古村治彦です。
第二次ドナルド・トランプ政権は国内外で不安定な状況を作り出している。ヴェネズエラ攻撃を利用して、他国に脅しをかけている。グリーンランドの領有の意思を隠さずに、堂々と主張している。グリーンランドにアメリカ軍を派遣するということになれば、対ロシアの防衛同盟としてのNATOが瓦解する。卑近なたとえをするならば、「みんなで防犯組織を作ったら、仲間内から泥棒が出た」ということになるからだ。
国内ではICE(アメリカ移民関税執行局)による不法移民取り締まりがアメリカ国内の緊張を高めている。ミネアポリスでICEの捜査員による女性の射殺事件が発生し、ミシガン州知事ティム・ウォルツは州兵の出動待機命令を出した。ICEの捜査員と一般市民の小競り合いも各地で頻発している。これがいつ更なる暴力事件から武力衝突、内戦にまで発展するか分からない。私たちは世界の大きな構造転換に直面している。アメリカの衰退がそのきっかけである。
そうした中で、私たちが住む日本、そして東アジアと隣接する東南アジアは平穏を保たねばならない。それは、世界の経済成長エンジンであり、今や世界を支える地域になっているからだ。そこで残念なのは日本の状況だ。高市早苗首相という地政学リスクを抱え、アジアに不安定な状況をもたらしている。その高市首相の支持率が70%超えという日本国民は客観的に見て、馬鹿でアホでどうしようもないということになる。自分の頭絵で考えることを知らず(教えられてこなかったのだから仕方がないとは言え)、上から言われたとおりに生きて死ぬだけの存在だ。高市首相は解散総選挙を選択したが、高市首相を退陣させることができるかどうか、期待はできない。日本もアメリカと一緒に衰退し、沈んでいくしかないようだ。世界は大きく変化しようとしている。残念なことだが、アメリカと日本はその変化で負け組として衰退するしかない状況だ。せめて、個人個人で自分の置かれた状況を考慮して最善の方策を選択するしかない。
(貼り付けはじめ)
ドナルド・トランプは世界にアメリカを恐怖することを教えている(Trump Is
Teaching the World to Fear America)
-数十年かけて築き上げてきた善意(goodwill)が今や無駄になっている。
ファリード・ザカリア筆
2026年1月9日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2026/01/09/trump-fear-united-states-alliances-global-power-balance/
歴史を通して、最も力強い国は往々にして友好国を見つけるのに苦労してきた。ある国が支配的になると、他国はそれに対抗しようとする。東ヨーロッパにあるロシアの隣国群を見れば、世界が認めてすぐに、NATOに加盟した。アジアにある中国の近隣諸国を見れば、日本、インド、オーストラリア、ヴェトナムなどが、北京の台頭を受けて、アメリカとの、そして互いの安全保障関係を着実に強化してきた。
しかし、アメリカを見てみると、この理論は揺らぎ始める。
アメリカは世界で最も強力な国だが、最も豊かで能力のある国の多くはアメリカに対抗するのではなく、同盟国となっている。彼らは核心的な安全保障問題においてはアメリカに従っている。アメリカの軍隊を受け入れている。自国の軍隊をアメリカと統合する。これは近代史の長い流れの中では普通のことではない。むしろ、非常に特殊なことだ。
それなぜか? それはアメリカが聖人のよう(saintly)だからではなく、しばしば古典的な覇権国(a classic hegemon)とは一線を画す行動を取ってきたからだ。第二次世界大戦後の80年間、アメリカは往々にして、その力強さを他国が受け入れ可能なもの、すなわちルール、制度、そして正統性(rules, institutions and legitimacy)へと変換しようと努めてきた。属国体制(tributary systems)ではなく同盟関係(alliances)を築き、たとえそれが不十分な場合であっても、集団安全保障、自決、自由な商業活動(collective security, self-determination, open commerce)といった諸原則を掲げてきた。
アメリカの一極主義の象徴としてしばしば挙げられるイラク戦争について考えてみよう。私はあの戦争の賢明さを擁護している訳ではない。国際システムに対するアメリカの姿勢について、より大きな視点で論じているのだ。ジョージ・W・ブッシュ政権は2002年に連邦議会の承認を求め、承認を得た後、国連に訴え、安全保障理事会決議1441号の成立に貢献した。また、この取り組みを支持する49カ国からなる連合も結成した。ワシントンは、この主張を表明し、パートナーを集め、他国に広く受け入れられる根拠を探る必要性を感じていた。
力を正当性へと変換しようとする努力こそが、アメリカの優位性の隠れた柱(the
hidden pillar of American primacy)である。アメリカが脅迫者(a
shakedown artist)ではなくルールメイカー(a rulemaker)として行動するとき、恐怖よりも価値のあるもの、すなわち同意(consent)を得ることになる。同意こそが覇権をリーダーシップへと、そしてリーダーシップを他国が他の選択肢よりも好ましいと考えるシステムへと変える。また、バランスを取ろうとする衝動を燃え上がらせないのも同意である。
そして、まさにヴェネズエラの出来事が今、危険に晒しているのはまさにこのことだ。ニコラス・マドゥロへの襲撃そのものではなく、アメリカ外交政策におけるこの断絶を特徴づけているのは、法、規範、同盟、そしてアメリカの外交政策に対する完全な無視(disregard for law, norms, alliances and diplomacy that mark this
break in American foreign policy)である。
CNNのインタヴューで、ホワイトハウスのスティーヴン・ミラー大統領次席補佐官は、「アメリカ合衆国がヴェネズエラを統治している」と断言し、「国際的なお世辞(international niceties)」を一蹴し、世界は「強さ・・・力・・・権力」、つまり歴史の「鉄則(iron laws)」によって支配されていると主張した。一方、ドナルド・トランプ大統領は、ヴェネズエラが「移行(transition)」を迎えるまでアメリカが統治し、石油を奪取すると述べた。これは、アメリカの国庫を潤すための露骨な侵略行為(a naked act of aggression to benefit America’s coffers)だった。
もしあなたがカナダ人、ドイツ人、韓国人、あるいはメキシコ人なら、ミラーの言葉に恐怖を覚えるだろう。それはアメリカがオタワやベルリンに侵攻しようとしているからではなく、論理が変わった(the logic has changed)からだ。アメリカの力は、他国が受け入れることができるより広範な原則、民主政治体制、集団安全保障、ルールに基づく秩序(democracy, collective security, a rules-based order)のために使われるという主張はもはや存在しない。力には力に基づいた行動を取る権利がついてくるという主張だ。つまり、力があるから支配するのだ、という議論だ。これがまさに近隣諸国を不安にさせる大国の行動(great-power behavior)である。
トランプはこの作戦を正当化するためにモンロー主義(the Monroe
Doctrine)を持ち出した。モンロー主義は1823年以降、反帝国主義的(anti-imperial)なもの、つまりヨーロッパによる西半球への植民地主義的な介入を阻止することを目的としていた(aimed at preventing colonial-style interventions by Europe in the
Western Hemisphere)とよく考えられていたことを忘れてはならない。モンロー主義がラテンアメリカ全域へのアメリカの侵略を容認するものへと変化したのは、その後、特に1904年にセオドア・ルーズヴェルト大統領が同様の政策(President Theodore Roosevelt’s corollary)を採択したことによる。アメリカ帝国主義のこの栄華は長くは続かず、地域にとってもアメリカの評判にとっても良い結末にはならなかった。
過去40年間、共和党と民主党はラテンアメリカ地域に対する新たな超党派的アプローチを構築した。これはラテンアメリカ諸国が軍事政権から民主政治他一世へ移行する動きを後押しし、貿易・投資・制度改革支援を促進し、各国と連携して麻薬問題や移民問題に対処した。メキシコはこの転換の象徴だ。かつてワシントンへの深い不信感で定義づけられていた国が、密接なサプライチェインと日常的な法執行協力で結ばれた、アメリカにとって最も緊密な経済パートナーの1つとなった。(そして、21世紀の大半において、メキシコ人によるアメリカへの純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)
メキシコ人による米国への純移民数はほぼゼロに近い状態が続いている。)
この数十年にわたり築き上げられた戦略的資本(strategic capital)が今、浪費されつつある。そして長期的には、国際舞台で完全なる利己的な捕食者のように振る舞うアメリカは強くなるどころか、孤立を深めるだろう。同盟諸国はヘッジし、パートナーは代替案を模索し、中立国は徐々に距離を置く。歴史が常に予見してきたバランシング(balancing)が遂に訪れるかもしれない。それはアメリカが弱体化したからではなく、自らの強さの真の源泉を忘れたからだ。
トランプ政権の志向は、アメリカをプーティンのロシアのように振る舞わせることにあるようだ。露骨に自国の利益を追求する攻撃的な国家として振舞う。そしてミラーが指摘するように、歴史の大半において強大国はそう行動してきた。アメリカを除いてはそうしてきた。アメリカは、紆余曲折と多くの過ちを伴いながらも、過去80年間にわたり異なる道を歩み、新たな世界を築き上げてきた。その世界が今、無謀にも解体されつつある。
※ファリード・ザカリア:CNN「ファリード・ザカリアGPS」司会者。著作も多く、最新刊は『』。『ワシントン・ポスト』紙に各週でコラムを掲載し、それは『フォーリン・ポリシー』誌にも掲載されている。Xアカウント:@FareedZakaria
(貼り付け終わり)
(終わり)

シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』


