古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ペンシルヴァニア州

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。
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 2024年米大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ前大統領(副大統領候補はJD・ヴァンス連邦上院議員[オハイオ州選出、共和党])が民主党のカマラ・ハリス副大統領(副大統領候補はミネソタ州知事ティム・ウォルツ)を破り、不連続の形であるが、2度目の勝利を収めた。不連続の2度目の勝利は1892年のグローヴァー・クリーヴランド大統領以来のことで、歴史的なカムバックとなった。

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 ここで、宣伝になって恐縮だが、上記の佐藤優先生との対談『世界覇権国交代劇の真相』(秀和システム)の第2章の内容が現実のものになったと私は感じている。対談は7月末に行われたが、大きな流れはあれから変わっていなかったのだということを認識した。改めて読み返してみると、この対談で、私たちは「なぜハリスが駄目で負けるのか」「何故民主党が駄目なのか」という敗因を分析していた。また、激戦州について予想をしていてそれもそのまま実現している。このブログをお読みいただいている皆さんには是非手に取ってお読みいただきたい。ブログを現在の形式で存続させるためにもよろしくお願い申し上げます。

 このブログでは冷静に、アメリカでの報道と各種世論調査の結果と、それに私の分析を加えて、「横一線であるが、トランプがややリード」と言うことをずっとお伝えしてきた。私は選挙結果を予想した訳ではないので、「当てたぞ、凄いだろう」と言う気はない。これまで同様に淡々とお伝えしていくだけのことだ。

 選挙直前に、民主党内部で既に敗因分析とハリス選対と民主党執行部に対する責任論が出ているということもこのブログでお伝えした。11月5日付の記事をお読みいただきたい。記事でご紹介したアメリカでの論稿に敗因がほぼ網羅されている。問題はそれが選挙前に出ていたということだ。

ハリスの個人的な能力のなさと言うことはもちろんあるが(経験のなさで言えばバラク・オバマやビル・クリントンもなかった)、民主党自体の問題も大きい。そもそもがハリスは2020年の大統領選挙民主党予備選挙で早々に撤退に追い込まれている。民主党員や支持者がハリスでは駄目だという判断をしたことになる。それから4年経って急にハリスが良い候補者になることはない。それでもハリスが候補者になって、全国大会で指名される頃には「ハリスは凄い、素晴らしい」の大合唱で支持率も上がっていた。しかし、時間が経過するにつれてトランプが盛り返し(ハリスの人気が落ちていった)、ついに逆転と言うことになった。ハリスは民主党の組織的な機能不全と、ジョー・バイデン政権のインフレ対策や不法移民対策の失敗という2つの重荷を背負わされたという点で気の毒な面がある。また、主流メディアやインフルエンサーたちが浮かれ気味に「ハリス有利」「ハリス圧勝」というような無責任な報道や言動を繰り返したことが民主党側にマイナスに働いたと言うこともあるだろう。

 それにしても、2020年にはバイデンが奪還した「青い壁(ブルーウォール、blue wall)」をトランプが取り返したということについて民主、共和両党はその手法について学ぶべきであろう。2020年のバイデンの勝利は、「地上戦の人」バイデンの真骨頂だった。バイデンは連邦上院議員36年、副大統領8年の叩き上げ政治家、選挙の勝者であり続けた人だ(大統領選挙予備選挙などでは負けてはいるが)。バイデンが経験と知識、人脈、選挙マシーンをフル稼働させれば選挙に勝利することはある意味では容易なことであった。しかし、2016年のヒラリー・クリントン、2024年のカマラ・ハリスは空中戦の人たちだった。また、五大湖周辺州になじみがないというのも痛かった(ヒラリーはシカゴ出身であるが)。トランプも五大湖周辺州になじみがある訳ではない。しかし、五大湖周辺州の白人労働者たちの支持を集めることができた。それが今回の勝利につながった。民主党がトランプに勝つためには地道な草の根選挙、地上戦を強化することが必要であり、共和党はこれから地上戦を徹底することが重要になってくる。

 今回の選挙はこうした点から、「トランプが強かったというよりも、ハリスが弱かった」ということが適切な分析と言うことになるだろう。一般得票数でも負けるということは、惨敗である。結局、アメリカの西海岸と東海岸の各州でしか勝てなかった。民主党優位の州でしか勝てなかった。それが全てだ。故野村克也氏の言葉「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。

(貼り付けはじめ)

トランプが大統領選挙で二度目の勝利、ありえない逆転劇を達成した(Trump wins presidency for second time, completing improbable comeback

ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4969061-trump-wins-presidential-election/

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共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプ前大統領がフロリダ州ウエストパームビーチのパームビーチ・コンヴェンション・センターでの選挙当夜ウォッチパーティーの会場に登場

ディシジョン・デスクHQDDHQ)によると、ドナルド・トランプ前大統領が大統領選挙に勝利し、不名誉な状態でワシントンを去り、政治的将来が不透明になってから約4年後に2期目を確保すると予測されている。

DDHQは、トランプがペンシルヴァニア州とアラスカ州で勝利し、獲得選挙人数が270に達したと発表した。

トランプは、予想外の展開が相次いだ選挙でカマラ・ハリス副大統領を破った。選挙運動中にトランプが巻き込まれた刑事裁判、トランプ前大統領に対する2度の暗殺未遂事件、ジョー・バイデン大統領が選挙戦から脱落したことによる民主党の候補者交代など、予想外の出来事が相次いだ選挙であった。

トランプは、ホワイトハウスを失い、その後再びホワイトハウスを獲得した大統領としては、1892年のグローヴァー・クリーヴランド大統領以来、120年以上ぶりのことだ。

トランプは、約100日間にわたるハリスとの選挙戦の末、ホワイトハウス獲得に必要な選挙人数270を確保した。選挙当日まで、主要激戦7州の世論調査では、両候補の差はほとんど見られなかった。

トランプ元大統領は最終的に説得力のある勝利を収め、ジョージア州を列に戻し、ノースカロライナ州を保持して「青い壁(blue wall)」を打ち破った。トランプは一般投票では僅差で勝利すると予想されているが、2016年では一般投票数では勝利できず、共和党がそれで勝利したのは1992年以降一度だけだった。

トランプ前大統領とその伴走者(副大統領候補)であるJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)は、バイデン政権時代のコスト上昇、南部国境での移民急増、海外での不安定な情勢に対する有権者の不満を利用し、自身の政策への回帰を有権者に訴えた。

出口調査によると、トランプはラティーノ有権者たちから大きな票を獲得し、地方部での得票を伸ばし、トランプ陣営が積極的に訴えた若者層ではハリスとほぼ互角になった。

トランプは、国家史上最大の強制送還作戦の実行、2017年に署名した減税の延長、外国からの輸入品への普遍的な関税の賦課、トランスジェンダーの若者への保護の撤回、教育省の閉鎖、環境規制の抑制を公約に掲げている。彼はまた、政権に忠実な人物を集めようとしている。

トランプは、女性有権者の投票で大差をつけられると予想されていたのを跳ね返した。ハリスは、トランプが最高裁判事に選んだ3人が2022年にロウ対ウェイド判決を覆すことに他の保守派と加わったことを受け、中絶権の問題に集中した。今回の大統領選は、ロウ法廃止後初めて実施された。

共和党が連邦上院で過半数を奪還したため、トランプ大統領の当選は、連邦最高裁に対する保守派の掌握を強化するチャンスを与える可能性がある。

トランプは2016年にホワイトハウスを僅差で制したが、2020年の再選には敗れた。彼は選挙後の数週間、不正行為が蔓延しているという証明されていない主張を推し進め、2021年1月6日にはバイデンの勝利の認定を阻止しようとした彼の支持者たちによる国会議事堂への暴力的な襲撃に至った。

トランプは2020年の選挙で敗れた後、政権に留まろうとした試みをめぐり、2023年にワシントDで連邦告発によって起訴された。しかしトランプは、この問題を監督しているジャック・スミス特別顧問の解任に速やかに動くことを示唆しており、自分に対する重大な訴訟案件に介入することになる。

トランプ大統領の1期目での言動は、元閣僚や側近たちから批判を浴びてきた。彼は2023年に4つの別々の司法管轄区で起訴され、5月にニューヨークで34の重罪で有罪判決を受けた。彼は最初の任期中に2度弾劾され、好感度は40%を切って退任した。そして2021年、後任の就任式に出席することなくワシントンを去った。

多くの政治家や評論家は、トランプを政治的に死んだものとほぼ宣言しており、ミッチ・マコーネル連邦上院多数党(共和党)院内総務(ケンタッキー州選出、共和党)は2021年2月の連邦上院議場での演説でトランプを激しく非難した。しかし、マコーネルは2021年1月6日の連邦議会議事堂暴動を巡るトランプ大統領の弾劾裁判で有罪判決には投票しなかった。

もしトランプが有罪判決を受けていれば、彼の政治的キャリアは終わり、ホワイトハウスへの再出馬は不可能になっていたかもしれない。その代わりに、彼は現在、共和党を彼のイメージにさらにシフトさせる立場にあり、マコーネルの上院院内総務としての地位は来年1月で終わる。

トランプの政治的終焉を予想した一部の人々がいかに間違っていたかを示すように、トランプは忠実な支持基盤のおかげで共和党候補に当然のように当選し、7月には暗殺未遂を乗り越え、共和党大会で党の全勢力を背後に結集させ、世論調査でバイデンをリードしたことで、大統領就任への最後の道(glide path)を歩んでいるように見えた。

しかし、バイデンは7月末に選挙から撤退し、代わりにハリスが民主党有権者を奮い立たせ、記録的な資金を集めた。トランプは当初、対戦相手の変更に対応するのに苦労し、9月の討論会での不安定なパフォーマンスは、レースが拮抗する中、共和党をさらにいらだたせた。

しかし、選挙戦終盤の世論調査では、トランプは黒人有権者とラティーノ有権者に強さを見せ、得票を伸ばした。いずれもトランプを勝利に導いた重要な票田である。

トランプの選挙陣営は、外部グループと提携して激戦州の有権者たちにリーチするというこれまで試されていなかった戦略に依存しており、この方法でハリス陣営の強力なインフラを克服することに成功した。

78歳のトランプは、大統領に選出された国の歴史上最高齢であり、2020年のバイデンよりわずかに年上である。彼は以前、そうすることに問題はないと言っていたにもかかわらず、詳細な医療記録の公開を拒否している。

トランプは、不連続で2期で大統領を務める史上2人目の大統領となるが、憲法修正第22条によって任期が制限されるため、2028年に再選を目指すことはできない。

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トランプが2度目のホワイトハウス勝利についての5つのポイント(5 takeaways as Trump wins White House for a second time

ナイオール・スタンジ筆

2024年11月6日

『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/4975849-trump-harris-2024-presidential-run/

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2024年11月6日水曜日、フロリダ州ウエストパームビーチで開催された選挙ウォッチパーティーに登壇する共和党大統領候補ドナルド・トランプ前大統領、メラニア・トランプ夫人、バロン・トランプ氏

ドナルド・トランプ前大統領は水曜日の早朝、前代未聞のホワイトハウス争奪戦でカマラ・ハリス副大統領を破り、1世紀以上の期間の中で、非連続の勝利を収めた初の大統領となる、異例のカムバックを果たした。

このカムバックには多くの理由がある。

トランプは2020年の大統領選挙での敗北を覆そうとし、支持者たちを駆り立てて連邦議事堂にデモ行進を行わせ、暴動と連邦議員たちの避難につながった出来事から、政治家としてのキャリアは終わったと思われていた。

このカムバックの前に、トランプは史上初めて2度の弾劾訴追を受け、4件の刑事事件で起訴され、民事事件では性的虐待の責任を問われ、刑事裁判では34件の業務記録改ざんの重罪で有罪判決を受けた。

しかしトランプは、熱狂的に忠実な支持基盤に支えられていた。その支持基盤のほとんどは、腐敗した政治、法律、メディアの体制によって不当に犠牲になってきたという彼のシナリオを信じている人々だ。

トランプ前大統領は早朝、フロリダ州ウエストパームビーチで支持者たちに「私たちは誰一人として克服可能だと思っていなかった障害を克服した(We overcame obstacles that nobody thought possible)」と語り、自身の勝利を「アメリカ国民にとって素晴らしい勝利(a magnificent victory for the American people)」と呼んだ。

トランプはまた、ジョー・バイデン大統領の業績に対する国民の不満からも勝利を得た。

これから主要なポイントを挙げていく。

(1)ハリスにとって早い段階から全てがうまくいかなかった(It all went wrong from early on for Harris

ハリスにとっては早い段階から悪い兆候が出ていた(the writing was on the wall)。

1つ目の警告サインは、トランプがフロリダを制するという非常に早い段階での予測だった。結果そのものに衝撃はなかったが、世論調査の平均が予測した6ポイント差のおよそ2倍の差をつけてトランプが勝利したという事実は、ハリスにとって不吉なものとなった。

トランプにとって有利なパターンは夜の大半にわたって続き、ヴァージニア州やニュージャージー州といった安全と思われる民主党優位の州でさえハリス選対にとって不愉快なほど長い期間決着がつかない中、トランプは各激戦州で序盤にリードを奪った。

ハリスは、ワシントンの歴史あるハワード大学でのイヴェント会場を、聴衆を前にして話すことなく後にした。彼女は水曜日午後以降に演説する予定だ。

(2)人口統計学上の大きな驚き: ラティーノ男性がトランプに大きく傾く(The big demographic surprise: Latino men swing heavily to Trump

投票日前、多くのメディア報道は、トランプが黒人有権者、特に黒人男性、あるいは若年層の有権者に浸透するかどうかに焦点を当てていた。

実際、少なくとも現在の出口調査によれば、これらの人口統計グループ内の変化は控え目であり、新しいデータが追加されるにつれて多少変化する可能性がある。

しかし、1つだけ本当の衝撃があった。

CNNの出口調査によると、ラティーノ男性が圧倒的な差でトランプにシフトした。

2020年、これらの出口調査では、ラティーノ男性はトランプよりバイデンに59%対36%の23ポイント差で投票していた。

火曜日に行われたCNNの出口調査では、54%対44%の10ポイントの差で、ハリスよりもトランプに投票していることが明らかになった。

この33ポイントという驚くべき差は、鋭く、不快感をもたらす疑問をもたらすだろう。

トランプ支持者たちは、彼の文化的保守主義(cultural conservatism)とより良い経済に関する公約が流れを変えるのに役立ったと主張するだろう。

しかし、その説明では、なぜラティーナ女性の党派支持率がごくわずかしか変化しなかったのかが理解できない。

ある程度の性差別を含まないもっともらしい議論を見つけるのは難しい。

ハリスは結果として、2016年のヒラリー・クリントンに次いで、トランプに敗れた2人目の民主党女性候補となった。

(3)中絶問題は変化を生むことができなかった(The abortion issue failed to make the difference

民主党は、連邦最高裁がロウ対ウェイド判決を破棄してからあまり時間が経過していない2年後に、女性たちがかつてない数の支持を集め、全米初の女性大統領を選出するという考えに多くの期待を寄せていた。

しかし、それは起きなかった。

確かに性別でのギャップは大きかった。しかしこれまでの出口調査では、性別でのギャップが4年前よりも意味のある形で大きくなったとは示されていない。

それどころか、CNNの出口調査によれば、女性は2020年に15ポイント差でトランプよりバイデンを支持した。今年の出口調査では、ハリスはわずか10ポイント差で女性有権者の支持を受けていた。

だからといって、中絶が共和党に勝利をもたらした争点に変わったのではない。本当にそうではない。

例えば、フロリダ州での中絶に関する投票イニシアティヴは、可決に必要な60%の賛成を得られなかった。しかし、約57%という明確な多数派がこの問題のリベラル側に並んだ。

それでも結論としては、中絶問題はハリスが必要としていたほど強力なものではなかったということだ。

(4)民主党内で深刻な争いが起きるだろう(There will be serious Democratic infighting

選挙の結果を民主党は大混乱に陥った。民主党の候補者であるハリスが、党内の多くがアメリカの民主政体に対する非常に危険だと考えている人物トランプに敗れた。

そのため、すぐに指弾(finger-pointing)が始まるだろう。

民主党員の多くはバイデンが7月に選挙戦から離脱するに至った一連の出来事に固執するだろう。バイデンの撤退は6月下旬の大統領選挙候補者討論会での大失敗の後に起きた。

「バイデンならハリスよりうまくやれた」と考える人の数は非常に少ない。

しかし、バイデンが一期目で退かないという決断を下したこと、そして党がハリスに対して競争的な予備選に消極的であったことは、そのようなプロセスがあればハリスを強化できた、あるいはより優れた候補者を輩出できたと考える人々にとっては、大きな事後の非難(second-guessed)の材料になるだろう。

ハリス陣営からのメッセージ発信もまた厳しい精査の対象となるだろう。

トランプが「ファシスト」であると主張することにハリスが時間を費やしすぎたが、これは単なるお説教以上の効果がなかったのではないか?

リズ・チェイニー元議員(ワイオミング州選出、共和党)のような人物とキャンペーンを張ることで、共和党に不満を持つ有権者を取り込もうとした試みは、常に失敗する運命にあったのではないか?

労働者階級の懸念にもっと精力的に焦点を当てれば、トランプの訴えを抑えることができたのではないか、それとも、もっと冒険的なメディア戦略を採用していれば効果があっただろうか?

ある程度、これらの疑問は不当なものになるかもしれない。ハリスが経済面で直面した逆風、そして世論調査の評価が平凡な大統領の代理として直面した逆風は、克服するにはあまりにも厳しかったのかもしれない。

しかし、だからといってこのような疑問が出るのを止めることはできないだろう。

(5)トランプは共和党政権をうまくまとめるだろう(Trump might well have unified GOP government

トランプは連邦上院で、そしておそらく連邦下院でも共和党が過半数を占める状態で進むことになる。

民主党は連邦上院では、常に苦戦を強いられ、いくつかの州では守勢に回った。

共和党優位のウエストヴァージニア州は、民主党から無所属に転じたジョー・マンチン連邦上院議員が引退を表明した時点で敗北がほぼ確実と見られていた。ウエストヴァージニア州では共和党のジム・ジャスティス知事が正式に選出された。

その他では、シェロッド・ブラウン連邦上院議員(オハイオ州選出、民主党)が共和党のバーニー・モレノ候補に議席を奪われた。現職のボブ・ケーシー連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)とタミー・ボールドウィン連邦上院議員(ウィスコンシン州選出、民主党)も苦境に立たされているが、現時点では、逆転して勝利する可能性は残されている。

連邦下院では、水曜未明になっても情勢は不透明で、決着には数日かかるかもしれない。しかし、共和党が僅差で過半数を維持する可能性は確かだ。

もしそうなれば、共和党の圧勝ということになる。

(貼り付けはじめ)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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 アメリカ大統領選挙は大詰めで、もうすぐ投票、そして開票が開始される。同時に連邦上院議員選挙(100議席のうちの約3分の1の議席)、連邦下院議員選挙(435議席全部)、州知事選挙(一部)が実施される。現在のところ、連邦上院、連邦下院の議席予想は、僅差で共和党リードとなっている。予想では上院では共和党が52議席(全100議席中)、下院では共和党が218議席(全435議席)となっている。

 大統領選挙に関しては、最後に来て、ハリスが追い上げて横一線という報道が目立っている。それでも、現在のところ、各種予想サイトではトランプの勝率が僅差で上回っている。しかし、2016年の大統領選挙から支持率を中心的な要素とした選挙結果予想が難しくなっている。特に今回は各種世論調査、全米規模のもの、州レヴェルのものでは僅差の結果が多く出ており、予想はかなり困難になっている。

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『ザ・ヒル』誌の予想

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FiveThirtyEight」の予想

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「RealClearPolitics」では各種予想の平均値を示している

 そうした中で、民主党側では勝利を確信する声が多くある一方で、不安を持って選挙当日を迎える人たちも多くいる。「ハリスの勝利だ!」と浮かれることのできない人々が多く出ている。下の記事は私がずっと感じてきたことをそのまま書いた内容になっている。佐藤優先生との対談『世界覇権国交代劇の真相』の第2章でも論じたが、ハリスの資質のなさ、8月の民主党全国大会以降に人気が上がったがそれは一時的なものであったこと(bounce[バウンス]bump[バンプ]という言葉で説明した)といったことが不安材料になっている。

『世界覇権国交代劇の真相』第2章では、副大統領候補指名前だったこともあり、複数の候補者について検討したが、ティム・ウォルツを副大統領候補に指名したことは全くの予想外だった。それはアメリカでもそのようで、ウォルツが左派であることが不安材料になっているようだ。それ以外にも飲酒運転での逮捕歴や中国との深い関係も挙げられている。

そして、そもそも論としては、ジョー・バイデンが大統領選挙からの撤退を表明するのが遅すぎた、もしくは、そもそものそもそもとして、バイデンが再選を目指すべきでなかったという主張が出ている。しかし、それならば昨年の段階でバイデンに撤退を促す、諦めさせる動きが出ているべきだった。それがなかったということは、民主党側の読みが甘かったということになる。下世話な言葉を使えば「引かれ者の小唄」である。

 そして、これもまた『世界覇権国交代劇の真相』第2章で論じたが、カマラ・ハリスが大統領候補になる過程がおかしかったということも不安材料になる。ハリスは通常の予備選挙を経ていない。これはやはりハリスの候補者としての正当性に影を落とす。

 大統領選挙は日本時間の今晩(アメリカ東部では火曜日朝)から投票が始まり、日本時間の6日朝(アメリカ東部では火曜日夜)から開票が始まる。結果の予想は難しい。こればかり言っているではないか、情けないと思われるかもしれないが、私としては、「ペンシルヴァニア州とジョージア州で選挙の大勢は決まる」と言うことを繰り返し申し述べておきたい。

(貼り付けはじめ)

ハリスの勢いを打ち砕いた2つの決断(The 2 decisions that crushed Harris’s momentum

ダグラス・マキノン筆

2024年11月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4965971-the-two-decisions-that-crushed-harriss-momentum/

私と話をする民主党員でカマラ・ハリス副大統領が火曜日に勝利すると信じている人は誰一人としていない。

全員が可能な限り最良の候補者を特定し選出するために、8月の候補者がそれまでに決まっておらず、その場で決めるオープンな全国大会を望んでいたがそれは拒否された。その点、この木曜日、『ザ・ヒル』紙は「民主党はハリスの勝利を望みながらも指弾を始めた」という見出しの記事を掲載した。

ある民主党系のストラテジストの言葉を引用すると、「人々は神経質になっており、選挙当日を直前に控えて、証拠隠滅(cover their ass)を図ろうとしている。それは不安や利害関係、そして今回の大統領選挙が抱える特殊性に基づくものだ。今回の選挙には伝統的なプロセスがなかった。予備選挙がなかった。人々はただ受け入れる(fall in line)しかなかった」ということになる。

繰り返しになるが、これは民主党員の述べた言葉だ。そうするように命じられたから、彼らはただ「受け入れる」しかなかった。そして、民主党全国委員会、バラク・オバマ元大統領、ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、チャック・シューマー連邦上院多数党(民主党)院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)の裏取引(backroom dealings)によって、オープンな全国大会実現の希望は更に打ち砕かれた。

このような裏取引の直後、全ての不満を持つ民主党員たちは、ハリスが予備選で1票も獲得することなく、失速したジョー・バイデン大統領の後任としてマシーン(the machine)によって任命されたことを受け入れなければならなかった。バイデンは7月21日、再選を断念し、後任にハリスを推薦すると正式に発表した。

一時的な興奮(buzz)と「喜び(joy)」が始まった。ただし、それは8月19日にシカゴで開催される民主党全国大会の前から消え始めた。それはなぜか? ハリスが8月6日にミネソタ州知事のティム・ウォルツを伴走者(副大統領候補)に選んだからだ。民主党の関係者たちが私に語ったように、ほぼ初日から、彼女は貴重な時間とエネルギーを費やしてその選択の正しさを守らなければならなかった。

ウォルツの起用はハリスが勢いを失った第一の理由だ。確かに、民主党員の多く、そしてリベラルメディアの多くがハリスに、より穏健派のペンシルベニア州知事ジョシュ・シャピロを選ぶことを望んでいたことは確かだ。その理由は、第一にペンシルヴァニア州が選挙で最も重要な州となることが確実だったこと、第二にシャピロが大統領候補・副大統領候補のティームにイデオロギーに関してバランスをもたらすだろうということだった。

率直な分析からすると、ハリスは極左リベラル(far-left liberal)だ。更に言えば、ウォルツはハリス以上に左寄りであると言える。ハリスがもっと穏健な伴走者(副大統領候補)を選ぶべきだったという現実的な理由は置いておいて、「愚か者(ナックルヘッド、knucklehead)」を自称するウォルツは初日からお荷物だったという現実がある。

ウォルツを選択したことで、ハリスはあらゆる形の負担を背負うことになった。ウォルツは軍歴を誇張した。飲酒運転によって逮捕されたが、その時は血中アルコール濃度が0.128%の状態で、時速96マイル(約154キロ)で自動車を運転した。彼は複数回にわたり中国を訪問と共産党当局者たちと交流を持ってきた。天安門事件の当日、実際にはネブラスカ州にいたのに香港にいたという話を捏造した。彼のショットガンのコミカルな扱いにより、彼は「エルマー・ファッド」ミームに変えられた。そしてウォルツは暴力的なアナキストたちの暴走を許し、ミネアポリスの一部を焼き払うことを許した知事となった。

追い打ちをかけるように、10月10日の副大統領候補討論会では、トランプ候補の伴奏者(副大統領候補)であるJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)が、明らかに神経質で準備不足だったウォルツに大差をつけて勝利した。

ハリスの勢いを打ち砕くのに大きく貢献した2つ目の決定は8月23日にロバート・F・ケネディ・ジュニアが大統領選挙での無党派の候補者としての選挙運動を停止し、ドナルド・トランプ前大統領を支持したことだった。

この発表のタイミングは、ハリスにとっても彼女の選挙運動にとっても最悪のものとなった。全国大会終了の翌日にケネディが発表したことで、彼女の喜びに満ちたメッセージと投票率の上昇から大量のガスが吸い取られることになった。

しかし、また繰り返すことになるが、そのダメージは単に彼女が選出された全国大会の高揚感を踏みにじるよりもはるかに大きいものとなった。リベラルメディアや民主党の偏った意見はさておき、ケネディは何百万人ものアメリカ国民から深く尊敬されており、彼らはケネディを、腐敗したそして固定化されたエスタブリッシュメントたち(corrupt entrenched establishments)に対抗して自分たちの大義のために戦う、原則を守りながら非常に知的な独創的思想家と見なしている。

ケネディが選挙戦から撤退し、トランプを支持した日、『ポリティコ』誌は「ケネディの異端的な見解は民主党と共和党の両方から支持を集めた。両党は、ケネディがここ数十年で最大の選挙妨害者になることを心配した。大統領選は依然として信じられないほどの接戦であり、ケネディの支持のほんの一部でもトランプに移れば、激戦州で決定的な影響を与える可能性がある」と書いた。

実際にそうだ。しかし、私はそれが単なる 「ほんの一部(fraction)」ではなく、もっと大きなものになると考えている。その大きな理由の1つは、「母親票(mom vote)」だ。ケネディのトランプへの支持は、これまで好意的でなかった何百万人もの女性有権者をトランプ支持に引き込む可能性がある。それは一体なぜか? それは、彼女たちは子供たちの健康と幸福を心配する母親たちであり、ケネディが公の場で子供たちを守ってくれる数少ない人物の1人だと長い間信じてきたからだ。これはメディアが認識しているよりも、あるいは認識しようとするよりも、はるかに大きな問題だ。まさに試合の流れを一変させるゲームチェンジャー(game changer)なのだ。

そのために、これらの母親たちはトランプに勝ってもらって、ケネディを入閣させたいと望んでいるのだ。トランプは間違いなくそうするだろう。

ハリスは当初から欠陥のある候補者(flawed candidate)だったかもしれないが、7月21日に民主党候補に指名された後、勢いを増していた。しかし、その勢いはつかの間だった。彼女がウォルツを副大統領候補を選んだことと、ケネディ候補が選挙戦を中断してトランプ候補を支持することを決めたことで、その勢いは消えてしまった。

シャピロは、ハリスの判断力のなさと彼女の勢いのなさを踏み台にして、2028年の大統領選挙の選挙戦に臨むことになるだろう。

※ダグラス・マキノン:元ホワイトハウス、国防総省高官
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民主党はハリスの勝利を望みながらも指弾を始めた(Democrats start to point fingers even as they hope for Harris win

エイミー・パーネス筆

2024年10月31日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4962275-vice-president-harris-blame-game/

来週の大統領選でカマラ・ハリス副大統領が勝利する可能性がある。しかし、民主党関係者の間では、彼女がドナルド・トランプ前大統領に対して敗北した場合を想定して、既に水面下で指弾が行われている。

民主党議員の中には、ハリスの勝利にますます期待が高まっていると言う人たちがいる一方で、選挙戦の当初から悩まされてきた一連の要因に不満を募らせている人たちもいる。

特に経済に関する彼女のメッセージへの失望に関しては、ハリスと彼女の陣営に非難が向けられている。

しかし、民主党員の中には、ジョー・バイデン大統領に責任を負わせようとする人たちもいる。「彼は選挙戦から退く決定をするまで時間をかけすぎた」と考えている人たちだ。

ある民主党のストラテジストは、この件について「人々は神経質になっており、選挙当日を直前に控えて、証拠隠滅(cover their ass)を図ろうとしている。それは不安や利害関係、そして今回の大統領選挙が抱える特殊性に基づくものだ」と述べた。

このストラテジストは続けて「今回の選挙には伝統的なプロセスがなかった。予備選挙がなかった。人々はただ受け入れる(fall in line)しかなかった」と述べ、選挙日前から既に責任のなすりつけ合い(blame game)が起きていることは「私にとってはなんら驚くべきことではない」と語った。

もしハリスが負ければ、「責任をなすりつけようと皆が猛ダッシュするだろう」とこのストラテジストは付け加えた。

ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)ではなく、ミネソタ州知事ティム・ウォルツ(民主党)を自分の伴走者(副大統領候補)に選んだハリス副大統領の決断は、トランプがペンシルヴァニア州で勝利した場合、きっと事後の大きな批判(second-guessed)を浴びることになるだろう。

オバマ政権下のホワイトハウスで補佐官を務めたある人物は、「ハリスは、シャピロを選ばなかったことで、本当に馬鹿者だと見られることになるだろう」と語った。

民主党の大口献金者の1人も「ウォルツが彼女に何かを与えたかどうかは分からない。私が話している多くの人たちは、ウォルツが素晴らしい人のようだと言う。彼と一緒にビールを飲みたいか? それはそう思う。しかし、正直に言って、彼は素晴らしい選択ではなかった」と述べた。

バイデン氏は火曜日の夜、トランプ支持者たちをゴミ(garbage)に喩えて、マスメディアで大きく報道された。

バイデン大統領は発言を撤回し、ホワイトハウスは文脈を無視して報道されたと主張した。いずれにせよ、彼らはワシントンの範囲内でハリスの演説が大成功を収めたことを踏襲した。ホワイトハウスを背景にハリスが行ったこの演説は、自身とトランプに対する彼女の最終弁論を表したもので、選挙戦終盤の極めて重要な瞬間となった。

このバイデンの発言がハリス陣営を刺激しなかったとは到底思えないが、ハリス副大統領は火曜の夜にバイデン大統領と話したときにこの問題は話題に上らなかったと語った。

上述のストラテジストは「不注意が原因の凡ミス(unforced error)があり、終わりが近づいていることについて話している。これでイライラしない人などいるだろうか?」と述べた。

水曜日になっても、ハリスはバイデンの発言を後始末していた。

ハリスは3州での選挙戦に出発する際、記者団を前にして「第一に、バイデン大統領は自分のコメントの真意を明らかにした。しかし、私は明確にしておきたい。誰に投票したかで人を批判することには私は強く反対する」と語った。

ハリスは選挙戦の最終盤になって、オバマ前大統領を含む代理人たちと一緒に姿を現しながらも、バイデンとは距離を置いてきた。この動きは、バイデン大統領は政権運営を成功させたのだから、たとえ気まずくても副大統領の選挙キャンペーンを手伝うべきだと考えるバイデンの忠実な支持者たちを苛立たせている。

熱心なバイデンの支持者は「バイデンはそこにいるべきだ。ハリスが今の地位にいるのは、彼のおかげだ」と述べた。

しかし、バイデンの 「ゴミ」発言以前から、ハリス敗北の責任はバイデンにあると囁かれてきた。

これらの声は、バイデンが7月下旬に選挙戦から撤退したことは、ハリスにとっては何の役にも立たなかったと述べている。

また別の人々は、バイデンが最初から再選を目指して出馬すべきではなかった、民主党が後継者を選ぶために完全な予備選を行うべきだったと主張している。

この静かな指弾の異常なところは、ハリスが来週にも次期大統領に選出される可能性があるということだ。

ハリスはほとんどの全米規模での世論調査でリードしており、主要激戦州での各種世論調査でもリードを保っている。水曜日に発表されたCNNの最新の世論調査では、ハリスはウィスコンシン州で6ポイント、ミシガン州で5ポイントリードしている。ペンシルヴァニア州ではトランプ、ハリス両候補が同率だった。

ハリスがこの3州で勝利を収めれば、ほぼ間違いなく当選となる。

民主党系のストラテジストであるジョエル・ペインは、「ハリスは、大きなエネルギーと勢いのある瞬間に強く迫っている。彼女はトランプよりも、より人気のある候補者であり、より幅広い連合を持ち、高い可能性を持っている」と述べている。

ペインは続けて「トランプ大統領の二期目の脅威を考えれば、民主政治体制への不安は当然だ。しかし、カマラ・ハリスと民主党が大統領選挙と上下両院の選挙で結果を出して良い気分になれることもたくさんある」と述べた。

同時に、レースは信じられないほどの接戦であり、どちらの候補者にも勝利の可能性が高く、どちらも確信が持てない状況だ。

それが神経質(nervousness)と被害妄想(paranoia)を生み出し、事後の大きな批判と陰口を叩く(backbiting)のに最適な雰囲気を作り出している。

トランプが敗北した場合も、事後の大きな批判が起きるだろう。

トランプ前大統領は、男性からの支持を強化するために辛辣な言論を倍増させたが、これはハリスが大きくリードしている重要な女性有権者を失う可能性がある。

もしハリスが勝利すれば、共和党は3回目の大統領選サイクルをトランプとともに乗り切るという決断に二の足を踏むだろう。また、コメディアンがラティーノやプエルトリコ系の人々に関する品のないジョークを飛ばしたことで、否定的な注目を集めたマディソン・スクエア・ガーデンで日曜日に集会について、どうしてこの集会を開かなければならなかったのか、その理由にも疑問を抱くだろう。

ある共和党系のストラテジストは、「これは選挙キャンペーンにとって最悪だ。彼はメッセージだけに徹するべきだ。メッセージから外れたら、彼は負けるだろう」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 2024年11月5日(日本時間では6日)の米大統領選挙が近づいてきた。今週末が最後の週末と言うことになる。共和党のドナルド・トランプ前大統領、民主党のカマラ・ハリス副大統領は共に激戦州を訪問する予定となっている。今回の大統領選挙での激戦州は、ペンシルヴァニア州(選挙人19人)、ミシガン州(15人)、ウィスコンシン州(10人)、ノースカロライナ州(16人)、ジョージア州(16人)、ネヴァダ州(6人)、アリゾナ州(11人)だ。
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 重要なのは、前回ジョー・バイデンが奪還した「青い壁(Blue Wall)」のペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の五大湖周辺州をカマラ・ハリスが守れるかどうかだ。現在のところ、ペンシルヴァニア州ではトランプ、ミシガン州、ウィスコンシン州ではハリスが僅差でリードとなっている。ペンシルヴァニア州をハリスが取れば青い壁を死守できる可能性が高まり、ハリスの勝利が近づく。逆に、トランプが取ればトランプの勝利はほぼ確定的となる。ペンシルヴァニア州はアメリカ東部標準時のエリアに入っており、日本時間6日の早い段階で結果が出ることが予想される(順調であれば)。ペンシルヴァニア州の結果で大勢が分かることになる。もちろん、一応の結果が出た後に、異議が出て、数え直しということになって正式な結果が出るまでに時間がかかることが予想される。また、選挙関連の暴力事件も多く起こるだろう。
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 今回の選挙ではやはり人々の生活の苦しさが最大のテーマとなるだろう。アメリカの給料が高いこと、しかし、その分、物価が高いことは日本でも報じられている。アメリカの大都市での住居費が平均で100万円近くに達して、住んでいられないということで、きちんと仕事を持っているのに、ホームレスになっている人たちも多い。経済問題が選挙の代々のテーマとなるだろう。その点では、トランプに一日の長があり、現政権の副大統領であるカマラ・ハリスには不利になるだろう。

 しかし、これだけの大接戦となると、選挙は平穏には終わらない。トランプ、ハリス両候補者の支持者の中には、結果に納得のいかない人々が数え直し、再集計を求めて抗議活動を活発に展開する人たちが多く出るだろう。また、暴力事件が頻発するだろう。米大統領選挙のために社会不安が増大し、治安が悪化し、状況は不安定化するだろう。

 国連は選挙監視団を派遣し、暴力事件を抑止するようにすべきではないか。また、集計に関しては、日本の優秀な係員を派遣して、集計してあげるのが良いのではないか。もちろん、これらは冗談で、皮肉であるが、それほど、「デモクラシーの総本山」であるアメリカが揺らいでいる。

(貼り付けはじめ)

それで、一体誰が勝つのか?-米大統領選最後の週末を迎えるにあたって分かっていること(So, who’s going to win? — What we know going into the final weekend of the presidential race

ナイオール・スタンジ筆

2024年11月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4966970-trump-harris-election-race-close/

アメリカ大統領選挙は、世論調査が歴史的な大接戦を示す中、大詰めを迎えている。

各種世論調査でこれほど多くの州が接戦になったことはかつてない。

『ザ・ヒル』誌とディシジョン・デスクHQDDHQ)が管理する世論調査の平均によれば、金曜日夜の時点で、激戦州7州のいずれにおいてもドナルド・トランプ、カマラ・ハリス両候補とも2ポイント以上の差はなかった。

ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州のいわゆる「青い壁(Blue Wall)」と呼ばれる3つの州では、その差は1ポイント以下だった。

政治の専門家たちは、最終的な結果を占う手がかりを求め、早期投票数のデータを探し回っている。既に6000万票以上が期日前に投じられた。

しかし、どのような選挙でも、早期投票数から最終結果を推定するのは、あまりにも未知数が多いため、信憑性が低いことで知られている。

トランプ、ハリス両候補の側近たちは支持者の確信を強めようとしている。

トランプ候補のスティーヴン・ミラー顧問は「期日前投票の数字は引き続き素晴らしい。カマラは崩れている」と金曜日にソーシャルメディアで熱弁をふるった。

ハリスのアドバイザーであるデイヴィッド・プルーフもX上で「決選投票の後半に投票した人が二桁の差でハリス有利に崩れている」と主張している。

以下に大統領選挙レースがどのような状況にあるのかについて分かることを列挙していく。

●トランプがわずかに優勢(Trump has a tiny edge

各種世論調査によれば、レースはほぼデッドヒートになっている。しかし、どちらの候補者がほんのわずかでも優位に立っているのかということであれば、それはトランプだ。

DDHQFiveThirtyEight、ネイト・シルヴァーの「Silver Bulletin」、『ニューヨーク・タイムズ』紙が管理する各種世論調査の平均では、トランプ前大統領はハリス副大統領よりも多くの激戦州で優勢となっている。

DDHQの平均では、トランプは6州でリードしている。他のサイトでは5州でリードしている。この違いはウィスコンシン州の扱いで生じており、他の3サイトではハリスが優勢、DDHQではトランプが優勢となっている。

ハリスは全米規模の各種世論調査で僅差でのリードを保っている。

DDHQ平均では、ハリスのリードはわずか0.3ポイントだ。2016年、ヒラリー・クリントンは選挙に敗れたが、2ポイント以上の差をつけて全米規模での世論調査でリードした。

それでも、トランプ優位は決定的とは言い難い。DDHQFiveThirtyEightの予想では、トランプの勝利の確率はそれぞれ54%と51%で、コイントスで裏表を決めるのとほとんど変わらない。

●サンベルトとブルーウォールとの間に明確な分裂がある(There’s now a clear split between the Sun Belt and the Blue Wall

ここ数週間、重要な分裂が深まっている。それは、一方ではサンベルト・南部の激戦州、他方ではブルーウォール(青い壁)州の分裂である。

大雑把に言えば、トランプは前者で健闘し、ハリスは後者で競争力を発揮する。

DDHQ平均で2ポイント差をつけているアリゾナ州では、トランプがどの激戦区よりも大きくリードしている。1.9ポイント差のジョージア州、1.4ポイント差のノースカロライナ州もそう大きな差ではない。

DDHQの予測モデルでは、ジョージア州でトランプが勝利する確率は65%だが、「青い壁」3州のいずれでも勝利する確率は53%以下とされている。

ここで、選挙人団の計算を強調しておくことが重要だ。

ハリスが「青い壁」の3州で勝利すれば、たとえトランプが他の4州で勝利したとしても、ハリスがホワイトハウスを獲得することになる。

そのシナリオでは、ハリスはトランプの268人に対して、270人という、可能な限り僅差で勝利することになる。

●2つの重要な未知数(Two key unknowns

2つのオクトーバーサプライズは、先週の日曜日に行われたトランプ前大統領のマディソン・スクエア・ガーデンでの大集会で、コメディアンのトニー・ヒンチクリフが人種差別的なジョークを言ったことと、火曜日にジョー・バイデン大統領がトランプ支持者を「ゴミ(garbage)」と表現したことだ。

ヒンチクリフの愚弄はプエルトリコを標的としたものであったため、選挙において重要であった。いくつかの激戦州にはかなりの数のプエルトリコ人が住んでおり、その中にはペンシルヴァニア州だけでも40万人以上が居住している。

ハリス陣営はこの騒動を最大限に利用しようと、この騒動に関する新しい広告を掲載し、バッド・バニーやジェニファー・ロペスといった著名人からの支持を強調した。

一方、トランプはバイデンの「ゴミ」発言に焦点を当て、支持者を増やそうとした。この発言は、火曜日の夜、ホワイトハウスに隣接するエリプスでのハリスの大演説にも影を落とした、

トランプは水曜日、ウィスコンシン州での集会の前にゴミ収集車の運転席に登場し、バイデンのつまずきをニュースにし続けた。

●どちらの候補、敗北の可能性を過小評価してはいけない(Don’t underestimate the chances of a rout — for either candidate

評判の良い各世論調査機関にはある重要な疑問がつきまとう。それは、誰が実際に投票に来るのかというモデルが外れている可能性があるのかということだ。

世論調査のこの部分には、本質的に経験則に基づく推測(educated guess)が含まれる。また、システム由来の誤差が生じる可能性もある。

もっともらしいシナリオとしては、米連邦最高裁がロウ対ウェイド法を破棄して以来、初めての大統領選挙となる今年、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を守りたいという願望に突き動かされた有権者たちが、ハリス候補への投票率を高めるというものが挙げられる。

そのような急増が実際に起きて、ハリスが世論調査の数字をわずか2ポイントでも上回れば、彼女は全ての激戦区で勝利するだろう。

しかし、こうしたシナリオは決して一方的ではない。トランプは過去にも世論調査を上回る結果を出している。例えば、2020年のウィスコンシン州では、トランプの得票率はRealClearPoliticsの世論調査平均の最終数字を5ポイント近く上回った。

それでもバイデンはウィスコンシン州で勝利をもぎ取った。しかし、今年のハリスには誤差はない。

激戦州でトランプがわずかでも優れたパフォーマンスを見せれば、比較的容易にトランプがホワイトハウスに復帰することになるだろう。

●トランプ大統領の最後の旅は疑問を持たれている(Trump’s final travel raises eyebrows

この数日間、候補者たちの一挙手一投足は、何か深い意味があるのではないかということで詳しく分析される。

特に、ハリスとトランプの選挙運動最後の訪問についてはそうだ。

訪問の詳細について疑念が出ている。

トランプは土曜日、日曜日、月曜日の3日間、ノースカロライナ州で4回のイヴェントを行う予定だ。
ノースカロライナ州はトランプが得意とする戦場の1つであるはずなのに、これは奇妙な決定だ。

この決定が示しているのは、トランプ陣営が公に認めている以上に、ノースカロライナ州での自分たちの立ち位置を気にしているということなのだろうか?

(貼り付け終わり)
(終わり)

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 アメリカ大統領選挙の投開票日まで残り約1カ月となった。ラストスパートといったところだ。共和党のドナルド・トランプ前大統領と副大統領候補のJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出)と、民主党のカマラ・ハリス副大統領と副大統領候補のミネソタ州知事ティム・ウォルズの戦いは佳境を迎える。日米の主流メディアは最近になって、接戦と報じているが、7月末にジョー・バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明し、ハリスが民主党の候補者になってから、民主党全国大会のあたりにかけて、ハリスの支持率が急上昇、ハリスがリードという報道を行ってきた。

 確かに、全国規模の世論調査の結果ではハリスがトランプに対してリードしている。しかし、全国規模の世論調査の結果は選挙の大きな流れをつかむくらいにしか役に立たない。なぜならば、アメリカの大統領選挙は全国規模の得票数で結果が決まるものではないからだ。
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全国規模の世論調査の動向
 アメリカの大統領選挙は各州での得票数が多かった候補者が割り当てられた選挙人を獲得するというものだ。従って、各州での動きが重要である。そして、民主党が優勢な州(ブルーステイト、blue sates)と共和党が優勢な州(レッドステイト、red states)はそれぞれ20州ずつくらい決まっている。従って、これらの州の選挙人はもう最初からハリス、トランプどちらかに行くかが決まっている。重要なのは、激戦州(battleground satestoss-up states)だ。激戦州は今回、アリゾナ州、ネヴァダ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州である。その中でも、私はジョージア州とペンシルヴァニア州の結果が重要だと考えている。それは、私の計算では、トランプは既に選挙人235人を固めており、ジョージア州とペンシルヴァニア州で勝てば、選挙人を35人獲得できて、過半数の270人(総数は538人)に到達することになるからだ。

 現在のところ、ジョージア州とペンシルヴァニア州は大接戦となっているが、トランプが段々と持ち直してきており、僅差でリードしている展開である。

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激戦州の世論調査の動向
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ジョージア州の世論調査の動向
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ペンシルヴァニア州の世論調査の動向

 10月1日現在の各種世論調査の結果を反映させた結果は以下のとおりである。トランプが281人、ハリスが257人となっている。このように見ると、ハリスの勢いが落ちて、トランプが持ち直しているということになる。
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ブルーステイトとレッドステイトの分布
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10月1日現在の情勢

 米大統領選挙まで残り約1カ月となっている。ハリス、トランプ両候補はデッドヒートを演じているが、ここに来てトランプが持ち直してきていると言うことができるだろう。主流派メディアではこのような話は報じられない。しかし、現実はこのようになっている。

(貼り付けはじめ)

最新のハリス対トランプ世論調査から得られる5つのポイント(5 takeaways from the latest flurry of Harris-Trump polls

ナイオール・スタンジ筆

2024年9月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4889632-latest-polls-white-house-race/

ここ数日、多くの世論調査が発表され、ホワイトハウスをめぐる選挙戦に新たな洞察を与えている。

9月10日のカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の討論会後に実施された20以上の激戦州(swing-state)で行われた世論調査の結果が全て公開されている。

この対戦では、ハリスがトランプに勝利したと広く認識されているが、彼女の勝利が選挙戦にどれだけ影響を与えたかという疑問はさらに曖昧な答えを得るようになっている。

最新の世論調査はほとんどどれも、日曜日にフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフクラブで行われた、2度目のトランプ大統領暗殺未遂事件に対する反応を網羅するほど最近実施されたものではない。

Almost none of the latest polls were conducted recently enough to encompass reaction to the second apparent attempt on Trump’s life, which took place Sunday at his West Palm Beach, Fla., golf club.

最新の各種世論調査の特徴は以下の通りです。

(1)トランプよりハリスの方がより良い結果に-僅差であるが(It’s better to be Harris than Trump — slightly

全体として、ハリス陣営は、トランプ陣営よりも最新の世論調査の結果を喜んでいるようだ。

全国的には、ハリス副大統領がトランプ前大統領との差を僅かだが広げたことを示唆する結果が得られた。モーニング・コンサルト社の世論調査では、ハリスが6ポイント上回っており、同社の調査ではこれまでで最大のアドバンテージとなっているが、ABCニューズ・イプソスシャとヤフーニュース・YouGovの調査では、ハリスがそれぞれ4ポイントと、5ポイント上回っている。

激戦州でも、ハリスは躍進し、良い結果を残したが、しかし、それは例外中の例外である。

ハリス副大統領の選挙対策ティームは、キニピアック大学の世論調査のように、ペンシルヴァニア州で、ハリスが5ポイント上回る評判の良い世論調査を得たことに満足するだろう。あるいはミシガン州でも、有権者候補を対象としたマリスト大学の世論調査でも、同じ差をつけてリードしていた。

ザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の予想では、ハリスが11月に勝利する確率は55%となっている。

このような数字の意味を誇張しないことが重要だ。これは、非常に接戦であることを示している。しかし、現状に関しては、数字は色々出ているが、ハリスに有利なようだ。

(2)トランプには希望が持てる理由がいくつかある(Trump has plenty of reasons for hope

トランプと支持者たちは、最新の各種世論調査の結果に落胆する必要はない。
全体的には、ハリスに向かう小さな傾向が見られますが、決定的なものには程遠い。今回の討論会はハリス副大統領の支持率上昇に1、2ポイント貢献したかもしれないが、選挙戦の状況を変えるには至っていなかった。

木曜日に発表されたニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査の結果では、全米の有権者数では同率、全登録有権者数ではトランプが1ポイント上回った。フォックス・ニューズの世論調査では、ハリスが両カテゴリーで2ポイントの僅差でリードしている。

トランプ陣営は、ザ・ヒルとエマーソン大学による一連の世論調査を含む、いくつかの激戦州での各種世論調査の結果からも勇気づけられる。

エマーソン大学の世論調査では、ペンシルヴァニア州とウィスコンシン州で、トランプが1ポイントリードしており、トランプ前大統領が民主党の「青い壁(blue wall)」の一部を再び破壊する可能性を示唆している。エマーソンの世論調査では、バイデン大統領が2020年に支持したジョージア州で、3ポイント、アリゾナ州で1ポイントの差をつけている。

一方、ペンシルヴァニア州でのマリスト大学の世論調査では、同州での選挙戦は完全に同率となっており、キュニピアック大学やニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの調査では、ハリスがそれぞれ5ポイント、4ポイント差をつけているのとはかなり対照的だ。

(3)シグナルとノイズを分けるのは難しい(It’s tough to separate the signal from the noise

各世論調査会社や政治学者たちは、自分たちの調査が小数点以下まで確定的にしてしまうことを嫌う。

どのようなテーマに関する調査にも誤差があり、「ノイズ(noise)」の影響を受けやすくなる。つまり、世論が実際に変化したためではなく、世論調査プロセスに固有の変数によって数値が変動する。

最近の世論調査では、疑問を感じ亮奈結果も出ている。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、ハリスがペンシルベニア州で4ポイントリードしている一方で、全米ではトランプと同点だった。

この結果は、最近の歴史と相容れない。

バイデンは、2020年の全米一般投票で、4ポイント以上の差をつけたが、ペンシルヴァニア州ではわずか1ポイント強の差で勝利した。2016年、トランプはペンシルヴァニア州でおよそ0.7ポイント差で勝利したが、全米ではヒラリー・クリントンに約2ポイント差で敗れた。

少なくとも通常とは異なると思われる結果は他にもある。

たとえば、キュニピアック大学の最新の世論調査では、ウィスコンシン州でのハリスのリードは、ミシガン州(5ポイント)やペンシルベニア州(5ポイント)よりもはるかに狭い1ポイントとなっている。

繰り返すが、このような結果は、どの世論調査会社の信頼性も損なうものではない。単に、世論調査は不正確な科学だということを強調しているに過ぎない。

(4)結局のところコイントスに変わりはない(When all is said and done, it’s still a coin flip

接戦であり激戦のレースが残り50日を切った今、どの世論調査も精査されることになるだろう。

しかし、世論調査の茶葉を読む限り、2024年の選挙戦は基本的にコイントスのようなものとなっている。

激戦州のザ・ヒル誌とデシジョンデスクHQDDHQ)の世論調査平均がそれを物語っている。ハリスはペンシルヴァニア州、ミシガン州、ネヴァダ州で約1ポイント、ウィスコンシン州では2ポイントリードしている。他の3つの激戦州では、その差は1ポイントにも満たない。

両陣営がテレビ広告に費やしている数百万ドル、トランプの世論調査を上回る傾向、あるいは民主党候補のハリスが、最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆してから初めての大統領選挙で、支持の急増から恩恵を受けることができるかどうかなど、この構図を変える要因は数多くある。

(5)各種世論調査はどちらの側にとっても最良の争点を伝え続けている(The polls keep telling us the best issues for either side

少なくともハリスがバイデンを民主党候補から押しのけて以来、今年のレースのいくつかの輪郭はかなり一貫している。

中絶問題は、民主党が手にする最強の選挙カードであることは明らかだ。

例えば、ニューヨーク・タイムズ・シエナ・カレッジの世論調査では、中絶に関してどちらの候補者がより信頼できるかという点で、有権者の間で、ハリスが13ポイント優勢だった。

移民問題は、選挙論的に言えば、妊娠中絶の鏡像(mirror image)である。ニューヨーク・タイムズの世論調査では、トランプはこのテーマで12ポイントの優位を保っていた。

おそらく決定的なのは、経済に関するニューヨーク・タイムズの世論調査で、トランプが13ポイント差をつけていたことだ。これは、有権者の懸念事項の中でしばしば上位にランクされるテーマで、トランプ前大統領を優位に立たせる他の調査とほぼ一致している。

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は、民主党がカマラ・ハリス副大統領を大統領候補者として正式に決め、副大統領候補にミネソタ州知事ティム・ウォルツを決めた。ウォルツの起用は、このブログで予想した通りで、アメリカ大統領選挙の主戦場は、五大湖周辺州の激戦州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州と定まった。共和党側はニューヨーク出身(現在はフロリダ州在住)のドナルド・トランプ、民主党側はカリフォルニア州出身のカマラ・ハリスとなり、いわゆる、アメリカの両沿岸地域出身であり、それぞれの副大統領候補が中西部、五大湖周辺州とその隣州の出身ということで、両陣営が五大湖周辺州を最重視し、ここで決着をつけようとしていることが明らかになった。

 ハリスがウォルツを起用したのはヒットだった。ウォルツはハリスにないものを補える人物だ。エリートではない、中道、中間層のアメリカ人(「普通の」アメリカ人)であり、ハリスの持つ、検察官上がりのエリート臭さを緩和することができる。ウォルツがリベラルであるが行き過ぎてはいないということで、党内の団結のためには良い人選となった。

 しかし、ハリスにはまだまだ厳しい壁が立ちはだかっている。ハリス自身の外交政策が見えてこないこと、中道なのか、リベラルなのかはっきりしないこと、ジョー・バイデンとどこがどう違うのかをはっきり示さねばならないが、やり過ぎるとそれは現政権批判になってしまうということだ。バイデンの政策をそのままそっくり日気づいて何も買えないということになれば、それならバイデンで良いではないかということになる。

 主戦場の五大湖周辺州で、ハリスはどれだけの「地上戦」を展開できるかと言われると、甚だ疑問だ。ウォルツがいるのでだいぶ助かるだろうが、彼女自身が五大湖周辺州にほぼ縁がないということが問題だ。ジョー・バイデンはペンシルヴァニア州の生まれ育ちで、隣のデラウェア州でキャリアを重ねたが、地縁、血縁、ネットワークは強固なものだ。労働組合やアフリカ系アメリカ人組織などとは数十年にわたり関係を築いてきた。バイデンはまさに「地上戦」の人である。ハリスとヒラリーはどうしても「空中戦」の人だ。ハリスがどれだけ地上戦を展開できるかだ。

 また、アメリカ経済の先行き不安ということになると、「経済はやはり経験のあるトランプ」ということになる。ハリスには経済運営を行った経験はない。アメリカ経済の後退局面がこの時期に来たというのはハリスにとっては逆風となるだろう。

 「ハリスさん、いいぞいいぞ」「ハリスが急上昇」という報道が日本でもなされているが、現状を冷静に見ることが必要だ。

(貼り付けはじめ)

カマラ・ハリスが「ハネムーン期間」が終わって直面するであろう5つの疑問(5 questions facing Kamala Harris as her ‘honeymoon period’ ends

ナイオール・スタンジ筆

2024年7月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4799034-harris-2024-campaign-questions/

カマラ・ハリス副大統領の登場は、ジョー・バイデン大統領を候補者のままで迎える11月の選挙での自分たちの可能性を深く憂慮していた民主党所属の議員たちの間に大きな興奮を呼び起こした。

ハリス陣営によると、バイデンが選挙戦からの撤退を表明して1週間も経たずに、2億ドルを集めたということだ。17万人以上の新たなヴォランティアが登録したと報じられている。

各種世論調査でも、ハリスはドナルド・トランプ前大統領がバイデンに対して享受していた差を縮めている。

しかし、ほとんどの調査でトランプがリードを保っており、熱狂的なハリス支持者を含め、事実上誰もが彼女のハネムーン期間がすぐに終わることを知っている。

ハリスは、週末にマサチューセッツで行われた資金調達パーティーで、「私たちはこのレースでは負けている」と語った。

ハリスと選対が抱える大きな問題を5つこれから紹介していく。

(1)彼女は強力な副大統領候補選びができるだろうか?(Will she make a strong VP choice?

これがハリスに迫る最大の決断だ。

副大統領候補は近々決まるが、それはいつでもというタイミングだ。月曜日の「CBSモーニングス」でのインタヴューで、ミシガン州知事グレッチェン・ウィトマー(民主党)は、ハリスが「これからの6、7日(the next six, seven days)」で決めるだろうと語った。ウィトマーは、ハリスの伴走者(running mate)にはならないことを強く示唆した。

副大統領候補のトップランナーとしては、マーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)、ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)、ミネソタ州知事ティム・ウォルツ(民主党)が挙げられている。その他に、ケンタッキー州知事アンディ・バシア(民主党)とピート・ブティジェッジ運輸長官の名前も挙がっている。

上位3人のいずれかを推すのは簡単だ。ケリーは移民問題でハリスの弱点を補う能力があると考えられるからであり、シャピロは最大の激戦州の知事として人気があるからであり、そして、ウォルツは、平易な語り口で、中西部地方でアピールできるからだ。

しかし、紙の上では良さそうに見える伴走者選びも、簡単に失敗することがある。共和党側では、JD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出)がトランプの副大統領候補として不安定なスタートを切ったことに大きな不安がある。共和党は、2008年にジョン・マケイン連邦上院議員(当時、アリゾナ州選出)の伴走者となったアラスカ州知事(当時)サラ・ペイリンのパフォーマンスにいまだに悩まされている。

ハリスが勝利のチャンスを得るために、副大統領候補の選択を失敗しないことが極めて重要となる。

(2)彼女はこれまでの立場をめぐる無遠慮な攻撃を鈍らせることができるか?(Can she blunt attacks over her previous positions?

ハリスに対するトランプ陣営の包括的な攻撃は、彼女がアメリカ国民にとってリベラルすぎるというものだ。

特に2020年の大統領選挙の民主党指名獲得を目指したハリスのコメントや政策的立場に関して真の脆弱性が存在する。

当時、ハリスは採掘(フラッキング、fracking)禁止を支持し、すでにグリーン・ニューディールの連邦上院共同提案者となっており、移民税関捜査局Immigration and Customs EnforcementICE)の抜本的改革を望んでいた。

ハリスがどのような立場に立っていたのかについては、いくつかの論争がある。

例えば、この時期に移民税関捜査局の廃止を求める声に賛成かどうか尋ねられた彼女は、「ICEを批判的に再検討(critically reexamine ICE)」する必要があると答え、更に「私たちはおそらくゼロから始めることさえ考える必要がある」と付け加えた。

ハリス陣営は、元検事という経歴は彼女を定義づける戦いにおいて大きな武器であり、強大な権益に立ち向かう意思があると思わせるのに役立つと反論している。

彼女はまた、2020年の予備選の時よりも、より中道的な位置づけをするようだ。例えば、彼女の陣営は先週末、本誌に対し、彼女はもはや採掘禁止を支持していないことを明らかにした。

しかし、トランプ陣営からのジャブは今後も続くだろう。

月曜日、トランプ陣営はハリスが語った古いインタヴューでのコメントを掲載した。ハリスは次のように述べていた。「そう、私は過激(radical)だ。私たちがやっていることについて過激になり、真剣に取り組む必要があると信じている」。

(3)彼女はイスラエルのガザ地区攻撃に怒る有権者を味方につけることができるだろうか?(Can she win over voters angry about Israel’s assault on Gaza?

バイデンがガザ地区攻撃でイスラエルを強く支持したことに対し、民主党の有権者の間には深い不満がある。

ギャラップ社が先月行った世論調査では、イスラエルがガザ地区でとった軍事行動に賛成している民主党員と支持者はわずか23%だった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が先週行った連邦議会での共同演説では、100人以上の民主党所属の連邦下院議員と連邦上院議員がボイコットした。

バイデンのイスラエルとガザ地区に対する姿勢は、アラブ系アメリカ人が全米で最も集中している重要な激戦州(swing state)であるミシガン州では、選挙上特に危険な要素である。

ハリスは先週末、バイデンとは別でネタニヤフ首相と会談した後、顕著な口調の変化を見せた。

イスラエルとその安全保障への「揺るぎない関与(unwavering commitment)」は確認したものの、ハリスはガザ地区で起きたことを「破壊的()devastating」と表現し、「あまりにも多くの罪のない民間人の死(the death of far too many innocent civilians)」を嘆いた。

ハリスは続けて「私たちは苦しみに無感覚になることを許すことはできない。私は沈黙しない」と述べた。

しかし、ハリスはまだ針の穴を通すことになるだろう。パレスティナに同情的な有権者たちは、実際の政策転換(shift in policy)を望んでおり、一方、親イスラエルの有権者たちは、支持が緩むことに非常に敏感となっている。

(4)彼女は重要な激戦区で勝利することができるか?(Can she win the key battlegrounds?

民主党内では、ハリスへの熱狂が起きているが、各種世論調査の数字を信じるならば、11月の選挙ではトランプが有利であることに変化はない。

ハリスの支持者たちは、バイデンが身を引いてからの世論調査の数はまだ少ないが、彼女の方向に動いていると指摘する。

しかし、特にアリゾナ州、ジョージア州、ネヴァダ州の激戦区において、彼女には挽回すべき大きな地盤がある。本誌とDDHQDecision Desk HQ)が管理している世論調査の平均では、これらの州でトランプは、約6ポイント、4ポイント、9ポイントそれぞれリードしている。

ハリスは火曜日にジョージア州に向かう。アフリカ系アメリカ人初の女性大統領となる可能性が、有権者のおよそ3人に1人がアフリカ系アメリカ人であるこの州で、彼女を大きく支援する可能性は十分にある。

ハリスは、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州の3つの「青い壁(blue wall)」と呼ばれる州で、僅差でリードを許している。

ハリス陣営は、彼女はまだ投票先未決定の有権者たちから大きな支持を得ていると考えている。しかし、前途は多難である(tough road ahead)ことは間違いない。

(5)彼女はバイデンと差別化できるだろうか?(Can she differentiate herself from Biden?

ハリスはある点で本質的に厳しい立場にある。彼女は11月の大統領選挙本選挙候補者と、そして支持率が低調な現職大統領の現職副大統領という、2つの役割を担っている。

今から投票日までの数カ月の課題は、あからさまに不誠実に見えることがないようにしながら、彼女が望む奈良の話であるが、どうなって、バイデンとの差別化を図るかということだ。

バイデンの実績としては、インフラ支出の増加、学生ローンの救済策、数百万人の高齢者のインスリン代を月額35ドルに制限するなどの具体的なものが挙げられるが、ハリスに関連付けたい要素がこれらである。

しかし、バイデンの記録の他の要素、特に移民と2022年の急速なインフレによって生じた、現在でも癒されていない政治的傷跡(political scar)ははるかに問題がある。

ハリスは今後数カ月間、ホワイトハウスにいるバイデンに対してあまり厳しい態度をとらないようにしながら、将来の明確なヴィジョンを概説する必要に迫られる。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙投開票日まで100日を切った。アメリカや日本の主要メディアでは、「民主党のカマラ・ハリス副大統領が急速に追い上げている」「共和党のドナルド・トランプ前大統領は、副大統領候補のJ・D・ヴァンス連邦上院議員の失言問題もあり苦戦している」という報道がなされている。それは一面では正しいが、一面では正しくない。

 アメリカ大統領選挙は有権者の投票数の合計ではなく、各州の選挙人獲得数で争われる。各州の選挙人は勝者総取り形式で配分される。例えば、カリフォルニア州でA候補が100万1票、B候補が100万票を獲得した場合には、A候補が54人の選挙人全員を獲得する。

 全米50州と首都ワシントン・コロンビア特別区のうち、40以上は既に結果が見えている。分かっている。民主、共和両党のイメージカラーから、民主党優勢州は「ブルーステイト(Blue State、青い州)、共和党優勢州は「レッドステイト(Red State、赤い州)」」と呼ばれている。40以上の州とワシントンDCはきれいに色分けされている。そして、残りの約10州は激戦州(Battleground State)とか、「パープルステイト(紫の州)」などと呼ばれる。大統領選挙の結果を決めるのはこれらの激戦州だ。今回の選挙では、激戦州(Toss-up)は、以下の地図にあるおうど色の州だ。赤と青はそれぞれ、共和党のトランプと民主党のハリスが「固めた」州と言えるだろう。基礎票はトランプ235対ハリス226となる。ここからスタートとなる。

2024uspresidentialelectionpredictionmap101

 おうど色の州で重要なのは、ペンシルヴァニア州とジョージア州だ。この2州をトランプが制すれば、270となって、選挙人538名の過半数を獲得することになり、大統領に当選ということになる。この2州は、2016年の選挙ではトランプが勝利し、2020年の選挙ではバイデンが勝利した。目まぐるしく勝者が変わる州である。この2州が非常に重要ということになる。トランプ銃撃事件が起きたのが、ペンシルヴァニア州バトラーだったことを考えると、トランプ陣営としては、ペンシルヴァニア州を是が非でも取りたい。ウィスコンシン州やアリゾナ州でも勝利できれば、より盤石な勝利ということになる。

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 ハリス陣営としては、この2つの州を明け渡す訳には行かない。何とかどちらか1つの州を取りたいところだ。ネヴァダ州は2016年も、2020年も民主党が取っているので、ここは激戦州だが大丈夫という計算をしているだろう。アリゾナ州選出のマーク・ケリー連邦上院議員を副大統領候補にすれば、アリゾナ州も民主党が取れる可能性が高まる。しかし、そうなると、大統領候補のハリスがカリフォルニア州出身、副大統領候補のケリーがアリゾナ州出身となって、ロッキー山脈より西の西部に偏り、五大湖周辺州や南部にはなじみがない顔ぶれとなってしまう。やはり重要なのは、五大湖周辺州、ペンシルヴァニア州だ。そして、アフリカ系アメリカ人有権者の多いジョージア州だ。ジョー・バイデンはアフリカ系アメリカ人の政治家やコミュニティリーダーと長年にわたり、深い関係を築いていた。ハリスは、父親がジャマイカからのアフリカ系アメリカ人移民ということで何とかアピールしたいところだ。

 激戦州の戦いでは、現在、トランプがやや有利となっている。各州を細かく見ていくと、アメリカや日本の報道とはまた違う姿が見えてくる。

(終わり)

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 古村治彦です。
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 民主党の大統領候補となったカマラ・ハリスに副大統領候補の名前が色々と出てきている。候補者コンビのバランス(対照的なアイデンティティの人が良い)や、選挙戦術(激戦州で勝利をもたらしてくれそうな人が良い)を考えると、ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ、ノースカロライナ州知事のロイ・クーパー、知事以外では、アリゾナ州選出の連邦上院議員マーク・ケリー、バイデン政権の運輸長官を務めているピート・ブティジェッジ(インディアナ州サウスベンド市の市長を務めた)といった名前が挙げられる。彼らは白人、男性、東部や中西部出身、激戦州出身といった条件に当てはまっている。
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ジョシュ・シャピロとカマラ・ハリス
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ロイ・クーパーとカマラ・ハリス

 人気の高い、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサムは、ハリスと同じカリフォルニア州を地盤としているために法律上、副大統領候補となるのは難しい。ミシガン秦のグレッチェン・ウィットマーは女性コンビとなってしまうことがネックとなってしまう。また、アフリカ系などのマイノリティ出身者もこの場合はバランスが悪いということになる。アメリカ大統領選挙は長く、女性やマイノリティが候補者に選ばれにくい状況が続いてきたが、これから少しずつ変化していくだろう。

 共和党の副大統領候補が激戦の五大湖周辺のオハイオ州を地盤とするJD・ヴァンスを選んできたということは、五大湖周辺州を取りたいという意図が明確である。そのために、貧しい白人家庭(母親は離婚下シングルマザーで麻薬中毒になっていた)で育ったヴァンスを持ってきた。ペンシルヴァニア州知事シャピロはその点では好敵手ということになる。シャピロは夫婦そろってユダヤ系であり、ハリスの配偶者ダグラス・エムホフもユダヤ系となると、民主党系にはWASPが一人もいないという状況になる。この点は注目される。ロイ・クーパーはいかにも南部人ということで好感を持たれるタイプだが、ノースカロライナ州以外の人気や知名度は低い。経歴や知名度アピールできるとすれば、ケリー上院議員(元海軍パイロットで宇宙飛行士)やブティジェッジ長官(同性愛者、若さ、頭脳明晰さ、軍務に志願したこと)ということになる。
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マーク・ケリーとカマラ・ハリス
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ピート・ブティジェッジとカマラ・ハリス
 ハリスとのバランスと激戦州への効果ということを考えると、ペンシルヴァニア州知事シャピロ、ケリー上院議員といったところの可能性が高いのではないかと考えられる。

(貼り付けはじめ)

民主党はハリスに対して副大統領候補を激戦州から選ぶように促す(Democrats urge Harris to look to battleground states for VP pick

アル・ウィーヴァー筆

2024年7月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4786852-harris-vice-president-pick-midwest-governors/

民主党はカマラ・ハリス副大統領に対し、大統領選への立候補で民主党内の支持を固める中、副大統領候補として激戦州や党の知事たちから選ぶよう求めている。

ジョー・バイデン大統領が日曜日に民主党候補者から撤退し、ハリスを後継者として支持して以来、ハリスは速やかに党を味方につけた。

この急速な動きを受けて、民主党は副大統領候補として誰が彼女の後継者となるべきかに注目しており、多くの人は、彼らが言うところの「荷物が乗ったベンチ(loaded bench、候補者が多いという意味)」をどのように利用して、コンビのバランスを最も良くするかに注目している。

ブライアン・シャッツ連邦上院議員(民主党、ハワイ州)は、「これはハリス副大統領にとって初めての大統領としての決定であり、彼女には多くの良い選択肢が揃っている」と連邦議事堂で記者団に対し、多くの民主党知事の名前を挙げながら語った。その中には、ペンシルヴァニア州のジョシュ・シャピロ、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー、ノースカロライナ州のロイ・クーパーが含まれていた。更にピート・ブティジェッジ運輸長官とマーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)も候補者として挙げられている。

シャッツは、「リストは続く。おそらく大事な人を挙げるのを忘れていて、誰かを怒らせていると思う。でも、私たちは今、たくさんの候補者を持っている」と述べた。

党のストラティジストや議員たちは、ハリスがカリフォルニア州出身で法曹界の経歴を持ち、黒人およびアジア系アメリカ人女性として初めてその職に就く大統領候補と釣り合える候補者を探す必要があるかもしれないことを認めている。

そうした選択肢の大部分を占めているのは、中西部や激戦州出身の男性で、その多くは知事で、ハリスがペンシルヴァニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の「青い壁(Blue Wall)」を維持するのを支援する任務を負うことになる。

ある民主党関係者は、「海岸地域出身でなく、政府機関を運営したり、州を運営したり、市長を務めたりしている、もしくはしてきた人物はバランスが取れているだろう」と語った。

複数の民主党議員は、ノースカロライナ州知事としての2期目の任期を終えようとしているクーパーを、選挙戦を後押しする可能性がある人物として挙げており、トランプ前大統領が2020年にノースカロライナ州をリードしたのはわずか7万5000票未満だったと指摘している。

ある連邦下院民主党議員は「副大統領をイメージできるとしたら、クーパーによく似ているだろう。彼は基本的に中心的なキャスティングの1人だ」と述べた。

クーパー知事は月曜日のテレビインタヴューで、日曜日にハリスと電話で話したと語った。クーパーは、会話では「このレースに勝つこと」に焦点が当てられていたと述べたが、副大統領候補についての具体的な話は避けた。

67歳のクーパーは、「人々が私のことを話してくれることはありがたい。でも今週は今、彼女に焦点を当てる必要があると思う」と述べた。

バイデンの閣僚の中で、唯一検討対象と言われているピート・ブティジェッジには有利な点があり、それは、ブティジェッジが、共和党の副大統領候補のJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)との討論会で、最も良いパフォーマンスを発揮するだろうと主張している民主党関係者がいる。

ブティジェッジは、インディアナ州出身でもあり、大統領選に立候補した後に名前が挙がった人物の中で最も有名になっている。

しかし、彼の潜在的な弱点は、有権者がアフリカ系とアジア系アメリカ人の女性と、同性愛者の男性からなるコンビを支持するかどうかに集中している。

一部の民主党議員は懸念を無視している。

ある民主党関係者は、「そんなことに腹を立てるような人たちは、どうせ私たちに投票しないだろう」と語った。

ケリー議員は、近年選挙で比類のない勝利を収めている、激戦州出身の退役軍人で元宇宙飛行士という輝かしい履歴書を民主党が注目しており、副大統領候補の明らかな有力候補となっている。

しかし、彼には明らかな弱点がある。ハリスが勝てば議席を離れ、激戦州で、後任を決める特別選挙を実施する必要があり、連邦上院で民主党が過半数を維持するために、困難をもたらす可能性がある。

激戦州のある民主党関係者は、「ケリーを引き抜いておいて、アリゾナ州で連邦上院の議席を維持することはできない」と語った。

そして、シャピロ知事はかなりの話題を呼び、2028年の大統領候補として広く考えられているが、彼が適任であることを警戒する、一部の進歩主義者からの厳しい監視にさらされている。

連邦下院民主党によると、シャピロ知事はヴィープステークス(veepstakes、訳者註:副大統領候補選出の手続き)の唯一の候補者だが、就学援助やイスラエルへの熱烈な支持など、数々の政策上の立場を理由に進歩主義派議員から「強い反発(strong pushback)」を受けているということだ。

「進歩主義派が会いたくないということを内密に話し合っている事実がある。進歩主義派が会いたくないと言っているのはシャピロだけだ」とこの議員は語った。

一方、深刻な争いを繰り広げている唯一の女性であるウィットマーは、ミシガン州で記者団に対し、「ミシガン州を離れない」し、「どこへも行く」つもりはないと語った。

予期せぬヴィープステークスの分野は決着からは程遠い現状であるが、団結を目指す政党の最前線に立つ候補者が現れるまで、今後数週間のうちに他の名前が浮上するのは確実で、指名を迅速に行うことになる。

シャッツ議員は「これによって明らかになったものの一つは、民主党にはステップアップする準備ができている次世代の指導者がいることを証明することだ」と述べた。

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 古村治彦です。

 2023年12月27日に『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 2024年11月5日に投開票が実施されるアメリカ大統領選挙は、現職のジョー・バイデン大統領(民主党)と前職のドナルド・トランプ前大統領(共和党)の一騎打ちになっている。各種世論調査の結果では、トランプが有利な状況になっている。しかし、ジョー・バイデンが追い上げている状況になり、大接戦になっている。アメリカはインフレが続き、一般国民の生活は苦しい状況が続いているが、経済は好調とされている。ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス紛争は終結が見えていない中で、バイデン政権は支援を継続している。

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 アメリカ大統領選挙は候補者への直接投票ではなく、各州での選挙人への投票が実施される。そして、各州で多くの票を取った候補者が選挙人を総取りする。各州の選挙人は、その州から選出される、連邦上院議員(人口や規模にかかわらず各州2名)と連邦下院議員(人口によって大きく異なる)の合計数となっている。連邦議員が出ていないワシントン・コロンビア特別区は3名となっている。一番多いカリフォルニア州で54名(上院議員が2名で、下院議員が52名)、一番少ないのはメイン州やワイオミング州の3名(上院議員が2名で、下院議員が1名)となっている。選挙人数は全米で合計538であり、過半数は270だ。

各候補の総得票数と選挙人獲得数の間に乖離があり、総得票数で勝っても、選挙人獲得数で負けた選挙というのは複数回ある。最近では、2016年(敗者はヒラリー・クリントン)と2000年の大統領選挙(敗者はアル・ゴア)がそうだった。

ちなみに、選挙人数が同数となる、あるいは、過半数を獲得する候補者が出なかった場合には、連邦下院で選挙を実施して大統領を決定するが(連邦下院では副大統領を決める)、その際には各州の代表が1票を投じる形になり、26州以上の支持を得た候補者が大統領になる。

 州ごとの各種世論調査の結果を細かく見ていき、それを選挙人獲得数に反映させていく作業を行った。その結果、トランプが268,バイデンが226、決めきれない州の合計が44となった。決めきれなかった州は、ペンシルヴァニア州(19)、ミシガン州(15)、ウィスコンシン州(10)である。2016年にドナルド・トランプを勝利に導いた、五大湖周辺州、以前はアメリカの製造業を支えたラストベルト(Rust Belt)と呼ばれる地域だ。2016年、2020年の大統領選挙で、この3つの州で勝利を得た候補者が最終的な勝利者となっている。

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※ペンシルヴァニア州

■2016年

○ドナルド・トランプ:297万733票(48.18%)、●ヒラリー・クリントン:292万6441票(47.46%)

■2020年

○ジョー・バイデン:345万8229票(49.85%)、●ドナルド・トランプ:337万7674票(48.69%)

※ミシガン州

○ドナルド・トランプ:227万9543票(47.50%)、●ヒラリー・クリントン:226万8839票(47.27%)

■2020年

○ジョー・バイデン:280万4040票(50.62%)、●ドナルド・トランプ:264万9852票(47.84%)

※ウィスコンシン州

■2016年

○ドナルド・トランプ:140万5284票(47.22%)、●ヒラリー・クリントン:138万2536票(46.45%)

■2020年

○ジョー・バイデン:163万866票(49.45%)、●ドナルド・トランプ:161万184票(48.82%)

 今回の選挙でもこれらの州は大接戦であり、ジョー・バイデンがこれら3つの州で勝利を収めることができれば、選挙人270名を獲得し、勝者ということになる。トランプとしては、2016年の選挙結果の再現を目指すことになる。

 バイデンが現職の強みで、ウクライナ戦争か、イスラエル・ハマス紛争で、大きな進展、具体的には停戦を実現することができれば、バイデンには追い風となり、再選ということになるだろう。トランプはバイデン政権の動きの遅さを攻撃しながら、ラストベルトに注力したいところである。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 アメリカでは2020年11月3日を迎え、アメリカ東部標準字帯に属する各州では既に投票が開始されている。昨年から始まったアメリカ大統領選挙もいよいよ投開票日を迎えた。共和党のドナルド・トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領と、民主党のジョー・バイデン前副大統領とカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の激突だ。

 マスコミは今年のセミが鳴いている頃には「バイデン氏が圧倒的に有利」と報道し、私の知り合いの中にも「今回はいくら何でもバイデン氏が勝つだろう」という予測を立てている人が多くいた。私は常に周囲に合わせて、波風を手ないように生活するような性格に生まれついてしまっているが、今回は「トランプが勝つかもしれないよ」というへそ曲がりの答えをしていた。

 そもそも日本のメディアのアメリカ大統領選挙報道は、アメリカで大学や報道機関が実施する世論調査の結果を根拠にしており、はっきりして独自の取材や調査に基づいていない。しかも、だいたいが全国規模の世論調査の結果を根拠にして「バイデン氏大量リード」などとやっていた。しかし、私はこのブログでもさんざん書いたが、アメリカ大統領選挙は各州に配分された選挙人の総取りが基本であって、総得票数と選挙人獲得総数が合わないということがある。2000年と2016年がそうだった。だから、各州の情勢を詳しく見なければならない。日本の報道は大雑把であり、かつ根拠が不確実なものだった。

 さて、いよいよ投開票日である。今までも世論調査の結果の平均を出して、どちらがリードしているかで出した地図が以下のものだ。これはRealClearPoliticsのウェブサイトに行けば見られる。

RealClearPoliticsのウェブサイトのアドレスは以下の通り↓

https://www.realclearpolitics.com/epolls/2020/president/2020_elections_electoral_college_map_no_toss_ups.html

2020presidentialelectionrealclearpoliticsnotossupmap001
 これを見ると、選挙人獲得数はバイデンが318名、トランプが218名となり、バイデンが圧勝ということになる。しかし、RealClearPoliticsの名誉のために申し添えておくと、これは激戦州について、両候補の差がほぼないところでも無理にどちらかで色分けするとこういう結果になるというだけのことであって、これは実態に即した地図ではない。

 ここで、私は自分なりにいくつかの思考実験(と言う名目の遊び)をしたいと考えて、RealClearPoliticsの「Create Your Own Map」機能を利用して、シミュレーションをしてみた。テキサス州とフロリダ州はトランプが追い上げており、この両州でトランプが勝つという前提で地図を作ってみると次のようになる。

2020presidentialelectionfurumuraownmap004

バイデン217対トランプ193となる。更にミシガン州とペンシルヴァニア州を除いて、情勢を考慮して色分けを加えていく。まず、アリゾナ州とノースカロライナ州という共和党が強いが今回は激戦州をバイデンが取ったとすると、以下のような情勢になる。バイデンがあと少しで270が取れない情勢で、ミシガン州とペンシルヴァニア州が残る形になる。

2020presidentialelectionfurumuraownmap003

 アリゾナ州とノースカロライナ州をトランプが取ったとすると、選挙の情勢は以下の通りにトランプ
が有利ということになる。
2020presidentialelectionfurumuraownmap002
 日本のマスコミが述べてきたように、「バイデン氏圧倒的に有利」ということは少なくとも言えないということになる。私は最後の大統領選挙討論会がキーポイントだったと思う。ブログでも書いたが、あの時のトランプはバイデンを大きく上回った。そこから一気に追い上げムードになったと思う。そして、バイデンはリードを縮められている。

そのことが分かっているので、バイデン陣営は最後の1枚前の切り札であるバラク・オバマ前大統領を担ぎ出してきた。本当の切り札はミシェル・オバマ夫人であるが、ミシェルを出すと、余裕がないという逆宣伝になってしまうから出せなかったのだと私は判断する。

 今回の選挙では既に役1億人が期日前投票や郵便投票を利用して投票を済ませたという報道が出た。有権者人口が約2億5000万人で、いつもは1億3000万から4000万人が大統領選挙で投票をするが、この報道が正しいとすると、今回は得票率が上昇することが考えられる。そして、期日前投票に関する「モーニング・コンサルト」社の調査では、期日前に投票を済ませた人の中で、新型コロナウイルス感染でリスクの高い中高年が高い割合を占めたということだ。また、民主党支持の有権者が50%、共和党支持の有権者が21%だったということも注目される。

※モーニング・コンサルト社のウェブサイトのアドレスは以下の通り

https://morningconsult.com/exit-polling-live-updates/

 今回の選挙も2000年の選挙のように、色々と揉めて結果が確定するまで、長引きそうだ。私は最後の追い上げを考慮して、トランプが有利としておく。

(終わり)
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 古村治彦です。

 五大湖は東側からオンタリオ湖、エリー湖、ヒューロン湖、ミシガン湖、スペリオル湖から成り立っている。この五大湖周辺に接しているのは、東側からニューヨーク州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、イリノイ州、ウィスコンシン州、ミネソタ州である。これらの州はアメリカの勃興期に製鉄業や石油採掘業、自動車製造業で大きく発展した。シカゴ、デトロイト、クリーヴランドなどの工業で発達した大都市が存在する。
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 これまでの歴史では、五大湖周辺州は工業地帯ということもあり、労働組合の活動が盛んで、民主党が優位であった。2016年の大統領選挙ではそのこともあり、民主党候補のヒラリー・クリントンが勝利すると見られていたが、僅差で共和党候補のドナルド・トランプが勝利した。このことが大番狂わせの原因となった。

 労働組合に参加していた白人労働者たちが、一向に良くならない生活と雇用環境に業を煮やし、民主党支持を止め、「雇用を取り戻すために保護貿易を行う」と訴えたトランプに投票したという分析がなされている。保護貿易といえば、1980年代に日米間の貿易摩擦で、民主党所属のリチャード・ゲッパート連邦下院議員の激しい日本叩きが思い出される。2010年代以降、その亡霊が姿を現したのだ。ちなみに、現在のトランプは共和党所属だが、2010年代半ばまでずっと民主党員であった。

 共和党候補であるトランプが、民主党が主張していた保護貿易を訴えて当選したというところから、共和党内部にはトランプ大統領への嫌悪感がある。また、大統領選挙と合わせて実施される連邦上院議員選挙と連邦下院議員選挙では現在のところ、民主党が有利である。大統領選挙と同時に実施される連邦議員選挙の場合には、大統領選挙の情勢が大きく影響すると言われ(これをdown ballotと言う)、トランプが大統領に再選されても、共和党の連邦議員数が減れば、トランプの責任ということになり、彼の影響力は大きく減退する。

 トランプがフロリダ州とテキサス州で勝利をすればの話だが、五大湖周辺州は今回の大統領選挙の最終決戦場となる。現在のところ、各種世論調査の結果では、五大湖周辺州ではバイデンが有利という結果が出ている。ミシガン州とウィスコンシン州ではバイデンのリード差が広がっているが、オハイオ州とペンシルヴァニア州では両者の差は小さい。オハイオ州とペンシルヴァニア州でトランプが勝利ということになれば結果は大接戦ということになる。オハイオ州とペンシルヴァニア州の選挙人数は38名であり、ここをトランプが取ればトランプ大統領の再選が近づく。

(貼り付けはじめ)

世論調査:トランプがミシガン州。ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で追いかける展開に(Trump trailing in Michigan, Pennsylvania and Wisconsin: poll

ジョセフ・チョイ筆

2020年10月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520534-great-lakes-poll-shows-trump-trailing-in-michigan-pennsylvania-and

最新の世論調査によると、トランプ大統領は3つの激戦州(スイング・ステイト)であるミシガン州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で民主党の大統領選挙候補者ジョー・バイデンを追う展開になっている。

ボールドウィン大学がオークランド大学とオハイオ・ノーザン大学と共同して行った世論調査の結果を金曜日に発表した。それによると、ミシガン州ではバイデンの支持率が50%、トランプの支持率が43%で7ポイントのリード、ペンシルヴァニア州ではバイデンの支持率が50%、トランプの支持率が45%で5ポイントのリード、ウィスコンシン州ではバイデンの支持率が49%、トランプの支持率が43%で約7ポイントのリードとなっている。

トランプ大統領はオハイオ州では僅差でリードしている。支持率はトランプ大統領が47%、バイデンが45%だった。しかしその差は誤差の範囲内であった。

2016年の大統領選挙ではトランプがこれら4州全てで勝利した。

最新の世論調査では、調査に応じた人々の過半数が1回目の大統領選挙候補者討論会を視聴し、バイデンがより良いパフォーマンスを行ったと答えた。51%がバイデン前副大統領の方がより良いパフォーマンスをしたと答え、32%が勝利者だったと答えた。

有権者の多くは、1回目の討論会では頻繁に繰り返される割り込みと個人攻撃によって酷くイラついたと答えた。しかし、トランプ支持の有権者たちのほとんどは討論会を見たことを理由にトランプへ投票する気持ちが「全く変わらない」と答えた。

世論調査担当者たちは、有権者たちは勝利が発表されるまでに全ての投票が集計されるようにすべきだと答えた。全ての投票が集計される前にトランプ大統領が勝利を主張しても、投票集計の正確性について信頼を持てないと有権者の過半数が述べている。トランプ大統領は来月の選挙で負けて平和的な政権移行に協力することを拒絶し続けている。

今回の世論調査の結果は、『ワシントン・ポスト』紙とABCニュースによる全国規模の世論調査の結果が出る数日前に発表された。ワシントン・ポスト紙とABCニュースの世論調査の結果では、バイデンがトランプに12ポイントのリードをしている。有権者の53%がバイデンを支持し、41%がトランプを支持した。

今回の五大湖周辺州での各種世論調査は9月30日から10月8日にかけて4166名を対象に実施された。これら4つの州での世論調査の誤差は約3ポイントである。

最新の世論調査のデータを見て、共和党の最高幹部たちは連邦上院で共和党が過半数を維持できるかどうか懸念を持っている。幹部たちはトランプ大統領の支持率を見て、これが各州レベルの選挙にマイナスの影響を与えることになるだろうと恐怖感を持っている。カンザス州やサウスカロライナ州のような伝統的に共和党優位の各州で民主党の候補者たちが大きなリードをつけている。共和党側は現在、連邦上院の23の議席を防衛しようとしている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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