古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:予備選挙

 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)が発売になりました。アメリカ政治についても分析しています。是非手に取ってお読みください。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 アメリカ大統領選挙に関しては、現在のところ、各種世論調査を見てみると、トランプが僅差で優勢、バイデンが追う展開となっている。私は2024年大統領選挙はジョー・バイデンが勝利するが、それによってアメリカは混乱に陥る、分断が深刻化すると考えている。そのことを最新刊でも書いた。バイデンがやはり現職大統領であり、政治の世界でのキャリアが長く、政治の裏も表も知り尽くしているということは、合法・非合法あらゆる手段を取ることができるということになる。

 しかし、バイデンの不人気ぶりは目を覆うばかりだ。問題は、2020年の大統領選挙で、バイデンの当選に貢献した有権者層や有権者グループでの支持率が落ちていることだ。このブログでもご紹介したが、バイデンを大統領に押し上げたマイノリティ、特にアフリカ系アメリカ人、ヒスパニックの支持率が落ちている。また、若者層での支持も落ちている。
 そのことの理由について、下に掲載した論稿では分析をしており、元々トランプを支持している若者たちは「経済に関してはやはりトランプ」という考えを変えていない。問題は、民主党系、進歩主義的な若者たちで、彼らはバイデンが社会変革に消極的、能力不足ということで「幻滅」しているために、支持できないと考えているということだ。民主党系の若者有権者たちがトランプに投票するということはあまりないであろうが、前回の大統領選挙では、大差でバイデンを支持する人が多かった若者層で、トランプが支持を伸ばすとなると、バイデンとバイデン陣営にとっては大きな痛手となる。

 1月15日には、アイオワ州で大統領選挙予備選挙が始まる。アイオワ州の予備選挙の方法は、党員集会(Caucus)である。民主党はバイデン以外に有力候補は出ていない。一方、共和党は複数の候補者が出ているが、トランプが圧倒的な人気を誇っている。これから、民主党系の市民団体などが、「トランプには大統領選挙に出る資格がない」ということを訴えての裁判戦術が本格化するだろうが、トランプが共和党の大統領選挙候補者になるのは確実である。

(貼り付けはじめ)

メモ:バイデンに対する幻滅が蔓延する中で、トランプに対して、若者層有権者たちの間で驚くべき支持拡大が起きている(The Memo: Trump gets surprise boost with young voters amid Biden disillusionment

ナイオール・スタンジ筆

2023年12月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4368796-the-memo-trump-gets-surprise-boost-with-young-voters-amid-biden-disillusionment/'/

ジョー・バイデン大統領が直面する現在の問題は、ただ単に世論調査の炊事が悪いということではない。

バイデンが直面している問題は、民主党の主要な支持層から支持が離れていること、そして宿敵であるドナルド・トランプ前大統領が驚くほど順調に支持を伸ばしていることだ。

最も顕著な例は、若い有権者の間で起こっている。

火曜日に発表された『ニューヨーク・タイムズ』紙とシエナ・カレッジの共同世論調査では、30歳以下の登録済有権者の間で、トランプ支持がバイデン支持を6ポイント上回った。

この結果が実際の選挙に反映されれば、トランプ勝利は確実なものとなる。

2020年の大統領選挙では、主要な出口調査の結果によると、30歳以下の有権者の間で、バイデンはトランプに24ポイント差をつけて圧勝していた。そして、選挙人獲得において勝利を収めた。

最新の世論調査の結果を異常値(outliner)として片付けることはできない。

先月(2023年11月)のNBCニューズの調査でも、35歳以下の有権者では、46%対42%と、4ポイント差でトランプがバイデンを上回っており、よく似たパターンを示していた。バイデン大統領就任後初のNBCニューズの世論調査であり、2ポイント差という僅差ではあったが、トランプが現職大統領であるバイデンを総合的に上回った。

こうした調査結果は、2つの絡み合った疑問を提起している。なぜバイデンは若い有権者の間で支持が減っているのか? そして、トランプはどうしてうまく言っているのか?

1つ目の質問は答えやすい。

81歳のバイデンは、比較的穏健派であるが、頑固な制度主義者であり、若い有権者にとって特に刺激的な人物であったことはない。

若い進歩主義者たちは、彼が気候変動から選挙権まで、優先課題に対してより広範な行動を取らなかったことに失望している。学生ローンの返済は、多額の学生負債を免除しようとしたバイデンの努力が最高裁によって阻止された後、10月に再開された。

そのため、バイデンは脆弱な立場に置かれたが、10月7日のハマスの襲撃でイスラエル人約1200名が死亡した後、イスラエルがガザに猛烈な攻撃を開始したことで状況は急激に悪化した。

アメリカの若い世代は全体的に、上の世代よりもパレスチナ人にはるかに同情的である。世論調査によれば、そのような有権者の多くは、パレスチナ人の死者が増える中、バイデンがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を強力に支持していることに反発している。

ニューヨーク・タイムズの世論調査では、30代以下の有権者は、バイデンの中東紛争への対応について、不支持72%対支持20%となっており、不支持が大差をつけている。

左派団体の「ジャスティス・デモクラッツ」の広報担当者ウサマ・アンドラビは、「それが明らかに全体像の一部であるにもかかわらず、何よりも若い有権者をバイデンから遠ざけているのはこのことだ」と語った。

バイデンは先週、イスラエルは「無差別爆撃(indiscriminate bombing)」のせいで支持を失い始めていると発言するなど、最近はイスラエルに対してより厳しい発言をするようになっている。

しかし、アンドラビのような進歩主義者にとっては、それでは不十分なのだ。

アンドラビは「“無差別爆撃”を慎重に批判するのは、200万人近いパレスチナ人を避難させることになった容赦ない作戦が始まって2カ月半も経ってからすべきことなのだろうか? 慎重になるには少し遅すぎる。現時点では、強い最終防衛線(red lines)、つまり強い反対を表明すべきだ」と語った。

だからと言って、バイデンの政策に対する左派の嫌悪感が、トランプの好調ぶりを完全に説明するものではない。結局のところ、トランプ大統領の誕生によってパレスチナ人により同情的なアプローチをアメリカ政府が採用するとは考えづらい。

さらに、トランプ前大統領はバイデンと同世代で、4つの刑事事件で91の罪に問われ、2021年1月6日の連邦議事堂暴動に関与したことで弾劾訴追された。

火曜日(2023年12月19日)の午後、コロラド州最高裁判所は、トランプの2020年16日前後の行為について、選挙資格を剥奪する判決を下し、コロラド州の共和党予備投票からトランプを除外する決定を下した。

この判決については、上告する期間が認められており、トランプ陣営のスポークスマンであるスティーヴン・チャンは、「アメリカ合衆国最高裁判所への上告を速やかに行う」ことを約束する声明を発表した。

しかしながら、トランプを支持する若者たちは、支持の理由としていくつかの異なる要素を挙げている。

彼らが強調するのは、低迷する経済が日常生活や経済的な階段を上る希望に与える影響、トランプの破壊力への好感、バイデンの下でアメリカが弱体化し、より分断されているという感覚である。

カムリン・キンゼイは、彼女が選挙権を持つ年齢になった最初の大統領選となった2020年にトランプを支持した。彼女は現在もトランプ前大統領を支持している。

キンゼイは「トランプが今、若い有権者の世論調査でリードしている理由は、経済的な懸念だと思う。若い有権者は自分の経済状況を考えて投票している。家の購入から食料品の値段に至るまで、バイデン大統領の下では、持続不可能なライフスタイルだ」と語った。

「若い有権者は、トランプが抱える様々な問題のせいで彼から遠ざかることが予想されるという議論にどう反論するか」と質問されたキンゼイは、「私たちがバイデン政権によって得ているものは、アメリカにとって望ましい結果ではない」と答えた。

キンゼイは、経済だけでなく、国家安全保障やグローバルな舞台でのアメリカの強さに対する尊敬の喪失など、様々な懸念について説明した。そして彼女は、若者のトランプ支持を、「若い有権者が自分たちの国を健全に愛している(young voters have a healthy love for their country)」ことの証拠であるとし、愛国的な言葉を使って表現した。

若い進歩主義者は、キンゼイのようなトランプ支持者とは正反対の世界観を持っている。しかし、バイデンによる真の変革の欠如(lack of real change)がトランプに隙を与えたと主張する点で、彼らは意外な共通点を持っている。

若者向けの進歩主義的組織である「サンライズ・ムーヴメント」の政治担当責任者ミシェル・ワインドリングは「より大きなリスクは若者が選挙に参加しないことだが、このニューヨーク・タイムズの世論調査では、その代わりにトランプに投票する割合が示されている。そこから読み取れるのは、若者たちは民主党が過去4年間、自分たちの生活に具体的な変化をもたらすことができなかったと感じているということだ」と述べた。

ワインドリングは、国家と自分たちの世代が複数の危機に直面していると考える若い有権者は、「システムを揺るがしたい(to shake up the system)」という衝動を感じており、今彼らはその衝動を「どのように扱えば良いのか分からない」のだと語った。

さらにワインドリングは、バイデンのイスラエル問題(「戦争支援」)やエネルギー問題(「掘削賛成」)などが、若い進歩主義派を幻滅させていると主張した。彼女は、ホワイトハウスは「幻滅の深刻さ(severity of the disillusionment)を見過ごし続ける」ことに満足しているようだと警告した。

ジャスティス・デモクラッツのアンドラビは、トランプ支持は、トランプ前大統領への実質的な支持というより、むしろバイデンに対する反射的な拒否反応であると主張している。

アンドラビは、「トランプ以外の人物であっても同じ結果のはずだ」と述べた。

しかし、ホワイトハウスにとっては何の安心材料もない。特にガザでの戦争が続いており、国内では経済に対する先行きが不透明なままだ。

アンドラビは、「若者たちは、バイデン大統領は自分たちが望んでいる人物ではないと言っている。バイデン大統領の行動は、私たちが望んでいるものではないのだ」と語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』が発売になります。是非手に取ってお読みください。

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

 米コロラド州の最高裁判所は、2024年の大統領選挙共和党予備選挙のコロラド州の選挙で、ドナルド・トランプ前大統領が候補者としての資格がない、力行方ができない、投票用紙に名前が載せられないという判決を下した。判事7名の投票で賛成4,反対3で判決が出た。私は、最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)で、アメリカ政治の分析も行った。そして、民主党からは現職のジョー・バイデン大統領が出て、共和党からはドナルド・トランプ前大統領が候補者に選ばれて、本選挙が戦われるが、バイデンが合法・非合法、あらゆる手段を尽くして勝利して、再選すると私は書いた。今回のコロラド州の最高裁の判決はその1つである。

 今回のコロラド最高裁の判決の根拠は、アメリカ合衆国憲法修正第14条第3節「アメリカ合衆国議会議員、国の機関の役人、州議会議員、あるいは州の行政及び司法の役人として、アメリカ合衆国憲法を支持することを以前に誓い、かつそれらに対する反乱に加わった者あるいはその敵に対して援助や同調した者は、アメリカ合衆国下院または上院議員、大統領および副大統領の選挙人、あるいは国または州の公的、軍事的役職に就くことはできない。ただし、アメリカ合衆国議会が各院の議席の3分の2以上で決した場合は、その禁止規定を排除する」である。「ドナルド・トランプがアメリカに対する反乱に加担し、援助したから公職(大統領)に就く資格がない」ということである。

 トランプが反乱に加担し,援助したというのは、2021年1月6日のアメリカ連邦議事堂にトランプ支持者たちが乱入し、死傷者が出た事件を指す。トランプが実際に支持者たちを引き連れて、議事堂内に乱入してはいないが、「教唆(incitement)」があったというのが、トランプ反対派の主張である。裁判で、トランプによる「教唆」を厳密に証明することは大変に難しい。しかし、今回のコロラド州最高裁はそうした証明をすっ飛ばして、「トランプが反乱に加担した」と認定した。これは司法手続きの正当性もないがしろにするものだ。そして、特定の人間の参政権を奪うということで、アメリカの民主政治体制の根幹も揺るがすものである。

 今回のコロラド州最高裁の判決の効力は、「コロラド州で実施される大統領選挙共和党予備選挙」に限定されるものだ。トランプの立候補資格の差し止めは、ニューハンプシャー、ミネソタ、ミシガンの各州でも裁判が起こされていたが、いずれも差し止めには至っていない。このような異常なことを求める裁判が全米各地で起こされて、裁判合戦になることは、共和党予備選挙の実施の妨害にもつながる。このような裁判を起こしているのは、リベラル派の「ワシントンの責任と倫理のための市民(Citizens for Responsibility and Ethics in WashingtonCREW)」という政治監視団体だ。この団体は、トランプ政経時代から、トランプをターゲットにして活動してきた。非営利団体で、政治活動に制限があるはずなのに、このような政治活動を行っていることについて批判がある。

 「ジョー・バイデンを勝たせるためには何でもする」「人気がないバイデンは普通にやっていたのでは勝てないので何でもやる」というのが、民主党だけではなく、アメリカの原稿の国内体制から利益を得ている人々のコンセンサスである。しかし、こうして、司法手続きの正当性や民主政治体制(デモクラシー)の正当性を傷つける行為が続けば、アメリカのデモクラシーは崩壊する。そうなれば行きつく先は、アメリカの国家解体(分裂)である。

(貼り付けはじめ)

【米大統領選2024】 トランプ氏の立候補資格を認めず コロラド州最高裁

BBC JAPAN 2023年12月20日 15時19分

https://www.bbc.com/japanese/67769200

米コロラド州の最高裁判所は19日、ドナルド・トランプ前大統領について、来年の大統領選の同州予備選に立候補することはできないとの判断を示した。反乱に関する憲法の修正条項を理由とした。

州最高裁は43で、トランプ氏に大統領選の州予備選の候補者となる資格はないと判断した。

大統領候補の資格の剥奪に、合衆国憲法修正第143項が使われたのは初めて。同項は、憲法の擁護を宣誓して公職に就いた者について、アメリカに対する反乱や謀反に関わった場合は再び公職に就くことを禁じている。

トランプ氏を投票の対象から除外する試みは、これまでもニューハンプシャー、ミネソタ、ミシガンの各州であったが、どれも失敗に終わっていた。

この日の判断は上訴が可能。最も早くて来月4日までは効力をもたない。

コロラド州以外には適用されないほか、来年35日の共和党の州予備選にのみ適用される。ただ、11月の大統領選に影響を与える可能性はある。

トランプ氏側は、連邦最高裁に「速やかに上告する」としている。同裁判所は保守派が63で多数派となっている。

●州地裁の判断を覆す

コロラド州では地裁が先月、憲法修正第14条の禁止規定は大統領には適用されないとの判断を示していた。大統領について明記していないというのが理由だった。

ただ地裁は、トランプ氏が20211月の連邦議会襲撃に加わったと認定した。この襲撃では、トランプ氏の支持者らが、ジョー・バイデン大統領の大統領選での勝利を承認中の議会になだれ込んだ。

州最高裁の今回の判断は、地裁の判断を覆すものとなった。

州最高裁の判事らは判決文で、「私たちは気軽な気持ちでこの結論に達してはいない。眼前の問題の大きさと重さに留意している」と説明。「同様に私たちは、法を適用する厳粛な義務にも留意している」とした。

反対意見を述べた判事3人の1人、カルロス・サムール判事は、「候補者について過去に恐ろしい行為を犯したと確信しても、たとえそれが反乱への関与であっても、公職に就く資格を剥奪すると私たちが宣言する前に、適正な手続きが必要だ」と書いた。

●トランプ陣営は判決を非難

トランプ陣営の広報担当のスティーヴン・チャン氏は声明で、今回の判決を「まったく欠陥がある」と批判。判事(全員が民主党の知事による任命)を非難した。

チャン氏はまた、与党・民主党の指導者らについて、「失敗したバイデン政権を信頼していないが、アメリカの有権者が来年11月にバイデン政権を退陣させるのを阻むことに全力を尽くしている」とした。

トランプ氏は判決が出た後、アイオワ州で演説したが、判決には触れなかった。

●原告は歓迎

再選を目指すバイデン氏の選挙陣営は、今回の判決に関してコメントを避けた。

ただ、陣営に関わっている民主党幹部は、今回の判決は連邦議会襲撃が反乱未遂だったとする民主党の主張を支えるものであり、同党の助けになるだろうと、BBCが提携する米CBSに話した。

野党・共和党の議員らは、今回の判決を非難している。マイク・ジョンソン下院議長は判決を「見え透いた党派攻撃」と非難した。

「政治的な所属に関係なく、投票権のあるすべての国民は、前大統領であり、かつ共和党予備選に関するすべての世論調査でリードしている人物を支持する権利を否定されるべきではない」

この裁判を起こした 監視団体「ワシントンの責任と倫理のための市民(CREW)」は判決を歓迎。

ノア・ブックバインダー代表は「歴史的で正当であるだけでなく、私たちの国の民主主義の未来を守るために必要なものだ」との声明を出した。

トランプ氏は前回の大統領選では、コロラド州で大差で敗れた。

トランプ氏は現在、4件の刑事裁判で被告となっている。うち2件は、ジョージア州で選挙結果を覆そうとしたとして、連邦政府と州政府の検察がそれぞれ起訴したもの。

(英語記事 Trump disqualified from 2024 ballot in Colorado

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2024年11月にアメリカ大統領選挙本選挙が実施される。現在、民主、共和両党では、各党の候補者を決める予備選挙に向けた準備が進んでいる。民主党では現職のジョー・バイデン大統領が2期目を目指す意向を示しているため、他の有力な政治家たちが立候補を表明しておらず、ロバート・F・ケネディ・ジュニアとマリアンヌ・ウィリアムソンが正式に立候補を表明している。来年2月に全米各州で予備選挙(予備選挙と党員集会)が始まる。現在のところ、民主党としては討論会などを予定していない。「他に有力候補もいないし、バイデン大統領で決まっている」というイメージづくりに躍起になっている。
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バカ息子のハンターと歩くジョー・バイデン
 ジョン・F・ケネディ元大統領の甥、ジョン・F・ケネディの弟ロバート・F・ケネディ元司法長官の息子であるロバート・F・ケネディ・ジュニアは現在のところ、民主党予備選挙におけるバイデンの対抗馬であるが、支持率はまだ上がっていない。しかし、下の記事にあるように、根強い支持を受けている。日本でも有名なミュージシャンのエリック・クラプトンがケネディ・ジュニアのために資金集めイヴェントで演奏し、220万ドルをケネディ・ジュニアの選対とケネディ・ジュニアを支援する政治活動委員会に寄付したということだ。ケネディ・ジュニアとエリック・クラプトンはワクチン反対という考えで共鳴し、クラプトンが今回支援を行ったということである。
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ロバート・F・ケネディ・ジュニアと夫人。右側の2人は息子たち

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イヴェントでのケネディとエリック・クラプトン(右)
 ケネディ・ジュニアの指示率の数字が上がっていないからと言って、ジョー・バイデンが安泰ということはない。民主党支持の有権者の3分の2が「バイデン以外が民主党の候補者になれば良いのに」と考えていることが世論調査の結果、明らかになった。今年3月に行われた同様の世論調査の結果の数字よりも、今回の数字が上がっている。それだけ、「バイデンで大丈夫か」と考える民主党支持の有権者が増えているということだ。彼らの最大の懸念は「年齢」であり、簡単に言えば「年を取ればとるほど、色々な能力が衰えるが、それで大統領が務まるのか」ということである。時間が経過すればするほど、この懸念は高まっていく。年齢を元に戻したり、減らしたりはできないからだ。
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 しかしそれでも、ジョー・バイデンとその取り巻きたちは、合法、非合法問わず、あらゆる手段を用いて、大統領選挙当選を画策し、実現するだろう。共和党側ではドナルド・トランプ前大統領が現在のところ、共和党予備選挙において圧倒的に有利に選挙戦を展開しているので、共和党の候補者になるのはトランプだろう。トランプの人気は本物であるが、それでもバイデンが当選することになると私は考えている。トランプが当選すれば、バイデン前政権の犯罪を暴き立てることになるが、それにはノルドストリーム爆破事件も含まれるだろう。そうなれば、バイデンをはじめとしてバイデン政権中枢は軒並み逮捕、投獄されるだろう。それを避けようとしてバイデン、バイデン周辺、民主党は必死だ。

 しかし、そのようなことになれば、アメリカの分断は加速するだろう。人々の意向が反映されない選挙結果が公然とまかり通ることになれば、「民主政治体制の家元」を自認するアメリカはその基盤を失うことになる。そうなれば、分裂、分断はどんどん進むことになるだろう。そして、アメリカの衰退に拍車をかける結果となるだろう。アメリカ帝国の没落だ。

(貼り付けはじめ)

エリック・クラプトンがロバート・F・ケネディ・ジュニアの選挙運動のための資金100万ドルを集めるのに貢献(Eric Clapton helps raise $1 million for RFK Jr. campaign

サラ・フォーティンスキー筆

2023年9月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/4213178-eric-clapton-helps-raise-1-million-for-rfk-jr-campaign/

エリック・クラプトンが、月曜日夜に行われた非公開の資金集め集会で、民主党大統領選挙予備選挙候補ロバート・F・ケネディ・ジュニアの大統領選挙運動のために100万ドルを集めた、とケネディ選対が火曜日に発表した。

クラプトンと彼のバンドはイヴェントに出演し、ケネディの選挙運動に100万ドル、ケネディを支援する政治活動委員会(political action committee)に120万ドル、合計220万ドルを集めた。

ケネディはプレスリリースの中で、「昨晩ロサンゼルスで私の集まりに、彼の音楽の芸術性(musical artistry)と反骨精神(rebellious spirit)をもたらしてくれたエリック・クラプトンに深く感謝している」と述べた。また、月曜日の夜のイヴェントについて「一生に一度の音楽パフォーマンス(once-in-a-lifetime musical performance)だった」と形容した。

ケネディ陣営は今年8月下旬、クラプトンがこの非公開の資金集めイヴェントで演奏すると発表した。このイヴェントのチケットは最初3300ドルであったが、最高値として6600ドルをつけた。

ケネディとクラプトンは共に、ワクチンへの懐疑的な見方を明確に表明しており、世間からは激しい反感(fierce blowback)を買っている。

火曜日の声明で、ケネディはクラプトンを賞賛したが、新型コロナウイルスワクチンに対する共通の懐疑論については言及しなかった。

ケネディはプレスリリースの中で、「分断された私たちの社会で、私たちを再びひとつに団結できるようになる可能性を最も持っているのは、あらゆる知的な合意よりも音楽なのではないかと私は考えることがある」と述べている。

「エリックは人間の奥底から歌っている。もし彼が私の中に、この国に団結をもたらす可能性を見出しているとしたら、それは彼のようなアーティストが、どんな障害も乗り越えようとする人間の無限の力への埋もれた信仰を呼び起越してくれることによってのみ可能だ」と続けて述べた。

ケネディは、現職のバイデン大統領に挑戦する大統領選挙民主党予備選挙の立候補者2人のうちの1人である。ケネディも作家のマリアンヌ・ウィリアムソンも現職大統領であるバイデンに対抗する大きな前進はしていないが、ケネディは、バイデンの選挙運動に対する重大な脅威を阻止しようと画策している民主党エスタブリッシュメント派の努力を批判している。
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民主党支持の有権者の3人に2人が「バイデンを大統領選挙の民主党候補にすべきでない」と回答:調査結果(2 in 3 Democratic-aligned voters now say Biden should not be nominee: survey

ローレン・スフォーザ筆

2023年9月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4191729-two-in-three-democratic-aligned-voters-now-say-biden-should-not-be-nominee/

民主党支持の有権者のおよそ3人に2人が、ジョー・バイデン大統領とは別の候補者を希望していることが、木曜日に発表された世論調査の結果で明らかになった。

CNNの実施した世論調査では、民主党支持および民主党寄りの有権者の67%が、民主党がバイデン以外の人物を大統領選挙の民主党候補に指名することを望んでいると回答した。この数字は、今年3月に同様の質問にこのように回答した54%から増加したことになる。別の候補者を望む人のうち、82%が現職大統領以外の候補者を希望すると回答した。

バイデンに代わる、特定の候補者の名前を挙げたのは18%だった。現在、予備選挙に立候補を表明している2人(マリアンヌ・ウィリアムソンとロバート・F・ケネディ・ジュニア)のうちの1人を支持すると答えたのはそれぞれわずか1%だった。一方、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とピート・ブティジェッジ運輸長官支持はそれぞれ3%、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサムとミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーはそれぞれ2%の支持を得た。

世論調査によると、民主党支持の有権者のうち、バイデンを信頼に値する人物と見る人の割合は今年3月以降で19ポイント低下し、現在は51%となっている。また、民主党支持の有権者の間では、バイデンは大統領として効果的に職務を果たすだけの体力と鋭敏さを持っていると見る人の数も減少しており、これは現在49%で、今年3月以降で14ポイント減少している。

民主党支持の有権者にとっての最大の懸念はバイデンの年齢で、民主党支持の有権者の半数近くがバイデンの年齢を最大の懸念事項として挙げている。半数以上が彼の年齢が心身の能力に悪影響を及ぼす可能性があると答え、60%が再選される能力に悪影響を及ぼすと答え、61%が再選された場合、もう1期を全うする能力に影響を及ぼす可能性があると答えている。

今回の世論調査はSSRS社が8月25日から31日にかけて実施した。登録有権者11259人を対象に実施し、誤差は3.5%ポイントである。

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(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙共和党予備選挙では、支持率でドナルド・トランプ前大統領が圧倒的にリードしている。エスタブリッシュメント派が推している、フロリダ州知事ロン・デサンティスやニッキー・ヘイリーも米国連大使は知名度の割に苦戦している。そうした中で、ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)という聞きなれない名前の、ずぶの素人、無名の新人がここ最近支持率を挙げている。
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ヴィヴェック・ラマスワミ
 ラマスワミはトランプ前大統領を支持している。2020年の大統領選挙ではトランプ前大統領に投票している。討論会の席上で「トランプ前大統領は21世紀において最高の大統領だ」と発言し、トランプ前大統領から「ありがとう、ヴィヴェック!」という言葉をもらっている。討論会では、マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事といった知名度の高い、ヴェテラン政治家たちを向こうに回して、人々の関心を集めることに成功したようだ。

 ヴィヴェは1985年生まれの39歳。両親はインド系の移民であるが、父親はGE(ゼネラル・エレクトリック)のエンジニア、母親は心理学者という裕福な家庭で育った。ハーヴァード大学では生物学を専攻し、イェール大学法科大学院に進学した。大学院在学中に既にヘッジファンドを設立し、100億円以上の利益を上げていたということだ。その後も実業界で成功を収めた、立志伝中の人物ということになる。
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 ラマスワミは世論調査での支持率の数字を上昇させている。ドナルド・トランプ前大統領には大きく及ばないものの、共和党のヴェテラン政治家たちを追い抜いている。トランプとラマスワミの数字を合わせて考えると、他の有力政治家たちが「希望にあふれている(hopeful)」という状態ではなく、「希望が小さくなっている(long-shot)」という状態になっていることが分かる。ちなみにlong-shotとは、弓矢で長い距離から的を狙うということで、距離が長ければ長いほど的に当たりにくい、希望が少ないという意味になる。トランプ前大統領の人気の高さとラマスワミの台頭によって、共和党エスタブリッシュメントに魂を売ったヴェテラン政治家たちは、どんどん的が遠くなっているという現状である。

 民主党側ではジョー・バイデンが現職大統領として高齢を押して出てくるが、体調や能力を不安視されている。それでも何が何でもバイデンを当選させたい勢力が民主党内だけではなく、共和党内部にもいる。そこの分裂線がウクライナ戦争に対する支援に関する考え方である。ラマスワミはウクライナ支援に反対を唱えている。それだけで共和党予備選挙では大きな台風の目ということになるだろう。私たちも注目していかねばならない。

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トランプの後継者は俺だ、インド系大富豪候補者の支持率が急上昇

8/26() 11:02配信

高濱 賛

JBpress

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cdad8320cfc1e5b7817d008e8a3ea340f7bd7e6?page=2

■ デサンティスに肉薄、支持率10%に

 米共和党が823日に行った初の大統領候補者テレビ討論会の視聴者は5000万人、同時刻にSNSXで流れたドナルド・トランプ前大統領の単独インタヴューはアクセス数が7300万から7400万だった。 (Trump's debate counter-programming draws millions of views on X)(Fox News is the debate’s biggest loser

 8人の候補者の顔見世も「象(トランプ氏)の出ないショー」ではトランプ氏に勝てなかった。 とにかく共和党支持者にとっては、トランプ氏抜きの大統領選は考えられないことを改めて示した。 共和党の選挙戦略専門家のアレックス・コナント氏によれば、共和党支持者の4分の1はトランプ氏に何があっても投票、4分の1はトランプ氏には投票しない、残りの半分は投票態度を決めかねているという。 (Los Angeles Times

 一方、トランプ氏抜きの今回の討論会で「誰が勝者か」を一般有権者に尋ねたワシントン・ポストの世論調査では以下のような結果が出た。

 (1)ロン・デサンティス・フロリダ州知事:29

 (2)ヴィヴェック・ラマスワミ氏:26

 (3)ニッキー・ヘイリー元国連大使:15

 (4)マイク・ペンス前副大統領:7

 (5)クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事:4

 (6)ティム・スコット上院議員:4

 (Our Republican debate poll finds Ron DeSantis and Vivek Ramaswamy won

 注目すべきは、政治経験ゼロのラマスワミ氏が副大統領や上院議員、知事現職・経験者を差し置いて、デサンティス氏に肉薄していることだ。 直近の世論調査でも、断トツのトランプ氏(55.4%)を追うデサンティス氏(14.3%)に次いで7.20%で3位につけている。世論調査によっては10%の支持率を得ている。 (2024 Democratic Presidential Nomination

■ 「痩せぎすで変な名前の男」と自己紹介

 討論会参加者の並び順は支持率で決まる。中央にはデサンティス氏、その向かって右側に痩せた浅黒い色の男が陣取った。 モデレーターから指されると開口一番、こう述べた。

「皆さん、痩せぎすの、しかも名前も聞きなれない男は、いったい何者でしょう?」 (Who the heck is this skinny gay with a funny last name? )

「一つ言えることは、私は誰からもカネをもらったり(企業団体の)世話にもなっていない唯一の候補者です。これだけは声を大にして申し上げておきます。気候変動は作り話です」 (I’m the only person on the stage who is not bought and paid for, so I can say this. Climate change agenda is a hoax.

 ラマスワミ氏は、討論会を通じて一番喋りまくった。

 気象変動、ウクライナへの軍事支援、中国の脅威、メキシコとの国境問題とテーマごとに他の候補者と一対一で渡り合った。 終始一貫しているのはトランプ氏の4年間の内政外交すべてを支持する姿勢だった。 反トランプのジャーナリスト、チャーリー・スカイズ氏はこう描写した。

「ラマスワミ氏は、持前の弁舌でトランプ氏よりも巧みにトランピズムを展開した。熱狂的なトランプ支持者が聞きたかった歌を奏でた」「それはトランプ氏を支持している他の候補者が真似できないようなパフォーマンスだった」 (The Vivek and Nikki Show

■ 高学歴・裕福・・・インド移民の典型

 同氏はオハイオ州・シンシナティ生まれ。

 両親はインド、ケララ州出身のヒンズー教教徒で、父はカルカッタ国立工科大学を卒業後、米国に移住、ゼネラル・エレクトリック(GE)のエンジニアとして働いてきた。 母は高齢者専門の心理学者だった。高学歴で裕福なインド移民の典型だった。

 ラマスワミ氏は、カトリック系の高校を出た後、ハーバード大学に進学、生物学を専攻し、卒業論文ではキメラ動物創造に関する倫理上の諸問題を取り上げ、最優秀賞を受賞している。 また、在学中にゴールドマンサックスでインターンとしての勤務経験がある。 在学中は「ハーバード・ポリティカル・ユニオン」(HPU=米大学最古の弁論部)やユダヤ系学生団体「シャブタイ」にも参加、米国社会のエリート育成機関に積極的に参加した。 その後、イェール法科大学院に進み、大学院生当時、金融、薬品、バイオテク分野関連のヘッジ・ファンドを知人と設立し、法務博士号取得前に15000万ドルの純益を上げていた。 その後、そのヘッジ・ファンドを「ロイバント・サイエンス」と改称、次々と製薬会社を買収、売却、合併した。 2020年には環境保護、社会・企業のガバナンスのための基金を設立、これが政界進出へのスタート台になっている。 トランプ氏とは、2022年、ニュージャージー州のトランプ氏の別邸で夕食を共にしたのが出会いだった。 億万長者のラマスワミ氏が、トランプ氏の支持層を取り込む国盗り物語は注目に値する。

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共和党の米大統領選挙候補ヴィヴェック・ラマスワミとはどんな人物か?(Who is Vivek Ramaswamy, Republican presidential candidate?

ティム・リード筆

2023年8月24日

『ロイター通信』

https://www.reuters.com/world/us/who-is-vivek-ramaswamy-republican-presidential-hopeful-2023-08-23/

ロイター発(8月23日付)。バイオテック企業の元重役で大富豪のヴィヴェック・ラマスワミが水曜日夜の討論会において2024年米大統領選挙共和党候補者指名レースの注目候補者となる機会を得ている。

ラマスワミの人生とキャリアについてのいくつの事実についてこれから取り上げていく。

●アメリカ中西部で育ったヒンドゥー系(A HINDU RAISED IN THE AMERICAN MIDWEST

38歳になるラマスワミは、オハイオ州においてインド南部からの移民である両親の間に誕生した。彼は両親のヒンドゥー教の信仰の中で育ったが、カトリック系の高校に進学した。ハーヴァード大学で生物学を専攻し学士号を取得し、その後はイェール大学法科大学院に進んだ。

ラマスワミはヘッジファンドの投資部門で働き、イェール大学法科大学院を修了する前には既に数百万ドルを稼ぎ出していたと述べている。2014年、彼は自身でバイオテック企業ロイヴァント・サイエンシズ(Roivant SciencesROIV.O)を創設した。この企業は製薬分野の大企業が完全に開発できなかった、もしくは市場化できなかった特許を買い取っていた。2021年、ラマスワミは最高経営責任者(CEO)を辞任した。2023年、ビジネス誌『フォーブス』はラマスワミの資産を6億3000万ドル(約914億円)と推計した。

●元リバータリアンのラッパーで一貫性のない投票行動の記録(A FORMER LIBERTARIAN RAPPER WITH A PATCHY VOTING RECORD

ラマスワミは、大学時代、リバータリアンだったと語っている。ハーヴァード大学在学中、「ダ・ヴァック(Da Vek)」というアーティスト名でリバータリアンをテーマにしたラップを披露していた。彼は今年、選挙運動でラップのスキルを披露した。今月のアイオワ・ステート・フェアで彼が披露したエミネムの「Lose Yourself」はソーシャルメディアで拡散された。

ラマスワミは、2004年の米大統領選挙ではリバータリアン党に投票したが、2008年、2012年、2016年は投票しなかったと述べた。彼はこれまで共和党と民主党の候補者の両方に献金している。2020年の米大統領選挙では共和党のドナルド・トランプ前大統領に投票したということだ。

●「反極左リベラル目覚め主義派」の闘士(AN "ANTI-WOKE" CRUSADER

ここ数年、ラマスワミは堅固な保守派として活動している。2021年にベストセラーになった著書『目覚め主義株式会社(Woke, Inc.)』の中で、社会正義や気候変動への懸念をビジネス戦略の前提にしようする一部の大企業の決断を批判し、勤勉さ(hard work)、資本主義(capitalism)、信仰心(religious faith)、愛国心(patriotism)に悪影響を及ぼす「ウォーキズム(目覚め主義、wokeism)」を非難している。この本によって、ラマスワミは保守派の間で知名度を上げ、右派のスターとして急速に頭角を現し始めた。

●共和党の米大統領選挙運動(REPUBLICAN PRESIDENTIAL CAMPAIGN

ラマスワミは今年2月に大統領選挙への出馬を表明したが、その時点では泡沫候補の扱いをされていた。ラマスワミは、ほとんどの世論調査でいまだに一桁台の指示率に低迷しているが、多くのライヴァルを引き離しており、なかでもフロリダ州のロン・デサンティス知事は、現在2位の座を維持するために戦っている。

ラマスワミはトランプを擁護する一方で、共和党予備選挙で重要な位置を占めるキリスト教福音派(Christian evangelicals)へのアピールを狙っている。ヒンドゥー系でありながら、ラマスワミは有権者たちに対し、アメリカは「キリスト教的価値観(Christian values)」や「ユダヤ・キリスト教的価値観(Judeo-Christian values)」に基づいていると語り、自分のことをアメリカ・ナショナリストと表現している。

ラマスワミの政策的立場は、ほとんどが明確に保守的である。アファーマティブ・アクション(affirmative action)に反対し、レイプや近親相姦、母体の生命が危険な場合は例外として、6週間以降の中絶を州レヴェルで禁止することを支持している。大統領職の権限を大幅に拡大し、FBI、教育省、徴税機関である内国歳入庁(Internal Revenue ServiceIRS)など連邦政府の多くを解体したいと訴えている。

ラマスワミは、ウクライナのNATO加盟に反対し、キエフは戦争を終結させるためにロシアに譲歩すべきであり、ロシアが既に占領しているウクライナの一部を、ロシアが保持することを認めるべきだと述べている。

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第1回の共和党の討論会における勝者と敗者(Winners and losers of the first GOP debate

ナイオール・スタンジ筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168420-winners-and-losers-of-the-first-gop-debate/

ミルウォーキー発。2024年米大統領選挙における討論会シーズンの幕開けとなった水曜日の夜、共和党候補者たちは激突した。

ドナルド・トランプ前大統領がフィサーブ・フォーラムで開催されたフォックス・ニューズ主催の討論会に参加しないことを決めたため、このイヴェントへの関心が下がり、視聴率も低下したようだ。

しかし、トランプはスポットライトを完全に譲った訳ではない。タッカー・カールソンとの会話は、討論会が始まる5分前に、かつてツイッターとして知られていたプラットフォーム「X」で生中継された。

トランプ氏は木曜、ジョージア州当局に出頭し、4度目の刑事起訴に直面し表舞台に戻ることになる。

ミルウォーキーでの討論会は、トランプ前大統領が直接介入したり邪魔したりすることなく、ライヴァルたちが多くの聴衆に接触する貴重な機会となった。

これから、重要な夜となった討論会における勝者と敗者について述べていく。

■勝者たち

●マイク・ペンス元副大統領(Former Vice President Pence

ペンスは討論会の参加資格を得るのに苦労した。必要な寄付者数などの基準を超えるのに他の候補者たちよりも長い時間が必要となった。

しかし、水曜日の夜、彼は多くの力強い割り込みや介入を行い、予想外の勝者となった。2021年1月6日の行動についての全候補者への質問が出されたが、これがペンスには予想外の追い風となった。

何人かのライヴァルたちは、程度の差はあったが、2020年の大統領選挙結果を証明し、それを覆そうとするトランプの圧力に耐えたペンスの行動に賛辞を送った。

他の場面では、ペンスの激しさ(特にヴィヴェック・ラマスワミに向けられたとき)が、この夜最も驚かされた要素だった。

討論会の序盤、ペンスは38歳のラマスワミに対して「今はオンザジョブトレーニング(on-the-job training OJT)をしている暇などない。ずぶの新人を入れる必要はない」と述べた。

ペンスはまた、中絶反対派の有権者に対して、聖書の語句を引用しながら、自身の中絶に関する長年の記録を思い出させる場面もあった

ペンスは予備選で大きな難題に直面しており、とりわけ共和党有権者からの不支持率は他のどの候補者よりも高い。

しかし水曜日は、これまでの選挙戦で最高の夜となった。

●クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事(Former New Jersey Gov. Chris Christie

クリスティは、ラマスワミがステージ上で「お金で買われていないそして支払われていない(not bought and paid for)」唯一の候補者であると豪語した直後、水曜日の夜で最もクリーンなショットを決めた。

憤慨したクリスティは、「今夜はもう、ChatGPTみたいな奴にはうんざりなんだ」と言い返した。

このセリフでクリスティは、約8年前に同様の討論会でフロリダ州選出のマルコ・ルビオ連邦上院議員を攻撃した時と同じように、ラマスワミの弱点を見つけたのかもしれない。

クリスティは当然のことながら、トランプとの違いも強調した。

彼は今回の選挙で最も反トランプ姿勢を明確に示している候補者であり、この事実自体が、彼の敗北をほぼ確実なものにしている。

トランプの複数の起訴について、クリスティは、人々がトランプ前大統領の行為を犯罪だと信じるかどうかにかかわらず、「誰かがこの行為を常態化させるのを止めなければならない、分かるか?」と述べた。

共和党支持層の大部分はクリスティの発言を嫌うだろう。しかし、ディベートの技術という点では、今回のステージで最も印象的なパフォーマンスだっただろう。

●フォックス・ニューズの司会者たち(Fox News’s moderators

フォックス・ニューズは様々なプレッシャーを受けながら討論会を行った。

4月にドミニオン・ヴォーティング・システムズと名誉棄損に関して、7億8700万ドルで和解したのは記憶に新しい。タッカー・カールソンの降板は、多くの視聴者を落胆させた。ドナルド・トランプは、フォックス・ニューズに対しても断続的に砲火を浴びせ続けている。

しかしフォックスは、討論会の共同司会者ブレット・ベイヤーとマーサ・マッカラムの働きによって、水曜日は良い夜を過ごすことができた。

ベイヤーとマッカラムのコンビは適当だと判断される場合には、候補者たちの衝突を許容しながら、討論会の進行全体をコントロールし続けた。ある場面では、ベイヤーは過剰な反応をする聴衆たちの方を振り向いて、そうした行動を諫めることもあった。

更に重要なことは、ペンス元副大統領と1月6日の連邦議事堂進入事件との関係、ウクライナ問題、妊娠中絶問題に関して、2人の巧妙な質問によって、明確な答えが導き出されたことだ。

●ニッキー・ヘイリー元米国連大使(Former United Nations Ambassador Nikki Haley

討論会の印象は、人々の記憶に残る瞬間によって決まることが多い。

この基準に当てはめると、ヘイリーは討論会の夜を素晴らしく過ごしたことになる。

彼女は中絶(abortion)に関してライヴァルたちとは異なる立場を主張し、連邦政府による妊娠初期での中絶禁止や「これほど個人的なこと」の決定における最高裁判所判事の役割について懐疑的な姿勢を表明した。

ヘイリーはトランプを「アメリカで最も嫌われている政治家(the most disliked politician in America)」と明確に指摘し、彼を先頭にしては共和党の勝利など望めないと主張した。

しかし、彼女にとっての唯一にして最大の瞬間は、ウクライナへの資金提供に対する起業家ラマスワミの深い懐疑に対して激怒した瞬間であった。

彼女はロシアのウラジーミル・プーティン大統領に言及しながら、「この男は殺人者であり、あなたは親米国であるウクライナよりも殺人者を選んでいるのだ」とラマスワミに言い放った。

ラマスワミが弁明しようとすると、ヘイリーは更に圧力をかけた。「あなたには外交政策の経験がない。それが良く出ている」とヘイリーはラマスワミに述べた。

■勝ち負けがはっきりしない(Mixed

●ヴィヴェック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy

ラマスワミが、最も意見が分かれるであろう候補者であることは、ほぼ間違いないところだ。

ラマスワミの支持者たちが、彼が輝いていたと主張する理由は簡単だ。彼は明らかに異質であり、激しい言葉の暴力に耐え、新しい若い世代の感性にユニークにマッチした候補者である。

ラマスワミが他の候補者たちに狙われた度合いも、彼が与える脅威の大きさに比例したものである。

しかし、特にウクライナ問題や、大統領に選出されたらトランプの前科をすべて赦免するという馬鹿げた約束など、浅はかさも感じられた。

彼の全体的な態度にも疑問符がつく。彼のファンが自信と明晰さとみなす特徴は、自己満足と口先だけのように感じられる。

ラマスワミは、このような大勢の聴衆の前で自分を知らしめることができたという一点で、世論調査の数字が上昇することにつながるかもしれない。

しかし、彼の弱点もまた大きく暴露されることになった。

■敗者たち

●フロリダ州知事ロン・デサンティス(Florida Gov. Ron DeSantis

デサンティスはミルウォーキーで大きな一夜を過ごす必要があった。しかし、それは叶わなかった。

フロリダ州知事デサンティスは明らかな失言をした訳ではなかった。しかし、素晴らしい瞬間があった訳でもなく、更に重要なのは、どの場面でも討論会で自分を押し出すことができなかったことだ。

長い時間、デサンティスは討論会の背景の中に溶け込んでしまっていた。

これは非常に大きな問題だ。何故なら、デサンティスの選挙キャンペーンは、「自分がトランプに代わる唯一の候補者であること」を前提にしているからだ。

デサンティス候補の選挙戦はスタート時点から下降線をたどっており、水曜夜のリハーサルを重ねすぎたように見えたパフォーマンスによって、その流れが変えられるなどとは考えられない。

●ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)(Sen. Tim Scott (S.C.)

共和党予備選挙候補者の中には、トランプ、デサンティス、そして台頭著しいラマスワミに次ぐ、明確な第2集団がすでに存在する。そこにはペンス、ヘイリー、スコットが含まれている。

スコットは、この3人の中で最も印象を残せない夜を過ごした。サウスカロライナ州選出の連邦上院議員は多くの共和党員や支持者に好かれているが、彼の控えめな愛想の良さは論争の多い討論会には不向きだ。

スコットは、クリスティとラマスワミの口論に割って入り、次のように主張した。「子供じみたやりとりで行ったり来たりするのは、アメリカ国民のためにはならない」。

しかし、討論会のほとんどの時間で、スコットはインパクトに欠けていた。

また、ヘイリーの存在はスコットにとって危険だ。選挙戦を進めるにあたって、非常に重要な地元州をヘイリーとスコットが共有するなど、2人の共通点を考えれば、両候補が長期的に見て成功する余地はないということになるだろう。

●ノースダコタ州知事ダグ・バーガムとアサ・ハッチンソン元アーカンソー州知事(North Dakota Gov. Doug Burgum and former Arkansas Gov. Asa Hutchinson

世論調査で下位に沈んだ2人の候補者にとっては、ステージの端っこで立ち往生する厳しい夜になることはあらかじめ目に見えていた。

両者共にブレイクする瞬間はなかった。

バーガムに関する最大の注目は、討論会当日にバスケットボールをしてケガをしてしまい、病院に運ばれた彼がステージに立てるかどうかということだった。

ハッチンソンはいつものようにトランプ批判を展開し、憲法修正第14条が「反乱や反乱を起こした者が大統領になることを禁じている」ことから、この条文は、ドナルド前大統領の再出馬を禁じている可能性があるとまで発言した。

この発言に対して聴衆からのブーイングを受けた。

それでも、バーガムとハッチンソンが直面している最大の疑問は、いかにして自分たちの存在をアピールするかということだ。

両者共に、水曜日の討論会ではこの疑問に対する回答を見えることができなかった。

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第1回の共和党討論会の後、トランプはラマスワミを称賛(Trump praises Ramaswamy after first GOP debate

キャロライン・ヴァキール筆

2023年8月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4168687-trump-praises-ramaswamy-after-first-gop-debate/

ドナルド・トランプ前大統領は、バイオテクノロジー起業家ヴィヴェック・ラマスワミを賞賛した。共和党のミレニアル世代であるラマスワミは、第1回の米大統領選挙共和党予備選挙の候補者討論会でトランプを擁護した。

「この回答は、ヴィヴェック・ラマスワミに大勝利をもたらした。それは、TRUTH(真実)と呼ばれるものであったからだ。ありがとう、ヴィヴェック!」。トランプは木曜日の早朝、自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

トランプは、38歳の共和党候補ラマスワミが第1回討論会で、「トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと思う」と発言したラマスワミの発言のクリップを掲載した。

マイク・ペンス元副大統領、ニッキー・ヘイリー元米国連大使、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事などの候補者たちが共和党の新進気鋭の候補者であるラマスワミにジャブを浴びせたが、ラマスワミは水曜夜の討論会で注目の的となった。

クリスティは討論会において、トランプを追及した。トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)が開催した討論会には出席せず、代わりに元フォックス・ニューズの司会者タッカー・カールソンとの録画済みインタヴューを公開した。結果として、トランプは、フォックス・ニューズと共和党全国委員会(RNC)を冷たくあしらうことになった。そうしたトランプ元大統領を討論会で擁護した唯一の候補者は、ラマスワミだった。

「重要な結論はこうだ。誰かがこのような行為が常態化するのを止めなければならない。理解できるだろうか? さて、刑事告発が正しい、もしくは間違っている、どちらを信じるにしても、この行為はアメリカ大統領にふさわしくない」。クリスティは討論会で、司会者たちから、法的な問題があるにせよ、トランプを党の大統領選挙候補者として支持するかどうかいついて発言を躊躇する理由を問われて、このように答えた。

ラマスワミは「私もこの議題について入って、質問に答えたい。本当のことを言いますよ?トランプ大統領は、21世紀最高の大統領だったと確信します」と述べた。

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ウクライナをめぐる共和党の論争が舞台へ(The GOP’s Debate on Ukraine Takes Center Stage

-トランプ大統領がいない状況ではあるが、共和党の外交政策における最大の争点はウクライナである。

ジャック・ディッチ筆

2023年8月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

By Jack Detsch

https://foreignpolicy.com/2023/08/24/republicans-united-states-gop-debate-foreign-policy-ukraine/?tpcc=recirc_latest062921

ドナルド・トランプ前米大統領は、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された共和党の2024年米大統領予備選の第1回討論会に出席しなかった。しかし、トランプが初めて大統領選に出馬した時と同じように、水曜日の夜、ステージに上がった候補者たちの中で、外交政策のサンドバッグ(punching bag)となったのは造反候補者だった。

フォックス・ニューズの司会者たちは、トランプが直面している数ある法的問題のどれかで有罪判決を受けた場合、前大統領を共和党候補として支持するかどうか候補者たちに質問し、トランプの不在が中心的な話題となったが、水曜日の夜の基調は外交政策の違いによって決められた。対ロシア戦争におけるウクライナへのアメリカの支援をめぐる争いは、特に激しいものだった。

企業家のヴィヴェック・ラマスワミは、政治家としては新人だが、世論調査では下位集団から一貫して上昇し続けてきて3位まで上げてきた。この夜の討論会では、アメリカはウクライナに対する支援を止めるように訴えて、最初に大きな拍手を受けた。

ラマスワミは「私たちはロシアを更に中国の手の中に追いやることになる」と発言した。討論会に先立ち、ラマスワミは、モスクワが中国との関係を断つ代わりに、ロシアが軍事的に占領しているウクライナの一部地域の支配権を保持することをアメリカが許可するように求めていた。

ウクライナの反攻(counteroffensive)が停滞している状況で、キエフへの支持は共和党内の主要な争点となっている。先週、影響力のある保守系シンクタンクであるヘリテージ財団(Heritage Foundation)のトップの国防専門家が、ヘリテージ財団のケヴィン・ロバーツ会長が書いた論説に失望し幻滅したとして、財団を去った。論説の中でロバーツは、ハリケーン被害救済よりもウクライナ支援を優先する議員を非難した(この記事は、かつてツイッターとして知られていたソーシャルメディア「X」の公開ファクトチェックで人々からの憤慨を集めた)。

しかし、より主流の保守派の人々は、ラマスワミやロバーツらの主張は完全に間違っていると考えている。「ファウンデーション・フォ・ディフェンス・フォ・デモクラシーズ()」の上級研究員であるマーク・モンゴメリーは次のように述べている。「私の考えでは、ウクライナへの援助を贈り物や慈善事業のように扱うことはできない。これはアメリカの国益に関わることだ。苦境に立たされた民主政体国家に対する、攻撃的な権威主義的行動には、摩擦(衝突)が起きている時点で立ち向かわなければならず、一歩下がって、次のラインで何かをするということはあり得ない」。

ラマスワミの立場は、水曜日のステージで共和党の他の候補者たちとも対立することになった。候補者たちのほとんどは、ウクライナ人にアメリカの銃を提供することで、アメリカは利益を得ており、それによってロシア軍を弱体化させることができると考えている。

「次はわれわれの番だ」とクリス・クリスティ前ニュージャージー州知事は「次は私たちの番だ」語った。マイク・ペンス前副大統領は、ラマスワミへの攻撃が続く中、ロナルド・レーガンの「強さによる平和(peace through strength)」という言葉に注意を向けさせようとし、ラマスワミが「地球上で最も偉大な国家をかなり小さく見ている(pretty small view of the greatest nation on earth)」と罵った。

ニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事から、政治的新人ラマスワミはプーティンという人殺しの味方をしようとしていると非難された。ラマスワミは、ステージの他の人々を、防衛産業に従順なジョージ・W・ブッシュ時代のネオコンたち(George W. Bush-era neoconservatives beholden to the defense industry)だと決めつけた。「ロッキード社かレイセオン社の役員になれるよう、幸運を祈ります」とヘイリーに向かって言った。

しかし、トランプ政権下で国連大使を務めたヘイリーはすぐに反撃した。ヘイリーは「あなたには外交政策の経験がなく、それが表れている」と発言し、この夜最大の拍手を受けた。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は、自らを対中強硬派(China Hawk)に見せようと努力したが、一方でウクライナに関するやりとりの間はほぼ沈黙を守っていた。それでもデサンティスは、アメリカがウクライナを支援するためには、ヨーロッパ諸国の更なる支援を条件とすべきだと述べた。デサンティスは以前、ロシアによるウクライナへの全面侵攻(full-scale invasion)を「領土問題(territorial dispute)」と呼んだ。

ティム・スコットが麻薬フェンタニルの致命的な拡散を嘆いた後、デサンティスはメキシコの麻薬カルテルを外国のテロ組織として指定することを強く主張した。テロ組織指定によってアメリカは経済制裁を科すことが可能となる。でサンティスは更に、国境を越えてアメリカに麻薬を流す密売人たちを「冷たい死体(stone cold dead)」とすることを約束した。ペンスは、国防総省がメキシコ軍と提携してカルテルを討伐することを主張した。

国境問題や中国問題で、候補者たちの間での意見の一致が見られた。しかし、このような一地点はあったが、ウクライナについては大きな対立を隠れている。ペンスや他の共和党エスタブリッシュメント派が問題視していたのは、ウクライナへの軍事援助が約500億ドルにまで達しているが、この金額は多すぎるのではなく、小さすぎるということだった。

モンゴメリーは、「この問題に関して議論をしなければならないことは明らかだ。しかし、私が言いたいことは、ウクライナ支援に関する議論については、ウクライナへの支援継続を信じる人々が勝利すべきだということだ」と述べた。

※ジャック・ディッチ:『フォーリン・ポリシー』誌国防総省・国家安全保障担当記者。ツイッターアカウント:@JackDetsch

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 来年の大統領選挙の前哨戦となる、民主党の大統領選挙候補者を決める民主党予備選挙に、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥、ロバート・F・ケネディ元司法長官の次男である、ロバート・F・ケネディ・ジュニアが立候補したことは既にお伝えした。泡沫候補だ、勝利の希望がゼロの候補だと主流メディアは報じている。世論調査の結果を見ればそのように報じることになるのだろう。しかし、ロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)の存在感はどんどん大きくなっている。
robertfkennedyjrannouncementforrun202304001

 主流メディアはロバート・F・ケネディ・ジュニアを一種の狂人のように形容しているが、彼は、民主党最高の「王家」であるケネディ家の一員であり、生まれた時から民主党政治、アメリカ政治の中で生きてきた人だ。ケネディ・ジュニアは非常にしたたかな人物だ。それが分かる記事を以下にご紹介する。

 ドナルド・トランプ前大統領ケネディ・ジュニアを「常識のある男」と形容した。「common-sense guy(コモンセンス・ガイ)」だと肯定的に評した。「コモンセンス」という言葉は、アメリカ独立戦争(革命)の「バイブル」的な存在となった著作、トマス・ペインが著した政治パンフレット『コモン・センス(Common Sense)』を思い起こさせる言葉だ。トランプ前大統領は、ケネディ・ジュニアが人々が考えていること、望んでいることを理解する、分かるということができる人物だと評したのだ。ケネディ・ジュニアは人々の、アメリカ国民の側にいる人だと評した。

 この言葉を受けて、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、まずライヴァル政党である共和党の候補者であるトランプ前大統領を批判することを拒絶し、トランプが自分を好きだと発言したことを誇りに思うと述べた。ケネディ・ジュニアは「自分たちはアメリカ国民の側にいる人間だ。ポピュリストだ。そして、自分と似た人物であるトランプが自分を好きだと言ってくれたことを喜んでいる」と述べたことになる。重要なのは、ケネディ・ジュニアは「トランプ大統領」と呼んでいることだ。「前大統領(former president)」と呼んでいない。「前」や「元」といった言葉(英語ではどちらもformerとなるが)で呼ばないということはよくあることではあるが、ケネディ・ジュニアはこういう細かい点にも気遣いができる人物ということになる。また、ジョー・バイデン大統領に対して個人攻撃を行っていない。アメリカ政治では、討論会になればお互いに口汚く罵り合うのが当たり前である。

 下の記事で重要なのは、「ケネディ・ジュニアが民主党予備選挙で敗退したら、無所属で大統領選挙本選挙に出馬し、バイデンから票を削り取る」という可能性に言及している点だ。1992年の大統領選挙でのロス・ペロー旋風によって当時現職のジョージ・HW・ブッシュ(父、共和党)が民主党のビル・クリントンに敗れた事例がある。ケネディ・ジュニアが本選挙に出馬することは、トランプを側面支援することになる。ロバート・F・ケネディ・ジュニアの存在感は大きくなっている。

(貼り付けはじめ)

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:「私はトランプ大統領が私を好きであることを誇りに思っている」(RFK Jr.: ‘I’m proud that President Trump likes me’

ハンナ・トルドー筆

2023年6月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4072768-rfk-jr-im-proud-that-president-trump-likes-me/

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、水曜日の夜、ドナルド・トランプ大統領を批判することを拒否し、「常識のある男(common-sense guy)」としてRFKを賞賛するトランプからの最近のコメントに対して光栄だと語った。

司会のエリザベス・ヴァルガスから、ケネディはトランプ前大統領についてどう思うかと聞かれ、ケネディは次のように答えた。「私は他人に対して個人攻撃したくはない」。

そして、更に一歩踏み込んで、大統領選挙共和党予備選挙の有力候補ではあるが、訴訟問題に巻き込まれているトランプ前大統領から、最近肯定的な評価をもらったことを誇りに思っていると示した。彼はまた、前大統領を大統領と現在形で呼んだ。

RFKは「私はトランプ大統領が私を好きであると発言したことを誇りに思っている」と語った。

トランプは今週、テレビ番組『ハウイー・カー・ショー』に出演し、ケネディを擁護した。右派の人物としてケネディを擁護をした。

トランプはケネディに「とにかく頑張れ」と忠告した。トランプは続けて「彼は私にとても良くしてくれた。彼はとても聡明な男で、良い奴だよ」と述べた。

トランプは「彼は常識のある男だ。私もそうだがね。保守派であろうとリベラル派であろうと、常識は常識ということだよ」と語った。

ケネディにとってはトランプを批判する機会であったがそれをしなかった。これは、ケネディが大統領候補として民主・共和両党の間にある微妙なラインを歩いていることを示す最新の兆候だった。

RFKはまた、世論調査で大きくリードしているジョー・バイデン大統領に大統領選挙民主党予備選で敗れた場合、バイデン大統領を支持することを約束することも避けた。しかしその後、数十年来の知り合いである大統領を「好きだ」と語った。

「憎み合うのは止めるべきだ」とRFKは語った。

民主党所属の連邦議員の中には、ケネディが大統領選挙の本選挙において、無所属で出馬し、バイデンから票を奪いトランプを助ける可能性を懸念する人たちもいる。

ケネディのトランプに対するアプローチは、バイデンや民主党の大多数がトランプ前大統領を憲法と民主政治体制に対する脅威としているのとは明らかに異なるアプローチだ。

「ニューズネイション」はネクスタ―社が所有している。ネクスタ―社は『ザ・ヒル』誌も所有している。

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