古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:テキサス州

 古村治彦です。

 2020年アメリカ大統領選挙の投開票が始まった。「ジョー・バイデンの圧勝」と言っていたのは誰だっただろうか?現在のところ、ドナルド・トランプとジョー・バイデンは全米各地で大接戦を展開中だ。
2020presidentialelectionelectoralcollegeearly001

 そうした中で、ジョー・バイデン応援団の『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』紙はネイト・シルヴァー率いる「ファイヴサーティーエイト」と組んで、独自の報道を展開している。それは、「フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州」に注目して、「これら3つの州のうち、1つでもバイデンが勝利すればバイデンが大統領になる、3つの州全部をトランプが取れば、結果が出るまでに時間がかかる」というものだ。そして、バーンと大きく、この3つの州での情勢について「選挙針」というものを提示している。
2020presidentinalelectionfivethirtyeightelectionneedle001

 NYTとしては、ここで「バイデン勝利」を印象付けたかったのだろうが、日本時間11月4日午前11時現在の情勢は以下の通りだ。NYTとファイヴサーティーエイトは3つの州でトランプが勝利する確率が高いと予測している。

 さて、NYTとファイヴサーティーエイトは膨大な各種世論調査の結果から、バイデン勝利の確率を90%、トランプ勝利の確率を9%、同点となる可能性を1%と弾き出した。以下のようなものだ。

2020presidentialelectionfivethirtyeightchancetowin001

 これにいくつかの条件を加えると、あら不思議、トランプの勝利可能性がグーンと高まるのだ。テキサス州の勝利は私独自の見解ではあるが、上記の3つの州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州の予測はNYTとファイヴサーティーエイトの見解である。これを足してみると、なんと、バイデンの勝利確率は38%、トランプの勝利確率は60%、同点となる可能性は2%となった。

2020presidentialelectionfivethirtyeightchancetowin002

 これは確率統計と世論調査の方法論のなせる業である。

 私が今のところ、気になっているのはヴァージニア州とミシガン州で、開票率が低い段階ながら、トランプがバイデンに10ポイント以上の差をつけていることだ。ヴァージニア州はバイデン勝利と予測していたので驚きだ。ミシガン州は大接戦となると思っていたので、こちらにも驚いている。オハイオ州は脱線となっているが、私としてはトランプ勝利を予測したので、何とかトランプに勝ってもらいたい。

 前回と今回の大統領選挙の結果から見て、世論調査の方法論に関しては改善や見直しがなされるべきだということを改めて思う。政治学という学問分野において、世論調査は研究の根拠、基盤、土台となるものだ。その信頼性が揺らぐとなると、「科学」であることを目指してきた政治学の信頼性が揺らぐということになる。
※追記します(2020年11月4日午後12時15分)
 トランプ陣営にとっては最高の展開の地図を示す。これは私が作ったものではなう。ロイター通信のアメリカ大統領選挙特設ページで先ほど12時2分ごろに示されたものだ。思わず「嘘だろ」と叫んでしまうほどにトランプ有利な地図。これからオセロのように青(バイデン)が増えていくとは思うが、増えなければ、民主党とバイデン陣営には悪夢のような結果になる。
2020presidentialelection20201104jp001

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙の投開票日まで3週間ほどを残すだけになった。現状では、民主党のジョー・バイデン前副大統領が有利という報道がなされている。確かに各種世論調査の結果ではバイデンがドナルド・トランプ大統領をリードしている。しかし、日本で報道されるのは、全米規模での世論調査の数字である。

アメリカ大統領選挙の方式は各州に選挙人が配分され、各州の得票数で多かった候補者が選挙人を総取りする、選挙人の獲得数で勝敗が決するものとなっている。全米規模での単純に総得票数が多い候補者が勝利ということにはならない。

 従って、しつこく繰り返し述べることになるが、各州の動向を見てみなければならない。しかし、アメリカにあるすべての州とワシントンDCについて調べる必要はない。そもそも共和党が優位で選挙結果が動かない共和党優位州(レッドステイト)と民主党優位州(ブルーステイト)がある。合わせて40州程度はそうだ。残りの10州が激戦州(スイングステイト)の動向を見ておかねばならない。

 私が特に注目しているのはフロリダ州とテキサス州の動向だ。前回の大統領選挙では両州共にトランプ大統領が勝利した。今回の大統領選挙の世論調査の結果で見ると、テキサス州ではトランプ大統領がややリード、フロリダ州では大接戦となっている。私はトランプ大統領がこの両州を今回取れなければ、かなり厳しい状況になると考える。両州共にトランプ大統領が取れれば、アメリカ北部の五大湖周辺州で決戦ということになる。

 大統領選挙ではまずフロリダ州とテキサス州の結果にご注目いただきたい。

(貼り付けはじめ)

世論調査:フロリダ州とアリゾナ州でバイデンはトランプと接戦(Poll: Biden neck and neck with Trump in Florida, Arizona

ジョセフ・チョイ筆

2020年10月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/520065-new-poll-shows-biden-leading-trump-in-florida-neck-and-neck-in?fbclid=IwAR2g5JnJg_X6vcY-TgZudllJCNctaG3wSVKGsKNa7BDTc-7QzyCBxRlzRK8

水曜日に発表されたロイター社とイプソス社の共同世論調査の結果によると、民主党候補者のジョー・バイデンはフロリダ州とアリゾナ州という激戦州でトランプ大統領をリードしている。

この世論調査では、バイデン前副大統領はフロリダ州で4ポイントのリードをつけており、支持率はバイデンが49%、トランプが45%だった。アリゾナ州では、バイデンはトランプに2ポイントの差をつけている。支持率はバイデンが48%、トランプが46%となっている。

両州でのバイデンのリードは世論調査の誤差の範囲内にとどまっている。

2016年の大統領選挙では、トランプはフロリダ州とアリゾナ州を僅差でものにした。フロリダ州では1.2ポイントの差をヒラリー・クリントン元国務長官につけた。トランプはアリゾナ州では3.6ポイントの差をヒラリーにつけた。

今年の11月の選挙でバイデンがアリゾナ州で勝利ということになると、1996年にクリントン元大統領が勝利を収めて以来、初めて民主党の候補者が勝利を収めるということになる。

ロイター社の世論調査によれば、フロリダ州の調査参加者の50%がバイデンの方がより良く新型コロナウイルス感染拡大に対応するだろうと答え、41%がトランプの方がより良く対応すると答えた。

新型コロナウイルス感染に関すると、アリゾナ州の調査参加者の49%がバイデンの方が感染拡大により良く対応するだろうと答え、43%がトランプの方がより良く対応するだろうと答えた。

今回の世論調査はトランプ大統領が新型コロナウイルス陽性という診断が出て6日後に発表された。トランプ大統領とその他の共和党幹部たちは新型コロナウイルスに感染した。その中には、ニュージャージー州前知事クリス・クリスティ、大統領上級補佐官ホープ・ヒックス、大統領元顧問ケリアン・コンウェイが含まれている。

トランプ大統領は火曜日夜に新型コロナウイルス関連経済対策交渉を打ち切った。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と民主党側が経済刺激策について「真面目に」交渉していないとトランプ大統領は主張している。トランプ大統領は後に水曜日になって交渉打ち切りを撤回し、連邦議会に対してより小規模の経済刺激策法案を可決するように求めた。

キュニピアック大学の最新の世論調査の結果が水曜日に発表され、フロリダ州ではバイデンがトランプ大統領に11ポイントの差をつけてリードしており、過半数がトランプに投票すると答えたということだ。

水曜日に発表されたラスムッセン社の全国規模の世論調査では、バイデンがトランプ大統領に12ポイントに差をつけている。

バイデンに対する支持は大きくなっており、これはト先週火曜日に実施されたランプ大統領とバイデンとの間の混乱に満ちた討論会の後に出てきている。オハイオ州で実施された討論会で、司会者でフォックスニュースのキャスターであるクリス・ウォレスは両者の会話が脱線しないように苦労し、何度も割り込みされた。その割り込みのほとんどはトランプ大統領によるものだった。

ロイター通信・イプソス社がアリゾナ州とフロリダ州で実施した世論調査は、英語とスペイン語で実施されあt

フロリダ州での世論調査は929日から106日にかけて実施された。1100名の成人、その内の678名は必ず選挙に行くと答えたが、これらの人々からの回答を集めた。誤差は4ポイントだ。

アリゾナ州での世論調査は9月29日から107日にかけて実施された。1099名の成人、その内の663名は選挙に必ず行くと答えたが、これらの人々からの回答を集めた。誤差は4ポイントだ。

=====

最新のキュニピアック大学の世論調査で、フロリダ州ではバイデンが11ポイントの差をつけてリード(Biden holds 11-point lead over Trump in Florida in new Quinnipiac poll

マックス・グリーンウッド筆

2020年10月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520032-biden-holds-11-point-lead-over-trump-in-florida-in-new-quinnipiac-poll

水曜日に発表されたキュニピアック大学の最新の世論調査の結果によると、民主党候補者のジョー・バイデンはフロリダ州でトランプ大統領に11ポイントの差をつけてリードしている。

今回の世論調査では、フロリダ州の有権者の51%がバイデンを支持し、40%がトランプを支持している。

That’s a remarkably wide margin for a state where elections are typically decided by only a few points.フロリダ州で最近行われた各種世論調査の結果ではもっと接戦になっている。

先月実施された、キュニピアック大学のフロリダ州での世論調査では、バイデンはトランプに対して3ポイントの差をつけていた。「ファイヴサーティーエイト」の最新の各種世論調査の平均では、バイデンはトランプに対して3.7ポイントの差をつけている。

水曜日に発表されたキュニピアック大学の世論調査では、ペンシルヴァニア州ではバイデンがトランプを54%対41%、アイオワ州では50%対45%でリードしている。

キュニピアック大学の世論調査アナリストであるティム・マロイーは次のように述べている。「程度の差こそあれ、アメリカ国内の全く別の場所と地域にある3つの重要な州で同様の不吉な結論を示しています。トランプ大統領の再選の希望は一日一日暗くなっています」。

バイデンがフロリダ州で勝利することはトランプ大統領の再選の機会に対しての致命的な打撃となるだろう。トランプ大統領は2016年の大統領選挙で10万票以内の僅差で勝利を収めた。フロリダ州は再選に向けての中心的な要素となる。大統領は昨年、フロリダ州を居住州とした。

キュニピアック大学の世論調査では、フロリダ州在住の有権者の48%がバイデンに好意的な意見を持っており、41%が好意的ではない意見を持っていると答えた。対照的に、トランプに対する好意は水準を下回っており。38%が好意的な意見を持っており、54%が好意的ではない意見を持っていると答えた。

医療制度を含む諸問題について、特にアメリカの新型コロナウイルス感染対応と最高裁判事の指名について、世論調査の結果によると、バイデンはトランプに比べかなり高い評価を受けている。経済に関してだけは、有権者たちはトランプの方がより良い候補者だと考えている。経済について、トランプの支持率は50%、バイデンの支持率は44%だった。

キュニピアック大学の世論調査は、2020年10月1日から5日かけて1256名の「選挙に行く」と答えた有権者から集めた回答を基にしている。誤差は2.8ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙に関する各種世論調査の結果では、民主党のジョー・バイデン前副大統領が有利となっている。確かに数字を見てみればジョー・バイデンが共和党の現職ドナルド・トランプ大統領をリードしている。各州の世論調査の数字を大統領選挙の選挙人獲得に当てはめた地図を見ると、バイデンが225、トランプが115、接戦が201となっている。選挙人270を獲得した候補者が大統領となる。

202007presidentialelectionelectoralcollegemap001

 下の2つの記事から現在のアメリカ大統領の大きな流れが分かる。その一つは、トランプ大統領への支持は積極的支持でバイデン前副大統領支持は消極的支持というものだ。

CBSニュースの最新の世論調査で、「あなたがトランプ大統領(バイデン副大統領)に投票する理由は何ですか?」という質問があり、この質問に対する答えの結果が興味深い。「バイデン前副大統領に投票する」と答えた有権者の中で、50%が「トランプ大統領に反対するため」と答え、27%が「バイデン前副大統領が好きだから」と答え、23%が「民主党の候補者だから」と答えた。一方、「トランプ大統領に投票する」と答えた有権者の中で、68%が「トランプ大統領が好きだから」と答え、17%が「バイデン前副大統領に反対するため」と答え、15%が「共和党の候補者だから」と答えた。

 バイデン支持の半数はバイデンが好きとか、民主党支持だからではなく、トランプ大統領が嫌いだから、反対したいから、でバイデンに投票すると答えている。この半数は別にバイデンではなくて良かったわけだ。バイデンが好きだという投票予定者は27%しかいなかったというのはバイデン陣営からすればショックだろう。この50%の一部は現在の新型コロナウイルス感染拡大への対応や経済状況から、トランプ大統領に反対するためにバイデンに投票すると考えているだろうが、状況が好転すればどう動くか分からない。

 以前の記事でも指摘したが、対中国政策と経済運営の点ではトランプ大統領の方が、バイデン前副大統領よりも評価が高い。一方、新型コロナウイルス感染拡大対応に関して、トランプ大統領への評価は低く、バイデンに対しては、大統領になって対応するための準備ができているという評価がなされている。

 新型コロナウイルス感染拡大対策と経済対策は車の両輪であって、どちらか一方に偏ると、とんでもない対策が実施されてしまう。このバンランスを取ることが難しいが、それこそが政治家、指導者の仕事だ。そうした中で、感染拡大が続く中で経済の落ち込みもまた深刻さを増している。アメリカ国民の関心が経済に向くようになると、トランプ大統領への支持も回復していくだろう。

 大統領選挙の大きな流れとしては、アメリカ政治の対立構造が「共和党対民主党」から「親トランプ対反トランプ」になっていることだ。有権者の党派の好みは薄まり、トランプを支持するかどうかで、投票行動が決まっている。単純に金持ちや自営業者だから共和党に入れるとか、民主党は貧乏人のための政党だから入れるとか、そういう話ではなくなっている。既存の二大政党への支持や感心が落ちていることが分かる。これは共和党、民主党どちらにとっても深刻な問題だ。

 上の図にあるように、アメリカ大統領選挙は現在のところ、バイデン有利だ。しかし、激戦諸州の選挙人201の動きがどうなるか、上の図にある灰色の州の中で、特にフロリダ州、テキサス州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ミシガン州、ウィスコンシン州といった私が重要な激戦諸州と指摘している諸州の動向、選挙人131の動向が大統領選挙の結果を決することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

世論調査:全国規模でバイデンがトランプ大統領に対して10ポイントの差をつけてリード(Biden up 10 points over Trump nationally: poll

レベッカ・クレア筆

2020年7月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/509142-biden-up-10-points-over-trump-nationally-poll

最新世論調査の結果によると、民主党の大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンがトランプ大統領に10ポイントの差をつけてリードしている。

日曜日に発表されたCBSニュース・ユーガヴの共同世論調査の結果によると、選挙に行くと答えた有権者の51%がバイデン支持と答え、41%がトランプ大統領支持と答えた。4%が支持する候補者を決めていないと答え、別の4%は全く別の個人もしくは第三党の候補者を支持すると答えた。

CBSニュースが日曜日に発表した別の各種世論調査によると、ミシガン州ではトランプがバイデンを追いかけ、オハイオ州では両者が接戦を展開している。この2つの激戦州は2016年の大統領選挙ではトランプ大統領が勝利を収めた。

全国規模の各種世論調査と激戦州での各種世論調査でバイデンがリードをしているが、11月の大統領選挙投開票日まで残り約100日を切った段階にある。

今回の全国規模の世論調査で調査対象となった有権者の10人のうち9人以上が投票したいと考えている候補者を変更しないと答えた。78%が自分たちの候補者への支持は「大変に強力」だと答えた。16%が「強力」と答えた。支持する候補を変更する可能性があると答えたのは5%にとどまり、1%は変更する「可能性が高い」と答えた。

バイデンへの支持は、反トランプという考えによってもたらされている。バイデンに投票すると答えた有権者の50%は、バイデンを支持するのはトランプ大統領に反対するためだと答えた。バイデンが好きだから投票すると答えたのは27%に過ぎなかった。バイデンに投票するのは民主党の候補者だからだと答えたのは23%だった。

一方、トランプ大統領への支持は候補者としてのトランプ大統領を支持しているというのが主な理由となっている。トランプ大統領に投票すると答えた有権者の68%はトランプ大統領が好きだから投票すると答えた。バイデンに反対するためにトランプ大統領に投票すると答えたのは17%に過ぎず、トランプ大統領が共和党の候補者だから投票すると答えたのは15%にとどまった。

今回の世論調査は2020年7月21日から24日にかけて2008名の成人を対象に実施された。誤差は2.5ポイントだ。

=====

世論調査:重要な激戦州ノースカロライナ州でバイデンがトランプに対して7ポイント差をつける(Poll: Biden tops Trump by 7 points in key battleground state of North Carolina

ジャスティン・ワイズ筆

2020年7月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/509123-poll-biden-tops-trump-by-7-in-key-battleground-state-of-north

最新のNBCニュースとマリスト大学の共同世論調査によると、民主党の大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンが、ノースカロライナ州において、トランプ大統領に7ポイント差をつけた。2016年の大統領選挙でトランプ大統領はノースカロライナ伊州で勝利した。

この世論調査によると、登録済み有権者の51%が2020年の大統領選挙ではバイデンに投票すると答えた。一方、44%がトランプ大統領を支持すると答えた。今年3月の同様の世論調査の結果では、バイデンがトランプに4ポイントの差をつけていた。

2016年の大統領選挙でトランプ大統領が民主党候補者ヒラリー・クリントンを3ポイントの差をつけて破ったノースカロライナ州で、今回の世論調査においてトランプ大統領の支持率は大きな下落を記録した。ノースカロライナ州の有権者の41%がトランプ大統領の仕事ぶりを評価し、55%が評価しなかった。これまでの4カ月で支持率は11ポイントの下落を記録した。

今年3月、NBCニュースとマリスト大学が行った世論調査の結果では、トランプ大統領の支持率は45%、不支持率は48%だった。

ノースカロライナ州でのバイデンのリードは無党派有権者の支持がその理由である。無党派有権者の49%がバイデンを支持すると答え、41%がトランプ大統領を支持すると答えた。バイデンはまた女性有権者とどちらの候補者も好きではないと答えた有権者の間でも堅調な支持を集めている。

アフリカ系アメリカ人有権者の中では、86%がバイデン支持で、トランプ支持は8%だ。今回の世論調査の結果によると、トランプは白人有権者と大学の学位を持たない白人有権者の間でリードを保っている。ノースカロライナ州の有権者の過半数は、トランプ大統領は経済運営を行うために準備がより良くできている候補者だと考えている。

コロナウイルス感染拡大へのトランプ大統領の対処を評価しているのは34%にとどまった。一方、51%がバイデンの方がより準備ができていると答えた。

今回の世論調査の結果は2020年の選挙まで100日を切った時点で出された。現在、アメリカは国内各地でコロナウイルス感染拡大が続いている。月曜日の朝までの時点で、アメリカ国内では420万件のCOVID-19が確認された。COVID-19は新型コロナウイルスによって引き起こされる。死亡者数は約14万6900に達している。

各種世論調査の結果によると、多くの激戦州においてバイデンはトランプに対して攻勢をかけている。激戦州が選挙の帰趨を決することになるだろう。日曜日に発表された別のNBCニュースの世論調査の結果によると、バイデンはアリゾナ州、ミシガン州、そしてフロリダ州でバイデンがリードをしている。2016年、トランプ大統領はこれらの州で勝利を収めた。同日に発表されたAP通信の世論調査の結果によると、アメリカ国民の中でトランプ大統領のコロナウイルス感染爆発への対処を評価しているのは32%にとどまった。これは最低記録を更新するものとなった。

最新のNBCニュースとマリスト大学の共同世論調査は2020年14日から22日にかけて、ノースカロライナ州の登録済み有権者882名を含む1087名の成人を対象に実施された。誤差は3.7ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙の情勢について現在までの各種世論調査の結果を軸にして見ていく。その前にアメリカ大統領選挙について簡単に説明する。アメリカ大統領選挙の投票日は「11月の最初の日曜日の次の火曜日」と決まっている。連邦下院全議席(435議席)、連邦上院議席の一部(100議席の約3分の1)で同時に選挙が実施される。

 アメリカ大統領選挙は、民主、共和両党がそれぞれ指名する本選挙候補者を決めるための予備選挙から始まる。予備選挙を勝ち上がった候補者が夏の全国大会で党の指名を受け、本選挙候補者となる。そして、11月の本選挙を迎える。

 アメリカ大統領選挙の仕組みは有権者の得票総数で決まるのではなく、各州で配分された選挙人を取り合う形になる。一つの州で一票でも多く上回った候補者が選挙人を総取りできる、「勝者総取り方式」を取っている。メイン州とネブラスカ州は勝者にある程度の選挙人を配分し、得票率によって敗者にも選挙人が配分されることもある制度を採用している。全米50州に首都ワシントンDCに人口に比例して合計で538名の選挙人が配分されている。最小の州には3名、最大の州カリフォルニア州には55名が配分されている。

 現在のアメリカ政治の特徴は、何と言っても「青い州(Blue States)」と「赤い州(Red States)」に分かれていることだ。青色は民主党のイメージカラーであり、青い州は民主党が強い州、赤色は共和党のイメージカラーであることから、赤い州は共和党が強い州である。これはなかなか動かない。青い州は、アメリカの東西両岸地域に多く、人口が多い都市部を抱えている。赤い州は、アメリカ中西部と南部に多く、農業が産業の中心になっている。

しかし、2016年の大統領選挙で共和党の候補者ドナルド・トランプが大方の予想を覆して民主党の候補者ヒラリー・クリントンを破ったのは、青い州の代表格と見られていた、アメリカ北部五大湖周辺の労働組合が強い工業地帯(ラストベルトと呼ばれる)であるウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州でトランプが勝利を収めたからだ。

 今回、私なりに過去の大統領選挙の結果や現在の世論調査の結果を考慮して、全米50州とワシントンDCを以下のように分類した。以下の分類からは、現状では、ジョー・バイデンがドナルド・トランプ大統領を大きくリードしているということになる。トランプ大統領が優勢なのは21州で選挙人の合計が142名、バイデンが優勢なのは18州で選挙人の合計が208名となっている。世論調査やこれまでの結果を考慮してどちらとも言えない激戦州(赤色と青色を混ぜた紫色、Purple Statesと呼ばれている)は12州で選挙人の合計が188名となっている。

 トランプ優勢州とバイデン優勢州はよほどのことがない限り、結果は動かない。そうであるならば、大事なのはどちらとも言えない12州だ。これらの州の情勢を見ていけば大統領選挙の結果は予想しやすい。アメリカ国内でもこれらの州は激戦だ、もしくは重要だということで複数回にわたり、定期的に世論調査が実施されている。トランプ、バイデン両者の優勢州では世論調査が実施されていないか、されていても少ない数だ。

 どちらとも言えない州での世論調査の結果から見ていくと次のようになる。バイデン優勢は、・アリゾナ州、コロラド州、フロリダ州(Florida)、ミシガン州、ミネソタ州、ネヴァダ州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で、選挙人合計は129名、一方、トランプ大統領が優勢なのはアイオワ州、ノースカロライナ州、テキサス州で、選挙人合計は59名だ。そうなると、トランプ大統領の獲得選挙人は201名、バイデンの獲得選挙人337名ということになる。過半数は270名なので、バイデンが圧倒的優勢ということになる。

 しかし、これはあくまで現状のしかも世論調査の数字だけを見ての分析である。世論調査は調査対象者の数(サンプル数)や質問方法、質問の言葉選びなどが重要な要素であり、それらは改善が行われているが、まだまだの部分もあり、あくまで大きな動向を掴むための道具であると私は考えている。従って、世論調査にだけ頼ることは危険である。しかし、アメリカにも住んでいない場合には、全米を調査に回るほどの費用もない中では、アメリカの報道や世論調査の結果を見るしかない。

 今回の大統領選挙では、民主党が前回失った五大湖周辺4州を再奪取できるか、南部の大票田であるテキサス州とフロリダ州でバイデンがどこまで戦えるか、ということが注目される。現在のところ、テキサス州を除いた5州の各種世論調査でバイデン優勢の結果が出ている。そのために単純に足し上げをするとバイデンが圧倒的優勢という分析になる。

しかし、あと4カ月以上も時間がある。トランプ大統領が不利な状況、現職大統領が敗れるというような状況であれば、連邦議会選挙にも悪影響が出る。トランプ陣営と共和党は巻き返しに躍起となるだろう。トランプ大統領としては新型コロナウイルス感染拡大でダメージを受けた経済の回復を最優先したい。民主党はバイデンの弱いイメージの払しょくと党内分裂の回避に力を注ぐ。両党の全国大会からいよいよラストスパートとなる。

(貼り付けはじめ)

■大統領選挙代議員数:538名(過半数270名)

●トランプ[共和党]優勢州(red states

・アラバマ州(Alabama:9名

・アラスカ州(Alaska):3名

・アーカンソー州(Arkansas):6名

・ジョージア州(Georgia):16名

・アイダホ州(Idaho):4名

・インディアナ州(Indiana):11名

・カンザス州(Kansas):6名

・ケンタッキー州(Kentucky):8名

・ルイジアナ州(Louisiana):8名

・ミシシッピ州(Mississippi):6名

・ミズーリ州(Missouri):10名

・モンタナ州(Montana):3名

・ネブラスカ州(Nebraska):5名(4名はトランプ、1名はバイデン)

・ノースダコタ州(North Dakota):3名

・オクラホマ州(Oklahoma):7名

・サウスカロライナ州(South Carolina):9名

・サウスダコタ州(South Dakota):3名

・テネシー州(Tennessee):11名

・ユタ州(Utah):6名

・ウエストヴァージニア州(West Virginia):5名

・ワイオミング州(Wyoming):3名

・合計:141名(+1)、21州

●トランプ・バイデン激戦州

・アリゾナ州(Arizona:11名(バイデン優勢)

・コロラド州(Colorado):9名(バイデン優勢)

・フロリダ州(Florida):29名(バイデン優勢)

・アイオワ州(Iowa):6名(トランプ優勢)

・ミシガン州(Michigan):16名(バイデン優勢)

・ミネソタ州(Minnesota):10名(バイデン優勢)

・ネヴァダ州(Nevada):6名(バイデン優勢)

・ノースカロライナ州(North Carolina):15名(トランプ優勢)

・オハイオ州(Ohio):18名(バイデン優勢)

・ペンシルヴァニア州(Pennsylvania):20名(バイデン優勢)

・テキサス州(Texas):38名(トランプ優勢)

・ウィスコンシン州(Wisconsin):10名(バイデン優勢)

●バイデン[民主党]優勢州(blue states

・カリフォルニア州(California):55名

・コネティカット州(Connecticut):7名

・デラウェア州(Delaware):3名

・ハワイ州(Hawaii):4名

・イリノイ州(Illinois):20名

・メイン州(Maine):4名(3名はバイデン、1名はトランプ)

・メリーランド州(Maryland):10名

・マサチューセッツ州(Massachusetts):11名

・ニューハンプシャー州(New Hampshire):4名

・ニュージャージー州(New Jersey):14名

・ニューメキシコ州(New Mexico):5名

・ニューヨーク州(New York):29名

・オレゴン州(Oregon):7名

・ロードアイランド州(Rhode Island):4名

・ヴァーモント州(Vermont):3名

・ヴァージニア州(Virginia):13名

・ワシントン州(Washington):12名

・ワシントンDCWashington, District of Columbia):3名

・合計:207名(+1)、18州

(貼り付け終わり)
(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙まで5カ月を切った。共和党は現職のドナルド・トランプ大統領、民主党はジョー・バイデン前副大統領がそれぞれ候補者に内定している。どちらが勝つかという予言をすることはまだ尚早だと思うが、今回はテキサス州とフロリダ州の状況を見てみたいと思う。以下にテキサス州とフロリダ州の情勢についてまとめた記事を掲載する。

 テキサス州は共和党の金城湯池だ。前回民主党候補者が勝ったのは1976年のジミー・カーターが最後だ。カーターは南部アトランタ州出身ということもあっての勝利だったが、現職のジェラルド・フォード大統領(リチャード・ニクソン大統領の辞任によって昇格)相手に大接戦だった。それ以来、民主党候補者は勝てていない。1992年と1996年の選挙では南部アーカンソー州出身のビル・クリントンが善戦したが、それでも得票率で3%以上差をつけられて敗北した。バラク・オバマは得票率10%以上をつけられて惨敗した。共和党優勢州は共和党のイメージカラーである赤色にちなんで、「レッド・ステイト(Red State)」と呼ばれるが、テキサス州のように優位が動かない州は「ルビー・レッド(Ruby Red)」と呼ばれている。民主党優勢州はこちらも党のイメージカラーから「ブルー・ステイト(Blue State)」、どちらとも言えない州は赤色と青色が混ざった紫色、「パープル・ステイト(Purple State)」となる。

 それでは今回の大統領選挙も現職のドナルド・トランプ大統領が圧倒的に優位に立っているということになるが、必ずしもそうではないようだ。テキサス州は全米でも屈指の好景気の州だ。中国からの投資も盛んだ。生活費が安く、暮らしやすいということもあり、ヒューストン、ダラス、サンアントニオといった大都市やその周辺地域に新たに移り住む人々が増えている。そのために人口増加の規模が大きく、しかも増加のスピードも速くなっている。こうした人々が必ずしも共和党支持ではない、ということがテキサス共和党にとっては懸念材料になっているようだ。
2020texaspresidentalgeneralelectionpolls001
テキサス州の世論調査の結果

トランプ大統領は優勢であるが、大統領選挙と同時に実施される連邦上院議員選挙や連邦下院議員選挙で民主党に議席を奪われるのではないかという懸念が出ているほどだ。大統領選挙で接戦になるということは、民主党支持が増えているということで、他の選挙に影響を与えるということになる。これを「ダウン・バロット(down ballot)」という。 

 ドナルド・トランプ大統領はニューヨーク市で生まれ育ち、仕事をして財を成した。しかし、現在はフロリダ州の州民だと宣言している。ニューヨーク市にも居宅を持っているが、フロリダ州にも邸宅を構えている。トランプ大統領にとってフロリダ州は「地元州(home state)」となる。共和党としてはフロリダ州を落とせないと意気込んでいる。

 1990年代以降、フロリダ州での大統領選挙は大接戦となり、ドラマを生んだ。2000年の大統領選挙ではジョージ・W・ブッシュがアル・ゴアを僅か537票差で破り、フロリダ州での結果が決め手となって大統領になった。票の数え直しが行われたことを覚えている人も多いだろう。それ以降も常に得票率の差が1%から3%の中に納まるほどの大接戦が行われてきた。そして、1996年以降は常にフロリダ州での脱線に勝利した候補者が大統領になっている。その点でも激戦州フロリダ州で勝利することは重要だ。
2020texaspresidentalgeneralelectionpolls001

 フロリダ州の特徴は高齢の有権者が多いということだ。ある程度の成功を収めた高齢者たちが老後は気候が温暖なフロリダ州で過ごそうということで移り住んでくる。そのために、高齢者が選挙において重要な要素となる。今回の新型コロナウイルス感染拡大で、高齢者は健康リスクに直面した。70歳以上の死亡率はそれ以下に比べると高くなっている。そのためにアメリカの各種世論調査の結果では、高齢者たちの多くは「経済活動よりも新型コロナウイルスへの対応をやって欲しい」と考えているということが分かった。

 そうなると、下に掲載した記事にある、高齢者の間でバイデンへの支持率が高いということもうなずける話だ。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染拡大への対応に不満を持っている高齢者たちがバイデンを支持するという構図になっている。

 現職のトランプ大統領がフロリダ州を落とすかどうか、11月の投開票日の一つの注目点ということになる。

(貼り付けはじめ)

バイデンはフロリダ州で勝利を収めることでトランプを倒そうとしている(Biden seeks to beat Trump by winning Florida

エイミー・パーネス筆

2020年6月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/503089-biden-seeks-to-beat-trump-by-winning-florida

ジョー・バイデンはフロリダ州で躍進を続けている。一方、トランプ大統領は、大統領選挙で必ず勝たねばならない、自身の裏庭とも言うべき州で守勢に回っている。

2016年の大統領選挙で、トランプ大統領は民主党のヒラリー・クリントンに対して、この勝者が入れ替わる州(swing state)で約10万票という僅差で勝利を収めた。しかし、バイデン陣営は、2008年と2012年の大統領選挙でオバマ・バイデンのコンビで勝利を収めたフロリダ州を奪還できると確信している。

最近になってフロリダ州で感染者数が増加している、新型コロナウイルス感染拡大への対処についてトランプ大統領をバイデンは一貫して攻撃している。選挙における重要な問題をはっきりさせることで、フロリダ州において状況を変えようとしている。

バイデンは今週になって、トランプ大統領がハリケーンに対する備えを怠っていると批判した。フロリダ州はこれからハリケーンが襲来してくるシーズンを迎える。

バイデンは『マイアミ・ヘラルド』紙の論説欄に文章を投稿した。その中で次のように書いている。「トランプ大統領は今回の新型コロナウイルス感染拡大に対する準備に失敗し、その影響を弱めるための決定的な行動を取らなかった。そのために危機的状況が継続することになっている。私たちのコミュニティは外部からの新たな脅威やハリケーンのような自然災害に対して危険なほど脆弱である。」

バイデン選対がフロリダ州の重要性をきちんと認識していることを示す証拠として、民主党は、フロリダ州選出のヴァル・デミングス連邦下院議員(民主党)をバイデンの副大統領候補として考慮している。

フロリダ州の政治を観察している人々は、バイデンが既にフロリダ州において優位性を持っているが、今回の新型コロナウイルス感染拡大によってその優位性は大きくなっていると述べている。

セントラル・フロリダ大学政治、安全保障、国際問題学部のバリー・エドワーズ教授は、「現在、フロリダ州での世論調査でバイデンがリードしているのには2つの理由がある。それは彼が、ドナルド・トランプではなく、またヒラリー・クリントンではない、というものです」と述べた。

エドワーズ教授は「新型コロナウイルス感染拡大は、フロリダ州の観光に依存している経済を破壊しました。人々はトランプ大統領が危機に対してうまく対応していると考えていません」とも述べた。

トランプ大統領は再選のためにはフロリダ州がいかに重要な存在かを分かっている。そして、トランプ大統領は自身の再選のための防波堤であるフロリダ州を守ろうとしている。

共和党全国委員会は先週、共和党全国大会の機能のほとんどをフロリダ州ジャクソンヴィルに移して開催すると決定した。8月の共和党全国大会でトランプ大統領は共和党による党候補者指名を受諾することになっている。

トランプ大統領は選挙集会を再開し、今週はオクラホマ州で実施する予定だ。再開後は、フロリダ州を繰り返し訪問することになると見られている。

トランプ選対はフロリダ州における選挙に関する状況について満足していると述べている。選対幹部たちは、2019年以降、フロリダ州で共和党支持と登録した有権者の数は約1万8000名であったと発表している。

トランプ選対の次席広報担当コートニー・パレラは「2015年以来、フロリダ州において私たちは有権者に関与することに成功しています」と述べた。

パレラは続けて次のように述べた。「私たち選対は昼夜兼行でトランプ大統領のメッセージをフロリダ州の有権者の皆さんに直接お届けできるように努力しています。そして、民主党側がたとえ追いつきたいと望んでも追いつけていない事実として、フロリダ州の有権者は2016年にトランプ大統領を信頼しそれを投票で示したということがあります。そして、大統領の素晴らしい成功の記録、特に“偉大なアメリカを取り戻す(The Great America Comeback)”は今年の秋の選挙で大統領の地元州での勝利を確実にするものです」。

最近の複数の世論調査の結果では、バイデンは僅差でトランプ大統領をリードしている。トランプ大統領は昨年、自身はフロリダ州の住民だと宣言した。

先週、共和党系の世論調査会社「シグナル」が発表した、大統領選挙の投票に必ず参加すると答えた有権者を対象にした世論調査では、民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンがトランプ大統領を47%対44%でリードしている。

バイデンにとって重要なことは、いくつかの世論調査で、高齢者の間で、彼がトランプ大統領をリードしているという結果が出ていることだ。

4月末のキュニピアック大学の世論調査では、65歳以上の有権者の52%がバイデンを支持し、42%がトランプ大統領を支持するという結果が出た。

フロリダ州民主党の上級部長フアン・ぺナロサは次のように述べている。「高齢者はトランプ大統領から離れています。トランプ大統領を非難しています。私たちが話しをしてきた高齢者の皆さんは新型コロナウイルスへの接触を恐れています。高齢者の皆さんは家の中に閉じ込められた囚人のように感じ、孫たちに会えないことで怒りを持っています」。

バイデンはヒスパニック系の有権者たちの獲得を目指しているが、そうした中で、火曜日にはスペイン語の新聞『ディアリオ・ラス・アメリカス』紙にバイデンがマイアミ・ヘラルド紙に掲載した論説記事のスペイン語訳が転載された。

フロリダ州のバイデン選対の広報担当は、選対は「フロリダ州内の多様な各コミュニティに対する積極的な働きかけを拡大し続け、一票一票を掘り起こす」予定だと発表した。

エドワーズ教授は、トランプ大統領は既にフロリダ州において支持基盤を固めているが、バイデンはこれから民主党支持の有権者たちを動かすために強力な草の根の選挙運動を構築し、展開しなければならないと指摘している。

エドワーズ教授は次のように述べた。「バイデン支持者たちはフロリダ州で、トランプ支持者たちに匹敵するエネルギーと目立つ動きをする必要があります。ジョー・バイデンは“眠たげなジョー(Sleepy Joe)”というレッテルを剥がすためにエネルギーと熱意を見せねばなりません」。

バイデンとフロリダ州民主党の幹部たちは、フロリダ州全体での草の根運動と有権者の組織化のための努力を更に高めると述べている。共和党が圧倒的に優位な地域(ruby-red areas)にも浸透すると述べている。そして、有権者に対する電話かけ、Eメール、戸別訪問の数を増やしている。

例えば、先週末、バイデン支持者たちは、「ライディング・ウィズ・バイデン」キャラヴァンを組織した。そして、自動車で列を組んで、トランプ大統領所有の施設の中を行進した。その中には「トランプ・ナショナル・ドーラル・マイアミ・リゾート」も含まれていた。キャラヴァン参加者たちは自動車の中でポスターやバイデンの看板を振った。

ぺナロサは、フロリダ州における競争はこれまでになく激しくなっていると述べた。

ぺナロサは、「皆さんがやらねばならないことは、ここフロリダ州でのトランプの投資について見ることです。彼はここに移り住んだ。フロリダは彼にとって失うことのできない州なんです」と述べた。

=====

テキサス州において世論調査の数字が接戦となっていることで共和党関係者はイライラしている(Tight polls put GOP on edge in Texas

ジョナサン・イーズリー筆

2020年6月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/502533-tight-polls-put-gop-on-edge-in-texas

オースティン発。テキサス州の共和党関係者たちは現在ピリピリしている。複数の世論調査で、トランプ大統領と民主党大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンが、選挙の投票日まで5カ月を切って、テキサス州で大接戦を演じていることが明らかになった。

テキサス州の共和党関係者の多くは現在でもトランプ大統領が11月の選挙においてテキサス州で勝利し、38名の選挙人を獲得する可能性が高いと見ている。しかし、1976年以来初めて、テキサス州の大統領選挙で民主党の候補者が勝利をするのではないかというわずかな可能性が少しずつ高まっている。

トランプ大統領がバイデンに対してつけている差が重要であり、共和党は大統領選挙において接戦となると、その他の選挙で民主党に敗れてしまうのではないかという恐怖感を持っている。

テキサス州選出の共和党所属連邦下院議員5名が年末の任期までで引退を表明しており、この5議席のうち、3議席が接戦、もしくは民主党有利という展開になっていると中立の「クック・ポリティカル・レポート」は評価している。

ジョン・クローニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は再選に向けて準備をしているが、2020年の選挙は彼のキャリアの中で最も厳しい戦いとなる可能性が高くなっている。

バイデン選対はテキサス州においてトランプ大統領と競い合う意向を持っていると発表している。テキサス州民主党は全米でも最大規模を誇っている。テキサスの人口構成は急速に変化しており、それでテキサス州は共和党の圧倒的な優位州から激戦州に変化している。

オースティンに住む共和党系のヴェテラン選挙関係者ビル・ミラーは次のように述べている。「テキサス州の共和党にとって深刻な時期になっています。現状を深刻に捉えない共和党関係者は11月に悪い結果となって驚くことになるでしょう。共和党は深刻に考え、対策を練らねばなりません。そうしなければ、テキサス州で困った事態になるでしょう」。

先週発表されたキュニピアック大学の世論調査では、テキサス州ではトランプ大統領がバイデンに1ポイント差をつけてリードしていた。「リアルクリアポリティックス」が出している平均では、テキサス州ではトランプ大統領が2.2ポイント差をつけてリードしている。

テキサス州共和党は都市の郊外における状況について懸念を持っている。こうした地域では、トランプ大統領が就任して以来、女性と無党派層が共和党支持から離れている。

ヒューストン、ダラス、オースティン、サンアントニオといった都市部の周辺地域で共和党への支持は下がっている。これら4つの都市は全米でも最も大規模にかつ急速に成長している都市となっている。2018年の中間選挙では、ヒューストンとダラスにおいて、民主党側の候補者が長年の共和党の現職を倒した。

警察によるジョージ・フロイドの殺害をめぐる歴史的な市民的抵抗運動が起きている現状、トランプ大統領はテキサス州の都市部郊外に居住する有権者に対するアピールする機会を失っていると共和党員や支持者たちは発言している。

オースティンを拠点としている共和党系のヴェテランの選挙関係者コービン・キャスティールは「郊外は懸念材料となっています。常に長所というものは短所を示すことでもあります。郊外にテコ入れをする必要があります」と述べている。

キャスティールは次のように述べている。「ドナルド・トランプ大統領は現在のような状況において思いやりを見せることを手助けすることになるでしょう。テキサス州共和党員の大部分はキリスト教徒です。イエス・キリストを愛し、キリスト教徒らしい生活を送っています。そして、私たちの党の指導者が経済と雇用、保守派の判事たちを任命するなどで素晴らしい成果を収めたが、思いやりをもって国を導く機会を逃したことを見て失望しています。現在の人種差別をめぐる危機的状況の時期に、思いやりを持ちながら国を導くならば、トランプ大統領の得票数は大変高くなるだろうと考えます。そうすればテキサス州を失うことはないでしょう。私はトランプ大統領が負けることはないだろうと確信しています。しかし、長所をてこ入れする機会を失っています」。

キャスティールは2016年の大統領選挙においてテキサス州でのトランプ大統領の選挙運動を指揮した人物だ。キャスティールは、2020年の大統領選挙ではトランプ大統領がバイデンに6ポイントの差をつけて勝利すると予測していると発言した。この数字は現代のテキサス州での大統領選挙において最も僅差の数字ということになる。

2016年、トランプ大統領はヒラリー・クリントンに9ポイントの差をつけて勝利した。これはジミー・カーター元大統領(民主党)が40年以上前にテキサス州で勝利を収めた際のポイント差以来の最小の差での勝利ということになった。1994年以降、民主党の候補者でテキサス全州を対象にした選挙で勝利を収めた人物はいない。この共和党の連勝記録は全米で最長期間を記録している。

キャスティールは、トランプ大統領が予想よりも小さい差で勝利を収めるということが起きれば、それはテキサス州共和党と連邦下院議員選挙にとっては「破壊」を意味することになるだろうと懸念を表明した。

キャスティールは、全米規模のメディアにおいて、テキサスが転換かなるかという問題について、テキサス州における共和党の置かれている状況は過小評価されている可能性が高いと指摘している。

テキサス共和党の党員や支持者たちは、連邦下院議員選挙予備選挙で複数の新人が勝利を収めたことを喜んでいる。その中にはダラスの女性実業家ジェネヴィー・コリンズが含まれている。コリンズは、ダラスを地盤とする1期目を終えようとしている現職のコリン・アレッド連邦下院議員(テキサス州選出。民主党)と本選挙で対決することになる。

キャスティールは、選挙戦が激しくなっていけば共和党員や支持者たちはトランプ大統領当選に向けて選挙運動を激化させ、一方、ジョー・バイデンは人々の関心を集め、批判が大きくなるだろうと予測している。

キャスティールは次のように述べている。「テキサスっ子はトランプ大統領の経済政策を本当に気に入っているし、判事の任命についても賛成している。投票ブースに入って、レヴァーを引く時に、トランプ大統領に投票するというのは簡単な決心ということになる」。

オースティンに住む共和党系ストラティジストであるブレンダン・スタインハウザーは、大統領選挙においてテキサス州で民主党が勝利を収める可能性は33%だと述べている。

スタインハウザーは、クローニンは連邦上院議員に再選され、得票率ではトランプ大統領よりも5ポイント高いという結果になると予想していると述べた。クローニンの対抗馬となる民主党側の候補者は来月明らかになるが、現在のところ、元米空軍パイロットのMJ・ヒーガーとテキサス州上院議員ロイス・ウエストが決選投票に向かって戦っているという状況だ。

スタインハウザーは、バイデンがテキサス州で勝利を得るためには、トランプ大統領に不満を持つ共和党員たちが投票に行かないか、投票に行っても何も書かない、一方で連邦上院議員選挙ではクローニン、他の選挙でも共和党の候補者に入れるという行動を取ることだ、と述べた。

スタインハウザーは次のように述べている。「テキサス州は大きく動いており、大統領選挙の結果は僅差で決まると確信しています。つまり、トランプ大統領が勝利を得ると考えています。共和党員や支持者たちは今回の選挙について真剣に考えています。今回の選挙が接戦になることは分かっています。ビトー・オローク前連邦下院議員は、2018年の連邦上ン議員選挙で郊外に住む白人女性の票を多く獲得しました。もし民主党側が今回も郊外に住む白人女性たちの支持を得ることができれば、選挙戦は接戦になります。しかし、テキサス州において、共和党員や支持者の数は民主党側を上回っています。その多くがトランプに投票してくれば、とりあえずOKということになります」。

2018年の中間選挙では、民主党候補のオロークは、現職で共和党所属のテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)を2.5ポイントの差まで追い詰めた。オロークは落選したが、2016年の大統領選挙で民主党候補ヒラリー・クリントンがテキサス州で得た票数を上回る得票数を記録した。

2018年の中間選挙で、テキサス州の民主党は共和党所属の現職が占めていた連邦下院議員の2席を奪い取った。6名の共和党所属の現職連邦下院議員たちは、5ポイント以下の接戦でようやく再選された。民主党連邦議会選挙対策委員会はテキサス州の各地に事務所を開設した。そして、民主党連邦議会選挙対策委員会は、全米で唯一、テキサス州だけで全力を投入する選挙運動を行った。

2018年のテキサス州議会選挙では、民主党は州下院議員選挙で12議席、州上院議員選挙で2議席を共和党から奪い取った。共和党はテキサス州下院では9議席のリードを保っているに過ぎない状況になっている。テキサス州民主党は、州下院の共和党が握っている議席のうち、22議席に関しては、世論調査によると一桁台の差となっており、民主党側が奪い取る可能性があると発表している。

テキサス州では2016年以来、有権者数が250万も増加した。テキサス州では有権者登録をする際に支持政党を登録することはやっていない。しかし、新たにテキサス州の有権者となった人々は、若年層、ラティーノ、カリフォルニア州、イリノイ州、ニューヨーク州といった民主党優位州(blue states)から移り住んできた人々であると考えられている。

テキサス州民主党の上級部長を務めるメルマニー・ガルシアは次のように述べている。「ジョージ・W・ブッシュの思いやりのある保守主義、ティーパーティー運動、トランプ運動を生み出すことに貢献した州ですよ。そして現在、これらすべての動きが新しい民主党運動へと急激に変化しているのです。共和党は怠慢になっており、テキサス州で物事が向かっている方向について、目を覚まさせる出来事について全く知ろうとしていません。人口増加によってテキサス州は全ての選挙のレヴェルにおいて、共和党優位が崩れているのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 全世界で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している。日本でも東京都で深刻化の度合いが増し、東京都内の外出自粛要請、他県では東京への外出自粛要請が出された。こんな状況下では、今年アメリカで大統領選挙が実施されるということにはなかなか目が向けられない。現職のドナルド・トランプ大統領と現在の連邦議会は、新型コロナウイルス感染拡大に対して、後手後手に回ったという印象は否めない。しかし、一度やると決めたら、アメリカ流の大量の資金と資源を一気に投入するという形で対策を取る。

 日本では後手後手というのは一緒だが、資金や資源をちまちまと逐次的に投入し、失敗を重ねている。これは太平洋戦争の時と同じ手法であり、この「後手後手ちまちま」は日本の宿痾ということになるだろう。

 民主党予備選挙は4月になるまでない。既にいくつもの州で予備選挙実施費の延期を決定しているところも多い。選挙どころではない、ということだ。さすがに大統領選挙が延期されるということはないだろうが、投票方法は郵便やインターネット利用ということが検討されるだろう。しかし、その前に民主・共和両党の候補者を決める全国大会が予定されている。全国大会が通常通りに開催されるかどうか、もまだ不透明な状況だ。

 本ブログはここ最近の通常通り、民主党予備選挙について紹介する。少し古い記事になって申し訳ないのだが、民主党予備選挙で最有力候補となっているジョー・バイデン陣営の人事の変更が行われた。これまで、陣営を引っ張ってきた、アニタ・ダン、グレッグ・シュルツに代わり、ジェン・オマリー・ディロンという人物が選対の責任者となった。ダン、シュルツは陣営に引き続き残り、アドヴァイザーの仕事を行うということだ。

 ダン、シュルツ、オマリー・ディロンの共通点はバラク・オバマ前大統領の選対を経験し、ホワイトハウスで働いていた経験を持つ、更にはヒラリー・クリントンとの関係が薄いということだ。

anitadunn002
アニタ・ダン
  アニタ・ダン(Anita Dunn、1958年―、62歳)も若い時から民主党の政治家たちの選対本部に参加し、選挙の実務を学んだ。2008年のオバマ前大統領の初めての大統領選挙ではシニアアドヴァイザーを務めた。その後、ホワイトハウスの広報部長を務めた。グレッグ・シュルツ(Greg Schultz、1981年―、39歳)は2008年の大統領選挙では短期間ヒラリー・クリントン陣営で働いた。2012年の時には、オバマ陣営のオハイオ州責任者を務め、オバマ政権第2期には、バイデン副大統領の上級アドヴァイザーを務め、後にオバマ大統領の政治アドヴァイザーとなっている。

gregschultz002
グレッグ・シュルツ
jenomalleydillion001
ジェン・オマリー・ディロン

ジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon、1976年―、43歳)は選挙運動のプロである。2000年の大統領選挙で民主党候補だったアル・ゴア陣営で働き、その後も連邦上院議員選挙や大統領選挙で選対スタッフとして働き、経験を積んだ。2008年の大統領選挙ではオバマ陣営で激戦州担当の部長を務めた。その後は民主党全国委員会の上級部長を務め、2012年の大統領選挙では陣営の副責任者を務めた。今回の大統領選挙では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の陣営で責任者として働いていた。

 民主党内におけるアフリカ系アメリカ人の影響力に対抗するためにヒスパニック系がバイデンに対して働きかけを行っている。「自分たちヒスパニック系も入れなければ選挙に勝てない」という半分懇請のような脅しのような訴えである。自分たちの存在感が薄れることを懸念しているから起きる訴えだ。

 バイデン陣営がオマリー・ディロンを責任者に迎えたことは大きい。彼女がオバマ系の人材であることもそうだが、テキサス州内に人脈を広げ(その中には当然ヒスパニック系も多く含まれる)、知識を得たということが大きい。これはバイデン陣営が本選挙でトランプ大統領と対峙する際に、テキサス州とフロリダ州で戦い、このどちらかを奪い取ることでトランプを追い落とすという戦略に合致する動きだ。私は今年の大統領選挙本選挙では、中西部の一州、南部の一州でバイデンが勝利すれば、トランプは負けることになると考えている。そのための戦術として、オマリー・ディロンをバイデンは陣営に迎えた。

(貼り付けはじめ)

バイデンはオローク選対の幹部だった人物を新しい選対責任者に起用(Biden appoints former O'Rourke aide as new campaign manager

タル・アクセルロッド筆

2020年3月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487254-biden-appoints-former-orourke-aide-as-new-campaign-manager

民主党予備選挙において先頭走者の位置を固めているジョー・バイデン前副大統領は、自身の選対本部の新しい責任者としてジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon)を起用した。バイデンは厳しい戦いとなるであろうトランプ大統領との本選挙に向かって準備をし始めた。

オマリー・ディロンの起用は木曜日に『ワシントン・ポスト』紙が最初に報じ、その後にバイデン選対が事実だと認めた。オマリー・ディロンは民主党の選挙対策の分野では有名な人物である。オマリー・ディロンは2012年のオバマ前大統領の再選の選対で副責任者を務めた。また、オバマ政権第一期の4年間では、民主党全国委員会の執行役員を務めた。

最近では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の大統領選挙を手伝ったが、オロークは最終的に選挙戦から撤退した。また、バイデン選対に対しての非公式のアドヴァイザーをしていた。

バイデン選対によって発表された声明の中で、オマリー・ディロンは次のように語った。「バイデンの人格と指導力のもとにまとまっている他の民主党員の多くと同じく、私はこの重要な時期にティームに参加できることに興奮しています。」

オマリー・ディロンは続けて次のように述べている。「バイデン前副大統領は記録的なレヴェルの有権者を投票所に向かわせています。そして、ドナルド・トランプが二期目を迎えないことを確実にするために必要な幅広い連合を形成しています。バイデンを46代目の大統領にする手助けができることは光栄であり、私は仕事を始める準備ができています」。

オマリー・ディロンはアニタ・ダンとグレッグ・シュルツのティームに参加することになる。ダンとシュルツは責任者としてバイデン選対の舵取りをしてきた。

先月のアイオワ州での党員集会での惨敗の後、ダンは選対を立て直した。シュルツはバイデンの出馬の準備に参加し、選対の初期の人事を担当し、代議員獲得に関する戦略を策定した。バイデン選対によると、シュルツは組織に関する計画と献金者と支持者へのアウトリーチといった仕事をこれから行うということだ。

バイデンは次のように語った。「私は、グレッグに対して私たちの選対が今日ある形にしてくれるために指導力を発揮し、献身してくれたことに感謝の意を表します。そして、彼がこれからも私たちの選対と選挙運動に継続して貢献してくれるだろうと確信しています。私はジェンが私たちのティームに彼女の素晴らしい才能と洞察をもたらしてくれるだろうことを楽しみにしています。この秋にドナルド・トランプと戦うための準備するにあたり、ジェンは選対と選挙運動を拡大し、強化させるための財産となってくれるでしょう」。

バイデンは一連の勝利によって11月にトランプと対決する民主党候補者の最有力候補になった。バイデンはサウスカロライナ州で30ポイント近くの差をつけて圧勝し、先週のスーパーチューズデーでは14州のうち10州で勝利し、今週はじめのミシガン州で重要な勝利を収めた。バイデンが連勝を収めたことで、多額の献金が流れ込んできており、全国で選挙事務所を設置することができるようになっている。

トランプ大統領は、数百万ドルの寄付金を使って再選に向けた選対と選挙運動を加速させている。

=====

民主党内のヒスパニック系の人々は、サンダースのラティーノ支持獲得戦略はバイデンにとってのロードマップとなると考えている(Hispanic Democrats see Sanders's Latino strategy as road map for Biden

ラファエル・バーナル筆

2020年3月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487137-hispanic-democrats-see-sanderss-latino-strategy-as-road-map-for-biden

連邦議会ヒスパニック系議員連盟(CHC)所属の議員たちはジョー・バイデン前副大統領に対してバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の成功したアウトリーチ戦略を見習うように主張している。

このような要求は、バイデンがアフリカ系アメリカ人と穏健派、高齢の有権者たちからの支持を受けて南部諸州と中西部諸州で決定的な勝利を収めて民主党予備選挙のトップ走者となった時から出ている。

対して、サンダースはラティーノ系の有権者からの力強い支持を集めている。その結果として、カリフォルニア州とネヴァダ州といった西部諸州で勝利した。

ラティーノ系の人々はサンダース陣営が効果的なアウトリーチ戦略を採用し、選対の最高幹部の中にヒスパニック系の人を置いていることを評価している。そして、こうしたことをバイデンにも真似てもらいたいと考えている。

バイデン支持を表明し、連邦議会ヒスパニック系議員連盟の選挙部門の責任者を務めるトニー・カルデナス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べている。「次のアメリカ大統領、その次、その次、その次を狙う人は誰であっても、投票する権利、どの候補者を支持するかを決めるために情報を知る権利を持つ全てのアメリカ国民を考慮に入れて選挙運動を実施する必要があります。」

カルデナス議員は、サンダース陣営のトップアドヴァイザーであるチャック・ロカに言及しつつ次のように語った。「バーニー・サンダースの選対は、能力の高いラティーノもしくはラティーナを選対の最高幹部に据えた初めての全国レヴェルの選挙組織ということになります。これは選挙運動にとって良い決断となりました。その結果として、バーニー・サンダースはいくつかの州でラティーノ系有権者の支持を受けて良い結果を得ました」。

選挙コンサルタントで、連邦議会ヒスパニック系議員連盟所属の議員たちのためにも働いた経験を持つロカは、サンダース陣営が早い時期から重点州においてラティーノ系有権者の支持獲得のために資源を投入していたことを評価し、そのために予備選挙の初期段階でヴァーモント州選出のサンダース議員が予備選挙でトップに立った事実を強調した。

ロカは本誌に対して次のように述べた。「カルデナス議員は私たちラティーノ系共同体に対して常に政治に関心を持ち、参加するように訴えてきました。私はサンダース陣営の選挙運動に誇りに思っていますが、それはカルデナス議員の訴えに沿ったものだからです。私はただテーブルに座っているだけではなく、人々に会って行動しています」。

ロカの戦略はこれまで長い間ヒスパニック系共同体の指導者たちから出ていた要求に基づいたもので、文化的に有効なヒスパニック系有権者へのメッセージを早い段階から強く打ち出すということだった。ヒスパニック系に関してはこれまでいろいろな選対で軽視されてきた人々であった。

ロカは次のように語っている。「11月にドナルド・トランプを倒すために、十分な資金を投入した、文化的にも有効なラティーノ系の得票獲得作戦を実行する必要があります。民主党が“外に出て投票に行きましょう(GOTV)”作戦を実行する前にラティーノ系への働きかけを始動する必要があるということを私たちは証明したのです。ラティーノは選挙戦で働きかけを待つだけの存在ではなく、自分たちで実際に選挙戦を実行する存在になっていくことでしょう」。

連邦議会ヒスパニック系議員連盟にはカルデナス議員のようなバイデンを支持する穏健派の議員たちがいるし、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のようなサンダースを支持する進歩主義派の議員たちがいる。こうした人々は共にロカの発言内容に同意している。

オカシオ=コルテス議員は次のように語っている。「歴史的に見て、民主党と民主党関連の組織はラティーノ系の有権者たちへのアウトリーチについて苦闘してきましたが、正しくない方法を採用してきました。その結果として、ラティーノ系への政策も良いものを作り出すことに苦労しています。バイデン前副大統領は民主党内部の伝統的な組織に頼り切っています。そして、支持を勝ち取っています」。

オカシオ=コルテス議員は続けて次のように述べた。「しかしながら、このような伝統的な組織に頼っているのが現状です。これは民主党の強さと弱さの慣性ということです。民主党の弱さの一つはラティーノ系有権者へのアウトリーチです」。

バイデン陣営と緊密な関係を持っているカルデナスは、バイデン陣営は既にサンダース陣営と同様の対ラティーノ系有権者戦略を既に実行しているはずだと述べている。

バイデンは、フロリダ州、アリゾナ州、イリノイ州でのラティーノ系アウトリーチに新しい資源を投下している。バイデン陣営内部の議論に詳しいある人物によると、バイデン陣営はこれら各州内のラティーノ系有権者の間でサンダースと競り合えると考えているということだ。

カルデナスは、ヒスパニック系共同体の指導者たちが長年民主党に対して求めてきた、ヒスパニック系への関与戦略を初めて具体化した有力な大統領選挙候補者となったのがサンダースだと述べた。

カルデナスは次のように述べた。「ある有権者グループに働きかけを行わず、その人たちを後回しにし、選挙の投開票日当日前にこれらの人々にほとんど注意を向けなければ、得票率が低くなりますよね。その候補者グループの中で、そんな候補者もしくはその候補者の主張を受け入れる人の割合はおのずと低くなりますよね」。

カルデナスは続けて次のように語った。「私が今述べたことはこの予備選挙で全ての候補者の陣営が予備選挙開始前に行ったことです。そして、本当に働きかけを行って、ラティーノ系の有権者を動員したのは、バーニー・サンダースだけなんですよ」。

バイデンはラティーノ系に対して働きかけを全くやっていないということはない。

バイデン陣営のラティーノに関するアドヴァイザーであるクリストバル・アレックスは「ラティーノ・ヴィクトリー」から採用された。ラティーノ・ヴィクトリーはヒスパニック系の人々の声を吸い上げ主張する、良く知られた進歩主義的な政治組織である。

ラティーノ・ヴィクトリーは今年2月にバイデン支持を発表した。

バイデンはヴァージニア州とサウスカロライナ州でヒスパニック系有権者からの支持を獲得したが、南部諸州でサンダースがバイデンとの差を詰めることができないようになった。

バイデンは火曜日に予備選挙が実施されるフロリダ州で構造上の優位性を持っている。バイデンはフロリダ州でラティーノ系の重要な支持を集めている。フロリダ州は全米で第3位のヒスパニック系の人口を抱えている。

ダレン・ソト連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)は次のように語っている。ソト議員はプエルトリコ系としては初めてのフロリダ州選出の連邦議員である。「フロリダ州ではバイデンはラティーノ系の有権者の支持を掴んでいます。今朝発表された最新の各種世論調査の結果が物語っています。もちろん、フロリダ州には独自の状況があります。ヒスパニック系と言っても5つの異なったグループ分けができるほどですから、これらの動きでフロリダ州の選挙の結果は変わるんですよ」。

スーパーチューズデー後にバイデン支持を表明したソト議員は次のように語っている。「バイデンはヴァージニア州と東部のいくつかの州で良い結果を得ました。そしてヒスパニック系有権者からの投票に関してもそうです。サンダースは南西部諸州のヒスパニック系から多大な支持を得ました。これまでの選挙戦を見ていて、バイデンは東部諸州で勝利を収めることができる上昇気流に乗っています」。

カルデナスはバイデン陣営が予備選挙序盤の段階でヒスパニック系に働きかけを行うだけの資金を持っていなかったが、アフリカ系アメリカ人と郊外に住む白人の有権者たちの支持を得た。その結果として民主党予備選挙でトップに立つことができた。

カルデナスは次のように語った。「バイデン選対はサンダース陣営が行った規模での資源を投入しヒスパニック系有権者からの支援を得るということができませんでした。しかし、スーパーチューズデー後にすぐにバイデン陣営に連絡をしました。そして、選対がつかんでいる内容と知っておくべき内容を聞き、説明しました。全米のラティーノ系の有権者に主張を届けることの重要性とそのための資源を投入すべきだという話をしました」。

カルデナスは「もちろん、バイデン選対がラティーノ共同体、アメリカ全土のラティーノ系の有権者とのコミュニケーションに投資をしていないなどと信じる理由は存在しません」とも語っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。
2020democraticprimarysupertuesdaystatesterritorymap002

 スーパーチューズデーの投開票が始まった。全米14の州と1つの自治領で宣誓済み代議員1344名を争う戦いだ。全宣誓済み代議員数が3979なので、約3分の1の行方が決まる。先に書いておくが、来週のミシガン州がサンダースにとっては極めて重要となる。前回の大統領選挙でトランプに負けたのは、民主党が地盤だと考えていた中西部、五大湖周辺州でヒラリーが勝てなかったからだ。中西部奪還は民主党の悲願である。そのために今回の選挙では中西部に強い候補者を選ばねばならない。中西部出身者であるピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーが選挙戦から撤退しバイデン支持を表明しているので、バイデンは追い風が吹いている。来週のミシガン州でサンダースが勝てるかどうかが注目される。

 スーパーチューズデーの正式な結果が出るのは時間がかかる。最大の代議員415名が配分されているカリフォルニア州の正式な結果が出るのは日本で明日になるかもしれない。
2020democraticprimarysupertuesdayresultsmap001

 現在までのところ、バイデンが1位となると見られているのは、アラバマ州、アーカンソー州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ヴァージニア州で、サンダースが1位となると見られているのは、カリフォルニア州、コロラド州、ユタ州、ヴァ-モント州、ブルームバーグが1位となったのは、アメリカ領サモアだ。メイン州では接戦が続いている。

 バイデンは2月29日のサウスカロライナ州での圧勝の勢いとエイミー・クロウブッシャー、ピート・ブティジェッジ、ビトー・オロークといった大統領選挙で戦った人々からの支持表明もあって、急激な状況気流に乗って、サンダース包囲網を形成している。サンダースはこの包囲網に苦しめられた結果となった。南部諸州では元々バイデンは強かったが、さらに勢いがついた上に、サンダースがリードしていたマサチューセッツ州とテキサス州ではバイデンが逆転した形となっている。また、ミネソタ州では地元出身のクロウブシャーが支持率1位を記録していたが、バイデン支持と表明したことで、2位につけ凍てたサンダースを3位のバイデンが追い抜く形になった。
2020democraticprimaryresultstosouthcarolina002

スーパーチューズデー前の代議員数(濃い青色が選挙で争う宣誓済み代議員数)
2020democraticprimarysupertuesdaydelegatesestimates001
CBSによる代議員配分の途中経過報道
 サンダースは地元ヴァ-モント州で圧勝したが、配分されている代議員数は16だ。カリフォルニア州、ユタ州、コロラド州といった西部諸州で勝利を収めたが、バイデンをどれくらい引き離せるかが注目される。民主党の金城湯池ブルーステイトは、アメリカ東海岸と西海岸であるが、実のところ、両岸でしっくりいかない。西部は東部に対して「気取りやがって」という感情を持ち、東部は西部に対して「あいつらは過激すぎる」と考えている。アメリカの基準では過激な主張をしているサンダースが西部諸州で1位となったのは当然である。東部の人たちは東部の人を選ぶという伝統があるが、サンダースはマサチューセッツで勝てなかった。あいつは東部的ではないと考えられているのだろう。

 ブルームバーグは正式な選挙のデビュー戦となったが、かけたお金を考えると厳しい結果となった。芸能人でも期待の新人でデビューの時に多額の資金をかけたのにうまくいかなかったということがあるが、そのような感じだ。これではあいつはダメだということになり、ますますじり貧のスパイラルに陥ってしまうだろう。撤退もささやかれる。

 ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わりそうということで本格的に撤退論が出てくるだろう。彼女自身は来週のミシガン州も頑張るぞという発信をしているが、どうなるか分からない。

 24名以上の候補者がひしめき合ったアメリカ大統領選挙民主党予備選挙もサンダースとバイデンの2人に絞られることになった。サンダースは若い人々やヒスパニックといった有権者層には絶大な人気があるが、それだけでは選挙に勝てない。バイデンはアフリカ系アメリカ人の人気は高いが、ヒスパニック系の人気が低い。お互いがお互いの弱点をどう克服するか、時間がない中でどのような動きをして支持を拡大させていくか注目される。

 アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州で大惨敗、ボクシングで言えばノックダウンされてカウント9まで立てなかったバイデンが復活して猛ラッシュで逆転している状況だ。

(貼り付けはじめ)

スーパーチューズデーで見るべき5つの州(5 states to watch on Super Tuesday

ジュリア・マンチェスター筆

2020年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485578-5-states-to-watch-on-super-tuesday

大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちは予備選挙において最も重要なスーパーチューズデーを迎える。14の州で投開票が実施され、1300名の代議員が配分される。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)はニューハンプシャー州とネヴァダ州での勝利、アイオワでの引き分けの後に先頭走者としてスーパーチューズデーに進んできた。しかし、ジョー・バイデン前副大統領はサウスカロライナ州での圧勝の後に勢いがついている。

スーパーチューズデーはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグのデビュー戦ともなる。これまでの3日で、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、大富豪トム・ステイヤーが選挙戦からの撤退を表明し、ブルームバーグにとっては有利な状態で選挙を迎えることになる。

火曜日に注目すべき重要州を見ていこう。

(1)カリフォルニア州

カリフォルニア州はスーパーチューズデーの夜における最大のご褒美ということになる。415名の代議員が配分されている。

サンダースは現在のところカリフォルニア州での勝利が確実視されている。しかし、バイデンはサンダースの支持を削り取る可能性を持っている。

リアルクリアポリティックスは、カリフォルニア州での民主党予備選挙に関する各種世論調査の数字の平均を発表している。それによると、サンダースは2位に17ポイントの大差をつけてリードしている。しかし、バイデンはここ最近の調査で支持率の数字を上げている。

月曜日に発表されたCBSニュース・YouGovの共同世論調査の結果では、カリフォルニア州でのサンダースの支持率は31%だったのに対して、バイデンは19%だった。ウォーレンは18%だった。

ブティジェッジとクロウブシャーを支持していた有権者たちからの支持を得ることで、バイデンは支持を伸ばすことになる。これによって、バイデンは得票率15%の条件をクリアできる可能性が大きくなり、それによってカリフォルニア州で勝利を得られなくても、代議員の配分を受けることができる。

全国民主訓練委員会の創設者であり責任者であるケリー・ディエットリッチは「私たちはもう4、5、6人でポットを分け合うことはありません。私たちは今3人で分け合っています」と述べている。全国民主訓練委員会は選挙に出馬し公職を目指す民主党員を訓練する組織である。

しかし、ブルームバーグはカリフォルニア州でテレビ広告だけでも3600万ドルを投じており、ブルームバーグがどれほどの影響を選挙戦に与えているかを見る必要がある。

民主党系のステラティジストであるブラッド・バノンは次のように語っている。「ブルームバーグはカリフォルニアでうまくいっていないと思いますよ。バイデンがわずか3日前の時の彼と比べて、見違えるように強力な候補者となっている事実があります。バイデンと同じ穏健派の候補であるブルームバーグはこのために支持を減らすでしょう」。

バノンは「ブルームバーグの選挙戦略の1つはバイデンの弱さにつけ入るというものでしたが、バイデンが強力な候補者になってしまっているのです」と述べた。

(2)テキサス州

テキサス州は全米で2番目に多くの代議員が配分されている。その数は228だ。現在のところ、サンダースが支持率でトップだが、カリフォルニア州に比べて、バイデンとの差はかなり小さい。

リアルクリアポリティックスが発表しているテキサス州の支持率の平均では、サンダースがバイデンに6ポイントの差をつけている。

サンダースは、ネヴァダ州での勝利が多くをヒスパニック系有権者によっていたこともあり、テキサス州内のラティーノ共同体の中で強力な支持を固めてそれに依存している。

「ラティーノ・ディシジョンズ・フォ・ウニヴィジョン」社とテキサス大学メキシコ系アメリカ人研究センターの共同世論調査の結果によると、テキサス在住のヒスパニック系有権者の間で、サンダースの支持率は31%だったのに対して、ブルームバーグは23%、バイデンは19%だった。この世論調査の結果はサウスカロライナ州での予備選挙の前に発表されたものだ。

民主党系のステラティジストで、クリントン政権とオバマ政権のホワイトハウスでアドヴァイザーを務めたモー・ヴェラは、テキサス州のような場所で良い結果を得るため、バイデンはヒスパニック系の支持を伸ばさねばならないと述べた。

「トランスペレント・ビジネス」社の役員を務めるヴェラは本誌の取材に対して、「バーニー・サンダースは称賛に値しますね。彼と並びたいと思うなら、バイデンはラティーノの有権者に対して行動を起こす必要があります」と語った。

(3)マサチューセッツ州

マサチューセッツ州は、ウォーレンの選挙結果が振るわないものとなれば、ウォーレンの選挙運動の終焉の鐘となる可能性が高い。彼女の知名度は抜群に高く、マサチューセッツ州を地盤とする進歩主義派の連邦議員の一部から支持表明を受けている。その中にはエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とジョー・ケネディ連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が含まれている。しかし、こうした好条件があるにもかかわらず、最近の各種世論調査の結果では、ウォーレンは地元でも支持率を下げている。

土曜日に発表されたサフォーク大学・『ボストン・グローブ』紙・WBZテレビの世論調査では、ウォーレンと同じニューイングランド地方を地盤とするサンダースがマサチューセッツ州で支持率24%を記録しトップとなった。ウォーレンは22%で2位につけた。この差は世論調査の誤差4.4ポイント以内の数字だ。

先週初めに発表されたWBURの世論調査では、2人の差はより大きかった。サンダースの支持率は25%で、ウォーレンは17%だった。この時の調査の誤差は4.9ポイントだった。

ニューハンプシャー州での彼女のパフォーマンスは、マサチューセッツ州でどれくらいうまくやれるかを示すものであった。ニューイングランドの各州はニューイングランドから出ている地元出身の候補者を選ぶことで有名だ。2016年も2020年もニューハンプシャー州ではバイデンが勝利した。

対照的に、同じニューイングランド出身のウォーレンはニューハンプシャー州で、中西部出身のブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーに負けて4位となった。

バノンは「ウォーレンは明日マサチューセッツで必ず勝たねばならないと思います。次に進むためにもどうしても勝たねばなりません。自分の地元の州で勝てないのに、有権者に投票してくださいなんてどうして言えますか?」と述べた。

(4)ヴァージニア州

ヴァージニア州はスーパーチューズデーで投開票が行われる州の中で4番目に多い代議員が配分されている。そして、ブルームバーグはヴァージニア州を重視してきた。

ブルームバーグはヴァージニア州を7回訪問した。これはスーパーチューズデーの各州の中で最も多い回数だ。ブルームバーグ選対はヴァージニア州全体に8つの事務所を置いた。その中には共和党が優勢なダンヴィルとロアノケも含まれている。ヴァージニア全体には80名のスタッフが配置されている。

ブルームバーグ選対は、2019年に民主党がヴァージニア州議会で過半数を取り戻したこととヴァージニア州でのより厳しい銃規制に触れ、そのまま民主党がヴァージニア州をコントロールし続ける必要があることを強調している。

2007年にヴァージニア工科大学で起きた銃撃による大量殺人事件が起きて以降、ヴァージニア州の政治においては銃規制が重要な問題となっている。

ブルームバーグの上級アドヴァイザーであるティム・オブライエンは本誌に対して「ヴァージニア州は民主党の将来を示す縮図です。穏健派、進歩主義派、郊外の有権者で構成されています」と述べた。

ブルームバーグは土曜日にヴァージニア州マクリーンの選挙動員集会に参加し、2019年のヴァージニア州での選挙への自分の貢献を強調した。

ブルームバーグは歓声を上げる聴衆を前に「昨年の秋の連邦議員選挙でヴァージニア州から民主党の議員を出すための手助けをするということが大変重要でした。私はその貢献ができたことを今でもとても嬉しく思っています」と述べた。

しかし、各種世論調査の結果を見ると、ブルームバーグはヴァージニア州ではサンダースとバイデンを追いかける展開となっている。サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはブルームバーグのヴァージニア州での勝利の芽を摘み取る可能性が大きくなっている。

バイデンは最近になってヴァージニア州の民主党の重要な人物たちの多くから支持表明を受けている。テリー・マカフィー元ヴァージニア州知事、ティム・ケイン連邦上院議員、イレイン・ルリア連邦下院議員、ボビー・スコット連邦下院議員は日曜日夜にヴァージニア州ノーフォークで開かれたバイデンの選挙集会に参加し、支持表明を行った。この選挙集会でバイデンはロックスターのような歓声を受けた。

(5)アラバマ州

アフリカ系アメリカ人有権者は、アラバマ州の民主党予備選挙有権者の大きな部分を占める。民主党の背骨だと広く考えられている有権者グループにアピールしたいと考えている候補者たちにアラバマ州は重要である。

「ファイブサーティーエイト」の予想では、バイデンがアラバマ州で勝利する確率は61%だ。

サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を固めている。バイデンは日曜日、アラバマ州セルマで開かれた公民権運動の行進を記念するイヴェントに出席し、温かい歓迎を受けた。

民主党系のストラティジストであるジャマル・サイモンズは本誌の取材に次のように答えた。「穏健派のアフリカ系アメリカ人は民主党支持の有権者の大多数を占めていると思いますよ。それが言い過ぎだとすれば少なくとも大きな部分をね。アフリカ系アメリカ人で年齢を重ねていくと、アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州で民主党の幹部クラスになっていく人が多いんです。こうした人々は穏健派とまでは言えない場合でもとても現実的です。そのためにこうした人々はよりジョー・バイデンを支持するということになるんです」。

サンダースは非白人の若い有権者の支持に頼っているが、サンダースとバイデンはサウスカロライナ州での予備選挙では若いアフリカ系アメリカ人有権者の支持を分け合ったように見られる。アラバマ州においては、進歩主義派の連邦上院議員であるサンダースにとってこれは良い兆候ではないということになるだろう。

サイモンズはサウスカロライナ州を念頭に置きながら、「バーニーは他の州に比べて、あそこでは若いアフリカ系アメリカ人たちの支持を得ることができなかったんですよ、うまくいかなかったんですよ」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 少し古いのですが、興味深い内容だったのでご紹介したい記事がありまして、今回掲載します。2016年の米大統領選挙共和党予備選挙で、トランプ大統領と争ったテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)が今年の中間選挙で、民主党からの挑戦で苦戦しつつあり、トランプ大統領に応援を求めたという内容です。

tedcruzdonaldtrump007

 

 テキサス州は2016年の米大統領選挙本選挙ではトランプが勝利し、連邦議員も多くは共和党所属であり、共和党が優勢の州です。民主党の若手有望株のカストロ兄弟もテキサス州サンアントニオを地盤としており、30代でオバマ政権の閣僚となったフリアン・カストロは2020年の米大統領選挙の民主党候補者として名前が挙がっています。

 

 現在、今年秋の中間選挙で、テキサス州の連邦上院議員選挙レースは五分五分の状態で、民主党側の候補者ビトー・オローク連邦下院議員が現職のクルーズをかなり追い上げているという状況のようです。

 

 そこで、クルーズはトランプに選挙応援にテキサス州まで来てもらいたいと考えているようです。大統領選挙では激しく戦ったが、それ以降は、トランプ政権に協力して、連絡を密に取り合っている、だからぜひ助けてもらいたいとクルーズは述べています。

 

 トランプ大統領とトランプ政権の政策は、「ポピュリズム」に分類されるものです。「ポピュリズム」と言うと、権力者が一般大衆に贈り物をして支持を得る、バラマキ政治だという理解がありますが、これはポピュリズムの一つの面を語っているにすぎません。マドンナが主演した「エビータ」という映画は、アルゼンチンのペロン大統領と奥さんのエビータの物語ですが、この中では贈り物のシーンがありました。南米政治を分析する際にポピュリズムという言葉は確かに、大衆迎合の意味を含みます。

 

 しかし、アメリカ政治の場合は、既存の政治システムや経済システム、エリートたちに対する反抗という要素が大きくなります。アメリカのポピュリズムで言えば、ヒューイ・ロングという人物がいました。フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領が最も恐れた人物とも言われています。ロングは「全ての人が王様」という言葉を掲げ、ルイジアナ州で公共投資を増大させ、富の再分配を行いました。そして、人々の既存の政治への失望を受けて、ワシントンに攻め上がろうとしている途上で暗殺されてしまいました。

 

 トランプは既存の政治家ではないし、財界のエリートでもありませんでした。そんな人物がアメリカ大統領となった訳ですが、これは、人々の民主党、共和党のエリートや体制派に対する怒りがトランプを大統領に当選させました。

 

 トランプ大統領の政策は、大型減税であったり、保護貿易であったりとポピュリズム的です。貧しい人々への再分配(金持ちたちへの利益誘導のようなこともありますが)が行われています。

 

 クルーズは現役の連邦上院議員であり、加えて共和党が強いテキサス州を地盤としているのですから、本選挙が危ないということは本来であれば考えにくいことです。しかし、民主党の候補者を相手に苦戦しているというのは、「既存の政治家は信用できない」「クルーズはワシントンに染まってしまって自分たちの本当の代表なのか」という疑念がテキサス州の人々の間に広がっている、というか2016年以来続いているということではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

クルーズがトランプに対してテキサス州での連邦上院議員選挙で応援に来て欲しいと依頼(Cruz asked Trump to campaign for him in Texas Senate race

 

ジャスティン・ワイズ筆

2018年8月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400778-cruz-asked-trump-to-campaign-for-his-senate-re-election-in

 

テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)がトランプ大統領に対して、ベトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)との連邦上院議員選挙を巡る戦いで支援のために選挙運動に入って欲しいと依頼した。

 

クルーズは今週月曜日、選挙運動でテキサス州セグインを訪問し、そこで『ザ・ヒューストン・クロニクル』紙の取材に答えた。その中で、クルーズは、「トランプに連絡を取り、トランプ大統領からの支援を“歓迎する”」と述べた。

 

クルーズは同紙の取材に対して、「私はテキサスでトランプ大統領に会えることを願っている。選挙前に大統領にテキサスに入ってもらえるだろうと考えている」と答えた。

 

2016年の米大統領選挙で有力候補であったクルーズは、トランプ大統領との関係で「良い時も悪い時も」あったと認めた。特に2016年のベイダ棟梁選挙共和党予備選挙ではいろいろとあったことを認めた。しかし、クルーズは同紙に対して、トランプ政権発足後、政権と密接に協力してきたと述べた。

 

クルーズは「私たちは毎週、時には毎日ホワイトハウスと連絡を取っている。私は共和党を団結させるために努力してきた。私はこの行為を誇りに思っている」と語った。

 

クルーズは再選に向けて、オロークからの厳しい挑戦を受けている。

 

現在のところ、クルーズが優勢ではあるが、各種世論調査の結果では、民主党からの挑戦者が地盤を固めてきていることが明らかになっている。

 

無党派の組織で選挙予測を行う「クック・ポリティカル・レポート」はテキサス州の連邦上院議員選挙に関して先週、「共和党優位」から「共和党リード」に表現を変更した。「クック・ポリティカル・レポート」は最近の各種世論調査では選挙戦がより接戦になっていると述べている。

 

更に、テキサス・ライセウム社の最新の世論調査によると、クルーズはオロークに対してわずか2%の差をつけているに過ぎないということである。

 

今年に入り、トランプ大統領は連邦議会における過半数を確保するために、多くの共和党候補者の選挙応援に行っている。今週日曜日にも、連邦下院議員オハイオ州第12選挙区の補欠選挙に出馬している共和党所属のトロイ・ボールダーソンの選挙運動に参加した。

 

=====

 

『クック・ポリティカル・レポート』がテキサス州のクルーズ対オロークの連邦上院議員選挙を「共和党がやや優勢」と評価(Cook Political Report moves Cruz-O'Rourke Senate race to 'lean Republican')


アリス・フォーリー筆
2018年8月3日
『ザ・ヒル』誌

 https://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400258-cook-political-report-moves-texas-senate-race-from-likely

テキサス州の連邦上院議員選挙の選挙戦は現職の連邦上院議員テッド・クルーズ(共和党)と現職の連邦下院議員ベトー・オローク(民主党)が候補者となって展開されている。中立な立場で選挙分析を行う団体「クック・ポリティカル・レポート」の分析によると、選挙の情勢は民主党が伸びてきつつあるということだ。

 

金曜日、クックは選挙の情勢を「共和党優位」から「共和党リード」に変更した。クックは、最近の各種世論調査の結果を分析し、選挙戦が接戦になっているとしている。

 

テキサス・ライセウム社の世論調査の結果が水曜日に発表された。それによると、2人の候補者は接戦を展開しており、投票に行くと答えた有権者の中で、支持率はクルーズが41%、オローク39%であった。クックはまた、7月初めに発表されたグラヴィス・マーケティング社の世論調査の結果も引用している。この時はクルーズが51%、オロークが42%で、クルーズが9ポイントリードしているという結果であった。

 

テキサス州ではこれまでの30年間、民主党所属の連邦上院議員は出ていない。しかし、民主党は今回の選挙ではオロークが番狂わせを演じるチャンスがあると考えている。オロークは2つ目の資金集め可能期において1040万ドル(約11億4000万円)以上の資金を集めた。

 

クルーズは2016年の米大統領選挙に出馬し、トランプ大統領と戦った。『ヒューストン・クロニクル』紙によると、クルーズは、オロークと同じ時期に400万ドル(約4億4000万円)を集め、総計で1000万ドル以上(約11億円)の政治資金を手にしているということだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 アメリカではドナルド・トランプ大統領がインフラ整備計画を発表し、インフラ需要が見込まれています。道路、橋、トンネル、鉄道といった社会の「血管」とも言うべき施設に関して、アメリカは老朽化が進む一方で、補修がままならず、故障が起きるようになっています。戦後アメリカでは高速道路網が整備され、航空機時代を迎えて空港も整備されました。一方で、鉄道は見捨てられたようになり、整備が進みませんでした。しかし、全体的に老朽化が進んでいます

 

 アメリカに旅行に行かれたり、滞在されたりした方は経験があると思いますが、アメリカの道路は、一般道路は凸凹して歩きにくいし、自動車でも酔ってしまうし、高速道路も無料なのはいいけど、やはり凸凹しています。また鉄道で移動すると、発車時刻や到着時刻が予定通りではない、客車が古いといったこともあります。

 

 インフラ整備に日本企業のチャンスがあると下の記事は伝えています。高速道路の整備には、民営化された高速道路会社(旧日本道路公団)NEXCO西日本がビジネスを拡大している、というものです。最初は無償で仕事を受け、実績を積み、技術力の高さをアピールして、受注契約を勝ち取るという努力が実を結んだということです。トランプ大統領が発表したインフラ整備計画が追い風になるでしょう。もちろん、地元のアメリカ人を多く雇用すること、もしくは地元の企業を使うことが条件となるでしょう。

nihongatetsudousystemnojuchuuwoneraukuniguni005

 

 私は昨年、テキサスの高速鉄道の記事を『ザ・フナイ』という雑誌に書きました。新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

(貼り付け終わり)

 

「別紙」の中で、重要な文がありました。それらは以下の通りです。それは、「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」と「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」というところです。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。また、テキサス新幹線に関しては、資金は日本の国際協力銀行(JBIC)が投資するということにもなっています。これは、リチャード・ローレスというアメリカ側の窓口の人物がテキサス州の地元の新聞からの取材で、「資金は日本のJBICから来るから大丈夫」と答え、それが記事になっています(『ダラス・モーニング・スター』紙2014年4月5日付)。

※記事のアドレスは以下の通りです↓
https://www.dallasnews.com/business/business/2014/04/05/for-high-speed-rail-s-future-in-texas-the-private-sector-dares-to-go-where-government-won-t

 

 トランプ大統領は、インフラ整備計画と共に、減税も実現させました。政府に入ってくるお金が減るのに、インフラで投資(支出)を増やすとなると、どうしても足りないお金が出てきます。それ埋めるのがアメリカ国債です。アメリカ国債を誰が買うのでしょうか?中国は少しずつですが、ドル建ての資産の割合を減らし、金(きん)に移行しているようです。そうなると、唯々諾々とアメリカ国債を買うのは、日本ということになります。日本が勝ったアメリカ国債で、アメリカはインフラ整備を行う、という形になります。アメリカ国債は持っているのは資産になりますが、実際に現金化して、日本の財政赤字を埋めたり、予算に充てたりできない、使えない資産です。

 

 ここ最近、トランプ大統領が「安全保障には同盟関係はあっても、貿易にはない」「日中韓は殺人を犯して、そのまま逃げ回っているようなものだ」という激しい言葉遣いで、日中間の対米貿易黒字を非難しましたが、「お前ら、儲けた分はアメリカ国債を買うなりしろ」ということを言っている訳です。しかし、中国はアメリカに従属している訳ではないので、言うことを聞きません。そうなればターゲットは日本ということになります。そして、日本は減退している状況の中、アメリカにますます貢がされるということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<ネクスコ西日本>米国で商機 道路点検の受注続々と」

 

2/12() 19:11配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00000064-mai-bus_all

 

 【ワシントン清水憲司】旧日本道路公団の西日本高速道路(NEXCO<ネクスコ>西日本)が、米国で道路の点検業務を続々と受注している。優れた技術を持つが米国進出時は全く無名の存在。公共事業特有の「実績主義」にも苦労したが、米国法人の地道な営業や独自の工夫で食い込んだ。トランプ政権のインフラ投資拡大でさらなる商機を見込む。

 

 米国に狙いを定めたのは2005年の分割民営化の直後。道路延長が世界一で老朽化が進み、「点検ビジネスにチャンスあり」とみたためだ。米国では道路上で鎖を引いて歩き異常音がしないか聞いたり、ひび割れの大きさを一つ一つ手で測ったりする点検が一般的。作業中は道路を封鎖する必要があった。これに対し、NEXCO西日本は赤外線や高解像度画像を使って分析する手法で、カメラを積んだ車を走らせながらでも点検できる。

 

 11年に首都ワシントン近郊に事務所を開設し、現在社長を務める松本正人さん(45)らは技術の売り込みに各地の自治体を回った。関心は示されるが「国内実績ゼロ」の企業への発注には二の足を踏むばかり。「このままではゼロを1にするのは不可能」と悩んだ末、考えついたのはまずは無償で点検を引き受け、実績と知名度を積み上げることだった。

 

 それが奏功し、今では10州からの受注実績を誇る。技術が認められたことで、地下鉄橋や建物の検査依頼も舞い込むようになった。ブラジルではダムの検査用に機器と解析ソフトを納入した。

 

 日米両政府は昨年10月、インフラ整備やメンテナンス、高速道路分野で協力する覚書に調印。トランプ政権のインフラ投資拡大は、日本企業にも商機となり得る。ただ、米企業もチャンスを狙っており、「実績」の壁もある。松本さんは「一般的な『技術力の高さ』ではなく、どう役立つかを具体的に示さないと振り向いてもらえない。実績を積むにはどんなことにでも挑戦する人材も必要だ」と指摘する。

 

 ◇高速道路会社

 

 かつて国内の高速道路や有料道路は「日本道路公団」など政府全額出資の特殊法人が建設・管理していたが、借金膨張や談合疑惑などを背景に小泉政権時代の2005年10月に分割民営化。高速道路を保有し建設債務を返済する独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」と、高速道路を運営・管理する「東日本高速道路」「中日本高速道路」「西日本高速道路」などの六つの株式会社が発足した。高速道路会社は料金収入の一部を賃貸料として機構に支払っている。主力の高速道路事業は鉄道や航空との競争激化で、高速各社は収益改善のためサービスエリア運営や道路管理技術の海外展開など関連事業での収入拡大に注力している。【中井正裕】

 

=====

 

●「トランプ大統領 高速鉄道建設に意欲…日本勢受注に追い風」

 

毎日新聞2017210 1055(最終更新 210 1136)

http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00e/030/197000c?inb=ys

 

 【ワシントン清水憲司】トランプ米大統領は9日、米航空大手の経営トップとの会合で「昨日ある人が言っていたが、中国や日本に行くと高速鉄道がある。みなさんのビジネスと競争させたいわけではないが、米国にはひとつもない」と述べ、建設に意欲を示した。日本勢は米国内で複数の高速鉄道計画を進めており、トランプ政権下で追い風が吹く可能性が出てきた。

 

 南部テキサス州でJR東海が技術支援する民間主導の新幹線計画があるほか、西部カリフォルニア州でもJR東日本が受注を目指している。このほか、JR東海は日本政府の後押しを受け、東部ワシントン-ニューヨーク-ボストン間の超電導リニア新幹線構想も温めている。

 

 インフラ投資拡大を公約に掲げたトランプ氏だが、具体的なプロジェクトは州政府などと検討している段階。米メディアによると、トランプ氏当選後、政権移行チームや全米知事協会が作成したとされる「優先50リスト」にテキサス州の計画が盛り込まれた。

 

 テキサス州ダラス-ヒューストン間(約400キロ)を約1時間半で結ぶ計画で、総工費は120億ドル(約1.3兆円)。4万人の雇用創出が見込まれる。開発会社「テキサス・セントラル・パートナーズ」は7日、用地の3割を確保したと発表するなど事業の進展をアピールしている。10日の日米首脳会談では、日本企業の米国での投資や雇用が議題になる見通しで、高速鉄道計画が取り上げられる可能性もありそうだ。

 

=====

 

●「鉄道輸出 巨額事業費 新幹線、リニアを世界に売り込め」

 

毎日新聞201612 0930(最終更新 12 0930)

https://mainichi.jp/articles/20151229/k00/00m/020/097000c?inb=ys

 

 日本政府は成長戦略の一環として「インフラ輸出」を掲げている。有力な輸出ツールの一つとしているのが鉄道システムで、国土交通省やJR各社などが、各国への売り込みを図っている。

 

 米国のワシントンボルティモア間の約70キロに、JR東海が開発したリニアモーターカーを導入する計画がある。連邦政府から地元メリーランド州へ調査に対する補助金交付が決まっており、JR東海はルート選定などを始める方針だ。

 

 南部テキサス州では、現地の民間企業「テキサス・セントラル・パートナーズ(TCP)」がJR東海の新幹線システムの採用を前提に、ダラスヒューストン間約390キロで高速鉄道を走らせる計画を進めている。2年ほどかけて路線などの詳細設計を行い、2022年の開業を見込む。1兆8000億円にも及ぶとみられる資金調達が課題だが、日本政府やJR東海などインフラ企業の業界団体が出資する「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」が15年11月、TCPに4000万ドル(約48億円)を出資することを決め、計画を後押ししている。

 

 日本の鉄道システムが輸出された代表例は「台湾高速鉄道」だ。新幹線「のぞみ700系」をベースにした車両で台北高雄間(345キロ)を結び、07年から運行している。JR東海とJR西日本が技術支援し、川崎重工業や日立製作所などが車両を納入した。

 

 インドでは昨年12月、西部ムンバイアーメダバード間505キロで日本の新幹線方式採用が決まった。17年着工、23年開業の計画だ。総事業費は9800億ルビー(約1兆8000億円)で、日本政府が約8割の円借款を供与する。インドでは他にも6路線で高速鉄道計画があり、日本は参画を目指す。

 

 ただ、成功ばかりではない。インドネシアの高速鉄道計画では、日本の国土交通省などが首都ジャカルタバンドン間の約140キロで、新幹線方式の高速鉄道を走らせる計画を掲げた。受注は有力とみられていたが、インドネシアは、15年に高速鉄道計画を初めて提示した中国案を採用。日本勢は苦汁をなめた。日本の新幹線は安全面などで高い評価を得ているものの、中国はインドネシア側の財政負担をなくすという破格の条件を提示した。性能よりも条件面が優先された形となった。

 

 新興国では鉄道インフラの建設が相次ぐ。タイでは新幹線導入を前提とした調査が始まっているほか、マレーシアシンガポール間の高速鉄道計画では、日本を含む各国による国際入札になる可能性が高い。【山口知】

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

(仮)福澤諭吉はフリーメイソンだった [ 石井利明 ]

価格:1,728円
(2018/3/8 09:29時点)
感想(0件)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 今回は2018年の中間選挙で注目の選挙となるテキサス州の連邦上院議員選挙についての記事をご紹介します。現職のテッド・クルズ(共和党)が圧倒的に強いと予想されていますが、民主党の連邦下院議員たちが挑戦するという構図になりそうです。民主党側では、ホアキン・カストロ連邦下院議員、ビトー・オローク連邦下院議員が挑戦するのではないかと予想されています。

 

 世論調査で、クルズ対カストロ、クルズ対オロークという組み合わせで調査が行われ、カストロがクルズを上回り、オロークとクルズが並んでいるという結果が出ました。クルズは昨年の大統領選挙では共和党予備選挙でトランプに敗れましたが、2位になり、次回の大統領選挙の有力候補です。しかし、2018年の連邦上院議員選挙で敗れてしまうと大統領への道が閉ざされてしまいます。

 

 日本で人気も知名度もある政治家が選挙に敗れてしまうことは考えにくいですが、アメリカでは常に自分の政党の予備選挙があって本選挙を戦うことになりますので、現職有利なのは変わりませんが、クルズほどの政治家でも落選の可能性があり、常に緊張感を持つようになります。ここが日本とは全く違うところです。日本では政治家の緊張感が欠けてしまっている現状があり、私たち有権者が甘やかしてしまっていると言えると思います。

 

 民主党は何十年も連邦上院議員の椅子を獲れずに来ていますが、ホアキン・カストロ(1974年生まれ)という若い政治家が出てきて、期待が持てる状況になっています。ホアキン・カストロは民主党の若い世代の代表とも言うべき政治家です。双子の兄弟フリアン・カストロは、サンアントニオ市長を経て、30代の若さでオバマ政権の都市住宅開発長官を務めました。フリアンは昨年の大統領選挙ではヒラリーの副大統領候補になるのではないかと言われていましたが、最終的にはそうなりませんでしたが、これが彼にとっては良い結果になりました。ヒラリーと一緒に沈むことがなくて助かりました。

 

 ホアキン・カストロは、連邦下院内の超党派議員連盟であるジャパン・コーカス、米日友好議員連盟の民主党側の会長を務めています。私は、米日友好議連は日本からの企業進出や投資を誘致しようというグループだと思います。この議連は知日派、日本に関心を持つ連邦下院議員たちが集まって結成したもので、ホアキンは2015年に議連会長の資格で訪日し、安倍晋三首相と会談をしたこともあります。この時に経団連アメリカ委員会とも会談を持ちました。日本の政財界での人脈作りも進めているようです。

 

 ホアキン・カストロはテキサス州、特に自分の地元であるサンアントニオ市への日本企業の進出を推進したいと考えていると思います。テキサス州ではヒューストンとダラス、サンアントニオの大都市で「テキサス・トライアングル」と呼ばれる人口集中地帯を形成していますが、ヒューストンとダラスは経済成長が著しいのですが、サンアントニオは後れを取っています。連邦下院議員は2年に1回の選挙を勝ち抜かねばならず、地元への利益誘導を通じて地盤の強化を図らねばなりません。また、ワシントンDCでは、連邦上院議員(100名)の方が連邦下院議員(435名)よりも格上として扱われます。たとえばワシントンの有名レストランではウェイターは連邦上院議員の顔と名前は覚えますが、連邦下院議員は人数が多く、入れ替えも激しいので顔と名前は覚えていないという話があります。

 

 クルズもうかうかとはしていられません。クルズほどの有名な議員であっても、ぼやっとしていたら落選してしまうという緊張感を持たせるということで、アメリカの有権者の方が日本の有権者よりも民主政治を理解している、その使い方をよく知っていると言えると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査で、民主党のカストロがクルズをリード(Poll shows Texas Dem Castro leading Cruz

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2017年4月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/business-a-lobbying/329445-poll-shows-cruz-losing-to-texas-dem-castro

 

最新の世論調査の結果によると、2018年の連邦上院議員選挙の予想で、連邦下院議員ホアキン・カストロ(テキサス州選出、民主党)が現職の連邦上院議員テッド・クルズ(テキサス州選出、共和党)に対して僅差で勝利するという結果が出た。

 

「テキサス・ライセウム」が水曜日に発表したテキサス州全体での世論調査の結果を発表した。有権者に対して、上院議員選挙でカストロとクルズが戦った場合にどちらに投票するかという調査を行った結果、カストロの支持率は35%、クルズの支持率は31%という結果が出た。

 

クルズと連邦下院議員ベト・オローク(テキサス州選出、民主党)との場合には、30%ずつとなり、同率で並んだ。

 

テキサス州ではこれまでの29年間、民主党が上院議員の座を勝ち取ったことがない。クルズは昨年の大統領選挙の共和党予備選挙でトランプに次いで2位になった。これまで、クルズはテキサスでの支持率が高く、不敗だろうと考えられてきた。

 

今回の世論調査では、トランプ大統領の支持率が下降していることが明らかになった。支持率が42%、不支持率が54%となっている。

 

調査対象者の52%が、アメリカは間違った方向に向かっていると答えた。2016年の調査では63%が間違った方向に向かっていると答えたので、数字は下がっている。

 

テキサス州民は、政党支持の違いで質問に対する答えが正反対になっている。民主党支持者の84%がアメリカは間違った方向に進んでいると答え、一方、共和党支持者の73%がアメリカは正しい方向に進んでいると答えた。

 

今回の世論調査は1000名を対象に、4月3日から9日にかけて実施された。誤差は3.1%だ。

 

先月、オロークは2018年の連邦上院議員選挙で現職クルズに町産するために出馬すると公式に発表した。オロークは民主党側で最初にクルズに挑戦することを表明した人物となった。2018年の連邦上院議員選挙は、共和党有利のテキサス州において、民主、共和両党が激しくぶつかる選挙となると予想されている。カスロトは現在、出馬するか検討中だ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ