古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:副大統領候補

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙の民主党の副大統領候補は難航しているようだ。カマラ・ハリス副大統領を民主党の大統領選挙候補者に決めるのは、オンラインで、まるでシャンシャン株主総会のような感じで、候補者はハリスさんしかいませんでした、という形だけの投票のようなもので決められた。民主党はエリートである連邦議員たちや政治家たち、更には、ボストン王朝ケネディ家、ニューヨーク王朝クリントン家(名門クオモ家を叩き潰した)、シカゴ王朝オバマ家が支配する政党になった。これに対しては、民主党内部でも不満がある。その不満の出ていく先が、副大統領候補者選びだ。カマラ・ハリスと側近たちが好ましい人物を選べばよいのだが、ここしか自分たちの意見を言える場所がないとばかりに、民主党内の様々な人たちやグループが意見を表明している。もしその意見に沿わない形での人選が行われた場合に、民主党内が団結できるかどうか、先行きは不透明だ。

 副大統領候補者選びが難航しているのは、どの人物にも捨てがたい長所がある一方で、無視しがたい短所があるためだ。それらを天秤にかけて、はかりが最も水平になる人を選ぶということになるだろう。選挙戦術的に言えば、何と言っても、激戦州の中でも最も重要な州であるペンシルヴァニア州で知事を務めるジョシュ・シャピロが良いだろう。シャピロの人気があれば、ペンシルヴァニア州で勝利を収めることができる。しかし、問題は、シャピロの親イスラエル姿勢が強いということだ。親パレスティナ・デモへの対応などが強硬であるという点は民主党内部からの批判が出ている。また、シャピロ夫妻は共にユダヤ人であるが、ハリスの配偶者ダグ・エムホフもユダヤ人である。非WASPのみになるというのは、バランスが悪いということになるだろう。また、ハリスとシャピロは共に州司法長官(検事総長のようなもの)出身ということで、ここもいささか州レヴェルの司法経験に偏り過ぎるというきらいもある。

 ミネソタ州知事ティム・ウォルツは進歩主義派からの支持を集めている。連邦下院議員を6期(12年間)務めた経験を持ち、国政に関する知識と経験もある。農業などに従事した後に、高校教員を務めた経験を持ち、中国に派遣されて先生をしていたこともある。エリート主義に陥った民主党においては、常識的で、バランスの取れた人物ということで評価されている。ペンシルヴァニア州を含む中西部へのアピールということで、私はウォルツ知事の副大統領候補指名の可能性が高いと考えている。

 マーク・ケリー連邦上院議員は元海軍パイロット、元宇宙飛行士という経歴もあり、また、アメリカ南部国境を形成するアリゾナ州を地盤とするという点で有力候補だ。ただ、カマラ・ハリスがカリフォルニア州を地盤とし、その隣のアリゾナ州出身となると、地域的な偏りが出てしまうということが弱点である。中西部の激戦州へのアピールが弱くなってしまう。ケンタッキー州知事アンディ・ベシアも有力候補だが、46歳という若さで経験不足が指摘される。国政経験の少なさも不安材料だ。ピート・ブティジェッジ運輸長官は、同性愛者であることを公開している政治家だ。頭脳明晰で弁舌爽やかで、リベラル派からの任意が高いが、女性初の大統領の副大統領が同性愛者ということにアメリカ全体の準備ができているかと言われると不安がある。

 今回の選挙は、五大湖周辺の激戦州で勝負が決まる。そうなると、どうしても、中西部出身者が選ばれることになるだろう。シャピロが選挙戦術上、良い選択となるだろうが、弱点も多い。その点で、ミネソタ州知事ティム・ウォルツが有力ではないかと私は考える。

(貼り付けはじめ)

ハリスの副大統領候補の争いが荒れている(Harris vice presidential battle gets nasty

ジュリア・マンチェスター、エイミー・パーネス筆

2024年8月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4812431-vice-presidential-race-shapiro-harris/

カマラ・ハリス副大統領の副大統領候補をめぐる争いは、決定が近づく中で、民主党が自らの好みの候補者を中心に選抜するにつれ、ますます醜いものになってきている。

ガザ地区でのイスラエルの戦争に激怒した進歩主義派は、イスラエルに対する姿勢や親パレスティナ抗議活動への対応を巡り、ユダヤ人であるペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(民主党)をますます標的にしている。『ポリティコ』誌によると、これとは別にジョン・フェッターマン連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)もシャピロに関する懸念をハリスのチームに報告した。

民主党左派はミネソタ州知事ティム・ウォルツを指名するようにハリスに求める動きを強めている。現状に詳しい関係者によると、民主党所属の連邦下院議員の多くがウォルツの支持拡大を図っているという。

もう1人の最有力候補であるマーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は、シャピロをめぐる議論のような険悪さまでには至っていないものの、労働組合の指導者たちから、ケリー議員が指名を受けるべきかどうか公然と疑問視する声が上がっている。

民主党系のストラティジストの中には、副大統領候補をめぐる戦いは、民主党の大統領選挙予備選の戦いの様相を呈していると述べる人たちもいる。

最近の複数の大統領選挙に携わってきたある民主党系ストラティジストは、「これはおそらく民主党がこのサイクルで得られる中で最も予備選に近いものであり、それがなぜこれほど大きな重要なことになったのかを説明している。民主党員の多くは、これが候補者指名に影響を与える最後の機会であり、2028年か0232年まで、ホワイトハウスに影響を与える最後の機会になる可能性があると考えており、そのため多くの選挙活動が行われている」と語った。

ジョー・バイデン大統領が選挙戦から撤退し、ハリスを支持した時、民主党も共和党も同様に、民主党がハリスを中心にして急速に団結したことに驚いた。多くの人がバイデン撤退後は、混戦模様の争いになると予想していたが、その予想とは反対に挑戦者は現れず、党内はおおむね安堵した。

大統領選挙候補者指名の戦いは避けられたものの、副大統領候補者選びはより熾烈な雰囲気を帯びてきた。

2人目のストラティジストは、「副大統領候補者選び(Veepstakes、ヴィープステークス)は通常数カ月かかるプロセスで、その切符を得るために、ベンチの中から新進気鋭の人材を選ぶという驚きが民主党を興奮させた一方で、2週間にわたって、圧力鍋の中のような環境を作り出した。本来なら息つく暇もない反対派の研究や批判が全て外に押し出されている」と述べている。

この人物は続けて次のように述べた。「最終局面になって、争いはより激しくなったが、その耐久性は不明であり、ハリス陣営の指針は変わっていない。それは、危害を加えず、候補者選びで適切な判断を示し、おそらく重要な州で針を動かす、ということだ」。

ハリスのある支援者は、民主党内での分裂直後の凝縮された時間枠が、「激しい瞬間(intensity of the moment)」を引き起こしていることに同意した。

この人物は「この段階で、誰も間違いを犯したくはない。チャンスは小さく、賭け金は高い」と述べた。

シャピロは副大統領候補者選びにかかわる批判、特に進歩主義派からの批判の矢面に立たされている。党内左派のシャピロ知事批判派は、シャピロが知事、そして、州司法長官時代に親パレスティナの抗議活動や取り組みに対して強圧的な手法を採用してきたと指摘している。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、ある特定の議論が非常に激しくなっており、シャピロを評する際の「ジェノサイド・ジョシュ(Genocide Josh)」というフレーズが反ユダヤ主義的(antisemitic)であるかどうか活動家らが議論したという。

民主党の一部は、シャピロが受けた批判の多くは「行き過ぎたオンライン左翼(overly online left)」からのものだと述べ、ハリスがシャピロを指名すれば、進歩主義派もそれを認めるだろうと予想している。

デジタルを専門とする民主党系ストラティジストのキース・エドワーズは、「これらの内部抗争(internal squabbles)は、大きな感情の動きを引き起こす可能性があるので、オンラインでは大規模に見えるかもしれない。しかし、それは現実世界で起こっていることを反映していない。一般の有権者はこれに注意を払っていない」と語っている。

しかし、進歩主義派のあるストラティジストは本誌の取材に対し、批判はオンライン空間に限定されたものではなく、アラブ系アメリカ人やイスラム教徒の有権者の投票率に影響を与える可能性があると語った。

このストラティジストは、「シャピロが副大統領候補になれば、アラブ票、進歩主義派票の獲得で問題が起きるだろう。これは私が考えている以上に、ハリスのキャンペーンにとって決定的な瞬間になると思う」と述べた。

進歩主義派や親パレスティナの活動家たちは、シャピロがロチェスター大学の学部生時代に、シャピロが、中東に「平和は決して訪れない(peace will never come)」と予言し、パレスティナ人を「闘争心がある(battle minded)」と評したが、最近になって取り上げられている、これらのことが問題だと主張している。

「平和研究所」と「中東理解研究所」は金曜日、声明を発表し、その中で、シャピロのコメントを「猛烈な人種差別主義者(virulently racist)」とする独自の見解を発表した。

シャピロ知事の報道担当は、シャピロが20歳の時に書いた論説の再浮上について反応し、この問題に関する知事の見解はその後「今日、彼が取っている立場に発展した(evolved into the position he holds today)」と声明の中で述べた。

加えて、シャピロの支持者たちは、10月7日以降、シャピロがコミュニティに手を差し伸べたことを称賛する、フィラデルフィア・アラブ系アメリカ人開発組織のメンバーによる最近の論説など、アラブ人コミュニティからの支援が表明されていることを指摘している。

シャピロの支持者や進歩主義派を批判する人たちは、イスラエル関連問題に対するシャピロ知事の現在のスタンスは、他の候補者のスタンスとそれほど変わらないと指摘し、批判の多くは反ユダヤ主義に根ざしていると主張している。シャピロは二国家解決(two-state solutions)の支持者であり、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の戦争対応を声高に批判してきた。

ユダヤ人であるジェイク・オーチンクロス連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は月曜、CNNの取材に対して次のように述べた。「非ユダヤ人の有力候補者の立場を攻撃するのとは別の方法で、ジョシュ・シャピロの親イスラエルの立場を攻撃している、行き過ぎたオンライン左派の人々は、自分たちに言い聞かせているだけだ。反ユダヤ主義には強い底流(undercurrent)がある」。

ある民主党系ストラティジストは、「国民皆保険(Medicare for all)」や水圧破砕(fracking)などの問題に対する、ハリスの穏健な姿勢を指摘し、特に進歩主義派からの反発は、ハリスの決定に大きな影響を与えないだろうと予測した。

このストラティジストは、「ハリスにはこれまで、進歩主義派の要求に応じる機会がたくさんあったが、その餌には乗らなかった」と述べた。

エドワーズはまた、過去1カ月間の政治の混沌とし​​た性質を考慮すると、有権者はいつまで副大統領候補者選びのニュースサイクルに注目し続けるだろうかと疑問を呈した。

エドワーズは、「新しいサイクルの長さはほんの数分だ。3週間前に暗殺未遂事件があったが、それについては誰も話さない。私たちがここで話していることは、とても小さなことだ」と述べた。

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ハリスの副大統領候補の最終オッズ(The final odds in the Harris veepstakes

ナイオール・スタンジ筆

2024年8月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/4812723-vice-presidential-nominee-rumors/

カマラ・ハリス副大統領が副大統領候補の選択を発表するとみられる数時間前の段階で、興奮と誰が選ばれるかについての噂話は最高潮に達している。

ハリスと副大統領候補は間もなく、選挙の行方を左右するとみられる7州のうち6州への急遽の視察を開始する。その旅程の最初のイヴェントは火曜日にフィラデルフィアで行われるが、ハリス陣営は、この場所でペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロが副大統領候補に選ばれたことを発表される、と予想されているという考えを反対している。

ハリス陣営の広報担当ケヴィン・ムニョスもまた、ハリスが月曜午後遅くの時点で、選択を決めたとの報道に反論した。

ムニョスはSNS上で「ここでの興奮と関心は理解しているが、ハリス副大統領はまだ副大統領候補を決めていない」と書いた。

もちろん、ハリスが予想外の人選を行い、政治の世界の住人達の目をくらませる可能性はある。

しかし、最有力候補として挙げられたシャピロ知事、マーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出)、ミネソタ州知事ティム・ウォルツの3人が日曜日にワシントンの邸宅でハリスと面会した。

他に争っていると噂されているのは、ケンタッキー州知事のアンディ・ベシアや運輸長官のピート・ブティジェッジだ。

以下は、上位候補者に対するオッズを含む、現時点での副大統領候補選びの状況に関するガイドだ。

(1)ペンシルヴァニア州知事ジョシュ・シャピロ(Pennsylvania Gov. Josh Shapiro
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進歩主義的な民主党員からの批判は、シャピロに有利な唯一の大きな要因を否定するものではない。それは、11月の選挙で最大の激戦地となっている地元州での人気だ。

シャピロは2年前の知事選で、ドナルド・トランプ前大統領の支持を受けた、共和党のダグ・マストリアーノを、15ポイント差をつけて破った。

本誌が依頼したエマーソン大学の先月末の世論調査では、シャピロのペンシルヴァニア州民からの支持率は49%で、不支持はわずか31%だった。

もし、ハリスとシャピロのチケットがペンシルヴァニア州とその19の選挙人を獲得することになれば、それはホワイトハウスでの勝利に向けた大きな一歩となるだろう。

シャピロの大きな弱点は、ガザ紛争に関する彼の発言だ。彼は親パレスティナ抗議活動参加者とクー・クラックス・クランとの間の類似点を挙げている。

もし、ハリスがシャピロを選べば、進歩主義派からの批判の中で、彼女の政治的蜜月は終わることになる。しかし、ペンシルヴァニア州が得られる可能性のあるものについては、無視するには大きすぎるかもしれない。

・本誌のオッズ:1倍

(2)ミネソタ州知事ティム・ウォルツ(Minnesota Gov. Tim Walz
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ウォルツは、何年も活動し続けても、時を見つけて一夜にしてセンセーションを巻き起こす政治家となることがある、今年の副大統領候補レースの代表的な例だ。

これまで連邦下院議員を6期務めて、ミネソタ州知事となったウォルツは、バイデン大統領が撤退の決定を発表して以来、共和党に対する強力な攻撃で民主党を興奮させてきた。

特に、トランプ時代の共和党は「とにかく奇妙だ(just weird)」という彼の非難は、リベラルな有権者たちの共感を呼んだ。

ウォルツの基本的な魅力は、選挙活動において手ごわい存在となり得る、断固とした決意を持つ中西部出身の田舎者が持つ実直さだ。

ウォルツは明らかに党の進歩主義派が好む選択肢であり、シャピロよりも親パレスティナ・デモ参加者たちに共感的であるように見える。彼の実績には、投票権と生殖に関する権利の精力的な擁護も含まれている。

しかし、ハリスが主に中道派の有権者にアピールする人物を支持する場合、ハリスに対する左派の熱意はある意味裏目に出る可能性がある。

・本誌のオッズ:2倍

(3)マーク・ケリー連邦上院議員(アリゾナ州選出)(Sen. Mark Kelly (Ariz.)
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月曜日までに、ワシントンと民主党内部では、ケリーの勢いが衰えるのではないかという話題が広がった。

しかし、ワシントン政界(Beltway)の常識は間違っていることがよくある。

ケリーを支持する理由には3つの大きな柱がある。

第一に、ケリーは選挙人獲得数がペンシルヴァニア州の19に対して、11しかないが、激戦州となっているアリゾナ州を地盤にしている。

第二に、ケリーは党内の他の多くの人よりも国境に関するより厳しい政策を支持してきたが、これがハリスの重大な弱点を少し改善できる可能性がある。

第三に、ケリーは、元海軍パイロットおよび宇宙飛行士として、また2011年の銃撃で重傷を負った元連邦下院議員ギャビー・ギフォーズ氏(アリゾナ州選出、民主党)の配偶者として、説得力のある経歴を持っている。

しかし、ケリーは組織化権利保護法の共同提案者になることに消極的であることもあり、組織労働者からの反対に直面している。

また、ケリーには他の候補者に比べてダイナミズムが欠けているのではないかという懸念もある。

・本誌のオッズ:2.5倍

(4)ケンタッキー州知事アンディ・ベシア(Kentucky Gov. Andy Beshear
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ベシア知事は民主党内の勢力協力の面で、進歩主義派や中道派(centrists)のどちらとも過度に敵対しない選択肢として、中立的な立場を担う可能性がある。

ベシアの主な強みは、共和党が圧倒的な優勢を保つ州で勝つ能力だ。昨年はバイデン大統領が約26ポイント差で敗れた州で、53%の得票率で再選を果たした。

ベシアはまだ46歳であり、81歳のバイデンが持っていた民主党の切符に世代交代をもたらすという考えに更に強力な基盤を与えることになるだろう。民主、共和両党の大統領選挙候補者であるトランプは78歳で、ハリスは59歳である。

しかし、ベシアがほとんど試練を経ていないのではないかという懸念がある場合、ベシアの若さは彼にとっての逆風となるかもしれない。

・本誌のオッズ:3倍

(5)ピート・ブティジェッジ運輸長官(Transportation Secretary Pete Buttigieg
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ブティジェッジの支持者のネットワークは、ブティジェッジの副大統領候補就任を熱心に後押ししている。

支持者たちは特に、ブティジェッジの疑いようのないメディア対応スキルを指摘している。彼は特に民主党のメッセージをFOXニューズに伝えることに効果的であり、その過程でリベラルなファンを獲得した。

ブティジェッジは、2020年の民主党大統領選挙候補指名に立候補し、予想を上回る健闘を見せたが、実際には勝つ見込みはなかった。

しかし、ブティジェッジは、2020年の大統領選挙予備選挙の過程で、アフリカ系アメリカ人からの支持を受けることに大苦戦している。また、批判者たちは、彼が州全体の公職に選出されたことがなく、州議会議員にすら選出されていないと指摘している。彼はインディアナ州サウスベンドの市長を務めた経験しかない。

考慮すべき別の要素もある。リアルポリティーク(realpolitik)から見ると、初の黒人女性大統領の座を争うハリスが、同性愛者を副大統領候補に選ぶことを妨げる可能性がある。

・本誌のオッズ:5倍

(貼り付け終わり)

(終わり)

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる
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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 民主党の大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデン前副大統領が誰を副大統領候補(vice president candidaterunning mate[選挙を共に戦う相棒])に選ぶか、注目が集まっている。バイデンは既に女性を選ぶと明言しており、これまでに数十名の候補者の名前が挙がっている。

 その中でも、以下の記事にある6名、大統領選挙の民主党予備選挙で争ったカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、タミー・ダックワース連邦上院議員(イリノイ州選出、民主党)、カレン・バス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー(民主党)、元国連大使・元国家安全保障問題担当大統領補佐官スーザン・ライスが有力候補と見られている。

 バイデンは「自分と考えが共通している人物を選ぶ」とも述べている。考えが違うと、政権内での争いの理由となってしまう。下に挙げている女性たちとは仲が良いようである。ハリスはアメリカの鉄道公社アムトラックの電車で通勤するという縁で親しくなり、ライスとはオバマ政権の8年間を共にしている。

 大統領選挙のことを考えると、連邦議員たちはそれぞれブルー・ステイト(Blue States)、民主党優勢州を地盤にしているので、今更テコ入れの必要はないので、重要性は低い。ウィットマーは、2016年の大統領選挙で民主党が落としたミシガン州知事であり、ミシガン州を確保したいとなれば、バイデンはウィットマーを副大統領候補に選ぶ可能性がある。

 政府での経験、特に外交の経験で言えば、スーザン・ライスということになる。ライスを副大統領候補に推す意見の中には、「バイデンは高齢であり、にもしものことがある可能性も高い。そうなれば大統領に昇格することになるので、経験豊富な人物の方が良い」というものがある。ライスが副大統領、そして大統領ということになれば、民主党内の人道的介入主義派が外交を牛耳るようになり、対外強硬姿勢ということになり、対中、対北朝鮮で東アジア地域が不安定になる可能性が高い。

 タミー・ダックワースはタイ系アメリカ人であり、イラクでの従軍中の事故で両足を切断する大怪我を負い、名誉戦傷勲章であるパープル・ハート勲章を授与された。ダックワースは閣僚として政権入りする可能性が噂されている。退役軍人長官就任の可能性がある。

 民主党全国大会も近づき、副大統領候補をそろそろ発表しなければならない時期である。誰を選ぶかで、バイデンの政権構想や選挙戦略が見えてくる。

(貼り付けはじめ)

バイデンが副大統領候補選びの最終段階に:順位を上げている日立と下げている人たち(Biden edges closer to VP pick: Here's who's up and who's down

エイミー・パーネス筆

2020年8月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/511131-biden-edges-closer-to-vp-pick-heres-whos-up-and-whos-down

ジョー・バイデンは今週末にも副大統領候補を選ぶものと見られている。最初に数十人の候補者の名前が挙がり、数カ月にわたり取り沙汰されてきたが、複数の関係者によると、候補者は数名にまで絞られてきているということだ。

候補者全ては選考の中で株価を上げる次点というものを経験した。

ある候補者に近い人物は次のように述べている。「興味深い点はどうなるかは最後まで全く分からないということです。どの候補者も自分が何番手にいるのかを正確には分かっていないんです」。

これから副大統領候補として有力な人々について見ていく。

●カマラ・ハリス(Kamala Harris
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カリフォルニア州選出の民主党所属の連邦上院議員であるハリスは、副大統領候補レースで常に名前がトップに出てきている。多くの専門家たちは、その中にはバイデンに近い人々も含まれているが、ハリスが有力候補であり続けていると考えている。

しかし、ここ最近、ハリスは、バイデンとバイデン陣営との間で緊張関係にあるという報道がなされていることを不快に思っている。

複数の関係者は、複数の関係者に最後のお願いの電話をし、最後の最後での支持をお願いしている。

ハリスと話をしたある人物は「彼女は副大統領候補になりたいのは間違いないですよ」と述べた。

有力候補の位置にある現在でも、「彼女は本当に選ばれるか心配しています」とその人物は述べている。

●スーザン・ライス(Susan Rice
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バイデンの側近たちは、オバマ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたライスは候補者リストの上位につけている。その理由としてバイデンと緊密な関係を持っているということが挙げられている。

バイデン、ライス共に知っているある人物は「バイデンは、スーザンと協力できることは分かっている」と述べている。

ここ数週間、ライスはケーブルテレビの番組に多数出演し、バイデンの応援を行ってきたが、自身の副大統領候補となる見通しについては発言を控えていた。それでも副大統領候補となるために全力を尽くしている。

今週初めの「CBSディス・モーニング」でのインタヴューの中で、ライスは「行政府の最高クラスの地位での20年にわたる豊富な経験」を自分自身が持っていることを強調した。

ライスは数年前にネットフリックスの取締役となったが、株式のオプションを行使した。木曜日、『ハリウッド・レポーター』誌が報じたところでは、これは彼女が利益の相反を避けることを意図して行ったということだ。

●グレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer
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ウィットマーは、サプライズで、副大統領候補レースで順位を上げている。

複数の取材源が今週、本誌の取材に対して、ウィットマーは副大統領候補レースの最終段階で動きを続けているということだ。ある関係者は、ミシガン州知事ウィットマーは先週末デラウェア州を訪問し、バイデンと会い、一対一の最終面接を行った、と述べている。

民主党の幹部たちは秘密の世論調査の結果で、中西部北部地域がバイデンの弱点となることを懸念している。そのためにバイデン陣営はウィットマーを名簿から外すことができないでいると考えられている。

プラスして、ウィットマーとバイデンは気が合う。

バイデンに近いある人物は次のように述べている。「彼女が候補に残っているのは驚くことではないですよ。バイデンはウィットマーに好感を持っていますからね。これまでずっと」。

バイデンに近いある人物は、ウィットマーが早い段階でバイデン支持を表明したこと、民主党の新しい力を象徴していること、バイデンがどうしても勝ちたい州の出身であることを指摘している。

●カレン・バス(Karen Bass
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バスは民主党所属の連邦議員における有力候補である。しかし、彼女の株価は少し下がっている。先週複数のメディアが、バスのキューバとサイエントロジーに関する発言を報道した。

カリフォルニア州選出の民主党所属の連邦下院議員バスは、連邦議会アフリカ系アメリカ人議員連盟の委員長として多くの議員を従えて行動したが、それでメディアに多く報道されるようになった。彼女は現在も有力候補である。連邦議員としての立法経験と政府との関係の深さでバイデンを補佐することができると見られている。

バイデンに近いある人物は次のように述べている。「もしあなたがジョーのことをよく知っていたら、なぜ彼女が候補者の上位に来るか、その理由も分かると思いますよ。彼女はジョーにとって良いパートナーとなるでしょう」。

しかし、先週末のNBCの「ミート・ザ・プレス」での彼女のインタヴューが放送された後、民主党の内部には彼女を選ぶのはリスクが高いと考える人たちも出てきている。彼女を選ぶことで、重要な激戦州であるフロリダ州でバイデンへの票を減らしてしまう可能性がると考える人たちも出ている。フロリダ州にはキューバ系アメリカ人も多く住んでいる。

●エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren
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最近、ウォーレンは他の有力候補者たちに比べて静かである。

しかし、バイデンに近い人々は、ウォーレンが静かだからといって彼女が候補者から外されたと専門家たちが判断すべきではないと述べている。

副大統領選びの初期段階、ウォーレンとバイデンは頻繁に連絡を取り合っていたと関係者は取材に答えている。そして、バイデンが最近発表した経済に関する公約に関して、ウォーレン以上に影響を及ぼした人物は他にいない。

金曜日に『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載された記事の中で、ウォーレンは前のセカンドレディーのジル・バイデンと協力し、バイデンが発表した経済公約の子供たちの教育とケア分野の内容作成にかかわったと発言している。

ウォーレンはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、バイデンが「早い段階でこの問題に関心を持っていた」と述べている。

ウォーレンは更に、「このことから私は、バイデン政権ができたら子供たちの教育とケアが重要政策となるだろうという希望を持つようになっています」とも述べた。

●タミー・ダックワース(Tammy Duckworth
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バイデンに近い複数の民主党関係者は、バイデンがダックワースに好感を持っていると述べている。関係者は、イリノイ州選出の民主党所属の連邦上院議員であるダックワースが、イラク戦争に従軍し、パープル・ハート勲章を授与されているという経歴を持っており、この経歴が有権者の支持を集める上で極めて重要なことになるだろうと述べている。

それでも、関係者たちは、彼女が最終的に副大統領候補になれるかどうかについて懐疑的ではある。

バイデンに近いある人物は「ダックワースの名前は閣僚としてよくあがっているんですよ」と述べている。

ダックワースは水曜日、NPRのインタヴューの中で次のように述べている。「私はジョー・バイデンを当選させたいんです。私は彼のティームに協力してどんな仕事でもやりますよ。私たちが現在陥っている危機から脱出させることに役立つと彼が考えることを実現したいのです。それは世界規模での新型コロナウイルス感染拡大、我が国の経済状況、我が国への敵対国や敵対勢力といった問題なのです」。

ダックワースは次のように述べた。「私はただバイデンを当選させたいだけです。そうすることで私たちは道を逸れた私たちの国を元に戻すことができるのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 ジョージ・フロイド事件からアメリカやヨーロッパではデモや暴動が起きている。人種差別をなくすという主張は、法の下で平等に扱ってくれという要求であり、そのことは当然のことだ。暴動や略奪は問題解決にはつながらない。

こうした状況で、アメリカ国内の南軍由来の米軍基地の名前を変更する、とか、映画『風と共に去りぬ』の配信をアメリカ国内で停止するといったことは、やり過ぎだし、そうしたことをしたからといって歴史は変えられないし、何より歴史を抹殺してなかったことにすることにつながり、かえって良くない。

 今年はアメリカ大統領選挙の年であり、共和党では現職のドナルド・トランプ大統領、民主党ではジョー・バイデン前副大統領が本選挙で戦う。バイデンは副大統領候補に「女性を選ぶ」と発表している。既に多くの名前が出ている。そうした中で、根強い人気があるのがミッシェル・オバマである。バラク・オバマ前大統領の夫人であり、前ファーストレディだ。以下にミシェル・オバマが副大統領候補になる可能性について古い記事をご紹介する。
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 バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持で、民主党予備選挙で大客点を起こし、勝利することができた。2016年の大統領選挙では、民主党候補者(ヒラリー・クリントン)への投票率が下がったアフリカ系アメリカ人有権者を再び取り戻すためには、アフリカ系アメリカ人女性が良いということも一つの考えではある。しかし、バーニー・サンダースを支持する有権者が多かったヒスパニック系を惹きつけるためには、ヒスパニック系の女性だという声も大きい。

 ミシェルは夫バラクよりも頭脳明晰で、行動力があり、立派な人物だと言われている。しかし、頭が良すぎるために、普通の政治家のように振舞うことができないようだ。愛想を振りまくといったことができない。相手が馬鹿に見えてしまうと、それがそのまま露骨に態度に出てしまうというのは政治家としては欠点だ。

 やはりアフリカ系アメリカ人女性ということになると、スーザン・ライスということになるだろう。ミシェルはヒラリーと相いれないだろうし(お互いが自分の方が頭が良いと思って嫌い合う)、ミシェルにはやはり政治や行政の経験がない。それに比べれば、ライスの方が経験豊富だ。何よりバイデンが大統領に当選しても何か重大なことが起きれば、大統領になるとなれば、ライスということになるだろう。
susanricebarackobama201

 大宅壮一が以前、藤山愛一郎が岸信介に唆されて政治の道に進むとなった際に、「絹のハンカチをぞうきんに使うな」と述べた。政治とは汚い世界であり、向かない人物は近づかない方が良い。藤山も利用されるだけされて、最後には捨てられ、「井戸塀政治家(政治をやって最後には井戸と塀しか残らなかった政治家)」の見本となった。ミシェルは政治には向かないだろう。そのことはミシェルもバラクもよく分かっているだろう。望まれているうちが花である。

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バイデンが民主党の候補者となれば、ミシェル・オバマを副大統領候補として選ぶだろうか?(If Biden’s the Nominee, Might He Pick Michelle Obama as His Vice President?

ジョン・ファンド筆

2020年3月8日

『ナショナル・レヴュー』誌

https://www.nationalreview.com/2020/03/joe-biden-might-he-pick-michelle-obama-as-his-vice-president/

彼女は民主党の大統領選挙において有利な点を与えることになるが、彼女自身は選挙に出ることに関心をほぼ持っていない。

民主党にとって良いニュースは、バーニー・サンダースが今年の秋に大統領選挙候補者となる可能性はかなり低くなったことだ。悪いニュースはジョー・バイデンが大統領選挙候補者として強みがないということだ。結果として、彼が自分の立場を強くするために誰を副大統領候補に選ぶかについての議論の緊迫度が高まっている。民主党の指導者層はこの議題で激しい議論を展開している。

多くの人が考えるのは、バイデンの副大統領候補は、大胆な選択であると同時に、2016年にヒラリー・クリントンが失ったマイノリティの投票を強力に集めることができる人物であるべきということになる。連邦下院多数党(民主党)幹事長ジム・クライバーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)は最終的にバイデン支持を表明し、サウスカロライナ州でのバイデンの圧勝をもたらした。クライバーンは明確な考えを持っている。

クライボーンは記者団に対して次のように見通しを話した。「今年の副大統領候補の候補者名簿に女性が入っていないということは考えられない。私はその人物が非白人であれば更に良いと思う」。

クライボーンと同様の趣旨の発言を行ったのはヴァレリー・ジャレットだ。彼女は8年間にわたりオバマ大統領の上級顧問を務めた。ジャレットはCBSニュースの取材に対して、「民主党の大統領選挙候補者は一般的な通年を打ち破り、非白人の女性を副大統領に選ぶべきでしょうし、そうするでしょう」と述べた。

この時、ジャレットの発言はそれだけにとどまった。結果、ジャレットは誰が副大統領候補にふさわしいかということまで言う機会はなかった。しかし、オバマ家に対してジャレットよりも近い人はいない。ジャレットが副大統領候補として非白人の女性の名前を上げる場合に、ジャレット自身が30年近くずっと親しくしている女性を候補者に入れないということは考えられないと誰しもが考える。その女性とは、ミシェル・オバマ、である。

ジャレットとミシェルは30年以上の知己である。1991年、当時のシカゴ市長リチャード・デイリーの次席補佐官だったジャレットは当時26歳のミシェル・ロビンソンの就職面接を行った。ハーヴァード大学法科大学院の卒業生ミシェル・ロビンソンはジャレットに強烈な印象を残した。ジャレットは自伝の中で「ミシェルからは有能さ、性格の良さ、誠実さが感じられた」と書いている。ジャレットはミシェルを採用した。そして、ジャレットはミシェルから婚約者のバラク・オバマを紹介された。ジャレットはカップルを庇護し、シカゴのエリートたちに紹介した。これこそは、オバマ家がホワイトハウスにまで上昇するスタートであった。第二弾の動きのために時期は今ではないか?

ミシェルが副大統領候補になれば民主党の支持基盤には人気となるだろう。そして、バイデンが民主党の大統領選挙になる場合に、今年の11月に多くの投票を必要としているのはこの支持基盤である。先月カリフォルニア州において、スタンフォード大学フォーヴァ―研究所、ビル・レーン・センター・フォ・ジ・アメリカン・ウエスト、YouGovが、登録済み有権者1507名を対象にした世論調査を協働に実施した。その中で、副大統領候補に誰が良いかという設問があった。

有権者たちは明確に女性を支持している。有権者のうち31%がミシェル・オバマの名前を挙げている。続くのはカリフォルニア州選出連邦上院議員カマラ・ハリスで19%、第三位にはミネソタ州選出連邦上院議員エイミー・クロウブッシャーが入り18%、元ジョージア州上院議員ステイシー・エイブラムスが13%で4位に入った。そして、カリフォルニアを地盤とするヴェンチャーキャピタリストであるトム・ステイヤーは10%の支持を集めた。

普通に考えれば、ミシェル・オバマを副大統領候補にするということは全く実現性のない、問題外のことであるということになる。ミシェル・オバマは、人々の見えない場所では、自信に満ちた態度であり強引であると知られている。強引な人物という評判を持つ人物がこれまで副大統領に選ばれたことはあまりなかった。現在82歳になるジョー・バイデンが大統領に当選しても再選を目指して出馬するだろうと考える人はあまりいない。そのため、ミシェルが副大統領となれば、バイデンの跡継ぎを狙っていると見られる危険性はある。ミシェルは有権者の多くの人気を集めてはいるが、彼女は共和党側と協力すること、自分が馬鹿だと考えている人たちを丁寧に扱うことには全く興味関心を持っていない。

しかし、バイデンはミシェルを副大統領候補にするという考えを受け入れ、支持することを公言している。今年2月にアイオワ州の選挙集会である有権者からの質問に対し、元ファーストレディを副大統領候補に「すぐにでも」選びたいとしながらも、オバマ家はホワイトハウスを出てからの生活が「少し解放された」ようなもので気に入っている、と述べた。昨年9月、スティーヴン・コルバートとのインタヴューの中で、バイデンは、ミシェルを副大統領にするという考えを支持していた。その前に、バイデンは「冗談だからね、ミシェル、冗談を言っているんだから」と述べた。

しかし、バイデンは冗談を述べたのだろうか?シカゴ時代からのある知人は次のように述べている。「オバマ家は人々の注目を集める生活から離れて3年を過ごしました。しかし、トランプ大統領が再選され、2期目を迎えることになると、彼はオバマ前大統領が行ったこと全てを破壊するという自身の公約を完結させることになるでしょう。ミシェルが副大統領候補になることで、そのようなことが阻止できるということあれば、出馬するという選択肢は全く問題外ということでもないでしょう」。

もしバイデンがアフリカ系アメリカ人を副大統領候補にしたいと望むならば、その他の選択肢は様々な問題を示している。バイデンは副大統領候補となる人物はメディケア・フォ・オールに反対しなければならないと述べた。これではニュージャージー州選出のコーリー・ブッカー連邦上院議員を副大統領候補に起用することはできない。2018年のジョージア州知事選挙で善戦したステイシー・エイブラムスに関しては、問題は複雑となる。エイブラムスは州議会以上の経験を持っていない。また、全国規模の選挙に出馬ということになれば彼女の過去は詳しくほじくり返されることになるだろう。

カリフォルニア州選出の連邦上院議員カマラ・ハリスは候補者の1人だ。ハリスに関してマイナス面は、昨年夏の討論会でハリスは、強制的なバス通学にバイデンが過去に反対したことは人種差別的だと昔のことをほじくり返して、バイデンを激しく攻撃したということだ。しかし、バイデンは政治上の恨みを長く引きずっている訳ではない。ハリスに関しては、いくつかの秘密裏の世論調査の結果が示しているのだが、ハリスがアフリカ系アメリカ人とインド系アメリカ人の両方の血を引いているということを知ったアフリカ系アメリカ人有権者たちの中に、彼女への支持を止める人たちが出ている。

バイデン大統領候補とオバマ副大統領候補実現の大きな障害は、当然のことながら、ミシェル・オバマは副大統領候補になるという考えに興味を持っていないと表明していることだ。2018年にテレビ番組『ジミー・キンメル・ライヴ』に出演した際、ミシェルは選挙に立候補しないと述べた。「選挙に出ることについて誰とも真剣に話したことはないんですよ。何故なら私は全く関心を持っていないし、選挙に出ることはないからです。絶対にやりません」。

ミシェルの配偶者も同意している。「いいですか、人生において確かなことが3つあります。死、租税、そしてミシェルが大統領選挙に立候補しないこと、です。私に言えるのはこれだけです」。

このオバマ前大統領の発言はオバマ側近の多くが合意できる内容である。彼らは、ミシェル・オバマは長年にわたり政治と資金集めの汚さを軽蔑していること、娘2人を守りたいという強い希望を持っていること、考えが合わない人々と親しげに交流することを好まないことを指摘している。MSNBCのコメンテイターを務めるマイケル・スティールは次のように語っている。「私がアフリカ系アメリカ人として初めて共和党全国委員会委員長に就任した際、オバマ一家と一緒に写真を撮ったことがありました。彼女は私に対する嫌な気持ちを隠せない人でした。純氷のような人ですよ。彼女はにこりともせず、私をにらみつけていました。そして、私は現像した写真をもらうことはありませんでした」。

しかし、これに対抗する主張も存在する。副大統領候補になれば、ミシェルは15週間だけ選挙運動をやればよいということになる。大統領候補となると選挙運動の期間は2年となる。ミシェルは強く望めば政治資金集めをしなくても済むだろう。娘2人は今大学生になっている。そして、主流派メディアは娘たちについての報道の制限を続けている。それでは、彼女は群衆と会うことを好んでいないことを報道しているだろうか? 民主党系の世論調査専門家であるある人物は次のように語った。「彼女はイヴェントなどに文字通り出席だけはするが、あまり話をすることはないんです。それでも群衆は彼女が大好きなんですよ」。

こうした主張全てを考慮しても、ミシェルが出馬するだろうかという質問の答えはノーということになるだろう。しかし、ミシェル・オバマにイエスと言わせるためのとっておきの手段が存在する。今年2月のアイオワ州での選挙集会において、バイデンはバラク・オバマを最高裁判事に起用する可能性があるかと質問された。歴史を振り返ってみると、元大統領で1人だけ、ウィリアム・ハワード・タフトが1920年代に大統領執務室から最高裁に進んだ。バイデンは、「そうですね、その可能性はありますが、彼がそれを受けないと思いますよ。彼は素晴らしい最高裁判事になることができるでしょうけれど」と答えた。

しかし、私はこのバイデンの考えが正確かどうか疑問を持っている。法科大学院教授を勤めたこともあるオバマは最高裁の知的な雰囲気にマッチすることができるだろう。そして、アメリカで最高の裁判所に彼より適している人物が他にいるだろうか?バラク・オバマは、最高裁判事のクラレンス・トーマスのアフリカ系アメリカ人の立場を強化する保守主義(black-empowerment conservatism)と交代できるだろうし、トランプ政権の遺産の多くを打ち倒すための必要な決定票を投じることができるだろう。

民主党内部には、ミッシェルを副大統領候補にしたいと奔走している人々がいる。そうした人々は、バイデンがバラク・オバマを副大統領候補に選ぶのではないかと疑いを持っている。しかし、2016年にも似たような考えがあった。夫ビル・クリントン元大統領を副大統領にするかどうか、ヒラリー・クリントンは質問されたことがあった。ヒラリーは、その考えが「頭をよぎった」ことは認めたが、それは非立憲的だと否定した。ヒラリーはテレビ番組「エクストラ」の司会者マリオ・ロペスに次のように語った。「ビルは素晴らしい副大統領になるでしょうが、現在の憲法では、彼には資格がないのです。ビルは大統領量を2期務めました。そして、彼が副大統領としてこの2期という制限を超えることはできないということになると思います。少なくとも私はそのように言われています」。

ミシェル・オバマが副大統領候補になる可能性について私が議論した人全ては、ミシェルを副大統領候補に選ぶことは他に何にも出来ないほど、短期的な刺激剤となり、民主党側を活性化させることになると述べている。多くのメディアは夢中になって、オバマ家に対してこびへつらうような報道をすることになるだろう。しかし、ミシェルが副大統領候補になることは、民主党にとって機会になると同時に問題にもなる。とにかく、民主党幹部たちは、バイデンの選挙運動における不安定な技術とパフォーマンスについて懸念を持っている。幹部たちはミシェルを副大統領候補に選ぶことは救命ボートのようなものだと考えている。

もちろん、私が話した政治の専門家たちの多くが、バイデンはオバマ夫人を選ぶことはないだろうと予測している。他方、専門家たちは、ジョージ・W・ブッシュがディック・チェイニーを副大統領に選ぶなどとは考えていなかったし、ジョン・F・ケネディがリンドン・ジョンソンを副大統領候補にするなど考えた人などはほとんどいなかった。

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(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 今年のアメリカ大統領選挙は、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領、民主党はジョー・バイデン前副大統領の戦いということになる。バイデンは「女性を副大統領候補に指名する」と発表している。「誰が副大統領候補になるのか?」「誰が副大統領候補にふさわしいのか?」とアメリカのメディアでは多くの名前が挙がっている。

 職務としては、連邦上院議員、連邦下院議員、州知事、市長、人種としては白人、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニックなどと多士済々である。しかし、誰もかれも実際に政権に入って仕事をした経験がなく、外交の経験もない。そこで出てくるのが、下に紹介する記事で取り上げられているスーザン・ライス(Susan Rice、1964年-)である。
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ライスとオバマ
 スーザン・ライスはオバマ政権8年間の内、前半は米国国連大使(閣僚級の扱いを受け、閣議にも出席できる)、後半は国家安全保障問題担当大統領補佐官(ホワイトハウスで外交を取り仕切る、国家安全保障会議
[NSC]を主宰)を務めた。オバマ政権二期目では国務長官の候補にも名前が挙がったが、「アラブの春」の過程で起きた、リビアのベンガジでのアメリカ領事館襲撃事件をめぐり、失言をしてしまったので、連邦上院の人事承認は得られないということで、承認の要らない国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任した。

 拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所)で、私は、スーザン・ライス、国家安全保障会議(NSC)メンバーと米国国連大使(2017-2019年)を務めたサマンサ・パワー(Samantha Power、1970年-)、アメリカ国務省政策企画本部長(2009-2011年)を務めたアン・マリー・スローター(Anne-Marie Slaughter、1958年-)名をヒラリー・クリントンの側近の女傑3人として紹介した。
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ライスとヒラリー・クリントン
奥にサマンサ・パワー
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スローター(左)とヒラリー

 このヒラリー派は「人道的介入主義(Humanitarian Interventionism )」と呼ばれるグループだ。この人道的介入主義派は、「世界各国、特に非民主的な国々、特栽国家で虐げられている人々を助けるために、アメリカの力を使う、アメリカの軍事力で政権転覆(regime change)を行うべきだ」という考えだ。そのためには戦争を厭わない。

ヒラリー派の人物の名前が副大統領候補に出てくることは甚だ危険だ。特に、年齢や健康に不安があるバイデンの副大統領候補ということは、当選して、バイデンに何か事が起きれば、大統領ということになる。もしライスが副大統領になり、大統領に昇格すれば、これは「ヒラリーの勝利」ということになる。アフリカ系アメリカ人初の大統領はバラク・オバマが成し遂げたが、女性初の大統領をライスが成し遂げるということになるが、その裏では、ヒラリー派が暗躍するということは十分に考えられる。

 そうなれば何が起きるかと言えば、国際関係の緊張だ。ロシア、中国、北朝鮮との関係は緊迫化し、最悪の場合には武力衝突ということも考えられる。「アフター・コロナ」時代において、不安定化した国内状況、国際状況を転換させるために、戦争が起きるということも考えられる。

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プレス:スーザン・ライスはアメリカ合衆国大統領になる心づもりで選挙に出る準備ができている(Press: Susan Rice would be ready to step in as POTUS

ビル・プレス筆

2020年5月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/499646-press-susan-rice-would-be-ready-to-step-in-as-potus

副大統領候補を選ぶって?何か簡単そうだ。しかし、実際はそうではない。実際、ジョー・バイデンは現在、最も難しい仕事に直面している。それは、彼の決定には多すぎる要素が入ってくるからだ。

バイデンにとっては、既に女性を副大統領候補に選ぶと公約しているが、そうなれば次のような疑問が出てくる。私たちが知らない候補者がいるのだろうか?副大統領候補は重要な激戦州で勝利をもたらすことができるだろうか?民主党支持の有権者たちを熱狂させ、投票に向かわせることができる素晴らしい選挙運動ができる人物なのだろうか?無党派の有権者たちにアピールする人物だろうか?バイデンはこの人物と行動することに居心地の良さを感じるだろうか?そして、最重要なのは、バイデンに何か起きた場合に、この女性は大統領の地位に就くことができるだけの疑いようのない経験を持っているだろうか?という問いだ。

この最後の基準に関して、元国家安全保障問題担当大統領補佐官スーザン・ライス以上の能力を持つ人物は他にいない。連邦政府の役割とは何かを理解し、人々に奉仕するために政府の諸機関の結集された力をどのように使うかを分かっている指導者が現在ほど求められている時代はこれまでなかった。

バイデンには別の多くの強力な候補者たちがいないなどと言うことはできない。実際、バイデンが幸運なのは、選ぶべき人物が多くいるということだ。ある意味では、誰を選んでも失敗ということはない。ライスに加えて、バイデンが考慮中だと知られているのは、大統領選挙の経験を持つ3名の連邦上院議員の名前が挙がっている。カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)である。もう一人の連邦上院議員としては、州司法長官を務めた経験を持つ、ネヴァダ州選出のキャサリン・コルテス=マスト連邦上院議員も候補の一人だ。行政経験を持つ州知事2名の名前が挙がっている。1人はミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー、もう1人はニューメキシコ州知事ミシェル・ルーハン・グリシャムだ。元警察本部長で現在はフロリダ州選出の連邦下院議員を務めるヴァル・デミングスの名前も挙がっている。地域の指導者2名の名前も挙がっている。その2人は、ジョージア州下院少数党(民主党)院内総務を務めたステイシー・エイブラムス、アトランタ市長キーシャ・ランス・ボトムズである。

ここに名前を挙げた人々はそれぞれ有利な点を持っている。誰を選んでも素晴らしい、そして歴史的な人選ということになる。しかし、ここに名前の挙がった人々の中に、行政と外交における経験において、スーザン・ライスにかなう人はいない。ライスはこれまでの30年間、複雑な政策問題、議会との協働、外国の指導者たちとの交渉、大統領の意向の実現にまい進してきた。ライスは政府と外交をいかに動かすかを知っている。彼女はスタッフをどのように動かすかを知っている。

ライスの人生とキャリアは公職に捧げられたものだった。彼女が最初に参加したのは、クリントン政権で、国際機関と平和維持部門部長と国家安全保障局のアフリカ問題担当部長を務めた。その後、連邦上院による満場一致で承認され、アフリカ問題担当国務次官補に就任した。彼女はキャリアの中で、ソマリアとルワンダでの危機的状況に対するアメリカの対応を指揮した。エボラ出血熱への対応に成功した後、ライスは国家安全保障会議の中に、 国際公衆衛生、生物学的防衛担当部長職(Directorate for Global Health Security and Biodefense )を創設した。この部門は2018年にトランプ大統領によって解体された。

2009年1月、オバマ大統領によって指名され、再びアメリカ連邦上院によって満場一致で承認され、ライスは米国国連大使に就任した。ライスは国連大使として、北朝鮮、イラン、中東、スーダン、リビア、その他の紛争地帯に関するアメリカの外交政策を形成することに貢献した。4年後、ライスはホワイトハウスに戻ることになった。この時は国家安全保障問題担当大統領補佐官としてであった。イランとの核開発をめぐる合意、パリ気候変動合意、キューバとの国交改善においてライスは重要な役割を果たした。

スーザン・ライスはまた人々に語るべき素晴らしい個人的な物語を持っている。母方はジャマイカ移民、父方はサウスカロライナ州の奴隷を先祖に持つ家族といった出自を持ち、ライス自身はアメリカンドリームを実現した。若い女性でかつアフリカ系アメリカ人という不利な点を乗り越えるために、両親の薫陶を受けて育った。彼女はスタンフォード大学を卒業し、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学した。オックスフォード大学時代には500人の同級生の中でアフリカ系アメリカ人は彼女1人であった。そして、世界という舞台において最も有力な女性となった。ライスの物語は全ての順守の若い有権者を勇気づけるものだが、しかし特にアフリカ系アメリカ人コミュニティを活性化するものだ。アフリカ系アメリカ人コミュニティの熱心で全力な支持はバイデンの勝利にとって必要不可欠な要素である。

我が国がこれまで直面したことのない、最悪の公衆衛生上の危機と経済的危機により、バイデンはアメリカをこれまでの途に引き戻すための重大な挑戦に直面することになるだろう。バイデンには、全力で彼をサポートできる人物を選ぶ必要がある。スーザン・ライス以上の最高のティームメイトを見つけることはできないだろう。

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 古村治彦です。

 今年の大統領選挙で民主党の大統領選挙候補者に事実上決定しているジョー・バイデン前副大統領は、自身の副大統領候補として女性を起用すると公約している。今年の大統領選挙民主党予備選挙には女性候補者たちが数多く出た。その数は史上最高だった。予備選挙で善戦したエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)といった人々が副大統領候補の候補者として挙げられている。
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 現在の新型コロナウイルス感染拡大はアメリカ国内で深刻であるが、そうした中で、各州の州知事の中で、感染拡大への対応で評価を上げている人たちがいる。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事やミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事がそうである。ウィットマーも今年の大統領選挙の副大統領候補として名前が挙がっている。しかし、クオモとウィットマーは次の20204年の大統領選挙に温存している方が両人にとっても民主党にとっても良いだろう。

 そうした中で、スーザン・ライスがPBSのインタヴューに答えて、バイデンの副大統領候補に選ばれたら、「謹んで受諾する」と答えた。ライスも副大統領候補の候補者の1人と考えられている。ライスはバラク・オバマ前政権で国連大使や国家安全保障問題担当大統領補佐官を歴任した。ライスはヒラリー・クリントンの後任の国務長官の候補者として考えられていたが、アメリカ公使が殺害されたリビアのベンガジで起きた事件で味噌をつけてしまい国務長官になり損ねた。

トランプ大統領が最初に国家安全保障問題担当大統領補佐官に選んだマイケル・フリンに関して、ロシア大使との事前の電話会談がマスコミにリークされ、不倫はほぼ活動ができないままに辞任を余儀なくされた。このことに関して、オバマ政権末期にバイデンを含む高官たちがフリンの諜報上の情報を得るための申請をしていた。その高官リストにスーザン・ライスも入っていた。この問題はあまり大きいとは言えないが、オバマ政権によるトランプ政権への妨害ということであり、トランプ大統領は「オバマゲート事件」と呼んでいる。

 ライスは人道的介入主義派、ヒラリー派の人物であるが、オバマとの関係も悪くなかった。両者をつなぐことができた人物である。バイデンがもし大統領に当選すれば、スーザン・ライスも政府高官(国務長官クラス)、ホワイトハウスの最側近のスタッフ(国家安全保障問題担当大統領補佐官クラス)として復帰することも考えられる。しかし、副大統領候補となるには少し弱いところがある。ライスが副大統領候補に選ばれることはないだろう。何よりもヒラリー派の復活に対して、進歩主義派が大反対するだろう。そうなれば、バイデン大統領誕生も危うくなる。

 

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スーザン・ライスはバイデンの副大統領候補Susan Rice says she would 'certainly say yes' to be Biden's VP

J・エドワード・モレノ筆

2020年5月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/497924-susan-rice-says-she-would-certainly-say-yes-to-be-bidens-vp

オバマ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたスーザン・ライスは、民主党大統領選挙候補者を確実にしているジョー・バイデンがライスに副大統領候補になるように依頼してきたら、「確実にイエスと言う」と発言した。


ライスはPBSとのインタヴューの中で、「私は素晴らしい実績を残した女性の方々の中に入れていただいたことを謹んで受諾します。これは大変に光栄なことです。こうした女性たちは副大統領候補として考えられていると報道されています」と述べた。

ライスはまた、バイデン前副大統領が、ライスが副大統領の最良の候補だと考えているのならば、自分としてはノーということはないだろうとも述べた。

ライスは「私は自分ができる限りの努力をして、彼を次期アメリカ大統領にしたいと願っています」と述べた。

バイデンは女性を副大統領候補に起用すると公約している。そして今月初め、彼の副大統領候補選定委員会は「12名以上の女性」を候補者として挙げているとも述べた。

今月CBSが行った世論調査の結果では、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が、バイデンの副大統領として、民主党員や民主党支持の有権者の中でトップに選ばれた。ライスは、ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーと並んで6位につけた。

ライスの名前は国家情報局長官代行リチャード・グレネルが発表したオバマ政権の幹部だった人物たちのリストの中にも入っている。グレネルによると、これらの元幹部たちは、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリンの「アンマスキング」につながる文書の提出を求めたということだ。マイケル・フリンに関するアンマスキングとは、2016年の大統領選挙からトランプ大統領の就任式までの期間に出された諜報レポートにおけるフリンの記述について提出を求めるものだ。

このリストの発表によって、共和党の連邦議員たちは、オバマ政権の幹部だった人物たちの行動についての調査を開始した。議員たちはライスの国家安全保障問題担当大統領補佐官時代のコミュニケーションに関連する情報の提供を求めている。

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