古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ワールドカップ

 古村治彦です。

 サッカーワールドカップは佳境に入ってきた。決勝トーナメントを勝ち上がるティームはどこも実力者揃いでどこが優勝してもおかしくないという状態で、サッカーファンの人たちは毎日楽しんでいると思う。ほとんど興味がない私でもダイジェストや結果を見て、驚いたり、「勝つだけのことはあるな」と納得したりという毎日である。近々、書籍を発刊する予定で、その加筆修正も行っているが。

 北中米大会ということで、開催国はカナダ、アメリカ、メキシコであったが、これらの国々の代表ティームは残念ながらすでに敗退している。アメリカはベスト8進出をかけて、ベルギーと対戦したが、その際に、前の試合でレッドカードを出されて退場処分となった選手の処遇で大きな批判を浴びることになった。この選手はベルギー戦には出場できないはずであったが、ドナルド・トランプ大統領がFIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長(トランプとは旧知の仲)に電話をかけ、処分について再考を求めた。当該選手は処分が保留となり、ベルギー戦も出場可能となり、先発出場した。これが政治介入や恣意的な処分変更ということで、多くの批判を浴びた。開催国の政治指導者が自国のティームに有利になるように働きかけた(少なくとも外形的には)ということになる。ほかの国の政治家はこのようなことをしないだろうが(独裁者などは別にして)、相手はトランプ大統領である。これくらいのことはするだろう。

 スポーツは政治の道具として使われてきた。古くは古代ローマ時代の剣闘士は庶民の不満を発散させるための格好の見世物であっただろうし、中世の騎士たちの槍試合もそのようなものだっただろう。近代ではオリンピックが始まり、スポーツのグローバル化、商業化が進み、金銭も絡むが、同時に、「国威発揚」「国同士の対決」ということに利用されてきた。冷戦下では共産主義ブロックは体制とイデオロギーの優位性をアピールするためにスポーツを利用した。アスリートたちにはドーピングまで施され、国際大会での優秀な成績獲得が求められた。

 スポーツが政治とビジネスの道具として使われるというのは避けられないことだ。私たちはそれを消費して楽しんでいる。スポーツで国際親善ができるのかと言われると、人類はそれが可能なほどに成熟しているだろうかと疑いたくなる。それでもない、スポーツ好きとしてはスポーツの可能性を信じてみたいという気もする。
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スポーツからみる東アジア史: 分断と連帯の二〇世紀
(貼り付けはじめ)

スポーツ外交は今なお可能なのか?(Is Sports Diplomacy Still Possible?

-今年のワールドカップにはハード・パワーの影響が大いに及んでいる。

J・アレックス・ターキニオ筆

2026年7月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/07/02/sports-diplomacy-politics-world-cup-sportswashing-immigration-war/

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シアトルのシアトル・スタジアムで行われた年FIFAワールドカップ2026のグループGの試合(エジプト対イラン戦)で「戦争、政治、サッカー」と書かれたTシャツを着たファン(6月26日)

今年ののどかな春の一日、国連の庭園に外交官たちが集まり、サッカーボールを蹴り合った。FIFA男子ワールドカップの開催を控え、また「国連世界サッカーデー」を記念して、彼らは非公式のサッカー大会を企画し、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカを代表するティームが対戦した。

スーツとネクタイを脱ぎ、ショートパンツとユニフォーム姿になった多くの外交官が、協力関係を促進するスポーツの可能性を称賛した。「スポーツで紛争や戦争が解決する訳ではないが、スポーツ外交は非常に重要だ」と、国連でのこの大会に合わせてビールとブラートヴルスト(ソーセージ)のパーティーを主催したドイツの国連大使リクレフ・ボイティンは語った。「スポーツは人々の心を開き、人々を団結させる」。

6月には、国連がビジネスリーダーや学者を招き、スポーツ外交に関する本格的な会議を開催した。そして今、ワールドカップが盛り上がりを見せる中、外交官たちは国連本部の代表者用ラウンジに集まり、アメリカ代表部が提供したスクリーンで試合を観戦している。

スポーツ外交(sports diplomacy)は今、大きな注目を集めている。現代の文脈では、1970年代の米中関係の緊張緩和のきっかけとなった「ピンポン外交(ping-pong diplomacy)」の後継的な動きと見なされることもあるが、その概念自体は古代オリンピックの時代にまで遡るほど古いものだ。スポーツ外交は通常、「ソフト・パワー(soft power)」の一形態と見なされている。この用語は、ジョセフ・S・ナイ・ジュニアが外交専門誌『フォーリン・ポリシー』誌で提唱したもので、説得を通じて他者に影響を与える能力を指す。

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愛知県の愛知県体育館で開催された第31回世界卓球選手権の期間中に中国選手団のバスから降りたアメリカ代表のグレン・コーワン(右)が中国の荘則棟と握手を交わした(1971年4月4日)

現代のスポーツ外交は、国連の庭園で行われる個人的な外交から、試合の合間に行われる非公開の首脳会談に至るまで多岐にわたる。その一例として、6月13日にロサンゼルスで行われたアメリカ対パラグアイのワールドカップの試合の際、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官とパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領が会談したことが挙げられる。

しかしながら、そうした注目の的となる一方で、カナダ、メキシコ、アメリカが共同開催するこの夏のワールドカップは、「ソフト・パワー」の限界を露呈させた。依然として「ハード・パワー(hard power)」が現場の状況に影響を与えている。ドナルド・トランプ政権による選手、関係者、ファンへの入国ヴィザ発給の厳格な制限であれ、あるいはサッカーの国際統括団体であるFIFA(国際サッカー連盟)による直接的なパブリック・ディプロマシー(対外広報外交、public diplomacy)の試みであれ、その構図は変わらない。

国際スポーツ界における「中立(neutrality)」という建前は、以前から崩れつつある。第二次世界大戦後最多となる武力紛争の激化を受け、表現の自由への制限、ボイコット、出場禁止措置などが場当たり的に行われるようになったためだ。軍事力や権威主義といったハード・パワーが台頭する中、スポーツ外交は行き詰まりに直面しているのではないかと問うのはもっともなことだ。

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ニューヨークの国連本部で行われた「世界サッカーデー」の記念イヴェントの一環としてミニサッカーのトーナメントに参加する国連常駐代表たち(5月19日)

各国は、ワールドカップやオリンピック、あるいは毎年恒例のユーロヴィジョン・ソング・コンテストといったイヴェントの開催に時間と資源を投じる。それは、そうしたイヴェントが自国の評価を高めると信じているからだ。それだけに、ワールドカップに対するドナルド・トランプ米大統領の、一見すると矛盾したような態度は理解しがたいものがある。トランプ大統領は7月19日にニュージャージーで行われる決勝戦でトロフィーを授与する予定だと報じられているが、これまでのところ、アメリカ代表ティームの試合には一度も姿を見せていない。

その一方で、アメリカ対パラグアイの初戦は、アメリカで放送されたサッカーの試合として史上最多の視聴者数を記録し、平均2750万人が視聴した。かつてNFLのクォーターバックであり、後に連邦下院議員も務めたジャック・ケンプは、「アメリカンフットボールは民主的資本主義だが、サッカーはヨーロッパの社会主義的なスポーツだ(football is democratic capitalism, whereas soccer is a European socialist sport)」という名言(あるいは冗談)を1980年代に残した。しかし、今日の多くのアメリカ人は、この見解には同意しないかもしれない。

一方で、2026年ワールドカップは史上最も国際色豊かな大会となる。出場国数は32から48へと拡大し、多くのティームがディアスポラの選手で構成されている。その一方で、移民に対する反発の高まり特にアメリカにおいて顕著だが、アメリカに限ったことではないにより、今大会は最も排他的な大会の1つともなっている。

皮肉なことに、1930年代の全体主義体制の方がこうした点では寛容だった。「スポーツウォッシング(sportswashing)」という言葉が生まれる何十年も前、ファシスト政権下のイタリアが1934年のワールドカップを主催した際、ベニート・ムッソリーニは手厚い歓迎の姿勢を示した。ナチス・ドイツもまた、高まりつつあったボイコット運動を回避する狙いもあって、1936年のベルリン五輪では黒人やユダヤ人の外国人選手の出場を容認し、アメリカの短距離走選手ジェシー・オーウェンスの歴史的快挙への道を開いた。

それから1世紀近くが経った今、ワールドカップのために渡航する多くの人々が、空港での執拗な尋問を受けたり、アメリカへの入国を拒否されたりしている。ソマリア人として初めてワールドカップの審判を務めるはずだったオマール・アルタンは、マイアミの空港で入国を拒否され、引き返すことになった。イラク代表ティームのカメラマンであるタラル・サラーはシカゴで入国を拒否され、ストライカーのアイメン・フセインも7時間近くにわたって尋問のために拘束されたと報じられている。

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ソマリアのモガディシュにて。アメリカから帰国した国際審判員オマール・アブドゥルカディル・アルタンを連帯サッカーの試合を前に旗や横断幕を掲げて出迎える支持者たち(6月10日)

アメリカ独立250周年の祝賀期間中にワールドカップを開催することは、国家の姿を世界にアピールする絶好の機会となり得る。しかし一部のファンにとって、この大会の記憶として強く残るのは、アメリカの「ハード・パワー」、すなわち厳格な入国管理体制の行使という側面だろう。

その一方で、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、前回の男子ワールドカップで掲げられた「サッカーは世界を一つにする(Football Unites the World)」というスローガンを頻繁に唱えている。インファンティーノ会長は、トランプ大統領への「FIFA平和賞」初授与が多くの嘲笑を招いたことを承知の上で、アメリカに入国制限の緩和を促すための必要なジェスチャーだと考えていたのかもしれない。もしそれが狙いだったとすれば、結果はまちまちだったと言える。アメリカは、特定の国からの渡航者に対し課していた1万5000ドルの保証金について、ティーム関係者や親しい関係者、特定のチケット保有者に対しては免除措置をとった。しかし、それでもなお多くのファンが入国を拒否された。

インファンティーノ会長は、自らを一種の政治家のような存在として演出することにも努めてきた。4月にカナダのヴァンクーバーで開かれたFIFAの年次総会では、イスラエルとパレスティナのサッカー関係者の和解を演出しようと試みた。彼は写真撮影の好機を狙っていたのかもしれないし、実際、この場を利用して再選を目指す意向を表明してもいる。しかし、パレスティナ側のサッカー協会トップがイスラエル・サッカー協会副会長との握手を拒否したことで、気まずいやり取りが生じる結果となった。その光景は、この対立がいかに根深く、解決が困難なものであるかを浮き彫りにするだけだった。

同様の例として、2018年の平昌冬季五輪の直前、南北朝鮮の当局者たちが非武装地帯(demilitarized zoneDMZ)で会合を開き、南北合同ティームの結成計画を策定したことが挙げられる。その結果、韓国の女子アイスホッケー代表ティームは23名の選手からなる代表ティームに北朝鮮の選手12名を直前で加えるということが決定された。合同ティームは全5試合に敗れ、韓国の若者たちは、これを政治的なパフォーマンスだと感じ、裏切られたような思いを抱いた。

こうした出来事は、現代世界におけるスポーツ外交、ひいては「ソフト・パワー」そのものの無力さを示唆しているように思える。とは言いながら、伝統的な外交であっても、こうした世代を超えて続く対立を解決できてはいないのだ。

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韓国・江陵市のクァンドン・ホッケー・センターで行われた平昌2018冬季オリンピックのアイスホッケー女子予選で統一コリア代表のイ・ジンユ選手が日本に敗れた後、悔しさを露わにしている(2018年2月14日)

国家機関もスポーツリーグも、スポーツは非政治的であるべきだという陳腐な主張を繰り返す。しかし、国際大会はその性質上、極めて政治的な舞台だ。ロシアは特に、ウクライナとの戦争に起因する競技制限に関して、この主張を繰り返し唱えている。そして、ある程度は、その制限を緩和することに成功している。

オリンピックとテニスのグランドスラム大会では、ロシア人選手は依然として中立旗の下で出場することが認められている。国際チェス連盟は、2022年のチェス・オリンピアードからロシアとベラルーシの代表ティームを除外した。両国の選手は今もチェス連盟の旗の下で個人戦に出場している。ロシアはユーロヴィジョン・ソング・コンテストへの出場も禁止されている。(そのため、今年は複数の国がイスラエルの出場禁止を求め、ボイコットにつながったため、主催者は窮地に立たされた。)

ロシアは4年前のウクライナ侵攻後、ワールドカップへの出場を完全に禁止されたが、これは複数のヨーロッパ諸国が、ロシアの出場を認めれば2022年のカタール大会をボイコットするという脅しに似た要求をした後のことだった。

モスクワがスポーツは非政治的であるべきだと主張すると、批判者たちはロシアのウラジーミル・プーティン大統領が古代オリンピックに由来するオリンピック休戦協定を破り、2014年のソチ冬季オリンピックに向けた軍事力増強を利用してクリミアを併合したことを指摘する。同様に、ロシアは2008年の北京夏季オリンピック開会式中にグルジアに侵攻し、同じく北京で開催された2022年冬季オリンピック後にはウクライナへの本格的な侵攻を開始した。

スポーツ団体もまた、一貫して自らを「スポーツの中立性」の守護者と位置づけている。統括団体は、大会開催の有利な条件やスポンサー契約を確保し、より幅広い層のファンを獲得するためには、政治的とみなされる言動を制限することが必要だと考えているのかもしれない。しかし、「何が政治的なシンボルにあたるか」を定義すること自体が、すでに政治的な行為だ。

ウクライナのスケルトン選手ウラディスラフ・ヘラスケビッチは、ロシアによるウクライナ侵攻で命を落としたウクライナの選手やコーチの画像が描かれたヘルメットの着用を拒否されたため、今年の冬季オリンピックで失格処分となった。また、2022年のFIFAワールドカップでは、欧州の7ティームのキャプテンがLGBTQコミュニティへの支持を示す「One Love(ワン・ラブ)」の腕章を着用する計画を立てていた。これに対しFIFAは、その腕章を着用した選手には即座にイエローカードを提示すると通告した。

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イタリアのヴェネト州にあるコルティーナ・スライディング・センターにて、2026年冬季五輪の男子スケルトン練習に臨むウクライナのウラディスラフ・ヘラスケビッチ選手(2026年2月9日)

アメリカがワールドカップ開催の数カ月前にイランに対して攻撃を行ったことは、1930年の第1回大会以来、前例のない出来事となった。開催国が予選を通過した国を承認しないという事例は、過去にも稀にあった。例えば、冷戦時代に最も政治的緊張が高まった事例の1つとして、西ドイツで開催されたグループステージの試合で、東ドイツが西ドイツを破ったことが挙げられます(なお、西ドイツはその後、優勝を果たした)。

しかし、この夏にアメリカでイランが競技を行うことによる外交上の複雑さは、それらとは次元の異なるものだった。政治的象徴をめぐる議論は、アメリカで行われたイランの試合の期間中に明確に表れた。FIFAは、国外在住のイラン人の間でイスラム共和国体制への抵抗の象徴となっている「革命前の国旗」を観客が掲げることを禁止すると発表したが、この禁止令の運用は緩やかだったようだ。

一方で、イラン代表ティームがメキシコのティフアナに到着した際、選手たちが「168」という数字の入ったバッジを胸につけていたことについて、FIFAはこれを政治的な意思表示とは見なさなかった。この「168」という数字は、2月28日にアメリカの攻撃によってイランの女子小学校で犠牲となった奨学生と教師の数を指すものだった。スタジアムから遠く離れた場所での出来事ではあったが、この一件は、「政治色を排除した国際スポーツイヴェント」とは何なのか、そもそもそのようなものが可能なのか、という問いを投げかけることになった。

この夏、ワールドカップにおけるイラン代表ティームの短くも奇妙な旅路は、世界の人々に強い印象を残した。グループステージで敗退する前、イラン代表はアメリカ当局から試合前後の滞在時間を制限され、一部のスタッフへの入国ヴィザ発給も拒否されたため、拠点をメキシコへ移さざるを得なくなった。これは、スポーツ外交という「ソフト・パワー」が、軍事攻撃やヴィザ発給拒否といった「ハード・パワー」と衝突した一例と言える。

しかし、トランプ政権のこうした対応は、ある意味で「ブーメラン効果(boomerang effect)」をもたらした。イラン代表はメキシコで英雄のような歓迎を受けたほか、試合ごとに十分な休息をとれずに移動しなければならないという競技上の不利な状況を強調することで同情を集め、結果としてイラン政権への批判をかわすことにもつながった。

当然ことだが、アスリートは本来、政治家ではない。スポーツ外交が予測不可能であり、時に見る者を熱狂させるのは、それが容易に筋書き通りにはいかないからだ。実際、1936年のベルリン・オリンピックにおける決定的な瞬間は、ジェシー・オーウェンスが4つ目の金メダルを受け取るために表彰台に立った時だった。彼は一言も発することなく、ナチス党の世界観に異議を唱えた。

悪意ある主体に悪用されれば、スポーツ外交は拙劣なもの、あるいはそれ以上に有害なものになりかねない。しかし一方で、異文化間の理解や称賛を生み出す力も秘めている。コンゴ民主共和国の代表ティームが到着時に着用していた大胆なヒョウ柄の特注スーツに向けられた熱狂や、ノルウェーのファンによる「ヴァイキング・ロウ(Viking Row)」のパフォーマンスが北アメリカの街頭にまで広がった様子を見ればそれは明らかだろう。

従って、ソフト・パワーがハード・パワーによる強圧的な力に対して最近大きな突破口を開けていないからといって、スポーツ外交を「別のリーグ(二の次)」に追いやるべき時ではないと言えるかもしれない。

J・アレックス・ターキニオ:ニューヨークの国連を拠点とする特派員、ポッドキャスト「ザ・デレゲイツ・ラウンジ(The Delegates Lounge)」ホスト。ジャーマン・マーシャル・ファンドのジャーナリズム・フェロー、プロ・ジャーナリスト協会(SPJ)の全米会長を務めた。Xアカウント:@alextarquinio

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 古村治彦です。

 サッカーのワールドカップ北中米大会(カナダ、アメリカ。メキシコでの開催)が佳境に入っている。日本代表は予選リーグを突破し、決勝トーナメント1回戦で強豪ブラジルと対戦し、1対2で敗れた。そのブラジルはノルウェーに1対2で敗北を喫した。日本は1998年のフランス大会で初出場して以来、8大会連続で出場し、アジアの強豪となった。私が子供の頃、1980年代は、アニメ『キャプテン翼』の影響でサッカー人気は高まっていたが、韓国や中東の国々に歯が立たなかった。それを思えば日本のサッカーは急成長だと考えられるが、専門家や目の肥えたファンの人たちからすれば不満が残る結果だったかもしれない。
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サッカーと地政学 -ゴールの先に世界が見える -

 今大会は、アメリカによる、選手やファンに対する不公平な取り扱い、ドナルド・トランプ大統領が介入したのではと取り沙汰されたアメリカ代表選手の退場処分保留などの、政治と絡んだニューズが多く出ている。しかし、参加数が48になったことで、参加枠が拡大したことで、あまり有名ではない小国も参加し、どんな国なのかと興味を持って調べるという楽しみもある。キュラソーやカーボベルデなど申し訳ないが、全く知らなかった。

 今大会の参加ティームの多くは国外生まれの選手たちが多くを占めるようになっているそうだ。1930年の第1回大会の時はその割合が約5%だったが、今大会は約25%になっている。私はラグビーが好きでよく見ているが、ラグビーの場合には代表ティームのメンバーになるには条件が異なり、多くの外国出身選手が日本代表としてプレーしているが、サッカーはもっと条件が厳しいのかと思っていたが、少し緩くなっているようだ。

また、ヨーロッパの有名プロティームの育成組織、アカデミー出身者が様々な国の代表に入っているということだ。有名なティームは途上国などの身体能力に優れた子供たちを青田買いして、育成組織に入れるということは昔から行われ、そこからスーパースターが生まれているが、同時に、途中で怪我をしたり、技術が伸びなかったりした場合には放り出されて、行き場もなく、教育も受けていないために仕事にもありつけずに犯罪に走るという若者たちがいるということもある。

 日本代表にも帰化選手や外国にルーツを持つ選手が昔からいたし、これからもどんどん増えていくだろう。それはグローバリズムの結果だ。同時に、移民、外国から来た(自発的、非自発的は問わず)が作った国であるアメリカで、これだけグローバル化したサッカーの世界大会ワールドカップが開催されているのに、出入国で不公平な取り扱いがあったことはグローバル化の副作用と言うべきであろう。別の副作用はトランプ大統領の出現であるが。

 以下の記事を読みながら、サッカーは世界の歴史や大きな流れを映す鏡だということを改めて認識した。

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ワールドカップの新たな地理学(The New Geography of the World Cup

-移民、植民地時代の歴史、そしてエリート・アカデミーが、現代の代表ティームのあり方を再定義した。

ジル・ゲラ、ダイアン・ロイ筆

2026年6月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2026/06/24/world-cup-soccer-football-immigration-nationality-haiti/

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男子サッカーハイチ代表ティームが初めてFIFAワールドカップに出場した1974年当時、ティームは完全に国内育ちの選手で構成されていた。登録メンバー22名全員がハイチ生まれであり、1名を除いて全員が国内クラブに所属していた。

それから50年以上が経過した今日、6月13日に行われたスコットランドとの初戦に出場した26名の選手のうち16名はハイチ以外の生まれであり、その大半は北アメリカやヨーロッパのクラブでプレーしている。これらの選手の多くは、ハイチにルーツを持つことで代表資格を得ている。国内を拠点とする選手は、ウデンスキー・ピエールただ1人だ。代表ティームを率いるフランス人のセバスチャン・ミニェ監督は、代表ティームにとって史上2度目となるワールドカップ出場を果たし、ティームを指揮しているが、これまでハイチの地を踏んだことはない。

ハイチ代表が国外生まれの選手に依存している背景には、経済の不安定さ、政情不安、そして蔓延する治安の悪化といった、多くの人々を国外流出へと追いやってきた状況がある。2021年のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件以降、ギャングによる暴力が横行し、代表ティームが国内で試合を行うことは事実上不可能となった。そのため、ハイチ代表はワールドカップ予選のホームゲームをキュラソーで開催し、フロリダやニュージャージーでトレーニングを行ってきた。

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しかし、ハイチ代表の選手構成は決して例外的なものではない。アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国が共同開催する今年のワールドカップでは、多くのティームが、自国以外の国で生まれた選手を所属させている。こうした傾向は1980年代以降加速しており、ワールドカップ出場ティームの構成に対する移民の影響力の増大や、サッカーというスポーツがますます国境を越えた広がりを見せている現状を反映している。

2004年、カタール・サッカー協会がカタールと縁もゆかりもない選手に金銭的報酬を提示して帰化させたことを受け、FIFA(国際サッカー連盟)は代表資格に関する規定を厳格化し、選手が代表する国との間に「明確なつながり(clear connection)」を持つことを義務付けた。現在では、出生であれ帰化であれ、その国の国籍を保有していれば代表ティームでプレーすることが可能だ。ただし帰化の場合、FIFAは、本人、親、祖父母の出生地や血縁関係による直接的なつながり、あるいは少なくとも5年間の継続的な居住実績といった条件を求めている。こうした変更は、便宜的な帰化を制限しつつ、血縁やルーツに基づく代表入りを正当なルートとして明文化したことで、今年の大会に見られるような、ディアスポラ(he diaspora、国外在住者やその子孫)を多く含むティーム構成を形作る一因となった。

ワールドカップの代表ティームには以前から外国生まれの選手が含まれてきたが、その割合は時代によって変動しており、これは移民の動向やプロサッカーのグローバル化を反映していると考えられる。2022年に『ヴォックス』誌が発表した分析によれば、1930年の第1回大会では参加ティームはわずか13で、全選手のうち出生国以外の国を代表していた選手の割合は5%強だった。一方、32ティームが参加した2022年のカタール大会では、その数字は16.5%に上昇した。

2022年大会ではモロッコがその傾向を牽引し、代表選手の約54%が国外生まれだった。チュニジアやセネガルも、主にフランス生まれの選手を多数起用していた。

今年のワールドカップでは、国外生まれの選手の割合が23.2%へと著しく上昇した。この増加の主な要因の1つは、今大会の出場ティーム数が過去最多の48に拡大されたことだ。この拡大により、国境を越えて選手を招集できる(ディアスポラなどの)選手層を持つ国々が、より多く本大会への出場権を獲得できるようになった。

同時に、各国のサッカー連盟は最強のティームを編成するために、積極的に国外へと目を向けるようになっている。人口の少ない国にとっては、国外在住のディアスポラのネットワークを活用することが不可欠だ。その最も顕著な例と言えるのがキュラソーだ。人口約15万6000人のキュラソーは、ワールドカップ出場権を獲得した史上最小の国だ。26名の代表メンバーは、そのほぼ全員が国外生まれの選手で構成されている。1人を除く全員がオランダ生まれであり、これは約400年に及ぶオランダによる植民地支配の名残と言える。

他にも、コンゴ民主共和国(76.9%)、モロッコ(73.1%)、アルジェリア(61.5%)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(57.7%)、チュニジア(57.7%)など、国外生まれの選手に大きく依存している出場国がいくつかある。その一方で、オーストリア、ブラジル、コロンビア、南アフリカのように、国外生まれの選手が誰もいないティームもある。
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2026年ワールドカップに出場する国外生まれの選手の多くに共通する出身国がある。それはフランスだ。全48ティームの中で、フランス生まれの選手は99人に上り、そのうち54人はパリ都市圏(Greater Paris)の出身だ。この事実は、サッカーの才能を輩出する地域として世界で最も多くの人材を送り出しているという、フランスの首都が長年築いてきた評価を改めて裏付けるものとなっている。比較として挙げると、ロンドン都市圏から今大会に送り出された選手は14人だった。

世界最高峰のサッカーを支えるインフラのような役割をごく一部のクラブが事実上担うようになっている。ヨーロッパのいくつかのクラブのアカデミーが多国籍なルーツを持つ選手をワールドカップに送り出している。

マンチェスター・シティのユース組織で育った選手は10の異なる代表ティームでプレーしており、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルのアカデミー出身者はそれぞれ8ティーム、パリ・サンジェルマンは7ティーム、バイエルン・ミュンヘンは5ティームの代表選手を輩出している。エリート選手の育成で名高いアムステルダムのクラブであるアヤックスは、今大会において他のどのアカデミーよりも多くの出身選手を送り出しており、その数は5つの代表ティームにまたがる計17名になる。
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今年のワールドカップは史上最も真にグローバルな大会である一方、国境を越えた人の移動に対する障壁も高まっている。大会全試合の4分の3にあたる78試合を開催するアメリカは、ドナルド・トランプ大統領の下で入国管理や渡航に関する政策を厳格化した。

一部の国については、サポーターがアメリカへ渡航することが事実上不可能になっている。ハイチとイランはアメリカの全面的な渡航禁止措置の対象となっており、両国の国民は移民ヴィザ・非移民ヴィザを問わず、その取得がほぼ全面的に認められていない。ただし、選手や必要不可欠なスタッフについては例外が設けられている。さらに、本大会出場国であるセネガルとコートジボワールも12月に一部渡航禁止リストに追加され、新規の観光ヴィザ発給が停止された。そのため、1月1日時点でアメリカのヴィザを保有していなかったファンは現在ヴィザを取得することができない。

こうした規制は広範囲にわたる影響を及ぼしている。少なくとも15名のイラン関係者がアメリカのヴィザの発給を拒否されたほか、イラン・サッカー連盟は、出場全連盟に認められているはずの「自国ファン向けのアメリカ開催試合のチケット割り当て権限」をFIFAに取り消されたと発表した。また、ワールドカップで主審を務める初のソマリア人審判となる予定だったオマール・アルタンは、「テロ組織の容疑者との関わり(association with suspected members of terror organizations)」が疑われたとしてマイアミの空港で拘束された後、アメリカへの入国を拒否された。イラク代表のストライカーであるアイメン・フセイン選手も、シカゴ到着時に7時間近くにわたって拘束され、尋問を受けた。

アメリカによる最も厳しい入国制限は、主に国外出身の才能ある選手でティームを構成している国々に向けられる傾向がある。この両者の重なりは偶然ではない。自国のサッカーの才能を国外へ流出させる原因となる不安定な情勢や機会の欠如は、同時に、その国のファンを入国させることへの「リスク(risk)」を高いとみなさせる要因にもなっている。特例措置が設けられたとしても、その適用範囲は意図的に限定されている。それらは旅行者個人ではなくワールドカップの観戦チケットに紐づけられており、大会終了とともに効力を失うからだ。
アルジェリア、カーボベルデ、チュニジア、セネガル、コートジボワールの5カ国は、アメリカの「ヴィザ保証金(ボンド)」制度の対象国となっている。この制度により、選手を除くこれらの国の国民は、観光ヴィザを取得する際に5000ドルから1万5000ドルの保証金(返金可能)を預け入れることが義務付けられている。トランプ政権は先月、4月中旬の時点でアメリカ開催試合のチケットを購入し、かつ「FIFAパス」に登録しているファンに対しては、この保証金要件を免除すると発表した。しかし、この免除措置が恩恵をもたらすのは、アルジェリア、カーボベルデ、チュニジアのサポーターに限られる。セネガルとコートジボワールのファンにとっては救済策にならない。両国に対しては部分的な渡航制限が課されており、保証金の対象となるはずの観光ヴィザの発給自体がすでに停止されているからだ。

他の開催国による救済策も限定的だ。カナダは、これらアフリカや中東地域の国々(およびその他の対象国)のファンに対し、訪問者ヴィザの取得を義務付けているが、その取得はアメリカのヴィザと同様に困難だ。メキシコは、有効なアメリカのヴィザ(あるいはカナダ、イギリス、日本、またはシェンゲン協定加盟国のヴィザ)をすでに所持している旅行者にはヴィザを免除している。しかし、ハイチやイランの国民のようにアメリカへの入国を拒否されているファンは、メキシコのヴィザを直接申請せざるを得ないだろう。

チュニジアはグループステージの3試合のうち2試合をメキシコで行い、セネガルとコートジボワールはそれぞれ1試合をカナダで行う予定だが、どの国へ入るにもヴィザという壁が立ちはだかっている。これは、開催国がファンの入国障壁を緩和していた過去の大会とは異なる状況だ。2018年のロシア大会では、政府発行の「ファンID」を取得した全てのチケット保有者に対し、ヴィザなしでの入国が認められた。2022年のカタール大会でも同様の措置がとられ、ファンは通常のヴィザなしで大会期間中の入国が可能だった。
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その結果、出場ティームの国際色はかつてないほど豊かであるにもかかわらず、スタジアムの観客席の構成は以前とほとんど変わらないという大会になるだろう。出場ティーム数が48に拡大されたことで、ディアスポラを中心に構成された代表ティームを擁する国々がいくつか加わった。ヴィザ取得のハードルが最も高い国々を応援することになるファンの多くもまた、そうしたディアスポラ・コミュニティの出身者となるだろう。

こうした傾向は、6月16日にニュージャージーで行われたフランス対セネガル戦で如実に表れた。両ティームは、同じ現象の異なる側面を映し出している。フランス代表のメンバーの多くは、フランス生まれの移民の子供たちである一方、セネガル代表の国外生まれの選手たちは、フランスのクラブでキャリアを築いたアフリカ系ディアスポラの人々だ。

フランス代表の26名のうち、国外生まれはわずか3名で、ティームの88.5%がプロキャリアの大半をフランス国内で過ごしている。対照的に、セネガル代表のメンバーは半数近くが国外生まれであり、そのうち10人がフランスで生まれている。また、セネガル代表選手の4分の3近くが、フランスでプロとしてのプレー経験を持っている。

代表ティームは時に、その国が抱く理想的な自己像の反映と見なされることがある。しかし、2026年ワールドカップの代表メンバー構成は、あるがままの国家の姿を映し出しているようだ。そこには、その国にとどまった人々、国を離れた人々、そしてその双方の子供たちが含まれており、彼らがひと夏の間、サッカー界最大の舞台に集結している。

—インフォグラフィック制作:ロリ・ケリー(エグゼクティヴ・クリエイティヴ・ディレクター)

訂正(2026年6月24日):本記事の以前の版に掲載された図において、ボスニア・ヘルツェゴビナおよびヨルダンの代表選手に関する色分けに誤りがあった。現在は修正済みだ。

訂正(2026年6月25日):ボスニア・ヘルツェゴビナ代表メンバーの直前の変更を反映し、同国の国外生まれ選手数にヨヴォ・ルキッチを追加する形で図を更新した。

更新(2026年6月29日):エボラ出血熱に関連する渡航制限についての情報を追加し、本記事のインフォグラフィックを更新した。

※ジル・ゲラ:ニカネン・センター移民・安全保障政策担当上級アナリスト。Xアカウント:@gildeguerra

※ダイアナ・ロイ:米外交評議会ラテンアメリカ・移民担当上級ライター兼編集者。Xアカウント:@Diana_royy

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