古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:スーパーチューズデー

 古村治彦です。

 少し古い記事だが以下に3本を紹介する。重要な内容なので興味がある方は是非読んでいただきたい。スーパーチューズデーの結果分析の記事だ。

 今回のスーパーチューズデーでは投票参加者数が増加した。特に穏健派(moderates)と呼ばれる有権者グループの増加が目立った。この人々はサンダースの台頭を警戒し、中道派の候補者が絞られたことでバイデンへ投票した。「トランプを倒す、そのためにバイデンを選ぶ」という熱意が戻ってきたようだ。
2020supertuesdayturnoutslineintexas001
 一方で、サンダースが頼りにしてきた若い年齢層の有権者は期待ほど投票に行かなかったようだ。これではサンダースは勝てない。サンダースは狭い有権者グループ(若者とヒスパニック系)に働きかけ、熱心な支持者を作り出すことにできた。しかし、幅広いグループや層への浸透ができていなかった。わたしはこれを「縦に深く進むことはできているが、横へ薄く広がることはできなかった」と呼びたいと思う。このサンダースの熱心な支持者、特に若者を「バーニー・ブラザーズ(Bernie Bros)」と呼んでいる。こうした人々はインターネット上で他の候補者や支持者たちへの激しい個人攻撃を行っている。そのために多くの有権者が眉をひそめることになり、サンダースへの支持に広がりを欠くことになった。
berniebrosonlineattacks001

 投票者数が少なく(投票率が低い)、敵対する中道派内で有力立候補者が乱立状態、進歩主義派のライヴァルであるウォーレンの支持率が上がらないということであれば、サンダースに有利となるはずだった。サンダースの得票率が少なくても1位になって代議員の配分数が多くなるということが見込まれた。しかし、サンダース陣営の弱点である「横に広く」ができていないことを中道派に見透かされた。

それは南部サウスカロライナ州でのバイデンの予想外の圧勝で確信されたのだと思う。「あれ、なんでサンダースは何年も時間があったのに、アフリカ系アメリカ人有権者への支持拡大、浸透を図っていなかったのだろうか」と多くの人たちが思ったはずだ。

 サンダースの掲げる主張は低所得者の割合が大きいアフリカ系アメリカ人有権者にとって魅力的なはずだ。サンダース陣営は前回の大統領選挙の後から活発な活動を続け、若者とヒスパニック系からの支持拡大に成功した。しかし、民主党にとっては古くからの強固な支持基盤であるアフリカ系アメリカ人への浸透をなぜ行わなかったのか、もしくはなぜ失敗したのか、これから研究されるべき課題だろう。

 サンダースの失敗を見ていると、これは日本の現状に対する教訓を汲み取ることができる。日本の野党がまとまって幅広い人々に及ぶ、支持の連合体を構築でき、選挙に行かない無党派層に選挙に来てもらえれば、選挙に勝てるということだ。

サンダースの勝利の目論見は、今の自民党が勝利する理由とよく似ている。(1)投票者数・投票率が低いこと(組織票が大きな力を持つ;投票率が高くなってサンダースは負けた)、(2)多くの野党が分立していること(中道派の候補者が分立)、(3)支持基盤は狭いが強固(自民党は排外主義的な考えを持つ人々;サンダースは若者とヒスパニック系)ということになる。

サンダースと自民党を比べるのはおかしいが、自民党の支持者(J-NSC)やネトウヨのインターネット上の書き込みとサンダース支持者(バーニー・ブラザーズ)のインターネット上での書き込みの内容が酷いというところも似ている。どちらも熱狂的なあまりにそうなる。

 次の3月10日に実施されるミシガン州での予備選挙でサンダースがどういう戦いを見せてくるかは興味深いが、残された時間は少ない。ウォーレン頼みということになるだろうが、こちらも難しいだろう。手っ取り早いのは若者に投票を訴えることだろう。

(貼り付けはじめ)

ウォーレンがスーパーチューズデーでの失望を受けて選挙運動を再分析評価へ(Warren reassessing campaign after disappointing Super Tuesday

リード・ウィルソン筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485898-warren-reassessing-campaign-after-disappointing-super-tuesday

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はスーパーチューズデーでの失望的な結果を受けて民主党の候補者指名を目指す道が残っているかどうかを分析評価するために1日を費やしている。彼女は勝負になるだけの代議員数を獲得することができなかった。

火曜日深夜、デトロイトでの集会を終えて、ウォーレンはボストンに飛行機で戻り帰宅した。水曜日には人前に出るイヴェントの予定はない。ウォーレン選対のある幹部は本誌の取材に対して、彼女は選対幹部たちと会って残っている可能性について判断することになるだろうと述べた。

この幹部は「エリザベスは選対の幹部たちに対して進む道について分析評価するようにと話しました」と述べた。

これまでの予備選挙でウォーレンが勝利を収めた州はない。2月に行われた諸州でもスーパーチューズデーで出の各州でも勝利を収めることはできなかった。地元であるマサチューセッツ州でも3位に終わるという屈辱を味わった。ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の後塵を拝する形になった。

火曜日が終わる段階で、ウォーレンの予想される獲得代議員数は、2月の予備選挙とスーパーチューズデーを合わせて50名程度となった。バイデンとサンダースが積み上げた数に比べて小さいものとなった。

スーパーチューズデーではバイデンは好結果を残した。15州と自治領のうち少なくとも9つで勝利を収めた。そして代議員数で大量リードする結果となった。バイデンは少なくとも453名の代議員を獲得し、サンダースの382名を上回った。カリフォルニア州やテキサス州のような州では票の集計作業が続いており、代議員の配分も続けられる。

ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは、スーパーチューズデーに賭けていたがうまくいかず、選挙戦を停止した。彼は少なくとも44名の代議員を獲得したが、これはウォーレンの獲得した代議員数よりも2名多いものとなった。

=====

スーパーチューズデーでの勝者と敗者(Winners and losers from Super Tuesday

ナイオール・スタンジ筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485919-winners-and-losers-from-super-tuesday

民主党予備選挙の日程において火曜日は最大の日となった。全国の14州で投開票が実施され、多くの宣誓済み代議員が配分される。

誰が勝者もしくは敗者となったか?

●勝者

(1)ジョー・バイデン前副大統領

スーパーチューズデーはバイデンにとって素晴らしい夜となった。わずか3週間前にはニューハンプシャー州の予備選挙で5位に沈み、政治的には墓碑銘を書かれていたのに、戦争走者の位置を取り返した。

バイデンは、土曜日にサウスカロライナ州での予備選挙からの勢いの波をそのまま持続させてスーパーチューズデーに臨んだ。バイデンは14州のうち10州で勝利した。その中には水曜日にバイデンが勝者と認定されたメイン州も含まれている。

おそらく最も驚かれた勝利はテキサス州での勝利だ。バイデンの勝利は各種世論調査の結果を見ても、専門家の見解を聞いても予想できなかった。

同様に、バイデンは南部各州で大差をつけた。バイデンはアラバマ州で40ポイントを超える差、ヴァージニア州で約30ポイント差、アーカンソー州とノースカロライナ州でだいたい20ポイントの差をつけた。

アフリカ系アメリカ人有権者からの強力な支持が南部各州での彼の成功の基盤となった。

大差をつけての勝利によってバイデンは代議員獲得にとって重要な全てのレースで大きな成果を残すことができた。

代議員の最終的な配分はまだ確定していない。その中にはサンダースが優勢であり、重要なカリフォルニア州も含まれている。水曜日の午前中に出された『ニューヨーク・タイムズ』紙の予想によると、代議員数でバイデン対サンダースは351対280の結果になるとしている。

カリフォルニア州での結果が加算されても、サンダースはバイデンとの間についた差を縮められるだけだろう。しかし、ほんの数日前までは、左派のサンダースがスーパーチューズデーでほぼ逆転不可能な差をつけてリードする可能性が高いと見られていた。そのようなことはこれまで起きていない。

バイデンは急速に先頭走者の位置に返り咲いた。

バイデンの復活はここ数年の政治において最も大きな驚くべき逆転劇である。

(2)民主党エスタブリッシュメント派

帝国の逆襲だった。

サンダースの支持者たちは、「サンダースこそは今アメリカが必要としている創造的破壊者(disruptor)なのだ」とこれまで繰り返し訴えてきた。サンダースの支持者たちは、「サンダースのアウトサイダーからの主張に有権者は集まり、民主党エスタブリッシュメント派の呪縛から逃れることができる」と主張した。

そうした主張に対しては深刻な疑義が提示されている。党のエスタブリッシュメント派は、多くの人々が予測するよりも、より大きな復元力を持ち、より規律が保たれているということを示した。

ごく最近まで、親エスタブリッシュメント派、中道派の投票は絶望的に分散しているように見られていた。一方、サンダースは進歩主義派の投票をどんどん集め、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は消え去ってしまった。

実際、サンダースが民主党の大統領選挙候補者指名を獲得するであろうという見通しが現実味を増すことで、穏健派は刺激された。穏健派は11月の本選挙でサンダースがトランプ大統領を倒して大統領に当選することなどできないという恐怖感を持っている。バイデンがサウスカロライナ州で勝利した後、中道派は驚くべき速度でバイデンを軸に結集した。

民主党内の主要人物たちもまたバイデンに対する支持を表明した。連邦上院多数党(民主党)前院内総務ハリー・リード前連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)や元米国国連大使スーザン・ライスが支持表明を行った。

しかし、他にも物事が順調に進んだ。スーパーチューズデーの結果を見ると、民主党支持の有権者たちは、2016年に当時の候補者だったドナルド・トランプを党の指名候補に押し上げた共和党支持の有権者たちに比べて、党のエスタブリッシュメント派に対して反感を持っている訳ではないということが見て取れる。

バイデンは民主党支持の有権者たちにとっては古くから馴染みのある政治家であり、ワシントンの流儀に従う漸進的な改良主義者だ。バイデンは、サンダースのような煽動的な政治家よりも民主党支持の有権者たちにとって受け入れやすい存在だったということだろう。

(3)支持表明者たち:エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、連邦下院多数党(民主党)幹事長ジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)

バイデンはサウスカロライナ州での予備選挙以降、必要なものをすべて手にすることができている。そして彼は重大な手助けを得ることができた。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ(民主党)は選挙戦から撤退し、バイデン支持を表明した。また、既に選挙戦から撤退していたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)からも支持表明を受けた。

クロウブシャーの支持表明は今から振り返ってみると、特に重要なものであった。バイデンはクロウブシャーの地元ミネソタ州で勝利を得た。これは今回のスーパーチューズデーで起きたいくつかのサプライズの中の一つだ。

予備選挙の候補者だった人物たちからの支持表明と他の民主党の重要人物からの支持表明によって、バイデンは背中に追い風を感じながら戦えることになった。

スーパーチューズデーの結果は、サウスカロライナ州での予備選挙直前に連邦下院多数党(民主党)幹事長ジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)のバイデン支持の決心によってもたらされたものだ。クライボーンの支持表明はバイデンの驚くべき復活のために火をつけるものとなった。

●敗者

(1)バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)

サンダースの熱心な支持者たちは彼のカリフォルニア州での勝利を彼のアピールの証拠だと指摘するだろう。そして、一対一のレースとなった戦いで競争力を持ち、勝つことができると主張するだろう。

これらは正しいが、今回は全てが現実のものとはならなかった。スーパーチューズデーはサンダースにとってスーパーに失望をもたらすものとなった。

テキサスでの敗北はみぞおちに食らわされたパンチのようなものであった。サンダースはテキサスで活発に選挙運動を展開し、各種世論調査の結果からも彼の勝利が確実視されていた。サンダースは少なくとも2つの敗北が許されない州で敗北した。サンダースは、オクラホマ州とミネソタ州で4年前にヒラリー・クリントンを破った

今回の結果は、どれだけ多くの民主党員や民主党支持者たちが、根本的にサンダースが党の指名候補になるという考えに違和感を持ち反対しているかを示すものとなった。

南部諸州でのバイデンの勝利によって、サンダースのアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を得る能力について疑念は深まることになった。アフリカ系アメリカ人有権者からの支持の低さは2016年にヒラリー・クリントンに敗北した原因となった。

サンダースはまだ逆転可能だがそれはとても厳しい。火曜日の結果は予想外の、とても重たいパンチを彼に食らわせた。

(2)ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグ

水曜日の朝、ブルームバーグは選挙戦から撤退し、バイデン支持を表明した。

ブルームバーグは5億ドル以上の資金を投じながら大きな前進が得られなかった。これで彼にとっては撤退しか道がなくなってしまった。

ブルームバーグはいくつかの州でそこそこの結果しか得られなかった。良い結果となったのは小さな戦いだけだった。彼は自治領であるアメリカ領サモアでの党員集会で勝利を挙げただけであった。後はユタ州で2位に入ったくらいだった。

彼が選挙戦を続けることを正当化できるものは何も残っていなかった。

ブルームバーグの選挙戦は山登りのように大変なものだった。彼は自分のお金で党の指名を買おうとしているのが露骨に見え、厳しい批判を浴びた。

彼は討論会での失敗してしまって更に打撃を受けた。政治的な棺桶の蓋に打ち付けられた最後の蓋となったのは、バイデンのサウスカロライナ州での勝利だった。これによってバイデンは復活し、ブルームバーグの戦える余地は急速になくなっていった。

(3)エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

ウォーレンにとってはまたも苦しい夜となった。ウォーレンは予備選挙全体を通じて期待を下回る結果しか残せていない。

ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わった。彼女は他のどの州でも上位2名を追い上げることもできなかった。それどころか、多くの州でバイデン、サンダース、ブルームバーグに続く4位という結果となった。

ウォーレン選対のある幹部は本誌のリード・ウィルソンの取材に対して、水曜日にウォーレンが「選対に対してこれからの選挙戦について分析評価するように話した」と述べた。このような言葉遣い(phraseology)は大抵の場合、即座の選挙からの撤退を意味するものだ。

サンダースの熱心な支持者たちもウォーレンが選挙戦から撤退し、サンダースに進歩主義派の支援を一本化させる機会を与えて欲しいと熱望している。

スーパーチューズデーが始まるまで、ウォーレン選対は今年7月にミルウォーキーで開催される民主党全国大会に向けて選挙戦を行うという考えを繰り返し強調していた。

スーパーチューズデーの結果は、ウォーレンが選挙戦を続けるいかなる理由も奪い去った。しかし、現時点ではウォーレンの選挙戦は続いている。

=====

スーパーチューズデーでの民主党予備選挙の投票者数は大きく増加(Democratic turnout surges on Super Tuesday

マックス・グリーンウッド筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485994-democratic-turnout-surges-on-super-tuesday

スーパーチューズデーにおける民主党の有権者の参加者数は伸びた。少なくとも10以上の州で2016年のレヴェルを超えた。そのうちの一つでは過去最高を記録した。

スーパーチューズデーで投開票が実施される各州の中で4番目に多い代議員が配分されているヴァージニア州では、130万以上の有権者が投票に参加した。2016年の時に比べて約70%の増加となった。2016年の民主党予備選挙では約78万3000人が参加した。今回の数字はこれまでの最高を記録した2008年の時も上回った。この時や100万に少し届かない数の人々が投票に参加した。

ノースカロライナ州では、2016年の時に比べて投票参加者数は約17%増加した。投票参加者に関する分析によると、テキサス州の場合には、4年前に比べて少なくとも45%以上も多い有権者が投票所に向かった。

コロラド州、メイン州、ミネソタ州、ユタ州といった今年から党員集会から予備選挙に形式を変更した各州でも、過去の選挙と今回の選挙の結果を比較することは難しいが、投票参加者数が大きく増加した。

今回の投票参加者数の増加は、民主党支持の有権者たちがトランプ大統領からホワイトハウスを奪還することについて熱意を持っていることを示す初期的な兆候と言える。

民主党系のストラティジストであるマイケル・スター・ホプキンズは次のように述べた。「今もし私がホワイトハウスで働いているか、トランプ選対にいるとして、選挙結果を見たら、心の底から恐怖を感じることでしょうね。ジョー・バイデンはどれほどの追い風を受けているのか分からなくなって、総投票数を見てしまうとね。トランプは選挙自体から逃げ出してしまうでしょうね」。

2016年に比べて投票参加者数を減らしたのはただ1州、オクラホマ州だった。火曜日の投票総数は30万4000だったが、4年前の約33万5000に比べて減少した。

もっとも、水曜日になってもいくつかの州では票の集計作業が続いている。カリフォルニア州では、およそ300万票が集計されたが、更に数百万票が集計を待っている状態だ。各郡の選挙の係員たちは木曜日までにどれだけの数の票が集計を待っているか報告しなければならない。

火曜日に投票者数が増えたことは穏健派の有権者がもたらしたものだ。穏健派の有権者たちはバイデンに重要な各州での勝利をもたらした。

バイデンの選挙運動は、土曜日のサウスカロライナ州の予備選挙での圧勝があってからの数日で勢いを取り戻した。サウスカロライナ州での勝利は、穏健派とアフリカ系アメリカ人有権者たちからの投票の結果だ。これらの有権者グループはサウスカロライナ州の民主党支持の有権者の過半数を占めている。

スーパーチューズデーでの勝利はインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)の選挙戦からの撤退も大きく貢献している。これによってバイデンは穏健派の有権者たちの支持を固めることができた。こうした有権者の大多数は、民主社会主義者を自認するバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対する懸念を持ち続けていた。

出口調査の結果によると、テキサス州では、全投票参加者のうち43%が穏健派を自認する人々であった。この数字は2016年に比べ約10%も伸びた。2016年の時には34%だった。こうした動きは、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、アラバマ州、そしてマサチューセッツ州でも見られた。マサチューセッツ州ではバイデンは1位となったが、全くの予想外のことであった。

穏健派の投票参加者数の増加はサンダースの敗北の原因となった。サンダースはこれまで、高い投票率、特に若い人々の得票率こそは彼の選挙に勝利をもたらすと主張してきた。

しかし、こうした若い有権者たちは火曜日にサンダースが望んだほどには投票所に行かなかった。出口調査の結果では、スーパーチューズデーで予備選挙が実施された14州を通じて、サンダースは18歳から29歳までの有権者たちの間で圧倒的な支持を獲得した。しかし、この年代の有権者の全有権者に占める割合が前回に比べて増加した州は1つもなかった。

民主党系のストラティジストであるホプキンズは「大学生くらいの年齢の有権者に頼っている候補者は誰でもたいてい失望する結果に終わっています」と述べた。

ホプキンズは続けて「35歳から上、65歳から上の有権者、この人たちは投票しています。この人たちは投票所まで足を運び、列に並びます。これはサンダースがこれから長年にわたって抱えることになる問題になるでしょう」。

サンダースは4つの州で勝利を収めた。その中には地元のヴァーモント州とカリフォルニア州での大勝利が含まれている。カリフォルニア州には最大の代議員が配分されている。しかし、サンダースはまたいくつかの州で得票率の低下を目の当たりにした。こうした州では穏健派の有権者たちが選挙に参加した。

2016年の大統領選挙の際、オクラホマ州では、サンダースがヒラリー・クリントンに大差をつけて勝利した。今回はバイデンが13ポイントの差をつけてサンダースに勝利した。同時に、同州の予備選挙参加者の中で穏健派の割合が15%も増加している。出口調査の結果では、4年前は36%だったのが今年は51%になった。

火曜日にロサンゼルスで行った勝利演説の中で、バイデンは今回の予備選挙の結果は、自分が他喉のライヴァルよりもより幅広い人々をまとめた連合を構築してきたことを示す証拠であると述べた。また、スーパーチューズデーの投票参加者数の増加は勝利をもたらしてくれたとも述べた。

バイデンはサンダースと彼が発する政治革命のメッセージに対する皮肉を込めながら、「人々は革命について話します。一方で私たちは投票参加者数を増やしました。この人たちは私たちのために投票所に足を運んでくれたのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。
2020democraticprimarysupertuesdaystatesterritorymap002

 スーパーチューズデーの投開票が始まった。全米14の州と1つの自治領で宣誓済み代議員1344名を争う戦いだ。全宣誓済み代議員数が3979なので、約3分の1の行方が決まる。先に書いておくが、来週のミシガン州がサンダースにとっては極めて重要となる。前回の大統領選挙でトランプに負けたのは、民主党が地盤だと考えていた中西部、五大湖周辺州でヒラリーが勝てなかったからだ。中西部奪還は民主党の悲願である。そのために今回の選挙では中西部に強い候補者を選ばねばならない。中西部出身者であるピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーが選挙戦から撤退しバイデン支持を表明しているので、バイデンは追い風が吹いている。来週のミシガン州でサンダースが勝てるかどうかが注目される。

 スーパーチューズデーの正式な結果が出るのは時間がかかる。最大の代議員415名が配分されているカリフォルニア州の正式な結果が出るのは日本で明日になるかもしれない。
2020democraticprimarysupertuesdayresultsmap001

 現在までのところ、バイデンが1位となると見られているのは、アラバマ州、アーカンソー州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ヴァージニア州で、サンダースが1位となると見られているのは、カリフォルニア州、コロラド州、ユタ州、ヴァ-モント州、ブルームバーグが1位となったのは、アメリカ領サモアだ。メイン州では接戦が続いている。

 バイデンは2月29日のサウスカロライナ州での圧勝の勢いとエイミー・クロウブッシャー、ピート・ブティジェッジ、ビトー・オロークといった大統領選挙で戦った人々からの支持表明もあって、急激な状況気流に乗って、サンダース包囲網を形成している。サンダースはこの包囲網に苦しめられた結果となった。南部諸州では元々バイデンは強かったが、さらに勢いがついた上に、サンダースがリードしていたマサチューセッツ州とテキサス州ではバイデンが逆転した形となっている。また、ミネソタ州では地元出身のクロウブシャーが支持率1位を記録していたが、バイデン支持と表明したことで、2位につけ凍てたサンダースを3位のバイデンが追い抜く形になった。
2020democraticprimaryresultstosouthcarolina002

スーパーチューズデー前の代議員数(濃い青色が選挙で争う宣誓済み代議員数)
2020democraticprimarysupertuesdaydelegatesestimates001
CBSによる代議員配分の途中経過報道
 サンダースは地元ヴァ-モント州で圧勝したが、配分されている代議員数は16だ。カリフォルニア州、ユタ州、コロラド州といった西部諸州で勝利を収めたが、バイデンをどれくらい引き離せるかが注目される。民主党の金城湯池ブルーステイトは、アメリカ東海岸と西海岸であるが、実のところ、両岸でしっくりいかない。西部は東部に対して「気取りやがって」という感情を持ち、東部は西部に対して「あいつらは過激すぎる」と考えている。アメリカの基準では過激な主張をしているサンダースが西部諸州で1位となったのは当然である。東部の人たちは東部の人を選ぶという伝統があるが、サンダースはマサチューセッツで勝てなかった。あいつは東部的ではないと考えられているのだろう。

 ブルームバーグは正式な選挙のデビュー戦となったが、かけたお金を考えると厳しい結果となった。芸能人でも期待の新人でデビューの時に多額の資金をかけたのにうまくいかなかったということがあるが、そのような感じだ。これではあいつはダメだということになり、ますますじり貧のスパイラルに陥ってしまうだろう。撤退もささやかれる。

 ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わりそうということで本格的に撤退論が出てくるだろう。彼女自身は来週のミシガン州も頑張るぞという発信をしているが、どうなるか分からない。

 24名以上の候補者がひしめき合ったアメリカ大統領選挙民主党予備選挙もサンダースとバイデンの2人に絞られることになった。サンダースは若い人々やヒスパニックといった有権者層には絶大な人気があるが、それだけでは選挙に勝てない。バイデンはアフリカ系アメリカ人の人気は高いが、ヒスパニック系の人気が低い。お互いがお互いの弱点をどう克服するか、時間がない中でどのような動きをして支持を拡大させていくか注目される。

 アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州で大惨敗、ボクシングで言えばノックダウンされてカウント9まで立てなかったバイデンが復活して猛ラッシュで逆転している状況だ。

(貼り付けはじめ)

スーパーチューズデーで見るべき5つの州(5 states to watch on Super Tuesday

ジュリア・マンチェスター筆

2020年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485578-5-states-to-watch-on-super-tuesday

大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちは予備選挙において最も重要なスーパーチューズデーを迎える。14の州で投開票が実施され、1300名の代議員が配分される。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)はニューハンプシャー州とネヴァダ州での勝利、アイオワでの引き分けの後に先頭走者としてスーパーチューズデーに進んできた。しかし、ジョー・バイデン前副大統領はサウスカロライナ州での圧勝の後に勢いがついている。

スーパーチューズデーはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグのデビュー戦ともなる。これまでの3日で、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、大富豪トム・ステイヤーが選挙戦からの撤退を表明し、ブルームバーグにとっては有利な状態で選挙を迎えることになる。

火曜日に注目すべき重要州を見ていこう。

(1)カリフォルニア州

カリフォルニア州はスーパーチューズデーの夜における最大のご褒美ということになる。415名の代議員が配分されている。

サンダースは現在のところカリフォルニア州での勝利が確実視されている。しかし、バイデンはサンダースの支持を削り取る可能性を持っている。

リアルクリアポリティックスは、カリフォルニア州での民主党予備選挙に関する各種世論調査の数字の平均を発表している。それによると、サンダースは2位に17ポイントの大差をつけてリードしている。しかし、バイデンはここ最近の調査で支持率の数字を上げている。

月曜日に発表されたCBSニュース・YouGovの共同世論調査の結果では、カリフォルニア州でのサンダースの支持率は31%だったのに対して、バイデンは19%だった。ウォーレンは18%だった。

ブティジェッジとクロウブシャーを支持していた有権者たちからの支持を得ることで、バイデンは支持を伸ばすことになる。これによって、バイデンは得票率15%の条件をクリアできる可能性が大きくなり、それによってカリフォルニア州で勝利を得られなくても、代議員の配分を受けることができる。

全国民主訓練委員会の創設者であり責任者であるケリー・ディエットリッチは「私たちはもう4、5、6人でポットを分け合うことはありません。私たちは今3人で分け合っています」と述べている。全国民主訓練委員会は選挙に出馬し公職を目指す民主党員を訓練する組織である。

しかし、ブルームバーグはカリフォルニア州でテレビ広告だけでも3600万ドルを投じており、ブルームバーグがどれほどの影響を選挙戦に与えているかを見る必要がある。

民主党系のステラティジストであるブラッド・バノンは次のように語っている。「ブルームバーグはカリフォルニアでうまくいっていないと思いますよ。バイデンがわずか3日前の時の彼と比べて、見違えるように強力な候補者となっている事実があります。バイデンと同じ穏健派の候補であるブルームバーグはこのために支持を減らすでしょう」。

バノンは「ブルームバーグの選挙戦略の1つはバイデンの弱さにつけ入るというものでしたが、バイデンが強力な候補者になってしまっているのです」と述べた。

(2)テキサス州

テキサス州は全米で2番目に多くの代議員が配分されている。その数は228だ。現在のところ、サンダースが支持率でトップだが、カリフォルニア州に比べて、バイデンとの差はかなり小さい。

リアルクリアポリティックスが発表しているテキサス州の支持率の平均では、サンダースがバイデンに6ポイントの差をつけている。

サンダースは、ネヴァダ州での勝利が多くをヒスパニック系有権者によっていたこともあり、テキサス州内のラティーノ共同体の中で強力な支持を固めてそれに依存している。

「ラティーノ・ディシジョンズ・フォ・ウニヴィジョン」社とテキサス大学メキシコ系アメリカ人研究センターの共同世論調査の結果によると、テキサス在住のヒスパニック系有権者の間で、サンダースの支持率は31%だったのに対して、ブルームバーグは23%、バイデンは19%だった。この世論調査の結果はサウスカロライナ州での予備選挙の前に発表されたものだ。

民主党系のステラティジストで、クリントン政権とオバマ政権のホワイトハウスでアドヴァイザーを務めたモー・ヴェラは、テキサス州のような場所で良い結果を得るため、バイデンはヒスパニック系の支持を伸ばさねばならないと述べた。

「トランスペレント・ビジネス」社の役員を務めるヴェラは本誌の取材に対して、「バーニー・サンダースは称賛に値しますね。彼と並びたいと思うなら、バイデンはラティーノの有権者に対して行動を起こす必要があります」と語った。

(3)マサチューセッツ州

マサチューセッツ州は、ウォーレンの選挙結果が振るわないものとなれば、ウォーレンの選挙運動の終焉の鐘となる可能性が高い。彼女の知名度は抜群に高く、マサチューセッツ州を地盤とする進歩主義派の連邦議員の一部から支持表明を受けている。その中にはエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とジョー・ケネディ連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が含まれている。しかし、こうした好条件があるにもかかわらず、最近の各種世論調査の結果では、ウォーレンは地元でも支持率を下げている。

土曜日に発表されたサフォーク大学・『ボストン・グローブ』紙・WBZテレビの世論調査では、ウォーレンと同じニューイングランド地方を地盤とするサンダースがマサチューセッツ州で支持率24%を記録しトップとなった。ウォーレンは22%で2位につけた。この差は世論調査の誤差4.4ポイント以内の数字だ。

先週初めに発表されたWBURの世論調査では、2人の差はより大きかった。サンダースの支持率は25%で、ウォーレンは17%だった。この時の調査の誤差は4.9ポイントだった。

ニューハンプシャー州での彼女のパフォーマンスは、マサチューセッツ州でどれくらいうまくやれるかを示すものであった。ニューイングランドの各州はニューイングランドから出ている地元出身の候補者を選ぶことで有名だ。2016年も2020年もニューハンプシャー州ではバイデンが勝利した。

対照的に、同じニューイングランド出身のウォーレンはニューハンプシャー州で、中西部出身のブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーに負けて4位となった。

バノンは「ウォーレンは明日マサチューセッツで必ず勝たねばならないと思います。次に進むためにもどうしても勝たねばなりません。自分の地元の州で勝てないのに、有権者に投票してくださいなんてどうして言えますか?」と述べた。

(4)ヴァージニア州

ヴァージニア州はスーパーチューズデーで投開票が行われる州の中で4番目に多い代議員が配分されている。そして、ブルームバーグはヴァージニア州を重視してきた。

ブルームバーグはヴァージニア州を7回訪問した。これはスーパーチューズデーの各州の中で最も多い回数だ。ブルームバーグ選対はヴァージニア州全体に8つの事務所を置いた。その中には共和党が優勢なダンヴィルとロアノケも含まれている。ヴァージニア全体には80名のスタッフが配置されている。

ブルームバーグ選対は、2019年に民主党がヴァージニア州議会で過半数を取り戻したこととヴァージニア州でのより厳しい銃規制に触れ、そのまま民主党がヴァージニア州をコントロールし続ける必要があることを強調している。

2007年にヴァージニア工科大学で起きた銃撃による大量殺人事件が起きて以降、ヴァージニア州の政治においては銃規制が重要な問題となっている。

ブルームバーグの上級アドヴァイザーであるティム・オブライエンは本誌に対して「ヴァージニア州は民主党の将来を示す縮図です。穏健派、進歩主義派、郊外の有権者で構成されています」と述べた。

ブルームバーグは土曜日にヴァージニア州マクリーンの選挙動員集会に参加し、2019年のヴァージニア州での選挙への自分の貢献を強調した。

ブルームバーグは歓声を上げる聴衆を前に「昨年の秋の連邦議員選挙でヴァージニア州から民主党の議員を出すための手助けをするということが大変重要でした。私はその貢献ができたことを今でもとても嬉しく思っています」と述べた。

しかし、各種世論調査の結果を見ると、ブルームバーグはヴァージニア州ではサンダースとバイデンを追いかける展開となっている。サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはブルームバーグのヴァージニア州での勝利の芽を摘み取る可能性が大きくなっている。

バイデンは最近になってヴァージニア州の民主党の重要な人物たちの多くから支持表明を受けている。テリー・マカフィー元ヴァージニア州知事、ティム・ケイン連邦上院議員、イレイン・ルリア連邦下院議員、ボビー・スコット連邦下院議員は日曜日夜にヴァージニア州ノーフォークで開かれたバイデンの選挙集会に参加し、支持表明を行った。この選挙集会でバイデンはロックスターのような歓声を受けた。

(5)アラバマ州

アフリカ系アメリカ人有権者は、アラバマ州の民主党予備選挙有権者の大きな部分を占める。民主党の背骨だと広く考えられている有権者グループにアピールしたいと考えている候補者たちにアラバマ州は重要である。

「ファイブサーティーエイト」の予想では、バイデンがアラバマ州で勝利する確率は61%だ。

サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を固めている。バイデンは日曜日、アラバマ州セルマで開かれた公民権運動の行進を記念するイヴェントに出席し、温かい歓迎を受けた。

民主党系のストラティジストであるジャマル・サイモンズは本誌の取材に次のように答えた。「穏健派のアフリカ系アメリカ人は民主党支持の有権者の大多数を占めていると思いますよ。それが言い過ぎだとすれば少なくとも大きな部分をね。アフリカ系アメリカ人で年齢を重ねていくと、アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州で民主党の幹部クラスになっていく人が多いんです。こうした人々は穏健派とまでは言えない場合でもとても現実的です。そのためにこうした人々はよりジョー・バイデンを支持するということになるんです」。

サンダースは非白人の若い有権者の支持に頼っているが、サンダースとバイデンはサウスカロライナ州での予備選挙では若いアフリカ系アメリカ人有権者の支持を分け合ったように見られる。アラバマ州においては、進歩主義派の連邦上院議員であるサンダースにとってこれは良い兆候ではないということになるだろう。

サイモンズはサウスカロライナ州を念頭に置きながら、「バーニーは他の州に比べて、あそこでは若いアフリカ系アメリカ人たちの支持を得ることができなかったんですよ、うまくいかなかったんですよ」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 いよいよ民主党予備選挙の山場であるスーパーチューズデーが始まる。3月3日に14の州と1つの自治領(アメリカ領サモア)で予備選挙が実施される。ここで宣誓済み代議員の約3分の1にあたる1344名の代議員が決まる。これまでの4つの州の合計代議員が155であることを考えると、スーパーチューズデーの重要性が分かる。中でもカリフォルニア州には415名、テキサス州には228名、ノースカロライナ州には110名と1つの州で100名を超える配分がなされている巨大州での動向が重要である。
2020democraticprimaryprescpostscpoll001

 先ほど、エイミー・クロウブシャーが選挙戦からの撤退とジョー・バイデン支持を表明した。その前にはピート・ブティジェッジがバイデン支持を表明した。バイデンは「ピートは私の亡くなった息子ボウを思い出させてくれる」と称賛した。また、選挙戦からかなり前に撤退していたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)も地元テキサス州でバイデン支持を表明した。一気にサンダース包囲網が形成されつつある。サンダースはこの包囲網を食い破ることができるかということが焦点になる。
2020democraticprimarymornigconsultsupertuesdaypoll001

 最新の世論調査の結果では、サンダースがリードを保っている。カリフォルニア州でもテキサス州でもバイデンにある程度の差をつけてリードしているが、楽勝ムードではない。サンダースとしてはウォーレンが邪魔になりつつあるが、ウォーレンはスーパーチューズデーで地元マサチューセッツ州での予備選挙の結果を見て撤退するということになるだろう。バイデンとしてもマイケル・ブルームバーグが邪魔であるが、ブルームバーグの討論会での酷いパフォーマンスや金持ちが資金力で選挙を買っているという批判も高まっており、支持率は下がっている。バーニー・サンダースの狂信的な支持者である若者たちは、ウォーレンには選挙戦から降りるように攻撃を仕掛けつつ、ブルームバーグには頑張って欲しいと応援するというような動きをすることも考えられる。

 サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、テキサス州でバイデンが1位ということになるとサンダースの先頭走者の位置も危うくなる。
2020presidentialdemocraticprimaryelectabilitypolls001

 更に、ウォーレンが選挙戦から撤退して、サンダースを応援するのかどうかということも不透明である。ウォーレンが誰も支持しない、もしくはバイデンを支持するということになれば、サンダース包囲網は完成ということになる。そうなれば、完全な分断状態ということになるだろう。サンダース支持者たちは「予備選挙において宣誓済み代議員獲得数で1位であれば、たとえ全国大会の1回目の投票で過半数が取れなくても1位の候補者が党の指名候補となるべきだ」と主張しているが、こういう状況になってくると、バイデンが過半数を取れないで1位で全国大会に臨むという可能性も出てきた。その時にサンダース支持者がどうするかということが注目だ。暴れて1968年の全国大会以来の流血の惨事ということも考えられる。スーパーチューズデーは要注目であるが、結果が出るまで時間がかかることは覚悟しておかねばならない。国内で3時間の時差があるのに、東海岸のマサチューセッツ州から西海岸のカリフォルニア州で選挙、アメリカ領サモアでは党員集会が開かれる。

2020democraticprimarymorningconsultpollsgrap001

(貼り付けはじめ)

サウスカロライナ州での勝利の後バイデンの支持率が全国規模の調査で7ポイント上昇(Support for Biden rises 7 points nationally after South Carolina win

ザック・バドリク筆

2020年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/485507-support-for-biden-rises-7-points-nationally-after-south-carolina-win

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は全国規模の世論調査で民主党予備選挙候補者の中でトップに立っているが、「モーニング・コンサルト」社の最新の世論調査の結果によると、ジョー・バイデン前副大統領が土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙で圧勝してから7ポイントも支持率を上げていることが分かった。

全国規模の世論調査の結果では、サンダースの支持率は29%で、対するバイデンは26%である。続くニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグの支持率は17%で、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の支持率は11%だ。

同社がサウスカロライナ州での予備選挙の前に行った世論調査では、サンダースの支持率は32%で、バイデンの支持率は19%だった。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は共に既に選挙戦からの撤退を表明したが、最新の世論調査が実施された時点ではまた発表がなされていなかったために、それぞれの支持率は10%と3%だった。

前回の世論調査ではアフリカ系アメリカ人の間での支持率でサンダースは単独トップだったのだが、今回の世論調査では31%でバイデンと同率首位となった。バイデンはヒスパニック系有権者の間での支持率を9ポイント伸ばして21%したが、それでもサンダースは誌パニック系有権者の間での支持率で圧倒的な差をつけてリードしている。ヒスパニック系有権者はスーパーチューズデーで投開票が実施されるテキサス州とカリフォルニア州で重要な役割を果たすことになる。

スーパーチューズデーで投開票が実施される14州の世論調査の結果の平均では、サンダースが大差でリードしている。サンダースの支持率が33%に対してバイデンは24%だった。しかし、ここでもバイデンは支持率を7ポイント伸ばしている。ブルームバーグはこれまでの4つの予備選挙では候補者登録をしておらず、火曜日が公式に初めての選挙ということになるが、支持率は4ポイント下落して16%となった。

今回の世論調査は2020年2月23日から27日にかけてと3月1日に2656名の民主党予備選挙戦か予定者を対象に実施された。誤差は2ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 先日実施されたネヴァダ州での党員集会で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)で圧勝した。得票率は約47%だった。2位のジョー・バイデン前副大統領は得票率約20%、3位のインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジエッジは得票率約14%、4位のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は得票率約10%だった。獲得代議員数は以下の通りだ。

2020democraticprimarydelegatesafternevada001 

 これまでの獲得宣誓済み代議員数はサンダースが45、ブティジエッジが26、バイデンが15、ウォーレンが8、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が7となっている。特別代議員数ではバイデンが圧倒している。民主党エスタブリッシュメント派、幹部クラスはサンダースを嫌っていることが分かる。

2020democratiprimarypledgedsuperdelegates001

 サンダースの勢いはすさまじく、それに比べて昨年1年間各種世論調査でトップを走っていたバイデンの凋落ぶりは驚くばかりだ。バイデンにとっては今週末のサウスカロライナ州での予備選挙での結果が重要になってくる。バイデンは、アフリカ系アメリカ人初のアメリカ大統領となったバラク・オバマに8年間副大統領として仕えたということで、人気が高い。サンダースがかなり追い上げているが、バイデンの人気もまだ高い。サウスカロライナ州はアメリカ南部に位置し、アフリカ系アメリカ人が人口に占める割合が大きい。バイデン陣営はサウスカロライナ州での巻き返しを狙っている。

 それでも3月3日のスーパーチューズデーには、サンダースがトップ走者として臨むことになる。スーパーチューズデーが終われば、ウォーレンやクロウブシャーは選挙戦撤退の決断ということもあるだろう。何よりもマイケル・ブルームバーグが本格的に参加することになるので、バイデンとブティジェッジにどれほどの影響が出るのかということが注目される。

 こうした中で、サンダースのアメリカ大統領選挙本選挙での民主党候補指名ということが現実味を増している。党の指名を獲得するためには7月の全国大会に全国から出席する、宣誓済み代議員3979名の過半数1990名からの得票が必要となる。つまり、全国大会までに終わる予備選挙で1990名以上の宣誓済み代議員を獲得しなければならない。まず、この1990名以上の宣誓済み代議員をサンダースが獲得できるのかどうかということが焦点になる。

 サンダースは左派、進歩主義派、急進派と形容される。若者たちからの圧倒亭な支持を受けている。若者たちは上の世代に比べてインターネットを使いこなす。サンダース支持の若者たちは「バーニー・ブラザース」と呼ばれ、インターネット上で積極的な活動を展開している。しかし、中には行き過ぎた行為をしてしまい、支持を集めるどころか敵対者を作ってしまうということが起きている。また、選対で働いていたある若者がSNS上で、他の候補者の外見や性的志向を口汚く罵り、侮蔑したことが発見され、解雇されるということも起きている。

 このバーニー・ブラザースに対しては、他の候補者たちからも批判が出ている。サンダースは「どの候補者の支持者」にしても行き過ぎた攻撃は容認しない、と発言した。自身の支持者を直接諫めることは、直言居士として知られるサンダースでもできない。しかし、この程度のことで、若くて勢いに乗っているサンダース支持者が穏やかになるものではない。

 下の記事に紹介したように、予備選挙での舌戦が激化し、候補者間の攻撃が激しくなっていくと、それを漁夫の利とばかりに喜ぶのはドナルド・トランプ大統領だ。身内同士の潰し合いは「民主党は分裂傾向にある、今アメリカは分裂しているのに、そんな政党に任せられるか」ということにつながる。サンダースが分裂をもたらす人物であるか、統合をもたらす人物であるか、ということになるが、分裂傾向はなかなか収まりそうにない。

 サンダースが予備選挙で勝利すれば、民主党エスタブリッシュメント派や幹部たちも不承不承でも従うだろう。2016年の共和党がそうだった。まさかトランプが、と皆が呆然としつつ、彼に従った(表面上は)。トランプ大統領は右派ポピュリズムを代表するが、サンダースは左派ポピュリズムを代表する。ポピュリズムという点では両者は地下茎のようにつながっている。そうなると、対立相手であるはずの民主・共和両党の幹部クラス、エスタブリッシュメント派同士がつながるということが起きる。そのキーマンが共和党ではミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)とマイケル・ブルームバーグだと思う。共に、ロックフェラー・リカブリカンと呼ばれた、穏健派に属した人物たちだ。

 最悪のシナリオは、サンダースが予備選挙で過半数の宣誓済み代議員を獲得できなかった時だ。全国大会での2度目の投票からは特別代議員も参加する。ここでもしサンダースが敗れ、党の指名候補に慣れなかったら、サンダース支持者たちは暴れまくり、最悪の場合には党を分裂させるだろう。こうしたことも起こり得ると念頭に置きながら、アメリカ大統領選挙を見ていくことも重要だ。

(貼り付けはじめ)

サンダースの勝利は大きく、幅広い内容を含むものである(Sanders's victory in Nevada was big and broad

ブラッド・バノン筆

2020年2月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/484295-sanderss-victory-in-nevada-was-big-and-broad

バーニー・サンダースは、ネヴァダ州での圧勝によって、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙における明確な先頭走者になった。

ヴァーモント州選出の連邦上院議員バーニー・サンダースは、11名がりっこ放射リストに掲載されている選挙でほぼ半数の得票率を獲得した。ジョー・バイデン前副大統領は大きく離されての2位となった。その他に2桁の得票率を得たのはインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジエッジとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)だけだった。

サンダースの勝利は大きく、幅広い内容を含むものである。

出口調査によると、サンダースは、ヒスパニック、30歳以下、そして自分を非常にリベラルだと考える、といったグループ分けをされた有権者グループの圧倒的過半数の支持を得た。彼はまた、白人有権者の過半数の支持を得たし、アフリカ系アメリカ人有権者の間では2番目の支持を得た。サンダースは45歳以上の有権者、自身を穏健派もしくは保守派と考える有権者の間で、バイデンを僅差でかわして1位の支持を得た。

サンダースはネヴァダ州においてヒスパニック系の有権者からの支持を得た。このことは、共にヒスパニック系の予備選挙参加者が多いカリフォルニア州とテキサス州で、サンダースは躍進するであろうことを示している。両州はスーパーチューズデーで投開票が実施される。

来週、14の州、海外在住アメリカ国民、アメリカ領サモアで民主党全国大会に出席する代議員が選ばれる。スーパーチューズデー終了の段階で、民主党は、ミルウォーキーで開催される全国大会で党の指名候補を選ぶ全代議員の約40%が決まるということになる。

サンダースは現在、各種世論調査の結果でもカリフォルニア州で大きなリードを保っており、先頭走者の立場を維持しながらスーパーチューズデーを迎える。カルフォルニア州はどの州よりも多くの代議員を全国大会に送り込む。サンダースと他2名の候補者である実業家マイケル・ブルームバーグと投資家トム・ステイヤーだけがスーパーチューズデーの戦いにおいて幅広く宣伝を行うことができる資金を持っている。

何か突発的な不幸な出来事でも起きて勢いが止まってしまわない限り、サンダースはスーパーチューズデーまでに獲得代議員数で大きなリードを得ることになるだろう。ここで出てくる唯一の疑問は、全国大会の時点までに総代議員数の過半数を獲得できているかどうかということだ。

党の候補者指名を確実にするために、サンダースはミルウォーキーでの全国大会に、最初の投票で勝利を得られるようにするために過半数を超える代議員を獲得した上で、参加できるようにする必要がある。ブルームバーグは民主党幹部層と特別代議員からの支持を集めつつある。これは全国大会での2回目の投票で逆転を狙うためのもので、これが起きれば、今年秋のトランプ大統領と戦う選挙での勝利の機会を破壊してしまうことになる。

次週のスーパーチューズデーのお祭り騒ぎを前にして、今週のサウスカロライナ州での予備選挙に全ての目が注がれている。

バイデンにとってサウスカロライナ州は運命を決する州である。各種世論調査によると、バイデンはこれまで2位を大きくリードしてきたが、そのリードの幅は急激に小さくなっている。これまでの数カ月、バイデン陣営のストラティジストたちは、メディアに対して、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州でバイデンが敗れても、サウスカロライナ州はバイデンにとっての防火壁となるだろうと述べてきた。バイデンはここで生き返るか、終わるかのどちらかだ。

今週火曜日、サウスカロライナ州チャールストンで10回目の民主党予備選挙候補者討論会が実施される。先週のラスヴェガスでの討論会での激しいやり取りは見ている分には面白いものであったが、民主党予備選挙の候補者たちはブルームバーグを叩きのめすことばかりを気にして、本当の敵がドナルド・トランプであることを忘れていた。

民主党内部の戦いがより分裂傾向を強める中で、トランプ大統領の再選への支持は拡大している。

今週の討論会での大きなテーマは、前回のラスヴェガスでの討論会でもそうだったように、サンダースを何とか引きずりおろそうとして、トランプ大統領への攻撃をしないで済ませてしまうのかどうかということだ。

トランプが犯した最大の失敗は、アメリカの分断に成功してしまったことだ。トランプ大統領に反対している多くのアメリカ人は次期大統領には、分裂を招いてしまう人物ではなく、融和と統合をもたらす人物こそがふさわしいと考えている。民主党内部での容赦のない潰し合いは、民主党が分裂を終わらせアメリカ政治に調和を取り戻すことができる能力を持つなどということを示すことにはならない。

この点から見ると、これまでの民主党の選挙運動はジョー・バイデンを止めるための試みと言えるものだった。サンダースの予備選挙序盤での成功は、バーニーを阻止する動きを促進しつつある。私たちが予備選挙で勝利を望むのは、ドナルド・トランプを阻止するための戦いのためであるはずなのだ。

民主党がホワイトハウスを勝ち取り、連邦下院の過半数を守り、連邦上院の過半数を奪取するためには、民主党内部にある2つの派が協力しなければならない。その強力には、進歩主義的な候補者たちを連邦議会選挙に当選させることと民主党穏健派に属する現職議員たちの議席を守ることだ。

民主党エスタブリッシュメント派は新しい世代の有権者たちの力に気づく必要がある。新しい世代はベイビーブーム世代から民主党を奪い取りつつある。民主党の新しい世代の人々はサンダースを大統領に当選させ2021年から始まる任期で進歩主義的政策を実行させるためには民主党エスタブリッシュメント派が必要であることを認識しなければならない。

2020年における民主党にとっての成功とは、民主党エスタブリッシュメント派も新しい世代も共に最終目的に目を向け続けることであり、それはドナルド・トランプを倒すことであって、大統領選挙本選挙の民主党候補者を指名することではないはずだ。そのために必要なことは、民主党予備選挙の始まりの時点で全く行うことができなかった、ギヴ・アンド・テイクを行うことである。

=====

ネヴァダ州での党員集会における5つの特徴(5 takeaways from the Nevada caucuses

ジョナサン・イーズリー筆

2020年2月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/484229-5-takeaways-from-the-nevada-caucuses

ラスヴェガス発。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は土曜日のネヴァダ州の党員集会で鮮やかな勝利を収めた。若者たち、ラティーノ、労働者階級の有権者たちを糾合し支持を集めた。民主党の候補指名の戦いでの先頭走者の位置を固めた。

ネヴァダ州での党員集会における5つの特徴について書いていく。

(1)サンダースはより広範な人々を集めた連合を形成し、それで民主党の候補指名を獲得する可能性がある

2016年の大統領選挙予備選挙で、サンダースは非白人からの支持を得ることに苦闘した。非白人有権者の多くがヒラリー・クリントンを支持し、それが最終的に党の候補指名獲得につながった。

前回の予備選挙以降、サンダースは人種的少数派へのアウトリーチ(働きかけ)に重点的に資源を投入し、幅広い人々が参加するティームを構築した。

こうした努力は2020年に実を結んでいる。サンダースはラティーノ、若い人々、労働組合の組合員たちからなる幅広い連合を形成している。これがサンダースにネヴァダ州での圧勝をもたらした。ネヴァダ州は人口構成が最も幅広い州である。

60%の選挙区からの報告が終了した時点で、サンダースの得票率は46%で、続くジョー・バイデン前副大統領が19.6%、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは15.3%、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は10.1%だ。

ジョー・バイデン前副大統領はアフリカ系アメリカ人有権者から強力な支持を受けているが、アフリカ系アメリカ人有権者の多くがサンダースに投票することを真剣に考慮していることを示す兆候が存在する。ABCニュースと『ウォールストリート・ジャーナル』紙が今週発表した世論調査の結果によると、全国規模では、アフリカ系アメリカ人の間での支持率でサンダースとバイデンは統計学上同率ということになった。

サウスカロライナ州での予備選挙に向かう直前の段階で、この発見は重要なことである。サウスカロライナ州での民主党予備選挙の有権者の半数以上はアフリカ系アメリカ人である。

ネヴァダ州での党員集会後、サンダースの各種世論調査での支持率の数字が急上昇しているのは確かだ。そして、サウスカロライナ州での予備選挙でもトップになる可能性が高いとまで見られている。サウスカロライナ州での予備選挙でサンダースがトップになるということは、バイデンにノックアウトパンチを喰らわせるということになる。

サンダースは広範な有権者層やグループから支持を得ていることで、2020年3月3日のスーパーチューズデーに最有力候補として望むことになる。この日に全代議員数の約3分の1が決定することになる。そして、スーパーチューズデーで決まる代議員の多くは、人種的に多様な構成となっているカリフォルニア州とテキサス州に配分されている。

(2)ネヴァダ州でのサンダースの決定的な勝利を受けてサンダースを止めることは難しくなっている

敗れた候補者たちにとってネヴァダ州からのニュースは良いものではない。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは予想よりも良い結果を得ている。アイオワ州では得票率よりも高い代議員数を獲得し、ニューハンプシャー州では僅差で2位となった。

しかし、白人が人口の圧倒的割合を占める両州は特別であって、どちらもこれから予備選挙が行われる各州の人口構成を反映しているものではない。ニューハンプシャー州で2位となったブティジェッジと3位に入ったエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は非白人の有権者に食い込む能力を持っているかどうかをこれまで見せてきてはいない。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、ラスヴェガスでの討論会でニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグを叩きのめして以降、多額の政治献金を集めている。しかし、ネヴァダ州での党員集会では、ウォーレンは上位に遠く置いていかれての4位に沈んだ。彼女がサンダースを倒すことができるかは明確ではない。ウォーレンはスーパーチューズデーで投開票が実施される地元マサチューセッツ州で勝利を収めることが見込まれている。

アフリカ系アメリカ人有権者の間でのバイデンの支持率は下落傾向にある。

ブルームバーグには無制限の資金という強みがあり、スーパーチューズデーで投開票が実施される14州全てでテレビ広告を放映しているのは彼だけだ。しかし、前回の討論会でのパフォーマンスのあまりの酷さを受け、彼は本当に戦えるのだろうかという疑義が出ている。

実業家トム・ステイヤーはサウスカロライナ州での予想外の支持を集めているが、予備選挙全体では全く目立っていない。

これからはこれらの候補者たちに対して選挙戦撤退の圧力がかかってくるだろう。反サンダースの人々は、サンダースが党の指名獲得に向けて独走状態になるまでに、対抗馬を押し上げねばならない(訳者註:そのためには候補者を絞らねばならない)という懸念を強める。しかし、スーパーチューズデーまで有力候補がひしめき合う展開のまま進むだろう。

ブティジェッジ選対とブルームバーグ選対は、2020年3月3日のスーパーチューズデーまでにサンダースが「大変に大きな数の」代議員を獲得しているだろうという予想をし、警戒感を強めている。

(3)民主党員は熱心で、予備選挙参加数は記録的に多くなっている

民主党は安心して少しほっと溜息をつくことができた。アイオワ州での党員集会参加者の数が予想を下回ったがこれは幻に過ぎなかった。

今月初めのアイオワ州での党員集会には17万6000人以上が参加した。2016年の時に比べて少し増えた。しかし、2008年のブーム時に比べてはかなり少なくなった。2008年では、アイオワ州でオバマ前大統領を勝利させ、民主党候補指名まで進んだ。

民主党は、党員集会と予備選挙参加者数はおそらく非常に多くなると考えていた。それは、トランプ大統領を倒したいという草の根のエネルギーによってもたらされるとしていた。

ニューハンプシャー州での予備選挙ではアイオワ州とは全く異なる展開となった。30万人という記録的な人々が予備選挙に参加した。これは2008年の予備選挙の参加者28万8000人を大きく超えるものとなった。

現在、ネヴァダ州の党員集会参加数は記録的な数になると見られている。

7万5000名以上が期日前の党員集会に参加した。これは2016年の民主・共和両党の予備選挙の参加者数8万4000に迫るものであった。

最終的な総計数はまだ出ていない。しかし、今まで発表された数字によれば、参加者の約半数は初めて党員集会に参加した人々であった。ネヴァダ州民主党本部によると、期日前投票可能な1週間で1万人が新たに入党申請を行ったと発表した。

(4)反サンダースの人々はパニック状態になっている

サンダースを何とか止めようという動きは続いている。

民主党エスタブリッシュメント派の中には、これまでの数か月、民主社会主義者を自認する人物を党の指名候補にすることは11月の選挙での敗北を意味すると懸念を表明してきた。

サンダースと周辺の人々は、こうした批判の大多数は、少数の人々から出ているが、ケーブルニュースとツイッターで伝達されることで、実際以上の影響力を持つと考えている。サンダースと周辺の人々は、各種世論調査で実施されている、架空のトランプ大統領との一対一の戦いで、サンダースはほかのどの候補者よりも良い結果を出していることを強調している。

しかし、サンダースと民主党幹部の多くとの関係は険悪だ。これまでの数主幹、民主党幹部の多くは、7月の民主党全国大会が競争的全国大会になって混乱が起きるにしても、サンダースはいかなる犠牲を払っても阻止しなければという警告を発してきた。

(5)スーパーチューズデーを前にして失望が広がる中でさらに激しい攻撃がなされるだろう

ブティジェッジはラスヴェガスでの選挙運動の最終演説の機会を利用してサンダースを攻撃した。これは、スーパーチューズデーへのカウントダウンが始まる中で、サンダースのライヴァルたちがサンダースへの攻撃を強めていくことを示す兆候である。

ブティジェッジは、本選挙で大敗北を喫するだろうと懸念を表明した。サンダースの主張は、トランプ大統領を倒すことの最優先の目的とすべきと考える多くの民主党員や民主党支持者に恐怖心をもたらすだろうと述べた。

ブティジエッジは、「サンダース議員は硬直した、イデオロギー的な革命を固く信じしています。このような革命は、アメリカ国民のほとんどは言うに及ばず、民主党員のほとんどを置き去りにするものです」と述べた。

そして、ブティジェッジは、サンダースは分裂を促進する動きを進めており、それによって新しい有権者を惹きつけることはできず、かえって民主党から引き離すことになるだろうと述べた。

ブティジェッジは「サンダース議員の主張する革命とは、戦い、分裂と対立をもたらすものです。誰が予備選挙で勝利するにしても、このような考えが通るならば、現状のアメリカ政治の毒された状況は何も変えられないでしょう」と述べた。

サンダースは「大企業メディア」と常に対立しており、ケーブルニュース番組などからの助けを期待できない。ニュース番組のキャスターやパネリスト、ゲストの多くはサンダースの世界観に反対している。

こうした動きは土曜日のMSNBCを見れば明らかだった。

サンダースに対して批判的なキャスターのクリス・マシューズは、ネヴァダ州におけるサンダースの勝利と1940年のフランスの陥落をリンクさせて発言した。キャスターのニコール・ウォレスは、民主党が「キーキーとうるさい声を上げる、怒れる少数派」によって乗っ取られていると発言した。民主党系のストラティジストであるジェイムズ・カーヴィルは、ロシアがサンダースを支援するという方法で民主党予備選挙に介入しようとしているという報道を肯定し、民主党予備選挙はロシアのウラジミール・プーティン大統領にとって「大変好ましい状況」になっていると述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙がいよいよ始まる。実は共和党でも予備選挙が行われる。全く注目されないのは現職のドナルド・トランプ大統領が再選を目指して出馬表明しており、有力な対抗馬もいなので、共和党の指名候補にはトランプ大統領がなると決まっているからだ(重い病気や死亡となれば話は別だがその場合はマイク・ペンス副大統領が選挙に出ることになるだろう)。

 民主党予備選挙ではずっとジョー・バイデン前副大統領が支持率でトップを走り、本選挙で民主党の指名候補としてトランプ大統領と対決することになると考えられてきた。しかし、ここにきてバイデンにとっての不安要素が出てきている。それは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が支持率を伸ばしていること、そして、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグが台頭してきていること、である。

ブルーム―バーグは2月に予備選挙が実施される4州(党員集会が実施されるアイオワ州では候補者登録は必要ないが、予備選挙が実施される3州では立候補者登録が必要だがブルームバーグはしていない)を捨てる戦略を採っている。この4州合計の代議員数は153名だ。投票で選ばれる代議員数3977名のうちの3.85%に過ぎない。勝者総取りではないので、有力候補者たちで分け合う形になる。この4州に力を入れるのは報道が多いことと流れを作ることができるためだ。しかし、数字として見れば小さい。そこで、ブルームバーグはスーパーチューズデーに注力している。3月3日に投開票が実施されるスーパーチューズデーでは1344名の代議員が決まる。総代議員数の33.8%を占める。ここで勢いをつけようというのがブルームバーグの戦略なのだ。

 こうした戦略を採用した候補者がこれまでいなかったし、そのためにブルームバーグほどの資金(約200億円)を投じた候補者もまたいなかったので、そのような結果になるかは分からない。しかし、ブルームバーグの集中戦略によって、割を食うのは、バイデンだ。

サンダースの支持者たちは左派なので、「あんな金持ち大嫌い」ということでブルームバーグに支持が流れることはない。バイデンとブルームバーグは同じ中道派なので支持基盤が競合する。ブルームバーグが支持率を伸ばすということは必然的にバイデンの支持が食われるということになるのだ。

 今回紹介する記事でも、バイデンは大丈夫だ、という意見とバイデンには不安がある、という意見が紹介されている。初めてのケースということもあり、バイデン周辺は不安を持っているようだ。民主党予備選挙の情勢は3月が一つ目の山場ということになりそうだ。

(貼り付けはじめ)

バイデンはブルームバーグを脅威として、サンダースにとっては恩恵として見ている(Biden sees Bloomberg as threat — and boon to Sanders

ジョナサン・イーズリー、エイミー・パーネス筆

2020年1月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/480592-biden-sees-bloomberg-as-threat-and-boon-to-sanders

ジョー・バイデン前副大統領の選対幹部たちはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグについて懸念を募らせている。幹部たちはブルームバーグがスーパーチューズデーで予備選挙が実施される各州でバイデンを支持する中道派の有権者たちの支持を吸い上げ、結果としてバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が党の指名を勝ち取ることになると考えている。

バイデン選対の幹部たちはサンダースとの一対一の対決に自信を持っており、アイオワ州とニューハンプシャー州で結果を残せば、サンダースを上回ることができると考えている。この2州において、バイデンはインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)と民主党中道派の主導権争いをしている。

しかし、バイデンの周辺人物たちの中にはブルームバーグがバイデンと対峙することになると怒りと不安を持っている人たちが出ている。

ブルームバーグは早期に予備選挙が実施される各州で候補者登録を行わず、その代わりにスーパーチューズデーで予備選挙が実施される各州に数百万ドルを投じて、多くのスタッフを派遣しテレビ広告を流している。今年のスーパーチューズデーは2020年3月3日に投開票が行われる。この日に予備選挙が実施される各州には代議員の総数の約3分の1が配されている。

各種世論調査の結果が示しているのはバイデンとブルームバーグの支持者が重なっているということだ。両者は民主党主流派エスタブリッシュメントと緊密な関係を持ち、民主党に長年大口献金を続けている献金者たちと関係を築いてきた。

バイデン周辺人物たちが持っている恐怖は、3月3日の投票でブルームバーグが中道派の票を割ってしまい、左派を活性化しているサンダースが漁夫の利を得て党の指名獲得まで進んでしまうのではないかというものだ。

バイデンを支持し、オバマ政権時代には外国への大使も務めたハワード・ガットマンは次のように語っている。「ブルームバーグが本気でトランプ大統領を倒したいと思っているのなら、重要な各州でジョー(・バイデン)から票を引きはがして、バーニー(・サンダース)を浮上させるようなことをするなんておかしいですよ。もしそんなことが起きれば、ブルームバーグはトランプ再選について最も責任が重いアメリカ人ということになります」。

ブルームバーグは昨年11月に大統領選挙予備選挙に出馬表明を行ったが、出馬理由としてバイデンが党の候補者指名を獲得できないのではないかという懸念があったからとしている。ニューヨーク市元市長ブルームバーグは、本選挙になって左派の候補者が民主党の候補となっていればトランプを倒すことはより難しくなると考えている。

ブルームバーグの側近スティーヴ・ラトナーは今週MSNBCの「モーニング・ジョー」に出演し、彼の考えを説明した。彼は、サンダースが早期に予備選挙が実施される各州で勢いをつけてスーパーチューズデーになだれ込んできた場合に、ブルームバーグは民主党にとっての中道派の頼みの綱となるだろうと述べた。

らトナーはまたバイデン支持者たちからの不平不満に次のように反論した。

ラトナーは「マイク・ブルームバーグがジョー・バイデンの運命を変えるなんてことはありませんよ。ジョー・バイデンの運命を変えるのはジョー・バイデンです」と述べた。

らトナーはまた次のように述べている。「バイデンはアイオワ州とニューハンプシャー州で勝利を収めるかもしれません。もしくはうまくいかないかもしれません。どちらの場合でもバーニー・サンダースを止めるためにしっかりとした中道派の選択肢が必要になります。スーパーチューズデーで30%以上の代議員が選ばれるのです。そうした中で私たち民主党員が中道派の候補者を持てないのなら、サンダース列車は止められなくなります。これがブルームバーグを支持する理由です」。

バイデンの側近の1人は、ブルームバーグの戦略について反対しないと述べた。彼はバイデンが過小評価されており、最初の投票でバイデンは民主党の指名獲得の強力な候補者として台頭してくるだろうと述べた。

この人物は「バイデンが最初の4州でしっかり結果を出せば、ブルームバーグは陣営に対して油断するなと引き締めを行うでしょうね。誰もブルームバーグに直接質問をできていなんですよ。彼は討論会にも出て来ていませんしね。彼はスーパーチューズデーまでただテレビ広告を流すだけ。私は、クロウブシャーとピート(・ブティジェッジ)への支持の多くがバイデンに流れると考えています」。

この人物は続けて「大統領選挙について、トランプ打倒について真剣に考えているのならば、誰が他のティームにとって妨害になるようなことをしますか?」と述べた。

民主党エスタブリッシュメント派の間ではサンダースの強さに対する警戒感があり、サンダースの勢いを止める方法について議論が多くなされるようになっている。

サンダースの勢いをどのようにして止めるかという難問は2016年にトランプ勝利を阻止したいと考えた共和党員の抱えた問題と同じだ。この時、共和党員たちはトランプの勢いを阻止するための候補者も戦略も選ぶことはできなかった。最終的にトランプは圧勝し、共和党の候補者指名を獲得した。

バイデンのために政治献金集めをしているある民主党員は次のように語っている。「ブルームバーグはバーニーの指名獲得のために更に速い速度で動いていると言ってよいでしょう。もしブルームバーグが数百万ドルを投じて、ジョー(・バイデン)から票を奪うなんてことになったら、それはバーニー(・サンダース)を助けることになるのは間違いありません。私は今でもマイク(・ブルームバーグ)がいくつかの州で勝利を収めることになるが、彼のスーパーチューズデーに集中するという戦略が機能するのかどうか誰にも分からないと考えています。そのようなことはかつて試みられたことがなかったからです」。

最新の各種世論調査の結果が示しているところでは、ブルームバーグはバイデンの強固な支持基盤を形成しているアフリカ系アメリカ人と年齢の高い有権者たちに切り込んできている。

モーニング・コンサルト社の世論調査ではブルームバーグの支持率は12%になっている。ブルームバーグ支持者の34%は2番目に支持する候補者としてバイデンの名前を挙げている。これは最も高い数字だ。

ブルームバーグの純粋な好感度(「好き」の数字から「嫌い」の数字を引く)はプラス5ポイントからプラス33ポイントに急上昇している。

ブルームバーグのアフリカ系アメリカ人有権者の間での純粋な好感度は28ポイントも上昇した。

サーヴェイUSAがカリフォルニア州で実施した世論調査の結果では、スーパーチューズデーで予備選挙が実施される各州の世論調査でブルームバーグの支持率はわずか6%だった。これらの各州にブルームバーグは資金を集中的に投入している。全体の支持率は低かったものの、この世論調査でも50歳以上の有権者の間では支持率11%を記録した。50歳以上の有権者はバイデンにとって重要な支持基盤となっている。

『ロサンゼルス・タイムズ』紙がカリフォルニア州で実施した世論調査では、ブルームバーグの支持率は2%から6%に急上昇した。ブルームバーグの支持者の70%が彼を支持する理由としてトランプ打倒のチャンスをブルームバーグが最も持っているからということを挙げている。

バイデンは選挙運動を通じて、自身がトランプ大統領に勝てる候補だという「当選可能性(electability)」を訴えの中心に据えている。

民主党系のある政治献金者は次のように述べている。「ブルームバーグに当選可能性がないことについては疑問の余地がありません。ブルームバーグは、バイデンが民主党の指名候補になっても本選挙でトランプを倒すことはできないと述べています。有権者はブルームバーグの根拠のない主張を聞き、バイデンの唯一の主張である“当選可能性”について疑問を持つようになっています。」

この政治献金者は更に「ブルームバーグは穏健派の有権者の支持をバイデンから奪っています。ブルームバーグが選挙戦に出馬していなければバイデンは更に支持を獲得していたことでしょう」と述べた。

この政治献金者はブルームバーグが採用した、最初の4つの州を捨てるという戦略を採用した候補者はこれまでいなかったので、この戦略が予備選挙の情勢にどのように影響するかは分からないと述べた。

この人物は次のように述べている。「バイデンが早期に予備選挙が実施される各州でうまくいかないとなると、ブルームバーグの戦略が奏功したということになり、彼はそれにこだわるでしょう。そうすればブルームバーグが予備選挙の行方をめちゃくちゃにすることになります。どのようになるかは全く分かりません」。

バイデンの周辺人物たち全員がブルームバーグについて懸念を持っている訳ではない。最初の4つの州は捨てるというブルームバーグの戦略は長い目で見てうまくいかない選択だと考えている人たちもいる。

バイデン選対のある幹部は次のように述べている。「スーパーチューズデーの時にだけ落下傘降下してピンポイントに着地するかのようにうまい具合に票を集めることができるなどとは考えられないですよ。私たちが早期に予備選挙が実施される各州で連勝すれば、ブルームバーグは終わりです。バイデンは弱いという主張など消えてなくなります」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ