古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:シリア

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 2023年10月以来、イスラエルと中東地域は戦争状態が続いている。共和党の支持者の過半数はイスラエルに対する支援を継続することを望んでいる。また、ドナルド・トランプ次期大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は良い関係と言われている。バラク・オバマ、ジョー・バイデン両民主党政権とは関係がうまくいっていなかったネタニヤフ首相は2023年10月以来、積極的に周辺諸国に攻撃を仕掛けている。これは、再選の道を断たれたジョー・バイデン大統領はレイムダック化(無力化)しているうちに、戦線を拡大しておきたいということ、自分と関係が良いドナルド・トランプが次期大統領になることで、支援は継続されて、攻撃を続けることができるという計算をしているということが考えられる。トランプは2024年10月21日にネタニヤフ首相と電話会談を行い、「(イスラエルの自衛のために)やるべきことをやれ」と述べたとされている。ネタニヤフ首相は「お墨付き」をいただいたような気持であっただろう。
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 イスラエルは、ガザ地区のハマスだけではなく、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、更には、これらの組織を支援するイランに対する空爆も行っている。それだけではなく、シリアのバシャール・アサド政権崩壊を受けて、シリア国内の民兵組織にも攻撃を加え、係争地ゴラン高原の緩衝地帯に侵攻し、ゴラン高原の確保を強化している。ネタニヤフ首相は自衛のための行為としているが、中東地域を不安定にさせる危険な動きである。イスラエルと中東のイスラム教国の対立という「中東戦争」になって困るのはトランプだ。

 いくらトランプがイスラエルを支援していると言っても、イランとの戦争状態は望まないだろう。イスラエルとイランが戦争状態になり、核戦争の危機も高まるとなれば、アメリカがこの戦争に引っ張り出される、巻き込まれるということは考えられる。アメリカ軍が派遣され、アメリカ軍に死傷者が出るとなると、トランプ政権にとって大きな打撃である。そこまで事態が悪化しないように、トランプとしては状況をコントロールしたいところだろう。ネタニヤフ首相は自身と家族のスキャンダルを抱えており、首相の座から離れてしまえば逮捕される可能性がある。戦争状態、緊張状態が続くことは彼自身にとっては利益であるが、これはイスラエルと中東地域、世界にとっては好ましい状況ではない。

 ネタニヤフ首相が辞退を悪化させる場合、トランプは態度を変えて、ネタニヤフ首相を支持せず、政敵のベニー・ガンツ元国防相を応援するということも考えられる。トランプ自身の動きは「予測不可能」であり、いつ「You are fired!(お前はクビだ!)」と言われるかは分からないのだ。

(貼り付けはじめ)

トランプとネタニヤフは歩調を合わせないだろう(Trump and Netanyahu Won’t Get Along

-誰もがトランプとイスラエル首相の親密さを過大評価している。

スティーヴン・A・クック筆

2024年11月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/11/01/trump-and-netanyahu-wont-get-along/

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ドナルド・トランプ前米大統領とベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相(2020年1月27日、ワシントンDC)。

『タイムズ・オブ・イスラエル』紙は最近、イスラエル人の3分の2がカマラ・ハリス米副大統領よりもドナルド・トランプ前米大統領を好むと報じた。彼らはトランプがバイデン・ハリス政権よりもイランに対してより厳しく、イスラエルの戦争努力を支持すると明白に信じているが、トランプもハリスもイランとの直接対決を望んでいないという事実を考えると奇妙なことである。

また、トランプとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が互いに歩調を合わせているという考えが広まっていることも奇妙だ。

私が書評したジャレッド・クシュナーの回顧録の内容を信じるならば、ネタニヤフ首相とトランプ大統領との間には信頼関係が欠如していた。ネタニヤフ首相が1996年に首相として初めてワシントンDCを訪れた際、ビル・クリントン大統領は会談後にスタッフにこう尋ねたと伝えられている。「ここにいる中で誰が超大国だ?」 バラク・オバマ大統領は明らかに、ネタニヤフと同じ部屋にいることに耐えられなかった。そしてトランプは、在任中に行われた一連のイスラエル選挙でベニー・ガンツを応援した。

トランプは明らかに、ハマスとの戦争を、選挙に勝った場合に最初に対処しなければならない問題にはしたくないようだ。だからこそ、トランプは最近になって、ネタニヤフ首相に対して、就任式の日までにガザ地区については決着をつけたほうがいいと述べた。これは以前から何度も言っていることで、イェルサレムの懸念をかき立てている。トランプのタイムラインは、ハマスに多くのダメージを与えたが、今後も続けるつもりのイスラエルのタイムラインとは必ずしも一致しないからだ。もしネタニヤフ首相が大規模な軍事作戦を終了させ、勝利宣言をすれば、国内の右派の同盟者たちとはうまくいかないだろう。

結論: 選挙結果がどちらに転んでも、アメリカ・イスラエル関係に緊張が走る可能性は高い。

※スティーヴン・A・クック:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。外交評議会エニ・エンリコ・マッテイ記念中東・アフリカ研究上級研究員。最新作に『野望の終焉:中東におけるアメリカの過去、現在、将来』は2024年6月に刊行予定。ツイッターアカウント:@stevenacook

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 2024年も世界各地で戦争が続いた。ウクライナ戦争は2年以上も経過し、3年目に入ろうとしている。2023年に始まったイスラエルとガザ地区を実効支配するハマスとの戦闘は続いており、加えて、レバノンのヒズボラやイランとの紛争も継続中だ。シリアにおいては10年以上継続した内戦が新たな段階を迎え、50年以上続いたアサド家による独裁体制は終焉したが、シリアの状況は予断を許さない。これらが示しているのは、アメリカの国力が低下し、アメリカが世界の警察官であることを止めたことで、アメリカの力による問題解決ができなくなり、各国は「自力救済」を志向する傾向が出てきたということだ。シリアに関して言えば、イスラエルが一番の受益者ということになる。イスラエルは恐らく、反体制派へ武器と情報の支援を実施し、電光石火のアサド政権崩壊を導いたのだろう。

スティーヴン・M・ウォルトによると、世界政治においては、2つの相反する傾向が存在する。これらの傾向が互いに影響し合うことで、多くの国々が判断を失敗する原因となっている。第一の傾向は、現代兵器の射程、精度、致死性の増大である。過去には、敵に損害を与えるために軍隊を破る必要があったが、今日では強力な国家が数百マイル離れた目標を爆破する能力を持っている。核兵器やミサイルがその代表であり、無人機の使用による遠隔攻撃も増えている。アメリカやロシア、イスラエルはこうした高い能力を保有している。

第二の傾向は、地域のアイデンティティや国家意識の強化である。過去500年の歴史の中で、共通の文化や言語に基づく集団が自らの統治を求めてきた。国家意識が高まると、人々はそのために大きな犠牲を払うことを厭わなくなる。第一の傾向の武器の強靭化をもってしても、人々の意志を挫くことは困難だ。

これら2つの傾向は相反するもので、強力な国家が遠方で破壊的な手段を持つ一方で、地域のアイデンティティが強化されることで、敵対する国民の結束が高まる可能性がある。空爆は民間人の士気を打ち砕くどころか、逆に団結感を育むことが歴史的に示されている。高い攻撃能力を持っていても、それが政治的影響力や戦略的勝利をもたらすことは少ないとウォルトは分析している。私たちが既に見ているように、ウクライナやパレスティナの人々は屈服していない。

単に爆弾を投下することは、根本的な政治的問題の解決にはならないことは明らかだ。特に、イスラエルによるガザ地区への攻撃は、その破壊力が何らかの解決に結びつくとは考えられない。問題を解決するためには、根本的な政治的原因への対処と国民の統治意識を認めることが必要であり、単なる破壊的な力だけでは目的を達成できないことを理解する必要がある。

 アメリカは世界最強の軍事力を誇り、それを背景として、価値観外交を展開し、敵対する国々の体制転換(regime change)を行ってきたが、失敗の連続という結果に終わった。軍隊では問題の根本解決はできないということを考え、アメリカは、軍隊の役割を限定するということが必要になってくる。その根本的な原理となるのが「アイソレイショニズム」であり、「アメリカ・ファースト」だ。

(貼り付けはじめ)

世界の二大潮流は対立している(The Two Biggest Global Trends Are at War

-世界の指導者たちは新たな世界秩序の矛盾を乗り越える術を学ばなければならない。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2024年8月6日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/08/06/trends-war-drones-identity-gaza-ukraine-houthis/

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ウクライナのキエフ地方でテスト飛行中のポーランドの偵察用ドローン「フライアイWBエレクトロニクスSA」を打ち上げる軍関係者(2022年8月2日)

ドナルド・トランプやカマラ・ハリスなど、世界のリーダーを目指す人たちが外交政策について私に助言を求めてきたら、喜んで話をしたいことはたくさんある。気候変動、中国との付き合い方、保護主義が愚かな理由、ガザ地区をどうするか、規範の役割、脅威の均衡理論(balance of threat theory)が本当に意味するもの、その他多くのトピックがある。しかし、私はまず、世界政治における2つの相反する傾向に注意を喚起することから始めるだろう。この2つの潮流は、重要な点で互いに対立しており、この2つの潮流がどのように影響し合っているかを理解しなかったために、多くの国々が道を踏み外すことになった。

第一の傾向は、現代兵器の射程、精度、致死性の増大だ。1世紀ほど前、空軍力は初期段階にあり、ロケット弾や大砲は精度が低く、射程も限られていた。敵に多大な損害を与えるには、敵の軍隊を破り、包囲軍で都市を包囲する必要があった。しかし今日、強大な国家は、たとえ目標が数千マイルではなく、数百マイル離れたところにあるとしても、物事を爆破することに非常に熟練している。核兵器と大陸間ミサイルはこの傾向のモデルだが、ありがたいことに、これらの兵器は1945年以来抑止目的のみに使用されてきた。しかし、長距離航空機、弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人機、および精密誘導技術の着実な進歩により、現在では、戦闘員が数百マイル離れた目標を破壊することが可能になっている。一部の非国家主体(イエメンのフーシ派など)さえもこの行為に参加している。

制空権(command of the air)によって、強力な国家は、敵対する軍隊や無力な市民に甚大な損害を与えることができるようになった。アメリカが第一次湾岸戦争の初期に行ったこと、ロシアがウクライナで行っていること、イスラエルが現在ガザ地区で行っていることは、破壊的パワーを投射する能力(ability to project destructive power)が時代とともに飛躍的に高まっていることを示している。このリストに、いわゆる識別特性爆撃(シグネチャーストライク、signature strikes)でテロリストと疑われる人物を殺害したり、イランの精鋭部隊コッズ部隊(Quds Force)のトップであるカセム・スレイマニのような外国高官を暗殺したりするための無人機の使用を加えることができるだろう。先週レバノンでヒズボラの高官フアド・シュクルを殺害したイスラエルの攻撃は、最新の例にすぎない。世界最強の国家にとって、遠隔地で殺傷力を行使する能力はかつてないほど高まっている。また、洗練されたサイバー兵器によって、たとえ標的が地球の反対側にあったとしても、マウスをクリックするだけで相手の重要インフラを攻撃できるようになるかもしれない。つまり、一部の国家にとっては、破壊する能力がグローバルな範囲に広がっている。

二つ目の傾向はまったく異なる。それは、地域のアイデンティティと忠誠心、特に国家としての意識の政治的顕著性(political salience)と粘り強さ(tenacity)の深化だ。以前にも述べたように、「人間は共通の言語、文化、民族性、自己認識に基づいて異なる部族を形成しており、そのような集団は自らを統治できるべきであるという考えが、過去500年の歴史を形作ってきた。多くの人がまだ十分に理解していない形で何年も経っている」。国家意識の広範な出現と、そのような集団が他者に支配されるべきではないという信念が、多国籍のハプスブルク帝国とオスマン帝国がそれぞれ1918年と1922年以降存続できなかった主な理由の1つだ。イギリス、フランス、ポルトガル、ベルギーの植民地がなぜ独立したのか。そして、なぜソ連とワルシャワ条約機構も最終的に解体してしまったのかなどの理由になる。

国家としてのアイデンティティに対する強力な意識が国民の中に根付くと、国家へのより大きな一体感と忠誠心を築くために政府がしばしば奨励するプロセスであるが、国民はますます「想像上の共同体(imagined community)」のために多大な犠牲を払うことを厭わないようになるだろう。北ベトナム人は独立を獲得し国家を統一するために、日本、フランス、アメリカと50年間戦った。アフガニスタンのムジャヒディーンは最終的にソ連に自国からの軍隊撤退を強制し、タリバンの後継者たちはアメリカに同じことをするよう説得した。今日、数と武器で劣るウクライナ人がロシアの侵略に抵抗し続けている一方、パレスティナ人の抵抗とアイデンティティを破壊しようとするイスラエルの努力は、彼らを更に強くするだけのように思われる。

その結果、ある種の矛盾が生じる。強力で技術的に進んでいる先進諸国は、遠距離から他国に損害を与える効果的な手段をますます手に入れているが、この破壊的な能力は永続的な政治的影響力をもたらしたり、意味のある戦略的勝利をもたらしたりすることはない。アメリカは1992年から2010年までイラク上空を制圧し、望むときはいつでも航空機、ミサイル、無人機をイラクの敵国に向けて投入することができた。しかし、その技術的に優れた能力は、アメリカ軍が反政府勢力を排除したり、親イラン民兵組織の影響力を弱めたり、国家の政治的発展を決定したりすることを可能にするものではなかった。

これら2つの傾向、つまり遠く離れた場所で物事を爆発させる能力がますます増大していることと、地元のアイデンティティの頑固な力が相反する理由の1つは、遠隔地攻撃能力を使用すると地元のアイデンティティが強化される傾向があるからだ。初期の空軍力理論家たちは、空爆は民間人の士気を打ち砕き、敵対者を迅速に降伏させるだろうと予測していたが、経験上、民間人に爆弾を投下する方が強力な団結感(sense of unity)と抵抗の精神(spirit of resistance)を育む可能性が高いことを示している。無防備な人々に死と破壊を与えることは、実際、犠牲者の間に共通のアイデンティティの感覚を築くための理想的なるつぼだ。爆弾やミサイルでウクライナのインフラを破壊することには、ある程度の軍事的価値があるかもしれないが、ロシアのウラジーミル・プーティン大統領は、ウクライナ国民にロシアとの「歴史的団結(historical unity)」を説得するために、これ以上悪い方法を選択することはできなかったはずだ。戦争が最終的にどのように終結しても、彼はウクライナとロシアの間に数十年続く可能性が高い亀裂を生み出した。

なぜ私は、志ある国家指導者たちにこれら2つの傾向について伝えたいのだろうか? なぜなら、強国の指導者たちは、物事を爆破する「衝撃と畏怖(shock and awe)」の能力があれば、弱い国民を従わせることができると考える傾向があるからだ。弱い敵に爆弾を投下したり、ミサイルやドローンを発射したりすることで、自国民へのリスクを最小限に抑えることができるため、これは魅惑的な考えだ。歴史家のサミュエル・モインが主張しているように、指導者は、精度と正確さによって悪者を排除し、民間人を救うことができると自分自身に納得させることさえでき、それによって致死的な武力の使用が良性で承認されやすくなる可能性さえある。もしあなたが何らかの厄介な外交政策問題を抱えている強国であり、自国民に大きなリスクを与えることなくその問題に空軍力を投じることができるのであれば、「何かをする」ことはより魅力的なものとなる。

残念ながら、物事を爆破したり(場合によっては多くの無実の人々を殺害したりすることも)、そもそも紛争を引き起こした根本的な政治的問題には対処できない。過去10カ月にわたってイスラエルがガザ地区に加えた大規模な虐殺を見て欲しい。イスラエルが示した破壊力に疑問を呈する人は誰もいない。今日のガザ地区のヴィデオ映像を見るだけで分かる。しかし、これによってガザ地区やヨルダン川西岸、その他の場所にいる何百万ものパレスティナ人が自身の統治への欲求を放棄することになると本気で信じている人がいるだろうか? もちろん、同じことは逆にも当てはまる。ヒズボラは20年前よりもイスラエルを攻撃する能力が高まっているが、その破壊能力によって条件を決定したり、イスラエルとの紛争を引き起こしている、より深い政治問題を解決したりすることはできない。そして、イスラエルとより広範な地域戦争の危険に晒されている。

私は、現代の航空戦力に価値がないとか、国家が絨毯爆撃(carpet-bombing)やより粗雑な長距離攻撃(cruder forms of long-range attack)に頼らざるを得なくなった方が世界が良くなるなどと言っているのではない。有能な地上軍と組み合わされれば、航空戦力は十分に選択された政治目的を推進する上で極めて効果的である。例えば、アメリカの航空戦力は、イスラム国を、短期間続いたカリフ国から追い出すのに重要な役割を果たしたが、それはイラクとイランの地上軍がその地域を奪還し、平和にするために存在していたからである。

軍事理論家カール・フォン・クラウゼヴィッツは正しかった。戦争は政治の継続であり、破壊力だけで政治的目的を達成できることはほとんどない。成功するかどうかは、何よりもまず現実的な目的を選択するかどうかにかかっているが、それと同時に、根本的な政治的原因に対処し、各国が自国を統治しようとする意欲を認めるかどうかにもかかっている。勝利への道を空爆で切り開こうと考えるような人間に国家を運営する資格はない。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。「X」アカウント:@stephenwalt

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。
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 2011年以来、内戦が続き、多くの難民が出ているシリアで、反体制派が攻勢を強め、シリア政府軍を各所で撃破し、首都ダマスカスまで到達し、バシャール・アサド政権が崩壊した。アサド大統領と家族はモスクワに飛行機で非難し、ロシアは「人道上の理由で」亡命(asylumexile)を受け入れた。1971年に父ハーフィズ・アル=アサドが打ち立てた独裁体制は半世紀で幕を閉じることになった。

 今回の反体制派の電光石火の攻勢とアサド政権の崩壊は、専門家たちの予想を超えていたようだ。シリアには、アメリカ、ロシア、トルコ、イランといった諸外国が介入し、国内の反体制派もいくつかのグループに分かれ、更に、イスラム国も入り込んで、複雑な様相を呈していた。その後、状況は落ち着いて、分断がそのまま凍結されるような形で、一種の静穏状態になっていたが、今回、HTS(ハヤト・タリハール・アル=シャーム)という反体制派のグループが攻勢を強め、それが成功したようだ。シリアには、クルド系のシリア民主軍やシリア国民軍など、いくつかの反体制グループがある。アサド政権が崩壊したことで、これからは新体制、新政権に動くことになるが、これが厄介である。

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 新体制、新政権構築のための会議に、誰がどのような資格で参加するか、誰を参加させないかを決めるところから始まるが、イスラム国の残党が参加したいと主張してきた場合にはどうするのか、現在のシリア政府の幹部だった人々で自前のグループを構築している人たちは参加できるのかということもある。憲法をどのように定めるか、誰が大統領職を継承するのか、そもそも、大統領制をそのまま続けるのかということが問題になる。そして、新体制、新政権のための会議を誰が主導するのか、主催するのかという問題もある。これは、中立的な仲介人を務めることができる外国、もしくは国連が出なければならないということも考えられる。アサド政権とイスラム国を共通の敵として戦ってきた、各反体制グループが協力できるのかということが問題になる。HTSは西側ではテロリスト認定を受けており、HTS主導の新体制では、西側との関係から経済制裁などの対象となる可能性もある。

 中東地域の各国はこのような突然の事態の急変や困難な状況の発生を憂慮して、アサド政権の延命を支持してきたようだ。そして、シリア政府支援は、ロシアやイランが担ってきた。しかし、ロシアもイランもそれぞれウクライナ戦争とイスラエルとの対立を抱えて、シリア支援まで行えないということになったようだ。アメリカのトランプ次期大統領は、「これは私たちの戦争ではない」として、関与しない方針だ。ジョー・バイデン政権が残り1カ月で何かできるということもない。これからは、シリアにおいて、ポスト・アサド政権の勢力争いが激化する可能性がある。中東地域の不安定要因が増えることになる。戦時内閣で、戦争の段階を引き上げてきたイスラエルの思い通りの展開になっているようだ。今回のHTSの間隙を突いての急襲のお膳立てをしたのはイスラエルだろう。中東での戦争はエネルギー価格にも影響を与えるため、世界は厳しい状況で2025年を迎えることになりそうだ。

(貼り付けはじめ)

世界はシリアをどのように誤解したか(How the World Got Syria Wrong

-国際社会はアサド政権の強さを誤って判断しており、対外的な政治プロセスへの執着は国内の出来事に取って代わられつつある。

チャールズ・リスター筆

2024年12月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/12/08/syria-assad-regime-collapse-geneva-astana-un-wrong/?tpcc=recirc_trending062921

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占領された中西部の都市ハマの通りでトラックが倒れたシリア前大統領故ハーフィズ・アル=アサドの像の頭を引っ張る(12月6日)

12月8日、バシャール・アル=アサド大統領はシリアから逃亡し、54年近い家族による統治に終止符を打ち、国内外の何百万人ものシリア人に幸福感と安堵感をもたらした。11月27日にアレッポ西方で始まった反政府勢力の武装攻撃は、12日間にわたり、政権の前線が劇的に次々と崩壊するきっかけとなった。反政府勢力が南下し始めると、全国のシリア人が蜂起し始めた。12月7日の夜までに、アサド大統領の敗北は決定的となった。

アサド政権の急速な崩壊に誰もが驚いた。国際社会は何年もの間、シリア人の変化要求が実現する可能性を全て無視し、その代わりに「紛争の凍結(frozen conflict)」という概念を採用し、徐々に注目と資源をシリア政策から遠ざけてきた。2023年、アラブ世界のほとんどの人々がアサドを再び受け入れ、その褒賞としてアサドにアラブ連盟への復帰の座を与え、彼とその政権に地域全域での注目を集める公的訪問を許可した。

実際のところ、国際社会は近年シリア情勢について誤った判断を行ってきた。地図に引かれた線と外交の停滞により、アサド大統領がここに留まり、統治を強化しているとの思い込みが生じたが、実際には政権は内部から崩壊し、分裂しつつあった。多くの意味で、アサド政権が2020年初頭以来深刻な軍事的挑戦に直面していないという事実が、腐敗が根付く状況を作り出した。

過去2週間にわたる出来事により、シリアに対する国際的なアプローチ全体がひっくり返った。現在、適応と再評価の迅速なプロセスが進行中だ。今週末、カタールのドーハで急遽開催された一連のハイレヴェル会合では、アラブ各国政府が新たな現実に適応するのに苦労している。

12月7日遅くにシリア人がダマスカス郊外を掌握し、アサド大統領が逃亡の準備をしている中、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、イラク、カタールの外相は停戦と政治交渉を呼び掛けた。1週間前には意味があったのに、数時間以内には意味がないと思われた。その後の現場での会議では、アラブ諸国が現場の出来事に単に当惑し、先を越されていることが明らかだった。

一方、国連とシリア担当特使ゲイル・ペダーセンは急遽行動を開始し、いわゆるアスタナ・グループ[Astana group](ロシア、イラン、トルコ)、アラブ諸国、アメリカ、ヨーロッパと集中的に関与して、チャートを作成した。国連安全保障理事会決議2254号 を中心に前進する道筋を進めようとした。

2015年12月に定められたその義務は、最終的には自由で公正な選挙につながる移行期間を求めている。ジュネーブでのシリア和平交渉再開の計画は既に始まっているが、アサド政権の代表者は参加せず、また、有意義な進展を阻止するためだけに出席していた。それにもかかわらず、迅速な行動喚起にもかかわらず、国連がどのような形式をジュネーブに持ち込むつもりなのか、誰が、何人のシリア人が参加するのか、正確には不明のままだ。

政治プロセスをめぐる審議が続いている一方で、現場では事態が急速に進展している。12月8日早朝、迅速かつ非暴力的な政権移行を実施するという計画のさなか、シリア南部の武装戦闘員がシリアのモハメッド・ガーズィ・アル=ジャラリ首相をダマスカスのフォーシーズンズホテルまで護送した。

その日遅く、最初の攻撃を開始した最も強力な武装集団であるハヤト・タハリール・アル=シャーム(Hayat Tahrir al-ShamHTS)の指導者アブ・モハメド・アル・ジョラニがダマスカスに到着し、シリアの有名なウマイヤ・モスクに向かい勝利を宣言した。アサド政権の沿岸部の中心地であるタルトゥースとラタキアでは、地元住民がアサド家の銅像を倒すために街頭に出て、反政府派戦闘員が軍事基地を占拠した。

HTSとその広範な軍事作戦連合に関係する4人の情報提供者によると、シリアの政治移行は既に進行しており、内部で管理されているという。彼らの見解は、海外で設計され決定される国連主導のプロセスは不必要であり、それを拒否するというものだ。ダマスカスに到着した彼らの1人は私に次のように述べた。「私たちは国際社会の支援を歓迎するが、私たちが既に実施しているプロセスを彼らに製造してもらう必要はない。別の人物は「私たちは過去の罠に足を踏み入れることを拒否する」と述べた。

内部と外部の関係者の異なるヴィジョンは重大な問題の存在を示している、同時に驚くべき速さの発展がいかに起こっているかを単純に反映している。

今のところ、国際社会にとっての優先事項は、武装グループと民間人を問わず、できるだけ多くの関係者とのコミュニケイション構築を行う必要がある。シリア全土の多くの町や都市は現在、長年存続してきた地方議会、宗教団体、国家機関によって運営されている。

ダマスカスで進行中と思われる移行期やジュネーブでの国連の協議計画にそれらがどのように適合するかは誰にも分からない。シリアの将来を決定するための国際主導の別のプロセスを考案する前に、地域当局者や国連当局者は、既にシリアを形成している現地勢力の声に耳を傾け、コミュニケイションをとることが賢明だろう。

※チャールズ・リスター:中東研究所シリア・プログラム、対テロリズム・過激主義研究プログラム上級研究員、ディレクター。「X」アカウント:@Charles_Lister

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アサドが倒れた。シリアと中東で次に何が起きるだろうか?(Assad Has Fallen. What’s Next for Syria and the Middle East?

-シリアの大統領は逃亡し、国の将来について計り知れない不安を残している。

エイミー・マキノン、ジョン・ホルティワンガー筆

2024年12月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/12/08/assad-flees-syria-damascus-fallen-rebels-capture-future/

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ダマスカスのウマイヤド広場でシリア反体制派の旗を振って喜ぶ女性(12月8日)

シリアのバシャール・アル=アサド大統領は現地時間の日曜日未明、反体制派連合による電光石火の進撃により、アサド一族による50年にわたる残忍な支配に突然の終止符を打ち、国外に逃亡した。このニューズは、ダマスカスの街角で歓喜を巻き起こしたが、同時に、深く問題を抱えたシリアの将来に対する計り知れない不安も呼び起こした。

イスラム主義勢力ハヤト・タハリール・アル=シャーム(Hayat Tahrir al-ShamHTS)が主導したこの驚くべき攻勢は、長年の戦闘で戦意喪失し混乱したシリア政府軍が急速な後退を見せる中、武装反体制派が2週間足らずでアレッポ、ハマ、ホムスの主要都市を制圧した。一方、アサドの最も強力な同盟諸国もまた、迅速な進撃に不意を突かれたようだ。ロシアはウクライナで泥沼にはまり、イランの代理勢力はイスラエルとの衝突で著しく弱体化した。

アサド政権の予期せぬ崩壊により、外交官たちは事態の把握に追われるとともに、武装グループ、イスラム過激派、外国勢力が影響力をめぐって長い間争ってきた、この国での突然の権力の空白がもたらす潜在的な影響を理解しようと躍起になっている。

国連シリア担当特使のゲイル・ペダーセンは日曜日、ダマスカスからは「矛盾したメッセージ(contradictory messages)」が出ていると述べたが、「流血を避ける(avoid bloodshed)」必要性を強調し、対話(dialogue)と暫定統治機構(transitional governing structure)の準備を呼びかけた。

国際社会にとって当面の優先事項は、化学兵器が武装勢力の手に渡るのを防ぐためにシリアでの化学兵器の備蓄を確保することだろう。

トルコのハカン・フィダン外相は日曜日の記者会見で、「可能性のある化学兵器の在庫や関連物資は全て確保しなければならない」と述べた。

イスラエル空軍は、シリアの化学兵器工場が反政府武装勢力の手に渡るのを防ぐために攻撃したと『イェルサレム・ポスト』紙は日曜日に報じた。

トルコは、HTSが主導する攻撃を許可したと広く信じられているが、公式には関与を否定しており、アサドがアンカラとの協力を拒否していることに不満を抱いている。勝利した反体制勢力の中でトルコ政府の主要な代理人は、HTSと複雑な関係を持つ民兵の連合体であるシリア国民軍(Syrian National Army)であり、アンカラは今後シリアで大きな影響力を行使する姿勢だ。

「シリアの新政権は秩序ある方法で樹立されなければならない。包括性の原則(principle of inclusiveness)は決して妥協してはならない。復讐を望むようなことがあってはならない」とフィダン外相は語り、トルコ政府はアサドとは接触していないと付け加えた。

今後数週間から数ヶ月の間に繰り広げられるであろう複雑な力学の1つを予感させる発言として、フィダン外相はクルド人主導のシリア民主軍(Syrian Democratic ForcesSDF)がトルコの将来に入り込む余地はないと述べた。トルコは、アメリカの支援を受け、シリア北東部の国土の約3分の1を支配するこのグループを、宿敵であるクルド労働者党(Kurdistan Workers’ PartyPKK)の延長と考えている。シリアのクルド人については、この国全体がそうであるように、前途は予断を許さない。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は土曜日にカタールで開催されたドーハ・フォーラムで演説し、モスクワはシリアで「テロリスト(terrorists)」が優勢になることがないよう、あらゆる手段を講じていると述べた。HTSは国連とアメリカによってテロリスト集団に指定されているが、指導者たちは近年、より穏健な姿勢を示そうとしている。

ラヴロフ外相は土曜日、首脳会談の傍らでイランとトルコの首脳たちと会談し、シリア情勢について話し合った。3カ国の当局者らはいずれも近年シリア情勢の形成に努めており、夕方にはアラブ5カ国の外相と再び会談し、シェラトンホテルの会議室で夜遅くまで集まり、会議を行った。

会談後に発表された共同声明の中で、外相たちは軍事作戦の停止と、2015年に採択され停戦と政治的解決を求めた国連安全保障理事会決議2254号に基づく危機の政治的解決を求めた。

日曜日の朝、アサド大統領の姿は既になく、後にロシア外務省の声明で出国が確認された。ロシアのインタファクス通信は、匿名のクレムリンの情報源の話として、アサドとその家族はモスクワに到着し、「人道的理由から(on humanitarian grounds)」ロシアへの亡命を認められたと報じた。

ワシントンに本部を置く中東研究所でシリア・プログラムのディレクターを務めるチャールズ・リスターは、「一方では、過去最悪の戦争犯罪人の1人が逃亡したことは驚くべきことだ。しかし、率直に言って、今のところ誰も展望を見いだせないような事態を招いた」と述べた。アサドは戦争犯罪で有罪判決を受けた訳ではないが、人権団体や多くの外国政府によって集められた広範な証拠が、アサド政権による広範な虐待を記録している。

もう1つの当面の懸念は、かつてシリアとイラクの広範囲に血なまぐさい支配を及ぼしたイスラム国が、この状況を利用しようとする可能性だとリスターは述べている。また、今後の交渉にHTSを含めるかどうかという問題もある。

土曜日、国連特使のペダーセンは、ジュネーブで緊急の協議を呼びかけたが、協議の中で誰が国や各派閥の代表となるかはまだ不明だ。

ペダーセンは日曜日、「HTSがリストアップされたグループであるという事実は、困難を生じさせている」と述べ、HTSのテロリスト指定を解除するための国連内のプロセスは、彼の責任を超えていると指摘した。

ペダーセンは、「私たちは、既に述べているように、可能な限り包括的なプロセスを確保できるよう努力を続けていく。しかし、正直に言うと、これは進行中の作業だ」と付け加え、現場の現実(realities on the ground)は「常に変化している(changing all the time)」と述べた。

シリア内戦は、影響力を競い合い、自国の利益を増進しようとして、紛争に参加している各種の勢力を支援する多くの他国が関与してきたことを特徴としている。

「私たちはまた、多くの外部アクターがシリアのコミュニティ内で自分たちの支持する政党や代理人を選び直す段階にあり、それは危険な点でもある」とリスターは言う。

2015年にロシアが反政府勢力の支配地域に懲罰的な空爆という形で紛争に介入したことは、アサドの権力掌握を強化する上で極めて重要であることを証明した。一方、イランの最も強力な代理人であるヒズボラはシリア政府軍とともに戦った。

不吉な前兆を感じて、イランは金曜日、シリアから軍司令官と要員の撤退を開始し、長年の同盟者であるアサドを彼自身の運命に委ねた。

英チャタムハウスの中東・北アフリカプログラム・ディレクターであるサナム・ヴァキルは、「イランは損切りをする選択をした。イランは空気を読んだ。反政府側に大きな勢いがあり、政府軍に戦う準備ができていないことを認識したのだ」と述べている。

アメリカは2014年にイスラム国に対する空爆で紛争に介入し、シリア民主軍を支援するために、シリア北東部に約900人の小規模部隊を駐留させた。

アサド政権の崩壊は、ドナルド・トランプが1月にホワイトハウスに戻ることになった時同時に起きた。トランプは最初の任期中、シリアからアメリカ軍を撤退させようとしたが、イランとロシアがその穴を埋めようとするだろうと警告した補佐官たちによって、その動きに反対するよう説得された。トランプはまた、アサドに対する攻撃を何度も命じた。

土曜日、トランプはシリアを「混乱(mess)」と表現し、アメリカの「友人」ではないと述べた。「アメリカはシリアと無関係であるべきだ。これは私たちの戦いではない(THE UNITED STATES SHOULD HAVE NOTHING TO DO WITH IT. THIS IS NOT OUR FIGHT)」とXへの投稿に書いた。

シリア政府の崩壊は、2023年10月7日にハマス主導でイスラエルが攻撃され、中東を根底から覆す連鎖が起きてからほぼ14カ月後のことだった。イランのいわゆる「抵抗の枢軸(Axis of Resistance)」は、イスラエルによるガザ地区とレバノンでの作戦で大きなダメージを受け、イスラエルによるイランへの直接攻撃は、イランのミサイル生産を狂わせ、多くの防空システムを破壊したと伝えられている。トランプが再び大統領に就任し、彼の支援者たちがイランへの最大限の圧力キャンペーンの再開を約束している今、テヘランは「深刻な弱点(profound weakness)」を抱えているとヴァキルは分析している。

ジョー・バイデン政権のイスラエルとヒズボラとの和平交渉の指南役(point person)であるアモス・ホフスタインは、土曜日のドーハ・フォーラムでのイヴェントで、シリアの将来が依然不透明である一方で、この状況は隣国レバノンにも「大きな影響(massive implications)」を与えると語った。

シリアは、レバノンを拠点とするヒズボラへのイランの武器輸送の主要な陸路(main land route)である。

ホフスタインは、「シリアで起きたことは、もちろん停戦開始の翌日に起きたことだが、ヒズボラにとって新たな弱点になっていると思う」と述べている。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は日曜日、アサド政権の見事な政治的終焉を祝い、その業績を主張した。イスラエルとヒズボラの対立は、テヘランが支援する過激派組織を大きく衰退させた。戦闘の結果、ヒズボラの長年の指導者であるハッサン・ナスララが死亡し、ヒズボラの軍事力は大きく後退した。イスラエルとヒズボラは、最近の停戦合意にもかかわらず、戦闘を続けている。

歴代のイスラエル首相の顧問を務めたシャローム・リプナーは、イスラエルはアサド政権の崩壊を慎重に楽観視しているようだが、アサド政権が残した権力の空白を埋めるための競争を注意深く監視しているだろうと述べた。リプナーは「この事態が収まれば、誰が後を引き継ぐのか、様々な懸念があるのは明らかだ。これはイスラエルだけの問題ではなく、国際的な問題なのだ」と述べた。

エイミー・マキノンはカタールのドーハから、ジョン・ホルティワンガーはニューヨークから報告した。

※2024年12月8日更新。この記事はアサドの居場所についての最新のニューズを更新していく。

※エイミー・マキノン:『フォーリン・ポリシー』誌国家安全保障・情報諜報担当特派員。「X」アカウント:@ak_mack

※ジョン・ホルティワンガー:『フォーリン・ポリシー』スタッフレポーター。「X」アカウント:@jchaltiwanger

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アサド政権はなぜこれほど急速に崩壊しているのか?(Why Assad’s Regime Is Collapsing So Quickly

-誰も見ていない間にシリア政権はますます空洞化(hollowing out)していた。

チャールズ・リスター筆

2024年12月5日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/12/05/syria-assad-regime-collapsing-quickly/?tpcc=recirc_trending062921

syriancivilwar20120721001
トルコとシリア間のバブ・アル=ハワ国境ゲートのシリアのバシャール・アル=アサド大統領の引き裂かれた写真(2012年7月21日)

過去1週間にわたり、バシャール・アル=アサド政権の将来が真っ向から疑問視されている。

武装反体制派連合はシリア北部で攻勢を開始し、約250の都市、町、村を制圧し、支配下の領土を2倍以上に拡大した。シリア政権の前線が次々と崩壊し、シリア第二の都市アレッポは24時間で占領された。 5年近くにわたって国中の領土支配線が凍結された後としては、これらは劇的な、状況を一変させる発展ということになる。

しかし、それらは何も驚くべきことではない。アサドは自国の内戦に真に「勝利」したことがないだけでなく、これまでに、彼の支配も弱体化している。彼の立場はこれまで以上に脆弱になっている。

長年にわたり、シリアに関する常識としては、シリアの危機は凍結されており、敵対行為は過去のものであり、アサド政権は必然的に勝利者となると考えられてきた。それとともに国際的な注目は薄れ、シリア重視の外交はほぼ終了し、各国政府はシリアを対象とした政策や他の世界的課題に資源を徐々に振り向けた。一方、シリア情勢が悪化する中、アラブ諸国政府は2023年から集団的にアサドに再関与する措置を講じ、中東全域でアサドの地位を事実上正常化した。

アメリカの政策立案者にとって、地域のアクターたちがシリア問題を担当しているようだという事実は心強い兆候であり、安心材料だった。つい最近、ヨーロッパ連合のアサド孤立政策への反対とアサドの確固たる勝利への信念に動かされて、イタリア主導の欧州10カ国グループが協力してアサド政権への再関与と外交と難民のシリア帰還への道筋を探求している。

これら全ての展開は、シリアの状況は悪いものの、危機自体は凍結され封じ込められている、そしてアサド自身も自らの立場を強化しているだけでなく、固めているという仮定によって支えられていた。その仮定は間違っていた。

シリア経済は長年にわたって混乱に陥っている。2020年初頭に、それぞれが対立する側を支援するトルコとロシアが合意した停戦により紛争線が凍結されたとき、1ドルは約1150シリアポンドに相当した。反政府勢力の攻撃は1週間前に始まり、シリアポンドの価値は14750シリアポンドに下落した。1週間の新たな敵対行為を経た12月4日には、1ドルは1万7500シリアポンドになった。

10年以上にわたる戦争の後、国を安定させ、シリア民間人に休息を与えるどころか、2020年の合意成立以来、シリア人道危機は悪化しており、国連の報告によると、シリア人の少なくとも90%は現在貧困ラインの下で暮らしている。アサド政権による組織犯罪の容認は、わずか1種類の合成覚醒剤の販売から毎年少なくとも24億ドルの利益をもたらしているが、そのどれもがシリア国民の助けにはなっていない。実際、燃料と食料に対する国の補助金は近年大幅に削減されている。

しかし、アサドにはもはや国家破産から救ってくれる存在はいない。ロシア経済はウクライナ戦争の影響で大きな打撃を受けており、イラン経済も悪化している。

必ずしもこうである必要はなかった。もしアサド大統領が、2023年にシリアとの国交を正常化した中東の各国政府と建設的に関わっていたら、そして今年初めにトルコの正常化への寛容さを受け入れていたら、シリアは今日、著しく違った状況になっていただろう。

シリアの人道危機はかつてないほど悪化し、世界の援助意欲と能力もかつてないほど低下しているため、シリア国民は苦しんでいる。トンネルの先には光がないことを悟ったシリア人たちは街頭に戻り、アサド打倒を訴え始めた。

そして数カ月前、6年前の合意に基づいて政府と「和解(reconciled)」した元反体制派の戦士たちが再び政権軍に挑戦し、勝利を収め始めた。

一方、シリア経済が崩壊している中で、組織犯罪や産業レヴェルの麻薬生産と密売がアサド政権の治安機構の中核に侵入している。実際、アサド政権は現在、キャプタゴンとして知られるアンフェタミンの製造を専門とする世界最大の麻薬国家である可能性がある。

麻薬取引はシリアの精鋭部隊である第4師団(アサド大統領の弟マヘルが指揮官)によって運営されているが、そのネットワークは事実上シリアの軍と支持派民兵ネットワークの隅々まで広がっている。これにより、組織犯罪と軍閥主義(warlordism)により、シリア治安国家内にわずかに残っていた団結力が引き裂かれてしまった。

一方、ロシアのウクライナ戦争と、2023年10月以来のイスラエルとイランとその代理ネットワークを敵視している地域的な敵対行為により、ロシアとイランの注意はシリアの安全保障関係者を結びつけることから逸らされてしまっている。ロシアとイランの両国、そしてレバノンに本拠を置くヒズボラは、11月27日に反政府勢力の攻撃が始まったとき前線にいて、いずれも初期に死傷者を出した。

しかし、前線に組み込まれた外部主体として、混乱に陥るシリア政権軍をまとめるためにシリア支援者にできることはほとんどなかった。反政府勢力ハヤト・タハリール・アル=シャーム(Hayat Tahrir al-ShamHTS)民兵組織の計画は10月中旬から知られており、その計画を阻止しようとしてトルコが介入し、これに応じてロシアが数日にわたる大規模な空爆を実施したことを考えると、攻撃そのものに驚く人はいなかっただろう。

最近の出来事は、アサド政権軍の再建に対するロシアの8年間の投資が、攻撃の圧力を受ける中で効果的に戦う能力にほとんど影響を与えていないことも示している。ロシアの努力により、第25特別任務師団など一部の部隊内で効果的な能力がある程度強化されたものの、シリア軍全体としては依然としてバラバラで連携が不十分なままだ。ほぼ全ての点で、アサド政権の軍事機構は近年停滞しており、内部からは衰退し、外部は断片化している。アサド政権に忠実な民兵の不定形なネットワークはおそらく軍そのものよりも優れた軍事能力を示している。ロシアが近年アサド軍に追加した唯一の定性的能力は、自爆攻撃用無人機の使用であるが、規模と効果の点ではHTSの新たに明らかになったカタイブ・シャヒーン(またはファルコンズ旅団)無人機部隊が大幅に上回っている。過去1週間にわたって、政権の前線基地、戦車、大砲、上級指揮官に数百の装置を発射した。

これは、HTSと他の武装反政府勢力が2020年以来、自らの能力を強化するために集中的に取り組んできた、線の反対側の顕著な対照を浮き彫りにしている。特に HTS は、ここ数日の戦場での状況をほぼ一変させた全く新しい部隊を設立した。アサイブ・アル・ハムラ(またはレッド・バンド)として知られるHTSの特殊部隊型部隊は日中作戦の最前線部隊であり、その一方でサラヤ・アル・ハラリ(またはサーマル旅団)は毎晩結果的な成果をあげている。HTSによると、約500名の戦闘員全員が暗視スコープを備えた武器を携行しているという。

カタイブ・シャヒーンとして知られる別のHTS旅団は前線全域で政権軍の重兵器を破壊しているが、その爆発力はトラック自爆爆弾に匹敵する国産の巡航ミサイルも使用している。偵察用ドローンの編隊が年中無休で空を飛んでおり、HTSとその他の同盟者たちはシリア政権軍を完全に上回っている。

今後を展望すると、HTS主導の攻撃がハマ県中部で少なくとも2つの軸に沿って南下を続ける中、アサド政権は厳しく困難な戦いに直面することになる。シリア全土での政権の急激な人気の低下と反政府勢力の劇的な上昇も、全国の武装勢力が結集して行動を起こすよう促している。南部のダラア、中部のホムス、東部のデリゾールでは、政権側の町と軍事前線の全てが挑戦を受けている。

アサド大統領が最後に領土支配に対する複数の協調的な挑戦に対処しなければならなかったのは2015年だった。アサド政権は限界点にまで追い込まれており、アサド大統領を救うためにはロシアが軍事介入しなければならなかった。今ではそんな救世主(savior)はいないだろう。

※チャールズ・リスター:中東研究所シリア・プログラム、対テロリズム・過激主義研究プログラム上級研究員、ディレクター。「X」アカウント:@Charles_Lister

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 昨年10月に始まった、イスラエルとハマスの紛争は半年以上が経過した。4月7日に、イスラエルはラファへの大攻勢を前にして、ガザ地区から部隊を撤収させると発表した。「勝利の一歩手前まで来ている」中で、一部部隊を撤収させた。その前には、アメリカのジョー・バイデン大統領による、イスラエルのガザ地区への攻勢による民間人の死者の増加や国際支援団体の西側諸国の国民の死亡などについて、不満の表明がなされていた。イスラエルとしては、アメリカ側の不快感を増加させないようにするため、一旦停止ということになったようだ。イスラエルは傍若無人であるが、唯一と言ってよい支援国のアメリカの機嫌を損ねたら立ち行かないことは分かっている。

 このブログでも紹介したが、アメリカ国内の世論は、昨年11月の段階での、イスラエル支援への賛成が多数という状況から変化している。イスラエル支援を求めるアメリカ国民は過半数を割っているのが現状だ。これは、アメリカのジョー・バイデン大統領にとっては、アメリカの世論の動きを背景にして、イスラエルに対して強く出られる。「戦闘を停止せよ、アメリカ世論がそのように求めている。もし停止しない場合には、支援についても再検討する」ということで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に圧力をかけることができる。イスラエル側としては、アメリカからの支援が減らされてしまえば、孤立を避けられない。

 アメリカとしては、イスラエルがハマスを支援しているということで、イランに対して攻撃を加えることを迷惑に思っている。ウクライナ戦争もママらない状況で、中東で更に戦争が起きることは好ましくない。そうしている間に主敵である中国がどんどん伸びていく。現在、イスラエルがシリアにあるイラン大使館を攻撃し死傷者が出て、それに対して、イランがイスラエルに報復攻撃を行った(イランの武器が旧式で効果はかなり限定的だったと言われている)。イランが抑制的であったという見方もできるが、中東が不安定化していることは間違いない。それで誰が得をするのかということを考えると、それはアメリカではない。

 アメリカ国内でのユダヤ系の人々の影響力の強さ・大きさはこれまでも語られてきた。マスコミにも多くのユダヤ系の人々がおり、世論形成にも影響を与えてきたと言われている。しかし、今回、アメリカ国内でもイスラエルに対しての批判が高まっているという状況になっている。イスラエルとしては、昨年10月のハマスによる攻撃を利用して、ガザ地区を攻撃し、ハマスの弱体化(育てたのはイスラエルなのに)とガザ地区の破壊、そして、イスラエルとパレスティナの二国共存を葬り去ろうということだったのだろうが、当てが外れている。半年が経過してもイスラエルの思い通りにはなっていない。また、世界中でイスラエルとアメリカに対する批判が高まっている。アメリカは何とかイスラエルを止めたい。そのために、アメリカ国内の世論の動向も武器として使いながら、支援条件を厳しくするなどの圧力をかけていこうとするだろう。

(貼り付けはじめ)

アメリカはイスラエルをどのように抑制できるか(How the U.S. Can Rein in Israel

-条件付き援助(conditional aid)を求める声が広がる中、バイデン大統領は非常に効果的な外交手段を見落としている可能性がある。

バーバラ・エリアス筆

2024年2月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/02/16/us-israel-gaza-conditional-aid-diplomacy/

ラファへのイスラエル軍の攻撃が迫る中、アメリカはガザで進行する人道災害に対処する上で、引き続きいくつかのディレンマに直面している。アメリカ国民や政策立案者たちの声はますます高まっており、アメリカがパレスティナの民間人を保護しながら同時にイスラエルの安全保障をどのように支援できるかを問う声が高まっている。

同盟諸国に矯正するのは難しい外交業務であり、特に国防に対する相手国のアプローチを制限する政策を推進する場合にはそうだ。更に言えば、アメリカのイスラエルに対する長年の関与により、アメリカの交渉力はさらに低下する。危機に陥ったイスラエルの意思決定者たちは、アメリカに恩義があると感じるどころか、フーシ派やイランを含む共通の大胆な敵に対して確立された戦略的パートナーシップを維持するというアメリカの利益が、アメリカ政府がイスラエルの政策立案者たちに厳しく圧力をかけることはできないだろうということに賭けている可能性が高い。

アメリカがパートナー諸国に圧力をかける手段として最も頻繁に議論されるのは、諸改革を援助の条件とすることだ。先週、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員とクリス・ヴァン・ホーレン連邦上院議員を含む著名な民主党議員たちからの圧力の高まりを受けて、ジョー・バイデン大統領は、アメリカの戦略的パートナー諸国全てに対し、アメリカが提供した軍事援助が国際法に従って使用されていることを証明する書面による確認書の提出を求める「歴史的」指令に署名した。しかし、これがイスラエルの政策にどのような影響を与えるのか、またバイデン政権が違反行為にどのように対応するのかは不明である。この措置がガザのパレスティナ人やアメリカとイスラエルの関係にどのような影響を与えるのかが明確でない理由の1つは、援助を改革の条件とすることに伴う複雑な問題を理解していないことにある。

アメリカの外交官たちが以前にもこのようなことを行おうとした。アメリカは自国の利益を保護しながらパートナーを幅広く支援することを目指しているが、これはイラクやアフガニスタンでの戦争で地域の同盟諸国とともにこれまで直面してきた課題である。もちろん、カブールとバグダッドはイスラエルに比べて制度的および軍事的能力がはるかに限られていたため、反乱鎮圧のための占領に関するこれらの同盟はアメリカとイスラエルのパートナーシップとは大きく異なっていた。それにもかかわらず、これらのパートナーシップの力学には大きな違いがあるにもかかわらず、アメリカ政府は、民主政治体制の促進や人権保護といったアメリカの規範や利益を維持しながら、重要な同盟国を支援する方法を見つけ出す必要があった。

歴史が示しているように、イスラエルにガザ政策の穏健化を行わせるために圧力をかける場合、条件付き援助(conditional aid)は、見落とされがちな外交手段である。しかし、アメリカの一方的な行動の脅威(the threat of unilateral U.S. action)ほどには機能しない可能性がある。

理論的には、条件付き援助の形での「厳しい措置・愛の鞭(TOUGH LOVE)」により、アメリカは影響力と物資を交換することができる。しかし実際には、そのようなアプローチの政治は、見た目よりも複雑で、アメリカにとってリスクが高い。

第一に、援助を制限することはパートナーを弱体化させるリスクがあり、それはほぼ常にアメリカの利益に反することになる。パートナーが失敗した場合、そもそものパートナーシップを動機づけた共通の脅威に対して、アメリカの立場も不安定になる。ワシントンが従えばアメリカも結果に苦しむことをパートナー諸国は理解しているため、このことはそのような脅しの信頼性を制限することになる。

2009年、当時のバラク・オバマ大統領はアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領に対し、アフガニスタンにおける汚職と麻薬取引の取り締まりを公式に求めた。なぜアメリカが上記改革を活用するために軍隊と援助を差し控えなかったのかとの質問に対し、元駐アフガニスタン米国大使は率直にその議論は「愚かだ(stupid)」と述べた。なぜなら、カルザイの弱体化はタリバンを活性化させ、アメリカの介入を延長し、アメリカが自国とアフガニスタンのパートナー国に設定した主要な国家建設の基準を後退させる危険性があるからである。

第二に、援助の削減はパートナーシップの将来に損害を与える可能性がある。パートナー諸国が、ワシントンが自国の安全を損なったと判断すれば、イスラエルの場合はロシアを含め、代替の同盟国を探すようになる可能性がある。現在のイスラエルの不安と孤立についての考え方は、並外れた技術を持って行動しない限り、進行中のイスラエル国防軍の作戦中に軍事援助を大幅に制限するというアメリカの脅しは、イスラエル当局者の怒りと抵抗に見舞われる可能性が高いことを意味している。

第三に、専門家たちとは違い、政策立案者たちは、ワシントンのハッタリを非難し、アメリカの要求に従うことを拒否する重要な同盟諸国に対処するという重い責任を負っている。反抗的な同盟諸国はアメリカにとって、双方にとって不利なシナリオを作り出す。アメリカ政府当局者たちが宣言した罰則を遵守し、戦略的パートナーを弱体化させ、場合によっては共通の敵対国を勇気づけるリスクを冒すか、コストを課すことに失敗して信頼性と将来の影響力を失うかのどちらかである。したがって、バイデン政権がイスラエルへの武器供与を遅らせる意向があるとの報道にもかかわらず、ホワイトハウスがまだ明確な計画を発表していないのは驚くべきことではない。

これらのリスクにより、援助の条件付けは、持続可能な外交アプローチとは対照的に、アメリカの外交官たちが通常は使うことを控える、露骨な戦術となっている。アメリカがパートナー諸国に依存すればするほど、援助の条件は魅力的ではなくなる。確かに、無条件援助は、たとえ恐ろしいものであっても、パートナー諸国の政策に対して少なくとも部分的に責任をアメリカに負わせることになるため、無条件援助にもリスクが伴う。たとえば、イラクでは、スンニ派の政治勢力を政府に組み込もうとするアメリカの要請に抵抗するというヌーリ・アル・マリキ元首相の決意が、2014年にイラクとシリアの一部を占拠した反乱の一因となった。幸いなことに、パートナーに圧力をかけるための別の方法がある。

その代わりに、アメリカは、パートナー諸国の参加の有無にかかわらず、それらの国々の国内政治に影響を与える政策を一方的に実施すると脅すことで、パートナー諸国の行動を変えることができる。パートナー諸国に対する強制的なメッセージは、「あなたが政策Xを実施するか、それとも私たちが実行するか、どちらかだ」というものであり、「政策Xを実施しなければ、アメリカは支援を打ち切る」という援助条件の論理とは異なる。前者のメッセージは、同盟国や同盟に広範な損害を与える可能性のある主要資源を削減するという脅しではなく、問題になっている特定の政策に焦点を当てている。

選択的一方的行動(select unilateral action)の脅威は、アメリカの大規模な介入(wide-scale U.S. intervention)を提案することを意図したものではなく、アメリカの利益にとって特に有害な地方政策に影響を与えるように調整することができる。同盟諸国はこれを自国の自治に対する強制的な脅威と認識し、このメッセージを歓迎しない可能性が高いが、目標は賭け金を高め、同盟諸国に妥協に達するよう圧力をかけることだ。

イラク、ヴェトナム、アフガニスタンでは、パートナー諸国の不作為に対して、アメリカが一方的行動を起こすと脅すことで、現地の同盟国がアメリカの要求に従うように仕向けることが多かった。例えばイラクでは、2010年にアメリカがマリキをスンニ派との関与を強めるためにこのアプローチをうまく利用できたのは、バグダッドのシーア派指導者の支持の有無にかかわらず、アメリカが従順なスンニ派指導者との関与を継続すると信頼できる脅しをかけていたからである。(しかし、2011年のアメリカ軍のイラク撤退に伴い、スンニ派民兵を一方的に支援するとの脅しがなくなったことで、アメリカはイラクにおける影響力を失った)。

アメリカが南ヴェトナムの参加の有無にかかわらず、北ヴェトナムとの妥協を進めるという確かな脅しがあったため、アメリカの撤退中にサイゴンの現地パートナーから譲歩を引き出すこともできた。 2010年、アメリカは国連当局者を招いて進捗状況を報告させることで、アフガニスタンにおける穏健な汚職撲滅改革を推進することができた。アフガニスタン政府は傍観されるのではなく、監視プロセスを監視し、途中で政策を形成するという目的もあり、妥協して監視プロセスに参加した。

一方的な行動を取ることで、アメリカの要求を満たすように重要な同盟諸国をうまく誘導してきた実績がある。しかし、それはアメリカが要求された政策を実行する唯一の能力を持っている場合にのみ適用される。例えば、パートナーに国内法の変更や攻撃的作戦からの撤退を強制するためには利用できない。これらはパートナーの参加なしにはアメリカが実施できない改革だからだ。

しかしながら、アメリカは、イスラエルがガザ地区での攻撃をより選択的に行うよう強制するために、この方法を使うことはできない。しかし、ワシントンは、たとえば、ガザ地区での標的に関する詳細な情報を一方的に公開すると脅すことで、イスラエルに活動の透明性と説明責任を高めるよう動機づけることはできる。アメリカの政策立案者たちはまた、監視とモニタリングの一形態として、ガザ地区での民間人の死亡に関する独立調査機関(independent inquiry)の設立を提案したり、紛争に対処するためにアメリカの機関を利用したりすることもできる。ヨルダン川西岸地区でパレスティナ人に対する暴力を扇動した4人のイスラエル人に対し、金融制裁(financial sanctions)を科すという最近のアメリカの決定は、この方向への一歩である。

現在のガザ地区での緊急事態に関して、イスラエルがこの重要な援助を妨害した場合、アメリカは一方的に人道援助(humanitarian aid)を提供すると脅すことができる。たとえば、USNSマーシーやUSNSコンフォートなどの、アメリカ海軍の災害対応艦艇を派遣し、この地域に配属されている空母打撃群(carrier strike groups)に参加させることで、そうすることができる。当然ながら、この措置はイスラエルの軍事作戦を弱体化させかねないと主張する批評家たちもいるだろうが、そうした立場は、パレスティナの民間人とハマスの過激派を区別できないイスラエルの失敗に安住しすぎている。アメリカは、ガザの市民が基本的なニーズと生存を確保できるよう支援することを申し出ることで、現在の攻撃に対する不快感を示すことができる。アメリカの一方的な援助をガザに送り、イスラエル側の協力があろうとなかろうと、この援助は行われると伝えれば、3つの重要なメッセージを送ることができる。

第一に、歴史的記録は、アメリカの一方的な行動に対する確かな脅しが、アメリカによる政権転覆などを避けるためにイスラエルをアメリカの立場に近づける可能性があることを示唆している。第二に、それは地域におけるアメリカの交渉の信頼性を高め、アメリカが紛争における自主的な主体であることと、イスラエルの献身的な同盟国でもあることを強化する。アメリカがイスラエルによるガザ地区占領の継続に反対し、ヨルダン、サウジアラビア、エジプトなどのアラブの主要パートナーとの関係を強化する必要がある可能性があるため、これはますます重要になる可能性がある。最後に、一方的な行動により、アメリカはパレスティナの民間人の死をただ嘆く以上のことができるようになる。アメリカが10月7日に残酷に虐殺されたイスラエルの民間人を守るために行動を開始したのと同じように、現在国連が「終末的な(apocalyptic)」状況と呼ぶ状況に直面しているパレスティナの民間人を守るために、アメリカも行動を開始する可能性がある。

あらゆる国家外交の手段と同様、これはアメリカの外交ツールキットに含まれる数多くのアプローチの1つに過ぎない。条件付援助と比較して議論されることが少ないとはいえ、戦略的パートナーに参加を強制しようとしての一方的な政策行動の威嚇は、安全保障上の同盟関係とパートナーへの物質的支援を維持しつつ、特定のパートナーの政策を問題視することができるので、より微妙でリスクも少ない。加えて、ガザ地区での一方的な政策実行を脅かすことは、アメリカが選択的な援助条件や、イスラエルの立場に異議を唱える国連行動の阻止を再考するなど、さらなる圧力経路(pathways of pressure)を検討することを妨げるものではない。

ガザ地区への攻勢を含むイスラエルの政策がアメリカの利益を侵害するものであっても、アメリカはイスラエルを支援しながら影響を与えようとするため、ワシントンは外交的アプローチにおいて機敏かつ目的意識を持つ必要がある。アメリカはもっとできることがあるし、そうすべきである。

※バーバラ・エリアス:ボードウィン・カレッジ政治学・法学准教授。著書に『同盟国が反乱を起こす理由:反乱鎮圧戦争における反抗的な地元パートナー諸国(Why Allies Rebel: Defiant Local Partners in Counterinsurgency Wars)』がある。ワシントンDCにある国家安全保障公文書館アフガニスタン、パキスタン、タリバンプロジェクト責任者を務めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 日本時間の日曜日夜、アメリカのドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍特殊部隊がシリア北部を急襲し、イスラミック・ステイト(ISIS)指導者アブー・バクール・アル=バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi、1971-2019年、48歳で死亡)を自爆に追い込み、死亡を確認したと発表した。
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バグダディ
ISISは2014年からシリアとイラクの一部を占領・実効支配し、イスラミック・ステイトの樹立を宣言した。その創設者にして指導者のバグダディが殺害されたということは大きなニュースとなった。

 バラク・オバマ政権下の2011年にはテロ組織アルカイーダの指導者オサマ・ビンラディンがパキスタンの潜伏先で同じく米軍特殊部隊の急襲を受け殺害された。今回も米軍特殊部隊の作戦によってテロ組織の指導者が殺害されるということになった。
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作戦の様子を見守るトランプ大統領

 アメリカをはじめ関係諸国が行方を追っていたバグダディであったが、シリア北部で米軍特殊部隊に追い詰められ、最後は洞窟の中で自分の子供3人と共に自爆をするに至った。バグダディに関しては身柄を拘束して裁判を受けさせる(国際法廷になるか、シリアやイラクの法廷になるかは分からない)ようにすべきであったが、バグダディは自爆したと発表されている。アメリカ軍特殊部隊の動きが降伏へと誘導するのではなく、自爆に誘い込むようなものであったとするならば問題である。また、バグダディに付き従った人間たちを「多数」殺害したというのも降伏や投降の意思を示した者までも殺害したとなるとこちらも問題だ。

 私はISISの肩を持たない。しかし、「正義をくだす」ためにはそれなりの手続きが重要であって、そこに瑕疵があれば正義とは言えなくなる危険性が高いということを言いたい。ただ殺害すれば済むという問題ではない。

 トランプ大統領の発表では作戦時の様子にも触れられていたが、非常に生々しい言葉遣いであった。また、バグダディと「犬」を結び付ける表演が複数回使われていた。バグダディは洞窟の中で犬に追い回された上に、「犬のように亡くなった(died like a dog)」「犬のようにクンクンと怯えて鳴いていた(whimpering)」とトランプ大統領は発言している。これは、トランプ大統領独特の言語感覚ということもあるが、バグダディは人間ではない、だから裁判なんてしちめんどくさい手続きなしで殺してもいいんだ、ということを聴衆に刷り込ませたいという意図があってのことだろう。

 トランプ大統領は、ロシア、シリア、トルコに対して作戦上の協力を感謝し、クルド人勢力からは軍事上の協力はなかったが有益な情報提供があったことを認めた。ここから考えられるのは、ロシア、シリア、トルコからら軍事上の支援と情報提供があったということだ。2つの協力があったから謝意が表され、クルド人勢力に関しては情報提供があったことを認めるということになったのだと思う。

 従って、今回の作戦はアメリカ軍単独ではなく、ロシア軍、シリア軍、トルコ軍の共同作戦で、アメリカ軍に華を持たせる形でバグダディの追跡が任されたということだと思う。アメリカ(トランプ大統領)は、ロシア、シリア、トルコに対して大きな恩義、借りを作ったということになるが、これはアメリカ軍がこの地域から撤退してももう大丈夫という正当化と、この地域なロシアに任せますよという意思表示であり、最後に華を持たせてもらって出ていきやすくなったということだと考えられる。アメリカは海外のことに関わらず、国内の問題解決を優先するという「アメリカ・ファースト」にかなっているということになる。

 今回の作戦がこの時期に実施されたのはアメリカ軍の撤退を正当化するためのものであり、かつロシアがこの地域の担任となることを認めることもあり、米露の利害が一致したために実行されたと考えられる。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領はアメリカ軍の急襲によってISIS指導者が死亡と発表(Trump announces death of ISIS leader in US raid

モーガン・チャルファント筆

2019年10月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/467620-trump-isis-leader

日曜日、トランプ大統領はイスラミック・ステイト(ISIS)の指導者アブー・バクール・アル=バグダディが北部シリアにおいてアメリカ軍の急襲によって殺害されたと発表した。

トランプ大統領はホワイトハウスのイーストルームにおいて声明を発表した。声明の中で大統領は「昨晩、アメリカ合衆国は世界ナンバーワンのテロリスト指導者に正義(の鉄槌)を下した。アブー・バクール・アル=バグダディは死亡した」と述べた。

アル=バグダディの死はテロリスト集団であるISISとの戦いにおける重要な象徴的な勝利を示すものであり、捕捉が難しいISIS指導者アル=バグダディを追跡するという数年間の努力が結実したことを意味する。アル=バグダディはこれまで何度か殺害されたと報じられたことがあった。

トランプ大統領は「危険かつ大胆な」作戦の詳細を説明した。バグダディはアメリカ軍特殊部隊によってトンネル内に追い詰められた。この時3人の子供を連れていた。そして、自爆用のヴェストを爆発させた。トランプ大統領は爆発後の残骸などを調査、テストし、バグダディが殺害されたことを示す証拠が出たと発言した。

トランプ大統領は「この極悪人は大変な恐怖の中で、完全なるパニックと恐怖の中で、最後の瞬間まで何とか他人になりすまそうともがいた。アメリカ軍が彼を完全に屈服させることに恐怖し続けた」と述べ、バグダディは「クンクンと情けない鳴き声を出しながら(whimpering)」死んでいったと発言した。

トランプ大統領はホワイトハウスのシチュエイション・ルームで作戦の「大部分」を見ていたと発言した。しかし、どこを見てどこを見なかったかの詳細については明らかにしなかった。ホワイトハウスは大統領の発表の後にその時の様子を撮影した写真を公開した。土曜日のシチュエイション・ルームの様子は、大統領の傍らにはマイク・ペンス副大統領、ロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官、マーク・エスパー国防長官と軍部の最高幹部たちが座っていた。

トランプ大統領はアメリカ軍の急襲は2時間ほどで終了し、アメリカ軍はISISに関連する「非常に重要な情報を含む取り扱いに注意を要する文書や物資」を押収したと発表した。トランプ大統領は作戦中にアメリカ軍に死者は出ず、アル=バグダディの追随者たちの多くが殺害されたと発表した。

トランプ大統領は今回の作戦のことを3日前から知らされていたと述べ、連邦議会の指導者たちには、「リークされる」という恐れから伝えなかったとも発言した。

トランプ大統領は「リークによって作戦に参加した米軍の人員全てが殺害されることもあるだろうと考えた」と発言した。しかし、作戦終了後の日曜日にリンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とリチャード・バー連邦上院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)と会談を持ったとも述べた。

今回の発表はトランプ大統領にとって追い風となるだろう。ここ数週間、トランプ大統領は北部シリアからの米軍の撤退という決断に対して様々な角度から検証されてきた。批判する人々は、米軍の撤退によって、アメリカが盟友関係を築いてきたクルド人勢力に対してトルコ軍の軍事作戦が推進されると主張している。アメリカ軍の撤退によってISISが勢力を回復するのではないかと多くの専門家が懸念を表明していた。

トランプ大統領は日曜日、「昨晩はアメリカ合衆国と世界にとって素晴らしい夜となった。多くの人々の困難や死の原因となった野蛮な殺人者は荒々しく消滅させられた。バグダディは犬のように死んだ。臆病者のようにして死んだ。世界はこれまでよりもより安全な場所になった。アメリカに神のご加護がありますように」と述べた。

アル=バグダディの死はISISに対して大きな一撃を与えた。ISISは既にアメリカが主導する連合諸国によって縮小させられている。しかし、バグダディの死がISISの完全なる消滅を意味するものではない。

トランプ大統領は、アル=バグダディの死は、アメリカの「各テロリスト集団の指導者に対する飽くなき追跡とISISやそのほかのテロリスト組織の完全な敗北を確かなものとするための努力」が証明されたものだと高らかに宣言した。

「アメリカ軍が北部シリアでアル=バグダディを標的にした急襲作戦を実行した、そして武装勢力の指導者は殺害されたものと考えられる」という内容の報道が出始めたのが土曜日の夜遅くだった。トランプ大統領は内容の発表をもったいぶり、ツイッター上に「何かとてつもなく大きなことが起きた!」とだけ書いた。

トランプ大統領は日曜日にアメリカ軍の人員が安全に帰還した後でツイッター上に書き込みを行ったが、それはニュースメディアを警戒してのことだったと述べた。

トランプ大統領はロシア、トルコ、シリア、そしてイラクに対して、作戦への協力を感謝した。また、クルド人勢力が有益な情報を提供したことを認識していると述べた。トランプ大統領は、クルド人勢力は作戦において軍事的な役割を果たすことはなかったと述べた。大統領は作戦に参加したアメリカ軍と情報・諜報機関の人員に謝意を表した。

トランプはまた北部シリアからの米軍の撤退という自身の決断を擁護し続けた。とることシリアの国境地帯に米軍を駐屯させ続けることはアメリカの利益にかなうものではないと主張した。

トランプ大統領は「私たちはこれから200年もシリアとトルコの間に米軍を駐屯させたいなどとは望まない。シリアとトルコはこれまで数百年もの間戦ってきた。(だから勝手にすれば良いが)私たちは出ていったのだ」と述べた。それでも油田がISISの武装勢力の手に落ちないようにするためその地域にアメリカ軍を残しているとも述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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