古村治彦です。

 ここ1カ月半は、11月に出版予定の翻訳本にかかりきりで、ブログを更新することができませんでした。第一稿を提出できましたので、これからブログも更新していきたいと思います。よろしくお願いいたします。翻訳を進めながらも、ニュースは見ていますので、ここ1カ月半で驚いたのは、菅義偉首相の自民党総裁選不出馬と株式市場の値上がりです。

 今回は降ってわいたように行われることになった自民党総裁選挙について書きます。私らしい内容となると、ジャパン・ハンドラーズを中心とした人脈について書きます。これ以降は言葉を改めます。

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 自民党総裁選挙は2021年9月17日に告示され、29日に投開票が実施される。現職の菅義偉首相は不出馬を表明し、一気に盛り上がりを見せた。

 今回の自民党総裁選挙についての様々な分析はマスメディアで様々になされている。河野太郎国務大臣(ワクチン担当)、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務大臣、野田聖子幹事長代理の4名が推薦人20名を集めて、立候補となった。今回の総裁選挙では、派閥の締め付けが効かないということで、結果を予想することが難しくなっている。

 自民党総裁選挙は、議員票(党所属の衆議院議員274名と参議院議員108名)が382票、党員・党友(地方)票382票(各都道府県連で集計した投票数を党本部で集計し、各候補者にドント方式で配分)の764票を争うことになる。1回目の開票で過半数を獲得する候補者がいなければ、1位と2位の候補者による決選投票となる。決選投票では、議員票382票、地方票は47票(各都道府県で1位となった候補者が1票を獲得)となる。

今のところ、河野太郎氏が1回目の投票で1位となるが過半数を獲得するが、決選投票では1回目で2位となった岸田文雄氏が逆転で勝利するのではないかと予想される。

 今回の総裁選挙について大きな枠組みで見ると、2A(安倍晋三前首相と麻生太郎元首相)対2F(二階稔博幹事長)・石破茂元幹事長という構図となっている。岸田文雄氏と高市早苗氏が2A陣営、河野太郎氏が2F・石破陣営、野田聖子氏は不明(河野氏にマイナスの家強となるか)ということになるだろう。

 河野太郎氏は「ごまめの歯ぎしり」「変人」「短期(瞬間湯沸かし器)」ということで、河野一郎以来の政治の名門の出ながら、総理総裁候補とは長年にわたって見なされてこなかった。プリンスが長年にわたり、無頼放蕩をしてきたが、初入閣辺りから、麻生派の皇太子、プリンスということになった。

 河野太郎氏立候補にあたり、大きな原動力となったのは若手の動きだ。当選3回までの若手たちは、厳しい選挙、逆風の選挙を体験したことがなく、そのために、「選挙の顔」を重視し、そのためには「改革」のイメージが強い河野氏を総裁に選び、首相として総選挙を戦いということになっているようだ。

 若手たち、更には河野氏を支持している人たちのキーワードが「党風一新」だ。以下に記事を貼り付けるが、自民党の若手議員たちが結成した会の名前は「党風一新の会」であり、河野氏を支持する小泉進次郎環境大臣も「党風一新」という言葉を使った。

(貼り付けはじめ)

●「自民党総裁選告示 「党風一新の会」代表世話人・福田達夫氏に聞く」

9/18() 6:02配信

上毛新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/2887d58df8442d0dc98c22d432a8f8b6930ce66a

 党改革を掲げる自民党の中堅・若手国会議員による「党風一新の会」が10日発足し、代表世話人に福田達夫衆院議員(54)=群馬4区=が就いた。826日に派閥横断の17人でスタートした会合は、同党総裁選や衆院選を前にした政局下で一気に膨れ上がり、約90人が名を連ねる大きなうねりとなった。総裁選が告示された17日、福田氏に活動の意義や展望を聞いた。(関口健太郎)

―党改革を掲げる会の狙いは。

 われわれの本丸の目的は党改革だ。群馬でも「自民党はだめだ」という声をいただく。そこには長老支配と密室政治、そしてわれわれの活動が国民に見えにくいという問題がある。3期生にもなると政策作りに中心となって取り組んでいる自負があるが、世の中にはなかなか伝わらない。党の若手や中堅が認知され、自身の考えを発言し反映される場をつくりたかった。

―これほど大きなうねりになると考えていたか。

 正直驚いている。多くても40人集まればいいなと思っていた。数と勢いは政治においてとても重要だ。今回はメディアに注目されたことで、若手の仕事や存在を多くの人に認知してもらえたと感じている。

―この3週間で示した存在感は大きく、会の活動は多くの派閥が事実上の自主投票となった現状にも影響を与えたのではないか。

 注目されたかどうかの違いで、自分がやってきたことは変わらない。われわれの目的は、群馬を含む全国の党員が自分たちで見て、考え、自分たちの気持ちで投票することだ。開かれた総裁選を目指したことを考えれば、良い方向に向かっていると思う。

―会は21日に立候補者との意見交換会を開く。

 各候補者に35分ずつ時間をいただく。会所属の議員は56人参加し、意見交換する。政策については党の討論会などもあるので、われわれは各候補者の政治姿勢、現在の国民と政治の関係についての認識と、それをどうしていくのかを中心に聞きたい。

―党風一新の会の立ち上げは、祖父の故・赳夫元首相が、後の福田派につながる「党風刷新懇話会」を立ち上げた姿と重なる。

 当初はあまり意識していなかった。派閥の拘束を否定するという動きは、歴史の中で繰り返されるということなのではないか。多くの先輩方からも個別に応援していただいている。

―今後の活動について。

 総裁選は党改革というわれわれが目指す道の中で、その過程にあっただけだ。総裁選が終わり、総選挙も終わって生き残ることができたら、党改革を目指してしっかり取り組んでいきたい。

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●「小泉氏、河野氏を支持 「党風一新できる」―自民総裁選」

202109142121

時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091400999&g=pol

 小泉進次郎環境相は14日、地元の神奈川県横須賀市で記者会見し、自民党総裁選で河野太郎規制改革担当相を支持すると表明した。「コロナ禍で日本も世界も変わる時に、自民党も変わらなければいけない。誰が党風を一新できるか、答えは明らかだ」と強調した。

 国民的に人気のある小泉氏の態度表明は、党員・党友票(地方票)を中心に一定の影響を与えそうだ。

(貼り付け終わり)

 河野太郎、福田達夫、小泉進次郎各氏の共通点は、ワシントンDCで生活をした経験もつということだ。河野太郎師は慶應義塾高校から慶應義塾大学に進学しながら中退し、ワシントンDCにあるジョージタウン大学に入学し直し、卒業、学士号を取得した。在学中には、マデリーン・オルブライト元国務長官の授業でA(日本で言えば優、もしくは秀)の評価を受けたのが自慢だ。

 福田達夫氏は慶應義塾高校から慶應義塾大学進学、卒業後にワシントンDCにある、ジョンズ・ホプキンズ大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院(Paul H. Nitze School of Advanced International StudiesSAIS)の研究員となった。SAISは、全米屈指の大学院・シンクタンクである。日本関係で言えば、元駐日大使エドウィン・O・ライシャワーの最後の弟子ケント・カルダーがSAISライシャワー東アジア研究所の所長を務めている。拙著『アメリカ政治の秘密 日本人が知らない世界支配の構造』で、カルダーの弟子にあたる(プリンストン大学時代にカルダーに師事。卒業論文は在日米軍基地について)マーク・ナッパ―(当時は国務省日本部長、現在は日韓担当国務次官補代理)と福田達夫氏との関係に言及している。

 福田氏は現在、総裁選挙での支持候補を明らかにしておらず、党風一新の会に参加した若手でも河野氏ではない候補者を支持している人たちも出ているが、福田氏を中心としたこの若手の動きは河野氏出馬に大きな力となった。

 小泉進次郎氏は、関東学院六浦高校から関東学院大学に進学し、卒業後には、コロンビア大学大学院で、日本政治研究の大家ジェラルド・カーティスの指導の下で、政治学修士号を取得した。その後はワシントンDCにある戦略国家問題研究所(Center for Strategic and International StudiesCSIS)で非常勤研究員を務めた。CSISはジョージタウン大学内の研究所として設立され、その後は学外に発展した。ざっくばらんな言い方をすると、ジョージタウン大学教授で、CSIS副理事長を務める、マイケル・グリーンの「カバン持ち」をしていたということだ。小泉氏のコロンビア大学大学院進学には次のような記事がある。簡単に言えば、下駄をはかせてもらって、箔をつけるためにコロンビア大学に行ったということだ。

(貼り付けはじめ)

●「小泉進次郎、名門「コロンビア大学院」留学の裏側 関係者が証言」

国内 政治 週刊新潮 202181219日号掲載

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/08041544/?all=1

米政府大物に相談

 2019年に男性では戦後最年少で入閣を果たすも、その後は「46という数字が浮かんできた」など珍妙なポエムを連発し、国民から失笑を浴び続ける小泉進次郎環境相。世間との感覚の乖離が目立つ彼だが、その原点は04年のコロンビア大学大学院留学にあった。なんと、自身の所属大学教授や米大物教授まで巻き込んで、希望大学への入学を果たしていたのだ。

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 進次郎氏は関東学院大学を卒業した04年に渡米。当地の難関校・コロンビア大学大学院で政治学を学んでいた。

「進次郎さんが大学を卒業する前、関東学院大学文学部の教授から“うちの学生に総理の息子がいて……”と相談を受けたのです」

 と明かすのは、国際関係学研究所所長の天川由記子氏。

「話を聞くと“総理の次男である進次郎君がコロンビア大学大学院に行きたいと言い出した。ジェラルド・カーティス教授の下で政治学を学び、父の跡を継ぎたいと言っている”。ところが、天下のコロンビア大学に行くには圧倒的に成績が足りていなかったそうで、“推薦状を頼まれたんだけど、どうしたらいいか”という相談でした」

 コロンビア大学といえばアメリカを代表する難関校であり、かたや彼が卒業した関東学院大学経済学部経営学科の当時の偏差値は49だった。さらに、当時の関東学院大学関係者によると、進次郎氏の成績は「学生の中でも平均的」だったという。天川氏が続ける。

「進次郎さんと面識はありませんでしたが、私は当時、日本で官房長官のアメリカ外交担当非常勤アシスタントを務めており、毎日ホワイトハウスと連絡をとっていました。そこで、まずはマイケル・グリーン氏に電話をしたのです」

 グリーン氏は当時、ブッシュ政権下で国家安全保障会議(NSC)の上級アジア部長兼大統領特別補佐官という要職にあった。すると、後にNSCアジア部長となるビクター・チャ氏を紹介されたという。

「“彼がコロンビア大で博士号を取得しているので詳しい。カーティス教授とも親しいから聞いてみて”と言われました。早速連絡すると、“それは大変だ!”と大学院の選抜システムを細かく説明してくれました」(同)

 チャ氏は「小論文や推薦状で彼が政治家になることを強調するように」と助言し、天川氏はそれを関東学院大の教授に伝えたという。

例外的な好待遇

「アメリカの大学院の審査基準は日本と異なり、点数よりも将来性が評価されます。卒業生の活躍が大学の評価を高めるという考えがあります」(留学事情に詳しいジャーナリスト)

 結果、アドバイスが功を奏したのか、進次郎氏は条件付き合格となったという。その条件とは、TOEFLのスコアが600点に達するまでコロンビア大学内の語学講座で英語の授業を受けるというものだった。進次郎氏はそこで1年ほど英語を学び、059月に修士課程をスタートしたという。しかし、コロンビア大のようなトップ校で英語力の向上を待ってもらえるケースはそれほど多くはなく、進次郎氏の場合は例外的な好待遇だという。

 85日発売の週刊新潮および有料会員制情報サイト「フォーサイト」では、コロンビア大学大学院卒業後に就職した米シンクタンク・CSISの採用の経緯についても、関係者の証言を交えて詳報する。

(貼り付け終わり)

 ジャパン・ハンドラーズに育てられた人材たちが今回ワシントンDC閥(Washington DC faction)を形成して、2A(安倍・麻生:それぞれ南カリフォルニア大学とスタンフォード大学に「遊学」したカリフォルニア・コネクション)に対抗することになった(党風一新という言葉は2Aに対して、「お前らさっさといなくなれ」という意味だろう)。安倍晋三前首相は、アメリカの覚えがめでたかったではないか、ドナルド・トランプ大統領当選直後に、各国の指導者の中で最も早い段階でトランプに会えたし、それ以降も緊密な関係を築いていたはずだ。

 しかし、トランプ大統領はワシントンDCでは最初から最後までよそ者だった。そして、トランプが去り、民主党政権となった。オバマ時代には安倍首相としっくりいかなかったことは知られている。バイデン政権になり、安倍路線は「覆される」対象、「逆コース(reverse course)」ということになったと考えられる。「上層部が変わったからこの話はなかったことに」というのは世間ではよくある話だ。

 更には、アメリカのバイデン政権内で対中衝突回避の雰囲気もあり、過度に単純な「アメリカと協力して中国を征伐してやるぞ!」というひねくれまくった日本の「愛国者」は邪魔な存在ということになる。「できるもんならやってみろ、ただしお前らだけでな(できもしないのに大言壮語を吐くな、アメリカがバックにいないと何もできないチンピラ以下が)」ということだ。安倍・麻生は当然のことながら、日本国内政治はアメリカの担当者などよりも分かっている。だから、手駒を2枚用意した。岸田氏と高市氏だ。そして、2位、3位連合で、決選投票で逆転してやる、岸田だったらアメリカも文句ないだろうということだ。今回総裁選に4名出馬し、女性が2名というには大きく言えば、河野氏を勝たせないという国内勢力(アメリカに捨てられた人たち)の戦略ということになるだろう。その結果がどうなるか分からない。決選投票で河野氏対岸田氏となったら、アメリカ側もまぁまぁ満足するし、岸田氏が勝てば、「大変動が起きなくて済む」ということで安心感ということになるだろう。岸田氏で総選挙が勝てるかどうかだが、菅首相で突っ込むよりも被害は少ないということになるだろう。

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める