古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:人事

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になりました。よろしくお願いいたします。

 昨日、このブログでご紹介したドナルド・トランプ次期大統領の顧問弁護士で側近のボリス・エプスタインに関する続報が出た。それは、「エプスタインがトランプ政権の高官、閣僚に押し込むために、コンサルティング契約を結んで金を払え(月に3万から4万ドル、中には10万ドル)と迫った」という内容だ。エプスタイン自身が、トランプの最側近であるという地位を利用して、官職を売ろうとしていたということになる。そして、財務長官に指名されたスコット・ベセントに対しても売り込みを行い、拒絶されたという報道がなされている。トランプ陣営では調査を完了したが、エプスタインが実際にそのような行動をしたのかどうかは明らかにしていない。エプスタインは2016年の大統領選挙から、トランプ陣営に参加し、コミュニケイション担当として活動し、テレビ番組にも出演していた。
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スティーヴ・チャンとボリス・エプスタイン
 昨日、このブログでご紹介したように、現在のトランプの最側近の地位にいるイーロン・マスクがボリス・エプスタインに対して敵意を持ち、情報漏洩をしているだろうとエプスタインを怒鳴り上げて、エプスタインはそれを否定したということだ。そして、エプスタインは、自身がロシアで生まれ育ち、ロシアとウクライナ両国に親族が住んでいるということで、ウクライナ戦争停戦に関わりたい、特使のような資格で関わりたいということをトランプに述べていたということである。

 今回の件は、トランプ側近内で内紛が起きていることを示している。今回の大統領選挙ではイーロン・マスクに注目が集まり、彼がトランプ陣営内で大きな影響力を持つようになった。それを面白く思わない勢力がトランプ陣営内にいるようだ。彼らは情報をマスコミにリークして、マスクの思うような人事をさせまいとしたようだ。そして、今回、トランプ側近のエプスタインの売官(官職売買)行為が暴かれた。これで、イーロン・マスクの力は強くなるだろう。
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 今回のようなケースはトランプ政権に限ったことではない。アメリカの政権内部には色々な人々が参加しており、一枚岩、一致団結ということは難しいようだ。色々な大枠が絡み合い、衝突が生まれる。トランプ陣営では、イーロン・マスクの力が強くなる。これは間違いのないところだ。問題は、トランプがいつまでマスクを許容するかというところだ。トランプもまたいつかマスクと衝突するということも起きるだろう。

(貼り付けはじめ)

トランプ・ティームがボリス・エプスタインの候補者指名を後押しするための「コンサルティング契約」を調査中(Trump team reviews Boris Epshteyn ‘consulting agreements’ to push potential nominees

ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/5010245-trump-boris-epshteyn-consulting-agreements/

ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行ティームは、トランプの長年の顧問の一人が、将来のトランプ政権での仕事を希望する人たちを擁護(推薦)するために支払いを求めていたという疑惑に関連して、コンサルティング契約の内部調査を行った。

AP通信や『ニューヨーク・タイムズ』紙を含む複数の報道機関は、ボリス・エプスタインが、トランプが先週財務長官に指名したスコット・ベセントを含む二人の人物を擁護するために支払いを求めていたと結論づけたと報じた。エプスタインは不正行為を否定している。

トランプ大統領のコミュニケイション・ディレクターであるスティーヴン・チャンは声明の中で次のように語っている。「標準的な慣行(standard practice)として、選挙運動のコンサルティング契約に関する広範な見直し調査が実施され、ボリスやその他の人物を含めて完了した。私たちは今、トランプ大統領がアメリカを再び偉大にするのを助けるために、チーム一丸となって前進している」。

エプスタインは声明の中で、この主張を「虚偽であり中傷的である(false and defamatory)」と述べた。

エプスタインは「私はトランプ大統領のために、そして彼のティームとともに働けることを光栄に思う。これらの偽の主張は虚偽であり、中傷であり、アメリカを再び偉大にすることから私たちの気をそらすことはない」と述べた。

個人へのアクセスやロビー活動のために手数料を取ることに違法性はないが、トランプ大統領は以前から、彼の名前や彼の近くにいることで利益を得ようとする人々に反感を抱いてきた。トランプ陣営は以前にも、トランプの支持を得たと不正確にほのめかす候補者を標的にしたことがある。

ニューヨーク・タイムズ紙は、2月にエプスタインがベセントに、マール・ア・ラーゴ周辺で投資家であるベセントに宣伝するために、月額3万ドルから4万ドルの報酬を提案したことが内部調査で判明したと報じた。ニューヨーク・タイムズによると、ベセントはこれを断った。

ニューヨーク・タイムズは、ベセントが今月初めにエプスタインに電話をかけ、自分を中傷していないかと質問したと報じたが、エプスタインは「ボリス・ファッキング・エプシュテイン」であり、コンサルティングのために彼を雇うには遅すぎると答えたという。

エプスタインはトランプ大統領の2016年と2020年の選挙キャンペーンに参加し、2020年の選挙結果に疑念を投げかける注目の取り組みの中心にいた。エプスタインは、トランプが2023年に34件の重罪で罪状認否を受けた際、マンハッタンの裁判所でトランプと一緒に登場した、ほんの一握りの側近の一人だった。エプスタインは長年にわたり、トランプ周辺に、批判者を生み出してきた。

保守系ウェブサイトの「ジャスト・ザ・ニューズ」が、エプスタインに対する疑惑を最初に報じた。ジャスト・ザ・ニューズとの短いインタヴューの中で、トランプ大統領は、大統領に近い人物がその近さを利用して金儲けをしようとするのは珍しいことではないと認めた。

トランプはインタヴューの中で「しかし、私のために働いている人間は、どんな立場であれ、金儲けを目的にしてはならない。彼らはアメリカを再び偉大にするためだけにここにいるべきだ」と語った。

次期大統領の息子であるエリック・トランプは、月曜夜の「フォックス・ニューズ」に出演した際、エプスタインに関する疑惑について質問された。

エリック・トランプはロウラ・イングラハムに対し次のように述べた。「聞いて欲しい、私はボリスのことを何年も知っているが、彼が善良な人間であること以外は知らない。とはいえ、私の父は信じられないほどはっきりと言っている。どんなことがあっても、そんなことはするな。信じて欲しいが、もしそんなことをしたら、しっぺ返しを食らうことになる」。

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●「米政権ポスト推薦で報酬要求か トランプ氏側近、CNNなど報道」

20241126 1506分 (共同通信) 東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/article/369541

 【ワシントン共同】米CNNテレビなどは25日、トランプ次期大統領の側近ボリス・エプスタイン氏が次期政権の高官ポストへの推薦や政権関係者の紹介と引き換えに、候補者に報酬を求めた疑いがあると報じた。内部調査で発覚した。毎月10万ドル(約1540万円)を要求した例もあったとしている。エプスタイン氏は「根拠のない虚偽の主張だ」と否定した。

 トランプ氏の弁護士チームは、エプスタイン氏が投資家ベセント氏に報酬の支払いを求めた疑惑を調査。ベセント氏は支払いを拒否したという。

 ベセント氏はその後、次期政権の財務長官候補に指名されている。これ以外に少なくとも1件の疑惑があるとしている。

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●「トランプ氏側近のエプスタイン氏を調査 政権移行チーム」

The Wall Street Journal 週刊ダイヤモンド

国際The Wall Street Journal

20241127 10:59
https://diamond.jp/articles/-/354605

ドナルド・トランプ次期米大統領の側近であるボリス・エプスタイン氏は先週、トランプ氏の別荘「マールアラーゴ」のロビーで、スコット・ベッセント氏に突進する様子が目撃されている。政権移行チームが財務長官候補として検討していたヘッジファンドマネジャーのベッセント氏は、エプスタイン氏に「離れろ」と述べ、歩き続けようとした。だがエプスタイン氏は声を上げ、ベッセント氏を追い続けたという。大統領警護隊(シークレットサービス)など、この様子を目にした関係者らが間に割って入り2人を落ち着かせたと、現場にいた関係者らは明らかにした。そのエプスタイン氏は現在、トランプ氏の政権移行チームによる調査対象になっている。同氏はトランプ陣営に新たに加わったメンバーと舞台裏で衝突していた他、報酬を受け取ってさまざまな調整を行っていた疑いがかけられている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプ次期大統領は既にSNSなどを使って、第二次トランプ政権の顔ぶれを発表しつつある。当然視される名前もあれば、驚きを持って迎えられた名前もある。今回の人事、指名や抜擢の基準となっているのは「忠誠心(loyalty)」だ。

一期目に重要なポジション、国務長官や国家安全保障問題担当大統領補佐官などを務めた人物たちは、2020年1月6日の連邦議事堂侵入事件でトランプ批判に回ったことで、今回は排除されている。更には、トランプは、マイク・ポンぺオ前国務長官やニッキー・ヘイリー元米国連大使を政権に起用しないと明言した。この点については、後程私の分析を書きたいと思う。

 今回は急いでこれまでに判明している第二次トランプ政権の顔ぶれについての記事を紹介したいと思う。

(貼り付けはじめ)

トランプの閣僚指名:トランプの政策課題対応を実行する名簿に前が乗っている人々を見ていく(Trump Cabinet picks: Here’s who’s on the list to carry out his agenda

アレックス・ガンギターノ、ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4985802-trump-cabinet-nominees-second-term/

トランプ次期大統領は、1月の就任を前に、ホワイトハウスでの2期目に向けた内閣と上級スタッフの編成を進めている。

トランプは、連邦上院の人事承認(Senate confirmation)が必要な15の政府機関やその他の政権トップの仕事のリーダーを指名し、上級スタッフを任命しなければならない。

これから、これまでに指名された人々の顔ぶれを見ていく。

●内閣(Cabinet

・国務長官指名:マルコ・ルビオ(Secretary of State pick: Marco Rubio
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ドナルド・トランプとマルコ・ルビオ
共和党所属のフロリダ州選出連邦上院議員であるマルコ・ルビオは、中国とイランに厳しい外交政策のタカ派と見られている。トランプ政権のトップ外交官への抜擢は、2人が共和党大統領予備選で熾烈なライヴァルだった2016年からの劇的な転換を意味する。ルビオは、トランプがJD・ヴァンス連邦上院議員(オハイオ州選出、共和党)を選ぶ前までは、トランプの伴走者(副大統領候補)候補にも名前が挙がっていた。

・環境保護局長官指名:リー・ゼルディン(Environmental Protection Agency director pick: Lee Zeldin
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ドナルド・トランプとリー・ゼルディン
トランプ大統領が環境保護局長官に選んだのは、共和党の元ニューヨーク州選出の連邦下院議員で州知事候補だったゼルディンで、2020年の第1回弾劾裁判では第45代大統領トランプを率直に擁護した。トランプ次期大統領はゼルディンの法的経歴に言及したが、これは彼が環境保護局を環境規制撤廃に傾ける可能性が高いことを示している。

・米国連大使指名:エリス・ステファニック(United Nations ambassador pick: Elise Stefanik

ニューヨーク州北部の選挙区で5期目の当選を果たしたばかりの連邦下院議員会会長のステファニックは、外交経験は少ないが、国連を露骨に批判し、イスラエルの強力な盟友だ。

・国土安全保障長官指名:クリスティ・ノーム(Homeland Security secretary pick: Kristi Noem

2019年からサウスダコタ州知事を務める共和党のノームは、トランプ次期大統領の忠実な盟友であり、2期目には彼の移民取り締まりを監督する手助けをするだろう。彼女はまた、20年前に狩猟犬を殺したことが著書の抜粋で明らかになる前は、トランプの伴走者(副大統領候補)候補にも挙げられていた。

・駐イスラエル米大使:マイク・ハッカビー(Ambassador to Israel: Mike Huckabee
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マイク・ハッカビーとドナルド・トランプ

1996年から2007年までアーカンソー州知事を務めたハッカビーは、中東の緊張が高まる中、主要な外交的役割に抜擢された。ハッカビーはこれまで外交ポストを務めたことはなかったが、イスラエルとハマスの停戦を支持する理由は見当たらず、戦争を終結させる唯一の方法はテロ集団を根絶することだとニューズネイションに語るなど、ガザ地区での戦争に重きを置くこともあった。

トランプ大統領は、2023年10月の攻撃後、イスラエルにハマスとの戦いで「問題を終わらせる」よう促しているが、イスラエルの軍事作戦の遂行方法については批判的だ。

CIA長官指名:ジョン・ラトクリフ(CIA director pick: John Ratcliffe
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ジョン・ラとクリフとドナルド・トランプ

CIAのトップに抜擢されたラトクリフは、前回のトランプ政権で情報機関のトップである情報長官(Director of Intelligence)を務めた人物だ。彼は以前、テキサス州選出の連邦下院議員を務めており、トランプ大統領は声明の中で、ラトクリフを「アメリカ国民に対する真実と誠実さの戦士(a warrior for Truth and Honesty with the American Public)」と呼んだ。ラトクリフはまた、民主党が次期大統領の就任を阻止しようと最初に取り組んだ際、トランプの弾劾ティームのメンバーも務めた。

・国防長官指名:ピート・ヘグセス(Defense secretary pick: Pete Hegseth
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ピート・ヘグセスとドナルド・トランプ

ヘグセスは陸軍州兵の歩兵大尉を務め、アフガニスタンとイラクに派遣され、2つのブロンズスター勲章を獲得した。ヘグセスは現在、「フォックス&フレンズ・ウィークエンド」の共同司会者を務めている。トランプ大統領は、2021年のアフガニスタン撤退に関与した将軍を解任し、軍の多様性と公平性に焦点を当てた「覚醒した(woke)」取り組みを排除すると約束した。ヘグセスの選出は、ヘグセスの名前が候補者に含まれていなかったため、トランプ支持者の一部にとっても驚きだった。

●ホワイトハウス(White House

・大統領首席補佐官:スージー・ワイルズ(Chief of staff: Susie Wiles
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スージー・ワイルズとドナルド・トランプ
スージー・ワイルズは過去2年間、トランプ大統領の選挙キャンペーンを共同運営し、政治家として高い評価を受けている。彼女はホワイトハウスの大統領首席補佐官を務める初の女性となる。

ワイルズは、トランプが2024年の勝利後に感謝した人物の1人で、選挙期間中は主に舞台裏の人物だった。彼女はリック・スコット連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)やロン・デサンティス知事(フロリダ州選出)の下でも働いた経験があり、ロナルド・レーガン元大統領の1980年の選挙キャンペーンでは副部長を務めた。

・大統領次席補佐官:スティーヴン・ミラー(Deputy chief of staff for policy: Stephen Miller
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スティーヴン・ミラーとドナルド・トランプ

スティーヴン・ミラーはトランプ大統領の1期目の最側近のアドバイザーの1人で、イスラム教徒が多い数カ国からの渡航禁止や家族分離といった政策の立役者だった。彼は2期目でもトランプ大統領の移民取り締まりを実現するための努力を指揮することが期待されている。

・国境問題担当責任者:トム・ホーマン(Border czar: Tom Homan
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ドナルド・トランプとトム・ホーマン

トランプ次期大統領の声明によると、元移民税関捜査局長(Immigration and Customs Enforcement director)のホーマンは、移民を取り締まり、「南部国境、北部国境、全ての海上、航空保安(“the Southern Border, the Northern Border, all Maritime, and Aviation Security)」を監督する任務を担うトランプ大統領の「国境担当官(border czar)」に任命された。

ホーマンは、労働力と性的人身売買に対処する手段として職場の強制捜査を強化し、国境担当官としての国外追放については「公共の安全への脅威と国家安全保障への脅威(public safety threats and national security threats)」を優先すると述べた。ホーマンは、第一次トランプ政権で4000人以上の子どもを親から引き離した「ゼロ・トレランス(zero tolerance)」政策の初期の支持者で、最近では次期計画について話し合う中で「家族は一緒に国外追放できる(families can be deported together)」と述べた。

・国家安全保障問題担当大統領補佐官:マイク・ウォルツ(National security adviser: Mike Waltz
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ドナルド・トランプとマイク・ウォルツ

グリーンベレー出身者として初めて連邦下院議員に選出された陸軍退役軍人のウォルツは、トランプ大統領の国家安全保障の最高責任者を務めることになり、2019年から務めてきたフロリダ州選出の連邦下院の座から去ることになる。

ウォルツは、次期大統領の重要な外交政策目標に沿って、ヨーロッパに対しウクライナ支援に一層の努力をすることと、アメリカに対しウクライナ支援をより厳格にするよう求めた。彼はまた、バイデン政権による2021年のアフガニスタンからの撤退を厳しく批判してきた。

・大統領上級顧問:ビル・マッギンリー(White House counsel: Bill McGinely
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ビル・マッギンリー

マッギンリーはトランプ大統領のホワイトハウスに大統領上級顧問として戻ることになる。マッギンリーは第一次トランプ政権でホワイトハウス法務顧問を務め、全米共和党連邦上院委員会で顧問弁護士を務めた経験もある。

トランプ大統領は声明の中で、マッギンリーを「選挙の完全性のために戦い、法執行機関の武器化に反対しながら、アメリカ・ファーストの政策課題を進めるのを助けてくれる、賢く粘り強い弁護士」と呼び、2024年の選挙で共和党の勝利に大きな役割を果たしたと述べた。

・中東問題担当特使:スティーヴン・ウィットコフ(Middle East envoy: Steven Witkoff
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スティーヴン・ウィットコフとドナルド・トランプ

ニューヨークを拠点とする実業家であるウィトコフは中東問題担当特使を務めることになる。彼はトランプ大統領は声明の中で、「平和の代弁者(voice for peace)」としての役割を担うと述べた。彼はトランプ次期大統領の長年の友人であり、不動産王として知られ、ウィトコフ社の会長兼CEOである。

・政府効率担当省:イーロン・マスク、ヴィヴェック・ラマスワミ(Department of Government Efficiency: Elon Musk, Vivek Ramaswamy
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ヴィヴェック・ラマスワミとイーロン・マスク

トランプ大統領は、億万長者の支援者であるマスクと、今年初めにトランプ大統領を支持した大統領選挙候補者のラマスワミが、政府の支出と規制を削減する取り組みを指揮すると発表した。彼らは2026年7月4日までに、つまり、中間選挙の数カ月前に作業を終える予定だ。トランプ大統領は、この取り組みは行政管理予算局(Office of Management and Budget)と提携するが、「政府の外部(outside of Government)」から指揮することになると述べた。特にマスクは、政府の請負業者と広範な金融関係を築いており、政府の正式な仕事が複雑になる可能性がある。

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(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。よろしくお願いいたします。

 ドナルド・トランプが大統領選挙に当選し、これからの注目は第二次トランプ政権の人事に移っていく。既にトランプ次期大統領が次々と名前を発表しており、これからこのブログでも紹介していく。私の論評をつけるのではなく、取り合える紹介することを優先する。そのために、重要な記事を紹介していく。まずは古い記事を紹介する。

(貼り付けはじめ)

トランプの大塗料二期目の内閣:重要な役割を果たすであろう人物たちを挙げていく(Trump’s second-term Cabinet: Here’s who may fill key roles

ブレット・サミュエルズ筆

2024年11月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/4979519-trumps-second-term-cabinet-heres-who-may-fill-key-roles/

ドナルド・トランプ次期大統領の政権移行ティームは、1月に2度目の大統領に就任した後、政権の主要ポストに就く可能性のある候補者の精査を既に開始している。

このプロセスではトランプへの忠誠心と国家に対するトランプのヴィジョンが強調される可能性が高く、次期大統領とそのティームは閣僚ポストに指名されるか、ホワイトハウスで任命された役割を見つける可能性が高い数人の親しい同盟者を特定した。

政権移行共同議長のリンダ・マクマホンとハワード・ラトニックは声明で、「トランプ大統領がティームに参加する最適な人材と追求すべき最善の政策を選択する中で、ティームはトランプ大統領の常識的な政策を初日から確実に実施するだろう」と述べた。

ここで、トランプ大統領の主要なポストに就くと予想される名前のいくつかを見ていこう。

●イーロン・マスク(Elon Musk
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左から:イーロン・マスク、ドナルド・トランプ、J・D・ヴァンス
イーロン・マスクは今回の選挙にトランプの最も声高な支持者の一人となり、次期政権に影響力のある人物としてその恩恵を享受することになるだろう。

テスラとスペースXのトップであり、ソーシャルプラットフォームXのオーナーでもあるマスクは閣僚の地位に就く予定はなく、正式な政府の肩書きを持つかどうかはまだ不明だ。マスクは政府支出削減のための委員会の委員を務めることに興味があると述べた。

いずれにせよ、マスクは移民、電気自動車、規制などの問題についてトランプ大統領の耳を傾けさせることが期待されている。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、マスクがスペースX社の従業員の一部を政府の仕事に推薦したと報じた。

●ロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.
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ロバート・F・ケネディ・ジュニアとドナルド・トランプ

トランプ大統領は、「健康」「食品」「女性の健康」を扱う新政権において、ロバート・F・ケネディ・ジュニアに大規模なポートフォリオを与えることについて公然と語った。

トランプ大統領は水曜朝、勝利宣言をしながら「彼はいくつかのことをやりたいと考えており、私たちは彼にそれにやらせるつもりだ」と述べた。

ある関係者によると、その役職は閣僚のポストではなく、健康と食品の規制を監督する権威者(czar)のような役職に任命される予定だという。

閣僚に就く人物は連邦上院の承認が必要だが、たとえ共和党が過半数を占めていたとしても、ケネディにとっては人事承認が難しい可能性がある。

ケネディは、自身の役割に関係なく、公衆衛生政策をどのように劇的に再構築しようとするかを既に示唆している。ケネディは、トランプ政権が国内の飲料水からフッ化物を除去するよう求めるだろうと述べたが、この決定は通常地方レヴェルで行われる。

同氏は、食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)の「全部局(entire departments)」を廃止すべきであり、ワクチンに関する更なるデータを求めると述べたが、ワクチン接種を取り上げようとはしないと述べた。ケネディは長年、反ワクチン発言で批判を集めてきた。

●スージー・ワイルズ(Susie Wiles
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スージー・ワイルズとドナルド・トランプ
トランプ大統領の首席補佐官(Chief of Staff)の最有力候補は、過去2年間トランプ陣営の舵取りに貢献し、知名度は低いが広く尊敬されているフロリダで活動しているスージー・ワイルズだ。

ワイルズ氏は舞台裏で仕事をする人(behind-the-scenes operator)で、スポットライトを浴びることをほとんど避けてきたが、男性が大半を占めるトランプ陣営において、敵を作ることなく選挙まで乗り切った。

トランプ大統領は最初の任期中に、4人の首席補佐官を任命した。

首席補佐官は閣僚の役職ではないが、歴史的には、ワシントンにおいて大統領職に次いで2番目に強力な役割とされてきた。ホワイトハウスの他の立場と同様、人事承認を必要としない。

●スティーヴン・ミラー(Stephen Miller
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スティーヴン・ミラーとドナルド・トランプ
スティーヴン・ミラーはトランプ大統領の最初の任期を通じて上級顧問(senior advisor)を務めており、再び同様の立場でホワイトハウスに加わることが予想されている。

ミラーは家族離散(family separation)やイスラム教徒が多数派の数カ国からのアメリカへの渡航禁止命令(order to ban travel)など、トランプ大統領の1期目の移民政策の立案者だった。

複数の関係者によると、トランプ次期大統領が大量国外追放(mass deportations)の実行、一部集団の保護ステータスの縮小、国内への移民の流入(flow of migrants)を厳しく制限するという公約を実行しようとする中、スティーヴン・ミラーは重要な役割を担うことになるということだ。

おそらくスティーヴン・ミラーは連邦上院の人事承認を必要としない役職になるだろう。

●マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)(Sen. Marco Rubio (R-Fla.)
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ドナルド・トランプとマルコ・ルビオ

複数の関係者によると、国務長官にはマルコ・ルビオが候補に挙がっている。

ルビオは連邦上院外交委員会の委員を務め、連邦上院情報委員会の共和党側トップ委員を務めた。ルビオはトランプ大統領の副大統領候補の最終候補者であり、トランプの支持層の中にはルビオ連邦上院議員を懐疑的に見る人もいるかもしれないが、連邦上院議員の同僚たちからの人事承認を得るのに何の問題もないだろう。

●ノースダコタ州知事ダグ・バーガム(North Dakota Gov. Doug Burgum
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ダグ・バーガムとドナルド・トランプ
トランプ大統領は、ノースダコタ州知事のダグ・バーガムをエネルギー省長官に選ぶと伝えたと言われている。

トランプ大統領は以前、集会参加者たちに対し、バーガム知事は「おそらく私が知っている誰よりもエネルギーについて詳しい」と語った。トランプ大統領がバーガムに電話して知事を副大統領候補に選ばないことを伝えたとき、前大統領は電話で「長官閣下」と挨拶した。

●ビル・ハガティ連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)(Sen. Bill Hagerty (R-Tenn.)
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ビル・ハガティとドナルド・トランプ

ビル・ハガティはトランプ政権一期目に駐日大使を務め、連邦上院から政権に抜擢される可能性が高いと見られている。

ハガティは、国務省、財務省、商務省を率いるトップに抜擢される可能性もある。

大使や連邦上院議員を歴任する前は、ジョージ・W・ブッシュ・ホワイトハウスで経済アドヴァイザーを務め、その後テネシー州の経済高官(テネシー州経済地域開発庁長官)を務めた。

●ロバート・オブライエン(Robert O’Brien
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ロバート・オブライエンとドナルド・トランプ
ロバート・オブライエンは、トランプ大統領の国家安全保障ティームの一員として、国務省を率いる、あるいは別の上級職を担う有力候補と目されている。

彼は以前、トランプ大統領の人質問題担当特使を務め、その後、国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めた。

●マイク・ウォルツ連邦下院議員(フロリダ州、共和党)‘Rep. Mike Waltz (R-Fla.)
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マイク・ウォルツは陸軍の退役軍人で、トランプ政権で働くことの希望を明らかにしてきた。

彼は国務長官に指名されるか、退役軍人省をリードする役割を与えられるかの可能性を持っている。

●リチャード・グレネル(Richard Grenell
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リチャード・グレネル
リチャード・グレネルはトランプ大統領の盟友で、以前は駐ドイツ米大使や情報長官代理を務めていた。複数の情報提供者によれば、彼は国務省を率いる可能性があるという。関係者によると、グレネルは国務省を率いる可能性があるとされており、今回はより大きな仕事に就く準備が整っている可能性がある。

グレネルはウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領との最近の会談でトランプと一緒に出席し、選挙活動でも積極的に存在感を示した。

●ジョン・ポウルソン(John Paulson
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ドナルド・トランプとジョン・ポウルソン

ジョン・ポウルソンが財務長官候補に挙がっていると報じられている。ポウルソンはヘッジファンド・マネージャーで、トランプ大統領の3回のホワイトハウス選挙キャンペーンにそれぞれ献金している。

この役職は政権におけるトップの経済職であり、内閣の一部である。スティーブン・ムニューチンはトランプ第一次政権で財務長官を務めた。

●エリック・シュミット連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)(Sen. Eric Schmitt (R-Mo.)
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ドナルド・トランプとエリック・シュミット

エリック・シュミット氏はトランプと盟友たちから人気があり、司法長官に選ばれる可能性がある。

ミズーリ州司法長官を務めたシュミットは、6月のバイデン大統領との対決に先立ってトランプ氏の討論準備を支援した。

司法長官(attorney general)は司法省を率いており、過去4年間にわたってトランプ大統領の捜査を司法省が行ってきた。トランプ大統領は、忠誠心を司法長官にとって最も重要な資質だと考えているようだ。

トランプは一期目で最初の司法長官となったジェフ・セッションズ元連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)と早々に対立するようになった。セッションズが2016年の選挙へのロシア介入未遂事件の捜査から身を引いた後、対立するようになった。

トランプ大統領最後の司法長官ウィリアム・バーも、2020年の選挙で広範な選挙不正の証拠がなかったとして、トランプ大統領を苛立たせた。

●注目すべき他の名前(Other names to watch

他にも、関心やどのようなポジションに就くことができるかに応じて、トランプ大統領のホワイトハウスや政権の職に就く可能性のある名前がたくさんある。

あるトランプ支持者は、トランプ陣営の政治運営を監督していたジェイムズ・ブレア(James Blair)が希望すればホワイトハウスの職に就く可能性があり、陣営の広報担当スティーヴン・チャン(Steven Cheung)は最終的に広報担当に就く可能性があると語った。第一次トランプ政権で報道局に勤務し、退任後もティームの一員だったマーゴ・マーティン(Margo Martin)は、二期目でその役割を担うことが期待されている。
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ジェイムズ・ブレア
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スティーヴン・チャン
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ドナルド・トランプとマーゴ・マーティン
トランプ大統領との間で歩み寄ったり離れたりの関係を築いてきたトーマス・マッシー(Thomas Massie)連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は、次期政権で農業に関する役割を受け入れる「準備ができており、喜んで」いると述べた。
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トーマス・マッシーとドナルド・トランプ
元民主党大統領候補で、トランプ支持者となったトゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard)にも、政権のポストとして検討される可能性がある。エリス・ステファニック(Elise Stefanik)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)もその可能性があり、「パンチボール・ニューズ」は、ステファニックが国連大使の候補に挙がっていると報じている。
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トゥルシー・ギャバ―ドとドナルド・トランプ
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エリス・ステファニックとドナルド・トランプ

ブルック・ロリンズ(Brook Rollins)は、トランプの1期目に国内政策責任者を務めたこともあり、影響力のあるアメリカ・ファースト政策研究所を率いており、ホワイトハウスの上級職に就く可能性のある人物の1人だ。
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ドナルド・トランプとブルック・ロリンズ
ホワイトハウスの仕事に就く名前として挙がらないのはドナルド・トランプ・ジュニアの名前だ。この件に詳しい情報提供者が本誌に語ったところによると、次期大統領の長男は政権入りに関心がないということだ。

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●「焦点:トランプ氏を支えるキープレーヤーたち、陣営新幹部は表舞台に出ず」

By Alexandra Ulmer, Nathan Layne, Steve Holland

202425日午後 6:26 GMT+99ヶ月前更新

https://jp.reuters.com/world/us/4XPT26HEP5JLNM7U6NP366RHRQ-2024-02-05/

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 レーガン元大統領の選挙陣営で働いたベテラン選挙参謀。中東で負傷した元海兵隊員。総合格闘技UFCの広報担当者。ソーシャルメディア対策を仕切る元キャディー。これがドナルド・トランプ陣営の主力だ。写真はアイオワ州デモインで、トランプ氏の後ろに立つ側近ら。1月15日撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder

[1日 ロイター] - レーガン元大統領の選挙陣営で働いたベテラン選挙参謀。中東で負傷した元海兵隊員。総合格闘技UFCの広報担当者。ソーシャルメディア対策を仕切る元キャディー。これがドナルド・トランプ陣営の主力だ。

緊密で統制の取れた側近としてホワイトハウス奪還をめざす前大統領の周囲を固めるのは、こうした少数の特色ある顔ぶれだ。現・元官僚や献金者、ストラテジストを含め、トランプ陣営に近い十数人へのインタビューから明らかになった。

取材に応じた人々によれば、トランプ陣営の中枢は6人ほどの側近で固められている。ボスであるトランプ氏に揺るがぬ忠誠を捧げ、ほぼ黒子役に徹している。勝手放題のアドバイザーたちが内紛やメディアへのリーク、解任騒ぎを繰り返していた過去のトランプ陣営とは好対照だ。

トランプ陣営の共同選対本部長を務めるクリス・ラシビータ氏(57)は、「戦場に一緒に行くなら、信頼できる人間でなければ」と語る。元海兵隊員で1991年の湾岸戦争で負傷し、政治コンサルタントに転じた。 
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クリス・ラシビータ

「指揮系統はきわめて明確だ」とラシビータ氏。「そのトップにあの人がいる」

あまり表に出てこないラシビータ氏と、ともに選挙運動を仕切るスージー・ワイルズ氏の姿を人々が目にしたのは、トランプ氏が1月、アイオワ州の共和党党員集会で51%の支持を得て勝利し、ステージに上がって勝利宣言を行った時だった。
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ドナルド・トランプとスージー・ワイルズ
トランプ氏の背後には、赤いブレザーを着てステージの端に立ち、身体の前で両手を重ねるワイルズ氏の姿があった。さらにその後ろには、ラシビータ氏のつるっとした頭も見えた。

トランプ氏は2人の方を向いて、「彼らは何の称賛も求めていない。ただ勝利をめざし、米国を再び偉大にしたいと願っているだけだ」と語った。「何か話すことや写真に映ることは望んでいない。ただ任務を果たしたい、それだけだ」

2人の経験豊富な選挙参謀とその周囲の小規模なチームのおかげで、トランプ氏は共和党の大統領候補指名レースで大きなリードを築いている。大物の支持を獲得し、各州の共和党に働きかけて有利なルール変更を実現し、ライバルへの口撃を絶やさず、複数の刑事訴訟を逆手に取り巧みな選挙戦略を企て、イベントには赤い帽子をかぶった支持者が詰めかけるように準備する。

2016年大統領選挙でトランプ陣営の選対本部長を務め、今もトランプ氏と親密なコーリー・ルワンドウスキー氏は、あるインタビューの中で、「たいていの人はスージー・ワイルズとは誰なのか、クリス・ラシビータとは何者なのかを知らない。それは悪いことではない」と語る。
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コーリー・ルワンドウスキー

「2人は毎日任務を果たしている。飛行機の機体に書かれている名前は1つだけ、『ドナルド・トランプ』だ。トランプ氏はこのやり方が気に入っている」

トランプ陣営のここまでの成功を見ると、11月に直接対決する可能性の高い民主党のジョー・バイデン現大統領にとっては、4年前に比べてはるかに厳しい戦いになりそうだ。

共和党で長年コンサルタントを務め、大統領選挙や上院議員選挙にも関与するスコット・リード氏は、「バイデン氏は今回、俊英ぞろいのトランプ陣営と対峙(たいじ)することになる」と語る。「腰巾着の類いはほとんど追い出された」

だが、参謀がどれほど優秀であろうと、成功・失敗の双方を決定づけるのはトランプ氏自身だというのが一般的な見解だ。本番の選挙の成否を決定づける穏健派・無党派の有権者を離反させてしまいそうな、シナリオから外れた失言も多い。

トランプ氏は、米国史上最大規模の移民送還措置、「腐敗している」と決めつける国家安全保障当局者の更迭、政敵の「一掃」など、分断を深める計画を口にするが、新たな側近たちがこれを抑止しようとする兆候は表面化していない。

バイデン陣営の広報担当、アマール・ムーサ氏は、より統制のとれたトランプ陣営と対決する見通しについて聞かれると、選挙陣営がどうであれトランプ氏を打ち負かすと述べた。バイデン氏は、トランプ氏が米国の民主主義に対する脅威だと非難している。

ムーサ氏は「トランプ氏が大統領執務室に戻ることがいかに危険かを、有権者は認識しつつある」と語った。

<格闘技とゴルフ>

2024年版のトランプ陣営は、2020年にバイデン現大統領と対決したときに比べて規模を縮小している、当時は多くの有力者がトランプ氏に意見を伝えていた。当時のトランプ陣営ではブラッド・パースケール選対本部長が10部門からなる構造を指揮していたが、トランプ氏の息子であるドナルド・ジュニア氏やエリック氏、娘のイバンカ氏、娘婿のクシュナー氏、共和党全国委員会のロナ・マクダニエル氏など、口を出す人物は他にもたくさんいた。

こうした顔ぶれに加えて、ホワイトハウスの大規模な組織があった。マーク・メドウズ大統領首席補佐官、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問、マイク・ペンス副大統領、その他多くの人々だ。

だが今回のトランプ候補の選挙運動は、ワイルズ氏に依存する部分が大きい。同氏は1980年にレーガン氏の選挙運動に携わり、2016年、2020年には上級顧問としてトランプ氏のフロリダ州での勝利に貢献した。

実情を知る選挙陣営関係者によれば、ワイルズ氏は活動予算から移動の予定に至るまで、あらゆることに目配りしているという。この関係者は、取材に応じた他の多くの人々と同様、自由に話すために匿名を希望している。

ワイルズ氏はもう1つ重要な手土産をトランプ陣営にもたらした。当初トランプ氏の主なライバルであったロン・デサンティス候補をよく知っていたからだ。

ワイルズ氏は、2018年フロリダ州知事選におけるデサンティス氏の勝利に貢献したが、その後、関係が悪化して同氏と決別した。トランプ陣営の戦略を知る複数の情報提供者によれば、ワイルズ氏が加入したことで、デサンティス氏が出馬を表明する前から、トランプ陣営では早々に同氏の弱点を見極めることができたという。

両者を知る人々はラシビータ氏とワイルズ氏の性格は異なると語るが、ロイターが取材した選挙戦の様相からもそれはうかがわれる。ラシビータ氏は社交的で記者団とのおしゃべりが好きだが、ワイルズ氏は物静かで、たまにジャーナリストと顔を合わせるときでも、手短な回答に終始するのが普通だ。

トランプ陣営の内部の動きに詳しい別の情報提供者によれば、2人は常に連名でトランプ候補に進言しているという。

一方、メディア戦略を担当するのは選対ストラテジストを務めるジェイソン・ミラー氏と、スティーブン・チュン氏。チュン氏は、ケージファイト形式の総合格闘技アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)の広報担当チーフという経歴を持つ。
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ジェイソン・ミラー
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スティーブン・チュン

やはり側近として名を連ねるのが、トランプ政権下のホワイトハウスで政務局長を務めたブライアン・ジャック氏だ。他の政治家に対する働きかけを取り仕切り、支持を確保する役割だ。またソーシャルメディア対応はダン・スカビノ氏が担当する。
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ブライアン・ジャック
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ダン・スカビノ

スカビノ氏は、トランプ氏にとって最古参の側近の1人だ。その縁は、不動産業界の大物だったトランプ氏のゴルフにキャディーとして付き添った1990年代にさかのぼる。3回の大統領選挙全て、そしてホワイトハウスでの4年間、トランプ氏の脇を固めた。

ラシビータ氏はロイターの取材に対し、トランプ氏は多種多様な人々にアドバイスを求める習慣があるが、それを止めようとはしていない、と語った。

アイオワ州でのトランプ支持者の集会の舞台裏で、ラシビータ氏は「ただし構造として見れば、私たちのグループは密にまとまっている」と語った。

またこれとは別に、ラシビータ氏は昨年8月のインタビューでトランプ陣営の戦闘的な姿勢に触れている。「アグレッシブなキャンペーンを張ることは私たちにとっては簡単なことだ。候補者が気にせずに任せてくれる場合には、非常にアグレッシブになる」

トランプ氏の息子であるドナルド・ジュニア氏、エリック氏は、2024年の選挙運動にも積極的に参加しており、アイオワ州とニューハンプシャー州の党員集会では現地でかなりの時間を過ごし、父親のために頻繁にテレビに出演した。

<パームビーチで朝のミーティング>

35人前後のトランプ陣営スタッフは、フロリダ州パームビーチにある、トランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」に近い地味なビルを拠点として活動している。同陣営の動きを知る選対関係者の1人が明らかにした。

同じ選対関係者によれば、ワイルズ、ラシビータ氏などのメンバーで構成される選対中枢は、毎朝9時からのミーティングで始動し、計画を立て、問題を精査する。重要なのは、情報漏えいや内紛を防ぐために、全員の意見をよく聞くことだ。

この選対関係者は、「全員が納得するまでは解散しないという点にこだわっている」と語る。

その後、何か面倒な案件をトランプ氏に伝えに行くのは、ふだんはワイルズ氏の役目だ。ワイルズ氏は通常は週に複数回トランプ氏との打ち合わせをしている。

トランプ前大統領の陣営に近い6人の関係者によれば、こうした側近たちを取り巻く顔ぶれとして、トランプ政権下のホワイトハウスで働き、今も主要スピーチライターを務めているロス・ワーシントン氏とビンス・ヘイリー氏がいる。
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ビンス・ヘイリー

トランプ氏の演説はここ数週間、厳しい視線にさらされている。同氏が支持者に対し「我が国の血は移民によって汚されている」と述べ、政敵を「寄生虫」と表現したことで、ナチスの言説を思い起こさせる排外主義的な発言として批判を浴びているからだ。

こうしたコメントが、ワーシントン、ヘイリー両氏に由来するのか、トランプ氏のアドリブによるものかは不明だ。12月6日のニューハンプシャーでの演説に先立ってメディアに配布された予定稿には「血を汚す」という表現は見当たらない。ワイルズ氏などの側近は、メールや声明などでその点を説明する努力をしていない。

チュン氏は、トランプ前大統領の発言に対する批判を「的外れだ」と切り捨て、同様の言葉は書籍やニュース記事、テレビでも広く見られるとしている。ロイターではヘイリー、ワーシントン氏にコメントを求めようとしたが、連絡は取れなかった。

また、トランプ氏のための政策提言を誰が作成しているのか、正確に把握することも困難だ。

2人の情報提供者によれば、ホワイトハウスの元上級顧問で強硬な反移民政策を掲げるスティーブン・ミラー氏が、対メキシコ国境に関する政策提言の主役だという。また、かつてのトランプ選対本部長だったルワンドウスキー氏の話では、国家安全保障分野の顧問を務めるのは、トランプ政権時代の国家安全保障会議(NSC)で事務局長を務めたキース・ケロッグ元陸軍中将だ。
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ドナルド・トランプとキース・ケロッグ

ミラー、ケロッグ両氏はコメントを控えるとしている。

チュン氏は、「(トランプ氏は)適任と見られる多くの個人、さまざまな分野の専門家と話をしている」と語るが、詳細については触れなかった。

複数の内部関係者は、トランプ氏の子どもたちは実際にはあまり口をはさんでおらず、複数の派閥が競い合う状況は生まれていない、と語る。

とはいえ、アイオワ州での勝利宣言の際に、ステージ上でトランプ氏に寄り添っていたのは年長の息子2人であり、ワイルズ、ラシビータ両氏はカメラに映らない場所に控えていた。

(翻訳:エァクレーレン)
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(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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