古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ヤルタ2.0

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になりました。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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 一昨日(2025年6月29日)、中国政府が、9月3日に実施する戦勝80周年記念の軍事パレードに、アメリカのドナルド・トランプ大統領を招待する意向であるという報道が出た。このパレードにはロシアのウラジーミル・プーティン大統領も出席する予定と報じられており、トランプが出席するということになれば、北京の地で、習近平、トランプ、プーティンの「三帝会談」が実現する可能性もある。「ヤルタ2.0」と言っても良い。戦勝80周年記念パレード開催に合わせて、上海協力機構(SCO)首脳会談も実施される予定で、こちらに参加する首脳たちも戦勝80周年記念式典に参加する予定だ。上海協力機構にはイランが参加しており、イランがどのクラスの首脳を出席させるかによるが、アメリカとイランとの間の最高首脳クラスの接触ということも考えられる。
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 アメリカと中国は、トランプ関税の発表以来、緊張関係が続いている。しかし、両国は、第二次世界大戦の戦勝国で、国連安保理(the United Nations Security Council)の常任理事国(permanent members)である。これにロシアも加わる。私は、これまでの著作で、世界構造は大きく変化しつつあり、「西側諸国(the West、ジ・ウエスト)対西側以外の国々(the Rest、ザ・レスト)」の対立構造になっていると書いた。そうした中で、西側諸国を率いるアメリカと、西側諸国以外の国々のリーダーとなっている中国とロシアは、日本とドイツをはじめとする枢軸国(the Axis)に勝利して、国際秩序を成立させたという「共通点」を持っている。連合国(the Allied Powers)と枢軸国の色分けの地図を見てもらうと分かるが、ユーラシアの両端(ドイツと日本)と戦った中国とロシア、大西洋と太平洋の2つに面しており、大西洋からヨーロッパ、太平洋からアジアで、ドイツと日本を圧迫し、撤退させ、ロシアや中国を支援したアメリカという構図を改めて認識すべきである。
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中国はアメリカとの関係修復のために、日本に対する戦勝記念というカードを利用してきた。トランプ大統領とアメリカ政府が招待に応じることはないだろうが、トランプは何をしてくるか分からない。

 現在、日本国内で排外主義と歴史修正主義、復古主義が勢いを持っている。日本会議系・統一教会系に影響された故安倍晋三元首相支持の勢力がおり、それが国民民主党や参政党へと流れている。こうした人々は自分たちが危険な火遊びをしていることに気づかない。国内にしか目が向かないからだ。現在の世界秩序の中で、日本は「敗戦国であり、世界の秩序に逆らったという前歴を持ち、頭を下げて国際社会に復帰させてもらった存在」である。ドイツも同じだ。この枠組みを変更しようという動きが大きくなれば、「国際社会に弓を引く」という解釈をされかねない。日本は中国とロシアと国境を接している。この両国に付け入る隙を与えてはならない。慎重に、かつ低姿勢で事を進めていかねばならない。今回の中国の動きでそれを改めて認識しなければならない。

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【独自】中国、閲兵式にトランプ氏を招待 9月、抗日戦勝記念で方針

6/29() 21:00配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/8fd7bcfe96026e4780c2431f506ca056fb98d101

 【北京共同】中国政府は93日に北京の天安門広場周辺で行う「抗日戦争勝利80年」記念の軍事パレード(閲兵式)にトランプ米大統領を招待する方針を固めた。また今年で創設80年の国連の総会が9月に米ニューヨークで開かれるのに合わせて、米政府が中国の習近平国家主席の訪米を提案したことも分かった。関係筋が29日、明らかにした。

 両首脳が対面で会談すれば第2次トランプ政権では初めて。軍事パレードにはロシアのプーチン大統領が参加する見通し。トランプ氏も参加すれば米中ロ首脳が共に「対日戦勝」を祝うことになり、日本にとっては大きな懸念事項になる。

 関係筋によると、トランプ氏自身は訪中に意欲を示しているため、軍事パレード参加にも前向きな姿勢だと中国側は分析している。ただルビオ米国務長官ら政権の要職に就いている多数の対中強硬派が反対するとみている。

 国連総会に合わせた習氏訪米について、中国側はメディアの前でトランプ氏と激しい口論になったウクライナのゼレンスキー大統領の二の舞いになることを警戒している。
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中国が第二次世界大戦終結80周年記念軍事パレードを9月3日に開催(China to hold military parade Sept. 3 for 80th anniv. of end of WWII

共同通信(KYODO NEWS ) 2025年6月24日

https://english.kyodonews.net/news/2025/06/41e9f30a4b57-china-to-hold-military-parade-sept-3-for-80th-anniv-of-end-of-wwii.html#google_vignette

中国は火曜日、第二次世界大戦終結80周年を記念し、93日に北京の天安門広場で軍事パレードを開催すると発表した。習近平国家主席が式典で演説を行う予定だ。

国営新華社通信によると、1937年から1945年にかけての抗日戦争における勝利を記念するこのパレードでは、「無人情報システム、水中戦闘部隊、サイバー・電子戦力、極超音速兵器といった新型戦闘能力を披露する(display new-type combat capabilities such as unmanned intelligent systems, underwater combat units, cyber and electronic forces and hypersonic weapons)」という。

ロシアのウラジーミル・プーティン大統領もこの式典に出席するとみられている。習近平国家主席は5月、モスクワで行われたヨーロッパにおける第二次世界大戦終結80周年記念式典(ロシアでは戦勝記念日)と赤の広場で行われた軍事パレードに参加した。

中国は今秋、北京近郊の天津でロシアも参加する上海協力機構(the Shanghai Cooperation OrganizationSOC)首脳会議を主催する予定で、加盟諸国の首脳たちは北京で行われる戦勝記念日の式典に出席する見込みだ。

この地域機構には現在、中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、パキスタン、イラン、ベラルーシの10カ国が加盟している。

戦後80周年を記念する行事の一環として、中国は、日本との本格的な開戦のきっかけとなった1937年の盧溝橋事件(the Marco Polo Bridge Incident)を記念する式典を7月7日に、同じ1937年に日本軍による南京大虐殺(the massacre in Nanjing)の犠牲者を追悼する式典を12月13日に開催すると発表した。

北京市南西部の石橋(盧溝橋[Lugou Bridge]としても知られる)付近で発生した日中両軍の小競り合い(a skirmish)は、1945年に日本が連合国(the Allied Powers)に降伏するまで続く本格的な紛争(a full-scale conflict)へと発展した。

中国は、旧南京(江蘇省)で日本軍が30万人以上を虐殺したと主張している。一方、日本の歴史家たちは、中国の民間人と兵士の死者数を数万人から20万人と推定している。

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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。よろしくお願いいたします。

 拙著『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』で書いたように、世界は西側諸国(ジ・ウエスト、the West)対西側以外の国々(ザ・レスト、the Rest)の対立構造になっている。これはグローバル・ノース諸国とグローバル・サウス諸国の対立と言い換えてもよい。西側以外の国々、グローバル・サウス諸国でリーダー的な立場となっているのが中国とロシアだ。

 中国とロシアの関係は、1950年の中ソ国交樹立から75年が経過している。中ソ両国は冷戦初期には緊密な関係にあったが、1960年代から対立するようになり、1970年代には中国はアメリカと国交樹立し、アメリカとの関係を深化させた。結果として、中国は世界第二位の経済大国にまで成長することになった。ソ連崩壊後、中露関係は再び緊密化しているが、アメリカと中露両国の関係は難しい状況にある。米中関係は経済摩擦(貿易戦争)、米露関係はウクライナ戦争によって悪化している。

 冷戦期、ヘンリー・キッシンジャーの戦略によって、中ソ間に楔(くさび)が打ち込まれ、アメリカは中国を自陣営に取り込むことで、ソ連に対して主導権を握った。現在の中露関係は冷戦期に比べて、経済や軍事、技術協力の面で、より相互依存度が増している。アメリカとしては、ロシアを自陣営に取り込みたいところだが、現在のところそれは難しい。中ロ関係を崩せないとなれば、世界は大きく二つの陣営に分かれて対立する構造となるが、ここで重要なのは、「致命的な対立、戦争を起こし、核戦争までも引き起こすような対立は避ける」ということだ。そのために重要なのは、ドナルド・トランプ、習近平、ウラジーミル・プーティンの「ヤルタ2.0(Yalta 2.0)」体制だ。第二次世界大戦最終盤の1945年2月に、ソ連(当時)のクリミア半島のヤルタで、アメリカのフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領、イギリスのウィンストン・チャーチル首相、ソ連のヨシフ・スターリン書記長が集まり、戦争終結と戦後の体制について話し合い、ヤルタ協定が結ばれた。第一次トランプ政権で、この「ヤルタ2・0」の風刺画が示しているように、米中露の関係は、致命的に悪化することはなかった。また、世界で大きな戦争は起きなかった。
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 現在、アメリカ対中露両国という対立の構図となっているが、そうした対立が続く中では、現在の世界が抱える大きな問題を解決することはできない。トランプは二期目の政権で、この「ヤルタ2.0」を復活させるだろう。現在、膠着状態になっているウクライナ戦争と、拡大の様相を見せている中東のイスラエル対ハマス・ヒズボラ(イラン)の戦争を悪化させないことが最重要である。どちらにしても早期の停戦が望まれる。トランプ、習近平、プーティンの「ヤルタ2.0」の復活が待たれるところだ。

(貼り付けはじめ)

北京・モスクワ枢軸は今回より強力になった(The Beijing-Moscow Axis Is Much Stronger This Time Around

-中露両国のパートナーシップは中ソ時代よりも緊密でありすぐに分裂する理由はない。

ジョー・インゲ・ベッケヴォルド筆

2024年10月8日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2024/10/08/russia-china-axis-alliance-xi-putin-geopolitics/?tpcc=recirc062921

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ソヴィエト連邦最高指導者ヨシフ・スターリンと中国の最高指導者である毛沢東がモスクワで会談(1949年12月)

中国とロシアの連携が強まっていること、そしてそれにどう対抗するかは、西側の戦略的思考を占める主要な問題の1つである。2022年にロシアの侵攻によるウクライナ戦争が始まって以来、北京とモスクワが緊密化していることは一般的に認められている。ロシアの戦争遂行にとって中国の経済的、技術的支援は極めて重要だ。

しかし、中露関係が実際にどれほど強固なものなのか、何がその原動力となっているのかについては、いまだに多くの議論がある。中露両国の困難な歴史に基づく相互不信(mutual distrust)はいまだに根深く、モスクワが中国への依存を強めていることにどれだけ納得しているかは不透明だ。一方、北京はロシアの戦争によって、最大の貿易相手国の1つであるヨーロッパ連合(EU)に対して厄介な立場に追い込まれている。西側の戦略家たちの中には、中露の不和が1960年代から1970年代初頭にかけての有名な中ソ分裂(Sino-Soviet fracture)を彷彿とさせる分裂につながることを期待している人たちもいるようだ。

したがって、冷戦時代の中ソ同盟と比較することで、現在の北京とモスクワの枢軸の強さを評価することは有益な訓練となる。10月2日は、ソ連が建国されたばかりの中華人民共和国を最初に承認し、中国の新体制国家と外交関係を樹立して75年にあたる。1949年12月、中国の最高指導者である毛沢東は、初の海外公式訪問のためモスクワを訪れた。毛沢東はこの2ヵ月間の訪問で、ソ連のヨシフ・スターリンと30年間の友好条約を結んだ。しかし、この準同盟関係は10年ほどしか続かなかった。1961年、北京当局はソ連の共産主義を「裏切り者」の所業(the work of “traitors“)と非難し、1969年には正式な宣戦布告がない形で中ソ国境戦争が勃発した。その後、1971年に中国はアメリカと同盟を結び、立場を変えた。

中露関係の崩壊と同盟関係の切り替えが同じように起こる可能性は、現在ではかなり低くなっているように見える。ロシアのウラジーミル・プーティン大統領が3月に、ロシアと中国の関係は「最高の状態」であると自慢したとき、彼は単なるプロパガンダを表現したのではない。実際にそうだ。実際、地政学、経済、イデオロギー、指導力、制度という5つの重要な要素に沿って、現在の中ロ関係を過去の中ソ関係と比較すれば、あらゆる面で現在の北京・モスクワ軸がより強固であることは明らかだ。

何よりもまず、北京とモスクワの枢軸は現在、より強固な地政学的基盤(more solid geopolitical foundation)の上に成り立っている。冷戦初期と同様、アメリカとの敵対関係(adversarial relationship with the United States)が両国を結びつけている。しかし今日、両国が互いに恐れるものは冷戦時代よりも少なくなっている。ソ連の軍事力の強さと世界的な広がりは、冷戦の期間中、北京にとって潜在的な安全保障上のリスクとなっていた。今日、中国はより強力なパートナーだが、その地理的範囲は限られているため、ロシアにとっての脅威は少ない。中国はロシアを包囲する立場にない。加えて、モスクワは、中国が当分の間、アメリカとの海軍関係におけるライヴァル関係で頭がいっぱいであることを分かっている。

第二に、中ソ友好段階ではソ連の経済・技術援助が支配的であったのに対し、北京とモスクワは過去10年間で、両国の経済の相互補完的な性質(complementary nature of their economies)を基礎とする経済関係を形成してきた。ロシアは現在、中国にとって最大の原油供給源であり、天然ガスの供給源としてはオーストラリアに次いで第2位となっている。北京とモスクワは、衛星航法、宇宙、原子力エネルギーなどの分野での協力強化にも合意している。西側諸国の対ロ制裁が両国の貿易関係の障害になっていることは否定できないが、中国とロシアは貿易を促進するために物々交換の取引システム(a system of barter transactions to facilitate trade)に切り替えることで、金融部門の制裁を回避しようとしていると伝えられている。

第三に、冷戦時代にはイデオロギーが重要だった。共産主義に対する共通の信念が中ソ同盟を支えていた。その後、イデオロギーの相違が中ソの分裂を後押しし、毛沢東はソ連の指導者ニキータ・フルシチョフのスターリン死去後の改革を強く批判した。今日、世界政治においてイデオロギーはそれほど強烈な要素ではない。イデオロギーは今でも中国とロシアを結びつけるのに役立っており、両国の権威主義的な体制(authoritarian regimes)は、西側の思想が自国の政治的安定を損なうことを懸念している。しかし、イデオロギーの相違が今日の中ロ関係の崩壊につながるとは考えにくい。

第四に、外交政策において指導力は重要であり、北京とモスクワのトップ指導部間の対話は、冷戦時代よりも今日の方がはるかに強固である。毛沢東とソ連のスターリンやフルシチョフとの間には、決して大きな信頼関係はなかった。例えば、毛沢東は友好条約交渉の際にスターリンの要求に激怒し、1958年のソ連指導者の訪中時にはフルシチョフにわざと恥をかかせた。プーティンが中国の友好勲章を初めて受章した2018年には、今日とのコントラストが際立った。プーティンと中国の習近平国家主席が互いを親しい友人と呼び続けることに、あまり価値を置くべきではないだろう。より重要なのは、習近平が中国共産党総書記に就任した2012年以降、両者は40回以上会談していることだ。

第五に、中国とロシアの制度的なつながりは、冷戦時代よりも広く深くなっている。中国とソ連が1950年に友好条約を締結したとき、それぞれの共産党は1920年代初頭までさかのぼる密接な関係にあった。しかし、その関係は摩擦がなかったことはなく、それ以上に協力の範囲は、1950年代に中国の工業化を支援するためのソ連の専門家たちの派遣に限られていた。対照的に、現在の中ロ関係は依然としてトップダウンが中心とはいえ、幅広い政府機関にわたって強い結びつきがある。

政治の最高レヴェルでは、中国とロシアは大統領・国家主席、両国首相の間で定期的な会合を設けている。また、ハイレヴェルでの戦略的安全保障協議を18回実施しており、最近では2023年にモスクワで開催され、その他にも多数の政府間委員会や作業部会を運営している。両国間の軍事的結びつきは現在、おそらくこれまで以上に強くなっている。中国とロシアは2003年に初めて共同軍事演習に参加して以来、陸、空、海、サイバー、民兵組織が参加する共同軍事演習を100回以上実施してきた。様々なサーヴィスにわたるこのレヴェルの共同活動は、連携の堅固化に貢献することになる。

現在の中露関係はトップダウンばかりではなく、地域の取り組み、学術協力、学生交流、観光など、人と人との関係も拡大している。これらの関係は、1991年に冷戦が終結して以来、30年以上にわたって途切れることなく発展してきた。制度的・人的なつながりは、それ自体が同盟の原動力となるわけではないが、二国間関係の安定性を左右するものである。

1970年代にアメリカがソ連に対して中国カードを切ることに成功したことを考えると、現在の中国とロシアの連携を弱める可能性を探りたくなる。しかし、前述したように、中露協力の比較的強力な基盤により、冷戦型の分裂(Cold War-type split)が起こる可能性は低くなる。

アメリカとヨーロッパが北京に圧力をかけ、ウクライナにおけるロシアの戦争支援策を縮小させることは理にかなっている。しかし、中国をより広範囲な分野でロシアから遠ざけようとする試みは、おそらく失敗するだろう。なぜなら、北京のロシア政策は、何よりもアメリカに対する超大国としてのライヴァル心(its superpower rivalry)が原動力となっているからだ。それは冷戦時代にソ連を中国から引き離そうとするようなものだ。

理論的には、くさび戦略(wedge strategy)はパートナーシップの弱い方をターゲットにした方が成功する確率が高い。冷戦時代の弱いパートナーは中国であり、現在のロシアはそれにあたる。しかし、西側の制裁にもかかわらず、ロシアは1970年代初頭の中国よりも強い立場にある。毛沢東がワシントンと手を組むことを決めたとき、中国は1960年代初頭にモスクワと分裂してから経済的に孤立しており、その当時はソ連と国境戦争を戦っていた。したがって、北京がワシントンと取引するインセンティヴは高く、ワシントンにとってのコストは低かった。

しかし今日、ロシアは中国とより緊密に連携し、その強力な支援から大きな利益を得ている。もしワシントンがモスクワを北京から引き離そうとすれば、ロシア指導部は厳しい駆け引きで高い代償を引き出すことができるだろう。しかし、ロシアを中国から引き離すには、ヨーロッパにおけるロシアの地位を高めるような甘い取引では不十分かもしれない。中国がロシアの安全保障にとって深刻な脅威であるとは認識していないのに、なぜモスクワは北京との強固な関係を放棄しなければならないのか? モスクワは、北京がワシントンのことで頭がいっぱいであることを知っている。ロシアがウクライナで完敗し、経済が崩壊する可能性があれば、ロシア指導部の計算が変わるだろうか? おそらくだが、中国はアメリカやヨーロッパよりも、ロシアの経済力と軍事力の再建を支援することに熱心になるだろう。

アメリカがソ連に対して中国カードを使うことができたのは、その10年前に中ソが分裂し、北京がモスクワを安全保障上の脅威として認識していたからである。中ソ同盟は内部から崩壊したのであり、アメリカが外圧をかけたり、抗しがたい取引を持ちかけたりしたからではない。中露関係が完全に安定することはないだろうが、中ソの断絶のようなことが両国の同盟関係を脅かすとは考えにくい。冷戦時代とは対照的に、現在の北京とモスクワの枢軸は、強固な経済関係、イデオロギー的摩擦からの解放、両国の指導者間の強固な関係、二国間および制度的なつながりの確立された網の目など、強固な地政学的基盤の上に成り立っている。

※ジョー・インゲ・ベッケヴォルド:ノルウェー国防研究所中国担当上級研究員、元ノルウェー外交官。

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(終わり)

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