古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ウィスコンシン州

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。

 アメリカ大統領選挙投開票日まで約2週間となった。現状では、ドナルド・トランプ前大統領支持が増えており、ハリスは厳しい状況になっている。ジョー・バイデン大統領撤退によって、カマラ・ハリス副大統領待望論が醸成され、激戦州が多い中西部の代表的な男性像を示しているミネソタ州知事ティム・ウォルツを副大統領候補として選ばれた8月から9月にかけて、ハリスが支持率でトランプを逆転し、激戦州でも軒並みハリスが優位な立場に立った。
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それが、メディアに出てのハリスの受け答えなどが放送されると、「当意即妙さがない(頭が良くない)」ということがばれ始め、支持を減らしていった。「あの人がアメリカ合衆国初めての女性大統領で良いのか、大丈夫なのか」という否定的な疑問が有権者の中で芽生えている。そこに「経験不足」が加わっている。経験不足という点では、ビル・クリントンも、ジョージ・W・ブッシュも、バラク・オバマもワシントン政治の経験はほとんどなかった。ハリスに対してだけ経験不足を理由にするのは間違っているが、ハリスはそれを言わせてしまう能力の欠如が明らかにされつつある。

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『ザ・ヒル』誌の勝利可能性のグラフ(青:ハリス、赤:トランプ)

 下に紹介した記事は1カ月前の記事で、まだハリスの勢いがあった頃のものだ。それでも、選挙結果予測で有名になったネイト・シルヴァーは、自身がハリス支持であるにもかかわらず、トランプ当選の可能性が高いと危惧し、トランプ当選に備えよと述べている。シルヴァーは有能な選挙予測のプロとして、ハリスの人気が落ちていること、トランプの人気が上昇していることを掴んでいるのだろう。

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「FIveThirtyEight」での予測(赤:トランプ、青:ハリス)

 五大湖周辺州のウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州での支持率の数字は接戦となっているが、8月と9月にハリスに遭った勢いは落ちている。トランプが追い上げて逆転している。民主党のジョー・バイデン政権がハリスの援護射撃のために、オクトーバーサプライズを仕掛けることが考えられるが、経済政策では投開票日までに効果が出る施策は難しい。また、ウクライナ戦争や中東紛争で停戦ということも考えにくい。このままの状況で進むとなると、トランプが勝利を収めるということになりそうだ。また、現状から逆転してハリスが勝利ということになれば、選挙後に不満を持った有権者たちが暴力に訴えるということも起きる可能性がある。目を離せない展開となるだろう。

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(貼り付けはじめ)

「人々は今すぐに不測の事態の発生に備えるべき」:トランプ勝利の可能性について、アメリカ有数の予測者がそのように語っている

-ネイト・シルヴァーの選挙モデルは、何百万人もの有権者に再び注目されている。ギャンブラーから統計学者に転身したシルヴァーが、ホワイトハウス争奪戦、我々の文化を再定義するリスクを取る冒険者たち、そして神の確率について語っている。

デイヴィッド・シャリアトマダリ筆

2024年9月21日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/us-news/2024/sep/21/people-should-be-making-their-contingency-plans-like-right-away-americas-leading-forecaster-on-the-chances-of-a-trump-win

ロンドンはネイト・シルヴァーにとって少し穏やかな場所だろうか? 多大な影響力を持つアメリカの選挙モデルで知られる統計の専門家は、リスクに関する新しい本の宣伝のためにロンドンを訪問しており、大西洋のこちら側で安全策を講じるあらゆる方法に注目せずにはいられない。シルヴァーは「ロンドンの地下鉄に行くと、ガードドアがあるが、ニューヨークの地下鉄には何もない」と述べている。彼は明らかにエリザベス線に乗ったようだ。あるいは、「ウーバーで呼んだ車に乗っているのに、後部座席でシートベルトをしていないと、イギリス式の非常に礼儀正しいビープ音が鳴り響く」と、彼は不安をかき立てるような高速の笑い声で言う。シルヴァーはそれほど気にしている訳ではない。彼が学生時代に1年間過ごしたこの街が気に入っているという印象を受けるが、そしていずれにせよ「両国は異なるトレードオフを行っている」と述べている。つまり、アメリカは規制が少なく、より高い成長を遂げている。しかし平均余命は低い。まさに生き急いで若くして死ぬということだ。

しかし、シルヴァーが最もくつろげる場所はロンドンであることは明らかだ。「この本を書いている間、カジノで多くの時間を過ごした」と彼は著書『魅了されて(On the Edge、オン・ザ・エッヂ)』の冒頭で告白し、「200のゲームテーブル、1275の客室、3000台のスロットマシン、そして20000フィート上空からネオンブルーの光を放つギターの形をしたきらびやかなホテル」を誇るフロリダのカジノについて述べている。王立芸術協会(Royal Society of Arts)の落ち着いた魅力からかけ離れた彼は、野球帽にTシャツという出で立ちで、広報が持ってきたチョコレートをムシャムシャと食べながら、必要な血糖値を上げている(「今日は8時間ぶっ通しで働きづめだ」)。彼の新しい現代パワーの分類法によれば、私たちはまさに「ザ・ヴィレッジ(The Village)」にいる。これは、彼が説明したあのドーパミンまみれのカジノは「ザ・リヴァー(The River)」の一部だ。

リヴァーは自由に流れ、バラバラで、エキサイティングな急流や激流に満ちている。ヴォーカー・トーナメント、ヴァガス、ヴェンチャー・キャピタル、シリコンバレーを網羅し、そこに住む人々(彼は彼らを「リベリアンズ(Riverians)」と呼ぶ)は、匿名のブラックジャック・プレイヤーからイーロン・マスク、暗号通貨詐欺師のサム・バンクマン・フリードまで、少なくとも後者がカリフォルニアの矯正施設に居を構えるまでは多岐にわたる。その考え方は高度に分析的で、やや逆張りで、スリルを求めることが多い。しかし、シルヴァーによれば、それは先進資本主義の奇妙な産物以上のものであり、猛烈な技術革新の時代において、社会の形、そして私たちの集団の未来を決定する上で、非常に大きな役割を果たすことになるということだ。

「ザ・ヴィレッジ」の方が理解しやすい。堅苦しく、動きが鈍く、規範や正統性、古いメディア、大学、政府省庁の本拠地である。ヴィレッジャーたちは、『ガーディアン』紙や『ニューヨーク・タイムズ』紙を読む。シルヴァーは、経済学を学んだ後、プロのポーカー・プレーヤーになり、その後政治評論家になった。彼は自分は両方の陣営に足を踏み入れていると考えている。『魅了されて』は、そんな彼のガイドであり、溝を埋めようとする試みでもある。「私はヴィレッジとリヴァーがお互いをもっと理解し合えるようにさせたいと思っている」と彼は取材に答えて述べた。

しかし、彼とヴィレッジの関係は複雑だ。シルヴァーは2008年の大統領選挙で、彼の選挙モデルが50州中49州で勝敗を的中させたことで注目を集めた。2010年にはニューヨーク・タイムズ紙が彼を起用し、2012年のオバマとミット・ロムニーの戦いでは、彼は50点満点を獲得した(統計的思考に関するありそうでなかったベストセラー『シグナルとノイズ』も執筆)。2016年になると、彼のウェブサイト「FiveThirtyEight.com」はスポーツネットワークESPNに買収され、絶望的な不安の中で、予言的な力を持つものとして扱われるようになった。実際、心配性のリベラル派が彼の選挙人団地図を常に更新したおかげで、「人気が出すぎた」とシルヴァーは書いており、分析会社のチャートビートが彼の予測を「英語圏のインターネットで文字通り最も魅力的なコンテンツ」と評価したことを指摘している(2位はBBCの「Brexit Liveblog」)。彼のモデルは、ヒラリー・クリントンが勝利する確率を71%と、他の誰よりもずっと低い確率で予想したが、クリントンが勝利しなかったとき、「政界の多くの人々の反応は『ネイト・シルヴァーはくそったれの馬鹿野郎だ』というものだった」。ネイト・シルヴァーからすれば、彼のやっていることが理解できなかっただけなのだ。確率で言えば、トランプの勝利は青天の霹靂という訳ではなかった。

私たちは今、非常に不透明な選挙の真っただ中にいることに気づき、政治ジャンキーたちは再びシルヴァーに政治情報を求めている。今回は彼のサブスタックである「Silver Bulletin」であるが。(FiveThirtyEight」ブランドは現在ABCの所有だが、シルヴァーは彼のモデルの権利を保持している。「私はニュースレターで他のものよりはるかに多くの収入を得ている」と述べている。 私たちのインタヴューの数日後、ドナルド・トランプ大統領は記者会見を開き、「ネイト・シルヴァーはとても尊敬できる人物だが、私は彼を知らない。しかし、彼は私を大いに助けてくれた」と述べた。

今回、人々が自分の予測を誤用したり誤解したりしているのではないかとシルヴァーは心配しているのだろうか? 「いいえ」と彼は躊躇なく答えた。シルヴァーは次のように述べている。「いいえ。つまり、人々はこれらの世論調査をどのようにでも解釈するつもりだが、私たちはそれを行うための経験的に適切な方法を持っており、16年以上の実績を持っている。私は強権的な態度ではないと思っているがどうだろうか? 私は有益な情報をお届けしている。私たちはそれについて多くのコンテキストを提供する。私は昔ながらの伝統主義者で、人々に良い情報を提供し、それによって人々がより良い意思決定を行えるようになると確信している」。

大統領選の討論会を1週間後に控えた今朝、予測モデルはトランプが選挙人投票で勝つ確率を58%、ハリスが一般投票で勝つ確率を60%としている。しかし、ここまで来ると、実質的には五分五分(toss-up)だ。統計オタクはロボットのような博識者という一般的なイメージを考えると、驚くべきことかもしれないが、『魅了されて』で、シルヴァーは直感を重視している。「私は、直感や感情的な判断は、ただ押し返さなければならないものではなく、むしろ実際に付加価値を与えるものだと考えている」と彼は私に述べた。これは『シグナルとノイズ』からの転換であり、『シグナルとノイズ』では「データをもっと活用すれば問題は解決するという、ある種ナイーブな考え方をしていた」とシルヴァーは述べた。

では、彼は誰が勝つか直感(gut feeling)を持っているのだろうか? 「そうかもしれない」と彼は言うが、その前に、「選挙キャンペーン中は、誰もが脳が非常に政治的になる」ので、この文脈ではあまり信頼できないだろうとハリス支持者である彼らしい込み入った説明を始めた。彼はハリス支持者である。おそらく彼は、自分のモデルを否定するような発言はしたくないのだろう。シルヴァーは「もし私に強い直感があれば、そうだろうと言うだろう。しかし、今のところはそうではない」と述べた。

今回のような大接戦の選挙(knife-edge election)において、予想がどれほど役に立つだろうか? どちらに転ぶかわからないという洞察でさえ役に立つとシルヴァーは主張する。シルヴァーは次のように述べている。「五分五分だという予測があることの潜在的な利点の1つは、人々がすぐにでも不測の事態に備えた計画を立てるべきだということだ。弾薬やピーナツバターの備蓄が必要だということではない。あるいは、2028年(あるいは2032年)には、トランプのような共和党が、もしかしたらトランプよりも効果的かもしれない。例えば、私がリベラル派の献金者なら、必要以上の資金を持っているカマラ・ハリスにまた10万ドルを献金するのではなく、そのような事態に備え、制度を守るために今、資金提供を始めたいと思うだろう」。

そして、シルヴァーはトランプの勝利を恐れているが、「前回は完全かつ完全な惨事を防ぐために多くのガードレールが設置されていたが、そのガードレールは弱体化したということだろうか?」と述べている。シルヴァーは、それを民主政治体制に対する実存的脅威として、少なくとも政治戦略として描くことに対して警告している。シルヴァーは次のように述べている。「その意味で基本的に有権者を人質に取るという考えは非常に魅力的ではない。バイデンはこう言った、『分かった、確かに、私は86歳まで大統領をするために立候補しており、現状ではかろうじて完ぺきな文章を書けるくらいかもしれない。しかし、もし私に投票しなければ、それがやってくる』。これは有権者に投票してもらうには非常に魅力のないアピールだった。一方、ハリスはより多くの喜びをもたらし、明らかに非常に才能のある女性だ」。しかし、シルヴァーは、ハリスが「バイデンを続投させるのが得策だと考えるバイデン派の人々をあまりにも多く引き留めてしまった」ことを懸念している。「彼女はそうする必要があったのだと思う」とシルヴァーは述べている。

全てのリベラル派がハリスの立候補に熱狂している訳ではない。そのなかにはイーロン・マスクもいる。彼は、トランプが支出や規制を削減するための「政府効率化委員会」という彼のアイデアを採用したことについてコメントし、フォロワーに「機会があればアメリカに貢献することを楽しみにしている」と語った。シルヴァーの見解では、ツイッター、そして現在のXを買収したことが、彼の頭をよぎったようだ。「経済的にはかなり悪い賭けだったと思う。しかし、文化的な影響力という点では、エリートの間でアメリカの言説をかなり右傾化させた。イーロン・マスクがリベリアンとして最も分かりやすい人物でなければよかったのだが。イーロンは 「ああ、僕はただの穏健派なんだ 」と言えた時代だ。彼は右翼のミーム(中には彼自身が作り出したものもある)にとても騙されている。知らないかもしれないが、「Pilled」とは極めてオンライン的な専門用語で、ここでは「改宗した(converted)」というような意味である)。

このサイトの利用頻度が非常に高いユーザーとして、シルヴァーはこのサイトの変化についてどう感じているのだろうか? 彼は「パンデミック時代のヴァージョンに比べれば、それほど酷いものではないと思う。反対意見を取り締まるために、ヴィレッジによって利用され、非常に合理的な立場を持つ人々を本当に批判していた」と述べている。新型コロナウイルスに対する彼のスタンスは、ワクチン推進派であり、ロックダウン懐疑派であった。「イーロンの前の時代には、集団思考(group thinking)が蔓延していた。そのために絶対に非難された。今は少なくとも、より多元的だった」と述べた。彼はまた、「政治的に不都合な考えを誤報(misinformation)だとレッテルを貼る」人が多すぎることから、「誤報というのは、少なくとも第一近似値ではでたらめだ」とも考えている。彼は、「ジョー・バイデンの年齢に関する懸念に誤報や深いフェイクであるというレッテルを貼る」試みと同様に、新型コロナウイルスの研究室リーク説に対しては冷ややかに却下している。

しかし、これは本当にヴィレッジなのだろうか? それとも単なるソーシャルメディア上の接近戦なのか? 私は、研究所のリーク説は主流派の学者たちによって堂々と調査されたことを指摘する。FBI(リヴァーの前哨基地とは言い難い)は、それが最も可能性の高い説明であると結論づけた。「彼らは12年後には修正する」と彼はヴィレッジの機関について言い、民主党も最終的にはバイデンを交代させたと指摘する。シルヴァーは「しかし、ある種の機敏さが欠けていると彼は明らかに感じている」と述べている。

そして、誤報に関しては、最近のイギリスで暴動事件が起きた際にマスクが『デイリー・テレグラフ』紙の扇動的な(そして偽造された)見出しをツイートしたことについてはどうだろうか? シルヴァーは「だからこそ、政治的党派性を理解し、強権ではなく、自分自身にレンズを向けることのできる人々が必要なのではないか?」と述べた。何かを否定する閾値(threshold)を高く保つことは、実際に信頼を高めると彼は主張する。「暴動に関する嘘の映像、アメリカの選挙陰謀説、QAnonやワクチン陰謀説、これらは誤報として適切に分類されるものだと思う。完全にもっともらしい、研究室からのリーク説を否定したり、『ああ、ハンター・バイデンのラップトップだ』と言ったりするのは、ヴィレッジの信頼性を非常に損なうものだ」。(当初はロシアのフェイクとして却下されたが、ハンター・バイデンの放置されたノートパソコンから発見された証拠となる電子メールは、後に本物であることが判明した)。

シルヴァーは特にXに対して辛辣で、彼のモデルや実践を軽視する人々に対して攻撃的になる。スタンフォード大学のジャスティン・グリマー教授が、政治予測(political forecasting)についてよくある批判を行った時、選挙の頻度が低すぎるため、いかなる精度で確率を計算することもできない(あるいは、彼の言葉を借りれば、「結果データが不足しているということは、選挙予測者が予測をしなければならないことを意味している統計モデルを構築する方法についての知識に基づいた推測」)、シルヴァーはグリマーを「たわごとのモデルを作成できない退屈な学者」の1人として非難した。私たちが会った時、彼は攻撃の言葉を少し変えて、「統計的推論の実際のスキルを全然持たない退屈な学者」と呼んだ。

このようなことは人間関係を腐らせるのではないだろうか? シルヴァーは次のようになっている。「人々がツイッターをあまり深刻にとらえなければ、もっと良くなると思う。私たちはただふざけて楽しんでいるだけのことだから。これは、いかにもアメリカ的で、イギリス的ではないのではないか? 私は、このような怠惰な悪意のある批判をする人々に対して偽の善意で行動することを信じていない。80%の場合は無視するが、20%の場合は反撃する」。

いかにもイギリス人らしいと言われるかもしれないが、多くの人々が、そしてシルヴァーもその1人かもしれないが、X上で見るよりも実際に会った方が80%ほど素敵に見えるという事実は、私たちを立ち止まらせるべきだと思う。ソーシャルメディアが、人類が直面する最大の問題でないことは明らかだが、イーロン・マスクの指導は、リヴァーの権力に内在する問題を物語っている。投獄された起業家サム・バンクマン・フリードについて、シルヴァーは何度もインタヴューしている(「彼は奇妙な人物で、リスクに対する考え方が 『非合理的で、ある種狂っている』」)。SBFとして知られるバンクマン=フリードは、彼の暗号通貨取引プラットフォーム「FTX」を利用した投資家から数十億ドルを盗んだ罪で、最終的に投獄された。シルヴァーは検察側証人の証言を引用する。SBFは、「コインが裏になって世界が破滅しても、表が出れば世界が2倍以上良くなるのであれば、喜んでコインをはじくだろう」と証言している。

結果的には、この強引な態度がSBF自身の破滅を招いただけだった。しかし、その影響はもっと広範囲に及んでいた可能性がある。シルヴァーは、SBFが人工知能企業Anthropicに多額の投資をしていたことを指摘している。この技術が社会を一変させ、破壊する可能性さえあるのではないかという懸念が真剣に議論されている今、彼が大手AI企業のCEOになっていた可能性も考えられる。「シリコンバレーは、非常に自信過剰な創業者、つまり、本質的に成功する確率の低い逆張りのアイデアに大きな賭けに出ようとする人を選ぶ」と、シルヴァーは『魅了されて』の最後に書いている。それは技術革新にとってはいいことかもしれない。ヴェンチャー・キャピタルにとっても、賭けたものがうまくいったときにはいいことだ。しかし、私たちにとっては必ずしも良いことではないかもしれない。「SBの運は、ある時点でほぼ必然的に尽きることになる。しかし、その運がすぐに尽きてしまったことは、我々全員にとって幸運だった」とシルヴァーは述べている。

シルヴァーの内なる「ヴィレッジャー」たる所以は、このリスクの高さにある。彼はAIの危険性がかつてほど 「無視(neglected)」されていないことを喜んでいるが、それでもリヴァーの覇権がもたらす結果があまりにも悲惨で、規制の必要性を否定できない分野であることに変わりはない。彼は他の危険な技術に例えて言う。「自宅の裏庭に原子炉は建てられないだろう? 政府の役割は必要だと思う」。

このような実存的な疑問について考えることが、シルヴァーをヴィレッジの緑を越え、比喩的な教会へと導いたのかもしれない。このように尋ねると、シルヴァーは「私は無神論者(atheist)よりも不可知論者(agnostic)に近いかもしれない」と答えた。そのことを話すのが少し恥ずかしいのか、彼はくすくす笑い出した。しかし、彼が少しウジウジしてきたと思っていたが、統計学者の面がすぐに戻ってきた。「ベイズ的な見地から言えば、宇宙の起源や性質についての疑問に対する良い答えを持っていないと思うんだ。明らかに、キリスト教神学やそのようなものに低い確率を置くと思うんだ。でも、人々はもっと心を開くべきだと思う」。

「今回の本は3冊目の本になるかもしれない」と彼はつぶやいている。ネイト・シルヴァーは神の存在にオッズをつけることになるかもしれない? それに賭けてはいけない。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。
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 アメリカ大統領選挙まで残り3週間ほどとなった。共和党のドナルド・トランプ前大統領と民主党のカマラ・ハリス副大統領の間で大接戦が演じられている。先日もこのブログでご紹介したが、激戦州(battleground statestoss-up states)はかなり絞られており、ここで大接戦が演じられている。

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激戦州を除いての状況

 今年7月末に、ジョー・バイデン大統領が再選を目指さない、そして、ハリス副大統領を支持すると発表してから、8月下旬の民主党全国大会での正式指名あたりまで、民主党側・ハリス陣営は上げ潮、上昇気流に乗っていた。「これで一気に形勢逆転だ、ハリスがトランプを突き放す」という雰囲気作りが行われた。しかし、支持率で逆転しても、突き放すまでには至らなかった。最近になって、トランプが再逆転という状況になっている。

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激戦州全体での支持率の推移(2024年10月14日まで)

 2020年の大統領選挙では、民主党のジョー・バイデン前副大統領(当時)がドナルド・トランプ大統領(当時)に勝利した。バイデンの獲得選挙人数は306人、トランプは232人だった。2016年の結果とちょうど反対となった。2016年の大統領選挙の結果はトランプが306人、ヒラリー・クリントン元国務長官(当時)が232人だった。

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2016年の結果(赤がトランプ、青がヒラリー)

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2020年の結果(赤がトランプ、青がバイデン)

 重要なのは、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ジョージア州で結果がひっくり返ったことだ。2016年の選挙ではこれらの州全てでトランプが勝利したが、2020年ではバイデンが全勝したのだ。「青い壁(Blue Wall)」の復活と喧伝された。バイデンは30年以上、民主党所属の連邦上院議員を務め、オバマ政権下の副大統領8年を加えると約半世紀にわたる国政経験があった。出身地のペンシルヴァニア州をはじめ、五大湖周辺州、中西部での幅広い人脈を持っていた。言ってみれば、バイデンは選挙戦における「地上戦の男」だ。

一方で、ヒラリーは出身こそイリノイ州シカゴであるが、配偶者のビルは南部アーカンソー州出身で知事を務め、拠点をニューヨークに置いていた。そのために、重要な五大湖周辺州や中西部では全くもって地上戦を展開できなかった。このマイナス面をカマラ・ハリスも持っている。ハリスはカリフォルニア州での検事、司法長官、連邦上院議員(1期の途中で副大統領に転出)、副大統領と、国政の経験が少ない上に、地域的にもかなり偏っている。中西部の人たちにしてみれば、「カマラってどんな人だ?」ということになる。ハリスはバイデンが復活させた「青い壁」を破られつつある。

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2024年10月14日までの支持率を換算しての予測

 選挙戦終盤になって、カマラ・ハリスの弱みがどんどん見えている状況だ。政治面での経験不足ということは否めないが、それを言えば、バラク・オバマだって、ジョージ・W・ブッシュだって、ビル・クリントンだって経験不足だった。ハリスは自身の人柄や魅力を伝える能力が足りないし、インタヴューなどで当意即妙に答える頭の回転の速さやユーモアのセンスがない。ただひたすら馬鹿笑いをしているだけのように見える。あれでは人々からの信頼は得られない。また、ジョー・バイデン政権の弱い部分や失策がハリスに重くのしかかるということもある。これはややかわいそうな面があるが、仕方がないことだ。

 ハリスに勢いが出ないということで、民主党全体に勢いがつかない状況だ。「バイデンでは選挙に勝てない、危ない」ということで、連邦議員たちがオバマに泣きつくような形で、バイデンを引きずり下ろすということをやった。それはとても民主的とは言えない強引なやり方だった。しかし、カマラ・ハリスが大統領候補になってみても、状況はさっぱり好転せずということになっている。2024年の選挙は民主党はどっちにしても、何をやっても駄目だったということになりかねない。

(貼り付けはじめ)

ハリスが負けつつある4つの理由(The 4 reasons Harris is losing

ダグラス・マッキノン筆

2024年10月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4929051-the-4-reasons-harris-is-losing/

私は、非公式に3人の民主党選挙運動関係者と話をしたが、全員が選挙戦はカマラ・ハリス副大統領から離れつつある(勢いが落ちている)と確信している。彼らは、これが起こっている主な理由を4つ挙げていく。

第一はハリス自身だ。彼女はシンプルに、あまり良い候補者ではない。彼女は自信がなく、リハーサルのない、あるいは吟味されていない政策質問を受けるのを恐れているようだ。この責任は、政治をよく観察している人々にとっては驚きではないが、多くの有権者にとっては新たな懸念材料となっている。

この不安定さと不安感は、ハリスが2020年の大統領予備選ですぐに撤退するという醜態を演じた、最初の候補者だったときに初めて示された。今、有権者、大口献金者、民主党の権力者たちは、既視感のある明確な瞬間として、2024年に同じ失敗を思い起こそうとしている。

ハリスが低迷している第二の理由は、バイデン=ハリス政権の記録だ。それが彼女の足を引っ張り、重荷になっている。

ハリスは今週、ABCの「ザ・ヴュー」でのインタヴューでこの問題を著しく悪化させた。このインタヴューの目的は彼女を良く見せることだったにもかかわらず、ハリスは受け答えで失敗した。ハリスを支持する司会者のサニー・ホスティンは次のように質問した。「過去4年間、バイデン大統領と違うことをしましたか?」

ハリスはすぐに思惑から外れた。ハリスは「思い当たることは何もありません(There is not a thing that comes to mind)」と答えた。「思い当たることは何もない」と発言した。

この返答を聞いたハリス陣営、主要メディア、民主党のエリートたちの衝撃と落胆の悲鳴は、ワシントンDC一帯の地震計を作動させたはずだ。

驚くことでもないが、ティーム・トランプはその答えを繰り返し喧伝している。彼らは、ハリスがバイデン政権の失策に選挙戦の残りをスポット溶接したことに興奮を隠せないのだ。

第三に、最終的にフロリダ州知事ロン・デサンティスの大統領選挙キャンペーンを終わらせたのと同じ問題に行き着く。トランプが持っている「個人崇拝(カルト・オブ・パーソナリティ、cult of personality)」に対抗して選挙運動をするのは事実上不可能だ。

好むと好まざるとにかかわらず、トランプにはとらえどころのない 「それ(it)」の要素がある。それを買うことも、作り出すことも、偽ることもできない。持っているか、持っていないかだ。この「それ」のおかげで、2016年に彼は大統領の座を獲得し、2020年には現職大統領の歴代最多得票数を更新しながら、当選まであと一歩のところまで迫った。

ハリスは、共和党予備選のデサンティスと同様、数千万票を擁して選挙戦をスタートさせた「個人崇拝」キャンペーンの牙城に真っ向から立ち向かうことになる。

最後に、私が話を聞いた民主党工作員たちがハリスにとって最も壊滅的な問題だと信じている問題がある。それは、昔ながらの「皆さんにとって4年前より今のほうが良いのか?(Are you better off now than you were four years ago?)」質問だ。ハリスにとっての問題は、民主党の中核選挙区内の潜在的に何百万人ものアメリカ人が、自分たちは4年前の方が良かったと信じているだけでなく、今ではバイデンとハリスの政策と失敗によって自分たちとその家族が押しつぶされていると考えていることだ。

このようなシナリオの下で、実践的で、現実的で、ある程度の影響力を持つ民主党支持者たちは何をすべきなのだろうか? ある人たちにとっては、ハリスの敗北に備え、体制を立て直し、2028年の民主党大統領候補を吟味し始めることだ。

私が話をした人たちは、ハリスと民主党全体が、党内の極左派をなだめるために左に傾きすぎていることを恐れている。彼らは、これがハリスの敗北を予想させるだけでなく、民主党候補者全体に打撃を与えているのではないかと懸念している。

来月の選挙が、私が信じる通りに進めば、2028年にはJD・ヴァンス副大統領が共和党候補の筆頭となるだろう。ロン・デサンティス前知事は彼に挑戦するのか? 可能性はある。しかし、私が話をした人たちは、共和党の支持層は深く、どの候補が選ばれても強力だと考えている。

彼らは、民主党がホワイトハウスの座を争うことを望むなら、2028年にはより中道派の候補者を選ぶ必要があると考えている。しかし、それを現実にするためには、彼らは党内の非常に声高で非常に活動的な極左翼に立ち向かう勇気と強さも見つけなければならないだろう。

これから3週間あまりで、この問題の多くがはっきりと浮かび上がってくるだろう。

※ダグラス・マッキノン:ホワイトハウスと国防総省に勤務した経験を持つ。

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民主党の有権者登録についてハリスに赤信号が灯る(Democratic voter registration raises red flags for Harris

アレクサンダー・ボルトン筆

2024年10月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4929781-voter-registration-democrats-pennsylvania-nc-nevada/

専門家たちがジョー・バイデン政権ブランドと民主党全般に対する熱意の欠如を問題視している中、主要な激戦州であるペンシルヴァニア州、ノースカロライナ州、ネヴァダ州の3州で民主党の有権者登録の優位性が低下し、カマラ・ハリス副大統領に赤信号が灯っている。

もう1つの重要な激戦州であるアリゾナ州では、共和党の有権者登録数が大幅に増加しており、2020年にバイデン大統領が僅差で勝利した州を、ハリス副大統領が守るのは厳しくなる可能性がある。

ジョージア州、ミシガン州、ウィスコンシン州など他の大統領選激戦州では、政党別の有権者登録を行っていない。

ペンシルヴァニア州とノースカロライナ州で有権者登録が民主党から離れていることは、なぜハリス陣営が水圧破砕や税制などの問題を中心に据えてきたのかを説明するかもしれない。

ネヴァダ州では、民主党の有権者登録数の優位性が低下しているが、ハリス候補は他の州とは異なり、世論調査の平均値ではトランプ前大統領に対して明確なリードを保っている。

ペンシルヴァニア州のフランクリン・アンド・マーシャル大学世論調査研究センター所長のバーウッド・ヨストは、「2020年から2024年までの変化を見ると、民主党は約30万人減少し、共和党は約7万人増加している。無党派層は約8万3000人から8万5000人増加している」と述べている。

ヨストは、ペンシルヴァニア州の一部で民主党の有権者登録数が減少しているのは、「ワシントンの政権党に対する幻滅(disenchantment with the party in power Washington)」が原因だと述べている。

ヨストは更に、「人々はバイデン大統領の就任について非常に否定的に感じている。そうだ、ハリス陣営にとっては危険信号であり、彼らはそれを修正しようとしている」と付け加えた。

ヨストは、民主党の有権者登録数の減少は、エリー郡、ノースハンプトン郡、バックス郡などの激戦となっている郡や、フェイエット郡のようなトランプの勝率を可能な限り小さく抑えたい地方の郡におけるハリスの課題であると警告した。

ヨストは「警告のサインであることは間違いないが、接戦になることは分かっていた。これもその一例だ」と語った。

ザ・ヒルとディシジョン・デスクHQがペンシルヴァニア州の最近の世論調査を分析したところ、ペンシルヴァニア州では、ハリスがトランプを1ポイントリードしているが、両候補が同程度の確率で勝利すると予測している。

ボストンにあるサフォーク大学の政治研究センター長デイヴィッド・パレオロゴスによると、2020年のペンシヴァニア州の有権者登録数は民主党が共和党を約66万6000人上回っていたが、2024年には約35万4000人にまで縮小している。

パレオロゴスによると、ノースカロライナ州における民主党の有権者登録の優位性は、2020年のプラス393000人から、2024年にはプラス130000人程度に縮小している。

パレオロゴスは本誌に対し、「この4年間で、一般的に言って、民主党への登録離れが進んでいる」と述べている。

パレオロゴスは「共和党の有権者登録の急増よりも、民主党の有権者登録の減少の方が大きい」と説明する。

パレオロゴスは「私は多くの人たちが次のような事実に注目しているとは思えない。2020年にトランプがノースカロライナ州で勝利したとき、39万人ほどの民主党員登録者がいた。それにもかかわらずトランプは勝利した。現在は13万だ。アドバンテージの3分の2が減ってしまっているのだ」と語った。

パレオロゴスはノースカロライナ州について、「ハリス氏が得た可能性のある何らかの利益や、彼女が行った可能性のあるマイクロターゲティングにもかかわらず、トランプは、ノースカロライナ州での世論調査の一部が示す結果をおそらく拡大する立場にあるようだ」と分析している。

ピッツバーグ大学の歴史学者で、選挙データを研究しているララ・パットナムは、ペンシルヴァニア州では高齢の民主党議員が亡くなりつつあり、一方でかつて「レーガン民主党員(Reagan Democrats)」に分類されていた有権者たちが共和党に党派を変えつつあると指摘している。

パットナムは「基本的な数字は、民主党の登録から共和党の登録に移る人が増えていることです」と述べている。

パットナムは「その大部分はレーガン民主党員と呼ばれる人々で、民主党として登録していたが、共和党をより強く意識するようにかなり着実にシフトしている地域にいる人々で、投票嗜好に合わせてゆっくりと登録を変更している」と説明している。

パットナムは「このような人々はラストベルトに住む人々だ。組合が衰退し、経済の活力が他の地域に移ったことで、民主党の投票と古い工業地帯との結びつきが分断されたのだ」と付け加えた。

ペンシルヴァニア州とノースカロライナ州の民主党系ストラティジストたちは、2020年にバイデンがペンシルヴァニア州で勝利し、ノースカロライナ州では僅差で敗北して以来、この2つの重要な州で党の有権者登録の優位性が損なわれていることを認めている。

トランプや他の共和党員に投票した民主党登録者が政党登録を変更するようになったのはつい最近であり、登録数の変化が投票行動に追いつきつつあるとストラティジストたちは言う。

そして、無党派またはどの政党にも所属していないとして登録している新規有権者の多くは、トランプよりもハリスを支持する可能性が高いと主張している。

ペンシルヴァニア州に拠点を置く民主党ストラティジストであるJJ・バラバンは「何が起こっているのかと言うと、民主党登録者の一部が長年の投票方法を反映して政党を変更しているということだ。2020年にトランプ大統領に投票し、2024年に登録を民主党から共和党に変更しても、ペンシルヴァニア州の投票が2024年にどのように変化するかについてはあまり示されていない」と述べている。

ノースカロライナ州では、民主党系ストラティジストのモーガン・ジャクソンは、ハリスに投票する可能性が高い若い有権者たちが無所属として登録するケースが増えていると述べた。そして主な理由の1つは、双方の評判が悪いからだとジャクソンは述べた。

ジャクソンは本誌の取材に対して次のように答えている。「確かに、民主党の有権者登録数は減少し、共和党の登録数はわずかに増えたが、真実は、人々は無所属として登録しているだけのことである。現在、無所属の人々が有権者の最大の層となっている。言わなければならないのは、それは民主、共和両既存政党のブランドが有権者から最悪だと見られているからだ」。

ジャクソンは、「特に多くの初めての新規有権者、彼らは党に対して忠誠心を持っていないだけだ。しかし、私たちが目にしているのは、無所属の有権者、その大多数が無所属ではないということだ。彼らのほとんどはどちらかの政党に同調している。その中には本当にピンポン投票者、つまりスイング投票者である少数の人々がいる」と述べた。

ザ・ヒルとディシジョン・デスクHQは、トランプがノースカロライナ州で勝利する確率を64%とし、ノースカロライナ州の世論調査平均ではトランプがハリスよりも、1ポイント有利であるとしている。

サフォーク大学のパレオロゴスは、大統領と米連邦上院の激戦区である他の2つの激戦州、アリゾナ州とネヴァダ州でも、有権者登録における両党間の差が変化していると述べた。

アリゾナ州を拠点とする共和党系ストラティジストのコンスタンティン・ケラールは、共和党幹部と活動家たちがアリゾナ州での共和党登録を増やすために協力を密にして取り組んでいると述べた。

ケラールは「共和党は実際に現場に出て、やるべき現場での仕事を行った功績が認められる」と語っている。 

ケラールは、全国の共和党の有権者登録は120万人増加したが、民主党の有権者登録は2022年以降80万人減少したと述べた。

ケラールは次のように述べている。「全国的には、過去2年間で共和党へ200万票が移動している。共和党ブランドは民主党ブランドよりも成績が良い。私たちがアリゾナでこれほどの成果を上げたのは驚くべきことではないと思う」。

アリゾナ州では、バイデンがアリゾナ州を制した2020年に比べて、共和党が有権者登録で民主党に比べて2倍になっている。

パレオロゴスは「バイデンが勝ったアリゾナ州を見てみると、アリゾナ州では共和党員の純登録者数が13万人だったが、それが2倍になった。現在、アリゾナ州における共和党登録の優位は25万9000人だ」と語った。

パレオロゴスは、9月下旬に実施されたサフォーク大学の世論調査で、アリゾナ州においてトランプがハリスを6ポイントリードしている理由がこれで説明できると述べた。

パレオロゴスは「アリゾナ州でトランプが6ポイントリードしていることに私は驚かない。全ての要因を考慮すると、それは私にとってきわめて合理的な結果だ」と述べた。

パレオロゴスは、ネヴァダ州において、民主党の有権者登録の優位性が失われたと述べている。

パレオロゴスによれば、民主党は2020年には約79000人の純有権者登録数で優位に立っていた。その後、プラス29000人の有権者のプラスに落ち込んでいる。

パレオロゴスは「接戦を維持するのに十分かもしれないし、5万人の民主党登録者を失っただけで、トランプ氏に軍配が上がるかもしれない」と述べている。

『ネヴァダ・インディペンデント』誌のCEOであり、ネヴァダ州を代表する政治評論家であるジョン・ラルストンは、ネヴァダ州における民主党有権者の優勢は2020年には約5ポイントだったが、現在は1ポイントになっていると述べた。

ラルストンは本誌の取材に対して、Eメールで、「共和党が優勢になったのではなく、無党派層が爆発的に増えたため、民主党が失った有権者が少なくなっただけだ。それでも、民主党にとっては懸念材料だ」と答えた。

ラルストンは最近のコラムの中で、ネヴァダ州で最も人口の多いクラーク郡の登録者数が 「変動(shifting)」したことで、民主党が「明らかに弱体化(apparently vulnerable)」していると指摘した。

10月1日から9日の間に、クラーク郡では共和党が民主党より少なくとも1118人多く有権者登録を獲得した。

これは、2018年、2020年、2022年の10月最初の9日間に起こったこととは異なる。その前の年はいずれも、民主党が共和党より2000人以上多く登録を獲得している。

クラーク郡の人口は230万人を超え、州全体の3分の2を超える。バイデンは33500票差で、クラーク郡で勝利した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は、民主党がカマラ・ハリス副大統領を大統領候補者として正式に決め、副大統領候補にミネソタ州知事ティム・ウォルツを決めた。ウォルツの起用は、このブログで予想した通りで、アメリカ大統領選挙の主戦場は、五大湖周辺州の激戦州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州と定まった。共和党側はニューヨーク出身(現在はフロリダ州在住)のドナルド・トランプ、民主党側はカリフォルニア州出身のカマラ・ハリスとなり、いわゆる、アメリカの両沿岸地域出身であり、それぞれの副大統領候補が中西部、五大湖周辺州とその隣州の出身ということで、両陣営が五大湖周辺州を最重視し、ここで決着をつけようとしていることが明らかになった。

 ハリスがウォルツを起用したのはヒットだった。ウォルツはハリスにないものを補える人物だ。エリートではない、中道、中間層のアメリカ人(「普通の」アメリカ人)であり、ハリスの持つ、検察官上がりのエリート臭さを緩和することができる。ウォルツがリベラルであるが行き過ぎてはいないということで、党内の団結のためには良い人選となった。

 しかし、ハリスにはまだまだ厳しい壁が立ちはだかっている。ハリス自身の外交政策が見えてこないこと、中道なのか、リベラルなのかはっきりしないこと、ジョー・バイデンとどこがどう違うのかをはっきり示さねばならないが、やり過ぎるとそれは現政権批判になってしまうということだ。バイデンの政策をそのままそっくり日気づいて何も買えないということになれば、それならバイデンで良いではないかということになる。

 主戦場の五大湖周辺州で、ハリスはどれだけの「地上戦」を展開できるかと言われると、甚だ疑問だ。ウォルツがいるのでだいぶ助かるだろうが、彼女自身が五大湖周辺州にほぼ縁がないということが問題だ。ジョー・バイデンはペンシルヴァニア州の生まれ育ちで、隣のデラウェア州でキャリアを重ねたが、地縁、血縁、ネットワークは強固なものだ。労働組合やアフリカ系アメリカ人組織などとは数十年にわたり関係を築いてきた。バイデンはまさに「地上戦」の人である。ハリスとヒラリーはどうしても「空中戦」の人だ。ハリスがどれだけ地上戦を展開できるかだ。

 また、アメリカ経済の先行き不安ということになると、「経済はやはり経験のあるトランプ」ということになる。ハリスには経済運営を行った経験はない。アメリカ経済の後退局面がこの時期に来たというのはハリスにとっては逆風となるだろう。

 「ハリスさん、いいぞいいぞ」「ハリスが急上昇」という報道が日本でもなされているが、現状を冷静に見ることが必要だ。

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カマラ・ハリスが「ハネムーン期間」が終わって直面するであろう5つの疑問(5 questions facing Kamala Harris as her ‘honeymoon period’ ends

ナイオール・スタンジ筆

2024年7月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4799034-harris-2024-campaign-questions/

カマラ・ハリス副大統領の登場は、ジョー・バイデン大統領を候補者のままで迎える11月の選挙での自分たちの可能性を深く憂慮していた民主党所属の議員たちの間に大きな興奮を呼び起こした。

ハリス陣営によると、バイデンが選挙戦からの撤退を表明して1週間も経たずに、2億ドルを集めたということだ。17万人以上の新たなヴォランティアが登録したと報じられている。

各種世論調査でも、ハリスはドナルド・トランプ前大統領がバイデンに対して享受していた差を縮めている。

しかし、ほとんどの調査でトランプがリードを保っており、熱狂的なハリス支持者を含め、事実上誰もが彼女のハネムーン期間がすぐに終わることを知っている。

ハリスは、週末にマサチューセッツで行われた資金調達パーティーで、「私たちはこのレースでは負けている」と語った。

ハリスと選対が抱える大きな問題を5つこれから紹介していく。

(1)彼女は強力な副大統領候補選びができるだろうか?(Will she make a strong VP choice?

これがハリスに迫る最大の決断だ。

副大統領候補は近々決まるが、それはいつでもというタイミングだ。月曜日の「CBSモーニングス」でのインタヴューで、ミシガン州知事グレッチェン・ウィトマー(民主党)は、ハリスが「これからの6、7日(the next six, seven days)」で決めるだろうと語った。ウィトマーは、ハリスの伴走者(running mate)にはならないことを強く示唆した。

副大統領候補のトップランナーとしては、マーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)、ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)、ミネソタ州知事ティム・ウォルツ(民主党)が挙げられている。その他に、ケンタッキー州知事アンディ・バシア(民主党)とピート・ブティジェッジ運輸長官の名前も挙がっている。

上位3人のいずれかを推すのは簡単だ。ケリーは移民問題でハリスの弱点を補う能力があると考えられるからであり、シャピロは最大の激戦州の知事として人気があるからであり、そして、ウォルツは、平易な語り口で、中西部地方でアピールできるからだ。

しかし、紙の上では良さそうに見える伴走者選びも、簡単に失敗することがある。共和党側では、JD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出)がトランプの副大統領候補として不安定なスタートを切ったことに大きな不安がある。共和党は、2008年にジョン・マケイン連邦上院議員(当時、アリゾナ州選出)の伴走者となったアラスカ州知事(当時)サラ・ペイリンのパフォーマンスにいまだに悩まされている。

ハリスが勝利のチャンスを得るために、副大統領候補の選択を失敗しないことが極めて重要となる。

(2)彼女はこれまでの立場をめぐる無遠慮な攻撃を鈍らせることができるか?(Can she blunt attacks over her previous positions?

ハリスに対するトランプ陣営の包括的な攻撃は、彼女がアメリカ国民にとってリベラルすぎるというものだ。

特に2020年の大統領選挙の民主党指名獲得を目指したハリスのコメントや政策的立場に関して真の脆弱性が存在する。

当時、ハリスは採掘(フラッキング、fracking)禁止を支持し、すでにグリーン・ニューディールの連邦上院共同提案者となっており、移民税関捜査局Immigration and Customs EnforcementICE)の抜本的改革を望んでいた。

ハリスがどのような立場に立っていたのかについては、いくつかの論争がある。

例えば、この時期に移民税関捜査局の廃止を求める声に賛成かどうか尋ねられた彼女は、「ICEを批判的に再検討(critically reexamine ICE)」する必要があると答え、更に「私たちはおそらくゼロから始めることさえ考える必要がある」と付け加えた。

ハリス陣営は、元検事という経歴は彼女を定義づける戦いにおいて大きな武器であり、強大な権益に立ち向かう意思があると思わせるのに役立つと反論している。

彼女はまた、2020年の予備選の時よりも、より中道的な位置づけをするようだ。例えば、彼女の陣営は先週末、本誌に対し、彼女はもはや採掘禁止を支持していないことを明らかにした。

しかし、トランプ陣営からのジャブは今後も続くだろう。

月曜日、トランプ陣営はハリスが語った古いインタヴューでのコメントを掲載した。ハリスは次のように述べていた。「そう、私は過激(radical)だ。私たちがやっていることについて過激になり、真剣に取り組む必要があると信じている」。

(3)彼女はイスラエルのガザ地区攻撃に怒る有権者を味方につけることができるだろうか?(Can she win over voters angry about Israel’s assault on Gaza?

バイデンがガザ地区攻撃でイスラエルを強く支持したことに対し、民主党の有権者の間には深い不満がある。

ギャラップ社が先月行った世論調査では、イスラエルがガザ地区でとった軍事行動に賛成している民主党員と支持者はわずか23%だった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が先週行った連邦議会での共同演説では、100人以上の民主党所属の連邦下院議員と連邦上院議員がボイコットした。

バイデンのイスラエルとガザ地区に対する姿勢は、アラブ系アメリカ人が全米で最も集中している重要な激戦州(swing state)であるミシガン州では、選挙上特に危険な要素である。

ハリスは先週末、バイデンとは別でネタニヤフ首相と会談した後、顕著な口調の変化を見せた。

イスラエルとその安全保障への「揺るぎない関与(unwavering commitment)」は確認したものの、ハリスはガザ地区で起きたことを「破壊的()devastating」と表現し、「あまりにも多くの罪のない民間人の死(the death of far too many innocent civilians)」を嘆いた。

ハリスは続けて「私たちは苦しみに無感覚になることを許すことはできない。私は沈黙しない」と述べた。

しかし、ハリスはまだ針の穴を通すことになるだろう。パレスティナに同情的な有権者たちは、実際の政策転換(shift in policy)を望んでおり、一方、親イスラエルの有権者たちは、支持が緩むことに非常に敏感となっている。

(4)彼女は重要な激戦区で勝利することができるか?(Can she win the key battlegrounds?

民主党内では、ハリスへの熱狂が起きているが、各種世論調査の数字を信じるならば、11月の選挙ではトランプが有利であることに変化はない。

ハリスの支持者たちは、バイデンが身を引いてからの世論調査の数はまだ少ないが、彼女の方向に動いていると指摘する。

しかし、特にアリゾナ州、ジョージア州、ネヴァダ州の激戦区において、彼女には挽回すべき大きな地盤がある。本誌とDDHQDecision Desk HQ)が管理している世論調査の平均では、これらの州でトランプは、約6ポイント、4ポイント、9ポイントそれぞれリードしている。

ハリスは火曜日にジョージア州に向かう。アフリカ系アメリカ人初の女性大統領となる可能性が、有権者のおよそ3人に1人がアフリカ系アメリカ人であるこの州で、彼女を大きく支援する可能性は十分にある。

ハリスは、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州の3つの「青い壁(blue wall)」と呼ばれる州で、僅差でリードを許している。

ハリス陣営は、彼女はまだ投票先未決定の有権者たちから大きな支持を得ていると考えている。しかし、前途は多難である(tough road ahead)ことは間違いない。

(5)彼女はバイデンと差別化できるだろうか?(Can she differentiate herself from Biden?

ハリスはある点で本質的に厳しい立場にある。彼女は11月の大統領選挙本選挙候補者と、そして支持率が低調な現職大統領の現職副大統領という、2つの役割を担っている。

今から投票日までの数カ月の課題は、あからさまに不誠実に見えることがないようにしながら、彼女が望む奈良の話であるが、どうなって、バイデンとの差別化を図るかということだ。

バイデンの実績としては、インフラ支出の増加、学生ローンの救済策、数百万人の高齢者のインスリン代を月額35ドルに制限するなどの具体的なものが挙げられるが、ハリスに関連付けたい要素がこれらである。

しかし、バイデンの記録の他の要素、特に移民と2022年の急速なインフレによって生じた、現在でも癒されていない政治的傷跡(political scar)ははるかに問題がある。

ハリスは今後数カ月間、ホワイトハウスにいるバイデンに対してあまり厳しい態度をとらないようにしながら、将来の明確なヴィジョンを概説する必要に迫られる。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は、民主党のカマラ・ハリス副大統領の人気が急上昇ということで、民主党側はお祭り騒ぎになっており、共和党とドナルド・トランプ陣営が守勢に回っているという報道がなされている。私は、激戦州、特にウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州の状況を見ていて、トランプ前大統領が有利と見ている。トランプがペンシルヴァニア州を取れば選挙戦はトランプ勝利で終わるだろうと見ている。

 カマラ・ハリスはカリフォルニア州でキャリアを重ね、連邦上院議員になって4年、副大統領になって3年半ほどである。国政でのキャリアは短い。バイデンは大統領になる前には、連邦上院議員を36年、副大統領を8年務め、大統領になった。ワシントン政治の大ヴェテランで賛否両論あるが、その点は評価すべきだ。バイデンはペンシルヴァニア州の出身で、隣のデラウェア州を拠点にしてきたので、五大湖周辺の激戦州での人脈が広い。ハリスは、五大湖周辺州での人脈がほぼない状況であり、ここの有権者たちにしてみれば、「カマラってどんな人なの?」ということになる。残り100日余りで、どこまで浸透できるかは不透明である。また、五大湖周辺の激戦州(工業中心、働き者の白人労働者、敬虔なキリスト教徒が多い)と、進歩主義的なカリフォルニア州では文化が違いすぎる。ハリスは自身を進歩主義派とは規定していないだろうが、激戦州の人々から見れば、十分に「過度なリベラル派で進歩主義派」ということになる。トランプに投票した、白人労働者階級の人々が、賢二上がりで進歩主義派のカマラ・ハリスを高く評価するとは考えにくい。

 更に言えば、民主党内で、ハリスをどこまで支援するのかという問題も残っている。ジョー・バイデン政権内で、バイデン派とハリス派の軋轢があったということが報じられている。バイデン派からすれば、ハリスの政治家としての能力が低く、上院議員時代も、2020年のアメリカ大統領選挙に出馬して早々に撤退した時も、事務所や陣営の運営がうまくいかなかったが、副大統領になってもやっぱりうまくやれていないという不満があったようだ。また、2020年のアメリカ大統領選挙の民主党予備選挙で、ハリスがバイデンを厳しく批判し続けたことをバイデン派は忘れておらず、ジル・バイデン夫人は、ハリスを副大統領候補にすることに不満を持っていたとも言われている。今回のバイデン降ろしは、バイデン支持派にしてみれば宮廷クーデターに等しく、ハリスを全力で支持することは難しいだろう。そもそもハリスは厳しい選挙で勝った経験がなく、民主党エスタブリッシュメント派の覚えがめでたいというだけでここまで来ている。そのことに、民主党支持者の中にも不満がある。だから、8月19日からの民主党全国大会でデモを計画しているグループが複数ある。

 選挙戦について、じっくりと冷静に見ていくことが必要だ。

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大騒ぎの裏で民主党はハリスに懸念を持っている(Behind hoopla, Democrats anxious about Harris

アレクサンダー・ボルトン筆

2024年7月29日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/senate/4795432-kamala-harris-democratic-anxiety/

カマラ・ハリス副大統領が急速に党の大統領候補に浮上したことに対する国民の歓喜(public jubilation)の裏で、民主党の連邦議員たちは、彼女が候補者としてほとんど試されておらず、深刻な課題に直面していることを認め、ハリスがドナルド・トランプ前大統領を破る見通しに内心不安を抱いている。

ジョー・バイデン大統領が再選を取り下げる決断を下したことによる深い安堵感(deep sense of relief)から、不安の大部分は脇に置かれている。81歳の現職に対する数カ月間の不安を経て、民主党議員たちは、ハリスが若年層や少数派の有権者とともに、民主党への献金者たちも元気づけることを期待してハリスの支持に結集することに喜んでいる。

しかし、トランプ大統領を倒すために重要な3州(ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州)で、ハリスが2020年にバイデンと同様に白人の労働者階級や労働組合の有権者とつながることができるかについて、既に懸念が噴出している。

ある民主党連邦上院議員は、アイオワ州党員集会前に民主党予備選挙から撤退した2020年の大統領候補としてのハリスの実績について、「彼女は素晴らしい候補者ではなかった」と語った。

この上院議員は続けて、「そして、彼女はバイデンの全盛期ほど優れた政治活動家ではないかもしれない」と述べた。

この上院議員は、民主党のほぼ全員がハリスの支持に結集しており、来月初めに民主党全国委員会がヴァーチャル審理を開催する際にハリスの指名獲得への明確な道筋が見えてきた今、ハリスの純粋な政治的手腕は彼女の成功にとってそれほど重要ではないと主張した。

この上院議員は、「ハリスは、予備選で選挙運動をしていない。彼女は候補者であり、彼女のために働いている何千人もの人々がおり、最も賢明な人々のティームがあり、その多くは長年にわたって彼女と一緒に働いてきた」と語った。

しかし、この上院議員は、ハリスの勝利への道は簡単ではないと警告した。

この上院議員は、「私たちは、非常に冷静になる必要があり、極めて厳しい状況になるだろう」と語った。

7月22,23日に激戦州の登録済有権者を対象に実施されたエマーソン大学の世論調査では、ミシガン州でトランプが46%対45%、ペンシルヴァニア州で48%対46%でハリスをリードし、ウィスコンシン州では両候補が47%で並んだ。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とその支持者たちは、ハリスがこれらの州のブルーカラー有権者の支持を得るには更に多くの努力をする必要があると主張している。彼らは、バイデンが第2期目の最初の100日間に向けて進歩主義的な経済計画を策定するために、最高顧問たちと緊密に協力したにもかかわらず、選挙から外されたことに満足していなかった。

サンダースは先週、「彼女が大統領になるには、アメリカ国民の60%、つまり給料をそのまま支払いに回す、ぎりぎりの生活を送っている勤労者たちに影響を与える問題について語らなければならないだろう」と本誌に語った。

サンダースと関係を持つ民主党系のストラティジストは、11月の選挙でハリスがバイデンよりも強力な候補になるかは明らかではないと述べた。そしてこの人物は、副大統領としての3年半の間、彼女は経済的不平等への取り組みよりも、中絶の権利や選挙権の擁護に関わっていたと指摘した。

民主党員の間で懸念されている主な原因は、第三党のロバート・F・ケネディ・ジュニアが、工業地帯の中西部において文化的に保守的で労働組合に協力している多くの労働者階級の有権者の票を吸い上げてしまう可能性があることだ。

●バイデンよりも強力(Stronger than Biden

匿名を希望した2人目の民主党連邦上院議員は、ハリスが完璧ではないことは認めているが、討論会での悲惨なパフォーマンスや選挙運動を正そうとする試みの失敗を受けて、バイデンの勝利の可能性について広範な悲観論を引き合いに出して、ハリスはバイデンよりもはるかに優れていると主張した。

この上院議員は討論会後の党員集会の雰囲気について、「民主党は絶望に陥っていた。舞台裏では、ほぼ全員が『だから、ジョー、私たちはあなたを愛しているけど、もう去って欲しい』と言おうとしていた」と述べた。

この上院銀は続けて、「『ああ、世界最高の候補者が予備選挙にいる』という完璧なヴィジョンがあった訳ではない」と述べた。

しかし、この議員は、ハリスにはホワイトハウス当選に最も重要なミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州の有権者を魅了する時間があまりないと語った。

この上院議員は、これらの激戦区の有権者に訴えるためにハリスがしなければならない仕事について、「ハリスの選挙戦はまだ始まったばかりだ。その挑戦について、彼女は決して何も知らない訳ではない」と述べた。

ペンシルヴァニア州に拠点を置くある民主党ストラティジストは、ハリスは、ペンシルヴァニア州と特別な関係はないと述べた。それは、スクラントンで生まれ、連邦上院で36年間、隣のデラウェア州の代表を務めたバイデンとは違う。

このストラティジストは、「私が驚いたのは、ハリスがここであまりにも人間関係が少ないことだ。カリフォルニアはとても遠い。文化的には非常に異質なものとして見られる」と述べている。

この人物は、「私がいつも聞いていることは、彼女はペンシルヴァニア州では、それほど多くの関係を持たず、ここでいかなるアイデンティティも確立していないということだ。明らかに、それはジョー・バイデンとは非常に大きな違いだ」と述べた。

厳しい再選争いに巻き込まれているボブ・ケイシー連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)は、ハリスには地元の州でやるべきことがたくさんあると語った。

Sen. Bob Casey (D-Pa.), who’s locked in a tough reelection battle, said Harris has a lot of work to do in his home state.

ケイシー議員は、「ハリスの選挙戦は始まって、まだ1週間も経っていない。彼女のメッセージを伝える必要があるのは明らかだ。最終的には、彼女が勝つと思うが、私たちにはやるべきことがたくさんある」と述べた。

ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロの存在が状況を変える可能性があり、ハリスの副大統領候補の最有力候補と見られている。

今月初め、連邦上院民主党議員会がバイデンを候補から外すかどうかで激しく議論していたとき、大統領の盟友たちは同僚に対して、ハリスがほぼ間違いなくバイデンの後任候補になるだろうと語り、ハリスには党を率いる指導者(party’s standard-bearer)としての欠点があると暗に主張した。

バイデンの後任をめぐる党内議論に詳しいある関係者は、チャック・シューマー連邦上院多数党(民主党)院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)は当初、ハリスが党の候補者に就任することについて「生ぬるい(lukewarm)」と述べた。

しかしながら、水曜日、シューマー議員は、ハリス副大統領に対して熱烈な支持を表明し、バイデンが選挙活動を打ち切る決定を発表して以来、彼女の立候補に対する民主党からの膨大な支持に大喜びしているようだった。

シューマーは、連邦下院少数党(民主党)院内総務ハキーム・ジェフリーズ(ニューヨーク州選出、民主党)との記者会見で「そうだ、我々は熱烈に支持しているんだ」と宣言した。

●明確な強み(Clear strengths

確かに、民主党連邦上院議員たちは、ハリスには明らかな強みがあると述べている。

主要政党から大統領候補に指名された2人目の女性として、彼らは彼女を、2024年の大統領選挙で、民主党の最大の争点とみなされている中絶の権利に関するメッセージを伝える理想的な候補者とみている。

そして、2008年と2012年にバラク・オバマが大統領選挙で勝利し、2020年にバイデンが勝利するのに重要な役割を果たした、マイノリティ有権者たちの間で彼女が熱狂を更に高めるだろうと彼らは考えている。

そして、彼らは、カリフォルニア州司法長官としてのハリスの経歴、連邦上院議員としての4年間、副大統領としての4年間を考慮すると、彼女には明らかに国を運営する資格があると信じている。

彼らは、2021年に児童税額控除を拡大して、子どもの貧困を20%削減するなど、バイデンの主要な功績を彼女が称賛できると主張している。再生可能エネルギーに対して、史上最大の投資を行う。1兆ドルの超党派のインフラパッケージを制定する。高齢者の処方薬自己負担額の上限は年間2000ドル、インスリン費用の上限は月35ドルとなった。

しかし、民主党上院議員たちは、ハリスが経済運営を成功させる指導者と定義する点でトランプに大きく遅れをとっており、更には、今夏初めのバイデンよりもはるかに遅れており、複数の有権者は、それが最優先事項だと主張していると警告している。

しかし、バイデン政権が有権者に「バイデンノミクス(Bidenomics)」を売り込むのに苦労したにもかかわらず、彼らは、ハリスがバイデンの経済実績に基づいて立候補できることを望んでいる。

3人目の民主党上院議員は、ハリスは政権下で好調な経済の功績をすべてバイデンに吸い上げさせたため、ハリスはやや難しい立場にあると述べた。

この上院議員は、「ハリスは、自分自身を定義しなければならない。彼女は、忠実であり、バイデンに脚光を浴びせるという素晴らしい仕事をしてくれた」と述べた。

この議員は、第2四半期の経済成長率が2.8%でエコノミストの予想を上回ったとする商務省の最新報告を指摘し、「彼女には、経済に関するブランドはないが、才覚はあり、バイデンにはその記録がある」と述べた。

バイデンの後任候補を強く推していた民主党議員たちも、59歳のハリスが候補者としてどのような実績を残すかについてはあまり手がかりがないと認めているが、彼女の個人的なカリスマ性と候補者としてのフレッシュさは、登録済有権者の51%が好意的に受け止めていない、78歳で3回目の大統領候補となった、トランプと比較して有利に働くだろうと楽観視している。

4人目の民主党連邦上院議員は、ハリスは経済問題で定評のある副大統領候補を選ぶ必要があると述べ、連邦上院で国内半導体製造産業への投資を推進している有力な支持者であるマーク・ケリー上院議員(アリゾナ州選出、民主党)を良い選択だと宣伝した。

この議員は、大統領選挙に立候補する前に十分な検査を受けていない候補者はいないと主張したが、ハリスは4年以上前に立候補した時よりも準備が整っていると述べた。

この上院議員は「大統領選挙に参加するとき、誰も完全に検査されていない」と述べた。

この上院議員は、サンダースの国民向けメディケア提案への署名や数年以内に民間医療保険が廃止される可能性を示唆することなど、2019年にサンダースがとった極左の立場のいくつかについて共和党が彼女を攻撃しようとすることを認めた。

この議員は、党のリベラル層にアピールするための2019年と2020年の狂気の争奪戦について指摘し、「予備選挙の人々は、あらゆる種類のことを言った」と述べた。

この上院議員は、2019年にアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が2019年に打ち出した大胆な提案である「グリーン・ニューディール」を支持するハリスの賢明さに疑問を呈したが、その年の連邦上院議場で可決には至らなかった。

この議員は、トランプ大統領と共和党副大統領候補のJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)も、本選挙で再び彼らを悩ませるであろう共和党支持層に応えるべく、過去に多くの発言をしてきたと述べた。

=====

新刊書はバイデン派とハリス派との間の緊張関係を暴露している(New book reveals frustrations between Biden, Harris camps

モニーク・ビールズ笛

2022年3月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/599181-new-book-reveals-frustrations-between-biden-harris-camps/

伝えられるところによると、『ニューヨーク・タイムズ』紙記者2名が近々出版する本で、ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領のティーム間の緊張が明らかになっているという。

『ポリティコ』誌が入手した抜粋によると、ジョナサン・マーティンとアレックス・バーンズの共著『これは通過しない:トランプ、バイデン、そしてアメリカの未来のための戦い(This Will Not Pass: Trump, Biden, and the Battle for America’s Future)』という本は、ハリスのポートフォリオに対する懸念を具体的に明らかにしている。

この著作によると、バイデンの広報担当ケイト・ベディングフィールドは、緊張の原因は直接ハリスにあると述べた。

ポリティコの報道によると、この本では、「ベディングフィールドは、裏では、ハリスの政治家としてのキャリアの中で、彼女が非常に高い期待を下回ったのは副大統領就任が初めてではないことを指摘していた。彼女の連邦上院事務所は混乱しており、彼女の大統領選挙活動は大失敗だった。おそらく、問題は、副大統領のスタッフではないと彼女は示唆した」と書かれているということだ、

ベディングフィールドは、ポリティコへのコメントでこの報道を批判した。彼女は、「この本の執筆に携わっている誰も、この出所不明の主張を事実確認するためにわざわざ電話をかけなかったという事実が、あなたが知るべきことを物語っている」と述べた。

ベディングフィールドは続けて、「ハリス副大統領はこの政権の力であり、国を前進させるために彼女が日々行っている仕事に最大限の敬意を払っている」と述べた。

この本は、バイデンとハリスの関係を「友好的ではあるが親密ではない(friendly but not close)」と表現し、「毎週の昼食には個人的、政治的な真の親密さが欠けていた(their weekly lunches lacked a real depth of personal and political intimacy)」と付け加えた。

マーティンとバーンズはまた、ジル・バイデン大統領夫人がハリスの副大統領選択に不満だったと報告している。

この本には、「夫の選挙運動の側近と内密に話し、将来の大統領夫人は鋭い質問を投げかけた。アメリカには何百万人もの人々がいる、と彼女は始めた。なぜジョーを攻撃した人を選ばなければならないのかと彼女は質問した」と書かれている。

2019年6月の討論会で、ハリスは、バイデンの人種に関する経歴、特に人種差別主義者連邦上院議員との過去の関係や通学バスへの反対について批判した。

大統領夫人の広報担当マイケル・ラローザはポリティコに対し、大統領夫人事務室は、2020年のキャンペーンに関する書籍についてはコメントしないと語った。

本誌は、ホワイトハウスにコメントを求めた。

『これは通過しない』は5月3日に刊行予定だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2024年11月5日に投開票が実施されるアメリカ大統領選挙は、現職のジョー・バイデン大統領(民主党)と前職のドナルド・トランプ前大統領(共和党)の一騎打ちになっている。各種世論調査の結果では、トランプが有利な状況になっている。しかし、ジョー・バイデンが追い上げている状況になり、大接戦になっている。アメリカはインフレが続き、一般国民の生活は苦しい状況が続いているが、経済は好調とされている。ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争は終結が見えていない中で、バイデン政権は支援を継続している。

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 アメリカ大統領選挙は候補者への直接投票ではなく、各州での選挙人への投票が実施される。そして、各州で多くの票を取った候補者が選挙人を総取りする。各州の選挙人は、その州から選出される、連邦上院議員(人口や規模にかかわらず各州2名)と連邦下院議員(人口によって大きく異なる)の合計数となっている。連邦議員が出ていないワシントン・コロンビア特別区は3名となっている。一番多いカリフォルニア州で54名(上院議員が2名で、下院議員が52名)、一番少ないのはメイン州やワイオミング州の3名(上院議員が2名で、下院議員が1名)となっている。選挙人数は全米で合計538であり、過半数は270だ。

各候補の総得票数と選挙人獲得数の間に乖離があり、総得票数で勝っても、選挙人獲得数で負けた選挙というのは複数回ある。最近では、2016年(敗者はヒラリー・クリントン)と2000年の大統領選挙(敗者はアル・ゴア)がそうだった。

ちなみに、選挙人数が同数となる、あるいは、過半数を獲得する候補者が出なかった場合には、連邦下院で選挙を実施して大統領を決定するが(連邦下院では副大統領を決める)、その際には各州の代表が1票を投じる形になり、26州以上の支持を得た候補者が大統領になる。

 州ごとの各種世論調査の結果を細かく見ていき、それを選挙人獲得数に反映させていく作業を行った。その結果、トランプが268,バイデンが226、決めきれない州の合計が44となった。決めきれなかった州は、ペンシルヴァニア州(19)、ミシガン州(15)、ウィスコンシン州(10)である。2016年にドナルド・トランプを勝利に導いた、五大湖周辺州、以前はアメリカの製造業を支えたラストベルト(Rust Belt)と呼ばれる地域だ。2016年、2020年の大統領選挙で、この3つの州で勝利を得た候補者が最終的な勝利者となっている。

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※ペンシルヴァニア州

■2016年

○ドナルド・トランプ:297万733票(48.18%)、●ヒラリー・クリントン:292万6441票(47.46%)

■2020年

○ジョー・バイデン:345万8229票(49.85%)、●ドナルド・トランプ:337万7674票(48.69%)

※ミシガン州

○ドナルド・トランプ:227万9543票(47.50%)、●ヒラリー・クリントン:226万8839票(47.27%)

■2020年

○ジョー・バイデン:280万4040票(50.62%)、●ドナルド・トランプ:264万9852票(47.84%)

※ウィスコンシン州

■2016年

○ドナルド・トランプ:140万5284票(47.22%)、●ヒラリー・クリントン:138万2536票(46.45%)

■2020年

○ジョー・バイデン:163万866票(49.45%)、●ドナルド・トランプ:161万184票(48.82%)

 今回の選挙でもこれらの州は大接戦であり、ジョー・バイデンがこれら3つの州で勝利を収めることができれば、選挙人270名を獲得し、勝者ということになる。トランプとしては、2016年の選挙結果の再現を目指すことになる。

 バイデンが現職の強みで、ウクライナ戦争か、イスラエル・ハマス紛争で、大きな進展、具体的には停戦を実現することができれば、バイデンには追い風となり、再選ということになるだろう。トランプはバイデン政権の動きの遅さを攻撃しながら、ラストベルトに注力したいところである。

(終わり)
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