古村治彦です。
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石破茂首相の退陣報道が出た。今日は、ドナルド・トランプ大統領がSNSで日本と関税15%で合意、米や自動車の市場開放、日本の対米投資5500億ドル(約80兆円)で雇用創出という内容を発表した。この内容ならば、先日の参議院選挙の投開票日前にでも発表出来るではないかと思うが、石破政権、特に赤澤亮正経済再生担当大臣の粘り腰の交渉が実を結んだということになるだろう。合意内容に不満はあるだろうが、石破政権だからこそ手にできた成果でもある。これが対米隷属の旧清和会系の首相だったら、条件闘争はほぼできなかっただろう。このように、日本国民の利益のために、世界覇権国と交渉できる指導者こそが愛国者(patriot)であり、ナショナリスト(nationalist)だ。石破茂首相が敬愛する石橋湛山元首相はまさにそうだ。
昨日、村上誠一郎総務大臣が記者会見で、「旧統一教会との関係など『自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか』と指摘し、『今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか』と述べ」たということだ。きわめて正常な見識である。村上大臣は、記者会見場で涙を浮かべていたということだが、これは、石破首相の退陣の決意を聞いていたのだろうと推察される。
自民党保守本流の総理大臣がまた職を辞する。国民は刺激のない、面白みのない総理大臣を使い捨てる。つまらない、人気がない、問題を即座に解決することができないということを理由にして。何度も書いているが、「大国を治むるは小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとくす」(国家を治めるには小さい魚を煮るようにする)が保守本流の真骨頂だ。退屈で苦しい日常が続き、大きな変化はない。しかし、それこそが貴重なのだ。大きな変化は危険だ。漸進的に、少しずつこそが理想だ。理想を性急に手に入れようとして、人類はどれだけの失敗をしてきたか、そのことを知っているのが保守だ。最近の言葉で言えば、それは「ショック・ドクトリン」でもある。そして、退屈で平凡な日常を過ごす力を「教養」という。物事をたくさん知っているとか、試験の出来が良かった、学歴が高いということが、教養があるとか、知性があるということではない。日本は保守と教養が衰えた国家だ。そして、この衰退はこれからも続くだろう。石破茂の師でもあった田中角栄の「必要なのは学歴ではなく学問だよ。学歴は過去の栄光。学問は現在に生きている」「いくら死にたくなくても、人間は必ず灰になる。ところが人間でも植物でも、生物は劣性遺伝なんだ。働かない、勉強しない奴は親よりバカになる」という言葉を拳拳服膺したい。
統一教会やキリストの幕屋というような危険な考えを持つカルトとつながっていた自民党保守傍流・旧清和会、故安倍晋三元首相勢力、参政党の蠢動によって、日本政治は危険な状況に追い込まれる。高市早苗代議士を総理総裁にすることは日本滅亡への第一歩だ。しかし、そのシナリオはかなり明確に見える。参政党、国民民主党が連立、もしくは閣外協力で高市早苗政権を誕生させ、憲法改悪、国内の不満を逸らすために、外国人排斥、対中強硬姿勢からの最悪の日中衝突が見えてしまう。アメリカの対中強硬派はそのように画策するだろう。そのことを防ぐ必要がある。
失われた30年間のうちの9割は自民党が政権を保持していた。その9割の内の約32%、3分の1弱は安倍晋三元首相が政権を担ってきた。不思議なことに、安倍晋三元首相を敬愛している人々は、安倍政権時代にはそうは言わなかったのに、急に「失われた30年」という言葉を使い始めている。そのうちの多くを安倍晋三元首相が政権を担っていたのだが。年数にして約9年、安倍首相だったのだ。安倍首相に全く責任がないかのように、そして、現在の多くの問題が、石破茂首相が引き起こしたかのように非難をしている。敢えて言うならば、故安倍晋三元首相と彼が象徴となっている、祖父岸信介元首相から戦後政治の負の部分が問題の根本だ。
私たちは賢くならねばならない。戦略的に動かねばならない。最悪のシナリオを避けるために、一般国民にできることは少ないかもしれない。しかし、何もできないということはないし、何もしないというのは座して死を待つのと同じだ。現在は情報化社会である(もう既に古臭い言葉になっている)。まずは自分が居住している選挙区の自民党議員を調べてみる。もしこの議員が保守傍流(旧安倍派・麻生派・二階派など)に参加し、石破降ろしをやっている政治家なら投票しない、保守本流系でまともな考えならば投票する。比例は自民党、維新・国民民主・参政のゆ党以外に投票する(公明党に投票することは考慮する)ということをしてみるというのは、既に多くの方々が行っているだろうが、どうだろうかと考える。最悪を避けるための戦略的投票について、SNSを通じての洗練が望まれるところだ。
戦後80年が戦後100年、戦後200年と続き、日本が緩やかな衰退の道を進みながら、何とか平穏に暮らしていけるようにと願うばかりだ。石破首相退陣報道を受けて、書き散らしになってしまったが、雑感を書き残しておく。
(貼り付けはじめ)
●「石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ」
毎日新聞 7/23(水) 11:17配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/81483105d5094d1b717f392d166ec6dd932287fd
石破茂首相は23日、自民党が8月にまとめる参院選の総括を踏まえ、同月までに退陣を表明する意向を固め、周辺に伝えた。首相は同日、自民党の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相と会談し、自らの進退を巡り協議するとみられる。
ただ、参院選大敗直後に続投の意向を表明した首相に対し、党内から退陣要求や批判の声が高まっているため、判断時期が前後する可能性もある。
首相に対しては、各地の地方組織が退陣や党の体制刷新を求める他、中堅・若手議員からは党大会に次ぐ意思決定機関「両院議員総会」を開催し、総裁選の前倒しの議決を求める声も出ている。
こうした状況を踏まえ、首相は麻生氏ら首相経験者3人と意見を交わし、理解を求めたい考えだ。現職首相が首相経験者と一堂に会するのは異例。政府関係者は「石破首相が3人に頭を下げるスタンスだ」と話す。
党執行部は当初31日の開催を予定していた両院議員懇談会を29日にも前倒しし、参院選の総括を開始する。8月に総括をまとめた後、執行部として責任のあり方を判断する方向だ。木原誠二選対委員長は検証・総括を終えた段階で辞任する意向を示しており、党総裁である首相の進退も判断することになる。政権幹部は「総括が出れば、執行部は責任についてしっかりと判断しないといけない」と話した。
首相が今月中に退陣した場合、来月に召集予定の臨時国会で首相指名選挙が行われるが、少数与党の状況では自民党総裁が首相になれる保証はない。首相指名を巡り野党と協議する時間を確保するため、退陣する場合は来月以降の表明を検討している。
首相は23日、続投理由の一つに挙げていた日米関税交渉が合意に至ったことが進退に与える影響について、「合意の内容をよく精査をしなければ申し上げることはできない」と首相官邸で記者団に語った。
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●「最側近閣僚ら涙ながらに「石破総理個人の責任か」 「支えていきたい」村上総務大臣」
7/22(火) 17:01配信 テレビ朝日系(ANN)All Nippon NewsNetwork(ANN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/99c41b7587e157e1e187c770859f9c6c9f98caa5?source=sns&dv=sp&mid=other&date=20250722&ctg=dom&bt=tw_up
参議院選挙での大敗を巡り石破総理大臣に近い村上総務大臣は涙ながらに「支えていく」などと述べました。
村上総務大臣
「確かに選挙の結果がこうなるとね、皆さんの不満は本当によく分かります。だけど今までの色んな負の遺産を背負いながらね、やっぱりここまでやってきたっていうことに対してはね、私は石破さんだからここまでやってこられたというふうに心底、思っているので、私はできる限り一生懸命、支えていきたいとそういうふうに考えています」
村上大臣は旧統一教会との関係など「自民党が数十年やってきた問題が今回、噴出したのではないか」と指摘し、「今回の結果が本当に石破さん個人の責任なのか」と述べました。
岩屋外務大臣
「ここは言ってみれば進むも地獄、退くも地獄ということでございますけれども、国家国民のために前に進んでいかなければならないというふうに考えている」
また、岩屋大臣はアメリカとの関税協議での合意に向けて「国内の政治基盤が極めて不安定に映ることは決して交渉にプラスに作用しない」「足元をみられないよう、今こそ一致結束が必要だ」と強調しました。
村上大臣、岩屋大臣、そして中谷防衛大臣ら石破内閣を支える総理最側近のメンバーは参院選投開票の前夜に集まり、与党が過半数割れしても石破総理を支えることで一致し、続投を促していたということです。
(貼り付け終わり)
(終わり)

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』




