古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:共産党

 古村治彦です。
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※2024年10月29日に佐藤優先生との対談『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』(←この部分をクリックするとアマゾンのページに飛びます)が発売になります。予約受付中です。よろしくお願いいたします。

 いよいよ10月27日に総選挙(衆議院議員選挙)の投開票日が迫ってきた。解散前に290議席あった自民党と公明党の連立与党は厳しい状況で、過半数の233議席を確保できるか厳しい状況だ。保守地盤である地方でも苦戦が続いている。日本維新の会は人気下下落しており、解散前の43議席を割り込むと見られている。立憲民主党(98議席)と国民民主党(7議席)は大幅な議席増、日本共産党(10議席)やれいわ新選組(3議席)の議席の上積みもある状況だ。日本保守党は複数議席獲得、社民党は1議席を守る戦いとなっているようだ。

 報道では、自民党の森山裕幹事長が連立の枠組み拡大について可能性を否定しない発言をしている。これはつまり、日本維新の会や国民民主党を連立政権に加えるということだ。公明党と日本維新の会は大阪で激しく戦っている状況で、維新が連立に加わることについて、公明党側に大きな抵抗感があると見込まれる。

また、国民民主党の玉木雄一郎代表は「いまのところは考えていない」という発言をしている。玉木氏は東大卒のキャリア官僚出身であり、霞ヶ関話法の使い手である。都民ファーストにすり寄ってみたり、立民に近づいてみたり、政治的なマヌーヴァー的な動きをする。国民民主の議席増も自民党支持者の票を集めているということを考えると、連立への参加のハードルは維新に比べて低いように思われる。

 維新や国民民主の存在は簡単に言えば自民党補完勢力であり、自公維国民民主の令和版大政翼賛会は憲法の変更を目指しているという大きな目標では一致している。平和の党として、庶民の党として活動してきた公明党が変質したことで、この大政翼賛会は強固なものとなっている。解散前はこの4党で340議席(全体が465議席)であり、憲法の変更を発議できる3分の2(312議席)を軽く超えている。この大政翼賛会勢力をまず3分の2以下にすることが最重要だ。自公維で60議席以上減らし、国民民主の議席増を10議席くらいに抑えて、大政翼賛会勢力の議席数を300議席、できれば280議席台に抑えたいところだ。

 更に言えば、立憲民主党の大幅議席増を抑制したい。何よりも、民主党政権時代に「国民の生活が第一」を弊履のように捨て去り、国民を騙して裏切り、消費増税を行った野田佳彦議員を代表に迎えた立憲民主党の「増え過ぎ」には反対する。野田佳彦を代表に据えるということ、「消費税は25%に」という発言を行った小川淳也議員を幹事長に据えているということは、立憲民主党が「消費増税」で「財務省の意向が第一」路線であることを私たちに国民に明確に示してくれている。先日、私の家の郵便受けに立憲民主党の広報ビラが入っており、それには野田佳彦代表の顔写真と共に、「政治不信に決着をつける」と書かれていた。そもそも国民を裏切り、安倍晋三政権を誕生させ、ここまでの酷い状況を生み出し、それでも国民が政治に無関心になっているという状態を生み出したのは、つまり、政治不信を生み出したのは民主党政権時代の野田佳彦とその一派だ。この者たちに何かを云々する資格はない。

 私の考えでは、「小選挙区では自民、公明、維新、国民民主の候補者に入れない、そして、比例区では自民、公明、維新、国民民主に加えて、立憲民主党にいれない」ということが投票の前提になる。賛政党や保守党についてはあまり言いたくない。比例区では、名前を挙げた政党以外の政党に入れるということになる。それぞれの有権者の判断ということになるが、自公連立政権、令和版大政翼賛会勢力、立民を抑制するということで、非常に複雑な投票が求められると思う。

(貼り付けはじめ)

●「衆院選、与党過半数は微妙 自民苦戦、単独割れも」

10/22() 6:00配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/a3ae96bba01e555a0d63d8b97e0f79f300292816

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各党などの推定獲得議席

 共同通信社は第50回衆院選について2021両日、全国の有権者19万人を対象に電話調査を実施し、取材も加味して終盤情勢を探った。自民党は派閥裏金事件の影響を受け、序盤調査(1516両日)時に続き苦戦。単独で定数465議席の過半数(233)を割る可能性がある。公明党も伸び悩んでおり、与党過半数確保は微妙な状況だ。

 自民は、野党などと競り合う選挙区を抱え、先行する小選挙区は140を割り込んでいるもようだ。比例代表も厳しく、大幅減となる可能性がある。

 立民は、小選挙区で100議席の獲得を視野に入れる。比例も増やすとみられる。

 維新は比例で支持が広がらず、全体で公示前43議席から減らしそうだ。

 公明は大阪府、兵庫県で維新と対決。北海道10区などで苦しい戦いを続けている。

 国民民主党は比例で支持を拡大。「日本保守党」は比例を中心に複数議席を獲得しそうだ。

 共産党は公示前の10議席を上回る勢い。れいわ新選組も比例での上積みが見込める。社民党は、小選挙区での1議席確保を射程に入れる。参政党の議席獲得は見通せない。

 1選挙区当たり固定電話と携帯電話で計600サンプルを目標にし、全289選挙区で計19556件の回答を得た。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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 古村治彦です。

 2022年7月10日に第26回参議院選挙の投開票が実施された。結果は自民党が改選前議席(55議席)から8議席を増やして63議席増やして大勝ということになった。公明党は1議席減らして13議席となったが、「与党で過半数」という岸田文雄元首相が掲げた勝敗ラインを超えることになり、岸田首相は初めての国政選挙で勝利した。自民党は非改選55議席と足して、参議院で118議席(参院全体で248議席・過半数は125議席)となった。公明党は非改選14議席と足して27議席となり、自公連立与党で145議席(3分の2の議席数は165議席)となった。
2022upperhouseelectionresults20220711511

 「与党系野党(ゆ党)」の日本維新の会は改選前6議席から6増の12議席となり、参院全体では非改選と合計して21議席となった。憲法の変更を進める勢力これで166議席となり、3分の2を超えた。新たに与党系野党の仲間入りをした国民民主党は改選前7議席から2減の5議席となり、非改選と合わせて10議席となった。与党系はこれで176議席となった。参院全体の7割を与党系が占め、「大政翼賛会」体制が盤石なものとなった。
2022upperhouseelectionresults20220711512

 野党第一党の立憲民主党は惨敗だった。開戦前23議席から6減の17議席で、非改選と合わせて39議席となった。共産は改選前6議席から2減の4議席で非改選と合わせて11議席となった。れいわ新選組は改選0議席から今回3名が当選し、非改選と合わせて5議席となった。社民党は現有1議席を確保した。政党要件である得票率2%を確保した。NHK党、参政党は1議席ずつ獲得し加えて政党要件を突破した。NHK党は2議席を持つことになった。
2022upperhouseelectionresults20220711513

 自民党大勝、安倍晋三元首相の暗殺が大きく影響と考えられるが、私はそれについては疑問を持っている。下記2つの記事を参考にしてみていきたい。投票率について言うと、前回の衆院選の投票率は55.93%で、今回の参院選が52.05%だったことから、投票に行った人の数は減っている。安倍氏への弔意を示すためならば、投票率が挙がっても良さそうなものだが、選挙に行かないという決定をした人が前回衆院選よりも増えたということになる。最近の酷暑も外出をためらわせることもあっただろう。しかし、期日前投票は過去最高を記録したということで、組織票関係は日曜日の前に既に済ませるということになっているのだろう。

 また、各政党の比例における得票数と得票率を見ると、以下の通りとなる。

・自由民主党

衆院選:1991万4883票(34.7%)→参院選:1825万8791票(34.4%

・公明党

衆院選:711万4282票(12.4%)→参院選:618万1431票(11.7%

・立憲民主党

衆院選:1149万2094票(20%)→参院選:676万9789票(12.8%

・日本維新の会

衆院選:805万830票(14.0%)→参院選:784万5985票(14.8%

・日本共産党

衆院選:416万6076票(7.3%)→参院選:361万8342票(6.8%

・国民民主党

衆院選:259万3396票(4.5%)→参院選:315万9110票(6%

・れいわ新選組

衆院選:221万5648票(3.9%)→参院選:231万9159票(4.4%

・参政党

衆院選:0票(擁立せず)→参院選:176万8349票(3.3%

・社民党

衆院選:101万8588票(1.8%)→参院選:125万8621票(2.4%

NHK

衆院選:79万6788票(1.4% ※当時の名称は「NHKと裁判してる党 弁護士法72条違反で」)→参院選:125万3875票(2.4%

 自民党は横ばい、公明党はやや減少というところだ。全体で一人負けとなっているのが立憲民主党だ。得票率を4割減させ、日本維新の会に逆転されている。しかし、日本維新の会も横ばいである。現職がいる大阪と兵庫で勝利を収めたがその他の地域では浸透できず、東京でも敗北した。ここが一つの最大拡大圏ということになるだろう。国民民主党、社民党は投票率が下がった中で得票数、得票率を上げている。国民民主党はこれから「ゆ党」として存在感を増していくだろう。第二経団連と化した連合にとっては支持しやすい政党が出来た。連合の存在意義が問われるが現在の状況では御用組合、第二経団連以上の存在にはなれないだろう。

 こうしたことを考えてみると、国民は政治に関心を失い、とりあえずということで、自民党に入れているということが考えられる。「これまでもずっと自民党だったし今回もそしてこれからも自民党」という惰性が働いている。安倍晋三元首相の「弔い合戦」にすらならなかった。それこそは日本政治の危機と言えるだろう。

(貼り付けはじめ)

●「安倍氏の遺志継ぐ」自民が大勝。立憲は苦戦、議席を伸ばしたのは“あの党”だった【参院選の結果まとめ】

吉川慧

『ビジネス・インサイダー』誌

Jul. 11, 2022, 09:40 AM 政治31,777

https://www.businessinsider.jp/post-256460

2022年の参院選のポイント10

自民単独で改選議席の過半数、与党で参院全体の過半数超え

改憲4党で改憲発議に必要な参院全体「3分の2」超え

立憲は公示前勢力を下回る

日本維新の会が議席増

公明、共産、国民は議席減

れいわ新選組は議席増、山本太郎代表が当選

社民党は政党要件維持、福島瑞穂党首が当選

NHK党も政党要件維持、「ガーシー」が当選

政治団体「参政党」が比例で1議席、比例得票2%超えで国政政党へ

女性当選者が過去最多の30

改選125議席を争った第26回参院選が1031日投開票され、自民党が単独で63議席(選挙区45・比例18)を獲得し、改選議席125の過半数を占め、大勝。公示前111議席から119議席となった。一方、野党第1党の立憲民主党は現有議席を下回った。NHKなどが開票速報で伝えた。

参議院の非改選を含めた定数は248。今回は改選124議席と神奈川選挙区の補欠選挙を合わせて125議席を争った。

岸田文雄首相は勝敗ラインについて「与党で過半数」と述べていたが、それを上回った。

また今回の選挙で憲法改正に前向きな自民・公明・日本維新の会・国民民主党の「改憲4党」が参院全体の3分の2166議席)を超える177議席となった。

今回の参院選で、投開票2日前の78日、奈良市で演説中の安倍晋三元首相が銃で撃たれ死亡した。首相経験者が殺害されたのは戦後初めてのことだ。

首相経験者の現職国会議員が凶弾に倒れた異例の事態に、与野党を問わず「民主主義に対する攻撃だ」と非難の声が挙がった。

翌日の選挙戦最終日となる9日、東京・銀座四丁目交差点で開かれた自民党の街頭演説会。演説開始前には安倍氏への黙祷が呼びかけられた。街宣車と聴衆の間には距離がとられ、SPや警察官が列を形成して目を光らせていた。

党の選挙スタッフは喪章をつけていた。SPと見られる人が選挙スタッフに「自民党さん?喪章をつけてください」と声をかけている場面も。喪章は関係者を見分ける意味合いもあるようだった。

応援弁士は「テロに屈することなく選挙を戦い抜く」「絶対に負けられない戦い」「安倍氏の遺志を継ぐ」と話し、候補者も「安倍先生の思い描いた未来を引き継いでいかなければ」(東京選挙区・生稲晃子氏)など、安倍氏の遺志を引き継ぐ姿勢を鮮明にし、有権者に投票を訴えていた。

立憲・泉代表「右と左に野党が分かれている」 党勢立て直しが急務

立憲民主党は公示前45[改選23]で、今回獲得したのは17議席(選挙区10・比例7)にとどまった。新勢力は38議席。野党第1党は維持したが、現有を下回る苦戦。比例の得票は維新を下回った。党勢の衰退になかなか歯止めがかからない。

3年前と6年前の参院選では、立憲などの野党は321人区で原則候補者を一本化し、与野党対決に持ち込んだ。

今回は「32人の1人区が大事だと考えていた」(西村智奈美幹事長)としながらも、野党統一候補の調整ができたのは11選挙区にとどまった。

結果、野党系候補は1人区で428敗。新潟の森ゆうこ氏など著名な議員が議席を失った。小沢一郎氏の地元の秋田でも現職が敗北し、自民党が30年ぶりに議席を獲得した。

泉健太代表は10日の会見で「共闘すれば勝てる、しなかったから勝てないという単純な話ではない」とは言うものの、1人区は選挙全体の勝敗をカギを握るとされる。このままでは政権交代は遠のくばかりだ。

激戦の東京選挙区(6人区)では蓮舫氏が現有議席を確保。ただ、過去の選挙ではトップ当選だったが今回は4番手。NHKで当確が出たのは午後9時前後だった。

泉代表の地元である京都選挙区(2人区)では、自民や維新の新人と激しく争った福山哲郎前幹事長が議席を守った。

蓮舫氏は党への支持が広がらなかった理由について「何をやりたい政党なのか何をしてくれる政党なのかメッセージ性が薄かったと思う」と話した。

共産党との共闘を嫌う立憲の支持団体の一つ「連合」との足並みの乱れも垣間見えた。

2月、連合は今回の参院選の基本方針で、支援政党を明記しないという異例の方針を決めた。さらに1人区で立憲と国民民主党が競合することを容認した。立憲と国民民主党の間で一人区での候補者調整が進まなかったことで、組織の分裂を防ぐ目的があった。参院選を控え、自民党も連合に接近。野党勢力の分断を図る狙いが伺えた。

連合との距離感について、泉代表は10日の会見では「現場では惜しみない支援があり、勢いをつけていただいた」「政党自身が積極的に支援してもらえるよう、政治の側こそ努力すべきことがある」と連合への感謝を述べた。

かつて泉代表が「兄弟政党」と語ったことがある国民民主党(代表:玉木雄一郎氏)との関係については、こう語った。

「現場では生活者目線の物価対策、働き方改善、賃上げなど一緒に訴えるという環境は全国各地、地域地域の中には存在していると思う。そうした声を両党の本部は重く受け止めなければならない」

「働く人の立場を守るためにどう行動してくべきか、両党の執行部は真剣に考える時が来ている」

いずれにしろ、党勢の立て直しが急務となることは、泉代表も痛感しているようだ。

泉代表が「6年前の選挙と野党の状況は随分変わった。右の野党、左の野党にわかれ、それぞれがまとまれない状況が続いている」と述べるように、自民党に対抗できず、野党間のつぶしあいで存在感を発揮できない状況が続いている。

ただ、今後も自らが党の立て直しを図る意思を示し、党代表からの辞任は否定した。

維新「1521」へ議席増

野党第1党の立憲が議席を減らした一方、昨年の衆院選に続いて議席を増やしたのが日本維新の会だ。

公示前は15議席[改選6]だったが、今回は12議席を獲得。比例だけで見れば得票は立憲を上回る野党第1党に。新勢力は21議席と躍進した。

ただ、選挙区は4議席にとどまり東京などでは敗北。関西圏では強いが全国政党となるには課題もありそうだ。松井一郎代表は10日の会見で「躍進という結果ではない。少し期待値が上がったのかな、という受け止めだ」と述べた。

また松井代表は「次の代表に引き継ぎたい」として党代表を辞任する意向を示した。すでに20234月の大阪市長の任期満了とともに政界引退の意向も表明しており、世代交代を図る方針だ。

比例区では現職の石井苗子氏、新人の松野明美氏や中条きよし氏、元都知事の猪瀬直樹氏らが当選確実となった。

れいわ議席増、社民は政党要件維持、NHK党は「ガーシー」当選

その他の党の情勢をNHKの開票情報から見てみよう。

自民党と連立を組む公明党は公示前28[改選14]で、今回13議席を獲得。1議席を失い、27議席となった。

共産党は公示前13[改選6]議席で、今回は4議席を獲得。2議席減の11議席となった。激戦の東京選挙区(6人区)では現職の山添拓氏が3番手で当選。議席を守った。

国民民主党は公示前12[改選7]議席で、今回は5議席を獲得。新勢力は2議席減の10議席となった。

公選法上の政党要件を維持できるか、党の存亡を賭けた戦いと位置づけて戦った社民党は、共同通信によると比例区で2%を得票してなんとか政党要件を死守。全国比例の福島瑞穂党首が5回目の当選を果たし、公示前の1議席を守った。

れいわ新選組は山本太郎代表が東京選挙区で当選し、国政に復帰。比例では重度障害がある天畠大輔氏、コメンテーターの水道橋博士氏も議席を獲得し、公示前2議席から5議席に勢力を伸ばした。

NHK党は比例で1議席を獲得し、公示前勢力と合わせて2議席に。政党要件も維持した。YouTubeで「ガーシー」を名乗り、芸能界のスキャンダル話の暴露で話題を集めた東谷義和氏の当確も伝えられた。

政治団体「参政党」が比例で1議席、国政政党へ。

今回の参院選で新たに議席を得たのが、政治団体の参政党だ。比例で1議席を獲得。公選法上で政党要件を満たす得票率2%を超えることが確実となったと共同通信が伝えた。

参政党は自民党からの出馬経験がある元吹田市議会議員の神谷宗幣事務局長らが一昨年に設立した保守色が強い政治団体。主にTikTokInstagramなどのSNSYouTubeのショート動画などで演説の「切り抜き」動画が拡散され、急速に支持を広げた。

今回初の国政選挙への挑戦で選挙区に45人、比例で5人を擁立。党員・サポーター数は約82000人、選挙資金約5億円は党費や寄付・クラウドファンディングで集めたという。

参政党は、「学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成」「化学的な物質に依存しない食と医療の実現と、それを支える循環型の環境の追求」「日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり」を3つの重点政策とした。

具体的には、探究型フリースクールを地方自治体が作れるようにする法改正、国や地域・伝統を大切に思える自尊史観の教育、農薬や肥料・化学薬品を使わない農業と漁業の推進、外国資本の企業買収や土地買収を困難にする法律制定、外国人労働者の増加抑制、外国人参政権を認めないことなどを主張。また、政府の新型コロナ対策を批判。ワクチンを打ちたくなければ打たない自由もあると訴える。また、戦後教育や既存のマスメディアへの批判を唱えている。

女性当選者、過去最多の29

今回の参院選では全候補者545人のうち女性候補者数は過去最多の181人に。全候補者に占める女性候補者の割合も過去最高の33.2%となった。選挙の結果、女性の当選者は30人でこれまでの最多となった。

※最新の情報に記事を更新しました(2022/07/11 12:21

(文・吉川慧)

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国民民主党、実は人気を伸ばしていた?自民・公明は微減、立民は大幅マイナス...参院選「党派別得票率」を見る

議席を減らした国民民主に明るい兆し?社民党は政党要件を維持。

ハフポスト日本版編集部

20220711 1231 JST | 更新 1日前

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62cb8575e4b06e3d9bb6ecee

参議院議員選挙は710日に投開票され、憲法改正に前向きな自民・公明・維新・国民の4政党の議席が全体の3分の2を超える177議席に到達。与党勝利が大々的に伝えられる結果となった。

一方で、20211031日に実施された衆議院議員選挙と、今回の参院選で、政党や政治団体などに票を投じる比例代表の得票を見ていくと、違った傾向も見えてくる。

■自公は減少、立民は大幅に減らす

衆院選の比例代表では政党や政治団体名に、参院選ではそれに加えて候補者名にも投票可能。いずれの場合も、党派別の得票数として集計される。

去年の衆院選と今回の参院選を比べると、党派別の得票率、つまり政党や政治団体が獲得した票の割合は次の通りとなっている(参院選の得票数はNHKのまとめを参考にしている)。

なお、衆院選の投票率は55.93%で、今回の参院選が52.05%となっている。そのため、全体の票数は衆院選の方が多い。得票数では按分を切り捨て、得票率では小数点第2位を四捨五入している。

自由民主党

衆院選:19914883票(34.7%

参院選:18258791票(34.4%

公明党

衆院選:7114282票(12.4%

参院選:6181431票(11.7%

立憲民主党

衆院選:11492094票(20%

参院選:6769789票(12.8%

日本維新の会

衆院選:805830票(14.0%

参院選:7845985票(14.8%

日本共産党

衆院選:4166076票(7.3%

参院選:3618342票(6.8%

国民民主党

衆院選:2593396票(4.5%

参院選:3159110票(6%

れいわ新選組

衆院選:2215648票(3.9%

参院選:2319159票(4.4%

参政党

衆院選:0票(擁立せず)

参院選:1768349票(3.3%

社民党

衆院選:1018588票(1.8%)

参院選:1258621票(2.4%

NHK

衆院選:796788票(1.4% ※当時の名称は「NHKと裁判してる党 弁護士法72条違反で」)

参院選:1253875票(2.4%

※議席を獲得した政党・政治団体のみ記載

■国民民主に明るい兆し?

強固な支持基盤を固め選挙運動を展開する自民党と公明党は、全体の得票率では微減だった。減少ぶりが目立つのは立憲民主党。野党共闘を旗印に掲げて臨んだ衆院選と違い、今回は与野党一騎討ちの構図を十分に作りきれなかった。

選挙前勢力から議席を積み増した日本維新の会は、全体の得票率も微増だった。

国民民主党は改選7議席から、選挙後は5議席と減らした。しかし全体の投票数が衆院選と比べて減ったのにも関わらず、比例票は増加。割合も4.5%から6%へ増やすなど明るい兆しを残した。

社民党は、比例代表の得票率が2%を上回らないと公職選挙法上の政党要件を維持できない選挙だった。党首の福島みずほ氏も当選となり、支持層の危機感が反映された可能性がある。

参政党は170万を超える比例票を獲得。YouTubeTiktokなど、SNSを通じた選挙戦略が奏功したとみられる。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 

 2019年7月21日に参議院選挙の投開票が行われました。開票は22日になっても続けられましたが、大勢は21日の段階で判明しました。

 

 今回は、自民党と公明党の与党は選挙の対象となった124議席のうち71議席を獲得し、過半数を超えましたが、改選議席からは6議席を減らしました。公明党は改選議席数を維持しましたので、自民党が減らしたということになります。新潟、山形、秋田、岩手、宮城といった本州北部の各県で野党勢力が勝利しました。これらの地域は米どころですから、私はツイッター上で、これは「rice rebellion(お米反乱・反抗)」と書きました。吉本興業の社長さんと同じで全く受けませんでしたが。

 

 ヨーロッパでは労働者と農業従事者が連帯する「レッド・グリーン同盟(Red Green Alliance)」という考え方があり、政治の場面で実現することもありました。日本では、戦後の一時期、戦前の農民運動の流れから農民組合が左傾化していた時期もありましたが、農協(農業協同組合)は自民党の大きな支持基盤でした。労働組合は、官公庁の労組自治労や日教組を中心とする総評が日本社会党、民間企業の労組を中心とする同盟が民社党を支持していました。

 

 戦後すぐの人口や就労者数を考えると、農業地帯に基盤を置くというのは当然のことでした。戦後すぐの日本の就労者数に占める農業従事者の割合は50%程度でした。その後、重工業を中心とする輸出型企業の成長による高度経済成長時代に、地方から多くの若者が都市部で就労するようになり、農業従事者の割合は低下していきました。

 

 それでもいわゆる一票の格差問題ということがあるように、地方からの議員選出数が人口に比べて多い、という状態も続き、自民党は地方を基盤としてきました。自民党は、食糧管理制度を維持しての米価の高値維持や公共事業を通じて、高度経済成長の果実を地方に行きわたらせる政策を実施ました。これを補償型政治(Compensation Politics)と言います。その見返りとして、自民党は地方で勝利し、安定した基盤を築くことが出来ました。

 

 しかし、平成に入り、経済が停滞する中で、農業や公共事業、補償型政治は衰退していきます。そうした中で、補償型政治を代表する「田中派・竹下派」の流れをぶち壊す、小泉政治が出てきて、地方は息の根を止められました。旧民主党に参加した小沢一郎代議士が、農家の個別補償制度を主張し、民主党政権時代に実施しましたが、これは小沢代議士が田中角栄元首相の流れにある人であることを示しています。

 

 それでも地方ではいまだに自民党支持が強固な訳ですが、今回地方で自民党に対して異議申し立てが起きたことは注目されます。それでも自民党は小泉・安倍・麻生路線のアメリカ型システムによる改革(破壊)政策を実施し、都市部に住む、中間層(安定した雇用と比較的高い給与が保障されている)の支持を得ることに成功しています。

 

 立憲民主党、国民民主党では、立民が議席を増やし、国民民主は微減ということになりました。複数区での候補者調整がもう少しできていれば、当選できたかもしれないという惜敗した候補者たちが出たのは残念なことでした。これは他の野党でもあったことで、次の選挙での野党共闘の際の教訓にすべきことです。たとえば、東京都選挙区、立民2名、国民民主1名が立候補しました。立民の山岸一生氏が惜敗しました。大阪府選挙区では、立民、共産、国民民主の候補者が共に落選ということになりました。ここで何とかならなかったのかという思いに駆られます。

 

 立民の枝野幸男代表は立民の野党第一党の地位を確固、不動のものとすることに終始し、野党共闘に後ろ向きだったという批判も起きています。国民民主とは感情的な行き違いもある、共産党とも相容れないということも言われました。全てある部分では本当のことなんでしょう。しかし、それでも全国の一人区のうち、10で野党側が勝利を収めることが出来たというところを考え、次はもっとうまくやってください、と希望するばかりです。立民をあしざまに攻撃することは簡単ですが、それではもっと大きな敵を見逃すことになります。

 

 共産党は微減でしたが、野党共闘にもより前向きで、今回自民党の議席減に貢献したと言えると思います。社民党は政党要件を喪失するのではないかという危機感の中、得票率2%を超え、吉田忠智前党首が国政復帰を果たしました。低投票率の中、前回よりも少しですが、比例での得票数を伸ばしたというのは、改憲に反対する人たちが投票したということなのだろうと思います。愚直さというものに時に神様は微笑むものなのでしょう。

 

 れいわ新選組とNHKから国民を守る党がそれぞれ2議席、1議席を獲得し、政党要件を満たしました。これが今回の選挙のハイライトで、自民党の勝ち負けということすら、どっかに追いやられてしまうほどでした。

 

 れいわ新選組は4月に旗揚げされました。この時、私は「大丈夫かな、山本太郎議員は東京都選挙区から出馬したほうがいいんじゃないか」と考えていました。先を見る目がないことは、2016年のアメリカ大統領選挙の結果を外したことでも知られていますので、今更驚く人はいないと思いますが、れいわ新選組に対する支持の盛り上がりは予想を超えるものでした。消費税廃止、財源については原題貨幣理論(MMTModern Monetary Theory)という新鮮な訴えで、現在、生活苦に陥っている若者層(20代から40代まで)の支持を得ました。

 

 れいわ新選組の台頭は、欧米で起きている流れに連なるものです。イギリス労働党では、ジェレミー・コービンが党首となり躍進、アメリカ民主党では、2016年大統領選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めたバーニー・サンダースの高い人気、突如すい星のように登場したアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員の活躍といったことに連なるものです。

 

 冷戦終結、ソ連崩壊以降、リベラルや進歩主義派といった人々の旗色は悪く、市場原理を基盤とする新自由主義が世界を席巻しました。しかし、新自由主義(むき出しの資本主義)による矛盾もまた同時に世界を覆いました。日本も例外ではありません。格差(inequality)が拡大する中で、新自由主義への疑問と異議申し立てが起きました。

 

 その時に、ずっとぶれずに進歩主義的考えを堅持していたコービンやサンダースを人々が「発見」しました。そして、欧米で大きな流れとなっています。既存のリベラルはまたエスタブッシュメントなのだという考えが広がり、人々の怒りが燃え上がりました。これが現在のポピュリズムの正体です。ポピュリズムは右と左に同時に出現しました。アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領の出現とAOCの出現は右と左で全く違うように見えますが、同根の現象なのです。ポピュリズムは間欠泉のようなものだと思います。あちこちからお湯が吹きあがりますが、同じお湯です。怒りのお湯です。今回、N国党が議席を獲得しました。こちらもポピュリズムの右側の吹き上がりということになります。

 

 エスタブリッシュメント批判、エリート批判という点でとらえるならば、こうした動きは立民に対する批判ということも言えます。興味深かったのは、立民のブレーンとされる大学教授や知識人たちが、選挙戦中盤以降、れいわ新選組の批判を始めたことです。ポピュリズムは危険だ、山本太郎は危険だ、という言葉が飛び交いました。この構図は現在のアメリカ民主党内で起きているエスタブリッシュメント・主流派(ヒラリー派)と進歩主義派(サンダースやAOC)の内部対立と同じだと私は考えます。

 

 立民の東京都選挙区に立候補した山岸一生氏の最初の選挙ポスターが象徴的だと思います。そこには「元朝日新聞記者」「筑駒中、高、東大法学部卒」としか書かれていませんでした。このポスターは選挙戦が進むにつれて印刷し直され、貼り直されたそうですが、これで「ほー、素晴らしい、是非投票しよう」となると考え、それを「お前はアホか」と止める人がいなかった、結局時間と資源の無駄遣いをした、ということは象徴的です。

 

 生活者の目線はそこにありません。そして、「なんだよ、お前も結局はエリートで、俺たちを抑圧する側出身の奴じゃないか」ということになります。「山岸さんは自分から握手を求めに行くような気さくな人ですよ」ということでしたが、そんなことは当たり前じゃないでしょうか。選挙運動中に有権者が握手をしに来てくれるのを待っている候補者がどこにいるでしょうか。人気アイドルの握手会じゃあるまいし。

 

 立民は「令和デモクラシー」という大正デモクラシーになぞらえたスローガンを掲げましたが、どれほどの人たちの記憶に残っているでしょうか。立憲主義を透明に入れていることは素晴らしいし、これからも党勢を拡大していって欲しいと思いますが、「上から目線」という点は改善されるべきだと思います。

 

 自公維新で3分の2以下になりましたが、野党側の動き次第で、改憲が進んでしまう可能性が高い、微妙な議席配分となっています。是非野党勢力には小異を捨てて大同につく、「国民の生活が第一」で進んでいっていただきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

参院選当選者確定…与党、改選議席から6減らす

 

読売新聞 2019年7月22日

https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20190722-OYT1T50215/

 

 21日に投票が行われた第25回参院選は22日午前、当選者が全て確定した。

 

 自民、公明の与党は改選定数124の過半数(63)を超える計71議席を獲得したが、改選議席(77)からは6減らした。自民党が確保した57議席は、2016年参院選の56議席(追加公認含む)を上回ったものの、圧勝した13年の65議席には及ばなかった。宮城、滋賀、大分など8選挙区では、現職が落選した。公明党は選挙区選に擁立した7人全員が当選し、比例選の7議席を合わせると、党としての過去最多に並ぶ14議席を獲得した。

 

 立憲民主党は比例選で自民党に次ぐ8議席を獲得し、改選9議席から17議席に伸ばした。改選8議席の国民民主党は2減の6議席にとどまった。旧民進党を源とする立民、国民両党の議席を合わせると計23議席で、16年に民進党が獲得した32議席を下回った。両党が1人区で支援した無所属の野党統一候補は8人が当選した。

 

 共産党は改選8議席から1減らした。日本維新の会は関東でも議席を獲得し、10議席に伸長した。社民党は改選1議席を死守した。諸派のれいわ新選組は2議席、NHKから国民を守る党は1議席をそれぞれ比例選で獲得した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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  小池百合子東京都知事が公務でパリを訪問し帰国後に、希望の党の両院議員懇談会が開催されました。その場では今回の総選挙で当選した議員たちから小池氏の責任を問う声や代表辞任を求める声が出ました。そのほとんどが民進党出身の議員たちですから、「民進党の時もそうだったが、何かあると人のせいにする」というような批判が出ています。

 

 民進党出身者からすれば、民進党の看板では戦えないから、小池氏の人気に便乗して、民進党所属議員全員で出馬して頑張る、ということになっていたのに、それがご破算になってしまい、また、小池氏という数年前まで自民党の幹部議員として民進攻撃をし、自分たちは反対した実質改憲の安保法制を推進してきた人の下で戦うという苦渋の選択をしたのに、頼みの小池さんの人気が落ちてしまい、逆風まで吹くことになってしまった、ということで恨み言の一つでも言いたくなる気持ちは分かります。落選者はもっと言いたいことがあるでしょう。民進出身で当選してきた人たちはもともと地力があって、民進の看板でも当選できた可能性がある人たちが多いですから、「希望の党とは何だったのか」ということになります。

 

 そもそも今回の総選挙では、野党共闘で戦う準備が進められていました。その軍師は、自由党の小沢一郎共同代表でした。小沢一郎氏は、共産党も含めた野党共闘で安倍一強状態を打破するという「オリーブの木」構想を練りました。新潟では小沢氏に近い森裕子参議院議員をはじめ多くの方々が努力し、野党共闘が実現し、「新潟サプライズ」とも言うべき、野党側の勝利、自公側の敗北という結果が出ました。これが全国に拡大していれば、一強状態を崩すことは可能であったと思います。朝日新聞の報道では、野党共闘ができていれば約60の選挙区で結果が野党勝利になっていたという結果が出ています。しかし、野党共闘についていえば、希望の党が出てきたために、ご破算となりました。希望の党に関しては、小沢一郎氏も絡んでいたということでしたが、小沢氏が絡んでいて、こんな稚拙なことをするだろうか、野党共闘を崩すようなことをするだろうかと私はずっと疑問に思っています。民進党の前職を受け入れて立ち上げるところまでは話ができていたのに、それ以降、小池氏が出馬をして首相になるかどうかの決断を遅らせ、受け入れの民進前職の数を減らし、自由党系の人たちを冷遇、切り捨てた頃には、既に小沢氏は排除されていたのではないかと思います。

 

 これは私の勝手な考えですから笑って聞き流していただきたいのですが、小池氏は自公と野党側と両天秤をかけて、「どちらがより自分に有利な条件を出してくれるのか」ということを測っていたのではないかと思います。9月末の時点で敗北必至であった自公側は、野党分断という戦術の有効性を熟知していますから、小池氏にかなりいろいろな誘いをかけたと思います。「今のままなら小池さんが希望の党を率いて出てきたら、大勢力になる。そこで、安倍さんの改憲に協力してくれたら、ポスト安倍はあなたですよ。だけどそのためには民進党全員はまずいでしょうね。今ならずぶの素人新人でもあなたの勢いで通りますよ」くらいのことを言われてそれに乗ってしまったんでしょう。しかし、結局、失敗した、自公の口車に乗せられて失敗した、ということではないかと思います。これは私の想像ですから、「馬鹿な話だ」と笑って捨ててくださって構いません。

 

 こう書いては何ですが、各小選挙区でだいたい2万票あると言われている公明票を自民党が利用して勝利している、それならば、野党側は、多くいところで2万票、少なくとも1万票ある共産党の支持票を使わせてもらって、何とか自公に競り勝ちたい、これまでは非共産の野党と共産が協力してこなかったが、この枠組みが作れたら、自公に迫れるのではないかということだと思います。その成果はあったと思います。野党共闘は機能するということが証明されたと思います。

 

 しかし、希望の党を立ち上げた元民進メンバーたちは共産党との共闘に懐疑的、民進党の前原誠司代表も共産党となんか組めるか、という考えでした。今回の総選挙後、テレビに出た細野豪志氏や前原氏は共産党批判を展開しました。希望の党が野党共闘の枠組みを吹き飛ばして、いきなり野党第一党になろうとしたということです。しかも代表に小池百合子東京都知事を担いで、です。小池氏は2015年の安保法制、実質改憲の時は自民党所属の衆議院議員で、安保法制を推進した人物です。また、改憲に関しては安倍首相と同じ考えの人です。その人を支持するということは、実質改憲である安保法制に賛成し、この法律に合わせた憲法改悪に賛成するということになります。

 

 最近の世論調査を見ても、安倍首相が主張している改憲案に対して、賛成反対が拮抗しつつ、やや反対が多いという結果が出ています。そうなると、小池氏は改憲については安倍首相と考えが同じで協力できると述べているのですから、小池氏に対して反対する有権者の数は多くなります。確かに「排除」や「サラサラ」などの言葉や、小池氏のヘラヘラした態度が人々の反感を買ったということはあるでしょうが、これらだけが希望の党に逆風が吹いた理由ではなく、小池氏のこれまでの主張を人々が見聞きして、危険だ、安倍さんと一緒だということを認識したことも大きな理由となったと私は考えます。

 

 候補者がサインした政策協定書には、「2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること」と言った文言が見られます。第2条に関しては、「憲法違反である可能性がある安保法制を廃止も含めて見直す」野田から民進党と変わらない、ということになっています。しかし、民進党は「安保法制は憲法違反だ」と述べて反対したと思います。違憲の法律を「憲法にのっとり運用」するということができるのでしょうか。また、第4条の「憲法改正を支持し」とありますが、これはどういうことでしょうか。誰が主張する内容の憲法改正を支持するのでしょうか?小池氏は安倍首相と会見に関しては考えが同じですから、これについては、「小池氏が主張する、安倍首相と同じ内容の憲法改正の内容を支持する」と考えるのが自然です。これは民進党と同じことなのでしょうか。民進党は安倍晋三首相の下での会見は反対ではなかったでしょうか?

 政策協定書の文言については、小池氏と民進出身者両方が合意できる内容になっている、ということですが、そもそも、安倍氏の改憲と同じ考えで、かつ実質改憲である安保法制に賛成した小池氏と、それらに反対した民進党出身の人々との間で「合意」できる内容の文書というのは、「こうも読める、ああも読める」という霞が関文学のようなものです。頭の良い官僚や法曹関係出身の民進系の人が、ナイフのように切れ味鋭い頭脳で、「こうも読めるから民進党の時と同じ内容です」と言ったところで、「それじゃ、小池さんは考えを変えて民進党の政策を支持することになったんですか?」ということになります。「憲法改正を支持し」という文言で人質に取られても、「いやこれは決して憲法を変えることを意味しない」と言うでしょう。そういうところが有権者の支持を失った理由であると思います。

 

 希望の党に関しては、小池氏が後ろに下がって、民進党右派の人々が国会では主導権を握ることになるでしょうし、安保法制や改憲については小池氏よりも慎重な姿勢を取ると思います。そうなれば、より積極的な野党連携も可能であると思います。また、これから、日本の各政党がどのように動くかをこれからしっかりと見ていかねばならないと思います。

 

 これから、各政党、各政治家がどのように行動するかを自分ができる範囲で監視することが重要です。安倍一強状態を作り出したのは野党に責任がありますが、同時に私たち有権者にも責任があります。製造責任というか、そういうものがあると思います。

 

 衆議院は解散がありますが、参議院は3年おきに選挙があります。次は2019年です。国政に自分の考えを反映させるには次の2019年ということになります。長いようで短いものです。ですから、この時まで何が起きているか、何が自分の考えと違うかということを考えておくと、次の機会に投票しやすくなります。

 

「俺が投票に行くくらいに政治に関心を持たせろ(俺は投票に行っていない)」という芸能人がいました。彼は逆説的に政治に関心を持ってもらおうとしているのだという解釈をする人もいました。そうかもしれませんが、投票に行っていないということは実質的には与党支持、自公支持であることを述べていることと同じです。投票しないで野党支持ということはできないので、それだけでも与党に有利です。「持たせろ」という言葉は、お客様、消費者様の目線があります。「お客様は神様だろ、だから無理なことをしろ」と言っているのと同じです。デモクラシーにはお客様は想定されていません。政治家になろうとする人もそうではない有権者も参加者です。

 

 お客様の立ち位置を取ることで、自分が決めたくない、責任を取りたくないという気持ちがあるのだろうと思います。「お客様デモクラシー」になれば政治家は喜ぶでしょう。「お客様は何もしなくて結構ですよ、私たちでやりますから」ということになって、監視がなくなってやりたい放題、それでも選挙には通って議員の地位を確保できるということになります。そうなればお客様が一番損をするということになります。

 

 デモクラシーとはかくも難しい制度なのかということを改めて認識しています。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

今回の選挙ほど序盤と中盤以降で評価が大きく振れた選挙は珍しいのではないかと思います。最初は自公過半数割れという話が出て、その後、中盤以降では自公が300をうかがう勢いという数字が出ています。現在の状況は分かりませんが、アナウンスメント効果とアンダードッグ効果が出て自公の伸びが抑制されていると思います。自民党の伸びは鈍化し、立憲民主党の指示が急速に伸び、希望の党は下落傾向に歯止めがかかっていません。立憲民主党の結党に際して、ダメだろう、日本未来の党の末路を見てみればわかる、という意見もありましたが、まさか、希望の党が日本未来の党のようになってしまうとは誰も予想できませんでした。私は「未来」「希望」のような抽象的な言葉ではなく、「立憲」「民主」というはっきりした言葉を使う潔さと真面目さが有権者に受けたのだろうと思います。

 

 選挙戦では「安倍・自公対小池・希望」の一騎打ちという図式がマスコミでも盛んに喧伝されましたが、有権者もバカではありません。それは表面上だけのことで、本当は対立なんかしていない、安倍・自公も小池・希望も同じじゃないかとなって、「改憲翼賛会(現代版大政翼賛会・米政翼賛会)である自公維希対立憲民主党・共産党・社民党や無所属など」が正しい図式だと理解しています。それは、小池百合子東京都知事の優柔不断さを見てみればわかります。彼女は勢いと風に乗って、民進党の自民党とやっていけそうな前職・元職、そして希望の党プロパーの候補者たちを当選させ、国政に復活するつもりであったと思わざるを得ません。しかし、「安倍晋三首相2号」を国政に送り込むことを、1号にうんざりしている国民が選択することはありません。

 

希望の党は、立憲民主党にはライヴァル候補を擁立し、日本維新の会や公明党には立てなかった、ということで、「ああ、あわよくば自民党の地位に自分たちが入って連立政権を組んで、小池百合子氏が首相になって改憲をしたい(これじゃ安倍晋三氏と違わない)、もしくはこれらの党に気を遣ってうまくいけば自民党と大連立を組みたいのか(結局改憲に協力して、小池氏が次の総理を狙うためか)」ということを国民に看破されてしまったからです。

 

安倍首相と考えが一緒の小池百合子氏を利用して勢力を増やそうとしたと言われる前原誠司代議士(一応まだ民進党代表)と小沢一郎代議士(自由党共同代表)は策士策に溺れる、もしくは、策の弱い部分を小池氏に利用されてうまく騙されて、自分たちはポイ捨てされたということになります。小池氏は民進党の自民党に考えが近い前職に希望の党のプロパー新人候補者を入れて、安倍氏よりもタカ派路線で国政復帰を目指していたのでしょう。そのために前原氏は民進党を供物として差し出す羽目になり、小沢氏は目指していた野党共闘の形を崩壊させる結果になりました。小沢氏の構想力と説得力は日本政界随一でしょう。惜しむらくは、その構想を実現することに貢献できる人物が周囲にいなかったということでしょう。自由党系で希望の党から出馬した人たちはそれぞれ地道に活動していた地元から離れた場所に「国替え」をさせられました。こうした人たちが地元で出ていたらどんなに良かっただろうかと思います。

 

 小選挙区制度を導入して二大政党制を日本に実現する、ということが果たして良かったのかどうか、という問題について、私は問題が多かったと思います。最大の問題は、自民党に対してつけられていた「拘束具」が外されてしまった、ということだと思います。小選挙区制になって、特に小泉政権以降の選挙では、大勝ち、大負けという結果が出るようになっています。得票率に比べて議席数が割高に出てくるのが小選挙区制の特徴で、これを抑えるために、比例代表制も併せて採用していますが、それでも、勝つときは大勝ち、負けるときは大負けとなります。

 

これを防いで、与野党伯仲状態を作り出すためには、小選挙区と比例区で別の政党に投票する、与党支持者の場合であれば、小選挙区で与党候補者、比例で野党(できれば野党第一党)に投票する、野党支持者であれば小選挙区、比例共に野党に入れるということをしなければなりませんが、これはこれで大変複雑なことを有権者、特に与党支持者に強いる、お願いすることになりますから、難しいです。やはり応援している政党に勝ってほしいですから。また、無党派層が多いので、それがどちらにふれるか、投票に行くかでも結果が大きく変わります。ただ、国民の多くはあまりに強力な与党の出現は求めておらず、はっきり言って、小選挙区制とその結果としての二大政党制は日本にそぐわないと私は考えます。

 

 大勝ちした政党は本来であれば、民意よりも大きく反映された議席数を与えられたことに畏怖を感じ、権力を行使する際には慎重にかつ協調的に行おうとするものです。しかし、小泉政権以降の自民党政権は少数の例外を除いて、権力をふるうことに畏怖を感じず、やりたい放題ができるという勘違いを基礎にして行動してきました。恐怖を感じ慎重にふるまうためにはこれまでの人類の歴史を知り、人間は愚かなのだから慎重に行動しなければならない、ということを知らねばなりませんが、残念ながら今の自公連立政権は学歴や職歴は超一流でまばゆいばかりですが、そうしたことを忘却している、ネトウヨに実際に権力を持たせたらこうやるだろうなということを実際にやっているにすぎません。

 

 今回の選挙では自民党と公明党の連立枠組みは序盤大変厳しい状況が伝えられました。100議席を失って過半数割れをするのではないか、と言われていました。それは、小池百合子東京都知事が希望の党を結成し、都知事選挙、都議選挙での小池旋風の凄まじさに人々が目くらましをされていたためです。希望の党が出現し、民進党は合流する形になるはずでしたが、全員が希望の党に行けないということになり、小池氏の安倍氏と同じ考えに同調すること(踏み絵を踏む)ということが要求され、民進党合流はなくなりました。この時点で、簡単に言えば民進党は2つに分裂させられました。そして、野党共闘体制も崩壊させられました。自民党に批判的な無党派層有権者の票は分散し、死に票が増え、結果として自民党が漁夫の利を得るということになります。

 

 しかし、希望の党から排除された人々が立憲民主党を創設し、選挙戦に新たな軸を立てました。安倍政治とそれに親和性の高い小池政治とは違う、2本目の対抗軸です。立憲民主党は希望の党のように選挙に多くの候補者を出すことができませんでした。準備が足りませんでした。しかし、今や希望の党を上回る支持を集めているという世論調査の結果も出ていました。立憲民主党が野党再編の軸となって、リベラルから中道へとウイングを広げていく、そのために無所属、希望の民進系で心ならずも公認をもらったという人たち、が協力できる体制づくりが必要でしょう。そうなると、希望の党は分裂してしまう可能性は高いです。希望の党の結党メンバーのうち何人が国会に戻ってこられるか分かりませんが、民進系の大量離脱となると、希望の党は先細りということになるでしょう。そうなれば極端に言えば、彼らは自民党に吸収されてしまうかもしれません。それはそれで彼らのためかもしれません。

 

 今回の民進党の分裂は、自民党内の保守本流である宏池会(池田派を源流とする)の分裂と同じで、分裂が長引けば日本政治に大きなマイナスとなってしまいます。自民党内の保守本流・宏池会は2000年の加藤の乱で崩壊してしまいました。その後、合流ということもなく分かれてしまって、党内における力を落としています。その間に、保守傍流である清和会(岸派を源流とする)が勢力を伸ばし、やりたい放題となって現在に至っています。

 

 「リベラルから中道」をまとめるべき勢力である、自民党内宏池会と民進党が分裂したままで喜ぶのは安倍首相が属する清話会をはじめとする、日本政治の傍流の人々です。ですから、自民党内部の宏池会の復活と立憲民主党を軸とする野党再編、民主党勢力の結集は選挙後の急務です。これらの勢力が伸びねば、安倍首相一強状態を抑制することはできません。
 

 リベラル分断・野党殺しは、2012年のマイケル・グリーンの記事にもあったジャパン・ハンドラーズの安倍首相支援のシナリオです。私は意図的なのかどうかはともかく、小池都知事はこのシナリオに乗った、しかし、今回は日本国民がこのたくらみを見抜いて、リベラルを支援する方向に動いているということだと思います。また、世界的に見れば、アメリカでは民主党のバーニー・サンダース連邦上院議員、イギリスでは労働党のジェレミー・コービンといった指導者たちが人々の支持を集めています。立憲民主党の堅調さはこの世界的な流れの中に位置づけられると思います。

 ですから、立憲民主党が40台後半、民進系無所属が20前後、希望の党の心ある民進系で何とか30、合計で100に近い90台後半を結集させることが今回の選挙では重要であると思います。希望の党の小選挙区の候補者で、希望の党プロパーではない民進系でよさそうな人にはその人に投票、その人が危なそうであれば、比例で希望の党に投票、をお願いしたいと思います。そして、無所属の人の場合には、比例には立憲民主党か共産党、社民党をお願いしたいと思います。自民党支持者や公明党支持派の皆さんも、どうか比例だけでもこの3党にご投票ください。お願い申し上げます。

 

自公政権の議席を1議席でも削り取り、立民共産社民の議席が増えて欲しい、そう願っています。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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