古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ビッグ・テック

 古村治彦です。

 現在、私が翻訳を行っているジョシュ・ホーリー著『ビッグ・テック5社を解体せよ』に関連する内容をこれからご紹介する。
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ジョナサン・カンター
 ジョナサン・カンター(
Jonathan Kanter、1973年-、48歳)は、ニューヨーク州立大学オルバニー校(State University of New York at AlbanySUNY)を卒業して学士号を取得し、その後、ワシントン大学法科大学院で法務博士号を取得し、弁護士資格を得た。キャリアを連邦取引委員会に勤務する弁護士としてキャリアをスタートさせた。その後は、いくつかの法律事務所に勤務し、2020年には自身の法律事務所「カンター・ラー・グループ(Kanter Law Group)」を開設した。

2021年7月20日に、ジョー・バイデン大統領は、カンターを独占禁止法担当司法次官補(assistant attorney general for the antitrust division)に指名した。10月6日には、連邦議会司法委員会で人事承認のための公聴会が開催された。現在の状況は、「未定(TBDTo Be Determined)」である。しかし、人事承認は確実視されている。

 カンターについては、日本経済新聞に簡潔にまとめられた記事が掲載されていたので、以下に貼り付ける。

(貼り付けはじめ)

米、巨大ITの追及緩めず 司法次官補に反グーグル弁護士

逆境の巨大IT

2021721 19:43 (2021721 21:13更新)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2101X0R20C21A7000000/

【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は20日、司法省の反トラスト法(独占禁止法)担当トップに米グーグルへの批判で知られる弁護士を指名した。米連邦取引委員会(FTC)のカーン委員長を含め、競争政策を担う主要ポストにはIT(情報技術)大手に厳しい専門家をそろえる。独禁法を厳しく執行する方向へ転換する姿勢を鮮明にした。

この弁護士は、司法省の反トラスト局を率いる次官補に指名されたジョナサン・カンター氏。就任には議会上院の承認が必要だ。

司法省とFTCは反トラスト法を共同で所管する。カンター氏が就けば、カーン氏と共に独禁当局ツートップを形成する。FTCは委員5人の多数決で意思決定するが、司法次官補は組織の長として大きな権限を持つ。

カンター氏は巨大IT企業に挑む弁護士として名をはせてきた。米メディアによると、米マイクロソフトや飲食店口コミサイト「イェルプ」の代理人弁護士として、競合であるグーグルや米アップルなどの不公正な慣行を訴えてきた。

カンター氏は自身が設立した法律事務所の代表を務める。「反トラストの権利擁護者」を自称し、活動家の側面を持つ。オバマ元政権で司法次官補を務めたビル・ベア氏は「尊敬される経験豊富な弁護士だ。全国民に対して自由市場経済を機能させるという(バイデン)政権の公約に取り組むだろう」と話す。

デジタル時代に沿うように反トラスト法の改正を求める声もあるが、現行法でも対応可能だというのがカンター氏の主張だ。202010月のイベントでは「私たちには法律がある。勢いよく情熱を持って定期的に執行しよう」と述べていた。

司法省は米国のIBM、マイクロソフトといった巨大企業を独禁法違反で提訴してきた。01年に発足した共和党のブッシュ政権(第43代)を機に、独禁法にからむ大型訴訟は途絶えた。カンター氏は独占や寡占に寛容な当局の姿勢をやり玉にあげてきた。

トランプ前政権の司法省は2010月、グーグルを独禁法違反の疑いで提訴した。カンター氏が就任すれば、23年にも公判が始まる久しぶりの大型訴訟を引き継ぐ。

バイデン氏は司法省の独禁法担当トップには穏健派を登用し、カーン氏のFTC委員長指名とのバランスをとろうとするとの見方もあったが、リベラル色を前面に押し出した。「巨大IT企業解体」を唱える民主党左派のウォーレン上院議員は「企業の強力な支配力を監視する戦いのリーダーだ」と、今回の人選を称賛した。

(貼り付けはじめ)

 上の記事にあるように、カンターは法律家(弁護士)としてのキャリアを連邦取引委員会(日本の公正取引委員会)から始め、その後はいくつもの法律事務所に所属しながら、中小企業の代理人として、グーグルやマイクロソフトとの訴訟を戦ってきた。今回、司法次官補となり、反独占禁止法違反容疑でビッグ・テックを捜査し、訴訟を提起するということになるだろう。

 バイデン政権の「ビッグ・テック解体」を目指す姿勢を示すのが、ジョナサン・カンターの指名である。今後は後2人のキーパーソンを紹介していく。

(貼り付けはじめ)

バイデンは、ビッグ・テックの批判者を司法省の独占禁止法担当部門責任者に指名(Biden to appoint Big Tech critic to DOJ antitrust role

クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2021年7月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/563923-biden-to-appoint-big-tech-critic-to-doj-antitrust-role

バイデン大統領は法律家のジョナサン・カンターを司法省の独占禁止法担当部門の責任者として指名する計画を持っている、とホワイトハウスは木曜日に発表した。これはバイデン政権のビッグ・テックとの対峙姿勢のもう一つのシグナルだ。

カンターの指名は、司法省と連邦取引委員会(FTC)に対しテクノロジー業界における反競争的行為の取り締まりを強化するよう求めてきた進歩主義的な各組織にとって、満足できる人事となった。

昨年、自身の法律事務所を立ち上げたカンターは、独占禁止法の執行機関にグーグルを訴えるように仕向けようとする企業の代理人を務めてきた。人事承認を得られれば、カンターは、独占禁止法担当司法次官補(assistant attorney general for the antitrust division)に就任することになる。今回の人事を最初に報道したのはブルームバーグだった。

「アメリカン・エコノミック・リバティーズ・プロジェクト」の上級部長サラ・ミラーは次のように述べている。「バイデン大統領は、司法省の独占禁止法担当部門の責任者に素晴らしい人物を選んだ。ジョナサン・カンターは経験豊富で、有能で、知的先見性を持っている。彼はバイデン政権下での独占禁止法に基づいた執行を確実に行い、それは労働者や中小企業、共同体のための仕事をしてくれるだろう」。

ミラーは更に次のように述べた。「高い能力を有する法律家(弁護士)として、カンターはキャリアを通じて、独占禁止法の執行の再活性化に取り組んできた。彼は、ビッグ・テックに対する主要な独占禁止に関する調査において、最も成功した法的議論を数多く展開してきた。彼は連邦議会の民主、共和両党から、さらに法曹界において多くの人々からの尊敬を集めている」。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はバイデンの指名を称賛し、カンターについて、「企業の統合的な力を抑制し、市場における競争を強化するための戦いにおけるリーダー」と評した。

民主、共和両党で50議席ずつを持っている連邦上院で人事承認が得られれば、カンターは連邦取引委員会委員長リナ・カーンとホワイトハウスの経済アドヴァイザーであるティム・ウーと共に、バイデン政権内のビッグ・テックに対して声高の批判を行う人々のグループに参加することになる。

今回のカンターの指名の前には、バイデンは競争促進を目的とした包括的な大統領令を発表した。大統領令の実行は、連邦取引委員会と司法省独占禁止法担当部門に大きく依存している。

連邦上院司法委員会反独占小委員会委員長は声明の中で、「カンターの司法分野における深い経験と積極的な行動を主張してきた経歴を見れば、司法省独占禁止法担当部門を率いる地位に彼を就けることは素晴らしい選択である」と書いている。

カンターが司法次官補に就任すれば、グーグルが検索およびオンライン広告の分野で、違法に独占的な地位を維持しているとする既存の訴訟を引き継ぐことになる。

フェイスブックとアマゾンは既にカーンに対して、自分たちを対象とした調査を中止するように求めている。カンターの過去の仕事を見れば、グーグルから同様の異議申し立てがなされる可能性がある。

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大企業の力に対峙するために、バイデンにはジョナサン・カンターが必要だ(To confront corporate power, President Biden needs Jonathan Kanter

モンダレー・ジョーンズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)

2021年4月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/congress-blog/judicial/549404-to-confront-corporate-power-president-biden-needs-jonathan

1980年代以降、企業の力はどんどん強まっていく一方で、独占禁止法を執行する連邦政府諸機関は、その責任をほとんど放棄し続けて現在に至る。このような企業の力の集中は、経済に対する脅威であるだけでなく、民主政治体制そのものへの脅威でもある。

連邦取引委員会(FTC)委員長にリナ・カーン、国家経済会議(NEC)の大統領特別補佐官にティム・ウーをそれぞれ指名することで、バイデン大統領は、企業に対して制つめ五責任を果たさせる準備ができていることを示した。彼の独占禁止法担当ティームの人事の仕上げとして、現在の独占禁止運動の主導者を、独占禁止法担当司法次官補に指名することが必要だった。その人物こそはジョナサン・カンターだ。

独占禁止法執行こそは、企業の力を抑制し、公正で包括的な経済を構築するために、連邦政府が持つ最良の手段の一つである。独占禁止法担当司法次官補の仕事は、現在の経済のルールを決めている現代の独占企業に対抗するための政権のアプローチを確立することである。連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会の委員として、我が国の独占禁止法は、独占禁止法執行者たちくらいにしか効果的ではないということが分かっている。

これまでの数十年間、私たちは独占禁止法執行の重要性を痛い目に遭いながら学んできた。連邦政府は、大企業が自分たちに有利なように市場を操作するのを阻止できなかった。その結果、労働者、中小企業、消費者が犠牲になってきた。

大統領選挙候補として、バラク・オバマは「独占禁止法執行の再活性化」を公約として挙げた。しかし、オバマ政権は、アマゾン、フェイスブック、そしてグーグルのようなビッグ・テックの各企業が独占的な地位を確立することを阻止できなかった。アメリカン・エコノミック・リバティーズ・プロジェクトが明らかにしたように、オバマ政権は大企業の持つ力に挑戦する歴史的な機会を得ていた。しかし、オバマ政権の最高幹部たちのほとんどは、レーガン政権から始まった「大企業には手を出さない」アプローチから脱却しようとはしなかった。その結果として、2009年から2019年にかけて、五大インターネットプラットフォーム企業による400件以上の行買収に対して、1件も独占禁止法の執行は行われなかった。

驚くべきことに、オバマ政権は、独占禁止法の執行を難しくした面もある。2010年、取引委員会と司法省独占禁止法担当部門の両者は、企業統合を黙認するために、一部の合併ガイドラインを改訂した。法学教授であるダニエル・クレインは『スタンフォード・ラー・レヴュー』誌に掲載した論文の中で、これらのルールは、「(この種の)合併による集中は、以前の体制に比べて、独占禁止法の審査を受ける必要が出てくる」ということを示唆していると書いた。

2010年、司法省独占禁止担当部門は、ライヴネイション社とティケットマスター社の合併を承認した。両社はチケット販売とコンサート関連市場をそれぞれ支配していた。しかしながら、企業合併は単純に企業の力を統合することではあるが、独占禁止法担当省次官補はこの企業合併を承認した決定について、両社に対して一部資産の売却を認めることを条件に付けただけだった。この決定について「強力な独占禁止法の執行だったが、ハンマー(sledgehammer)ではなくメス(scalpel)を使っているだけのことだった」と評された。

同様に、オバマ大統領の連邦取引委員会は、2013年に反競争の行動について、グーグルに説明責任を果たさせることに失敗した。広範囲にわたる捜査の結果、連邦取引委員会のスタッフたちは、グーグルを独占禁止法で提訴すべきだと連邦取引委員会に働きかけたが、連邦取引委員会は訴訟の提起を拒絶した。

そして、当然のことだが、オバマ政権はフェイスブックがインスタグラムとワッツアップの買収することを阻止できなかった。フェイスブックは強力な競争相手となり得る存在を吸収することができた。

これまでのところ、バイデン大統領の独占禁止法関連の人事は、新しい、より希望に満ちた道筋を描いている。バイデン大統領は、優れた独占禁止法執行の主導者であるリナ・カーンを連邦取引委員会委員長に指名することで、新しい経済のために強固な独占禁止法の執行を刷新することを決心したことは明らかだ。また、技術・競争政策のアドヴァイザーとしてティム・ウーを起用したことで、バイデン大統領は新しい進歩主義時代の到来を認識していることを示した。今回の人事により、バイデン大統領は、すべての人に恩恵をもたらす経済を実現するために必要な、勇気ある指導力を発揮している。

独占禁止法担当ティームの性格が大きく変更されつつあるが、その変更を完成させるためには、バイデン大統領はジョナサン・カンターを独占禁止法部門担当司法次官補に任命すべきだ。カンターが司法の世界で最初にインターンとして働いたのが連邦取引委員会だった。それ以来、カンターは集中した企業の力に対峙することでキャリアを過ごしてきた。 連邦取引委員会の競争担当部で弁護士として働いていた時、カンターは、統合による危機を生み出した大企業の合併に異議を唱えた。現在、司法省は最近では最も重要な独占禁止法違反容疑の訴訟である、アメリカ合衆国対グーグルの訴訟を抱えている。独占禁止法担当部門は、創造性を持ち、訴訟における法理論を構成するために努力を惜しまない人物に率いられるべきだ。アメリカとヨーロッパでは、独占禁止法執行部門は、現代の独占巨大企業に対する最も厳しい訴訟に勝つためには、ジョナサン・カンターから助言を受けねばならない。法律関係の出版において、ジョナサン・カンターが独占禁止法に関する指導者として繰り返しトップにランク付けされる理由はここにある。

最も重要なポイントだと思われるのは、カンターはキャリアを通じて、今の時代に必要な政治的勇気を持っていることを示していることだ。カンターは、私たちがテクノロジー産業のプラットフォーム提供巨大企業の力を再認識する数年前にすでに、グーグルがテレビ業界を支配することに警鐘を鳴らしていた。2018年に連邦上院で証言を行った際、カンターは「集中した経済力は、集中した政治力と同様に、自由に対する大きな脅威となり得る」と強調した。また、自身の法務活動を通じて、競争を促進するために苦しい戦いを強いられている中小企業を代理してきた。今こそ、私たちのために考えてくれる、独占禁止法執行者が必要とされているのだ。

次期独占禁止法担当司法次官補(assistant attorney general for the Antitrust Division)は、チェックを受けない大企業の力こそが問題だ、その解決のためには大企業の力と対峙しなければならないと認識する人物が就任しなければならない。アメリカの歴史が示しているのは、司法省独占禁止法担当部門においては、真の反独占主義者が責任者に就くことで、アメリカの働く人々と小規模業者たちに大きな利益を与えることができるということだ。バイデン大統領がフランクリン・デラノ・ルーズヴェルト大統領の足跡を負いたいと望むならば、問題の当事者ではなく、解決の当事者でもある人を選ぶ必要がある。

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バイデンは独占禁止法担当人事でテクノロジー企業に対する厳しい姿勢を示す(Biden signals tough stance on tech with antitrust picks

クリス・ミルズ・ロドリゴ、レベッカ・クレアー筆

2021年7月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/564612-biden-signals-tough-stance-on-tech-with-antitrust-picks

バイデン大統領によるジョナサン・カンターの独占禁止法担当司法次官補指名は、アメリカ最大のテクノロジー企業の解体(break up)を目指す進歩主義派の運動に支持される、予想外の一連の人事が完成したことを意味する。

カンターと共に、バイデン政権はリナ・カーンを連邦取引委員会(FTC)委員長に就任させ、ティム・ウーをホワイトハウスの補佐官に指名した。

3名の人事は、バイデンの反独占禁止法の再活性化と独占に対する挑戦の意図を示すものだ。

最近盛り上がりを見せている独占反対運動の主要な団体であるアメリカン・エコノミック・リバティーズ・プロジェクトの政策・アドヴォカシー担当部長モーガン・ハーパーは、

「今回の指名は、バイデン大統領が強力な独占禁止法執行と優れた競争政策を持つことにどれほど真剣に取り組んでいるかを示す、極めて重要な一歩である」と述べている。

ハーパーは続けて次のように述べている。「問題をよく理解しているだけでなく、経済で起きている多くの問題を解決するための政策に積極的に取り組むという実績を持つ人々を見ることは興奮することです」。

カンターは、独占禁止法専門弁護士として中小企業を代理していた時代に、長年にわたり巨大ハイテク企業を批判してきた。

イェルプやマイクロソフトを含む、グーグルの反競争的な行為を非難する企業の代理人をカンターは務めてきた。司法省が検索エンジン大手のグーグルに対して現在進行中の独占禁止法違反訴訟を抱えていることを考えると、カンターの指名は特に重要な意味を持つと考えられる。

カンターとカーンの両者の独占禁止法に関する考えを現実化するためには、訴訟が重要な道具立てということになる。

カーンが率いる連邦取引委員会は、今年6月に最初の訴訟が棄却された後、フェイスブックに対する訴訟で、訴状の修正版を提出する期限が今月末に迫っている。

この訴訟のターゲットは、フェイスブックが以前に買収したワッツアップとインスタグラムである。

訴訟以外にも、連邦取引委員会は新しい規則を発行したり、報告書を作成したり、公聴会を開いたりして、経済の様々な分野での集中に注意を喚起することが可能である。

カーンは、連邦取引委員会委員長に就任してから、今月2回の公開ミーティングを開催するなど、すでにいくつかのステップを踏んでいる。

連邦取引委員会は今週、消費者保護団体にとって重要な課題である、「修理を行う権利」に関する諸法を施行することを全会一致で決議した。

カーンは会合の席上、次のように述べた。「連邦取引委員会は、違法な修理制限を根絶するために利用できる様々な手段を保有しており、本日の政策ステイトメントは、この問題を新たな勢いで前進させることを約束するものだ」。

この政策ステイトメントは、連邦取引委員会が直面している、論争の少ない投票の一つとなった。連邦取引委員会は今年5月、この問題についての長文の報告書を発表した。この報告書に関しては、その当時に委員会に在籍していた4名の委員全員が賛成票を投じた。

しかし、消費者金融保護局の責任者に指名されたロヒット・チョプラ委員長の後任をバイデン氏が指名する時期によっては、他の施策の可決が難しくなる可能性がある。

例えば、水曜日の会合の席上、連邦取引委員会は、1995年に出された政策ステイトメントを取り消すことを3対2の賛成多数で決議された。この政策ステイトメントでは、過去の合併で法律に違反した企業に対して、今後の合併の際には連邦取引委員会の事前承認を得ることを義務付けるという慣行が廃止された。

カーンは、会議において、1995年の政策によって「追加的な負担」がもたらされ、「すでに窮地に立たされている資源を使い果たしてしまう」と主張した。共和党側の委員たちは1995年の政策ステイトメントの取り消しは「不確実性をもたらす」と主張した。

今月初めの、カーンが委員長となって開催された最初の会議において、共和党側の委員2名は同様に反対票を投じた。これは、既存の独占禁止法に違反していない「不公正な競争方法」に異議を唱えることを封じる2015年の方針声明を廃止する投票について、反対したのだ。

新たに指名された人物たちはホワイトハウスから完全な支援を受けていることが明らかだ。

バイデン大統領は今月初め、各産業分野における反競争的行為を取り締まることを目的とした包括的な大統領令を発表した。ホワイトハウスが発表したファクトシートによると、この大統領令では、司法省と連邦取引委員会が「過去の悪質な合併に異議を唱える」ことが法律で認められていることになった。

ハーヴァード大学ケネディ記念行政学大学院教授でオバマ大統領の経済アドヴァイザーを務めたジェイソン・ファーマンは「バイデン大統領は個人的に、競争に関する諸問題について大いに関心を持っている。連邦取引員会の動きはこれに同調している」と述べている。

米国の消費者が電子機器や自動車を自ら修理できるようになるが、メーカー側はこれについて引き続き反発している。連邦取引委員会は、修理する権利の投票などバイデン大統領の命令で示された提言に沿って、すでにいくつかの行動を起こしている。

カンターは、バイデンの命令を司法省で実現するために、指名プロセスを通過しなければならない。

カンターの指名は、連邦上院司法委員会独占禁止法小委員会委員長であるエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州、民主党)やエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州、民主党)などの連邦上院民主党の主要メンバーから絶賛された。

カンターの人事承認は、民主党側の賛成票だけで進めることができるが、マイク・リー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)もカンターに前向きな姿勢を示している。

連邦上院独占禁止法小委員会共和党側幹部委員であるマイク・リー議員は本紙の取材に対して声明で次のように述べた。「カンター氏のビッグ・テックと対峙してきた経歴を見て、私は彼に賛成票を投じることを考えている。私は人事承認プロセスを通じて、彼の適格性についてより多く学べることを楽しみにしている」。

バイデンが指名した人々が共有している独占禁止についての考えの実現を確実にするためには連邦議会の存在も重要になる。

前述のファーマンは次のように述べた。「しかし、重要なポイントは、リナ・カーンとジョナサン・カーンが司法システムの内部に入ってしまったことだ。ほとんどの問題について、最終的には彼らが判断するのではなく、裁判官が判断することになる。従って、彼らは自分たちの考えをそのまま実現することはできない」。

連邦下院司法委員会は先月、独占禁止法を改善し、規制当局が最大規模のテクノロジー企業を攻撃しやすくすることを目的とした法案の審議を進め、本会議の審議のために上程した。

しかし、司法委員会での投票は、民主党内の分裂を浮き彫りにし、連邦下院での可決のチャンスをふいにする可能性があった。特に、穏健派の指導者たちは、いくつかの法案に懸念を表明している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ビッグ・テック(Big Tech)とは、GAFAと総称される。グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、これにツイッターやネットフリックスを加えた、アメリカで操業され、本社を置く情報産業分野の巨大企業のことである。ビッグ・テックは先進諸国を中心にして、人々の生活に深く入り込んでいる。

ツイッターやフェイスブックは私たちの生活にとって欠かせないサーヴィスとなっている。これらを通じて友人とやり取りをし、情報を得ている。アマゾンでは何でも買い物ができるようになっている。アップルのスマートフォンであるアイフォンを使い、何か分からないことがあればグーグルで検索する。テレビを見ずに、ネットフリックスでドラマやヴァラエティー番組を見る。若い人たちはそのような傾向にあるという。動画配信サイトユーチューブはグーグルの傘下にあり、写真を中心としたソーシャル・ネットワーク・メディアであるインスタグラムはフェイスブックの傘下にある。

 私たちの生活はビッグ・テックに大きく依存している。そうなれば、ビッグ・テックが私たちに与える影響も大きくなる。加えて、ビッグ・テックは大きな力を行使するようになっている。また、時価総額ではこれまでの大企業を追い抜いている。これらを使用している人たちなら分かってもらえると思うが、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブ、インスタグラムは無料で使用できる。それなのにどうして巨額の利益を生み出せるのかというと、それは広告収入だ。

 これまで広告の媒体と言えば、新聞や雑誌の紙媒体、テレビやラジオの放送媒体が中心だった。しかし、新聞や雑誌の購読者数の減少、テレビやラジオの視聴者数、聴取者数の減少により、広告は徐々にインターネット上に移っている。そのために、ビッグ・テックは巨額な利益を上げることができるようになっている。

 そうした中で、アメリカ国内では、「ビッグ・テックを反独占・反トラストで解体せよ」という声が上がっている。連邦議会議員では、共和党のジョシュ・ホーリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)とエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)がその急先鋒だ。両議員はほぼ同時期に「ビッグ・テックの巨大さは危険だ、解体せよ」という内容の本を出版した。現在、私はジョシュ・ホーリー議員の『The Tyranny of Big Tech』(そのまま訳すと、ビッグ・テックの暴政、暴力的支配)の翻訳を進め、初めの訳稿を完成し、担当編集者に送付した。これから、表現の統一や誤字脱字の訂正、ブラッシュアップのために赤ペン入れを行う。
joshhawley501

ジョシュ・ホーリー
 ホーリー議員は1979年生まれの41歳。アーカンソー州生まれで生後すぐに父の仕事(銀行勤務)の関係でミズーリ州に転居した。子供の頃から成績優秀、外見もハンサムで、周囲は「将来はアメリカ大統領になるに違いない」と考えていたという。1998年に母親の出身校である西部カリフォルニア州にあるスタンフォード大学に進学した。ここでも成績優秀で卒業し、2003年にアイヴィーリーグの名門イェール大学法科大学院に進学した。超名門のロースクールに進学するためには学部時代の成績が4点満点で3.8から3.9なければならず、日本風に言えば「全優」でなければならない。法科大学院在学中は、学内誌の『イェール・ロー・ジャーナル』誌の編集委員を務めた。学内誌の編集委員も成績が良くなければ務められないポジションだ。バラク・オバマ元大統領はハーヴァード大学法科大学院時代に学内誌の編集長を務めた。2006年に法務博士号を取得し、弁護士(法曹)資格を得た。

 2017年からはミズーリ州司法長官を務めた。この時期に、ビッグ・テックの危険性を認識した。2017年11月、ホーリーは州司法長官として、グーグルがミズーリ州の消費者保護法と独占禁止法に違反した容疑での捜査開始を指示した。グーグルの利用者のデータ収集、データ利用についての捜査が実施された。また、グーグル使っての検索の際に、利用者にバイアスを与えるような検索結果の表示がなされているのではないかということも捜査の対象となった。2018年4月には、フェイスブックとケンブリッジ・アナリティカによるデータ取り扱いに関するスキャンダル(フェイスブックが収集した個人情報をケンブリッジ・アナリティカが利用して2016年の大統領選挙に利用してドナルド・トランプ大統領当選に貢献した)を受け、ホーリーはフェイスブックの捜査を行った。

 2018年の中間選挙でミズーリ州連邦上院議員選挙に出馬し、共和党予備選挙で圧勝し、本選挙で民主党所属の現職議員(2期連続当選中)だったクレア・マカースキルを破って当選した。2019年から2021年までの期間、アメリカ連邦上院で最年少の議員となった(当選時39歳)。
markzuckerberg501

ワシントン訪問中のザッカーバーグ
  議員当選後、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグと直接対決し(ホーリーの議員事務所をザッカーバーグが訪問した)、「フェイスブックが持っているインスタグラムとワッツアップ(アメリカの
SNSサーヴィス)を売却して欲しい」「フェイスブックを解体して欲しい」と直接述べて、拒絶されている。ホーリーは連邦上院司法委員会内の反トラスト・競争政策・消費者の権利小委員会の共和党側委員を務めている。小委員会の委員長は、エイミー・クロウブッシャー議員だ。
amyklobuchar 501

エイミー・クロウブッシャー
 ホーリーは彼の経験をまとめて本として出版することになったが、最初の出版社である、大手の「サイモン・アンド・シュスター」社が、ホーリーが2021年1月6日の連邦議事堂での事件に関与したということで出版を拒絶した。その後、保守派の出版社「レグナリー・パブリッシング」社が出版を引き受け、出版にまで漕ぎつけた。出版された本はベストセラーとなった。

現在、民主・共和両党で、巨大になり過ぎたビッグ・テックと対峙する動きが出ている。これから、このブログでも紹介していきたい。

(貼り付けはじめ)

ジョシュ・ホーリー議員の「出版取り止めとなった」本が現在ベストセラーに躍進(Josh Hawley’s ‘canceled’ book now a bestseller: reports

-『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』が出版からわずか数週間で、『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌とアマゾンのベストセラーリスト入りを達成。

ドン・カリッキオ筆

『フォクスニュース』

2021年5月16日

https://www.foxnews.com/media/josh-hawleys-canceled-book-now-a-bestseller-reports

ミズーリ州選出のジョシュ・ホーリー連邦上院議員の履歴書に、新たに「ベストセラー作家」という言葉が加わることになる。

メディアの複数の記事や報告によると、共和党所属の連邦上院議員ホーリーは最近『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』を出版し、成功を収めている。

『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌のハードカヴァー・ノンフィクション部門で、ホーリーのシリコンヴァレー批判書が第6位にランク付けされた。2万部以上を売り上げた。

この本はまた、アマゾンの「今週の最も売れたそして最も読まれた本ベスト20」部門で、15位にランクしている。

ホーリーの本がベストセラーのランキングに入ったことは、出版社のサイモン・アンド・シュスター社がホーリーの本の出版を取り止めた1月の状況からの大逆転のようなものだ。出版が取りやめになった際、ホーリーは、出版社の決定について「アメリカ合衆国憲法修正第1条への直接的な攻撃」と表現した。

ホーリーはその当時に次のように書いている。「サイモン・アンド・シュスター社は私との契約を破棄した。その理由は、私が自分の選挙区の有権者たちを代表し、連邦上院の議場で選挙結果の正当性についての議論を主導したためだ。出版社は私の正当な行動を反乱(sedition)と再定義したのだ」。

サイモン・アンド・シュスター社は、ホーリーの本の出版を取り止めたのは、2021年1月6日の連邦議事堂における暴動に関連して、「危険な脅威におけるホーリーの役割」が証明されたからだと発表した。

ホーリーが連邦議事堂前に集まった群衆の中で、議事堂に向かって手を挙げている写真が広く拡散されて、そのために、ワシントンDCにおける破壊とホーリーが結び付けられることになった。

保守派の出版社レグナリー・パブリッシング社は、サイモン・アンド・シュスター社が契約を破棄した後、ホーリーの本の出版権を取得した。

本の中で、ホーリーは、今日の情報産業の巨大企業と過去の泥棒男爵たちとを比較し、「大企業がこれからも経済と政治における力を増大させ続けることを許すと、アメリカの自由は存亡の危機に晒されることになるだろう」と書いている。

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テクノロジーという点についてのクロウブシャーとホーリーはどのように見ているか(How Klobuchar and Hawley See Things When It Comes to Technology

-両議員は政治的な立場は正反対であるが、両者は出した最新刊で共にビッグ・テックは危険だと主張している。奇妙なことに、両者の主張はそっくりだ。

シラ・オヴァイデ筆

『ニューヨーク・タイムズ』紙

2021年5月13日

https://www.nytimes.com/2021/05/13/books/amy-klobuchar-antitrust-josh-hawley-tyranny-big-tech.html

皆さん、米連邦上院議員が書いた反トラスト法に関する本を読んでみたいと思われないだろうか?読みたくないとおっしゃる?2人の議員の反トラスト法に関する本はいかがだろうか?

共和党所属のジョシュ・ホーリー連邦上院議員(ミズーリ州選出)と民主党所属のエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)は最近それぞれ本を出版した。両議員の本のページ数を合わせると825ページになるが、両者の本はアメリカの大規模で強力な企業に対する懐疑主義の歴史についての本である。

私は2冊とも読んだが、皆さんにお薦めすることはしない。

しかし、これら2冊の本が素晴らしいのは、政治的な立場が正反対である2名の連邦上院議員が一致した結論に達している点だけにある。両議員は、アメリカの巨大過ぎるビジネスのエリートたち、特にグーグル、フェイスブックそしてアマゾンのようなテクノロジー関連巨大企業を従順にさせるために、より厳しい規制、新しい法律、より積極的な姿勢の判事や市民運動が必要だと主張している。2冊の本の略語は、「テディ・ルーズヴェルトは善で、ビッグ・テックは悪だ」というものだ。

私は過剰な偽装工作をしたいと思わない。クロウブシャー議員の著作『反トラスト(Antitrust)』はより深く調査され、包括的なものだ(いささか包括され過ぎている)。ホーリー議員の著作『ビッグ・テックの暴力的支配(The Tyranny of Big Tech)』は支離滅裂な内容である。しかし、2冊の本を読んで私が学んだことを説明させて欲しい。
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両議員は「巨大さ」は悪ということで一致している。現代のアメリカ政治における奇妙な光景、それは、グーグルやフェイスブックのような強力なテクノロジー企業が、党派をまたいだ憎悪を生み出していることだ。こうした主張を行っている人々に共感者はほとんどいないだろう。両議員は特にそうであろう。両議員にとって、テクノロジー企業の力は、巨大企業が好き勝手に行動することを放置した場合の問題点を象徴している。奇妙なことに、両議員の主張は一致している。

ホーリー議員の本は冒頭で、2019年にマーク・ザッカーバーグと会った際に、上院議員がザッカーバーグに対してフェイスブックの解体を迫ったという逸話で始まる(ザッカーバーグはもちろんノーと答えた)。ホーリー議員は「ビッグ・テックの泥棒男爵たちは、経済界や政府の内部に存在する、巨大さと力の集中を信奉するイデオロギーを背景にして、力を伸ばしてきた」と書いている。

クロウブシャー議員は次のように書いている。「ビッグ・テックが実施している膨大な数のM&A(合併と買収)、桁外れの独占力、グロテスクな排除行為は、巨大さの力を例示するものだ」。

皆さんは、両議員の本の内容はよく似ていると思われないだろうか?

ホーリー議員とクロウブシャー議員は、経済学者や法学者の中には、アメリカの多くの産業分野で集中が加速していることは、所得格差をはじめとする多くの問題の根本原因になっているという見解を示す人とたちが出ていると述べている。この考えによると、アメリカの法律が効果的に競争を行わせることができれば、アメリカ人はより良い医療を受け、携帯電話の料金は下がり、自分に関わるデジタルデータの扱いをより自由にできるようになるということだ。

いやはや、両議員はテディ・ルーズヴェルトを愛している。両議員は、ルーズヴェルトが当時の鉄道、石油産業、金融、その他の産業分野における大企業の泥棒男爵に挑戦していた時のことについて、郷愁を感じている(このような歴史観、特にホーリー議員の歴史観は少しずれている)。

英雄崇拝の重要な点は、歴史上、アメリカの法律とアメリカの一般的な人々は、力を持ち過ぎたと感じた大企業に対して戦いを挑んできたというものだ。両議員は、企業の「巨大さ」に反発する、市民と政府の犯行の精神を取り戻したいと考えている。これは、法科大学院教授で独占禁止の主唱者であるゼファー・ティーチアウトが、昨年出版した企業の独占に関する本の中で効果的に指摘している点でもある(そうなのだ、反トラストについての本は数多く出版されている)。

1894年に起きたプルマン・ストライキと南北戦争後に起きた農業の独占に反対する、グランジ運動(農民共済組合運動)についてじっくりと読みたい方は、クロウブシャー議員の本を読むと良い。両議員は、企業の独占が人々の生活に及ぼす影響を、影響を受ける人々に見てもらい、関心を持ってもらおうとしている。両議員が共有しているメッセージは、システムや経済が自分のために機能していないと感じている人たちは、反トラスト法に取り組むべきだということだ。

最良の考えなのは、それを「反トラスト」と呼ぶことを止めるということだ。クロウブシャー議員は、反トラストという言葉はスタンダード石油のような19世紀の巨大企業の産物であり、21世紀を生きるアメリカ人にとっては無意味な言葉だと述べている。彼女の発言内容は正しい。クロウブシャー議員は、競争政策や独占、あるいは単に「大きさ」について語り始めるべきだと述べている。そうなのだ、クロウブシャー議員は、自身の本のタイトルを「反トラスト」にしていることは認めている。

連邦議会についてはどうだろうか?両議員は、政府の監視部局や裁判所は、巨大記企業がより巨大になり、力を濫用することに制限を加えることに失敗したという点で一致している。この問題について、両者ともに自分たち自身や同僚の政治家たちを非難するための十分な時間を取っている訳ではない。

立法府の仕事は、法律を書き、各企業にできることとできないことを示すことだ。そして、司法省のような政府の監視当局に予算をつけ、ルールを強制する権限を与えることで、力を強めることだ。言い換えると、「上院議員のお二人、それはあなた方の仕事でしょうが」ということだ。両議員はそれぞれの本において、ビッグ・テック各社を規制するための法案を準備中だと述べている。しかし、そのような法案を通過させることができなかったことや、そもそもその法案が良い内容だったかどうかについては、あまり語られていない。

クロウブシャー議員は、2017年に、フェイスブックなどのインターネット企業に、従来のメディアの情報開示と同様に、組織が政治広告にどれくらい費用を支出しているかを開示させる法案を主導しました。これは成立しなかった。

両議員は自分たち自身のことを話す時は絶好調だ。クロウブシャー議員は、19世紀末にスロヴェニアから移民してきて、過酷な環境と低賃金で、炭鉱で働いた自身の親戚たちについて話をする。彼女の言葉によると、一般的な市民が悪辣な大企業と戦い、独占を抑制して労働力の真の競争を実現するための法律を請願したからこそ、今の彼女があるのだ、ということになる。

ホーリー議員の話に説得力が増すのは親としての心配を話す時だ。私たちのほとんどと同じく、彼もスマホに多くの時間を使ってしまっており、そのことを子供たちが気付いているということを述べている。ホーリー議員は、幼い息子がスマホやタブレットに夢中になっているのを見て悩み、家族がスクリーンに割く時間や関心に敏感であろうとしている。

ホーリー議員は、私たちが最新の情報機器を常に使うことで頭脳に異常をきたすということよりも、ビッグ・テック各社の力に対して不満を持っているようだが、これが正しいかどうか私には分からない。スマートフォンやパソコンの画面を見ている時間の長さによる影響についてはよく分かっていない。しかし、ホーリー議員の考えには耳を傾けるべき点がいくつもある。スクリーンを通じてのつながりだけではなく、現実の生活共同体を大事にする、政府が介入して、人々に終わりなく、延々とスクロールさせる技術やユーチューブやティックトックで使われている次から次へとヴィデオを自動的に勧めてくる技術を禁止させるようにすべきだ。

推薦図書:なぜ薬に高いお金を払うのかを知りたい人や、子供がインスタグラムに夢中になることを心配している人には、私は2人の議員の本を手渡さないだろう。その代わり、似たような内容でありながら、より短く、より読みやすく、強力な企業が世界に与える影響について深く考える人々の間ですでに影響力を持っている2つの作品を紹介したい。

ティム・ウーの2018年の本『巨大さの呪い(The Curse of Bigness)』は短い、分かり易く。魅力的な本である。その本の中で、ウーは、アメリカの独占の歴史と今日の強力な企業によるリスクを取り上げている(私はこの本を短いと述べただろうか?)。リナ・カーンの2017年の法科大学院の論文「アマゾンの反トラスト・パラドックス[逆説]Amazon’s Antitrust Paradox)」は知的な砲弾である。この論文の中で、カーンは、数十年にわたるアメリカの法律の発展と、アマゾンのような新興の巨大企業の力の影響についてアメリカの法律はいかに対処に失敗してきたかを述べている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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