古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:エイミー・クロウブッシャー

 古村治彦です。

 ビッグ・テック(Big Tech)とは、GAFAと総称される。グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、これにツイッターやネットフリックスを加えた、アメリカで操業され、本社を置く情報産業分野の巨大企業のことである。ビッグ・テックは先進諸国を中心にして、人々の生活に深く入り込んでいる。

ツイッターやフェイスブックは私たちの生活にとって欠かせないサーヴィスとなっている。これらを通じて友人とやり取りをし、情報を得ている。アマゾンでは何でも買い物ができるようになっている。アップルのスマートフォンであるアイフォンを使い、何か分からないことがあればグーグルで検索する。テレビを見ずに、ネットフリックスでドラマやヴァラエティー番組を見る。若い人たちはそのような傾向にあるという。動画配信サイトユーチューブはグーグルの傘下にあり、写真を中心としたソーシャル・ネットワーク・メディアであるインスタグラムはフェイスブックの傘下にある。

 私たちの生活はビッグ・テックに大きく依存している。そうなれば、ビッグ・テックが私たちに与える影響も大きくなる。加えて、ビッグ・テックは大きな力を行使するようになっている。また、時価総額ではこれまでの大企業を追い抜いている。これらを使用している人たちなら分かってもらえると思うが、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブ、インスタグラムは無料で使用できる。それなのにどうして巨額の利益を生み出せるのかというと、それは広告収入だ。

 これまで広告の媒体と言えば、新聞や雑誌の紙媒体、テレビやラジオの放送媒体が中心だった。しかし、新聞や雑誌の購読者数の減少、テレビやラジオの視聴者数、聴取者数の減少により、広告は徐々にインターネット上に移っている。そのために、ビッグ・テックは巨額な利益を上げることができるようになっている。

 そうした中で、アメリカ国内では、「ビッグ・テックを反独占・反トラストで解体せよ」という声が上がっている。連邦議会議員では、共和党のジョシュ・ホーリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)とエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)がその急先鋒だ。両議員はほぼ同時期に「ビッグ・テックの巨大さは危険だ、解体せよ」という内容の本を出版した。現在、私はジョシュ・ホーリー議員の『The Tyranny of Big Tech』(そのまま訳すと、ビッグ・テックの暴政、暴力的支配)の翻訳を進め、初めの訳稿を完成し、担当編集者に送付した。これから、表現の統一や誤字脱字の訂正、ブラッシュアップのために赤ペン入れを行う。
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ジョシュ・ホーリー
 ホーリー議員は1979年生まれの41歳。アーカンソー州生まれで生後すぐに父の仕事(銀行勤務)の関係でミズーリ州に転居した。子供の頃から成績優秀、外見もハンサムで、周囲は「将来はアメリカ大統領になるに違いない」と考えていたという。1998年に母親の出身校である西部カリフォルニア州にあるスタンフォード大学に進学した。ここでも成績優秀で卒業し、2003年にアイヴィーリーグの名門イェール大学法科大学院に進学した。超名門のロースクールに進学するためには学部時代の成績が4点満点で3.8から3.9なければならず、日本風に言えば「全優」でなければならない。法科大学院在学中は、学内誌の『イェール・ロー・ジャーナル』誌の編集委員を務めた。学内誌の編集委員も成績が良くなければ務められないポジションだ。バラク・オバマ元大統領はハーヴァード大学法科大学院時代に学内誌の編集長を務めた。2006年に法務博士号を取得し、弁護士(法曹)資格を得た。

 2017年からはミズーリ州司法長官を務めた。この時期に、ビッグ・テックの危険性を認識した。2017年11月、ホーリーは州司法長官として、グーグルがミズーリ州の消費者保護法と独占禁止法に違反した容疑での捜査開始を指示した。グーグルの利用者のデータ収集、データ利用についての捜査が実施された。また、グーグル使っての検索の際に、利用者にバイアスを与えるような検索結果の表示がなされているのではないかということも捜査の対象となった。2018年4月には、フェイスブックとケンブリッジ・アナリティカによるデータ取り扱いに関するスキャンダル(フェイスブックが収集した個人情報をケンブリッジ・アナリティカが利用して2016年の大統領選挙に利用してドナルド・トランプ大統領当選に貢献した)を受け、ホーリーはフェイスブックの捜査を行った。

 2018年の中間選挙でミズーリ州連邦上院議員選挙に出馬し、共和党予備選挙で圧勝し、本選挙で民主党所属の現職議員(2期連続当選中)だったクレア・マカースキルを破って当選した。2019年から2021年までの期間、アメリカ連邦上院で最年少の議員となった(当選時39歳)。
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ワシントン訪問中のザッカーバーグ
  議員当選後、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグと直接対決し(ホーリーの議員事務所をザッカーバーグが訪問した)、「フェイスブックが持っているインスタグラムとワッツアップ(アメリカの
SNSサーヴィス)を売却して欲しい」「フェイスブックを解体して欲しい」と直接述べて、拒絶されている。ホーリーは連邦上院司法委員会内の反トラスト・競争政策・消費者の権利小委員会の共和党側委員を務めている。小委員会の委員長は、エイミー・クロウブッシャー議員だ。
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エイミー・クロウブッシャー
 ホーリーは彼の経験をまとめて本として出版することになったが、最初の出版社である、大手の「サイモン・アンド・シュスター」社が、ホーリーが2021年1月6日の連邦議事堂での事件に関与したということで出版を拒絶した。その後、保守派の出版社「レグナリー・パブリッシング」社が出版を引き受け、出版にまで漕ぎつけた。出版された本はベストセラーとなった。

現在、民主・共和両党で、巨大になり過ぎたビッグ・テックと対峙する動きが出ている。これから、このブログでも紹介していきたい。

(貼り付けはじめ)

ジョシュ・ホーリー議員の「出版取り止めとなった」本が現在ベストセラーに躍進(Josh Hawley’s ‘canceled’ book now a bestseller: reports

-『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』が出版からわずか数週間で、『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌とアマゾンのベストセラーリスト入りを達成。

ドン・カリッキオ筆

『フォクスニュース』

2021年5月16日

https://www.foxnews.com/media/josh-hawleys-canceled-book-now-a-bestseller-reports

ミズーリ州選出のジョシュ・ホーリー連邦上院議員の履歴書に、新たに「ベストセラー作家」という言葉が加わることになる。

メディアの複数の記事や報告によると、共和党所属の連邦上院議員ホーリーは最近『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』を出版し、成功を収めている。

『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌のハードカヴァー・ノンフィクション部門で、ホーリーのシリコンヴァレー批判書が第6位にランク付けされた。2万部以上を売り上げた。

この本はまた、アマゾンの「今週の最も売れたそして最も読まれた本ベスト20」部門で、15位にランクしている。

ホーリーの本がベストセラーのランキングに入ったことは、出版社のサイモン・アンド・シュスター社がホーリーの本の出版を取り止めた1月の状況からの大逆転のようなものだ。出版が取りやめになった際、ホーリーは、出版社の決定について「アメリカ合衆国憲法修正第1条への直接的な攻撃」と表現した。

ホーリーはその当時に次のように書いている。「サイモン・アンド・シュスター社は私との契約を破棄した。その理由は、私が自分の選挙区の有権者たちを代表し、連邦上院の議場で選挙結果の正当性についての議論を主導したためだ。出版社は私の正当な行動を反乱(sedition)と再定義したのだ」。

サイモン・アンド・シュスター社は、ホーリーの本の出版を取り止めたのは、2021年1月6日の連邦議事堂における暴動に関連して、「危険な脅威におけるホーリーの役割」が証明されたからだと発表した。

ホーリーが連邦議事堂前に集まった群衆の中で、議事堂に向かって手を挙げている写真が広く拡散されて、そのために、ワシントンDCにおける破壊とホーリーが結び付けられることになった。

保守派の出版社レグナリー・パブリッシング社は、サイモン・アンド・シュスター社が契約を破棄した後、ホーリーの本の出版権を取得した。

本の中で、ホーリーは、今日の情報産業の巨大企業と過去の泥棒男爵たちとを比較し、「大企業がこれからも経済と政治における力を増大させ続けることを許すと、アメリカの自由は存亡の危機に晒されることになるだろう」と書いている。

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テクノロジーという点についてのクロウブシャーとホーリーはどのように見ているか(How Klobuchar and Hawley See Things When It Comes to Technology

-両議員は政治的な立場は正反対であるが、両者は出した最新刊で共にビッグ・テックは危険だと主張している。奇妙なことに、両者の主張はそっくりだ。

シラ・オヴァイデ筆

『ニューヨーク・タイムズ』紙

2021年5月13日

https://www.nytimes.com/2021/05/13/books/amy-klobuchar-antitrust-josh-hawley-tyranny-big-tech.html

皆さん、米連邦上院議員が書いた反トラスト法に関する本を読んでみたいと思われないだろうか?読みたくないとおっしゃる?2人の議員の反トラスト法に関する本はいかがだろうか?

共和党所属のジョシュ・ホーリー連邦上院議員(ミズーリ州選出)と民主党所属のエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)は最近それぞれ本を出版した。両議員の本のページ数を合わせると825ページになるが、両者の本はアメリカの大規模で強力な企業に対する懐疑主義の歴史についての本である。

私は2冊とも読んだが、皆さんにお薦めすることはしない。

しかし、これら2冊の本が素晴らしいのは、政治的な立場が正反対である2名の連邦上院議員が一致した結論に達している点だけにある。両議員は、アメリカの巨大過ぎるビジネスのエリートたち、特にグーグル、フェイスブックそしてアマゾンのようなテクノロジー関連巨大企業を従順にさせるために、より厳しい規制、新しい法律、より積極的な姿勢の判事や市民運動が必要だと主張している。2冊の本の略語は、「テディ・ルーズヴェルトは善で、ビッグ・テックは悪だ」というものだ。

私は過剰な偽装工作をしたいと思わない。クロウブシャー議員の著作『反トラスト(Antitrust)』はより深く調査され、包括的なものだ(いささか包括され過ぎている)。ホーリー議員の著作『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』は支離滅裂な内容である。しかし、2冊の本を読んで私が学んだことを説明させて欲しい。
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両議員は「巨大さ」は悪ということで一致している。現代のアメリカ政治における奇妙な光景、それは、グーグルやフェイスブックのような強力なテクノロジー企業が、党派をまたいだ憎悪を生み出していることだ。こうした主張を行っている人々に共感者はほとんどいないだろう。両議員は特にそうであろう。両議員にとって、テクノロジー企業の力は、巨大企業が好き勝手に行動することを放置した場合の問題点を象徴している。奇妙なことに、両議員の主張は一致している。

ホーリー議員の本は冒頭で、2019年にマーク・ザッカーバーグと会った際に、上院議員がザッカーバーグに対してフェイスブックの解体を迫ったという逸話で始まる(ザッカーバーグはもちろんノーと答えた)。ホーリー議員は「ビッグ・テックの泥棒男爵たちは、経済界や政府の内部に存在する、巨大さと力の集中を信奉するイデオロギーを背景にして、力を伸ばしてきた」と書いている。

クロウブシャー議員は次のように書いている。「ビッグ・テックが実施している膨大な数のM&A(合併と買収)、桁外れの独占力、グロテスクな排除行為は、巨大さの力を例示するものだ」。

皆さんは、両議員の本の内容はよく似ていると思われないだろうか?

ホーリー議員とクロウブシャー議員は、経済学者や法学者の中には、アメリカの多くの産業分野で集中が加速していることは、所得格差をはじめとする多くの問題の根本原因になっているという見解を示す人とたちが出ていると述べている。この考えによると、アメリカの法律が効果的に競争を行わせることができれば、アメリカ人はより良い医療を受け、携帯電話の料金は下がり、自分に関わるデジタルデータの扱いをより自由にできるようになるということだ。

いやはや、両議員はテディ・ルーズヴェルトを愛している。両議員は、ルーズヴェルトが当時の鉄道、石油産業、金融、その他の産業分野における大企業の泥棒男爵に挑戦していた時のことについて、郷愁を感じている(このような歴史観、特にホーリー議員の歴史観は少しずれている)。

英雄崇拝の重要な点は、歴史上、アメリカの法律とアメリカの一般的な人々は、力を持ち過ぎたと感じた大企業に対して戦いを挑んできたというものだ。両議員は、企業の「巨大さ」に反発する、市民と政府の犯行の精神を取り戻したいと考えている。これは、法科大学院教授で独占禁止の主唱者であるゼファー・ティーチアウトが、昨年出版した企業の独占に関する本の中で効果的に指摘している点でもある(そうなのだ、反トラストについての本は数多く出版されている)。

1894年に起きたプルマン・ストライキと南北戦争後に起きた農業の独占に反対する、グランジ運動(農民共済組合運動)についてじっくりと読みたい方は、クロウブシャー議員の本を読むと良い。両議員は、企業の独占が人々の生活に及ぼす影響を、影響を受ける人々に見てもらい、関心を持ってもらおうとしている。両議員が共有しているメッセージは、システムや経済が自分のために機能していないと感じている人たちは、反トラスト法に取り組むべきだということだ。

最良の考えなのは、それを「反トラスト」と呼ぶことを止めるということだ。クロウブシャー議員は、反トラストという言葉はスタンダード石油のような19世紀の巨大企業の産物であり、21世紀を生きるアメリカ人にとっては無意味な言葉だと述べている。彼女の発言内容は正しい。クロウブシャー議員は、競争政策や独占、あるいは単に「大きさ」について語り始めるべきだと述べている。そうなのだ、クロウブシャー議員は、自身の本のタイトルを「反トラスト」にしていることは認めている。

連邦議会についてはどうだろうか?両議員は、政府の監視部局や裁判所は、巨大記企業がより巨大になり、力を濫用することに制限を加えることに失敗したという点で一致している。この問題について、両者ともに自分たち自身や同僚の政治家たちを非難するための十分な時間を取っている訳ではない。

立法府の仕事は、法律を書き、各企業にできることとできないことを示すことだ。そして、司法省のような政府の監視当局に予算をつけ、ルールを強制する権限を与えることで、力を強めることだ。言い換えると、「上院議員のお二人、それはあなた方の仕事でしょうが」ということだ。両議員はそれぞれの本において、ビッグ・テック各社を規制するための法案を準備中だと述べている。しかし、そのような法案を通過させることができなかったことや、そもそもその法案が良い内容だったかどうかについては、あまり語られていない。

クロウブシャー議員は、2017年に、フェイスブックなどのインターネット企業に、従来のメディアの情報開示と同様に、組織が政治広告にどれくらい費用を支出しているかを開示させる法案を主導しました。これは成立しなかった。

両議員は自分たち自身のことを話す時は絶好調だ。クロウブシャー議員は、19世紀末にスロヴェニアから移民してきて、過酷な環境と低賃金で、炭鉱で働いた自身の親戚たちについて話をする。彼女の言葉によると、一般的な市民が悪辣な大企業と戦い、独占を抑制して労働力の真の競争を実現するための法律を請願したからこそ、今の彼女があるのだ、ということになる。

ホーリー議員の話に説得力が増すのは親としての心配を話す時だ。私たちのほとんどと同じく、彼もスマホに多くの時間を使ってしまっており、そのことを子供たちが気付いているということを述べている。ホーリー議員は、幼い息子がスマホやタブレットに夢中になっているのを見て悩み、家族がスクリーンに割く時間や関心に敏感であろうとしている。

ホーリー議員は、私たちが最新の情報機器を常に使うことで頭脳に異常をきたすということよりも、ビッグ・テック各社の力に対して不満を持っているようだが、これが正しいかどうか私には分からない。スマートフォンやパソコンの画面を見ている時間の長さによる影響についてはよく分かっていない。しかし、ホーリー議員の考えには耳を傾けるべき点がいくつもある。スクリーンを通じてのつながりだけではなく、現実の生活共同体を大事にする、政府が介入して、人々に終わりなく、延々とスクロールさせる技術やユーチューブやティックトックで使われている次から次へとヴィデオを自動的に勧めてくる技術を禁止させるようにすべきだ。

推薦図書:なぜ薬に高いお金を払うのかを知りたい人や、子供がインスタグラムに夢中になることを心配している人には、私は2人の議員の本を手渡さないだろう。その代わり、似たような内容でありながら、より短く、より読みやすく、強力な企業が世界に与える影響について深く考える人々の間ですでに影響力を持っている2つの作品を紹介したい。

ティム・ウーの2018年の本『巨大さの呪い(The Curse of Bigness)』は短い、分かり易く。魅力的な本である。その本の中で、ウーは、アメリカの独占の歴史と今日の強力な企業によるリスクを取り上げている(私はこの本を短いと述べただろうか?)。リナ・カーンの2017年の法科大学院の論文「アマゾンの反トラスト・パラドックス[逆説]Amazon’s Antitrust Paradox)」は知的な砲弾である。この論文の中で、カーンは、数十年にわたるアメリカの法律の発展と、アマゾンのような新興の巨大企業の力の影響についてアメリカの法律はいかに対処に失敗してきたかを述べている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 民主党全国委員会は毎月1回のペースで米大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会を実施してきた。参加条件がどんどん厳しくなって登壇者数は絞られてきている。この討論会に参加できない(条件をクリアできない)候補者たちは全国生中継でアピールする場を失い、「負け犬」(表現はきついが)ということになり、選挙戦から撤退せざるを得ない状況に追い込まれる。24名以上(2ダース以上)もいた候補者たちも大分絞られてきた。
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 討論会での出来不出来、悪目立ちではなく、良いパフォーマンスや人々の心をつかむ発言ができるかどうかで支持率は変化する。特に今回の討論会は2月3日に全米最初に予備選挙(党員集会)が実施されるアイオワ州で実施された討論会だっただけに、支持率にどのように影響を与えたか注目される。その点で行くと、上位3名となる、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の中で、バイデンとサンダースが討論会の出来が良く、支持率が上がっている。ウォーレンはまあまあという感じだったようだ。ブティジェッジは目立つことができなかったようで、それで支持率が下がっているようだ。アイオワ州での世論調査の結果を見ればバイデンとサンダースが激しく1位を争っているという状況だ。

 上位3名の候補者たちがこれからも激しく戦っていくだろうが、サンダースとウォーレンがどのように協力していくか、2、3位連合を作るかで、バイデンにとっては厳しい状況ということになる。大統領選挙を大きく見れば、ドナルド・トランプ大統領の再選の可能性が高いということには変わりがない。

(貼り付けはじめ)

1月の民主党予備選挙候補者討論会の5つの特徴(Five takeaways from the Democratic debate

ナイオール・スタンジ筆

2020年1月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/478328-five-takeaways-from-the-democratic-debate

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は火曜日夜の討論会で激しくやり合った。今回の討論会はアイオワ州での討論会実施前の最後の民主党討論会となった。

討論会に参加した6名の候補者たちはアイオワ州での支持を得ようと必死に戦った。予備選挙に参加している進歩主義派の大物政治家であるウォーレンとサンダースとの間の緊張関係が際立った。

アイオワ州デモイン市での討論会では、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジのような穏健派の候補者たちはあまり目立つパフォーマンスができなかった。

これから今回の討論会の5つの特徴について述べていく。

(1)ウォーレンは協業な主張を展開した(A strong night for Warren

ウォーレンはサンダースとの激しいやり取りから討論会に入っていった。2人のやり取りは彼女が優勢であった。

中心的なテーマは、2019年12月にウォーレンとの私的な会話の中でサンダースが「女性は大統領選挙に勝利できない」と語ったかどうかであった。ウォーレンはサンダースがそのように語ったと述べた。一方、サンダースはそのようなことは言っていないときっぱりと断言した。

火曜日夜の討論会の壇上、ウォーレンはこのテーマに戻ることはなかったが、女性候補者の当選可能性(electability)について擁護するのにこのテーマを使った。ウォーレンは自身の記録と壇上にいるもう一人の女性候補者であるエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)の記録を引用した。

ウォーレンは次のように語った。「この壇上にいる男性たちをご覧ください。彼らはこれまでに合わせて10の選挙で負けてきたんですよ。この討論会の壇上にいる人々の中で全ての選挙に勝利を収めてきたのはここにいる二人の女性だけです」。

これは力強さを見せた瞬間だった。サンダースとの争い、彼女の当選可能性について疑念を持つ人々へのアピール、それらを全て包み込んでおり、それを数行の言葉で簡潔に述べた。

討論会後のメディアの報道の多くは、討論会の最後でウォーレンとサンダースがやり合い、語った内容について詳しく述べたものだった。両者は緊張した関係を最後まで見せていた。候補者として登壇した実業家のトム・ステイヤーを前にして両者は握手をすることもなかった。

火曜日夜の討論会で、マサチューセッツ州選出の連邦上院議員ウォーレンは、今回の予備選挙の初期の討論会で彼女を際立たせていたパフォーマンスを取り戻した。

ウォーレンは医療制度と児童保育について熱く語ったが、それ以外にも外交政策についても詳しく語った。外交政策は今回の討論会で最初に取り上げられたテーマだったが、ウォーレンは特に外交政策に強いとは思われていない。

サンダースとの戦いが選挙に与える影響についてはまだ適切に評価できないが、ウォーレンは火曜日の討論会において傑出した候補者となった。

(2)サンダースにとって悪いことは起きなかった(No disaster for Sanders

ウォーレンは討論会の壇上での激しいやり取りでサンダースを負かしたと言えるかもしれないが、討論会自体はヴァーモント州選出連邦上院議員サンダースにとって悪いものとはならなかった。

討論会の最初、サンダースはウォーレンがサンダースのせいにしている件について否定し続けた。

サンダースは。2016年にウォーレンが大統領選挙に出馬するかどうかについて「態度を保留」していた、そして、女性が大統領選挙に勝利できないなどと彼が考えるなどということは「全く理解できない」と主張した。

サンダースの反撃の激しさは彼自身の支持者たちを満足させるのに十分であろうが、支持者の多くはウォーレンがこそこそとした方法でサンダースを貶めようとしているとしてウォーレンに対して怒り狂っている。

サンダースの討論会参加者としての技術は過小評価されやすいものだ。

サンダースは2002年に連邦上院議員時代のバイデンが当時のジョージ・W・ブッシュ大統領にイラクでの武力行使の権限を与えることに賛成票を投じたことを激しく批判した。これに当時連邦下院議員として反対票を投じたサンダースはブッシュ政権の主張について聞いていたことを思い出していた。

サンダースは「私はあの人たちは嘘をついていたと思います。ジョー(・バイデン)は私とは違うように考えるでしょうが」と述べた。

サンダースは「メディケア・フォ・オール」医療制度に関する提案を強く主張し、またトランプ大統領が再交渉を行った北米貿易協定、米墨加協定に対して、予備選挙の候補者の中で明確に反対の姿勢を打ち出している。

サンダースは、信頼性が高い『デモイン・レジスター』紙の世論調査でトップに立った。また、アイオワ州での討論会で何か大きな失点をしてしまったということもないようである。

(3)バイデンは当選可能性を強調(Biden presses electability case

予備選挙におけるバイデンの切り札は常にシンプルなものだ。それは、バイデンがトランプ大統領を倒すための最善の候補者だ、というものだ。

もちろん、バイデンのライヴァルたちはこの主張に反論している。しかし、火曜日夜の討論会の檀上で、バイデンはこれまでの討論会の時よりも、明白にかつ繰り返し当選可能性について強調した。

少なくとも2つの場面で、バイデンは予備選挙に出馬している他の候補者たちよりも幅広い支持を得ている、特にアフリカ系アメリカ人の民主党員や民主党支持の有権者たちの間での支持が高いことを強調した。

ウォーレンとサンダースがお互いにやり合ったことがバイデンには追い風となった。二人のやりとりに集中することで、バイデンに対する攻撃はなかった。そうした中で、自分が民主党を団結させるために最良の候補者だと主張した。

確かに、バイデン前副大統領にはいくつかの弱点がある。バイデンが連邦上院議員時代にイラク戦争へ賛成票を投じたことがまず挙げられる。しかしより大きいものは、バイデンが提示しているものよりも、より大きな変化を有権者が望んでいる可能性があるというものだ。

バイデンはこれまでの討論会において目立たない参加者であった。火曜日の討論会においてもそこまで目立つことはなかったが、失言を避けることはできた。

(4)ブティジェッジは背景になじみ消えてしまった(Buttigieg fades into the background

今回の討論会でのブティジェッジのパフォーマンスはより弱いパフォーマンスの一つとなってしまった。彼はうまくできなかった。

中西部にある町の市長だったブティジェッジは2019年後半の数か月の各種世論調査で支持率の数字を上げてきている。ある段階ではアイオワ州でトップに立った。それ以降、支持率の数字は少し下がったが、2020年2月3日のアイオワ州での党員集会では成功を収める可能性は高い。

ブティジェッジにとっての問題は、彼が火曜日の討論会の大部分で影が薄かったことだ。スポットライトが当たったのは上位3名の有力候補者たちであった。ブティジェッジは、曖昧なもしくは平凡な返答を嫌う傾向にあるが、それでもうまくできなかった。

ブティジェッジは自分自身を中道派に属する若手だと強調し続けている。彼は進歩主義派に対して、「ある計画の大胆さは、どれだけのアメリカ国民を遠ざけることができるかにかかっているだけに過ぎません」という攻撃を行った。

しかし、ブティジェッジにとっては忘れられない討論会となった中で最も記憶に残る発言となった。

(5)クロウブシャーは流れを変えることに失敗した(Klobuchar fails to find a game-changer

クロウブシャーは独自の立場に立たされている。トップ集団にいる訳でもなく、圏外にいる訳でもない。

クロウブシャーはリアルクリアポリティックスの支持率平均で、アイオワ州では7%と言う数字を記録している。バイデン、サンダース、ブティジェッジ、ウォーレンの後塵を拝している。

ミネソタ州選出連邦上院議員クロウブシャーは自身の中西部出身者としてのルーツと、左派に属する候補者たちが提示しているより包括的な公約について疑念を持つ有権者の声を代弁する候補者であることを主張した。

クロウブシャーは、メディケア・フォ・オールの実現ではなく、患者保護並びに医療費負担適正化法(アフォーダブル・ケア・アクト、オバマケア)の拡大を繰り返した。そして、他の候補者たちに向かって、「皆さんが計画を持っていてそれを非現実的な夢で終わらせないためには、それに対する予算をどのように手当てするかを示さなければなりません」と語った。

しかし、クロウブシャーは安定していたが、パッとはしなかった。これからの党員集会での票集めに討論会でのパフォーマンスがどのように影響するかを予測するのは難しい。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 民主党の大統領選挙民主党予備選挙の候補者の争いはバイデンが優位、サンダースが2位、第2集団にブティジェッジが急伸し入っているという展開です。

ブティジェッジの躍進を伝えるニュース番組
 

 ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)がトップ2で集団をリードしています。多くの世論調査でバイデンが1位、サンダースが2位という状態が続いています。バイデンが大きくリードしていますが、州や年齢層によってサンダースがリードすることもあります。

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バイデン(左)とサンダース

その次に続く第2集団にカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、そして、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが急伸しては入っています。ウォーレンの地元はマサチューセッツ州、カマラ・ハリスの地元はカリフォルニア州ですが、どちらも地元の州で支持率1位になることはできませんでした。なかなか数字を伸ばせていないというのが現状です。


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ブティジェッジの支持率はゼロ表示ばかりだったことを考えると、大きな伸びです。第2集団の他の候補者たち、特にオロークにとっては強敵ということになります。ブティジェッジは、20代、30代のミレニアル世代と呼ばれる若い人々にとって、自分たちの世代から初めて有力候補ということになります。

 

 第3集団は、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(民主党)が形成しています。10位以内は確保し、民主党全国委員会が主催する討論会への出席は可能で、なおかつこれから支持率を上げる可能性を持つ人々です。

 

 あとは支持率1%からあまり伸びがない人々です。全国的な知名度があるはずのカースティン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の低迷ぶりが際立ちます。コーリー・ブッカーと共にウォール街との関係が深い、多額の献金をもらっているということがネックになっていると思われます。

 

 ジョー・バイデンとバーニー・サンダースの2強状態でこのまま進むのか、そもそもバイデンは出馬表明をしていないがそもそも出馬するのか、民主党支持者たちはサンダースの急進的な進歩主義的な主張で本選挙も勝てると考えるか、それともより現実的なリベラル派から選ぶのか、75歳以上という2強の年齢はネックにならないか、といったことがこれからの疑問として出てきます。

 

 3位以下の人々の中で50代前半よりも若い人たちほど、これから次(2024年)、もしくは次の次(2028年)に機会がありますから、どういう戦略で予備選挙を進めていくか、撤退することも最終的に大統領になるという目的を達成するための戦略の一つということがあります。

 

 アメリカでもこれからますます注目が高まるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:バイデンがカリフォルニア州で2020年米大統領選挙民主党予備選挙候補者の中でトップ(Biden leads 2020 Dems in California: poll

 

レイチェル・フラジン筆

2019年4月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/438283-biden-leads-2020-dems-in-california-poll

 

水曜日に発表された世論調査の結果、ジョー・バイデン前副大統領はカリフォルニア州の民主党支持の有権者たちにとって、カリフォルニア州を地盤としているカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)を押しのけて、トップの選択肢となっている。

 

キュニピアック大学の世論調査によると、カリフォルニア州の民主党支持、民主党寄りの有権者たちの中で、バイデンは26%の支持を集めた。バイデンに続いたのは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)が18%、ハリスが17%であった。


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トップ3に続くのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)で、それぞれが7%の支持を集めた。それ以外の候補者たちは4%を超えなかった。

 

カリフォルニア州の有権者全体の66%、女性の67%、民主党支持者の71%が、バイデンに対する複数の女性による告発は深刻な問題ではないと答えた。ここ数週間、複数の女性たちが、バイデンに対して彼女たちが不快に感じる方法で接触してきたと公の場で告発した。

 

カリフォルニア州は予備選挙の日程を3月に繰り上げたことで、これまでよりも民主党予備選挙により大きな影響を持つことになった。

 

ハリスは2019年1月に出馬表明をして以降、多くの人々が立候補している民主党予備選挙において、トップ集団の位置を維持しようと努力してきた。ハリスは連邦上院議員になる前、カルフォルニア州司法長官を務めた。彼女はカリフォルニア州内で出馬した選挙で落選したことはない。

 

キュニピアック大学は2019年4月3日から8日にかけて1005名のカリフォルニア州在住の有権者に対して、有線電話と携帯電話を通じて世論調査を実施した。誤差は4.1%だ。この世論調査では民主党支持、民主党寄りの有権者482名に調査を実施し、誤差は5.9%だ。

 

=====

 

ブティジェッジはニューハンプシャー州の世論調査で3位に上昇(Buttigieg surges to third place in NH poll

 

ザック・バドリック筆

2019年4月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/438344-buttigieg-surges-to-third-place-in-nh-poll

 

セント・アンセルム大学のニューハンプシャー州在住の有権者に実施した最新の世論調査の結果によると、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちの中で3位に入った。

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今回の世論調査の結果も他の世論調査の結果と同じく、ジョー・バイデン前副大統領が22.9%でトップとなった、続いて、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が15.6%で2位となった。3位のブティジェッジは10.7%を獲得し、続いてエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が8.7%、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が6.8%を獲得した。


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知名度の点でも、ブティジェッジは2019年2月以降大きく上昇している。今回の世論調査の結果、知名度では33.2%、好感度では30.6%上昇している。非好感度は2.9%の上昇にとどまった。


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一方、バイデンの好感度は、複数の情勢たちがバイデンによる不適切な接触を告発した時期と重なり、9.7ポイント下落し、非好感度は5.5%上昇した。それでも、こうした告発もバイデンを支持率トップの座から降ろすまでには至らなかった。

 

セント・アンセルム大学の世論調査は2019年4月3日から8日にかけてニューハンプシャー州に住む登録済有権者698名に対して実施された。誤差は3.7ポイントだ。

 

=====

 

アイオワ州の世論調査で、ブティジェッジはバイデンとサンダースに続いて3位に入る(Poll shows Buttigieg in third behind Biden, Sanders in Iowa

 

マイケル・バーク筆

2019年4月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/438471-poll-shows-buttigieg-in-third-behind-biden-sanders-in-iowa

 

アイオワ州の民主党支持の有権者を対象に実施された世論調査で、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが候補者たちの中で3位に入ったことが分かった。

 

マンモス大学の世論調査の結果が木曜日に発表され、ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に続き、ブティジェッジが支持率9%を獲得し3位に入った。

 

バイデンはまだ出馬表明をしていないが、27%の支持を集めてトップにつけた。サンダース派16%の支持を集めて2位につけた。


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ブティジェッジは日曜日に正式な出馬表明を行うものと見られているが、2019年3月にマンモス大学が実施した世論調査では支持率は1%以下だった。

 

今回の世論調査でブティジエッジはアイオワ州で3位に入ったが、これは2度目のことである。2019年3月にエマーソン大学が実施した世論調査でもブティジェッジは、アイオワの党員集会(予備選挙)参加予定者の間で11%の支持を集め、今回度登用にバイデンとサンダースに続いて3位に入った。

 

マンモス大学の世論調査の誤差は5.2ポイントで、エマーソン大学の誤差の6.2%よりも少し低い数字となっている。

 

マンモス大学世論調査部長パトリック・マーレ―は声明の中で、ブティジエッジはアイオワ州でこれからも支持率を上昇させ続けるだろうと述べた。

 

マーレ―は次のように述べている。「アイオワ州の民主党予備選挙参加予定者の約半数が彼についての意見を形成していない段階で、ブティジェッジが選挙戦で順位を上げているのは人々の印象に残るものだ。彼は好感度と非好感度のバランスが良い候補者の一人でもある。彼はこの順位を維持することで、より多くの有権者に知られるようになることで、更に順位を上げる可能性を持っている」。

 

ブティジエッジに続いたのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)でそれぞれ支持率7%を獲得し、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民衆党)は6%で6位に入った。

 

今回の世論調査は2019年4月4日から9日にかけてアイオワ州に住む民主党支持の有権者351名と対面調査で実施した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 前回に続いて、民主党予備選挙の立候補者・立候補予定者を紹介する記事をご紹介します。

 

(貼り付けはじめ)

 

(7)エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren、1949年―、69歳)

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ハーヴァード大学法科大学院教授を務めた。マサチューセッツ州選出の連邦上院議員として、誰もが知っている存在(household name)になっている。金融業界救済についての監視の急先鋒として名を馳せた。ウォーレンは、大富豪と大企業に説明責任を果たさせることで、アメリカを「一生懸命に働いてルールに基づいて生活すれば、誰もが成功できる国」に再生することを公約としている。2019年2月9日に正式に出馬表明を行い、その際にトランプ大統領は2020年までに逮捕され牢獄に入っているだろうと述べた。

 

・年齢;69歳;政治に関わってきた期間:10年間。

 

・資金提供者:過去には教育産業、女性のPAC、法曹関係者だった。2020年の大統領選挙では大富豪や大富豪が設立したPACからの献金を受け取らないと公約した。

 

・経済についての最大のアイディア:「富裕税」を提唱。5000万ドル以上の財産を上げた人には2%、10億ドル以上の財産を持っている人には3%を課税し、10年で2兆7500億ドルの税収増を目指す。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは480万;フェイスブックでは320万、インスタグラムでは130万。

 

・この候補者を気に入っているのは:アメリカ東海岸伝統の知識人的な知識と中西部の出身が混在している、細かい点が気になる有権者。

 

・この候補者を嫌っているのは:知識人エリートを信用していない有権者、彼女が個人的なアピールが出来るか、中道派を取り込むことが出来るか疑念を持っている人々。

 

(8)エイミー・クロウブッシャー(Amy Klobuchar、1960年―、58歳)

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企業の顧問弁護士を務めた。ミネソタ州初の女性連邦上院議員。薬価のような日常生活の問題に取り組むことで、物事に是々非々で臨む中道主義者という評価が確立している。最高裁判事に指名されたブレット・カヴァノーに対する冷静な質問ぶりで、左に寄っている民主党支持者たちからも称賛を受けた。2019年2月10日に出馬宣言を、吹雪が舞う屋外の集会で行った。吹雪が舞う中での出馬宣言は、彼女の「気概」と集会に集まった人々にとって「友人であり隣人」というイメージを与えることを目的としていた。

 

・年齢:58歳;政治に関わってきた期間:12年間。

 

・資金提供者:法律事務所と食品、乳業産業からが多い。クロウブッシャーは政治関係以外のNGOなどから資金を受け取るとしている。2020年の選挙では企業が創設したPACからの資金は受け取らないと表明している。

 

・経済についての最大のアイディア:アメリカの中小企業が世界各国に輸出が容易となるための新しい方策。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは63万1000;フェイスブックでは31万9700;インスタグラムでは5万1900。

 

・この候補者を気に入っているのは:左過ぎず、右過ぎず中庸な候補者、アメリカ中西部の有権者たちにアピールする女性を候補者として求めている人々。

 

・この候補者を嫌っているのは:クロウブッシャーよりも左に寄っている民主党員と民主党支持者たち。この人々はクロウブッシャーの中道アピールに反対するだろう。

 

(9)バーニー・サンダース(Bernie Sanders、1941年―、77歳)


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ブルックリン生まれ。民主社会主義者を自認している。1981年にヴァーモント州バーリントン市の市長に当選。この時の票差はわずか3票であった。1990年にアメリカ連邦下院議員に当選し、その後2006年にアメリカ連邦上院議員に当選。現在も連邦上院議員を務めている。無所属議員としてはアメリカ史上最長の連邦上院議員歴となっている。2016年の米大統領選挙民主党予備選挙でヒラリー・クリントンに対抗した。2019年2月19日に「下からの変革」を訴えて出馬表明した。

 

・年齢:77歳;政治に関わってきた期間:38年間。

 

・資金提供者:連邦選挙管理委員会のデータについてのセンター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックスの分析によると、過去5年間、サンダースの政治活動資金の75%は200ドル以下の小口の献金者からのものだった。彼の資金の献金者で大きいものとしては、リベラル派の活動団体「ムーヴオン・オーガナイゼーション」、カリフォルニア大学非雇用者団体、郵便職員の2つの労働組合、アメリカ通信労働組合である。過去5年間に集めた資金1270万ドルのうちPACから得た資金は17万7000ドルだった。

 

・経済についての最大のアイディア:サンダースは、公立大学の学費を無料にし、社会保障費を増額し、アメリカ企業をより労働組合の活動がしやすいようにしていく。サンダースは大学学費に関するコストの財源は金融取引に欠ける税金を充てる、社会保障費の増額については25万ドル以上の収入がある人たちに6.2%の所得税を充てると提案している。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは810万;フェイスブックでは750万;インスタグラムでは290万。

 

・この候補者を気に入っているのは:2016年の選挙はサンダースが勝っていたはずだと今でも考えている忠実な「バーニー・ブラザース(Bernie Bros)」、国民皆保険と富裕層への高い税率という考えに新たに転校してきた人々。

 

・この候補者を嫌っているのは:トランプを倒すために必要な有権者を自身に引き込んでしまっているだけだ、とサンダースを「破壊者」として見ている民主党支持者たち、

ヒラリーの敗北をサンダースのせいだと考えているクリントンのファン、サンダースの前回の選挙で仲違いした有色人種の人々。

 

(10)ジェイ・インスリー(Jay Inslee、1951年―、68歳)


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ワシントン州知事で、長年にわたり連邦議員を務めた。2019年3月1日に、環境保護と気候変動の抑止を公約にして正式に出馬表明を行った。インスリーと支持者たちは出馬表明のヴィデオの中で、「私たちの時代が来た」と述べた。支持者の中には「サイエンス・ガイ」として知られるビル・ナイもいた。知事として、インスリーはIT産業に対するプライヴァシー保護規制と海運業をより効率的なものとするための新しい技術の導入を訴えている。

 

・年齢:68歳;政治に関わってきた期間:24年間。

 

・資金提供者:2019年2月に、インスリーの大統領選挙運動を支援するためのスーパーPAC「アクト・ナウ・オン・クライメット」が創設された。このPACは企業からの献金を受け取らない。インスリーの選対は化石燃料関連業界からの献金も受け取らないと発表している。過去にはエレクトロニクスとIT業界から献金を受けた。また、インスリーの地元であるワシントン州に本社を置くマイクロソフトをはじめとする各企業の労働組合からも献金を受けている。

 

・経済についての最大のアイディア:気候変動を止めることで経済成長を促す。アメリカ国内で「100%クリーンエネルギーと恩師ンツ効果ガスの排出をゼロ」にすることで新たに数百万の雇用を生み出すとしている。化石燃料関連企業に対する補助金と税制優遇を廃止し、グリーンニューディールを支持する。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは15万8000;フェイスブックでは12万5000(個人としてのページ)・11万(知事としてのページ);インスタグラム:5200。

 

・この候補者を気に入っているのは:インスリーは長年にわたり気候変動に対して危険を訴えてきた。深刻化する環境問題に関心を持つ人々を惹き付けている。IT技術によるアメリカの抱える諸問題の解決、という彼の主張はIT業界にアピールする。

 

・この候補者を嫌っているのは:気候科学の否定者、化石燃料産業の重役たち、インスリーによるワシントン州でのキャピタルゲイン課税に反対する富裕層。

 

(11)ジョン・ヒッケンルーパー(John Hickenlooper、1952年―、67歳)


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地質学者にして実業家。ジョン・ヒッケンルーパーは2010年にコロラド州知事に当選した。その前にデンヴァ―市長を2期務めた。2019年3月4日にヴィデオ録画で出馬宣言を行った。彼は会社を解雇された後に自分でビール製造業を立ち上げたという自信の成功体験を強調した。彼はまた急激な成長を続けるコロラド州をうまく運営してきた業績を訴えている。その中には経済成長と銃規制が含まれる。超党派アピールを行う穏健派として、自身をドナルド・トランプ大統領に対抗できる人間は自分だと強調した。ヒッケンルーパーはヴィデオの中でトランプ大統領を「私たちが寄って立つ全てを危険に晒す危機」と呼んだ。

 

・年齢:67歳;政治に関わってきた期間:16年。

 

・資金提供者:公務員、法曹関係者、ロビイスト、不動産会社から知事選挙資金のための寄付を受けた。エネルギー関連企業と通信企業からの献金も受けている。

 

・経済についての最大のアイディア:ビジネスを行う際にコストとなる政府の規制を削減しつつ、規制の順守を求める。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは13万;フェイスブックでは10万7000;インスタグラムでは6370。

 

・この候補者を気に入っているのは:中道派、超党派の政治を希望している民衆党支持者、トランプを支持しない共和党支持者。

 

・この候補者を嫌っているのは:進歩主義的な民主党支持者たち。

 

(12)ビトー・オローク(Beto O’Rourke、1972年―、46歳)


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昨年までテキサス州以外では全くの無名の存在だった。現職の連邦上院議員テッド・クルーズに対して、明るい選挙運動を行ったことで全国的に支持を拡大することになった。大統領選挙への出馬が取り沙汰されていた中で、テキサス州選出の連邦下院議員とエルパソ市議会議員を務め、IT企業の創設者にして、一時期はパンクロッカーだったオロークは、2019年3月14日にヴィデオで出馬宣言を行った。彼の元気が出るメッセージ多文化的な生い立ち(彼はメキシコ国境地帯で育った)は、トランプに飽き飽きしている有権者たちにアピールするだろう。しかし、彼には経験と政策提案力がまだ不足している。

 

・年齢:46歳;政治に関わった期間:14年間。

 

・資金提供者:クルーズと争った連邦上院議員選挙の選挙資金の大部分は個人献金であったが、過去の連邦下院議員選挙ではPACからの資金を受け取っている。

 

・経済についての最大のアイディア:昨年の連邦上ン議員選挙での彼の経済政策についての公約は格差の改善に集中した。しかし、具体性に欠けていた。独占を打破するための反トラスト規制を強化すること、各企業に被雇用者と共同体に対して投資を行うように促すことが政策として挙げられていた。

 

・SNSのフォロワー数:ツイッターでは126万;フェイスブックでは85万4000;インスタグラム:83万2000.

 

・この候補者を気に入っているのは:民主党執行部に失望している民主党支持者(特にミレニアル世代)、移民、退役軍人たち。

 

・この候補者を嫌っているのは:オロークの政策の具体的な中心点について知りたいと思っている有権者、民主党には分裂の原因となるような、文化戦争にかかわる諸問題から距離を取って欲しいと願っている民主党支持者。

 

(13)カーステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand、1966年―、52歳)


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企業の顧問弁護士を務めた。ニューヨーク州を代表するギリブランド議員は、「Me Too連邦上院議員」として知られるようになった。トランプ大統領の性差別を糾弾し、民主党所属の連邦上院議員だったアル・フランクリンが性的に誤った行動を取ったと告発されたことを受けて辞職する世に圧力をかける動きを主導した。ギリブランドは2019年1月16日にCBSのスティーヴン・コルバートのレイトナイトショーに出演し、準備検討委員会発足を発表した。彼女は公立学校への援助、職業訓練、中流階級への支援を訴えた。2019年3月17日に選挙戦に正式出馬を表明した。

 

・年齢:52歳;政治に関わってきた機関:11年間。

 

・資金提供者:複数の法律事務所、ウォール街の金融機関。

 

・経済についての最大のアイディア:ギリブランドはアメリカ全体に悠久の育児休業導入を訴えている。

 

SNSのフォロワー数:ツイッターでは136万;フェイスブックでは54万4400;インスタグラムでは18万1000。

 

・この候補者を気に入っているのは:エスタブリッシュメントを支持する有権者、民主党全国委員会に近い民主党支持者。民主党全国委員会の中にはヒラリー支持者がまだ多くおり、その中でギリブランドは大きな支持を得ている。

 

・この候補者を嫌っているのは:進歩主義的な有権者たち。これらの人々はギリブランドが10年前の弁護士時代にたばこ産業と反移民プラットフォームを弁護した事実を取り上げ、彼女の忠誠心がどこにあるのかという疑念を提示している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2020年の米大統領選挙民主党予備選挙に、エイミー・クロウブッシャー(Amy Klobuchar、1960年―)連邦上院議員選挙(ミネソタ州選出、民主党)が出馬することが明らかになりました。雪が降りしきる中、クロウブッシャーは出馬宣言を行いました。


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 ドナルド・トランプ大統領はこの演説について、「なんて悪いタイミングだ。地球温暖化対策を訴えているのに、雪の中の演説になって、最後の方は雪だるま(snowman[woman])みたいになっている」とツイッター上で冷やかしました。クロウブッシャーはロシア疑惑に関する委員会入りを熱望した人物で、トランプ大統領は特に気に入らない人物ということになるでしょう。

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 これに対して、クロウブッシャーは「大統領選挙の討論会で、気候変動について討論が出来ることを楽しみにしている」と切り返しました。クロウブッシャーがトランプ大統領と討論をするためには、民主党の予備選挙を勝ち上がらねばなりません。既に多くの人々が立候補を表明していますが、今のところ、5名の女性(連邦上院議員4名、連邦下院議員1名)が立候補を表明しており、女性の数や割合はアメリカ史上最も多いものとなるでしょう。

 

 クロウブッシャーはイェール大学卒業後に、シカゴ大学法科大学院を修了し、弁護士となりました。その後、地区検察官などを務め、2006年からはミネソタ州選出の連邦上院議員を務めています。2018年の中間選挙の際の連邦上院議員選挙でも圧勝して、現在は3期目となります。

 

 2020年の大統領選挙に関しては、クロウブッシャーの名前も有力候補として早くから挙がっていました。中道的な主張や前回の大統領選挙でヒラリーが敗北した中西部、ラストベルト出身ということが有利な材料となると見られています。

 

 しかし、全国的な知名度が低く、また資金集めもうまくない、また、スタッフに対して厳しく当たるという評判が立っているということがマイナス材料になりそうです。

 

 民主党は左に寄っている、という評価の中で、中道派であるという点がどのように作用するのか、これからの推移に注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

クロウブッシャーが2020年の大統領選挙レースに参加表明(Klobuchar jumps into 2020 race

 

リサ・ヘイゲン筆

2019年2月10日

https://thehill.com/homenews/campaign/429215-klobuchar-decision-2020  

 

エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は日曜日、2020年の米大統領選挙への出馬を表明した。トランプ大統領を倒すためのレースに参加する5人目の連邦上院議員となった。

 

ミネアポリスのブームアイランド公園に設置されたステージは雪に覆われていた。気温は凍り付くほど寒いマイナス10度であった。その中でクロウブッシャーは、自身の家族が中西部に根付き、自分はそのルーツを背負っていることを訴えながら、大統領選挙出馬を表明した。中西部は民主党にとって重要な激戦区である。民主党はミシガン、ウィスコンシン、ペンシルヴァニアを再び民主党優勢州とすることを狙っている。

 

クロウブッシャーは歓声を上げる聴衆を前にして次のように語った。「今日、偉大なミシシッピ川の中ほどにある島の上で、私は皆さん方の前で、鉄鉱石鉱山の鉱山夫の孫娘として、教師と新聞記者の娘として、ミネソタ州で初めて連邦上院議員に選ばれた女性として、アメリカ合衆国大統領選挙への立候補を表明する」。

 

連邦上院議員として三期目を務めるクロウブッシャーは、アメリカを改善することを目標として、いくつかの政策分野における彼女の考えを訴えた。彼女は「銃器ロビー」と対決し、政治の世界における企業献金を廃止し、環境保護を目指す政策を実施し、医療や健康にかかるコストを引き下げ、投票権が守られることを再確認し、プライヴァシー保護に関する法律を制定すると公約した。

 

クロウブッシャーはトランプ大統領の名前を出すことはなかったが、「ツイッターによって表明され、動かされる外交政策」はアメリカにふさわしくないと発言し、トランプ大統領を皮肉った。

 

クロウブッシャーは次のように発言した。「アメリカ全土で共同体という認識が壊れつつある。我が国の政治の惨めで邪悪な特徴のために分裂させられている。私たちは政府機能閉鎖が続いていることに飽き飽きしている。停滞とスタンドプレーにうんざりしている。本日、雪に覆われたこの島の上で、私たちは“もうたくさんだ”と言おう」。

 

クロウブッシャーが大統領選挙出馬を表明したことで、中西部地域からの出馬表明者は2人目となった。

 

クロウブッシャーは大統領選挙出馬を検討してきて、2019年2月21日にアイオワ州で開催される民主党の集会に出席するという報道が出たことで、立候補するだろうと見られるようになった。

 

クロウブッシャーは既に多くの人々が立候補表明をしている2020年米大統領選挙民主党予備選挙に立候補を表明した。コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が既に立候補を表明している。

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その他の連邦上院議員も立候補すると見られている。その中には、頑固な進歩主義者であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、シェレッド・ブラウン連邦上院議員(オハイオ州選出、民主党)も含まれている。ブラウンもまたクロウブッシャーと同じくラストベルトのルーツを強調している。

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブッティギーグ(民主党)も大統領選挙出馬の意思を表明している。彼もまた選挙運動の柱として中西部とのつながりを強調している。

 

2020年米大統領選挙民主党予備選挙は史上最大の規模となると見られている。そして、最も多様性に富むものとなるとも予想されている。これはトランプ大統領を倒したいと熱望している民主党支持者たちを反映した形である。しかし、これまでのことで明らかになっているのは、民主党が更に左に寄り続けているということである。

 

2018年、クロウブッシャーは連邦上院議員選挙で圧勝して議員として3期目を迎えた。2年前の2016年の米大統領選挙本選挙で、当時の民主党候補者ヒラリー・クリントンはミネソタ州でようやくのことでトランプ対して勝利を収めた。

 

クロウブッシャーは中西部のルーツを強調し、「誰にでも優しいナイスなミネソタ流」と揶揄される穏やかな選挙手法を採用して選挙運動を行うだろうと見られている。

 

2018年11月、クロウブッシャーは『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材を受けた。その際、2016年の米大統領選挙でミッシェル・オバマが「相手が卑劣な攻撃をしてきたら、自分たちは高尚な態度を保持すべきだ」と述べたことをもじりながら、“相手が卑劣な攻撃をしてきたら、自分たちも同じことをやる”と言う考えに私は同意しない。私は相手が卑劣な攻撃をしてきたら、自分たちは毅然とした態度でそれに対応するべきだと考えている」と発言した。

 

クロウブッシャーは更に「しかし、毅然と対応するというのは、ドナルド・トランプが行く先々にあるウサギの穴に逃げて隠れることではない。毅然と対応するということは対応することであって、自分たちの考えや政策を、相手の存在を無視して訴え続けるということではない。私たちは卑劣な攻撃をするという戦術を採用したいとは思わないし、毎朝悪口をツイッターに書き込むようなこともしたくない」と述べた。

 

連邦選挙管理委員会が公開した最新の情報によると、2019年初頭の段階で、クロウブッシャーには2018年の連邦上院議員選挙で集めた選挙資金の残りが390万ドルあることが分かっている。

 

クロウブッシャーはこの手元資金を大統領選挙運動に転用することが出来る。しかし、この金額は、ウォーレンやギリブランドの持つ1000万ドルという金額には及ばない。

 

クロウブッシャーは選挙運動を始めるにあたり、彼女のスタッフに対する取り扱いに関するマイナスの報道内容を払しょくしなければならない。

 

『ハフィントンポスト』紙は、クロウブッシャーの大統領選挙運動の責任者として3名の名前が挙がったが、スタッフに対する取り扱いを理由に、3名ともに責任者の仕事に就くことを断った

 

『バズフィード』誌はこの内容をさらに掘り下げ、クロウブッシャーの連邦上院議員選挙にスタッフとして参加した人物たちを取材した。彼らは一様に、クロウブッシャーが短気であること、実際に書類を投げつけたり、スタッフを侮辱する内容のEメールを送ってきたりしたことを批判した。

 

バズフィード誌の記事では、現在のスタッフたちがクロウブッシャーを思慮深く、思いやりがある上司であると述べて擁護していることも掲載されている。

 

日曜日の出馬表明の中で、クロウブッシャーは支持者たちに向けて、「真心を持ってリードする」、生真面目な大統領になることを約束した。

 

クロウブッシャーは「皆さん方の大統領として、私は常に皆さん方を見守るだろう。私は自身の考えを皆さんに語るだろう。私は自分の仕事を成し遂げることだけに集中するだろう」と語りかけた。

 

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