古村治彦です。
私はこれまでアメリカ民主党について批判してきた。特に民主党主流派、エスタブリッシュメント、ヒラリー・クリントン一派についてはこのブログでも書いてきた。その際に、「心ある、誠実な」民主党の連邦議員として、トゥルシー・ギャバードについて紹介してきた。このブログの右側にある「記事検索」の下にある四角の欄(□)に「ギャバ―ド」という言葉を入れて検索して欲しい。たくさんの記事が出てくる。
ギャバードは、2016年の米大統領選挙の時期に、民主党全国委員会の副委員長を務めていた。彼女は自身がヒラリー・クリントンに対抗して出馬して、人気を集めていたバーニー・サンダースの応援をするために、筋を通して副委員長を辞任した。この時期、民主党全国委員会は、委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツを中心に、ヒラリー・クリントン当選のために、ヒラリー陣営にアドヴァイスを送ったり、討論会でヒラリーが有利になるように画策したりしていた。そのことが暴露され、ワッサーマン=シュルツは委員長を辞任せざるを得なくなった。民主党は内部が腐敗しきっているのだ。ギャバ―ドはそのことを批判して、堂々と辞任した。そして、2020年には自身が大統領選挙民主党予備選挙に出馬した。
彼女の主張で重要なのは、アメリカ軍の世界各地からの撤退だ。ヒラリーたちが仕掛けてきた世界各地での戦争を批判してきた。それは、彼女自身がハワイ州兵として、イラクとアフガニスタンに派遣されたという経験があるからだ。彼女の戦争を批判する言葉は経験に裏打ちされて重たい。
その後、ギャバードは民主党を離党して無所属となった。保守系のFOXニューズに出演して、古巣の民主党を厳しく批判してきた。それは、彼女自身が古き良き民主党を思慕するが故の行動だ。そして、今回の大統領選挙運動終盤に来て、ついに共和党入党ということになった。ヒラリーや主流派を支持できない民主党支持者や民主党員も多いと思うが、ギャバードのこの決断は大きな影響を持つだろう。
(貼り付けはじめ)
トゥルシー・ギャバ―ドがノースカロライナ州でのトランプの選挙集会で共和党に参加すると発言(Tulsi
Gabbard says she’s joining the GOP at Trump rally in North Carolina)
サラ・フォーティンスキー筆
2024年10月22日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4948241-tulsi-gabbard-joining-gop-trump-rally-in-north-carolina/
グリーンズボロ・コロシアムでの選挙集会で共和党の大統領候補者ドナルド・トランプ前大統領が民主党所属の元連邦下院議員トゥルシー・ギャバ―ドとハグをしている(2024年10月22日)
民主党所属の連邦下院議員を務めたトゥルシー・ギャバード(ハワイ州選出)は火曜日、共和党への入党を表明し、わずか4年前に大統領候補を目指した党からの離脱を決めた。
ギャバードは、8月に2024年大統領選挙でトランプ前大統領を支持すると表明したが、トランプ前大統領の集会でこの発表を行った。
「我が国への愛と、とりわけトランプ大統領が共和党を変革し、国民の党、平和の党に戻すためにもたらしたリーダーシップのおかげで、私は今日、トランプ大統領とともにここに立ち、共和党への入党を発表できることを誇りに思う」とギャバードは集会のステージで、トランプ大統領の数メートル後方で語った。
選挙集会の聴衆たちは盛大な拍手で応え、トランプも笑顔で拍手を送った。
「私は人民の党、平等の党、この国で奴隷制と闘い、奴隷制を終わらせるために設立された共和党に加わる。常識の党であり、平和のために戦う勇気と強さを持った大統領が率いる党だ」とギャバードは続けた。
ギャバードは2020年に再び連邦下院議員選挙に立候補せず、混迷した民主党予備選挙に参加することを選択し、その結果としてバイデン大統領が指名を勝ち取り、最終的には大統領の座に就いた。
ギャバードは中東地域で2度任務に就いたハワイ州兵の退役軍人で、長年にわたり民主党政権、特に中東地域での戦争へのアメリカの関与を批判してきた。
ギャバードは、トランプが2019年に初めて弾劾された際、民主党で唯一「出席した上での棄権(present)」に投票した。2016年の大統領選挙ではバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出)を支持し、2020年には最終的にバイデンを支持した。
ギャバードは2年後に民主党を離党し、無所属となった。彼女は著名な共和党所属の議員たちの選挙運動を続け、保守系メディアのコメンテーターとしても頻繁にメディアに登場している。
(貼り付け終わり)
(終わり)

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