古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。X accountは、@Harryfurumura です。ブログ維持のために、著作のお買い上げもよろしくお願いします。

タグ:古村治彦

 古村治彦です。

 月刊誌『ザ・フナイ』誌2026年10月号から「オピニオン」欄に10回の予定で文章を連載いたします。アメリカ政治と国際政治について掲載します。今月は「分断」をキーワードに文章を書きました。師である副島隆彦先生が長く連載を持っておられ、毎月文章を掲載しています。私の文章だけでは当然高く感じてしまうと思いますが、先生の記事も合わせてということで、是非手に取ってお読みください。

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ザ・フナイ vol.228(2026年10月号)
※『ザ・フナイ』2026年10月号に掲載された新刊の宣伝を掲載します↓
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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

 『ザ・フナイ』2026年7月号はアメリカ建国250周年記念ということで、私の文章を掲載していただきました。イラン戦争開戦に関する文章を書きました。まだ販売中ですので、是非お読みいただければ幸いです。

 thefunal202607cover001

ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 よろしくお願い申し上げます。

(終わり)

sekaiwashuukyousensounitotsunyuushita002
世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 佐藤優・古村治彦著『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』(ビジネス社)が発売になります。発売日は2026年9月1日です。

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』←クリックするとアマゾンのページに移動します

 『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』は佐藤先生との2冊目の対談だ。今回の対談はイラン戦争開戦後に行われ、イラン戦争、米中首脳会談、高市早苗政権について分析を行った。その中で、私たちは「宗教」や「使命感」といったアプローチの重要性について話した。今回の対談は非常に内容の濃い内容となっている。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき   佐藤優(さとうまさる)

 ロシア・ウクライナ戦争と米イラン戦争によって、世界は新しい時代に入った。1991年12月のソ連崩壊後、アメリカを中心とする民主主義、人権、市場経済などの価値観を基準とする外交は過去の時代のものとなった。これに代わって、力の均衡を原理とするリアリズム(現実主義)外交が主流を占めるようになった。

 実は、この変化に日本外交は、西側諸国の中では適切に対応している。ロシア・ウクライナ戦争に関し、日本は政治的にウクライナを支持しているが、ロシアからLNG(液化天然ガス)を輸入し続けている。ウクライナに殺傷能力を持つ装備品を供与していないG7(日米英仏独伊加)中唯一の国だ。米イラン戦争に関し、日本はアメリカを支持しているが、イランとも比較的良好な関係を維持し、日本のタンカーがホルムズ海峡を通過することを革命防衛隊が認めている。

 このような外交を展開できているのは、日本のインテリジェンス能力が高いからだ。具体的には、国家情報局(2026年7月31日、内閣情報調査室を改組・格上げ)の情報収集と分析の能力が高いからだ。インテリジェンスの要は近未来情勢分析にある。政策とインテリジェンスは分離されている。同時に、国家情報局が首相に示した近未来情勢分析の枠組みから外れる政策を採用しても、それが成果を出す可能性は低い。外交には立場がある。日本の場合、日米同盟は、いわば数学でいう公理系を形成しており、その前提を崩すような政策を日本が取ることはできない。この制約条件を無視した外交は、評論家や学者が行う頭の体操ならばともかく、政治家や職業外交官としては無責任だ。アメリカの基本的立場と国際政治のリアリズムの間で均衡点を見いだすのが、国家を担う政治指導者の責任なのである。

 日本のインテリジェンスが比較的成果を出しているのには、私が見るところ、二つの要因がある。第一は、価値観ではなく、現実の力関係に基づいて情勢を分析するリアリズムだ。第二は、各国の指導者が持つ内在的論理を尊重することだ。国家指導者には、さまざまな性格の人がいる。合理性を重視する人もいれば、感情的な人もいる。さらに、それぞれの国家を成り立たせている基本原理がある。

 現在、国際政治の主要なプレイヤーになっているのは、トランプ米大統領、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、ネタニヤフ・イスラエル首相、モジタバ・ハメネイ・イラン最高指導者、金正恩・朝鮮労働党総書記らだが、本書ではこのうち一神教文明(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)に属するトランプ、プーチン、ネタニヤフ、モジタバを扱った。程度の差はあれ、ヨーロッパ、北アメリカ、日本では、宗教が人間の行動規範ではなくなる世俗化が進んでいる。しかし、ストレートに信仰と政治を一体化させているモジタバだけでなく、一見すると世俗化されたように見えるが、その背後で宗教的な超越性が強く表れているトランプ、ネタニヤフ、プーチンの内在的論理を解明することに本書では力を入れた。

本対談に丁寧にお付き合いいただいた古村治彦氏に深甚なる謝意を表します。また、本書の刊行にあたっては、ビジネス社の小笠原豊樹氏、フリーランスの編集者兼ライターの水波康氏に多大なお力添えをいただきました。心より御礼申し上げます。

2026年7月31日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、

佐藤優(さとうまさる)

=====

世界は「宗教戦争」に突入した「神に選ばれた」支配者の使命と論理目 次

まえがき(佐藤 優) 2

第1章 世界は「宗教戦争」に突入した──イラン戦争の〝合理〟を超える〝使命〟 11

■トランプはなぜイラン攻撃を決断したのか 12

ホルムズ海峡封鎖で世界は一変した 12

ネタニヤフのプレゼンテーション 18

「対ナチス戦」に転換したトランプ 23

崩壊した「軍事大国イラン」という神話 27

イランが狙うパキスタンの核 32

■神に選ばれた確信と使命 38

死者との連帯を強調したモジタバ・ハメネイ 38

トランプ版聖書が意味するもの 45

ネタニヤフが担う「ユダヤ民族存続」の使命 51 対立する「神に選ばれた確信」 58

■始まった21世紀の宗教戦争 63

トッドの「宗教ゼロ」は当てはまらない 63

目に見えない価値観の闘いがイラン戦争の本質 67

第2章 トランプは変節していない──宗教で読み解く「支配者の論理」 71

■トランプはなぜ止められないのか 72

トランプの政権基盤は揺らいでいない 72

第3次世界大戦を阻止したトランプ 84

トランプの「ダークトライアド」と「理性の狡知」 89

トランプは神の召命に逆らえない 94

■メディアが報じないイランの脅威 98

イランは特殊なイデオロギーの国 98

47年間続くアメリカとの戦争 103

モジタバ・ハメネイの危険な意思決定 110

トランプが放棄したオバマの核合意 114

■クリスチャン・シオニズムの謎を解く 118

『エクソダス』が変えたアメリカ人のユダヤ観 118

終末論が生んだ親イスラエル思想 123

イスラエルはなぜ戦い続けるのか 127

第3章 世界は敗北していない──「西洋の敗北」から米中ロ3極体制へ 131

■台湾カードを握る中国 132

米中首脳会談の基本は協商関係 132

米中は対等な関係となった 138

台湾カードを握る中国 145

■アメリカはなぜ敗北し続けるのか 149

見えてきたアメリカの限界 149

アメリカの国力が落ちている理由 156

イラン戦争はアメリカにとっての世界最終戦になるはずだった 163

■米中ロ世界3極体制の出現 168

ウクライナ戦争が独ロ戦になる怖さ 168

アメリカを側面から支援したロシア 172

世界は米中ロの3極体制となる 179

第4章 大変革する世界、日本の選択──高市戦略は国益にかなうか 185

■高市政権と孤立する日本の危機 186 高市政権が持つ「偽物の強さ」 186

協商は同盟を壊す ── 日本だけが気づかない米中協商 192

日本が行う「周回遅れの喧嘩外交」 195

日本外交は無能ではない 200

ホルムズ危機が直撃する日本 205

日本が米中共通の敵とされる危険性 209

■世界と日本は連動している 216

明の成立と南北朝の動乱 216

トルデシリャス条約と「徳川の平和」 221

アヘン戦争と天皇親政 226

■世界の大変革に日本はどう立ち向かうか 230

メディアや国民は日本の危機を理解できていない 230

「本を読まない人」にお金が集まる時代 235

反・新自由主義が日本の生き残り策 240

あとがき(古村治彦) 245

=====

あとがき                 古村治彦(ふるむらはるひこ)

 本書は、佐藤優先生との2冊目の対談本である。現代の日本を代表する知識人である佐藤先生との対談の機会をいただけることは私にとって光栄なことだ。また、絶好の挑戦の機会ともなる。そして、自分自身の力不足を痛感し、改めて精進を誓う。佐藤先生に深く感謝申し上げます。

 今回の対談は、アメリカとイスラエルによるイランへの大規模攻撃が実施され、その後、60日間の停戦の覚書MOUが締結された後に行われた。アメリカとイランは停戦に合意したが、その後もアメリカ軍とイラン革命防衛隊の双方による攻撃は続き、ホルムズ海峡の状況も先行き不透明ということになっている。ホルムズ海峡の迂回ルートとなっている紅海 Red Seaのバブ・エル・マンデブ海峡 Bab al-Mandab Straitでは、イエメンの新イラン組織フーシ派がサウジアラビアのタンカーに攻撃を実施した(2026年7月23日)。紅海の状況も不安定になると、世界経済への悪影響は増大する。覚書締結で楽観ムードが流れたが、イラン戦争は収束していない。アメリカはウクライナ戦争に加え、イラン戦争でも出口を見いだせない状態になっている。

 トランプ政権の2期目は「アイソレイショニズムIsolationism」「アメリカ・ファースト」という、トランプ政権の基礎となる考え方である「アメリカ国内問題の解決を優先し、海外では戦争を起こさない」から外れ、ヴェネズエラへの奇襲攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束とイスラエルと共同でイランへの大規模攻撃を実施した。その他にもカナダやグリーンランドの併合に言及したり、キューバに対して厳しい経済制裁を科したりしている。「海外には関わらないと言っていたのに」とトランプを支持したアメリカ国民ですら不可解に感じている。

 トランプ政権のこうした一連の行動について様々な分析や評論がなされている。今回の対談を通じて、私たちは、「宗教」や「信念」、「使命感」というアプローチから、イラン戦争に関わる重要人物であるドナルド・トランプ大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、モジタバ・ハメネイ師の行動について分析した。「経済合理性」や「利益」を前提にしてばかりでは理解が上辺(うわべ)だけになってしまう。その基底(きてい)にある宗教や文化について私たちは知識を持ち、社会を見る目を養うようにするべきだ。そうすることで、本質を明確に捉えることができ、将来を見通すことができる。

 アメリカ帝国が衰退し、中国が台頭し、米中G2体制が構築されつつある中で、西洋近代600年の培った価値観やシステムが揺らいでいる。アメリカ国内でも自由、平等、人権、法の支配 rule of law(ルール・オブ・ラー)、民主政治体制 democracy(デモクラシー)、資本主義 Capitalism(キャピタリズム)に対する疑念が生まれている。暗黒啓蒙Dark Enlightenment(ダーク・エンライトンメント)やポストリベラリズム Postliberalismと呼ばれる「反動的な reactionary(リアクショナリー)」思想潮流が生まれている。また、左派では民主社会主義 Democratic Socialism(デモクラティック・ソーシャリズム)が勢いを増している。これからは私たちがこれまで培ってきた常識 common sense(コモン・センス)が通用しなくなってくる。佐藤先生が指摘しておられるように、日本は「本を読まない人にお金が集まる」社会になってしまっているが、複雑化する社会をより深く理解するためには、やはり本、できれば古典を読み、基礎教養を学ぶことが必要となる。本書がその手助けとなれば望外の喜びだ。

 ビジネス社の小笠原豊樹氏と水波ブックス代表の水波康氏には対談の調整とまとめをしていただいた。記して感謝申し上げます。

2026年7月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)



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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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 古村治彦です。

 月刊誌『ザ・フナイ』誌2026年10月号から「オピニオン」欄に10回の予定で文章を連載いたします。アメリカ政治と国際政治について掲載します。今月は「分断」をキーワードに文章を書きました。師である副島隆彦先生が長く連載を持っておられ、毎月文章を掲載しています。私の文章だけでは当然高く感じてしまうと思いますが、先生の記事も合わせてということで、是非手に取ってお読みください。

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ザ・フナイ vol.228(2026年10月号)
※『ザ・フナイ』2026年10月号に掲載された新刊の宣伝を掲載します↓
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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

 『ザ・フナイ』2026年7月号はアメリカ建国250周年記念ということで、私の文章を掲載していただきました。イラン戦争開戦に関する文章を書きました。まだ販売中ですので、是非お読みいただければ幸いです。

 thefunal202607cover001

ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 よろしくお願い申し上げます。

(終わり)

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世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理

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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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 古村治彦です。

 佐藤優・古村治彦著『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』(ビジネス社)が発売になります。発売日は2026年9月1日です。

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 『世界は「宗教戦争」に突入した 「神に選ばれた」支配者の使命と論理』は佐藤先生との2冊目の対談だ。今回の対談はイラン戦争開戦後に行われ、イラン戦争、米中首脳会談、高市早苗政権について分析を行った。その中で、私たちは「宗教」や「使命感」といったアプローチの重要性について話した。今回の対談は非常に内容の濃い内容となっている。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき   佐藤優(さとうまさる)

 ロシア・ウクライナ戦争と米イラン戦争によって、世界は新しい時代に入った。1991年12月のソ連崩壊後、アメリカを中心とする民主主義、人権、市場経済などの価値観を基準とする外交は過去の時代のものとなった。これに代わって、力の均衡を原理とするリアリズム(現実主義)外交が主流を占めるようになった。

 実は、この変化に日本外交は、西側諸国の中では適切に対応している。ロシア・ウクライナ戦争に関し、日本は政治的にウクライナを支持しているが、ロシアからLNG(液化天然ガス)を輸入し続けている。ウクライナに殺傷能力を持つ装備品を供与していないG7(日米英仏独伊加)中唯一の国だ。米イラン戦争に関し、日本はアメリカを支持しているが、イランとも比較的良好な関係を維持し、日本のタンカーがホルムズ海峡を通過することを革命防衛隊が認めている。

 このような外交を展開できているのは、日本のインテリジェンス能力が高いからだ。具体的には、国家情報局(2026年7月31日、内閣情報調査室を改組・格上げ)の情報収集と分析の能力が高いからだ。インテリジェンスの要は近未来情勢分析にある。政策とインテリジェンスは分離されている。同時に、国家情報局が首相に示した近未来情勢分析の枠組みから外れる政策を採用しても、それが成果を出す可能性は低い。外交には立場がある。日本の場合、日米同盟は、いわば数学でいう公理系を形成しており、その前提を崩すような政策を日本が取ることはできない。この制約条件を無視した外交は、評論家や学者が行う頭の体操ならばともかく、政治家や職業外交官としては無責任だ。アメリカの基本的立場と国際政治のリアリズムの間で均衡点を見いだすのが、国家を担う政治指導者の責任なのである。

 日本のインテリジェンスが比較的成果を出しているのには、私が見るところ、二つの要因がある。第一は、価値観ではなく、現実の力関係に基づいて情勢を分析するリアリズムだ。第二は、各国の指導者が持つ内在的論理を尊重することだ。国家指導者には、さまざまな性格の人がいる。合理性を重視する人もいれば、感情的な人もいる。さらに、それぞれの国家を成り立たせている基本原理がある。

 現在、国際政治の主要なプレイヤーになっているのは、トランプ米大統領、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領、ネタニヤフ・イスラエル首相、モジタバ・ハメネイ・イラン最高指導者、金正恩・朝鮮労働党総書記らだが、本書ではこのうち一神教文明(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)に属するトランプ、プーチン、ネタニヤフ、モジタバを扱った。程度の差はあれ、ヨーロッパ、北アメリカ、日本では、宗教が人間の行動規範ではなくなる世俗化が進んでいる。しかし、ストレートに信仰と政治を一体化させているモジタバだけでなく、一見すると世俗化されたように見えるが、その背後で宗教的な超越性が強く表れているトランプ、ネタニヤフ、プーチンの内在的論理を解明することに本書では力を入れた。

本対談に丁寧にお付き合いいただいた古村治彦氏に深甚なる謝意を表します。また、本書の刊行にあたっては、ビジネス社の小笠原豊樹氏、フリーランスの編集者兼ライターの水波康氏に多大なお力添えをいただきました。心より御礼申し上げます。

2026年7月31日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて、

佐藤優(さとうまさる)

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世界は「宗教戦争」に突入した「神に選ばれた」支配者の使命と論理目 次

まえがき(佐藤 優) 2

第1章 世界は「宗教戦争」に突入した──イラン戦争の〝合理〟を超える〝使命〟 11

■トランプはなぜイラン攻撃を決断したのか 12

ホルムズ海峡封鎖で世界は一変した 12

ネタニヤフのプレゼンテーション 18

「対ナチス戦」に転換したトランプ 23

崩壊した「軍事大国イラン」という神話 27

イランが狙うパキスタンの核 32

■神に選ばれた確信と使命 38

死者との連帯を強調したモジタバ・ハメネイ 38

トランプ版聖書が意味するもの 45

ネタニヤフが担う「ユダヤ民族存続」の使命 51 対立する「神に選ばれた確信」 58

■始まった21世紀の宗教戦争 63

トッドの「宗教ゼロ」は当てはまらない 63

目に見えない価値観の闘いがイラン戦争の本質 67

第2章 トランプは変節していない──宗教で読み解く「支配者の論理」 71

■トランプはなぜ止められないのか 72

トランプの政権基盤は揺らいでいない 72

第3次世界大戦を阻止したトランプ 84

トランプの「ダークトライアド」と「理性の狡知」 89

トランプは神の召命に逆らえない 94

■メディアが報じないイランの脅威 98

イランは特殊なイデオロギーの国 98

47年間続くアメリカとの戦争 103

モジタバ・ハメネイの危険な意思決定 110

トランプが放棄したオバマの核合意 114

■クリスチャン・シオニズムの謎を解く 118

『エクソダス』が変えたアメリカ人のユダヤ観 118

終末論が生んだ親イスラエル思想 123

イスラエルはなぜ戦い続けるのか 127

第3章 世界は敗北していない──「西洋の敗北」から米中ロ3極体制へ 131

■台湾カードを握る中国 132

米中首脳会談の基本は協商関係 132

米中は対等な関係となった 138

台湾カードを握る中国 145

■アメリカはなぜ敗北し続けるのか 149

見えてきたアメリカの限界 149

アメリカの国力が落ちている理由 156

イラン戦争はアメリカにとっての世界最終戦になるはずだった 163

■米中ロ世界3極体制の出現 168

ウクライナ戦争が独ロ戦になる怖さ 168

アメリカを側面から支援したロシア 172

世界は米中ロの3極体制となる 179

第4章 大変革する世界、日本の選択──高市戦略は国益にかなうか 185

■高市政権と孤立する日本の危機 186 高市政権が持つ「偽物の強さ」 186

協商は同盟を壊す ── 日本だけが気づかない米中協商 192

日本が行う「周回遅れの喧嘩外交」 195

日本外交は無能ではない 200

ホルムズ危機が直撃する日本 205

日本が米中共通の敵とされる危険性 209

■世界と日本は連動している 216

明の成立と南北朝の動乱 216

トルデシリャス条約と「徳川の平和」 221

アヘン戦争と天皇親政 226

■世界の大変革に日本はどう立ち向かうか 230

メディアや国民は日本の危機を理解できていない 230

「本を読まない人」にお金が集まる時代 235

反・新自由主義が日本の生き残り策 240

あとがき(古村治彦) 245

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あとがき                 古村治彦(ふるむらはるひこ)

 本書は、佐藤優先生との2冊目の対談本である。現代の日本を代表する知識人である佐藤先生との対談の機会をいただけることは私にとって光栄なことだ。また、絶好の挑戦の機会ともなる。そして、自分自身の力不足を痛感し、改めて精進を誓う。佐藤先生に深く感謝申し上げます。

 今回の対談は、アメリカとイスラエルによるイランへの大規模攻撃が実施され、その後、60日間の停戦の覚書MOUが締結された後に行われた。アメリカとイランは停戦に合意したが、その後もアメリカ軍とイラン革命防衛隊の双方による攻撃は続き、ホルムズ海峡の状況も先行き不透明ということになっている。ホルムズ海峡の迂回ルートとなっている紅海 Red Seaのバブ・エル・マンデブ海峡 Bab al-Mandab Straitでは、イエメンの新イラン組織フーシ派がサウジアラビアのタンカーに攻撃を実施した(2026年7月23日)。紅海の状況も不安定になると、世界経済への悪影響は増大する。覚書締結で楽観ムードが流れたが、イラン戦争は収束していない。アメリカはウクライナ戦争に加え、イラン戦争でも出口を見いだせない状態になっている。

 トランプ政権の2期目は「アイソレイショニズムIsolationism」「アメリカ・ファースト」という、トランプ政権の基礎となる考え方である「アメリカ国内問題の解決を優先し、海外では戦争を起こさない」から外れ、ヴェネズエラへの奇襲攻撃とニコラス・マドゥロ大統領夫妻の拘束とイスラエルと共同でイランへの大規模攻撃を実施した。その他にもカナダやグリーンランドの併合に言及したり、キューバに対して厳しい経済制裁を科したりしている。「海外には関わらないと言っていたのに」とトランプを支持したアメリカ国民ですら不可解に感じている。

 トランプ政権のこうした一連の行動について様々な分析や評論がなされている。今回の対談を通じて、私たちは、「宗教」や「信念」、「使命感」というアプローチから、イラン戦争に関わる重要人物であるドナルド・トランプ大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、モジタバ・ハメネイ師の行動について分析した。「経済合理性」や「利益」を前提にしてばかりでは理解が上辺(うわべ)だけになってしまう。その基底(きてい)にある宗教や文化について私たちは知識を持ち、社会を見る目を養うようにするべきだ。そうすることで、本質を明確に捉えることができ、将来を見通すことができる。

 アメリカ帝国が衰退し、中国が台頭し、米中G2体制が構築されつつある中で、西洋近代600年の培った価値観やシステムが揺らいでいる。アメリカ国内でも自由、平等、人権、法の支配 rule of law(ルール・オブ・ラー)、民主政治体制 democracy(デモクラシー)、資本主義 Capitalism(キャピタリズム)に対する疑念が生まれている。暗黒啓蒙Dark Enlightenment(ダーク・エンライトンメント)やポストリベラリズム Postliberalismと呼ばれる「反動的な reactionary(リアクショナリー)」思想潮流が生まれている。また、左派では民主社会主義 Democratic Socialism(デモクラティック・ソーシャリズム)が勢いを増している。これからは私たちがこれまで培ってきた常識 common sense(コモン・センス)が通用しなくなってくる。佐藤先生が指摘しておられるように、日本は「本を読まない人にお金が集まる」社会になってしまっているが、複雑化する社会をより深く理解するためには、やはり本、できれば古典を読み、基礎教養を学ぶことが必要となる。本書がその手助けとなれば望外の喜びだ。

 ビジネス社の小笠原豊樹氏と水波ブックス代表の水波康氏には対談の調整とまとめをしていただいた。記して感謝申し上げます。

2026年7月

古村治彦(ふるむらはるひこ)

(貼り付け終わり)

(終わり)



sillionvalleykarasekaishihaiwoneraugunsanfukugoutainoshoutai001
シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

 日本の経営コンサルタントの草分けである故船井幸雄先生が創設された船井本社が発行する月刊誌『ザ・フナイ』(出版はビジネス社)に論考を掲載していただきました。

今回の『ザ・フナイ』2026年7月号(2026年6月1日発売予定)は、アメリカ建国250周年(7月4日が建国記念日)にちなみ、「建国250周年の黙示録 アメリカ帝国の崩壊とトランプの蹉跌(さてつ)」をテーマにするということで、論稿の寄稿をご依頼いただいた。師である副島隆彦先生が毎月『ザ・フナイ』に論考を掲載しており、今回、お口添えをいただいた。副島先生と『ザ・フナイ』編集部に厚く御礼を申し上げます。

thefunal202607cover001
ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 私は、「トランプとネタニヤフが始めたイラン戦争の後始末 JD・ヴァンス副大統領が『アメリカ・ファースト』の灯を灯す」という題で論稿を寄稿し、掲載していただきました。

 私の論考の内容は、アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が主導し、2026年2月28日に開始されたイラン戦争(現在は一時停戦中だがホルムズ海峡は封鎖中)について、攻撃決定までの内幕、JD・ヴァンス副大統領が主導している和平交渉までを、資料にもどいて描き出した。そして、トランプの後継者はヴァンスであり、ヴァンスこそがアメリカ・ファースト(America First、アメリカ国内問題解決優先主義)を引き継ぐことも合わせて書いている。
 ヴァンスを拙著『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体』(ビジネス社)で取り上げたピーター・ティールがしっかりと支えており、2028年の大統領選挙に向けて動いていることはこのブログでもすでにご紹介している。ブログと合わせてお読みいただければ、皆さまにアメリカ政治の理解を深めていただけるものと著者として確信を持っている。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
trumpnodengekisakusencover001
『トランプの電撃作戦』
sekaihakenkokukoutaigekinoshinsouseishiki001
世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む

bidenwoayatsurumonotachigaamericateikokuwohoukaisaseru001

バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 日本の経営コンサルタントの草分けである故船井幸雄先生が創設された船井本社が発行する月刊誌『ザ・フナイ』(出版はビジネス社)に論考を掲載していただきました。

今回の『ザ・フナイ』2026年7月号(2026年6月1日発売予定)は、アメリカ建国250周年(7月4日が建国記念日)にちなみ、「建国250周年の黙示録 アメリカ帝国の崩壊とトランプの蹉跌(さてつ)」をテーマにするということで、論稿の寄稿をご依頼いただいた。師である副島隆彦先生が毎月『ザ・フナイ』に論考を掲載しており、今回、お口添えをいただいた。副島先生と『ザ・フナイ』編集部に厚く御礼を申し上げます。

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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)

 私は、「トランプとネタニヤフが始めたイラン戦争の後始末 JD・ヴァンス副大統領が『アメリカ・ファースト』の灯を灯す」という題で論稿を寄稿し、掲載していただきました。

 私の論考の内容は、アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が主導し、2026年2月28日に開始されたイラン戦争(現在は一時停戦中だがホルムズ海峡は封鎖中)について、攻撃決定までの内幕、JD・ヴァンス副大統領が主導している和平交渉までを、資料にもどいて描き出した。そして、トランプの後継者はヴァンスであり、ヴァンスこそがアメリカ・ファースト(America First、アメリカ国内問題解決優先主義)を引き継ぐことも合わせて書いている。
 ヴァンスを拙著『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体』(ビジネス社)で取り上げたピーター・ティールがしっかりと支えており、2028年の大統領選挙に向けて動いていることはこのブログでもすでにご紹介している。ブログと合わせてお読みいただければ、皆さまにアメリカ政治の理解を深めていただけるものと著者として確信を持っている。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(終わり)
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ザ・フナイ vol.225(2026年7月号)
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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『トランプの電撃作戦』
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 古村治彦です。

 2026年4月7日(火)18時~20時で、独利言論フォーラム(Independent Speech Forum)の代表理事・編集長を務めておられる、鹿児島大学元教授の木村朗先生からお声がけをいただき、「トーク茶話会」を行います。木村先生とは鹿児島で以前にお目にかかってからのご縁です。
sawakaichirashi20260407001

茶話会のテーマは、「トランプ政権と世界秩序の変容〜日本の選択は?」です。茶話会では私が40分から50分ほどトークをした後に、お茶とお菓子をいただきながら、参加者の皆さまとお話をするという形だそうです。

今年1月のヴェネズエラ攻撃とニコラス・マドゥロ大統領拘束連行、2月末からのアメリカとイスラエルによるイラン大規模攻撃とイランによる報復攻撃によって、国際情勢は混とんとなっています。このブログでも連日、様々な角度から分析や私の主張をご紹介していますが、茶話会を通じて、皆さまと意見を交換し、交流をする機会をいただけたらと思います。

平日の夕方からということで、大変かとは存じますが、参加をご検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

※参加お申し込みについては下記アドレスの案内の要領に従ってお願いいたします。

https://isfweb.org/post-71485/

(終わり)

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 古村治彦です。

 2026年4月7日(火)18時~20時で、独利言論フォーラム(Independent Speech Forum)の代表理事・編集長を務めておられる、鹿児島大学元教授の木村朗先生からお声がけをいただき、「トーク茶話会」を行います。木村先生とは鹿児島で以前にお目にかかってからのご縁です。
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茶話会のテーマは、「トランプ政権と世界秩序の変容〜日本の選択は?」です。茶話会では私が40分から50分ほどトークをした後に、お茶とお菓子をいただきながら、参加者の皆さまとお話をするという形だそうです。

今年1月のヴェネズエラ攻撃とニコラス・マドゥロ大統領拘束連行、2月末からのアメリカとイスラエルによるイラン大規模攻撃とイランによる報復攻撃によって、国際情勢は混とんとなっています。このブログでも連日、様々な角度から分析や私の主張をご紹介していますが、茶話会を通じて、皆さまと意見を交換し、交流をする機会をいただけたらと思います。

平日の夕方からということで、大変かとは存じますが、参加をご検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

※参加お申し込みについては下記アドレスの案内の要領に従ってお願いいたします。

https://isfweb.org/post-71485/

(終わり)

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 古村治彦です。
fujisanhatsuhinode0204001

 2026年元旦に初春のお慶びを申し上げます。旧年中は大変お世話になりました。本年も倍旧のお引き立て、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

 昨年、2025年は単著を2冊出すことができました。本年も対談を含め、複数の著作を出すことができればと考えております。出版業界が厳しい状況の中、何とか著作を出し続けることができますよう、精進してまいります。読者の皆様には、ご支援を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。

 2025年、アメリカではドナルド・トランプ政権が誕生し、次々と施策を発表し、世界を大いに振り回しました。その後、姿勢や言動を変えるということもありました。トランプという人物は融通無碍であり、原理原則にこだわりませんので、その行動を予想することは非常に困難です。ウクライナ戦争も停戦の兆しが見えず(これはロシアのウラジーミル・プーティン大統領とウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領の意向も大きいですが)、戦争が続いていきます。ウクライナ国民がゼレンスキー大統領を引きずりおろし、停戦に向けた人物に変えるしかありません。ウクライナ政府高官たちの汚職や戦争出られる個人的な利益が巨額なために戦争は継続していくという側面もあります。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も個人的な利益と国益を混同し、中東に不安定を持ち込んでいます。更に言えば、日本で2025年に誕生した高市早苗政権は、東アジアの不安定要因となっています。高市早苗という政治家が日本を対中戦争に追い込むということは十分にあり得ます。「日本が戦争するなんてまさかそんな」と気楽に考えていられない状況です。

 日本の経済力は成長のないままに30年を過ごしました。一時期は世界で第2位の経済力、一人当たりのGDPも上位であったものが、現在は衰退し続けています。ドイツに抜かれ、インドに抜かれ、また、2030年代には、イギリスにも抜かれ、世界第6位に転落するという予測も出ています。新生児出生数と死亡者数の単純な計算をすれば、1年に100万人ずつ、いやそれ以上に120万人近く人口が減少していく未来はすぐそこまで来ています。ここから経済成長を再現することは不可能であり、既に手遅れです。今は如何にして厳しい撤退戦を戦い、少しでも衰退のスピードを遅らせていくかしかできません。

 厳しい状況を生きていく中での情報源として、このブログが多くの皆様にご活用いただけることをこれから目指してまいります。書籍執筆中の期間などは更新頻度が落ちてしまうと思いますが、ご理解とご協力を賜れれば幸いです。

 本年が皆様にとりまして、実り多い1年となりますよう、ご祈念申し上げます。

(以上)

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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 古村治彦です。

 2025年11月21日に『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』 (ビジネス社)を刊行します。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体 
 最新刊の刊行に連動して、最新刊で取り上げた記事を中心にお伝えしている。各記事の一番下に、いくつかの単語が「タグ」として表示されている。「新・軍産複合体」や新刊のタイトルである「シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体」を押すと、関連する記事が出てくる。活用いただければ幸いだ。ブログ継続のために書籍の購入をお願いいたします。

 最新刊『シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体』(ビジネス社)の第2章では、アメリカの軍産複合体を生み育てた「現在の危機委員会(the Committee on the Present Dange)」について詳述した。同名の委員会はこれまで4回設立され、アメリカの戦後の外交政策や軍事政策に多大な影響を与えた。特に、第一次現在の危機委員会と第二次現在の危機委員会は、冷戦期のアメリカでソ連と共産主義の脅威を声高に主張し、人々にアピールし、軍事予算の増額を行うことに成功した。軍産複合体を肥え太らせるための存在が「現在の危機委員会」であった。第四次現在の危機委員会のターゲットは中国であり、中国の脅威を声高に喧伝することで、軍事予算の増額を狙っている。

 日本でも「東アジアの安全保障環境の悪化」、簡単に言えば「中国が怖いぞ、攻めてくるぞ」という大義名分で、国防予算の対GDP比の上昇が決定している。短期間で2%から3%、更には3.5%へと進む。高市早苗政権はアメリカの要求を嬉々として受け入れ、可及的速やかに防衛予算の大幅増額を進めようとしている。「愛国増税」でその財源を賄おうとしている。私に言わせれば、「東アジアの安全保障環境の悪化」の原因は日本であり、高市早苗という人物はその象徴である。結果として、中国からは実質的な経済制裁を受ける状況になっている。この状態が長期間継続すれば、日本経済は悪化していくことになる。

 日本にも「現在の危機委員会」のような、中国の脅威を煽り立て、人々の不安に付け込んで防衛予算を増額し、肥え太ろうという勢力がいる。高市早苗という人物もその勢力の一員だ。私たちはそのような過剰な煽り立てに乗じられてはならない。しかし、日本国民の馬鹿さ加減を見れば、騙され続けてもう一度国土を焼け野が原にしてしまうかもしれないという不安感しかない。

(貼り付けはじめ)

アメリカの対中国恐怖キャンペーン(The US Scare Campaign Against China

-冷戦時代から現在に至るまで、「現在の危機(present danger)」を誇張する背後にある政治的計算について語る。

デイヴィッド・スキッドモア筆
2019年7月23日
『ザ・ディプロマティック』誌

https://thediplomat.com/2019/07/the-us-scare-campaign-against-china/

成熟した国家運営の指標は、国際的な課題を評価し、慎重さ、冷静さ、そして均衡(proportionality)の取れた対応策を講じる能力である。しかしながら、数十年にわたる世界的なリーダーシップにもかかわらず、アメリカの外交は依然として思春期のヒステリー(adolescent hysteria)に陥りやすい。こうした熱狂的な運動は、冷戦期における過剰な核兵器増強や、ヴェトナム戦争とイラク戦争における悲惨な戦争など、アメリカ外交政策における最も高くつく誤り(the costliest mistakes)を生み出してきた。

この反射的な行動は、国際競争の現実というよりも、むしろ国内政治に関係している。政治学者セオドア・ローウィが指摘したように、アメリカの指導者たちは日常的に外国の脅威を誇張し、提案された解決策を民主政治の束縛から逃れる手段として過大評価している。

ドナルド・トランプ政権による中国に対する警戒的な言辞がその好例である。2018年の国家防衛戦略は、中国の指導者たちが「世界的な優位性を獲得するためにアメリカに取って代わろうとしている」と断言している。マイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官はそれぞれ、大国間の新たな対立の要求に備えさせるため、中国の脅威についてパニック的な評価を発表した。

ローウィに呼応する形で、ディック・チェイニー副大統領の国家安全保障問題担当補佐官を務めたアーロン・フリードバーグは最近、トランプ政権が中国との冷戦に向けた国内の支持を動員することに真剣であるならば、「イデオロギー的な観点から挑戦を提起する」必要があると助言した。「アメリカ国民を動かし、動機づけてきたのは、彼らのシステムの基盤となっている原則が脅威にさらされているという認識である」からだ。

ハリー・トルーマン大統領は、1947年3月12日、連邦上下両院合同会議での演説で冷戦勃発の鐘を鳴らし、「空が落ちてくる(sky is falling)」というレトリックの典型を確立した。演説を仕上げる中で、トルーマンはソ連との壮大な闘争に国民をどう結集させるかに苦慮していた。結局のところ、アメリカ国民は国際紛争からの休息と戦前のアイソレイショニズムへの回帰を切望していた。トルーマンはアーサー・ヴァンデンバーグ連邦上院議員に相談し、ヴァンデンバーグ議員から明確な答えを得た。それは、アメリカの価値観に対する共産主義の脅威を強調することで、「国中を恐怖に陥れる(scare the hell out of the country)」必要があるというものだった。

ヴァンデンバーグの助言を受け、トルーマン・ドクトリンはアメリカの新たな世界における役割について包括的なヴィジョンを提示した。トルーマンは「武装した少数派や外部からの圧力による征服の試みに抵抗する自由な人々を支援することが、アメリカ合衆国の政策でなければならない」と述べた。

それは功を奏した。連邦議会はギリシャとトルコへの援助パッケージを承認しただけでなく、冷戦時代の必需品として提案された、はるかに野心的なマーシャル・プランも承認した。

●(常に)現在の危機委員会Committees on the (Ever) Present Danger

しかし、対立的な外交政策に対する国民の支持をかき立てる任務は、ホワイトハウスだけに委ねられた訳ではない。超党派の外交政策エスタブリッシュメント―ドワイト・アイゼンハワー大統領がかつて「軍産複合体(military-industrial complex)」と呼んだもの―は、重要な局面で軍事費増額への支持を集めるために動員されてきた。これらのグループは、志を同じくする大統領と連携して活動することが多いが、過度にハト派的と見なされる大統領の外交政策に異議を唱えることもあった。

これらの中で最も有名なのは、現在の危機委員会(the Committee on the Present DangerCPD)。1950年12月に設立された最初の現在の危機委員会は、国家安全保障の専門家からなる高官グループで構成され、アメリカの国防費を3倍に増額することを求めた戦略計画文書であるNSC-68の勧告に対する議会の支持を求めました。現在の危機委員会メンバーたちによる社説、講演、議会証言、専門家報告書といったキャンペーンを経て、連邦議会は国防費の大幅な増額でこれに対応した。

最初の現在の危機委員会の目的はトルーマン政権の目的と一致していたが、1976年に発足した2番目の現在の危機委員会は、ジェラルド・フォード大統領とジミー・カーター大統領のハト派的姿勢と見なされたことに対抗して設立された。復活した現在の危機委員会は、ソ連との緊張緩和(détente)を弱め、ヴェトナム戦争後の軍事力削減を反転させることを目指した。このグループは報道関係者とのつながりを築き、メンバーを講演ツアーに派遣し、防衛、軍備管理、米ソ関係に関する一連の声明を作成した。

最初の声明は次のように宣言した。「我が国、世界平和、そして人類の自由に対する主要な脅威は、比類なき軍備増強に基づくソ連の支配欲である」。

第二の現在の危機委員会は設立直後に大きな成果を上げた。現在の危機委員会のメンバーたちは、CIAが毎年作成している国家情報評価がソ連の危険性を過小評価していると主張した。こうした批判に憤慨したジェラルド・フォード大統領は、退任間際の大統領は異例の措置を取り、政府外部の保守派防衛専門家たちで構成された「チームB」を任命し、CIAの通常の活動に匹敵する報告書を作成させた。第二の現在の危機委員会のメンバーが中心となったチームBは、ソ連の能力と意図について、CIAの通常の「チームA」が作成したものよりもかなり悲観的な評価を作成した。その後、ジョージ・HW・ブッシュCIA長官はチームAに対し、「草稿を大幅に改訂(substantially revise its draft)」し、「全ての重要な点でチームBの立場と一致する評価」を作成するよう命じた。1983年のCIAの再評価によると、この出来事が、ソ連の脅威を誇張した一連の扇動的な情報報告書の土台を作ったという。

同様に、カーター大統領は現在の危機委員会メンバーをPRM10と呼ばれる世界戦略レヴューへの参加に招き入れることで、タカ派の批判者を取り込もうとした。また、カーター大統領は現在の危機委員会の幹部メンバーをホワイトハウスに招集し、政権の軍備管理への攻撃を控えるよう訴えた。その見返りとして、カーター大統領はメンバーに対し、ズビグニュー・ブレジンスキー国家安全保障問題担当大統領補佐官とハロルド・ブラウン国防長官への非公開の面会を約束した。

しかし、現在の危機委員会が「幻想に基づく政策を追求し、ソ連が権力と帝国を拡大する一方で、我々は漂流し、不確実な状況に陥っていた(Pursuing a policy built on illusion, we have been adrift and uncertain while the Soviet Union expanded its power and empire)」と警告する中、保守派からの批判は消えなかった。

SALT II条約をめぐる激しい論争が繰り広げられた。第二の現在の危機委員会のメンバーは連邦上院委員会でSALT IIに反対する証言を行い、479件ものテレビ・ラジオ番組、記者会見、公開討論、有力者への説明会、演説に参加した。委員会は20万部のパンフレットを配布した。批准の見込みが薄れると、カーター大統領は連邦上院での審議から条約を撤回した。元国務長官サイラス・ヴァンスは次のように述べた。「現在の危機委員会がSALTの弱体化に大きく関与していたことは疑いようがない」。

現在の危機委員会の第3期は2004年に誕生し、「アメリカ国民と自由を尊ぶ何百万もの人々の安全を脅かす過激イスラム主義者」に対抗し、アメリカ国民を結集させるという使命を掲げた。100人を超えるメンバーの多くは、イラク戦争の根拠構築に大きな役割を果たした「新アメリカ世紀プロジェクト(the Project for the New American CenturyPNAC)」と密接に連携していた。

このグループの最新版(第4)である「現在の危機委員会:中国(the Committee on the Present Danger: ChinaCPDC)」は、2019年4月9日にワシントンDCで開催された記者会見で発表され、テッド・クルーズ連邦上院議員、ニュート・ギングリッチ元連邦下院議長、そしてトランプ大統領の元大統領顧問であるスティーヴ・バノンが発言した。CPDCは、2011年から2017年にかけて国防予算が横ばいだった時期を経て、中国に対する強硬な政策と持続的な軍備増強に対する政治的支持を確立することを目指している。

CPDCは、中国の指導者たちが「世界覇権(global hegemony)」への道を切り開くために、「アメリカを弱体化させて最終的には打ち負かし(weaken and ultimately defeat America)」、「西側諸国の民主政治体制を転覆させようとしている(subvert Western democracies)」と主張している。「数十年にわたるアメリカの誤算、不作為、そして宥和政策(decades of American miscalculation, inaction and appeasement)」の後、CPDCはアメリカに対し、「国家権力のあらゆる手段を動員(mobilizing all instruments of national power)」してこの課題に立ち向かうよう求めている。中国指導部との妥協を求める人々に対して、CPDCは「共産党が国を統治する限り、中国との共存の希望はない(no hope of coexistence with China as long as the Communist Party governs the country)」と警告している。

●脅威を過剰に売り込むことの危険性(The Danger of Overselling Threats

中国の台頭がもたらす困難な課題にもかかわらず、ホワイトハウスとCPDCから発せられる反中国キャンペーンは、過去の恐怖煽動と比較しても依然として誇張されすぎている。今日、中国がもたらす軍事的・イデオロギー的脅威は、旧ソ連がもたらした脅威と比べれば取るに足らないものであり、中国はかつてのソ連よりもはるかに深く世界経済と国際機関に統合されている。中国は革命の輸出(to export revolution)や既存の国際秩序の転覆(overturn the existing international order)などではなく、むしろその秩序の改革とその中での地位と影響力の拡大(reform of and greater status and influence within that order.)を目指している。中国の台頭は誇張されているが、内外における課題は過小評価されている。一方、アメリカ自身の継続的な強みは、あまりにも過小評価されがちである。最後に、冷戦時代とは対照的に、アメリカの同盟諸国がアメリカに倣って、中国を弱体化させ封じ込めようとする野放図な試みに走る可能性は低い。

しかし、政治的に見れば、再び「国を恐怖に陥れる(scare hell out of the country)」ような試みは完全に理にかなっている。軍事費増額を主張する強硬派は、国民の外的脅威に対する認識を増幅させることで国内の支持を得ている。

しかし、こうした定期的な恐怖キャンペーンは真の危険をはらんでいる。最も明白なのは、国際紛争を不必要に悪化させることだ。脅威を誇張するレトリックは、たとえ国内向けに意図されたものであっても、ライヴァル諸国の恐怖を煽り立てる可能性がある。さらに、他国を悪者扱いするレトリックは、妥協が可能な具体的な利益相反(conflicts of interest)という対立の構図を、解決がはるかに困難なイデオロギー対立へとすり替えてしまう。

さらに、国民が完全に動員されると(fully mobilized)、大統領が都合よく恐怖を和らげる必要があると判断したとしても、その恐怖を和らげるのは困難になり得る。冷戦(the Cold War)を善と悪の闘争(a struggle between good and evil)と定義したトルーマン大統領は、中国国共内戦における共産党の勝利をアメリカは阻止できないと現実的に結論づけたことで、反逆罪(treason)の非難を浴びた。同様に、共産党の白熱した言辞は、ジョセフ・マッカーシー連邦上院議員が赤狩り(a Red Scare)を仕掛け、最終的にアイゼンハワー政権をも標的にすることで政治的影響力を獲得する土台を作った。

現在のところ、アメリカ国民が中国との二元論的な(マニ教的)闘争(a Manichean struggle with China)に賛同する用意があるという兆候はほとんど見られない。しかし、共産党の歴史が示唆するように、警鐘はしばしば効果を発揮する。最近の米中関係の冷え込みは、米中両国国民に不利益をもたらす深刻な冷え込みへと転じる可能性がある。

※デイヴィッド・スキッドモア:アメリカ合衆国アイオワ州デモインにあるデューク大学政治学部教授。

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