古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:国務省

 古村治彦です。

※2025年3月25日に最新刊『トランプの電撃作戦』(秀和システム)が発売になります。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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『トランプの電撃作戦』←青い部分をクリックするとアマゾンのページに行きます。

 先日、『ニューヨーク・タイムズ』紙がトランプ政権の閣議において、マルコ・ルビオ国務長官と政府効率化省を率いるイーロン・マスクが衝突したと報じられた。マスクはルビオが何もしていないと怒り、ルビオはマスクが米国国際開発庁(USAID)を閉鎖すべきと主張したことについて激怒しており、言い合いになったということだ。その他にもシーン・ダフィ運輸長官とマスクが衝突したということも伝えられている。USAIDに関しては、ルビオが国務長官就任早々に一部予算停止を行ったが、そのことよりもマスクが閉鎖を主張したことの方が取り上げられて面白くないのだろうと考えられる。

 イーロン・マスク率いる政府効率化省のスタッフたちは第2次トランプ政権発足直後から、各政府機関を「急襲」し、人事や予算などの情報を収集している。スタッフたちには腕利きのハッカーもおり、コンピュータに隠されている秘密情報などにもアクセスしているということだ。政府効率化省は連邦政府の人員整理や各機関の縮小や閉鎖を主導しており、官僚たちにとっては脅威になっている。

トランプに対して忠誠心が厚い閣僚たちも、マスクにばかり注目が集まるのは面白くないことだろう。自分が長官として主管する各省の人員整理や予算削減については、自分が主導して行い、手柄にしたいところに、マスクが荒らしまわっているということになる。また、マルコ・ルビオに関しては、まだ大統領選挙出馬に色気があるのだろうと考えられる。今のところ、J・D・ヴァンス副大統領がトランプの後継者と見られているが、ルビオも以前の大統領選挙に出馬した経験を持ち、大統領の座を簡単にあきらめたくはないだろう。しかし、戦後、国務長官出身者で大統領になった人物はいない。ルビオは国務長官への使命を受諾した時点で、大統領になることは諦めておくべきだろう。しかし、閣僚全体のマスクへの不満を代表する形で衝突することで、存在感を増すという狙いもあったのではないかと考えられる。トランプ大統領はうまくマネイジメントをしようとしている。このような状況は彼にとっては日常茶飯事にあったことだろう。

 トランプの手綱さばきがどのようになるか注目されるが、第1次政権よりも第2次政権の方が安定してうまく行っているように見える。

(貼り付けはじめ)

ルビオ、マスクがトランプ政権の閣議で衝突:『ニューヨーク・タイムズ』紙報道(Rubio, Musk clash at Trump Cabinet meeting: NYT)

フィリップ・ティモティジァ筆

2025年3月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/5183121-rubio-musk-clash-at-trump-cabinet-meeting-nyt/

マルコ・ルビオ国務長官は、トランプ大統領主催の閣議で、ハイテク業界の大富豪でトランプ大統領の側近であるイーロン・マスクと衝突した。

6つの大企業を率いる世界一の大富豪であるマスクは、前上院議員のルビオを叱りつけ、国務省の職員の多くを解雇しなかったこと、そして彼は「テレビでは良いが(good on TV)」、それ以外ではほとんど何もしていないことを痛烈に批判したと『ニューヨーク・タイムズ』紙は金曜日に、この出来事を知る5人のインタヴューを引用して報じた。

ルビオは個人的にはマスクに対してしばらく前から「激怒(furious)」しており、特に政府効率化省(Department of Government Efficiency、DOGE)が、100カ国以上で数十億ドルの安全保障、人道、開発援助を管理する機関である米国国際開発庁(U.S. International Development Agency)の閉鎖を視野に入れていることから激怒しているとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

スコット・ベセント財務長官が出席しなかった木曜日の閣議でルビオは反撃した。

国務長官ルビオはマスクが真実を語っていないと主張した。ニューヨーク・タイムズによると、ルビオ長官は早期退職した国務省職員1500人以上を解雇の対象として数え直す必要があるのか​​と質問したということだ。

ますますヒートアップしたやりとりの後、トランプ大統領はルビオ長官を擁護するために介入した。大統領は、国家トップの外交官が「素晴らしい仕事(great job)」をしていると賞賛し、彼はメディアへの出演が多く、過密なスケジュールをこなしており、なおかつ国務省を監督しなければならないと述べたとニューヨーク・タイムズは報じた。

トランプは金曜日にこの爆発的な報道について質問された。彼は、ルビオとマスクが争ったことを否定し、両者とも良い仕事をしていると賞賛した。

トランプは「衝突はない、私はそこにいた、君はただのトラブルメーカーだ。それに、そんな質問をすべきではない、ワールドカップの話をしているのだから」と述べた。

「イーロンはマルコと仲が良く、2人とも素晴らしい仕事をしている。衝突はない」と、FIFA会長のジャンニ・インファンティーノを横に置いて、トランプは付け加えた。

その数分後、大統領は再び木曜日の会談について質問されたが、この質問には直接答えなかった。

トランプ大統領は記者団に対して、「二人とも素晴らしいほど仲がいい。マルコは国務長官として信じられないようなことをやってのけた。そしてイーロンはユニークな男で、素晴らしい仕事をしている」と述べた。

国務省のタミー・ブルース報道官はニューヨーク・タイムズに、ルビオ長官は「この閣議は、アメリカを再び偉大な国にするという同じ目標を達成するために団結したダイナミックなティームとのオープンで生産的な話し合いだったと考えている」と語った。

閣議の中でトランプ大統領は、雇用や予算削減を推進するのは閣僚であるべきだが、マスクはアドヴァイザーとしてそこにいるのだと繰り返した。

「閣僚たちにはまず、望む人全員を留めてほしい。必要な人全員をそうして欲しい」とトランプ大統領は木曜日、大統領執務室で記者団に語った。

「私は彼らにできる限りの最高の仕事をするように望む。優秀な人材がいるのは貴重で、とても重要なことだ。私たちは彼らにその優秀な人材を維持してもらいたい。だから私たちは彼らを監視するつもりだ。イーロンとグループも彼らを監視するつもりだ。削減できるなら、それが一番いい。そして削減しないなら、イーロンが削減するだろう」とトランプ大統領は付け加えた。

木曜日に対立した閣僚はルビオだけではない。

シーン・ダフィ運輸長官と航空宇宙大手スペースXを率いるマスクは、連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)が航空機を追跡するために使用する機器の条件や、それを改善するために必要なことについて対立したとニューヨーク・タイムズが報じた。また、ハワード・ラトニック商務長官は、このやり取りでマスクを支持したと付け加えた。

ダフィは、DOGEのスタッフたちが航空管制官(air traffic controllers)を解雇しようとしたと述べたが、ニューヨーク・タイムズによると、マスクはこの主張は「嘘」だと述べた。

元下院議員の運輸省長官ダフィは、マスクは間違っていると述べた。億万長者マスクはダフィに対し、運輸省の職員が解雇しようとした管制官の名前を挙げるよう求めたとニューヨーク・タイムズは報じた。

ダフィはまた、空港の管制塔には多様性、公平性、包括性(diversity, equity and inclusion、DEI)の取り組みによって採用された労働者が配置されているというマスクの主張にも反撃した。

ニューヨーク・タイムズが金曜日に報じたところによると、この騒動はまたもやトランプが口を挟み、ダフィにマサチューセッツ工科大学から「天才(geniuses)」を連れてきて航空管制官として働かせなければならないと告げたことで終わった。

ニューヨーク・タイムズが金曜日に報じた後、ダフィは声明を発表し、トランプ大統領が「生産的な(productive)」会合を開いてくれたことに感謝し、DOGEがこれまで行ってきた仕事を賞賛した。

「DOGEは、航空管制システムの重要なアップグレードに取り組んでいる私たちに助言を与えるだけでなく、各機関が非効率な部分を特定するのを手助けする素晴らしい仕事をしている」とダフィは書いている。

ダフィはまた、木曜日の会合で当局者たちは「特にFAAと航空管制官の」航空旅行の安全について議論したと書き、FAAのDEI部門は「2日目に」解体されたと付け加えた。

ダフィは、連邦政府の人員削減に対するトランプのアプローチを「革命的(revolutionizing)」であると賞賛し、運輸省はマスクおよびDOGEと「緊密に(closely)」協力して「政府の運営方法に革命を起こす(revolutionize the way government is run)」と述べた。

今週初め、ダグ・コリンズ退役軍人長官は、退役軍人省が約7万2000人、つまり全職員の15%を削減する計画であることを確認した。この動きは、連邦議会および全国の州から反発を招いている。

トランプ大統領は会談でコリンズ長官と、退役軍人省の雇用削減に関しては慎重なアプローチを採用すべきだという点で合意し、トランプ大統領は退役軍人省は「賢い者たち(smart ones)」を残し、「悪い者たち(bad ones)」を排除すべきだと付け加えたとニューヨーク・タイムズは報じている。

大統領は木曜日のトゥルース・ソーシャルへの投稿で、閣僚会議が「積極的なもの(positive)」であったと述べ、「最高の」「最も生産的な」人材を維持するためのコスト削減イニシアティヴについて「DOGEと協力する」よう各閣僚に伝えた。

トランプは、「私たちは『斧(hatchet)』ではなく、『メス(scalpel)』と言っている。彼ら、イーロン、DOGE、その他の偉大な人々の組み合わせは、歴史的なレヴェルで物事を行うことができるだろう」と書いている。

ホワイトハウスのキャロライン・リーヴィット報道官は本誌に対し、「トランプ大統領が述べたように、これは連邦政府全体のコスト削減策と人員配置について話し合うための、大統領のティームのメンバー間での素晴らしく生産的な会議だった。トランプ大統領が政府をより効率的にするという公約を実現するため、全員がひとつのティームとして働いている」と語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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『トランプの電撃作戦』
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『世界覇権国 交代劇の真相 インテリジェンス、宗教、政治学で読む』

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バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン政権になってから、アメリカ外交はうまくいっていない。アフガニスタンからの撤退がうまくいかず、大きな混乱を引き起こした。その後は、ウクライナ戦争が起きたが、ウクライナ戦争ではロシアに対する経済制裁を主導して、早期にロシアを経済的に屈服させて、あわよくばロシアの現体制を崩壊させようという「捕らぬ狸の皮算用」が見事に失敗した。ウクライナ戦争が長期化する中で、アメリカはウクライナの勝利の可能性はないと分析しているが、戦争を止めることができないでいる。至極当たり前のことだが、ロシアはアメリカの言うことを聞かない。ウクライナとロシアの間を仲介できるのは、中国だけだ。

 更に言えば、中東地域に関しては、中国が得点を挙げた。中国の仲介で、長年の敵同士であったサウジアラビアとイランが国交正常化を行うと発表した。これで中東地域で核兵器を持つ3カ国である、イラン、イスラエル、サウジアラビアのバランスが崩れた。サウジアラビアとイスラエルはアメリカの同盟国としての関係を持っていた。イスラエルとサウジアラビアは共にイランを敵としていた。その関係のバランスが崩れた。イスラエルは孤立することになる。サウジアラビアが西側陣営から離れつつあるというのは、アメリカにとっての大きな痛手となる。産油量を増やして石油価格を下げて欲しいというアメリカの懇願をサウジアラビアは無視した。

 バイデン政権は「デモクラシー」「人権」といった価値観を押し出した外交を展開している。そして、対中強硬姿勢を取っている。これでは転換期の国際政治を渡っていくことはできない。民主政体フェスなるイヴェントにお金を出して、アントニー・ブリンケン米国務長官が出席しているようでは、現実的な外交はできない。「清濁併せ吞む」ということができなければ、新興の「西洋以外の国々(the Rest)」とやり合うことはできない。

 考えてみれば、現在のアメリカ外交を牛耳っているのが、共和党系のネオコン派と民主党系の人道的介入主義派である以上、どうしようもない。リアリストたちが入らねば現状は変わりようがない。国務省の上級幹部たちが入れ替わるためには、バイデンが選挙で落ちて、大統領でなくなるか、バイデンが考えを変えて、自発的に1期目と2期目で人員を入れ替えるかしかない。バイデンとバイデン政権の最高幹部たちはどんな手段を使ってでも今度の大統領選挙に勝利するだろう。なぜならば、そうしないと自分たちの犯罪が明らかにされて逮捕されてしまうからだ。彼らは一蓮托生の犯罪でつながった人々だ。バイデン政権が2期目の4年間も続くということになれば、世界の不幸もまだまだ続くということだ。その間に、ネオコン派や人道的介入主義派が暴発して、最後のひと勝負、大博打をかけるかもしれない。それが核兵器を使用する戦争であったり、米中露での戦争になったりする可能性もある。現状だって既に第3次世界大戦に入っていると言っても過言ではない。悲観的な妄想で済めばそれはそれで良いことだが、それくらいに悲観的になっておく必要がある。

(貼り付けはじめ)

バイデンの国務省にはリセットが必要だ(Biden’s State Department Needs a Reset)

-政権の外交は、時間を無駄にする民主政治体制についての議論を除けば、うまくいっていない。

スティーヴン・M・ウォルト筆

2023年4月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/04/01/biden-blinken-state-department-democracy-summit/

アメリカの外交機関、特に国務省(Department of State)がリソース不足に陥っていることは、広く認められている真実だ。この真実は、国務省または米国国際開発庁(United States Agency for International Development、USAID)の予算を、国防総省または各種情報諜報機関に割り当てられた予算と比較すると特に明らかになる。アメリカの壮大な世界的野望を考慮に入れると、それは更に明白になる。大統領の時間、そしてアントニー・ブリンケン国務長官などの閣僚の時間は、全ての中で最も希少なリソースであることも自明のことだ。

これが事実なら、なぜジョー・バイデン政権は第2回民主政体サミット(Summit for Democracy)に時間を割いたのだろうか? バイデン大統領やブリンケン国務長官ら最高幹部たちが、このトークフェスに費やした時間だけではない。このようなイヴェントを開催することで、他の問題に対処するために使えたかもしれない何百時間ものスタッフの時間が浪費されてしまったのだ。

私がこの問題を提起したのは、外交をアメリカ外交政策の中心に据えると宣言して発足したバイデン政権であるが、その最初の2年余りを振り返ると、外交的成果がほとんどないからだ。プラス面で言えば、アメリカの同盟諸国は、ドナルド・トランプ前大統領やマイク・ポンペオ前国務長官よりもバイデンやブリンケンに親しみを感じており、政権の初期の失態(2021年のAUKUS潜水艦取引でフランスを不必要に無視したことなど)を快く許してくれていることが挙げられる。しかし、そうした外交関係者からの印象が改善されたことを除けば、バイデン政権の外交記録は印象に残るほどの成果を挙げていない。

問題の一部は、バイデンとバイデン政権が受け入れている「民主政治体制対独裁政治体制(democracy vs. autocracy)」という枠組みにある。私は誰よりも民主政治体制が好きだし、一部の人よりもずっと好きだ。しかし、この二項対立(dichotomy)は、アメリカの外交に解決よりも多くの問題を引き起こす。アメリカは、世界の民主政体国家よりも数が多く、大国間の対立が激化すればするほどその価値が高まる独裁的な政府と、より効果的に協力することができないのである。「アメリカは偽善者だ」という非難に晒され、ワシントンの民主的な同盟諸国もあまりやる気を起こさないように見える。その一例を示す。ヨーロッパの指導者たちは、独裁的な中国との経済的利益を守るために北京に足を運び続けているが、これは民主政治体制対独裁政治体制という図式とは大きく矛盾する行動である。同様に、ほぼ民主的なインドのナレンドラ・モディ首相は、ロシアのウラジミール・プーティン大統領の国家安全保障補佐官の1人と会談したばかりだ。

一方、バイデン政権の他の課題は未解決のままだ。バイデンは、前任者が愚かにも放置したイランとの核取引に再び参加すると言って就任した。しかし、バイデンは逡巡し、延期した。結果として、イランの立場は強まり、新たな核取引の実現は不可能であることが明らかになった。その結果はどうか? イランはこれまで以上に核兵器開発能力の獲得に近づいている。そして、バイデン政権も世界も必要としない中東における戦争発生のリスクを高めている。

更に悪いことに、バイデンとブリンケンは、中東の複数の同盟諸国から繰り返し屈辱を味わっている。エジプト政府は、アメリカが提起している人権問題を日常的に無視する一方で、アメリカの経済援助を懐に入れ続けている。バイデンは、反体制派ジャーナリストのジャマル・カショギを殺害したサウジのムハンマド・ビン・サルマン王太子を失脚させるという選挙公約を覆した。「世界中が目撃した」サウジアラビアとの手打ちをもってしても、サウジにエネルギー価格の緩和に協力させることも、ウクライナ侵攻後のモスクワに圧力をかけるよう説得することもできなかった。さらに不吉なことに、サウジアラビアは中国の習近平国家主席に近づき続けている。今週、サウジアラムコは中国と2つの新しい石油関連投資案(製油所建設を含む)を発表したし、最近のサウジアラビアとイランの緊張緩和(デタント)を仲介したのはアメリカではなく中国だった。中国やサウジアラビアが自国の利益のために行動することを責めるつもりはないが、これらのことをアメリカ外交の勝利と見なすことは難しい。

バイデンとブリンケンには、現在のアメリカとイスラエルとの関係の危機に直接の責任はない。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の「司法改革」案がその最大の原因だが、イスラエルに対する彼らの軟弱な態度が、ネタニヤフ首相に「このままでいい」と思わせた可能性がある。バイデンとブリンケンは、最初からイスラエルに愛想を尽かしていた。アメリカ大使館をエルサレムに移転するというトランプ大統領の決定を覆さず、パレスチナ人のための領事館を再開するという再三の約束も果たさず、ヨルダン川西岸を植民地化しようとするイスラエルの継続的な取り組みに「懸念」を表明するいつもの軽い表現しかしなかった。バイデンとブリンケンは、イスラエルがますます懸念を高める行動からアメリカを遠ざけようとしている。そして、その代わりにアメリカのイスラエルに対する「鉄壁の(ironclad)」関与(コミットメント)に関するいつもの決まり文句を繰り返し、二国共存解決という神話上の生き物(mythical creature)を信じ続けていることを表明し続けた。ネタニヤフ首相が、アメリカからの支持を危うくすることなく、イスラエルの民主政治体制に対する論争的な攻撃を進めることができると考えたとしても不思議ではない。今週初め、バイデンがようやく穏やかな批判を口にしたとき、ネタニヤフ首相はすぐに、イスラエルは自分自身で決断を下すと答えた。これこそ、無条件の支持で得られる外交的影響力ということだ。

一方、アメリカは世界の平和の担い手(global peacemaker)としての役割を放棄しつつあるようだ。かつて軍備管理(arms control)を最優先し、エジプト・イスラエル和平条約、ベルファスト協定(Good Friday Agreement)、バルカン戦争の終結を仲介したアメリカは、現在のところ、紛争を終わらせることに関心がなく、たとえ最終的に死や破壊が増え、エスカレートするリスクが続くとしても、自分たちに有利な側を勝たせることに関心がある。クインシー・インスティテュートのトリタ・パルシが先週指摘したように、「アメリカは誠実な平和主義の美徳を諦めてしまったようだ。今日、我が国の指導者たちは、永続的な平和を確立するためというよりも、紛争において『わが方』の立場を有利にするために調停を行っている」と述べている。

アメリカ外交は、中国への対応にも失敗している。2021年にブリンケンが表明した政権の対中政策は、アメリカが「競争的であるべき時は競争的に、協力的であるべき時は協力的に、敵対的でなければならない時は敵対的になる(will be competitive when it should be, collaborative when it can be, and adversarial when it must be)」というものだ。しかし、1番目と3番目の項目が中心となって、共通点を見つけ、ますます激しくなる安全保障上のライヴァル関係を管理する努力は、ほとんど行われていないのが現状だ。もちろん、その責任の一端は北京にあるのだが、この重要な米中二国間関係をどのように管理し、改善していくかについて、創造的な考えを示す兆候はほとんど見られない。

しかし、悪いニュースばかりではない。日本やオーストラリアなど、既存のアジアのパートナーとの関係強化に向けたアメリカの努力は、中国の思慮の浅い主張にも助けられ、うまくいっている。しかし、先端チップの輸出規制やアメリカのデジタル産業への助成を通じて中国を弱体化させようとするバイデン政権の幅広い取り組みは、これらの同じパートナーに大きなコストを課すとともに、近隣での将来の衝突に対するアジアの懸念を高めている。また、バイデン・ティームは、インド太平洋地域で経済的影響力を強める中国への効果的な対抗策を打ち出すことができなかった。トランプ大統領が2017年にTPP(環太平洋経済連携協定)を破棄するという思慮の浅い決断を下したのはバイデンの責任ではないが、その代わりに昨年ようやく打ち出した「インド太平洋経済枠組み(Indo-Pacific Economic Framework)」は、アジアの大部分から小粒だと広く正しく思われている。

バイデン政権の初期の外交的成功の1つは、ジャネット・イエレン財務長官が、多国籍企業に対するグローバルな最低税額を設定するための多国間協定を交渉したことだった。これにより、多国籍企業が低税率のオフショア・ロケーションで利益を申告して税金を回避するのを防いだ。イエレン長官の功績は称賛に値するが、この法案は現在のところ、米連邦議会で瀕死の状態にあり、施行されない可能性がある。そして、バイデン政権のより成功した国内のイニシアティヴ、特にインフレ削減法は、これらの措置がアメリカの国内産業を、自国ではなく同盟諸国の費用で促進していると見なす、アメリカの同盟諸国との間で深刻な摩擦を引き起こした。

「ちょっと待て」という読者の皆さんからの声が聞こえてきそうだ。モスクワの行動を非難する偏った国連総会での投票は言うに及ばず、ロシアの違法なウクライナ侵攻に対する欧米諸国の対応をまとめる上で、アメリカ外交が果たした重要な役割はどうだろうか? それは、アメリカが復活し、外交官たちが完璧に仕事をこなしていることの証明ではないのか?

その答えは「イエスであり、ノーだ」となる。一方では、バイデンと彼のティームは、侵略に対する欧米諸国の協調的な対応を主導してきた。これは必ずしも容易なことではない。しかし、戦争が終わるまではこうした努力を終えることはできないし、この努力の最終結果は不確実だ。ロシアがドンバスの一部または全部を支配し、ウクライナの人口が減少し、大きな被害を受けたまま戦争が長引いたとしても、外交政策上の大きな成果には見えないというのが残酷な現実である。そうならないことを願うのは当然だが、その可能性を否定することはできない。

悲しいことに、バイデン政権は、少なくとも部分的には自作自演(own making)の問題に見事に対処している。ウクライナ戦争の根源はバイデンの大統領就任より前にあったのだが、バイデンもブリンケンも戦争がすぐに起こるとは考えなかった。彼らは、ロシアがウクライナの動向を現実的な脅威と見なしていることを認識せず、戦争を回避するためにできる限りのことをした訳でもない。アメリカ政府関係者(過去と現在の両方)は、アメリカや欧米諸国の政策がこの悲劇を引き起こした、またそのための役割も果たしたということを徹底的に否定してきた。しかし、イギリスの歴史家ジェフリー・ロバーツが『ジャーナル・オブ・ミリタリー・アンド・ストラティジック・スタディーズ』誌で最近述べたように、証拠を冷静に見てみると、そうではないことが分かる。以前にも述べたに、「プーティンは戦争に直接の責任があるが、西側諸国は非難されるべきでないということもない」のだ。

アメリカとヨーロッパの同盟諸国が、ロシアの安全保障上の懸念にもっと真剣に、創造的に対処しようとし、「ウクライナはいつかNATOに加盟する」という頑なな主張を止めていれば、戦争を回避できたかどうか、確実にそうだったとは言えない。私は、ロシアが予防戦争(preemptive war)を始めたこと(国際法上違法な行為)やそのやり方について、非難を免れると主張するつもりはない。しかし、この戦争が世界に及ぼす影響、とりわけウクライナに及ぼす影響を考えると、アメリカがこの戦争を阻止するためにあらゆる手段を講じなかったことは、これまで以上に批判されてしかるべきだろう。

しかし、アメリカの外交官たちの不甲斐なさは、彼らの責任ばかりではないだろう。アメリカの世界的な野望は非常に大きいため、多くの問題は十分な注意を払うことができず、ましてやトップに立つ人々の時間、エネルギー、関与を引き出すことはできないだろう。そして、ワシントンの目標が大きく広がれば広がるほど、それらの間のトレードオフを調整し、明確で一貫した優先順位を維持することは難しくなる。これは、私たちが外交政策の抑制を主張し続ける理由の一つである。アメリカの外交政策は、重要なことをより少なく、よりよく行うことで、より成功するのである。

それでは民主政治体制サミットの話に戻ろう。たとえ出席基準に一貫性がなく、問題のある民主政体諸国(フランス、イスラエル、ブラジル、インド、アメリカなど)が民主政治体制の美徳を讃えるために集まるという特異な構図を見逃したとしても、この努力から何が得られるかは明らかではない。第1回目のサミットでは、20年近く続いている民主政体の下降傾向を覆すことはできなかった。それでは、第2回目のサミットで何を達成できるのだろうか? 1944年のブレトンウッズ会議、1991年のマドリッド会議、2015年のパリ気候会議がそうであったように、有力者が一堂に会することは、何か即効性があり、具体的に実行できることがあれば意味がある。同様に、バラク・オバマ政権が開催した4回の核サミットでは、政権が当初掲げた目標の全てに到達したわけではないにせよ、世界中の核物質の管理を改善し、既存の核物質の備蓄を削減するための様々な合意など、具体的な成果が得られたと言える。

私の知る限り、民主政体サミットはそのようなささやかな成果にすら遠く及ばないだろう。民主政治体制の未来は、話し合いの場を増やすことで救われるものではない。世界の民主政体諸国が、国内外の市民のためにより良い結果を出せるかどうかにかかっている。成功には多くの努力が必要であり、最も裕福な民主政体国家であっても、時間や資源が無限にあるわけではないのだ。

※スティーヴン・M・ウォルト:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト。ハーヴァード大学ロバート・アンド・レニー・ベルファー記念国際関係論教授。ツイッターアカウント:@stephenwalt

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 日本の外交官の最高の出世は外務事務次官になって駐米大使になることだと聞いたことがある。世界各国の大使(ambassador)になるだけでも大変なことで、また、その手当なども大変な額で、数カ国の大使を務めれば都内の一等地に豪邸が建つということだそうだ。
 大使というのは海外で自分が属する国を代表する存在であり、特命全権大使(ambassador extraordinary and plenipotentiary)と正式には呼ばれるが、この大使の判断で戦争も始めることができる。西側の先進諸国ではほとんどの場合、職業外交官が昇進して大使に週にすることになるが、アメリカでは政治任用(political appointment)で大使になることが多い。

 駐日本アメリカ大使について見てみれば、職業外交官出身ではなく、古くは副大統領、連邦下院議長などを経験した大物政治家が就任しているし、エドィン・O・ライシャワーのような学者も登用された。現在のラーム・エマニュエル大使はバラク・オバマの側近で、2008年の米大統領選挙でオバマ陣営を取りまとめ、オバマ政権1期目前半では大統領首席補佐官を務め、それからオバマの本拠地シカゴの市長を務めた。

 下の記事では、ジョー・バイデン政権における政治任用の大使たちがどれくらいの献金を民主党とバイデンにしてきたかということをテーマにして記事にしている。これはバイデン政権だけではないのだが、歴代政権では、大口の献金者たちがアメリカ大使に登用されてきた。その割合はドナルド・トランプ政権では4割以上、オバマ政権で3割以上だったということだ。バイデン政権も同様に3割が政治任用だ。

 猟官制度(spoils system)とは公職の登用を政治的な理由でおこなうことだ。選挙で政権が変わると公務員が交代するということを意味する。アメリカでは民主、共和両党で政権交代(大統領の交代)が頻繁に起きるが、その度に公務員(幹部クラス)が交代になる。それはアメリカ大使にも及ぶ。その際に、選ばれる人物は各党に多大な「貢献」をした人物ということになる。その貢献とは具体的には政治献金ということになる。「spoils(スポイルズ)」とは英語で「獲物」という意味である。献金の「獲物」が大使職ということになる。

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それで、あなたは大使職を買いたいのですね(So You Want to Buy an Ambassadorship)

-アメリカ合衆国政府は西洋諸国の政府で唯一、最高の外交官職位で巨額の献金者たちを報いる政府である。

ロビー・グラマー筆

2023年1月24日

『フォーリン・ポリシー』誌.

https://foreignpolicy.com/2023/01/24/campaign-donor-ambassadors-biden-diplomacy/

それで、あなたはアメリカの大使職を買いたいのですね?大きく言って、そのためには2つの方法がある。

1つ目は、政策や外交の分野でキャリアを積み、外交に関わる経験をたくさん積むことだ。2つ目は、お金を持つことだ。多くの資金を保有することだ。

大統領選挙に出馬して戦うためには実に巨額の費用がかかる。両党の大統領選挙候補は、選挙運動を支えるために大規模な資金調達マシーンを必要とするが、その必要性はより高まっている。共和党政権でも民主党政権でも、大統領選挙候補に直接寄付をしたり、当選した大統領候補のために何十万ドル、何百万ドルもの資金を集める手助けをしたりする、「取りまとめ役(bundlers)」と呼ばれる懐の温かい選挙資金提供者たちを利用し、その見返りとして大使のポストを提供するというパターンが最近になってできている。

歴代政権は、これらの巨額の寄付をして大使職を手にした人々について、外交政策の分野以外の、慈善事業、金融、ビジネス、政治、その他のキャリアを通じて必要なスキルや経験を持っていると主張してきた。

元外交官を含むこの慣行に対する批判は、「薄っぺらな」汚職の一形態であると考えられている。

ジョー・バイデン米大統領は、ドナルド・トランプ前大統領ほどではないにせよ、巨額の政治資金寄付者たちを大使のポストに起用する傾向を続けている。2020年の選挙期間中において、大統領選挙民主党予備選挙に出馬した、ある候補者はこの慣習を完全に禁止するよう求めた。

トランプ時代の大使の約44%は政治任用者(political appointees)であり、その多くは懐の温かい選挙資金提供者たちであるのに対し、バラク・オバマ前米大統領時代は約31%、ジョージ・W・ブッシュ前米大統領時代は32%だった。バイデンは、政治任用大使の数を全体の30%程度に抑えると述べている。この慣行は、米国務省内でしばしば摩擦や怒りの種となっている。何十年も外交政策に携わってきたキャリアある外交官が、ハンドバッグの企業家や昼のメロドラマのプロデューサー、自動車ディーラーのオーナー、あるいは超富裕層の選挙資金提供者とたまたま結婚したコンサルタントなどに道を譲られ、大使としての重要な任務に就くことがある。

政治任用の献金者大使とキャリア外交官大使のどちらが優秀かについては、最も不満のあるキャリア外交官でさえもそのように述べているが、明確な答えはない。政治献金者大使の中には、ホワイトハウスとの密接な関係や、国務省のキャリア外交官大使にはほとんどない政治的コネクションを持ち、結果的に非常に有能で、外国政府から求められている人さえいる。それに比べ、キャリア外交官の中には、何十年も経験を積んで、最も人気のある上級職に就いたにもかかわらず、大使のポストで苦労している人もいる。

しかし、巨大な資金提供者に大使のポストを与えるというのは、他の西側諸国の政府にはない慣習であり、中国の台頭によりアメリカが紛れもないグローバルリーダーとしての役割から脱落するにつれ、より厳しく問われている。寄付者たちは通常、西ヨーロッパ、南アメリカ、カリブ海諸国の国々で知名度の高い重要な大使の任に就くが、キャリア外交官はサハラ以南のアフリカ、中東、中央アジアでそれほど重要でない任に就くことが多い。

ワシントンの最も近い同盟国は、この話の対照的な部分を提供している。最も重要な外交ポストである駐ワシントン大使あるカレン・ピアスは、40年以上にわたってイギリスの外交官を務め、過去には国連大使やアフガニスタンとパキスタンの特使を務めた。アメリカの駐英大使ポストには、投資銀行家、石油会社幹部、元提督、自動車ディーラーのオーナー、大統領の側近、億万長者の相続人などが就任してきた。アメリカはこれまで、外交官として本格的に駐英大使を務めたのは1人だけである。それは、レイモンド・サイツで、1991年から1994年まで在英大使を務めた。

『フォーリン・ポリシー』誌は、バイデンへの主要な寄付者が大使に任命された5カ国を調べるために、非営利の透明性専門団体「OpenSecrets.org」を通じた情報公開と選挙寄付の書類を精査し、彼らが寄付した既知の金額を合計したものである。

簡略化のため、2017年から2020年の選挙期間中において、各大使が民主党またはバイデンの選挙運動に直接寄付した確認金額のみを取り上げた。可能な限り、また情報が入手可能な場合に、本誌は過去20年間の民主党や選挙運動に寄付された、政治活動委員会(PAC)を通じて送られた、または取りまとめられた資金に関する情報を含め、さらなる内容を追加した。

注意点:アメリカの政治制度における選挙寄付は複雑なため、個人がいくら寄付したかを評価することが難しいケースがある。寄付者は、個人として候補者の選挙運動に直接寄付したり(法律で厳しく制限されている)、大統領の選挙運動を支援するPAC、無制限の政治支出を行えるいわゆるスーパーPAC、地方や国レベルの大統領の政党、あるいは大統領の就任初日に行われる豪華なイベントのための大統領就任資金にさえ寄付したりする。また、これらの寄付は大使の配偶者の名前で行われたり、個人として関連団体を通じて行われたりすることもある。

それでもバイデン政権は、他の政権と同様、大使のポストを「売り込む」のではなく、海外の適材適所をマッチングさせると主張している。バイデンは選挙期間中に「私は可能な限り最高の人材を任命する。誰も、実際には、彼らが貢献したものに基づいて、任命することになるだろう」と約束した。

ホワイトハウスの報道官は『フォーリン・ポリシー』誌に対し、バイデンは「世界中で私たちの外交政策課題を遂行する大使を選ぶことを非常に真剣に受け止めている」と述べ、以下の人物を含め、彼の選んだ全ての大使たちは「彼(バイデン)が長年共に働き、信頼してきた経験豊かな人物」であると特徴づけた。

ホワイトハウス報道官はまた、バイデンが大使に任命したキャリア外交官以外の大使の例として、トルコ大使には元米連邦上院議員のジェフ・フレーク、NATO大使には大西洋横断安全保障の専門家であるジュリアン・スミスを任命したことを挙げた。

それでも、バイデンが大使に選んだ他の20人近くは、「偶然にも」民主党に多額の資金を集めたり寄付をしたりした人々である。バイデン時代の大使のポストに値札をつけるとしたら、以下のようになる。

●スイス:41万9200ドル

バイデン政権のスイス大使であるスコット・ミラーとその夫は、2020年のバイデン当選を支援するファンドに36万5000ドルを寄付し、ミラー自身も2017年から2020年にかけて、民主党とバイデンの選挙運動に合計5万4200ドルを直接寄付していることが、各種報道と「OpenSecrets.org」の選挙寄付データから判明した。しかし、ミラーと夫の合計では、2010年以降、民主党の候補者や活動に対して約360万ドルを寄付している。ミラーは、デンヴァーに本拠を置くUBSウェルス・マネジメント会社の元副社長である。また、夫のティム・ギルは、LGBTQの権利に関する主要な活動家であり、慈善家でもある。2016年には、当時の民主党大統領候補ヒラリー・クリントンの選挙を支援するために、約110万ドルを寄付している。ミラーは2021年12月にバイデン政権のスイス大使に就任することが決定した。ホワイトハウスの報道官は、大使に指名された理由として、ミラーの「LGBTQ擁護活動や慈善活動のキャリア」を挙げている。

●イギリス:65万6980ドル

バイデンは、長年の民主党献金者で元駐フランス米大使のジェーン・ハートリーを駐イギリス米大使に起用した。「OpenSecrets.org」の選挙寄付データによると、ハートリーは2017年から2020年の選挙期間中において、民主党に64万5780ドルを寄付し、同時期にバイデンに特に1万1200ドル寄付した。しかし、この数字は、ハートリーが全体としてどれだけの資金を民主党に送金したり、取りまとめたりしたかを完全に網羅している訳ではない。バイデンが副大統領を務めていた2007年から2012年の間に、彼女はオバマの選挙運動のために約220万ドルを集めたと報じられた。ハートリーはバイデン政権では数少ない上級外交官の経験を持つ政治任用大使であり、ホワイトハウス報道官は彼女をロンドンでのポストに指名したバイデンの決定を擁護するためにこの点を挙げた。キャリアを通じて民主党、企業放送会社、コンサルティング会社で働いたハートリーは、2014年から2017年までオバマ大統領の駐フランス・駐モナコ大使を務めた。

●カナダ:51万4378ドル

コムキャストの元トップ幹部でロビイストのデイヴィッド・コーエンは、フィラデルフィアの政治と慈善活動で長年活躍していた。「OpenSecrets.org」のデータによると、2017年から2020年の選挙期間中で、コーエンは民主党とバイデンに51万4378ドルを寄付した。

ただし、この数字は上限ではなく下限であり、コーエンはバイデンの2020年の選挙運動のために、大統領選挙のために少なくとも10万ドルの資金調達に協力した個人のリスト、トップ「取りまとめ役」800人の1人としてリストアップされているが、彼がバイデンのためにどれだけの追加資金を取りまとめたかは明らかではない。

●ケニア:91万7599ドル

メグ・ホイットマンは、かつて『フォーブス誌』の「世界で最もパワフルな女性100人」に選ばれたこともある元企業トップで、現在、アフリカで最も経済力があり外交的に重要な国の1つとされるケニアにおいてバイデン政権下で大使を務めている。「eBay」とヒューレット・パッカードの元CEOであるホイットマンは、かつて共和党の献金者であり、2010年にカリフォルニア州知事選に共和党から立候補したが、トランプと大統領選挙の共和党候補者決定を否定し民主党への支援に切り替えた。2020年のホイットマンは、共同募金委員会である「バイデン勝利基金」に50万ドルを寄付し、それとは別に2017年から2020年の選挙期間中に民主党とバイデンに直接41万7599ドルを寄付した。

ホワイトハウスの報道官は、カナダのコーエン、ケニアのホイットマンの両氏について、「ビジネスにおける優れたキャリアと、海外でのアメリカの経済利益を促進する能力を持ち、それが大使職への抜擢に大きく影響した」と述べている。

●アルゼンチン:14万8630ドル

バイデンは、ダラスの著名な弁護士であるマーク・スタンレーをブエノスアイレスの大使に選んだ。『ダラス・モーニング・ニューズ』紙によると、スタンレーとその妻ウェンディは過去20年間に少なくとも150万ドルを民主党に寄付し、募金活動や選挙寄付の肝いりを通じてバイデンや他の民主党候補の主要な肝いりとして活動してきた。スタンレーはまた、バイデンの2020年大統領選挙の「バイデンのために働く法律家たち(Lawyers for Biden)」という部門を率いて、弁護士の組織化を支援し、大統領の選挙運動のために法的サーヴィスを担当した。2017年から2020年の選挙運動の期間中、スタンレーは民主党に14万8630ドルを直接寄付している。ホワイトハウスの報道官は、スタンレーがバイデンのアルゼンチン大使に選ばれたことについて、「40年にわたる一流の弁護士およびユダヤ人擁護者としてのキャリアを評価した」と説明している。

※ロビー・グラマー:『フォーリン・ポリシー』誌外交・国家安全保障担当記者。ツイッターアカウント:@RobbieGramer

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(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 

 アメリカでは喜ばしいことに、国務省とUSAIDの予算削減をトランプ大統領は提案していますが、予算を決める連邦議会では削減を止めさせようという動きもあります。この動きは民主、共和両党にあります。また、元米軍の司令官クラスの人々も予算削減に反対し、懸念を表明しました。

 

 国務省、USAID、米軍は「世界中にアメリカと同盟諸国に対する様々な脅威が存在する」ということを理由にして多額の予算を分捕ってきました。そして、世界各国の政治に介入し、それらの国々を不幸にしてきました。日本もその中に入っています。日本の場合は、それに加えてお金の貢がされ係をやらされています。米国債の購入と為替市場への介入を通じて日本のお金をアメリカに貢いでいます。

 

 国務省の予算に関しては各国にある大使館や政府機関の出先の保護のために4割以上が割かれ、外交に使われているのが55%だということです。大使館の警備はアメリカ海兵隊が行っていますが、警備に対する予算が増えるということは海兵隊の仕事と予算が増えるということです。ですから、国務省の予算が減らされ、対外活動が減らされると海兵隊の食い扶持が減るということになります。

 

 米軍の大将クラスだった人々が連名で国務省とUSAIDの予算削減に反対しているのは、こうしたこともあってのことでしょう。また、アメリカが対外活動を行えば衝突や摩擦が起き、それを解決するために米軍が出るということになります。従ってアメリカの対外活動が減れば、米軍が今のような巨大な組織である必要もなくなる訳ですが、そうなれば、米軍の食い扶持や予算は減らされるということになります。国務省と米軍は一蓮托生な訳です。

 

 ですが、アメリカは既に力を失いつつあります。いつまでも膨大な数の米軍を外国に置いておくことはできませんし、米軍にかかる莫大な予算を支えられなくなっています。こうして帝国は衰退していくのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

国務省とUSAIDは大幅な予算削減に直面(State Department, USAID Face Drastic Budget Cut)

-民主、共和両党が政府予算における妥協が成立し、政府機関の閉鎖は終わった。しかし、アメリカの外交と国際開発プログラムの予算は削減されることになる。

 

ダン・デルース、ロビー・グラマー筆

2018年2月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/02/12/state-department-usaid-face-drastic-budget-cut-congress-military-generals-admirals-warn-against-slashing-diplomacy-budget/

 

国務省と米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development、USAID)は先週民主、共和両党の間で成立した予算をめぐる合意を受けて、大幅な予算カットに直面している。先週の合意によって政府機関の閉鎖は終了した。連邦議会議員たちは税収不足を埋める更なる財源を探して苦闘している最中だ。

 

約88億ドルの税収不足を補うために、アメリカの外交団と国際開発プログラムに対して、1990年代以降で最大の予算削減が課されることになるだろう。与作削減によって国務省の士気の低下が起こり、外交官たちは「ドナルド・トランプ大統領は外交に対して熱心ではないのだ」と認識するようになっている。

 

民主、共和両党の連邦議会議員たちは国務省に予算をつけようと必死になっている。一方、トランプ政権の幹部たちは国務省の予算に関する議論には参加していない、と連邦議会関係者は語っている。

 

国務省と米国国際開発庁(USAID)の予算不足は2018年度、更には2019年度の各事業に影響を及ぼす。連邦議会の指導者たちとホワイトハウスとの間で先週に成立した予算に関する合意によって政府機関の閉鎖の長期化を避けることが出来た。合意は2018年度と2019年度の支出レヴェルを設定することで締結された。しかし、予算に関する合意によって米軍予算は増加したが、海外緊急活動作戦(Overseas Contingency Operations)における非防衛関連予算は削減された。海外緊急対応作戦予算の3分の1はこれまで国務省とUSAIDの予算として供給されてきた。

 

その結果、2018年の政府予算における国務省予算を増額させる方法を探すのに数週間残っていないという状態になった。2019年の予算に関しても同様のことが起きるであろう。

 

一方、トランプ政権は月曜日、2019年の連邦政府予算要求を提出することになる。2019年の予算に関して、ホワイトハウスは国務省の予算を削減するのかどうかは明確になっていない。

 

2018年の外交関係予算が削減される可能性が高いという観測を受けて、151名の退役した将官クラスの高級軍人たちが共同して懸念を表明した。この中には陸軍、海軍、空軍、海兵隊、特殊部隊の司令官クラスだった人物たちが多数含まれている。彼らは、「アメリカの国家安全保障に対する世界規模での脅威が高まっている中で、このような予算削減を行うとアメリカの世界に対する影響力が落ちてしまう」という警告を発した。

 

元将官たちが連邦議会の指導者たちに宛てた書簡の中には、「私たちは現在のような不安定な時代において世界をリードする能力を減退させることはすべきではない」という文言もある。この書簡は「USグローバル・リーダー・シップ・コアリション」という組織によって出された。この組織は、軍部、ビジネス、宗教各界に、国務省とUSAIDを支持することを求めるために活動している。

 

高級将官であった人々は、重要な外交職の多くが空席になっていることに懸念を表明し、また、「アメリカの安全を維持するために国防と共に外交と開発援助を強化することが重要だという確信」を持っていることを表明した。

 

イスラム国が戦場で敗北を喫している状況下で、イラクとシリアにおけるアメリカの外交と両国の再建支援は特に重要度を増している、と元将官クラスの人々は主張している。彼らは次のように書いている。「ISISに対して軍事的に優勢になっているが、疑問なのは戦場で勝ち得た勝利を守る準備が出来ているのか、悪者たちが空白に這いこまなうように防げるかどうかということだ」。

 

国務省の予算を2017年並みに戻すために、連邦議員たちはこれから難しい決断をしなければならないだろう。彼らは国内の他の優先問題と折り合いをつけねばならない。連邦議会両院の予算委員会は、2018年の予算において630億ドルの一任された予算を分割することになるだろう。しかし、約210億ドルは医療研究、対麻薬研究、退役兵士やその他に分野に投じられることになる。

 

連邦上院外交委員会の民主党側幹部委員であるボブ・メネンデス連邦議員(ニュージャージー州選出)は、金曜日書簡を発表した。書簡の中で、メレンデス議員は同僚議員たちに向けて、国務省とUSAIDの予算を現在のレヴェルに回復させるように予算を見直すことを求めた。

 

メネンデス議員は次のように書いている。「アメリカは世界各地で複雑化した多くの問題に直面している。この世界はアメリカの確固とした指導力を必要としている。国際問題に関連する予算はこうした必要に応えるものとならねばならない」。

 

本誌が入手した書簡は、リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とパトリック・リーリー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)宛であった。2人は、国務省の予算を監視する連邦上院歳出小委員会の委員長と民主党側幹部委員だ。

 

予算に関する議論をフォローしているあるロビイストは次のように語っている。「安全保障支援から伝染病や飢饉対策までアメリカは関わっている。これらに関する予算が大幅に削減されるとアメリカの外交と国際援助プログラムに大きな影響が出るだろう」。

 

国務省の報道官は本誌の取材に対して次のように述べた。「国務省は2018年度の超党派の予算案について特定のコメントをする立場にない。私たちは、決定者たちが政府に対する予算の配分をするであろうと認識している」。

 

国務省の予算の中で実際に外交に使われている金額について正確に伝えられていない。世界各地の米国大使館の警護にかかる経費は増大し続けている。この経費は国務省全体の予算の中で割合を大きくしている。司法省、国土安全保障省、その他の連邦政府機関が世界各国にある米国大使館で業務を行っているのがその理由となっている。そして、国務省はこれらの帰還の保護のために予算を使わねばならなくなっている。

 

アメリカ外交協議会のデータによると、2008年、国務省は「外交と領事プログラム」関連予算の17パーセントを警備に使っていた。2018年の予算請求の中で、警備関連予算は「外交と領事プログラム」予算の45パーセントを占めるまでになっている。「外交と領事プログラム」の予算の55パーセントだけが実際の外交に使われることになる。

 

USグローバル・リーダー・シップ・コアリションの会長兼最高経営責任者リズ・シュレイヤーは「アメリカと同盟諸国は様々な脅威に直面している。アメリカ政府は世界から撤退することはできない」と語っている。

 

1年前、トランプ政権は国際問題に関連する予算の30パーセント減額を提案し、元高級外交官や軍人たちから激しく批判された。民主、共和両党の連邦議員たちはこの提案を退けた。

 

シュレイヤーは、連邦議会が今回の大きな予算カットに対して同様の反応をしてほしいと望んでいる。シュレイヤーは本誌の取材に対して、「私は、今度も前回と同様の大きなそして明確な反対の声が上がり、国務省とUSAIDに対して超党派の支持があるものと考えている」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ政権が国家予算を発表し、国務省とUSAIDの予算を大幅に削減し(30%の削減)、国防費を540億ドル増加させました。これについては、批判の声が多く挙がっています。しかし、私はこれを当然のことで、大変喜ばしいことだと考えています。

 

 2011年のアラブの春から始まった中東の不安定な状況は、ムアンマール・カダフィ大佐の殺害、ベンガジ事件へと発展し、シリア内戦、シリアとイラク国内でのISの勃興というところまで悪化しています。また、ウクライナを巡る西欧とロシアの対立ですが、これはウクライナ国内の歴史的に複雑な問題とも相まって、こじれてしまいました。アメリカはロシアを非難し、制裁を課していますが、トランプ大統領は選挙戦期間中から、ロシアのウラジミール・プーティン大統領を賞賛し、ロシアとの関係改善を主張しています。また、中国に対しては厳しい言葉遣いをしていますが、貿易戦争をやる気はなく、また、北朝鮮は中国の問題だとしています。

 

現在の世界の不安定要因が発生した原因は、端的に言って、アメリカの対外政策の失敗が理由です。特に、共和党のネオコン、民主党の人道的介入派がアメリカ外交を牛耳ってきた結果、現在の状況にまでなってしまいました。こうしたことは拙著『アメリカ政治の秘密』で明らかにしましたので、是非お読みください。
 

 古村治彦です。

 

 アメリカのトランプ政権の対北朝鮮に対する対応から、アメリカ外交の二元性、ホワイトハウスと国務省が綱引きをしているのだということを書いてみたいと思います。

 

 安倍首相のアメリカ訪問中、北朝鮮はミサイルを発射しました。これに対して、トランプ大統領と安倍首相は緊急で記者会見を行い、北朝鮮のミサイル発射を非難しました(安倍首相が世界の政治の中で重要な役割を果たしているような姿に見えるように北朝鮮が演出をしてくれたように見えます)。その後、北朝鮮の故金正日氏の長男・金正男氏がマレーシアのクアラルンプール空港で毒殺されるという事件も起きました。

 

 そうした中で、トランプ大統領の北朝鮮に対する態度を示す以下のような記事が出ました。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「トランプ氏、対北朝鮮「中国は影響力を」 核増強も表明」

 

ワシントン=峯村健司

2017年2月24日09時08分

朝日新聞

http://www.asahi.com/articles/ASK2S254GK2SUHBI00P.html

 

トランプ米大統領は23日、ロイター通信のインタビューに応じ、北朝鮮の新型弾道ミサイル発射について「強い憤りを感じる」と非難し、日本と韓国へのミサイル防衛システムの配備を急ぐ考えを示した。また、米国は核戦力を増強していくことも表明した。

 

    特集:ドナルド・トランプ

 

 トランプ氏は、北朝鮮による核やミサイルを使った挑発行為をやめさせるには、北朝鮮と関係が深い中国の役割が重要であると指摘。「中国は北朝鮮の脅威を簡単に解決できる」と述べ、中国に影響力を行使するよう圧力をかけていく方針を明らかにした。

 

 さらに、米国の核兵器能力について「他国に劣ることはない」と強調。オバマ前政権が2010年にロシアと結んだ戦略核弾頭を1550発以下に減らす新戦略兵器削減条約(新START)について、「米国が結んだまずい協定の一つ」と批判した。

 

 トランプ氏はまた、ロシアによる地上発射型の巡航ミサイル配備について、中距離核戦力全廃条約に違反すると非難。ロシアのプーチン大統領と会談の予定はまだないとしながらも、「もし会談すればこの問題を提起する」と述べた。(ワシントン=峯村健司)

 

(貼りつけ終わり)

 

 これだけ見ると、トランプ大統領は北朝鮮に対して(と言うよりも中国に対して)、かなり強硬な姿勢を見せているということができます。しかし、一方で、北朝鮮に対しても決して門戸を閉ざしているのではないことを示す以下の記事が出来ました。

 

(貼り付けはじめ)

 

North Korean officials are preparing to come to U.S. for talks with former officials

 

By Anna Fifield February 19

Washington Post

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/north-korean-officials-are-preparing-to-come-to-us-for-talks-with-former-officials/2017/02/19/3f853c04-f6a8-11e6-9b3e-ed886f4f4825_story.html?utm_term=.a5b0e6e82dd9

 

KUALA LUMPUR, Malaysia — Preparations are underway to bring senior North Korean representatives to the United States for talks with former American officials, the first such meeting in more than five years and a sign that Pyongyang sees a potential opening with the Trump administration.

 

Arranging the talks has become a lot more complicated over the past eight days, with North Korea testing a ballistic missile and the assassination of Kim Jong Un’s half brother in Malaysia, an act that many suspect was ordered by the leader of North Korea. Malaysian police on Sunday named as suspects four North Koreans who left the country on the day of the attack. 

 

Analysts also say they highly doubt that Pyongyang, which has insisted on being recognized as a nuclear state, would be willing to moderate its position on its weapons program. 

 

If the talks do take place, they could offer a glimmer of hope for an already-hostile relationship that has only deteriorated as the Kim government works aggressively to develop a nuclear-tipped missile capable of reaching the continental United States.

 

The planning for the “Track 1.5” talks — with the U.S. side made up of the former officials who usually take part in Track 2 talks, but the North Korean side composed of government officials — is still in a preparatory stage, according to people with knowledge of the arrangements.

 

What we know about the alleged assassination of Kim Jong Nam  Play Video2:09

The older half-brother of North Korean dictator Kim Jong Un was killed in Malaysia in an apparent poisoning attack carried out by two female agents. (The Washington Post)

The State Department has not approved the North Koreans’ visas for the talks, which would take place in New York within the next few weeks.

 

“The North Koreans have expressed an interest in engagement, but nothing’s been approved yet,” said one person familiar with the preparations, speaking on the condition of anonymity because they were not authorized to discuss them.

 

Others who have been in touch with North Koreans describe an intense interest in what President Trump might do.

 

“If this happens, it would be an interesting signal to the new administration,” one person said of the discussions.

 

The talks would be the clearest indication yet that Kim wants to talk with the Trump administration. “If this happens, I would take it as a very positive sign from both sides,” said another person with knowledge of the arrangements.

 

In recent years, there have been sporadic Track 1.5 talks that have taken place in Kuala Lumpur, Geneva, Berlin and Ulaanbaatar, Mongolia. But these talks have not taken place in the United States since July 2011, before Kim succeeded his father in North Korea.

 

The planned talks are being organized by Donald S. Zagoria of the National Committee on American Foreign Policy, who served as a consultant on Asia during the Carter administration and has organized previous rounds of such talks. Zagoria declined to comment on the preparations.

 

The talks would be run independently of the State Department, where officials have privately questioned the utility of such discussions. But if the administration issued the visas, it would be an implicit seal of approval. And if the discussions go well, they could pave the way for official talks.

 

Choe Son Hui, the director of the U.S. affairs department in North Korea’s Foreign Ministry, is likely to lead the delegation from Pyongyang. She is well known to American officials, having participated in official meetings including the six-party talks on denuclearization, as well as in other Track 1.5 talks.

 

Choe has a direct line to Kim, according to Thae Yong Ho, the North Korean deputy ambassador to London who defected to South Korea last year.

 

Since Trump was elected, there has been a notable change in North Korea’s usually bombastic rhetoric.

 

Pyongyang had been sharply critical of the Obama administration, saying its policy of “strategic patience” — waiting for North Korea to change its nuclear calculations — was “an aggressive and heinous ‘strategic suffocation’ policy” against North Korea.

 

But in its announcement of its missile launch Feb. 12, the North’s state media did not include its usual bluster about needing a deterrent against the United States and its “hostile policies.”

 

In his own statement after the launch, Trump notably did not condemn Pyongyang. The new president has, in fact, said very little about how he plans to deal with North Korea. “North Korea — we’ll take care of it folks, we’re going to take care of it all,” he said at his news conference last week, without elaborating.

 

His administration is conducting a review of North Korea policy. This provides space to broaden the options for dealing with Pyongyang and an opportunity to influence the new president, analysts say. 

 

While some expect him to take a hard-line approach, encouraged by hawkish advisers, others say that Trump, who prides himself on making deals, could be open to dialogue with the North Korean regime.

 

“U.S. policy is hanging in the balance,” said Adam Cathcart, an expert on North Korea at the University of Leeds in Britain. 

 

“I think the North Koreans ought to be pretty happy, because the Americans have laid off criticizing them too much and have, in fact, been making things quite easy for them,” Cathcart said. “But at some point, they are going to have to decide whether to pick up the cudgel.”

 

For those favoring an even tougher approach to North Korea, recent events have provided plenty of ammunition.

 

On Feb. 12, North Korea tested a ballistic missile for the first time since Trump was elected. The missile appeared to show significant technological advances, with upgraded power and range, and could mark another step in the push toward the capacity to hit Alaska or Washington state.

 

(貼り付け終わり)

 

 この記事は少し古いのですが、2017年2月19日付の『ワシントン・ポスト』紙に掲載されました。北朝鮮外務省のアメリカ担当部長が代表団を連れて、アメリカ訪問を行う準備をしている、というものです。アメリカ側で応対するのは、シンクタンクの幹部で、ジミー・カーター政権で、ホワイトハウスに属する国家安全保障会議、そして国務省で東アジア担当コンサルタントを務めたドナルド・S・ザゴリア(Donald S. Zagoria、88歳)です。ザゴリアは、コロンビア大学で博士号を取得した東アジア専門家で、北朝鮮問題に詳しい人物のようです。

 

 ザゴリアは現在、アメリカ外交政策全国委員会(National Committee on American Foreign Policy、NCAFP)というシンクタンクの上級副会長を務めています。NCAFPの創設者は国際関係論という学問分野でリアリズム(Realism)の泰斗と呼ばれたハンス・J・モーゲンソー(Hans Joachim Morgenthau、1904―1980年)です。ハンス・モーゲンソーの大著『国際政治(Politics Among Nations)』は、国際関係論における古典となり、授業では必ず読みます(日本ではどうかわかりません)。モーゲンソーはイデオロギーを排し、国際関係論を「学問(Science、合理的推論を使いながら、因果関係に基づく法則を発見する行為)」にまで昇華させようと奮闘した学者です。「力(Power)」と「国益(National Interest)」という概念を用いて分析を行う手法を採り、「勢力均衡(Balance of Power)」を主張した人物です。


 古村治彦(ふるむらはるひこ)です。

 

 ヒラリーの側近中の側近、「第二の娘」とまで呼ばれるフーマ・アベディンの別居中の夫アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員のノート型パソコンに残っていた65万通のEメールの新たな調査が始まっています。元々は、ウェイナーのわいせつな内容のメッセージを15歳の女性に送ったという容疑の捜査の過程で押収されたEメールの中に、フーマ・アベディンのEメールも残っていたということで、裁判所からの捜査許諾を受けて、ヒラリーの私的Eメールサーヴァー使用の事件の証拠として捜査することになりました。

 

 アベディンは「夫のパソコンにどうして自分のEメールが残っていたのか、皆目見当がつかない」と発言しているそうです。普通に考えれば、自宅にあるノート型パソコンを2人で一緒に使っていたということだろうと思います。ヒラリーが国務長官在任時、アベディンは、首席補佐官となりましたが、妊娠が分かったので、産休(マタニティ・リーヴ、噺は変わりますが、産休、育休という言葉は休むという言葉が入っていてあまり実態にそぐわないということ感じがあり別の言葉が生み出されるべきではないかと思います)のために、国務省に出勤せずに自宅で仕事をしていたとなると、ヒラリーのスケジュール調整などのやり取りをしていたことは当然考えられます。

 

問題はその中で、国家機密情報をやり取りしていたかどうかということですが、それを示すEメールが見つかったから、FBIのコミー長官も動かざるを得なくなったということになると、フーマ・アベディンの逮捕の可能性は高いということになります。夫アンソニー・ウェイナーは、この件では全く関係ないでしょうが、未成年にわいせつな画像を送った件では起訴されることになるでしょう。

 

 選挙の投開票日までに何か大きな進展はないでしょうが、選挙後に大きな火種として残ることになります。万一、ヒラリーが当選した後も華々しい船出とはなりそうにありません。大統領就任式は2017年1月ですから、それまでの数カ月で事件に動きがあれれば、最悪の大統領就任式となるでしょう。ヒラリーの当選、大統領就任に反対する人々もワシントンに集まり、小競り合いなど暴力事件に発展する可能性もあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

アベディンはウェイナーのノート型パソコンに自分のEメールが残っていたのがどうしてか分からないと語る(Abedin says she doesn't know how her emails ended up on Weiner's laptop: report)

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年10月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/303540-abedin-says-she-doesnt-know-how-her-emails-ended-up-on

 

ヒラリー・クリントンの長年の側近フーマ・アベディンは同僚たちに対して、別居中の配偶者のノート型パソコンにどうして自分のEメールがあったのか全く分からないと語った、と『ポリティコ』誌が報じた。

 

ポリティコ誌の記事によると、アベディンは、FBIがアンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)所有のノート型パソコンから彼女のEメールを見つけたことを知り、驚愕したと語った、と語った。

 

先週金曜日、ジェイムズ・コミーFBI長官は連邦議会に書簡に送り、その中で、ヒラリーの国務長官在任中の私的Eメールサーヴァーの捜査に「関連する」と思われる新たなEメールの調査を行うと述べた。アベディンのコメントはこのニュースの後に出た。

 

ウェイナーはインターネット上で15歳の女性と関係を結んだ容疑で全く別の捜査を受けており、新たなEメールはその捜査過程で発見された。

 

日曜日、FBIは、ウェイナーに対する捜査に関連するノート型パソコンから新たに発見したEメールを調査する許可を得たというニュースが出た。

 

選挙の投開票日の約1週間前になっての新たなEメールの調査が行われることになって、政治の世界は荒らしの直撃を受けたような状態になっている。

 

民主党とヒラリーの側近たちは、新たに発見したEメールの重要性についてもっと詳細な情報を公開するようにFBIに求めている。エリック・ホルダー前司法長官は日曜日にある新聞に論説記事を発表し、その中でコミー長官の書簡送付の決定を非難し、コミーは間違いを犯したと述べた。

 

民主党連邦上院院内総務ハリー・リード連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)は、コミーは書簡を送るという決定をしたことについて法律違反をしていることになると語った。

ヒラリー選対のメンバーはコミーの書簡が前代未聞のことだと異口同音に主張している。

 

一方、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプの側近たちは、民主党のヒラリーを攻撃しようとして、新しい情報を利用している。

 

発見されたEメールの重要性については明確になっていない。

 

日曜日、ヒラリー選対のジョン・ポデスタ委員長は、アベディンはFBIの捜査に十分に協力していると語っている。

 

ポデスタはCNNの「ステイト・オブ・ザ・ユニオン」に出演し、「アベディンは現在マスコミが報道して私たちが見聞きしていること以上のことは知らないと思う」と語った。

 

ポデスタは続けて次のように語った。「適切な当局がフーマ・アベディンに質問するだろう。彼らは彼女に質問するだろう。アベディンは捜査に誠心誠意協力するだろう」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙は、民主党のヒラリー・クリントンが共和党のドナルド・トランプをリードしています。現在のところ、ヒラリーが選挙人では360名(選挙人全体538名の3分の2)近くを獲得するという予測になっています。

 

 それではヒラリーが盤石かというと、そんなことはありません。ヒラリーにはベンガジ事件とEメール問題という2つの問題に加えて、クリントン家(ビル、ヒラリー、娘のチェルシー)が運営するクリントン財団と国務省との間の不適切な関係についての疑惑も出てきました。

 

 こうした疑惑に対して、連邦政府の捜査機関である連邦捜査局(FBI)と起訴を行う機関である司法省に対する共和党からの批判と圧力が強まっています。

 

 ヒラリー・クリントンは2014年12月に自分が使っていたEメールサーヴァーに残っていた30000通のEメールを国務省に提出しました。これらのEメールは機密扱いのものを除いて公開されています。

 

 現在は、FBIが捜査の過程で復元した、消去されたEメール30000通が焦点になっています。これらもまた国務省に提供されています。この復元された30000通のEメールに関しては、情報公開法に基づいて裁判が起こされており、そのために少しずつ公開されていくようですが、今は、国務省が1通1通調査し、分析しているということになっています。

 

これらのEメールの調査によって、ヒラリーが宣誓した後に議会証言で述べたことと齟齬があれば、それは偽証(perjury)となります。アメリカでは宣誓後の発言に事実と異なる内容があれば、嘘をついた、偽証をしたということになって、誰でも逮捕されます。

 

 連邦議会共和党はこの偽証罪による逮捕、もしくはそれをちらつかせてのゆさぶりを狙っているようです。

 

 ヒラリーにとっては投開票日まで息を抜くことの出来ない日々が続きます。

 

(貼り付けはじめ)

 

アサンジ:司法省がクリントンのために「新しい基準を設定した」と発言(Assange: DOJ set ‘new standard’ for Clinton)

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年8月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291526-assange-doj-set-new-standard-for-clinton

 

ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジは、司法省がヒラリー・クリントンに対する疑惑捜査について新しい基準を設けたと発言した。

 

月曜日のCNNの番組「ザ・リード」に出演したアサンジは次のように発言した。「私たちのワシントンにいる弁護士たちが明日、ロレッタ・リンチ司法長官宛てに手紙を送付します。その内容は、リンチ長官に対して、ウィキリークスに対して国家安全保障の面と刑事犯罪の面から6年にわたって捜査を行われ、いまだに打ち切られていない、その理由を質すものです。この捜査が継続されている理由、私が政治的な亡命を続けていることです」。

 

アサンジは続けて、「司法省はヒラリー・クリントンの件を打ち切るために新しい基準を設定したように見えます。ヒラリー・クリントンに対する捜査は1年で打ち切りとなりました」と語った。

 

「ヒラリー・クリントンに対する捜査は打ち切られ、ウィキリークスに対する捜査は続行中。ウィキリークスに対する“法執行手続きが未決定”なのはどうしてでしょうか?これは大きな問題です」。

 

アサンジは、司法省によるウィキリークスに対する捜査と民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンに対する捜査を比較してみせた。

アサンジは司法省のヒラリーに対する調査について「(FBI長官の)ジェイムズ・コミーはヒラリーたちが国家安全保障を損なう意図があったと証明することが出来ないと主張しました。その結果として司法省は起訴しなかったんです。"私たちに対する捜査では、私たちに対する犯罪を行った疑惑など存在しないのです。私たちは情報を人々に向かって公開したこと以外は何もしていないのですよ」と語った。

 

「アメリカ政府は2013年の宣誓証言の中で、私たちが行った情報公開によって誰も傷つけられていないことを認めています。誰かを害するという意図がないこと、誰も酷く傷つけられてはいないということは明らかです」。

 

アサンジは、ヒラリー選対が、アサンジにはアメリカ国籍がないことを強調してウィキリークスの信頼性を低下させようとしているとも述べた。

 

「彼らは何かに酷く怯えているんでしょう。私たちは世界各国で様々な活動を行っています。私たちにはアメリカ駐在のスタッフがいます。そして、どこの国にもスタッフはいるんです」。

 

「繰り返しになりますが、ヒラリー陣営は、民主党全国委員会の幹部4名、その中には委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツも含まれますが、彼らが辞任するに至った情報公開から人々の関心を逸らさせようとしています。」

 

ウィキリークスは2016年7月後半に20000通の民主党全国委員会のEメール(2016年1月後半から5月後半まで)を公開した。

 

Eメールの中には、民主党全国委員会の幹部たちは民主党の予備選挙でヒラリーのライヴァルとなったバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)を妨害しようと計画するような内容のものが含まれていた。

 

アサンジは今月初め、ウィキリークスはEメールの公開はヒラリーの選挙運動を妨害する意図で行ったものではないと述べた。

 

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共和党がヒラリー・クリントンを偽証罪で告訴する準備をしている(GOP lays out case for charging Clinton with perjury)

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/291494-gop-lays-out-case-for-charging-clinton-with-perjury

 

連邦下院共和党の幹部2人が月曜日、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンを偽証罪で捜査をするために司法省に詳細な命令を行うための計画を持っている。

 

1月以上前に、共和党の下院議員たちは初めて、ヒラリー・クリントンが宣誓証言の中で事実ではないことを述べたという疑いがあるので調査をして欲しいと司法省に依頼した。連邦下院の司法委員会と監査委員会の委員長(それぞれ共和党所属)は、連邦検事に対して、ヒラリーが国務省で彼女のEエールをセットアップしたことに関して議会に対して虚偽の証言を行ったと確信していると伝えた。

 

連邦下院ベンガジ問題特別委員会での長時間にわたった証言の中で、4つの場面で、前国務長官ヒラリー・クリントンの発言が、FBIがヒラリーの私的なEメールサーヴァーについて発見した事実と合致しないと下院議員たちは主張している。

 

ボブ・グッドラテ連邦下院議員(ヴァージニア州選出、共和党)とジェイソン・チャフェッツ連邦下院議員(ユタ州選出、共和党)は、ワシントン・コロンビア特別区連邦検事チャニング・フィリップスに次のように語った。 グッドラテは司法委員会の委員長、チャフェッツは監査委員会の委員長をそれぞれ務めている。「FBIの発見した事実とヒラリー・クリントン前国務長官の宣誓証言で合致しない部分があるのではないかという疑いがある。その中でも4つの場面について、FBI長官ジェイムズ・コミーが提出した事実と証拠に基づいて、詳細に調査をする必要がある」。

 

月曜日に出された書簡は、司法省に対して、ヒラリーに対する起訴をするように圧力をかけようとしている徴候を示している。しかし、司法省はヒラリーの機密情報の取り扱いの不備では起訴しないという発表を既に行った。それでも共和党は何とか起訴させようとしている。

 

グッドラテとチャフェッツはまた、ヒラリー・クリントンに対する起訴を行わないという決定を司法省が行ったことについて批判を拡大させようと、ヒラリーに対する起訴に関する考え方を公表しようとしている。月曜日の書簡に加えて、連邦下院監査委員会は、ヒラリーの証言の中で明らかに事実と異なる部分を集めた2分半のヴィデオを発表した。

 

司法省がヒラリー・クリントンを起訴しないというニュースが流れて、複数の共和党員が、ヒラリーが公の場で発言した内容とFBIが発見した事実との間に矛盾があると指摘するようになった。

 

共和党の下院議員たちは、昨年10月にベンガジ委員会でヒラリー・クリントンが行った宣誓証言について指摘を行っている。

 

その1つが、ヒラリー・クリントンは繰り返し、自分の私的なEメールアカウントで機密情報のやり取りをしたことはなかったと述べた。FBIは後にヒラリーの私的なEメールサーヴァーに残っていた少なくとも3通のEメールで、機密情報を示す印が含まれていたが、それらは不完全であって、意図的ではないミスであったと結論付けた。

 

加えて、ヒラリーは、彼女の弁護士たちがEメールを一つ一つ調査したと主張した。また、業務に関わる全てのEメールは全て2014年に国務省に提出した、更には国務長官在任中にはEメールサーヴァーを1つしか使用しなかったとも主張した。共和党の下院議員たちはこれらのポイントがそれぞれ不正確であったと主張している。

 

下院議員たちは次のように書いている。「ヒラリー・クリントン前国務長官による宣誓証言の中の4つの部分がFBIの捜査で発見された事実と合致しない。私たちは、この情報が司法省の起訴に関する考慮に資することを願っている」。

 

今月初め、司法省は、グッドラテとチャフェッツに対して、司法省は情報を見直しており、「必要があれば適切な行動を取るだろう」と通告した。

 

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報告:クリントンの側近中の側近が国務省在職中にクリントン財団を助けた(Top Clinton aide at State Dept. helped Clinton Foundation: report)

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年8月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291188-top-hillary-state-aide-helped-clinton-foundation

 

CNNは木曜日(2016年8月12日)、ヒラリー・クリントンの側近中の側近が国務省に在職中にクリントン財団のために働いていた、と報じた。

 

シェリル・ミルズは、国務省でヒラリー・クリントン長官の首席スタッフとして勤務しながら、クリントン財団への就職を希望する人物の面接を行った。

 

クリントン家の慈善活動財団は、2009年にヒラリーが国務長官に就任した時に、いくつかのルールを定めることに同意した。このガイドラインでは、財団の活動が「ヒラリー・クリントンが国務長官就任で、利益の衝突(相反)やその可能性が出てくるようなことが起きないように」すると定めてあった。ヒラリー・クリントンは現在、民主党の大統領選挙候補者だ。

 

CNNによると、2012年6月、ミルズはニューヨークに出向き、クリントン財団の幹部の地位に就くことを希望するビジネスの世界では著名なある人物2名を面接した。

 

ミルズの弁護士によると、国務省に在職中、ミルズがクリントン財団のために働く場合には、ヴォランティアとして行うことは厳しく守られていたし、報酬も受け取らず、政府のお金をかかった経費に充当することもしなかった、ということだ。

 

ヒラリー陣営の報道担当ブライアン・ファロンは木曜日、「シェリルは、他の慈善活動の時と同じく、個人の時間を慈善財団のために無償で提供した」と述べた。

 

ファロンは続けて次のように語った。「シェリルは、ニューヨークまでの旅費を個人で支払った。そして、彼女が行ったことは国務省での仕事とは全く関係ないものであったことは明らかだ。利益の衝突(相反)があったという考えは全くもって馬鹿げている」。

 

CNNは、「ミルズはファイザー社とウォルマート者からの転職希望者を面接した」と報じた。

 

ファイザー社もウォルマート社も共にクリントン財団の大口献金者である。また、クリントン・グローバル・イニシアティヴのパートナーでもある。

 

ミルズは現在、クリントン財団の理事であり、アフリカ各国でのビジネスに特化した開発組織を運営している。

 

批判者たちは、新たに公開されたヒラリーの側近の出したEメールは、国務省とクリントン財団がかかわる汚職事件の存在の兆候を示していると主張している。

 

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スクープ:クリントン財団についての徹底的な捜査を行うかどうか内部で議論が行われた(First on CNN: Inside the debate over probing the Clinton Foundation)

 

ドリュー・グリフィン、パメラ・ブラウン、シモン・クロウペック筆

2016年8月11日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/08/11/politics/hillary-clinton-state-department-clinton-foundation/

 

CNN発。FBIと司法省の幹部が数カ月前に集まって、クリントン財団に関する汚職事件を捜査するべきかどうかを議論した、とあるアメリカ政府高官が証言した。

 

当時、3名の捜査担当者は捜査を開始すべきだと主張した。クリントン財団に寄付を行っている外国人の怪しい動きをある銀行から通報を受けたため、彼らは捜査をしたいと述べたのだ、と前出の政府高官は証言した。

 

FBIの幹部たちは、ヒラリーの国務長官在任中に国務省とクリントン財団との間の利益の衝突(相反)に犯罪性があったかどうかを捜査したいと述べた。

 

司法省は、注目を集めた著作『クリントン・キャッシュ』が発売される1年前からクリントン算段に関する様々な疑いについて調査を行っていた。しかし、犯罪性が証明されないことがわかり、起訴に至るまでの証拠が不十分であることが分かった。

 

結果として、司法省幹部は今年初めの会議の中で事件化を行わないと決定した。また、捜査依頼が実質的なものと言うよりも政治的な意図があるように思われることに懸念を持つ人々もいた。国務省とクリントン財団との関係に関する捜査に入るタイミングが、ヒラリーの私的Eメールサーヴァーとヒラリーの大統領選挙戦と重なるということも懸念の材料になった。

 

ヴァージニア州知事テリー・マカリィフィと彼のクリントン財団への献金者との関係について、FBI側は捜査を行いたいと前出の会議で主張した。司法省側は捜査を継続しても良いが、クリントン財団に対する事件化を行わないようにと述べた。

 

クリントン財団、FBI、司法省の代表はそれぞれコメントを拒否した。

 

今週、クリントン財団に対する関心は高まった。ヒラリーの国務長官在任中のEメールが新たに公開され、その内容から、国務省とクリントン財団との関係について疑義が生じた。

 

新たに公開されたヒラリーのEメールは、国務省とクリントン財団との関係に光を当てるものであった。

 

CNNが調査した結果、ヒラリーの側近シェリル・ミルズは国務長官首席スタッフとして勤務していた当時、クリントン財団にもかかわっていたことが明らかになった。2012年にミルズはニューヨークを訪れ、クリントン財団の運営幹部の地位に就職希望の2名のビジネス界では有名な人物をそれぞれ面接した。国務省は、ミルズのニューヨーク訪問は彼女の個人的な時間の中で行われたとしている。ミルズの弁護士は「彼女はそうしたことを慈善財団へのヴォランティアで行った。報酬も受け取っていない」と述べている。

 

クリントン選対は声明を発表した。その中で「これらの活動全ては彼女の国務省での責務とは全く関係なことははっきりしている。利益の衝突(相反)があるなどという考えは馬鹿げている」と述べている。

 

先月、連邦議会で行われた公聴会において、FBIのジェイムズ・コミー長官は、クリントン財団が捜査中であるかどうかについて発言することを拒否した。コミー長官は、「捜査が行われているのか、行われていないのかについてコメントすることはない」と述べた。

 

利益の衝突(相反)が犯罪行為となるためには、政府職員(公務員)が、退職後の雇用やお金のような対価を受け取ったということを示す証拠がなければならない。

 

ジュディシャル・ウォッチが新たに公開した編集済みのEメールの中に、そのような汚職を示す内容はなかった。しかし、これらのEメールの内容から、国務省とクリントン財団との関係が近すぎるのではないか、特にヒラリーが国務長官就任時に、不適切な関係が出てくるのを防ぐために財団にはかかわらないと明言した後でも近すぎたのではないかという疑問が出てくる。

 

犯罪を構成するようなことがなくても、利益の衝突(相反)を生じさせる可能性がある場合には、国務省の首席監察官はそれを調査し、必要な場合には行政上の修正を加えなければならない。国務省首席監察官室は、今年に入ってからヒラリー在任中の国務省とクリントン家との間の関係を調査している。しかし、この問題については何も発表していない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)











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古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙で、共和党の候補者ドナルド・トランプをリードしている、民主党の候補者ヒラリー・クリントンのアキレス腱である、Eメール問題で進展がありました。

 

 ヒラリーのEメール事件(ウォーターゲート事件にちなんで、Eメールゲートとも呼ばれます)とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件の調査の過程で、「ヒラリーが国務長官在任中に、国務省が用意したハッキング対策がしっかりし、国務省の公式の記録として保存されるEメールアカウントではなく、私的なEメールアカウントを使っていた」ということが明らかになったことです。ニューヨークの自宅にある私的なEメールサーヴァーではハッキングに対して弱いこと、国務長官の業務に関しての記録が保存されないものが出てくる可能性があったこと、トップシークレット、機密情報をこのような脆弱なシステムでやりとしていたことは国家安全保障上の大きな問題であることなどから、ヒラリーと彼女の周辺は、「政治家の資質に欠ける」として、大変な批判を受けました。

 

 2014年12月にヒラリーは国務省に対して、国務長官在任中にやり取りしたEメールで残存していた30000通を提出しました。この30000通に関しては、FBIも捜査を行い、そのうちの110通で機密情報がやり取りをされていたことが確認されました。FBIは、「国家機密を脆弱なシステムでやり取りをしたことは国家を危険に晒す行動であった」という訴えを受けて捜査を行いました。FBIのコミー長官は、ヒラリーと彼女の周辺が、機密情報を私的なEメールアカウントでやり取りをしたが、大変に注意と配慮に欠けた行動であったが、これは何もこうした情報を漏えいさせよう、危険に晒そうという意図を持ってやったものではなかったとして、司法省に対して起訴すべきではないと報告しました。

 

 ヒラリーが2014年に国務省に提出したEメールは既に公開されています。今回問題になっているのは、ヒラリーが国務長官在任中にやり取りしたEメールの中で、消去されていたものを復元した30000通です。この復元を行ったのはFBIです。そして、復元されたEメールは記録保存の意味もあって国務省に提供されています。

 

 現在、国務省が持っている復元された30000通のEメールは、現在、分析作業が行われていますが、公開の日程は決まっていません。国務省に対しては、情報公開法に基づいて複数の訴訟が起こされ、それぞれにこの復元された30000通のEメールの公開を求めています。そのうちの主要な訴訟が保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチの訴訟です。そして、今回、ジュディシャル・ウォッチが手に入れたEメールのうち、3通で、

ヒラリーが長官在任中の国務省とクリントン財団との間に不適切な関係があったのではないかという疑いを起こさせる内容のやり取りが含まれていたのです。

 

 その内容は、クリントン財団がその関係者に対して、国務省の力を利用して便宜を図ってもらいたいという依頼を行ったというものです。口利きやあっせんということになります。

 

 消去された30000通のほんの一部からこのような内容のものが見つかったとなれば、残りにはどんな内容があるのかということは誰でも疑問に思うことですし、国務省が用意したEメールアカウントを使わなかったのは、こういう不適切な内容のやり取りが記録して残らないようにするためだったということは容易に考え付くことです。

 

 国務省が全部の公開までには75年もかかるなどというふざけたことを言っていると、ヒラリーに対する批判はますます大きくなっていくでしょう。「ヒラリーは政治家としての資質に欠けている」「公私の区別がしっかりしていない」という批判はますます大きくなっていくでしょう。

 

 また、国務省の用意したEメールアカウントであればしなかったであろう、赤裸々なやり取りで、もし大変なスキャンダルとなるものがあれば、ヒラリーにとっては命取りになるでしょう。焦点は、国務省がこれら復元されたEメールをいつ公開するかです。有権者の判断材料とするためには、一刻も早い全面公開が求められます。しかし、分析の手続きの煩雑さや人手不足を理由にして、国務省としては、選挙が終わるまで公開しないということにするでしょう。

 

 そうなると、「この選挙はヒラリーを勝たせるための、捻じ曲げられた、不正選挙であった」ということになって、ヒラリーがたとえ当選しても、その正当性がいつまでも疑問視されてしまうことになるでしょう。アメリカはますます分裂し、実際にヒラリー自身の身にも危険が及ぶことがあるかもしれません。

 

 しばらくあまり取り上げられなかったヒラリーのEメール問題ですが、新たな展開を見せています。

 

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消去されたヒラリー・クリントンのEメールは、選挙後まで秘密のままにされるかもしれない(Deleted Clinton emails might remain secret until after election)

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/290906-deleted-clinton-emails-might-remain-secret-until-after-election

 

ヒラリー・クリントンの国務長官当時の業務に関わるEメールで消去されたものがFBIによって復元されたが、それらの内容については公開されていない。これによって、「大統領選挙投開票日までにこれらの内容がこうかいされるのかどうか」という疑問が広がっている。

 

FBIは、ヒラリーによって消去された業務に関わるEメールが「数千通」発見されたと発表したが、国務省はそれらを発表するスケジュールを決定していない。公に発表される時期については連邦判事たちが決定する。

 

国務省報道官のエリザベス・トゥルードウは火曜日、本誌の取材に対して文書で「私たちはFBIからこの材料(material)を受け取ったばかりで、現在どのような手続きを踏むべきかを検討中だ」と回答した。

 

情報公開法に基づいた複数回の請求と複数の訴訟では、Eメールの復元と提出が求められている。保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチとヴァイス・ニュースのジャーナリストであるジェイソン・レオポルドが訴訟を起こしている。

 

FBIは1年間にわたり行われたヒラリーのEメール装備に関する捜査の過程で、消去された30000通のEメールの中で数は特定されていないが、複数を復元した。これらのEメールが調査されたが、ヒラリーを起訴するに足るだけの証拠は見つけられなかった。

 

ヒラリーは、2014年末に保管の目的のために、国務省に別の30000通のEメールを提出した。

 

FBIのジェイムズ・コミー長官は先月、復元されたEメールの中で、国務長官の業務に関わるものは「数千通」あり、その中の3通には機密とされる情報が含まれていたと述べた。この時、コミーは、FBIはヒラリーが意図的に透明性に関する法律を破ったとする証拠は発見できなかったとし、ヒラリーと彼女の側近たちは過度に注意不足であったと述べた。

 

先週金曜日(2016年8月5日)、FBIは復元したEメールの最後の数千通を国務省に提供した。国務省には、これらのEメールを精査して、どれを機密扱いにして、公開する対象から除くのかを決定する責任がある。

 

国務省報道官トゥルードウは次のように述べている。「私たちはクリントン前長官から国務省に提出された材料を適切に調査した。私たちは、FBIからの追加された更なる材料について適切にかつ適法に分析し、業務に関するEメールがどれかを特定し、それらを私たちの法的な責務に基づいて公開できるようするであろう」。

 

作業の遅れによって、ヒラリーの消去されたEメールが11月の本選挙前に公開される可能性が不透明な状況になっている。

 

アメリカ科学者協会で政府の機密部門の責任者をしているスティーヴン・アフターグッドは本誌の取材に対してEメールで回答してきた。その中で、「言いにくいことだが、Eメールの内容に関して、業務関連かどうかについて、どこに線を引くかは決まっていないのだ」と書いている。

 

選挙後まで公開が遅れることによって、これは隠蔽工作だという批判が高まるのは間違いない。共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、選挙は自分に不利になるように、「仕組まれ、腐りきった」ものとなっていると批判し、Eメールが公開されないことをその証拠として挙げるだろう。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長で、長年にわたりヒラリーを攻撃してきたトム・フィットンは、「全てを平等に扱うということなら、選挙までにEメールは公開されるべきだ。しかし、国務省がクリントン夫人の選挙戦を有利に働かせようとしている状況では、そんなことは不可能なことなのだ」と述べた。

 

フィットンは「見苦しい遅延工作は許されない」とも語った。

 

11月8日の投開票日の数週間前に、Eメールが公開されれば、これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。これによってアメリカの人々はヒラリーの政治家としての能力と適正に関する問題に関して再び批判を強めるだろう。ヒラリー陣営としては極力触れられないようにしようとしていたことである。

 

 

Eメールをいつ公開するのかを決定する責任のほとんどは、究極的には、ワシントンの数名の連邦判事たちの手にある。彼らはヒラリーのEメールに関する情報公開法に基づく訴訟を担当している。判事たちはこれからの数週間で公開に関する手続きを含めたスケジュールを決定し、その実行を命じるだろうと考えられている。

 

前出のアフターグッドは「決定は国務省だけが行うのではない」と語った。

 

判事たちは国務省に対して、ヒラリーのEメールの発表を遅らせないように求めたが、国務省は情報公開法に基づく訴訟に対応するための人手や資源が不足していると常に訴え、分析にかかる時間がもう笑うしかないほどにかかると主張している。今年6月、共和党全国委員会の起こした訴訟に対応するためにヒラリーの側近からヒラリーへのEメールを分析するのには75年もの時間が必要になるだろうと国務省が主張したことがあった。

 

連邦判事が消去されたEメールに最初に関わる機会は2016年8月22日にある。この日にジェイムズ・ボーズバーグ判事はジュディシャル・ウォッチの起こした訴訟に関しての聞き取りを担当する。

 

全く別の情報公開法に基づく訴訟における弁論の中で、オバマ政権の法律家たちは今週、消去されたヒラリーのEメールの分析に関する決定は、8月22日の聞き取りの日までには行われないだろうと述べた。

 

政府側の法律形は次のように述べた。「復元された材料の中の連邦政府の記録が国務省の記録だとし、国務省がジュディシャル・ウォッチの起こした訴訟の当事者だとするならば、訴訟において分析のためのスケジュールを取ることは、限られた司法の資源を効率的に使うという点で最も利益の大きいものとなる」。

 

11月8日の投開票日までに、数千通のEメールが公開されるための残された日数は2か月半しかない。

 

加えて、消去されたEメールに関する複数の訴訟はその中身が微妙に違っており、ジュディシャル・ウォッチの訴訟で適応されるルールが、他の訴訟で証拠として必要とされているEメールに対して適応されないということが起きる可能性がある。こうした相違点によって、Eメール分析の時間が更に必要になり、そうなると公開までにもっと多くの時間を必要とするようになる。

 

ジャーナリストであるレオポルドは、月曜日の夜に行われた法廷での弁論で次のように訴えた。「国務省は時間がかかるという主張をしている。問題は、それを何とかして解決するか、もしくは本訴訟やその他の訴訟において、大統領選挙の投票日を過ぎても発表しないという遅延をそのままにしておくか、ということだ。そうなれば、情報公開法によって保障されている情報を本訴訟の原告やアメリカ国民に与えないままにするということになる」。

 

消去されたEメールが国務省のウェブサイトに掲載されるか、もしくはレオポルドのような訴訟当事者に直接渡すようにという法廷の命令が出るかどうかははっきりしない。2014年にヒラリーから国務省に提出された30000通のEメールの場合は、2014年中にウェブサイトに掲載された。以前に公表されたEメールは、裁判所の命令に準じて、昨年中に月に1回のペースで公開された。そのために、昨年はヒラリーと彼女の選対にとっては痛手となる報道が続けられた。この裁判所の命令は恐らく今回の消去されたEメールに関しては適用されないだろう。

 

ヒラリーのEメールに関して訴えを起こしている訴訟当事者たちは、彼らが手に入れたEメールの内容を公開したいという熱意を持っている。

 

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新たに公表されたヒラリーのEメールの中で、不適切な関係の兆候があると批判者が発表(Critics see signs of improper ties in new Clinton emails)

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/291006-critics-seen-signs-of-improper-ties-in-new-clinton-emails

 

共和党は、新たに公表されたヒラリーの側近からヒラリーへのEメールを手に入れ、それらを調査して、国務省とクリントン財団との間の汚職の兆候があると発表した。

 

保守系のグループであるジュディシャル・ウォッチによって新たに公開された44通のEメールの内、3通が国務省幹部とクリントン家と関係を持つ人々との間で不適切な関係があったことを示す兆候がある。

 

1つ目のEメールは、2009年初に、ビル・クリントン元大統領の「付き人」を務めた

人物が国務省にいるヒラリー・クリントンの側近に対して、氏名は分からない誰かに「便宜を図って」くれるように依頼するメッセージを送ったものだ。

 

2つ目のEメールは、元付き人、名前をダグ・バンドというが、彼がヒラリーの側近フーマ・アベディンとシェリル・ミルズに対して、財団の献金者でレバノン系ナイジェリア人の富豪と国務省内のレバノン関係の「然るべき人」をつなぐように依頼するものであった。

 

3つ目のEメールは、モルガンスタンレー・アジア社社長がヒラリーに対して、彼が連邦議会で行った証言の記録を送ってきて、「私ができる方法で」、ヒラリーの仕事を手助けさせて欲しいようにというものであった。その翌日、ヒラリーは、アベディンに対して、「大使館やその他のイヴェント」で彼を「北京」とつなぐようにと命じた。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプの陣営は水曜日、報道陣に対して、「最新のEメールスキャンダルが明らかにしたのは、コネや便宜に関するものであった」と厳しく批判した。

 

共和党全国委員会の報道担当マイケル・ショートは声明の中で次のように述べている。「クリントン財団が便宜を図るように求めたのが、ヒラリー・クリントンが国務長官になってわずか3カ月しか経過していない時期であったことが大きな問題だ。また利益の衝突(相反)、倫理的に正しくない行いや契約などをヒラリーが今度はホワイトハウスに持ち込むことになるだろうという推論も無理なく成り立つ」。

 

新たに公開されたEメールは、ヒラリーの行動を裏付ける証拠として新たに付け加えられるもので、これまでに発表されたEメールは、大統領選挙を通じて常に彼女に付きまとう批判の基になっている。

 

今年の6月、ヒラリーと国務省は、「ヒラリーが国務長官時代に、彼女の2008年の大統領選挙の選対にいた金融トレイダーを、その適性が全くないのに、国務省の諜報・情報顧問会議のメンバーに任命しようと圧力をかけた」という疑いが出てきて、それについて批判に晒された。

 

新たに公表されたEメールの中で、ある国務省職員は、この金融トレイダー、ラジフ・ファーナンドは「クリントンの事務室の“強い主張”によって加えられた」と書いている。

 

この夏に公開されたEメールの中で、ヒラリーの側近であるフィリップ・レインズは、「彼は大統領の健康管理会議のメンバーにでもなれるんじゃないの?」と冗談を書いていた。

 

ヒラリーを批判する人々は、Eメールが少しずつ明らかにされることについて、これは、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンがニューヨークにある彼女の自宅に置いてある私的なサーヴァーから約30000通のEメールを削除することで、彼女の政治家としての資質とEメールと財団に関する問題に関する議論が起きないようにしようとしているのだと訴えている。ジュディシャル・ウォッチが今週になって新たに明らかにしたEメールは、2014年に保管のためにヒラリーが国務省に提出した数千通の業務関連のEメールの中にはなかったものである。

 

火曜日夜に発表された声明の中で、トランプ陣営の国家政策担当責任者スティーヴン・ミラーは次のように述べている。「彼女は公的な役職を個人の富を増やす手段としか見ていない。そして、彼女が手にする1ドル1ドルは、公共の福祉を犠牲にして、彼女にもたらされているのだ」。

 

「この最新の発見は、政府が腐敗していることを示す、見苦しい証拠である。そして、ヒラリー・クリントンが最初から嘘をつき続けている証拠でもあるのだ。更には、FBIの捜査を妨害するために彼女は嘘をつき続けたし、Eメールを消去したという結論が合理的に導き出される」。

 

FBIは1年間にわたって続けられた機密情報の間違った取扱いに関する捜査の中で消去されたEメールを復元した。その数は公表されていない。この中には、国務長官の業務に関するものと考えられ、国務省に提供されるべきEメールは「数千通」ある。

 

これらのEメールの多くが現在行われている記録公開に関する訴訟の対象となっているが、これらが11月の投開票日までに公開されるかどうかははっきりしない。

 

国務省のエリザベス・トゥルードウ報道官は火曜日、記者たちに対して次のように語った。「国務省は、クリントン前長官から発信された、もしくは彼女が受け取ったEメールに関して、FBIから文書を受け取った。これらは2014年12月にクリントン前国務長官が国務省に提出したEメールとは全く別のものだ」。

 

トゥルードウ報道官は「クリントン前長官のEメールに関する情報公開法に基づく請求が数多くなされている。私たちは現在、それらに対応することに集中している」と語った。

 

国務省は、ヒラリーの政府街の人間関係が国務長官としての責務に影響を与えたことはないと述べている。

 

この夏、FBIのジェイムズ・コミー長官は、国務省とクリントン財団との間の不適切な関係について捜査をする可能性があるかと問われ、その可能性について言及することを拒否した。

 

しかし、ヒラリーのEメール問題は1年以上にわたり取り上げ続けられており、ヒラリーに対する人々の信頼を大きく損ねている。彼女の私的なEメールサーヴァーとクリントン財団に関して人々の関心が集まり続けるならば、批判もまた大きくなっていくだろう。

 

火曜日夜のフォックス・ニュースに出演したトム・コットン連邦上院議員(アーカンソー州選出、共和党)は次のように語った。「司法においては、目撃者や当事者が証拠を破壊したら、彼らの主張とは全く逆の推論をすることが許される。クリントン財団とヒラリー・クリントン率いる政府両方において汚職がなされていたということを考えると、私は、アメリカ国民は全く逆の推論をするのが合理性に適っていると考える」。

 

コットン上院議員は「彼女は公的機関の調査を避けるために特にEメールサーヴァーを設置した。ヒラリー・クリントンについては彼女のEメールに関する論争とクリントン財団についての論争があるが、これらは2つの全く関係のない論争ではない」と語った。

 

コットン上院議員は更に「これらは結局同一の問題について論争をしていることなのだ」と語った。

 

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記者が報道官に対して、ヒラリー・クリントンのEメールに関して爆発:「私は英語を話していませんか?」(Reporter goes off on spokeswoman over Clinton emails: 'Am I not speaking English?)'

 

ケイトリン・イレック筆

2016年8月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/291181-frustrated-reporter-goes-off-on-state-dept-spokeswoman-am-i-not

 

木曜日(2016年8月11日)、国務省報道官の答えに対してある記者が不満を表明した。この記者は報道官に対してクリントン財団について、倫理上の問題があったかどうかを質問した。

 

記者たちは、国務省報道官エリザベス・トゥルードウに対して、ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に、クリントン財団と国務省の間で不適切な関係があったかどうかを次々と質問した。

 

記者たちが異口同音にこのような質問をするのは、2009年からのヒラリーのEメールが新たに公開され、その中で、クリントン財団とつながりを持つ長年にわたるクリントン家に近いある人物が、ヒラリーの側近に対して、全く不適格な人物に対してある地位を与えるように求める内容のものがあった。

 

トゥルードウは、国務省は様々な人物と「定期的に接触を持って」いると答えた。

 

アソシエイティッド・プレス(AP)通信のマット・リーはこの答えに不満を覚え、トゥルードウに食って掛かった。

 

リーは「失礼ですが、私は英語を話していませんかね?」と言った。

 

「私はそんなに詳しくはありませんがね、国務省が様々な人たちと様々な接触を行うことについて、誰も良くないとか悪いことだなんて言っていません。私はそんなことを質問していません。私たちが聞いているの名は、不適切な関係があったとあなたが言えるのかどうかということです」。

 

ヒラリーに対する批判者たちは、長年にわたり、ヒラリーが国務長官在任中に、クリントン財団との関係で、利益の衝突(相反)があったのではないかという疑問を呈してきた。ヒラリー・クリントンは現在、民主党の大統領選挙候補者である。

 

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 アメリカ外交こぼれ話を皆様にご紹介します。USAIDについては、拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所、2012年)、2つ目の記事に出てくるヴィクトリア・ヌーランドについては副島先生の『日本に恐ろしい大きな戦争が迫り来る』(講談社、2015年)をお読みください。

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オバマは側近ゲイル・スミスを
USAIDの運営のために送る(Obama Taps Insider Gayle Smith to Lead USAID)

 

デイヴィッド・フランシス筆

2015年4月30日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2015/04/30/obama-taps-insider-gayle-smith-to-lead-usaid/?utm_content=buffer5a164&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

 バラク・オバマ大統領はヴェテランのアフリカ専門家で、側近でもある人物に米国国際開発庁(USAID)の運営を任せると発表した。この動きは、スキャンダルにまみれた支援専門の政府機関をホワイトハウスに近づけようとするものだ。

 

 ゲイル・スミスは現在、国家安全保障会議(NSC)開発問題担当上級部長であり、長年にわたり大統領国家安全保障問題担当補佐官スーザン・ライスと一緒に仕事をしてきた。元ジャーナリストのスミスはビル・クリントン元大統領とも深い関係があり、クリントン政権では国家安全保障会議のアフリカ担当上級部長とUSAID顧問を務めた。

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ゲイル・スミス

 

 連邦上院の承認を受けた後、スミスは、ここ数年スキャンダルが頻発している、予算総額220億ドルの巨大政府機関を運営することになる。また、USAIDは世界規模の災害に対してうまく対応できなくなっている。

 

 昨年、USAIDは、ソーシャル・メディアのアカウントを使ってキューバの若者たちに向かってカストロ政権を転覆するように訴えたと批判されている。同時期、オバマ政権はキューバとの外交関係を再構築しようとしていた。その数カ月後、USAIDのラジヴ・シャー長官はアメリカとキューバとの間の歴史的な展開が発表される数時間前に辞任した。この際、辞任理由は発表されなかった。シャーは5年にわたりUSAID長官を務めた。

 

 2013年、複数の捜査の結果、2006年から2012年までの間にUSAIDによってアフリカに送られたマラリア薬の20%(6000万ドル分)が裏市場に流れたことが明らかになった。

 

 しかし、医者でもあるシャーは実績も残した。彼は昨年アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱に対する対応に成功した。その際にいくつかの医療上の新展開も起きた。その中には医療従事者向けの新たな防御スーツも含まれている。現在、USAIDは世界中に展開しており、チベットの大地震からシリアの難民問題など様々な危機に対処している。

 

 木曜日に発表された声明の中で、オバマ大統領は、スミスの「エネルギーと情熱はアメリカの国際開発政策を主導する力となってきた」と述べた。ジョン・ケリー国務長官はスミスの「責任感は変革の時期に必要なものであり、変革を起こすために必要なものだ」と述べた。

 

 各支援団体はスミスのUSAID長官の指名を歓迎している。スミスは連邦上院の承認を受けられると確実視されている。USグローバル・リーダーシップ・コアリションのリズ・シュレイヤー会長は、「共同体、アメリカ政府、世界各国と彼女は良好な関係を持ち、尊敬を集めている。それによって、USAID指導部はスムーズに交替し、うまく運営していくことが出来るだろう」と述べた。オックスファム・アメリカ政策とキャンペーン担当副会長ポール・オブライエンもスミスの指名を賞賛した。

 

 スミスはアフリカの専門家であり、彼女の専門性はUSAIDの新たな展開にとって必要なものだ。オバマ政権は二期目のスタート当初、予算70億ドルを割いてパワー・アフリカ・イニシアティヴを始めると発表した。パワー・アフリカ・イニシアティヴはアフリカ大陸全体で電気使用を拡大させようとする計画であるが、完全な成功を収めてはいない。

 

(終わり)

 

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米国務省幹部外交官はトルコの政府官僚たちとの間で「アホなブロンド」事件を起こした(Senior U.S. Diplomat Raises ‘Dumb Blonde’ Incident with Turkish Officials)

 

ジョン・ハドソン

2015年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2015/05/01/victoria-nuland-raises-dumb-blonde-incident-with-turkish-officials/?utm_content=buffer11424&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

トルコの首都アンマンの市長は、警察の暴力について選択的に批判を行った米国務省報道官マリー・ハーフを「馬鹿なブロンド」と呼んだ。これに対して米国務省は非難とユーモアの混ざった対応を行った。

 

 悪役を買って出たのはヨーロッパ・ユーラシア問題担当国務次官補ヴィクトリア・ヌーランドだった。金曜日、ワシントンDCフォギー・ボトムにある米国務省の報道官はヌーランドが「トルコの政府高官たちについて不適切なコメントをした」と述べた。

 

 好漢、より正確には道化役を演じたのが駐トルコ米大使ジョン・バスだ。バスはSNSのインスタグラムに加工した写真を掲載した。その写真はバスが金髪になった写真でその下に「アメリカの外交官:私たちは全員金髪です」とキャプションが付けられていた。

 

 バスの連帯を示すための滑稽な行動に対して、アンカラ市長メリウ・ゴチェックは今週初めにソーシャル・メディアを使って、米国務省に対してボルティモアでの警察の暴力に関する偽善を批判した。

 

ハーフと米国務省の幹部たちは2013年にイスタンブールで起きた抗議活動に対するトルコ政府の厳しい弾圧を批判した。フレディ・グレイの死に対して抗議活動が今週ボルティモアで発生した。これを受けてトルコの与党である「正義と発展」党の幹部であるゴチェックはツィッターで、トルコの政府系新聞が掲載したハーフの写真と記事のタイトルを掲載した。そのタイトルは「トルコの警察が過大な暴力を行使していると述べたアホなブロンド女はどこにいる?」というものであった。

 

ゴチェックは英語で次のようなコメントを付けた。「ブロンド女よ、今すぐ答えろ」。

 

 今回の事件について木曜日に定例記者会見で質問された時に、ハーフは、「私は何か反応を示すことで、彼らの行為を際立たせるようなことはしたくないのです」と述べた。

 

(終わり)









 
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