結果をもたらす可能性があると、アメリカ自由人権協会(ACLU)は水曜日に警告した。ACLU上級政策顧問コーディ・ヴェンスキは声明の中で次のように述べた。「この大統領令は、政府の干渉を受けずに情報を共有しアクセスする私たちの権利を更に侵食し、消費者たちがプライバシーとセキュリティのニーズに最も適したオンラインサービスを選ぶことを禁じ、プライバシーを保護するどころか、むしろ害する結果になりかねない」。

ヴェンスキは続けて、「私たちのオンライン上の安全を本当に守るために、バイデン政権はその代わりに、私たちに関して収集されるデータの氾濫を食い止め、暗号化のような強力な保護を受け入れる、強固なプライバシー法を可決するよう議会を後押しすることに集中すべきだ」と述べた。

この2つの措置は互いに接近しており、中国のアメリカのテクノロジーへのアクセスを遮断することを目的とした過去数年間にわたる一連の大統領指示の最新のものである。

戦略国際​​問題研究所(CSIS)の貿易・技術専門家エミリー・ベンソンは、「これらの政策を総合すると変化が起こり、新たなパラダイムが生まれる。全体として、テクノロジーがこの新たな経済と国家安全保障の課題の最前線にあるということは、改めて非常に明白な象徴であり、それがすぐに変わる可能性は低い」と述べている。

※クリスティーナ・リュー:『フォーリン・ポリシー』誌記者。ツイッターアカウント:@christinafei

リシ・イエンガー:『フォーリン・ポリシー』誌記者。ツイッターアカウント:@Iyengarish

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 電気自動車製造企業テスラ社の最高経営責任者で宇宙関連メーカーのスペースX創業者でもあるイーロン・マスクがツイッターを買収した。買収額は440億ドル(約6兆2000億円)だった。ツイッターが有料化される、これまで使用禁止されたアカウントの復活がされるのではないかと言われている。ドナルド・トランプ前大統領は大統領選挙期間から大統領在任期間中に、ツイッターを多用し、情報発信や世論形成に利用していたが、終身使用禁止(バン)されてしまった。

 イーロン・マスクのツイッター社買収によって、ツイッターのポリシーが変更になり、「左に偏っている」と主張されていた表示に関するバイアスが亡くなるのではないかということで、保守派や右派の人々はこの動きを歓迎している。

 ツイッターをはじめ、フェイスブック(メタ)、グーグル、アマゾンなどの検索エンジンやSNSを運営する企業にとっての肝は「アルゴリズム(algorism)」である。アルゴリズムとは、膨大なデータの計算方法や処理方法のことで、私たちの日常の経験に引き付けて簡単に言うと、「どのような記事や投稿がトップに来るか、もしくはそれらをどのように並べて表示するか」ということになる。SNSやアマゾンを利用する人たちにはお馴染みだが、自分のパソコンやスマホでの表示では、自分の好みに合った内容が表示されるようになっている。これが個人の好みを反映しているだけならばよいが、それが個人の好みを誘導するということになればそれは洗脳ということになる。アルゴリズムはその点で非常に危険な要素ということになる。そして、このアルゴリズムこそはビジネスの肝である。イーロン・マスクはツイッターのアルゴリズムを公開するのではないかという話も出ているが、そんなことをすればツイッターは崩壊してしまう。しかし、アルゴリズムの危険性を考えれば、このような措置もやむを得ないものとなるだろう。ツイッターをはじめとするSNS支配の危険性については拙訳を是非お読みいただきたい。 

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ビッグテック5社を解体せよ

 SNSの現状を変化させるということで、今回のイーロン・マスクのツイッター買収は大きな転換点になるだろう。その変化が利用者をはじめとする一般の人々にとって有益なものとなるかどうかは、これから注視していかねばならないが、「洗脳」道具とならないような歯止めがかけられようになるならばそれは有益な措置ということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

マスクのツイッター買収についての5つのポイント(Five takeaways on Musk’s Twitter takeover

アレジャンドラ・オコーネル=ドメニク筆

2022年10月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/campaigns/3709611-five-takeaways-on-musks-twitter-takeover/

テスラ社最高経営責任者イーロン・マスクは火曜日夜遅く、ツイッター社を440億ドルで正式に買収した。

今回の買収は、ツイッターにとって激震となるが、メディアと政治の世界をもまた揺るがす事態となっている。

ほんの数週間前まで、マスクによるツイッターの買収に向けた取り組みに関して達成できるのかどうか疑問符がついていた。マスクは、多くの政治家やセレブ、メディアが熱心に利用するソーシャルプラットフォームの運営方法を変えると宣言している。

マスクは自らを「絶対的な言論の自由信奉者(free speech absolutist)」と自認しており、そのため、以前に使用禁止とされた人々をツイッターに復帰させるのではないかとも予想されている。

買収決定の直後、マスクは自身が買収したソーシャルネットワークのプラットフォームで、「鳥は解放された」、そして「良い時代を始めよう」とつぶやいた。

マスクのツイッター買収に関する5つのポイントをこれから見ていこう。

(1)トランプの永久使用禁止は覆される可能性がある(Trump’s permanent ban could be reversed

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2022年78日にラスヴェガスのイヴェントで演説するトランプ前大統領

ドナルド・トランプ前大統領は昨年、2021年1月6日に支持者を扇動して連邦議会議事堂を襲撃させたということで、ツイッター使用を永久に停止された。

しかし、マスクが責任者となった今、それが変わる可能性がある。

マスクが今年初めにツイッターを手に入れようとしていた最大の理由は言論の自由への関心にあった。マスクはツイッターのコンテンツ管理規則について、マスクが「左の強固な偏見(strong left bias)」を示していると主張し、経営陣を批判してきた。

トランプ前大統領がホワイトハウスへの新たな立候補を表明するかもしれないタイミングで、トランプがツイッターに復帰すれば大きな話題となるだろう。トランプは、候補者時代や大統領在任中にツイッターを使用してニュースサイクルをコントロールしたが、そうした取り組みを新しいプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」で再現することには成功しているとは言えない。

トランプがツイッターに戻ることを望むかどうかは不明だが、それは、彼がツイッターに復帰すると、トゥルース・ソーシャルにダメージを与えることになるからだ。

金曜日、トランプは自身のプラットフォーム上のメッセージで、ツイッターが「正常な判断ができる人」の手に渡ったことを嬉しく思うと述べたが、復帰を約束するものではない。

今年5月、マスクは『フィナンシャル・タイムズ』紙主催のイヴェントで、ツイッターのプラットフォームで決定された前大統領への禁止措置を覆すと発言した。

(2)マスクの最初の日はクリアリングハウス(手形交換所)と共に始まる(Musk’s first day starts with cleaning house

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ツイッターを正式に買収したスペースXSpaceX)創業者兼テスラ社最高経営責任者イーロン・マスク

ツイッターを買収した後、マスクは、最高経営責任者パラグ・アグラワル、最高財務責任者ネッド・シーガル、法務・政策担当責任者のビジャヤ・ガッデなど同ツイッターの最高幹部数人を直ちに解雇した。

最高幹部3人はいずれも、マスクとの売買契約に「ゴールデンパラシュート」条項があり、世界一の富豪であるマスクは3人に2億400万ドルの退職金を払わなければならない。また、彼らには1年分の給与と健康保険も支給される。

更に重要なのは、ツイッターがここ数年設定してきたコンテンツに関する数々の基準の背後に彼ら幹部がいたことだ。

彼らの退社とマスクの参加によって、ツイッターがいじめや人種・性別に基づく攻撃が抑制されない「ワイルドウエスト」的な環境を助長するのではないかという疑問を投げかける。

(3)政治的右派はマスクのツイッター買収を称揚している(The political right is hailing the takeover
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2022年9月14日(水)に複数の採決に参加するために連邦議事堂に到着するマジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)

共和党は以前からツイッターが左傾していることに不満を抱いており、マスクによる買収にはほとんどの所属議員たちが拍手喝采している。

例えば、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出、共和党)は、マスクのツイッター買収を「ここ数十年で言論の自由にとって最も重要な進展 」と呼び喝采を送った。

ツイッター

Tedcruz 12:48 AM · Oct 29, 2022 twitter

連邦下院議員であるジム・ジョーダン(オハイオ州選出、共和党)、マジョーリー・テイラー・グリーン(ジョージア州選出)、ローレン・ボーバート(コロラド州選出、共和党)は、言論の自由についてのお祝いのメッセージをツイートし、ボーバートは「ソーシャルメディアや議会で抑圧された多くの真実が今後2年間で明るみに出る」と約束した。

ツイッターは保守派に敵対する形で偏っているという主張に反発し、右派のコンテンツがツイッター上で多くの読者や視聴者を見つけるのに苦労していないという証拠もある。

(4)ヘイトスピーチが多発している(Hate speech is popping up

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マスクがツイッターを買収してからヘイトスピーチが複数出現している

金曜日未明、多数の匿名のツイッターアカウントがマスクの買収を称賛し、その後、ツイッター上で人種差別や反ユダヤ主義的なコメントを吐き出しはじめた。

「イーロンは今ツイッターを支配している。人種差別を解き放て。K-S AND N--S」と投稿したアカウントや、「私は自分がどれほどn--sを憎んでいるかを自由に表現できる。ありがとう、イーロン」と投稿したアカウントもあったと『ワシントン・ポスト』紙は報じている。

ツイッターとの契約が合意に達する前に、マスクはツイッターにメモを投稿し、ツイッターが自由奔放な無法地帯になりかねないという広告主の懸念を鎮めようとしたようだ。

マスクのメモには「ツイッターが、重大な結果も伴わずに何でも言えるような、自由奔放な地獄絵図になることを明確に否定する。各国の法律を遵守することに加えて、私たちのプラットフォームは、全ての人に暖かく歓迎しなければならない, あなたはあなたの好みに応じて、ご希望の経験を選択することができる」と書かれていた。

言論の自由と、ヘイトスピーチが容認されるような自由奔放さとのバランスを見つけることは、ツイッターの収益性を高めることを誓ったマスクにとって、挑戦となるだろう。

(5)不確実な未来(An uncertain future

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マスクは火曜日に440億ドルでツイッター買収の合意に達した

マスク掌握下のツイッターの未来は予測することが困難になっている。

ツイッターは2013年から株式を公開してきたが、今後は民間企業として四半期ごとに業績について公開する必要はなくなる。

ツイッターの7500人の従業員は、自分たちの職場の将来を懸念している。今月初め、ワシントン・ポスト紙は、マスクがツイッターを買収した場合、ツイッターの従業員の75%を解雇する計画であると報じた。マスクはツイッターの従業員たちに対してそのような大規模な解雇計画を実施することは否定したが、それでも億万長者のリーダーシップの下では解雇が予想される。

ツイッターの社員たちは、報酬の一部として同社の株を受け取っている。しかし、ツイッターが非公開になることが決まった今、マスクは社員たちが既に保有している株式を買い戻し、将来的には現金でボーナスを支給することに同意した。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の「ディールブック(DealBook)」によると、この払い戻しは現時点で1億ドル相当で、社員の一部は、マスクが買い戻しの約束を果たす前に解雇に踏み切るのではないかと懸念しているということだ。

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共和党がマスクのツイッター買収で喝采を叫ぶ(Republicans cheer Musk’s Twitter takeover

ナタリー・プリーブ筆

2022年10月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/3709197-republicans-cheer-musks-twitter-takeover/

写真

2022年3月1日(火)のジョー・バイデン大統領の一般教書演説を聞きながら、ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)とマジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)は共に同僚の連邦議員たちと立っている

共和党所属の連邦上院議員たちは、木曜日午後にツイッター社の売却が成立し、テスラ社最高経営責任者イーロン・マスクがツイッターを保有することになり、快哉を叫んでいる。

ジム・ジョーダン連邦下院議員(オハイオ州選出、共和党)、マジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)、ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)は言論の自由(freedom of speech)についてお祝いのメッセージをツイートした。ローレン・ボバート議員は「ソーシャルメディアと連邦議会の多くの抑圧された事実はこれから2年間で明らかになるだろう」と約束した。

マスクは、利用者の使用禁止やツイートの検閲についてのツイッターのポリシーを批判してきた。マスクはツイッター上のヘイトスピーチを取り締まる政策を作った経営幹部数人を追い出している。

連邦下院司法委員会共和党議員団のツイッターアカウントはマスクがツイッターを手に入れたことでトランプ前大統領がツイッターに戻る可能性を称賛するメッセージを投稿した。このツイートには「もうすぐ・・・」というキャプションがつけられ、2016年の共和党全国大会でステージに上がるトランプの姿が収められたヴィデオ映像も含まれていた。

▽ツイッターの表示House Judiciary GOP 10:22 PM · Oct 28, 2022

トランプ前大統領は2021年16日の連邦議事堂襲撃事件に関する発言の後にツイッターの使用が禁止された。マスクのツイッター買収後にツイッターへの再登録を行うという動きを見せていない。しかし、トランプ自身の「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」のアカウントで、「ツイッターが正常な判断力を持つ人の手に握られるようになったことは大変に嬉しいことだ」と述べた。

マスクはツイッター上での終身使用禁止(lifetime ban)を終了させる計画を持っていると報じられている。

行きつ戻りつの交渉過程を経て、火曜日にマスクはツイッター側と、440億ドルで買収するという合意に達した。億万長者であるマスクは今年4月に交渉をまとめようと試みたが、裁判が提起されたために交渉継続を余儀なくされた。

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イーロン・マスクのツイッター取得で見るべき5つのポイント(Five things to watch as Elon Musk acquires Twitter

クリス・ロドリゲス、レベッカ・クレアー筆

2022年4月26日
『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/3465002-five-things-to-watch-as-elon-musk-acquires-twitter/

イーロン・マスクとツイッターの取締役会は月曜日、風変わりなテスラCEO(であるマスク)が1株当たり54.20ドルでツイッターを買収する取引に合意した。

世界一の富豪と最も影響力のあるソーシャルメディアプラットフォームの1つ(マスクはその活発な利用者でもある)の結婚は、会社がどのように運営されるのか、それがアメリカの政治や一般的な情報発信に何を意味するのかという疑問を残したままである。

ここでは、ツイッターの新体制の詳細が明らかになるにつれ、私たちが注目する5つのポイントを挙げる。

(1)バン(利用禁止)された利用者たちが戻るのか?(Will banned users return?

マスクは、コンテントモデレイション(内容の検閲)について、永久的な禁止よりも一時的な「タイムアウト」に傾く、より緩やかなヴィジョンを打ち出した。

各社会活動団体は、この切り替えが、トランプ前大統領を含む公人や政治家に対するツイッターの永久的な禁止措置を覆す可能性があると懸念している。

左派系の「メディア・マターズ・フォ・アメリカ」の最高責任者アンジェロ・カルソーネは声明を発表しその中で次のように述べている。「今回の販売によって、ドナルド・トランプのアカウントが、虐待や嫌がらせ、ツイッターのルール違反を繰り返した他の多くのアカウントとともに復活することが十分に予想される。底辺への競争が始まる」。

マジョーリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出)は、公式アカウントを通じて、マスクが「契約を結んだ」後、今年1月にツイッターの新型コロナウイルス関連情報誤報ポリシーに繰り返し違反したとして禁止された彼女の個人アカウントへのアクセスを「回復」してもらうことを示唆した。

トランプは月曜日、自分はツイッターに戻らず、自身のプラットフォームであるトゥルース・ソーシャルに残ると述べた。しかし、トランプのアドヴァイザーの中には、選挙戦と任期中に大きな注目をもたらしたプラットフォーム(ツイッター)に戻るという申し出を断るとは思えないと『ワシントン・ポスト』紙に語った人物もいる。

「メディア・マターズ」は、「ストップ・ザ・シール」の組織者アリ・アレクサンダーや、マスクのツイッター買収を祝うQアノン上の有名人たちがツイッターに戻ることが許されれば脅威となると主張し、禁止されたツイッターの利用者たちのリストを編集した。

「フリー・プレス」の共同CEOで「チェンジ・ザ・タームズ」の共同創設者であるジェシカ・ゴンザレスは「これらの人々は組織化されている」と述べた。

ゴンザレスは更に次のように述べた。「私は、人々を過激化し、資金を集め、暴力を常態化し、現実に起こっている暴力的で脅迫的な活動のために行動するよう呼びかけるために、これらのプラットフォームを使用する洗練された、協調的な努力について話しているのだ」。

(2)指導部が変更される(Leadership changes

マスクとツイッターは月曜日にツイッターの非公開化について合意したが、買収自体は、株主による合意内容の投票や規制上のハードルをクリアする間に、2022年末までかかる可能性がある。

その期間中に、ツイッター社最高経営責任者パラグ・アグラワルと買収を承認した独立取締役会は、引き続きツイッターの指揮を執ることになる。

ツイッターの取締役会議長であるブレット・テイラーは、月曜日の夜に行われた全社集会で、「この取引によって、署名から取引完了までの間に会社を成功させ続ける能力がこのチームに与えられたと私たちは非常に安心していると思う」と述べたと報じられている。

しかしながら、買収が完了した際に、会社のトップが交代する可能性が高いと見られている。

マスクと現首脳陣との関係は表向きには対立していない。しかし、マスクは取締役会への参加を拒否しており、これは彼がツイッターに関する独自のヴィジョンを追求することに関心があることを示している。

アグラワルは、この取引が成立し、マスクが彼を解雇することを選択した場合、3870万ドルの給与を受け取ることになる。

テスラ、スペースX、ボーイング社、ニューラリンで積極的にリーダーシップを発揮し、あるいは関与していることを考えると、マスクが単独で会社のトップに立つのは難しいだろう。

もしマスク氏が現在のリーダーシップを刷新した場合、誰をツイッターのトップに選ぶかは、このプラットフォームに対する彼の計画の最も明確なシグナルになるかもしれない。

アグラワルは、月曜日のタウンホールミーティングで、「取引が完了したら、プラットフォームがどの方向に進むか分からない」と認めたということだ。

(3)製品はどのように変化する可能性があるか?(How could the product change?

大きな変化が起きるのは取引が完了するまで待つことになりそうだ。

マスクは、「言論の自由(free speech)」への関与を超えて、それらがどのようなものになり得るか、いくつかのヒントを与えている。

マスクは買収交渉の発表時に声明を発表し、その中で「私はまた、新しい機能で製品を強化し、アルゴリズムをオープンソースにして信頼を高め、スパムボットを打ち倒し、全ての人間に対して認証を行うことによって、ツイッターをこれまで以上に良くしたい」と述べている。

マスクは、どのアカウントをフォローするか、どの投稿を閲覧するか、どのトピックを読み込むかについて利用者たちに推奨するアルゴリズムは一般公開されるべきであると述べている。

このような動きは、プラットフォーム上の政治的偏見に対する懸念を和らげ、研究者たちにソーシャルメディアのレヴァーへの切望されたアクセスを与える可能性がある。

しかし、ツイッターは既にそのアルゴリズムの効果についてその多くをオープンにしている。ツイッターは昨年秋に、右寄りの政治家の主張をより増幅させる傾向があるという調査結果を発表している。

複雑なアルゴリズムを完全に公開することは、混乱を招くだけでなく、プラットフォームをサイバーセキュリティに関するリスクに晒すことにもなりかねない。

マスクはツイッター上のスパムを削減したいとの意向を強く打ち出しているが、その方法についてはほとんど具体的なことは述べていない。

ツイッター上の全ての人間を認証するというマスクの提案は、市民社会団体からも心配されている。

投稿前のCAPTCHAのような簡単なチェックでは、スパムボットがゲーム感覚で利用できる可能性が高く、ID認証のような厳しいチェックでは、ツイッターが努力して維持してきた匿名性が破壊されてしまう。

仮に利用者が実名を投稿する必要がないとしても、そのデータはツイッターが収集しなければならず、従って、政府からそのデータの提出を強制される可能性がある。

言論の自由や抗議の権利に与える影響は、特に、ソーシャルメディア上での政府批判を禁じる規則を既に設けている権威主義体制国家では壊滅的なものになる可能性がある。

電子フロンティア財団は「利用者の一部や言論の自由に大打撃を与えることなく認証を義務付ける簡単な方法はない」と声明で述べている。

(4)ワシントンの怒り(Washington’s ire

民主、共和両党所属の連邦議員たちは、複数の強力なハイテク企業に対するそれぞれの戦いに、マスクのツイッター買収を利用している。

共和党は、「ビッグテックの大君主たち(Big Tech overlords)」に対する戦いにおいて、マスクを味方として受け入れている。

アンディ・ビッグス連邦下院議員(アリゾナ州選出、共和党)は「イーロン・マスクは、私たちがビッグテックの大君主たちを倒すのを助けてくれている。私たちのデジタル公共空間を私たちの手に取り戻す必要がある」とツイートしている。

テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は、マスク自身の言葉に共鳴し、マスクがツイッターのプラットフォームを「実際に言論の自由を守り、開かれた言論を奨励する」ものに変えることができれば、プラットフォームの「完全な潜在能力」が最大限引き出されるだろうと述べた。

共和党のマスクへの支持は、ツイッターが保守派へ反対するという偏った姿勢に基づいて、コンテンツを検閲しているという主張をめぐる長年の攻撃の上に成り立っている。

しかし、民主党は、マスクがツイッターを所有することで偽情報の拡散について更なる懸念を抱かせることになると主張している。

「政治支配者(oligarch)が街の広場を支配することは常に懸念されることだ。それがどのように管理されているのか、私たちは多くの注意を払う必要があると考える」とジェフ・マークレー連邦上院議員(オレゴン州選出、民主党)は本誌に語った。

進歩主義的な人々の中には、マスクのツイッター買収を利用して富裕税を推進し、権力統合への懸念を高めている人々もいる。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は「この取引は私たちの民主政治体制(democracy、デモクラシー)にとって危険だ。イーロン・マスクのような億万長者は、他の人とは異なるルールで行動し、自分たちの利益のために権力を蓄積している。富裕税とビッグテックに責任を負わせる強力なルールが必要だ」とツイートした。

(5)ツイッターの社員たちはどのように対応するか?(How will Twitter’s workers respond?

ツイッターは、シリコンヴァレーで最もオープンな職場の1つとして知られている。

社員たちは何年にもわたって、自分の考えや感情をプラットフォーム上で共有することを奨励されてきた。社員の多くは、買収合意のニュースが報道された月曜日に意見を交換し、その中で 混乱と失望を表明した。

ある社員は「誰か私に、私が金持ちになるのか、それとも解雇されるのか、教えて欲しい」と訴えた。

別の社員は「今日のニュースはあまりにもクレイジーで、文字通り新型コロナウイルスについて完全に忘れてしまった」と投稿した。

ツイッターの5000名を超える社員の過半数はリベラルな風土のサンフランシスコで働いており、現在まで、コンテントモデレイション(内容の検閲)のために積極的なアプローチを採用してきた会社で働いてきた。

ツイッターはソーシャルメディアの競合他社をリードし、トランプによる選挙の偽情報の流布や新型コロナウイルスに関する誤報の拡散に対応している。

マスクの言論の自由のヴァージョンは、そのアプローチに反しているように見え、潜在的なイデオロギーの衝突を仕掛けている。

ツイッターは月曜日、来週までプラットフォームの変更を一時的に凍結することで予防策を講じたと報じられている。この動きは、数年前にある従業員がトランプのアカウントを一時的にダウンさせたことを受けてのものだ。

マスクまたは自身の会社の社員たちの待遇についてもあまり良い評判を得ていない。

カリフォルニア州公正雇用住宅局は、カリフォルニア州フリーモントの工場で黒人従業員に対する人種差別とハラスメントの疑いでテスラに対して訴訟を起こしている最中だ。

全米労働関係委員会は、テスラが組合運動の疑いについて労働者を違法に尋問し、脅迫した疑いもあると判断した。

ツイッターで働くことの重要な経済的メリットの1つである株式を失うことは問題解決に貢献しない。

ある社員は次のように述べた。「イーロンはともかく、競争力のある報酬体系を作るための自社株がない以上、ツイッターはどうやって従業員を雇い、維持するのか、誰か説明してくれないだろうか? 私たちの給与のかなりの部分は譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock UnitRSU)だ」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 2021年5月29日に発売された『』は全国の大型書店にてお求めていただけます。アマゾンでも販売中です。電子書籍版も出足好調という報告をいただきました。是非手に取ってお読みください。

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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める


 以下の記事は、アメリカの超大富豪たちが税金をほとんど納めていないということを紹介している。税控除制度を利用して税率を低くしたり、税金を全く納めていなかったりということが明らかにされた。その内容は以下の通りだ。

(貼り付けはじめ)

「富豪らは富を築いたり相続したりし、それを担保に借金をする。富の増加分は現金化せず、所有する株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じないという。

「そして銀行から比較的低率で借り入れをし、それで暮らす。借金の利子は所得の控除に使える」と同記者は話した。

プロパブリカは、米誌フォーブスのデータを基に、アメリカで最も所得の多い25人の富の合計が20142018年に4010億ドル増えたと推計。しかし、支払われた所得税は計136億ドルだったとした。」

会社勤めのサラリーマンの給料は全て(もしくはほとんど)補足され、税金と社会保障関係で5割近く持っていかれるというのが日本の現状だ。アメリカでもそれは変わらないだろう。それに対して、超大富豪たちは「借金」をして、その借金のお蔭で税金を免れている。普通のサラリーマンが銀行に行って同じようなことをしようにも、そもそも「富」がないのでできない。「何を言っているんですか」と嘲笑されて、追い返されるだけだ。

民主党のバイデン政権は、大規模なインフラ整備のため、600兆円規模の国家予算を提案した。その財源として法人税の増税と富裕層への増税を主張している。しかし、ここで言う富裕層とは「サラリーマンの高額所得者」で、年収が数千万円以上あるが、それを補足しやすく、税金と社会保障の網をかけやすい人たちということになり、超大富豪は関係ないということになる。

バイデン政権は今回の調査報道について違法だと反発している。それは当たり前のことで、こうした超大富豪たちは民主党の大金主である。スポンサー、パトロン、旦那、と言い換えることができる。この人たちが困るようなことを下僕である民主党政権が許容することはない。バイデン政権の本音は「余計なことをしやがって。超大富豪への課税をしなくちゃいけなくなるだろうが。あの方たちを困らせるようなことはできないのに。党内のうるせー進歩主義派が騒ぐのも嫌なんだよ。せっかくリベラルな政策をやって黙らして、財源はあいつらが言っている通りに国債で賄おうと思っているんだから」ということになる。

アメリカのマイナーなウェブメディアの報道をBBCが取り上げ、日本語にして報道しているという点も注目だ。アメリカのポチであるのはイギリスも変わらないのだが、これは精一杯の反撃ということになる。「法人税の最低税率を先進諸国間で同じにしようなんて国家主権の侵害行為をアメリカは平然と主張しているが、まずは自分たちの国内を何とかしろよ」ということになる。そして、民主党は貧乏人の味方だ、という古い考えを揺り動かして壊そうということもあるだろう。アメリカの実態を知らせるということは非常に重要なことで、日本のメディアにはそれができないというのは残念なことだ。

(貼り付けはじめ)

●「米大富豪「ほとんど納税せず」=米ウェブメディア」

2021610

BBC

https://www.bbc.com/japanese/57422967

プロパブリカは富豪のジェフ・ベゾス、ウォーレン・バフェット、イーロン・マスクの各氏(左から)の納税記録を確認したとしている

米ニュースサイトのプロパブリカは、アメリカの富豪らが所得税をほとんど支払っていないことを示す詳細な資料を入手したとし、関連記事を掲載した。

プロパブリカは、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、電気自動車のテスラを創業したイーロン・マスク氏、著名投資家ウォーレン・バフェットなどの納税記録を確認したとしている。

8日付の記事によると、ベゾス氏は2017年と2011年に税金をまったく納めなかった。マスク氏は2018年の納税額がゼロだった。

ホワイトハウス報道官は資料流出を「違法」だとした。連邦捜査局(FBI)と税務当局は調査を進めている。

プロパブリカは現在、富豪らの納税に関する「米内国歳入庁(IRS)のデータの宝庫」を分析している最中で、数週間内にさらに詳細を伝えるとした。

●「制度の穴を利用」

プロパブリカによると、アメリカで最も多くの富をもつ25人が、調整後総所得について支払った税金の平均税率が15.8%だった。これは、平均的な労働者の支払い税率より低いという。

プロパブリカのジェシ・アイジンガー記者は米メディアに、「億万長者が(納税を)ゼロにできることに驚いた。税金をまったく支払っていないことに、私たちは仰天した。超富裕層は完全に合法的に税制度を回避できるのだ」と述べた。

「そうした人たちは、税控除の方法を見つけ、制度の穴を利用する、ものすごい能力をもっている」

●借金で税控除

同記者によると、富豪らは所有企業の株価上昇によって富が増大しているが、増加分は所得として扱われていない。また、「暮らしを充実させるために借り入れをすることなどで、積極的に税控除の適用を受けている」という。

富豪らは富を築いたり相続したりし、それを担保に借金をする。富の増加分は現金化せず、所有する株の売却もしないので、課税対象となる所得が生じないという。

「そして銀行から比較的低率で借り入れをし、それで暮らす。借金の利子は所得の控除に使える」と同記者は話した。

プロパブリカは、米誌フォーブスのデータを基に、アメリカで最も所得の多い25人の富の合計が20142018年に4010億ドル増えたと推計。しかし、支払われた所得税は計136億ドルだったとした。

●バイデン政権の反応

ジョー・バイデン大統領は、富裕層の所得税率を引き上げ、貧富の差を改善すると表明している。

しかしプロパブリカは、「バイデン政権が提案している税制では、ヘッジファンドのマネージャーのような一部の富裕層が支払う税金は増えるだろうが、トップ25人の大多数はほとんど何も変わらない」と分析している。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、「政府の機密情報を許可なく提供」するのは違法行為だと述べた。

財務省のリリー・アダムス報道官は、今回の報道についてFBIや省内の監督機関に報告したと、ロイター通信に明らかにした。IRSのチャールズ・レティグ長官は、IRSから資料が流出した疑いについて調査していると述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 ラッパーのカニエ・ウエストが何度目かの大統領選挙出馬表明をツイッター上で行った。「vision2020」というハッシュタグが付いていたので、出るならば今年の大統領選挙に出るということになるという推測が成り立つ。

 出馬できればバイデンからアフリカ系アメリカ人票を削り取ることができるが、これからでは各州での立候補に必要な手続きに間に合わず、立候補できても数が少なくなるということだ。人々の注目を集めるということが今回のツイートの意図だということになる。

 そもそもカニエ・ウエストは妻のキム・カンダーシアンと共にドナルド・トランプ大統領を熱心に支持してきた。今回の出馬が本気だとしても、トランプ大統領の邪魔をするのではなく、各種世論調査でトランプ大統領をリードしているバイデンの票を削りたいという意図があるだろう。

 ウエストの出馬宣言に対して、テスラ社CEOのイーロン・マスクが即座に反応し、支持を表明した。また、この数日前には、マスクとウエストが一緒に写った写真を、ウエストがツイッター上に投稿している。イーロン・マスクは中国で厚遇されている。テスラは中国で業績を伸ばしている。

(貼り付けはじめ)

●「テスラCEO、中国の重要性を強調 トランプ氏に一線」

2019/8/29 13:52

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49143660Z20C19A8FFE000/

【上海=松田直樹、多部田俊輔】中国上海市で29日開幕した世界人工知能(AI)大会に米電気自動車(EV)大手、テスラの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が登壇し、「中国は大きな進歩を遂げた。環境面でも世界をリードしている」と中国市場の重要性を強調した。トランプ米大統領の「米国内への生産移管も含めて中国の代替先を探し始めるよう命じる」との呼びかけに一線を画した格好だ。

マスクCEOは中国ネット大手、アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長との対談で、中国市場などに関する自らの考えを明らかにした。上海市で建設中の新工場について「ギガファクトリーを上海に建設することに興奮している」と語った。中国の自動車市場については「世界のEVの製造の半分を中国が占めている」と評価した。

AI大会ではマスク氏のほか、米マイクロソフト幹部も登壇して演説した。米アマゾン・ドット・コム傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が参加してAIを使ったクラウドサービスなどを展示したほか、IBMAIなどの新技術を出展。米中摩擦が激化する中でも、米国の主要企業が中国を重要市場と位置づけていることが浮き彫りとなった。

テスラは上海市郊外の新工場を年内にも本格稼働させる。外資企業としては初めて、単独出資による国内生産が始まる。既に新工場のオフィスでは同社の従業員が勤務を開始している。

まずは既存車種に比べて安価な主力の小型セダン「モデル3」を量産し、2020年に発売を予定している小型の多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」を追加する。モデルYは既存の高級SUV「モデルX」の半値程度で、中国市場を開拓する戦略車として位置づける。

テスラの足元の中国での販売は好調だ。1916月の販売台数は約21千台で前年同期の2倍超に増えた。

(貼り付け終わり)

 マスクはトランプ大統領と対立しているように見えるが、二人はビジネスマンであり、「カネを儲けることが正しいこと」という信念は共通している。世界中どこででも金儲けができるならそれは正しいこと、ということになる。マスクにとって、トランプ大統領とバイデンを比べた場合、中国に対して激しい言葉遣いはするが決定的な対立はしないトランプ大統領の方が望ましいということになる。バイデンの場合、対外政策が不透明で、民主党の人道的介入主義派、ヒラリー派が対外政策を乗っ取る可能性が高い。バイデンの副大統領候補にスーザン・ライスの名前が急に出てきたのもその危険性を示す兆候だ。

 マスクはそもそもカニエ・ウエストの友人であるが、トランプ大統領が望ましいという点でも共通している。だから、ウエストの大統領選挙出馬に即座に支持を表明した。荒唐無稽と切って捨てるのは感嘆だが、その裏にある意図も考えてみるのは重要だ。

(貼り付けはじめ)

カニエが大統領選挙出馬とツイート(Kanye tweets he's running for president

ブルック・シーペル筆

2020年7月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/in-the-know/in-the-know/505893-kanye-tweets-hes-running-for-president

土曜日、カニエ・ウエスト大統領とファースト・レディのキム・カンダーシアンという将来の可能性が少し実現に近づいた。ラッパーのカニエ・ウエストは今年の大統領選挙に出馬するとツイートした。

7月4日に独立記念日のツイートで、43歳になるミュージシャンでありファッションデザイナーであるウエストは大統領選挙に出馬すると述べ、ハッシュタグ「2020 vision」を使用した。このハッシュタグを使うことは、今年の秋の選挙に参戦するということを彼が計画していることを示していることが明らかだ。

ウエストは「神を信頼し、私たちのヴィジョンをまとめ、私たちの未来を構築することで、アメリカの前提を認識しなければならない。私はアメリカ合衆国大統領選挙に出馬する」と書いた。

「スペースX」創始者イーロン・マスクはこのウエストのツイートに即座に反応した。「私は全幅の支持を君に与える!」。

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ウエストは過去にも大統領選挙に出馬すると表明した。ウエストはマスクと彼自身の写真を最近アップした。写真のキャプションは、「友達の家に行った時、お互いオレンジ色の服を着る」というものだった。

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ウエストはこれまで何度もトランプ大統領への支持を表明し、今年4月には今年の秋の選挙ではトランプ大統領に投票すると示唆した。

ウエストは次のように語った。「みんな俺が誰に投票しようとしているか分かっている。俺の周りの奴らのいうことなんて聞かないさ。奴らは俺のキャリアが終わると言っている。だけど、いいか、俺は言うことは聞かない。なぜなら、俺は今ここにいてキャリアが終わっていないからだ」。

ウエストは2018年10月に大統領執務室を訪問したことで知られている。この時、赤い「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」帽子をかぶり、トランプ大統領とポーズを取りながら、「俺はここにいるこの人が大好きなんだ」と述べた。

ウエストの妻であるリアリティTVのスター、キム・カンダーシアンは刑法司法改革を推進する活動家としてホワイトハウスを訪問した。

もしウエストが出馬するとなると、ゲームに遅れて参加ということになる。共和党、民主党の両党の全国大会の開催は翌月に迫っている。全国大会で両党は大統領選挙本選挙の候補者をそれぞれ正式に発表することになる。

今年の選挙にウエストが真剣に出馬する計画を持っているのか、そして必要な公式の書類を提出しているのかどうかは明確になっていない。

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(終わり)

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