古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ロバート・オブライエン

 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ前大統領が今年の大統領選挙に当選し、二期目の政権を発足させると、前政権に参加していた人物たちが政権入りすると見られている。外交・安全保障関係で言えば、下記論稿にあるように、国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン、国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ、元駐ドイツ米大使リチャード・グレネル、前政権で情報機関や国防コミュニティで複数の役職を歴任したカッシュ・パテルといった人々の名前が挙がっている。彼らはトランプに対して忠誠心を持っている人物たちだ。
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ロバート・オブイエン
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ジョン・ラトクリフ
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リチャード・グレネル
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カッシュ・パテル

 トランプ政権が発足すれば、ウクライナ戦争に関しては、少々強引にでも停戦に持っていくだろう。ロシアのウラジーミル・プーティン大統領と、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領の両方と話ができるのはトランプだけだ。ウクライナにしてみれば、自国に不利な条件での停戦を求められる可能性が高い。ゼレンスキー大統領が常々述べている、1991年の独立時点での国土の奪還はもともと無理な話だったが、それを公約にしてしまっている以上、それができずに停戦となれば、ゼレンスキーは退陣するしかない。その後にはゼレンスキーと周辺人物たちの汚職や腐敗が捜査され、逮捕拘留ということにもなるだろう。ゼレンスキーに停戦を飲ませるには、免罪を確約しておく必要もあるだろう。
 イスラエルも似たような状況である。ベンヤミン・ネタニヤフはガザ地区での攻撃を強めながら、同時にレバンンのヒズボラ、更にはイランとの全面戦争という危険な賭けをしている。ネタニヤフも戦争の状況が落ち着いて停戦となれば、自身の汚職スキャンダルのために、逮捕は免れない。ここのところはゼレンスキーと同様だ。
 このように、脛に傷を持つゼレンスキーとネタニヤフという2人の指導者がアメリカの権力の空白、現職大統領の無力化の隙を突いて、戦争の規模を拡大させようとしている。トランプが大統領になれば、この2人に対して圧力をかけつつ、落としどころを見つけるために交渉をすることになるだろう。

 アメリカが世界の警察官であることはもう無理な話になっている。単独で行動することはできない。従って、同盟諸国には過重な負担を強いてくることになる。日本も例外ではない。ここで、日本をはじめとする同盟諸国は負担と自国の国力と周辺環境が見合っているのかということを真剣に考えねばならない。これまではある意味ではアメリカにおんぶにだっこで良いとなって、真剣に考えてこなかった。だから、コスト意識も薄く、簡単に戦争だ、なんだと考えもなく言うことができた。

しかし、今の西側諸国で戦争に耐えられるだけの経済力を持っている国がどれだけあるか。防衛力強化のための増税にどれだけ耐えられるか。それならば、戦争に至らないように、周辺諸国との交渉チャンネルをキープし、対応人材を教育し、「外交(交渉)が主」という意識に変化していくことが重要だ。そのための、アメリカのトランプ政権誕生ということになれば、世界の構造も大きく変わっていく。

トランプという人は、自覚はないだろうが、アメリカ衰退に対応し、何とか幕引きをするための人物である。そして、アメリカ一極から米中二極、更には多極へと向かう中で、アメリカを世界の超大国から普通の大国にしていく過程の中で生み出された人物である。私たちにこれまでの外交の常識に疑問を持たせて、新しい形を考えるきっかけを与える人物なのである。

(貼り付けはじめ)

トランプは中国、NATO、ウクライナに対するアメリカの外交政策を再構築するために忠誠心を持つ人間たちを配置するだろう(Trump would install loyalists to reshape US foreign policy on China, NATO and Ukraine

グラム・スラッテリー、サイモン・ルイス、イドレス・アリ、フィル・スチュワート筆

2023年12月19日

ロイター通信

https://www.reuters.com/world/us/trump-install-loyalists-reshape-us-foreign-policy-diplomats-gird-doomsday-2023-12-18/#:~:text=Those%20advisers%20include%20John%20Ratcliffe,the%20intelligence%20and%20defense%20communities

12月18日、ワシントン発(ロイター通信)。ドナルド・トランプは二期目で、国防総省、国務省、CIAの要職に忠誠心を持つ人物を据える可能性が高く、彼らの主な忠誠はトランプに対してであり、一期目の大統領時代よりも、より自由にアイソレイショニスト的政策や気まぐれな政策を制定できるようになるだろう。20名近くの以前の、そして現役の側近や外交官たちに取材して明らかになった。

その結果、トランプが大統領になれば、ウクライナ戦争から対中貿易に至るまで、アメリカの姿勢を大幅に変更することが可能になり、外交政策を実施する(時には制約する)連邦機関にも変更を加えることができると側近や外交官たちは語った。

トランプは、一期目の大統領時代に、自分の計画の一部を遅らせたり、棚上げしたり、説得して止めさせたりする政府高官に対してしばしば不満を表明した。マーク・エスパー元国防長官は回想録の中で、アメリカの最大の貿易相手国であるメキシコの麻薬カルテルに対するミサイル攻撃というトランプ大統領の提案に二度異議を唱えたと述べた。トランプはこのことに関してコメントしていない。

今年の選挙戦での提案の中で、トランプはメキシコのカルテルに対してアメリカ軍特殊部隊を配備すると述べているが、これはメキシコ政府の賛同を得られそうにない。

もしトランプが再び政権に返り咲けば、トランプはヨーロッパへの国防援助を削減し、中国との経済関係をさらに縮小させるだろうと側近たちは語った。

ロバート・オブライエンは、トランプのトップ外交顧問の一人であり、トランプと定期的に話をしているが、NATO諸国が国内総生産の少なくとも2%を国防費に充てるという約束を守らなかった場合、貿易関税を課すことが、トランプの大統領2期目の任期中に検討される政策の1つになるだろうと述べた。

トランプ陣営はこの記事についてコメントを控えた。

トランプと会話した4人の関係者の話によると、2016年の大統領選に向けての準備段階とは異なり、トランプは定期的に話し合う安定した人々、外交政策の経験が豊富で個人的な信頼を寄せる人々を育ててきたという。

これらの顧問には、トランプ政権最後の国家情報長官ジョン・ラトクリフ、元駐ドイツ米大使リチャード・グレネル、元トランプ政権のスタッフで情報機関や国防コミュニティで複数の役職を歴任したカッシュ・パテルが含まれる。

これらの人々は誰もインタヴュューの依頼に応じなかった。

これらの非公式な顧問たちの具体的な政策はある程度異なるものの、大半は退任以来トランプを声高に擁護しており、アメリカがNATOとウクライナの両方を支援するために多額の費用を支払っているとして懸念を表明している。

●「終末オプション」("DOOMSDAY OPTION"

トランプは共和党大統領候補指名争いで圧倒的なリードを保っている。トランプが共和党の大統領選挙候補者となり、来年11月に民主党のジョー・バイデン大統領を破れば、国内外で権力の行使方法についてより精通した、より大胆になったトランプを世界が目にする可能性が高いと現・元側近たちは述べた。

この見通しを受けて、外国資本はトランプの2期目がどのようになるかについて情報を求めて争っている。トランプ自身は、ウクライナ戦争を24時間以内に終わらせるといった大まかな主張以外に、次回どのような外交政策を追求するかについてほとんど手がかりを提供していない。

ロイター通信がインタヴューしたヨーロッパ諸国の外交官8人は、トランプ大統領が北大西洋条約機構(NATO)同盟諸国を守るという、アメリカの公約を尊重するかどうか疑問があり、ロシアとの戦争が継続中であるが、ウクライナへの援助を打ち切るのではないかとの深刻な懸念があると述べた。

デリケートな問題のため匿名を条件に語ったワシントン駐在の北ヨーロッパの外交官の1人は、トランプ元大統領が2021年にホワイトハウスを去った後も、同僚たちとともにトランプの側近らと会話を続けていたと語った。

この外交官は次のように述べた。「そうした内輪の話の内容は、『私たちには統治する準備ができていなかった。次回は違うやり方をしなければならない』というものだった。2017年に彼らが大統領執務室に入ったとき、一体何をすればいいのか全く分かなかった。しかし、このようなことは二度と起こらないだろう」。

NATO加盟諸国であるこの外交官とワシントンのもう1人の外交官は、彼らの任務が本国の首都に宛てた外交公電で「終末オプション(doomsday option)」の可能性を概説したと述べた。

これらの外交官たちが外交公電で述べた複数の選挙後の仮説のうちの1つである、仮想シナリオでは、トランプは官僚機構の諸要素を解体し、アメリカの抑制と均衡(checks and balances)のシステムが弱体化するほどに、政敵を追及するという公約を実行している。

取材に応じた外交官は、アメリカ政治に対する外交官グループの見解について次のように述べた。「外交官として、自国の首都に説明しなければならない。『バイデンが再選されれば、アメリカは再建を続けているので、事態はむしろうまくいくかもしれない』と私たちは報告する。そして、トランプについては、穏やかなヴァージョンとなる。一期目の政権を繰り返し、攻撃的なニュアンスを加えたものだ。そして、終末の選択肢があるということを報告する」。

●グローバリズムからの撤退(RETREAT FROM GLOBALISM

トランプ政権で中東担当米国防次官補を務めたマイケル・マルロイは、トランプ前大統領はアイソレイショニストな外交政策に賛同し、トランプと対立する可能性が低い人物を任命する可能性が高いと述べた。

米大統領は、国務省、国防総省、CIAを含む連邦官僚の最上級職に政治任命者(political appointees)を指名する権限を持っている。

マルロイは、「それは主にトランプ大統領への忠誠心に基づくものになると思う。彼が信じる外交政策に対する確固たる信念、それはある種のグローバリスト政策ではなく、アメリカにもっと重点を置いている」と述べた。

トランプ大統領は、自身が支持していたトランスジェンダー軍人の入隊禁止から2018年のシリアからのアメリカ軍撤退の決定に至るまで、1期目に国防総省で任命した自らの任命者たちと多くの問題で衝突した。

トランプ政権で1人目の国防長官を務めたジム・マティスが2018年に辞任した時、元四つ星将軍はトランプとは政策的に大きな違いがあると述べた。マティスはそれらについて明確には述べなかったが、辞表の中で、ロシアのような敵に対して武器を持った距離に保ちながら、NATOや他の同盟諸国との鉄壁の絆を維持する必要性を強調した。

トランプ政権下の元駐スイス大使で、現在は選挙資金集め担当者でトランプと連絡を取り合っているエド・マクマレンは、知人のほとんどの外交官はトランプ大統領に忠実に仕えていたと強調した。

しかし、トランプは2期目の外交政策のトップポストには、不誠実、あるいは反抗的な官僚を選ぶことを避ける必要があることを認識しているとマクマレンは述べた。

マクマレンは「トランプ前大統領は、次期政権の成功には能力と忠誠心が重要であることを強く意識している」と述べた。

マクマレンはトランプ陣営の公式政策サイト「アジェンダ47」によると、トランプ大統領の最高顧問団以外では、潜在的なトランプ政権は「ならず者(rouge)」とみなされる国家安全保障コミュニティの下位レヴェルの関係者を排除する計画だという。

どの政権が誕生しても、中立の官僚組織が存在するアメリカでは、このような措置はほとんど前例がないということになる。

トランプ大統領は、1期目の最後の数カ月間に発令したが、完全に施行されることはなかったが、公務員の解雇をより容易にする大統領令を復活させる計画だと述べた。

今年初めにアジェンダ47で公開されたあまり報道されていない文書の中で、トランプは「真実と和解委員会、新しいタブを開く(Truth and Reconciliation Commission, opens new tab)」を設立し、他の機能の中でもとりわけ「ディープステート(Deep State)」の権力乱用に関連する文書を公開すると述べた。トランプはまた、情報収集をリアルタイムで監視することを目的とした別の「監査(auditing)」機関を創設する予定だ。

トランプは今年初めに新しいタブを開いて、政策ビデオの中で、「国務省、国防総省、そして国家安全保障関連政府機関は、私の政権が終わるころには、まったく違った場所になっているだろう」と述べた。

NATO撤退? 新たな貿易戦争(NATO PULLOUT? NEW TRADE WAR

トランプは大統領2期目の任期中に、中国の最も優遇された貿易立国としての地位(一般的に言えば国家間の貿易障壁を下げる立場)を終わらせ、ヨーロッパ諸国に防衛費の増加を促すと約束した。

ウクライナのロシアとの戦争において、トランプがアメリカによる重要な支援を継続するかどうかは、NATOへの継続的な関与と同様に、準備をしようとするワシントンに駐在するヨーロッパ諸国の外交官たちにとって特に重要である。

バルト諸国のある外交官は「トランプがNATOからアメリカを引き離すか、ヨーロッパから撤退したいという噂がある。もちろん心配な内容に聞こえるが、私たちはパニックには陥っていない」と語った。

NATOの将来に対する懸念にもかかわらず、この記事のためにインタヴューした複数の外交官は、トランプ大統領の1期目の圧力が確かに国防費の増加につながったと述べた。

トランプ政権下で、3人目の国家安全保障問題担当大統領補佐官で、その後トランプを声高に批判するようになったジョン・ボルトンはロイター通信に対し、トランプ大統領がNATOから離脱すると信じていると語った。

このような決定は、75年近く同盟の集団安全保障に依存してきたヨーロッパ諸国にとっては天地を揺るがすものとなるだろう。

他のトランプ政権関係者の3人(うち2人は現在もトランプ氏と連絡を取り合っている)はその可能性を否定し、そのうちの1人は国内政治的な反発に値するものではないだろうと述べた。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、このやりとりを知る関係者2人によると、少なくともワシントン駐在の外交官の1人、フィンランドのミッコ・ハウタラ大使が何度もトランプ大統領と直接会話しているということだ。

これらの議論は、フィンランドのNATO加盟プロセスに集中した。ある関係者によると、ハウタラ大使は、フィンランドが同盟に何をもたらし、フィンランドの参加がアメリカにどのような利益をもたらすかについてトランプに正確な情報を確実に伝えたかったということだ。

報道:グラム・スラッテリー、サイモン・ルイス、イドレス・アリ、フィル・スチュワート。追加報道:ジョナサン・ランディ、アーシャド・モハメド、スティーヴ・ホランド。編集:ロス・コルヴィン、ドン・ダーフィー、ダニエル・フリン。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ドナルド・トランプが2期目の政権を樹立すると、日本で言えば大臣クラスの各省の長官(Secretaries)をはじめ、各省や政府機関の高官ポストが交代になる。これを政治任用(political appointment)という。その数は4000ほどと言われている。トランプ政権では、「スケジュールF」といって、政治任用の大幅に拡大し、5万と10倍以上にするという計画がある。これは2020年の政権末期に行おうとしてできなかったことだ。

 トランプ一期目政権のマイク・ペンス前副大統領やジョン・ボルトン元国家安全保障問題担当大統領補佐官、レックス・ティラーソン元国務長官といった人々は、トランプから離れて批判派に転じている。それでも、トランプ一期目政権で政府高官を務めた人々の中で、二期目政権に入ると見られている人たちがいる。

 こうした人たちは大きく分けると2つのグループに分かれている。1つは、ワシントンにある保守派のシンクタンクであるヘリテージ財団が主導して、100以上の組織が参加した政策提言プロジェクト「プロジェクト2025(Project 2025)」に参加した人々である。この「プロジェクト2025」の政策提言「プレイブック」は、行政国家の解体を旗印にして、ディープステイトの解体を目指す内容になっているが、中絶の法制化やポルノの禁止といった保守過激派の主張が色濃く反映されている。このプロジェクトは、元人事管理局首席補佐官のポール・ダンズが主導し、ホワイトハウス国家通商会議委員長・ホワイトハウス通商製造業政策局長を務めたピーター・ナヴァロ、元住宅都市開発長官のベン・カーソン、元大統領上級顧問のスティーヴン・ミラーが参加している。
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ポール・ダンズ
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ピーター・ナヴァロ
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スティーヴン・ミラー

 この「プロジェクト2025」に対しては、トランプ前大統領は距離を置いていたが、最近になって突き放すようになっている。トランプ選対の共同本部長を務める、スージー・ワイルズとクリス・ラシビータは、「プロジェクト2025」を批判し、プロジェクトを主導したダンスは辞任した。「プロジェクト2025」に参加した人物はトランプ政権に入れないという情報もある。「プロジェクト2025」系のピーター・ナヴァロは、トランプのために、連邦下院からの証言招聘を拒否し、服役した筋金入りのトランプへの忠義派だ。ナヴァロは論功行賞でトランプ政権に入ることになるだろう。このナヴァロが強く批判しているのがもう一つのグループである「アメリカ・ファースト政策研究所(America First Policy InstituteAFPI)」である。ナヴァロはこのグループを「偽物のトランプ派、忠誠心などない」とツ激しく非難している。

 アメリカ・ファースト政策研究所は、トランプ政権終了後に創設されたシンクタンクであり、中心人物としては、元国内政策担当補佐官のブルック・ロリンズ、トランプ大統領のトップの経済担当補佐官を務めたラリー・クドロー、トランプ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官のロバート・オブライエン、トランプ政権下で米通商代表を務めたロバート・ライトハイザーが挙げられる。彼らは穏健派であり、「プロジェクト2025」グループのような過激な主張は行っていない。このグループからはトランプ政権の高官になる人たちが多数出ると予想されている。
brookerollins001
ブルック・ロリンズ
robertobrien101
ロバート・オブライエン
larrykudlow101
ラリー・クドロー
robertlighthizer101
ロバート・ライトハイザ―

 トランプ政権を支えるのが「プロジェクト2025」派と「アメリカ・ファースト政策研究所」派ということになる。両派の間はしっくりいっていないようである。トランプ政権が発足する場合、政権を円滑に進めるためにも両派の間をうまくマネイジメントできる人物を首席補佐官に据える必要があるだろうと考える。

(貼り付けはじめ)

●「「プロジェクト2025」責任者辞任 トランプ陣営が批判」

By Alex Rogers NIKKEI FT the World 2024年81

https://www.nikkei.com/prime/ft/article/DGXZQOCB311QZ0R30C24A7000000

トランプ前米大統領の率いる共和党が政権を奪還した場合を想定した政策集をまとめている「プロジェクト2025」の責任者を務めていたポール・ダンズ氏が30日、辞任した。約900ページに及ぶ政策集で連邦政府の再編を提言していたが、トランプ陣営は距離を置いていた。

民主党による批判の矛先に

プロジェクト2025は保守系シンクタンク、ヘリテージ財団が主導する(幅広い保守系団体などの参加する)協調的な取り組みで、共和党の大統領が政府を全面刷新するための青写真を描くことを目指している。しかし、大統領選でトランプ氏と争う見通しのハリス副大統領をはじめとする民主党陣営は、トランプ氏が「中産階級を弱らせる」過激な計略を追求していると批判する材料として、プロジェクト2025を利用してきた。

政策集では冒頭に、このマニフェスト(政権公約)に「目」を通すのは、第47代米大統領(次期大統領)だと書かれている。

ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長は、財団を去ることにしたダンズ氏の決断をたたえた。30日の声明で、ダンズ氏について「保守派の統一ビジョンを築く」ために数十もの組織のアイデアをまとめ上げる能力を持っており、今後「まだ戦いの続く前線へ移っていくだろう」と述べた。

プロジェクト2025にはトランプ氏に再び仕えることを望む何人もの前政権高官が参加しているにもかかわらず、トランプ陣営は繰り返しこの計画を批判してきた。同氏は7月下旬にも、計画と自身を関連付けるのは「極左の民主党のやつらが流した単なる偽情報だ」と主張した。

政策集には、ポルノ禁止や避妊薬などの使用制限、人工妊娠中絶に関する政府の情報収集強化など社会問題に対して保守的な提案が盛り込まれており、前大統領やその顧問らをいら立たせていた。

トランプ氏の任命によって保守派判事の割合が増えた連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆した後、同氏は全米での中絶禁止という右派の目標とは距離を置こうとしてきた。ロバーツ氏はプロジェクト2025の政策集の序文で「次の保守派の大統領は、罪なき生命を守るために既存の連邦政府の権限を行使しながら、議会も支持するであろう最も強力に胎児を保護する措置の立法化に向けて議会と協力していくべきだ」と書いた。

トランプ陣営、辞任を歓迎

トランプ陣営の上級顧問を務めるスージー・ワイルズ氏とクリス・ラシビータ氏はダンズ氏の辞任を歓迎し、トランプ氏を代弁していると主張する他の団体に警告を発した。

両氏は共同声明で「プロジェクト2025は(トランプ)陣営と全く関係がなく、陣営を代弁しておらず、いかなる形でも陣営や大統領と結びつけるべきではない」と表明した上でこう強調した。「プロジェクト2025が終了するという知らせは大いに歓迎されることであり、トランプ氏や陣営に影響力を持つかのように見せかける人や団体への警告となるはずだ。あなたにとって、それは良い終わりを迎えない」

プロジェクト2025のある顧問は、政策の青写真を描く活動は終わったかもしれないが、ホワイトハウスに政治任用される高官候補のデータベースを構築する作業は続くと語った。

ハリス氏の陣営を率いるジュリー・チャベス・ロドリゲス選挙対策委員長は、プロジェクト2025を「隠した」ところで消えはしないと述べた。

同氏は声明で「今もはっきりしているのは、トランプ氏や(副大統領候補のJD・)バンス氏、プロジェクト2025の計画は米国を後退させるということだ。中絶の禁止が広がり、苦しみが増し、中産階級のコストが上昇し、社会保障とメディケア(高齢者向け公的医療保険)が削減され、医療保険制度改革法(オバマケア)が廃止され、空気と水が汚くなり、トランプ氏に米国の民主主義を破壊する力を与える」と記した。

ダンズ氏のヘリテージ財団退職は、ニュースサイト「デイリー・ビースト」が最初に報じた。

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●「【2024米大統領選】保守派が掲げる「プロジェクト2025」とは何か?(海外)」

7/31() 11:10配信 BUSINESS INSIDER JAPAN

https://news.yahoo.co.jp/articles/0911c2f9dbd8e5106c073bf65391de35debd8063

『プロジェクト2025』は次の共和党の大統領のためのロードマップだ。保守系シンクタンクのヘリテージ財団がまとめた。

教育省の廃止など、その内容は驚くものとなっている。

トランプ前大統領は「プロジェクト2025については何も知らない」としているが、前大統領とプロジェクト2025とのつながりは、本人が認めている以上に深そうだ。

バイデン大統領が討論会で悲惨なパフォーマンスを見せるずっと前から、アメリカでは保守派がゲームプランを組み立てていた。

20231月、ヘリテージ財団は『プロジェクト2025』を打ち出し始めた。共和党の次期政権を導くために、数多くの保守系団体の意見を取り入れて作成された922ページに及ぶ「プレイブック」だ。

「時は短く、保守派には計画が必要だ」とプロジェクト2025のウェブサイトにはある。

「このプロジェクトは左派の壊滅的な政策に苦しむアメリカ人を迅速に救済するため、新政権発足から180日間で取るべき行動のプレイブックを作成する」

プロジェクト2025の優先事項としては次のようなものがある:

連邦政府の雇用を削減し、「政府の各レベルにおけるWokeプロパガンダ」を黙らせる

教育省とその「Wokeが支配する公立学校の制度」を廃止する

連邦捜査局(FBI)が誤情報や偽情報と戦うことを禁じる

「化石燃料との戦い」を終わらせ、アメリカ先住民の土地でのさらなる開発を許可する

「国益に反する」FBIによる積極的な捜査を終わらせる

※なお、「Woke(ウォーク)」とは「目覚める」という言葉をベースにしたスラングで、差別問題をはじめ、社会に存在する不正義や不平等に対して敏感であること。「意識高い系」とも。リベラルに対する揶揄によく使われる。

プロジェクト2025の内容はあまりに極端なため、トランプ前大統領でさえ距離を置こうとしている。75日には「プロジェクト2025については何も知らない」と、自身が立ち上げたソーシャルメディア「Truth Social」に投稿した。

その上で「誰が裏にいるのか、わたしは知らない。彼らが言っていることの中には同意できないものもあるし、まったくもってバカげたひどいものもある。彼らが何をしようとわたしは彼らの幸運を祈るが、わたしは彼らとは何の関係もない」と続けた。

プロジェクト2025の広報担当者は、このプレイブックは「いかなる候補者や選挙運動を代弁するものではない」とBusiness Insiderに語った。

その上で「わたしたちは110を超える保守系団体の連合体で、次の保守系大統領に向けた政策や人事に関する提言を行っている。ただ、どの提言を実行するかは、最終的には次期大統領次第で、わたしたちはそれがトランプ大統領になると信じている」と話した。

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トランプが「プロジェクト2025」について知っているということを人々に知られたくない理由(Why Trump doesn’t want you to know he knows about Project 2025

-反省することなく簡単に嘘をつくトランプにとってさえ、「プロジェクト2025」の背後に誰がいるのか、「分からない」という指摘は、笑ってしまうほどの嘘だ。

ブライアン・タイラー・コーエン筆

2024年7月9日

MSNBC

https://www.msnbc.com/opinion/msnbc-opinion/trump-project-2025-truth-social-rcna160774

美しい言葉で包んで本当のことを隠すことはできない。ここ数週間、民主党にとって悪い時期だった。それでも、ドナルド・トランプ前大統領と共和党は依然としてパニックに陥っているようだ。問題は、辞任を求める内部圧力と戦い続けているジョー・バイデン大統領ではない。むしろ、共和党は、どうやらトランプ自身も含め、ヘリテージ財団とトランプ支持の思想家や団体が開発した極右政策イニシアチヴ(far-right policy initiatives)である「プロジェクト2025」に対する主流派の懸念が高まっていることを、急に心配するようになっているようだ。

先週、トランプ前大統領はトゥルース・ソーシャルで、このプロジェクトについて何も知らないと否定した。「“プロジェクト2025”について何も知らない(I know nothing about Project 2025)」「誰が背後にいるのか全く分からない。彼らの言っていることには同意できないし、彼らの言っていることの中には全く馬鹿げていて最低なものがある。彼らが何をしても幸運を祈るが、彼らとは何の関係もない(I have no idea who is behind it. I disagree with some of the things they’re saying and some of the things they’re saying are absolutely ridiculous and abysmal. Anything they do, I wish them luck, but I have nothing to do with them.)」と書いている。

「罪がある人は自らその罪に気づいて自分で勝手に騒ぐ(A hit dog will holler)」という表現を聞いたことがあるだろうか?

簡単に嘘をつき、後悔もしないトランプでさえ、「プロジェクト2025」の背後に「誰がいるのか全く知らない」という主張は全くもって笑止千万だ。

真実は、「プロジェクト2025」は、元人事管理局首席補佐官のポール・ダンズ、元ホワイトハウス大統領人事局長のジョン・マッケンティー、元ホワイトハウス立法・政府間関係・実施担当次席補佐官のリック・ディアボーン、元住宅都市開発長官のベン・カーソン、元国土安全保障副長官のケン・クチネリ、ホワイトハウス国家通商会議委員長でホワイトハウス通商製造業政策局長のピーター・ナヴァロ、元国防長官代行のクリストファー・ミラー、トランプの2016年選挙キャンペーン顧問のスティーヴィン・ムーア、元行政管理予算局長のラッセル・ヴォート、ウィリアム・ペンドリー元土地管理局局長代理、ポール・ウィンフリー元予算政策局長、ブルックス・タッカー元退役軍人省首席補佐官、ロジャー・セヴェリーノ元保健福祉省公民権局局長、キロン・スキナー元国務省政策企画局長、バーナード・マクナミー元連邦エネルギー規制委員会委員など、トランプ政権の元高官らによって実現されたということだ。

実際、「プロジェクト2025」にはトランプ政権の元職員200人以上が参加している。トランプが、自身の元職員数百人が取り組んでいる大規模な保守プロジェクトを知らないということは本当にあり得るのだろうか? それとも、このアジェンダの有害性はそれほど明白なのだろうか?

常識(common sense)とオッカムの剃刀(Occam’s razor)が示しているのは、後者であると思われる。そして、このプロジェクトは正真正銘極端であるため、トランプがこのプロジェクトから距離を置こうとするのは当然である。

このプロジェクトのメインとなる「プレイブック」は、『リーダーシップのための命令書:保守の約束(Mandate for Leadership: The Conservative Promise)』であり、それだけで900ページを超える。一言で言えば、このプレイブックは、気候変動に対する取り組みを無効化する一方で、その致命的な影響を増大させること、教育省を廃止し、学校給食の無料化やヘッドスタート(幼児教育支援相談)プログラムを大幅に削減すること、メディケイドのような給付金を削減すること、移民税関捜査局(Immigration and Customs Enforcement)の強制送還権限を拡大すること、ポルノを禁止し、それを制作した者に刑事罰を課すこと、人工妊娠中絶を厳しく制限し、中絶政策を後退させること、連邦医療提供者がトランスジェンダーの人々にジェンダーを肯定するケアを提供することを阻止すること、そして大統領の権力を大幅に強化することを求めている。

トランプがこの政策から距離を置こうとしているという事実は、それが、明らかにアメリカの主流から外れているかということを示す証拠だ。トランプがこれに同意していない訳ではない。ただ、有権者の大多数が同意していないことを正しく認識しているだけだ。

ここでの重要な点は、トランプが「プロジェクト2025」の今後について言うことは何一つ信用できないということだ。そして、これはトランプが必然的に「プロジェクト2025」のいかなる部分も実行しようとしないと主張する際の重要な背景だ。私は、トランプが、ベン・カーソンが誰だったのか覚えていないと信じる可能性の方が少し高いだろう。

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トランプ氏は今週ワシントンに戻る。元顧問らは復帰を画策している(Trump returns to D.C. this week. These former advisers are plotting the comeback.

-トランプ前大統領は、彼を支持するシンクタンクのイヴェントに出席する予定で、計画通りに進めば将来の政権の基盤となるヴィジョンを概説している。

メレデス・マグロウ筆

2022年7月25日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2022/07/25/trump-america-first-policy-institute-think-tank-00047634

2020年の初め、ドナルド・トランプ大統領の側近の補佐官たち(top advisors)たちの小グループがホワイトハウスに集まり、次期政権のために、2期目の政策アジェンダを策定した。

国内政策担当補佐官のブルック・ロリンズ、トランプ大統領のトップの経済担当補佐官のラリー・クドロー、トランプ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官のロバート・オブライエンが当初ティームを組み、ホワイトボードで作業することもあった。時には、イヴァンカ・トランプ、ケリーアン・コンウェイ、トランプ大統領の行政管理予算局長ラス・ヴォート、そして様々な政策担当の補佐官たちが加わった。

2020年夏までに、このグループは「ヴィジョン2025(Vision 2025)」と呼ばれる2ページの文書を作成し、本誌がレヴューした10の優先事項を概説した。ロリンズによると、選挙後の1週間、計画を練るためにキャンプ・デイヴィッドの使用が予約されていた。

しかし、計画は無駄になった。トランプは選挙に負けた。ヴィジョン2025は発表されず、キャンプ・デイヴィッドの使用はキャンセルされた。

しかし、ロリンズ、クドロー、その他のメンバーは、自分たちのプロジェクトを放棄したのではなかった。彼らはそれを、しばしば「ホワイトハウス待機中(White House in waiting)」と評される、新しい非営利団体「アメリカ・ファースト政策研究所(America First Policy InstituteAFPI)」の青写真に変えた。

そして今、彼らは別の課題に取り組んでいる。それは、ホワイトハウス待機中を、過去から逃れられないことで有名なトランプが率いる運動のための、実際に前向きなプラットフォームに変えることだ。

トランプ前大統領は、火曜日にワシントンDCに戻る。2020年1月6日の失態で去って以来、初めてのワシントン訪問で、AFPIのアメリカ・ファースト・アジェンダサミットで基調演説を行う。2024年の大統領選への出馬を発表する準備が整ったトランプ大統領の側近たちは、この機会を利用して、2020年に対する不満を一旦止め、2024年に向けた作戦計画を練り始めることを切望している。

トランプ前大統領と親しく、サミットで演説する予定の元連邦下院議長ニュート・ギングリッチ(共和党)は「これは、トランプ大統領がワシントンに来て、彼のリーダーシップで未来がより良くなる理由について先見性のある演説をする機会だ。そして、彼がそのことに焦点を当てる度合いによって、非常に重要な演説になる可能性がある」と述べた。

トランプ前大統領が過去を過去として忘れる能力が限定的であるのは有名だ。しかし、支援者たちは、連邦議事堂での暴動前と暴動中のトランプの行動を調査し、暴露した2021年1月6日の事件調査委員会の公聴会でトランプが受けたダメージを受けて、この件はより重要になっていると述べている。

火曜日の演説は、トランプにとって、決着をつけることよりも政策に重点を置くことを示すチャンスとなる。これは、トランプに前進して欲しいと望む、トランプの周囲にいる人々と、そうすることを妨げているトランプ自身の本能とアイデンティティとの間の絶え間ない戦いの最新のものとなるだろう。

トランプの火曜日の演説に詳しい人物によると、包括的な政策演説ではなく、アメリカ・ファーストの特定の柱に焦点を当てる予定だという。インタヴューで、ロリンズは、今度のサミットでのトランプの演説を「一般教書演説5.0(State of the Union 5.0)」と称した。トランプの支持者の中には、この演説を、前大統領から前向きな発言を聞くための歓迎すべき招待と見ている者もいる。

ギングリッチは、トランプが2020年の再審理に注力していることについて次のように語った。「それは間違いだと思う。直接言うのは構わない。トランプは5分を過去に費やすべきだ。賛成か反対かは誰もが理解している。誰もが理解している。そして残りの時間全てを未来に費やすべきだ」。

掲載後に送られた声明で、トランプの広報担当者は、増加する犯罪と公共の安全に重点を置くと述べた。

トランプの広報担当者テイラー・バドウィッチは、「トランプ大統領は、犯罪の増加と民主党の政策によるコミュニティの安全性の低下が一因となって、国家が衰退していると考えている。彼の発言は、民主党の政策の失敗を浮き彫りにすると同時に、中間選挙以降に決定的な問題となるであろうアメリカ・ファーストの公共の安全に対するヴィジョンを示すだろう」と述べた。

AFPIの創設は、政策は実際にはトランプのブランドの一部であり、MAGA主義(MAGA-ism)の要素は、トランプ自身を超えた何かに基づいているという考えに基づいていた。

ロリンズは、ワシントンで2日間行われるサミットについて次のように語った。「これは運動を団結させるチャンスだ。ホワイトハウスで3年近くトランプの隣で働いてきたが、多くの人がトランプの政策ヴィジョンをあまり評価していなかった」。

ポリティコがレヴューした「ヴィジョン2025」の草案では、副題「刷新、修復、再構築(renewed, restored, rebuilt)」のもと、トランプの補佐官たちが2024年末までに達成できると信じていたことが概説されていた。

こうした目標には、雇用創出と低失業率(job creation and low unemployment)、手頃な価格の住宅の拡大(expansion of affordable housing)、新型コロナウイルスの根絶(eradicating Covid-19)、連邦政府の官僚機構の縮小(reducing federal bureaucracy)、犯罪と不法移民の取り締まり(cracking down on crime and illegal immigration)、連邦議会の任期制限の可決(passing congressional term limits)、対外戦争と中国への依存の終結(ending foreign war and reliance on China)などがある。社会問題や文化問題もある。しかし、少なくともトランプが退任して以来右派を活気づけているほど、中心的な焦点にはなっていない。例えばロリンズは、ロウ判決の無効化を受けて全国的な中絶禁止を支持するかどうか尋ねられたとき、AFPIに先んじることはしたくなかったが、州に判決を下した最高裁を称賛した。

「州に焦点を当てた政策担当者として、最高裁がそれをアメリカ国民に最も近いところに戻すのは100%正しいと思う」とロリンズは述べた。

ヴィジョン2025の枠組みの下、ロリンズと彼女のティームはAFPIを150人以上が働くシンクタンクに成長させた。幹部クラスには、中小企業庁長官のリンダ・マクマホンや国土安全保障長官代行のチャド・ウルフ、内務長官のデイビッド・バーンハート、エネルギー長官のリック・ペリーなど元閣僚を含む17人の元ホワイトハウス上級スタッフが含まれる。また、クドローや、フットボールコーチからトランプの盟友となったルー・ホルツなど、元政権高官も含まれる。AFPIには合計22の政策センターがあり、「選挙の公正センター」や「メディアの説明責任センター」などの問題に焦点を当てている。

AFPIは、「ビッグテック」やワクチン接種義務化に対して訴訟を起こしている。また、その資金調達力の証として、運営予算は、2500万ドルだが、非営利組織の資金源は公開されていないため公表されていない。

AFPIが、本誌に事前に提供した、新たに公開された組織のアジェンダには、この非営利団体の重点分野が10分野にまとめられており、その中には「世界最高の経済を全てのアメリカ人のために機能させる」「親が子供の教育をもっとコントロールできるようにする」「壁を完成し、人身売買を終わらせ、麻薬カルテルを打倒する」「投票しやすく、不正行為を難しくする」「全てのアメリカ人が平和に暮らせるよう、安全で安心なコミュニティを提供する」「沼地を排水して政府の腐敗と闘う(Fight Government Corruption by Draining the Swamp)」などがある。

トランプはこの組織を支持してきた。昨年11月、彼はマール・ア・ラゴでAFPIのブラックタイ・ガラ募金活動を主催し、彼のPAC「セーヴ・アメリカ」は100万ドルを寄付した。この組織のメンバーの中には、コンウェイ、フロリダ州元司法長官のパム・ボンディ、牧師のポーラ・ケイン・ホワイトなど、今もトランプ氏の周囲にいる人物が含まれている。

しかし、元大統領と同盟を組んでいる人全員がこの組織のファンという訳ではない。金曜日、スティーヴ・バノンのウォー・ルーム・ポッドキャストに出演したトランプの貿易担当補佐官を務めたピーター・ナヴァロは、この組織を「第1政権の失敗者(failed people)、RINORepublicans in name only、名ばかりの共和党員)、そしてトランプを失望させた不忠者たち(disloyalists who let Trump down)のゴミ捨て場や避難所(dumping ground and haven)」と呼んだ。

意見の相違が生じる可能性があるのは、AFPIが2024年にトランプ、あるいは他の保守派が勝利した場合の人員増強に重点を置いている点だ。保守政策研究所(Conservative Policy Institute)やヘリテージ財団など、トランプと同盟関係にある他のシンクタンクも最近、2025年大統領移行プロジェクトで、次期保守派主導政権に向けた独自の計画を強化した。

しかし、アクシオス誌が報じたように、トランプの著名な顧問団も、不忠義を装って政府の大部分を事実上一掃し、トランプとトランプ主義に忠実な人たちで完全に置き換える独自の人事案に取り組んでいる。

今年の夏、AFPI は、元連邦人事担当トップのマイケル・リガスが率いる「アメリカン・リーダーシップ・イニシアチヴ(American Leadership Initiative)」を創設し、右派政権が誕生する前に削減または補充すべきポストを特定することを目指した。

ロリンズは次のように述べている。「私たちの側は、人事やプロセスの準備が得意ではなく、長い間その点で劣勢に立たされてきた。そして、この取り組み、私たちのリーダーシップ・イニシアチブ、CPIの取り組み、ヘリテージ財団の取り組みによって、私たちは新たなリーダーシップの時代に向けて準備が整うと思う」。

ロリンズたちが連邦官僚機構の未来を想像するなか、トランプが再選を断念する、あるいは再選を希望しても予備選挙で勝てないという可能性もある。それはありそうにないことのように思われる。トランプ前大統領の元副報道官でAFPIの選挙公正センター所長のホーガン・ギドリーは、トランプ前大統領がどんな決断を下すにせよ、同グループは次期「アメリカ・ファースト」政権に奉仕する独自の資格を備えていると述べている。その政権がトランプ大統領主導かどうかは関係ないということだ。

ギドリーは「私たちが擁しているのは、トランプ前大統領が決断を下した時にその場にいた人々だ。他には誰もそんな人はいない」と語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 リチャード・ニクソン大統領とヘンリー・キッシンジャーが米中国交正常化を成功させたのは1972年のことだった。ニクソンは北京を訪問し、毛沢東と会談した。米中国交正常化の根回しを行ったのが国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたキッシンジャーだった。ニクソンとキッシンジャーは中ソの離間に成功し、それが冷戦の終結につながることになった。
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 1970年代から80年代、アメリカの敵は「日本」となった。日本の経済力が高まり、「ソ連と戦っていたら日本という敵が出てきた」ということになった。アメリカは「反共の防波堤(bulwark against Communism)」として日本を復興させたが、それが行きすぎだったということになる。属国である日本を抑え込むのは簡単なことだった。日本は今や衰退国家となりつつある。

 アメリカは「中国に資本主義の素晴らしさを教え、貿易で中国の製品を買ってやることで製造業を育てて国民全体が豊かになれば、アメリカのようになってくれるだろう」ということで、中国を育てた。結果は、アメリカを凌駕するほどの成長を遂げた。

 このことについて、「キッシンジャーが中国という妖怪を生み出した」という批判がなされている。「こんなに難敵になるのならば育てるようなことをしなければよかった」ということになる。キッシンジャーに対するこうした批判はここ10年ばかりずっと続いている。しかし、それは何とも悲しい話である。「引かれ者の小唄」という言葉がある。この言葉は江戸時代に死罪を申し渡された罪人が刑場まで引き立てられていく間、強がって小唄を唄っていたというところから、「負け惜しみを言う」という意味になる。キッシンジャーに対する批判は「引かれ者の小唄」である。

 アメリカの馬鹿げた理想主義(民主政治体制、資本主義、法の支配、人権思想などを世界に拡大する)は時に思わない結果を生み出す。「アメリカみたいな国になってくれる」という馬鹿げた考えに中国が付き合う必要はない。人間関係でも同じだが、「こうして欲しい、こうなって欲しいと思っていたのに」ということは親子であってもなかなか通じない。中国が豊かになればアメリカのようになる、という傲慢な考えがアメリカ自信を苦しめている。そして、米中国交正常化を成功させたキッシンジャーに対する批判となっている。

 世界覇権は交代している。アメリカがそういうことを言うならば、イギリスにしてもフランスにしても同じようなことを言いたくなるはずだ。アメリカから聞こえてくる引かれ者の小唄は世界覇権交代の軋みの音なのかもしれない。
(貼り付けはじめ)
ニクソン財団、ヘンリー・キッシンジャーと中国:「大戦略の断絶」(The Nixon Foundation, Henry Kissinger and China: The ‘Grand Strategy disconnect’

ジョセフ・ボスコ筆

2022年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/international/3744873-the-nixon-foundation-henry-kissinger-and-china-the-grand-strategy-disconnect/

第37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンの業績を記念するために創設されたリチャード・ニクソン財団は最近、中国の歴史的なアメリカとの国交正常化50周年を祝った。

このプログラムは、「アメリカの地政学的課題に専心するための大戦略サミット」と題され、ニクソンの初代の国家安全保障問題担当大統領補佐官で2代目の国務長官ヘンリー・キッシンジャーの基調講演から始まった。司会は、キッシンジャーの後任として国家安全保障会議を主宰したロバート・オブライエンが務めた。

キッシンジャーは、ニクソンが大統領に就任したのは、ヴェトナム、中東、ソ連の問題に直面し、中国がアメリカとの関係から外れていた、アメリカの外交政策にとって慌ただしい時期であったと指摘した。

キッシンジャーは、ニクソンの戦略的ヴィジョンと戦術的柔軟性の組み合わせを大いに賞賛した。アメリカの外交政策に戦略的思考を導入することで、ニクソンはこれら全ての重要な問題を同時に進展させることができたのだ、とキッシンジャーは発言した。

キッシンジャーは、ニクソンが外交チームの主要メンバーに送ったメモを紹介した。メモには「それぞれの問題について、いわゆる利益だけを考えて処理するようなやり方は避けるように」と指示されていた。そうでなければ、「侵略者たち(aggressors)」は、アメリカの主要な関心事に集中するのを避けるために、政策担当者たちの気を散らすことを利用し、自分たちの目的に合うように平和的な話し合いから定期的な対決へと移行してしまうからだ。これは簡単な選択であるがよくないことだ。ニクソンは6年半の在任期間中、そのようなアプローチを採用していたとキッシンジャーは述べている。 アメリカの敵は、今日、この戦略を実践している。

キッシンジャーはニクソンの国家安全保障分野の最高責任者であった。従って、ニクソン大統領のアプローチの形成に重要な役割を果たしたのは明白だ。キッシンジャーは著書『中国について』の中で、この新しいアプローチについて「アメリカがリアリズムを発見した」と書いている。これはニクソンが国際関係におけるモラリスト(訳者註:道徳重視)として知られていた訳ではないが、リアリズムこそがアメリカ外交政策への貢献としては彼のトレードマークといえるものとなった。

しかしながら、キッシンジャーがニクソンの「顕著な業績(signal achievement)」と呼んだ対中国交回復については、少なくともキッシンジャーとの中国での共同作業以前は、ニクソン的対応そのものであった。共産中国(Communist China)に対してタカ派であったニクソンは、1967年の『フォーリン・アフェアーズ』誌に掲載した記事「ヴェトナム後のアジア(Asia After Viet Nam)」で新しい考えを示した。ニクソンは「中国は世界の問題であり、責任ある態度で対処しなければならない」と述べた。当時の言葉を借りれば、「赤い中国(Red China)がアジアにとっての急迫した脅威なった」ということになる。ニクソンは次のように書いている。「赤い中国は、アジアにとって最も差し迫った脅威となった。長い目で見れば、中国を永遠に国際社会の外に置き去りにして、そこで幻想を膨らませ、憎しみを抱き、近隣諸国を脅かしている余裕はない」。

キッシンジャーは、自身の著書やハーヴァード大学での講義は、ソ連と核兵器に焦点を当てたものばかりで、中国やアジア一般には全く関心を示していなかった。ボストン周辺の大学の教授や学生たちがヴェトナム戦争について議論していた時も、「自分の意見は表明しないことを望む」と述べていた。

キッシンジャーの側近として中国プロジェクトに参加したウィンストン・ロードは、祝賀のシンポジウムに出席したウィルソン・センターの聴衆たちに、ニクソンの目的の歴史的な偉大さを見た時に、その一員になる機会に無条件で飛びついたと語っている。ニクソンは、中国との予備交渉の主役をキッシンジャーに命じると、その進め方について指導を行った。その内容は「アメリカが何をするかという点で、あまり積極的であってはならない。私たちは台湾から手を引くことになるだろう。そして、私たちはそれを行うだろう。また、別のことをやるだろう」。

しかし、結局、ヘンリー・キッシンジャーとウィンストン・ロードの2人のリアリストは、ニクソンが毛沢東に会いに行く前に、米第7艦隊を台湾海峡から引き揚げ、台湾からアメリカ軍を撤退させるということをやってのけた。

キッシンジャーの講演の後、ニクソン財団の次の講演者はロバート・オブライエンだった。オブライエンはジャーナリストのヒュー・ヒューイットとのインタヴュー形式で講演を行った。オブライエンは、中国を「今、私たちが直面している国家安全保障上の最大の脅威」と呼び、中国共産党は、台湾が中国国民にとって民主政治の具体例であることから「台湾を破壊したいのだ」と述べた。

オブライエンは次のように述べた。「私たちが中国に接近するのは非常に困難なことだろう。中国の知的財産の盗難に目をつぶれば、製造業をアメリカから中国に移転させれば、彼らの人権侵害に目をつぶれば、新疆ウイグル自治区のウイグル弾圧であれチベット併合であれ香港の民主政治の消滅や台湾に対する脅迫であれ、それら全て許せば、中国は貿易を通じて私たちのお金で豊かになり、より自由でより民主的に、より私たちに近くなるという考え方が存在した。彼らはキッシンジャー博士を愛している。しかし、私たちがどうにかして中国に近づき、中国が私たちのようになるという考えは、無邪気すぎる希望(naive hope)であることが判明した。私たちは中国のために多くのことを行った。そして、それらはうまくいかなかった、そのことを私たちは認識する必要がある」。

ニクソン自身も、結局は自分の関与政策(engagement policy)の失敗を認識していた。それは、ロナルド・レーガン、ドナルド・トランプ、そして現在のジョー・バイデン以外の全ての後継者が踏襲し、育んできたものである。しかし、ニクソンが「私たちはフランケンシュタインを作ってしまったかもしれない」と悔やんだずっと後に、中国との関わりを自らの特別な任務として主張したのは、キャリアの後半に中国との関わりを持つようになったキッシンジャーであり、キッシンジャーは今日もそれを主張している。

台湾について言えば、キッシンジャーは一度も訪問したことがない。キッシンジャーは1972年、毛沢東が台湾を奪取するための攻撃を「100年」延期しても構わないと考えていることを冗談交じりに非難し、2007年には中国が「永遠に待つことはない」と台湾の人々に警告している。一方、ニクソンは台湾を何度も訪れ、1994年には台湾の目覚しい経済・政治的発展から、「中国と台湾は政治的に永久に分離される(China and Taiwan are permanently separated politically)」と書いている。

キッシンジャーは、2018年にウッドロー・ウィルソン・センター・フォー・インターナショナル・スカラーズのために、もう一つの50周年記念で「回顧展」を行ったとき、より深く考え直す機会を得たのである。

ニクソンが「赤い中国がアジアにおける最も差し迫った脅威となった」と警告してから半世紀以上経過した後、キッシンジャーは無意識のうちに、関与政策の死角を突く言葉を口にした。「世界の平和と繁栄は、中国とアメリカが協力する方法を見つけることができるかどうかにかかっている。これは現代の重要な問題である」。

しかし、キッシンジャーの発言で最も注目され、明らかになったのは、この禍根を残しかねない展開に対する彼の説明である。「私たちは、米中両国は、政策の遂行において例外的な性質を持っていると信じている。私たちは民主的立憲主義(democratic constitutionalism)の政治システムに基づいており、中国は少なくとも孔子までさかのぼる進化と何世紀にもわたる独自の実践に基づいている」。これは、キッシンジャーの著作でしばしば繰り返されるテーマである。

しかし、キッシンジャーはどっちつかず(どっちもどっち)態度によって、ニクソンが自ら作り出した真の怪物と称した中国共産党には全く触れていない。 キッシンジャーは、今日に至るまで、マルクス・レーニン主義を問題と認識しておらず、オブライエンが「大戦略の断絶(Grand Strategy disconnect)」と呼ぶに値する、洗練され博識ではあるが無邪気さを体現している。

※ジョセフ・ボスコ:2005年から2006年にかけて米国防長官付中国担当部長、2009年から2010年にかけて人道的支援・災害復旧担当アジア・太平洋地域部長を務めた。ウラジミール・プーティンがグルジアに侵攻した際には米国防総省に勤務し、アメリカの対応について米国防総省の議論に参加した。ツイッターアカウント:@BoscoJosephA.

(貼り付け終わり)
(終わり)感情に振り回されるのが人間ではあるが少し冷静になって戦争の終わり方について議論することが重要だ

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 古村治彦です。

 

 先日、ドナルド・トランプ大統領によって解任されたジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の後任にロバート・オブライエン(Robert O'Brien、1966年―)が決まった。ロバート・オブライエンは弁護士で、アメリカ政府高官として外交分野での経験も長い人物だ。また、アメリカ軍の法務関係で神奈川県の座間にある在日米陸軍司令部に勤務したこともある。民間で弁護士をしている時代も、共和党系の半官半民の組織である国際共和研究所(IRI)の代表として、2013年には中央アジアの国ジョージアの大統領選挙、2014年にはウクライナの議会選挙の監視団に参加した。

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 2005年には当時のジョージ・W・ブッシュ大統領によって、国連総会の米国代表に任命され、総会に参加した。その頃、国連大使を務めていたのは、オブライエンの前任者となるジョン・ボルトンだった。その後はブッシュ政権からオバマ政権にかけてアフガニスタンの司法制度の構築に参加した。2018年からは人質問題担当の特使を務めていた。

 下の『ワシントン・ポスト』紙の記事では、ロバート・オブライエンの古くからの友人が、彼はネオコンとは違う、古いタイプの保守派で、トランプ大統領の「アイソレーショニスト(アメリカ国内優先主義)」に沿った助言や説得をできると絶賛している。現在、アメリカ外交は、イランとの緊張の高まり、北朝鮮との交渉が先行き不透明、ヴェネズエラ問題に対する対処の失敗などの問題を抱えている。また、アメリカの力と存在感の減退によって世界各地域が不安定となっている。現在の日韓関係の悪化もその流れにある。

 ロバート・オブライエンはロナルド・レーガン元大統領の「強さを通じた平和」という考えを一貫して持っているようだ。これは軍事力増強に多額の予算を投入しつつ、軍事力の行使には消極的ということである。アメリカ軍の強大さと巨大さを誇示することで、反抗する意図を挫くということだ。これだとトランプ大統領の意向に沿う形になる。

 トランプ大統領はアメリカ海軍の増強を主張していて、オブライエンもその同調者(navalist、海軍増強主義者)だそうだ。これはアメリカの貿易ルートを守るためということもあるだろう。現在、太平洋や東シナ海、南シナ海をめぐっては米中の間で綱引きが行われている。中国は西太平洋までを実質的に自分たちのコントロールする海にしたい。アメリカ海軍はハワイまで引け、ということになる。アメリカはそうさせじとなり、日本をますます強く握りしめる。東南アジア諸国や太平洋島しょ諸国はその間をうまく立ち回ろうとしている。 

日本に近いところでは、「第一列島線(First Island Chain)」と「第二列島線(Second Island Chain)」をめぐる綱引きが起きている。この2つの線は中国封じ込めの線となっているが、中国はこの2つの線の内側を自分がコントロールする海にしたいと考え、アメリカはそれを阻止しようとしている。日本はその間で絶妙な位置にいる。

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 ロバート・オブライエンはネオコンであった前任者の失敗を繰り返すことはしないだろう。戦争に結びつくような動きはしないだろう。トランプ大統領とオブライエン新補佐官の認識は、米軍の再建が必要だということだ。これは現在の米軍は弱体化しており、世界の諸問題に対処するにあたり、米軍の弱体化はアメリカの力と存在感の減退を招いているので、まずは米軍の再建だということになる。米軍の増強には公共事業の拡大という側面もある。

 (貼り付けはじめ)

 

トランプが次の国家安全保障問題担当大統領補佐官にロバート・オブライエンを指名(Trump names Robert O'Brien as next national security adviser

 ブレット・サミュエルズ筆

2019年9月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/461910-trump-names-robert-obrien-as-next-national-security-adviser

ロサンゼルス発。トランプ大統領は水曜日、現在トランプ政権の人質問題担当特使を務めているロバート・オブライエン(Robert O'Brien)を国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命する意向だと発表した。

トランプ大統領は「私は長い間、ロバートと共に懸命に仕事をしてきた。彼は素晴らしい仕事をしてくれるだろう」とツイッター上に書き込んだ。

トランプ大統領は先週、ジョン・ボルトンを解任した。ボルトンの後任にオブライエンが就くことになった。ボルトンは北朝鮮問題とヴェネズエラ問題に対する政権の姿勢に同調することが出来なかった、とトランプ大統領は批判した。

 国家安全保障問題担当大統領補佐官に関しては連邦上院の人事承認を必要としない。

オブライエンはトランプ政権発足後の3年弱で4人目の国家安全保障問題担当大統領補佐官となる。彼の前任者たちは、マイケル・フリン、HR・マクマスター、ボルトンだ。
オブライエンはトランプ大統領が直面している様々な困難に対処するという難しい役割を担うことになった。イランと緊張関係の深刻化、北朝鮮の非核化について交渉が頓挫している状況、ヴェネズエラの状況の悪化など他の様々な国際問題に対処しなければならない。

 オブライエンは自分の考えに固執していきすぎることなく、トランプ大統領に助言を行うことが出来るに違いない。これはオブライエンよりもタカ派のボルトンには全くできなかったことだ。

 トランプ大統領は水曜日の午後にサンディエゴで開催される資金集めイヴェントに出席するために大統領専用機エアフォース・ワンに搭乗した。途中立ち寄ったロサンゼルスで、トランプ大統領はオブライエンを伴って姿を現した。その後、再びエアフォース・ワンに搭乗してサンディエゴに向かった。トランプ大統領は途中で立ち寄ったロサンゼルスで、記者団に対して、おぶらいえんを「素晴らしい人物」と称賛し、トランプ政権下で、本国に戻ることが出来たアメリカ国民の人質の記録を示し、業績を強調した。

トランプ大統領は記者団に対して次のように語った。「オブライエンとはしばらくの間一緒に働いたが、私たちは大きな成果を上げた。私たちは多くのアメリカ人を故郷に連れ帰ったが、身代金は全く支払っていない」。

オブライエンは国家安全保障問題担当大統領補佐官という新たな役割を果たすことを楽しみにしていると述べ、トランプ政権はこれまで多くの外交上の勝利を収めてきたが、これから多くの困難も待ち受けていることは認識しているとも語った。

オブライエンは次のように述べている。「トランプ大統領に仕えることは光栄なことで、強さを通じての平和が、大統領の残りの任期である1年半続くことを望む。トランプ大東慮の指導力の下、アメリカは多くの外交政策上の成功を収めてきた。私はこれがこれ化も続くことを期待している」。

オブライエンは続けて次のように語った。「私たちは多くの困難に直面してきた。しかし、ポンぺオ国務長官、エスパー国防長官、ミュニーシン財務長官といった人々が構成する素晴らしいティームで対処してきた。私はこのティームと一緒に働けることを楽しみにしている。そして、大統領と共にアメリカを安全にするために努力する。また、軍を再建し、強硬な姿勢を通じての平和を私たちに取り戻す(get us back to a peace through strength posture)」。

オブライエンは2018年に国務省の人質担当の首席交渉者となった。彼は海外で拘束されているアメリカ国民の解放のために働いた。オブライエンはラッパーのA$APロッキー がスウェーデンで拘束され、その釈放手続き期間中にスウェーデンまで赴いた。トランプ大統領はスウェーデン政府に対して暴行事件で逮捕されたA$APロッキーの解放を求めた。

オブライエンは長年にわたり外交分野で働いてきた。ジョージ・W・ブッシュ元大統領は2005年の国連総会の米国代表にオブライエンを指名した。また、ブッシュ(子)政権とオバマ政権で、アフガニスタンの司法システム構築のために、米国人の裁判官、検察官、弁護士を訓練するための国務省プロジェクトの共同委員長を務めた。

火曜日、トランプ大統領はカリフォルニア州での資金集めイヴェントへと向かう大統領専用機エアフォース・ワンの中で記者団に、国家安全保障問題担当大統領補佐官の候補者として考えている人物たちのリストを伝えた。

オブライエンの名前は、前任の国家安全保障問題担当大統領副補佐官(国家安全保障問題担当大統領補佐官はHR・マクマスター)リッキー・ワデル、エネルギー省高官リサ・ゴードン=ハガティ、元CIA分析官フレッド・フライツ、マイケル・フリン国家安全保障問題担当大統領補佐官辞任を受けて代理を務めたキース・ケロッグ陸軍中将が掲載されたリストの中に入っていた。

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トランプ大統領は、彼自身と国家が必要とする国家安全保障問題担当大統領補佐官を正確に選択した(Trump chose exactly the national security adviser he and the country need

 ヒュー・ヒューイット筆

2019年9月19日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/opinions/2019/09/19/trump-chose-exactly-national-security-adviser-he-country-need/

トランプ大統領は水曜日に新しい国家安全保障問題担当大統領補佐官について素晴らしい選択を行った。ロバート・C・オブライエンは2018年5月以来、トランプ政権の人質問題担当特使を務めてきた。彼はトランプ大統領就任以降に20名以上のアメリカ国民を祖国に連れ帰ることに貢献してきた。

オブライエンの有能さはトランプ大統領の関心と重点政策に合致してきた。しかし、それだけで彼が国家安全保障問題担当大統領補佐官に選ばれた理由ではない。マイク・ポンぺオ国務長官はオブライエンの重要な役職への昇進を支持した。国家安全保障問題分野で活躍してきたヴェテランたちは「レーガン流の強さを通しての平和」を目指す保守派(“Reagan peace through strength” conservatives)」に属してきた。このグループは、ロナルド・レーガン政権のキャスパー・W・ワインバーガー国防長官とジョージ・P・シュルツ国務長官にまで連なる。こうしたネオコンとは違う保守派は、国家安全保障問題担当大統領補佐官の仕事をよく理解している。彼らはリチャード・M・ニクソン大統領時代のヘンリー・キッシンジャーが国家安全保障問題担当大統領補佐官の仕事の内容を激変させたことを知っている。

私とオブライエンは親密な友人同士であることはここで書いておかねばならない。2つの法律事務所でパートナーを務めた仲だ。また、10年以上前から私が司会を務めるラジオ番組のゲストとして何度も来てくれた。また、私が国家安全保障分野に関するエッセイやコラムを書く際にも協力してくれた。私は昨年の夏に法律の実務から引退したが、チャップマン大学ファウラー記念法科大学院で教えることは続けている。私は2016年にオブライエンが出版した書籍『アメリカが眠っていた間に:危機に直面する世界に対してアメリカの指導力を再構築する』の推薦文を書いた。私以外にも多くの人々が今回の決定を称賛しているが、皆似たような内容の話をしている。これまでに、オブライエンは、ミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)、前ウィスコンシン州知事スコット・ウォーカー、テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)に助言をしてきた。連邦下院少数党院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)とは長年の友人であり、マッカーシー以外にもカリフォルニア政界や国家安全保障分野に多くの友人を持つ。

今回のオブライエンの抜擢という選択を行うにあたり、トランプ大統領は、オブライエンの大統領自身とポンぺオ国務長官とうまく仕事をやっていく確立された能力だけでなく、海外や国内の法廷で複雑な訴訟で様々な依頼人の代理人を務めてきた技術を注目した。トランプ大統領が選択を行うにあたり、素晴らしい能力と誠実さを持つ人物を選ぶ必要があった。様々な事実と選択肢をまとめて大統領に説明し、大統領執務室にいない同盟諸国とアメリカ政府の高官たちを代弁して大統領を説得できる人物が必要であった。その人物こそがオブライエンだ。彼は複数の法律事務所を運営した経験を持つ。大規模な法律事務所では経営陣はエゴの塊で、野心と仕事が絡み合い、競い合う場所である。

オブライエンは様々な分野の書籍を読み、ウィンストン・チャーチルを尊敬している。オブライエンは「海軍増強主義者(navalist)」として知られている。トランプ大統領が提唱する「355隻」体制の海軍の賛同者たちは、ホワイトハウス中枢ウエストウィングに新たに友人を持つことになる。オブライエンは、トランプ大統領は艦隊の拡大を志向していることを人々に思い出させることが期待されている。私はオブライエンと一緒に船舶のエンジン・ドライブの製造工場を訪問したことがあった。私はオブライエンが工業レヴェルの現実と海軍のトップの意向をよく分かっている。

オブライエンは危機の真っただ中にある国々、アフガニスタン、ウクライナ。ジョージアを選挙監視団や外交官として訪問してきた。ジョージ・W・ブッシュ政権下、国連の米国代表部でジョン・ボルトンと一緒に仕事をした経験も持つ。最近では、外国の政府や組織に誤って拘束されたアメリカ国民の解放のためにトランプ大統領の代理として世界中を飛び回った。トランプ大統領はアメリカ国民を祖国に連れ帰るということに重点を置いており、それがオブライエンの情熱の源になった。拘束されたアメリカ国民の家族は新しい国家安全保障問題担当大統領補佐官はトランプ大統領とポンぺオ国務長官の人質奪還の強力な意向を共有していることを分かっている。最近のアメリカの外交史において、人質奪還がこれほど熱心に行われたことはなかった。オブライエンはアメリカ国民を海外で拘束しても何の得もしないと示しながら人質を解放することに成功した。

トランプ大統領はアメリカ軍の再建と現場の陸軍兵、海軍兵、空軍兵、海兵隊員の装備を最高で最強の兵器にすると主張している。オブライエンがこれまでに発表した著作や記事を概観すると、彼がこれまで長い間同じことを訴えてきたことが分かる。オブライエンはロナルド・レーガン大統領の前に立った。レーガン大統領と同様、トランプ大統領は外国の揉め事にすぐに介入することはない。トランプ大統領は国家安全保障問題について「ネオコンサヴァティヴ」ではなく、古いタイプの保守だ。自分が仕える人物の意向を受けて、オブライエンは、真剣で経験豊富なこれまでの国家安全保障専門家たちのラインに連なり、古典的な補佐官となる。

オブライエンは前任者たちとは違ってこれまで有名ではなく、国家安全保障分野では若手の間では知られている。彼はこれまでの20年間、国家安全保障分野の若手たちを教えてきた。国家安全保障分野、そして軍事分野には次世代にも受け継がれる一つの伝統が存在する。

トランプ大統領は政権の政策を実行するために有能で、公正な、そして知性のある補佐官を選択した。世界各地で緊張が高まる中で、これはアメリカに対する信頼を構築する選択となる。

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決定版 属国 日本論
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