古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:トランプ革命

 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ大統領が2025年12月に発表した「国家安全保障戦略(National Security StrategyNSS)」は、アメリカによるヴェネズエラ攻撃が実施されたことで、注目度を増している。この文書にはアメリカの「西半球回帰」、モンロー主義(ヤンキー帝国主義)への回帰が明らかになった。第二次トランプ政権の外交政策が「国家安全保障戦略」を基盤にして進むとすれば、この文書に注目するのは当然のことだ。

 「国家安全保障戦略」において、トランプ政権はヨーロッパの「文明の消失(civilizational erasure)」を危惧している。トランプ政権が考える「ヨーロッパ文明」は「白人文明」であある。非白人、非キリスト教徒の移民を多く受け入れることでヨーロッパらしさがなくなっているということである。また、ヨーロッパが安全保障分野において、アメリカに「ただ乗り(free-ride)」をしているという批判も継続している。更には、厳しい規制のために創造性と工業力が低下したために経済力の低下も起きているという指摘もしている。NATO加盟諸国は防衛費の対GDP比を5%(そのうちの1.5%はインフラ整備)にまで引き上げるとしている。アメリカ(トランプ政権)はヨーロッパに対して、移民を制限し、防衛費の増額を求めている。アメリカはヨーロッパに対して厳しい要求を突きつける形で介入をしている。

 こうした中で、ヴェネズエラ攻撃が発生した。また、トランプ大統領自身からグリーンランドについての言及もあった。ヨーロッパ諸国は対応に苦慮している。ヴェネズエラ攻撃に関しては主語を曖昧にして、「国際法は遵守されるべき」と生ぬるい対応をしていれば良いが、グリーンランドで何か起きれば、そうも言っていられない。ヨーロッパ諸国のほぼ全てがNATOに加盟し、集団的自衛権の義務を負う。アメリカ軍がグリーンランドに侵入すれば、当事国デンマークと共にアメリカ軍の排除に出動しなければならない。対ソ連(現在は対ロシア)の防衛同盟であったはずのNATOという枠組みで、そのリーダーであるアメリカが脅威となるという異常事態である。

 トランプのアイソレイショニズム(Isolationism)は、アメリカを国内に戻すということではなかった。世界の警察官(World Police)の役割を放棄して、自身が切り取り強盗になるということであった。そして、全ては「アメリカ・ファースト」という言葉をお題目にして、正当化するというものであった。私は「国家安全保障戦略」を読んで、「何でもアメリカ・ファーストと言えば万事OK、全てがうまくいくと思っているな」という感想を持った。「アメリカ・ファースト」は「世界の諸問題ではなく、アメリカ国内の諸問題を解決することを優先する」ということであったはずだ。トランプ本人が「トランプ革命」を裏切った。いつの時代も革命の指導者が革命を裏切るものであるがそれが世の習いというものだろうか。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプ大統領の「国家安全保障戦略」は西側諸国の崩壊に向けた青写真だ(Trump’s National Security Strategy Is a Blueprint for the Demise of the West

-ホワイトハウスの政策は一貫性に欠けるかもしれないが極めて危険だ。

ハワード・フレンチ筆

2025年12月11日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/12/11/trump-national-security-strategy-blueprint-west-demise/

かつて、アメリカの著名な保守派の人物たちは、西ヨーロッパの同盟諸国に対する数々の使い古された不満に固執していた。

冷戦期のアメリカのイデオローグたちによれば、ヨーロッパ諸国は過剰な税金を課し、その資金を過度に手厚い社会保障制度に費やし、それがヨーロッパを弱体化させ、技術革新と成長を阻害しているという。ヨーロッパは、かつて資本主義の砦であった自由で競争的な市場の精神を放棄し、着実に、しかし幾分静かに、社会主義の行き詰まりへと突き進んでいるという警告が頻繁に発せられた。

少なくともリチャード・ニクソン大統領の政権時代まで遡る、もう一つの定型的な不満は、ヨーロッパが慢性的に自国の防衛費を不足させているというものだ。これは、ヨーロッパ、ひいては西側諸国自身を、最大の存亡の危機であるソ連から守るために設計された、アメリカによる国防総省への多額の支出(予算)にただ乗り(free riding)しているだけなのだ。

ヨーロッパに対するこうした古くからの不満の一部、例えばヨーロッパ大陸の防衛費が倹約的だとされる点などは、ドナルド・トランプ米大統領政権が先週発表した新たな国家安全保障戦略にも依然として残っている。しかし、多くの評論家たちが指摘するように、この文書は共和党の世界観を数十年ぶりに抜本的に刷新するものだ。ヨーロッパに関する主要な前提に関して言えば、ほぼ全てが、近年の共和党の主要人物―ニクソン元大統領、ロナルド・レーガン大統領、そしておそらく1964年の大統領選挙で落選した超保守派のバリー・ゴールドウォーターでさえも―が認識できないほどに歪められている。

ロシアがアメリカとヨーロッパにとって共通の安全保障上の大きな懸念事項であるという前提は、ほぼ完全に消え去った。これは主に省略や行間から読み取れる情報を通して明らかだが、トランプ大統領が今年、アメリカの外交政策をモスクワに有利な方向に転換しようとした数々の行動からも見て取れる。そして、このことを最もよく表しているのはロシア自身だ。ロシアは、ワシントンの方針転換の中で、自らの幸運を信じられないかもしれない。ロシアのメディアは即座に、ワシントンの「国家安全保障戦略」はロシア自身の世界観と概ね一致していると断言した。

ウクライナで進行中の戦争が2022年のロシア侵攻によるものでなければ、これは別問題だろう。しかし、トランプ政権の安全保障関係者たちがロシアの拡張主義に関心を示していないという事実は、トランプとその顧問たちがまだ明確に表明する勇気も率直さも持ち合わせていない、真に急進的な何かを示唆している。

誤解のないようにしよう。ホワイトハウスの新たな戦略文書は、西洋―少なくとも第二次世界大戦以降、世界が西洋という言葉で理解してきたもの―の崩壊を企てる青写真であり、その出発点は、ヨーロッパとアメリカの間に緊密に結びついた共通の利益である。

トランプのシナリオは、名目上は白人社会が有色人種、つまりかつて熱狂的な白人パニック小説のジャンルを席巻した黒人、褐色人種、黄色人種の大群によって徐々に乗っ取られていくという暗い幻想を描いている。これは、1920年代の人気作家ロトロップ・ストッダードのような人物に最もよく例えられる。ストッダードは、影響力のある著書『白人の世界至上主義に抗う有色人種の高まる潮流(The Rising Tide of Color Against White World-Supremacy)』の中で、「有色人種の移民は普遍的な危機であり、白人世界のあらゆる部分を脅かす(colored migration is a universal peril, menacing every part of the white world)」と記している。(ストッダードへの薄っぺらな言及は、20世紀で最も高く評価されているアメリカ小説の一つ、F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)』にも見受けられる。)

一方、トランプの「国家安全保障戦略」は、移民によってヨーロッパはもはやヨーロッパではなくなる危機に瀕しており、それは明らかに白人によって定義されることを意味すると警告している。これがこれほど重要な文書に含まれるに値する理由は、トランプにとって、アメリカとヨーロッパが共に「白人のままでいる(“remain” white)」ことが、緊密な同盟関係を維持するための根本条件だからだと直感的に理解できる。言い換えれば、トランプにとって、白人であることへのこだわりを維持することは、長きにわたり普遍的かつ疑問の余地なく用いられてきた「西洋(the West)」という呼称に値し続けるための条件なのだ。

アメリカ政府の白人性への執着は憂慮すべきものだが、トランプ政権の政策に少しでも一貫性があると想像するのは間違いだろう。非白人移民の流入が主な原因でヨーロッパがそのアイデンティティを失う危険に晒されていると警告するトランプの発言には、あまりにも明白な論理的欠陥があり、問題となっているのは人種問題だけではない、むしろ根底には、おそらくもっと深刻な別の問題が潜んでいることを示唆している。

この欠陥は、アメリカの移民率をヨーロッパの主要国や最も裕福な国々の移民率と比較すると明らかになる。そうすることで、ヨーロッパがこの点で際立っているわけではないことが分かる。

ドイツの人口の約19%は移民であり、これは米国の15%をわずかに上回っている。これは、アンゲラ・メルケル首相時代にドイツの人口減少を冷静に評価した結果と言えるだろう。メルケル首相の在任中、ドイツは中東の破綻国家シリアから数十万人の人々を受け入れた。これほど多くの新規移民を受け入れるには、必然的に文化的な適応が必要となり、受け入れ側の住民と移民の双方にストレスをもたらす。しかし、多くのドイツ有権者が少なくとも一時的には大規模な移民受け入れに反対しているとはいえ、シリア人などの流入が、ドイツの深刻な人口減少、高齢化、そしてそれに伴う労働力不足(crisis of population decline, aging, and the associated problem of too few workers)という危機を食い止めることができれば、歴史はメルケル首相の政策を寛大に評価することになるかもしれない。

ヨーロッパの他の二大大国フランスとイギリスの外国生まれの人口は、それぞれ全人口の約14%と16%で、アメリカ合衆国とほぼ同程度だ。挙げた3つの例のいずれも統計的に例外的な数値ではないという事実は、ヨーロッパが自らの人種的抹消に向かって急速に進んでいるというトランプの見解を明確に反証している。そして、はっきり言って、アメリカ合衆国もそうではない。

ヨーロッパの国防費に対するアメリカの不満も同様に根拠に乏しい。『ワシントン・ポスト』紙の最近の論説が指摘したように、アメリカ合衆国はヨーロッパ諸国に対し、GDPの5%を国防費に充てることを要求しているにもかかわらず、2025年度にGDPの3%を国防費に充てるという基準をかろうじて上回る見通しだ。

ヨーロッパが何らかの形でアメリカの先導に従うべきだという考えは、ヨーロッパの生活水準がトランプ政権下のアメリカよりも高いという現実、そして今日多くのヨーロッパ諸国が、大西洋を挟んだ新たな曖昧な長年の同盟国であるアメリカよりも、より活気に満ちた民主政体国家であると広く認識されているという事実によっても裏付けられていない。

何が起こっているのかをより深く理解するには、トランプが2016年の政権獲得当初、外国人嫌悪と人種・民族に基づく脅しを主要な戦術として用いたことを思い出す必要がある。アイデンティティ問題で多数の有権者を煽動することは、支持を集める確実な手段であるだけでなく、近年のいかなる前例からも大きく逸脱する彼の政策要素から目を逸らす効果的な手段でもあった。

これは、トランプのヨーロッパに対する真の狙いを示唆しているように思われる。それは、より大規模で広範な急進的な保守政策を支持することであり、人種に基づくナショナリズムはその槍の先ではあるものの、単なる一要素に過ぎない。

事実、トランプ自身も、国家安全保障声明において、ヨーロッパにおける極右政党の推進に対するワシントンの関心を表明することで、このことを自ら明らかにしたのだ(不器用な表現だと言いたいところだが)。トランプが人種的排外主義に訴えたことは、ヨーロッパの論評家たちから困惑と憤りを招いたが、それほど驚くことではなかった。なぜなら、これらは既に長らく彼の国内政治の中核を成していたからである。

トランプはこれまでもヨーロッパ諸国の国内政治に介入しようと試みてきたが、これほど大胆な介入はかつてなかった。ヨーロッパ大陸の極右勢力への全面的な協力を明確かつ公式に表明したのだ。極右勢力の政党の多くは、反ユダヤ主義に加担し、ファシズムに影響を受けている。このような大胆な介入は、ヨーロッパの多くの方面から激しい抗議を引き起こしている。

もしトランプがこれほどまでに急進的な政治転換に基づく政策を実行に移すならば、そして何よりも、非常に過激な見解を声高に推進してきたJD・ヴァンス副大統領のような人物が後継者となるならば、こうした展開は単なる白人性の強調にとどまらず、古い西洋の終焉を正式にもたらすことになるだろう。

アメリカ独立戦争中、ベンジャミン・フランクリンは「私たちは私たち自身の自由を守ることで、彼ら(ヨーロッパ人)の自由のために戦っているのだ」と述べ、フランスなどのヨーロッパ列強に支援を訴えた。

もちろん、西側諸国の民主政体の記録には欠点がつきものだ。しかし、自由を中心とする共通の価値観というこの理念こそが、アメリカとヨーロッパ諸国の同盟関係を支えてきた核心であり続けた。トランプがこれまで以上に露骨に権威主義(authoritarianism)を信奉する中、アメリカがこの価値観から乖離していることこそが、世界が「西側(the West)」と呼ぶものの常識を最終的に覆す可能性がある。

もしフランクリンが今日生きていたら、彼は自分の定式を逆転させ、「ヨーロッパ人は私たちの自由を守ることで、アメリカ人が自らの自由を守るよう鼓舞することを望んでいる」と表現したかもしれない。

※ハワード・フレンチ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授。長年海外特派員を務めた。最新作に『第二の解放:エンクルマ、汎アフリカ主義、そして最高潮の世界的な黒人性(The Second Emancipation: Nkrumah, Pan-Africanism, and Global Blackness at High Tide)』がある。Blueskyアカウント:@hofrench.bsky.socialXアカウント:@hofrench

(貼り付け終わり)

(終わり)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」「MAGA」「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンと共にドナルド・トランプは大統領にまで駆け上がった。一敗地に塗れても再び、捲土重来で大統領に返り咲いた。それは、アメリカの有権者たちの意思がそこにあったからだ。「アメリカはもう世界の警察官を辞めて国内優先に戻ろう」「他国に攻め入るのや止めよう」という、生活に疲れたアメリカの有権者たちの叫びがトランプ大統領を生み出したのだ。これは、ポピュリズム(既存の政治やエリートたちに対する異議申し立て)の勝利であった。そして、トランプ革命は実現するはずだった。

しかし、現在、トランプ革命は進んでいない。既存のエリートたちに対する最大の攻撃材料であるエプスタイン文書は日本の戦後の教科書の如く黒塗りとなった。国内の物価高は依然として続いている。2025年4月に高関税政策を打ち出したが、その後はかなり後退している。こうした国内政策の不調をごまかすために外国の問題に首を突っ込むという常套手段をトランプもまた選択した。

 トランプを支持した有権者の間でも支持と不支持が分かれるだろう。トランプ個人を支持する人々は今回のヴェネズエラ攻撃も支持するだろう。しかし、トランプの主張した「アメリカを再び偉大に」「アメリカ・ファースト」の考えを支持する人々にとっては、今回の攻撃は受け入れられない。「海外に軍隊を出さないと言ったではないか」ということになる。これに「エプスタイン文書もなんだか訳の分からない形で形だけ公開しただけだ」という不満も重なれば、トランプに対する不満も高まることになる。

 「トランプが三期目を目指す」という話もあった。アメリカの大統領職は2期8年しかできないと憲法の規定でなっている。それを覆すという話もあったが、自身の熱心な支持基盤であるMAGA有権者たちの間で分裂が起きてしまえばそれも沙汰やみということになるだろう。トランプが次の選挙に出ないということになれば、トランプはやりたい放題だ。後は野となれ山となれである。トランプ自身がトランプ革命の主導者でありながら、トランプ革命を崩壊に導くということになる。裏切られたトランプ革命で2026年の年が明けたということになる。世界は不安定さを増し、アメリカの衰退とドル離れは促進される。この現実を私たちは重く受け止めばならない。

(貼り付けはじめ)

ドナルド・トランプがヴェネズエラ体制転換に可能性を残す中でMAGA層に分裂が生じる(MAGA divide emerges as Trump leaves door ajar to regime change in Venezuela

アル・ウィーヴァー筆

2026年1月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/5673779-conservative-concerns-trump-venezuela/

ドナルド・トランプ大統領がヴェネズエラへの地上部隊派遣と政権交代の可能性を残した決定は、保守派からは冷ややかな受け止められ方をしている。彼らは、トランプ大統領が「永遠の戦争(forever wars)」を終わらせ、外国紛争に介入しないという重要な選挙公約を危険に晒していると警告している。

トランプ大統領は長年にわたり、中東地域における長期にわたる紛争を招いたジョージ・W・ブッシュ政権の政策を激しく非難し、「アメリカ・ファースト(America First)」運動を標榜してきた。

しかし、トランプ大統領の評価はここ数カ月で低下しており、その筆頭は週末の出来事、そしてさらに重要なのは、トランプ大統領が適切な政権移行が行われるまでこの南アメリカの国を「統治(run)」する計画を打ち出した後の今後の展開である。

トランプ大統領の元ホワイトハウス補佐官スティーヴ・バノンは月曜日のポッドキャスト番組「ウォー・ルーム」で次のように述べた。「MAGAはトランプ大統領と精緻な軍事作戦、そしてマドゥロのマドゥロを全面的に支持した。彼を捕まえて裁判にかけたい?  捕まえて裁判にかけろ。人々がここで懸念しているより大きな問題は、トランプ大統領が『私たちは地上部隊を派遣する(Hey, we’re going to do boots on the ground)』と発言し、昨夜は『国家を再建する(We’re going to rebuild the country)』と発言したことだ」。

バノンはさらに、マドゥロがブルックリンのメトロポリタン拘置所から周辺地域を通って移送される様子を捉えた写真や動画を多数挙げ、皮肉を込めて「素晴らしい(lovely)」と評した。

バノンは「マドゥロがブルックリンの拘置所からブルックリンの美しい土地、そしておそらくブロンクスの一部を通って移送された時、アメリカはカラカスよりもひどい状況に見えた。おそらく、アメリカにも焦点を当てるべきだろう」と述べた。

トランプ大統領の発言は週末の様々な時点で行われ、当局は徐々に撤回し、そのようなことは何も起こっていないと主張した。

マルコ・ルビオ国務長官は日曜日のインタヴューで、現在、アメリカ軍はヴェネズエラに駐留していないと述べた。

しかしながら、トランプ大統領は、依然として異なる調子で歌い続けている。MAGA支持層の一部を警戒させた最初の発言は、石油産業を維持するためにヴェネズエラに軍隊を残留させる可能性のある計画に焦点を当てたものだった。

トランプ大統領は記者団に対して、「私たちは石油インフラを再建する。私たちはそれを適切に運営し、ヴェネズエラ国民の安全を確保する」と述べた。

週末後半には、かつてマドゥロ大統領が率いていたヴェネズエラの将来に対する懸念も一蹴した。

トランプ大統領は『アトランティック』誌のインタヴューで次のように語った。「あの国の再建や政権交代、何と呼ぼうと、今の状況よりはましだ。これ以上悪くなることはない」。

一連の発言は、複数のMAGAの主要な支持者を動揺させている。その中には、アフガニスタンとイラクでの長年の戦争を背景に成人した若者たちも含まれる。

彼らの目には、ヴェネズエラで起こっていることは、彼らが支持してきたことではないということになる。

「ヴェネズエラは、シリア、アフガニスタン、イラクが『解放された(liberated)』ように『解放』された」と右派の論客キャンディス・オーエンズは週末、ソーシャルプラットフォームXに投稿し、「CIAは『グローバリストのサイコパス(globalist psychopaths)』の命令で、またしても国家の敵対的乗っ取り(hostile takeover of a country)を企てた」と述べた。

トランプ大統領と彼のティームによる対外行動への反応として、こうした議論が巻き起こったのは今回が初めてではない。6月にアメリカがイランの核施設への攻撃を開始した際も、多くの著名な保守派連邦議員たちが同様の懸念を表明した。トランプ大統領は、この敵対国の体制改革について同様の見解を示した。

しかし、マドゥロ大統領の拘束とヴェネズエラ政府の不透明な将来が、事態をさらに悪化させている。かつてはMAGAの正会員だったものの、トランプ大統領の支持基盤から排除されたマージョリー・テイラー・グリーン前連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)は、今回の動きをロシアによるウクライナ侵攻や中国による台湾併合の可能性になぞらえた。

グリーン前議員は週末、「政権交代、外国の戦争への資金提供、そしてアメリカ人の税金が外国の活動、国内外の外国人、そして外国政府に流れ続ける一方で、生活費、住宅費、医療費の高騰に直面し、税金の詐欺や不正利用について知ることに対し、ほとんどのアメリカ人が激怒している。特に若い世代はそうだ」と語った。

グリーン前議員は続けて、「アメリカ国民が、アメリカ政府による終わりなき軍事侵略と外国戦争への支援(our own government’s never ending military aggression and support of foreign wars)に嫌悪感を抱くのは正しい。なぜなら、私たちはその費用を負担せざるを得ず、共和党も民主党も常にワシントンの軍事機構に資金を提供し、活動させているからだ。MAGAの多くのメンバーは、これを終わらせるために投票したと考えている。しかし、それは全くの間違いだった」と述べた。

しかし、MAGA傘下の他の人々は、今後起こりうる事態について公に不満を表明している人々は、不必要にそうしていると主張している。

彼らは、政権の行動は限定的であり、トランプの発言にもかかわらず、長期にわたる政権交代への懸念は単なる雑音に過ぎないと主張している。

トランプの有力な支持者であるエリック・シュミット連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)は次のように述べた。「現代においておそらく最も複雑で秘密裏に行われた任務を遂行した際、私たちは約5時間にわたり地上部隊を派遣した。皆さんが目にしているのは、アメリカ国民を守るために、この半球(西半球)における適切な権限がより一層行使されているということだと考える」。

他の人々の目には、この動きはMAGA全体に広く反響を呼ぶだろう。その理由は単純だ。

トランプ政権に近いある情報筋は、MAGAのアイソレイショニスト派を「声高な少数派(loud minority)」として軽視し次のように語った。「結局のところ、MAGAにとって重要なのは勝利だ。これは、アメリカ合衆国を善の力、つまり、badaとして強化することだ。もし採掘が失敗していたら、私たちは別の話をしていただろう」。

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(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

 2025年1月2日に発生したアメリカによるヴェネズエラ攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束連行はドナルド・トランプ米大統領の決定によってなされた。2026年初頭に世界は衝撃を受けた。年末に価格を下げた金銀プラチナはまた価格上昇に転じるだろう。「有事の金」「ドル離れ」ということになるだろう。

 南アメリカは基本的に地域内で大きな紛争案件を抱えておらず、比較的安定した地域だった。そこに今回の出来事が起きた。南アメリカ諸国は自国の安全保障について、具体的にはアメリカからの攻撃を想定しなければならなくなった。南アメリカ諸国はアメリカの「裏庭」にされ、始原を収奪されてきた歴史がある。「モンロー主義」とはアメリカの帝国主義宣言である。今回の出来事は「ヤンキー帝国主義」の復活ということになる。これは南アメリカ諸国を不安に陥れることになる。

南アメリカの大国はブラジルだ。ブラジルはBRICSの創設メンバー国であり、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領はドルの基軸通貨の地位について疑義を呈している。アメリカにとっては厄介な存在である。しかし、ブラジルはGDPで世界10位、約2兆1800億ドル(約338兆円)の大国である。南米で次に来るのは、アルゼンチンで世界24位、6370億ドル(約98兆7000億円)である。ブラジルは相当な危機感を持っているだろう。ブラジルはどのような行動を取るかであるが、アメリカにべったりになるということはなく、BRICSの枠組みに傾きながら、アメリカに対抗するということになる。バランシングを行うということになる。

私は、南アメリカや西側以外の国々で、「中国やロシアの軍隊をアメリカ軍よけに駐留させる」という選択をする国が出てくるのではないかと考えている。これは極端であるが、アメリカ軍は手ごわい相手とは戦う意図はない。それならば、自国内に中国軍やロシア軍がいれば攻撃を躊躇すると考える国も出てくるのではないかと考える。もちろん、中露両国はそのような申し出を拒絶するだろう。そのような危険な行動を取ることはできない。しかし、西側以外の国々はアメリカの攻撃を恐れて、中露両国に傾倒することになる。ドナルド・トランプ大統領はグリーンランドを狙う態度を示しているが、NATOは集団的自衛権の同盟であるため、アメリカ軍がグリーンランドに侵入するとなれば、カナダからヨーロッパ諸国、トルコまで、アメリカ軍の排除に動かねばならない。それができなければNATOの枠組みは崩壊する。そうなれば、NATO加盟諸国から中露に近づく国も出てくるだろう。

 アメリカ一辺倒の不具合が2026年になって表面化してきた。日本もまたこの事態について真剣に考慮しなければならない。

(貼り付けはじめ)

南アメリカの戦略的転換(A Strategic Break for South America

-ニコラス・マドゥロ大統領の逮捕を受けて、南アメリカ大陸各国政府は抑止力と自治に関する厄介な問題に直面している。

オリヴァー・ストゥエンケル筆

2026年1月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/01/03/venezuela-us-trump-maduro-defense-regime-change/

columbiaarmyvenezuelaincident20260102001

1月3日、アメリカがヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領逮捕作戦を開始した後、コロンビア軍がククタにあるヴェネズエラとの国境検問所を監視する。

土曜日の早朝、ドナルド・トランプ米大統領は、アメリカがヴェネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領と夫人を拘束したと発表した。この出来事の歴史的意義はいくら強調してもしすぎることはない。

マドゥロ大統領の破滅的な統治、あるいはトランプ大統領が表明した「ヴェネズエラを統治し、その石油埋蔵量を支配する」という目標について、人々がどう考えるかは別として、南アメリカのある国家の政府に対してアメリカが公然と軍事力を行使したことは、この地域における前例のない重大な断絶(rupture)となる。その影響はヴェネズエラ国内だけにとどまらないだろう。

多くのアナリストたちは、ヴェネズエラに対するアメリカの軍事攻撃を、1989年のパナマ以来の、南アメリカにおける初めての直接的なアメリカの軍事介入だと評している。しかし、その見方は、カラカスで起こった出来事の重要性を過小評価している。南アメリカは単一の戦略的空間ではない。南アメリカと中央アメリカの諸国間の結びつきは限定的な場合もある。

トランプ政権によるマドゥロ政権転覆は、アメリカがある南アメリカの国家の政府に対し政権交代を目的として公然と軍事攻撃を仕掛けた初めての事例である(冷戦期にはワシントンが大陸内の複数の独裁政権を密かに支援していた)。国家間戦争がほぼ存在せず、世界で最もリスクの低い地政学的領域の1つであることを長年誇りとしてきたこの地域にとって、マドゥロの追い落としは分水嶺となる瞬間(a watershed moment)である。

ブラジルやチリといった南アメリカ諸国にとって、1989年のアメリカによるパナマ侵攻は、厄介ではあるものの、現実離れした出来事だった。パナマは中央アメリカの小国であり、歴史的にパナマの名を冠した運河をめぐるアメリカの戦略的利益と深く関わってきた。一方、ヴェネズエラは異なる。南アメリカの大国であり、政治的影響力も大きく、世界最大の確認石油埋蔵量を誇る。今回のアメリカの軍事行動は、大陸全体の国防体制指導者たちに、ワシントンの権力に対する自らの脆弱性を再評価させるだろう。これは、ここ数十年、真剣に検討した者はほとんどいなかったことだ。

冷戦後の多くの時代において、南アメリカ諸国は、ワシントンとの意見の相違が何であれ、アメリカによる直接的な軍事介入の時代は終わったという前提の下で行動してきた。ヴェネズエラへのアメリカの攻撃は、この幻想(illusion)を打ち砕いた。依然としてアメリカと概ね足並みを揃えている政府でさえも、抑止力、自律性、調達、戦略的ヘッジ(deterrence, autonomy, procurement, and strategic hedging)といった厄介な問題を検討せざるを得なくなるだろう。

これまでのところ、南アメリカ諸国の指導者たちは、アメリカによるマドゥロ政権打倒に対する公の反応を政治的に追跡している。トランプ大統領の極右派の同盟者であるアルゼンチンのハヴィエル・ミレイ大統領は、マドゥロ大統領の攻撃と拘束を権威主義(authoritarianism)への打撃として称賛した。一方、左派のブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は、これらを主権と国際法の侵害(violations of sovereignty and international law)として非難した。

しかし、密室では、この地域の軍事計画担当者たちは、アメリカの行動を非常に不安なものと捉えている可能性が高い。こうした動きは、アメリカへの依存を減らし、対外的なパートナーシップを多様化し、国家および地域の防衛力を強化する方法についての議論を加速させるだろう。

こうした議論は必ずしも即時の政策転換につながる訳ではないかもしれないが、長期的な戦略的思考を形作るだろう。ブラジル、チリ、コロンビアといった国々(うち2カ国は今年選挙を控えている)は、国内防衛産業の強化、域外パートナーとの安全保障関係の深化、あるいは対外的な強制を困難にする能力への投資拡大に重点を置く可能性がある。これらの動きをアメリカに対するヘッジとして公然と位置付ける国はなくても、そう理解されるだろう。

ヴェネズエラ国内で今後何が起こるかは不透明だ。マドゥロ大統領が拘束されたことで、権力は突如として掌握される。3人の人物がヴェネズエラの未来を左右する可能性がある。

マドゥロ政権の副大統領を務めたデルシー・ロドリゲスは、豊富な外交経験とキューバ、ロシア、イランとの強いつながりを持つ、ヴェテランの政権内部関係者だ。長らく政権内で最も恐れられていた人物の1人であるディオスダド・カベジョ内務相は、国内治安部隊に影響力を持ち、政権の強硬派の中核(the regime’s hard-line core)を担っている。一方、ウラジミール・パドリノ・ロペス国防相は、最も重要な切り札、すなわち軍の忠誠心を握っている。

ワシントンは、多くの識者が想定していたほど、ヴェネズエラの野党によるクリーンな政権掌握には関心がないのかもしれない。ロドリゲスは侵攻前にマルコ・ルビオ米国務長官と会談したと報じられており、トランプ政権と何らかの合意に達したのではないかという憶測が広がっている。

トランプ自身の発言もその方向を示唆している。土曜日の記者会見で、トランプは野党指導者で2025年のノーベル平和賞受賞者であるマリア・コリーナ・マチャドを大統領に据えるという考えに距離を置く姿勢を示した。「彼女が指導者になるのは非常に難しいだろう。彼女は国内で支持も尊敬も得ていない」とトランプは述べた。「彼女はとても素晴らしい女性だが、尊敬されていない」。

トランプの発言は、ワシントンが野党主導の政府への急速な移行よりも安定を優先している可能性を示唆している。もしそうだとすれば、マドゥロ政権崩壊後のヴェネズエラの軌跡は、多くのヴェネズエラ国民が期待するものとは大きく異なるものになる可能性がある。

大きく分けて3つのシナリオが考えられる。1つ目は、主に象徴的なアメリカの勝利である。マドゥロの制圧を取り除けば、ヴェネズエラの政権はほぼそのまま残り、ロドリゲスもしくは他の同盟者が正式に政権を掌握する。ホワイトハウスが、ヴェネズエラの実際の統治に必要な継続的な政治的関心、資源、そして行政能力を投入する意思があるかどうかは、全く明らかではない。ワシントンは成功を宣言し、制裁を部分的に緩和または再調整し、カラカスの根底にある権力構造は存続するだろう。

第二のシナリオは、大規模な国内動員と軍部を含むエリート層の離反を通じた政権崩壊である。この結末の可能性は、カラカスをはじめとする主要都市におけるマドゥロ大統領の逮捕に対する国民の反応、そして軍部が継続的な弾圧のコストが秩序維持のメリットを上回ると判断するかどうかに左右される。

第三のシナリオは、ヴェネズエラにおけるより深い政治的変革を強制するために、アメリカによる長期的な圧力(追加的な軍事攻撃の可能性も含む)を伴う。この道筋は、持続的な強制、アメリカの治安部隊の継続的な駐留、そしてコストが急速に増大する可能性のある期限のない関与を伴う。また、アメリカの行動に対する地域的な不安を増幅させ、アメリカが南アメリカにおける政治的結果を左右するために武力を行使する用意があるという認識を強めることにもなるだろう。

どのシナリオが勝利するかは、ヴェネズエラの将来だけでなく、今後何年にもわたる南アメリカの戦略的状況を形作ることになるだろう。ここ数カ月のワシントンのヴェネズエラに対する行動は、西半球全体におけるリスク、力、そして前例に対する認識を既に変化させている。たとえヴェネズエラが最終的に安定に至ったとしても、南アメリカが大国の軍事介入から隔離されているという考えはもはや存在しない。

オリヴァー・ストゥエンケル:カーネギー国際平和財団(ワシントンDC)民主政治体制・紛争・統治プログラム上級研究員。ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(サンパウロ)国際関係論准教授。Xアカウント:@OliverStuenkel

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