古村治彦です。
2024年6月27日に開催された米大統領選挙候補者討論会での、ジョー・バイデンの酷い状態を受けて、民主党内はパニック、お通夜状態になっている。「敗北だ」という雰囲気は理解できるが、ついには、「バイデンが死んでくれなえれば、自分たちが死んでしまう(誇張表現ではあるが)」という言葉まで出てきている。日本でも、リベラル派、民主党びいきのニューヨーク・タイムズが論説委員室から、バイデンに選挙からの撤退を求める内容の論稿を発表したと報じられた。
ドナルド・トランプ陣営は、リベラル派のCNNが「自分たちを非常に公正に扱った」と高く評価している。トランプ前大統領は通常運転であったが、それだけで、バイデンとのコントラストが大きくなって、「討論会はトランプがバイデンに圧勝」ということになった。民主党側からすれば、「バイデンは高齢ではあるが元気で、トランプをやっつけた」ということにしたかったが、期待以下、最低線以下の最悪の結果となった。討論会中、トランプが何度か、バイデンの発言中に怪訝そうな表情を浮かべ、「何かおかしいぞ」という感じになり、発言を手加減しているように私には見えた。いつもよりエンジンをかけてやってしまうと、「トランプが高齢のバイデンを虐めている」という構図になりそうだったのを抑えたように見える。高齢者はトランプにとっての大事な選挙基盤だ。
アメリカ大統領は、アメリカ軍最高司令官(Commander-in-Chief)であり、やはり体力や活力が必要というのがコンセンサスだ。バイデンのあの弱弱しさでどうやって最高司令官たり得るかといいうことになる。共和党側からは、マイク・ジョンソン連邦下院議長などから、合衆国憲法修正第25条4項の規定に基づいて、バイデン大統領に職務続行不能を宣言し、カマラ・ハリス副大統領が職務代行せよという声が上がっている。この憲法の規定では、副大統領と閣僚の過半数が申し立てれば、大統領の職務続行不能が認められ、副大統領が代行となる。バイデン大統領の討論会の様子は、そのような懸念を引き起こすのに十分であった。
もう7月で、8月の候補者指名のための全国大会まで1カ月半ほど残されていない。バイデンと交代して候補者となり得る人物の名前が多く出ているが、ここはやはりカマラ・ハリス副大統領しかいないだろう。負ける公算が大きい以上、大事な候補者は民主党としても出せない。カリフォルニア州は民主党の金城湯池であるにもかかわらず、これまで大統領選挙候補者は出てこなかった。かえって、共和党側からカリフォルニア州出身の大統領候補・大統領が出ている(リチャード・ニクソンやロナルド・レーガンなど)。ここは、カマラ・ハリスが民主党初のカリフォルニア州出身の大統領選挙候補者になるというのも良いのではないかと思う。
(貼り付けはじめ)
重要な転換となったトランプ・バイデン討論の5つのポイント(5 takeaways on
a pivotal Trump-Biden debate)
ジャレッド・ギャンズ、ジュリア・ミュラー、キャロライン・ヴァキル、ブレット・サミュエルズ筆
2024年6月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4745219-five-takeaways-on-a-pivotal-trump-biden-debate/
ジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領は木曜日、4年ぶりにアトランタで討論会の舞台で相まみえた。この討論会は大統領選挙の選挙戦において極めて重要な瞬間になった。
90分間の討論会終了までに、左派と右派は共に、この夜がゲームチェンジャー(game
changer)となった、バイデンにとって有益な夜ではなかったということで一致したようだ。
両候補は経済、中絶、移民、外交政策をめぐって対立したが、この夜はバイデンのつまずきのスタート(stumbling start)として最もよく記憶されることになるだろう。ホワイトハウスはその原因の一部を風邪のせいだと主張した。
これから5つのポイントを見ていく。
(1)バイデンは彼の年齢に対する懸念の払しょくに失敗した(Biden fails to
dispel worries about his age)
現在81歳で大統領任期2期目の終わりには86歳になるバイデンは、大統領職をあと4年間続けるための準備ができていないのではないかという有権者の懸念を和らげることが何もできなかった。
バイデンが2024年の選挙戦を通じて直面し続けてきた主な懸念の1つは年齢であり、バイデン陣営が求めていた討論会でのスロースタートぶり(slow start)は6月の討論会を進めるというバイデン自身の決断に疑問を投げかけた。
連邦下院少数党(民主党)院内総務のハキーム・ジェフリーズ議員(ニューヨーク州選出、民主党)の元広報担当のマイケル・ハーダウェイはSNSのXに投稿し、「あのような状態で自分のボスを全国テレビ放送に送り出すようなことを私ならしない」と書いた。
バイデンは言葉につまずき(stumbled over)、時には発言が不明確になるなど、いくつかのミスに苦しんだ。彼の声は討論会の間中、ずっとかすれていて(hoarse)、特に静かな調子で討論を始めた。
バイデンがつまずいた最も注目すべき事例の1つは、討論会序盤における、メディケアに関する討論だった。
「私が新型コロナウイルスに対して私ができたことを、全ての人たちに確実に受けられるようにすることだ。失礼、私たちが関係しなければならない全てのことに対処している」とバイデンは時折言葉に詰まりながら発言した。「よろしいか・・・私たちはついにメディケアを完全に打ち倒した(we finally beat Medicare)」と述べた。
トランプ陣営は、バイデンにはあと4年間ホワイトハウスに留まる用意ができていないと主張しようとしてきた。トランプ自身は、このバイデンの言い間違いの機会を利用してバイデンが「メディケアを徹底的に打ち負かした」と述べたことへ反応しようとしたが、止まってしまった。
複数の関係筋が本誌や他のメディアに語ったところによると、バイデン大統領は風邪をひいており、それが「スロー」スタートの理由ということであった。しかし、バイデン大統領の能力についての疑問を払拭するのに、この釈明はバイデンが必要としていたものではなかったことは確かだ。
トランプはひよっこ(spring chicken)ではない。トランプは78歳になったばかりで、二期目を務めれば史上最高齢の大統領となる。しかし、トランプの年齢に関する疑問は、バイデンほどには根強く残っておらず、木曜日の夜の彼のパフォーマンスがこの状況を変える可能性は低かった。
討論会が進むにつれてバイデンの様子は改善し、トランプの様々な発言についてトランプと対立することが増えた。注目に値する例の1つは、2018年に大統領としてトランプが退役軍人を「間抜け」や「負け犬」と呼んだ発言を非難したことだ。これについて、トランプは否定している。
民主党系ストラティジストのジョン・ライニッシュは、バイデンは時間の経過とともに改善したと主張した。
ライニッシュは「大統領は、スロースタートだったが、勢いを取り戻した(picked up
stream)。彼のティームは、喉に効く2つの自家製治療薬、ハチミツとレモンについて調べる必要がある」と述べた。
(2)トランプは比較的規律正しく行動した(Trump is relatively
disciplined)
2020年の大統領選挙選挙戦の最初の討論会でのトランプ前大統領のパフォーマンスは、バイデンに対する度重なる妨害と攻撃的な口調のために酷評された。木曜日にはそのような問題はなかった。
トランプ大統領の回答には、バイデンが国民全員の税金を4倍にする計画があると主張したときのように、誤解を招く発言や虚偽が頻繁に含まれていた。トランプは2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件についての発言最小限にとどめ、2024年の選挙結果を受け入れるかどうかについては曖昧な態度を取った。
しかし、バイデンが特定の話題について蛇行し、時には思考回路(train of
thought)がうまく機能しなかったため、過去にトランプを悩ませたような爆発は避け、厳しい試験に合格することができた。
トランプ元大統領の側近と共和党系のストラティジストたちは木曜日の対決に向けて、トランプには自傷行為による傷(self-inflicted wounds)を一切負わせず、その夜の焦点をバイデンに集中させることが責務であると主張した。
マイクをミュートにして、候補者の発言の番ではないときに候補者の声が聞こえないようにしたことも、一部にはトランプに対する助けになったかもしれないが、共和党は夜の終わりまでにトランプの果たすべき使命は達成されたと感じた。
共和党系ストラティジストのフォード・オコネルは本誌の取材に対して次のよう述べた。「トランプにとって、今回の討論会のMVPは、トランプとバイデンの分割画面の視覚的なコントラストだ(split screen
visual contrast)。トランプは20歳若くシャープに見えたが、バイデンはぼんやり(dazed)していて、あと4年など務められそうにないように見えた。今夜以降、トランプとバイデンの間で再び討論会が行われる可能性はゼロ以下だ」。
(3)司会者たちはファクトチェックに失敗した(Moderators fail to
fact-check)
司会者のダナ・バッシュとジェイク・タッパーは候補者たちが時間制限を守るように努めたが、討論会の間でリアルタイムでのファクトチェックを行わなかった。これは、専門家の一部から、事前にトランプとバイデンの責任ある発言を引き出すために必要だと主張していたにもかかわらず、ファクトチェックを行わなかった。
討論会の場で行われる主張に異議を唱えないという決定は、候補者たちが真実を拡大解釈して非難の応酬を行う余地を残した。
これは、トランプにとって有利となった可能性がある。討論会終了後、CNNのファクトチェッカーであるダニエル・デールは、トランプの虚偽主張が少なくとも30件、バイデン側では少なくとも9件あったと主張した。しかし、デールの努力は多くの視聴者が討論を見終えた後に示された。
ある時点で、トランプは先月有罪判決を受けたマンハッタン口止め料事件を通じて、バイデンに対して、「基本的に政敵を追いかけ回した(basically went after his political opponent)」と示唆したようだ。
4年前、2020年の討論会でのトランプ大統領の突飛な主張により、幕が閉まった後に厳しいファクトチェックが行われた。
バイデン陣営とバイデンの補佐官たちは一晩中、ソーシャルメディアへの投稿でトランプ大統領の発言に関するチェックをシェアし、様々な報道機関は、両候補の動向を把握しようと努めた。
物議を醸した討論会は、両方の候補者を遮断するミュートボタンと、無観客によって部分的に制御された。これは、2020年の騒々しい両者の対決の繰り返しを避けるためのCNNが苦心して決めたものだ。
しかし、司会者らは候補者に任務を遂行させるのに苦労し、虚偽や逸脱の両方に扉を開いた。ある時点で、トランプは保育料の料金に関する質問を無視し、その代わりにバイデンを「史上最悪の大統領(“the worst president ever)」と叩きのめすことに時間を費やした。
他の専門家たちが批判する中、長年ニューヨーク・タイムズのコラムニストを務めるニコラス・クリストフ氏はSNSのXに「CNNの司会者たちがもっとファクトチェックをして、全くの虚偽の発言があった場合には視聴者に知らせて欲しかった。事実を装った虚偽を送信することがプラットフォームにとってどのように役立つのかは分からない」と投稿した。
一方、保守派コメンテイターのアン・コールターは、司会者たちを「驚くほど素晴らしい」、「まったく不公平ではない」と評価した。
共和党系ストラティジストのブライアン・セイティックは、司会者たちは抑制的なアプローチでスポットライトを避けることに成功したと述べた。民主党系ストラティジストのライニッシュは、司会者がもっと介入すべきだったと述べた。
(4)2020年に行われた灯篭会ではなかったが、個人的・感情的になった(It
wasn’t 2020, but it got personal)
2020年のトランプとバイデンの1回目の討論会は、会場を支配した混乱と両候補が激しい口論になったことで評価が低かった。
木曜日の討論会はそこまでの緊張レヴェルには達しなかったが、それでも時として個人的・感情的なものになった。
バイデンは討論会の後半で発言を強め、トランプが亡くなった退役軍人について発言したと伝えられていることに言及し、トランプを「間抜け(sucker)」で「負け犬(loser)」と呼んだ。
「彼は四つ星の将軍と一緒に立っていてこう言った、『彼らは負け犬で間抜けの集団だから、あそこ(墓地)には入りたくない』と」とバイデンは語った。バイデンは続けて、「私の息子は負け犬ではない。彼は間抜けではない。あなたが間抜けだ。あなたが負け犬だ」と述べた。
トランプ大統領は、バイデンを「洗脳されている(Manchurian candidate)」と呼び、中国に立ち向かわないとして非難した。
両候補は、様々な政策問題に関して討論する中で、相手が嘘をついた、または真実ではないと非難した。
注目すべきことに、候補者たちは討論会の前後に握手をしなかった。最後にバイデンは妻のジル・バイデン大統領夫人に出迎えられ、トランプはただ立ち去った。
(5)民主党は懸念と不満を高めて夜を終えた(Democrats left the
night worried and frustrated)
集中力を失い、言葉が出てこないバイデンのパフォーマンスは、討論会が終わる前から民主党をパニック状態に陥らせた。
本誌に記事を寄稿している、民主党系ストラティジストで、オピニオンライターのマックス・バーンズはXに次のように投稿した。「私はバイデン陣営のスタッフでも、バイデンワールドの腹心でもない。バイデンの懸念すべきパフォーマンスについて今、最高幹部レヴェルで話し合いが行われているかどうかは分からないが、今夜バイデンの選挙戦が前進したかのようなふりをするのは政治的不正(political malpractice)となるだろう」。
バーンズは別の投稿で次のように述べた。「2012年にバラク・オバマがミット・ロムニーに対する最初の討論会で大失敗したとき、何がうまくいかなかったのか、それを修正するには何が必要なのかについて真剣に議論することになった。オバマは船の進先を修正した。
同じような話し合いが今すぐ、幹部たちとバイデンとの間で行われる必要がある」。
民主党にとって、今回のCNN主催の討論会は、トランプとバイデンの対照がどのようなものか有権者に示す最初の機会となるはずだった。民主党はバイデンが今年の一般教書演説で示したような活力を発揮してくれることを期待していた。
その代わりに、当初は動きが鈍かったバイデンの討論パフォーマンスが、年齢に対する有権者の懸念を強調する内容となった。
ハリス副大統領の元上級補佐官シモーネ・サンダース・タウンゼントはXに投稿し、「バイデンのスタートは悪かった(皆さん、他に言い方はない)。彼は討論会を通じて改善したが、これはバイデンの支持者たちが期待していたものではなかった。大統領が風邪をひいているようだと指摘するのはもっともだが、討論となると、内容と同じくらいパフォーマンスも重要だ」と述べた。
アリゾナを拠点とする共和党系ストラティジストであるバレット・マーソンは、「#ReplaceBiden(バイデン交代)」というハッシュタグがネット上で流行し始める可能性についてXでつぶやいた。「認知症(dementia)」という言葉もXでトレンドになっていた。
バイデンは、9月に行われるABCニューズ主催の討論会でトランプと対決し、パフォーマンスを大幅に向上させる機会をもう1度得ることになる。しかし、バイデン大統領はそれまでに多くのことを改善しなければならないだろう。
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トランプが集会で討論司会者を称賛:「彼らは私を非常に公平に扱ってくれた」(Trump
lauds debate moderators at rally: ‘They treated me very fairly’)
ロウレン・アーウィン筆
2024年6月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4747126-trump-lauds-debate-moderators-they-treated-me-very-fairly/
ドナルド・トランプ前大統領は金曜日の集会で、木曜の夜、CNNの大統領選挙討論会司会者のダナ・バッシュとジェイク・タッパーが自分を「非常に公平に(very fairly)」扱ってくれたと思うと述べた。
メディアイトが切り抜いて拡散した映像の中で、トランプはヴァージニア州の聴衆に対して、「昨夜、CNNが私を非常に公平に扱ったと実際に思ったので、CNNを批判すべきではない。2人ともとてもプロフェッショナルだった。ジェイクとデイナ、彼らは私を非常に公平に扱ってくれた」と語った。
トランプ大統領は聴衆に対し、CNNが何年にもわたって自分を虐待していたと語ったが、木曜日にタッパーとバッシュがトランプ氏を「公平に(fairly)」扱ってくれたことは「素晴らしい(great)」と思うと述べた。
リベラル派の一部は、司会者たちが2人の候補者に対してファクトチェックを行わず、それぞれが虚偽の発言を許していたと批判している。
トランプ元大統領は金曜日午後、選挙集会を実施し、バイデン大統領とその不安定なパフォーマンスを批判し、その夜のニューズのテーマになった。バイデンの討論は民主党員の間で広範な不安を引き起こしており、今秋に新たな人物がトランプに対抗できるようバイデンに退くよう求めている。
しかし、バイデンのパフォーマンスを受けて、共和党はCNNと彼らの討論会の進め方を賞賛した。
アーカンソー州のエイサ・ハッチンソン知事(共和党)はオンラインで、今回の討論会は「公正で有益かつ統制された最高級の討論会(a top-notch debate that was fair, informative and controlled)」だったと述べた。
ハッチンソン知事は「このフォーマットはうまくいった。激しいやりとりがたくさんあるが、視聴者にとってはより見応えのあるものだった。よくやった」と語った。
トランプ元大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニアは、候補者が発言していないときはマイクをミュートにするなどの形式が気に入ったと述べた。
「実は父にとってこのフォーマットが気に入っている。このフォーマットによって、彼を規律正しく集中させ続ける。彼はバイデンの悲惨で失敗した政策について、1つ1つ解体している」とSNSのXに投稿した。
ハイテク億万長者のイーロン・マスクもCNNの放送に意見を述べた。
マスクは次のように述べた。「@CNN は討論会の管理について良い仕事をしたと言わざるを得ない。質問は合理的であり、党派に偏らないものだった。どちらの候補者に対しても贔屓が見られなかった。これが国民がメディアに求めていることだ」。
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アクセルロッドが共和党のストラティジストたちに次のように発言:バイデンが交代となったら「あなたたちは問題を抱える」(Axelrod to GOP strategists: If Biden is replaced, ‘you guys are in
trouble’)
タラ・サッター筆
2024年6月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4745498-biden-debate-trump-challenge/
民主党系ストラティジストのデイヴィッド・アクセルロッドは、討論会後のパネルディスカッションにおいて、共和党側のストラティジストたちに対して、もしジョー・バイデン大統領が交代となれば、彼らとドナルド・トランプ前大統領は、「問題(trouble)」に直面するだろうと述べた。
アクセルロッドは木曜の討論会後、CNNに出演し、「何らかの理由で、大統領選挙候補者に変更があれば、皆さんはドナルド・トランプに関して問題を抱えることになる。なぜなら、今夜そこにいた男は人々にインスピレーションを与えるような男ではないからだ」と述べた。その映像はメディアイトが切り抜き映像にして拡散した。
アクセルロッドは続けて「バイデンは、人々が非常に好意的に評価する人物から何も変わっていない。これは納得できることだ」と述べた。
バイデンの討論会でのパフォーマンスは、声がかすれ、言葉に詰まり、党内での懸念を引き起こした。民主党の幹部やコメンテイターたちは討論会後、選挙前にバイデンが辞任することについて議論が行われていると示唆した。
アクセルロッドはCNNのテレビ番組の中で、次のように述べた「実際、この討論会の初めのバイデンの言動や様子にはショックを受けたと思う。彼の声はどう聞こえたか。彼は少し混乱しているようだった。討論が進むにつれて彼は確かに強くなった。どのような結果になるか私にも分からない議論を聞くことになると思うが、彼が続投すべきかどうかについては議論が行われるだろう」。
あるホワイトハウス当局者によると、バイデンは討論会中に風邪を引いており、民主党候補のトップとしてのバイデンの立場をめぐって疑問が渦巻く中、陣営はバイデンを擁護した。
バイデンの補佐官の1人は、「バイデン大統領はこれまでにドナルド・トランプを破った唯一の人物だ。彼はまたやるだろう。ドナルド・トランプは今夜、有権者に自分に投票する理由を何も与えなかった。この問題に関して、アメリカ国民はジョー・バイデンを支持している」と語った。
討論会を視聴した登録有権者を対象としたCNNの即時世論調査では、67%はトランプが勝利したと答え、33%はバイデンが勝利したと答えた。
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スヌヌがバイデンの討論会での酷いパフォーマンスについて「民主党エリート」を非難(Sununu
blames ‘Democratic elite’ for Biden’s poor debate performance)
ヤシュ・ロイ筆
2024年6月28日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4746941-chris-sununu-joe-biden-debate-performance-2024-presidential-election/
ニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事(共和党)は金曜日のインタヴューで「民主党エリート」を非難し、討論会でのバイデン大統領のパフォーマンスの低調さは民主党指導部の責任だと非難した。
スヌヌは、ニューハンプシャー州の予備選をスキップし、まずサウスカロライナ州に焦点を当てるという民主党全国委員会(Democratic National Committee、DNC)の民主党予備選挙序盤の流れに関する決定を強調した。
スヌヌは「ニューズネイションナウ」の司会者であるコネル・マクシェーンに対して次のように語った。「これはジョー・バイデンの失敗ではないことを忘れないようにしよう。これは民主党のエリートの責任だ。彼らは、ニューハンプシャー州の全米で最初に実施される予備選挙をスキップしようとしたし、ジョー・バイデンが問題を抱えていると分かっていながら、大統領選挙の候補者にさせるつもりだった」。
スヌヌ知事は続けて「彼らにはチャンスがあった。彼らが良好な予備プロセスを実行させるのではなく、基本的にゲームをしようとした。そして、こういう結果になった」と述べた。
スヌヌのコメントは、サウスカロライナ州および地元の民主党員からの呼びかけを受け、党の多様な有権者をより代表すると考えられる州(サウスカロライナ州)で、最初の予備選を実施するとした、民主党全国委員会の決定に言及している。スヌヌやニューハンプシャー州の他の政治家たちは、民主党とバイデン大統領のこの決定を非難した。
ニューハンプシャー州での予備選挙では、投票用紙に名前が記載されていなかったにもかかわらず、結家者たちは投票用紙に名前を書き込み、その結果、予備選の勝者と宣言された。それでも州は彼に代議員を与えなかった。
スヌヌは、木曜夜のアトランタでの討論会でのトランプ前大統領のパフォーマンスを称賛し、トランプ前大統領は討論会で「まさにやるべきことをやった(did exactly what he had to do” at the debate)」と述べた。
スヌヌは金曜日、「トランプは有能さを示した。彼は昨夜、強硬になりすぎず、やるべきことを正確にやった。彼は明らかにその部屋にいる唯一の大人だった。バイデンは全くもって酷かった」と述べた。
スヌヌは、民主党が優勢なアメリカ北東部の各州の中で、ただ1人の共和党所属の知事だ。彼は、共和党予備選挙ではニッキー・ヘイリー元国連大使を支持していた。3月にヘイリーが選挙戦から撤退すると、トランプが共和党の候補者となるための道が開かれた。
過去にトランプを「負け犬」と呼んだこともあったが、スヌヌは誰が共和党の候補者になっても糖尿することを示唆していた。
金曜日に行われたインタヴューで、スヌヌ知事は昨年の段階でバイデンを候補者から交代させるように訴えたとし、現段階では、それはもう手遅れだと確信していると述べた。
スヌヌのコメントは、木曜日の討論会でのバイデンのパフォーマンスが酷かったことを受けて、民主党内でパニックが起き、現職のバイデンが選挙から撤退し、8月の民主党全国大会で、オープン・コンヴェンションの開催を許可すべきかどうかの議論が巻き起こったことを受けて出された。バイデンと選対は、大統領はどこにも行かないとし、この呼びかけを拒否した。
スヌヌは、オープン・コンヴェンション開催の要求を「馬鹿げたアイディア」と呼んだ。
スヌヌは次のように語った。「バイデンは候補者に選ばれるだろう。約4カ月で5億ドルを調達しなければならない状況で、誰が彼に代わって選挙戦を行うだろうか?
これは難しいことだ。候補者になることができるかもしれないが、バイデンと同じか、名前が知れ渡ればバイデンよりも敗北の程度は低くなるかもしれないが、負けてしまうことになるのだから」。
しかし、バイデンが「2回目の討論会で強さを示し、有能さを出すことができれば、アメリカは、1回目の討論会をバックミラーに戻し、リセットボタンを押すことができるだろう」とスヌヌは付け加えた。
木曜日の討論会の冒頭、バイデンの声はかすれており、バイデンのティームはすぐに風邪のせいだと説明した。金曜のノースカロライナ州での集会中、バイデンの声は正常に戻り、エネルギーも増し、言葉に詰まることもあまりなかった。
司会のマクシェーンは、これからの討論会や集会での好転についてスヌヌに質問した。スヌヌは、テレプロンプターの効力があることを認めながら、そのようなことはないと指摘した。
スヌヌは次のように述べた。「バイデンがテレプロンプターを持っている場合、発言時間の80%で、バイデンは原稿をまとめてテレプロンプターから読むことができる。だから、プロンプターがない状態であれば、私たちは最も当惑させられることになると思う。それが、昨夜私たちが見たものだ。昨夜のジョー・バイデンこそが明らかに本物のジョー・バイデンだ」。
スヌヌ知事は「バイデン大統領のパフォーマンスは多くの人を神経質にさせ、心配させるものとなっている。これが、私たちが経済危機に陥っている理由であり、これが、制御不能な移民危機に見舞われている理由だ」と述べた。
スヌヌは続けて、「アメリカ国民がそのような心配をするのは当然のことで、彼らは変化を望んでいるだけだ」と述べた。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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