古村治彦です。
第二次ドナルド・トランプ政権では、これまでにクリスティ・ノーム国土安全保障長官とパム・ボンディ司法長官、ロリ・チャベス=デレマー労働長官が更迭された。これまで更迭された閣僚は全員が女性である。クリスティ・ノーム国土安全保障長官とロリ・チャベス=デレマー労働長官に関しては、予算の不適切な執行が理由となっている。チャベス=デレマー長官に関してはそれ以外にも夫が労働省の女性職員に不適切な行為を行ったということも理由になっている。これらは極めて脇が甘い行動である。チャベス=デレマー長官とその周辺に関しては、労働省の監察官が調査を行っていたということもあり、さらに不適切な行為が認定されてしまうと、第二次政権に大きなダメージとなり、民主党側を勢いづかせるということもあり、更迭が実施されたようだ。
ロリ・チャベス=デレマー
パム・ボンディ(左)とクリスティ・ノーム
パム・ボンディ司法長官に関しては、やはりジェフリー・エプスタインの性的虐待事件に関するファイルの取り扱いが最大の原因であろう。エプスタイン事件については、このブログでも詳しくまとめているので、キーワード検索で調べて、バックナンバー記事をお読みいただければと思う。エプスタイン・ファイルについては、トランプ大統領が選挙期間中に公開を公約にしていた。そして、いわゆる「顧客リスト」を公開するとも述べていた。性的搾取に参加していた「顧客リスト」というのは人々の興味関心を引くものだ。もっと言えば、どんな有名人が載っていて、どんな風に糾弾されて落ちぶれるかを見たいという人々の劣情に訴えるものだ。トランプ大統領としては、ウォール街の大物たちや民主党系の、リベラルの政治家たちが多数掲載されていて、彼らが失脚するのを目論んでいただろう。
政権発足後、ボンディ司法長官は調査を行い、「顧客リスト」はないこと、エプスタイン・ファイルにドナルド・トランプの名前が出てくることを報告した。その結果、トランプ大統領は「いわゆる『顧客リスト』は存在せず、ファイルの公開もしない」という方針店を発表したために、支持基盤のMAGA派からも強い批判を浴びた。結局、連邦議会での立法化もあり、ファイルは一部を黒塗りで公開することになったが、ボンディ長官の対応にトランプ大統領が不満を持った。
しかし、ボンディ長官としては精いっぱいできるだけのことをやったと私は考える。いくらなんでもファイルで都合の悪い部分を廃棄も隠蔽もできないだろう(日本の安倍晋三政権の森友学園問題の対応ではないのだから)。トランプとしてはそれくらいのことをして欲しかっただろうが、アメリカはそれでも近代国家である(日本とは違って)。ボンディ長官は気の毒な面がある。エプスタイン事件関連でいえば、ファイルに出てきたハワード・ラトニック商務長官の更迭論も出ている。エプスタイン事件は第二次トランプ政権をこれからも祟ることになるだろう。
(貼り付けはじめ)
ロリ・チャベス=デレマー労働長官が政権を離れる(Labor Secretary
Lori Chavez-DeRemer to leave administration)
マロニー・ウィルソン筆
2026年4月20日
『ザ・ヒル』誌
by Mallory Wilson - 04/20/26 5:23 PM ET
https://thehill.com/homenews/administration/5840049-labor-secretary-lori-chavez-dememer-exit/
ホワイトハウスは月曜夜、ロリ・チャベス=デレマー労働長官がドナルド・トランプ政権を離れ、民間企業に転身すると発表した。
デレマーのトランプ政権における将来については、数週間前から憶測が飛び交っていた。デレマーの辞任は、クリスティ・ノーム国土安全保障長官とパム・ボンディ司法長官の解任に続くものだ。
ホワイトハウス広報部長スティーヴン・チャンは、声明の中で「ロリ・チャベス=デレマー労働長官は民間企業に転身するため政権を離れる」と述べた。
チャンは、ワシントン州選出の元共和党所属連邦議員であるチャベス=デレマーについて、「彼女は、アメリカの労働者を保護し、公正な労働慣行を制定し、アメリカ国民が生活を向上させるためのスキル習得を支援するなど、その職務において素晴らしい功績を残した」と述べた。
チャン部長は「キース・ソンダーリングが労働長官代行に就任する」と付け加えた。
キース・ソンダーリングは労働副長官を務めてきた。
ニューズサイトNOTUSはチャベス=デレマーの辞任をいち早く報じていた。
彼女の辞任は、不正行為の疑惑に関する調査が行われている最中に起きた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、アンソニー・デスポジートが率いる労働省監察官室は、チャベス=デレマーとその側近による不正行為の疑惑に関する数カ月にわたる調査を終えようとしている。
ニューヨーク・タイムズ紙は、告発内容には、チャベス=デレマーが部下と不倫関係にあったことや、私的な旅行に部署の資金を流用したことなどが含まれていると報じた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、労働省監察官は、チャベス=デレマー、彼女の側近、夫、父親が若い女性職員に送った複数のテキストメッセージを調査しており、それらのメッセージからは、彼女が勤務時間中に飲酒していたことも示唆されているという。
元労働長官の夫ショーン・デレマーは、職員2名から不適切な接触と性的暴行の疑いをかけられた後、労働省本部への立ち入りを禁止されていた。
ロリ・チャベス=デレマーは長文の声明の中で、今後の展望について次のように述べている。
チャベス=デレマーは、「この歴史的な政権で、そして私の人生で最も偉大な大統領のために働くことができたのは、光栄であり、大変恵まれたことであった」と記した。
「労働省では、トランプ大統領が掲げた、企業と労働の間の溝を埋め、常にアメリカの労働者を最優先するという使命を推進する上で、大きな進歩を遂げたことを誇りに思う。住宅ローンを返済できる仕事への新たな道筋を作り、AI時代に活躍できる人材を育成し、処方薬の価格引き下げに取り組み、退職後の生活保障を促進するなど、数多くの成果を上げてきた」と彼女は書いている。
「トランプ大統領閣下に感謝を申し上げる。政権での任期は終わりを迎えるが、アメリカの労働者のために闘うことを終えるつもりはない。民間企業に移るにあたり、今後の展開を楽しみにしている」と彼女は締めくくった。
チャベス=デレマーは、労働長官に任命される前は、オレゴン州第5選挙区選出の連邦下院議員を1期務めた経験を持つ。
彼女は昨年3月、67対32の賛成多数で閣僚に承認され、チャベス=デレマーの娘が所属する国際ティームスターズ組合を含む労働組合からの支持を得ていた。
労働組合が共和党を支持することは稀だが、2024年、ティームスターズ組合は異例の行動に出た。組合が特定の候補者を支持しないという決定を下していたにもかかわらず、ショーン・オブライエン労組委員長が共和党全国大会で演説を行った。
AP通信によると、彼女の在任中、労働省は60以上の「時代遅れ(obsolete)」の職場規則の見直しまたは撤廃を提案し、世界中の児童労働や奴隷労働撲滅を目的とした数百万ドル規模の国際補助金も打ち切った。
その後、月曜日にチャベス=デレマーはXの投稿で、「アメリカ史上最も親労働者の立場を取る大統領の下で働けたことを光栄に思う」と述べた。
さらに彼女は、「私、私の家族、そして私のティームに対する疑惑は、偏向報道を行うメディアと連携し、トランプ大統領の使命を阻害し続けている、高位のディープステート関係者によって広められている」と付け加えた。さらに、「今後も外部から正義のために戦い続け、常にアメリカの労働者のために尽力していきたいと思う」と続けた。
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米労働長官が辞任、トランプ第2次政権閣僚で3人目 私的問題相次ぐ
日本経済新聞 2026年4月21日 7:39 (2026年4月21日 9:44更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2105E0R20C26A4000000/
【ワシントン=芦塚智子】米ホワイトハウスは20日、デレマー労働長官が辞任すると発表した。デレマー氏は私的な旅行を公務と偽ったり、警護関係者と不倫したりした疑いで調査を受けていると報じられていた。事実上の解任とみられる。
トランプ政権の閣僚の交代はノーム国土安全保障省長官、ボンディ司法長官に続き今年に入って3人目となる。3人は全て女性だ。11月の中間選挙を前に政権幹部の入れ替えが相次ぐ。
ホワイトハウスのチャン広報部長はX(旧ツイッター)への投稿で「デレマー氏は民間の職に就くために政権を離れる。彼女は素晴らしい仕事をしてきた」と説明した。ソンダリング労働副長官が当面、長官代行を務めるという。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、労働省の監察官がデレマー氏と側近を巡る疑惑を調査していた。
側近はデレマー氏が友人や家族と会うために公務をでっち上げたり、職員を威圧したりしていたと告発を受けていた。側近は辞任が報じられた。デレマー氏の夫も省内で女性にセクハラをしたとの訴えがあった。
米政治サイトのポリティコはラトニック商務長官も解任候補に浮上していると報じている。
これまでにノーム氏は不法移民対策を巡る不手際で批判を受け、3月に解任された。後任はマリン前上院議員が就いた。
ボンディ氏は今月初めに解任され、ブランチ副長官が長官代行を務めている。トランプ大統領は、少女買春などの罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の捜査資料公開を巡り、ボンディ氏の対応に不満を持っていたとされる。
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ドナルド・トランプ大統領がパム・ボンディを司法長官から解任(Trump ousts
Bondi as attorney general)
レベッカ・ベイッチ、ジュリア・マンチェスター筆
2026年4月2日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/administration/5813184-trump-fires-attorney-general/
ドナルド・トランプ大統領は木曜日、パム・ボンディ司法長官を解任したと発表した。
トランプ大統領は「トゥルース・ソーシャル」に「パム・ボンディは偉大なアメリカの愛国者であり忠実な友人だ。彼女は過去1年間、司法長官として忠実に職務を遂行してくれた。ボンディは全米で大規模な犯罪取り締まりを指揮し、殺人事件を1900年以来最低の水準にまで減少させるという素晴らしい仕事を成し遂げた」と投稿した。
「私たちはボンディを愛している。彼女は今後、民間部門で非常に必要とされている重要な新しい仕事に就く予定で、詳細は近日中に発表される。司法副長官であり、非常に有能で尊敬されている法律家であるトッド・ブランシュが司法長官代行を務める」。
司法省はコメントの要請に応じていないが、ブランシュは投稿の中でボンディの「リーダーシップと友情」に感謝しトランプ大統領にも感謝の意を表した。
トランプ大統領の発表直後、ブランシェはXに「トランプ大統領の信頼と司法長官代行を務める機会を与えてくださったことに感謝する。私たちは引き続き警察を支援し、法を執行し、アメリカの安全を守るために全力を尽くす」と書き込んだ。
ボンディは木曜日、Xに「今後1カ月間、ブランシュへの職務引き継ぎに全力で取り組む」と書き、すぐに辞任するつもりはないことを示唆した。
トランプ大統領の熱烈な擁護者であるボンディは、ジェフリー・エプスタイン事件の対応をめぐり、ますます厳しい批判にさらされている。
ボンディの指揮下で、司法省はトランプ大統領の政敵に対する訴訟で検察官が有罪判決を得られず、一連の不名誉な敗訴を喫している。
ボンディは司法長官就任当初、エプスタイン事件に関するホワイトハウスでの会合を主催し、共和党支持層の怒りを買った。会合では、既に一般に公開されている情報の大部分を公表した。
その後、ボンディはエプスタインのいわゆる顧客リスト(a so-called
client list)を机の上に置いていると主張したが、司法省はすぐにこれを撤回した。司法省は、そのようなリストは存在しないとするメモを発表し、性犯罪者ジェフリー・エプスタインは自殺したことを示す証拠はないと主張した。
トランプ大統領の大統領首席補佐官スージー・ワイルズでさえ、昨年12月に掲載された『ヴァニティ・フェア』誌の一連のインタヴューで、ボンディの対応は失敗だったと述べている。
「彼女は、この問題に関心を寄せているのがまさにその特定のグループだったということを全く理解していなかったと思う」とワイルズは当時語った
この問題は連邦議員たちの注目を集め、超党派による調査が開始され、連邦議会で騒がれる事態となった。最近では、連邦下院監視・政府改革委員会がボンディへの召喚状発行を決定し、共和党所属連邦下院議員5人の支持を得た。
ボンディの解任が正式に発表される前から、解任を歓迎する声も上がっていた。
ボンディ解任を支持した共和党所属の連邦議員の1人であるナンシー・メイス連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は「ボンディはエプスタイン事件の処理をひどく怠り、トランプ大統領の立場を著しく弱体化させた」と声明の中で述べた。
ボンディの司法長官在任中、司法省職員が多数解任された。その中には、トランプ大統領に対する捜査に携わった職員や、1月6日の暴動参加者の訴追を担当した職員も含まれている。
司法省の使命が完全に覆されたと主張して辞職した職員もいる。その中には、各部門の多数の弁護士や、俳優メル・ギブソンの銃所持権回復を迫られた元米恩赦担当弁護士のリズ・オイヤーも含まれる。
「パム・ボンディは司法省とその職員に大槌を振り下ろした。司法省の独立性、誠実性、そして職員の質は、彼女のリーダーシップの下で、155年の歴史の中でかつてないほど低下した。彼女がたった1年で破壊したものを再建するには、何十年もかかるだろう。しかし、大統領は彼女が十分な改革を行わなかったという理由でボンディを解任した」と元司法省職員のネットワークであるジャスティス・コネクションのエグゼクティブ・ディレクターであるステイシー・ヤングは声明で述べた。
「ボンディと同じように、唯一の顧客は国ではなく大統領だと考える、より有能な人物を後任に据えることは、事態をさらに悪化させるだけかもしれない。連邦上院は憲法上のチェック機能を行使し、そのような事態を防がなければならない」。
ブランシュが司法長官代行に就任したことで、司法省は依然として大統領の元弁護人が率いる体制となった。
ボンディ司法長官の下で、司法省はトランプ大統領の政敵と見なされた人物数名に対する有罪判決を目指したが、いずれも失敗に終わった。
これには、ジェイムズ・コミー元FBI長官とニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズ(民主党)に対する訴訟の複数回の失敗が含まれる。両者とも、トランプ大統領が任命した連邦検事が事件への懸念から辞任した後に訴訟が提起されたが、その後、裁判官は後任の連邦検事には適切な権限がなかったと判断した。連邦検事は連邦上院の承認を得なければならないためだ。また、検察は最近、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対する訴訟を取り下げざるを得なくなった。裁判官が、召喚状は圧力工作の一環として発行されたと判断したためだ。
司法省は現在もフロリダ州で捜査を続けており、2016年大統領選挙に関する過去の情報機関による調査と、トランプに対する2件の訴訟について調査している。
連邦上院情報特別委員会のマーク・ワーナー筆頭委員(ヴァージニア州選出、民主党)は、ボンディが「法の支配を覆し、司法省の公平な司法を実現する能力を損なう」不正行為を主導したと非難した。
ワーナー議員は、ボンディがトランプの側近数名、そして1月6日に連邦議事堂に押し寄せた1600人に対する恩赦や減刑の手続きを監督していたことも指摘した。
「これは一人の職員の問題にとどまらない。トランプ大統領は司法省を政治的な武器のように扱い、検察官に圧力をかけ、独立性よりも忠誠心を重んじ、連邦法執行機関の仕組みを利用して、敵とみなした人物への報復を行う一方で、側近を責任追及から守ってきた」とワーナー議員は声明で述べた。
「こうした一連の動きには、州の権限を不当に侵害しようとする試みとして広く異議を唱えられている大統領令による投票の全国化の試みや、2020年の選挙での敗北への大統領の執着に関連したフルトン郡の家宅捜索などが含まれる」。
しかしながら、共和党所属の連邦議員の多くは彼女の成功を祈った。
リック・スコット連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は声明の中で「パム・ボンディは私の親友であり、これまで出会った中で最高の弁護士の1人だ。私がフロリダ州知事だった時、彼女はフロリダ州司法長官として素晴らしい仕事をしてくれたし、連邦司法長官としても素晴らしい働きをしている」と述べた。
他の議員は、ボンディが4月14日に予定されている証言録取で、今後も連邦議会で精査を受けることになるだろうと指摘した。
「司法省は依然としてエプスタイン文書透明性法を遵守していないため、私たちは彼女に召喚状を送る以外に選択肢がなかった。そして私たちの働きかけにより、彼女は2週間後に監視委員会に出席することになる」とメイス議員は述べた。
「単に答えを求めているだけの連邦議員の検索履歴をスパイしたり、重要な証拠を隠したまま全てのファイルを公開したと主張したり、有罪者を責任追及しようとするあらゆる努力を妨害したりするなど、アメリカ国民は透明性があり、真の責任を果たす司法長官を必要としている」。
連邦下院監視委員会の民主党側筆頭委員であるロバート・ガルシア連邦下院議員(カリフォルニア州選出)は、ボンディが「エプスタイン事件に関するホワイトハウスの隠蔽工作を主導した」と非難した。「彼女は司法省を悪用し、ドナルド・トランプを守り、被害者の身許を暴露することで彼らを危険に晒した」とガルシア議員は述べた。
「彼女は責任追及を逃れることはできず、委員会に宣誓供述書を提出する法的義務を負っている。エプスタイン事件の不適切な取り扱いと、ギレーヌ・マクスウェルへの特別扱いについて説明責任を負わなければならない」とガルシア議員は声明で述べた。マクスウェルはエプスタインの側近だった。
「監視委員会の民主党所属の議員はパム・ボンディ司法長官とクリスティ・ノーム国土安全保障長官に対する真剣な調査を主導してきた。両者が解任されたからといって、私たちが次の段階に進むと考えているなら、それは大きな間違いだ」
ボンディは、トランプ大統領によって解任された2人目の閣僚だ。トランプ大統領は先月、当時の国土安全保障長官だったクリスティ・ノームを解任したばかりだ。
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トランプ氏、ボンディ司法長官を解任 エプスタイン文書公開巡り不満
2026年4月3日 2:27(2026年4月3日 4:27更新) 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02DL50S6A400C2000000/
【ワシントン=芦塚智子】トランプ米大統領は2日、ボンディ米司法長官を解任したとSNSで発表した。少女買春などの罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の捜査資料公開を巡り、ボンディ氏の対応に不満を募らせていると報じられていた。
当面はブランチ司法副長官が暫定長官を務める。後任候補には米環境保護局(EPA)のゼルディン長官らの名前が浮上している。3月のノーム国土安全保障省長官に続き、今年に入って2人目の閣僚の解任となる。
トランプ氏は投稿でボンディ氏を「素晴らしい米国の愛国者で忠実な友人」と呼び、犯罪対策で成果を上げたと称賛した。民間での「非常に必要とされている重要な新しい仕事」に就くと説明した。
ボンディ氏はX(旧ツイッター)に投稿した声明で「重要な民間の役割に移り、トランプ大統領と政権のために引き続き戦う」と語った。
ボンディ氏は第1次政権でトランプ氏が弾劾訴追を受けた際の弁護団の一員を務めるなど、トランプ氏の「忠臣」の一人とされてきた。司法長官として不法移民の取り締まりや犯罪対策などを推し進めた。
ボンディ氏は2025年2月にエプスタイン氏の「顧客リスト」が「いま私の机の上にある」と述べて資料公開の期待を高めたが、その後発言を訂正。同年7月には顧客リストの存在を否定し、さらなる資料公開を拒否する声明を出した。
こうした言動が政権による情報隠蔽疑惑を広げる一因になった。
25年11月、エプスタイン氏に関する捜査資料の全面公開を義務付ける法律が成立。26年1月までに資料を公開した。
だが、黒塗りの非公開部分が多かったこともあり、隠蔽を疑うトランプ氏の岩盤支持層の一部や民主党などからボンディ氏の責任を問う声が上がっていた。4月14日には議会証言が予定されていた。
トランプ氏は、自身の政敵の捜査や訴追が思うように進んでいないことについても、ボンディ氏にいら立ちを強めていたとされる。
司法省はトランプ氏の捜査や起訴に関わったコミー元米連邦捜査局(FBI)長官や東部ニューヨーク州のジェームズ司法長官を起訴したが、裁判所が起訴を却下した。トランプ氏は他にも多数の政敵の捜査を求めている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは1月、トランプ氏がボンディ氏について「弱い」「無能」と側近に不満を漏らしていると報じていた。
ゼルディン氏はトランプ氏の熱心な支持者として知られる。15〜23年にニューヨーク州選出の下院議員を務め、トランプ氏の2度の弾劾決議やバイデン前大統領が勝利した20年大統領選の結果を承認する投票で反対票を投じた。
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クリスティ・ノームはどのように最終的にトランプの信頼を失ったか(How Kristi
Noem finally lost Trump’s trust)
アレクサンダー・ボルトン筆
2026年3月5日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/administration/5770493-kristi-noem-trump-advertising-scandal/
複数の共和党所属の連邦上院議員や事情に詳しい関係者によると、クリスティ・ノームが火曜日の連邦上院公聴会で、トランプ大統領がノームのリーダーシップを宣伝する2億2000万ドル規模の国土安全保障省(Department of Homeland Security、DHS)の広告キャンペーンを承認したと主張したことが、木曜日にノームが国土安全保障長官の職を失う決定的な要因となった。
ドナルド・トランプ大統領は、1月にミネアポリスで連邦捜査官がデモ参加者2人を射殺した事件を受けてノームの解任を検討したが、民主党の辞任要求に屈したと見なされることを避けるために見送ったとトランプ大統領の検討内容に詳しいある関係者は述べている。
ジョン・スーン連邦上院多数党(共和党)院内総務(サウスダコタ州選出、共和党)は木曜日、ノームの将来に関する話し合いが「しばらく前から(a while)」行われていたことを認めた。
スーンは、「話し合いはしばらく前から行われていたと思う。私はその全てを把握していた訳ではないが、いくつかの議論については知っている」と述べた。
匿名を希望したある共和党所属の連邦上院議員は、ノームがトランプ大統領が問題の広告を個人的に承認したと主張したことは「最後の一押し(last straw)」であり、大統領を潜在的なスキャンダルに「巻き込む(dragging)」結果になったと述べた。
2億2000万ドルの税金が投入されたこの広告キャンペーンは、国土安全保障省が通常の競争入札手続きを省略し、ノームの政治活動と関係のあるストラテジー・グループ社に広告を委託したことから、厳しい批判にさらされている。
連邦上院司法委員会委員トム・ティリス連邦上院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)は、ノームが友人や支持者に有利なビジネス機会を提供した可能性が浮上していることは憂慮すべき事態だと述べた。
「今後、解決しなければならない疑惑がある」とティリス議員は述べ、「ホワイトハウスの最終決定には、そうした要素が少なからず影響したはずだ」と付け加えた。
「確かに印象は悪い」とティリス議員は述べた。
ティリス議員は、ノームが契約締結に深く関与していなかったという説明には納得できないと述べた。なぜなら、ノームは国土安全保障省において、10万ドルを超える全ての契約を自ら審査するという方針を定めているからだ。
「問題は、ノームが全てを詳細に審査していると言いながら、2億ドルの取引については何も知らなかったと発言したことで、自らの信頼性を損なったことだ。この2つの矛盾をどう説明するのか」とティリス議員は述べた。
共和党所属の連邦議員たちによると、ノームが国土安全保障省監察官による調査に協力を拒否したとの情報が入り、共和党議員たちはさらに警戒感を強めたという。
「国土安全保障省監察官から、調査への協力が得られていないとの連絡を受けた」と、ある共和党所属連邦上院議員は『ザ・ヒル』誌に語り、ノームの広告キャンペーンが連邦議会議事堂の共和党所属の連邦上院議員の間で警鐘を鳴らし始めた理由を説明した。
この問題は火曜日、連邦上院司法委員会のジョン・ケネディ連邦上院議員(共和党、ルイジアナ州選出)がノームに対し、問題の広告について厳しく追及したことで一気に注目を集めた。ケネディ議員は、この広告は納税者の税金の無駄遣いだと非難し、トランプ大統領が承認したのかどうかを問いただした。
ノームが公聴会で、ラシュモア山の前で馬に乗るノームの姿をフィーチャーした大規模なキャンペーン広告をトランプ大統領が承認したと主張したことを受け、トランプ大統領の側近たちは後に、大統領が「激怒(livid)」し「憤慨(pissed)」していたと伝えた。
トランプ大統領は公聴会直後、共和党所属の連邦上院議員たちに電話をかけ、ノームの後任候補としてマークウェイン・マリン連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)の名前を挙げた。トランプ大統領は木曜日、マリン議員を次期国土安全保障長官に指名すると発表した。
トランプ大統領は連邦上院共和党に対し、ノームのイメージアップを図るための広報活動と見なされていた、これほど巨額の税金を使ったキャンペーンには決して承認しなかったと非公式に保証した。
トランプ大統領はロイター通信のインタヴューでも「私は何も知らなかった」と述べている。
連邦議会共和党の中には、ノームが広告契約の締結において税金を不正に使用したり、契約規則に違反したりした場合、11月の選挙で民主党が連邦下院の過半数を奪還した際に、民主党の調査官にとって格好の材料となることを懸念する声もある。
ノームが、トランプ大統領が問題の契約を知っていて承認していたと主張しれば、連邦下院民主党は調査対象を大統領にまで拡大する口実を得ることになるだろう。
共和党連邦議員たちによると、トランプ大統領は、連邦捜査官に背後から複数回撃たれて死亡した37歳の集中治療室看護師アレックス・プレッティの事件へのノームの対応を巡り、知事への不満を非公式に示し始めたという。
ノームはプレッティを「国内テロリスト(domestic terrorist)」と呼び、「個人に最大限の損害を与え、法執行官を殺害しようとした」と主張したが、事件の映像は広く拡散しており、知事の主張と矛盾していた。
トランプ大統領は、ホワイトハウスの国境警備責任者であるトム・ホーマンをミネアポリスに派遣し、移民取締作戦の指揮を任せることで、ノームの権限を縮小し、事実上、国土安全保障長官を事実上排除した。
しかしながら、当時ホワイトハウスは、トランプ大統領が移民取り締まりに対する民主党の激しい批判に屈したという見方を強く否定した。
トランプ大統領は1月下旬、ノームは「非常に良い仕事をしている」と主張した。
当時、ノームが辞任するかどうかを問われた際、大統領は「ノー」とだけ答えた。
しかし、ミネアポリス銃乱射事件をめぐる世論の怒りが最高潮に達していた1月29日の閣議で、ノームが大統領の信頼を失ったことを示すかのように、彼女は沈黙を貫いた。ホワイトハウス関係者の中には、これを彼女の任期が残りわずかである兆候と捉える者もいた。
共和党のティリス連邦上院議員とリサ・マコウスキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、ノームに国土安全保障長官の辞任を求めた。
「ノームは手に負えない状況に陥っている。それは明らかだ。リーダーシップも、事態の沈静化もできない。ICE職員を危険な状況に晒し、アメリカ国民を命の危険に晒している」とティリス上院議員は1月下旬に記者団に語った。
昨年ノームの承認に賛成票を投じたマコウスキー連邦上院議員は、「私は彼女を二度と支持しない。辞任すべき時だと思う」と述べた。
「彼女は辞任すべきだ」とマコウスキー連邦上院議員は付け加え、ノームがプレッティを国内テロリストと呼んだ発言を指摘した。「そのような発言は事態を悪化させるだけだ。・・・彼女は状況改善に繋がらない方向へ進んでいる」。
民主党は2月14日に予算が失効して以来、国土安全保障省への予算配分を阻止しており、同省の再開と引き換えに、移民税関執行局(ICE)と税関国境警備局(CBP)の10項目にわたる改革を要求している。
スーンは木曜日、トランプ大統領がノームを交代させたことで、民主党が国土安全保障省予算案に同意する説得力のある理由が生まれることを期待していると述べた。
スーンは、「政権によるこの動きは大きな一歩となるはずだ。これは民主党がずっと求めてきたことの1つだ」とトランプ大統領にノームの解任を要求していた民主党の主張に言及しながら語った。
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トランプ氏、ノーム国土安保長官を解任 不法移民対策で不手際
2026年3月6日 5:32 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CLI0V00C26A3000000/
【ワシントン=芦塚智子】トランプ米大統領は5日、米国土安全保障省のノーム長官を解任し、後任にマークウェイン・マリン上院議員(共和党)を充てる人事を発表した。ノーム氏は、不法移民対策を巡る不手際で与党・共和党内からも批判を受けていた。
トランプ氏はSNSへの投稿で、ノーム氏を新設する「西半球安全保障イニシアチブ」の特使に任命すると表明した。ノーム氏について「特に国境警備で多くの素晴らしい成果をあげてきた」と述べた。
トランプ氏は2025年5月に、軍事作戦の情報漏洩問題で批判を受けた閣僚級のウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任し、国連大使に指名した。今回のノーム氏についても更迭の印象を和らげるため、政権内の他の職務に就かせる形にしたとみられる。
後任のマリン氏は南部オクラホマ州選出。下院議員などを経て2022年に上院議員に初当選した。国土安保長官の就任には上院の承認が必要になる。
ノーム氏は、1月に中西部ミネソタ州ミネアポリスで移民を取り締まる連邦捜査官が抗議デモの参加者を射殺する事件が2度起きた際に、犠牲者の米国市民2人が「国内テロ行為」に関与していたと決めつける発言をしたことで批判を受けた。
また自身を前面に出した不法移民対策の広告キャンペーンに2億2000万ドル(約347億円)を投じることについて、3日の上院司法委員会での公聴会でトランプ氏の承認を受けたと証言した。しかしトランプ氏はロイター通信の電話インタブビューで「何も知らなかった」と否定した。米メディアは、トランプ氏がこのことに激怒したと報じた。
トランプ氏は、ミネアポリスで大規模な移民取り締まり活動への抗議デモが広がった際、事態を鎮静化させるために国境対策を統括するトム・ホーマン氏を派遣した。これがノーム氏の指導力を疑問視する声を強める結果になった。ノーム氏はホーマン氏との不仲も報じられていた。
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シリコンヴァレーから世界支配を狙う新・軍産複合体の正体

『トランプの電撃作戦』

『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』













