古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙共和党予備選挙では、支持率でドナルド・トランプ前大統領が圧倒的にリードしている。エスタブリッシュメント派が推している、フロリダ州知事ロン・デサンティスやニッキー・ヘイリーも米国連大使は知名度の割に苦戦している。そうした中で、ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)という聞きなれない名前の、ずぶの素人、無名の新人がここ最近支持率を挙げている。
vivekramaswamy001

ヴィヴェック・ラマスワミ
 ラマスワミはトランプ前大統領を支持している。2020年の大統領選挙ではトランプ前大統領に投票している。討論会の席上で「トランプ前大統領は21世紀において最高の大統領だ」と発言し、トランプ前大統領から「ありがとう、ヴィヴェック!」という言葉をもらっている。討論会では、マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事といった知名度の高い、ヴェテラン政治家たちを向こうに回して、人々の関心を集めることに成功したようだ。

 ヴィヴェは1985年生まれの39歳。両親はインド系の移民であるが、父親はGE(ゼネラル・エレクトリック)のエンジニア、母親は心理学者という裕福な家庭で育った。ハーヴァード大学では生物学を専攻し、イェール大学法科大学院に進学した。大学院在学中に既にヘッジファンドを設立し、100億円以上の利益を上げていたということだ。その後も実業界で成功を収めた、立志伝中の人物ということになる。
2024uspresidentialelectionrepublicancanidatespolls2023graph001

 ラマスワミは世論調査での支持率の数字を上昇させている。ドナルド・トランプ前大統領には大きく及ばないものの、共和党のヴェテラン政治家たちを追い抜いている。トランプとラマスワミの数字を合わせて考えると、他の有力政治家たちが「希望にあふれている(hopeful)」という状態ではなく、「希望が小さくなっている(long-shot)」という状態になっていることが分かる。ちなみにlong-shotとは、弓矢で長い距離から的を狙うということで、距離が長ければ長いほど的に当たりにくい、希望が少ないという意味になる。トランプ前大統領の人気の高さとラマスワミの台頭によって、共和党エスタブリッシュメントに魂を売ったヴェテラン政治家たちは、どんどん的が遠くなっているという現状である。

 民主党側ではジョー・バイデンが現職大統領として高齢を押して出てくるが、体調や能力を不安視されている。それでも何が何でもバイデンを当選させたい勢力が民主党内だけではなく、共和党内部にもいる。そこの分裂線がウクライナ戦争に対する支援に関する考え方である。ラマスワミはウクライナ支援に反対を唱えている。それだけで共和党予備選挙では大きな台風の目ということになるだろう。私たちも注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

トランプの後継者は俺だ、インド系大富豪候補者の支持率が急上昇

8/26() 11:02配信

高濱 賛

JBpress

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6?page=2

■ デサンティスに肉薄、支持率10%に

 米共和党が823日に行った初の大統領候補者テレビ討論会の視聴者は5000万人、同時刻にSNSXで流れたドナルド・トランプ前大統領の単独インタヴューはアクセス数が7300万から7400万だった。 (Trump's debate counter-programming draws millions of views on X)(Fox News is the debate’s biggest loser

 8人の候補者の顔見世も「象(トランプ氏)の出ないショー」ではトランプ氏に勝てなかった。 とにかく共和党支持者にとっては、トランプ氏抜きの大統領選は考えられないことを改めて示した。 共和党の選挙戦略専門家のアレックス・コナント氏によれば、共和党支持者の4分の1はトランプ氏に何があっても投票、4分の1はトランプ氏には投票しない、残りの半分は投票態度を決めかねているという。 (Los Angeles Times

 一方、トランプ氏抜きの今回の討論会で「誰が勝者か」を一般有権者に尋ねたワシントン・ポストの世論調査では以下のような結果が出た。

 (1)ロン・デサンティス・フロリダ州知事:29

 (2)ヴィヴェック・ラマスワミ氏:26

 (3)ニッキー・ヘイリー元国連大使:15

 (4)マイク・ペンス前副大統領:7

 (5)クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事:4

 (6)ティム・スコット上院議員:4

 (Our Republican debate poll finds Ron DeSantis and Vivek Ramaswamy won

 注目すべきは、政治経験ゼロのラマスワミ氏が副大統領や上院議員、知事現職・経験者を差し置いて、デサンティス氏に肉薄していることだ。 直近の世論調査でも、断トツのトランプ氏(55.4%)を追うデサンティス氏(14.3%)に次いで7.20%で3位につけている。世論調査によっては10%の支持率を得ている。 (2024 Democratic Presidential Nomination

■ 「痩せぎすで変な名前の男」と自己紹介

 討論会参加者の並び順は支持率で決まる。中央にはデサンティス氏、その向かって右側に痩せた浅黒い色の男が陣取った。 モデレーターから指されると開口一番、こう述べた。

「皆さん、痩せぎすの、しかも名前も聞きなれない男は、いったい何者でしょう?」 (Who the heck is this skinny gay with a funny last name? )

「一つ言えることは、私は誰からもカネをもらったり(企業団体の)世話にもなっていない唯一の候補者です。これだけは声を大にして申し上げておきます。気候変動は作り話です」 (I’m the only person on the stage who is not bought and paid for, so I can say this. Climate change agenda is a hoax.

 ラマスワミ氏は、討論会を通じて一番喋りまくった。

 気象変動、ウクライナへの軍事支援、中国の脅威、メキシコとの国境問題とテーマごとに他の候補者と一対一で渡り合った。 終始一貫しているのはトランプ氏の4年間の内政外交すべてを支持する姿勢だった。 反トランプのジャーナリスト、チャーリー・スカイズ氏はこう描写した。

「ラマスワミ氏は、持前の弁舌でトランプ氏よりも巧みにトランピズムを展開した。熱狂的なトランプ支持者が聞きたかった歌を奏でた」「それはトランプ氏を支持している他の候補者が真似できないようなパフォーマンスだった」 (The Vivek and Nikki Show

■ 高学歴・裕福・・・インド移民の典型

 同氏はオハイオ州・シンシナティ生まれ。

 両親はインド、ケララ州出身のヒンズー教教徒で、父はカルカッタ国立工科大学を卒業後、米国に移住、ゼネラル・エレクトリック(GE)のエンジニアとして働いてきた。 母は高齢者専門の心理学者だった。高学歴で裕福なインド移民の典型だった。

 ラマスワミ氏は、カトリック系の高校を出た後、ハーバード大学に進学、生物学を専攻し、卒業論文ではキメラ動物創造に関する倫理上の諸問題を取り上げ、最優秀賞を受賞している。 また、在学中にゴールドマンサックスでインターンとしての勤務経験がある。 在学中は「ハーバード・ポリティカル・ユニオン」(HPU=米大学最古の弁論部)やユダヤ系学生団体「シャブタイ」にも参加、米国社会のエリート育成機関に積極的に参加した。 その後、イェール法科大学院に進み、大学院生当時、金融、薬品、バイオテク分野関連のヘッジ・ファンドを知人と設立し、法務博士号取得前に15000万ドルの純益を上げていた。 その後、そのヘッジ・ファンドを「ロイバント・サイエンス」と改称、次々と製薬会社を買収、売却、合併した。 2020年には環境保護、社会・企業のガバナンスのための基金を設立、これが政界進出へのスタート台になっている。 トランプ氏とは、2022年、ニュージャージー州のトランプ氏の別邸で夕食を共にしたのが出会いだった。 億万長者のラマスワミ氏が、トランプ氏の支持層を取り込む国盗り物語は注目に値する。

=====

共和党の米大統領選挙候補ヴィヴェック・ラマスワミとはどんな人物か?(Who is Vivek Ramaswamy, Republican presidential candidate?

ティム・リード筆

2023年8月24日

『ロイター通信』

https://www.reuters.com/world/us/who-is-vivek-ramaswamy-republican-presidential-hopeful-2023-08-23/

ロイター発(8月23日付)。バイオテック企業の元重役で大富豪のヴィヴェック・ラマスワミが水曜日夜の討論会において2024年米大統領選挙共和党候補者指名レースの注目候補者となる機会を得ている。

ラマスワミの人生とキャリアについてのいくつの事実についてこれから取り上げていく。

●アメリカ中西部で育ったヒンドゥー系(A HINDU RAISED IN THE AMERICAN MIDWEST

38歳になるラマスワミは、オハイオ州においてインド南部からの移民である両親の間に誕生した。彼は両親のヒンドゥー教の信仰の中で育ったが、カトリック系の高校に進学した。ハーヴァード大学で生物学を専攻し学士号を取得し、その後はイェール大学法科大学院に進んだ。

ラマスワミはヘッジファンドの投資部門で働き、イェール大学法科大学院を修了する前には既に数百万ドルを稼ぎ出していたと述べている。2014年、彼は自身でバイオテック企業ロイヴァント・サイエンシズ(Roivant SciencesROIV.O)を創設した。この企業は製薬分野の大企業が完全に開発できなかった、もしくは市場化できなかった特許を買い取っていた。2021年、ラマスワミは最高経営責任者(CEO)を辞任した。2023年、ビジネス誌『フォーブス』はラマスワミの資産を6億3000万ドル(約914億円)と推計した。

●元リバータリアンのラッパーで一貫性のない投票行動の記録(A FORMER LIBERTARIAN RAPPER WITH A PATCHY VOTING RECORD

ラマスワミは、大学時代、リバータリアンだったと語っている。ハーヴァード大学在学中、「ダ・ヴァック(Da Vek)」というアーティスト名でリバータリアンをテーマにしたラップを披露していた。彼は今年、選挙運動でラップのスキルを披露した。今月のアイオワ・ステート・フェアで彼が披露したエミネムの「Lose Yourself」はソーシャルメディアで拡散された。

ラマスワミは、2004年の米大統領選挙ではリバータリアン党に投票したが、2008年、2012年、2016年は投票しなかったと述べた。彼はこれまで共和党と民主党の候補者の両方に献金している。2020年の米大統領選挙では共和党のドナルド・トランプ前大統領に投票したということだ。

●「反極左リベラル目覚め主義派」の闘士(AN "ANTI-WOKE" CRUSADER

ここ数年、ラマスワミは堅固な保守派として活動している。2021年にベストセラーになった著書『目覚め主義株式会社(Woke, Inc.)』の中で、社会正義や気候変動への懸念をビジネス戦略の前提にしようする一部の大企業の決断を批判し、勤勉さ(hard work)、資本主義(capitalism)、信仰心(religious faith)、愛国心(patriotism)に悪影響を及ぼす「ウォーキズム(目覚め主義、wokeism)」を非難している。この本によって、ラマスワミは保守派の間で知名度を上げ、右派のスターとして急速に頭角を現し始めた。

●共和党の米大統領選挙運動(REPUBLICAN PRESIDENTIAL CAMPAIGN

ラマスワミは今年2月に大統領選挙への出馬を表明したが、その時点では泡沫候補の扱いをされていた。ラマスワミは、ほとんどの世論調査でいまだに一桁台の指示率に低迷しているが、多くのライヴァルを引き離しており、なかでもフロリダ州のロン・デサンティス知事は、現在2位の座を維持するために戦っている。

ラマスワミはトランプを擁護する一方で、共和党予備選挙で重要な位置を占めるキリスト教福音派(Christian evangelicals)へのアピールを狙っている。ヒンドゥー系でありながら、ラマスワミは有権者たちに対し、アメリカは「キリスト教的価値観(Christian values)」や「ユダヤ・キリスト教的価値観(Judeo-Christian values)」に基づいていると語り、自分のことをアメリカ・ナショナリストと表現している。

ラマスワミの政策的立場は、ほとんどが明確に保守的である。アファーマティブ・アクション(affirmative action)に反対し、レイプや近親相姦、母体の生命が危険な場合は例外として、6週間以降の中絶を州レヴェルで禁止することを支持している。大統領職の権限を大幅に拡大し、FBI、教育省、徴税機関である内国歳入庁(Internal Revenue ServiceIRS)など連邦政府の多くを解体したいと訴えている。

ラマスワミは、ウクライナのNATO加盟に反対し、キエフは戦争を終結させるためにロシアに譲歩すべきであり、ロシアが既に占領しているウクライナの一部を、ロシアが保持することを認めるべきだと述べている。

=====

第1回の共和党の討論会における勝者と敗者(Winners and losers of the first GOP debate

ナイオール・スタンジ筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168420-winners-and-losers-of-the-first-gop-debate/

ミルウォーキー発。2024年米大統領選挙における討論会シーズンの幕開けとなった水曜日の夜、共和党候補者たちは激突した。

ドナルド・トランプ前大統領がフィサーブ・フォーラムで開催されたフォックス・ニューズ主催の討論会に参加しないことを決めたため、このイヴェントへの関心が下がり、視聴率も低下したようだ。

しかし、トランプはスポットライトを完全に譲った訳ではない。タッカー・カールソンとの会話は、討論会が始まる5分前に、かつてツイッターとして知られていたプラットフォーム「X」で生中継された。

トランプ氏は木曜、ジョージア州当局に出頭し、4度目の刑事起訴に直面し表舞台に戻ることになる。

ミルウォーキーでの討論会は、トランプ前大統領が直接介入したり邪魔したりすることなく、ライヴァルたちが多くの聴衆に接触する貴重な機会となった。

これから、重要な夜となった討論会における勝者と敗者について述べていく。

■勝者たち

●マイク・ペンス元副大統領(Former Vice President Pence

ペンスは討論会の参加資格を得るのに苦労した。必要な寄付者数などの基準を超えるのに他の候補者たちよりも長い時間が必要となった。

しかし、水曜日の夜、彼は多くの力強い割り込みや介入を行い、予想外の勝者となった。2021年1月6日の行動についての全候補者への質問が出されたが、これがペンスには予想外の追い風となった。

何人かのライヴァルたちは、程度の差はあったが、2020年の大統領選挙結果を証明し、それを覆そうとするトランプの圧力に耐えたペンスの行動に賛辞を送った。

他の場面では、ペンスの激しさ(特にヴィヴェック・ラマスワミに向けられたとき)が、この夜最も驚かされた要素だった。

討論会の序盤、ペンスは38歳のラマスワミに対して「今はオンザジョブトレーニング(on-the-job training OJT)をしている暇などない。ずぶの新人を入れる必要はない」と述べた。

ペンスはまた、中絶反対派の有権者に対して、聖書の語句を引用しながら、自身の中絶に関する長年の記録を思い出させる場面もあった

ペンスは予備選で大きな難題に直面しており、とりわけ共和党有権者からの不支持率は他のどの候補者よりも高い。

しかし水曜日は、これまでの選挙戦で最高の夜となった。

●クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事(Former New Jersey Gov. Chris Christie

クリスティは、ラマスワミがステージ上で「お金で買われていないそして支払われていない(not bought and paid for)」唯一の候補者であると豪語した直後、水曜日の夜で最もクリーンなショットを決めた。

憤慨したクリスティは、「今夜はもう、ChatGPTみたいな奴にはうんざりなんだ」と言い返した。

このセリフでクリスティは、約8年前に同様の討論会でフロリダ州選出のマルコ・ルビオ連邦上院議員を攻撃した時と同じように、ラマスワミの弱点を見つけたのかもしれない。

クリスティは当然のことながら、トランプとの違いも強調した。

彼は今回の選挙で最も反トランプ姿勢を明確に示している候補者であり、この事実自体が、彼の敗北をほぼ確実なものにしている。

トランプの複数の起訴について、クリスティは、人々がトランプ前大統領の行為を犯罪だと信じるかどうかにかかわらず、「誰かがこの行為を常態化させるのを止めなければならない、分かるか?」と述べた。

共和党支持層の大部分はクリスティの発言を嫌うだろう。しかし、ディベートの技術という点では、今回のステージで最も印象的なパフォーマンスだっただろう。

●フォックス・ニューズの司会者たち(Fox News’s moderators

フォックス・ニューズは様々なプレッシャーを受けながら討論会を行った。

4月にドミニオン・ヴォーティング・システムズと名誉棄損に関して、7億8700万ドルで和解したのは記憶に新しい。タッカー・カールソンの降板は、多くの視聴者を落胆させた。ドナルド・トランプは、フォックス・ニューズに対しても断続的に砲火を浴びせ続けている。

しかしフォックスは、討論会の共同司会者ブレット・ベイヤーとマーサ・マッカラムの働きによって、水曜日は良い夜を過ごすことができた。

ベイヤーとマッカラムのコンビは適当だと判断される場合には、候補者たちの衝突を許容しながら、討論会の進行全体をコントロールし続けた。ある場面では、ベイヤーは過剰な反応をする聴衆たちの方を振り向いて、そうした行動を諫めることもあった。

更に重要なことは、ペンス元副大統領と1月6日の連邦議事堂進入事件との関係、ウクライナ問題、妊娠中絶問題に関して、2人の巧妙な質問によって、明確な答えが導き出されたことだ。

●ニッキー・ヘイリー元米国連大使(Former United Nations Ambassador Nikki Haley

討論会の印象は、人々の記憶に残る瞬間によって決まることが多い。

この基準に当てはめると、ヘイリーは討論会の夜を素晴らしく過ごしたことになる。

彼女は中絶(abortion)に関してライヴァルたちとは異なる立場を主張し、連邦政府による妊娠初期での中絶禁止や「これほど個人的なこと」の決定における最高裁判所判事の役割について懐疑的な姿勢を表明した。

ヘイリーはトランプを「アメリカで最も嫌われている政治家(the most disliked politician in America)」と明確に指摘し、彼を先頭にしては共和党の勝利など望めないと主張した。

しかし、彼女にとっての唯一にして最大の瞬間は、ウクライナへの資金提供に対する起業家ラマスワミの深い懐疑に対して激怒した瞬間であった。

彼女はロシアのウラジーミル・プーティン大統領に言及しながら、「この男は殺人者であり、あなたは親米国であるウクライナよりも殺人者を選んでいるのだ」とラマスワミに言い放った。

ラマスワミが弁明しようとすると、ヘイリーは更に圧力をかけた。「あなたには外交政策の経験がない。それが良く出ている」とヘイリーはラマスワミに述べた。

■勝ち負けがはっきりしない(Mixed

●ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy

ラマスワミが、最も意見が分かれるであろう候補者であることは、ほぼ間違いないところだ。

ラマスワミの支持者たちが、彼が輝いていたと主張する理由は簡単だ。彼は明らかに異質であり、激しい言葉の暴力に耐え、新しい若い世代の感性にユニークにマッチした候補者である。

ラマスワミが他の候補者たちに狙われた度合いも、彼が与える脅威の大きさに比例したものである。

しかし、特にウクライナ問題や、大統領に選出されたらトランプの前科をすべて赦免するという馬鹿げた約束など、浅はかさも感じられた。

彼の全体的な態度にも疑問符がつく。彼のファンが自信と明晰さとみなす特徴は、自己満足と口先だけのように感じられる。

ラマスワミは、このような大勢の聴衆の前で自分を知らしめることができたという一点で、世論調査の数字が上昇することにつながるかもしれない。

しかし、彼の弱点もまた大きく暴露されることになった。

■敗者たち

●フロリダ州知事ロン・デサンティス(Florida Gov. Ron DeSantis

デサンティスはミルウォーキーで大きな一夜を過ごす必要があった。しかし、それは叶わなかった。

フロリダ州知事デサンティスは明らかな失言をした訳ではなかった。しかし、素晴らしい瞬間があった訳でもなく、更に重要なのは、どの場面でも討論会で自分を押し出すことができなかったことだ。

長い時間、デサンティスは討論会の背景の中に溶け込んでしまっていた。

これは非常に大きな問題だ。何故なら、デサンティスの選挙キャンペーンは、「自分がトランプに代わる唯一の候補者であること」を前提にしているからだ。

デサンティス候補の選挙戦はスタート時点から下降線をたどっており、水曜夜のリハーサルを重ねすぎたように見えたパフォーマンスによって、その流れが変えられるなどとは考えられない。

●ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)(Sen. Tim Scott (S.C.)

共和党予備選挙候補者の中には、トランプ、デサンティス、そして台頭著しいラマスワミに次ぐ、明確な第2集団がすでに存在する。そこにはペンス、ヘイリー、スコットが含まれている。

スコットは、この3人の中で最も印象を残せない夜を過ごした。サウスカロライナ州選出の連邦上院議員は多くの共和党員や支持者に好かれているが、彼の控えめな愛想の良さは論争の多い討論会には不向きだ。

スコットは、クリスティとラマスワミの口論に割って入り、次のように主張した。「子供じみたやりとりで行ったり来たりするのは、アメリカ国民のためにはならない」。

しかし、討論会のほとんどの時間で、スコットはインパクトに欠けていた。

また、ヘイリーの存在はスコットにとって危険だ。選挙戦を進めるにあたって、非常に重要な地元州をヘイリーとスコットが共有するなど、2人の共通点を考えれば、両候補が長期的に見て成功する余地はないということになるだろう。

●ノースダコタ州知事ダグ・バーガムとアサ・ハッチンソン元アーカンソー州知事(North Dakota Gov. Doug Burgum and former Arkansas Gov. Asa Hutchinson

世論調査で下位に沈んだ2人の候補者にとっては、ステージの端っこで立ち往生する厳しい夜になることはあらかじめ目に見えていた。

両者共にブレイクする瞬間はなかった。

バーガムに関する最大の注目は、討論会当日にバスケットボールをしてケガをしてしまい、病院に運ばれた彼がステージに立てるかどうかということだった。

ハッチンソンはいつものようにトランプ批判を展開し、憲法修正第14条が「反乱や反乱を起こした者が大統領になることを禁じている」ことから、この条文は、ドナルド前大統領の再出馬を禁じている可能性があるとまで発言した。

この発言に対して聴衆からのブーイングを受けた。

それでも、バーガムとハッチンソンが直面している最大の疑問は、いかにして自分たちの存在をアピールするかということだ。

両者共に、水曜日の討論会ではこの疑問に対する回答を見えることができなかった。

=====

第1回の共和党討論会の後、トランプはラマスワミを称賛(Trump praises Ramaswamy after first GOP debate

キャロライン・ヴァキール筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168687-trump-praises-ramaswamy-after-first-gop-debate/

ドナルド・トランプ前大統領は、バイオテクノロジー起業家ヴィヴェック・ラマスワミを賞賛した。共和党のミレニアル世代であるラマスワミは、第1回の米大統領選挙共和党予備選挙の候補者討論会でトランプを擁護した。

「この回答は、ヴィヴェック・ラマスワミに大勝利をもたらした。それは、TRUTH(真実)と呼ばれるものであったからだ。ありがとう、ヴィヴェック!」。トランプは木曜日の早朝、自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

トランプは、38歳の共和党候補ラマスワミが第1回討論会で、「トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと思う」と発言したラマスワミの発言のクリップを掲載した。

マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事などの候補者たちが共和党の新進気鋭の候補者であるラマスワミにジャブを浴びせたが、ラマスワミは水曜夜の討論会で注目の的となった。

クリスティは討論会において、トランプを追及した。トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)が開催した討論会には出席せず、代わりに元フォックス・ニューズの司会者タッカー・カールソンとの録画済みインタヴューを公開した。結果として、トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)を冷たくあしらうことになった。そうしたトランプ元大統領を討論会で擁護した唯一の候補者は、ラマスワミだった。

「重要な結論はこうだ。誰かがこのような行為が常態化するのを止めなければならない。理解できるだろうか? さて、刑事告発が正しい、もしくは間違っている、どちらを信じるにしても、この行為はアメリカ大統領にふさわしくない」。クリスティは討論会で、司会者たちから、法的な問題があるにせよ、トランプを党の大統領選挙候補者として支持するかどうかいついて発言を躊躇する理由を問われて、このように答えた。

ラマスワミは「私もこの議題について入って、質問に答えたい。本当のことを言いますよ?トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと確信します」と述べた。

=====

ウクライナをめぐる共和党の論争が舞台へ(The GOP’s Debate on Ukraine Takes Center Stage

-トランプ大統領がいない状況ではあるが、共和党の外交政策における最大の争点はウクライナである。

ジャック・ディッチ筆

2023年8月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

By Jack Detsch

https://foreignpolicy.com/2023/08/24/republicans-united-states-gop-debate-foreign-policy-ukraine/?tpcc=recirc_latest062921

ドナルド・トランプ前米大統領は、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党の2024年米大統領予備選の第1回討論会に出席しなかった。しかし、トランプが初めて大統領選に出馬した時と同じように、水曜日の夜、ステージに上がった候補者たちの中で、外交政策のサンドバッグ(punching bag)となったのは造反候補者だった。

フォックス・ニューズの司会者たちは、トランプが直面している数ある法的問題のどれかで有罪判決を受けた場合、前大統領を共和党候補として支持するかどうか候補者たちに質問し、トランプの不在が中心的な話題となったが、水曜日の夜の基調は外交政策の違いによって決められた。対ロシア戦争におけるウクライナへのアメリカの支援をめぐる争いは、特に激しいものだった。

企業家のヴィヴェック・ラマスワミは、政治家としては新人だが、世論調査では下位集団から一貫して上昇し続けてきて3位まで上げてきた。この夜の討論会では、アメリカはウクライナに対する支援を止めるように訴えて、最初に大きな拍手を受けた。

ラマスワミは「私たちはロシアを更に中国の手の中に追いやることになる」と発言した。討論会に先立ち、ラマスワミは、モスクワが中国との関係を断つ代わりに、ロシアが軍事的に占領しているウクライナの一部地域の支配権を保持することをアメリカが許可するように求めていた。

ウクライナの反攻(counteroffensive)が停滞している状況で、キエフへの支持は共和党内の主要な争点となっている。先週、影響力のある保守系シンクタンクであるヘリテージ財団(Heritage Foundation)のトップの国防専門家が、ヘリテージ財団のケヴィン・ロバーツ会長が書いた論説に失望し幻滅したとして、財団を去った。論説の中でロバーツは、ハリケーン被害救済よりもウクライナ支援を優先する議員を非難した(この記事は、かつてツイッターとして知られていたソーシャルメディア「X」の公開ファクトチェックで人々からの憤慨を集めた)。

しかし、より主流の保守派の人々は、ラマスワミやロバーツらの主張は完全に間違っていると考えている。「ファウンデーション・フォ・ディフェンス・フォ・デモクラシーズ()」の上級研究員であるマーク・モンゴメリーは次のように述べている。「私の考えでは、ウクライナへの援助を贈り物や慈善事業のように扱うことはできない。これはアメリカの国益に関わることだ。苦境に立たされた民主政体国家に対する、攻撃的な権威主義的行動には、摩擦(衝突)が起きている時点で立ち向かわなければならず、一歩下がって、次のラインで何かをするということはあり得ない」。

ラマスワミの立場は、水曜日のステージで共和党の他の候補者たちとも対立することになった。候補者たちのほとんどは、ウクライナ人にアメリカの銃を提供することで、アメリカは利益を得ており、それによってロシア軍を弱体化させることができると考えている。

「次はわれわれの番だ」とクリス・クリスティ前ニュージャージー州知事は「次は私たちの番だ」語った。マイク・ペンス前副大統領は、ラマスワミへの攻撃が続く中、ロナルド・レーガンの「強さによる平和(peace through strength)」という言葉に注意を向けさせようとし、ラマスワミが「地球上で最も偉大な国家をかなり小さく見ている(pretty small view of the greatest nation on earth)」と罵った。

ニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事から、政治的新人ラマスワミはプーティンという人殺しの味方をしようとしていると非難された。ラマスワミは、ステージの他の人々を、防衛産業に従順なジョージ・W・ブッシュ時代のネオコンたち(George W. Bush-era neoconservatives beholden to the defense industry)だと決めつけた。「ロッキード社かレイセオン社の役員になれるよう、幸運を祈ります」とヘイリーに向かって言った。

しかし、トランプ政権下で国連大使を務めたヘイリーはすぐに反撃した。ヘイリーは「あなたには外交政策の経験がなく、それが表れている」と発言し、この夜最大の拍手を受けた。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は、自らを対中強硬派(China Hawk)に見せようと努力したが、一方でウクライナに関するやりとりの間はほぼ沈黙を守っていた。それでもデサンティスは、アメリカがウクライナを支援するためには、ヨーロッパ諸国の更なる支援を条件とすべきだと述べた。デサンティスは以前、ロシアによるウクライナへの全面侵攻(full-scale invasion)を「領土問題(territorial dispute)」と呼んだ。

ティム・スコットが麻薬フェンタニルの致命的な拡散を嘆いた後、デサンティスはメキシコの麻薬カルテルを外国のテロ組織として指定することを強く主張した。テロ組織指定によってアメリカは経済制裁を科すことが可能となる。でサンティスは更に、国境を越えてアメリカに麻薬を流す密売人たちを「冷たい死体(stone cold dead)」とすることを約束した。ペンスは、国防総省がメキシコ軍と提携してカルテルを討伐することを主張した。

国境問題や中国問題で、候補者たちの間での意見の一致が見られた。しかし、このような一地点はあったが、ウクライナについては大きな対立を隠れている。ペンスや他の共和党エスタブリッシュメント派が問題視していたのは、ウクライナへの軍事援助が約500億ドルにまで達しているが、この金額は多すぎるのではなく、小さすぎるということだった。

モンゴメリーは、「この問題に関して議論をしなければならないことは明らかだ。しかし、私が言いたいことは、ウクライナ支援に関する議論については、ウクライナへの支援継続を信じる人々が勝利すべきだということだ」と述べた。

※ジャック・ディッチ:『フォーリン・ポリシー』誌国防総省・国家安全保障担当記者。ツイッターアカウント:@JackDetsch

(貼り付け終わり)

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505