古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ピーター・ナヴァロ

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。
 

第2次ドナルド・トランプ政権の発足100日のハネムーン期間は大きな動きが続いて、アメリカ国内、そして、諸外国を驚かせ続けた。大きな出来事としては、イーロン・マスク率いる政府効率化省(DOGE)による、連邦政府諸機関への立ち入りや調査が進められて、米国国際開発庁(USAID)という日本では聞き慣れない(私はデビュー作『アメリカ政治の秘密』で取り上げている)政府機関の閉鎖などが決められた。アメリカ政府の抱える財政赤字(fiscal deficit)の削減のために、連邦政府の予算に切り込んでおり、連邦政府職員の解雇も進められる。

 今年4月初旬には、世界各国からの輸入に一律10%の関税、更におよそ60カ国には追加の「相互」関税が課されるという、高関税政策が発表された。中国には145%という関税がかけられるとされたが(日本の24%が低く見えてしまうほど)、その後、スマートフォンや半導体は例外とされたり、大幅に引き下げられるということが発表されたりし、混乱を招いた。これは、株式市場の下落と共に、米国債の金利上昇が理由として考えられる。一説には中国が保有する米国債を売却し、「抑止力」を行使したとも言われている。

トランプ政権は、貿易赤字の削減を目指している。トランプ政権は1980年代のロナルド・レーガン政権の進めた「双子の赤字(twin deficits)の削減」政策を踏襲していると言えるだろう。レーガン政権時代との違いは、貿易赤字の相手国が、アメリカの属国で言いなりの日本ではなく、強力な対抗措置を取る力を持つ中国であるという点だ。

 こうした大きな流れをけん引しているトランプ政権内の重要人物たちをご紹介する。今回のトランプ関税(トランプ高関税、解放記念日関税とも呼ばれる)をめぐる動きでは、スコット・ベセント財務長官が主導権を握り、トランプ大統領に妥協を迫ったということになっている。それを支持したのがイーロン・マスクだとも言われている。そして、対中強硬派が敗北したと言われている。対中強硬派は今回のトランプ関税を利用して、中国に大規模な貿易戦争を仕掛けようとしたが、中国の返り討ちに遭った形になっている。そして、アメリカの信頼性を損なうということまで引き起こした。トランプ政権は妥協、交代を迫られることになった。総体的に中国の信頼性が高まるということになった。アメリカの製造業が復活することはなく、これからも厳しい状態は続く。トランプ大統領は厳しい時間を過ごすことになる。それでも、支持してくれた白人労働者たちのために力を尽くすだろう。そして、失敗し、アメリカは衰退の道を進んでいく。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領の外交政策のドライヴァーたち(そしてその乗客たち)(The Drivers (and Passengers) of Trump’s Foreign Policy

-アメリカ大統領就任後100日間、第2次トランプ政権の中心人物は誰で、脇に追いやられた人物は誰なのか。

FPスタッフ筆

2025年4月25日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2025/04/25/trump-100-days-influential-officials-navarro-bessent-witkoff/

ドナルド・トランプの通常の基準から見ても、米大統領就任後100日間は混沌と混乱を極めており、対立が激化している。特に外交政策においては、ウクライナとガザ地区での戦争終結に向けた迅速な(そして未だ未完了の)合意を推し進め、200人以上の移民をエルサルヴァドルの刑務所に強制送還し、世界の大半の国々(主に中国)に対して貿易戦争(trade war)を開始した。

これまでのところ、政権幹部の交代は最初の任期に比べて比較的少なく、地政学的な優先事項を策定・実行する中心人物として、数人の重要人物が台頭している。1月初旬には影響力のある役割を担うと思われていたものの、事実上脇に追いやられた人物もいる。

このリストには、皆さんが予想するかもしれないが、今回は含めなかった人物が1人いる。イーロン・マスクだ。世界で最も裕福な男は、9桁の選挙キャンペーン献金を糧にトランプ政権内で影響力を持ち、あらゆる場面で存在感を示すようになった。外国首脳との電話会談に同席したり、国防総省や国家安全保障局での高官級会合を開いたり、さらにはインドのナレンドラ・モディ首相と直接会談したりもしている。

しかし、ワシントンの国際関係におけるマスクの影響力はここ数週間で弱まり、非公式の政府効率化省(Department of Government EfficiencyDOGE)や、自身のソーシャルメディア「X」におけるMAGA支持の投稿の絶え間ない流れといった、より国内的な優先事項に取って代わられている。さらに、マスクの「特別政府職員(special government employee)」としての役職は130日の期限が約1カ月後に切れる予定であり、トランプ大統領とトランプ・ワールドは、期限後は彼が留任しない可能性を示唆している。

マスク以外では、マイク・ウォルツ国家安全保障問題担当大統領補佐官にも言及すべきだっただろう。ウォルツのこれまでの影響力の低さは、特に前任者のジェイク・サリヴァンの著名さを考えると注目に値するが、彼をこのリストに含めなかったのは、彼をどちらの陣営にも明確に分類するには時期尚早だと考えたためである。シグナルゲート事件において、残念ながら彼は『アトランティック』誌編集長ジェフリー・ゴールドバーグをチャットに招き入れた閣僚として重要な役割を果たしたが、この論争の火種は今やピート・ヘグセス国防長官にも向けられている。

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さて、トランプ大統領が優先事項を遂行する上で信頼を寄せている人物と、そうでない人物について見てみよう。
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■ドライヴァーたち(DRIVERS

(1)ピーター・ナヴァロ(Peter Navarro

トランプ大統領のホワイトハウス貿易製造業担当補佐官であるナヴァロは、トランプ政権の高コストで破滅的な貿易政策を、トランプに次ぐ存在として主導してきた。しかし、今月初め、トランプが世界各国との全面的な貿易戦争の瀬戸際(the precipice of his all-out trade war on the rest of the world)から撤退したことを受け、ナヴァロが明らかに脇に追いやられるまではそうだった。

ナヴァロ(と、彼が創作した別人格のロン・ヴァラ)は第1次トランプ政権にも在籍し、当時も同様のタカ派的な貿易政策についての考えを持っていたものの、スティーヴン・ムニューシン、ゲーリー・コーン、ウィルバー・ロスといった比較的保守的な経済思想家が政権のスタッフを務めていたため、ナヴァロの影響力はそれほど大きくなかった。しかし、2022年に連邦下院1月6日委員会への証言と証拠提出を求める連邦議会の召喚状を拒否し、最終的に4カ月の禁錮刑に服したことは、第2次トランプ政権でナヴァロの忠誠心を証明し、政権における高官の座を確保したと言えるだろう。

今回は、ナヴァロははるかに重要な役割を担っている。トランプ政権内の多くの補佐官たちからの妨害はほとんど受けていないものの、彼の考えは市場には完全に拒否された。ナヴァロは、貿易の仕組みに関する同様の根深い誤解(a similar profound misunderstanding)と、アメリカ企業への輸入関税を必ずしも是正する必要もない問題の万能薬(a cure-all)として好む姿勢を組み合わせることで、トランプにアピールしている。

しかし、ナヴァロが懸命に取り組んできた貿易戦争の影響が徐々に明らかになり、世界の株式市場、特に債券市場が激しく反応するにつれ、スコット・ベセント財務長官のようなより市場志向の政権高官が台頭してきた。少なくとも今のところは。トランプは、これまでで最も過激な貿易政策を控え、多くの国との二国間交渉(bilateral negotiations)の扉を開いた。ナヴァロの影響力の低下を示す兆候として、マスクでさえ彼を「間抜け(moron)」と考えていることが挙げられる。

(2)スコット・ベセント(Scott Bessent

財務長官就任前の大統領選挙運動中にトランプに助言したウォール街のヴェテランであるベセントは、ナヴァロとは大きく異なる。ベセントは、現在の世界経済の不均衡の原因と弊害について、綿密な論理に基づく分析を提示し、混乱した世界貿易システムの欠陥を是正しつつもその恩恵を維持するため、慎重に修正すべきだと提唱してきた。トランプ新政権に対するベセントの影響力は、4月2日の「解放記念日」関税(the April 2 “Liberation Day” tariffs)がほぼ全世界に無秩序に導入された後、特に顕著になった。この関税は、友好国と敵国を問わず、歴史的に高く、恣意的に選択されたものだった。トランプが1週間後に関税の大部分を部分的に撤回し、関税をそれ自体の目的ではなく交渉の手段として利用する方向に転換したことで、ベセントの影響力は明らかになった。

世界金融システムの頂点に君臨し、米ドルの管理者としての地位も確立したことで、世界市場が米ドルの神聖性(the sanctity of the greenback)、ひいては安全資産としての米国債の魅力にさえ疑問を呈しているように見えるこの時期に、ベセントはより大きな発言力を持つようになった。

ベセントはまた、トランプ政権が通商政策に意義を持たせるための最新の取り組みの立役者でもあるようだ。この取り組みは、アメリカの一方的な関税だけでは到底実現できないような形で、多くの国との二国間協議(bilateral talks)を通じて中国の経済的影響力を抑制しようとする試みである。

(3)スティーヴ・ウィトコフ(Steve Witkoff

不動産王(a real estate mogul)であり、トランプ大統領の長年の友人でもあるウィトコフは、政府や外交の経験がないにもかかわらず、トランプ新政権の数々の主要な外交政策危機において主導的な交渉役を務めてきた。トランプ大統領が当初中東担当特使に任命したウィトコフは、トランプ大統領就任前からイスラエルとハマス間の約2カ月にわたる停戦(cease-fire)の仲介役を務めていた。しかし、前回の停戦が決裂して以来、ガザ地区での停戦の再構築には成功していない。

ウィトコフはまた、ウクライナ戦争終結に向けた交渉においても政権の窓口役を務めてきた。これらの交渉への彼のアプローチは物議を醸している。ウィトコフは戦争に関してクレムリンの主張を繰り返すため、ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領を激怒させ、アメリカの同盟諸国やワシントンの親ウクライナ派連邦議員の間で深刻な懸念を引き起こしている。ゼレンスキー大統領は最近、ヴィトコフが危険な「ロシアの言説を拡散している(disseminating Russian narratives)」と非難した。トランプ政権によるウクライナ戦争終結に向けた取り組みは今のところほとんど進展がなく、トランプ大統領は進展がない中で、アメリカが間もなく交渉(さらには戦争そのもの)から離脱する可能性があると示唆した。

一方、トランプ大統領はウィトコフを非常に有能な交渉担当者と評価し続けており、その仕事量と外交ポートフォリオを拡大し続けている。ウィトコフはここ数日、イランの核開発計画に関する協議を主導し始めた。政権は、イランの核兵器開発を阻止する合意の確保を目指している。ウィトコフは、アメリカがイランの核開発計画の縮小を求めるのか、それとも完全に放棄を求めるのかに関して、矛盾したメッセージを伝えている。協議はまだ初期段階にあるが、トランプ大統領は合意に至らなければ、アメリカとイスラエルは軍事行動に出る可能性があると述べている。

ウィトコフが新政権に持つ並外れた影響力は、トランプ大統領の型破りな外交政策アプローチと、経験は浅いものの忠実な部外者を要職に就ける傾向を示している。カリフォルニア州選出の民主党連邦上院議員アダム・シフ氏は最近、『フォーリン・ポリシー』誌に対し、ウィトコフを「真の国務長官(“real secretary of state)」と見なしていると語り、ウィトコフは「中東とロシアの両方で、マルコ・ルビオ国務長官よりもはるかに大きな役割を果たしていることは明らかだ」と述べた。

(4)JD・ヴァンス(J.D. Vance

JD・ヴァンス副大統領ほど、数々のミームを生み出したトランプ政権高官はほとんどいない。ヴァンス副大統領はトランプ大統領のナンバー2として、常に上司の政策について議論する際には、型通りの発言をすることが求められていた。しかし、ここ数カ月、ヴァンスは政権の熱心で攻撃的な外交政策を体現する存在となり、公の場でトランプ大統領の忠実な攻撃犬(Trump’s loyal attack dog)としての地位を確立しようとしている。

まず2月のミュンヘン安全保障会議で、ヴァンスは異例の演説を行い、第2次トランプ政権がいかに劇的に大西洋横断関係を覆しているかを明らかにし、ヨーロッパの議員たちを驚かせた。2月下旬、ゼレンスキー大統領のホワイトハウス訪問でも、ヴァンスは再び攻撃犬としての地位を確立した。トランプ大統領とゼレンスキー大統領が話している間、22分間のほとんどで静かに座っていたヴァンスは、攻撃的に発言に割り込んだ。これがきっかけとなり、両首脳はウクライナ大統領を激しく非難し、公の場で激しい対立が起きた。

より最近で言えば、ヴァンスはトランプの最も物議を醸した外交政策のいくつかの顔として登場してきた。例えば、グリーンランド側が明らかに望んでいなかった訪問を熱心に主導したことなどだ。(デンマークのメディアによると、訪問に先立ち、アメリカ政府関係者はセカンドレディのウーシャ・ヴァンスを歓迎するグリーンランド人を見つけるのに苦労したと報じられている。)ヴァンスは予想通り、この任務により力を入れた。

(5)スティーヴン・ミラー(Stephen Miller

先月ワシントンを動揺させた「シグナルゲート」スキャンダルは、第2次トランプ政権にとって驚くべきリークであっただけではない。それはまた、トランプ大統領のトップ補佐官たちが、上司が部屋にいないときにどのようにコミュニケーションをとっているのか、そして誰が最終決定権を持っているのかを明らかにするものでもあった。

公開されたグループチャットのメッセージは、スティーヴン・ミラーに権力があることを示唆している。ミラーはトランプ第1次政権時代、大きな物議を醸した移民政策の立案者として名を馳せ、アメリカの指導者のより強硬な衝動を後押ししたことで知られる。彼は現在、トランプ大統領の国土安全保障補佐官およびホワイトハウスの政策担当次席補佐官としてより大きな影響力を持ち、特に政権の大規模な強制送還やアメリカの一流大学に対する十字軍の舵取りを担っている。

ミラーはその権限を利用して、政権と裁判所との衝突においてトランプ大統領の権限の限界を公に試してきた。最近では、誤ってエルサルヴァドルの刑務所に強制送還されたメリーランド州の男性キルマール・アブレゴ・ガルシアの件が記憶に新しい。トランプ政権は、アブレゴ・ガルシアがMS-13ギャングのメンバーであると主張しているが、ガルシアはこの主張を否定しており、刑事責任を問われたこともない。しかし政府は以前から、アブレゴ・ガルシアの強制送還は「行政上の誤り(administrative error)」であることを認めており、裁判所の裁定はホワイトハウスに彼の帰還を「促進(facilitate)」するよう求めている。

ミラーは反抗的である。フォックス・ニューズのインタヴューで、彼は裁判所の調査結果に反論した。ミラーは「彼は間違ってエルサルヴァドルに送られたのではない。彼は正しい場所に送られた、正しい人間なのだ」となった。

■乗客側(PASSENGERS

(6)マルコ・ルビオ(Marco Rubio

トランプ大統領の外交政策分野の最高ランク補佐官として、ワシントンの外交政策の優先事項を遂行するのが職務内容である人物にとって、ルビオはウクライナ、ガザ地区、イランに関する米国の唯一の責任者とはほど遠く、特にウィトコフにスペースを譲ることが多く、意思決定よりもダメージコントロールの任務が多い。

ルビオ国務長官がこれまでトランプ大統領の優先事項を最も顕著に実行したのは、何百人もの大学生のヴィザを取り消し、新規申請者のソーシャルメディアアカウントを監視させたことだ。

ルビオはまた、彼が監督する部局の大部分を解体する(半分程度と言われている)ことを命じられているようだ。これには、外国の偽情報を追跡するオフィスの最近の閉鎖、米国国際開発庁(USAID)の廃止、国務省の人権に関する活動の縮小などが含まれる。ルビオは最近、米国国際開発庁が国務省に吸収された後、米国国際開発庁の廃止を担当していたMAGAの忠実な支持者のピーター・マロッコを解雇したことで、トランプの熱烈な支持者の一部から国務長官に対する批判の嵐が巻き起こり、閣僚としての任期が残り少ないのではないかという憶測が再燃した。

おそらく、少なくともポップカルチャーに関して言えば、ルビオにとってこれまでで最も大きな出来事は、大統領執務室でトランプとヴァンスがゼレンスキー氏を激しく叱責する場面を、非常に不快そうな表情で目撃したことだろう。その場面はあまりにも気まずく、「サタデー・ナイト・ライヴ」で実際にパロディ化されたほどだ。

(7)ジェイミソン・グリア(Jamieson Greer

影響力を失い、何が起こっているのかを把握しているという印象さえ失った人物の中には、政権最大の政策において中心人物であるべきだった2人、すなわち米通商代表部(U.S. Trade RepresentativeUSTR)のジェイミソン・グリア代表とハワード・ラトニック商務長官がいる。トランプ大統領は当初、この2人を政権の貿易政策の責任者に指名していた。

この2人のうち、米通商代表グリアは最も不利な立場に立たされており、最も有名なのは、アメリカが貿易黒字を計上している同盟諸国に対しても巨額の関税が絶対に必要である理由について、連邦議会で証言している最中に、トランプ大統領がソーシャルメディアで方針を一変させ、グリアを困惑させたことで、グリアは窮地に陥ったことだ。米通商代表部は他国の差別的貿易慣行について綿密に記録された苦情申立書を作成したが、当初の「解放記念日」関税(“Liberation Day” tariffs)に使用された恣意的な計算式には、その作業は一切盛り込まれなかった。

トランプ大統領の1期目の任期中、国際パートナーは当時の米国通商代表ロバート・ライトハイザーが大統領の耳に心地よく響く、機転が利く貿易通の交渉相手であることを知っていたが、グリアがアメリカの貿易政策の策定において実際にどのような役割を果たしているのかは、今でも明らかではない。

(8)ハワード・ラトニック(Howard Lutnick

トランプは当初、商務長官であるラトニックを通商政策の最高責任者として想定していた。たとえ、トランプ自身がその舵取りをしっかりと握り、グリアが連邦議会で定められた権限を持ち、ベセントが財務省の役割拡大を主張し、ナヴァロが大統領の耳を持っていたとしても、である。

しかし、トランプ大統領の貿易戦争がエスカレートして以来、ラトニックは政権の政策に対する影響力の欠如を公の場で強調するばかりだ。市場では既に、ラトニックの攻撃的な口調や経済理解の欠如に懐疑的な見方をしていた。しかし、ラトニックもまたグリアと同様、トランプ大統領の鞭打つような通商政策とは一線を画している。ラトニックは、関税は交渉のためではなく、不公正な慣行を罰するためのものだと大声で何度も繰り返した。ラトニックは、アメリカ人が「小さなネジをねじ込んで(screwing in little screws)」iPhoneを製造する未来を約束したが、大統領が電子機器を懲罰的な中国制裁の対象から除外し、中国関税の根拠となる、既に疑問視されていたものを根底から覆すまでは。報道によれば、ホワイトハウスはラトニックをテレビから遠ざけようとしているようだ。

(9)キース・ケロッグ(Keith Kellogg

トランプ大統領のウクライナ・ロシア担当特使であるキース・ケロッグ退役中将は、トランプ新政権で自己主張するのに苦労している。ウクライナ戦争終結に向けたアメリカの努力の中で、彼はしばしばウィトコフの後塵を拝してきた。例えば、ケロッグは最近リヤドで行われた停戦交渉に出席しておらず、傍観されているのではないかという疑問が投げかけられている。

対露タカ派として知られ、他の政権高官よりもキエフに友好的と見られているケロッグは、最近パリで行われた戦争に関する協議には出席した。しかし、トランプ大統領がウィトコフにこの問題の処理にはるかに大きな信頼を置いていることは、不動産王ウィトコフの度重なるロシア訪問からも明らかだ。そしてトランプ大統領は、アメリカが戦争を終わらせる努力をすぐに放棄する可能性を示唆しており、ケロッグは更に影が薄くなる可能性がある。

(10)ピート・ヘグセス(Pete Hegseth

ヘグセスの国防総省長官としての在任期間は、混乱と論争に象徴されている。連邦上院で辛うじて承認されたわずか数週間後の2月、ヘグセスはベルギーで開催されたNATOの会議で、同盟諸国との「不均衡な関係を容認しない(tolerate an imbalanced relationship)」と述べ、ウクライナの同盟参加を否定した。ヘグセスはまた、ウクライナの2014年以前の国境線に戻ることは「非現実的(unrealistic)」だとも述べた。

フォックス・ニューズの司会者であったヘグセスは、歴史的に国防長官として不適格であると民主党は見ているが、その後、モスクワとの和平交渉においてキエフの最も重要な影響力を事実上放棄したと批評家から非難された。連邦上院軍事委員会の委員長である共和党のロジャー・ウィッカー連邦上院議員(ミシシッピ州選出)は、ヘグセスの演説は「新人のミス(rookie mistake)」だったと述べた。

ヘグセスは、トランプ政権がこれまでに直面してきた最大の論争の1つであるシグナルゲート事件の中心人物でもある。彼はシグナルのグループチャットで、イエメンのフーシ派に対する今後のアメリカ軍攻撃に関する機密情報を他の政権高官と共有したのだが、そのグループチャットには偶然、『アトランティック』誌編集長も含まれていた。

4月初旬、国防総省の監察総監代理(the Pentagon’s acting inspector general)は、シグナルのグループチャットにおけるヘグゼスの役割について調査を開始した。トランプ政権は、このチャットで機密情報は共有されなかったと主張しているが、報道はそれを否定しており、国家安全保障の専門家たちは、こうした主張は事実無根であると断言するとともに、このスキャンダルが主要同盟諸国との情報共有に深刻な影響を与え、国家を脅威から守ることがより困難になる可能性があると懸念を表明している。

そして今週、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ヘグゼスがシグナルでイエメン作戦に関する機密軍事情報を共有したという新たな疑惑を報じた。今回は、妻、兄弟、そして個人弁護士を含むグループチャットで共有されたとのことだ。

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トランプ大統領の経済政策を作っている5人の人物たち(The 5 people shaping Trump’s economic agenda

ブレット・サミュエルズ

2025年4月19日

『ザ・ヒル』誌

by Brett Samuels - 04/19/25 5:00 PM ET

https://thehill.com/homenews/administration/5256332-trump-economic-advisers/

ドナルド・トランプ大統領は、金融市場を揺るがし、時に矛盾したメッセージを伝える大規模な関税政策を実行するにあたり、異なる視点と経歴を持つ複数の経済アドヴァイザーに依存している。

スコット・ベセント財務長官は貿易協定交渉を主導し、共和党所属の連邦議員やウォール街の金融機関の幹部たちからは頼りになる人物と見られている。

ピーター・ナヴァロ上級貿易顧問は気難しい性格だが、関税に関してはトランプ大統領の揺るぎない見解を共有し、心底からの忠誠心を持っている。ハワード・ラトニック商務長官はトランプ大統領の長年の友人だが、メディア出演で何度か失言をしている。

加えて、ケヴィン・ハセット国家経済会議(National Economic CouncilNEC)委員長とジェイミソン・グリア米国通商代表部(U.S. trade representativeUSTR)代表は、トランプ大統領の経済計画の策定、実行、そしてそのメッセージ発信を影で支える高官たち(behind-the-scenes senior officials)だ。

ホワイトハウスに近い複数の取材源によると、異なる見解を持つ政府関係者がいることは大統領にとって目新しいことではなく、関税、貿易、経済政策に関して最終的な決定権を持つのは最終的にはトランプ大統領だということだ。しかし、経済学者たちがトランプ大統領の政策の潜在的な影響を警告する中、こうしたトップ経済担当アドヴァイザーたちは注目を集めている。

ある第1次トランプ政権のホワイトハウス関係者は次のように述べている。「彼らはA地点からB地点へ到達する方法に関して異なる見解を持っている。率直に言って、それがトランプ大統領の狙いだ。『私の前で戦い、誰が勝つかは私が決める(fight in front of me, and I’ll decide who wins)』という姿勢を望んでいる」。

(1)スコット・ベセント(Scott Bessent
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ベセントはここ数日、トランプ大統領のホワイトハウス内での評価が高まっており、彼の主張が大統領に受け入れられている兆候が見られる。

ベセントは、他の経済アドヴァイザーが交渉の余地はないと示唆した後、ホワイトハウスが先週記者団に対し、より厳しい「相互」関税(“reciprocal” tariffs)の90日間の一時停止について説明を行うために派遣したトランプ政権の高官だった。

ベセントは、日本をはじめとする各国との貿易協定締結交渉を主導してきた。木曜日、トランプ大統領とイタリア首相との会談中、ベセントは大統領執務室のソファに座っていた。トランプ大統領は、協定締結に向けた進行中の取り組みについて、ベセントに発言を委ねた。

ベセントは、市場への影響を懸念し、ジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任について、トランプ大統領に警告したと報じられている。また、政権内外の多くの人々から、ベセントは大統領の政策を一般大衆とウォール街の両方に訴える形で明確に説明できる人物だと見られている。

「重要なのは、誰がグループにとって最良のメッセンジャーであるかだ。ベセントは最良のメッセンジャーだ」とトランプの支持者の1人は述べた。

第一次政権下では、トランプ・ワールドの中心人物ではなかった高官の台頭は、注目すべきものだ。ベセントは2015年にヘッジファンドを設立した。それ以前は、リベラル派の巨額献金者であり、共和党から頻繁に攻撃や陰謀論の標的となっているソロス家の資産を運用する投資会社に勤務していた。

(2)ハワード・ラトニック(Howard Lutnick
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トランプ大統領は、キャンター・フィッツジェラルド社の取締役であるラトニックを商務長官候補に指名した際、ラトニックが「関税と貿易政策を主導する(lead our tariff and trade agenda)」と述べた。これは、トランプが追求しようとする積極的な政策において、ラトニックがいかに重要な役割を担うかを早期に示唆するものだった。

確かに、ラトニックは政権による様々な関税導入において重要な役割を果たし、トランプ大統領の近くに頻繁にいる。しかし、特にメディア出演はホワイトハウス内の一部の人々を苛立たせ、その影響力の大きさを疑問視する声も上がっている。

ラトニックは3月のFOXニューズのインタヴューで、アメリカ国民にテスラ株への投資を促した。大統領が関税を撤回する数日前まで、ラトニックは決して撤回しないと断言していた。更に、トランプの貿易政策によって、何百万人ものアメリカ人が「iPhoneを作るために小さなネジを締める」ことになると示唆し、人々に不快感を起こさせた。

トランプ大統領の側近やウォール街の関係者の中には、ホワイトハウスの関税政策が失敗し(go awry)、経済が急落した(the economy into a tailspin)場合、ラトニックが責任を取るべきだと主張する人たちもいる。

共和党のあるストラテジストは、「ラトニックは明らかに一部の人々を怒らせている」と述べている。

しかし、ラトニックがすぐに解任される可能性は低く、依然として大統領の耳目を集めていると取材源は本誌に語っている。

ラトニックはトランプ大統領の長年の友人であり、大統領選挙に数百万ドルを寄付してきた。大統領専用機エアフォースワンに同乗する姿が頻繁に目撃されており、木曜日には大統領執務室で、アメリカの水産物輸出拡大に向けた取り組みを訴える大統領令の署名式に出席した。

(3)ピーター・ナヴァロ(Peter Navarro
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ピーター・ナヴァロ(右)とスティーヴン・ミラー

ナヴァロの正式な肩書きは、貿易・製造業担当上級顧問(senior counselor for trade and manufacturing)だ。彼とトランプ大統領は、製造業をアメリカに呼び戻す手段(a tool to return manufacturing to the United States)として関税を活用するという点で一致している。

ナヴァロはトランプ大統領の関税政策を主導し、輸入品に対する新たな関税の導入を提唱してきた。また、鉄鋼・アルミニウム、そして自動車に既に課されている関税の重要性を主張してきた。

彼は、輸入品に10%の基本関税を課し、さらに数十カ国にさらに厳しい制裁関税を課す「相互」関税(“reciprocal” tariffs)を強く支持し、これを国内製造業の復活のための「国家非常事態(national emergency)」と位置付けていた。ナヴァロはかつて、ヴェトナムが全ての関税を撤廃するだけでは不十分だと示唆したこともあります。

しかし、トランプ大統領が中国を含むホワイトハウスとの協議への扉を開くと、彼の揺るぎない姿勢はホワイトハウス内の他のメンバーと足並みを揃えなくなっていった。ナヴァロの序列は、大統領顧問の億万長者であるイーロン・マスクがソーシャルメディアで公然と彼を攻撃したことで、さらに厳しく問われることになった。また、彼は連邦議会でも多くの友人を得ていない。

ホワイトハウスは内部の意見の相違を軽視している。ホワイト報道官のキャロライン・リーヴィットはマスクとナヴァロの口論について記者団に対して、「男はいつになっても少年(Boys will be boys)」と述べた。

更に言えば、トランプ大統領はナヴァロの忠誠心も高く評価している。ナヴァロは第1次政権でも内部抗争の中心にいたが、政権内にとどめられた。その後、ナヴァロは2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件に関連する議会の召喚状に応じなかったため、収監された。

(4)ケヴィン・ハセット(Kevin Hassett
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国家経済会議(National Economic CouncilNEC)の議長であるハセットは、事実上トランプ大統領のトップ経済アドヴァイザーである。

選挙運動中は大統領の経済政策を擁護する立場にあり、政権発足後も同様の役割を果たし、テレビや記者会見に出席して関税への批判に反論してきた。

ホワイトハウスに近い取材源は本誌に対し、ハセットは舞台裏では大統領の発言に常に同意している訳ではないと述べた。しかし、公の場では、ハセットはトランプ大統領のメッセージに忠実であり、大統領の行動やその先手を打つような発言はしない、一貫した人物と見られている。

例えば、ハセットは2021年に発表した回顧録の中で、自身と他のトランプ陣営の顧問たちが大統領に対し、FRB議長の解任は実際には不可能かもしれないし、合法かどうかに関係なく、金融市場を暴落させる可能性が高いと警告したと述べている。

金曜日、ハセットは慎重な姿勢を示し、記者団に対し、トランプ大統領とそのティームは、大統領がジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任できるかどうかについて「引き続き検討する(will continue to study)」と述べ、FRBの政策を批判した。

ハセットは、トランプ大統領の最初の任期中、大統領経済諮問委員会(Council of Economic AdvisersCEA)の委員長を務めた。また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、ホワイトハウスに経済政策に関する助言を行い、CEAが米国の新型コロナウイルスによる死者数が2020年5月までに減少すると予測するグラフを発表した際には、厳しい批判に晒された。

(5)ジェミソン・グリア(Jamieson Greer
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あまり知られていないが、貿易交渉において同様に重要な人物が、米国通商代表を務めるグリアだ。

グリアはトランプ第1次政権時代、ロバート・ライトハイザー通商代表(当時)の首席補佐官を務め、関税や最終的な貿易協定に関する中国との交渉で最前列に立ち、重要な役割を果たした。彼はまた、NAFTAを再交渉し、2020年に調印されたUSMCAU.S.-Mexico-Canada Agreement、米・メキシコ・カナダ協定)にするための協議にも加わっていた。

グリアは、貿易に関して大統領の側近に誰がいるかということになると、見落とされる傾向がある。トランプ大統領は、ラトニックが商務省を運営するポートフォリオの一部として貿易を監督すると述べており、大統領自身もこの問題について強い見解を持っている。

グリアは、法令上はホワイトハウスの貿易交渉官だが、トランプ大統領はこれまで主要な経済協議の主導を財務長官に頼ってきた。

しかし、グリアは大統領のアジェンダを実行した経験を持つ人物としてトランプ・ワールド内で尊敬されており、連邦上院の承認公聴会では貿易赤字の削減と国内製造業の強化が優先事項であることを示唆した。

グリアは2月、複数の連邦上院議員に対し、「国際貿易システムを再構築し、アメリカの利益をより良くするための時間は比較的短いと確信している」と語った。

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●「対中強硬派、米政権で影響力低下 The Economist

日本経済新聞2025422

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88177570R20C25A4TCR000/

トランプ米大統領が関税政策で世界を大混乱に陥れる前から、彼の対中戦略を見極めるのは難しかった。トランプ氏の決定は多くが気まぐれによるうえ、外交政策の顧問らも派閥に分かれ互いに対立しているようだ。

ワシントン用語で言う「優越主義者」はあらゆる脅威に立ち向かい、世界における米国の覇権を取り戻すとし、「優先主義者」は米国が対処できるのは中国だけでウクライナは見捨てるべきだと主張する。「抑制主義者」は米国は今後の戦争は避け、自国に専念すべきだと考える。

トランプ氏の考えがどうあれ、今、明らかになりつつあるのは優越主義者であれ、優先主義者であれ対中強硬派は影響力を失いつつある点だ。

関税騒動に隠れて目立たないが、それをよく表す出来事の一つが43日に公になった国家安全保障会議(NSC)の高官6人の解雇・異動だ。その前日、右翼の陰謀論者ローラ・ルーマー氏がトランプ氏と会い、彼らがトランプ氏に「忠実でない」と主張したのが影響したのは明らかだ。

6人を中国との戦争も辞さない「ネオコン(新保守主義者)」とみなし、排除したいという思いはトランプ・ジュニア氏ら抑制主義者とルーマー氏でほぼ一致している。

更迭された一人がNSCの重要技術担当のデビッド・フェイス上級ディレクターで、これは象徴的だ。父ダグラス氏も初期のネオコンの一人で、米国防総省高官として2003年の対イラク軍事作戦の立案に携わった。デビッド氏は現政権の最も経験豊富な中国専門家の一人で、第1次トランプ政権では国務省に勤務し、同盟国との関係強化を図るインド太平洋戦略の策定を支援した。その後、シンクタンクに移り、強硬な対中政策の必要性を訴えてきた。

NSCでは米国の対中技術輸出などの問題を担当し、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の非中国企業への売却を提案した。多くのバイデン前政権の取り組みを進める一方で、2月に発表した「アメリカファースト投資政策」など新しい政策にも取り組んだ。同政策はロシアと中国を「敵対国」とし、対中投資規制の枠を広げるものだ。

こうした政策への彼の見解が解雇を招いたのかは不明だが、元同僚らはこの解雇を孤立主義者らの勝利で、中国専門家らの敗北だとみている。

NSCの対中強硬派でアジア担当上級部長のイバン・カナパシー氏と、大統領副補佐官(国家安全保障担当)のアレックス・ウォン氏の先行きも今や不透明だ。ルーマー氏は、カナパシー氏が以前トランプ氏に批判的な人物と仕事をしていたことや、ウォン氏とその妻が中国系であること、妻の弁護士としての経歴を批判した。両氏はまだ解任されていないが、2人の上司であるウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当で対中強硬派)がすでに権威を失っているため弱い立場にある。

カナパシー氏は現政権で最も強力な台湾支持者の一人とされているため、中国と台湾当局は彼の動向を注視するだろう。1417年に米国の対台湾窓口機関、米国在台協会に駐在武官として赴任した。24年には第1次トランプ政権でNSCアジア上級部長だったマット・ポッティンジャー氏が編集した台湾防衛に関する本に寄稿し、同氏と共に昨年6月、頼清徳(ライ・チンドォー)台湾総統と会っている。

ポッティンジャー氏は211月の米議会襲撃事件へのトランプ氏の対応に不満を募らせ辞任したが、以来、中国に政治的変化を促すべく厳しい対中政策を提唱してきた。

こうした動きが米政府の中国への対応にどう影響するかは不透明だ。トランプ氏は貿易最重視で、対中政策を巡る高官らの対立を知らないかもしれない。だがもはや対中強硬派は1期目のように同氏に気付かれずに物事を進めるのは困難になる可能性がある。

米国が最近、中国の台湾支配に反対する断固とした共同声明を同盟国と共に複数出したことや、国務省のサイトから「台湾独立を支持しない」とする文言が削られたことについては、対中強硬派の関与を指摘する声がある。

国防総省でも勢力図は変わりつつあるかもしれない。要職経験のないヘグセス国防長官は3月にアジアの同盟各国を初めて歴訪した際、バイデン前政権の約束の多くを繰り返し、相手国を安心させた。それはトランプ政権がまだアジアでの軍事的優先事項を決めていなかったからだろう。

米上院は8日、国防総省ナンバー3の国防次官(政策担当)にコルビー氏を承認した。彼はヘグセス氏を支援する重要な役割を担うわけで、優先事項は今後明らかになる。

コルビー氏は中国を優先課題にすべき(台湾防衛を含む)だと声高に主張してきただけに元同僚らは適任だと言う。筋金入りの中国専門家ではないが、第1次トランプ政権では国防総省で中国とロシアを主たる敵対国とみなす国防戦略を策定した。退任後は中国のアジアでの覇権に対抗すべきだと主張するシンクタンクを設立し、本も出版した。

だがコルビー氏は最近はむしろ抑制主義者のようだ。台湾は米国の「存在にかかわる」問題ではないとし、台湾は防衛費を今の国内総生産(GDP)比3%から10%に上げるべきだと非現実的な主張を展開、韓国にも自力での国防に注力するよう求めている。

バンス副大統領やトランプ・ジュニア氏はこうした発言を支持している。彼らはトランプ氏は「眠れる竜の目を不必要に突く」のを避け、「中国と均衡を図って戦争を回避すべく」中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と交渉したい考えで、コルビー氏もこれを支持しているという。

コルビー氏の変節は政治的には賢明かもしれない。だが米国や同盟国の一部の防衛関係者の間で懸念を招いている。トランプ氏の欧州への見解と似たものを感じたためだ。トランプ氏の台湾への関心は低い。それだけに台湾防衛を犠牲にして、習氏から中国の貿易面で譲歩を引き出す一方、米国がアジアで既に持つ権益には手を出さないと約束させる取引をするのではないかと危惧しているのだ。

トランプ氏がアジアの同盟各国にも関税を課し、空母とミサイル防衛システムを最近アジアから中東に移したことなどから、彼が一貫した対中戦略を維持できるのかを疑問視する声もある。

国務省もルビオ国務長官が対中強硬派であるにもかかわらず、中国については限られた発言権しかないようだ。ルビオ氏の政策立案を担うマイケル・アントン政策企画局長は米国は台湾を防衛すべきでないと主張している。主な中国専門家数人が最近早期退職した一方で、東アジア・太平洋地域担当の次期トップに指名された弁護士のマイケル・デソンブル氏は駐タイ米国大使を1年務めた以外、外交経験がない。

中国がこうした人事を見逃すはずがない。中国政府に助言する中国の米研究者らは、第1次トランプ政権はNSCや国防総省、国務省の対中強硬派が強い影響力を持っていたとみている。復旦大学の孟維瞻研究員は最近、ある論評でトランプ現政権の対中強硬派の影響力は第1次政権に比べ弱まったと指摘した。米国はテックや貿易では強硬姿勢を強めていくが、国内問題重視からイデオロギーや軍事面ではそれほど圧力をかけてこないと孟氏はみている。

だがどれもトランプ氏の対中戦略を決定づけるものではない。この数週間をみても、彼の戦略は気まぐれですぐ変わる。それでも国際関係や政策を誰が日々管理するかは大事だ。トランプ氏が中国と取引しようとするか、あるいは貿易戦争が安全保障問題に波及した場合、同氏がとり得る選択肢や中国の反応を読む能力は重要だ。

米国が台湾を巡り弱腰な姿勢を見せれば中国の軍事行動を誘発するかもしれないし、挑発しすぎて軍事行動を招くかもしれない。一貫した戦略もなく中国との貿易戦争に突入するのは、それだけで多くのリスクを伴う。防衛面で一貫性を欠けば大惨事を招きかねない。

419日号)

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になります。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 ドナルド・トランプ大統領による高関税の発表から1カ月が経過した。いくつかの妥協がなされているが、日本に関しては、24%の関税賦課が行われる予定で、それを回避するために、赤澤亮正経済再生担当大臣が2度の訪米で交渉を行っている。アメリカとしては、貿易拡大、特にアメリカ製品の輸出拡大を目指しているが、厳しい状況だ。

アメリカ側は、日本車とアメリカ車の不均衡を批判しているが、日本で売れるアメリカ車を作る努力もしないで、ただただ買えと言っているのは押し売りと同じだ。もしくはカツアゲだ。アメリカ産の農産物を買うと言っても、少子高齢化で人口減少、高齢社会によって食料品の消費量はどうしても減っていく。アメリカ産のトウモロコシをどうやって消費するかは難しい。結局、政府がアメリカらから製品を買って、海外援助の現物として支給する形にするしかないが、そのような税金の使い方が良いのかという問題は起きる。

 トランプ高関税(解放記念日関税)によって、株式市場は乱高下し、更には米国債の金利上昇という事態に陥り、妥協する形になった。高関税を支持したのは対中強硬派であり、そのグループが交代を余儀なくされたということになる。この高関税政策の主眼は、アメリカの貿易赤字削減であるはずなのに、高関税を武器にして、中国と争うことを主眼としたグループがおり、そのグループが過剰な中国をターゲットにした、関税戦争、貿易戦争を仕掛けようとしたが、中国が頑として妥協しないという姿勢を示したために腰砕けとなった。これは、ウクライナ戦争勃発後、西和賀諸国がロシアをSWIFTという国際決済システムから除外し、制裁を科して、ロシアを早々に屈服させようとして失敗したのと似ている。中露両国はアメリカからの制裁に慣れており、その準備を十年単位に進めている。対米自立(対ドル自立)ができている(食糧安保も含めて)。

高関税を何とか宥めたいグループの代表がスコット・ベセント財務長官だ。ベセントは昨年の大統領選挙ではトランプを支持し、関税政策も支持していた。しかし、対中強硬派の暴走を抑えることに成功した。それはもちろん、米国債金利上昇(米国債が中国によって売られた可能性が高い)という緊急性の高い事態を招いたこともあるが。スコット・ベセント財務長官、ハワード・ラトニック商務長官、ジェイミソン・グリア米通商代表がこれから、二国間協議で各国からの妥協を引き出すということになるだろう。これは簡単に言えば、みかじめ料ということになるが、あまりにも阿漕なみかじめ料を取るようならば、アメリカの威信は地に堕ち、信頼を失うことになる。

 ナヴァロをはじめとする対中強硬派は高関税を使ってやり過ぎてしまった。対中強硬派はこれからトランプ政権で力を失っていくだろう。ナヴァロはトランプに殉じて刑務所に入ったくらいの忠誠心の高い人物であるから、象徴的な意味でも政権内に留まるだろうが、実権はなくなるだろう。トランプ政権の荒療治はなかなか厳しい状況に陥っている。

(貼り付けはじめ)

トランプ関税ドラマの勝者と敗者(Winners and losers from the Trump tariffs drama

ナイオール・スタンジ筆

2025年4月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5243790-trump-tariff-china-trade-war/

ドナルド・トランプ大統領は水曜日、世界各国への関税賦課をほぼ一時停止し、方針を転換した。

唯一の大きな例外は、激化する貿易戦争(an escalating trade war)の焦点となっている中国だ。アメリカの対中関税は現在145%に達しており、中国は報復措置としてアメリカからの輸入品への関税を金曜日早朝に125%に引き上げた。

トランプ大統領が国際的な関税賦課を撤回したのは、アメリカ株が数兆ドルの下落を見せ、債券市場が警戒感を示し始め、経済界が景気後退の可能性を懸念する声が高まった後のことだ。

譲歩を決して認めようとしないトランプ大統領でさえ、投資家たちが動揺し始めていることを指摘し、「投資家たちは騒ぎ立てている(they were getting yippy)」と述べ、自身も債券市場の動向を注視していると述べた。

利上げ停止発表直後、水曜日の午後、市場は大きく上昇した。しかし、中国情勢への懸念が更に強まったため、木曜日には再び急落した。

ダウ工業株30種平均は1000ポイント以上、つまり、2.5%下落した。より広範なS&P500は約3.5%下落し、ハイテク株中心のナスダックはさらに下落し、4.3%下落した。

状況は流動的で、今後も多くのドラマが展開される可能性が高い。

トランプ大統領自身以外では、関税騒動の勝者と敗者は誰なのだろうか?

■勝者たち(WINNERS
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●スコット・ベセント財務長官(Treasury Secretary Scott Bessent

ベセントはここ1週間、トランプ政権内でより強い立場を築いてきた。

トランプ大統領と公に決別しようとしたことは一度もないが、包括的かつ過酷な関税水準に懐疑的な派閥のリーダーであることは明らかだ。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の木曜日の報道によると、ベセント財務長官は週末、トランプ大統領の専用機エアフォースワンに同乗し、金融市場の透明性の必要性を強調し、大統領に「他国との交渉に集中する(focus on negotiating with other countries)」よう助言したことで、内部での影響力を強めたようだ。

かつてヘッジファンドマネジャーを務め、過去には民主党の資金調達担当者でもあったベセントは、トランプ周辺の一部が主張する過剰な保護主義(hyperprotectionism)に対して、常に懐疑的だった。

より穏健なアプローチが勝利した後も、ベセントはトランプに対して忠誠心を持ち、トランプについて「これが彼の戦略だった(This was his strategy all along)」と報道陣に語った。
elonmuskdonaldtrump201

●イーロン・マスク(Elon Musk

関税騒動の裏話はマスクに絡んでいる。

マスクは、トランプの側近で経済学者であり、最も保護主義的な立場を明確に示すピーター・ナヴァロと激しく対立していた。ナヴァロが、マスクがテスラ(ナヴァロはテスラを真のメーカーではなく「自動車組立業者(car assembler)」と揶揄していた)のせいで自由貿易に既得権益があると主張すると、マスク氏は彼を「間抜け(moron)」呼ばわりした。

更に言えば、マスクは壮大な関税制度に明らかに不安を抱いているもう1人の重要人物だった。例えば、トランプ大統領とヨーロッパ連合(EU)の間の緊張が高まる中、マスクは大西洋横断自由貿易圏(a transatlantic free trade zone)の設立を公に表明した。

ベセントと同様に、マスクも内部論争で勝利を収めた。

●民主党(Democrats

ここでは野党が勝利を収めることになる。

民主党は、昨年11月のトランプの勝利、党内の今後の方向性をめぐる議論、そして党に対する認識の急落を示す世論調査によって、大きく揺さぶられてきた。

しかし現在、トランプは中道層の有権者に深刻な打撃を与えかねない、最初の大きな失策を犯したと見られている。

世論調査では関税が広く不人気であることが示され、トランプの支持率も急速に低下しているように見える。

1月にトランプが大統領に就任して以降、初めて、民主党に追い風が吹いている。

■中間(MIXED

●ウォール街(Wall Street

投資家と金融機関にとって、これはジェットコースターのような激しい動きだった。

数日続いた急落は、水曜日にウォール街史上最大級の1日の上昇で打ち破られた。

そして木曜日、市場は再び急落した。

主要株価指数は、トランプ大統領の「解放記念日」関税(“Liberation Day” tariff)発表前の水準と、その後数日間に記録した安値とのほぼ中間水準にある。

ウォール街は、トランプ大統領の方針転換に影響力のある発言者が何らかの役割を果たしたという事実に、ある程度の安堵を抱くことができるだろう。

しかし、中国との緊張が解消されない限り、今後の道のりは依然として不安定だ。

●連邦議会共和党(Republicans in Congress

共和党の一部には、当初からトランプ大統領の関税措置に対する明確な不安が存在していた。

共和党所属の連邦議員の中には、関税が早期に緩和されることを期待する者もいた一方、連邦上院議員の中には、この問題に関する権限をホワイトハウスから奪還しようとする動きに加わった者もいた。

市場が今後改善すれば、共和党へのダメージは小さくなるかもしれない。

しかし、市場のヴォラティリティはまだ明らかに解消されておらず、それが共和党の政局にも不確実性をもたらしている。

■敗者(LOSERS
peternavarrodonaldtrump201
●ピーター・ナヴァロ(Peter Navarro)

ナヴァロの保護主義、アメリカが外国の競争相手につけこまれていると強く主張する姿勢は、大統領に支持を得ているように見えた。

ハーヴァード大学で博士号を取得しているにもかかわらず、著名な経済学者の中では異端児であるナヴァロにとって、かつてはそれが好意的な承認のように思えたに違いない。

しかし、トランプ大統領が関税賦課を停止したことで、その見方は大きく崩れ去った。

確かに、トランプ大統領は10%の関税を維持し、他国向けに「特注(bespoke)」の解決策を検討しているとされている。

しかし、ナヴァロを最も象徴する主張、すなわち十分な規模と期間の長期にわたる懲罰的関税がアメリカの製造業の再生を促すという主張は、再び遠ざかりつつあるようだ。

●中国(China

中国政府はトランプ大統領との対決において決して譲歩しないと強調し続けている。

中国商務省は「最後まで戦う(fight to the end)」用意があると約束しており、政府報道官はソーシャルメディアで毛沢東国家主席の好戦的な映像を共有し、その点を強調した。

貿易戦争が長期化すれば、中国だけでなくアメリカにも打撃を与えることは疑いようがない。

最新の統計によると、アメリカは毎年約640億ドルの携帯電話、300億ドルの玩具、200億ドルの繊維・衣料を輸入している。関税は、これらの品目のアメリカ国内の価格を上昇させるか、単に入手しにくくするだけだ。

しかしながら、中国への打撃は更に大きくなる可能性が高い。

中国の対米輸出は輸入の約3倍に上る。中国は近年、市場の多様化に努めているものの、アメリカとの貿易に大きな障害が生じれば、深刻な痛みをもたらすだろう。

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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ドナルド・トランプが2期目の政権を樹立すると、日本で言えば大臣クラスの各省の長官(Secretaries)をはじめ、各省や政府機関の高官ポストが交代になる。これを政治任用(political appointment)という。その数は4000ほどと言われている。トランプ政権では、「スケジュールF」といって、政治任用の大幅に拡大し、5万と10倍以上にするという計画がある。これは2020年の政権末期に行おうとしてできなかったことだ。

 トランプ一期目政権のマイク・ペンス前副大統領やジョン・ボルトン元国家安全保障問題担当大統領補佐官、レックス・ティラーソン元国務長官といった人々は、トランプから離れて批判派に転じている。それでも、トランプ一期目政権で政府高官を務めた人々の中で、二期目政権に入ると見られている人たちがいる。

 こうした人たちは大きく分けると2つのグループに分かれている。1つは、ワシントンにある保守派のシンクタンクであるヘリテージ財団が主導して、100以上の組織が参加した政策提言プロジェクト「プロジェクト2025(Project 2025)」に参加した人々である。この「プロジェクト2025」の政策提言「プレイブック」は、行政国家の解体を旗印にして、ディープステイトの解体を目指す内容になっているが、中絶の法制化やポルノの禁止といった保守過激派の主張が色濃く反映されている。このプロジェクトは、元人事管理局首席補佐官のポール・ダンズが主導し、ホワイトハウス国家通商会議委員長・ホワイトハウス通商製造業政策局長を務めたピーター・ナヴァロ、元住宅都市開発長官のベン・カーソン、元大統領上級顧問のスティーヴン・ミラーが参加している。
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ポール・ダンズ
peternavarroatrnc2024001
ピーター・ナヴァロ
stephenmiller101
スティーヴン・ミラー

 この「プロジェクト2025」に対しては、トランプ前大統領は距離を置いていたが、最近になって突き放すようになっている。トランプ選対の共同本部長を務める、スージー・ワイルズとクリス・ラシビータは、「プロジェクト2025」を批判し、プロジェクトを主導したダンスは辞任した。「プロジェクト2025」に参加した人物はトランプ政権に入れないという情報もある。「プロジェクト2025」系のピーター・ナヴァロは、トランプのために、連邦下院からの証言招聘を拒否し、服役した筋金入りのトランプへの忠義派だ。ナヴァロは論功行賞でトランプ政権に入ることになるだろう。このナヴァロが強く批判しているのがもう一つのグループである「アメリカ・ファースト政策研究所(America First Policy InstituteAFPI)」である。ナヴァロはこのグループを「偽物のトランプ派、忠誠心などない」とツ激しく非難している。

 アメリカ・ファースト政策研究所は、トランプ政権終了後に創設されたシンクタンクであり、中心人物としては、元国内政策担当補佐官のブルック・ロリンズ、トランプ大統領のトップの経済担当補佐官を務めたラリー・クドロー、トランプ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官のロバート・オブライエン、トランプ政権下で米通商代表を務めたロバート・ライトハイザーが挙げられる。彼らは穏健派であり、「プロジェクト2025」グループのような過激な主張は行っていない。このグループからはトランプ政権の高官になる人たちが多数出ると予想されている。
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ブルック・ロリンズ
robertobrien101
ロバート・オブライエン
larrykudlow101
ラリー・クドロー
robertlighthizer101
ロバート・ライトハイザ―

 トランプ政権を支えるのが「プロジェクト2025」派と「アメリカ・ファースト政策研究所」派ということになる。両派の間はしっくりいっていないようである。トランプ政権が発足する場合、政権を円滑に進めるためにも両派の間をうまくマネイジメントできる人物を首席補佐官に据える必要があるだろうと考える。

(貼り付けはじめ)

●「「プロジェクト2025」責任者辞任 トランプ陣営が批判」

By Alex Rogers NIKKEI FT the World 2024年81

https://www.nikkei.com/prime/ft/article/DGXZQOCB311QZ0R30C24A7000000

トランプ前米大統領の率いる共和党が政権を奪還した場合を想定した政策集をまとめている「プロジェクト2025」の責任者を務めていたポール・ダンズ氏が30日、辞任した。約900ページに及ぶ政策集で連邦政府の再編を提言していたが、トランプ陣営は距離を置いていた。

民主党による批判の矛先に

プロジェクト2025は保守系シンクタンク、ヘリテージ財団が主導する(幅広い保守系団体などの参加する)協調的な取り組みで、共和党の大統領が政府を全面刷新するための青写真を描くことを目指している。しかし、大統領選でトランプ氏と争う見通しのハリス副大統領をはじめとする民主党陣営は、トランプ氏が「中産階級を弱らせる」過激な計略を追求していると批判する材料として、プロジェクト2025を利用してきた。

政策集では冒頭に、このマニフェスト(政権公約)に「目」を通すのは、第47代米大統領(次期大統領)だと書かれている。

ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長は、財団を去ることにしたダンズ氏の決断をたたえた。30日の声明で、ダンズ氏について「保守派の統一ビジョンを築く」ために数十もの組織のアイデアをまとめ上げる能力を持っており、今後「まだ戦いの続く前線へ移っていくだろう」と述べた。

プロジェクト2025にはトランプ氏に再び仕えることを望む何人もの前政権高官が参加しているにもかかわらず、トランプ陣営は繰り返しこの計画を批判してきた。同氏は7月下旬にも、計画と自身を関連付けるのは「極左の民主党のやつらが流した単なる偽情報だ」と主張した。

政策集には、ポルノ禁止や避妊薬などの使用制限、人工妊娠中絶に関する政府の情報収集強化など社会問題に対して保守的な提案が盛り込まれており、前大統領やその顧問らをいら立たせていた。

トランプ氏の任命によって保守派判事の割合が増えた連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆した後、同氏は全米での中絶禁止という右派の目標とは距離を置こうとしてきた。ロバーツ氏はプロジェクト2025の政策集の序文で「次の保守派の大統領は、罪なき生命を守るために既存の連邦政府の権限を行使しながら、議会も支持するであろう最も強力に胎児を保護する措置の立法化に向けて議会と協力していくべきだ」と書いた。

トランプ陣営、辞任を歓迎

トランプ陣営の上級顧問を務めるスージー・ワイルズ氏とクリス・ラシビータ氏はダンズ氏の辞任を歓迎し、トランプ氏を代弁していると主張する他の団体に警告を発した。

両氏は共同声明で「プロジェクト2025は(トランプ)陣営と全く関係がなく、陣営を代弁しておらず、いかなる形でも陣営や大統領と結びつけるべきではない」と表明した上でこう強調した。「プロジェクト2025が終了するという知らせは大いに歓迎されることであり、トランプ氏や陣営に影響力を持つかのように見せかける人や団体への警告となるはずだ。あなたにとって、それは良い終わりを迎えない」

プロジェクト2025のある顧問は、政策の青写真を描く活動は終わったかもしれないが、ホワイトハウスに政治任用される高官候補のデータベースを構築する作業は続くと語った。

ハリス氏の陣営を率いるジュリー・チャベス・ロドリゲス選挙対策委員長は、プロジェクト2025を「隠した」ところで消えはしないと述べた。

同氏は声明で「今もはっきりしているのは、トランプ氏や(副大統領候補のJD・)バンス氏、プロジェクト2025の計画は米国を後退させるということだ。中絶の禁止が広がり、苦しみが増し、中産階級のコストが上昇し、社会保障とメディケア(高齢者向け公的医療保険)が削減され、医療保険制度改革法(オバマケア)が廃止され、空気と水が汚くなり、トランプ氏に米国の民主主義を破壊する力を与える」と記した。

ダンズ氏のヘリテージ財団退職は、ニュースサイト「デイリー・ビースト」が最初に報じた。

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●「【2024米大統領選】保守派が掲げる「プロジェクト2025」とは何か?(海外)」

7/31() 11:10配信 BUSINESS INSIDER JAPAN

https://news.yahoo.co.jp/articles/0911c2f9dbd8e5106c073bf65391de35debd8063

『プロジェクト2025』は次の共和党の大統領のためのロードマップだ。保守系シンクタンクのヘリテージ財団がまとめた。

教育省の廃止など、その内容は驚くものとなっている。

トランプ前大統領は「プロジェクト2025については何も知らない」としているが、前大統領とプロジェクト2025とのつながりは、本人が認めている以上に深そうだ。

バイデン大統領が討論会で悲惨なパフォーマンスを見せるずっと前から、アメリカでは保守派がゲームプランを組み立てていた。

20231月、ヘリテージ財団は『プロジェクト2025』を打ち出し始めた。共和党の次期政権を導くために、数多くの保守系団体の意見を取り入れて作成された922ページに及ぶ「プレイブック」だ。

「時は短く、保守派には計画が必要だ」とプロジェクト2025のウェブサイトにはある。

「このプロジェクトは左派の壊滅的な政策に苦しむアメリカ人を迅速に救済するため、新政権発足から180日間で取るべき行動のプレイブックを作成する」

プロジェクト2025の優先事項としては次のようなものがある:

連邦政府の雇用を削減し、「政府の各レベルにおけるWokeプロパガンダ」を黙らせる

教育省とその「Wokeが支配する公立学校の制度」を廃止する

連邦捜査局(FBI)が誤情報や偽情報と戦うことを禁じる

「化石燃料との戦い」を終わらせ、アメリカ先住民の土地でのさらなる開発を許可する

「国益に反する」FBIによる積極的な捜査を終わらせる

※なお、「Woke(ウォーク)」とは「目覚める」という言葉をベースにしたスラングで、差別問題をはじめ、社会に存在する不正義や不平等に対して敏感であること。「意識高い系」とも。リベラルに対する揶揄によく使われる。

プロジェクト2025の内容はあまりに極端なため、トランプ前大統領でさえ距離を置こうとしている。75日には「プロジェクト2025については何も知らない」と、自身が立ち上げたソーシャルメディア「Truth Social」に投稿した。

その上で「誰が裏にいるのか、わたしは知らない。彼らが言っていることの中には同意できないものもあるし、まったくもってバカげたひどいものもある。彼らが何をしようとわたしは彼らの幸運を祈るが、わたしは彼らとは何の関係もない」と続けた。

プロジェクト2025の広報担当者は、このプレイブックは「いかなる候補者や選挙運動を代弁するものではない」とBusiness Insiderに語った。

その上で「わたしたちは110を超える保守系団体の連合体で、次の保守系大統領に向けた政策や人事に関する提言を行っている。ただ、どの提言を実行するかは、最終的には次期大統領次第で、わたしたちはそれがトランプ大統領になると信じている」と話した。

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トランプが「プロジェクト2025」について知っているということを人々に知られたくない理由(Why Trump doesn’t want you to know he knows about Project 2025

-反省することなく簡単に嘘をつくトランプにとってさえ、「プロジェクト2025」の背後に誰がいるのか、「分からない」という指摘は、笑ってしまうほどの嘘だ。

ブライアン・タイラー・コーエン筆

2024年7月9日

MSNBC

https://www.msnbc.com/opinion/msnbc-opinion/trump-project-2025-truth-social-rcna160774

美しい言葉で包んで本当のことを隠すことはできない。ここ数週間、民主党にとって悪い時期だった。それでも、ドナルド・トランプ前大統領と共和党は依然としてパニックに陥っているようだ。問題は、辞任を求める内部圧力と戦い続けているジョー・バイデン大統領ではない。むしろ、共和党は、どうやらトランプ自身も含め、ヘリテージ財団とトランプ支持の思想家や団体が開発した極右政策イニシアチヴ(far-right policy initiatives)である「プロジェクト2025」に対する主流派の懸念が高まっていることを、急に心配するようになっているようだ。

先週、トランプ前大統領はトゥルース・ソーシャルで、このプロジェクトについて何も知らないと否定した。「“プロジェクト2025”について何も知らない(I know nothing about Project 2025)」「誰が背後にいるのか全く分からない。彼らの言っていることには同意できないし、彼らの言っていることの中には全く馬鹿げていて最低なものがある。彼らが何をしても幸運を祈るが、彼らとは何の関係もない(I have no idea who is behind it. I disagree with some of the things they’re saying and some of the things they’re saying are absolutely ridiculous and abysmal. Anything they do, I wish them luck, but I have nothing to do with them.)」と書いている。

「罪がある人は自らその罪に気づいて自分で勝手に騒ぐ(A hit dog will holler)」という表現を聞いたことがあるだろうか?

簡単に嘘をつき、後悔もしないトランプでさえ、「プロジェクト2025」の背後に「誰がいるのか全く知らない」という主張は全くもって笑止千万だ。

真実は、「プロジェクト2025」は、元人事管理局首席補佐官のポール・ダンズ、元ホワイトハウス大統領人事局長のジョン・マッケンティー、元ホワイトハウス立法・政府間関係・実施担当次席補佐官のリック・ディアボーン、元住宅都市開発長官のベン・カーソン、元国土安全保障副長官のケン・クチネリ、ホワイトハウス国家通商会議委員長でホワイトハウス通商製造業政策局長のピーター・ナヴァロ、元国防長官代行のクリストファー・ミラー、トランプの2016年選挙キャンペーン顧問のスティーヴィン・ムーア、元行政管理予算局長のラッセル・ヴォート、ウィリアム・ペンドリー元土地管理局局長代理、ポール・ウィンフリー元予算政策局長、ブルックス・タッカー元退役軍人省首席補佐官、ロジャー・セヴェリーノ元保健福祉省公民権局局長、キロン・スキナー元国務省政策企画局長、バーナード・マクナミー元連邦エネルギー規制委員会委員など、トランプ政権の元高官らによって実現されたということだ。

実際、「プロジェクト2025」にはトランプ政権の元職員200人以上が参加している。トランプが、自身の元職員数百人が取り組んでいる大規模な保守プロジェクトを知らないということは本当にあり得るのだろうか? それとも、このアジェンダの有害性はそれほど明白なのだろうか?

常識(common sense)とオッカムの剃刀(Occam’s razor)が示しているのは、後者であると思われる。そして、このプロジェクトは正真正銘極端であるため、トランプがこのプロジェクトから距離を置こうとするのは当然である。

このプロジェクトのメインとなる「プレイブック」は、『リーダーシップのための命令書:保守の約束(Mandate for Leadership: The Conservative Promise)』であり、それだけで900ページを超える。一言で言えば、このプレイブックは、気候変動に対する取り組みを無効化する一方で、その致命的な影響を増大させること、教育省を廃止し、学校給食の無料化やヘッドスタート(幼児教育支援相談)プログラムを大幅に削減すること、メディケイドのような給付金を削減すること、移民税関捜査局(Immigration and Customs Enforcement)の強制送還権限を拡大すること、ポルノを禁止し、それを制作した者に刑事罰を課すこと、人工妊娠中絶を厳しく制限し、中絶政策を後退させること、連邦医療提供者がトランスジェンダーの人々にジェンダーを肯定するケアを提供することを阻止すること、そして大統領の権力を大幅に強化することを求めている。

トランプがこの政策から距離を置こうとしているという事実は、それが、明らかにアメリカの主流から外れているかということを示す証拠だ。トランプがこれに同意していない訳ではない。ただ、有権者の大多数が同意していないことを正しく認識しているだけだ。

ここでの重要な点は、トランプが「プロジェクト2025」の今後について言うことは何一つ信用できないということだ。そして、これはトランプが必然的に「プロジェクト2025」のいかなる部分も実行しようとしないと主張する際の重要な背景だ。私は、トランプが、ベン・カーソンが誰だったのか覚えていないと信じる可能性の方が少し高いだろう。

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トランプ氏は今週ワシントンに戻る。元顧問らは復帰を画策している(Trump returns to D.C. this week. These former advisers are plotting the comeback.

-トランプ前大統領は、彼を支持するシンクタンクのイヴェントに出席する予定で、計画通りに進めば将来の政権の基盤となるヴィジョンを概説している。

メレデス・マグロウ筆

2022年7月25日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2022/07/25/trump-america-first-policy-institute-think-tank-00047634

2020年の初め、ドナルド・トランプ大統領の側近の補佐官たち(top advisors)たちの小グループがホワイトハウスに集まり、次期政権のために、2期目の政策アジェンダを策定した。

国内政策担当補佐官のブルック・ロリンズ、トランプ大統領のトップの経済担当補佐官のラリー・クドロー、トランプ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官のロバート・オブライエンが当初ティームを組み、ホワイトボードで作業することもあった。時には、イヴァンカ・トランプ、ケリーアン・コンウェイ、トランプ大統領の行政管理予算局長ラス・ヴォート、そして様々な政策担当の補佐官たちが加わった。

2020年夏までに、このグループは「ヴィジョン2025(Vision 2025)」と呼ばれる2ページの文書を作成し、本誌がレヴューした10の優先事項を概説した。ロリンズによると、選挙後の1週間、計画を練るためにキャンプ・デイヴィッドの使用が予約されていた。

しかし、計画は無駄になった。トランプは選挙に負けた。ヴィジョン2025は発表されず、キャンプ・デイヴィッドの使用はキャンセルされた。

しかし、ロリンズ、クドロー、その他のメンバーは、自分たちのプロジェクトを放棄したのではなかった。彼らはそれを、しばしば「ホワイトハウス待機中(White House in waiting)」と評される、新しい非営利団体「アメリカ・ファースト政策研究所(America First Policy InstituteAFPI)」の青写真に変えた。

そして今、彼らは別の課題に取り組んでいる。それは、ホワイトハウス待機中を、過去から逃れられないことで有名なトランプが率いる運動のための、実際に前向きなプラットフォームに変えることだ。

トランプ前大統領は、火曜日にワシントンDCに戻る。2020年1月6日の失態で去って以来、初めてのワシントン訪問で、AFPIのアメリカ・ファースト・アジェンダサミットで基調演説を行う。2024年の大統領選への出馬を発表する準備が整ったトランプ大統領の側近たちは、この機会を利用して、2020年に対する不満を一旦止め、2024年に向けた作戦計画を練り始めることを切望している。

トランプ前大統領と親しく、サミットで演説する予定の元連邦下院議長ニュート・ギングリッチ(共和党)は「これは、トランプ大統領がワシントンに来て、彼のリーダーシップで未来がより良くなる理由について先見性のある演説をする機会だ。そして、彼がそのことに焦点を当てる度合いによって、非常に重要な演説になる可能性がある」と述べた。

トランプ前大統領が過去を過去として忘れる能力が限定的であるのは有名だ。しかし、支援者たちは、連邦議事堂での暴動前と暴動中のトランプの行動を調査し、暴露した2021年1月6日の事件調査委員会の公聴会でトランプが受けたダメージを受けて、この件はより重要になっていると述べている。

火曜日の演説は、トランプにとって、決着をつけることよりも政策に重点を置くことを示すチャンスとなる。これは、トランプに前進して欲しいと望む、トランプの周囲にいる人々と、そうすることを妨げているトランプ自身の本能とアイデンティティとの間の絶え間ない戦いの最新のものとなるだろう。

トランプの火曜日の演説に詳しい人物によると、包括的な政策演説ではなく、アメリカ・ファーストの特定の柱に焦点を当てる予定だという。インタヴューで、ロリンズは、今度のサミットでのトランプの演説を「一般教書演説5.0(State of the Union 5.0)」と称した。トランプの支持者の中には、この演説を、前大統領から前向きな発言を聞くための歓迎すべき招待と見ている者もいる。

ギングリッチは、トランプが2020年の再審理に注力していることについて次のように語った。「それは間違いだと思う。直接言うのは構わない。トランプは5分を過去に費やすべきだ。賛成か反対かは誰もが理解している。誰もが理解している。そして残りの時間全てを未来に費やすべきだ」。

掲載後に送られた声明で、トランプの広報担当者は、増加する犯罪と公共の安全に重点を置くと述べた。

トランプの広報担当者テイラー・バドウィッチは、「トランプ大統領は、犯罪の増加と民主党の政策によるコミュニティの安全性の低下が一因となって、国家が衰退していると考えている。彼の発言は、民主党の政策の失敗を浮き彫りにすると同時に、中間選挙以降に決定的な問題となるであろうアメリカ・ファーストの公共の安全に対するヴィジョンを示すだろう」と述べた。

AFPIの創設は、政策は実際にはトランプのブランドの一部であり、MAGA主義(MAGA-ism)の要素は、トランプ自身を超えた何かに基づいているという考えに基づいていた。

ロリンズは、ワシントンで2日間行われるサミットについて次のように語った。「これは運動を団結させるチャンスだ。ホワイトハウスで3年近くトランプの隣で働いてきたが、多くの人がトランプの政策ヴィジョンをあまり評価していなかった」。

ポリティコがレヴューした「ヴィジョン2025」の草案では、副題「刷新、修復、再構築(renewed, restored, rebuilt)」のもと、トランプの補佐官たちが2024年末までに達成できると信じていたことが概説されていた。

こうした目標には、雇用創出と低失業率(job creation and low unemployment)、手頃な価格の住宅の拡大(expansion of affordable housing)、新型コロナウイルスの根絶(eradicating Covid-19)、連邦政府の官僚機構の縮小(reducing federal bureaucracy)、犯罪と不法移民の取り締まり(cracking down on crime and illegal immigration)、連邦議会の任期制限の可決(passing congressional term limits)、対外戦争と中国への依存の終結(ending foreign war and reliance on China)などがある。社会問題や文化問題もある。しかし、少なくともトランプが退任して以来右派を活気づけているほど、中心的な焦点にはなっていない。例えばロリンズは、ロウ判決の無効化を受けて全国的な中絶禁止を支持するかどうか尋ねられたとき、AFPIに先んじることはしたくなかったが、州に判決を下した最高裁を称賛した。

「州に焦点を当てた政策担当者として、最高裁がそれをアメリカ国民に最も近いところに戻すのは100%正しいと思う」とロリンズは述べた。

ヴィジョン2025の枠組みの下、ロリンズと彼女のティームはAFPIを150人以上が働くシンクタンクに成長させた。幹部クラスには、中小企業庁長官のリンダ・マクマホンや国土安全保障長官代行のチャド・ウルフ、内務長官のデイビッド・バーンハート、エネルギー長官のリック・ペリーなど元閣僚を含む17人の元ホワイトハウス上級スタッフが含まれる。また、クドローや、フットボールコーチからトランプの盟友となったルー・ホルツなど、元政権高官も含まれる。AFPIには合計22の政策センターがあり、「選挙の公正センター」や「メディアの説明責任センター」などの問題に焦点を当てている。

AFPIは、「ビッグテック」やワクチン接種義務化に対して訴訟を起こしている。また、その資金調達力の証として、運営予算は、2500万ドルだが、非営利組織の資金源は公開されていないため公表されていない。

AFPIが、本誌に事前に提供した、新たに公開された組織のアジェンダには、この非営利団体の重点分野が10分野にまとめられており、その中には「世界最高の経済を全てのアメリカ人のために機能させる」「親が子供の教育をもっとコントロールできるようにする」「壁を完成し、人身売買を終わらせ、麻薬カルテルを打倒する」「投票しやすく、不正行為を難しくする」「全てのアメリカ人が平和に暮らせるよう、安全で安心なコミュニティを提供する」「沼地を排水して政府の腐敗と闘う(Fight Government Corruption by Draining the Swamp)」などがある。

トランプはこの組織を支持してきた。昨年11月、彼はマール・ア・ラゴでAFPIのブラックタイ・ガラ募金活動を主催し、彼のPAC「セーヴ・アメリカ」は100万ドルを寄付した。この組織のメンバーの中には、コンウェイ、フロリダ州元司法長官のパム・ボンディ、牧師のポーラ・ケイン・ホワイトなど、今もトランプ氏の周囲にいる人物が含まれている。

しかし、元大統領と同盟を組んでいる人全員がこの組織のファンという訳ではない。金曜日、スティーヴ・バノンのウォー・ルーム・ポッドキャストに出演したトランプの貿易担当補佐官を務めたピーター・ナヴァロは、この組織を「第1政権の失敗者(failed people)、RINORepublicans in name only、名ばかりの共和党員)、そしてトランプを失望させた不忠者たち(disloyalists who let Trump down)のゴミ捨て場や避難所(dumping ground and haven)」と呼んだ。

意見の相違が生じる可能性があるのは、AFPIが2024年にトランプ、あるいは他の保守派が勝利した場合の人員増強に重点を置いている点だ。保守政策研究所(Conservative Policy Institute)やヘリテージ財団など、トランプと同盟関係にある他のシンクタンクも最近、2025年大統領移行プロジェクトで、次期保守派主導政権に向けた独自の計画を強化した。

しかし、アクシオス誌が報じたように、トランプの著名な顧問団も、不忠義を装って政府の大部分を事実上一掃し、トランプとトランプ主義に忠実な人たちで完全に置き換える独自の人事案に取り組んでいる。

今年の夏、AFPI は、元連邦人事担当トップのマイケル・リガスが率いる「アメリカン・リーダーシップ・イニシアチヴ(American Leadership Initiative)」を創設し、右派政権が誕生する前に削減または補充すべきポストを特定することを目指した。

ロリンズは次のように述べている。「私たちの側は、人事やプロセスの準備が得意ではなく、長い間その点で劣勢に立たされてきた。そして、この取り組み、私たちのリーダーシップ・イニシアチブ、CPIの取り組み、ヘリテージ財団の取り組みによって、私たちは新たなリーダーシップの時代に向けて準備が整うと思う」。

ロリンズたちが連邦官僚機構の未来を想像するなか、トランプが再選を断念する、あるいは再選を希望しても予備選挙で勝てないという可能性もある。それはありそうにないことのように思われる。トランプ前大統領の元副報道官でAFPIの選挙公正センター所長のホーガン・ギドリーは、トランプ前大統領がどんな決断を下すにせよ、同グループは次期「アメリカ・ファースト」政権に奉仕する独自の資格を備えていると述べている。その政権がトランプ大統領主導かどうかは関係ないということだ。

ギドリーは「私たちが擁しているのは、トランプ前大統領が決断を下した時にその場にいた人々だ。他には誰もそんな人はいない」と語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 共和党の全国大会はドナルド・トランプ前大統領の候補指名受諾演説で締めくくりとなった。4日間のお祭りが終わった。共和党全国大会では多くの有名人や政治家が登壇したが、やはり重要なのは、JD・ヴァンス副大統領候補であり、ピーター・ナヴァロホワイトハウス元通商製造業政策局長だ。
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 ヴァンスはラストベルトの一部であるオハイオ州の出身で、貧しい白人家庭(シングルマザー)から、アメリカ海兵隊に入隊後、GIビルでオハイオ州立大学に入学し、最優秀の成績で卒業、奨学金を得てイェール大学法科大学院に進学し、修了後はヴェンチャーキャピタリストとして活躍した。ピーター・ティールの立ち上げた会社の副社長をしていたこともある。彼は、自分自身の経験を語り、人々の関心を集めた。
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 ピーター・ナヴァロは対中強硬派として知られ、トランプの経済政策関連の側近として知られている。2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件に関する、連邦議会の調査に関して、議会からの将官を拒み、そのために刑務所に4カ月間服役することになった。彼が釈放された日が、全国大会の3日目で、マイアミで釈放され、そのままの足で、ミルウォーキーの全国大会に出席し、演説を行った。ナヴァロは自身が、民主党の司法の「武器化(weaponization)」の犠牲者であることを強調し、ホワイトハウスと連邦議会での共和党の勝利がなければ、参加者たちが犠牲者になるという内容の演説を行った。やや穏やかな内容が続く中で、トランプの忠臣という立場でナヴァロが、敵愾心と不安を掻き立てる演説を行った。トランプは、次期トランプ政権でのナヴァロの起用を明言した。

 ピーター・ナヴァロやスティーヴン・ミラーといったトランプに対しての忠誠心が厚いグループと「アメリカ・ファースト・ポリシー・イニシアティヴ」という2021年に創設されたばかりのシンクタンクに集う、トランプ政権に参加した別の側近たち(ラリー・クドローやロバート・ライトハイザ―など)の間はうまくいっていない。ナヴァロが「祟り神」として、第二次トランプ政権をかき乱す存在になる可能性がある。トランプとしてはそこをうまくバランスしているように見える。

 トランプ勝利の可能性が高まる中で、私たちはこれから次期トランプ政権の顔ぶれや内容についても注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

ヴァンスがセンターステージに登場:共和党全国大会3日目の5つのポイント(Vance takes center stage: 5 takeaways from RNC’s Day 3

ジュリア・ミュラー、ジャレッド・ギャンズ筆

2024年7月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4779112-jd-vance-donald-trump-republican-national-convention-rnc/

共和党全国大会(Republican National ConventionRNC)の3日目は、移民と外交政策が演説の大半を占め、オハイオ州選出の連邦上院議員JD・ヴァンスはドナルド・トランプの副大統領候補指名を受諾し、自らのルーツを強調した。

共和党全国大会の3日目は、ヴァンスの発言で最高潮に達し、賑やかな群衆たちからの激しい反応を引き起こした。ヴァンスは相手に対して激しく攻撃するタイプ(attack odg)としての評判を築いてきたが、ヴァンス上院議員は彼自身の生い立ち、国に対するヴィジョン、そしてトランプ再選の必要性に焦点を当てながら演説を行った。

大会3日目の5つのポイントをこれから紹介する。

(1)ヴァンスがスポットライトの中に踏み込む(Vance steps into the spotlight

JD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)は、小さな町のルーツとアパラチア山脈地方での生い立ちに焦点を当てたスピーチでトランプ大統領の副大統領候補としてデビューした。かつて、「アメリカのヒトラー(America’s Hitler)」と呼んだ、トランプの信頼できる副大統領候補として自らを名乗り出た。 

ヴァンスは正式に副大統領候補指名を受諾した後、「今夜ここに立つことになるとは、全くもって想像だにしていなかった」と語った。 

「私はオハイオ州ミドルタウンで育った。この小さな町では、人々が自分の考えを話し、自分たちの手で築き、彼らの神、家族、コミュニティ、そして国を心から愛していた。しかし、その場所はワシントンのアメリカ支配層によって見捨てられ、忘れ去られた場所でもあった」と述べた。トランプとヴァンスの大統領・副大統領候補コンビを国内のこうした地域のチャンピオンであるとアピールした。

ヴァンスは海兵隊時代と、現在1期目を務めている連邦上院議員の経験について言及したが、「少しのことではへこたれない頑健な(tough-as-nails)」祖母とシングルマザーで依存症に苦しんだ母親の、聴衆の感情に訴える内容を演説の中心に据えた。 

ヴァンスはまた、先週末の暗殺未遂で命を落としかけたトランプ前大統領が、ペンシルヴァニア州の選挙集会で、拳を振り上げた瞬間を強調し、この機会を利用してトランプを称賛した。

ヴァンスは、トランプの危機一髪(close call)の後の瞬間について。「雄々しく立ち上がって、拳を突き上げている彼の写真を見て欲しい。ドナルド・トランプがペンシルヴァニア州の大地に立ち上がったとき、全米が彼を支持した」と述べた。トランプ前大統領は銃弾がかすった耳に包帯を巻いて姿で、ヴァンスの演説を観客席から見守っていた。

ヴァンスは「彼の最も危険な瞬間でさえ、私たちのことが気になっていた。彼の本能は、私たちをもっと高いところへ呼び寄せようとするものだった」と述べた。

(2)民主党にとっては厳しい分割画面となっている(A brutal split screen for Dems

今回の全国大会は、共和党にとっては特に良い時期であり、民主党にとっては非常に厄介な時期である。

共和党が、暗殺されかけた候補者トランプの周囲に結集するために総力を挙げる一方、民主党はジョー・バイデン大統領に退陣を求める声が上がる中、党内の混乱が再び表沙汰になった。

カリフォルニア州選出の連邦上院議員候補として出馬している、民主党所属のアダム・シフ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、バイデンに再選を断念するよう求める、民主党内の最も著名な議員の1人となり、バイデンが秋にトランプ氏を打ち負かす能力について「深刻な懸念(serious concerns)」を抱いていると述べた。

質議員の発言と同じ日、AP通信の世論調査が発表され、バイデンに対する不満が広がっていることが明らかになった。民主党員、支持者の3人に2人がバイデン大統領は撤退すべきだとし、バイデンに有能な大統領になる精神的能力があるかについて、ほぼ半数が確信していないことが示された。

また、民主党が資金を提供する世論調査グループが発表板新しいメモによると、4人の著名な民主党所属の政治家たちがバイデンの後任として大統領候補となった場合、主要な激戦州ではバイデンを上回るだろうということだった。

これら全ては、投票日が近づく中、誰が民主党を率いるべきかについて民主党内に残る分裂を浮き彫りにした。一方、共和党は、民主党に対するいくつかの激しい攻撃が国家として団結するという共和党のメッセージを損なったにもかかわらず、共和党全国大会での演説で党員間の団結を一貫して強調してきた。

ヴァンスは、共和党員へメッセージを送り、「私たちはこの国を愛しており、勝利するために団結している」と述べ、これまでの共和党全国大会の数々の演説の内容をうまく要約しているようだった。 

ヴァンスが演説をしている間、CNNは、ナンシー・ペロシ前連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)がバイデンに、大統領選挙では勝てず、民主党が連邦下院の多数派を取り戻すチャンスを台無しにする可能性があると非公式に伝えたと報じた。この報道は、チャック・シューマー連邦上院多数党(民主党)院内総務(ニューヨーク州、民主党)もバイデンに対し、撤退が最善であると伝えたとの報道と併せて、バイデンが選挙戦に残留することへの疑問が民主党党の上層部でも広まっている可能性があることを示唆している。シューマー議員の広報担当者は、シューマー上院議員に関する報道を「根拠のない憶測(idle speculation)」と呼んだ。

(3)「日常」の演説者たちが外交政策についてバイデンを批判(‘Everyday’ speakers hit Biden on foreign policy

この夜の最も効果的な講演者の中には、政治家などではなく、実際には外交政策でバイデンを厳しく批判した「日常のアメリカ人たち(Everyday Americans)」がいた。

共和党の著名人たちが登場する間に挟まれた「日常的な」演説者たちは、バイデンの外交政策がいかに個人的に手痛い損失をもたらしたかを語った。

アリゾナ州の牧場主であるジム・チルトンとスー・チルトンは、彼らの土地がアメリカとメキシコの国境に8マイル以上接しており、麻薬密輸(drug smuggling)と人身売買(human trafficking)について警鐘を鳴らした。

ジム・チルトンは国境越えについて、「それはまるで侵略のようであり、侵略のように感じられている」と語り、自身の牧場の防犯カメラを通して、そのような状態になっていることに気づいたと語った。

チルトンは「バイデンの国境開放が我が国にとって最大の国家安全保障上の脅威であることを私たちは直接見聞きして、知っている」と述べた。

ガザ地区で人質になったアメリカ人の両親、オルナ・ノイトラさんとロネン・ノイトラさんは「怒りはどこに行ったのか​​?」と疑問を呈した。10月7日のイスラエルに対する攻撃後、息子のオマーと他の数人のアメリカ人がハマスの人質になったことを踏まえて。彼らは、ハマスの攻撃はイスラエルだけでなくアメリカ人に対するものだと述べ、バイデン政権がアメリカ人を解放するためにさらなる措置を講じるべきであることを示唆した。

そして、その夜の最も悲しい瞬間の1つとなったのは、2021年のアフガニスタンからの撤退中にカブール空港での爆破事件で死亡した13人のアメリカ軍人のうちの何人かの家族が、個人的な損失について語った。彼らが家族を喪ったことは、バイデンの最も触れて欲しくない問題の1つである。

(4)演説者たちはトランプを人間味あふれる人物として描こうとしている(Speakers seek to humanize Trump

演説した政治家ではない人々が、繰り返し話したテーマの1つは、トランプを父親、祖父、そして思いやりのある人物として、人間らしく表現しようと努めた。

最も注目を集めた演説者は、ドナルド・トランプ・ジュニアの娘で、孫娘のカイ・マディソン・トランプだった。彼女は祖父ドナルド・トランプのことを「インスピレーション(inspiration)」「普通のおじいちゃん(normal grandpa)」と呼んだ。

トランプが笑顔を浮かべて見ている中で、孫娘カイは、「おじいちゃんはお父さんとお母さんが見ていない隙に、私たちにお菓子とジュースをくれました。おじいちゃんはいつも、私たちが学校でどんな様子かを知りたがっているんです」と述べた。

個人的な苦難を経験した、複数の演説者も、演説中にトランプ大統領が自分たちへ示してくれた気遣いに感謝の意を表した。

ゴールドスター勲章受章者の家族たちはアフガニスタンについて話し、トランプ前大統領が自分たちに同情を示してくれたことを称賛した。義理の娘が戦死したクリスティ・シャンブリンは、トランプ大統領が家族と一緒に6時間過ごてくれたと語った。

「彼は私たちが悲しむことを許してくれた。彼は私たちが英雄を思い出すことを許してくれた。ドナルド・トランプは私たちの子供たちの名前を全員知っていた」と彼女は語った。

一方、彼らはバイデンについて、事件の発生を許した政権の「失敗(failure)」について「沈黙(silence)」していると非難した。

オハイオ州イーストパレスティナ市長のトレント・コナウェイは、昨年に鉄道脱輪事故で有毒な化学物質が漏れたために、市民の一部が避難を余儀なくされたという事件が起きたが、事件の発生直後にトランプがイーストパレスティナを訪問してくれたと述べた。バイデン大統領の訪問は「台本通り(scripted)」だったが、トランプの訪問は純正の本物(atuhentic)だったと述べた。

「トランプは、私たちの話に耳を傾け、ヴォランティアたちと食事を共にした。彼の存在は本物だった」とコナウェイは語った。

(5)ナヴァロが満場をうならせた(Navarro brought down the house

トランプ政権のホワイトハウスで通商担当大統領補佐官を務めたピーター・ナヴァロは、釈放されてからわずか数時間後に共和党全国大会の演壇に上がり、満場の拍手喝采を受けた。 

2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件に関連した、連邦議会の召喚状に応じなかった罪で4カ月の懲役刑を言い渡されたナヴァロは、スタンディングオベーションと1分以上にわたる拍手を受けながら、コンヴェンションホールに入場した。

「そう、今朝、私はマイアミの連邦刑務所から出てきたところだ」とナヴァロは述べ、更なる喝采を受けた。

「私は、ピーター・ナヴァロ、皆さん方がそうであるように、私は罪を犯していないのに、私は刑務所に行っていた」と続けた。

ナヴァロはマイクの前での時間を利用して、保守派に対して「法律戦争(lawfare)」を仕掛けているとして民主党を激しく非難し、聴衆に民主党が「あなた方を迎えに来るだろう(will come for you)」という不気味な警告を発した。 

ナヴァロは「私たちが政府の3つの機関をコントロールしなければ、政府は、私たちのうちの誰かを、私やスティーヴ・バノンのように、刑務所に入れるだろう。そして、私たちをコントロールするだろう」と語った。

ナヴァロの演説は、通路の反対側にいる民主党が政治的動機に基づいた戦争の道を進んでいるという、共和党の広範なメッセージを強調した。トランプ前大統領は、11月に再選されれば元補佐官であるナヴァロを「絶対に」再び起用すると述べた。

ナヴァロは次のように語った。「トランプのアメリカでは、政府に反対していることで刑務所に入れられるというような心配をしなくて済んだ。私は刑務所に入ったが、(トランプが当選すれば)皆さん方は刑務所に行かなくてよい。私の存在は皆さん方にとっての目覚ましの音だ」。

(貼り付け終わり)
(終わり)

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