古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:テキサス州

 古村治彦です。

 全世界で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している。日本でも東京都で深刻化の度合いが増し、東京都内の外出自粛要請、他県では東京への外出自粛要請が出された。こんな状況下では、今年アメリカで大統領選挙が実施されるということにはなかなか目が向けられない。現職のドナルド・トランプ大統領と現在の連邦議会は、新型コロナウイルス感染拡大に対して、後手後手に回ったという印象は否めない。しかし、一度やると決めたら、アメリカ流の大量の資金と資源を一気に投入するという形で対策を取る。

 日本では後手後手というのは一緒だが、資金や資源をちまちまと逐次的に投入し、失敗を重ねている。これは太平洋戦争の時と同じ手法であり、この「後手後手ちまちま」は日本の宿痾ということになるだろう。

 民主党予備選挙は4月になるまでない。既にいくつもの州で予備選挙実施費の延期を決定しているところも多い。選挙どころではない、ということだ。さすがに大統領選挙が延期されるということはないだろうが、投票方法は郵便やインターネット利用ということが検討されるだろう。しかし、その前に民主・共和両党の候補者を決める全国大会が予定されている。全国大会が通常通りに開催されるかどうか、もまだ不透明な状況だ。

 本ブログはここ最近の通常通り、民主党予備選挙について紹介する。少し古い記事になって申し訳ないのだが、民主党予備選挙で最有力候補となっているジョー・バイデン陣営の人事の変更が行われた。これまで、陣営を引っ張ってきた、アニタ・ダン、グレッグ・シュルツに代わり、ジェン・オマリー・ディロンという人物が選対の責任者となった。ダン、シュルツは陣営に引き続き残り、アドヴァイザーの仕事を行うということだ。

 ダン、シュルツ、オマリー・ディロンの共通点はバラク・オバマ前大統領の選対を経験し、ホワイトハウスで働いていた経験を持つ、更にはヒラリー・クリントンとの関係が薄いということだ。

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アニタ・ダン
  アニタ・ダン(Anita Dunn、1958年―、62歳)も若い時から民主党の政治家たちの選対本部に参加し、選挙の実務を学んだ。2008年のオバマ前大統領の初めての大統領選挙ではシニアアドヴァイザーを務めた。その後、ホワイトハウスの広報部長を務めた。グレッグ・シュルツ(Greg Schultz、1981年―、39歳)は2008年の大統領選挙では短期間ヒラリー・クリントン陣営で働いた。2012年の時には、オバマ陣営のオハイオ州責任者を務め、オバマ政権第2期には、バイデン副大統領の上級アドヴァイザーを務め、後にオバマ大統領の政治アドヴァイザーとなっている。

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グレッグ・シュルツ
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ジェン・オマリー・ディロン

ジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon、1976年―、43歳)は選挙運動のプロである。2000年の大統領選挙で民主党候補だったアル・ゴア陣営で働き、その後も連邦上院議員選挙や大統領選挙で選対スタッフとして働き、経験を積んだ。2008年の大統領選挙ではオバマ陣営で激戦州担当の部長を務めた。その後は民主党全国委員会の上級部長を務め、2012年の大統領選挙では陣営の副責任者を務めた。今回の大統領選挙では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の陣営で責任者として働いていた。

 民主党内におけるアフリカ系アメリカ人の影響力に対抗するためにヒスパニック系がバイデンに対して働きかけを行っている。「自分たちヒスパニック系も入れなければ選挙に勝てない」という半分懇請のような脅しのような訴えである。自分たちの存在感が薄れることを懸念しているから起きる訴えだ。

 バイデン陣営がオマリー・ディロンを責任者に迎えたことは大きい。彼女がオバマ系の人材であることもそうだが、テキサス州内に人脈を広げ(その中には当然ヒスパニック系も多く含まれる)、知識を得たということが大きい。これはバイデン陣営が本選挙でトランプ大統領と対峙する際に、テキサス州とフロリダ州で戦い、このどちらかを奪い取ることでトランプを追い落とすという戦略に合致する動きだ。私は今年の大統領選挙本選挙では、中西部の一州、南部の一州でバイデンが勝利すれば、トランプは負けることになると考えている。そのための戦術として、オマリー・ディロンをバイデンは陣営に迎えた。

(貼り付けはじめ)

バイデンはオローク選対の幹部だった人物を新しい選対責任者に起用(Biden appoints former O'Rourke aide as new campaign manager

タル・アクセルロッド筆

2020年3月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487254-biden-appoints-former-orourke-aide-as-new-campaign-manager

民主党予備選挙において先頭走者の位置を固めているジョー・バイデン前副大統領は、自身の選対本部の新しい責任者としてジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon)を起用した。バイデンは厳しい戦いとなるであろうトランプ大統領との本選挙に向かって準備をし始めた。

オマリー・ディロンの起用は木曜日に『ワシントン・ポスト』紙が最初に報じ、その後にバイデン選対が事実だと認めた。オマリー・ディロンは民主党の選挙対策の分野では有名な人物である。オマリー・ディロンは2012年のオバマ前大統領の再選の選対で副責任者を務めた。また、オバマ政権第一期の4年間では、民主党全国委員会の執行役員を務めた。

最近では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の大統領選挙を手伝ったが、オロークは最終的に選挙戦から撤退した。また、バイデン選対に対しての非公式のアドヴァイザーをしていた。

バイデン選対によって発表された声明の中で、オマリー・ディロンは次のように語った。「バイデンの人格と指導力のもとにまとまっている他の民主党員の多くと同じく、私はこの重要な時期にティームに参加できることに興奮しています。」

オマリー・ディロンは続けて次のように述べている。「バイデン前副大統領は記録的なレヴェルの有権者を投票所に向かわせています。そして、ドナルド・トランプが二期目を迎えないことを確実にするために必要な幅広い連合を形成しています。バイデンを46代目の大統領にする手助けができることは光栄であり、私は仕事を始める準備ができています」。

オマリー・ディロンはアニタ・ダンとグレッグ・シュルツのティームに参加することになる。ダンとシュルツは責任者としてバイデン選対の舵取りをしてきた。

先月のアイオワ州での党員集会での惨敗の後、ダンは選対を立て直した。シュルツはバイデンの出馬の準備に参加し、選対の初期の人事を担当し、代議員獲得に関する戦略を策定した。バイデン選対によると、シュルツは組織に関する計画と献金者と支持者へのアウトリーチといった仕事をこれから行うということだ。

バイデンは次のように語った。「私は、グレッグに対して私たちの選対が今日ある形にしてくれるために指導力を発揮し、献身してくれたことに感謝の意を表します。そして、彼がこれからも私たちの選対と選挙運動に継続して貢献してくれるだろうと確信しています。私はジェンが私たちのティームに彼女の素晴らしい才能と洞察をもたらしてくれるだろうことを楽しみにしています。この秋にドナルド・トランプと戦うための準備するにあたり、ジェンは選対と選挙運動を拡大し、強化させるための財産となってくれるでしょう」。

バイデンは一連の勝利によって11月にトランプと対決する民主党候補者の最有力候補になった。バイデンはサウスカロライナ州で30ポイント近くの差をつけて圧勝し、先週のスーパーチューズデーでは14州のうち10州で勝利し、今週はじめのミシガン州で重要な勝利を収めた。バイデンが連勝を収めたことで、多額の献金が流れ込んできており、全国で選挙事務所を設置することができるようになっている。

トランプ大統領は、数百万ドルの寄付金を使って再選に向けた選対と選挙運動を加速させている。

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民主党内のヒスパニック系の人々は、サンダースのラティーノ支持獲得戦略はバイデンにとってのロードマップとなると考えている(Hispanic Democrats see Sanders's Latino strategy as road map for Biden

ラファエル・バーナル筆

2020年3月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487137-hispanic-democrats-see-sanderss-latino-strategy-as-road-map-for-biden

連邦議会ヒスパニック系議員連盟(CHC)所属の議員たちはジョー・バイデン前副大統領に対してバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の成功したアウトリーチ戦略を見習うように主張している。

このような要求は、バイデンがアフリカ系アメリカ人と穏健派、高齢の有権者たちからの支持を受けて南部諸州と中西部諸州で決定的な勝利を収めて民主党予備選挙のトップ走者となった時から出ている。

対して、サンダースはラティーノ系の有権者からの力強い支持を集めている。その結果として、カリフォルニア州とネヴァダ州といった西部諸州で勝利した。

ラティーノ系の人々はサンダース陣営が効果的なアウトリーチ戦略を採用し、選対の最高幹部の中にヒスパニック系の人を置いていることを評価している。そして、こうしたことをバイデンにも真似てもらいたいと考えている。

バイデン支持を表明し、連邦議会ヒスパニック系議員連盟の選挙部門の責任者を務めるトニー・カルデナス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べている。「次のアメリカ大統領、その次、その次、その次を狙う人は誰であっても、投票する権利、どの候補者を支持するかを決めるために情報を知る権利を持つ全てのアメリカ国民を考慮に入れて選挙運動を実施する必要があります。」

カルデナス議員は、サンダース陣営のトップアドヴァイザーであるチャック・ロカに言及しつつ次のように語った。「バーニー・サンダースの選対は、能力の高いラティーノもしくはラティーナを選対の最高幹部に据えた初めての全国レヴェルの選挙組織ということになります。これは選挙運動にとって良い決断となりました。その結果として、バーニー・サンダースはいくつかの州でラティーノ系有権者の支持を受けて良い結果を得ました」。

選挙コンサルタントで、連邦議会ヒスパニック系議員連盟所属の議員たちのためにも働いた経験を持つロカは、サンダース陣営が早い時期から重点州においてラティーノ系有権者の支持獲得のために資源を投入していたことを評価し、そのために予備選挙の初期段階でヴァーモント州選出のサンダース議員が予備選挙でトップに立った事実を強調した。

ロカは本誌に対して次のように述べた。「カルデナス議員は私たちラティーノ系共同体に対して常に政治に関心を持ち、参加するように訴えてきました。私はサンダース陣営の選挙運動に誇りに思っていますが、それはカルデナス議員の訴えに沿ったものだからです。私はただテーブルに座っているだけではなく、人々に会って行動しています」。

ロカの戦略はこれまで長い間ヒスパニック系共同体の指導者たちから出ていた要求に基づいたもので、文化的に有効なヒスパニック系有権者へのメッセージを早い段階から強く打ち出すということだった。ヒスパニック系に関してはこれまでいろいろな選対で軽視されてきた人々であった。

ロカは次のように語っている。「11月にドナルド・トランプを倒すために、十分な資金を投入した、文化的にも有効なラティーノ系の得票獲得作戦を実行する必要があります。民主党が“外に出て投票に行きましょう(GOTV)”作戦を実行する前にラティーノ系への働きかけを始動する必要があるということを私たちは証明したのです。ラティーノは選挙戦で働きかけを待つだけの存在ではなく、自分たちで実際に選挙戦を実行する存在になっていくことでしょう」。

連邦議会ヒスパニック系議員連盟にはカルデナス議員のようなバイデンを支持する穏健派の議員たちがいるし、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のようなサンダースを支持する進歩主義派の議員たちがいる。こうした人々は共にロカの発言内容に同意している。

オカシオ=コルテス議員は次のように語っている。「歴史的に見て、民主党と民主党関連の組織はラティーノ系の有権者たちへのアウトリーチについて苦闘してきましたが、正しくない方法を採用してきました。その結果として、ラティーノ系への政策も良いものを作り出すことに苦労しています。バイデン前副大統領は民主党内部の伝統的な組織に頼り切っています。そして、支持を勝ち取っています」。

オカシオ=コルテス議員は続けて次のように述べた。「しかしながら、このような伝統的な組織に頼っているのが現状です。これは民主党の強さと弱さの慣性ということです。民主党の弱さの一つはラティーノ系有権者へのアウトリーチです」。

バイデン陣営と緊密な関係を持っているカルデナスは、バイデン陣営は既にサンダース陣営と同様の対ラティーノ系有権者戦略を既に実行しているはずだと述べている。

バイデンは、フロリダ州、アリゾナ州、イリノイ州でのラティーノ系アウトリーチに新しい資源を投下している。バイデン陣営内部の議論に詳しいある人物によると、バイデン陣営はこれら各州内のラティーノ系有権者の間でサンダースと競り合えると考えているということだ。

カルデナスは、ヒスパニック系共同体の指導者たちが長年民主党に対して求めてきた、ヒスパニック系への関与戦略を初めて具体化した有力な大統領選挙候補者となったのがサンダースだと述べた。

カルデナスは次のように述べた。「ある有権者グループに働きかけを行わず、その人たちを後回しにし、選挙の投開票日当日前にこれらの人々にほとんど注意を向けなければ、得票率が低くなりますよね。その候補者グループの中で、そんな候補者もしくはその候補者の主張を受け入れる人の割合はおのずと低くなりますよね」。

カルデナスは続けて次のように語った。「私が今述べたことはこの予備選挙で全ての候補者の陣営が予備選挙開始前に行ったことです。そして、本当に働きかけを行って、ラティーノ系の有権者を動員したのは、バーニー・サンダースだけなんですよ」。

バイデンはラティーノ系に対して働きかけを全くやっていないということはない。

バイデン陣営のラティーノに関するアドヴァイザーであるクリストバル・アレックスは「ラティーノ・ヴィクトリー」から採用された。ラティーノ・ヴィクトリーはヒスパニック系の人々の声を吸い上げ主張する、良く知られた進歩主義的な政治組織である。

ラティーノ・ヴィクトリーは今年2月にバイデン支持を発表した。

バイデンはヴァージニア州とサウスカロライナ州でヒスパニック系有権者からの支持を獲得したが、南部諸州でサンダースがバイデンとの差を詰めることができないようになった。

バイデンは火曜日に予備選挙が実施されるフロリダ州で構造上の優位性を持っている。バイデンはフロリダ州でラティーノ系の重要な支持を集めている。フロリダ州は全米で第3位のヒスパニック系の人口を抱えている。

ダレン・ソト連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)は次のように語っている。ソト議員はプエルトリコ系としては初めてのフロリダ州選出の連邦議員である。「フロリダ州ではバイデンはラティーノ系の有権者の支持を掴んでいます。今朝発表された最新の各種世論調査の結果が物語っています。もちろん、フロリダ州には独自の状況があります。ヒスパニック系と言っても5つの異なったグループ分けができるほどですから、これらの動きでフロリダ州の選挙の結果は変わるんですよ」。

スーパーチューズデー後にバイデン支持を表明したソト議員は次のように語っている。「バイデンはヴァージニア州と東部のいくつかの州で良い結果を得ました。そしてヒスパニック系有権者からの投票に関してもそうです。サンダースは南西部諸州のヒスパニック系から多大な支持を得ました。これまでの選挙戦を見ていて、バイデンは東部諸州で勝利を収めることができる上昇気流に乗っています」。

カルデナスはバイデン陣営が予備選挙序盤の段階でヒスパニック系に働きかけを行うだけの資金を持っていなかったが、アフリカ系アメリカ人と郊外に住む白人の有権者たちの支持を得た。その結果として民主党予備選挙でトップに立つことができた。

カルデナスは次のように語った。「バイデン選対はサンダース陣営が行った規模での資源を投入しヒスパニック系有権者からの支援を得るということができませんでした。しかし、スーパーチューズデー後にすぐにバイデン陣営に連絡をしました。そして、選対がつかんでいる内容と知っておくべき内容を聞き、説明しました。全米のラティーノ系の有権者に主張を届けることの重要性とそのための資源を投入すべきだという話をしました」。

カルデナスは「もちろん、バイデン選対がラティーノ共同体、アメリカ全土のラティーノ系の有権者とのコミュニケーションに投資をしていないなどと信じる理由は存在しません」とも語っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。
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 スーパーチューズデーの投開票が始まった。全米14の州と1つの自治領で宣誓済み代議員1344名を争う戦いだ。全宣誓済み代議員数が3979なので、約3分の1の行方が決まる。先に書いておくが、来週のミシガン州がサンダースにとっては極めて重要となる。前回の大統領選挙でトランプに負けたのは、民主党が地盤だと考えていた中西部、五大湖周辺州でヒラリーが勝てなかったからだ。中西部奪還は民主党の悲願である。そのために今回の選挙では中西部に強い候補者を選ばねばならない。中西部出身者であるピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーが選挙戦から撤退しバイデン支持を表明しているので、バイデンは追い風が吹いている。来週のミシガン州でサンダースが勝てるかどうかが注目される。

 スーパーチューズデーの正式な結果が出るのは時間がかかる。最大の代議員415名が配分されているカリフォルニア州の正式な結果が出るのは日本で明日になるかもしれない。
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 現在までのところ、バイデンが1位となると見られているのは、アラバマ州、アーカンソー州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ヴァージニア州で、サンダースが1位となると見られているのは、カリフォルニア州、コロラド州、ユタ州、ヴァ-モント州、ブルームバーグが1位となったのは、アメリカ領サモアだ。メイン州では接戦が続いている。

 バイデンは2月29日のサウスカロライナ州での圧勝の勢いとエイミー・クロウブッシャー、ピート・ブティジェッジ、ビトー・オロークといった大統領選挙で戦った人々からの支持表明もあって、急激な状況気流に乗って、サンダース包囲網を形成している。サンダースはこの包囲網に苦しめられた結果となった。南部諸州では元々バイデンは強かったが、さらに勢いがついた上に、サンダースがリードしていたマサチューセッツ州とテキサス州ではバイデンが逆転した形となっている。また、ミネソタ州では地元出身のクロウブシャーが支持率1位を記録していたが、バイデン支持と表明したことで、2位につけ凍てたサンダースを3位のバイデンが追い抜く形になった。
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スーパーチューズデー前の代議員数(濃い青色が選挙で争う宣誓済み代議員数)
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CBSによる代議員配分の途中経過報道
 サンダースは地元ヴァ-モント州で圧勝したが、配分されている代議員数は16だ。カリフォルニア州、ユタ州、コロラド州といった西部諸州で勝利を収めたが、バイデンをどれくらい引き離せるかが注目される。民主党の金城湯池ブルーステイトは、アメリカ東海岸と西海岸であるが、実のところ、両岸でしっくりいかない。西部は東部に対して「気取りやがって」という感情を持ち、東部は西部に対して「あいつらは過激すぎる」と考えている。アメリカの基準では過激な主張をしているサンダースが西部諸州で1位となったのは当然である。東部の人たちは東部の人を選ぶという伝統があるが、サンダースはマサチューセッツで勝てなかった。あいつは東部的ではないと考えられているのだろう。

 ブルームバーグは正式な選挙のデビュー戦となったが、かけたお金を考えると厳しい結果となった。芸能人でも期待の新人でデビューの時に多額の資金をかけたのにうまくいかなかったということがあるが、そのような感じだ。これではあいつはダメだということになり、ますますじり貧のスパイラルに陥ってしまうだろう。撤退もささやかれる。

 ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わりそうということで本格的に撤退論が出てくるだろう。彼女自身は来週のミシガン州も頑張るぞという発信をしているが、どうなるか分からない。

 24名以上の候補者がひしめき合ったアメリカ大統領選挙民主党予備選挙もサンダースとバイデンの2人に絞られることになった。サンダースは若い人々やヒスパニックといった有権者層には絶大な人気があるが、それだけでは選挙に勝てない。バイデンはアフリカ系アメリカ人の人気は高いが、ヒスパニック系の人気が低い。お互いがお互いの弱点をどう克服するか、時間がない中でどのような動きをして支持を拡大させていくか注目される。

 アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州で大惨敗、ボクシングで言えばノックダウンされてカウント9まで立てなかったバイデンが復活して猛ラッシュで逆転している状況だ。

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スーパーチューズデーで見るべき5つの州(5 states to watch on Super Tuesday

ジュリア・マンチェスター筆

2020年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485578-5-states-to-watch-on-super-tuesday

大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちは予備選挙において最も重要なスーパーチューズデーを迎える。14の州で投開票が実施され、1300名の代議員が配分される。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)はニューハンプシャー州とネヴァダ州での勝利、アイオワでの引き分けの後に先頭走者としてスーパーチューズデーに進んできた。しかし、ジョー・バイデン前副大統領はサウスカロライナ州での圧勝の後に勢いがついている。

スーパーチューズデーはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグのデビュー戦ともなる。これまでの3日で、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、大富豪トム・ステイヤーが選挙戦からの撤退を表明し、ブルームバーグにとっては有利な状態で選挙を迎えることになる。

火曜日に注目すべき重要州を見ていこう。

(1)カリフォルニア州

カリフォルニア州はスーパーチューズデーの夜における最大のご褒美ということになる。415名の代議員が配分されている。

サンダースは現在のところカリフォルニア州での勝利が確実視されている。しかし、バイデンはサンダースの支持を削り取る可能性を持っている。

リアルクリアポリティックスは、カリフォルニア州での民主党予備選挙に関する各種世論調査の数字の平均を発表している。それによると、サンダースは2位に17ポイントの大差をつけてリードしている。しかし、バイデンはここ最近の調査で支持率の数字を上げている。

月曜日に発表されたCBSニュース・YouGovの共同世論調査の結果では、カリフォルニア州でのサンダースの支持率は31%だったのに対して、バイデンは19%だった。ウォーレンは18%だった。

ブティジェッジとクロウブシャーを支持していた有権者たちからの支持を得ることで、バイデンは支持を伸ばすことになる。これによって、バイデンは得票率15%の条件をクリアできる可能性が大きくなり、それによってカリフォルニア州で勝利を得られなくても、代議員の配分を受けることができる。

全国民主訓練委員会の創設者であり責任者であるケリー・ディエットリッチは「私たちはもう4、5、6人でポットを分け合うことはありません。私たちは今3人で分け合っています」と述べている。全国民主訓練委員会は選挙に出馬し公職を目指す民主党員を訓練する組織である。

しかし、ブルームバーグはカリフォルニア州でテレビ広告だけでも3600万ドルを投じており、ブルームバーグがどれほどの影響を選挙戦に与えているかを見る必要がある。

民主党系のステラティジストであるブラッド・バノンは次のように語っている。「ブルームバーグはカリフォルニアでうまくいっていないと思いますよ。バイデンがわずか3日前の時の彼と比べて、見違えるように強力な候補者となっている事実があります。バイデンと同じ穏健派の候補であるブルームバーグはこのために支持を減らすでしょう」。

バノンは「ブルームバーグの選挙戦略の1つはバイデンの弱さにつけ入るというものでしたが、バイデンが強力な候補者になってしまっているのです」と述べた。

(2)テキサス州

テキサス州は全米で2番目に多くの代議員が配分されている。その数は228だ。現在のところ、サンダースが支持率でトップだが、カリフォルニア州に比べて、バイデンとの差はかなり小さい。

リアルクリアポリティックスが発表しているテキサス州の支持率の平均では、サンダースがバイデンに6ポイントの差をつけている。

サンダースは、ネヴァダ州での勝利が多くをヒスパニック系有権者によっていたこともあり、テキサス州内のラティーノ共同体の中で強力な支持を固めてそれに依存している。

「ラティーノ・ディシジョンズ・フォ・ウニヴィジョン」社とテキサス大学メキシコ系アメリカ人研究センターの共同世論調査の結果によると、テキサス在住のヒスパニック系有権者の間で、サンダースの支持率は31%だったのに対して、ブルームバーグは23%、バイデンは19%だった。この世論調査の結果はサウスカロライナ州での予備選挙の前に発表されたものだ。

民主党系のステラティジストで、クリントン政権とオバマ政権のホワイトハウスでアドヴァイザーを務めたモー・ヴェラは、テキサス州のような場所で良い結果を得るため、バイデンはヒスパニック系の支持を伸ばさねばならないと述べた。

「トランスペレント・ビジネス」社の役員を務めるヴェラは本誌の取材に対して、「バーニー・サンダースは称賛に値しますね。彼と並びたいと思うなら、バイデンはラティーノの有権者に対して行動を起こす必要があります」と語った。

(3)マサチューセッツ州

マサチューセッツ州は、ウォーレンの選挙結果が振るわないものとなれば、ウォーレンの選挙運動の終焉の鐘となる可能性が高い。彼女の知名度は抜群に高く、マサチューセッツ州を地盤とする進歩主義派の連邦議員の一部から支持表明を受けている。その中にはエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とジョー・ケネディ連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が含まれている。しかし、こうした好条件があるにもかかわらず、最近の各種世論調査の結果では、ウォーレンは地元でも支持率を下げている。

土曜日に発表されたサフォーク大学・『ボストン・グローブ』紙・WBZテレビの世論調査では、ウォーレンと同じニューイングランド地方を地盤とするサンダースがマサチューセッツ州で支持率24%を記録しトップとなった。ウォーレンは22%で2位につけた。この差は世論調査の誤差4.4ポイント以内の数字だ。

先週初めに発表されたWBURの世論調査では、2人の差はより大きかった。サンダースの支持率は25%で、ウォーレンは17%だった。この時の調査の誤差は4.9ポイントだった。

ニューハンプシャー州での彼女のパフォーマンスは、マサチューセッツ州でどれくらいうまくやれるかを示すものであった。ニューイングランドの各州はニューイングランドから出ている地元出身の候補者を選ぶことで有名だ。2016年も2020年もニューハンプシャー州ではバイデンが勝利した。

対照的に、同じニューイングランド出身のウォーレンはニューハンプシャー州で、中西部出身のブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーに負けて4位となった。

バノンは「ウォーレンは明日マサチューセッツで必ず勝たねばならないと思います。次に進むためにもどうしても勝たねばなりません。自分の地元の州で勝てないのに、有権者に投票してくださいなんてどうして言えますか?」と述べた。

(4)ヴァージニア州

ヴァージニア州はスーパーチューズデーで投開票が行われる州の中で4番目に多い代議員が配分されている。そして、ブルームバーグはヴァージニア州を重視してきた。

ブルームバーグはヴァージニア州を7回訪問した。これはスーパーチューズデーの各州の中で最も多い回数だ。ブルームバーグ選対はヴァージニア州全体に8つの事務所を置いた。その中には共和党が優勢なダンヴィルとロアノケも含まれている。ヴァージニア全体には80名のスタッフが配置されている。

ブルームバーグ選対は、2019年に民主党がヴァージニア州議会で過半数を取り戻したこととヴァージニア州でのより厳しい銃規制に触れ、そのまま民主党がヴァージニア州をコントロールし続ける必要があることを強調している。

2007年にヴァージニア工科大学で起きた銃撃による大量殺人事件が起きて以降、ヴァージニア州の政治においては銃規制が重要な問題となっている。

ブルームバーグの上級アドヴァイザーであるティム・オブライエンは本誌に対して「ヴァージニア州は民主党の将来を示す縮図です。穏健派、進歩主義派、郊外の有権者で構成されています」と述べた。

ブルームバーグは土曜日にヴァージニア州マクリーンの選挙動員集会に参加し、2019年のヴァージニア州での選挙への自分の貢献を強調した。

ブルームバーグは歓声を上げる聴衆を前に「昨年の秋の連邦議員選挙でヴァージニア州から民主党の議員を出すための手助けをするということが大変重要でした。私はその貢献ができたことを今でもとても嬉しく思っています」と述べた。

しかし、各種世論調査の結果を見ると、ブルームバーグはヴァージニア州ではサンダースとバイデンを追いかける展開となっている。サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはブルームバーグのヴァージニア州での勝利の芽を摘み取る可能性が大きくなっている。

バイデンは最近になってヴァージニア州の民主党の重要な人物たちの多くから支持表明を受けている。テリー・マカフィー元ヴァージニア州知事、ティム・ケイン連邦上院議員、イレイン・ルリア連邦下院議員、ボビー・スコット連邦下院議員は日曜日夜にヴァージニア州ノーフォークで開かれたバイデンの選挙集会に参加し、支持表明を行った。この選挙集会でバイデンはロックスターのような歓声を受けた。

(5)アラバマ州

アフリカ系アメリカ人有権者は、アラバマ州の民主党予備選挙有権者の大きな部分を占める。民主党の背骨だと広く考えられている有権者グループにアピールしたいと考えている候補者たちにアラバマ州は重要である。

「ファイブサーティーエイト」の予想では、バイデンがアラバマ州で勝利する確率は61%だ。

サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を固めている。バイデンは日曜日、アラバマ州セルマで開かれた公民権運動の行進を記念するイヴェントに出席し、温かい歓迎を受けた。

民主党系のストラティジストであるジャマル・サイモンズは本誌の取材に次のように答えた。「穏健派のアフリカ系アメリカ人は民主党支持の有権者の大多数を占めていると思いますよ。それが言い過ぎだとすれば少なくとも大きな部分をね。アフリカ系アメリカ人で年齢を重ねていくと、アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州で民主党の幹部クラスになっていく人が多いんです。こうした人々は穏健派とまでは言えない場合でもとても現実的です。そのためにこうした人々はよりジョー・バイデンを支持するということになるんです」。

サンダースは非白人の若い有権者の支持に頼っているが、サンダースとバイデンはサウスカロライナ州での予備選挙では若いアフリカ系アメリカ人有権者の支持を分け合ったように見られる。アラバマ州においては、進歩主義派の連邦上院議員であるサンダースにとってこれは良い兆候ではないということになるだろう。

サイモンズはサウスカロライナ州を念頭に置きながら、「バーニーは他の州に比べて、あそこでは若いアフリカ系アメリカ人たちの支持を得ることができなかったんですよ、うまくいかなかったんですよ」と述べた。

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 少し古いのですが、興味深い内容だったのでご紹介したい記事がありまして、今回掲載します。2016年の米大統領選挙共和党予備選挙で、トランプ大統領と争ったテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)が今年の中間選挙で、民主党からの挑戦で苦戦しつつあり、トランプ大統領に応援を求めたという内容です。

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 テキサス州は2016年の米大統領選挙本選挙ではトランプが勝利し、連邦議員も多くは共和党所属であり、共和党が優勢の州です。民主党の若手有望株のカストロ兄弟もテキサス州サンアントニオを地盤としており、30代でオバマ政権の閣僚となったフリアン・カストロは2020年の米大統領選挙の民主党候補者として名前が挙がっています。

 

 現在、今年秋の中間選挙で、テキサス州の連邦上院議員選挙レースは五分五分の状態で、民主党側の候補者ビトー・オローク連邦下院議員が現職のクルーズをかなり追い上げているという状況のようです。

 

 そこで、クルーズはトランプに選挙応援にテキサス州まで来てもらいたいと考えているようです。大統領選挙では激しく戦ったが、それ以降は、トランプ政権に協力して、連絡を密に取り合っている、だからぜひ助けてもらいたいとクルーズは述べています。

 

 トランプ大統領とトランプ政権の政策は、「ポピュリズム」に分類されるものです。「ポピュリズム」と言うと、権力者が一般大衆に贈り物をして支持を得る、バラマキ政治だという理解がありますが、これはポピュリズムの一つの面を語っているにすぎません。マドンナが主演した「エビータ」という映画は、アルゼンチンのペロン大統領と奥さんのエビータの物語ですが、この中では贈り物のシーンがありました。南米政治を分析する際にポピュリズムという言葉は確かに、大衆迎合の意味を含みます。

 

 しかし、アメリカ政治の場合は、既存の政治システムや経済システム、エリートたちに対する反抗という要素が大きくなります。アメリカのポピュリズムで言えば、ヒューイ・ロングという人物がいました。フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領が最も恐れた人物とも言われています。ロングは「全ての人が王様」という言葉を掲げ、ルイジアナ州で公共投資を増大させ、富の再分配を行いました。そして、人々の既存の政治への失望を受けて、ワシントンに攻め上がろうとしている途上で暗殺されてしまいました。

 

 トランプは既存の政治家ではないし、財界のエリートでもありませんでした。そんな人物がアメリカ大統領となった訳ですが、これは、人々の民主党、共和党のエリートや体制派に対する怒りがトランプを大統領に当選させました。

 

 トランプ大統領の政策は、大型減税であったり、保護貿易であったりとポピュリズム的です。貧しい人々への再分配(金持ちたちへの利益誘導のようなこともありますが)が行われています。

 

 クルーズは現役の連邦上院議員であり、加えて共和党が強いテキサス州を地盤としているのですから、本選挙が危ないということは本来であれば考えにくいことです。しかし、民主党の候補者を相手に苦戦しているというのは、「既存の政治家は信用できない」「クルーズはワシントンに染まってしまって自分たちの本当の代表なのか」という疑念がテキサス州の人々の間に広がっている、というか2016年以来続いているということではないかと考えます。

 

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クルーズがトランプに対してテキサス州での連邦上院議員選挙で応援に来て欲しいと依頼(Cruz asked Trump to campaign for him in Texas Senate race

 

ジャスティン・ワイズ筆

2018年8月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400778-cruz-asked-trump-to-campaign-for-his-senate-re-election-in

 

テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)がトランプ大統領に対して、ベトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)との連邦上院議員選挙を巡る戦いで支援のために選挙運動に入って欲しいと依頼した。

 

クルーズは今週月曜日、選挙運動でテキサス州セグインを訪問し、そこで『ザ・ヒューストン・クロニクル』紙の取材に答えた。その中で、クルーズは、「トランプに連絡を取り、トランプ大統領からの支援を“歓迎する”」と述べた。

 

クルーズは同紙の取材に対して、「私はテキサスでトランプ大統領に会えることを願っている。選挙前に大統領にテキサスに入ってもらえるだろうと考えている」と答えた。

 

2016年の米大統領選挙で有力候補であったクルーズは、トランプ大統領との関係で「良い時も悪い時も」あったと認めた。特に2016年のベイダ棟梁選挙共和党予備選挙ではいろいろとあったことを認めた。しかし、クルーズは同紙に対して、トランプ政権発足後、政権と密接に協力してきたと述べた。

 

クルーズは「私たちは毎週、時には毎日ホワイトハウスと連絡を取っている。私は共和党を団結させるために努力してきた。私はこの行為を誇りに思っている」と語った。

 

クルーズは再選に向けて、オロークからの厳しい挑戦を受けている。

 

現在のところ、クルーズが優勢ではあるが、各種世論調査の結果では、民主党からの挑戦者が地盤を固めてきていることが明らかになっている。

 

無党派の組織で選挙予測を行う「クック・ポリティカル・レポート」はテキサス州の連邦上院議員選挙に関して先週、「共和党優位」から「共和党リード」に表現を変更した。「クック・ポリティカル・レポート」は最近の各種世論調査では選挙戦がより接戦になっていると述べている。

 

更に、テキサス・ライセウム社の最新の世論調査によると、クルーズはオロークに対してわずか2%の差をつけているに過ぎないということである。

 

今年に入り、トランプ大統領は連邦議会における過半数を確保するために、多くの共和党候補者の選挙応援に行っている。今週日曜日にも、連邦下院議員オハイオ州第12選挙区の補欠選挙に出馬している共和党所属のトロイ・ボールダーソンの選挙運動に参加した。

 

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『クック・ポリティカル・レポート』がテキサス州のクルーズ対オロークの連邦上院議員選挙を「共和党がやや優勢」と評価(Cook Political Report moves Cruz-O'Rourke Senate race to 'lean Republican')


アリス・フォーリー筆
2018年8月3日
『ザ・ヒル』誌

 https://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400258-cook-political-report-moves-texas-senate-race-from-likely

テキサス州の連邦上院議員選挙の選挙戦は現職の連邦上院議員テッド・クルーズ(共和党)と現職の連邦下院議員ベトー・オローク(民主党)が候補者となって展開されている。中立な立場で選挙分析を行う団体「クック・ポリティカル・レポート」の分析によると、選挙の情勢は民主党が伸びてきつつあるということだ。

 

金曜日、クックは選挙の情勢を「共和党優位」から「共和党リード」に変更した。クックは、最近の各種世論調査の結果を分析し、選挙戦が接戦になっているとしている。

 

テキサス・ライセウム社の世論調査の結果が水曜日に発表された。それによると、2人の候補者は接戦を展開しており、投票に行くと答えた有権者の中で、支持率はクルーズが41%、オローク39%であった。クックはまた、7月初めに発表されたグラヴィス・マーケティング社の世論調査の結果も引用している。この時はクルーズが51%、オロークが42%で、クルーズが9ポイントリードしているという結果であった。

 

テキサス州ではこれまでの30年間、民主党所属の連邦上院議員は出ていない。しかし、民主党は今回の選挙ではオロークが番狂わせを演じるチャンスがあると考えている。オロークは2つ目の資金集め可能期において1040万ドル(約11億4000万円)以上の資金を集めた。

 

クルーズは2016年の米大統領選挙に出馬し、トランプ大統領と戦った。『ヒューストン・クロニクル』紙によると、クルーズは、オロークと同じ時期に400万ドル(約4億4000万円)を集め、総計で1000万ドル以上(約11億円)の政治資金を手にしているということだ。

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカではドナルド・トランプ大統領がインフラ整備計画を発表し、インフラ需要が見込まれています。道路、橋、トンネル、鉄道といった社会の「血管」とも言うべき施設に関して、アメリカは老朽化が進む一方で、補修がままならず、故障が起きるようになっています。戦後アメリカでは高速道路網が整備され、航空機時代を迎えて空港も整備されました。一方で、鉄道は見捨てられたようになり、整備が進みませんでした。しかし、全体的に老朽化が進んでいます

 

 アメリカに旅行に行かれたり、滞在されたりした方は経験があると思いますが、アメリカの道路は、一般道路は凸凹して歩きにくいし、自動車でも酔ってしまうし、高速道路も無料なのはいいけど、やはり凸凹しています。また鉄道で移動すると、発車時刻や到着時刻が予定通りではない、客車が古いといったこともあります。

 

 インフラ整備に日本企業のチャンスがあると下の記事は伝えています。高速道路の整備には、民営化された高速道路会社(旧日本道路公団)NEXCO西日本がビジネスを拡大している、というものです。最初は無償で仕事を受け、実績を積み、技術力の高さをアピールして、受注契約を勝ち取るという努力が実を結んだということです。トランプ大統領が発表したインフラ整備計画が追い風になるでしょう。もちろん、地元のアメリカ人を多く雇用すること、もしくは地元の企業を使うことが条件となるでしょう。

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 私は昨年、テキサスの高速鉄道の記事を『ザ・フナイ』という雑誌に書きました。新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

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●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

 

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

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「別紙」の中で、重要な文がありました。それらは以下の通りです。それは、「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」と「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」というところです。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。また、テキサス新幹線に関しては、資金は日本の国際協力銀行(JBIC)が投資するということにもなっています。これは、リチャード・ローレスというアメリカ側の窓口の人物がテキサス州の地元の新聞からの取材で、「資金は日本のJBICから来るから大丈夫」と答え、それが記事になっています(『ダラス・モーニング・スター』紙2014年4月5日付)。

※記事のアドレスは以下の通りです↓
https://www.dallasnews.com/business/business/2014/04/05/for-high-speed-rail-s-future-in-texas-the-private-sector-dares-to-go-where-government-won-t

 

 トランプ大統領は、インフラ整備計画と共に、減税も実現させました。政府に入ってくるお金が減るのに、インフラで投資(支出)を増やすとなると、どうしても足りないお金が出てきます。それ埋めるのがアメリカ国債です。アメリカ国債を誰が買うのでしょうか?中国は少しずつですが、ドル建ての資産の割合を減らし、金(きん)に移行しているようです。そうなると、唯々諾々とアメリカ国債を買うのは、日本ということになります。日本が勝ったアメリカ国債で、アメリカはインフラ整備を行う、という形になります。アメリカ国債は持っているのは資産になりますが、実際に現金化して、日本の財政赤字を埋めたり、予算に充てたりできない、使えない資産です。

 

 ここ最近、トランプ大統領が「安全保障には同盟関係はあっても、貿易にはない」「日中韓は殺人を犯して、そのまま逃げ回っているようなものだ」という激しい言葉遣いで、日中間の対米貿易黒字を非難しましたが、「お前ら、儲けた分はアメリカ国債を買うなりしろ」ということを言っている訳です。しかし、中国はアメリカに従属している訳ではないので、言うことを聞きません。そうなればターゲットは日本ということになります。そして、日本は減退している状況の中、アメリカにますます貢がされるということになります。

 

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●「<ネクスコ西日本>米国で商機 道路点検の受注続々と」

 

2/12() 19:11配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180212-00000064-mai-bus_all

 

 【ワシントン清水憲司】旧日本道路公団の西日本高速道路(NEXCO<ネクスコ>西日本)が、米国で道路の点検業務を続々と受注している。優れた技術を持つが米国進出時は全く無名の存在。公共事業特有の「実績主義」にも苦労したが、米国法人の地道な営業や独自の工夫で食い込んだ。トランプ政権のインフラ投資拡大でさらなる商機を見込む。

 

 米国に狙いを定めたのは2005年の分割民営化の直後。道路延長が世界一で老朽化が進み、「点検ビジネスにチャンスあり」とみたためだ。米国では道路上で鎖を引いて歩き異常音がしないか聞いたり、ひび割れの大きさを一つ一つ手で測ったりする点検が一般的。作業中は道路を封鎖する必要があった。これに対し、NEXCO西日本は赤外線や高解像度画像を使って分析する手法で、カメラを積んだ車を走らせながらでも点検できる。

 

 11年に首都ワシントン近郊に事務所を開設し、現在社長を務める松本正人さん(45)らは技術の売り込みに各地の自治体を回った。関心は示されるが「国内実績ゼロ」の企業への発注には二の足を踏むばかり。「このままではゼロを1にするのは不可能」と悩んだ末、考えついたのはまずは無償で点検を引き受け、実績と知名度を積み上げることだった。

 

 それが奏功し、今では10州からの受注実績を誇る。技術が認められたことで、地下鉄橋や建物の検査依頼も舞い込むようになった。ブラジルではダムの検査用に機器と解析ソフトを納入した。

 

 日米両政府は昨年10月、インフラ整備やメンテナンス、高速道路分野で協力する覚書に調印。トランプ政権のインフラ投資拡大は、日本企業にも商機となり得る。ただ、米企業もチャンスを狙っており、「実績」の壁もある。松本さんは「一般的な『技術力の高さ』ではなく、どう役立つかを具体的に示さないと振り向いてもらえない。実績を積むにはどんなことにでも挑戦する人材も必要だ」と指摘する。

 

 ◇高速道路会社

 

 かつて国内の高速道路や有料道路は「日本道路公団」など政府全額出資の特殊法人が建設・管理していたが、借金膨張や談合疑惑などを背景に小泉政権時代の2005年10月に分割民営化。高速道路を保有し建設債務を返済する独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」と、高速道路を運営・管理する「東日本高速道路」「中日本高速道路」「西日本高速道路」などの六つの株式会社が発足した。高速道路会社は料金収入の一部を賃貸料として機構に支払っている。主力の高速道路事業は鉄道や航空との競争激化で、高速各社は収益改善のためサービスエリア運営や道路管理技術の海外展開など関連事業での収入拡大に注力している。【中井正裕】

 

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●「トランプ大統領 高速鉄道建設に意欲…日本勢受注に追い風」

 

毎日新聞2017210 1055(最終更新 210 1136)

http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00e/030/197000c?inb=ys

 

 【ワシントン清水憲司】トランプ米大統領は9日、米航空大手の経営トップとの会合で「昨日ある人が言っていたが、中国や日本に行くと高速鉄道がある。みなさんのビジネスと競争させたいわけではないが、米国にはひとつもない」と述べ、建設に意欲を示した。日本勢は米国内で複数の高速鉄道計画を進めており、トランプ政権下で追い風が吹く可能性が出てきた。

 

 南部テキサス州でJR東海が技術支援する民間主導の新幹線計画があるほか、西部カリフォルニア州でもJR東日本が受注を目指している。このほか、JR東海は日本政府の後押しを受け、東部ワシントン-ニューヨーク-ボストン間の超電導リニア新幹線構想も温めている。

 

 インフラ投資拡大を公約に掲げたトランプ氏だが、具体的なプロジェクトは州政府などと検討している段階。米メディアによると、トランプ氏当選後、政権移行チームや全米知事協会が作成したとされる「優先50リスト」にテキサス州の計画が盛り込まれた。

 

 テキサス州ダラス-ヒューストン間(約400キロ)を約1時間半で結ぶ計画で、総工費は120億ドル(約1.3兆円)。4万人の雇用創出が見込まれる。開発会社「テキサス・セントラル・パートナーズ」は7日、用地の3割を確保したと発表するなど事業の進展をアピールしている。10日の日米首脳会談では、日本企業の米国での投資や雇用が議題になる見通しで、高速鉄道計画が取り上げられる可能性もありそうだ。

 

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●「鉄道輸出 巨額事業費 新幹線、リニアを世界に売り込め」

 

毎日新聞201612 0930(最終更新 12 0930)

https://mainichi.jp/articles/20151229/k00/00m/020/097000c?inb=ys

 

 日本政府は成長戦略の一環として「インフラ輸出」を掲げている。有力な輸出ツールの一つとしているのが鉄道システムで、国土交通省やJR各社などが、各国への売り込みを図っている。

 

 米国のワシントンボルティモア間の約70キロに、JR東海が開発したリニアモーターカーを導入する計画がある。連邦政府から地元メリーランド州へ調査に対する補助金交付が決まっており、JR東海はルート選定などを始める方針だ。

 

 南部テキサス州では、現地の民間企業「テキサス・セントラル・パートナーズ(TCP)」がJR東海の新幹線システムの採用を前提に、ダラスヒューストン間約390キロで高速鉄道を走らせる計画を進めている。2年ほどかけて路線などの詳細設計を行い、2022年の開業を見込む。1兆8000億円にも及ぶとみられる資金調達が課題だが、日本政府やJR東海などインフラ企業の業界団体が出資する「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」が15年11月、TCPに4000万ドル(約48億円)を出資することを決め、計画を後押ししている。

 

 日本の鉄道システムが輸出された代表例は「台湾高速鉄道」だ。新幹線「のぞみ700系」をベースにした車両で台北高雄間(345キロ)を結び、07年から運行している。JR東海とJR西日本が技術支援し、川崎重工業や日立製作所などが車両を納入した。

 

 インドでは昨年12月、西部ムンバイアーメダバード間505キロで日本の新幹線方式採用が決まった。17年着工、23年開業の計画だ。総事業費は9800億ルビー(約1兆8000億円)で、日本政府が約8割の円借款を供与する。インドでは他にも6路線で高速鉄道計画があり、日本は参画を目指す。

 

 ただ、成功ばかりではない。インドネシアの高速鉄道計画では、日本の国土交通省などが首都ジャカルタバンドン間の約140キロで、新幹線方式の高速鉄道を走らせる計画を掲げた。受注は有力とみられていたが、インドネシアは、15年に高速鉄道計画を初めて提示した中国案を採用。日本勢は苦汁をなめた。日本の新幹線は安全面などで高い評価を得ているものの、中国はインドネシア側の財政負担をなくすという破格の条件を提示した。性能よりも条件面が優先された形となった。

 

 新興国では鉄道インフラの建設が相次ぐ。タイでは新幹線導入を前提とした調査が始まっているほか、マレーシアシンガポール間の高速鉄道計画では、日本を含む各国による国際入札になる可能性が高い。【山口知】

 

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(仮)福澤諭吉はフリーメイソンだった [ 石井利明 ]

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 古村治彦です。

 

 今回は2018年の中間選挙で注目の選挙となるテキサス州の連邦上院議員選挙についての記事をご紹介します。現職のテッド・クルズ(共和党)が圧倒的に強いと予想されていますが、民主党の連邦下院議員たちが挑戦するという構図になりそうです。民主党側では、ホアキン・カストロ連邦下院議員、ビトー・オローク連邦下院議員が挑戦するのではないかと予想されています。

 

 世論調査で、クルズ対カストロ、クルズ対オロークという組み合わせで調査が行われ、カストロがクルズを上回り、オロークとクルズが並んでいるという結果が出ました。クルズは昨年の大統領選挙では共和党予備選挙でトランプに敗れましたが、2位になり、次回の大統領選挙の有力候補です。しかし、2018年の連邦上院議員選挙で敗れてしまうと大統領への道が閉ざされてしまいます。

 

 日本で人気も知名度もある政治家が選挙に敗れてしまうことは考えにくいですが、アメリカでは常に自分の政党の予備選挙があって本選挙を戦うことになりますので、現職有利なのは変わりませんが、クルズほどの政治家でも落選の可能性があり、常に緊張感を持つようになります。ここが日本とは全く違うところです。日本では政治家の緊張感が欠けてしまっている現状があり、私たち有権者が甘やかしてしまっていると言えると思います。

 

 民主党は何十年も連邦上院議員の椅子を獲れずに来ていますが、ホアキン・カストロ(1974年生まれ)という若い政治家が出てきて、期待が持てる状況になっています。ホアキン・カストロは民主党の若い世代の代表とも言うべき政治家です。双子の兄弟フリアン・カストロは、サンアントニオ市長を経て、30代の若さでオバマ政権の都市住宅開発長官を務めました。フリアンは昨年の大統領選挙ではヒラリーの副大統領候補になるのではないかと言われていましたが、最終的にはそうなりませんでしたが、これが彼にとっては良い結果になりました。ヒラリーと一緒に沈むことがなくて助かりました。

 

 ホアキン・カストロは、連邦下院内の超党派議員連盟であるジャパン・コーカス、米日友好議員連盟の民主党側の会長を務めています。私は、米日友好議連は日本からの企業進出や投資を誘致しようというグループだと思います。この議連は知日派、日本に関心を持つ連邦下院議員たちが集まって結成したもので、ホアキンは2015年に議連会長の資格で訪日し、安倍晋三首相と会談をしたこともあります。この時に経団連アメリカ委員会とも会談を持ちました。日本の政財界での人脈作りも進めているようです。

 

 ホアキン・カストロはテキサス州、特に自分の地元であるサンアントニオ市への日本企業の進出を推進したいと考えていると思います。テキサス州ではヒューストンとダラス、サンアントニオの大都市で「テキサス・トライアングル」と呼ばれる人口集中地帯を形成していますが、ヒューストンとダラスは経済成長が著しいのですが、サンアントニオは後れを取っています。連邦下院議員は2年に1回の選挙を勝ち抜かねばならず、地元への利益誘導を通じて地盤の強化を図らねばなりません。また、ワシントンDCでは、連邦上院議員(100名)の方が連邦下院議員(435名)よりも格上として扱われます。たとえばワシントンの有名レストランではウェイターは連邦上院議員の顔と名前は覚えますが、連邦下院議員は人数が多く、入れ替えも激しいので顔と名前は覚えていないという話があります。

 

 クルズもうかうかとはしていられません。クルズほどの有名な議員であっても、ぼやっとしていたら落選してしまうという緊張感を持たせるということで、アメリカの有権者の方が日本の有権者よりも民主政治を理解している、その使い方をよく知っていると言えると思います。

 

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世論調査で、民主党のカストロがクルズをリード(Poll shows Texas Dem Castro leading Cruz

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2017年4月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/business-a-lobbying/329445-poll-shows-cruz-losing-to-texas-dem-castro

 

最新の世論調査の結果によると、2018年の連邦上院議員選挙の予想で、連邦下院議員ホアキン・カストロ(テキサス州選出、民主党)が現職の連邦上院議員テッド・クルズ(テキサス州選出、共和党)に対して僅差で勝利するという結果が出た。

 

「テキサス・ライセウム」が水曜日に発表したテキサス州全体での世論調査の結果を発表した。有権者に対して、上院議員選挙でカストロとクルズが戦った場合にどちらに投票するかという調査を行った結果、カストロの支持率は35%、クルズの支持率は31%という結果が出た。

 

クルズと連邦下院議員ベト・オローク(テキサス州選出、民主党)との場合には、30%ずつとなり、同率で並んだ。

 

テキサス州ではこれまでの29年間、民主党が上院議員の座を勝ち取ったことがない。クルズは昨年の大統領選挙の共和党予備選挙でトランプに次いで2位になった。これまで、クルズはテキサスでの支持率が高く、不敗だろうと考えられてきた。

 

今回の世論調査では、トランプ大統領の支持率が下降していることが明らかになった。支持率が42%、不支持率が54%となっている。

 

調査対象者の52%が、アメリカは間違った方向に向かっていると答えた。2016年の調査では63%が間違った方向に向かっていると答えたので、数字は下がっている。

 

テキサス州民は、政党支持の違いで質問に対する答えが正反対になっている。民主党支持者の84%がアメリカは間違った方向に進んでいると答え、一方、共和党支持者の73%がアメリカは正しい方向に進んでいると答えた。

 

今回の世論調査は1000名を対象に、4月3日から9日にかけて実施された。誤差は3.1%だ。

 

先月、オロークは2018年の連邦上院議員選挙で現職クルズに町産するために出馬すると公式に発表した。オロークは民主党側で最初にクルズに挑戦することを表明した人物となった。2018年の連邦上院議員選挙は、共和党有利のテキサス州において、民主、共和両党が激しくぶつかる選挙となると予想されている。カスロトは現在、出馬するか検討中だ。

 

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