古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ジル・バイデン

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。
 

今回はジョー・バイデン前大統領の健康問題についての報道が多く出たがそのことについて書いていく。
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ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン、ジル・バイデン
 ジョー・バイデン前大統領の健康状態について、前立腺がんと診断され、がんが骨に転移していることが明らかになったという報道がなされた。私が甚だ疑問なのは、正式には今年の1月まで大統領を務めていたバイデンの健康診断や健康チェックの状況である。がんが骨にまで転移しているということはがんは以前からあったということであり、それを早期発見できなかったのかということだ。高齢になればがんの拡大のスピートは遅くなると聞いたことがある。それならば、そこまでがんが進行するとなると時間がかかる。大統領在任時に健康診断や健康チェックはしていなかったのか、もしくはその方法がずさんだったのではないかという疑問がある。
 次に、リベラル派のメディアの記者たちが書いた『原罪』という本についてである。この本では、ジョー・バイデンの認知機能が2024年の大統領選挙前から既に衰えており、大統領の職務遂行に支障をきたすほどだったということが書かれている。ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官の名前を思い出せない、とりとめのない話を繰り返すということがあったようだ。ホワイトハウスの高官たちはこの状況では大統領を続けるのは無理だと分かっていたようだが、夫人のジル・バイデンや側近によるグループ(「政治局(Political Bureau、Politburo)」と揶揄されていたようだ)が、バイデンの再選に固執したということだ。

 バイデンの恒例や健康状態についての不安は大統領選挙前から既に出ていた。そして、今回の出版でも分かるように、それはホワイトハウスの高官たちも分かっていた。家族や側近たちだけがそれを否定していたが、バイデンで公の場で何かをするたびに多くの人々が「大丈夫だろうか、心配だ」と思うようになっていた訳で、このような不安を持たせること自体が問題ではある。

 これは民主党全体の問題でもある。党が機関として機能して、「アメリカ国民のために、バイデン大統領に対して勇退を勧告する」ということができなかったのは、実際にそんなことをするのは困難であることは分かっているが、それでも勧告すべきだった、予備選挙をきちんと実施すべきだったということになる。それだけの重たい責任がある。結局、事なかれ主義で、隠ぺいに走ったために、民主党は2024年の大統領選挙と連邦上下両院議員選挙において敗北を喫した。

 バイデン自身が決断をする、もしくはバイデンに近い人々が冷静に判断して強く勧めるということができなかったのは、バイデンという政治家の晩年に大きな汚点を残すことになった。「一期目だけで勇退します。後任は党の予備選挙でしっかりと決めてください」とバイデンが言えれば、選挙の結果は変わっていたかもしれない。しかし、バイデンは、このような大きな決断ができないくらいの人物であった。それでもアメリカ大統領になれたのだから、幸運な人物ではあっただろう。
(貼り付けはじめ)
●「バイデン前米大統領に前立腺がんの診断 骨にも転移と事務所発表」

2025年5月19日 BBC NEWS JAPAN

https://www.bbc.com/japanese/articles/crr7zqzwn14o

ジョー・バイデン前米大統領(82)が前立腺がんと診断されたと、個人事務所が18日、発表した。骨に転移しているという。

今年1月に退任したバイデン氏は先週、排尿に関する症状があり医師の診察を受けたところ、16日に診断を受けた。

がんは悪性度が高く、がん組織の悪性度を検査で調べ点数化した「グリソンスコア」の等級10段階のうち9だという。英研究団体キャンサーリサーチUKによると、がん細胞が急速に転移する可能性があることを示す結果だという。

バイデン氏と家族は、治療方法の選択肢を検討していると伝えられている。同氏の事務所は、がんはホルモン感受性のある種類なので、おそらく治療は可能だろうと説明した。

前大統領の病状が公表されると、与野党を問わずアメリカ政界から支援のコメントが相次いだ。

ドナルド・トランプ大統領は、自分のソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に、自分と妻メラニア氏は「ジョー・バイデン氏の最近の診断結果を聞き、悲しく思っている」と投稿。さらに、バイデン氏の妻ジル氏に対して「ジルと家族に心からお見舞い申し上げる」と呼びかけ、「ジョーの1日も早い回復を願っている」と書いた。

バイデン政権で副大統領を務めたカマラ・ハリス氏は、自分と夫のダグ・エムホフ氏がバイデン一家のために祈っているとソーシャルメディア「X」に書いた。

「ジョーは闘士なので、これまでの人生とその指導力を常に決定してきた力強さとたくましさと楽観姿勢で、この困難に立ち向かうはずだと承知している」と、ハリス氏は書いた。

バイデン氏が2009年から2017年まで副大統領を務めた際の大統領だったバラク・オバマ氏は「X」で、自分と妻のミシェル氏が「バイデン一家全員のことを考えている」と書いた。

「あらゆる種類のがんに対する画期的な治療法の発見に、ジョーほど貢献した人はいない。彼が持ち前の強い意志と品位をもって、この試練に立ち向かうと確信している。早期の完全回復を祈っている」とオバマ氏は書いた。

オバマ元大統領は2016年、がん治療の進歩加速を目指す「がん・ムーンショット」イニシアチブを開始。バイデン氏が取り組みを主導した。「ムーンショット」とは、月面到達を目指したアポロ計画にも匹敵する意欲的な取り組みを意味する。

男性にとって2番目に多いがん

現職の米大統領として最高齢だったバイデン氏は昨年7月、健康状態と高齢が不安視される中で、2024年大統領選から撤退を余儀なくされた。

それまで再選を目指していたバイデン氏は、共和党候補だったトランプ氏を相手にした6月末のテレビ討論会で精彩を欠いたことから、民主党内の懸念が高まり、当時のハリス副大統領が民主党候補になった。

米オハイオ州のクリーヴランド・クリニックによると、前立腺がんは男性が発症するがんの中で、皮膚がんに次いで2番目に多い。米疾病対策センター(CDC)によると、男性100人中13人がどこかの時点で前立腺がんを発症する。年齢が最も一般的な危険因子だという。

アメリカがん協会の最高科学責任者で前立腺がん専門医のウィリアム・デイハット博士はBBCに対して、バイデン氏の病状に関する公開情報を基に、悪性度の高いがんのようだと話した。

「一般的に、がんが骨に転移した場合、治癒可能ながんだという見方はしない」とデイハット博士は述べた。 ただし、ほとんどの患者は初期治療によく反応する傾向があり、「診断から何年も生きることもあり得る」という。

デイハット博士によると、バイデン氏のような診断を受けた患者にはおそらく、症状を緩和し、がん細胞の増殖を遅らせるためにホルモン療法が提供される可能性が高い。

バイデン氏は退任以来、表舞台から退き、公の場に登場することもほとんどなかった。

前大統領は今年4月、アメリカ拠点の障害者支援団体「障害者の擁護者、相談員、代表者協会」がシカゴで開いた会議で基調講演を行った。 5月には退任後初めてBBCのインタビューに応じ、2024年大統領選から退く決断は「困難」だったと認めた。

アメリカではこのところ、バイデン氏の健康状態を疑問視する指摘が相次いでいた。人気トーク番組「ザ・ヴュー」に5月に出演したバイデン氏は、ホワイトハウスでの最後の年に自分の認知能力が低下していたという意見を否定し、「それを裏付けるものは何もない」と述べた。

バイデン氏は長年にわたり、がん治療の研究推進を提唱してきた。大統領在任中の2022年には、妻ジル氏と共に、2047年までに400万人以上のがんによる死亡を防ぐための研究強化を掲げ、「がん・ムーンショット」イニシアチブを再開した。

バイデン氏の長男ボー氏は2015年、脳腫瘍のため亡くなっている。

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●「米民主党、大統領任期中のバイデン氏の衰えに衝撃受けるも沈黙守る 新著が明かす内幕」

2025.05.21 Wed posted at 20:00 JST CNN日本版

 https://www.cnn.co.jp/usa/35233278.html

(CNN) 米大統領任期中の最後の2年間、バイデン前大統領は非公開の場面で最側近の名前を思い出せずにいた。個人的な予定がどんどん制限され、首尾一貫しない発言を連発。思考の脈絡を失ったその姿は世間の目から隠され、衰えの度合いは伏せられた。CNNのジェイク・タッパー記者とアクシオスのアレックス・トンプソン記者が手掛けた新著で明らかになった。

同書に収録された詳細なエピソードの数々からは民主党議員、ホワイトハウスの側近、バイデン政権の閣僚、民主党への献金者らがバイデン氏の心身の衰えに衝撃を受ける様子が浮かび上がる。当時バイデン氏は2024年大統領選での再選に向けて動き出していたが、彼らのほぼ全員が同氏の状態について公言せず、大統領選出馬を止めようともしなかった。

「世界が目の当たりにした、バイデン氏にとって最初で最後の24年大統領選のテレビ討論は、例外的な事象ではなかった。本人が風邪を引いていたのではない。準備不足もしくは準備のし過ぎでもなかった。多少の疲労によるものでもない」。タッパー氏とトンプソン氏はそのように記す。

「長年能力に衰えが生じていた81歳の男性として、自然な結果だった。バイデン氏とその家族、彼のチームは、自分たちの利益とトランプ氏再選への不安を理由に正当化しているが、ここでの試みは思考の混乱した老人をさらに4年間、オーバルオフィス(大統領執務室)に据えておこうとするものに他ならない」

当該の新著「原罪:バイデン大統領の衰えとその隠蔽(いんぺい)、再出馬という破滅的な選択(仮題)」は、20日に発売された。本書の元になっているのは200を超えるインタビューで、その大半は民主党の内部関係者に対するものだ。ほぼ全てのインタビューが24年大統領選の終了後に行われた。

この数日、バイデン氏の年齢と健康には大きな注目が集まっている。18日には同氏の事務所が本人について、進行性の前立腺がんと診断されたと発表。がんが骨にまで転移していることを明らかにした。現在同氏と家族は、医師と相談しながら治療の選択肢を検討しているという。

それでも再選を目指したバイデン氏の選択にまつわる議論は続いている。バンス副大統領は19日に記者団に対し、バイデン氏の健康を祈る一方、「前大統領が職務可能な状態だったのかどうかについて、我々は本当に正直になる必要がある」と付け加えた。

「ある意味で、私が非難するのは彼よりも彼の周囲の人間たちだ」「我々としては健康を祈ることはできるが、同時に仕事が可能な健康状態にない人物はそもそも仕事に就くべきではないと考える」(バンス氏)

16日には、バイデン氏の元事務所や自宅から副大統領時代の機密文書が見つかった問題で同氏から聴き取り調査を行ったロバート・ハー特別検察官との会話の音声記録がアクシオスによって公開された。ハー氏は当時、聴き取り調査後の報告書でバイデン氏の記憶力の衰えに言及していた。

■最側近らが結束

タッパー氏とトンプソン氏が伝えるところによれば、バイデン氏の健康に関しては20年の段階で周囲から懸念する声が上がっていた。それでも心身の衰えが加速したのは23年から24年にかけてだという。

22年12月のある時点で、バイデン氏は政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)とケイト・ベディングフィールド広報部長の名前を思い出せなくなった。23年秋には、民主党全国委員会のジェイミー・ハリソン委員長を認識できないようだった(ハリソン氏はこれに異議を唱えている)。そして24年初め、バイデン氏は長年付き合いのある映画スターのジョージ・クルーニー氏のことが分からなかったという。

バイデン政権時代の一部の閣僚はタッパー氏とトンプソン氏のインタビューに答え、バイデン氏が国家的緊急事態の際、午前2時に職務を遂行できるとはとても思えないと明らかにした。

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏が妻と息子、長年の取り巻き集団などで構成される孤立したグループによって守られていたと記述する。この取り巻き集団は共産党の上級機関にちなんで「政治局」とあだ名されている。

選挙陣営スタッフなどこうした取り巻きから外れる人々は、これらの側近がバイデン氏を否定的な情報から守っていたと考えている。新書の内容によるとバイデン氏が再選への出馬を決断する際も議論は行われず、ホワイトハウスと選挙陣営に所属する他の人々の意見は入れられなかったという。

CNNへの声明で、バイデン氏の広報担当者は同書を批判。同氏が当時職務遂行が不可能な状態だったことを示す証拠はないと主張し、実際にはしっかり職務を果たした大統領だったと示唆した。

■「まるで別人」

タッパー氏とトンプソン氏は、バイデン氏の健康に関する懸念が20年大統領選の時期から存在していたことを確認した。バイデン氏は党大会の前、有権者へ向けて語りかける形式の選挙動画を撮影したが、それらの大半の映像は使用されなかった。陣営の一部はその映像に衝撃を受けている。

「まるで別人のようだった。信じられなかった。運転を任せられないおじいちゃんを眺めているようだった」「大統領が務まるとは思えなかった」。同書の中で、ある民主党議員はそう振り返った。

バイデン氏に近い一部の人々は、本人の状態の悪化を強いストレスに関連するものとの見方を示した。特に次男のハンター氏が起訴され、24年6月に有罪評決を受けたことが大きな打撃になったと、ある閣僚は証言している。

24年3月、バイデン氏は熱のこもった一般教書演説を行ったが、同日夜の高校生に向けての演説では状態の悪化にホワイトハウスの一部の側近たちが動揺。とりとめのないスピーチを続けるバイデン氏の姿に側近の一人は、自分たちが何を見せられているのか分からなかったという。

同書によればこの側近は、「これでうまくいくはずがない」「彼には無理だ。こんなことはクレージーだ。全くもってクレージーだ」と思ったという。

■テレビ討論後の圧力

散々な結果に終わった24年6月のトランプ氏とのテレビ討論後、バイデン氏の最側近らは失態を過去のものにしようとした。まるで何事もなかったかのように。

ある選挙陣営顧問は、テレビ討論の後、エアフォースワン(大統領専用機)の機内でバイデン氏と議論したときのことを振り返る。同書の中でこの顧問は、一文もまともに話せないバイデン氏に困惑。「このような会話では、相手が大統領でなくてもその人の健康状態が不安になる。だが実際ここにいるのは、現職の合衆国大統領なのだ」。この顧問はそのように当時を回想する。

バイデン氏と妻のジル夫人は今月、米ABCとの共同インタビューで大統領時代のバイデン氏の仕事ぶりを擁護。任期最後の年に認知機能が低下していたとする見方に反論した。

ジル氏は「そうした書籍を書いた人々は、ホワイトハウスで私たちと一緒にいたわけではない。だからジョー(・バイデン氏)が毎日どれだけ懸命に働いていたか、彼らは目にしていない」と主張した。

昨年の大統領選で、オバマ元大統領と民主党のシューマー上院院内総務(当時)は、バイデン氏が自身の最側近から必要な情報を与えられていないのではないかとの懸念を抱いていた。「原罪」の著者らによれば、この情報とはバイデン氏の再選の見込みがどれだけ薄いかを示す率直なデータのことを指す。オバマ氏はシューマー氏に対して、バイデン氏と話をし、データを渡すべきだと告げたという。

シューマー氏はデラウェア州へ出向き、上院民主党の間でバイデン氏の大統領選継続を望む声がいかに少ないかを表すデータを本人に示した。その上で、バイデン氏には大統領選の勝算にまつわる情報が伝えられていないと警告した。

これを聞いたバイデン氏はシューマー氏に、「カマラ(・ハリス氏)なら勝てると思うか?」と問いかけた。

「原罪」の記述によるとシューマー氏は、「彼女が勝てるかどうかは分からない」「ただあなたが勝てないことだけは分かる」と答えた。

バイデン氏は24年7月、大統領選からの撤退を決めた。

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バイデン前大統領の健康問題、組織的な隠ぺい疑惑…「補佐官の名前も覚えていない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.21 06:470 글자 작게
https://japanese.joins.com/JArticle/333997

米国のジョー・バイデン前大統領が少なくとも就任2年目(2022年)から「毎日会う補佐官の名前を覚えていない」という主張が出た。

昨年の米大統領選挙時代に提起されたバイデン前大統領の健康悪化と認知力の低下が、実はすでに執権初期から始まったということだ。

CNNアンカーのジェイク・タッパー氏とアクシオス誌記者のアレックス・トンプソン氏が20日(現地時間)に出版した『Original Sin(原罪)』(原題)によると、バイデン氏はこのように政権初期から認知力問題を抱えていた。

また、昨年の大統領選挙中には「車椅子を使わなければならない」という深刻な議論があったが、高齢イシューを避けるために車椅子を使わなかったという。

『原罪』はホワイトハウスと選挙キャンプ関係者200人に対するインタビューを基に執筆された。彼らはインタビューを通じてバイデン氏の家族と中心参謀らがこのような問題を組織的に隠ぺいした可能性を提起した。

著者は「昨年6月、初の大統領選挙テレビ討論で世界が見たのは突発状況や風邪、あるいは準備不足か、過度に準備された人、または少し疲れた人ではなかった」として「バイデン氏の家族と彼のチームは自分たちの私利私欲とトランプ氏の任期に対する恐れのため、数年間認知力が低下してきた81歳の老人を執務室に4年さらに置こうとする試みを正当化した」と主張した。

著者は特に「ジル夫人はホワイトハウスの参謀たちに自身を『ドクターB』と呼ぶように指示した」とし「ジル夫人は(バイデンの)再選出馬の決定を最も強く支持した人の一人であり、彼の病状悪化を最も強く否認した人」と書いた。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は、民主党のカマラ・ハリス副大統領の人気が急上昇ということで、民主党側はお祭り騒ぎになっており、共和党とドナルド・トランプ陣営が守勢に回っているという報道がなされている。私は、激戦州、特にウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州の状況を見ていて、トランプ前大統領が有利と見ている。トランプがペンシルヴァニア州を取れば選挙戦はトランプ勝利で終わるだろうと見ている。

 カマラ・ハリスはカリフォルニア州でキャリアを重ね、連邦上院議員になって4年、副大統領になって3年半ほどである。国政でのキャリアは短い。バイデンは大統領になる前には、連邦上院議員を36年、副大統領を8年務め、大統領になった。ワシントン政治の大ヴェテランで賛否両論あるが、その点は評価すべきだ。バイデンはペンシルヴァニア州の出身で、隣のデラウェア州を拠点にしてきたので、五大湖周辺の激戦州での人脈が広い。ハリスは、五大湖周辺州での人脈がほぼない状況であり、ここの有権者たちにしてみれば、「カマラってどんな人なの?」ということになる。残り100日余りで、どこまで浸透できるかは不透明である。また、五大湖周辺の激戦州(工業中心、働き者の白人労働者、敬虔なキリスト教徒が多い)と、進歩主義的なカリフォルニア州では文化が違いすぎる。ハリスは自身を進歩主義派とは規定していないだろうが、激戦州の人々から見れば、十分に「過度なリベラル派で進歩主義派」ということになる。トランプに投票した、白人労働者階級の人々が、賢二上がりで進歩主義派のカマラ・ハリスを高く評価するとは考えにくい。

 更に言えば、民主党内で、ハリスをどこまで支援するのかという問題も残っている。ジョー・バイデン政権内で、バイデン派とハリス派の軋轢があったということが報じられている。バイデン派からすれば、ハリスの政治家としての能力が低く、上院議員時代も、2020年のアメリカ大統領選挙に出馬して早々に撤退した時も、事務所や陣営の運営がうまくいかなかったが、副大統領になってもやっぱりうまくやれていないという不満があったようだ。また、2020年のアメリカ大統領選挙の民主党予備選挙で、ハリスがバイデンを厳しく批判し続けたことをバイデン派は忘れておらず、ジル・バイデン夫人は、ハリスを副大統領候補にすることに不満を持っていたとも言われている。今回のバイデン降ろしは、バイデン支持派にしてみれば宮廷クーデターに等しく、ハリスを全力で支持することは難しいだろう。そもそもハリスは厳しい選挙で勝った経験がなく、民主党エスタブリッシュメント派の覚えがめでたいというだけでここまで来ている。そのことに、民主党支持者の中にも不満がある。だから、8月19日からの民主党全国大会でデモを計画しているグループが複数ある。

 選挙戦について、じっくりと冷静に見ていくことが必要だ。

(貼り付けはじめ)

大騒ぎの裏で民主党はハリスに懸念を持っている(Behind hoopla, Democrats anxious about Harris)

アレクサンダー・ボルトン筆

2024年7月29日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/senate/4795432-kamala-harris-democratic-anxiety/

カマラ・ハリス副大統領が急速に党の大統領候補に浮上したことに対する国民の歓喜(public jubilation)の裏で、民主党の連邦議員たちは、彼女が候補者としてほとんど試されておらず、深刻な課題に直面していることを認め、ハリスがドナルド・トランプ前大統領を破る見通しに内心不安を抱いている。

ジョー・バイデン大統領が再選を取り下げる決断を下したことによる深い安堵感(deep sense of relief)から、不安の大部分は脇に置かれている。81歳の現職に対する数カ月間の不安を経て、民主党議員たちは、ハリスが若年層や少数派の有権者とともに、民主党への献金者たちも元気づけることを期待してハリスの支持に結集することに喜んでいる。

しかし、トランプ大統領を倒すために重要な3州(ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州)で、ハリスが2020年にバイデンと同様に白人の労働者階級や労働組合の有権者とつながることができるかについて、既に懸念が噴出している。

ある民主党連邦上院議員は、アイオワ州党員集会前に民主党予備選挙から撤退した2020年の大統領候補としてのハリスの実績について、「彼女は素晴らしい候補者ではなかった」と語った。

この上院議員は続けて、「そして、彼女はバイデンの全盛期ほど優れた政治活動家ではないかもしれない」と述べた。

この上院議員は、民主党のほぼ全員がハリスの支持に結集しており、来月初めに民主党全国委員会がヴァーチャル審理を開催する際にハリスの指名獲得への明確な道筋が見えてきた今、ハリスの純粋な政治的手腕は彼女の成功にとってそれほど重要ではないと主張した。

この上院議員は、「ハリスは、予備選で選挙運動をしていない。彼女は候補者であり、彼女のために働いている何千人もの人々がおり、最も賢明な人々のティームがあり、その多くは長年にわたって彼女と一緒に働いてきた」と語った。

しかし、この上院議員は、ハリスの勝利への道は簡単ではないと警告した。

この上院議員は、「私たちは、非常に冷静になる必要があり、極めて厳しい状況になるだろう」と語った。

7月22,23日に激戦州の登録済有権者を対象に実施されたエマーソン大学の世論調査では、ミシガン州でトランプが46%対45%、ペンシルヴァニア州で48%対46%でハリスをリードし、ウィスコンシン州では両候補が47%で並んだ。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とその支持者たちは、ハリスがこれらの州のブルーカラー有権者の支持を得るには更に多くの努力をする必要があると主張している。彼らは、バイデンが第2期目の最初の100日間に向けて進歩主義的な経済計画を策定するために、最高顧問たちと緊密に協力したにもかかわらず、選挙から外されたことに満足していなかった。

サンダースは先週、「彼女が大統領になるには、アメリカ国民の60%、つまり給料をそのまま支払いに回す、ぎりぎりの生活を送っている勤労者たちに影響を与える問題について語らなければならないだろう」と本誌に語った。

サンダースと関係を持つ民主党系のストラティジストは、11月の選挙でハリスがバイデンよりも強力な候補になるかは明らかではないと述べた。そしてこの人物は、副大統領としての3年半の間、彼女は経済的不平等への取り組みよりも、中絶の権利や選挙権の擁護に関わっていたと指摘した。

民主党員の間で懸念されている主な原因は、第三党のロバート・F・ケネディ・ジュニアが、工業地帯の中西部において文化的に保守的で労働組合に協力している多くの労働者階級の有権者の票を吸い上げてしまう可能性があることだ。

●バイデンよりも強力(Stronger than Biden)

匿名を希望した2人目の民主党連邦上院議員は、ハリスが完璧ではないことは認めているが、討論会での悲惨なパフォーマンスや選挙運動を正そうとする試みの失敗を受けて、バイデンの勝利の可能性について広範な悲観論を引き合いに出して、ハリスはバイデンよりもはるかに優れていると主張した。

この上院議員は討論会後の党員集会の雰囲気について、「民主党は絶望に陥っていた。舞台裏では、ほぼ全員が『だから、ジョー、私たちはあなたを愛しているけど、もう去って欲しい』と言おうとしていた」と述べた。

この上院銀は続けて、「『ああ、世界最高の候補者が予備選挙にいる』という完璧なヴィジョンがあった訳ではない」と述べた。

しかし、この議員は、ハリスにはホワイトハウス当選に最も重要なミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州の有権者を魅了する時間があまりないと語った。

この上院議員は、これらの激戦区の有権者に訴えるためにハリスがしなければならない仕事について、「ハリスの選挙戦はまだ始まったばかりだ。その挑戦について、彼女は決して何も知らない訳ではない」と述べた。

ペンシルヴァニア州に拠点を置くある民主党ストラティジストは、ハリスは、ペンシルヴァニア州と特別な関係はないと述べた。それは、スクラントンで生まれ、連邦上院で36年間、隣のデラウェア州の代表を務めたバイデンとは違う。

このストラティジストは、「私が驚いたのは、ハリスがここであまりにも人間関係が少ないことだ。カリフォルニアはとても遠い。文化的には非常に異質なものとして見られる」と述べている。

この人物は、「私がいつも聞いていることは、彼女はペンシルヴァニア州では、それほど多くの関係を持たず、ここでいかなるアイデンティティも確立していないということだ。明らかに、それはジョー・バイデンとは非常に大きな違いだ」と述べた。

厳しい再選争いに巻き込まれているボブ・ケイシー連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)は、ハリスには地元の州でやるべきことがたくさんあると語った。

Sen. Bob Casey (D-Pa.), who’s locked in a tough reelection battle, said Harris has a lot of work to do in his home state.

ケイシー議員は、「ハリスの選挙戦は始まって、まだ1週間も経っていない。彼女のメッセージを伝える必要があるのは明らかだ。最終的には、彼女が勝つと思うが、私たちにはやるべきことがたくさんある」と述べた。

ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロの存在が状況を変える可能性があり、ハリスの副大統領候補の最有力候補と見られている。

今月初め、連邦上院民主党議員会がバイデンを候補から外すかどうかで激しく議論していたとき、大統領の盟友たちは同僚に対して、ハリスがほぼ間違いなくバイデンの後任候補になるだろうと語り、ハリスには党を率いる指導者(party’s standard-bearer)としての欠点があると暗に主張した。

バイデンの後任をめぐる党内議論に詳しいある関係者は、チャック・シューマー連邦上院多数党(民主党)院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)は当初、ハリスが党の候補者に就任することについて「生ぬるい(lukewarm)」と述べた。

しかしながら、水曜日、シューマー議員は、ハリス副大統領に対して熱烈な支持を表明し、バイデンが選挙活動を打ち切る決定を発表して以来、彼女の立候補に対する民主党からの膨大な支持に大喜びしているようだった。

シューマーは、連邦下院少数党(民主党)院内総務ハキーム・ジェフリーズ(ニューヨーク州選出、民主党)との記者会見で「そうだ、我々は熱烈に支持しているんだ」と宣言した。

●明確な強み(Clear strengths)

確かに、民主党連邦上院議員たちは、ハリスには明らかな強みがあると述べている。

主要政党から大統領候補に指名された2人目の女性として、彼らは彼女を、2024年の大統領選挙で、民主党の最大の争点とみなされている中絶の権利に関するメッセージを伝える理想的な候補者とみている。

そして、2008年と2012年にバラク・オバマが大統領選挙で勝利し、2020年にバイデンが勝利するのに重要な役割を果たした、マイノリティ有権者たちの間で彼女が熱狂を更に高めるだろうと彼らは考えている。

そして、彼らは、カリフォルニア州司法長官としてのハリスの経歴、連邦上院議員としての4年間、副大統領としての4年間を考慮すると、彼女には明らかに国を運営する資格があると信じている。

彼らは、2021年に児童税額控除を拡大して、子どもの貧困を20%削減するなど、バイデンの主要な功績を彼女が称賛できると主張している。再生可能エネルギーに対して、史上最大の投資を行う。1兆ドルの超党派のインフラパッケージを制定する。高齢者の処方薬自己負担額の上限は年間2000ドル、インスリン費用の上限は月35ドルとなった。

しかし、民主党上院議員たちは、ハリスが経済運営を成功させる指導者と定義する点でトランプに大きく遅れをとっており、更には、今夏初めのバイデンよりもはるかに遅れており、複数の有権者は、それが最優先事項だと主張していると警告している。

しかし、バイデン政権が有権者に「バイデンノミクス(Bidenomics)」を売り込むのに苦労したにもかかわらず、彼らは、ハリスがバイデンの経済実績に基づいて立候補できることを望んでいる。

3人目の民主党上院議員は、ハリスは政権下で好調な経済の功績をすべてバイデンに吸い上げさせたため、ハリスはやや難しい立場にあると述べた。

この上院議員は、「ハリスは、自分自身を定義しなければならない。彼女は、忠実であり、バイデンに脚光を浴びせるという素晴らしい仕事をしてくれた」と述べた。

この議員は、第2四半期の経済成長率が2.8%でエコノミストの予想を上回ったとする商務省の最新報告を指摘し、「彼女には、経済に関するブランドはないが、才覚はあり、バイデンにはその記録がある」と述べた。

バイデンの後任候補を強く推していた民主党議員たちも、59歳のハリスが候補者としてどのような実績を残すかについてはあまり手がかりがないと認めているが、彼女の個人的なカリスマ性と候補者としてのフレッシュさは、登録済有権者の51%が好意的に受け止めていない、78歳で3回目の大統領候補となった、トランプと比較して有利に働くだろうと楽観視している。

4人目の民主党連邦上院議員は、ハリスは経済問題で定評のある副大統領候補を選ぶ必要があると述べ、連邦上院で国内半導体製造産業への投資を推進している有力な支持者であるマーク・ケリー上院議員(アリゾナ州選出、民主党)を良い選択だと宣伝した。

この議員は、大統領選挙に立候補する前に十分な検査を受けていない候補者はいないと主張したが、ハリスは4年以上前に立候補した時よりも準備が整っていると述べた。

この上院議員は「大統領選挙に参加するとき、誰も完全に検査されていない」と述べた。

この上院議員は、サンダースの国民向けメディケア提案への署名や数年以内に民間医療保険が廃止される可能性を示唆することなど、2019年にサンダースがとった極左の立場のいくつかについて共和党が彼女を攻撃しようとすることを認めた。

この議員は、党のリベラル層にアピールするための2019年と2020年の狂気の争奪戦について指摘し、「予備選挙の人々は、あらゆる種類のことを言った」と述べた。

この上院議員は、2019年にアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が2019年に打ち出した大胆な提案である「グリーン・ニューディール」を支持するハリスの賢明さに疑問を呈したが、その年の連邦上院議場で可決には至らなかった。

この議員は、トランプ大統領と共和党副大統領候補のJ・D・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)も、本選挙で再び彼らを悩ませるであろう共和党支持層に応えるべく、過去に多くの発言をしてきたと述べた。

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新刊書はバイデン派とハリス派との間の緊張関係を暴露している(New book reveals frustrations between Biden, Harris camps)

モニーク・ビールズ笛

2022年3月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/599181-new-book-reveals-frustrations-between-biden-harris-camps/

伝えられるところによると、『ニューヨーク・タイムズ』紙記者2名が近々出版する本で、ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領のティーム間の緊張が明らかになっているという。

『ポリティコ』誌が入手した抜粋によると、ジョナサン・マーティンとアレックス・バーンズの共著『これは通過しない:トランプ、バイデン、そしてアメリカの未来のための戦い(This Will Not Pass: Trump, Biden, and the Battle for America’s Future)』という本は、ハリスのポートフォリオに対する懸念を具体的に明らかにしている。

この著作によると、バイデンの広報担当ケイト・ベディングフィールドは、緊張の原因は直接ハリスにあると述べた。

ポリティコの報道によると、この本では、「ベディングフィールドは、裏では、ハリスの政治家としてのキャリアの中で、彼女が非常に高い期待を下回ったのは副大統領就任が初めてではないことを指摘していた。彼女の連邦上院事務所は混乱しており、彼女の大統領選挙活動は大失敗だった。おそらく、問題は、副大統領のスタッフではないと彼女は示唆した」と書かれているということだ、

ベディングフィールドは、ポリティコへのコメントでこの報道を批判した。彼女は、「この本の執筆に携わっている誰も、この出所不明の主張を事実確認するためにわざわざ電話をかけなかったという事実が、あなたが知るべきことを物語っている」と述べた。

ベディングフィールドは続けて、「ハリス副大統領はこの政権の力であり、国を前進させるために彼女が日々行っている仕事に最大限の敬意を払っている」と述べた。

この本は、バイデンとハリスの関係を「友好的ではあるが親密ではない(friendly but not close)」と表現し、「毎週の昼食には個人的、政治的な真の親密さが欠けていた(their weekly lunches lacked a real depth of personal and political intimacy)」と付け加えた。

マーティンとバーンズはまた、ジル・バイデン大統領夫人がハリスの副大統領選択に不満だったと報告している。

この本には、「夫の選挙運動の側近と内密に話し、将来の大統領夫人は鋭い質問を投げかけた。アメリカには何百万人もの人々がいる、と彼女は始めた。なぜジョーを攻撃した人を選ばなければならないのかと彼女は質問した」と書かれている。

2019年6月の討論会で、ハリスは、バイデンの人種に関する経歴、特に人種差別主義者連邦上院議員との過去の関係や通学バスへの反対について批判した。

大統領夫人の広報担当マイケル・ラローザはポリティコに対し、大統領夫人事務室は、2020年のキャンペーンに関する書籍についてはコメントしないと語った。

本誌は、ホワイトハウスにコメントを求めた。

『これは通過しない』は5月3日に刊行予定だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 またまたアメリカ大統領選挙候補者討論会の話題で申し訳ない。バイデンに選挙戦からの撤退、候補者の交代を求める声が大きくなっている中で、バイデンで進むべきという意見もある。今回はそのような意見を紹介する。アメリカほどの大国の政治において、何か大きな変化を急激に起こすことはできない。個人レヴェルで見れば、大きな変化(医療補助が減らされたとか減税で手元のお金が増えた)は起きるが、国家レヴェルではそれは難しい。ある政治家は国家運営を大型タンカーの操縦に例えていて、大きく旋回することや急激な停止はできず、そのようなことをすれば、船内で大混乱が起きてしまうので、慎重に操縦を行うということになる。

 アメリカ政治で考えてみれば、大きな問題は、国内的には経済(インフレと人々の生活)と不法移民問題、国外的にはウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争への対応と、対中関係である。不法移民問題ではトランプが強硬、バイデンが穏健という区別がなされているが、バイデンも国境警備、不法移民の取り締まりを強化している。ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争についても、トランプは、ウクライナ戦争は自分が大統領になればすぐに停船させるとしているが、そのようにうまくいくとは限らない。そうなれば支援は続けていくだろうし、イスラエルに関してもそうだ。対中関係はバイデン、トランプどちらも強硬に対処する面と協力する面があり、どちらを強調するかである。

 こうなれば、どちらもそれほど変わらないということであれば、バイデンの方が人間としてましだということになって、だからバイデンを支持するという話になる。しかし、そのように考える人は多くはないだろう。実際には、やはり、バイデンの健康問題、年齢問題に懸念を持つ人たちが多くいる。討論会後に実施された世論調査の結果も出てきているが、トランプリード、そのリード之ポイント差も大きくなっている。バイデンに対する撤退圧力は徐々に強まっていくが、バイデンが降りると言わない限り、選挙戦は進んでいく。次の討論会が9月に予定されているが、盛り返すためにはこの7月、8月の選挙集会やマスコミとのインタヴューで大成功を収めねばならないが、これらはあくまで「ホーム」であり、「アウェイ」ではない。盛り返すことはかなり厳しいだろう。バイデンの決断が遅くなればなるほど、彼が降りた後の候補者にとっては厳しい状態になり、民主党にとっては、「進むも地獄、退くも地獄」ということになる。

(貼り付けはじめ)

そうだ、バイデンはつまずいた。しかし、過剰反応は控えようではないか(Yes, Biden Flopped. But Let’s Not Overreact.)

-アメリカは最悪の場所にいる。ただ人々が思っているほど悪くはない。

マイケル・ハーシュ筆

2024年6月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/06/28/biden-trump-presidential-debate-performance-democracy-us-world-leadership/

 

アトランタにあるCNNスタジオでの大統領選挙候補者討論会後、ジョー・バイデン米大統領がジル・バイデン大統領夫人とともに壇上から降りる(2024年6月27日)

1人の候補者は繰り返し嘘を言った。もう1人の候補者は一文を言い終えるのがやっとなほどだった。それぞれが相手を世界の指導者にはふさわしくないと嘲笑し、その後、奇妙なことに、あたかもフロリダによくいる、仲の良くない退職者2人のように、どちらがゴルフのハンディキャップが低いかで口論した。アメリカ大統領政治の歴史の中で、これまでに最悪の瞬間があったとするならば、そして、248年間にわたって何度も最悪の瞬間があったが、今回ほど酷かったのかどうか、私には分からない。

しかし、長期的には、木曜夜のジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会はおそらくそれほど重要ではないだろう。現実には、共和国としてのアメリカの根本にある様々なものは依然として協力であり、アメリカは依然として世界最高の超大国である。

しかし、最初に言っておかねばならないことある。2024年のアメリカ大統領選挙という最低の競争において、木曜日の夜はまさに、飛行機が地表に急降下し、煙と火と瓦礫とそれに伴う人命の損失を伴った実際の事故のように感じられた。最も明白な犠牲者は、バイデンで、バイデンの陣営は81歳のバイデンが2期目に挑戦していることを証明するために、異例の早期討論会を強行した。

バイデンは正反対のメッセージを伝えた。凍りついた老化した顔と、ごちゃごちゃで、しばしば支離滅裂な答えで、大統領はこれまで以上に認知症寸前(verge of dementia)の男性のように見え、そのように聞こえた。それは民主党にとって最悪の悪夢となった。

バイデンは討論会のほぼ最初の瞬間、冒頭から声がれ、つまずき、そのパフォーマンスの悪さから、おなじみのバイデンの撤退を求める声が復活した。政治評論家のエイミー・ウォルターはPBSニューズアワーで「民主党員の集団的な混乱は想像できる最高レヴェルにある(the collective freak-out from Democrats is at the highest level you can imagine)」と述べた。しかしバイデンは、再出馬するには高齢であるというこれまでの示唆をすべて拒否しており、敗北を認めるつもりはないようだ。バイデンはその後記者団に対し「私たちはよくやったと思う(I think we did well)」と語ったが、体調が悪いのかとの質問には「喉が痛い(I have a sore throat.)」と答えた。

痛み? 選挙までのあと4カ月は地獄のように苦しいだろう。それでは、自分が実際にどれだけ傷ついているかを考えてみよう。

既に多くの世論調査でリードしていたトランプが再び大統領に選出される可能性は十分にある。多くのアメリカ人は、それは大惨事になると信じている。それは共和国の終焉を意味すると考える人もいる。

しかし、ここでは少し視点を変える必要があるかもしれない。アメリカの実験の中心にある完全に機能不全に陥った政治(utterly dysfunctional politics)、つまり、国の健全な部分が、どちらの候補者を大統領になるべきではないと考えているという事実は、この国の他の地域や世界で何が起こっているかほど重要ではないかもしれない。

それは何故か? 中国とヨーロッパが経済的に劣勢に陥り、ロシアがウクライナで大惨事に陥っている中、アメリカは依然として揺るぎない超大国である。そう、トランプはアメリカ史上最も成功した煽動者であり、アーロン・バーやヒューイ・ロングといった過去の権威主義者志望者(would-be authoritarians)の全盛期に渦巻いていたあらゆる恐怖の成就である。

2度目のトランプ大統領就任は、エイブラハム・リンカーンの「記憶の神秘的な和音(mystic chords of memory)」、つまり共和国を無傷に保つ名誉ある伝統(the honored traditions keeping the republic intact)が限界点(breaking point)まで緊張することを意味するかもしれない。国際的には、それはウクライナにとって悪い和平協定、NATOの存亡に関わる挑戦、中国との貿易戦争の再燃、そしておそらくは更に悪いことを意味するかもしれない。

しかし、共和国は、考えているよりも簡単に生き残るだろう。トランプ自身も78歳であり、無期限に大統領をやり続けることはできない。裁判所と制度内の抑制と均衡(checks and balances)は、彼の最悪の権威主義的衝動を撃退するのに十分強力である。

そして、トランプ大統領が木曜日に言ったことの1つは、実際に真実だったということだ。つまり、大統領としての4年間、トランプは戦争を始めなかった。トランプはおそらくNATOから撤退することはないだろう。トランプと支持者たちは既に、NATOの同盟諸国による追加支出の誓約を勝利として喧伝している。トランプはウクライナ戦争終結に向けてロシアのウラジーミル・プーティン大統領と合意に達する可能性があるが、双方の多くの関係者はいずれにしても何らかの妥協(compromise)が必要だと考えている。

ヨーロッパと日本は、何があってもアメリカを支持するだろう。多くの専門家がトランプ政権時代を通じて、アメリカの破滅を予言していたにもかかわらず、ヨーロッパは更に後退するだけだった。ファリード・ザカリアが最近ワシントン・ポストに書いたように、2008年の大不況(ちなみに、ワシントンによる大規模な政治的誤りによって始まった)から20年も経たないうちに、アメリカ経済はユーロ圏とほぼ同じ規模から2倍近い規模になった。

ザカリアは次のように書いている。「最近のアメリカ経済はヨーロッパ経済を上回っている。 アメリカのテクノロジー企業は大陸を支配している。アメリカの銀行はヨーロッパの銀行よりもはるかに収益性が高い。アメリカのエネルギー生産は製造業のブームを引き起こし、ヨーロッパ企業の多くをアメリカに引き寄せている」。

討論会中にトランプが発言した虚偽の発言は数十あったが、その中で最も馬鹿馬鹿しいのは次のようなものだった。「全世界を通じて、私たちはもはや国家として尊敬されていない。私たちは第三世界の国家のようになってしまった(Throughout the entire world, we’re no longer respected as a country. … We’ve become like a Third World nation.)」。ワシントンではそのように見え、感じられるかもしれないが、他の場所ではそうではない。

更に言えば、トランプとバイデンの厳しいやりとりは、貿易、移民、中国、新・保護主義(neoprotectionism)、そして両党を圧倒する新たな「アメリカで成功を(make it in America)」という熱狂など、アメリカの世界における地位に関する多くの問題について、全てではないにしても、多くの点で意見が一致しているという事実を裏付けている。

トランプは、バイデンのアフガニスタン撤退の醜悪で屈辱的なやり方を繰り返し非難したが、アフガニスタン政府を回避し、惨事につながったタリバンと直接交渉する政策を発動したのはトランプだった。そしてプーティン大統領と中国の習近平国家主席は、アメリカの覇権を覆そうと多かれ少なかれ手を組んでいるが、自らの国内問題にかかりきりだ。

討論会の多くの悲惨な瞬間の中で、トランプとバイデン(前大統領と現大統領)の両者が、差し迫った災害を引き起こした張本人であると相手を非難した。トランプ大統領は「彼(バイデン)は私たちを第三次世界大戦に追い込むだろう」と述べた。バイデンは「第三次世界大戦を望んでいるのか?」と応じた。バイデンは、「トランプを勝たせて、プーティン大統領にNATOに対してやりたいことは何でもするように言わせたらどうだ」。どちらのシナリオも起こりそうにない。

今後数日間のワシントンでの議論の多くは、バイデンに若い人のために退陣するよう説得する民主党の大物たちの新たな取り組みに焦点が当てられるだろう。これもおそらく起こらないだろう。あるヴェテランの政治専門家がポリティコ・プレイブックに語ったように、バイデンは「撤退するつもりはなく、交代のための明確なプロセスもない。それで、数日間熱狂することになるだろう。そうすれば、誰もがレースの主な輪郭が実際には変わっていないことに気づくだろう」ということになる。

また、変わっていないのは、アメリカがこれよりもはるかに酷い混乱を経験してきていることだ。歴史家のドリス・カーンズ・グッドウィンは、最新の著書『ある未完の愛の物語(An Unfinished Love Story)』の中で、亡き夫で伝説的な大統領スピーチライターのリチャード・グッドウィンの言葉を引用しながら次のように書いている。「私たちの国の終わりはこれまで何度も迫ってきた。アメリカは思っているほど脆弱ではない」。

※マイケル・ハーシュ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。『資本攻勢:ワシントンの賢人たちはどのようにしてアメリカの未来をウォール街に渡し、我々自身と戦争を行ったのか(How Washington’s Wise Men Turned America’s Future Over to Wall Street and At War With Ourselves)』と『何故アメリカはより良い世界を築くチャンスを無駄にしているのか(Why America Is Squandering Its Chance to Build a Better World)』の2冊の本の著者でもある。ツイッターアカウント:@michaelphirsh
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大統領候補を交代させるには遅すぎるのか?(Is It Too Late to Replace a Presidential Candidate?)

-世界中の他の民主政治体制国家によればそうではない。

ジャック・ディッチ、クリスティーナ・リュー筆

2024年6月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/06/28/biden-trump-presidential-election-campaign/

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ジョー・バイデン米大統領(右)と共和党大統領候補ドナルド・トランプ前米大統領が6月27日、ジョージア州アトランタのCNNスタジオで行われたCNN大統領選挙候補者討論会に参加

11月の2024年アメリカ大統領選に向けた2回の討論会のうちの1回目となる木曜日夜の大統領選挙候補者討論会の開会のベルから、ジョー・バイデン大統領は気分が優れないように見えた。彼の声は小さくかすれており、バイデン陣営は後にタイミング悪くひいてしまった風邪のせいだと述べた。81歳の最高司令官は何度も思考回路を失い、自分の主張を明確に伝えるのに苦労した。投票日まであと約4カ月となり、警戒した民主党内部関係者たちは、バイデンを党の候補者から置き換えるべきかどうか公然と疑問を抱いている。

米国の歴史では前代未聞のことではない。 1968年、その年の選挙が行われる7か月あまり前に、当時のリンドン・ジョンソン大統領は、ベトナム戦争支持により重要な予備選を危うく失いかけたため、再選への立候補を取り下げると発表し、全米に衝撃を与えた。

That’s not unheard of in U.S. history. In 1968, a little over seven months before that year’s election was to be held, then-President Lyndon Johnson shocked the nation by announcing he was dropping his reelection bid after his support for the Vietnam War nearly cost him a key primary.

しかし、他のほとんどの民主政体国家では、選挙の7カ月前に候補者が交代することは奇妙なことではないし、投票日まで4カ月以上の前の段階で、討論会を開催するという考えは前代未聞なことだろう。

必要な状況が満たされれば、いつでも選挙を実施できる議会制民主政治体制(parliamentary democracies)では特にそうだ。イギリスでは今年6週間の選挙運動期間が実施される。メキシコの公式選挙運動期間は、2018年と同じ総選挙のわずか3カ月前の3月1日に始まった。ブラジルの候補者たちは2022年の選挙では、選挙運動期間は2カ月しかなかった。

選挙運動期間が長いのは普通のことではない。ほとんどの国では予備選挙はなく、党首選挙はそのプロセスに組み込まれており、場合によっては国政選挙の数年前に行われる。本誌では、他のいくつかのヨーロッパ、ラテンアメリカ、オセアニアの民主政体諸国が、どのようにして、アメリカよりもはるかに早く投票を終えるかを調査した。

(1)より短い選挙運動期間(Shorter Campaign Seasons)

アメリカ大統領候補は討論会に臨む前に、まず出馬を宣言し、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州、フロリダ州、そして「スーパーチューズデー」の各州と続く6カ月に及ぶ党員集会と予備選を経なければならない。

そして、全得票と代議員数が決まると、投票日までに党による指名を得る全国大会、討論会、街頭演説(stump speeches)、期日前投票がそれから更に5カ月続く。これは、2年ごとに33回の連邦上院議員選挙と435回の連邦下院議員選挙のプロセスの長さでもある。

世界中のほとんどどこでも、そのようにはなっていない。イギリスでは、二大政党の正式な米大統領選挙候補者を生み出す長い予備選挙制度に相当する制度が、選挙そのもののずっと前に行われる。労働党党首のキア・スターマーが2020年にその職に選出された。反対派が撤退した後、2022年10月にリシ・スナック首相が保守党とダウニング街10番地を引き継いだ。

フランスでは、エマニュエル・マクロン大統領が6月9日に国民議会の解散総選挙(snap parliamentary election)を求めた。そのプロセスには予備選挙が組み込まれている。第1回投票は日曜日に行われ、その後、過半数の得票を得られなかった候補者たちの決選投票が7月7日に行われる。そして隣国のドイツでは、候補者が決定したら選挙活動に参加するまでの期間は伝統的にわずか4から6週間しかない。

世界最大の民主政治体制国家であるインドでさえ、アメリカの予備選を考慮すると、アメリカよりも投票日が少ない。インドは、4月と5月に6週間にわたる段階的な選挙を実施し、ナレンドラ・モディ首相が政権を掌握した。

アメリカのすぐ南、最近初の女性大統領クラウディア・シェインバウムを選出したメキシコでは、選挙運動は3カ月に限定されている。候補者は正式に3月1日に選挙活動を開始することが許可され、投票は6月2日に予定されていた。

今年は数十カ国が投票する予定だ。その多くで民主主義は転換点にある。

そして、ブラジルでは、大統領選挙候補者に割り当てられた選挙運動時間がさらに短縮されている。2022年の前回の選挙では、当時現職のジャイール・ボルソナロとルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領が争ったが、選挙運動は8月16日に正式に開始され、10月2日の投票に向けて両候補者が支持を結集するまでに2カ月もなかった。

(2)集中型選挙システム(Centralized Election Systems)

投票権を保護する連邦法は、どこに住んでいるかに関係なく全てのアメリカ人に適用されるが、アメリカの大統領選挙は集中的なものではない。有権者たちは実際に、各州がルールを定め、地方自治体が実施する1万以上の地方レヴェルの選挙で大統領に投票している。これは、いつ、どのように投票するか、更には投票する資格があるかどうかさえも、州ごとに、場合によっては郡ごとに異なる可能性があり、実際に異なることを意味している。

大統領を選出する選挙人団(Electoral College)を含む、アメリカの選挙制度は、部分的に合衆国憲法に由来しているが、イギリスには単一の統一憲法(single unified constitution)がなく、選挙法は歴代の議会によって長年にわたって更新されてきた。

しかし、全てが集中化されている。法律により、イギリスは5年ごとに選挙を実施する必要がある。しかし事実上、イギリス議会議員でもある首相はいつでも解散選挙(snap election)を実施することができる。

5月に国王チャールズ三世がスナク首相に議会解散のゴーサインを与えると、内閣は存続したが、イギリス下院にはもはや議員がいなくなり、選挙日の7月4日まで650人の議員が選挙区を代表することを停止した。スナク首相は12月までに選挙を実施しなければならなかった。

フランスも同様だ。全プロセスは1カ月弱で完了する予定で、7月末のパリオリンピック開会式に間に合うように新たな連立政権の交渉が完了することが予想されている。

フランスの制度がアメリカよりも早く動くことを可能にしている様々な要因があり、それらは全て投票の集中化に依存している。選挙は、独自の法律と認定要件を持つ、アメリカの 50の州、準州、コロンビア特別区ではなく、フランス内務省によって直接管理されている。そして、フランスは、6つのタイムゾーンではなく、ただ1つのタイムゾーンがカヴァーしている。

また、選挙人団も存在しない。つまり、トランプ支持の暴徒たちが暴力的に妨害した2021年1月6日のアメリカ連邦下院での集計のような、長引く集計もない。実際、フランスは投票直後に得られる結果を予測しており、後で認定される。

(3)政治資金不足(Lack of Money in Politics)

アメリカでは、政治広告がいたるところで行われており、連邦議会議員たちは、議員事務所で法案作成に取り組む時間よりも、党の委員会で電波に乗せるための資金調達に多くの時間を費やしていることが多い。選挙の候補者たちは、寄付金の制限に直面しているが、支出できる額には制限はない。2020年にアメリカ大統領候補者たちは、約40億ドルを集めた。

マサチューセッツ大学アマースト校のレイ・ラ・ラジャ教授は、最近のアメリカ国務省での会見で、「支出制限がないことの影響は非常に深刻だ。上限がなければ、政治家は多額の資金を集めるインセンティヴがあり、無制限に支出できるため、更に多くの団体が参加することになる」。

この慣行を行っているのはアメリカだけではないが、フランス、ベルギー、カナダ、チリ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イスラエル、日本、韓国、ポーランド、スロヴェニアなど、世界中の多くの国が候補者の政治支出と寄付金に厳しい制限を課している。イギリス、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、スロヴァキアなど他の少数の国は支出を制限しているが、候補者が受け取ることができる寄付金には制限を設けていない。

これらの政策は、多くの場合、国の選挙期間の長さに関係する。たとえば、英国で選挙が迅速に進む理由の1つは、選挙運動に費やすことができる金額を制限しているからだ。

労働党、保守党、その他の政党は、争う議席ごとに約7万ドルしか支出できず、632の選挙区全てを獲得しようとすると、候補者1人当たりにかかる平均費用を含めると5800万ドル強が必要となる。この数字はインフレによっても増加するが、投票が近づくにつれて減少する。

フランスでは、法律で大統領選挙候補者が支出できる総額が制限されており、個人の寄付に上限を設けるという考えのもと、政府は選挙活動で支出した金額の半分までを返済する。アメリカ連邦最高裁判所のシチズンズ・ユナイテッド判決は、匿名の寄付者がいわゆるスーパーPAC(政治活動委員会[political action committees]の略)に無制限に資金を提供することを認めたが、選挙資金法はヨーロッパの多くの州で同様の行為を禁止している。

これら全ては、アメリカの選挙戦期間が世界基準から見て異常に長いことを意味している。多くの国では、総選挙、つまり党首選挙の準備期間は数か月ではなく数週間で完了するため、選挙シーズンの真っ最中に候補者を入れ替えるのは困難だ。しかし、アメリカでは、各政党が候補者に対する考えを変えるには、11月の選挙までまだ十分な時間がある。

※ジャック・ディッチ:『フォーリン・ポリシー』誌国防総省・国家安全保障担当記者。ツイッターアカウント:@JackDetsch

※クリスティーナ・リュー:『フォーリン・ポリシー』誌記者。ツイッターアカウント:@christinafei
(貼り付け終わり)

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