古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:コーク兄弟

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 2024年の大統領選挙(11月5日)で勝利したトランプが政権構想を発表する前の9日に、第一次政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリーと、国務長官を務めたマイク・ポンぺオについて、第二次政権では政権入りさせないと発表した。ポンぺオは、トランプに近い大物として、アメリカでも、日本でも、第二次政権の国務長官候補として名前が挙がっていた。ニッキー・ヘイリーは今回の大統領選挙の共和党予備選挙に出馬して、トランプと指名を争った経緯があり、また、選挙期間中にはトランプ批判を繰り返したことから、厳しいかなと思っていたが、ポンぺオの政権入りの可能性消滅には驚いた。
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ニッキー・ヘイリー
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マイク・ポンぺオ

 日本製鉄がアメリカのUSスティールの買収に動く中で、マイク・ポンぺオを指南役に迎えたという報道があり、トランプに近いポンぺオに説得してもらって、トランプの反対を取り下げてもらうという心づもりがあったであろうことは容易に推測されるが、トランプがポンぺオを遠ざけたということは望ましくない計算違いということになるだろう。しかし、それまでの状況から、ポンぺオがトランプの側近であるという判断は間違っていない。これがトランプの「予測不可能」なところだということも言える。

 第二次トランプ政権の顔触れを見ると、第一次政権の大物はほぼ入っていない。ヘイリーもポンぺオも第一次政権の閣僚級(国連大使は閣僚級の扱い)、国家安全保障会議に出席できる権限を持つ、アメリカ最高位の職に就いていたということであり、大物は退けたということにはなる。しかし、ポンぺオはトランプ批判をしておらず、何故ポンぺオまで外されるのかという疑問が残る。ポンぺオもまた、大統領選挙共和党予備選挙に出馬して、トランプに対抗するという憶測が流れていたが、結局は出馬しなかった。それでもトランプ周辺から外された格好だ。

 ここからは私の見解を述べる。ヘイリーとポンぺオが外されたのはどうしてか?両者には第一次トランプ政権の閣僚だったという共通点はあるが、トランプとの距離感に差がある。ヘイリーが外されるのは理解できるが、ポンぺオが外されるのは理解できない。ヘイリー、ポンぺオのもう一つの共通点は、「コーク兄弟との近さ」があり、そのために両者が外された理由ではないかというのが私の考えである。コーク兄弟はトランプに反対し続けてきた。コーク兄弟についてはこのブログでも何度も紹介してきたし、私は、コーク兄弟についての評伝『アメリカの真の支配者 コーク一族』を翻訳した。
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チャールズ・コーク

※古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

2019年05月07日「トランプ大統領に反対する共和党のグループはネオコン派とリバータリアン」
https://suinikki.blog.jp/archives/78919932.html

 ヘイリーは今回の大統領選挙共和党予備選挙でコーク兄弟の全面支援を受けて出馬したが、トランプに敗北した。ポンぺオはカンザス州選出の連邦下院議員として政界に進出したが、そのパトロンとなったのがコーク兄弟だった。コーク兄弟が所有するコーク・インダストリーズの本社はカンザス州ウィッチタにある。コーク兄弟はリバータリアニズムを信奉し、リバータリアンの勢力を拡大するために巨額の資金を投じてきた。彼らから見れば、ポピュリストのトランプは危険な人物である。規制を嫌い、自由な経済活動を何よりも重視するリバータリアンのコーク兄弟にとって、関税引き上げなどは全く受け入れられない。

 トランプ陣営から見れば、ヘイリーとポンぺオは「仇敵のコーク兄弟との距離が近すぎる」ということになる。それならば第一次政権で閣僚に起用したのはどうしてかということになるが、これはやはり、トランプとトランプ陣営がアマチュアだったということになるだろう。第一次政権での混乱はやはり人物の見極めが甘かったことが原因という分析がなされていたのだろう。そのために、今回はそのようなことがないように人選し、反逆する可能性がある人物はあらかじめ排除しておくということになったのではないかと思う。

 第二次トランプ政権には4年間しか時間がない。政権内の内部抗争に時間を取られてしまうのは損である。しかし、ここで前言を翻すようであるが、ポンぺオに関しては、北朝鮮との交渉の経験もあり、対北朝鮮外交において、特使などに起用されることも考えられる。私たちはまず、トランプが「予測不可能」であるということを前提にして考えを組み立てる必要がある。

(貼り付けはじめ)

●「トランプ氏、ヘイリー元国連大使とポンペオ元国務長官を起用せず」

読売新聞 2024/11/10 12:09

https://www.yomiuri.co.jp/world/20241110-OYT1T50039/

 【ワシントン=今井隆】トランプ次期米大統領は9日、新政権ではニッキー・ヘイリー元国連大使とマイク・ポンペオ元国務長官を起用しないと明らかにした。両氏について、「現在検討中のトランプ政権に招くつもりはない」と自身のSNSに投稿した。

 ヘイリー氏は前政権で国連大使を務めた。大統領選では共和党指名候補争いに立候補し、トランプ氏を繰り返し批判した。選挙戦から撤退した後にトランプ氏への支持を表明した。

 ポンペオ氏は前政権で中央情報局(CIA)長官や国務長官を務めた。党指名候補争いへの立候補に意欲的とみられていたが、見送った経緯がある。米メディアは、国防長官候補の一人と報じていた。

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億万長者のコーク兄弟が支援するネットワークがニッキー・ヘイリーへの支出を停止(Billionaire Koch brothers-backed network stops Nikki Haley spending)

トム・ゲイガン筆

2024年2月26日

BBCニューズ

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-68401537

億万長者のコーク兄弟によって設立されたリバータリアン系保守団体が、ニッキー・ヘイリーの大統領選挙キャンペーンへの資金提供を停止した。

アメリカン・フォ・プロスペリティ・アクション(Americans for Prosperity Action、AFP)による資金提供中止の決定は、共和党候補指名を目指すヘイリーにとって新たな後退となった。

ヘイリーは土曜日、地元サウスカロライナ州でドナルド・トランプ前大統領に敗れた。トランプは予備選で4連勝を達成した。

しかし、彼女は戦い続けることを誓った。

日曜日にAFPの会長兼CEOはスタッフに宛てた電子メールで、AFPの支援はヘイリーではなく、11月の選挙で重要な連邦上院と連邦下院の選挙に集中すると述べた。

「彼女は闘い続けることを明言しており、私たちは心から彼女を支援する」とエミリー・サイデルは書いている。

サイデルは続けて「しかし、この先の予備選挙での課題を考えると、どのような外部団体も、彼女の勝利への道を広げるような重要な変化をもたらすことはできないだろう」と書いている。

ヘイリー選対は、まだ継続するのに十分な資金が入ってくると主張している。

ヘイリーのスポークスマンであるオリビア・ペレス・クバスは、AFPの支援に感謝し、サウスカロライナ州での敗北以来100万ドルが入ってきていると述べた。クバスは「続けるための燃料は十分にある。私たちには救うべき国がある」と述べている。

AFPは、ヘイリーがトランプへの明確な挑戦者としての地位を確立しようとしていた11月に支持と資金援助を表明していた。

それ以来、彼女は共和党内のトランプの対抗馬の中で最も耐久性があることを証明してきたが、今彼女がどのように勝利への道を見出すことができるかは不明である。

11月には、トランプとジョー・バイデン大統領(民主党)の再戦に向かう可能性が高まっている。

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コーク・ネットワーク、2024年大統領選予備選でドナルド・トランプ以外の共和党支持を計画(Koch network plans to back a Republican – other than Donald Trump – in the 2024 presidential primary)

フレデリカ・ショーテン筆
2023年2月5日

https://edition.cnn.com/2023/02/05/politics/koch-network-republican-primary-2024/index.html

億万長者チャールズ・コークに関連する巨大なネットワークが2024年の大統領選挙予備選挙で共和党の候補者一人に資金と支援を提供する準備を進めている。

コーク・ネットワークの主要政治部門であるアメリカン・フォ・プロスペリティ・アクション(Americans for Prosperity Action、AFP)は、「共和党の大統領選挙予備選挙で、我が国を前進させることができ、勝利することができる候補者を支援する用意がある」と、AFPのCEOでAFP Actionの最高顧問であるエミリー・サイデルは、日曜日に発表された声明メモでこのように述べた。

この声明メモにはドナルド・トランプについての言及はないが、AFPアクションの関係者がCNNに確認したところによると、同ネットワークは前大統領のホワイトハウス候補を支援する予定はないという。

サイデルはAFPのスタッフや活動家に宛てて「私たちの国家に新たな章を書くには、過去のページをめくる必要がある。したがって、この国にとって最善のことは、2025年に新たな章を代表する大統領が誕生することだろう」と書いている。

直近の2回のホワイトハウス候補指名争いを傍観してきたコークが共和党予備選挙に参加するという決断を下したことで、共和党の大統領候補者たちは、カンザス州を拠点とする実業家と、彼の影響力のある自由市場ネットワークに資金を提供する数百人の富裕層献金者を取り込もうと奔走することになりそうだ。

トランプはホワイトハウス在任中、政権の通商政策や強硬な移民政策を厳しく批判するコーク当局者らと頻繁にスパーリングを行った。

AFPアクションは2024年の政治活動の予算を発表していないが、同ネットワークは過去の選挙サイクルで数億ドルを費やしており、共和党全国委員会の資金力に匹敵する。アメリカンズ・フォ・プロスペリティは36州に常駐のスタッフを擁し、全国に数百万人の草の根活動家を抱えている。

また、AFPアクションの政治部門は、より多くの争いに影響を与え、予備選挙に参加する新たな有権者を見つけるため、議会や州レベルの予備選により早く、より積極的に関与する計画だとAFPアクション関係者は述べた。

サイデルは、首都に「有害な状況(toxic situation)」を作り出し、政策の進展を妨げていると語る「壊れた政治(broken politics)」に対処するために、このネットワークは活動を強化していると語った。

サイデルは「共和党は、アメリカの核心原則に反することを主張する悪い候補者を指名している。そしてアメリカ国民は彼らを拒否している」と書いている。

そして、民主党は 「更なる極端な政策(more and more extreme policies)」を推し進めているとしている。

2024年の立候補を検討している共和党議員の中には、マイク・ペンス元副大統領をはじめ、コーク・ワールドと長年のつながりがある者もいる。ペンスの長年の最側近であるマーク・ショートは、かつてコーク・ネットワークで政治活動を監督していた。

もう1人の候補者マイク・ポンペオ前国務長官は、コーク・インダストリーズの本社があるカンザス州ウィチタを代表する連邦下院議員だったとき、コークの政治委員会から資金援助を受けていた。元サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリーは、今月末に共和党候補指名への立候補を表明する予定だが、少なくとも1回はコークの献金者の集会に出席している。また、コッホが支援するスーパーPACは、ロン・デサンティスが2018年の共和党予備選挙で競り勝ち知事になる前に支援していた。

リバータリアン寄りのネットワークは近年、公の場で優先順位の再設定に取り組み、トランプ時代には共和党ブランドから距離を置くよう努めてきた。

しかし、同ネットワークは、他の政治・政策問題で当時の大統領や共和党全国委員会と衝突したにもかかわらず、例えば2017年に1兆5000億ドル規模の税制改革を推進するために多額の費用を投じて、トランプ主導の取り組みを支持した。

サイデルは、ネットワークの広がりの1つの兆候として、AFPとAFPアクションが昨年の中間選挙で450以上のレースに参加し、700万以上のドアをノックし、1億通以上の郵便物を発送したことを指摘した。

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ランド・ポールが別のイヴェントを欠席する中、ロン・ポールがコーク兄弟のイヴェントに参加‘Ron Paul Headlines One Koch Brothers Event—as Rand Paul Skips Another)

-元連邦下院議員のロン・ポールがコーク兄弟主催の#YALcon15で観衆を沸かせる一方、息子のランド・ポールは大きな撤退を行った。若きリバータリアンの戦いの内幕を報じる。

オリヴィア・ナッジ筆

2015年8月3日

『デイリー・ビースト』誌

https://www.thedailybeast.com/ron-paul-headlines-one-koch-brothers-eventas-rand-paul-skips-another/

ヤング・アメリカンズ・フォー・リバティ・カンファレンス(Young Americans for Liberty Conference、#YALcon15)に参加する大学生たちは、ある参加者の言葉を借りれば 「迷える子犬(lost puppies)」だ。

自分の興味(アイン・ランドやフリードリヒ・ハイエク)が仲間に共有されていないため、自分のキャンパスになじめない子供たちだ。しかし、#YALcon15のウェブサイトによれば、彼らはたった30ドルで、「原理に基づいて勝つことに参加する若者を動員する(mobilize young people committed to winning on principle)」ことを目的としたリバータリアン会議に参加することができる。そして彼らは96時間、ここワシントンDCにあるライアン・ホールと呼ばれるアメリカ・カトリック大学の寮で、最も装飾的な蝶ネクタイを締め、自分たちと同じような人たち、つまり「原理に基づいて勝つ(Winning on Principle)」ことに参加する人たちのために作られたスピーチやプレゼンテーションに耳を傾けながら、一緒に家を見つけたような気分に浸ることができる。

私が見たのは、順不同だが、キルトを着た若者(彼は二晩続けて同じものを着ていた)、黒いマーカーで「#RAWMILK」と書かれたピンクのボタンダウンシャツを着た若者(彼はウィスコンシン州出身だと言っていた)、YouTube スターにどうすれば自分もスターになれるかを一対一で尋ねている若きリバータリアンたちの列。そして、ロン・ポールを生で見ることを生涯待ち望んでいた若者たち(原理に基づいて勝利することに専念している!)の1マイルの長さの列がそこにはあった。

しかし、ロン・ポールは彼らのダンブルドア(『ハリー・ポッター』の登場人物)かもしれないが、#YALcon15はロン・ポールの元スタッフが中心となって運営され、そのほとんどがコーク兄弟によって支援されている。ロン・ポールはこのコークのイヴェントの主役を務めたが、彼の息子ランドは南カリフォルニアで開催されたコーク兄弟の献金者イヴェントを欠席し、関係者を落胆させた。共和党の大統領選予備選候補者たちが週末に西部に向かう準備をしている中、ケンタッキー州選出の連邦上院議員ランド・ポールはアイオワ州でのちょっとした選挙イヴェントに向かった。

ランド・ポール陣営は私や他の記者に、彼はコーク家の集まりへの招待状を受け取っていたが、先約があり、予定を無断ですっぽかすような人物ではないと断言した。しかし、彼の欠席は、a)資金調達がうまくいっておらず、億万長者の助けが必要なこと、b)1月の前回のコーク家サミットでのパフォーマンスで非難されたこと、という事実によって、より不可解なものとなった。コーク家サミットでは、ランド・ポールは、『ポリティコ』誌のケン・ヴォーゲル記者が特徴として挙げた「とりとめのない、時には不人気な回答(rambling and sometimes unpopular answers)」をし、ブルーのブレザーにジーンズ、カウボーイブーツという彼の特徴的な服装を身に着けていた。この服装は一部の超富裕層の寄付者にとっては不快なほどカジュアルな服装だった。

若いポールの選挙キャンペーンは、リバータリアン傾向を持つ有権者から明らかな人気を得ているのと同時に、共和党の他の派閥や民主党にも広くアピールできる人物として自らを位置づけようとしている。そうなると、選挙に勝つことを最優先とするリバータリアンであるコーク家のお気に入りであることは明らかだ。しかし、そうはなっていない。1月にブルームバーグ・ポリティックスに寄稿したデイヴ・ウェイゲルが指摘したように、「ポールのリバータリアニズムはコーク家のリバータリアニズムではない」ということになる。

しかし、若いリバータリアンたちにとって、この運動には顔がある。「彼は“エサ”なんだ(He’s the bait)」と、「Antiwar.com」の創設者であるジャスティン・ライモンドは私に言った。ライモンドはリバータリアン運動の中核と呼ばれるグループの一員であり、彼のような人々にとってコーク家は売国奴(sellouts)なのだ。

デイヴィッド・コークは1980年にリバータリアンとして大統領選に出馬し、落選した。その後、彼はシンクタンクなどを通じて他の方法で政治に影響を与えることに目を向けたが、同時にリバータリアニズムを主流にした。政策に真の影響力を持つには勝たなければならず、勝つためには魅力的でなければならない。そこでリバータリアン運動は、コークが設立したケイトー研究所(Cato Institute)と、マレー・ロスバードが設立したルートヴィヒ・フォン・ミーゼス研究所(Ludwig von Mises Institute)という、より筋金入りのリバータリアンに奉仕する別々の派閥に分裂した。ウェイゲルが書いたように、ロン・ポールはロスバードに近い。彼が大統領選に出馬した2007年、主流派のリバータリアンの間で「懸念された(the worry)」のは、ポールのブランドであるポピュリスト(populist)、連邦準備制度理事会(FRB)叩きのリバータリアニズムは、この哲学を売り込む最良の方法ではないということだった。

チャールズ・コークの元友人であるガス・ディゼレガは、コーク一族は「共和党の保守派と同盟を結ぶことを決めた。その後、彼は魂を失い、言うなれば、かつて持っていた知的誠実さ(intellectual honesty)を全て失った」と述べた。

ロン・ポールへの支持に消極的であった訳ではないが、ロン・ポールが若者たちをリバータリアニズムに引き込み、「原理で勝つ(Win on Principle)」ために、より現実的には右派候補の草の根活動家として集中するための正しい方法であることをコークは理解しているのかもしれない。

そのため、コーク兄弟が南カリフォルニアで最も勝利する可能性が高い候補者を選ぶことに集中している間、国の反対側では別の種類の皮肉を用いていた。

ライモンドは次のように述べている。「コークの人々はYALに寄生しているようなものだ。彼らはYALを伝道ベルトのように使って、人々を自分たちのネットワークに吸い込み、自分たちが持っているどんな計画にも彼らを吸い込もうとしている」。

#YALcon15は、各参加者の名札の裏に「プラチナ」、「ゴールド」、「シルヴァー」と書かれて、分類される23の組織によって後援されており、これら23の組織の大部分はコーク兄弟の募金ネットワークの一部だ。または批評家によって「コクトパス(Kochtopus)」と呼ばれている。

#YALcon15 の「プラチナ」スポンサーは次の通りだ。チャールズ・コークによって設立されたチャールズ・コーク研究所、コーク兄弟が資金提供しているリーダーシップ研究所、 スチューデント・フォ・リバティもコーク兄弟から資金提供を受けている。フリーダム・ワークス(Freedom Works)は、1984年に健全な経済のための市民としてコーク兄弟によって設立されたが、2004年に2つの組織に分離され、もう1つは同じくプラチナ寄付者としてリストされており、アメリカンズ・フォ・プロスペリティ(Americans for Prosperity)と名付けられ、最終的にコーク家の中心的な政治団体となった。

「ゴールド」のスポンサーは、コーク兄弟が寄付者であり、デイヴィッド・コークが理事を務めるリーズン財団、薬物政策同盟、教育における個人の権利財団 (Foundation for Individual Rights in Education、FIRE) は、コークの寄付者ネットワークから100万ドル以上を受け取っている。コークが資金提供したグループであるフリーダム・パートナーズ1100万ドルを注ぎ込んだジェネレーション・オポチュニティ(Generation Opportunity),

コンサヴァティヴス・コンサーンド・アバウト・ザ・デス・ペナルティがある。

「シルヴァー」スポンサーは以下の通りだ。ハリー・リードがコーク兄弟を公に批判したため、かつて連邦上院倫理特別委員会に苦情を提出したティーパーティー・ペイトリオッツ(Tea Party Patriots)、コーク兄弟が資金提供しているフリーダム・パートナーズ(Freedom Partners)、ヘリテージ財団(Heritage Foundation)はチャールズ・コーク財団から1万1000ドル以上、フリーダム・パートナーズから100万ドル以上を受け取っている。正義研究所(The Institute for Justice)、そのシードマネーはチャールズ・コークによって提供された。チャールズ・コークによって共同設立されたケイトー研究所、アイン・ランド研究所はケイトー研究所の元最高経営責任者であるジョン・アリソンの支援を受けている。コーク兄弟が資金提供を敷いている、コーク兄弟の弟ウィリアムが所属する独立研究所、コーク兄弟が資金提供したアメリカ研究基金がある。コーク兄弟が支援するNRA(全米ライフル協会)もある。コーク兄弟から資金提供を受けている人道研究所が組織する自由基金(Liberty Foundation)。経済教育財団 (FEE)、そしてアメリカズ・フューチャー財団はコーク家のフェローシップ・プログラムからインターンを受け入れている。

YALのウェブサイトによると、ゴールドスポンサーは1万2000ドル、シルヴァースポンサーは6000ドルの寄付が必要だ。プラチナスポンサーがいくら寄付しなければならないかについての情報はない。 YALの広報担当者は私の問い合わせに応じなかった。

キャンパスから歩いてすぐのブルックランド・パイントのバーに座って、原理で勝つことに専念するシンシナティ出身の若者ジミー・マヘイニーは、どうしてここに来ることになったのかについて話していた。トーマス・マッシー連邦下院議員とジャスティン・アマシ連邦下院議員はちょうど彼や他のYALメンバーと話をしたばかりで、マヘイニーは彼らをとても気に入っており、実際、フェイスブック上で「いいね!」したことさえあった。しかし、マヘイニーの政治的覚醒のきっかけは彼らではなかった。それはもちろんロン・ポールだった。マヘイニーはトランペットを吹くのが好きで、ある日、マーチングバンドの仲間たちがロン・ポールについて話しているのを耳にした。「私は彼とリバータリアニズムについてさらに調べ続けた。そして突然、これが実に理にかなっていることに気づいた」と彼は話した。

木曜日の夕方、会議室はロン・ポールのスピーチを前に予想通り満員だった。聴衆は彼が出てくる前から「連邦政府を終わらせろ(END THE FED)」と叫び始め、彼が出てくるとすぐに立ち上がった。

ロン・ポールは「未来はあなたの手の中にあると私が思うことは秘密ではない。国際的にも経済的にも、今のように全世界がひっくり返った事はかつてなかった」と述べた。

学生たちは、まるで目の前で魔法をかけられているかのように、夢中になってロン・ポールを見つめていた。携帯電話で彼の様子を撮影している人もいた。彼が法定通貨(fiat money)と連邦準備制度(Federal Reserve)について冗談を言ったとき、彼らはまさに適切な瞬間に笑った。「ワシントンに戻っても、あまり興奮はしない。実際のところ、私はあそこを訪れることさえない」とロン・ポールは連邦議事堂を示唆しながら述べた。「それはあまりにも憂鬱なことだ」と述べて、誰もが笑った。ロン・ポールは次のように語った。「しかし、私がここにいるのは、皆さんのような若者が将来のことを考え、あそこにいる大勢の人たちが知っているより少しは理解しているのだから、落ち込む必要はないと分かっているからだ。皆さんは自由とは何かを理解しており、そしてそれが重要なのだ!」

スピーチの後、マヘイニーはツイッターにミームを投稿した。「DIE STATIST SCUM(国家主義のくずに死を)」と書かれていた。ジミーは、「ロン・ポール(RP)は#YALcon15のようだ」というキャプションを付けた。彼はフェイスブックにロン・ポールとの写真を投稿した。ジミーはにやりと笑い、2本の指を横に広げてV字にし、右目の上にかざした。

土曜日になっても、人々はスピーチのことを話していた。キャンパスのメインビル「プライズ」の外では、少人数のグループがマルボロを吸っていた。そのうちの一人は、スピーチの後に警備員とともに芝生を歩くポールを見かけ、彼と話すことができた。ニュージャージー州南部から来たある若者は、前夜に飲みすぎて一日中寝ていたと愚痴をこぼした。スピーチの最中、彼は疲れて居眠りをしていた。別の若者は「彼はどんなリバータリアンなのか?」と質問した。ロン・ポールのために起きていられない人なんているのか?

訂正:この記事の前のヴァージョンではジョン・アリソンをケイトー研究所成功経営責任者と誤って描写した。正確には彼は元最高経営責任者だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 チャールズとデイヴィッドのコーク兄弟と言えば、一時期はアメリカ政治を陰で操る大実業家というイメージだった。バラク・オバマ政権成立後に始まった保守派の草の根運動ティーパーティー運動に全面的な資金提供を行ったのがコーク兄弟だった。ドナルド・トランプ政権のマイク・ペンス副大統領、マイク・ポンぺオ国務長官などは連邦議員時代にコーク兄弟から政治資金提供を受けていたこともあり、このブログでも紹介したが、「コーク兄弟のための国務長官だ」とまで言われるほどだった。
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デイヴィッド(左)とチャールズ
 コーク兄弟も弟デイヴィッドが2019年に79歳で死去してしまい、85歳になる兄チャールズが残された。コーク家には4名の男性兄弟がおり、長男はフレデリック(2020年に86歳で死去)、次男がチャールズ(85歳)、その次が双子でデイヴィッド(2019年に79歳で死去)、ビル(80歳)という構成になっていた。兄弟たちの父フレッドが創設したコーク・インダストリーズを従業員13万人の大企業に育てたのは、チャールズとデイヴィッドの力が大きい。長男は芸術家肌で事業には全くの不向き、末っ子のビルはコーク・インダストリーズに入っていたが、兄たちと喧嘩別れし、自身でオックスバウという会社を立ち上げ成功させた。また、ヨットの世界的な大会アメリカズ・カップでも優勝している。

 コーク兄弟はリバータリアニズムを信奉していることでも知られていた。リバータにリアニズムについて簡単に言うと、反税金、反福祉、反規制、反大規模政府ということで、徹底的に規制や制限を嫌い、無政府主義にまでつながる思想である。コーク・インダストリーズの主要ビジネスが石油採掘や精製で、政府の既成と常に戦ってきたということもある。そのため、現実政治では、民主党ではなく、共和党と共和党所属の政治家たちを応援してきた。

 コーク兄弟は自分たちが政治献金をするだけではなく、政治献金をする大金持ちたちのネットワーク作りも行い、成功した。コーク兄弟に誘われて政治献金をするようになった大金持ちたちも多い。

 こうしたことは拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン、講談社、2016年)に詳しく述べられている。

 チャールズが今になって後悔している、というのが下の記事だ。コーク兄弟はさんざん当時のオバマ政権と民主党を攻撃した形になっている。それが今になって「分断を招いた」として「間違っていた」と後悔しているというのだ。そして、貧困問題やホームレス、麻薬中毒といった社会的な問題について取り組みたいなどと殊勝なことを述べている。

 コーク兄弟はトランプ大統領が嫌いで、2016年の段階では対抗馬を支援していたし、トランプが共和党の大統領選挙候補者に指名されても全く動かなかった。質実剛健を旨とする中西部に生まれ育ち、実業(コーク・インダストリーズの主要なビジネスは石油採掘と精製、更に父親以来の牧場経営もある)の世界で生きていたチャールズ(兄や弟たちはフロリダ州や東海岸で贅沢な暮らしをしてきた)と、トランプでは肌合いが全く異なるということはあるだろうし、チャールズからすれば、「お前はずっと民主党員だったし、保護貿易主義者ではないか」という反感が強いと思われる。

 チャールズは前回紹介した「トランプ現象、トランプ主義」に恐れおののいたのだろう。チャールズもまた名門中の名門大学マサチューセッツ工科大学を卒業して会社経営を行っているエリート側の人間だ。そして、リバータリアニズムを信奉し、関連著書を読み漁ってきた研究者タイプの人間でもある(書斎は本で埋め尽くされている)。しかし、現実は厳しい。チャールズは、トランプ現象、トランプ主義をアメリカの衰退の始まりともとらえて、高尚な思想運動や政治運動ではなく、足元の共同体や社会が抱える諸問題に取り組むという決心をしたのだろう。しかし、それはもう手遅れだ。アメリカの分断は分裂に向かう

 バイデン・ハリスという新政権誕生に何の高揚感もないのは、トランプ現象で本の表紙が開かれた、アメリカの衰退のページが新たにめくられたと人々が感じているからだろう。世界中の人々が、「デモクラシーの本家本元だと威張り腐って、俺たちに散々説教してきたが、お前らの選挙制度一つ、うまくやっていないじゃないか。もっと効率的で公正で、疑義を挟まれない形でできる選挙のやり方を教えてやろうか」と思うようになっている。

 チャールズの言葉は何かとても物悲しく、アメリカの終わりを印象付けるものだ

(貼り付けはじめ)

チャールズ・コークは自身の党派性について後悔:「やれやれ、私たちは間違ったのか!」(Charles Koch regrets his partisanship: 'Boy, did we screw up!')

カエラン・デシー筆

2020年11月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/news/525878-charles-koch-regrets-his-partisanship-boy-did-we-screw-up

共和党への大口献金者チャールズ・コークは、党派性を持ち続けた数十年を後悔し、政治的な分裂の間をつなぐことに注力したいと望んでいると発言した。『ウォールストリート・ジャーナル』紙が金曜日に報じた。

大統領選挙直前に行ったインタヴューの中で、85歳になるリバータリアニズムを信奉しているビジネス界の大立者は、ウォールストリート・ジャーナル紙に対して、これまで保守的な大義のために多額の資金を投じてきたが、今の関心は貧困、麻薬中毒、ギャングによる暴力、ホームレス、累犯といった諸問題に関心が移りつつあると述べた。

長年にわたり、チャールズとデイヴィッドのコーク兄弟は保守的な大義と候補者たちに資金を投入するための影響力を持つネットワークを構築した。チャールズ・コークはコーク・インダストリーズの最高責任者の地位にとどまり続けている。コーク・インダストリーズは13万人の従業員を抱える数十億ドルを稼ぎ出すコングロマリットである。

コークが共著として木曜日に発売開始した最新刊『人々を信じる:トップダウンの世界のためのボトムアップの解決法』の中で、自身の党派性の強い政治がもたらす分断と呼ぶものについて考察している。

チャールズは本の中で「やわやれ、私たちは間違ったのか!」と書いた。そして、「なんてことだ」とも書いた。

コークは統合を呼びかけているが、2020年の選挙において共和党所属の候補者たちへ多額の資金のほとんどを投じた。280万ドルを共和党に寄付し、民主党の候補者には22万1000ドルを寄付した、とウォールストリート・ジャーナル紙は報じている。

コークは、大統領選挙候補者ジョー・バイデンと副大統領候補者カマラ・ハリスの選挙の勝利に対して祝意を表した。そして、「私たちは選挙後の時間を使ってより良い前進の方法を見つけたい」と述べた。

トランプ大統領と共和党所属の連邦議員たちのほとんどはバイデンを大統領選挙勝利者と言及することを拒絶している。連邦議員たちは選挙結果についてトランプ陣営が行っている法律的な争いを支持している。

コークは、「私たちは党派争いのために、政治について過剰に期待し、私たち自身とお互いについて過小に期待するようになってしまっている」と述べた。

(貼り付け終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)の主人公コーク兄弟の弟デイヴィッド・コーク(David Koch、1940-2019年)が亡くなりました。79歳でした。兄チャールズ(Charles Koch、1935年―)は83歳で、弟の死去を発表するという不幸に見舞われました。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟は2018年において保有資産608億ドルずつで、世界で第8位の大富豪です。彼らはコーク・インダストリーズという石油精製を中心とした多角経営の大企業を経営しています。コーク・インダストリーズは非上場企業で、非上場企業としては全米第2位の規模を誇ります。2人の資産の多くはコーク・インダストリーズの株式ということになります。コーク・インダストリーズの株式はほぼ親族だけで独占されています。

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デイヴィッド(左)とチャールズ 

 昨年、デイヴィッドが公的な活動からの引退を発表し、アメリカ政治に大きな影響を与えた「コーク兄弟」は解体ということになりました。この時から既に健康を害していたのでしょう。この一年がデイヴィッドにとって家族との穏やかな日々であったのだろうかと考えると感慨深いものがあります。

 

 コーク兄弟は正式には4名いるのですが、長男のフレッデリック(1933年―、86歳)はコーク・インダストリーズの経営に全く関与しておらず、莫大な財産を受け継いで慈善事業家として活動しています。フレデリックだけハーヴァード大学で人文学を専攻し、芸術家肌の人物です。フレデリックは早い段階でコーク・インダストリーズの後継者レースから脱落しました。

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フレデリック

次男チャールズと双子の弟たちデイヴィッドとビル(Bill Koch、1940年―、79歳)は、父フレッドと同じくマサチューセッツ工科大学の工学系を卒業し、コーク・インダストリーズの経営を引き継ぎましたが、ビルは仲違いをし、離れていきました。結局、コーク・インダストリーズの経営はチャールズとデイヴィッドが行うことになりました。


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ビル
 

チャールズとデイヴィッドは「コーク兄弟」とひとくくりに呼ばれました。彼らは、アメリカ政界、特に共和党系、保守系の候補者や運動に多額の資金を提供し、影響力を行使することで知られてきました。2008年のバラク・オバマ大統領誕生後から始まったティーパーティー運動の資金源としても知られています。

 

 コーク兄弟は様々な組織や団体に資金提供を行い、ネットワーク化していきました。このネットワークは、コーク・ネットワークと呼ばれています。また、コーク兄弟は、他の大富豪たちを組織化し、共和党を支持する大富豪グループも形成しました。


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 コーク兄弟が形成した組織や団体のネットワーク、大富豪のネットワーク、政治家たちからドナルド・トランプ政権に入った人たちが多く出ました。下の図にあるように10名上がトランプ政権入りをしています。また、トランプ選対の責任者だったコーリー・ルワドンスキーなど選対にはコーク・ネットワークで活動家だった人々が入っていました。マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンぺオ国務長官は政治資金の面でコーク兄弟に大いにお世話になった人々です。

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 コーク兄弟はトランプ大統領を支持していませんが、自分たちが支援してきた人々からトランプ大統領を支える人材が多数出ているというのは何とも皮肉なことです。コーク兄弟はリバータリアニズムという反大きな政府、反税金、反福祉、反規制の考えを拡大させようとして活動してきました。兄弟からしてみれば、トランプ大統領の国境封鎖や関税引き上げのような政策は受け入れられるものではありません。

 

 特に現在の米中貿易戦争のような状態を、自由貿易体制を標榜するコーク兄弟は容認できません。また、伝統的な共和党の政治家たちも自由貿易体制を壊すものとして容認できないものです。自由紡績体制を標榜するはずの共和党から出ている大統領が保護貿易を行うというのはこれまでの考え方らすると大きな矛盾です。このような大きな矛盾が起きているのは、アメリカの力が衰退し、世界帝国の地位を維持できなくなりつつあるからです。

 

 コーク兄弟は2008年からの草の根の保守運動ティーパーティーの資金源であったことをも知られています。現在、ティーパーティー運動は下火になっています。それに代わって、大きな矛盾を抱え込んだトランプ大統領流のポピュリズムがアメリカを席巻しています。

 

 デイヴィッドの死去は、コーク兄弟の力の衰えと共にアメリカ保守運動の衰退、リバータリアニズムへの支持の減退といったことを象徴していると私は考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

大富豪にして保守系の慈善事業家デイヴィッド・コークが79歳で死去(Billionaire conservative philanthropist David Koch dies at 79)

 

ジョン・ボウデン筆

2019年8月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/finance/458521-billionaire-david-koch-dies-at-79

 

大富豪のデイヴィッド・コークが金曜日午前に79歳で死去した。デイヴィッド・コークは兄と共に長年にわたり、保守系の活動家、献金者として活動したことで知られている。

 

金曜日、チャールズ・コークは声明を発表し、その中で「私の弟であるデイヴィッドの逝去について発表することについて私の気持ちは沈んでいる。デイヴィッドと活動を共にした人は誰でも彼の人格の大きさと人生に対する熱意を感じ取ったはずだ」と述べた。

 

チャールズ・コークは続けて「今日は私たち全員にとって大変悲しい日であるが、私が皆さんに知っていただきたいのは、デイヴィッドがコーク・インダストリーズを現在のような成功に導いて下さった皆さん方を大変誇りに思っていたということだ。彼の逝去をこれからも悲しむことになるだろうが、彼が生きたということを決して忘れはしない」と述べた。

 

デイヴィッド・コークは健康上の理由でちょうど1年前にコーク・インダストリーズの経営陣から退いていた。

 

彼は20年以上前に前立腺がんと診断され、それ以来、数多くのがん研究に関する慈善活動や医療グループに多額の献金を続けた。

 

デイヴィッドがコーク・インダストリーズの経営陣から退いた時、チャールズ・コークは記者団に対して、「様々な問題が解決されておらず、彼の健康状態は悪化し続けている」と述べた。

 

昨年、チャールズ・コークは「その結果としてデイヴィッドは実業の世界や様々な組織的な活動に関与することが出来なくなっている」と述べた。

 

コーク一族は共和党の候補者たちやリバータリアニズムの大義に対する膨大な政治献金を行ってきたことで知られている。

 

チャールズとデイヴィッドは共にティーパーティー運動を資金面から援助したことでも知られている。ティーパーティー運動のおかげで共和党は2010年の中間選挙で連邦下院の過半数を制することが出来た。

 

デイヴィッド・コークは多くの共和党の候補者を支援し、当選させている。しかし、彼は2016年の大統領選挙でトランプ大統領を支持しなかった。彼は共和党の減税計画を声高に支持した。1980年にはリバータリアン党の副大統領候補として選挙に出馬した。

 

=====

 

デイヴィッド・コークについて知っておくべき5つのこと(Five things to know about David Koch)

 

マリナ・ピトフスキー筆

2019年8月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/458570-5-things-to-know-about-david-koch

 

大富豪の実業家にして保守系政界の大口献金者デイヴィッド・コークが金曜日に79歳で亡くなった。

 

1960年代、デイヴィッドは兄チャールズと共に、父フレッド・コークからコーク・インダストリーズの経営を引き継いだ。コーク・インダストリーズは原油、石油パイプライン、その他数多くの化学や一般消費者向けの製品を取り扱っている。会社は現在、非上場企業の多角経営企業としては全米で2番目の規模を誇るまでになっている。『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道によると、年間売り上げは1000億ドル以上を記録している。

 

しかし、コーク兄弟はアメリカ政治に分裂をもたらすほどの影響力を行使してきたことで知られている。数十年にわたり、コーク兄弟は州レヴェルと全国レヴェルにおいて共和党とリバータリアン党の政治運動に資金を提供してきた。兄弟は様々な組織と政治活動委員会をネットワーク化し、アメリカ全土で小さな政府、反規制を促進してきた。

 

2005年にリバータリアン系の雑誌『リーズン』誌の編集長ブライアン・ドアティの取材に応じた。その中でデイヴィッドは次のように語っている。「私が成長する中で繰り返し言い聞かされてきたのは、大きな政府は悪い、私たちの生活や経済活動に政府のコントロールを課すことは良くない、という考えでした」。

 

ここでデイヴィッド・コークについて知っておくべき5つのことを書いていく。

 

●政治に対して数十億ドルを使った

 

デイヴィッドと兄チャールズは数十億ドルもの資金を提供し、アメリカの保守政界に大きな影響を与えてきた。10以上のグループを組織し、それらのグループを使って影響力を行使してきた。コーク兄弟はこれらのグループを創設したり、数百万ドル規模の資金援助をしたりしてきた。これらのグループはコーク・ネットワークとして知られるようになった。

 

2016年の大統領選挙、連邦議員選挙、州知事選挙だけで、コーク・ネットワークは約9億ドルを支出した。『ワシントン・ポスト』紙によると、この額は共和党全体でその年に候補者たちに使った総額とほぼ同じであった。

 

コーク・ネットワークは2018年の中間選挙期間中に最大4億ドルを支出する計画だと発表した。コーク・ネットワークは2020年の選挙に向けて新たに4つの政治活動委員会を発足させた。しかし、コーク・ネットワークのチュ心的存在であるアメリカンズ・フォ・プロスペリティは2020年の大統領選挙に直接関与することはないと発表している。

 

コーク兄弟は政治運動以外にも数百万ドルを支出し、特に民主党や進歩主義派の政策を攻撃させた。例えば、コーク・ネットワークは、2010年から2012年にかけて2億ドルを投じてオバマケア廃止に向けた運動を展開した、とワシントン・ポスト紙は報じた。

 

コーク・ネットワークはワシントン政界で影響力を持つ人々の多くを支援してきた。ジョニ・エルンスト連邦上院議員(アイオワ州選出、共和党)への支援をはじめ、マイク・ペンス副大統領のインディアナ州知事選挙の支援、マイク・ポンぺオ国務長官の連邦下院議員選挙の支援などを行った。ワシントン・ポスト紙は、連邦下院議員時代のポンぺオについて「コークに送り込まれた連邦下院議員」として知られていたと報じている。

 

●トランプとの危険をはらむ関係

 

デイヴィッドとチャールズは、トランプが2016年の大統領選挙期間中に、コーク兄弟からの資金を求めていた他の共和党候補者たちを「操り人形」と攻撃した後、トランプ大統領の選挙に反対し、彼を支持しなかった。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、2016年の大統領選挙後に開催されたトランプの祝勝会にデイヴィッド・コークは出席し、更にトランプ所有のマーラゴ・リゾートで当選者であったトランプと会談を持った、ということだ。しかし、コーク兄弟率いる組織はトランプ政権の各政策に反対した。特に公共支出政策や移民に対する発言に反対した。

 

しかしながら、コーク兄弟は特に貿易問題についてトランプ大統領と異なる考えを持っていた。兄弟は自由貿易を強固に主張していた。そして、チャールズ・コークはトランプの関税支持やその他の保護主義的な政策をアメリカにとって「有害だ」と批判した。

 

コーク・ネットワークに属する各グループ、「フリーダム・パートナーズ」「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」「LIBRE・イニシアティヴ」などが昨年、トランプの関税政策に対して、複数年の数百万ドル規模のプログラムを発足させた。このプログラムでは、連邦議員たちに対するロビー活動、活動家たちの訓練、政策に反対する政治広告が含まれていた。

 

トランプ大統領は昨年ツイッターでコーク兄弟を攻撃した。トランプ大統領は兄弟を「グローバリスト」「真の共和党関係者たちからしてみれば冗談のような存在」とこき下ろした。

 

●デイヴィッドはリバータリアンだったが、主に共和党の主張を支持してきた

 

1980年、デイヴィッド・コークはリバータリアン党の副大統領候補となった。大統領候補は企業弁護士エド・クラークだった。

 

二人の公約は、企業法人税と個人の所得税の全廃、メディケアの廃止、児童労働禁止法の廃止だった。二人はレーガン大統領の当選に対して、1%の得票率しか得られなかった。しかし、選挙戦を戦った経験によってデイヴィッド・コークは、アメリカにとってリバータリアン的政策が重要なのだという信念を固めることが出来た。

 

デイヴィッドは貿易、税制、規制緩和、選挙資金制度改革などの諸問題について共和党を支持していた。しかし、デイヴィッドはABCニュースの取材に対して、自分自身を「社会問題に関してはリベラル」と規定した。

 

デイヴィッドはLGBTQの婚姻、女性たちの中絶を含む生殖に関する諸権利をはじめ、中東からの米軍の撤退や予算を均衡させるための手段としての軍事費の削減のような民主党が主張している諸政策を支持した。

 

しかし、コーク兄弟は、数多くのシンクタンク、ロビー団体、その他のグループに数百万ドルの資金を提供し、気候変動に関する政策や環境に関する研究や法制化を止めようとした。また公共交通プログラムも阻止しようとした。

 

「グリーンピース」はコーク・インダストリーズを「科学的な気候変動研究を否定する中心的存在」と非難した。

 

●ティーパーティー運動の台頭に資金援助

 

デイヴィッドは2008年に始まったティーパーティー運動の台頭に資金援助を行ったことで知られている。ティーパーティー運動はオバマ政権に反対するために始まった。コーク兄弟が率いる「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」は選挙運動への政治献金、論点整理、動員の援助を通じてティーパーティー運動の指導者たちに資金援助を行い、運動の規模拡大を支援した。

 

2010年、『ニューヨーカー』誌はジェイン・メイヤーによるアメリカンズ・フォ・プロスペリティの影響力に関する分析記事「隠された作戦」を掲載した。その中で、アメリカンズ・フォ・プロスペリティは、「ロビイストや利益団体によってかき消されている平均的なアメリカ人の声」を集めるとして、諸団体の幹部を集めた会議を開催したり、多くの人々を集めるイヴェントを組織したりした。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、アメリカンズ・フォ・プロスペリティは少なくとも1億ドルをティーパーティー運動に投じ、アメリカを右傾化させようとしたということだ。

 

それにもかかわらず、デイヴィッドは2010年の『ニューヨーク・マガジン』誌とのインタヴューの中で、ティーパーティー運動から出てきた候補者に資金を提供したことなどないと述べた。

 

デイヴィッドは「私はティーパーティー運動のイヴェントに行ったことなどありません。ティーパーティー運動を代表する人が私に連絡をして来たことすらないんです」と述べた。

 

●民主党にとっての怪物となる

 

「コーク兄弟」という言葉は、多くの民主党員や支持者にとって、極右の政策を主張する存在として捉えられるようになっている。特に選挙資金制度改革とアメリカ政治における大富豪の影響力といった諸問題に関しては、コーク兄弟という言葉が深く結びついている。

 

2012年の大統領選挙期間中、当時のオバマ大統領はコーク兄弟を狙い撃ちにしたテレビコマーシャルを流した。テレビコマーシャルは、ミシガン州、ノースカロライナ州、オハイオ州、ヴァージニア州といった激戦州の有権者たちに対して、流された。コマーシャル内ではコーク兄弟の名前は直接言及されなかったが、「秘密主義の石油産業で財を成した大富豪たちがファクトチェックをするというテレビコマーシャルを使ってオバマ大統領を攻撃しているが、そのテレビコマーシャル自体が事実に基づかないものだ」と主張するものであった。2012年当時、こうした事実をニューヨーク・タイムズ紙は紙面を通じて報じた。

 

デイヴィッド・コークの死去が発表された後、ツイッター上ではデイヴィッドの長年にわたる様々な方法でのアメリカ政治への影響力行使について非難する書き込みが続いた。

 

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隠された十字架 江戸の数学者たち

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 古村治彦です。

 

 今年の秋にはアメリカで中間選挙が行われます。連邦下院の全議席、連邦上院の一部議席、そして複数の州の州知事選挙が行われます。

 

 拙訳『コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)でも取り上げられていましたが、コーク兄弟から政治資金を受け、保守的な政策を進めている現職のウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーが苦戦をしている、という世論調査の結果が出ています。

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 ウォーカーは、ティーパーティー運動(コーク兄弟が資金源)で頭角を現し、その後、ウィスコンシン州知事に当選。2016年の米大統領選挙で共和党の予備選挙に出馬を表明し、一時は有力候補と見られるまでになりましたが、その後失速し、出馬をすることはありませんでした。それでもスコット・ウォーカーは共和党の若手有力株として注目されています。このウォーカーが苦戦しているというのはアメリカの政治ニュースとなっています。

 

 ウォーカーの苦戦の原因が小政党リバータリアン党の候補者が数パーセントの支持を得ているために、接戦となったら、共和党からリバータリアン党に流れる票数が死命を決するということになると予想されています。1991年の米大統領選挙で民主党のビル・クリントンが勝利をした際に、第三党のロス・ペローが善戦したために、共和党のジョージ・H・W・ブッシュが敗れたという事例に似た構図となっています。

 

 ティーパーティー運動で台頭し、コーク兄弟から政治資金を受けているマイク・ポンぺオ国務長官、テッド・クルーズ連邦上院議員、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事がそれぞれ苦戦をしているのは興味深いところです。彼らはコーク兄弟が見い出して援助を与え、中央政界に進出し、または名前を売った人物たちです。


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 コーク兄弟の信奉するリバータリアニズムは、何事も市場の機能に任せれば、最も合理的に最適の結果が無駄なく得られるという市場至上主義です。アメリカ国民の中には、市場至上主義疲れが起きていると考えられます。トランプ大統領への支持が低下しないのは、彼が株高を演出し、再分配を志向する政策を実行しているからです。この点で、共和党の体制派、更にはリバータリアニズムを信奉する勢力とは対立します。

 

 スコット・ウォーカーが大苦戦しているというのは、今回の中間選挙で民主党が盛り返していること、そして、トランプ政権とは異なる姿勢を持つ共和党の体制派とリバータリアン達には逆風となっていることを示しています。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:スコット・ウォーカーはウィスコンシン州知事選挙で大接戦(Poll shows Scott Walker in dead heat in Wisconsin reelection race)

 

タル・アクセルロッド筆

2018年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/403084-poll-gov-walker-in-dead-heat-for-reelection-in-wisconsin

 

マーケット大学法科大学院が実施した、ウィスコンシン州知事選挙に関する世論調査の結果が水曜日に発表された。現職のスコット・ウォーカー知事(共和党)が州立学校監督官トニー・エヴァース(民主党)と大接戦を演じているという結果が出た。

 

投票に必ず行くと答えた有権者のうち、46%がウォーカーを支持し、46%がエヴァースを支持すると答えた。2%がどちらも支持しない、分からないと答えた。誤差は4.5%であった。

 

有権者登録をしている有権者の中でも、ウォーカーは大接戦を演じている。ウォーカー46%、エヴァース44%という結果が出ている。誤差は4%であった。

 

マーケット大学の調査では、ウォーカーの支持率は3月以降、40%台後半で安定している。一方、不支持率は40%台中盤で安定している。

 

エヴァースは8月に実施された民主党の州知事選挙予備選挙で勝利を収めた。この時期、ウィスコンシン州民主党は、州議会議員選挙の複数の補選と州最高裁判所の判事の選挙で勝利を収め、上昇気流にあった。

 

ウィスコンシン州知事選挙で台風の目になりそうなのが、リバータリアン党のフィル・アンダーソンである。アンダーソンは、選挙に行くと答えた有権者の中では6%、有権者登録をしている有権者の中では7%の支持を得ている。これらの数字はエヴァースとウォーカーとの差よりも大きい数字である。

 

リアル・クリア・ポリティックスによる各種世論調査の集計によると、エヴァースとウォーカーとの一騎打ちでは、エヴァースが6.3%のリードをしている。しかし、クック・ポリティカル・レポートはウィスコンシン州知事選挙について「共和党先行」としている。

 

今回の世論調査は8月15日から19日にかけて、800名のウィスコンシン州民に対して電話でのインタヴューでデータを集められた。

 

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 古村治彦です。

 

 今回は、マイク・ポンぺオ国務長官についての記事をご紹介します。


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ポンぺオと金正恩 

 今年の3月に前任のレックス・ティラーソンが本人に事前通告なしに(トランプ大統領がツイッター上で発表)更迭され、マイク・ポンぺオCIA長官(当時)が後任となるにあたり、いくつかのメディアで出た記事には、ポンぺオとコーク兄弟の関係が取り上げられています。

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チャールズ(左)とデイヴィッド 

 コーク兄弟とは、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークの兄弟で、アメリカの大富豪で、大企業コーク・インダストリーズの経営者です。コーク・インダストリーズは非上場で株式の8割をこの2人の兄弟が所有しています。コーク・インダストリーズは石油関連事業を中心に様々な事業を展開している巨大企業です。

 

 コーク兄弟は豊富な資金を政治家に提供して、政治に影響を与えています。彼らは様々な草の根組織を作り、更には自分たちと同じような大富豪を組織して、資金提供ネットワークを構成しています。コーク兄弟については、拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)をお読みください。

 

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 アメリカの真の支配者 コーク一族


 マイク・ポンぺオは、2010年の中間選挙の連邦下院議員選挙でカンザス州第4選挙区から出馬し、当選しました。この時期、アメリカ政界に旋風を巻き起こした「ティーパーティー運動」の一員でした。ポンぺオはトランプ政権に入るまで連邦下院議員を務めました。過激な発言で人々の注目を集めました。

 

この選挙区にはカンザス州の最大都市ウィチタが含まれています。ウィチタにはコーク・インダストリーズの本社があり、総帥チャールズ・コークも居住しています。コーク兄弟はティーパーティー運動の資金源でした。ポンぺオはコーク兄弟のお膝元から政治家としてのキャリアをスタートさせています。そして、実際にポンぺオはコーク兄弟から多額の資金援助を受けています。

 

 しかし、コーク兄弟とポンぺオとのつながりはもっと昔に遡ることが出来ます。ポンぺオ(1963年生まれ)は陸軍士官学校をトップの成績で卒業し(1986年)、その後、1991年までアメリカ陸軍の機甲師団に勤務しました。1992年にハーヴァード大学法科大学院に入学しました。学内誌『ハーヴァード・ロー・レヴュー』誌の編集員を務めました。この経歴はバラク・オバマ前大統領と同じです。エリートということになります。

 

 1994年に法科大学院修了後、ポンぺオはワシントンDCにあるウィリアム・アンド・コノリー法律事務所に勤務しました。この法律事務所は200名以上の弁護士を抱える大規模な事務所です。そして、1998年にカンザス州ウィチタに移りました。ここで陸軍士官学校時代の友人たちと航空機の部品製造の会社を立ち上げました。この時にコーク・インダストリーズのヴェンチャービジネス投資専門の子会社から資金提供を受けました。この時に既にコーク兄弟との関係が出来たということになります。

 

 2017年1月から正式に発足したドナルド・トランプ政権にはコーク兄弟と関係の深い人々が多数入閣しています。その代表がポンぺオということになります。コーク兄弟は、リバータリアニズムという思想を信奉しています。リバータリアニズムは、アメリカが外国で戦争をすることに反対します(アメリカの領土に攻めてこられたら徹底的に戦うとしています)。

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 今回の米朝首脳会談から共同宣言へと進み、対話路線となったのにはトランプ大統領の意向が大きかったと思いますが、ポンぺオとコーク兄弟の関係、コーク兄弟の意向も働いたのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

コーク兄弟は自分たちのための国務長官を手に入れた(The Koch Brothers Get Their Very Own Secretary of State)

-レックス・ティラーソンの後任として、トランプは大富豪の使い走りを据える

 

ジョン・ニコラス筆

2018年3月13日

『ザ・ネイション』誌

https://www.thenation.com/article/the-koch-brothers-get-their-very-own-secretary-of-state/

 

2010年の中間選挙において共和党が勝利を収めた。この時、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークがアメリカ政治における重要人物として登場した。この選挙で、コーク・インダストリーズから最大の寄付を受けたのがマイク・ポンぺオという名前の新人であった。8年前の連邦下院議員選挙の後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦議員」や「コークが送り込んだ連邦議員」と呼ばれた。

 

現在、ポンぺオはコーク兄弟の影響を受けた国務長官になるという立場に立っている。

 

ポンぺオはCIA長官としてトランプ大統領のイエスマンを1年ちょっと務めた。そして、トランプは無気力なレックス・ティラーソンの後任にポンぺオを据えた。

 

トランプ大統領とティラーソン国務長官はお互いが疎遠になっていった。ティラーソンは自身の解任を火曜日の朝にツイッターを通じて知ったことが明らかとなった。ティラーソンは側近からツイッターの画面を見せられ、トランプ大統領による更迭を教えられた。国務省が発表した声明は、ティラーソンが解任の理由について「知らない」ということを示唆している。

 

ティラーソンは、ロシアによるサイバー攻撃やサウジアラビアやカタールなどの国々に対する姿勢といった点でトランプとは別の方法を採用していた。

 

ポンぺオの政治的な寄付者に対する服従のパターンは、自己中心的なトランプ大統領には合うものである。ポンぺオはティラーソンに欠けていた外交上の立場を持ち込むことになるだろう。ポンぺオは外交政策に関してはタカ派で、イランとの核合意に強く反対し、アメリカ国内や海外に在住するイスラム教徒たちへの恐怖感を煽り、グアンタナモ基地の収容所の閉鎖に反対した。また、国家安全保障庁による憲法違反の調査プログラムを「素晴らしく重要な仕事」だと擁護した。ポンぺオはまた、NSAの内部告発者エドワード・スノーデンについて、「ロシアから連れて帰り、法的な処置を取るべきだ。そうすれば、適切な司法過程の結果として彼に死刑が宣告されるはずだと思う」という過激な発言を行った。

 

ポンぺオはプライヴァシー権や公民権を重視しない立場を公の場で見せている。また過激な言動や過激な政策を好む傾向にある。これは外交官に適しているとは言えない。過激な言動を好むポンぺオでは、レックス・ティラーソン国務長官よりもトラブルを引き起こす可能性が高い。ティラーソンは自分の世界観を持っているが、喧嘩をするような人物ではない。自分の影響力が低下している国務省のために喧嘩をするようなことはしない。

 

ポンぺオは短気であり、同時に闘争的な街であるワシントンにおいて最も闘争的な人物である。非上場で秘密主義の世界規模のビジネス帝国の支援のおかげで、ポンぺオは政治上のキャリアを上昇することが出来た。ポンぺオはカンザス州ウィチタ出身だ。ウィチタには石油と天然ガスを取り扱うコーク家のビジネス帝国が本部を置いている。ポンぺオはコーク・ヴェンチャー・キャピタルから設立資金の融資を受けて自身の会社を立ち上げた過去を持つ。

 

政治的により重要なことは、ポンぺオがビジネスの世界から政界に進出するにあたり、コーク兄弟とコーク・インダストリーズの従業員たちから大きな支援を受けた。カンザス大学政治学教授のバーデット・ルーミスは次のように語っている。「この点についてポンぺオは激しく反論するでしょうが、彼を“コークから送り込まれた連邦下院議員”と規定することは難しくありませんよ」。

 

実際のところ、「コークから送り込まれた」という特徴付けは、ドナルド・トランプが国務長官に据えようとしている人物にとっては適切なものである。コーク兄弟について考えてみると、彼らは漫画で描かれている姿よりもより繊細で抑制的である。『ジ・アメリカン・コンサヴァティヴ』誌のようなコーク兄弟を長年監視してきた人々や雑誌によれば、コーク兄弟から資金援助を受けてきた様々なプロジェクトは、激しい言葉遣いや戦闘的な保守主義とは一線を画するものばかりだ。しかしながら、コーク兄弟との資金と協力を得ている共和党の政治家の場合と同じく、それらのプロジェクトは、大富豪であるコーク兄弟と彼らの協力者たちの意向に沿った主張を行うものとなっている。多国籍企業に有利な国内向け、海外向けの政策を求める主張を行い、その点でポンぺオとそっくりなのだ。

 

非営利組織「センター・フォ・フード・セイフティ」は、食品表示問題でポンぺオと争った。食品表示問題は世界規模の農業ビジネスと食品小売りにとって大きな利益となる。「センター・フォ・フード・セイフティ」は2014年の文書の中で次のように書いている。

 

「マイク・ポンぺオ連邦下院議員は2010年の選挙においてコーク兄弟から最大の選挙資金の援助を受けた。コーク兄弟からの資金で選挙に当選した後、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに勤務していた弁護士を議員事務所運営のために雇い入れた。『ワシントン・ポスト』紙によると、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに有利になる法案を次々と提案し、コーク兄弟はロビイストたちを雇ってそれらの法案を支援した」。

 

2010年の中間選挙について、センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックスはつぎのように分析している。

 

「コーク・インダストリーズは、2010年のポンぺオ議員の選挙の時に投入した金額以上の資金を1人の候補者に提供したことはない。コーク・インダストリーズは総額で8万ドルをポンぺオに提供した。2012年の選挙ではポンぺオの選挙に11万ドルを提供した」。

 

2014年にポンぺオは再選を目指した。この時、ポンぺオはこちらもコーク家とつながりを持つライヴァルの共和党員と厳しい予備選挙を戦った。この時の選挙戦で流れを決定づけたのは、コーク家がポンぺオを支援するという姿勢を見せた時だ。 コーク・インダストリーズの政府・公共問題担当副会長のマーク・ニコラスは、『ポリティコ』誌の当時の取材に対して次のように答えた。「コーク政治活動委員会はマイク・ポンぺオを連邦議会に送ることを支援することに誇りを持っている。ポンぺオは市場を基礎とした政策と経済的自由を支持している。これらは社会全体に利益をもたらすものだ」。

 

コーク家はポンぺオを忠実に支援しているし、ポンぺオはコーク家に対して忠実だ。ポンぺオはコーク家が開催する非公開の集まりに定期的に出席している。また、コーク兄弟を擁護する発言をしている。ポンぺオは、「オバマ大統領と“ニクソン的な”民主党員たちは、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して不当な中傷を行っている」と発言した。

 

しかし、もちろん、巷間言われている悪口には、大富豪であるコーク兄弟が持つ影響力やコーク兄弟のアメリカの政治と統治に対する適切な疑問も含まれている。これは根拠のない疑念ではない。ポンぺオはアメリカ国内で最もコーク兄弟の支援を受けている政治家だと考えられている。ポンぺオは連邦下院議員になってわずか数週間後に、「コーク兄弟のビジネスの利益になるため」の法案を提出したと批判された。

 

『ワシントン・ポスト』紙は2011年に「その手段として、連邦下院で審議される連邦政府予算案におけるオバマ政権で始められた主要な2つのプログラムへの予算を大幅な削減が挙げられる。その2つのプログラムとは、安全ではない製品に対する消費者からの訴えを記録するデータベースと環境保護局による温室効果ガスを排出する企業や団体などの登録である」と報じている。この2つはコーク・インダストリーズにとって法律上重要なことである。公開された情報によると、コーク・インダストリーズはこれらに関して2008年から総計で3700万ドルの資金をロビー活動に投じている」。

 

「コモン・コウズ」のメリー・ボイルは「昔から変わらない。連邦議員が自身にとっての最大の資金提供者のために働くということは全く変わっていない」と非難している。

 

しかしながら、今回は全く別の内容の話になっている。ドナルド・トランプは「コークから送り込まれた連邦下院議員」を国務省の最高責任者に据えたいと考えている。更に考えると、アメリカ政府の世界との関わり方はコーク兄弟の利益となるようになるであろう。

 

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コーク兄弟のコントロールは像だし、16の連邦政府機関に拡大(Koch Brothers Growing Control Extends to 16 Federal Departments)

―私たちの目に触れない裏側で、コークの力は増大している

 

2017年7月5日

『チェック・アンド・バランス』誌

https://checksandbalancesproject.org/koch-strength-increases/

 

アメリカはトランプ・サーカスによって立ち往生している。しかし、あまり知られていないが、コーク兄弟はより力を強めている。コーク兄弟は長年にわたり共和党内の経済哲学を軌道修正しようと努力してきた。そして、極端な、反政府的なリバータリアニズム哲学を信奉する組織を集めてきた。リバータリアニズム哲学はコーク兄弟に役立っている。

 

現在、コーク兄弟は16の政府機関の長官職を通じて政権をコントロールしている。長官職に就いている人々はコーク兄弟と長年にわたり緊密な関係を保ち、資金的な支援を受けてきた。

 

●コーク・インダストリーズのビジネスを守ることと成長

 

これまでの1年半、「チェックス・アンド・バランシズ・プロジェクト」はコーク・インダストリーズと私たちがコーク・アドヴォカシー・ネットワークと呼ぶネットワークについて詳しく調査を行ってきた。それで分かったことは、コーク・インダストリーズは、自分たちのビジネスを守り、成長させるために行動しているということだ。コーク兄弟の草の根団体ネットワークはコーク・インダストリーズを擁護し、成長させるために存在している。

 

コーク一族、その中でもチャールズとデイヴィッドはコーク・インダストリーズの株式の8割以上を保有し、1983年に反対派の株主たちから株式を買い取り、議決権株式の88%を取得した。コーク兄弟は複数の巨大な石油精製施設とパイプラインを所有しているが、コーク・インダストリーズは化石燃料を民生用の商品に加工して利益を得ている。

 

コーク・インダストリーズはアメリカの非上場企業では第2位の規模を誇る。60か国でビジネスを展開し、従業員数は12万以上である。2015年の年間の総売上は1150億ドル(約11兆5000億円)に達した。「ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス」によると、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークの兄弟は2人合わせると世界で最も富裕な人たちということになる。彼らの資産は960億ドル(約10兆5000億円)である。

 

コーク兄弟は長年にわたり、アメリカ政界を支配するために努力してきた。しかし、マイク・ペンスがドナルド・トランプの副大統領候補に選ばれてから、コーク兄弟にとっての新たな機会が開かれるようになった。

 

●副大統領による保証

 

ペンスは、政権以降ティームの責任者となってトランプ政権の主要なポジションに人々を推薦した。そして、現在は副大統領となっている。そのためにコーク兄弟の力は強まっている。

 

本誌はトランプ政権の16の省と連邦機関の長官についての情報を集めた。この人々はコーク兄弟と関係を持っている。その中の数名をご紹介しよう。

 

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンぺオ。2010年の中間選挙の連邦議会選挙で躍進を見せた時、コーク・インダストリーズから最も支援を受けた人物が新人連邦下院議員として当選したマイク・ポンぺオだ。選挙後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦下院議員」「こーうから送り込まれた連邦下院議員」と呼ばれた。ポンぺオは連邦下院議員時代に連邦下院情報委員会の委員を務めた。そして、連邦下院情報委員会と連邦上院情報委員会の20名以上の委員を差し置いて、CIA長官に抜擢された。

 

保健福祉長官トム・プライス。連邦下院議員(ジョージア州第六選挙区、6期)時代、コーク兄弟の主要な政治団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の立場を反映した法案への支持率は、2007年から2008年にかけては95%、2009年から2010年にかけては100%、2011年から2012年にかけては91%、2013年から2014年にかけては77%、2015年は100%であった。2016年のアメリカンズ・フォ・プロスペリティジョージア州支部の評価では、この数字は100%であった。

 

ネオミ・レオ情報規制局長官。レオはトランプ政権の規制に関しての最高責任者だ。約50名の部下を指揮して、コーク兄弟のお気に入りミック・マルヴァニーアメリカ合衆国行政管理予算局長官に報告をしている。ラオは連邦機関一つ一つが持つ規制に関する緩和計画を準備することになるだろう。レオは2015年9月にジョージメイソン大学行政学研究センターが創設され責任者になるまで、11年間ジョージメイソン大学ロースクール教授を務めた。ジョージメイソン大学ロースクールはアントニン・スカリア記念ロースクールと名付けられた。ジョージメイソン大学ロースクールは、コーク兄弟の慈善事業の最大の受益者となっている。2005年以降総額で4600万ドルがロースクールに提供された。

 

私たちの民主政治体制は世界で最も富裕な2人の兄弟に乗っ取られている。彼ら2人が持つ総資産の価値はビル・ゲイツを上回る。これまで彼ら2人のように私たちの政治システムと政府をコントロールした人物たちはほとんどいなかった。コーク兄弟の強さが増している中で、彼らの求める政策が既に実行されているのである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)



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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

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 古村治彦です。

 

 米朝首脳会談が「成功」に終わり、最も得をしたのは中国、最も損をしたのは日本ということは衆目の一致するところだと思います。中国は朝鮮半島からアメリカ軍を追い払うことができることになりました。6月19日から20日にかけて金正恩委員長が中国を訪問しますが、「朝鮮半島の中国の従属国への復帰」のお祝いをしていることでしょう。

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 韓国は言葉の障壁がない安い労働力と投資先を得て、中国ともっと緊密につながり、一帯一路に陸路で参加でき、ロシアからパイプラインで天然資源を手に入れることが出来る可能性が高まりました。そのために北朝鮮の「非核化」の費用や開発のお金を支払うことは当然だし、安いものだと思っているでしょう。これで経済が刺激されればGDPが伸びると計算しているでしょう。また、北朝鮮と「一体化(統一は体制が違いすぎますし、奇妙な世襲制スターリン主義とはいくら何でも統一国家)」することで、実質的に「核兵器を持つ大国」となることができます。

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 日本はアメリカに捨てられ(アメリカが勝手に東アジアの最前線から引き揚げて、日本を最前線にする)、しかも、従属国であることはそのまま、更にお金をもっと出させられるという結果になりました。日本の安全保障上、北朝鮮の非核化にお金を出すのは良いと思いますが、それで安全保障環境が改善するのですから、国防費の伸びを抑える、もしくは削減するということにならねば実質的に国防負担が増大するということになります。アメリカは既に日本に国防費の増額を執拗に要求しています。大して守ってくれない宗主国にお金だけを取られるという最悪の状況になるでしょう。

 

 米朝首脳会談ではっきりしたのは、アメリカの衰退、それでもアメリカは東アジアで日本を最後まで従属国として手放さず、一緒に沈めようとしていることです。心中相手に選ばれてしまったということです。今回の米朝首脳会談を主導したのは、ジャレッド・クシュナーとマイク・ポンぺオ国務長官だったようです。下に貼り付けたいくつかの記事の最後に、クシュナーが昨年夏から北朝鮮とトランプ政権との間に秘密の交渉チャンネルを作っていたことを報じる記事を掲載します。

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クシュナー(左端)とその隣のポンぺオ 

 クシュナーは「ヤング・キッシンジャー」として、トランプ政権内部で、「リアリスト」として影響力を持っています。今回の米朝首脳会談に関して、表に出てこないイメージでしたが、昨年の夏に既に秘密の交渉チャンネルを作っていたということで、その手腕は確かなものと言えるでしょう。

 

 クシュナーに北朝鮮から働き掛けがあった時に、クシュナーが外交を所管する国務省のレックス・ティラーソン長官ではなく、スパイ組織統括や情報収集を専門とするCIAのマイク・ポンぺオ長官に話をしたという点が重要です。今年になってティラーソンが国務長官を解任され、ポンぺオが後任となったということを考えると、ティラーソン更迭にはクシュナーが関わっていた、米朝首脳会談はクシュナーとポンぺオのコンビが主導したということになります。

 

 ポンぺオについては、以下の記事にあるように、国務長官に決まった時点で、「コーク兄弟のための国務長官」という評価が出ていました。ポンぺオは自身が起業する際には、コーク兄弟が経営するコーク・インダストリーズの子会社から資金提供を受けましたし、連邦下院議員選挙に挑戦する際には多額の資金提供をコーク兄弟から受けました。コーク兄弟については、私が訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)を是非お読みいただきたいと思います。コーク兄弟は、リバータリアニズムを信奉しています。リバータリアニズムは反中央政府、反税金、反福祉で、アメリカの対外戦争、外国への介入に反対の立場を取ります。この点で、クシャナ―と師匠であるヘンリー・キッシンジャーと同じです。コーク兄弟から恩義を受けたポンぺオがそこに加わることで、今回の米朝首脳会談がとりあえず「成功した」ということになります。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 更に言えば、コーク・インダストリーズは石油や天然資源の開発を基幹とし、様々な事業を展開しているビジネス帝国です。コーク兄弟の父親でコーク・インダストリーズの創業者フレッド・コークは巨大石油企業メジャーと戦ってきた人物です。北朝鮮には豊富な天然資源が眠っていると推定されています。コーク兄弟はこの開発にも進出しようと考えているのではないかと思われます。


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 また、ドナルド・トランプ大統領の強力な支持者にカジノ王シェルドン・アデルソンがいます。アデルソンはアメリカのユダヤ人社会のリーダーでもあり、ジャレッド・クシュナーにとっては先輩格にあたる人物です。私は米朝首脳会談のニュースで、金正恩委員長が、アデルソンが経営しているシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを訪問し、居合わせた人々に愛嬌を振りまいていた姿を見ました。北朝鮮がカジノを誘致したいという考えを持っているということは以下の記事に書かれているとおりです。アデルソンは日本のカジノ建設推進にも積極的にかかわっています。このように考えると、アデルソンは北朝鮮の中国国境近くの羅津や新義州の経済特区に進出したい、中国の富裕層が資金洗浄や資金を逃がすことが出来るようなカジノを作りたいと考えているのではないかと思います。アデルソンがトランプ、クシュナーに影響を与えたということは十分に考えられます。

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トランプとアデルソン




 このように見ていくと、キッシンジャー・アデルソン・クシュナーというビジネス優先のリアリストと、コーク兄弟・ポンぺオというリバータリアンのつながりが米朝首脳会談を「成功」させたと考えることが出来ます。

  

(貼り付けはじめ)

 

ポンぺオという選択はトランプがコーク兄弟と協力するという姿勢を闡明するものだ(Selection of Pompeo Solidifies Trump’s Position with Koch Brothers)

 

―レックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオに国務長官に交代となるが、ポンぺオの起用は外交政策をコーク兄弟のお気に入りが担当することを意味する

 

アデル・M・スタン筆

2018年3月14日

『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌

http://prospect.org/article/selection-pompeo-solidifies-trumps-position-koch-brothers

 

ドナルド・J・トランプは、コーク兄弟がトランプは大統領の座にとどまってよいと考える限り、アメリカ大統領の座にとどまることが出来るだろう、と私はこれまで主張してきた。つまり、政治的な影響力を持つ大富豪の兄弟は2010年の中間選挙で共和党が連邦下院で過半数を占めることに貢献した。彼らは連邦下院を支配している。アメリカの統治システムにおいて、大統領をその座から追い落とすための実効的な試みは連邦下院からしか始められない。連邦下院は唯一大統領の弾劾を行える統治機関である。簡潔に述べるならば、トランプは弾劾といった事態を避けるためにコーク兄弟を自分の味方に引き入れておく必要があるということだ。トランプの重要な公約である大幅減税を法律にすることに関し、トランプは立場が少し弱いということになる。

 

2016年、コーク・インダストリーズの経営者で、巨大は右派の政治組織を作ったチャールズとデイヴィッドはトランプを侮辱する政治ショーを展開した。チャールズ・コークはトランプとヒラリー・クリントンのどちらかを選ぶということを、心臓発作にかかるのがよいのか、癌になるのがよいのか、という選択のようなものだと述べた。デイヴィッド・コークは共和党全国大会への出席を拒否した。デイヴィッドは2012年の大会には代議員として出席し、大規模なパーティーを催した。

 

トランプ選対責任者を務めたポール・マナフォートは現在、アメリカ合衆国に対する共同謀議参加の疑いで起訴されている。マナフォートと言えば、コーク兄弟におべっかを使っていたマイク・ペンスを副大統領候補にするように進言するという判断を行った人物である。この時、大多数の共和党員や支持者たちは、激しい言動で知られるニュージャージー州知事クリス・クリスティが副大統領候補になると考えていた。これが大統領選挙におけるコーク兄弟によるトランプ支持のやり方であった。しかし、コーク兄弟は保険をきちんとかけてもいた。トランプがコントロールできない状態になったら、大統領を弾劾できる機能を持つ連邦下院の議員たちに対して弾劾を行うようにサインを送ることが出来るようにしている。コーク兄弟はトランプから大統領の座を奪うための実行者たちを子飼いとしているのである。

 

トランプは国務長官をレックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオCIA長官に交代させる決定を下した。トランプは再び、どちらが自分にとって有利な判断になるかを分かっていた。ポンぺオは既にコーク兄弟の支持者や友人たちが参加している政権に入っている。コーク兄弟が率いている大口献金者ネットワーク参加者ベツィー・デヴォス、デイヴィッド・コークの友人ウィルバー・ロス商務長官、ライアン・ジンケ内務長官(元連邦議員で、コーク・インダストリーズが国有地においてウラニウム採掘を行うことを認めた)と言った人々がいる。その中でもポンぺオは特別だ。ポンぺオは連邦議員時代に「コーク・インダストリーズからの資金提供ナンバー1」と「OpenSecrets.org」という非営利団体から2016年にツイートで書かれるほどであった。

 

シンクタンクのシンク・プログレスに所属しているジョー・ロムンは次のように説明している。

 

2010年から2016年にかけて行われた4回の国政選挙において、ポンぺオはコーク・インダストリーズの従業員たちから寄付として33万5000ドルを受け取った。この金額の中には、コーク一族からの9万2000ドルが含まれていた。そのほかにもコーク・インダストリーズの政治行動委員会から6万9000ドル、コーク兄弟によって創設された右翼の市民団体アメリカンズ・フォ・プロスペリティから41万7175ドルが渡された。加えて、コーク一族から資金援助を受けているその他のグループから8万7532ドルが支払われていた。

 

連邦議員1人を「買う」のには90万ドル強のお金が必要ということになる。

 

気候変動に対して人間の活動は影響を与えていないと主張する人物が国務長官になろうとしている。コーク兄弟もそのように考えている。コーク兄弟は化石燃料をビジネスと基盤とするビジネス帝国を支配している。そして、トランプ大統領自身もまた共和党が過半数を握っている連邦下院がトランプ大統領に反旗を翻して、彼を辱めるということに懸念を持っている。

 

これが2018年の中間選挙の重要なポイントである。トランプにとってみれば、どの法案が可決され、されないということが重要ではない。トランプにとってみれば、大統領の座にとどまることこそが重要だ。そして、行政機関に更なる規制緩和を行わせ、彼自身と大富豪の友人たちに利益を与えることが重要なのだ。「略奪プロジェクト」はこれからも続く。

 

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「デカいカジノで外貨を稼ごう」金正恩氏の次なる野望

 

高英起  | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

5/14(月) 6:39

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20180514-00085178/

 

日本政府は4月27日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を閣議決定し、国会に提出した。政府・与党は今国会での成立を目指しているが、ギャンブル依存症の増加を懸念する野党の反発は根強く、先行きには不透明さが残る。

 

そんな日本を横目に、北朝鮮の金正恩党委員長が最近、東海岸の元山(ウォンサン)にワールドクラスのカジノホテルを建設するよう指示を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

 

北朝鮮には、すでにマカオや香港資本の外国人専用カジノがあるが、一般国民の目に付かぬよう営業している。それが今回は、庶民が対象の政治学習で周知されているというから、これまでとは違う大規模で本格的なカジノホテルが計画されているもようだ。

 

この知らせを受け、庶民の間では「わが国に国家認定の賭博場ができるなんて!」と困惑が広がっているという。

 

それも当然だろう。賭博は売春や覚せい剤の乱用などと並び、北朝鮮当局が忌み嫌う資本主義文化の典型とされており、法律でも厳しく禁じられているからだ。また、この3つは「セット」で行われることも多く、北朝鮮当局はその蔓延に手を焼いている。

 

実際、経済特区が置かれた羅先(ラソン)のカジノホテルが売春の巣窟となり、そのあまりに露骨な有様に業を煮やした金正恩氏が「外国人相手の売買春を厳しく取り締まり、行為を行った者は銃殺にせよ」との指示を出したとも伝えられた。

 

それにしても、北朝鮮にカジノが出来たとして、どれだけの人が遊びに行くのだろうか。RFAによると、政治学習では「日本や韓国の観光客を誘致する」といった趣旨で説明されているという。南北対話の流れの中で観光特需を狙っているようだが、韓国人はまだしも、日本人が大挙して出かけていくとは考えられない。

 

と、思ったら、海外のカジノ事情に詳しいジャーナリストから次のような話を聞いた。

 

「マカオなどのカジノには、横領などで得た犯罪収益や脱税資金をロンダリング(洗浄)する目的で訪れている客も少なくない。北朝鮮ほど閉鎖的な国のカジノなら、むしろ完璧な資金洗浄スキームを提供できるかもしれない」

 

北朝鮮は過去、中東や欧州の犯罪組織から資金洗浄を請け負い、外貨稼ぎをしていたと言われる。今回のカジノ構想にも、そのような目的が含まれているのだろうか。

 

前出のジャーナリストが続ける。

 

「ただ、やっぱり資金洗浄だけが目的でカジノにやってくる金持ちもいない。風俗産業とか、カジノ以外のエンタテインメントなど複合的な魅力があってこそ、客は集まる」

 

ということはやはり、目論見どおりワールドクラスのカジノを作れたとしても、そこを中心に、売春や覚せい剤乱用の新たな広がりを生んでしまう心配もあるのではなかろうか。

 

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核放棄の代わりにカジノ開発?北朝鮮の金委員長の構想に、韓国ネットは否定的「誰が行く?」「遊びに行って捕まるかも?」

 

Record china配信日時:2018年6月5日(火) 16時30分

https://www.recordchina.co.jp/b607802-s0-c10-d0124.html

 

5日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲朝鮮労働党副委員長が1日、米国のトランプ大統領と行った会談で、元山市・馬息嶺一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。資料写真。

 

コメント

2018年6月5日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が1日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ大統領と行った会談で、元山(ウォンサン)市・馬息嶺(マシンニョン)一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。

 

金副委員長は投資支援の見返りとして、トランプ政権が望む「完全かつ迅速な非核化」への金委員長の具体的なメッセージを伝えたとみられている。

 

「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」は、金委員長が1月の新年の辞で造成計画を明らかにした事業の一つとして知られている。

 

記事は「韓国政府内からは北朝鮮が同地区にカジノを造り国際観光団地として運営すれば、毎年5000万ドル(約55億円)前後の外貨を稼ぐことができるとの観測が出ている」とし、「北朝鮮の年間貿易額(70億~80億ドル)を考えると、かなりの規模だ」と伝えている。また「北朝鮮のドルの主な収入源である石炭輸出、海外労働者派遣などが国際社会の対北朝鮮制裁によって行き詰まっている状況であるため、観光事業で厳しい状況を打開すべきとの判断によるものと思われる」と分析した。

 

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「なぜカジノなんだ?」「紛争地域にカジノを建設するようなもの」「安全が保障されなければ、そんな所にカジノを造っても行く人はいない」「遊びに行って捕まる恐れがある」「北朝鮮まで行って、カジノで楽しむ意味ってあるのか?」など、カジノ建設構想に否定的な意見が寄せられている。

 

また「なぜカジノ建設を米国に頼むのだ。韓国に頼めばいいのに」と、自国を頼りにしない北朝鮮に対し疑問の声も。

 

その他に「トランプが元山に新たにトランプタワーを建設するかも」「こんな議論をしてもどうせ、北朝鮮が核を放棄することはないと思う」などとするコメントもあった。(翻訳・編集/三田)

 

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●「金正恩氏が夜の街へ ベンツで外出、スマホ撮影に笑顔」

 

シンガポール=野上英文、武田肇、守真弓2018年6月11日23時57分

https://www.asahi.com/articles/ASL6C7R2TL6CUHBI04N.html

 

 米朝首脳会談のためシンガポール入りしている北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は11日夜、宿泊しているホテル、セントレジスから大型ベンツに乗って外出し、シンガポール市内の観光名所に姿を現した。一方、12日に会談の舞台となるセントーサ島は、物々しい雰囲気に包まれた。

 

 正恩氏は人民服姿で、カジノで有名な海沿いのマリーナ・ベイ・サンズを訪れた。スマートフォンのカメラで撮影しようとする大勢の市民を前に、軽く右手を上げながら笑顔を見せ、建物の中に入った。20分ほどして出てきた時も、笑顔で手を上げた。(略)

 

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北朝鮮はクシュナーを通じて秘密の連絡チャンネル構築に関心を向けていた(North Korea looked to set up communications back channel through Kushner: report)

 

ジャクリーン・トムセン筆

2018年6月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/asia-pacific/392656-north-korea-looked-to-set-up-communications-backchannel

 

あるアメリカ人実業家は、北朝鮮政府とトランプ政権との間の秘密の連絡チャンネル構築に関心を持っていた。しかも、ホワイトハウス顧問にしてトランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナーを通じて。この実業家は昨年、そのために動いていた、と日曜日の『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

 

金融関係の実業家ガブリエル・シュルツは昨年の夏ごろ、トランプ政権に接触し、ある北朝鮮政府高官がトランプ大統領と金正恩委員長との会談実現の可能性についてクシュナーと話をしたいと言っていると語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーは当時のCIA長官マイク・ポンぺオに接触や会談についての話を持ち込んだ、ということだ。これは、当時緊張関係にあった当時のレックス・ティラーソン国務長官にはこの話をしなかったということを示している。

 

ホワイトハウスとCIAはシュルツがクシュナーに接触したと報じられていることについてコメントを拒否した。

 

シュルツはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、文書による声明で、「私は私のビジネスの性質と個人的な人間関係について議論するつもりはない」と答えた。

 

クシュナーは昨年、中国政府の複数の高官とトランプ政権との間の秘密のチャンネルを構築したと報じられている。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーと駐米中国大使はトランプと中国の習近平国家主席との会談を実現させたということだ。

 

トランプ当選から政権欲職までの移行期にクシュナーは複数回にわたり駐米中国大使と会談を持った。その際に中国専門家を同席させなかった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、現職のそして元アメリカ政府高官たちはこのような行為を苦々しく思っていたということだ。

 

先週、トランプ大統領は金委員長と首脳会談を行った。これは、アメリカ大統領と北朝鮮の指導者の初の直接会談となった。

 

2人の指導者は、アメリカが安全に関する保証(中身ははっきりしない)を与える代わりに、北朝鮮が非核化を行うというものだ。トランプは更にアメリカと韓国との共同軍事演習の中止を発表した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 日本でも出版(紙媒体)の売り上げが年々減少、特に雑誌は厳しいということは報じられています。インターネットに記事や情報があふれ、しかもそれらが無料で手に入り、紙媒体自体の売り上げが減少、こうなると、雑誌などに広告を出している企業も広告を中止するということになり、雑誌が続けていけなくなり、廃刊ということになります。テレビ局もまた雑誌と同じで、広告や宣伝で食べているようなものですから、こちらも厳しい状況になっています。

 

 アメリカでも新聞が紙での発行を止めて電子版のみにするとか、記者が大量に解雇されるとか、そういうことが起きています。

 

こうした中で、老舗雑誌社であるタイム社がメレディス・コーポレイションに買収されることになりました。タイム社は世界的な雑誌ブランドである『タイム』(「今年の100人」といった企画で有名)や、日本のスポーツ雑誌『ナンバー』がそのままパクった『スポーツ・イラストレイティッド』といった雑誌を発行しています。しかし、これらの雑誌も当然のことながら売り上げが減少し、厳しい状況にあったようです。

 

 メレディス・コーポレイションは主婦向けの雑誌を発行している会社ですが、同時にアメリカ各州の地方テレビ局15社を所有している会社です。私が驚いたのは、今回のメレディス・コーポレイションのCEOの声明文の中にある、「地方テレビ局は記録的な売り上げを記録している」「広告宣伝の媒体としてこれまでにない機会を与えている」という言葉です。

 

 アメリカではケーブルテレビが発達し、いわゆる地上波のローカルテレビ局は厳しいのかと単純に思っていましたが、どうもそうではないようです。視聴者が多く、それが広告や宣伝収入につながっているようです。今回の買収で、コンテンツ創造力を手に入れたとメレディス・コーポレイションのCEOは述べていますから、雑誌のコンテンツ想像力とテレビの発信力を結び付けようとしているということになります。

 

 メレディス・コーポレイションにコーク兄弟が資金提供をしたという点も重要です。コーク兄弟については拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン、講談社、2015年)や『世界権力者図鑑2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2018年)をお読みいただきたいと思います。

 

 これは雑誌業界の再編というだけではなく、ディジタルとアナログの融合によって新たな何かが生まれる動きなのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

タイム社はコーク兄弟が支援する企業によって買収される(Time Inc. to be acquired by company backed by Koch brothers)

 

ブレット・サミュエルズ筆

2017年11月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/media/361880-time-inc-near-sale-to-company-backed-by-koch-brothers-report

 

メレディス・コーポレイションは日曜日、タイム社を18億ドルで買収すると発表した、と複数のメディアが報じている。メレディス・コーポレイションは共和党の大口献金者であるチャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク兄弟が支援している出版社である。

 

ロイター通信によると、メレディス・コーポレイションはタイム社の株式の大部分を一株当たり18ドル50セントで購入すると発表した。

 

両社のそれぞれの取締役会で買収は全会一致で同意され、来年早々にも調印されるとAP通信が報じた。

 

ロイター通信は次のように報じている。メレディス・コーポレイションのスティーヴン・レイシーCEOは声明の中で、「私たちは、メディア産業界内で最強のブランドの持つ豊かなコンテンツ創造力を、力強い地方テレビ局ネットワークビジネスに加えることになりました。地方テレビ局ネットワークは現在、記録的な売り上げを記録しています。地方テレビ局はアメリカの成人視聴者に対しての浸透力と波及力で群を抜いた存在になっており、広告業界やマーケティング業界にこれまでにない機会を与えています」と語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は日曜日の早朝、買収の合意は月曜日までに発表されるだろうと報じた。同紙によると、コーク兄弟は、コーク・エクイティ・ディヴェロップメント社を通じて6億ドルをメレディス・コーポレイションに投入することになるということだ。

 

タイム社は、『タイム』『スポーツ・イラストレイティッド』『ピープル』の各誌を発行している。一方、メレディス・コーポレイションは『ファミリーサークル』『マーサ・スチュワート・リヴィング』『ベター・ホーム・アンド・ガーデンズ』の各誌を発行している。

 

メレディス・コーポレイションとタイム社は今年の初めから買収に関する交渉を行っていると報じられたが、4月の段階で合意はできない見込みだと言われていた。

 

コーク兄弟は大統領選挙期間中、トランプ大統領を支持することを拒絶したが、2017年になってコーク兄弟とトランプ政権の関係は改善しつつある。コーク兄弟はペンス副大統領をはじめとする政権の最高幹部たちと相次いで会談を行っている。

 

コーク・インダストリーズ社は非上場企業で、アメリカ国内の非上場企業では第2位の規模を誇る。年間売り上げは1150億ドルで、主力部門はエネルギーと化学である。

 

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米出版社タイムが身売り合意-メレディスに3100億円で

 

11/27(月) 9:29配信 Bloomberg

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171127-42594747-bloom_st-bus_all

 

米メディア企業のメレディスは、米出版社タイムを28億ドル(約3100億円)で買収することで合意した。金額には債務の継承分が含まれる。「フォーチュン」「スポーツイラストレイテッド」などの雑誌で知られるタイムは、インターネット時代到来による打撃を回避できなかった。

 

メレディスの26日付の発表資料によると、1株当たりの買収額は18.50ドルで、全額現金となる。同社は「ベターホームズ・アンド・ガーデンズ」などを出版する。タイム買収が実現すれば、広告の獲得でフェイスブックやグーグルなどと競争する上で必要な規模の拡大が可能になる。

 

チャールズ・コーク氏とデービッド・コーク氏の投資会社コーク・エクイティ・デベロップメント(KED)が6億5000万ドル相当の株式取得を通じて、メレディスによる買収を支援することに同意。KEDはメレディスに取締役を送らず、同社の編集や経営に対し影響力は行使しないという。

 

原題:Meredith Agrees to Buy Time Inc. With Koch Brothers Backing(抜粋)

 

Gerry Smith

 

(貼り付け終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 以下の日経新聞は現在のドナルド・トランプ政権が置かれている状況が良くまとめられています。トランプ政権の政策実行を邪魔する存在が同じ共和党内にいるという話です。それが、連邦議会の自由議連(フリーダム・コーカス、Freedom Caucus)です。そして、彼らを資金面でサポートしよう(言うことを聞かせよう)としているのが、コーク兄弟です。コーク兄弟については、拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)で詳しく書かれていますので、是非お読みください。

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22

  

 コーク兄弟はリバータリアン(Libertarians)として、共和党主流派とは距離を置きながら、共和党を支援してきました。トランプも共和党主流派から嫌われながらも大統領になりました。お互いに共和党主流派を嫌っているトランプとコーク兄弟ですが、コーク兄弟はトランプの言動やポピュリスト的な政策には反対しています。コーク兄弟は個人の自由を徹底的に擁護するリバータリアンであり、リバータリアンは政治的には保守派に分類されますが、社会的にはリベラルとなります。コーク兄弟は、麻薬の使用、同性愛や妊娠中絶に対しては個人の自由だとして容認しています。

 

 現在、民主党はトランプ・ショックのために、党内を見直し、エスタブリッシュメントの党になっていたことを反省し、かつ強大な敵であるトランプと対決するために、まとまっています。複雑なのは、元々、民主党はコーク兄弟の政治的な影響力について批判的で(「共和党はコーク中毒(コークは清涼飲料水のコーラと麻薬の両方の意味とコーク兄弟をかけている)に陥っている」と民主党の大物議員だったハリー・リードが批判した)、バーニー・サンダース連邦上院議員は、コーク兄弟を厳しく批判する一方で、トランプ大統領には是々非々で臨むという態度を採っています。

 

 味方である共和党内に敵がいるということになると、トランプ政権の政策遂行は厳しくなります。一部政策に関しては、民主党と連携した方がうまくいくのではないかとも思いますが、減税などでは共和党の一部まで反対してしまうと、これもうまくいかないでしょう。トランプ政権の先行きは厳しいですが、どれだけ交渉と妥協ができるかにかかっています。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ政権阻む保守強硬派 看板公約滞る」

 

日本経済新聞

2017/3/31 23:26

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H1Y_Q7A330C1EA5000/

 

 発足から2カ月余りのトランプ米政権に、与党・共和党の保守強硬派が立ちはだかってきた。看板公約の医療保険制度改革法(オバマケア)代替案を撤回に追い込んだほか、政府債務増につながるような大型税制改革やインフラ投資にも否定的。大きな政府に反対する草の根の「茶会(ティーパーティー)運動」に連なる保守強硬派が、米議会の主導権を握る。トランプ大統領には政権運営の足かせとなりそうだ。

 

 「2018年には彼らと民主党とも戦う」。トランプ氏は3月30日、18年の中間選挙で身内の与党内勢力に敵対することも辞さないと語った。

 

 トランプ氏が「彼ら」と名指ししたのは下院の「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)」。30~40人に上る党内の保守強硬派だ。国家の干渉に対して個人の権利を擁護する古典的な自由主義者らでつくる。

 

 下院共和党(237人)の中で2割にも満たない集団だが、投票は一致結束して動く。下院の法案通過は216票が必要で自由議連が法案通過を実質的に阻止できる。オバマケア代替法案はトランプ氏が真っ先に取り組んだ本格的な法案だが、自由議連が反対の姿勢を崩さず、下院で採決すらできなかった。

 

 「今回はコーク兄弟にしてやられた。税制改革も簡単ではない」。トランプ氏に近い党関係者は弱音を吐く。コーク兄弟とは米エネルギー複合企業、コーク・インダストリーズを経営するチャールズ・コーク氏、デビッド・コーク氏を指す。共和党の大口献金者として知られ、資産総額はともに約4兆6千億円とされる。米国の長者番付はそろって7位。大統領選でトランプ氏を支持せずに、様子見に徹した。

 

 自由議連を強力に支援し続けたのがコーク兄弟ら富裕層の献金ネットワークだ。その一つ、政治団体「繁栄のための米国人(AFP)」は、ライアン下院議長ら党主流派がオバマケアの代替法案を発表すると「改革が不十分」と反対。自由議連も足並みをそろえた。

 

 AFPは緊縮財政を唱える茶会運動を先導し、自由議連はその流れを継ぐ。15年秋には政府債務上限の引き上げに反対。政府機関の閉鎖すら辞さない姿勢で党内のベイナー下院議長(当時)を辞任に追い込んだ。

 

 オバマケア代替法案が頓挫した直後の3月28日、トランプ氏はオバマ前政権の地球温暖化対策を見直す大統領令をぶちあげた。「保守強硬派の懐柔が狙いだ」と関係者。保守系政治団体は規制色の強い温暖化対策を毛嫌いする。そもそもコーク兄弟の事業は石油精製が中核だ。

 

 それでもトランプ氏による30年ぶりの税制改革は前途が険しい。主導するライアン氏は、連邦法人税率を35%から20%へと大幅に下げ、輸出は免税して輸入は課税強化する「税の国境調整」を導入する意向だ。

 

 保守強硬派は党主流派と同じく減税に大賛成。ただ、AFPは「法人税の国境調整は輸入品の値上がりを招き、米国人に破壊的な影響を与える」と反対の構え。ライアン氏らは輸入品の課税強化を減税の財源に見込む。税制改革が頓挫すれば、保守派の悲願である減税も遠のく。それでもオバマケア改廃や税制改革に反対姿勢を貫くのは「トランプ政権の転覆が狙いではないか」との見方すらある。

 

 4月末には暫定予算が切れ、新予算を組まなければ政府機関は閉鎖に追い込まれる。自由議連は緊縮財政をトランプ政権に迫る。看板政策であるメキシコ国境の壁建設は、今年度予算への計上をひとまず断念した。

 

 トランプ政権は、側近で過激な排外主義や孤立主義を唱えるバノン首席戦略官・上級顧問が主導権を握る。上院議長で政権の議会対策を担うペンス副大統領は日米経済対話など負担が重い。党主流派は政府閉鎖の回避や公約実現で野党・民主党との連携も模索し始めたが、反トランプへ攻勢を強める民主党との協議は難しい。政権は議会対策で袋小路に入りかけているようだ。

 

 (ワシントン=河浪武史)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領と連邦議会共和党が目指していた、オバマケア代替法案(American Health Care Act、AHCA、アメリカン・ヘルス・ケア・アクト)が連邦下院での採決の直前に撤回されました。これで、しばらくの間、オバマケアが健康保険制度として存続することになりました。まず、今回の撤回に関する記事を下に掲載します。お読みください。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「オバマケア代替法案、トランプ大統領が採決直前に撤回 公約の目玉で大敗北、何が起きたのか」

 

The Huffington Post  |  執筆者: Jonathan Cohn , Jeffrey Young

投稿日: 2017年03月25日 13時34分 JST 更新: 1時間前

http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/24/obamacare_n_15596294.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 

アメリカ下院の共和党首脳は3月24日、ドナルド・トランプ政権が成立を目指していた下医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案「アメリカン・ヘルス・ケア・アクト」(AHCA)を撤回した。トランプ大統領は、公約の目玉としてきた医療保険制度改革で敗北を喫したことになる。

 

このニュースを最初に報じたのは、ワシントンポストのロバート・コスタ記者だった。コスタ記者はポール・ライアン下院議長との会談を終えたトランプ氏に直接取材した。

 

トランプ氏は、ライアン氏から法案通過のための賛成票が足りないのは確実だと説明を受け、撤回に合意したと話した。

 

続けて、トランプ氏とライアン氏の両名は、医療保険制度からほかの政策へ、軸足を移す準備はすでに整っているとコメントした。

 

別名「トランプケア」とも呼ばれた代替法案の可決に失敗し、トランプ大統領とライアン下院議長にとって大きな痛手となった。これにより、7年以上にわたって共和党が掲げた公約の中核だった医療保険制度改革の先行きは不透明となる。

 

ライアン氏は記者会見で「非常にわずかな差だったが、必要な賛成票の数に届かなかった」と述べた。「今日は我々にとって失望の日だ」

 

法案を取り下げたことで、議会とホワイトハウスで1週間続いた騒動が収束することとなった。トランプ氏、ライアン氏、さらにAHCAに賛成する議員たちが必死になって、発表から3週間に満たない法案への支持票を取りまとめようと動いていた。トランプ氏たちは猛スピードで法案を可決させようとしていた。

 

トランプ氏が下院に対し最後通告を出してから、24時間もたたないうちに廃案となった。トランプ氏と共和党首脳はそろって、最重要政策と位置づけたAHCAへの賛成を求めていた。さらに、可決を拒否すればAHCAが成立しないまま、他の政策課題に取り組まざるを得なくなると脅しをかけていた。

 

トランプ氏の要求は、政治取引として大胆で瀬戸際的なものだった。反対派の共和党議員に揺さぶりをかけ、取り込む狙いがあった。

 

しかしその作戦は、見るも無残な失敗に終わった。

 

オバマケアが導入されて、およそ2000万人が健康保険に加入した。今回の法案撤回で、オバマケアが存続する見込みはトランプ氏の当選以来最も高くなった。トランプ氏の当選時点では、撤廃は避けられないと見られていた。

 

「アメリカは当分の間、オバマケアの下でやっていくことになりそうだ」と、ライアン氏も認めた。

 

 

共和党案が可決されたとしたら、どうなっていたか

 

「アメリカン・ヘルスケア・アクト」とは「アフォーダブル・ケア・アクト」に対する共和党の代替案だ。成立したらほぼ間違いなく、アメリカ史上類を見ない社会福祉制度の後退につながっていただろう。

 

オバマケアの下で実施されたメディケイドの受給要件緩和がストップし、メディケイドプログラムのさらなる拡充を図るための財源も削減されることになっていた。保険の適用範囲を広げるよう定めた規制も緩和されていた。さらに、低所得で高額の保険料に悩む人々に対する補助金を減らし、それなのに比較的裕福な層が、かなりの額の補助金を新しく受給できる仕組みになっていた。

 

法案が可決されていたとすると、さらに大きな変化も起こっただろう。たとえば、評判の悪い、健康保険に加入しない人に対して罰金を科す「個人強制保険」は廃止するとされていた。さらに政府が法の下、保険適用範囲を拡大するために使う富裕層や医療関連企業に課していた新税も、オバアケア以前に逆戻りする内容だ。

 

トランプ大統領は、2016年の選挙期間中から大統領就任当初まで、オバマケアを廃止するだけでなく、「素晴らしい医療制度」と「国民全員のための保険」を代わりに作ると約束していた。しかし議会予算局(CBO)が共和党の草案を分析したところ、今後10年にわたって無保険者が2400万人に増え、2018年だけでも1400万人にのぼることが分かった。

 

議会予算局は報告書の中で、財政支出を削減すれば連邦政府の赤字が減り、個人で保険に加入する人たちの平均保険料は他の方法よりも安くなると予測した。しかし、この安い保険料は高齢者や病気の人がいることで成り立つものだ。なぜなら、保険会社はこうした人たちから高額な保険料を取っているにもかかわらず、市場に出回るプランの保障金額は非常に少ないケースが多くなるからだ。

 

 

共和党指導部が賛成票を集めきれなかった理由

 

議会予算局が先週初めに調査結果を公表すると、委員会採決を難なく通過させた時のような、代替法案を支持する動きが止まった。トランプ政権の高官と下院共和党が、下院本会議での審議の準備作業を始めるとすぐに、法案通過に十分な賛成が得られないことに気づいた。

 

共和党首脳は繰り返し、今回の代替法案は、共和党がオバマケアを撤廃する絶好のチャンスになると説得した。しかし共和党議員を取り込む作戦は失敗に終わった。理由はさまざまだが、共和党首脳は、利害関係が大きく異なる2つの共和党内グループと交渉したことも要因の1つに挙げられる。

 

「下院自由議員連盟」に代表される保守派グループたちはオバマケアの完全撤廃を求めており、代替法案にオバマケアの条項が一部そのまま残ることに不満を示した。保守派は、規制を撤廃しなければ保険料が下がることはないと譲らなかった。ただし、オバマケアによる規制と実際の保険料の高騰との間の関連性ははっきりしていない。

 

支持層が民主党寄りの州や、オバマケアの資金をメディケイド拡大に利用してきた州から選出された議員が中核となっている穏健派グループ「チューズデー・グループ」は、AHCAで大量の無保険者が生まれることを恐れた。そして、AHCAによって実際に保険料が下がったとしても、それが保険加入者の自己負担増で賄われるのではないかと懸念した。

 

端的に言えば、AHCAに関して、保守派はオバマケアの撤廃が不十分になることを恐れ、穏健派は影響が極端に大きくなることを恐れた。共和党内のあるグループから合意を得ようと共和党首脳が努力すればするほど、もう別のグループの反発を招く結果となった。

 

事態をさらに悪化させたのは、共和党が今回の議会手続きを「財政調整法」の規定で可決させようとしたことだ。これは、審議のスピードを速めるため単純過半数で法案を可決できるよう、民主党からフィリバスター(長時間演説)などの議事妨害を受けることなく共和党が上院で法案を通すことのできる緊急プロセスだ。

 

財政調整法の規定によると、このプロセスで調整できるのは、連邦予算に直接的な影響のある条項に限られている。そのため、共和党保守派が求めていた保険の補償対象に関する規則の撤廃など、規制変更の多くは除外される可能性がある。こうした規則には、予算支出を削減するための立法措置が改めて必要になる。

 

そして何よりも、共和党は日に日に高まる一般世論からの懸念に直面していた。複数の世論調査によると、AHCAに対する支持率は極めて低く、共和党が刷新を望み、保守派の間では軽蔑の対象となっていたオバマケアの人気が高まっていた。

 

採決直前になって、トランプ大統領と共和党首脳は、メンタルヘルスや産科での治療などあらゆる医療保険プランに保険適用を義務付ける「エッセンシャル・ヘルス・ベネフィット」(基本的医療給付)を除外し、こうした医療費のみを対象とする特別な基金を設ける形で法案を修正することで合意した。専門家からは、こうした変更によって健康保険市場が劇的に変化してしまう可能性があると警告した。保険会社が適用範囲を狭めた保険を提供するようになると、広範囲の医療サービスに適用される保険を見つけるのは困難になるからだ。

 

保険の補償範囲と連邦予算に関する変更の詳細は明らかにされていない。なぜなら、採決を急いだ共和党首脳が、議会予算局にこの変更による影響を分析する時間的余裕を与えなかったからだ。実際、3月23日の夕方まで、共和党首脳がこの変更内容を公表しなかった。

 

しかし、最終的には法案成立に向けた共和党首脳の努力は水泡に帰した。共和党首脳は、AHCA反対で一致した民主党を抑え込むために、「下院自由議員連盟」と「チューズデー・グループ」という2つのグループから十分な賛成票を引き出すための法案を提示できなかった。

 

「この法案は提案当初から間違いだらけだった」と、ジャスティン・アマシュ下院議員(共和党)は24日、ハフィントンポストUS版に語った。「責任ある行動とは、法律成立に向けて努力し続けることなんです。失敗したときに私はどうすればいいのかというと、やりつづけることなんです」

 

 

なぜ医療問題に関する論争は決着しないのか

 

今起こっていることに関係なく、医療保険制度は今後も論争の的となる可能性が高い。

 

オバマケアは歴史的な進歩だ。保険に加入していないアメリカ人の数を著しく減らし、医療サービスの利用が改善され、経済的な負担軽減を支えている。しかし、保険サービスに不満を持つ人も非常に多く、また、新たに規制を受けた保険市場が苦戦を強いられている州もある。ますます高騰する保険料、そして財務上の損失を受けて掛け金を引き上げている保険会社の影響だ。

 

オバマ政権は初期段階で、新制度を作って普及させることに莫大な労力を費やし、また問題が発生する度に改善に力を尽くした。現在、この市場を管理する責任はトランプ政権にあるが、政権の意図ははっきりしない。

 

トランプ氏はかつて、「政治的に言えば、共和党がとれる一番簡単な手段は、手を引いて、そのままシステムを運用させることだ」と繰り返し語っていた。「そうすれば制度は完全に崩壊する」と、トランプ氏は予測している。

 

(貼りつけ終わり)

 

 今回の法案では加入義務や罰則を廃止し、加入促進のための補助金を止めるという内容になっていました。共和党強硬派が「アメリカン・ヘルス・ケア・アクトは中途半端だ、生ぬるい、オバマケアの完全な撤廃ではない」と主張し、強硬に反対しました。また、共和党穏健派は「無保険者の数が増える」「選挙区の事情(自分の選挙区ではヒラリーが勝った)があるので、この法案では過激すぎて有権者から嫌われる」として反対者が出ました。また、民主党は、強大な敵に立ち向かうという心情もあり、一糸乱れず、反対となりました。

 

 取りまとめに奔走した連邦下院のポール・ライアン議長(ウィスコンシン州選出、共和党)には大きなダメージとなりました。そして、トランプ大統領の政策を共和党が止める力を持っていることが明らかになりました。

 

 今回、最後の場面で、連邦下院共和党の強硬派で作るグループであるフリーダム・コーカスのメンバーとトランプ大統領が会談を持ちながら、決裂という結果になりました。私はこうした交渉ごとは、共和党全国委員長をしていたレインス・プリーバス大統領首席補佐官や連邦下院議員を長く務め、元同僚も多いマイク・ペンス副大統領がするものと思っていましたが、彼らの存在は全くありませんでした。

 

 プリーバスはライアンと同じウィスコンシン州選出でまだ若く、連邦議員出馬という噂(ライアンをけん制するためにトランプ周辺から出されているかもしれません)もあります。また、ペンスはその手堅さや実直なイメージが受けて、次の2020年米大統領選挙の共和党候補でまず名前が挙がる人物となっています。彼らは、ダメージになりそうなことを巧妙に避けたということが考えられます。

 

 今回のオバマケア撤回法案で低所得者層を中心に無保険者が2000万人以上出るという研究結果も出ていました。この低所得者層が昨年の米大統領選挙でトランプに投票した訳ですが、トランプはこの人たちを裏切るような法案を提出したことになります。しかし、結局、議会共和党一部の反対にあったためにオバマケア存続ということになりました。私は、トランプはこのことを狙っていたのではないかと思います。トランプは土壇場で「早く採決して欲しい、ダメでもオバマケアがある」という発言をし、ライアン議長をせかしているようでした。これは、本当はオバマケアが良いのだけど、まさかそんなことも言えないから、反対させて、そのまま存続させようということなのではないかと対深読みをしたくなりました。

 

 今回、連邦議会共和党が大変に強硬であったのは、「おカネにつられた」ためです。私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)の主人公であるチャールズ・コーク、デイヴィッド・コークのコーク兄弟がトランプにダメージを与えようとして、「撤回法案に反対した政治家の選挙資金の面倒を見る」と発表していました。以下の記事をご覧ください。

 古村治彦です。

 

 私は『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年12月)を翻訳して1年が経ちました。今年はアメリカ大統領選挙の年で、値段が高く、分厚い翻訳書も少しは売れました。ありがとうございます。

 


 コーク一族の総帥チャールズ・コークと弟デイヴィッド・コークは、大統領選挙期間中、ドナルド・トランプを支持ないと明言し(デイヴィッドは“トランプとヒラリー・クリントンのどちらかを選ぶというのは、心臓発作になるのがよいか、癌になるのがよいかを選ぶようなものだ”と発言しました)、連邦議会選挙に自分たちが作り上げた大富豪たちのネットワークで集めた資金を投入しました。結果は、大統領選挙、連邦上院・連邦下院選挙で共和党が勝利し、ホワイトハウスと連邦議事堂を共和党が抑えることに成功しました。

 

 トランプ次期大統領は現在、ホワイトハウスの幹部スタッフや閣僚選びを行っています。その中で、以下の3本の記事のように、コーク・ネットワークに参加している、もしくは参加していた大富豪や活動家たちに多数がトランプの政権移行ティームに参加し、もしくは閣僚やホワイトハウスの幹部スタッフに選ばれています。以下の記事には、「トランプのコーク・ネットワーク人材で構成された政権(Tump’s Koch Administration)」が出ています。

 

 チャールズとデイヴィッドのコーク兄弟はトランプを支持していませんが、コーク兄弟が築き上げたネットワーク(タコのように邪悪でたこ足のように様々な組織が重なっている様子を、タコ[オクトパス]にかけて、コクトパス[Kochtopus]と呼ばれています)は、共和党主流派に代わる人材供給源となっています。

 

 マイク・ペンス次期副大統領は連邦下院議員時代からインディアナ州知事時代まで長年にわたり、コーク兄弟からの支援を受けてきました。ペンスは政権移行ティームを率いています。ペンスのアドヴァイザーのマーク・ショートは、コーク・ネットワークから財政支援を受けている組織「フリーダム・パートナーズ商工会」の会長職を今年2月に辞め、トランプ陣営に参加しました。CIA長官に内定しているマイク・ポンぺオ連邦下院議員はカンザス州選出ですが、コーク・インダストリーズが本社を置き、チャールズ・コークが居住しているカンザス州ウィチタの出身で、「コーク出身の連邦議員(congressman from Koch)」と呼ばれています。商務長官に内定したウィルバー・ロスは、安倍晋三首相とトランプの会談をお膳立てした人物と言われていますが、ニューヨークに居住するデイヴィッド・コークの長年の友人でもあります。

 

 「フリーダム・パートナーズ」の出身者としては、トランプ選対の初代本部長を務めたコリー・ルワンドウスキーがいます。ルワンドウスキーは選対内部の争い、特にトランプの女婿ジャレッド・クシュナーとの確執があり、選対本部長を辞職しましたが、彼の保守系草の根運動の経験があったればこそ、トランプが共和党予備選挙を勝ち抜くことが出来ました。

 

 コーク兄弟が作り上げた富豪たちのネットワークであるコーク・ネットワークに参加している富豪たちで重要なのは、レベカ・マーサーです。レベカは父ロバート・マーサーと共にコーク・ネットワークに2500万ドルを支出しています。コーク兄弟がトランプを支持しないと発表した後も、積極的にトランプを支援しました。また、今回、ホワイトハウス首席ストラティジスト登用が決まったスティーヴ・バノンを選対に入れたのもレベカです。マーサー家はバノンが会長をしていたインターネットメディアの「ブライトバート・ニュース」社に資金を出しており、レベカの意向を受けてトランプもバノンを選対責任者に迎え入れました。そして、選挙で勝利を収めました。

 

 また、大統領選挙ではデータ収集と分析が大変重要になりますが、レベカはトランプ選対入りをしたバノンに「ケンブリッジ・アナリティカ」という会社を使わせました。この会社には、レベカの父ロバートが出資をしています。

 

 トランプ政権で教育省長官に指名されたのがベッツィー・デヴォスです。デヴォスは,

「スクール・チョイス」と呼ばれる公立学校選択制導入を主張しており、そのために、コーク・ネットワークを通じてスクール・チョイス推進団体に多額の寄付をしています。デヴォスはアムウェイ社の創業家の一族です。今回、トランプ政権に多くの人材を供給し、トランプの対中・対台湾姿勢に影響を与えていると言われるヘリテージ財団に多額の資金を寄付しているのがアムウェイとコーク兄弟です。

 

 今回、トランプは「ワシントンの汚れきった泥沼から水を排出して綺麗にする(drain the swamp)」を目的にしています。具体的には、共和党主流派(エスタブリッシュメント)の力を弱めることを目的としています。しかし、トランプにはビジネスの経験と人脈はありますが、実際の人材となると彼の関係者だけでは足りません。そこで、非主流派に属していた人々を登用しなければなりませんが、そうした人々や組織はコーク兄弟とコーク・ネットワークの支援や影響を受けていることなります。コーク兄弟も民主党と妥協的な共和党は本来好んでいなかった訳ですが、「民主党よりはまし」ということで支援はしてきましたが、どちらかと言うと、党外の組織や人々の支援を行ってきました。そして、それが結実したのが「ティーパーティー運動」でした。

 

 トランプとコーク兄弟は対立しましたが、「共和党エスタブリッシュメントと戦って、既存の共和党を壊す」という点では共闘できます。ただ、問題はトランプが主張している、アメリカのインフラ整備や改善といった公共事業についてで、大規模な財政出動ということになると、リバータリアニズムを信奉するコーク兄弟系の人材は離反することになるでしょう。

 

 民間活力を如何に利用するか、ということがトランプ政権にとって重要なキーとなるでしょう。

 

(記事貼りつけはじめ)

 

How a network led by the billionaire Koch brothers is riding the Trump wave

 

https://www.theguardian.com/us-news/2016/dec/07/donald-trump-koch-brothers-cabinet-transition-power

 

Despite the Koch brothers not backing Donald Trump financially with ads during the election, their network is emerging as a winner from his transition

 

Despite deciding not to back Donald Trump financially with ads during the presidential election, the sprawling donor and advocacy network led by the multibillionaire Koch brothers is emerging as a winner in the transition.

 

Longtime ally Mike Pence is leading the transition team, and several veteran Koch network donors, operatives and political allies are poised to join the Trump administration when the new president takes office in January.

 

While Charles Koch and some network officials had tough words for Trump for some of his incendiary campaign rhetoric and positions this year, several mega-donors who back Koch-linked advocacy groups poured millions into Super Pacs and other fundraising efforts to boost Trump, and some of these donors have not been shy about flexing their muscles during the transition.

 

The Koch network, which says it spent about $250m this election cycle on politics and policy efforts, comprises several hundred donors who help underwrite numerous free-market, small-government advocacy groups. The network is spearheaded by Charles and David Koch, the libertarian-leaning brothers who control the $115bn-a-year energy and industrial behemoth Koch Industries.

 

Several Koch network donors who backed Trump, such as Robert Mercer, Joe Craft, Doug Deason, Harold Hamm, Diane Hendricks and Stan Hubbard, have reason to be pleased that his early cabinet picks align with their views on expanding fossil fuels, spurring charter schools, repealing and replacing Obamacare, and slashing government regulations and taxes.

 

One of Trump’s early cabinet selections, for instance, was Betsy DeVos as education secretary: DeVos is part of a multibillionaire family that have long been hefty donors to advocacy groups linked to the Kochs and championed charter schools and school choice, both popular causes in Koch world.

 

Further, Trump’s key energy adviser for months has been fracking multibillionaire Hamm, who has been mentioned as a potential energy secretary. While Hamm is expected to keep running his oil and natural gas company Continental Resources, two transition sources say he has pushed for Oklahoma governor Mary Fallin to be named interior secretary, and the state’s attorney general Scott Pruitt to run the Environmental Protection Agency (EPA), which he has sued to block climate change curbs.

 

Rebekah Mercer, the daughter of billionaire hedge fund executive Robert Mercer, who ploughed $2m into a pro-Trump Super Pac that she ran, is on the transition’s executive committee. Mercer has talked with chief White House strategist Stephen Bannon about having an outside group hire the big data firm Cambridge Analytica, which her father is a key investor in and Bannon sits on the board of, for messaging and communications drives to boost administration goals, according to a digital strategist familiar with the firm.

 

“I think most of the network is pretty pleased” with the cabinet selections to date, said Texas investor Doug Deason who, in tandem with his billionaire father Darwin Deason, poured almost $1m into the Republican National Committee to help Trump and other GOP candidates. “They’re pleased Trump has softened his rhetoric.”

 

Deason, who said he is “passionate about school choice”, also said that he spoke to Pence for a half hour around Thanksgiving – and then followed up with texts – to tout Rudy Giuliani for secretary of state and, as Hamm did, Pruitt to head the EPA. Giuliani is a partner of Deason’s at Giuliani Deason Capital Interests, a private equity firm.

 

The early moves by Trump and his transition team have also pleased Hubbard, a billionaire media owner. “I’m feeling a lot better about him than I did earlier,” Hubbard told the Guardian. “Trump’s picked good people for his cabinet.”

 

Hubbard and other donors are also betting that Pence, who some Koch network donors once hoped might lead the GOP ticket, will be a powerful force in the administration. “My guess is that Pence will be a lot more active than most vice-presidents,” said Hubbard.

 

Besides overseeing the transition, Pence has been working closely with House speaker Paul Ryan, whom he served with in the House before he was Indiana governor, to coordinate plans for Obamacare’s repeal, a hugely controversial and risky effort, but a top priority for the Koch network and many Republicans.

 

Still the Koch network, which spent $42m on ads to help GOP Senate candidates, is expected to have some dust-ups with the Trump administration: Trump’s protectionist trade stances and some of his policy goals, such as a massive infrastructure spending program, pose potential conflicts with Koch world’s free-market views.

 

But Koch network officials sound cautiously upbeat about the incoming Trump administration. “We are encouraged by the Trump administration’s stated commitment to reduce corporate tax and regulatory burdens and make America more competitive,” James Davis of Freedom Partners, the network’s financial hub, said in an email. Davis added that the network would “try to find areas to work together” with the new administration.

 

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Trump’s Koch administration

 

Despite past clashes — and looming policy disputes — the Koch brothers’ operation has allies in key positions on Trump’s team.

 

By Kenneth P. Vogel and Eliana Johnson

 

11/28/16 05:01 AM EST

http://www.politico.com/story/2016/11/trump-koch-brothers-231863

 

 

Charles Koch once likened the contest between Donald Trump and Hillary Clinton to being asked to choose cancer or a heart attack.

 

Now, Koch’s allies are helping to launch Trump’s administration, giving Charles and his brother David potential inroads with a president whose campaign they refused to support.

 

The president-elect, in filling out his transition team and administration, has drawn heavily from the vast network of donors and advocacy groups built by the billionaire industrialist brothers, who have sought to reshape American politics in their libertarian image.

 

From White House Counsel Don McGahn and transition team advisers Tom Pyle, Darin Selnick and Alan Cobb to Presidential Inaugural Committee member Diane Hendricks and transition-team executive committee members Rebekah Mercer and Anthony Scaramucci, Trump has surrounded himself with people tied to the Kochs.

 

“In creating the Koch network, I don’t think that we ever envisioned that we would be supplying staffers to this semi-free market, semi-populist president,” said Frayda Levin, a donor to the network who chairs the board of its main voter mobilization group, Americans for Prosperity. “But we’re happy that he’s picking people who have that free market background, particularly because on many issues, he is a blank slate, so anybody with expertise is in an amazing position to shape his agenda.”

 

And many more Koch-linked operatives are expected to join Trump’s nascent administration in the coming weeks, according to Trump transition-team sources. Names being considered include Koch Industries lobbyist Brian Henneberry and former company spokesman Matt Lloyd, as well as Daniel Garza, who runs a Koch-backed nonprofit called the LIBRE Initiative that courts Latinos, not to mention a handful of veterans of the Koch network’s advocacy groups who worked on the Trump campaign — from top Pence adviser Marc Short and former Trump campaign manager Corey Lewandowski to ex-campaign aides Stuart Jolly, Eli Miller, Scott Hagerstrom, Charles Munoz and Matt Ciepielowski.

 

Perhaps more surprisingly, despite some predictions of imminent policy clashes, there’s already informal communication between the Trump team and the Koch network, and both camps are signaling a willingness to work together on issues of mutual interest. David Koch even attended Trump’s election night victory party.

 

How long the comity lasts between Trump and the powerful Koch brothers could go far in determining whether Trump is able to take full advantage of the complete Republican control of Washington ushered in by his stunning victory over his Democratic rival, Hillary Clinton.

 

Things weren’t so agreeable during the campaign, when the Koch operation blocked Trump from directly accessing its data or its candidate forums, while the brothers condemned the first-time candidate for his combative tone, his calls for a Muslim immigration ban and his opposition to the sorts of trade policies that facilitate the brothers’ vision of unfettered global capitalism. At one point, Charles Koch compared the choice between Trump and Clinton to choosing between “cancer or heart attack,” and the Koch network did not spend any money directly boosting Trump or attacking Clinton.

 

Trump in turn boasted that the Kochs could not influence him because he didn’t “want their money or anything else from them.” And he blasted his rivals for the GOP nomination as puppets of the Kochs. A possible truce after Trump clinched the nomination broke down quickly, with the two sides clashing over who rejected a proposed meeting.

 

The Koch network, which some believed was discouraging its operatives from working with Trump’s campaign, is now seen by insiders as welcoming the chance to have allies on the inside of Trump’s administration.

 

At the same time, though, the network already is signaling that it intends to oppose aspects of Trump’s agenda that run counter to the brothers’ brand of small government, low-regulation conservatism, possibly including the incoming president’s $1 trillion infrastructure spending plan and his pledge to renegotiate trade deals.

 

Trump’s press office didn’t respond to requests for comment.

 

James Davis, a spokesman for Freedom Partners Chamber of Commerce, the central group in the Koch network, said, “We’ll try to find areas to work together to advance a free and open society and reverse the counterproductive policies that have created a two-tiered society.” He added: “We wish the new administration well.”

 

Setting aside the personal and policy conflicts, Trump’s willingness to draw from the Kochs’ operation makes sense in several ways.

 

Charles and David Koch over the past decade mobilized some of the biggest donors on the right to finance what amounts to a privatized political party — a network of donors and advocacy groups that became a leading employer of conservative operatives and policy professionals independent of the official GOP during a period when Republicans were mostly out of power in Washington.

 

The 1,200-employee network, which claims it will have spent about $750 million in the run-up to the 2016 election, would have been a logical pool from which any incoming Republican administration might have drawn as it endeavored to fill thousands of jobs.

 

But there’s an added appeal for Trump.

 

During the campaign, Trump railed against a Washington GOP establishment — embodied by the family of his vanquished primary foe Jeb Bush — from which the Kochs for years had worked to demonstrate their independence. And, after he won, President-elect Trump announced a sweeping lobbying ban that could be more of a deterrent for many conservative policy professionals than for Koch network staffers, who can work for years within the brothers’ network of think tanks and advocacy groups without directly lobbying federal or state officials.

 

“If you’re not going to pull from the Chamber of Commerce, Bush wing of the party, you don’t have that many places to go, so it makes sense to look to Koch world,” said a GOP operative who advised Trump team’s during the campaign and the transition. “Trump is looking for new blood that wasn’t part of the traditional establishment, and his presidency is already totally rewriting the Republican hierarchy. There were all these people who were locked out who are now getting their chance.”

 

Some former Koch staffers told POLITICO that the allure of joining Trump’s team was compounded by what they saw as the network’s retreat from the 2016 presidential race and its increased emphasis on advocating libertarian-infused policies such as decreasing incarceration and government subsidies.

 

“It’s less a result of Trump recruiting from the network as it is a result of the network retreating from the political field, leaving people looking for places they could go to have an impact,” said a former network staffer who worked on the Trump campaign.

 

In fact, many of the Koch veterans who played major roles in the Trump campaign had left the Koch network weeks or even months before joining forces with Trump, including Short, Lewandowski, Ciepielowski, Cobb, Jolly, Miller and Munoz — none of whom responded to requests for comment for this story.

 

Most notably, Short resigned his role as president of Freedom Partners Chamber of Commerce in late February to join Marco Rubio’s rival presidential campaign, motivated partly by the network’s decision to sit out the presidential race.

 

Short landed in Trump’s orbit when the Republican nominee tapped as his running mate Indiana Gov. Mike Pence. A longtime ally of the Koch network, Pence had previously employed both Short and Lloyd, who later went to work for Koch Industries, the privately owned multinational oil and industrial conglomerate that is the source of the brothers’ fortunes, which are estimated at $43 billion each. Short is now helping Pence run the transition effort and is expected to fill a senior role in the vice president’s office, as is Lloyd, who is working as a deputy chief of staff in Pence’s gubernatorial office in Indiana and could not be reached for comment.

 

Other ex-Koch operatives, including Lewandowski, left the network on less-than-great terms, and jumped at the chance to join up early with Trump as he launched a campaign that few establishment operatives or donors took seriously.

 

Lewandowski had worked for years at Americans for Prosperity, where he drew complaints from co-workers and directed an underperforming voter registration initiative. Still, he brought with him from AFP undeniable organizing experience. Under his leadership, the Trump campaign brought on a number of former AFP operatives, including Ciepielowski, Cobb, Jolly, Miller and Munoz — all of whom are up for posts in Trump’s administration or at the Republican National Committee, according to sources in Trump’s operation.

 

Cobb is currently working for the transition team, which also is getting advice from Selnick and Pyle.

 

Selnick is a senior adviser and consultant to Concerned Veterans for America, a nonprofit group funded by the Koch network that has pushed to allow veterans to access private health care — a goal that Trump embraced on the campaign trail.

 

“The Trump transition team’s collaboration with experts like Darin is a positive sign that the president-elect is prioritizing real VA reform,” said Dan Caldwell, a Concerned Veterans spokesman, referring to the Department of Veterans Affairs. “We are optimistic that President-elect Trump will now turn these ideas into tangible reforms, and we will support him in that effort.”

 

Pyle, who is leading the Trump transition team’s Energy Department landing team, is the president of a fossil fuel advocacy group called the American Energy Alliance, which has received significant Koch network funding. But the group gradually has been cut out of the network, which may have given it leeway to officially endorse Trump over the summer, even as the Koch network was sitting out the race. Pyle declined to comment.

 

Additionally, some of the deepest pockets helping Trump have either contributed significant sums to the Koch network or attended its twice-a-year donor gatherings. They include transition team executive committee members Mercer, a hedge fund heiress, and Scaramucci, a Wall Street impresario; as well as self-made roofing billionaire Hendricks, a member of Trump’s Presidential Inaugural Committee. Family members of Betsy DeVos, whom Trump nominated last week as his secretary of education, have also been contributors to the network.

 

McGahn, who last week was named White House counsel, represented Freedom Partners and its affiliated super PAC — work he continued for a time even after signing on with the Trump campaign. He didn’t respond to a request for comment.

 

Garza, whose LIBRE Initiative is in good standing in the Koch network, told POLITICO that he is engaged in “some initial talks” about a possible role with the Trump team. But he suggested that, even if he joined the team, it wouldn’t mean that the Trump administration would get a free pass from his group. “We’ll encourage and advocate for freedom-oriented, pro-growth policy proposals and call out bad policy prescriptions regardless of party or personality.”

 

The first potential battle between the Kochs and the Trump administration — the one repeatedly mentioned by operatives in and out of the network — is Trump’s centerpiece infrastructure plan, which constitutes the sort of Big Government domestic spending for which the Kochs have long attacked Democratic and Republican politicians alike.

 

“It will be interesting to see whether AFP actually holds the line on something,” said one top Republican operative. “There really could be a Trump-Koch spat in Year One.”

 

Others are interpreting the Koch-Trump détente as evidence that the true allegiance of many Koch staffers was always to the Republican Party, despite the network’s attempts to cast its efforts as independent from the official GOP.

 

“Starting in 2006 when Republicans lost control of Congress and even more so in 2008, when we lost the White House, a lot of people just needed a paycheck to keep up with their mortgage, and the Koch network kept them afloat,” said one former network official. “That’s not the way Charles Koch saw it, but the people who were accepting the checks saw it that way. And now, there’s an opportunity for them to get off the Koch dole and get back in power.”

 

Then there’s the question of whether Trump will even want to collaborate.

 

Several operatives around the Koch network said there’s concern that the Trump administration will have no incentive to work with the network.

 

Even as operatives who have cycled through the network are brought into the fold, the prevailing sentiment in Trump world is studied indifference towards the Koch operation. The president-elect’s team, having won without the aid of the Kochs, feels that he can govern without them too. Unlike the campaign, when it was the Kochs who were in the position of strength, weighing whether to support or oppose Trump’s insurgent candidacy, now it is Trump and his team who are in the driver’s seat.

 

If Koch network officials want to work with the Trump administration, they’re the ones who need to reach out, not vice versa, said one former network official now working with the transition team.

 

“With the network’s lack of involvement, they essentially said that they didn’t care if Hillary Clinton was elected,” said the former official, arguing that the network has more to gain from working with the president-elect than vice versa.

 

Levin, the AFP board chair, conceded, “I’m not really clear how willing the Trump people will be to work with us. The Trump campaign was aware that we did not actively support him.”

 

While she cited “many common supporters and policy goals” between the network and the Trump team, Levin also suggested the network won’t be without recourse if Trump ignores its priorities. “We feel we have strong allies in Congress, so our power will come from maintaining the relationships we built over the years with senators and congressmen.”

 

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Did the Kochs Bring Us President Trump?

12/01/2016 10:25 am ET | Updated Dec 02, 2016

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Pete Tucker Independent DC reporter @PeteTucker

http://www.huffingtonpost.com/entry/how-the-kochs-brought-us-president-trump_us_583df558e4b002d13f7a8771

 

Pundits have plenty of reasons for Republicans’ 2016 electoral success, but none may be as explanatory as a book published in January, before a single ballot was cast.

 

In Dark Money: The Hidden History of the Billionaires Behind the Rise of the Radical Right, Jane Mayer zeroes in on brothers Charles and David Koch and the secret network they’ve created to push their anti-government zealotry. Their decades of work and billions of dollars help explain the rise of the far Right today.

 

“During the 1970s, a handful of the nation’s wealthiest corporate captains felt overtaxed and overregulated and decided to fight back,” writes Mayer. “Disenchanted with the direction of modern America, they launched an ambitious, privately financed war of ideas to radically change the country.”

 

Koch Industries – one of the country’s top polluters – has faced hundreds of millions of dollars in government fines and penalties. Its owners, oil and gas barons Charles and David, would go on to lead this coordinated anti-government war.

 

Into the Shadows

 

Charles and David Koch used to be more open about their anti-government extremism.

 

In 1980, David made his case to the public, running for vice president on the Libertarian Party ticket against Ronald Reagan, who the Kochs felt was too mainstream. The ticket received just one percent of the vote.

 

“The Kochs failed at the ballot box in 1980,” writes Mayer, “but instead of accepting America’s verdict, they set out to change how it voted.”

 

Undaunted by the electoral rebuke, Charles and David pushed on, only now away from the spotlight (“The whale that spouts is the one that gets harpooned,” their father used to say).

 

The brothers began clandestinely partnering with fellow billionaires to secretly fund a vast network of right-wing organizations, dubbed the “Kochtopus” by critics.

 

The Kochs and their allies learned that “if they pooled their vast resources,” writes Mayer, “they could fund an interlocking array of organizations that could work in tandem to influence and ultimately control academic institutions, think tanks, the courts, statehouses, Congress, and, they hoped, the presidency.”

 

Foot Soldiers for the 1%

 

The Koch network has taken decades to perfect. Win or lose, it doesn’t dismantle after elections – if anything it grows. Obama’s presidency in particular spurred billionaires to invest in the Kochtopus.

 

It wasn’t just the ultra-rich who were stirred up after Obama’s 2008 win. Economic insecurity and the election of the first black president resulted in white backlash, which presented an opportunity for the Kochs to develop what they always needed: an army of dedicated foot soldiers willing to fight for their extreme agenda.

 

“What we needed was a sales force,” explained David, who, along with his brother, had been unsuccessfully pitching tea party-themed revolts for many years.

 

With the first hint of the coming Tea Party movement, the Kochs set out “to shape and control and channel the populist uprising into their own policies,” explained economist Bruce Bartlett in Mayer’s book.

 

A generation earlier, Charles and David’s father, Fred Koch, helped put Koch Industries on the map by working on a major oil refinery in Hitler’s Germany. Mayer revealed this, as well Fred’s dealings in Stalin’s Soviet Union, in her book.

 

Citizens United, Republican Gains

 

A year into Obama’s presidency, a second momentous event put even more wind in the Kochs’ sails. The Supreme Court’s 2010 decision in Citizens United lifted restrictions on political spending by outside groups.

 

Now there was little stopping the Koch network, with its seemingly inexhaustible funding. (Ironically, Charles’ and David’s fortunes grew under Obama from $14 billion to $43 billion each.)

 

Since Obama took office, the Koch-backed Republican Party has made inroads at all levels of governments, particularly at the state level, where they’ve gained an eye-popping 900 seats.

 

This makes Republican electoral supremacy more likely for the next decade or more, since legislative districts are drawn by state legislatures, which are now mostly controlled by Republicans.

 

(The Republican advantage comes from politicized redistricting – stuffing large numbers of Democrats into a few districts, making the surrounding districts more likely to go Republican. The 2016 election illustrates the impact of this gerrymandering: The proportion of House seats won by Republicans was greater than their overall vote.)

 

The 2016 election – in which the Koch network pledged nearly $900 million – saw Republicans recapture the White House despite losing the overall vote (which Hillary Clinton now leads by over 2.5 million votes).

 

‘Trump’s Koch Administration’

 

Donald Trump wasn’t the Kochs’ choice for president, but he still benefited from their powerful network. While the Kochs held back on funding efforts specifically for Trump, they spent heavily to get out the vote for Republicans in key swing states. This helped secure Trump’s win.

 

Since then, the Trump team has tapped so many Koch operatives for top positions that Politico dubbed it “Trump’s Koch administration.”

 

High profile selections include Vice President-elect Mike Pence, a Koch favorite.

 

Trump’s choice to head the CIA, Mike Pompeo, is, like the Kochs, from Wichita, Kansas, and is so close with the brothers he earned the nickname the “congressman from Koch.”

 

Billionaire Wilbur Ross, Trump’s pick for Commerce Secretary, is a personal friend of David’s.

 

For Education Secretary, Trump has tapped billionaire Betsy DeVos. The DeVos family, which owns Amway, has partnered with the Kochs for years, focusing on their home state of Michigan. “I have decided... to stop taking offense at the suggestion that we are buying influence,” Betsy DeVos said of her family’s massive political contributions. “Now, I simply concede the point.” (Betsy’s hushand, Dick DeVos, spent $35 million on his unsuccessful 2006 run for Michigan governor. Betsy’s brother, Erik Prince, founded the mercenary group Blackwater.)

 

Helping lead Trump’s transition team is Rebekah Mercer, whose family has given more than $25 million to the Koch network. Mercer also funds the racist Breitbart News and is close with the site’s former editor, Steve Bannon, who headed up Trump’s campaign and will now be his chief strategist in the White House.

 

Leading Trump’s EPA transition team is Myron Ebell who, like both Trump and the Kochs, is a climate change denier. Ebell works at the Competitive Enterprise Network, which receives funding from the Koch network.

 

Plenty of other, lesser-known names from the Koch network have also been tapped by Trump, who pledged to “drain the swamp” in Washington.

 

Whose America?

 

“They didn’t want to merely win elections,” Mayer writes of the Kochs and their partners.

 

They wanted to change how Americans thought. Their ambitions were grandiose – to “save” America as they saw it, at every level, by turning the clock back to the Gilded Age before the advent of the Progressive Era.

 

What the Kochs have achieved in just a few decades is staggering. But it’s worth remembering they had to go underground to pull it off because their extremist views are so unpopular (registering only one percent in the 1980 election).

 

Exposing what the Kochs have done to the country is critical to ensuring it doesn’t continue.

 

In the age of Trump and Koch, there may be no better gift this holiday season than the story told by Jane Mayer in Dark Money.

 

* Correction: The article previously stated that Democrats won more votes than Republicans in the 2016 House races. That’s incorrect. Republicans captured 51 percent of the two-party vote (and 55 percent of House seats), according to The Cook Report’s Dave Wasserman.

 

(記事貼りつけ終わり)

(終わり)









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