古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:世論調査

 古村治彦です。

 6月27日の大統領選挙候補者討論会が終わり、週末を過ぎて、各種世論調査の結果が出始めている。予想通り、トランプがバイデンを上回る数字が出ている。民主党が優勢の東部ニューハンプシャー州の最新の世論調査では、トランプがバイデンをリードしているという結果が出た。激戦州のペンシルヴァニア州でもトランプがリードという結果が出た。トランプが全体でリードしている。しかし、支持率の差が大きくないというところが気になる。
ニューハンプシャー州では2ポイント、ペンシルヴァニア州では4ポイントとなっている。トランプはどうしても嫌だという有権者が存在することを示している。

 これまで、討論会は民主、共和両党の全国大会が夏に開かれ、正式に候補者が決められた後、9月頃から複数回にわたって開催されるのが通例だった。今回は民主、共和両党の候補者が実質的に決まっていたこともあり、この早い段階での開催となった。討論会前まで、トランプがわずかだがリード、バイデンが追い上げるという展開だった。民主党、バイデン政権としては、今回の討論会で逆転の足掛かりをつかむはずだった。しかし、それはものの見事に失敗した。討論会の前に、「討論会を行うことが失敗だ。トランプに対して優位を見せつけること自体が難しい」という声があったが、この声が正しいことが証明されえる結果になった。

 バイデンとトランプの人物を対比させることで、バイデンを引き立たせようという目論見もあったが、トランプが意外におとなしかったが、元気を見せていたということで、これも空振りに終わった。

 民主党はバイデンで選挙戦を突っ走ろうという構えのようだ。これに対しては、党内からも怒りの声、批判の声が沸き上がるだろう。全国大会前に全国委員会で、バイデンを党の正式な候補者に決めてしまおうという動きが出ている。これを強行すれば、党大会で反対派が激しい抗議活動を行い、1968年のシカゴでの全国大会と同じような混乱となるだろう。奇しくも今年の民主党全国大会もシカゴで開催される。流血の混乱が再び発生するかどうか注目される。

(貼り付けはじめ)

トランプとの討論会がターニングポイントとなることをバイデンは求めている(Biden seeks turning point in debate vs. Trump

アレックス・ガンギターノ、アル・ウィーヴァー筆

2024年6月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4732184-biden-trump-first-presidential-debate/

ジョー・バイデン米大統領とドナルド・トランプ前大統領が木曜日の討論会のステージで激突する。今回の討論会は、ホワイトハウスを目指すレースにおいて、極めて重要な瞬間となるだろう。

有権者の間での熱意は低いにもかかわらず、連邦議員や専門家たちは、アメリカ国民は木曜日の討論会に大いに注目するだろうと予測している。より良いパフォーマンスを見せた人物が、レースが最終段階に進むにつれて大きな勝利を掴む可能性がある。

両候補ともに、年齢や性格に関連した問題から、公職に適しているかどうかについて有権者からの深刻な疑問に直面している。各激戦州の世論調査でトランプにリードされているバイデンは特に、形勢を変える瞬間を必要としている。

シェリー・ムーア・カピト連邦上院議員(ウェストヴァージニア州選出、共和党)は、「非常に重要になると思う」と語った。

カピト議員は、「私たちは他の候補者たちでもこのようなことを見てきた。質問に正しく対処できなかったり、発言を間違えたりする。あなたの答えはかなり重大なものなので、これはかなり一か八かの賭けになる」と述べた。

バイデンとトランプは木曜日の討論会参加資格の要件を正式に満たした。独立候補のロバート・F・ケネディ・ジュニアは資格を逃し、最初の討論会はまさに2020年の大統領選挙候補者討論会の再現となった。

バイデン(81歳)とトランプ(78歳)が世論調査ではほぼ互角の状態で討論会に臨むことになり、この討論会の重要性を際立たせている。

「超党派政策センター」の大統領史専門家テヴィ・トロイは、今回の討論会に対するアメリカ人は熱意が低いが、各候補者の精神的な適性を判断することに人々は注目するだろうと述べた。

トロイは、「たとえ人々が候補者たちに熱意を示さなかったとしても、ステージ上で破綻(meltdown)が起きないかを見たいのだ。そして、破綻には2つのタイプがあると考えられる。トランプが怒りによって破綻する可能性があり、バイデンは年齢によって破綻する可能性がある」と述べた。

木曜日の大統領選挙候補者討論会は、1984年以降では、大統領選挙候補者討論委員会が主催しない初めての討論会となる。そして、今回よりも前となると、1960年に委員会が創設されて以降で、9月下旬まで本選挙のテレビ討論会が開催されたことはなく、木曜日の会談はまさに未知の領域での出来事となり、バイデンとトランプの再戦がどのようになるか、人々に疑問を抱かせている。

ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)は「それは未知数だ」と述べ、期日前投票(early voting)のせいで、討論は予定より早い時期に進められることになったと付け加えた。ケイン議員は、ヴァージニア州では9月中旬に期日前投票が始まる数か月前に、知事選挙と上院議員選挙の討論会が7月に開催されると指摘した。

ケイン議員は続けて、「10月に討論会を開くのはあまり意味がない。期日前投票を行う州に合わせて、カレンダーを早める必要がある」と述べた。

また、来週と9月の2回しか、討論会が開催されないという事実からも関心が高まっていると指摘する人たちもいる。副大統領討論会も開催される予定だが、その重要性は、最も重要なイヴェントに比べると通常は薄れる。

ジョー・クロウリー前連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、「候補者が2人しかいないこと、そして両候補の心構えについての議論や話を考えると、人々はバイデンのパフォーマンスを見たい、トランプがどれだけクレイジーになるかを見たいと考えていると思う。したがって、今回の討論には、大きな関心が集まるだろう」と語った。

ニューヨークの口止め料裁判(hush money trial)で、トランプ前大統領が有罪判決を受けた後も、バイデンはトランプに対して、数字を詰めることができておらず、必要とされている世論調査の伸びを得なければならないという圧力を受けて討論会に臨む。エマーソン大学とザ・ヒルの共同の最新世論調査では、判決を受けて以降、主要な激戦州ではトランプが僅差でリードしており、ディシジョンデスクHQとザ・ヒルの各世論調査集計によると、トランプ前大統領がバイデン大統領を0.6ポイント上回っているということになっている。

CNNのヴァン・ジョーンズは木曜日、今回の討論会はバイデンの負けであり、選挙全体を左右する可能性があると主張した。

ジョーンズは次のように述べている。「私に関する限り、これが選挙の全てだ」と彼は言った。「なぜなら、バイデンが外に出て失敗したら、ゲームオーヴァーだからだ。彼がその場を去って、1週間後に世論調査で数字が下がったら、党内はパニックになる。しかし、もし彼が討論会に参加して、暴走列車、機関車、荒れ狂う雄牛のドナルド・トランプに対して自分自身をうまくコントロールして対処できるならば、バイデンには再び大統領になる資格があるということになる。なぜなら、そのような行動は困難であるからだ」。

視聴者数については賛否両論あり、カピト議員のように、2016年のトランプ大統領とヒラリー・クリントン元国務長官の初討論に匹敵するほどの「大勢の聴衆(huge audience)」が集まると予想する人もいる。

トロイのように、TikTokやソーシャル・プラットフォームXなど、アメリカ人が討論会の良いところにアクセスできる他の方法があるため、他の討論会に比べて数字が低い可能性があると主張する者もいる。

トロイは、「今、素晴らしい瞬間があるとか、失言(gaffe)があるとか、破綻があるなどすれば、たとえ生で見ていなくても、誰もがソーシャルメディアを通じてそれを見ることができる。たとえ視聴者数が少なくても、リーチはより大きいと思う」と述べた。

有権者の考え方を変えるという点での討論会の重要性については、政界でも決着のついていない議論があり、専門家たちは、歴史の主要部分となった討論会もあれば、選挙サイクル全体の中では大失敗に終わった討論会もあると指摘している。

前述のトロイは「議論会が実際にどれほどの頻度で重要になったかという一般的な疑問がある。レースには、レースで何が起こるかを決定する構造的な要素があり、討論会で物事を変えることができるだろうかと疑問に思っている」と述べている。

トロイは、ミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)が2012年にオバマ前大統領との初討論会で素晴らしい勝利を収めたが、結局その選挙戦では敗北したと指摘した。一方で、ロナルド・レーガン元大統領がウォルター・モンデール元副大統領の「若さと経験不足(youth and inexperience)」に「付け込む(exploit)」しないと発言して話題となった1984年の討論会など、討論会が重要な時期は他にもあった。

それにもかかわらず、木曜日の討論会は民主、共和両党の全国大会に先立って行われる、選挙戦にとっての最初の重要な瞬間であることに変わりはない。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は本誌に次のように語った。「今回の討論会は大きい。見られることを喜んでいる。私たちは両党の候補者が誰になるかを知っている。彼らに直接対決させるのは良い試みだ。私は全面的にそれに賛成だ。良いことだと思う。彼らに議論してもらい、それを見ることにしよう」。

ウォーレン議員は、早期のイヴェントは「誰もが、ドナルド・トランプがドナルド・トランプであることを間近で見る機会」を与えることになるので、バイデンの再戦にとって有益だと主張した。

「それが今度の選挙で最大の争点になると思う」とウォーレンは語った。

ウォーレンは続けて「この2人がどのような人物なのか、もう一度皆さんに思い出して欲しい。それがこの討論会で明らかになるであろうものであり、まさに彼らが芯の部分でどのような人物なのかということが分かるだろう。私はこれについてかなり楽観している」と述べた。

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ロバート・F・ケネディ・ジュニアはCNN主催の討論会のステージに立てず憤慨(RFK Jr. lashes out after failure to make CNN debate stage

ジュリア・ミュラー筆

2024年6月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4731707-rfk-jr-lashes-out-failure-make-cnn-debate-stage/

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは木曜日、6月27日の討論会がジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の直接対決になるとCNNが発表したことを受けて、激しく非難した。CNNは、無所属のホワイトハウスに向けたレースの有力候補をステージから外した。

ケネディは陣営の発表した声明の中で、「バイデン、トランプ両大統領は、私が討論会の舞台に立つことを望んでおらず、CNNは彼らの要求に不法に同意した。バイデン大統領とトランプ大統領による私の討論会からの排除は非民主的で、非アメリカ的で、卑劣だ」と述べた。

バイデンとトランプだけが、大統領選挙のサイクルの最初となる来週の大統領討論会への正式な出場資格を獲得したとCNNは木曜日に発表した。

ケネディはこの討論会の参加資格獲得を目指して奔走していたが、期限を前にして、バイデンとトランプが既にクリアしている、世論調査と代議員数の基準を達成する可能性は低いと見られていた。

CNNは、ジェイク・タッパーとダナ・バッシュが司会をする、今回の討論会に参加する条件として、候補者が4つの全国世論調査で15%の支持を獲得し、総選挙人投票数270(大統領当選に必要な最低数)を獲得するのに、十分な場所(全州とワシントンDC)に宣言された候補者として登場することを要求した。無所属として、ケネディは各州で投票用紙に名前を記載してもらえることに関して、上り坂を経験してきた。

ケネディは、CNNがバイデンとトランプと「共謀(colluded)」して、ケネディをステージから遠ざけたと主張して、連邦選挙委員会(FEC)に告発状を提出しており、ケネディ陣営は木曜日、CNNのバイデンとトランプの討論会は「明らかな連邦選挙法違反()a clear violation of federal law」であるとの主張を繰り返した。

ケネディ陣営は木曜日に声明を発表し、その中で次のように述べている。「もし討論会がケネディなしで進められた場合、ケネディ陣営は、このような非民主的で非アメリカ的な(undemocratic and un-American)行為が今後二度と起こらないようにするため、この違法行為に対する裁きを得るために必要な限り、この問題を追及するつもりである」。

本誌は、ケネディ大統領の発言についてCNNにコメントを求めた。

それぞれの党の候補者とされるトランプとバイデンは、来週、2020年の選挙戦の再選を行う予定となっている。前回の選挙戦での2人の候補者間の討論は、侮辱、中断、司会者との衝突によって特徴づけられた。

ABC910日に第2回討論会を主催する予定だ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領の支持率がある世論調査で33%という衝撃の数字となった。これは驚くべきことだ。ドナルド・トランプ大統領時代も30%台ということがあり、民主党側は鼻で笑っていたが、民主党から出たバイデン大統領のこの支持率低迷は民主党にとっては笑えない、深刻な事態である。

 その原因は簡単で、新型コロナウイルス感染拡大が終息せず、かえって拡大している状況で、インフレーション率が高くなり、人々の生活は苦しくなっている。これでは支持率が高くなることの方が難しい。悪い材料がこれでもかと襲い掛かってきているのだ。

 バイデン大統領の新型コロナウイルス感染拡大対策も経済対策も、支持している人の割合は50%を割り込んでいる。共和党支持者が不支持と答えるのは当然であるが、今では民主党支持者の中に不支持が大きくなりつつある。バイデン大統領は四面楚歌という状況だ。

 バイデンが頼みの綱にしているビルド・バック・ベター法案の可決の前途は暗い。このブログでもご紹介しているが、民主党内部の争いが激化している上に、ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)が法案に反対を表明しているので、今のままでは49対51で否決され、法案は葬り去られることになる。

 バイデン政権としてはまずはインフレーション率、物価高を何とかしたいところだ。そのためにはガソリン備蓄の放出を行うなど努力をしているが、トンガでの大規模な火山爆発がどのような影響を与えるか、特に火山灰によってオーストラリアや南米諸国の農産物がどのような影響を受けるかは、アメリカや日本にも大きく関わってくる。

 今年実施される中間選挙まであと10ヶ月はあるので、その間に何とかしたいところだ。バイデン政権と民主党としてはインフレーションを何とか早期に解決して、中間選挙に臨みたいところだ。

(貼り付けはじめ)

キュニピアック大学の世論調査の結果によると、バイデンの支持率が33%を記録(Quinnipiac poll shows Biden with 33 percent approval rating

ブレット・サミュエルズ筆

2022年1月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/589450-quinnipiac-poll-shows-biden-with-33-percent-approval-rating?utm_source=thehill&utm_medium=widgets&utm_campaign=es_recommended_content

水曜日に発表されたキュニピアック大学の世論調査によると、バイデン大統領の仕事ぶりを支持しているアメリカ人はわずか3分の1にとどまり、バイデン大統領にとって過去最低の数字となった。

今回の世論調査の結果は、バイデンの支持率が36%だった2021年11月からわずかに低下していることが明らかになった。バイデンの支持率は、過去数ヶ月間に発表された、複数のキュニピアック大学の世論調査の度に低下し続けており、バイデンにとっては厳しい傾向が続いている。

また、物価の上昇、新型コロナウイルスの蔓延、民主党内の不和など、取り組むべき難題が次々と浮上し、バイデンが求めるビルド・バック・ベター法案関連政策の進展が進まない中、世論調査の数字が低迷しているのは、より大きな傾向となっている。

水曜日に発表された世論調査の数字はバイデンにとって厳しいものとなった。その理由は、主に無党派層からの低い評価によるもので、バイデンの仕事ぶりに不支持と答えた人が57%で、賛成は25%だった。

バイデンは、民主党支持者からの支持率も202111月の87%から最新の世論調査では75%に落ち込んでいる。

今回の世論調査によると、登録済み有権者のうち、35%がバイデンの仕事ぶりを支持し、54%が不支持と答えた。

また、バイデンの支持率低迷に影響を与えたのは、回答者の過半数が彼の重要な問題への対処を支持しないと答えたことだ。

今回の世論調査では、バイデンの経済対応に57%、外交政策対応に54%、かつてバイデンにとって一貫してプラスの話題であった新型コロナウイルス感染拡大への対応に55%が不支持と答えている。

しかし、この世論調査は、中間選挙を目前に控え、バイデンが楽観的である理由を示している。今回の調査によると、回答者は連邦下院でどちらの政党が過半数を獲得することを望むかで分かれ、43%が共和党を、42%が民主党を支持している。連邦上院では、45%が共和党、41%が民主党の過半数獲得を望むと答えた。

キュニピアック大学の世論調査は1313名の成人を対象に、1月7日から10日にかけて実施された。今回の世論調査は、連邦議会襲撃事件1周年に関するバイデンの演説の後に実施された。誤差は2.7ポイントだ。

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世論調査の結果によると、バイデンの新型コロナウイルス感染拡大対応を支持している人は45%(Poll finds 45 percent back Biden's handling of pandemic

アレックス・ガンギターノ筆

2022年1月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/589497-45-percent-of-americans-approve-of-bidens-handling-of-pandemic-new

最新の世論調査は、バイデン大統領が長い間大統領の重要課題とみなしてきたコロナウイルスの大流行に対するホワイトハウスの対応を有権者がどう見ているかについて、ホワイトハウスにとっては悪いニュースとなっている。

ニュースネイションが木曜日に発表した世論調査の結果によると、過半数を少し下回るアメリカ国民がバイデンの新型コロナウイルス感染拡大対応を支持している。

今回の世論調査では、登録済み有権者の45%がバイデンによる新型コロナウイルス感染拡大対応を支持し、55%が不支持と答えた。更に、新型コロナウイルスに関するバイデン大統領からの情報を信頼すると答えた人はわずか16%、大統領の医療分野における最高顧問であるアンソニー・ファウチからの情報を信頼すると答えた人は31%だった。

バイデンの大統領としての全体的な仕事ぶりについては、58%のアメリカ人がやや高い割合で不支持と答えた。

木曜日の世論調査の数字は、水曜日に行われたキュニピアック大学の世論調査に続くもので、バイデンの仕事ぶりを支持するアメリカ人はわずか3分の1であり、これは大統領にとっての最低記録を更新するものとなった。

ホワイトハウスは、水曜日に発表された、インフレーション報告書にも取り組んでいる。その内容な惨憺たるものだった。12月の消費者物価は前年同月比で7%上昇し、過去40年近くで最も急速な物価上昇を示した。

木曜日に発表された世論調査の結果によると、有権者の92%がインフレーションについて懸念を持っており、より大きな懸念している問題について質問されると、45%がインフレーションと答え、41%が新型コロナウイルス、14%が失業と答えた。

40%の人々が1年前に比べて経済的に厳しくなったと考えていると答えた。

過半数を超える52%の人々は新型コロナウイルス感染拡大は終息しないと考えていると答え、30%は1年以内に終息すると考えていると答えた。7%は既に終息していると答えた。80%が現在でも新型コロナウイルス感染拡大について懸念を持っていると答え、20%は懸念を持っていないと答えた。

ニュースネイションの世論調査はデシジョン・デスク・HQニュースによって、1013名の登録済有権者を対象に2022年1月10日に実施された。誤差は3.1ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。
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 2021年9月に入り、ジョー・バイデン大統領の支持率が低下している。各種世論調査で支持率が5割を切り、第一期目の大統領としては低いレヴェルに入った。以下のグラフの通りだ。

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 バイデン政権は新型コロナウイルス感染拡大対策を最優先テーマと掲げている。3月の段階では対策への支持も高かったが、バイデンが事業所などでのワクチン義務化を発表すると、支持は下がった。また、「アメリカを団結させる」というバイデンの公約についても、実現していないと考えている有権者が多いことも分かった。
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 ピュー・リサーチセンターの詳細な調査結果で興味深かったのは、バイデンに「精神的な元気(mentally sharp)」な様子がないと考えている人が6割近くいるということだ。バイデンは史上最高齢でアメリカ大統領に初当選した人物であり、日本で言えば後期高齢者である。自民党所属の麻生太郎副総理兼財務相、二階俊博幹事長と同じ世代であるが、背負っている責任や仕事はけた外れに多い。アメリカ大統領は激務であり、就任して1年もしない段階で既にへばっているということになるだろう。

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 そこで考えられるのは、バイデンが大統領職を一期だけで退くということだ。人気はまだ3年以上も残っているので、途中でギヴアップ(病気などで)ということも考えられる。来年の中間選挙の結果いかんではバイデンの二期目という話はなくなってしまうだろう。普通であれば、副大統領が後継として出てくることが考えられるが、カマラ・ハリスの人気も低い。元々支持率が5割を切っていて、現状はそのままなので、バイデンの支持率急落が目立つが、元々人気がないというところがカマラ・ハリスの根本的な問題だ。

 新型コロナウイルス感染対策とアフガニスタンからの撤退によって、バイデンの支持率は大幅に下がっている。共和党支持者からの支持はほとんどない状況であり、拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』で指摘したように、「アメリカ国内の分断」は深刻化する一方だ。

(貼り付けはじめ)

ピュー・リサーチセンターの最新の世論調査の結果では、バイデンの支持率は44%に下落(Biden approval sinks to 44 percent in new Pew poll

モーガン・チャルファント筆

2021年9月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/573668-biden-approval-sinks-to-44-percent-in-new-pew-poll

ピュー・リサーチセンターが発表した最新の世論調査の結果によると、アメリカの成人の44%がバイデン大統領の大統領としての仕事ぶりを評価している一方で、53%は評価していないということが分かった。7月から支持率は急落している。

2カ月前のピュー・リサーチセンターの世論調査の結果は、バイデンの仕事ぶりを55%が評価し、43%が評価しないというものだった。バイデンの民主党員や民主党支持者の間での支持率は、7月の88%から75%となり、13ポイントも下落した。共和党員や共和党支持者の間での支持率は17%から9%に下落した。

まとめると、民主、共和両党の選挙で選ばれた政治家たちの支持率は下落している。今回のピュー・リサーチセンターの世論調査は9月13日から19日にかけて実施され、調査対象者は1万371名のアメリカの成人であった。

ピュー・リサーチセンターの調査では、今年4月以降、連邦議会共和党への支持率は5ポイント低下したが、連邦議会民主党への支持率は11ポイントも下落した。

バイデンは、新型コロナウイルスワクチン接種を受けていない何百万人ものアメリカ人の間でコロナウイルスが再流行していることや、アフガニスタンからのアフリカ軍撤退から混乱が起きていることから、大統領としての難しい局面を迎えています。

ホワイトハウスはまた、バイデン大統領の経済政策を議会で可決させるために、連邦議会民主党をまとめようとしているが、政策パッケージの内容や規模、時期をめぐって穏健派と進歩派が対立しているため、困難さが増しているのが現状だ。

今回の世論調査の結果には、バイデンにとって良いニュースもいくつか含まれている。彼の経済提案については多くの人々に支持されており、それは過去の世論調査の結果と変わらない。ピュー・リサーチセンターの今回の世論調査によると、連邦上院が可決した1兆2000億ドル(約132億円)規模の超党派のインフラ整備法案を51%が支持している。反対は20%だ。残りの29%は「分からない、知らない」と答えた。

一方、3兆5000億円(約385億円)規模の経済対策案には49%が賛成し、反対派25%、「分からない、知らない」と答えたのは25%だった。

共和党側はバイデンの税制提案について批判しているが、今回の世論調査では、66%が大企業への増税に賛成し、所得が40万ドル(約4400万円)以上の世帯への増税に61%が賛成している。

個別の問題では、バイデンの新型コロナウイルス対応への支持が3月の65%から最新の四調査では51%に下落している。それでもまだ過半数の支持を得てはいる。経済政策については48%が「ある程度」もしくは「強力に」支持していると答えている。51%が「全く」「それほど」支持していないと答えた。

外交政策については、45%が「ある程度」もしくは「強力に」支持すると答え、54%が支持しないと答えた。そして、バイデンがアメリカをより団結させるかという質問には、34%だけが「ある程度」もしくは「強力に」そう考えると答え、66%が躁は考えてないという結果となった。アメリカをより団結させるというのはバイデンの主要な選挙公約の一つだった。

ピュー・リサーチセンターの世論調査は、今週初めのギャロップ社の世論調査に続いて結果発表となった。ギャロップ社の調査でバイデンの支持率は43%となり、これは大統領一期目の支持率としては、同社の歴史で最も低い数字となった。

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ギャロップ社の世論調査で、バイデンの支持率が43%となり、記録的な低さとなった(Biden approval rating drops to record low 43 percent in Gallup polling

セリーヌ・キャストロヌオヴォ筆

2021年9月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/573367-biden-approval-rating-drops-to-record-low-43-percent-in-gallup

水曜日に発表されたギャロップ社の世論調査の結果によると、大統領就任から8カ月経過してのバイデン大統領の支持率は43%に下落した。この数字はギャロップ社が調査を開始して以降、第一期目の大統領の数字としては最低レヴェルとなった。

ギャロップ社の調査は2021年9月1日から17日にかけて実施され、バイデンの大統領としての仕事ぶりに対して、初めて過半数が不支持という結果になった。アメリカの成人の53%が彼の大統領としての仕事ぶりにマイナスの評価をすると答えた。

バイデンの支持率は民主党支持者の間では、今月は90%とこれまで最低の数字となったが、それでも高いレヴェルを維持した。共和党支持者の間での支持率は、今月は6%にとどまった。それでもこれまで最も高い数字となった。

無党派の有権者の間では、バイデン政権発足以来最低の数字となる37%の支持率を記録した。就任して1カ月の数字である61%から大幅の下落を記録した。

最新のギャロップ社の世論調査は、アフガニスタンからのアメリカ軍の撤退の後に実施された。バイデンはアフガニスタンからのアメリカ軍の完全撤退を行おうとした。アフガニスタンはタリバンの急速な権力掌握の中にある。20年前、アメリカ軍はこの軍事力を持ったグループを追い落としたが、彼らは再び権力を掌握した。

バイデンは、アメリカ人とアフガニスタン国内で危険に晒される可能性の高いアフガニスタン人の退避で混乱を起こしたとして、民主、共和両党から批判を受けた。特に、イスラム国のアフガニスタン国内のグループがカブール空港で爆弾による自爆テロを実行し、13名のアメリカ軍将兵と少なくとも169名のアフガニスタンの一般市民が殺害された事件の発生後に批判の声が高まった。

バイデン大統領は8月31日までにアメリカ軍の完全撤退を完了するとした自身の決断は正しかったと擁護し続けている。アフガニスタン国内に残っているアメリカ人とアフガニスタン人の協力者たちの退避の努力は続けられており、外交的手段によってそれらの対比はより安全に実施されるだろうとバイデンは主張している。

ギャロップ社による調査が実施されている期間中、バイデンは複数のワクチンの義務化計画について発表し、いくつかの州の共和党所属の指導者たちによって批判された。100名以上が雇用されている事業所は労働者全員に新型コロナウイルスワクチン接種か毎週の検査を義務付けると発表したが、それに対して批判が起きた。

共和党の政治家たちや経済団体からは義務化は、政府による行き過ぎ(government overreach)だと非難した。また、先週、共和党に属する24州の州司法長官が、被雇用者に対するワクチン義務化を行うならば、バイデンに対して訴訟を提起すると反撃した。

ギャロップ社の世論調査の結果でバイデンへの支持率が低いことが分かったが、先週発表されたキュニピアック大学の世論調査の結果では支持率は42%だった。そして、50%が不支持だった。

加えて、月曜日に発表されたハーヴァード大学CAPS・ハリス社共同世論調査の結果では、アメリカの有権者の間でのバイデンとトランプ副大統領の好感度は同率となった。

水曜日に発表されたギャロップ社の調査は、無作為に抽出された1000名以上のアメリカの成人を対象に実施された。誤差は4ポイントだ。

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最新の世論調査の結果で、バイデンの支持率は42%に下落(Biden approval rating slips to 42 percent in new poll

モニーク・ビールス筆

2021年9月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/572235-biden-approval-rating-slips-to-42-percent-in-new-poll

最新の世論調査の結果、アメリカの成人の半数がバイデンに対して不支持を表明している。バイデンが大統領に就任して以来、初めて、「マイナス領域」に入った。

本日、アメリカの成人を対象に実施した、キュニピアック大学の世論調査の結果が発表された。調査に参加した人の42%がバイデンの大統領としての仕事ぶりを評価し、50%が評価しなかった。

新型コロナウイルス対策については複雑な結果となった。バイデンは幅広いワクチン義務化を課そうとしている中で、対策への支持が48%、不支持が49%となった。

アフガニスタンからのアメリカ軍撤退を受けて、バイデンの外交政策についての支持率は大幅に下がった。

バイデンの外交政策への支持率は34%にとどまり、59%が不支持と答えた。8月の時点では、支持率と不支持率はそれぞれ44%だった。

今回の世論調査の結果によると、6割以上人たちが、アメリカ軍はアフガニスタンに戻らねばならないと答えた。しかし、7割の人たちがアフガニスタンからのアメリカ軍撤退は正しい決定だと考えている。

気候変動対応についてはバイデンの支持・不支持はだいたい半分となっている(支持率は42%、不支持率は44%)となっている。一方で、経済対応についてはマイナスの評価(支持率は42%、不支持率は52%)となっている。

キュニピアック大学は2021年9月10日から13日にかけてアメリカの成人1210名を対象に世論調査を実施した。誤差は2.8ポイントだ。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 2021年5月29日に発売になった最新刊『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』(秀和システム)を是非お読みください。

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悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

 ジョー・バイデン大統領の世論調査の結果についての記事をご紹介する。全体では支持率60%ということになる。下の記事に掲載されているより詳しい結果を見ていただくと、性別、人種別、地方別、住んでいる場所の種類別、年収別、学歴別、支持政党別のより詳しい数字が出ている。性別では男性の方が女性よりも支持率が高い。人種別では非白人(アフリカ系、アジア系、ヒスパニック系)の方が白人よりも支持率が高い。地方ではアメリカ西部(太平洋沿岸)、住んでいる場所では都市部、年収では7万5000ドル以上、学歴では4年制大学卒以上でバイデン支持が高い。支持政党別では、民主党支持で94%、共和党支持では23%であった。女性の人気が低い理由はどうしてなのかが分からない。
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 政策分野別では、経済対策では57%の支持、雇用対策で57%、テロリズム対策で56%、移民対策で49%、外交で53%、政府の運営で59%、新型コロナウイルス感染対策で68%だった。新型コロナウイルス感染対策は評価が高いが、外交政策では評価が低いという結果になった。最も評価が低いのは移民対策ということで、カマラ・ハリス副大統領を責任者に任命した。概して国内政策の方が外交政策に比べて評価が高いが、これは、国内政策会議委員長に任命したスーザン・ライスの功績ということになるだろう。スーザン・ライスについては拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』で詳しく取り上げている。

 バイデン政権は600兆円規模の予算を提案し、雇用と経済浮揚を目指している。しかし、これには赤字国債とインフレの問題が付きまとう。「ある程度のインフレ率まで国債発行しそれを財源に回しても構わない」というMMT理論については、賛否両論ある。現在の日本はMMT理論を実践しているという状態であるが、物価上昇率は目標の2%に遠く及ばない。アメリカではインフレ懸念が高まっているが、建材が回復しきらないうちにインフレになるということは人々の生活に大きな負担を強いるということになる。ここの見極めが重要だ。

 バイデン大統領はかなりリベラル派、進歩主義派に近い政策を実行しているが、民主党内部の保守派(ブルードッグ)や共和党側とどのように折り合いをつけるか、その政権運営が注目される。

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世論調査:大統領としてのバイデンの仕事ぶりに60%が承認を与えた(Poll: 60 percent approve of Biden's job as president

ガブリエラ・シュルト筆

2021年5月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/554855-poll-60-percent-approve-of-biden-as-president

最新の『ザ・ヒル』誌・ハリスX社の共同世論調査の結果によると、バイデン大統領のホワイトハウスでの働きについて10名の内6名が認めているということが分かった。

2021年5月17日から19日にかけて、登録済の有権者を対象に実施された世論調査の結果では、60%が大統領としてバイデンの働きぶりを認めている。4月26日から28日にかけて実施された世論調査の結果とほぼ同じだった。

今回の世論調査の結果では、バイデンの新型コロナウイルス感染拡大対応に対して最も高い支持が与えられているが、移民対策については最も低い支持しか与えられていない。新型コロナウイルス感染拡大には68%が支持を与え、移民対策については49%が支持を与えた。

59%がバイデンの政権による統治の仕事ぶりを認めた。

経済対策と雇用創出に対しては57%、テロリズム対策には56%が支持を与えた。

イスラエルとハマスとの間での暴力衝突が発生して以降に今回の世論調査は発表されたが、バイデンの外交対応についての支持率は56%から53%に微減であった。

両者の停戦合意は木曜日に発表された。

最新の『ザ・ヒル』誌・ハリスX社の共同世論調査は1889名の登録済の有権者を対象に実施された。誤差は2.25ポイントである。

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 前回、2016年のアメリカ大統領選挙の投開票日の特集番組での専門家たちの様子を覚えておられる方も多いだろう。アメリカは国内時差の関係で、東部から順に投票が締め切られ、開票作業が始まる。カリフォルニア州では投票が続いていても、ニューヨーク州では開票作業が始まるという具合だ。それで、東部の各州から結果が出る。

 アメリカ東海岸の各州でヒラリーが順調に勝利を収めていたが、副大統領候補だったティム・ケイン連保上院議員の出身州ヴァージニア州で大接戦ということでおやおや、とまずなり、フロリダ州でもまだ結果が出ない、あれあれとなり、やがて、フロリダ州でトランプ勝利となった。専門家たちは、まだ余裕で、ヒラリーは五大湖周辺州で勝利すると言っていた。やがて、五大湖周辺州での結果が出てくると、専門家たちは顔面蒼白、もしくは顔面が真っ赤になり、番組はお通夜状態になった。

 この専門家たちの気持ちは分かる。自分たち自身は調査手段を持たない、判断の基準にするのは各種世論調査しかない、それらの結果ではヒラリーが勝っていたではないか、ということになる。前回の選挙から、世論調査の結果の正しさについて懐疑的な見方がより多く出るようになった。

 今年の大統領選挙に向けて数百、数千の世論調査が実施されてきた。日本でも「バイデン氏大量リード」というニュースが流されてきた。その根拠となっているのが、各種世論調査の数字だ。ところが、この数字の信頼性が揺らいでいる。そうなるとその報道内容自体も揺らぐことになる。日本に住んでいる専門家の場合、私たち素人とそんなに変わらない。アメリカでの報道を見て、各種世論調査の数字を見て、判断するしかないのだ。
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青色(民主党の色)がバイデン、赤色(共和党の色)がトランプ

 だから、専門家たちは前回の大どんでん返しで痛い目に遭ったので、バイデンが勝利確実とは言わない。「バイデン氏が有利だと思いますが、何が起きるか分かりませんのでねぇ」とお茶を濁す。本当に誠実な態度ならば、「私には判断できません、世論調査の数字も当てになりませんので、そうなると判断基準がないので」と答えるところだろうが、それではテレビに呼ばれないし、雑誌にも書かせてもらえない。

 こうした混乱を引き起こしているのは、「隠れトランプ支持者(hidden Trump voters)」「恥ずかしがり屋のトランプ支持者(shy Trump voters)」という考えだ。これは、トランプ支持者たちは世論調査に対して素直に答えない、もしくは回答を拒否する、ということで、実態がつかめない、だから世論調査の数字も実態を反映していない、というものだ。これを何とかあぶりだそうとして、世論調査専門家たちは苦労している。それで生み出されたのが、「(皆さん自身ではなく)皆さんが関係している人たちは誰に投票すると思いますか?」「その結果として誰が勝つと思いますか?」という質問だ。

 この質問の結果になると、トランプの数字が良くなる。回答者たちは「自分はバイデンに入れるよ、だけど、自分の周りの人たちはトランプに入れるだろう」という答えなのだろうし、もっと言えば、自分も本当はトランプ支持なのだが、「周りの人たち」の中に自分も入れて答えている可能性も高い。

 今回の選挙結果と世論調査の結果の乖離を調査研究して、世論調査の実態や正確性についてより広範な議論が出ることを期待したい。信頼性の低い世論調査の数字はおおきに迷惑な話なのだから。

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トランプにとって良い結果が出た各種世論調査の存在によって、世論調査業界において議論を巻き起こしている(Positive Trump polls spark polling circle debate

ジョナサン・イーズリー筆

2020年10月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/523426-positive-trump-polls-spark-polling-circle-debate

ほとんどの世論調査機関や組織は、民主党の大統領選挙候補者ジョー・バイデンが大差のそして安定的なリードをトランプ大統領に対してつけている結果を示している。現在までに既に数千万人が既に投票を済ませており、選挙戦の流れを変える時間は残されていない。

いくつかの、逆張りの(へそ曲がりの)世論調査機関や組織は、トランプへの支持は実体よりも小さい形でしか世論調査の数字に反映されておらず、選挙のアナリストたちは選挙の投開票日に再び恥ずかしい間違いをすることになるだろうと確信している。

争いはソーシャル・メディアにまで出てきている。高名な政治アナリストたちの中には、トランプがバイデンをリードしているという結果を示した世論調査について退けたことで、争いが始まった。

「トラファルガー・グループ」は2016年の大統領選挙投開票日にミシガン州とペンシルヴァニア州でトランプがリードしているという結果を発表した、唯一の無党派組織であった。トラファルガー・グループは、今回の大統領選挙でも両州でトランプがリードしているという調査結果を出している。両州は今回の大統領選挙における選挙人獲得レースでもカギを握ることになる。トラファルガー・グループ以外のほぼ全ての機関や組織の結果では、両州でバイデンが安定したリードを保っている。

トラファルガー・グループのロバート・カハリーは、隠れトランプ向け投票(hidden Trump vote)が存在し、これは各種世論調査では調査対象にならないものだと述べている。そうなると、各種世論調査の結果は、バイデンのホワイトハウスへの道が滑らかなものであるということを示すことになる。

カハリーは次のように述べた。「前回に比べて、“恥ずかしがりのトランプ支持有権者たち”の数は増えています。これは疑いようのないことです。世論調査業界は2020年も破滅的な間違いへと進むことは十分に可能性のあることです」。

「ファイヴサーティーエイト」のネイト・シルヴァーと「クック・ポリティカル・レポート」の編集者デイヴ・ワッサーマンはトラファルガー・グループのカハリーが実施している世論調査の精度について大きな疑問を示している。

両者はトラファルガー・グループの世論調査のクロス集計について詳しく調査し、実施している世論調査についてトラファルガー・グループが関知していない、いくつかの疑問点を、精度の低さの証拠として発表した。例えば、民主党優位のミシガン州で実施したある世論調査(インターネット上からは既に削除されている)では、トランプがバイデンを8ポイントリードという結果であったが、そのクロス集計に問題があったとしている。

「ノース・スター・オピニオン・リサーチ」に所属している共和党系の世論調査専門家ジョン・マクヘンリーは次のように述べている。「トラファルガー・グループは、“独自仕様のデジタル方法論(proprietary digital methods)”を公表していないので、彼らが行っていることを正当に評価することは不可能です。これからの1年、トラファルガー・グループは成功するか失敗するかの分岐点にあり、大失敗の可能性も十分にあります。私たちは彼らが正しかったとしても間違っていたとしても、その結果について記憶し続けることでしょう」

ファイヴサーティーエイトが提示しているモデルではトランプ勝利の可能性は11%で、これはポーカーでインサイドストレートを引く確率とほぼ同じである。2016年の大統領選挙投開票日当日のトランプの勝つ確率は30%だった。

現在のバイデンは、4年前の10月末の段階でのヒラリー・クリントンに比べて、より大きなリードをつけている。各種世論調査では、トランプは2016年に勝利をもたらしてくれた各有権者グループでの支持率において劣勢に立っている。いくつかの結果ではかなり厳しい状況にある。バイデンはヒラリー・クリントンに比べて、人気の高い候補者である。

マクヘンリーは、私自身は、自分たちの投票先について偽る、「恥ずかしがり屋の(shy)」トランプ支持の有権者の数はそんなに多くないと考えていると発言している。

そうではなく、「歪んだ回答率パターン(skewed response rate pattern)」についての懸念は存在する。これは、トランプ支持の有権者は世論調査に参加する、もしくは世論調査機関からの電話に答える、ということがより少ないというものだ。

マクヘンリーは、そのようなことがあったとしても、それが自動的にトランプに有利に働くものではないと指摘している。ペンシルヴァニア州では、民主党支持者の方が回答したがらないということをまくへりーは認識している。

マクヘンリーは次のように述べている。「世論調査に対して回答をするかについての偏り(バイアス、bias)が全くないとは言えません。しかし、私はその存在、影響の大きさについては懐疑的です。私たちが現在目撃している、トランプがバイデンに全国規模の調査でつけられている大きな差については、それだけで説明ができるというものではありません」。

つまり、トラファルガー・グループは世論調査について、ただ一つの逆張りの(へそ曲がりの)世論調査機関や組織ではない。「他の機関はトランプ支持の有権者を調査できていない」と主張する世論調査機関や組織は他にも存在する。

「サスケハナ・ポーリング・アンド・リサーチ」のジム・リーもまた「水面の下に隠れている(submerged)」トランプ支持有権者理論を主張している。

サスケハナが発表した最新のウィスコンシン州での世論調査の結果では、トランプとバイデンは同率であった。この結果は、今年の8月以降にウィスコンシン州で実施された世論調査の結果の中で唯一、バイデンがリードをしているという結果以外のものであった。今年の8月、トラファルガー・グループはウィスコンシン州でトランプが1ポイントリードしているという結果を発表した。フロリダ州では、サスケハナは、トランプが4ポイントリードしているという結果を発表した。一方、ファイヴサーティーエイトの平均では、バイデンが2ポイントのリードであった。

ジム・リーは今週のWFMZのテレビ番組「ビジネス・マターズ」に出演し、次のように述べた。「人種差別主義者と呼ばれる人物に投票しようという考えを表に出して発表したくないと考えている有権者が多くいるんですよ。このような水面下に隠れているトランプ支持の有権者の存在は本物なんです。私たちはそうした人々を世論調査において捕捉できていますが、他の人たちがそれをできていないことには失望しています」。

南カルフォルニア大学(USC)ドーンサイフ・センターは、定期的に行っている全国規模の世論調査の結果を発表している。そして、その中で「実験的な」質問をいくつか設定している。それは、「調査対象者が、自分が社会的に関係を持っている人たちが誰に投票すると考えるか、そして、自分の居住している州で誰が勝利すると考えるか」というものだ。

2016年、USCドーンサイフ・センターは全国規模の世論調査でトランプがリードしているという調査結果を出した数少ない機関としてメディアの関心を集めた。ヒラリー・クリントンは全国規模での得票総数で勝利し、USCは後に方法論を修正した。USCは、前回の選挙で地方在住の有権者をサンプルで選んだと主張した。

今回の大統領選挙について、USCドーンサイフ・センターの最新の全国規模の世論調査では、バイデンが11ポイントリードしているという結果が出ている。

しかしながら、有権者に対して自分たちの社会サークルについての質問になると、その差は5ポイントに縮まり、自分の住んでいる州の自分以外の有権者が誰に投票するかという質問になると、1ポイントにまで縮まっている。この調査が示しているのは、2020年の選挙人獲得数でトランプが再び勝利するだろうということだ。

USCドーンサイフ・センターは、社会サークル関連質問は、2016年の大統領選挙と2018年の連邦下院議員選挙を含むこれまでの5つの選挙において、「自分自身の考え」関連質問よりも、実態を示すのにより良い指標となっていると指摘している。

「サンタ・フェ研究所」のミルタ・ギャレシックは、USCの世論調査においていくつかの質問を新たに加えその効果について研究している専門家だ。ギャレシックは、全国規模で実施した世論調査での、各州レヴェルでの結果でトランプが選挙人獲得数で勝利するというものが出ていることについて、懐疑的な見方を示した。

USCドーンサイフ・センターの全国規模の世論調査には5000名が参加したが、それぞれの州で見るとその数はもっと小さくなる。激戦州でもそれは同じだ。そうなると、その州だけを対象にして実施した世論調査に比べて、州レヴェルでの結果は正確性が低いものとなってしまう。

「私たちは、そうした少ない調査サンプル数の中で、社会サークル(訳者註:仕事関係、友人関係、ご近所関係など)に関する質問は、自分の投票意思に関する質問よりも、より正確な州レヴェルの結果予想を生み出すと期待しています。それは、社会サークル関連質問はより多くの情報を提供してくれ、各州でのサンプル数は少ないという偏りを解消してくれることになるからです。しかし、それだからと言って、社会サークル関連質問への回答結果に基づいた予測が、一州だけを対象にした大規模な世論調査よりも正確性が高いということを意味するものではありません」。

加えて、ギャレシックは、社会関連については、新型コロナウイルス感染拡大もあり、極端に正当性が揺らいでおり、有権者の関連している社会サークルについて信頼性の高いデータを集めることが難しくなっていると述べている。ここ数カ月、人々の社会関係は劇的に小さくなっている。

ギャレシックは更に、2016年の亡霊が今でも、多くの有権者に対して、2020年の選挙で自分の友人や家族が誰に投票するかについて考える際に、大きな影響を与えていると述べている。2016年の段階で既に選挙に関する大きな動きは劇的に変化しているのだ。

ギャレシックは次のように述べている。「バイデンのチャンスについて民主党支持者の間で悲観が起きており、一方、トランプのチャンスについて共和党支持者の間で楽観が起きています。こうした状況は、トランプ支持の有権者たちが各種世論調査で調査対象から外れているという考えを広げることを助長しています。これらのことを総合して考えると、こうした考えは、社会サークル関連質問、自分が関わっている人たちは誰に投票するかということを有権者が考える際に、トランプ大統領の名前を挙げることを多くすることで、トランプ、バイデン両候補の間の差を小さくすることにつながっているのです」。

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副島先生新刊書影

金とドルは光芒を放ち 決戦の場へ (単行本)

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アメリカ政治の秘密
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